説明

洗米装置

【課題】貯米庫に残っている米が少ない状況下でも洗米作業が行えると共に、出来る限り貯米庫内の米を有効に使用することができるようにする。
【解決手段】貯米している米を計量器12にて計量して米を洗浄する洗米槽5に投入する貯米庫7と、貯米庫7及び洗米槽5の動作を制御する制御部6とを備えた洗米装置において、貯米庫7は、米が予め設定された残量以下になったことを検知する検知手段15を備えており、制御部6は、検知手段15の検知後からの計量器12による米の計量値を基に洗米可能な可能洗米量を求め、可能洗米量を洗米槽における洗米量の上限として制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、貯米している米を計量器にて計量して米を洗浄する洗米槽に投入する貯米庫を備えた洗米装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、業務用の炊飯機には、貯米している米を計量器にて計量する貯米庫と、貯米庫からの米が投入されて当該米を洗米する洗米槽とを備えた洗米装置が具備されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に示すような炊飯機の洗米装置においては、貯米している米を計量器にて計量し、計量した米が洗米槽に投入されることで米を洗米することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−36524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示したような洗米装置では、貯米庫内の米が少なくなると、センサにより米不足であることを検知して、米不足が検知されると、貯米庫に米が補充されるまで当該貯米庫の米を洗米槽に投入することができなかった。その結果、貯米庫に米が残っているにも関わらず、洗米作業を停止しなければならない場合があった。特に、洗米槽にて洗米する量よりも多い米が、貯米庫に残っている場合であっても、貯米庫に米を補充しない限り、洗米作業ができないものとなっていた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、貯米庫に残っている米が少ない状況下でも洗米作業が行えると共に、出来る限り貯米庫内の米を有効に使用することができる洗米装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、貯米している米を計量器にて計量して米を洗浄する洗米槽に投入する貯米庫と、前記貯米庫及び洗米槽の動作を制御する制御部とを備えた洗米装置において、前記貯米庫は、米が予め設定された残量以下になったことを検知する検知手段を備えており、前記制御部は、前記検知手段の検知後からの計量器による米の計量値を基に洗米可能な可能洗米量を求め、前記可能洗米量を洗米槽における洗米量の上限として制御する点にある。
前記検知手段が作動したときに、米の補給を促す表示をする表示装置を備えていることが好ましい。前記表示装置は、前記可能洗米量を表示するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、貯米庫に残っている米が少ない状況下でも洗米作業が行えると共に、出来る限り貯米庫内の米を有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の洗米装置を具備した炊飯機の全体図である。
【図2】米の計量状態を示す説明図である。
【図3】制御部における入出力のブロック図である。
【図4】表示装置の操作部の説明図である。
【図5】表示部の画面の一例を示す図である。
【図6】残米の表示を説明する説明図である。
【図7】計量器による計量を開始してから洗米工程に至るまでの動作を示すフローチャートである。
【図8】変形例における貯米タンクの内部を示す内部図である。
【図9】満杯指令を設定する説明図である。
【図10】予測残量の表示の一例を示す図であって、(a)kg表示、(b)升表示、(c)運転回数表示である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の洗米装置を図面に基づいて説明する。
図1は、洗米装置を備えた炊飯機を示している。
図1、図2に示すように、この炊飯機1は、主に、洗米装置2と、この洗米装置2で洗米された米を炊飯する炊飯器3と、これら炊飯器3、洗米装置2を支持する装置フレーム4とを備えたものである。洗米装置2は、米を貯米する貯米庫7と、この貯米庫7の下側に設けられて貯米庫7にて計量された所定量の米が投入される洗米槽5と、CPU等から構成されて様々な制御を行う制御部6とを備えたものである。
