説明

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

【課題】 塗膜硬度、耐擦傷性、透明性に優れ、更に金属蒸着基材、ガラス基材、プラスチック基材(特に易接着処理を施していないポリオレフィン基材)との密着性に優れた硬化塗膜を形成するための活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、シリカ(B)及び酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を含有してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関し、更に詳しくは、塗膜硬度、耐擦傷性、透明性に優れ、更に金属蒸着基材やガラス基材、プラスチック基材(特に易接着処理を施していないポリオレフィン基材)との密着性に優れたコート層を形成する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、放射線硬化型樹脂組成物は、ごく短時間の放射線の照射により硬化が完了するため各種基材へのコーティング剤や接着剤、又はアンカーコート剤等として幅広く用いられている。
中でもプラスチック基材の表面に硬化被膜を形成するものとして、ウレタン(メタ)アクリレート、または他の多官能(メタ)アクリレートを含むウレタン(メタ)アクリレート、および有機溶媒を分散媒とした疎水化シリカゾルとからなる表面硬化用塗料(例えば、特許文献1参照。)や、分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と活性水素を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレート及び一次粒径が1〜200ナノメートルのコロイダルシリカを含有する硬化型樹脂組成物(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。
【特許文献1】特公昭63−38056号公報
【特許文献2】特開2001−113649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1及び2の開示技術では、プラスチック基材に対する密着性はある程度認められるものの、金属蒸着された基材に対する密着性やガラス面に対する密着性については全く考慮されておらず、本発明者が詳細に検討したところまだまだ満足のいくものではなく、更に、耐擦傷性や透明性についても更なる改良が求められるものであった。
【0004】
そこで、本発明ではこのような背景下において、塗膜硬度、耐擦傷性、透明性に優れ、更に金属蒸着基材、ガラス基材、プラスチック基材(特に易接着処理を施していないポリオレフィン基材)との密着性に優れたコート層を形成する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)とシリカ(B)を含有する組成物において、モノマーとして酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を更に含有させることにより、塗膜硬度、耐擦傷性、透明性に優れ、更に金属蒸着基材、ガラス基材、プラスチック基材(特に易接着処理を施していないポリオレフィン基材)との密着性に優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、シリカ(B)及び酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を含有してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関するものである。
【0006】
本発明では、更に、沸点が100℃以上の有機溶媒(D)を含有することが平滑な塗膜を形成する点で好ましい。
また本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、塗膜形成用の樹脂組成物として用いることが好ましく、特に金属蒸着された基材、ガラス基材、プラスチック基材(特に易接着処理を施していないポリオレフィン基材)へのトップコート剤として用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、シリカ(B)及び酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を含有してなるため、得られる硬化被膜は、塗膜硬度、耐擦傷性、透明性に優れ、更に金属蒸着基材、ガラス基材、プラスチック基材(特に易接着処理を施していないポリオレフィン基材)との密着性に優れた効果を有するものであり、特にはかかる基材へのトップコート剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明で用いられる分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)は重合性の化合物であり、通常は分子内に2〜10個の(メタ)アクリロイル基を有するものであればよい。また、かかる重合性化合物はモノマーまたはオリゴマーでもよく、例えば、(メタ)アクリル系モノマー、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物から選ばれる少なくとも1種のアクリル系重合性化合物が挙げられる。中でも特に、(メタ)アクリル系モノマーとウレタン(メタ)アクリレート系化合物との混合物を用いることが多官能化を容易にする点で好ましい。
(メタ)アクリレート系モノマーとウレタン(メタ)アクリレート系化合物を併用する場合には(メタ)アクリレート系モノマー:ウレタン(メタ)アクリレート系化合物=0.1:99.9〜95:5(重量比)であることが好ましく、特には0.1:99.9〜50:50(重量比)、更には0.1:99.9〜30:70(重量比)であることが好ましく、上記範囲以外では塗膜形成が困難となり好ましくない。
【0009】
(1)(メタ)アクリル系モノマーとしては、具体的には、ポリオールと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリル系モノマーであり、
(2)ウレタン(メタ)アクリレート系化合物としては、具体的には、分子内に末端イソシアネート基を有する化合物に、水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加して得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物であり、
