説明

流体を基板の輪郭部分に塗布する装置

流体を流体吐出装置(6)、特に吐出ノズル(18)から基板の輪郭部分上に転写する転写ホイール(4)を有する、流体を基板の輪郭部分に塗布するための塗布装置(2)であって、転写ホイールは、流体を輪郭部分上へ移送するために軸方向にテーパを付けた移送面を有することを特徴とする塗布装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、流体を基板の輪郭部分に塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コールドグルー、ホットメルト接着剤、塗料、ワニス等の、易流動性である物質(本願では「流体」と称する)を、種々の対象物(本願では「基板」と称する)の輪郭部分に塗布するために、種々の装置が用いられる。たとえば、木材又はラミネートのパネル等の床張り要素の製造において、面取り縁部領域を被覆することによって追加的な縁部仕上げが行われる。
【0003】
流体を基板に塗布するために、ノズルを使用し、それにより、流体を直接的に基板上にドット又はビードとして塗布するか、又は流体を直接的に基板上に噴霧するようにしてきた。しかしながら、直接的塗布を行うそのような装置及び方法は、正確であると同時に迅速な塗布に関し、困難を示す。流体の過剰塗布は流体が基板上を、特に輪郭縁部に乗り上げて流れる結果を生じ得るので、正確な位置決めに加えて、吐出装置は、高コストの調整器具も必要とする。
【0004】
流体を基板の輪郭部分に簡単な方法で塗布するために、転写ホイールの使用が既知である。この場合、流体は、円筒形転写ホイールの円周面に塗布されて、ホイールの回転運動によって基板に運ばれる。転写ホイールは、基板のたとえば基板縁部などの輪郭部分だけで基板に接触する。流体は、接触によって転写ホイールから基板の輪郭部分に移される。流体を基板へ移した後でも、相当量の流体が転写ホイール上に残る。均一量の流体を転写ホイール上に得るために、残留流体の一部を追加のホイールによって転写ホイールの表面から除去する。この場合、転写ホイール及び追加のホイールは、2つの平歯車のように一緒に回転し、除去すべき流体が、それらの接触点又は最も近い接近点で絞り出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのような転写ホイールを使用する際の1つの不利点は、転写ホイールが十分な速度で回転する時、流体が転写ホイールから接線方向に投げ飛ばされ、それにより、隣接の作業空間がたびたび汚れることである。均一且つ隙間のない流体塗布を確実に行うために、大量の流体を転写ホイールに塗布することも必要であり、これはさらに、遠心力による流体の投げ飛ばし効果を増幅する。
【0006】
捕集容器は、実際の塗布装置だけでなく、基板搬送システム全体を包囲しなければならないであろうから、そのような捕集容器を設けることは非現実的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[概要]
本発明の一態様では、転写ホイールの回転運動により、半径方向外向きの遠心力が、転写ホイールの移送面上にある流体に作用する。しかしながら、移送面の軸方向にテーパを付けた形状、及び流体に作用する付着力のために、遠心力は最初に、移送面の小径の領域から大径の領域への流体の移動を生じる。したがって、転写ホイールの回転中、流体が移送面上を転写ホイールの最大直径部分に向かって連続的に流れて移動する。その結果、流体は、転写ホイールから直ちに投げ飛ばされるのではなく、最初に移送面上を流れる移動が起き、それにより、時間的利益が得られる。生じるさらなる利益は、流体が投げ飛ばされる際に、それは移送面全体で離脱するのではなく、定められた領域だけ、すなわち移送面の最大直径部分だけで離脱することである。
【0008】
したがって、本発明は、流体の投げ飛ばしの遅れ、及び「投げ飛ばし区域」の局部限定の両方を達成する。
【0009】