【0009】
貯米庫7は、略箱型に形成されたケース10と、このケース10内に設けられた漏斗状の貯米タンク11と、米を計量する計量器12とを有している。ケース10の上部は、蓋体13により開閉自在とされていて、この蓋体13を開いて貯米タンク11内に米を補給可能となっている。ケース10の前面には、各種設定を行う表示装置14が設けられている。
図2に示すように、貯米タンク11内には、米が予め設定された残量以下になったことを検知する検知手段15が設けられている。具体的には、検知手段15は、所定の位置にて米があるか否か(米の有無)を検知するセンサー(米不足検知センサ)であって、米の有無を示す信号は制御部6に入力されるようになっている。この米不足検知センサ15は、貯米タンク11が徐々に狭くなる(漏斗状部)に設けられていて、当該位置にて検知センサが米が無いことを検知したときの、貯米タンク11内の米の残量は、洗米槽5にて1回の運転にて洗米できる最大量となっている。
【0010】
つまり、米不足検知センサ15は、貯米タンク11内の米の量が、洗米槽5にて1回で洗米できる最大洗米量以下となったときに作動するように位置設定がなされている。この実施形態では、米不足検知センサ15が作動すると、大凡貯米タンク11内の米の残量は10kgとなっている。
計量器12は、貯米タンク11の下部に計量駆動装置8により横軸回りに回転自在に設けられ、米を投入する投入口17を備えた筒状のもので、計量駆動装置8により横軸回りに回転することによって米を計量するものである。詳しくは、図2の矢印N1、N2に示すように、計量器12を回転することにより、貯米タンク11に貯米された米が投入口17から計量器12内に入り、当該計量器12を1回転する毎に計量器12内に米が充填されて洗米槽5(洗米タンク20)に投入されるものとなっている。この実施形態では、計量器12を1回転する毎に0.75kg分の米を計量するものとなっており、例えば、計量器12が5回転すると3.75kgの米を計量したことになる。
【0011】
洗米槽5は、米が投入される洗米タンク20と、この洗米タンク20内の米を攪拌する攪拌部材21とを備えている。洗米タンク20は、貯米庫7(ケース10)の下端に設けられて、貯米庫7内に設けられた計量器12により計量された米が上端から投入される構造となっている。洗米タンク20の下端には開口部22が形成されている。攪拌部材21は、上下軸芯回りに回転して米を攪拌するもので、攪拌駆動装置(図示省略)により軸心廻りに回転駆動するものとなっている。
洗米槽5の下部には、開口部22を覆うように排水ジャケット23が設けられ、この排水ジャケット23内には、当該排水ジャケット23に形成された排米口27を上下動により開閉する円錐状の排米弁28が設けられている。排水ジャケット23は、パイプ(配管)を介して排水ボックス24に接続されている。
【0012】
したがって、排米弁28により、排水ジャケット23の排米口27を閉鎖した状態では、洗米タンク20からの排水を排水ジャケット23へと流し、排水ジャケット23の排米口27を開放した状態では、洗米タンク20からの水等を炊飯器3へと投入することができるようになっている。
また、洗米タンク20の上部側には、給水ノズル30が設けられ、この給水ノズル30には給水源(水)を供給するための給水路(配管)32が接続されている。また、給水路32には、給水路32を電気信号により開閉する開閉弁(電磁開閉バルブ)33と、流量
センサ34とが設けられている。
【0013】
したがって、制御部6からの指令信号により開閉弁33を開くことによって、給水ノズル30から水が洗米タンク20内へと供給され、制御部6からの指令信号により開閉弁33を閉鎖することによって、給水ノズル30から洗米タンク20への水の供給を停止することができるようになっている。
炊飯器3は、上端開口状の内釜40と、この内釜40が上方から挿脱自在に挿入されて収納される外釜41と、内釜40の上端開口を開閉自在に閉塞する蓋体43と、内釜40の下方に配置されていて該内釜40を加熱するガスコンロ、IHヒータ等の加熱手段等とを有している。この炊飯器3は、装置フレーム4に略水平方向一方向に設けられた載置台42に載置されていて、載置台42を介して引き出し自在とされている。
【0014】
このような炊飯機1の動作を簡単に説明すると、運転開始後、まず、計量器12が作動して表示装置14等によって設定された米の量が計量されながら洗米タンク20へ投入されて、洗米タンク20内にて米が洗米され、洗米後、洗米された米及び水加減水は炊飯器3へと投入されて、炊飯器3内にて炊飯される。