(3)エポキシ(メタ)アクリレート系化合物としては、具体的には、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート系化合物であり、
(4)ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物としては、具体的には、ポリオールと多塩基酸又はその酸無水物を縮重合してなるポリエステルポリオールに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート系化合物である。
【0010】
上記(1)の(メタ)アクリル系モノマーにおいて、ポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,9−ノナンジオール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタン−ジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAジオキシプロポキシエーテル、ビスフェノールAジポリオキシプロポキシエーテル、ビスフェノールAジオキシエトキシエーテル、ビスフェノールAジポリオキシエトキシエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0011】
かかる(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等[以上、2官能の(メタ)アクリル系モノマー];トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等[以上、3官能以上の(メタ)アクリル系モノマー]が挙げられる。
【0012】
上記(2)のウレタン(メタ)アクリレート系化合物において、上記分子内に末端イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、ポリイソシアネート、又は、上記(1)の化合物におけるポリオールとして例示されているものにポリイソシアネートを反応させて得られるもの等を挙げることができる。
【0013】
上記(2)のウレタン(メタ)アクリレート系化合物のうち、上記ポリオールとして、上記分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物と一価の酸又は一価のアミンとを反応させて得られるものを使用したものは、例えば、予め分子内に1個の水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物とポリイソシアネートとを反応させて得られる1分子中に1個のイソシアネート基を有する化合物に、分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物と一価の酸又は一価のアミンとを反応させて得られるポリオールを反応させて、エステル結合及びウレタン結合を有するウレタン変性エポキシアクリレートとして得ることができる。
【0014】
上記(2)におけるポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系及び芳香族−脂肪族系等のうちのいずれのものであっても良く、このようなものとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、フェニルジイソシアネート、ハロゲン化フェニルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、オクタデシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシーアネート、ナフチレンジイソシアネート、3−フェニル−2−エチレンジイソシアネート、クメン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フュニレンジイソシアネート、4−エトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4′−ジイソシアネートジフェニルエーテル、5,6−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジイソシアネートジフェニルエーテル、ベンジジンジイソシアネート、9,10−アンスラセンジイソシアネート、4,4′−ジイソシアネートジベンジル、3,3−ジメチル−4,4′−ジイソシアネートジフェニル、2,6−ジメチル−4,4′−ジイソシアネートジフェニル、3,3−ジメトキシ−4,4′−ジイソシアネートジフェニル、1,4−アンスラセンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,10−デカンメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート等のジイソシアネート類;これらジイソシアネート類のヌレート体、ビュレット体、アダクト体;2,4,6−トリレントリイソシアネート、2,4,4′−トリイソシアネートジフェニルエーテル等のトリイソシアネート類等を挙げることができる。
【0015】
上記(2)における水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクレリート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、及び、これらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等を付加して得られるアルキレンオキサイド変性又はラクトン変性の化合物等を挙げることができ、また、これらの化合物にポリイソシアネートを付加した化合物を用いることもできる。
【0016】
上記(3)のエポキシ(メタ)アクリレート系化合物における分子内に少なくとも2個のエポキシ基又はグリシジル基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、2,6−キシレノール、臭素化ビスフェノールA、フェノールノボラック等を含有するグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸等を含有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂、芳香族又は複素環族アミン等を含有するグリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環型のエポキシ樹脂、エポキシ基又はグリシジル基を有するアクリル樹脂等を挙げることができる。
【0017】