転写ホイールの移送面上の流体を平滑化するためにドクターブレードを使用することにより、移送面上の流体の均一な分布を簡単なやり方で達成することもできる。この目的のために、ドクターブレードは、たとえばナイフ状でもよいその作用エッジを移送面の上方に近づけて、しっかり位置決めされるだけでよい。この場合、平滑化のために、ドクターブレードは、動作中の転写ホイールの移動方向に見て、吐出ノズルの後、且つ転写ホイールと基板との接触点の前に位置付けられる。動作中、流体が流体吐出装置によって転写ホイールの移送面上に付着される。この流体は次に、ドクターブレードによって平滑化され、また同時に、それによって移送面上に均一に分散される。これによって均一に平滑化且つ分散された流体は、移送面上の基板の輪郭部分との接触点に到達し、それにより、輪郭部分への流体の均一な塗布が行われる。したがって、わずかな流体であっても、輪郭部分上の均一な塗布が転写ホイールによって達成可能である。
【0010】
ドクターブレードを拭いのために用いる時、それは、やはり動作中の転写ホイールの移動方向に見て、移送面と輪郭部分との接触点及び流体吐出装置の後に位置付けられる。このように、余剰流体、すなわち輪郭部分に移されなかった流体は、簡単な設計を必要とするやり方で移送面から完全又は部分的に除去されることができ、それにより、移送面は、ゼロでもあり得る一定量の残留流体を伴って、このドクターブレードから移動し続ける。これにより、流体の均一な塗布がこのドクターブレードによって準備される。
【0011】
移送面は、円錐台形の円周面の形状を有してもよい。そのような円錐形は、簡単に、したがって高いコスト効率で作製されることができる。軸方向断面では、円錐形はまっすぐな断面縁部を有する。ドクターブレードがあれば、その作用エッジがこの縁部の形状に一致することもでき、それにより、そのようなドクターブレードがある場合、それは容易且つ低コストで形作られることもできる。
【0012】
原則的に、ホイール軸と軸方向断面縁部との間の角度は、多数のパラメータ、たとえば流体の粘度、転写ホイールの平均半径、動作中の転写ホイールの回転速度、移送面の幅、及び基板、特にその輪郭部分の形状によって決まるので、任意の値をとることができる。しかしながら、20度〜70度の範囲が、円筒形の円周面及び円筒形の端面の両方から大きく異なるので、好適な範囲として挙げられることができる。30度〜60度の範囲では、本発明による効果と同様に、この差がさらに明らかになる。45度の角度を、平均的な制限状態において好適な平均値と見なすことができる。
【0013】
しかしながら、移送面の、円錐台形の円周面の形状以外の形状も原則的に可能であることを忘れてはならない。たとえば、移送面の軸方向断面縁部が、双曲線又は放物線に似た内向き又は外向きの曲線を有する形状も考えることができる。曲線状及び/又は直線状の部分で形成された断面縁部も可能である。
【0014】
好適な設計では、余剰流体を捕らえる捕集容器が設けられる。そのような余剰流体は、例えば、拭い又は平滑化の間にドクターブレード上に集まって、それからにじみ出る。捕集容器は、直接的に転写ホイールから投げ飛ばされた流体を捕らえることもできる。本明細書では、捕集容器が実質的に漏斗形設計であることが有利である。したがって、流体は、塗布装置、特に転写ホイールの側部及び下方に捕らえられて、漏斗形によって集めて回収される。一般的に、動作中に塗布装置又は転写ホイールを上方から覆う必要はない。漏斗内に回収された流体は、流体吐出装置に戻され、それにより、再利用されることができる。
【0015】
好ましくは、転写ホイール、特にその移送面は、捕集容器によって部分的に包囲される。余剰流体は、実質的に転写ホイール上だけに発生するので、転写ホイールのこれらの区域内及びその下方を捕集容器で包囲すれば十分である。移送面を部分的に、特に小径の区域を捕集容器の外へ突出させることが有利である。これにより、本発明による移送面の設計の全利益が引き出される。移送面の小径の領域は、流体を基板の輪郭部分に移送するのに使用される。すなわち、移送面の、捕集容器から突出する領域だけが、輪郭部分と接触する。したがって、基板は、捕集容器の外側で案内されることができる。
【0016】
転写ホイールの回転運動のため、移送面上の流体、特に余剰流体は、転写ホイールの最大直径部分の方向に流れて、そこで投げ飛ばされるであろう。したがって、転写ホイールのこの部分を捕集容器で包囲し、それにより、投げ飛ばされた流体を捕らえることができるようにする。これにより、簡単且つ低コストのやり方で、転写ホイールから投げ飛ばされた流体をそれ自体が捕らえると同時に、転写ホイールを通過する基板の案内を妨害しない捕集容器を提供することができる。
【0017】
