説明

活性物質及びシクロデキストリンを含有する経口投与用医薬剤

【課題】置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する活性物質及び少なくとも1種類のシクロデキストリンを含有する経口投与用医薬組成物の提供。
【解決手段】本願発明に係る医薬組成物は、置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する活性物質、それらの光学活性異性体又はそれらの医薬上容認される塩と、少なくとも1種類のシクロデキストリンとの混合物を含み、ここで当該混合物が包接複合体を含有しないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する活性物質及びシクロデキストリンを含有する経口投与用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する多数の物質が、有益な医薬特性を有する物質であることが知られている。
【0003】
例えば、英国特許817231(本発明者による)には、以下の一般式に対応する置換ベンズヒドリルピペラジン、及び医薬に容認されているその塩が記載されている:
【化1】

(式中、R 及びR1は、相互に独立に、水素若しくはハロゲン原子、又はアルキル若しくはアルコキシ基であり、R 及びR1は、オルト、メタ若しくはパラの位置にあってよく、そしてn は、1又は2である)。
【0004】
前記化合物中、特に、ヒドロキシジンとして知られている2-[2-[4-[(4-クロロフェニル) フェニルメチル]-1-ピペラジニル] エトキシ] エタノール、及びその二塩酸塩が、抗ヒスタミン活性及び精神安定化活性を有するためによく知られている。
【0005】
欧州特許58146 (本発明者による)には、以下の一般式に対応する置換ベンズヒドリルピペラジン、及び医薬に容認されているその塩が記載されている:
【化2】

(式中、L は、-OH 若しくは-NH2基であり、X 及びX'は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状若しくは分鎖状C1若しくはC4アルコキシ基、又はトリフルオロメチル基であり、m は1又は2であり、そしてn は1又は2である)。
【0006】
前記化合物中、セチリジンとして知られている2-[2-[4-[(4-クロロフェニル) フェニルメチル]-1-ピペラジニル] エトキシ] 酢酸、及びその二塩酸塩が、抗ヒスタミン活性を有するためによく知られている。
【0007】
今まで、この種類の化合物を含有する経口投与用の市販医薬剤は、従来の剤形のものだけである。被膜錠剤の場合、液体の同時摂取によって飲み込むことによって摂取する。液体の同時摂取なしに摂取する場合(手術前後、飲料水が無い場合など)、従来の投与方法は、前記置換ベンズヒドリルピペラジンの極度の苦味のために、不適当である。
【0008】
医薬物質の味を遮断するための種々の技術が報告されている。
例えば、米国特許3,558,600 には、置換1-(p- クロロベンズヒドリル) ピペラジン類に属する抗ヒスタミン剤の苦味を遮断する方法が記載されていて、この方法では、遊離塩基形の活性物質を、長鎖アルキルスルフェート、例えばステアリルスルフェートとの塩の形に変換する。
【0009】
活性基本物質の味を遮断する別の既知の方法は、活性基本物質とシクロデキストリンとの包接複合体を作ることによる。この場合、その味の遮断は、口中を通過する間、活性基本物質が捕捉されていて、放出されないことによる。しかし、味を遮断するという課題の前記解決方法は、経口投与される医薬活性物質の味の遮断に固有の別の課題、すなわち活性基本物質の生物学的利用度及び作用速度に関する課題を伴う。特に、前記包接複合体の結合定数が非常に大きい場合、その活性基本物質が、胃腸管での良好な吸収が可能になるほど十分に容易には放出されないという危険性が存在する。この場合、期待された治療効果を得ることができない。
【0010】