上記(4)のポリエステル(メタ)アクリレート系化合物において、ポリオールとしては上記と同様のものが挙げられる。
上記(4)のポリエステル(メタ)アクリレート系化合物において、多塩基酸又はその酸無水物としては特に限定されず、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸、コハク酸、ドデシニルコハク酸、メチルグルタル酸、ピメリン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、カービック酸、ヘット酸、アコニット酸、グルタコン酸、これらの酸無水物等を挙げることができる。
【0018】
上記の分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)は1種又は2種以上を併用して用いられる。
【0019】
本発明においては、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)として、上記(1)〜(4)等のものを使用することができ、これらのものは、含有する不飽和結合の関与によって重合反応が生じて活性エネルギー線により硬化されるが、必要に応じて、更にその他の不飽和結合を有する化合物、例えばジアリルフマレート、トリアリルイソシアヌレート等を含有することもできる。
【0020】
本発明においては、上記分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)は、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものであることが耐擦傷性の点で好ましい。
【0021】
また、本発明で用いるシリカ(B)としては、特に限定されないが、シリカゾルとして含有させることが耐擦傷性及び塗膜の応力緩和による基材からの塗膜の剥離を抑制する点で好ましく、特には親水性シリカゾルが後述の酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)との相溶性の点で好ましい。
更に、シリカ(B)の平均粒子径30nm以下であることが透明な塗膜を形成する点で好ましく、特には1〜30nm、更には5〜20nmであることが好ましく、かかる平均粒子径が上記上限値を超えると塗膜の白化を招くこととなり好ましくない。
かかるシリカ(B)においては、例えば、日産化学社製の「PGM−ST」、「TOL−ST」、「IPA−ST」、「IPA−ST−S」、「IPA−ST−UP」、「IPA−ST−MS」、「メタノールシリカゾル」、「MA−ST−MS」「MEK−ST」、「MEK−ST−MS」、「MIBK−ST」、「XBA−ST」、「PMA−ST」、「NPC−ST−30」などの市販品を用いることができる。
【0022】
本発明で用いられる酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)としては、特に限定されないが、例えば、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C1)、カルボン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)、スルホン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C3)などが挙げられ、これら1種又は2種以上併用して用いられる。
【0023】
かかるリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C1)としては、特に限定されないが、エチレン性不飽和基を1個有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物として、例えば、2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、リン酸エチレン(メタ)アクリレート、リン酸トリメチレン(メタ)アクリレート、リン酸1−クロロメチルエチレン(メタ)アクリレートなどが挙げられ、エチレン性不飽和基を2個以上有するリン酸基含有エチレン性不飽和化合物として、例えば、ビス(2−メタクリロイロキシエチル)ホスフェート、ビス(2−アクリロイロキシエチル)ホスフェート、エチレンオキサイド変性リン酸ジアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸トリアクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸トリメタクリレート等が挙げられる。なかでもエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を用いることが耐擦傷性の点で好ましく、特にはビス(2−アクリロイロキシエチル)ホスフェートが基材密着性の点で好ましい。
【0024】
また、カルボン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)としては、例えば、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、アクリル酸ダイマー、EO変性コハク酸アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸などが挙げられ、なかもで 2−アクリロイロキシエチルフタレート、アクリル酸ダイマー、EO変性コハク酸アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレートが好ましい。
スルホン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C3)としては、例えば、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸アミン塩、p−スチレンスルホン酸アミン塩 などが挙げられ、なかでもアリルスルホン酸が好ましい。
【0025】
かくして本発明では、上記の、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、シリカ(B)及び酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を含有するわけであるが、各成分の含有量については、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)100重量部に対して、シリカ(B)を50〜400重量部、好ましくは100〜300重量部、更に好ましくは100〜250重量部含有し、酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を0.1〜25重量部、好ましくは0.15〜10重量部、更に好ましくは0.3〜5.0重量部含有することが好ましい。シリカ(B)が上記下限値未満では硬化収縮により金属蒸着面がアンダーコート面から剥離する傾向にあり、上限値を超えると耐擦傷性が低下する傾向にある。酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)が上記下限値未満では金属蒸着面との密着性が低下する傾向にあり、上限値を超えると蒸着金属の腐食の要因となる傾向がある。