好適な実施の形態によれば、ドクターブレードの特定の拭い又は作用エッジは、動作中の移送面の移動方向に実質的に垂直に位置づけられてもよく、またドクターブレードは同時に、移送面に対して実質的に垂直である。同時に、ドクターブレードの特定の作用エッジを移送面の位置に、又は移送面からわずかに離して位置付けてもよく、実質的に移送面の軸方向断面縁部の形をとる。この配置により、所定サイズのスリットが、移送面及びドクターブレード間に形成される。転写ホイールの移動が流体をこのスリットの方へ移動させ、それがドクターブレードに達する時、それはスリットのサイズの形にされる。したがって、流体は、移動方向においてドクターブレードの後に、移送面上に均一な被膜を呈する。
【0018】
ドクターブレードの作用エッジを移送面上に隙間なく位置付ける場合、転写ホイールの回転は、流体を移送面から、掻き落としと同様にして完全に除去する。転写ホイールが回転する時、流体を移送面とドクターブレードとの間で運ぶことができない場合、流体はドクターブレードの片側に蓄積して、そこから回収容器内へ滴り落ちる。
【0019】
ドクターブレードを移送面に対して斜めに位置付ける場合、木工かんなの作用のように流体を持ち上げるか、又は逆向きの斜め位置の場合に、逆向きの斜め位置で流体を押し付けるかのいずれか一方が生じるであろう。また、ドクターブレードが斜めに位置付けられる時、後者のいずれの曲がりも、作用エッジと移送面との間の隙間に直接的な影響を与える。したがって、移送面に対して垂直な位置が好ましい。
【0020】
ドクターブレードの作用エッジを移送面の移動方向と直交するように位置付けることにより、余剰流体が、転写ホイールの移動によって、移動方向に見てドクターブレードの前方に均一に蓄積する。ドクターブレードの作用エッジを移動方向に対して斜めに位置付けると、流体は、転写ホイールの回転移動に関連した一方向に押し付けられ、その結果、流体はドクターブレードの作用エッジに沿って不均一に分布するであろう。これは、ドクターブレードの作用エッジを移動方向と直交するように位置付けることにより、実質的に防止される。
【0021】
本発明による塗布装置は、好ましくは、吐出装置が、流体を転写ホイール上に噴霧、塗布又は他の方法で吐出するために少なくとも1つの噴霧ノズル、塗布ノズル及び/又は吐出ノズルを有することを特徴とする。吐出装置は、用途、特に流体の粘ちょう度及び移送面の移動速度に従って変化することができる。塗料又はワニス等の低粘度の流体の場合、流体を移送面上に噴霧することが有利である。この場合、吐出装置は、移送面から間隔をおいて位置付けられる。高粘度の流体、例えばコールドグルーを使用する時、塗布面、すなわち移送面からわずかな距離をおいて位置付けられた塗布ノズルによってビードを塗布するのが一般的である。しかしながら、塗布装置は、上記の2例に制限されることはなく、追加の吐出ノズルを含むことができるとともに、複数のノズルで構成されたノズル構造体を使用することもできる。
【0022】
好都合には、動作中の転写ホイールの軸は、例えばほぼ垂直でもよく、移送面の小径の領域は、上向きである。転写ホイールの回転中の遠心力による流体、特に余剰流体の流れは、移送面の最大直径部分に向けられる。転写ホイールが上記垂直位置にある状態では、移送面上でのこの流れ移動の方向は、同時に下向きであり、そのため、流れ移動は重力によって支持される。さらに、転写ホイール軸の垂直位置は、捕集容器の設計及び位置付けを簡単にする。それは、特に移送面の最大直径の区域の上方では投げ飛ばし流体をまったく予想することができないためである。言い換えると、垂直軸を有する転写ホイールは、流体を上方へ全く投げ飛ばさない。
【0023】
好都合な設計では、塗布装置は、転写ホイールを移動させる駆動モータと、転写ホイール、モータ、吐出装置、及び/又はおそらくは1つ又は複数のドクターブレードを保持する保持体とをさらに含むことができる。転写ホイールを回転させるためにモータが設けられ、動作中の回転運動は、基板の移動と一致しなければならない。
【0024】
本例では、転写ホイール及びモータは、転写ホイールが通常は歯車モータの駆動軸に直接に据え付けられるようにして、保持体内に保持され、それにより、モータの保持は、転写ホイールの追加的な保持を余分なものとする。同時に、吐出装置、及びドクターブレードがある場合にはそのドクターブレードは同一の保持体内に保持される。これにより、吐出装置及びドクターブレードを転写ホイールに対して確実に固定位置に置くことができる。転写ホイール、吐出装置、及びドクターブレードがある場合にはそのドクターブレードは、保持体と一緒に1つの堅固な機械ユニットを形成する。この場合、保持体は、例えば保持アームとして設計される。