欧州特許399902には、経口投与用医薬剤に固有の二重の課題、すなわち味の遮断及び良好な生物学的利用度が記載されている。前記特許には、この種の製剤用の従来の賦形剤及び添加剤の他に、活性基本物質及びシクロデキストリンを含有する、凍結乾燥され且つ多孔性である医薬剤形、並びに、この様な医薬剤形の調製方法が記載されている。前記特許の実施態様には、以下の活性基本物質:ケトプロフェン、トリミプラミンメタンスルホネート、ゾピクロン、フェノバルビタール、ビタミンA 、レモンエキス、プリチナマイシン又はビタミンD3、を含有する医薬剤が記載されている。
【0011】
しかし、前記文献では、前記活性基本物質における味の遮断及び生物学的利用度が、実際に全ての場合で達成されることは、結論されていない。置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する医薬物質の場合、この課題は、特に重要である。なぜなら、これらの活性基本物質の極度に苦い、不愉快な味を遮断することは望ましいが、本質的には、急速且つ有効な効果を得るために、投与後即座に当物質が放出される必要があるからである。
【0012】
従って、本発明では、現在の医薬剤に比べて、置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する医薬物質をより容易に投与でき、それでもなお当活性物質の良好な生物学的利用度を確保できる新規な医薬剤を探索することを目的とする。
【0013】
本発明者は、経口投与した場合に、同時に摂取する液体がない場合でさえも、置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する物質の味を効率良く遮断すること、及び、当化合物の良好な生物学的利用度を得ることの両方を可能とする新規な医薬剤形を見出した。特に、本発明では、咀嚼錠剤、ドライシロップ、顆粒剤又は舌下錠の剤形をとる前記医薬剤を探索することを目的とする。
【発明の開示】
【0014】
従って、本発明は、置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する活性物質と、少なくとも1種類のシクロデキストリンとを含有する経口投与用の固形医薬剤に関する。
【0015】
本発明で用いられるシクロデキストリンは、α、β又はγシクロデキストリン、あるいは、そのアルキル又はヒドロキシアルキル誘導体、例えば、ヘプタキス(2,6- ジ-o- メチル)-β- シクロデキストリン(一般にDIMEB と略記する)、無作為メチル化β- シクロデキストリン(一般にRAMEB と略記する)及びヒドロキシプロピルβ- シクロデキストリン(一般にHPβCDと略記する)から選択される。
【0016】
特に明記する置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する活性物質には、2-[2-[4-[(4-クロロフェニル) フェニルメチル]-1-ピペラジニル] エトキシ] 酢酸(セチリジン)、2-[2-[4-[(4-クロロフェニル) フェニルメチル]-1-ピペラジニル] エトキシ] エタノール(ヒドロキシジン)、2-[2-[4-[ ビス(4- フルオロフェニル) メチル]-1-ピペラジニル] エトキシ] 酢酸(エフレチリジン)、1-[(4-クロロフェニル) フェニルメチル]-4-[(3-メチルフェニル) メチル] ピペラジン(メクリジン)、又は1-[(4-tert- ブチルフェニル) メチル]-4-[(4-クロロフェニル) フェニルメチル] ピペラジン(ブクリジン)、それらの光学活性異性体、及び、それらの医薬上容認された塩がある。
【0017】
本発明の医薬剤は、種々の経口投与可能剤形をとり得る。特に、本発明の医薬剤は、液体の同時摂取無しの経口投与に特に適するドライシロップ、咀嚼錠剤、顆粒剤又は舌下錠の剤形をとり得る。
【0018】
用いられる賦形剤は、この種の製剤に通常用いられるものである。
ドライシロップ及び顆粒剤の場合、例えば、希釈剤、例えばポリオール(マンニトール、ソルビトール、スクロースなど)及び香料が用いられる。
【0019】
咀嚼錠剤の場合、良好な錠剤化パラメーターを付与する任意の通常の賦形剤、例えば、希釈剤(マンニトール、ソルビトールなど)、崩壊剤若しくは結合剤(ポリビニルポリピロリドン、クロスカルメロースナトリウム、スターチ及びその誘導体、セルロース及びその誘導体など)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど)、流動化剤(Aerosil 200 など)及び香料、が用いられる。