【0026】
本発明では、上記の分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、シリカ(B)及び酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)に加え、沸点が100℃以上の有機溶媒(D)を含有することが塗膜白化防止の点で好ましく、かかる有機溶媒(D)としては、特に限定されないが、例えば、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−メトキシ−2−プロパノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、n−ブチルアルコールなどの炭素数3〜10、好ましくは炭素数4〜8のアルキル基を有するアルコール、4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチルなどの酢酸エステル類、アセト酢酸エチル、トルエン、キシレン等が挙げられ、中でも塗膜白化防止やリン酸基含有エチレン性不飽和化合物との相溶性の点で、1−メトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノン等が好適であり、特にはこれらを2つ以上組み合わせて使用することも好ましい。
【0027】
かかる有機溶媒(D)の含有量については、有機溶媒(D)を含めた樹脂組成物全体に対して20〜90重量%、特には20〜80重量%、更には30〜75重量%であることが好ましい。有機溶媒(D)の含有量が上記下限値未満では白化の原因となり、上限値を超えると塗膜形成が困難となる傾向にある。
なお、本発明において、上記のシリカ(B)としてシリカゾルを用いる場合、かかるシルカゾル中に含まれる有機溶媒が沸点100℃以上の有機溶媒であれば、本発明における有機溶媒(D)として含めるものとする。
【0028】
また、本発明では、紫外線照射により硬化を図る場合には、更に光重合開始剤(E)を含有させることが好ましい。
光重合開始剤(E)としては、光の作用によりラジカルを発生するものであれば特に限定されず、具体的には、ベンジルメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピレンフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、4′,4″−ジエチルイソフタロフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、α−アシロキシムエステル、アシルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ジメチルアミノ安息香酸、ジメチルアミノ安息香酸アルキルエステル等が挙げられ、中でもベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジメチルアミノ安息香酸、ジメチルアミノ安息香酸アルキルエステルが好ましく用いられる。これら光重合開始剤(E)は1種又は2種以上併用して用いられる。
【0029】
光重合開始剤(E)の含有量としては特に限定されないが、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)及び酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)の合計100重量部に対して、1.5〜25重量部、更には3〜25重量部、特には4〜20量部であることが好ましい。光重合開始剤(E)の含有量が上記下限値未満であると紫外線硬化性が悪くる傾向になり、逆に上限値を超えても効果は変わらず経済上不利であり好ましくない。
【0030】
本発明においては、上記(A)〜(C)、更に(D)や(E)成分に加えて、必要に応じて更に、表面調整剤、重合禁止剤等を添加することができる。
表面調整剤としては特に限定されず、例えば、セルロース系添加剤、アルキッド樹脂等を挙げることができる。
かかるセルロース系添加剤、アルキッド樹脂は、塗布時の造膜性を付与する作用や、金属蒸着面との接着性を上げる作用を有する。該セルロース系添加剤としては、流動性を低下させるために数平均分子量15000以上の高分子量品が好ましく、このようなものとしては、例えば、セルロース−アセテート−ブチレート樹脂等を挙げることができる。
【0031】
重合禁止剤としては、例えばp−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−t−ブチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール等を挙げることができる。
【0032】
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、(メタ)アクリル系樹脂、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、レベリング剤(シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等)、安定剤、補強剤、艶消し剤、研削剤、無機粒子(シリカを除く。)等を配合することも可能である。
【0033】
かくして本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が得られ、各種基材へのトップコート剤やアンカーコート剤など、塗膜形成用の硬化型樹脂組成物として有効に用いられる。中でも基材へのトップコート剤としての使用が特に有効で、金属蒸着された基材、ガラス基材、プラスチック基材などの基材面へのトップコート剤として非常に有用である。
【0034】
基材への活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗工に際しては、溶剤に溶解して溶液状態としたり、加熱して溶融状態としたりして一般のアプリケーターあるいはロールコーター、バーコーター等により塗工することができる。