【0025】
そのような保持アームは、好ましくは回転できるように取り付けられ、転写ホイールを基板に弾性的に押し付けるために設けられた機構がある。ばねは、基板に対する転写ホイールの所望の締め付け圧力を設定できるようにする。動作中、例えば輪郭部分が不均一である時、転写ホイールのわずかな移動が発生し得る。そのような移動は旋回アームの移動として行われ、それにより、吐出装置及びドクターブレードは、転写ホイールと一緒に移動することができ、転写ホイールからのそれらの距離は一定のままである。
【0026】
捕集容器は、異なった保持体に取り付けられることができ、それにより、転写ホイールを保持する保持体の移動の結果として、転写ホイールと捕集容器との間に相対移動が生じる。しかしながら、そのような移動の大きさは通常、2〜3ミリメートルの範囲にあり、そのため、それらは捕集容器の機能的能力を損なわない。捕らえられた流体を捕集容器から吐出装置に送るとともに、未使用の流体を供給するために、ほとんどの部分で可撓性ホース等が使用され、それらは、動作中の保持体のわずかな旋回移動に対して耐性を有する。
【0027】
本発明による塗布装置の使用は以下に記載する通りである。
【0028】
流体を基板の輪郭部分に塗布する方法は、
流体を流体吐出装置から転写ホイールの移送面上に塗布すること、
移送面が吐出装置から輪郭部分へ回転するように、転写ホイールを連続回転させること、
塗布された流体が輪郭部分に到達する前に、移送面に塗布された流体をドクターブレードによって平滑化すること、
輪郭部分を有する基板を移送面に沿って案内し、その間に、移送面の小径の部分の区域が輪郭部分と接触し、特に輪郭部分に押し付けられ、また同時に、移送面からの流体の少なくとも一部が輪郭部分に塗布されること、
基板の輪郭部分への塗布工程の後、転写ホイール上に残った流体の少なくとも一部を、新しい流体を吐出装置で転写ホイールに塗布する前に、拭い取ること、及び
転写ホイールから投げ飛ばされた、滴り落ちた、拭い取られた、且つ/又は吐出装置によって出された時に転写ホイールに塗布し損なった流体を捕らえること
を含んでもよい。
【0029】
流体を平滑化する、及び/又は拭い取るステップは、用途次第で省くことができる。
【0030】
図面に基づいて本発明の例示的な実施形態を以下で説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1による塗布装置2は、転写ホイール4と、流体吐出装置6と、余剰流体を拭い取るドクターブレード8とを有する。移送ホイール4及びドクターブレード8は、本明細書で概略的に示す捕集容器10によって部分的に包囲される。
【0032】
転写ホイール4は、モータ14のモータ軸12に据え付けられ、モータは、ドクターブレード8と一緒に、保持体16によって保持される。本明細書では、流体吐出装置6も保持体16に取り付けられるが、この保持体16への連結は、図1に示していない。同時に、流体吐出装置6は、流体を転写ホイール4上に噴霧するノズル18を備えて設計される。
【0033】
ドクターブレード8は、取り付けねじ20で保持体に固定的に螺着されて、そこから垂直に転写ホイール4まで延びる。モータ14は、止めねじ22及び24によって保持体16内に留め付けられる。保持体16は、保持体を旋回機構(図示せず)に取り付けるためのさらなるねじ穴26を有する。
【0034】
保持体16内に留め付けられた状態にある時、モータ14の面28は、保持体の外に出て下向きになっている。モータ14の後部分30は、保持体16の外へ上向きに突出し、それにより、それを冷却するために必要な領域は、保持体の外に位置する。モータ軸12は、モータから面28を越えて垂直に下方へ突出する。転写ホイール4は、ねじ穴32及びねじ(図示せず)によってモータ軸12に取り付けられる。ねじ穴32も設けられている転写ホイール4の取り付け部分34に隣接して、取り付け部分34より平均して相当に大きい直径を有する主部分36が設けられている。主部分36上に移送面38が設けられ、これは、より高い位置の接触面40と、より低い位置の流れ面42とに分割される。流体は、流体吐出装置6からノズル18を経て移送面38上に、実質的にその全幅にわたって塗布される。しかしながら、接触面40だけが輪郭部分と接触して、流体を移送面38から基板の輪郭部分に転写するようになっており、それにより、流体はそこだけに移される。転写ホイール4の回転運動のため、遠心力が残留流体に作用し、それは重力によって強化されて、流体を流れ面42上で転写ホイール4の最大直径部分44の方向に流す。転写ホイール4の最大直径部分44で、流体はさらに外向きに流れることができないので、それはその後に投げ飛ばされる。