本発明によれば、貯米庫7内の米が少なくなってきている状況下にて、制御部6等の制御によって、貯米庫7に残っている米を出来る限り有効的に使用することができるようにしている。この制御部6は、少なくとも貯米庫7や洗米槽5の動作を制御するものである。なお、制御部6は、炊飯器3を制御するものであっても炊飯機1の全体の制御を行うものであってもよい。この制御部6は表示装置14に搭載されていて、表示装置14の制御も行う。
【0015】
以下、表示装置14の説明に合わせて制御部6について説明する。
図4に示すように、表示装置14は、表示部50と、炊飯機1の各種設定や選択等を行う操作部51と、制御部6とを備えている。この表示装置14では、表示部50に表示された設定項目を操作部51で選択したり、設定項目の設定内容を操作部51により操作して内容の変更等をすることによって、炊飯機1における各種設定を行うことができるようになっている。
表示装置14の操作部51は、設定キー52と、スタートキー53と、予約キー54と、取消キー55と、上キー56、下キー57、左キー58、右キー59、補助機能キー60とを備えている。これらの各キーは、ケース10の前面に設けられていて、表示部50の周囲に配置されている。表示装置14の表示部50は、液晶パネルから構成されていてケース10の前面に設けられている。
【0016】
図5に示すように、表示部50は、主に、炊飯の状態を示す初期画面Aと、各種設定を行うメニューセット画面Bと、このメニューセット画面Bとは異なっていて補助機能を表示する補助機能画面Cとを表示する。
炊飯機1の電源を入れると、表示部50には、初期画面(運転中画面)Aが表示されるようになっており、初期画面Aで設定キー52を押すと、メニューセット画面Bに画面が切り替わる。また、初期画面Aで補助機能キー60を押すと、補助機能画面Cに画面が切り替わる。メニューセット画面Bにてスタートキー53を押すことによって炊飯機1の運転が開始するようになっている。
【0017】
図5に示すように、初期画面Aでは、炊飯の工程が示されるようになっており、米を計量器12により計量中である計量工程A1、米を洗米槽5(洗米タンク20)内で洗米中である洗米工程A2、洗米槽5(洗米タンク20)内で洗米後に米のザル上げを行うザル上げ工程A3、洗米槽5(洗米タンク20)に所定の水を計算して水加減水を給水する水加減工程A4、洗米槽5(洗米タンク20)内の米及び水加減水を炊飯器3に投入する排米工程A5、炊飯器3内でお米を浸している浸し工程A6、炊飯器3にて炊飯を行っている炊飯工程A7、お米を炊飯器3内で蒸らすむらし工程A8、米の炊きあがりを示す炊きあがりA9を表示するもので、カーソル等の点滅によってどの工程であるか分かるようになっている。
【0018】
また、図5に示すように、メニューセット画面Bでは、炊飯量M1、水加減水M2、モードM3、ザル上げM4、むらしM5の各種項目がそれぞれ表示されると共に、各種項目
(炊飯量の設定、水加減水量の設定、自動、準備、洗米等の設定、ザル上げ時間の設定、むらし時間の設定)が行えるようになっている。メニューセット画面Bに表示された各種項目は、上キー56、下キー57、左キー58、右キー59等の各種キーにより設定できるようになっている。
制御部6は、米不足検知センサ15が作動して米の残量が少なくなったことを検知すると、米不足検知センサ15の作動後からの計量器12の回転数をカウントして、このカウント数に基づいて、洗米可能な可能洗米量(可能運転量)を求め、可能洗米量を上限として当該洗米槽5における洗米動作を制御するものとなっている。言い換えれば、制御部6は、計量器12による米の計量値を基に洗米可能な可能洗米量を求め、可能洗米量を洗米槽5での上限として当該洗米槽5を制御する。
【0019】
具体的には、まず、米不足検知センサ15が作動した信号が入力されると、制御部6は、式(1)により、洗米可能量を求める。
可能洗米量=(米不足検知センサが作動したときの貯米タンク内の米の残量)−1回転当たりの計量器の計量値×米不足検知センサ作動後の計量器の回転数
・・・(1)
例えば、米不足検知センサが作動したときの貯米タンク内の米の残量(設定残量ということがある)が10kgで、1回転当たりの計量器の計量値(設定計量値)が0.75kg、米不足検知センサ作動後の計量器の回転数が6回転であると、可能洗米量は、5.5kgとなる。制御部6には、設定残量、設定計量は、予め設定されている。上述したように、設定残量が10kg、設定計量が0.75kgであると、可能洗米量は表1に示すようになる。
【0020】
【表1】

【0021】