【0035】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、基材に塗工後、活性エネルギー線によって硬化されるのである。活性エネルギー線照射により硬化するに当たっては、電子線照射や紫外線照射など種々選択できるが、中でも紫外線照射が利便性の点で好ましく、紫外線照射による硬化方法としては、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、100〜3000mJ/cm2程度、好ましくは200〜1000mJ/cm2程度照射すればよいが、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の場合は、硬化性に非常に優れるため、200〜700mJ/cm2程度であっても優れた塗膜硬度、密着性、耐擦傷性を奏するのである。
【0036】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン系樹脂等やそれらの成型品(フィルム、シート、カップ、等)、金属等に対しても優れた密着性能を有するが、特には、金属蒸着された基材やガラス基材、易接着処理を施していないポリオレフィン基材に対する密着性に優れ、これら基材へのトップコート剤として非常に有用である。
【実施例】
【0037】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中で「%」、「部」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を表す。
【0038】
[分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)]
下記の(A−1)〜(A−3)を用意した。又、比較例として(A−4)も用意した。
(A−1)
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート66.6g(0.3モル)、ペンタエリスリトールトリアクリレート118.5g(0.2モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(重合禁止剤)0.2g(400ppm)を仕込み、Air雰囲気下、反応温度65℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系樹脂(A−1)溶液を得た。
【0039】
(A−2)
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート66.6g(0.3モル)、平均分子量2000のポリオール(エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/アジピン酸縮合体(旭電化社製「アデカニューエースV14−90」)400g(0.2モル)酢酸エチル74.3gを仕込み、Air雰囲気下、90℃で反応させ、残存イソシアネート基が2.5%となった時点で、温度を70℃に下げ、ハイドロキノンモノメチルエーテル(重合禁止剤)0.2g(400ppm)及びペンタエリスリトールトリアクリレート118.5g(0.2モル)を加え反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系樹脂(A−2)溶液を得た。
【0040】
(A−3)
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(共栄社化学社製「ライトアクリレートPE−4A」)
(A−4)
イソボルニルアクリレート(東亞合成社製「アロニックスM−156」)
【0041】
[シリカ(B)]
下記の(B−1)及び(B−2)を用意した。
(B−1)
シリカゾル(日産化学社製、「PGM−ST」)(平均粒子径10〜15nm、濃度30%(溶媒:1−メトキシ−2−プロパノール(沸点:120.1℃)))
(B−2)
シリカゾル(日産化学社製、「IPA−ST」)(平均粒子径10〜15nm、濃度30%(溶媒:イソプロピルアルコール(沸点:82.4℃)))
【0042】
[リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C1)]
下記の(C−1)及び(C−2)を用意した。
(C1−1)
2−メタクリロイロキシエチルホスフェート(共栄社製、「P−2A」)
(C1−2)
ビス(2−メタクリロイロキシエチル)ホスフェート(共栄社製、「P−1A」)
【0043】
[カルボン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)]
下記の(C2−1)及び(C2−2)を用意した。
(C2−1)
2−アクリロイロキシエチルフタレート(東亞合成社製、「M−5400」)
(C2−2)
アクリル酸ダイマー(東亞合成社製、「M−5600」)
【0044】
[有機溶媒(D)]
下記の(D−1)及び(D−3)を用意した。
(D−1)
4−メチル−2−ペンタノール(協和発酵ケミカル社製、「MIBC」)(沸点:131.6℃)
(D−2)
4−メチル−2−ペンタノン(協和発酵ケミカル社製、「MIBK」)(沸点:115.9℃)
(D−3)
1−メトキシ−2−プロパノール(「PGM」)(沸点:120.1℃))
なお、(D−3)はシリカ(B)に含まれる有機溶媒に由来するものである。
【0045】
[光重合開始剤(E)]
下記の(E−1)及び(E−2)を用意した。
(E−1)
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、「Irgacure184」)
(E−2)
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、「Darocure1173」)
【0046】
実施例1〜10、比較例1〜3
表1に示す如き組成配合により、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の溶液を得た。
得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物溶液をポリメチルメタクリレートの基板にニッケルが蒸着されたメタライジング面上に、バーコーターNo.16にて塗工し、70℃、3分間乾燥を行った。その後、高圧水銀ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから、3.5m/minのライン速度で2pass(250mJ/cm2)にて紫外線照射を行い、膜厚10μmの硬化塗膜を形成した。
かかる硬化塗膜について、以下の評価を行った。
【0047】
(塗膜硬度)
上記の硬化塗膜について、JIS K 5600に準じて鉛筆硬度を測定した。
【0048】