【0020】
舌下錠の場合、上記の賦形剤の中の水溶性のものが用いられる。
調製方法に関しては、この種の製剤を調製するために、製薬者が通常用いる任意の方法が用いられる。
【0021】
希望する場合、活性物質とシクロデキストリンとの複合体を、事前に、例えば、水の存在下に活性物質とシクロデキストリンとを混合すること、又は、活性物質とシクロデキストリンとを希望するモル比で含有する水溶液を調製することによって、調製できる。
【0022】
あるいは、活性物質とシクロデキストリンとを、その他の賦形剤及びアジュバントと共に単純に混合してもよい。
以下の実施例で、限定することなく、本発明を解説する。これらの実施例では、成分の割合を、質量を基にして表す。
【実施例】
【0023】
参考例1:苦味試験
βシクロデキストリンとセチリジンとのモル比が、0, 0.5, 1.0, 2.0及び4.0 になる様に、βシクロデキストリンを2mg/mlのセチリジン二塩酸塩溶液に加えて、各種溶液を調製する。
【0024】
前記溶液の苦味を、7人の被験者群で検査した。この試験結果を表1に示す。
【表1】

【0025】
βシクロデキストリンをセチリジン二塩酸塩溶液に加えた場合に、セチリジン二塩酸塩の苦味の低下が認められる。この低下は、βシクロデキストリンとセチリジン二塩酸塩とのモル比が1.0 〜4.0である場合に、特に顕著である。
【0026】
参考例2:溶解性試験
疎水性分子の水中溶解性は、溶解速度及び溶解活性物質の量の両方において、シクロデキストリン存在下に増加する。シクロデキストリン存在下における疎水性活性物質の水中溶解性の改変は、包接複合体の形成を証明するために一般的に用いられる方法である(J.Szetli, in V.F.Smolen and L.A.Ball, Controlled Drug Bioavailability,Vol.3, Wiley,New York(1985),365-420) 。
【0027】
セチリジン二塩酸塩は、中性pHでは、非常に水に可溶であるが、pH2.5 〜3.5 では、その溶解性は、非常に低い(約1g/100mlの溶解度)。本試験では、pH3.4 で、βシクロデキストリン存在下に、セチリジン二塩酸塩の水中溶解性の変化を調べて、セチリジンとβシクロデキストリンとの包接複合体の形成を証明する。
【0028】
2つの溶液A 及びB を調製した。溶液A は、セチリジン二塩酸塩を含有するpH3.4 の水溶液である;溶液B は、モル比1:1でセチリジン二塩酸塩とβシクロデキストリンとを含有するpH3.4 の水溶液である。熱力学的平衡状態に到達するまで、この2つの溶液を室温で撹拌した。
【0029】
撹拌後、溶液A では、非常に少量のセチリジン(約1g/100ml水)が溶解しただけであった。一方、溶液B では、27g/100ml 水のセチリジンが水相に溶解した。
【0030】
しかもβシクロデキストリンは、水にあまり溶解しない(1.85g/100ml) 。その溶解性は、βシクロデキストリン:セチリジンのモル比が1:1に成るまで、セチリジン二塩酸塩を加えるに連れて、徐々に増加する。pH3.4 では、βシクロデキストリンの溶解性は、少なくとも30倍増加する。
【0031】
参考例3:UV分光法による複合体形成の証明
シクロデキストリンと格納物質との複合体形成は、一般に、UV分光法における最大吸光波長のわずかな移動、及び/又はモル吸光係数の変化によって、表現される(J.Szetli, in Cyclodextrin Technology, Chapter2.2.4.2, Kluwer Academic Publishers,1988) 。
【0032】
種々のモル比のセチリジン二塩酸塩/βシクロデキストリンを含有する溶液を調製して、230nm の吸光度の差を決定した。なぜなら、セチリジンは、シクロデキストリン不存在下に、水中で、230nmに最大吸光を有するからである。
【0033】
βシクロデキストリン濃度が増加するに連れて、前記最大吸光波長における吸光度の減少が認められる。この色度低下効果から、包接複合体の形成が示される。
【0034】