なお、ここでは、説明の便宜上、可能洗米量を求めているが、この可能洗米量は、炊飯機1において運転可能な可能炊飯量と同じことであり、可能洗米量を運転可能な炊飯量(可能炊飯量)と置き換えて考えることもできる。
図6に示すように、制御部6は、米不足検知センサ15が作動して米不足になると表示部50を制御することによって、初期画面Aにおいて米の補給を促す表示「貯米庫にお米を、補給して下さい」をすると共に、可能洗米量の算出後は、初期画面Aに、可能洗米量を表示[残り4.0升]をする。なお、可能洗米量の計算では、その計算単位を「kg」としていたが、図6や表1に示すように、計算単位を「升」にしてもよい。また、可能洗米量を表示する際には、初期画面Aにおいて貯米庫7の相当する部分に、可能洗米量の値を
表示することが好ましい。
【0022】
また、制御部6は、米不足検知センサ15が作動している状況下にてメニューセット画面Bにおいて炊飯量をキー等で設定する際、メニューセット画面Bでの炊飯量が可能洗米量以上とならないように当該メニューセット画面Bにおける炊飯量を規制する。これにより、可能洗米量を洗米槽の動作における洗米量の上限としている。例えば、図6に示したように、可能洗米量が4.0升である場合、制御部6は、メニューセット画面Bにおける炊飯量の設定では、設定する炊飯量が4.0升を超えて設定することができないキーにおける設定を制限する(炊飯量制限)。
【0023】
図7は、計量器による計量を開始してから洗米工程に至るまでの制御部6による動作を示したものである。
まず、貯米タンク11内の米不足検知センサ15が作動しているか否か(米不足状態であるか否か)を判定する(S1)。米不足検知センサ15が作動して米不足状態であるときは、表示部50に米の補給を促す表示(米補給表示)を行う(S2)。また、米が不足となったことを示す音を、表示装置14に内臓されたスピーカ(報知部62)により所定時間、鳴らす(S3)。
【0024】
米不足検知センサ15が作動せず米不足状態でないときは、表示部50に米の補給を促す表示は行わない(S4、米補給表示の消灯)。計量駆動装置8を駆動させる計量器12を作動させる(S5)。計量器12の回転数をカウントする(S6)。ここで、米不足状態であるときは、米不足状態になったときからの計量器12における回転数もカウントしておく。つまり、米不足検知センサ15の作動後の計量器12の回転数も記憶しておく。
計量器12の回転数により計量値の合計(1回の運転における全計量値)を計算する(S7)。計量器12による全計量値が予め設定した炊飯量(例えば、メニューセット画面Bにて設定した炊飯量)に達したか否かを判定する(S8)。計量器12による全計量値が予め設定した炊飯量に達した場合は、計量駆動装置8の駆動を停止して計量器12による計量を終了する(S9)。計量器12による全計量値が予め設定した炊飯量に達しなかった場合は、計量器12による計量を待機状態にする(S10)。
【0025】
次に、米不足状態であるか否かを判定して(S11)、米不足状態であるときは(S11,Yes)、米不足検知センサ15の作動後の計量器12の回転数、設定残量及び設定計量を用いて、可能洗米量(可能炊飯量)を求める(S12)。そして、表示部50に可能洗米量を表示する(S13)。また、次の運転に備えて、可能洗米量(可能炊飯量)以上に洗米が行えないように、メニューセット画面Bにおける炊飯量の設定において、設定する炊飯量が可能洗米量(可能炊飯量)を超えて設定することができないように設定値を制限する(S14)。即ち、可能洗米量を洗米槽5における洗米量の上限としている。言い換えれば、制御部16の制御により、米不足検知センサ15が作動している状態にて炊飯量の設定を行うときには、設定する炊飯量は可能炊飯量を超えないようになっている。
【0026】
本発明によれば、貯米庫7は、米が予め設定された残量以下になったことを検知する検知手段15を備えており、制御部6は、検知手段15の検知後からの計量器12による米の計量値を基に洗米可能な可能洗米量を求め、可能洗米量を洗米槽5における洗米量の上限としているため、貯米庫7に残っている米が少なくなった状態でも、直ちに洗米槽5による洗米が行えないようになることはなく、貯米庫7に残っている米に対しても洗米を行えることができる。即ち、貯米庫7に残っている米を出来る限り有効的に使用することができ、米不足状態後でも、貯米庫7に残っている米を全て洗米することも可能である。
【0027】
また、表示装置14において、検知手段15が作動したときには、米の補給を促す表示をすると共に、可能洗米量を表示することから、米不足状態であることを作業者が容易に認識できる。しかも、米不足状態においても可能洗米量から残りの米の量が容易に把握できるため、洗米量を容易に設定することができる。例えば、表示装置14に表示された可能洗米量を、メニューセット画面Bにおいて設定する炊飯量と同じ値にすれば、貯米庫7に残米している米を略全部使い切ることができる。