(耐擦傷性)
硬化塗膜について、1kgの荷重をかけたスチールウール#0000を、硬化塗膜表面で20往復させた後の表面の傷付き度合いを目視により観察した。評価基準は以下の通りである。
◎・・・全く傷が付かないもの、又は、ほとんど傷が付かないもの
○・・・わずかに傷が付いたもの
△・・・多少傷が付いたもの
×・・・塗膜が傷つきにより白化したもの
【0049】
(透明性)
塗膜の白化度合いを目視により観察した。評価基準は以下の通りである。
○・・・白化していないもの
△・・・わずかに白化したもの
×・・・白化したもの
【0050】
(金属蒸着面への密着性)
カッターナイフで硬化塗膜を100個の1mm巾の碁盤目に切り、この上からセロハン粘着テープを貼って急速に剥したときの剥離しないで残った碁盤目の数を測定した。
【0051】
(ガラス面への密着性)
表1に示す如き組成配合により、得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物溶液をガラス基材面上に、バーコーターNo.16にて塗工し、70℃、3分間乾燥を行った。その後、高圧水銀ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから、3.5m/minのライン速度で2pass(250mJ/cm2)にて紫外線照射を行い、膜厚10μmの硬化塗膜を形成した。かかる硬化塗膜をカッターナイフで100個の1mm巾の碁盤目に切り、この上からセロハン粘着テープを貼って急速に剥したときの剥離しないで残った碁盤目の数を測定した。
【0052】
(ポリプロピレン面への密着性)
表1に示す如き組成配合により、得られた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物溶液をポリオレフィン基材(日本テストパネル社製、ポリプロピレン標準試験版、2.0×70×150mm)面上に、バーコーターNo.16にて塗工し、70℃、3分間乾燥を行った。その後、高圧水銀ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから、3.5m/minのライン速度で2pass(250mJ/cm2)にて紫外線照射を行い、膜厚10μmの硬化塗膜を形成した。かかる硬化塗膜をカッターナイフで100個の1mm巾の碁盤目に切り、この上からセロハン粘着テープを貼って急速に剥したときの剥離しないで残った碁盤目の数を測定した。
【0053】
実施例及び比較例の評価結果を表2に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、シリカ(B)及び酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を含有してなるため、塗膜硬度、耐擦傷性、透明性に優れ、更に金属蒸着された基材、ガラス基材、プラスチック基材との密着性に優れた硬化塗膜を形成することができ、特に、金属蒸着されたメタライジング表面へのトップコート剤や、ガラス基材、プラスチック基材(特に易接着処理を施していないポリオレフィン基材)へのトップコート剤として非常に有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、シリカ(B)及び酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項2】
分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)が、アクリル系重合性化合物であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項3】
アクリル系重合性化合物が、(メタ)アクリル系モノマー、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項4】
アクリル系重合性化合物が、(メタ)アクリル系モノマー及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物からなることを特徴とする請求項2又は3記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項5】
シリカ(B)が、シリカゾルとして含有されることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項6】
シリカ(B)の平均粒子径が30nm以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項7】
酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)が、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C1)、カルボン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)、スルホン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C3)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項8】
酸基含有エチレン性不飽和化合物(C)が、エチレン性不飽和基を2個以上有することを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項9】
更に、沸点が100℃以上の有機溶媒(D)を含有することを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項10】
更に、光重合開始剤(E)を含有することを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項11】
基材へのトップコート剤として用いることを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項12】
基材が、金属蒸着基材、ガラス基材、プラスチック基材のいずれかであることを特徴とする請求項11記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。



【公開番号】特開2007−16145(P2007−16145A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199701(P2005−199701)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000004101)日本合成化学工業株式会社 (572)
【Fターム(参考)】