【0035】
図1は、本発明による塗布装置の例示的な実施形態を示し、ここでは、移送面38が、転写ホイール4内のシリコンインサート46によって実現されるが、転写ホイールのそれ以外は金属製である。しかしながら、移送面38用に特別な材料を使用する必要がなく、むしろ、材料を変えることなく、本発明による移送面の形状を直接的に転写ホイール上に形成すれば十分であることがわかった。転写ホイール4の軽量化を達成するために、凹所48及び50が設けられる。
【0036】
ドクターブレード8は、移送面38に対して垂直であると同時に、移送面38の移動方向と直交する向きにある拭い又は作用エッジ52を有する。ドクターブレード8の作用エッジ52の領域内での移送面38の移動方向は、図面の平面に入る向きである。作用エッジ52は、移送面38に対して実質的に中間空間をまったく設けないで位置付けられる。移送面の移動方向から見ると、ドクターブレード8は流体吐出装置6の前方にある。依然として移送面38上にある余剰流体は、ドクターブレード8の位置でその作用エッジ52によって移送面38から拭い取られて、ドクターブレード8の点54の領域から滴り落ちることができる。
【0037】
本明細書では漏斗として構成されている捕集容器10が、転写ホイール4及びドクターブレード8の両方を部分的に包囲する。したがって、ドクターブレード先端54から滴り落ちる流体は、捕集容器10内に回収される。捕集容器10は、転写ホイール4の流れ面42及び最大直径部分44の領域だけを包囲するが、接触面40の領域を包囲しない。したがって、流体を接触面40から基板の輪郭部分に塗布するために、基板を捕集容器10の外で案内することができる一方で、特に最大直径部分44で投げ飛ばされた流体は、捕集容器によって回収される。漏斗形捕集容器10は、図1に従って下方へ延びてパイプ連結部56に入り、それを通して回収流体を排出して、おそらくは流体吐出装置6へ戻すことができる。同時に、パイプ連結部56は、捕集容器10を分離可能なホルダ58内に保持するのに役立つ。ねじ60は、捕集容器10をそのパイプ連結部56とともに、ホルダ58内にしっかり留め付けるのに役立つ。ホルダ58自体は、追加のねじ62によって、たとえば棒状体等の他の物体に取り付けられることができる。
【0038】
図2の基板70は、床張りパネルであって、複数のそのようなパネルを結合するために断面が連結形状72及び74を有する。パネル70の歩行面76は、図2では下向きになっている。多数のそのようなパネルを敷設する時、第2のパネルの第2の輪郭部分78と結合する輪郭部分78を、図1に示す本発明による塗布装置によって、流体で、本例の場合は塗料でコーティングしなければならない。この目的のために、パネル70の輪郭部分78を転写ホイール4の移送面38の接触面40と接触させ、接触領域において、接触面40と同期的に案内する。この場合、歩行面76が捕集容器10の上方に沿って摺動する。
【0039】
したがって、パネル70の輪郭部分78を塗料又は何らかの他の流体でコーティングする工程のために、以下のシーケンスが起きる。流体吐出装置6が、たとえば噴霧によって移送面38上に塗料を付け、転写ホイールがその移送面38をパネル70との接触点の方向にさらに回転させ、その接触点で接触面40は輪郭部分78と接触して、塗料を輪郭部分78に塗布する。転写ホイール4の回転により、遠心力のために、残留塗料の一部が流れ面42に沿って転写ホイール4の最大直径部分44の方向に流れる一方、塗料の一部は、最大直径部分44の領域で投げ飛ばされて、捕集容器10によって捕らえられる。その後、塗料の残留余剰部分はドクターブレード8に達して、作用エッジ52によって拭い取られ、ドクターブレード先端54で捕集容器10内へ滴り落ちるか、又は漏出し、捕集容器から塗料は再利用される。
【0040】