参考例4:着色指示体との複合体形成
本実施例では、シクロデキストリンと着色指示体との複合体を含有する溶液における可視域の吸収波長の変化が、セチリジンを当溶液に加えた場合に、認められる。この場合、包接複合体の形成において、セチリジンは、着色指示体と拮抗する。可視域波長の変化から、セチリジンが、シクロデキストリンと包接複合体を形成するか否かを決定できる。
【0035】
2つの酸−塩基指示体:クリスタルバイオレット及びメチルオレンジを用いた。酸−塩基指示体では、シクロデキストリンとの複合体形成によって指示体のpKが変化する場合、その複合体形成による吸収波長の変化は、大抵大きい。溶液のpHがpKに近い場合、酸−塩基指示体溶液にシクロデキストリンを添加すると、指示体のイオン化又は脱イオン化が起こり、これは、溶液の色変化に反映される。従って、可視域の最大吸収波長は、複合体形成の程度の関数に成る。
【0036】
セチリジン二塩酸塩を、酸−塩基指示体とβシクロデキストリンとを含有する水溶液中に加えた場合にも、最大吸収波長の変化が認められ、このことから、いくらかの指示体が、もはやβシクロデキストリンと複合体形成していないことが判る。このことは、いくらかのβシクロデキストリンが、溶液中に添加されたセチリジンとの複合体形成に用いられたことを意味する(J.Szetli, in Cyclodextrin Technology, Chapter2.2.4.1, Kluwer Academic Publishers,1988) 。
【0037】
クリスタルバイオレットとの拮抗における結合定数の平均値は、3292/molであり、そしてメチルオレンジとの拮抗における平均値は、3587/molであることが決定された。
【0038】
参考例5:プロトンNMR による複合体形成の同定
シクロデキストリンとの包接複合体の形成を証明するために、核磁気共鳴(NMR) 分光法が一般に用いられる(F.Djedaini and B.Perly in D.Duchene,New Trends in Cyclodextrin and Derivatives,Chap.6,Sec.2&3,Edition de Sante,Paris 1991, F.Djedaini et al.,J.Pharm.Sciences,79(7),643-646(1990)) 。
【0039】
本試験では、種々のモル比のβシクロデキストリン/セチリジン二塩酸塩を、9:1 のH2O/D2O 混合液中に含んでいる各種溶液を、プロトンNMR 分光法によって分析した。観察された波長領域は、βシクロデキストリンの2から6,6'位のプロトンの共鳴周波数域(d=3.0〜4.0ppm) 、及び、セチリジンの芳香族性プロトンの共鳴周波数域(d=7.2〜7.6ppm) に一致する。
【0040】
遊離分子の共鳴周波数と、複合体化分子の共鳴周波数との間の平均共鳴周波数で、唯一の共鳴ピークが、各プロトンにおいて観察される。このことは、分析された系が、NMR 測定の時間尺度よりも速い交換様式を示すことを意味する。
【0041】
βシクロデキストリンを含んでいる溶液中で、セチリジンの含量が増加すると、βシクロデキストリンの疎水性腔内に位置するプロトン(3位及び5位のプロトン)では、上部域への大きなシフトが認められる。一方、βシクロデキストリンの疎水性腔外に位置するプロトン(2位及び4位のプロトン)の共鳴周波数は、ほとんどは全くシフトしない。このことは、βシクロデキストリン腔内で包接複合体が形成していることを明らかに示している。
【0042】
セチリジンのプロトンでは、芳香族性プロトンのみで、共鳴周波数のシフトが見られる。9個の芳香族性プロトンの共鳴信号が重複するので、その完全な解釈が複雑になる。この観察から、βシクロデキストリン腔内で、セチリジンの芳香族部分が内包されていることが示される。
【0043】
更に、「Job の方法」としても知られている連続変動の技法によって、本複合体の化学量論係数を決定した(F.Djedaini et al.,J.Pharm.Sciences 79(7),643-646(1990), P.Job, Ann.Chim.9,113-134(1928)) 。βシクロデキストリンの3位のプロトンの化学シフトの変動を可変であると見なした。この方法によって、形成された本複合体が、1:1 の化学量比を有することが決定される。