図8〜図10は、洗米装置の変形例を示したものである。
【0028】
この変形例では、貯米庫7(貯米タンク11)に米を満杯にしたときの米の量を設定し
、貯米タンク11内の米が洗米槽5に投入される度に、貯米タンク11内の米の残量を計算していき、米不足状態のときも、出来る限り貯米タンク11内の米を使用しようというものである。
具体的には、図8に示すように、まず、貯米タンク11の内側(内面)に、例えば、米の満杯を示す満杯ライン63を設け、貯米タンク11において米の満杯が分かるようにする。図9に示すように、一方で、制御部6の制御により、補助機能画面Cに「貯米庫補給設定」のメニューを設け、補助機能画面Cにて「貯米庫補給設定」を選択することにより、制御部6に貯米タンク11が満杯になっていることを示す満杯指令(予測残量のリセット)が設定できるようにする。満杯指令が設定されると、制御部6に記憶されている米の残量が貯米タンク11の満杯量(例えば、60kg)となる。
【0029】
この変形例においては、作業者が貯米タンク11内に米を補充して、貯米タンク11内の米を満杯にすると(米を満杯ライン64まで入れる)、キー等により補助機能画面Cに移行して、キー等により「貯米庫補給設定」を選択する。
そうすると、制御部6に記憶されている米の予測残量が貯米タンク11の満杯量となり、図10に示すように、当該予測残量を表示部50に表示する。なお、表示部50に表示する予測残量の単位は、図10(a)、図10(b)に示すように、「kg」としてもよいし、「升」にしてもよい。また、予測残量の代わりに、図10(c)に示すように、所定の炊飯量を基準に残り回数(所定の炊飯量を一定としたときの残りの運転回数)として表示してもよい。計量が開始されて、貯米タンク11内の米が徐々に少なくなると、計量器12にて計量した全計量値に基づき、米の予測残量を再計算し、再計算した予測残量を表示部50に表示する。
【0030】
このようにすることにより、表示部50に表示された予測残量から貯米庫7(貯米タンク11)から米を使用する毎に当該貯米タンク11内の米の残量を把握することができる。なお、米不足検知センサ15が作動すると、制御部6内の予測米の残量を補正する。具体的には、米不足検知センサ15が作動したときの予測残量と、米不足検知センサ15が作動したときの設定残量との差があるときは、予測残量を設定残量に一致させて、予測残量を表示部50に表示する。
このように、変形例を用いても貯米タンク11内の米の残量を表示することができ、洗米を繰り返して行うに際し、常に、貯米タンク11内の米の残量を把握しながら運転を行うことができる。
【0031】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記の実施形態では、炊飯機1に具備された洗米装置2を例示しているが、洗米装置2のみの装置であってもよい、炊飯器3が備えられていないような装置に対しても適用することが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 炊飯機
2 洗米装置
3 炊飯器
5 洗米槽
6 制御部
7 貯米庫
12 計量器
15 検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯米している米を計量器にて計量して米を洗浄する洗米槽に投入する貯米庫と、前記貯米庫及び洗米槽の動作を制御する制御部とを備えた洗米装置において、
前記貯米庫は、米が予め設定された残量以下になったことを検知する検知手段を備えており、前記制御部は、前記検知手段の検知後からの計量器による米の計量値を基に洗米可能な可能洗米量を求め、前記可能洗米量を洗米槽における洗米量の上限として制御することを特徴とする洗米装置。
【請求項2】
前記検知手段が作動したときに、米の補給を促す表示をする表示装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載の洗米装置。
【請求項3】
前記表示装置は、前記可能洗米量を表示するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の洗米装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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