【0044】
参考例6:ポリオール基材を含む咀嚼可能セチリジン錠剤
セチリジン二塩酸塩(10部)とβシクロデキストリン(55部)とを、水の存在下に遊星形ミキサー中で20分間混合する。この様にして、セチリジン二塩酸塩とβシクロデキストリンとの複合体を形成する。次に、この混合液をオーブンで乾燥する。
【0045】
乾燥後、この複合体を、以下の賦形剤と混合する:ソルビトール(29.45部)、Acesulfam K (0.7部)、Aerosil 200 (0.3部)、クロスカルメロース(Croscarmellose)ナトリウム(2.1部)、グリカミル(Glycamil)(1.2部)、甘草香料(0.25部)。
その後、この混合物を通常の方法で錠剤化する。
【0046】
参考例7:ポリオールを含まない咀嚼可能セチリジン錠剤
参考例6と同じ様にして、セチリジン二塩酸塩とβシクロデキストリンとの複合体を調製する。以下の賦形剤を用いる:ポリビニルポリピロリドン(35部)、Avicel pH 101(50部)、Avicel CE 15(7部)、Aerosil 200 (1部)、ステアリン酸マグネシウム(1.6部)、Acesulfam K (1.4部)、香料(2.7部)。
【0047】
実施例8:セチリジンの乾燥シロップ剤
下記の表に示した成分を混合することによって、2つの組成物A
及びB を調製した。
【表2】

この混合物を、遊星形ミキサー中で水と共に粒状化し、そして押出成形する。得られた成形体を、空気流動床上で乾燥する。
【0048】
実施例9:ヒドロキシジン顆粒
下記の表に示した成分を混合することによって、組成物C を調製した。
【表3】

この混合物を、遊星形ミキサー中で水と共に粒状化し、そして押出成形する。得られた成形体を、空気流動床上で乾燥する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する活性物質と少なくとも1種類のシクロデキストリンとを含有し、ここで、当該シクロデキストリンが当該活性物質との包接化合物の形をとっていないことを特徴とする、経口投与用の固形医薬組成物。
【請求項2】
咀嚼錠剤、ドライシロップ、顆粒剤又は舌下錠の剤形であることを特徴とする、請求項1の医薬組成物。
【請求項3】
前記活性物質が、セチリジン、ヒドロキシジン、エフレチリジン、メクリジン及びブクリジン、それらの光学活性異性体、並びに、それらの医薬上容認される塩から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1または2の医薬組成物。
【請求項4】
前記シクロデキストリンが、α、β又はγシクロデキストリン、並びに、そのアルキル又はヒドロキシアルキル誘導体から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記α、β又はγシクロデキストリンのアルキル又はヒドロキシアルキル誘導体が、ヘプタキス(2,6- ジ-o-メチル)-β- シクロデキストリン、無作為メチル化β- シクロデキストリン及びヒドロキシプロピルβ- シクロデキストリンから成る群から選択されることを特徴とする、請求項4の医薬組成物。
【請求項6】
前記シクロデキストリンと前記活性物質の間のモル比が1.0 〜4.0 であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
置換ベンズヒドリルピペラジン類に属する活性物質と、少なくとも1種類のシクロデキストリンとの混合物を含み、ここで当該混合物が包接複合体を含有しないことを特徴とする、経口投与用の固形医薬組成物。

【公開番号】特開2007−91760(P2007−91760A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4722(P2007−4722)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【分割の表示】特願平11−505984の分割
【原出願日】平成10年7月2日(1998.7.2)
【出願人】(598109246)ユセベ,ソシエテ アノニム (4)
【Fターム(参考)】