本発明をその1つ又は複数の実施形態の説明によって例示し、またこれらの実施形態を相当に詳細に説明してきたが、それらは、添付の請求の範囲をそのような詳細に限定するか、又は何らかの点で制限する意図はない。さらなる利点及び変更形態は、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本発明はそのより広い態様において、図示且つ説明した特定の詳細、代表的な装置及び方法、及び説明的な例に制限されない。したがって、包括的な発明概念の範囲又は精神から逸脱しない限り、そのような詳細から外れてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による塗布装置の、転写ホイールを軸方向断面で示す部分断面図である。
【図2】コーティングすべき基板の横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を基板の輪郭部分に塗布するための塗布装置であって、流体を流体吐出装置、特に吐出ノズルから基板の輪郭部分上に転写する転写ホイールを備え、前記転写ホイールは、前記流体を前記輪郭部分上へ移送するために軸方向にテーパを付けた移送面を有することを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記流体の平滑化及び/又は該流体を前記転写ホイールから拭うための少なくとも1つのドクターブレードを有することを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記移送面は、円錐台形の円周面の形を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記転写ホイールを通る軸方向断面において、前記ホイールの軸と前記移送面の断面縁部との間の角度は、20度〜70度、好ましくは30度〜60度、最も好ましくは45度であることを特徴とする請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】
余剰流体を回収するために、捕集容器が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記捕集容器は、実質的に漏斗形であることを特徴とする請求項5に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記転写ホイール、特にその移送面は、前記捕集容器によって部分的に包囲されることを特徴とする請求項5又は6に記載の塗布装置。
【請求項8】
前記移送面は、前記捕集容器から部分的に、特に小径の区域が突出することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項9】
前記ドクターブレードの拭いエッジすなわち作用エッジは、動作中の前記転写ホイールの前記移送面の移動方向と実質的に直交する向きに位置付けられ、また前記ドクターブレードは同時に、前記移送面に対して実質的に垂直に位置付けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項10】
前記ドクターブレードの前記拭いエッジすなわち作用エッジは、前記移送面の位置に、又は該移送面からわずかに離して位置付けられることを特徴とする請求項9に記載の塗布装置。
【請求項11】
前記吐出装置は、前記転写ホイール上への前記流体の噴霧、塗布又はそれ以外の吐出を行う少なくとも1つの噴霧ノズル、塗布ノズル及び/又は吐出ノズルを有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項12】
動作中の前記転写ホイールの前記軸は、ほぼ垂直であり、また、テーパ付きの小径の区域は、上向きであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項13】
前記転写ホイールを移動させる、特に回転させる駆動モータと、
前記転写ホイール、前記モータ、前記吐出装置、及び/又は、前記1つ又は複数のドクターブレードがあれば、そのドクターブレードを保持する保持体と
をさらに備える請求項1〜12のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項14】
前記転写ホイールを前記基板に弾性的に押し付ける機構を特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項15】
流体を吐出装置、特に吐出ノズルから前記輪郭部分上に転写するための請求項1〜14のいずれか1項に記載の塗布装置に用いられる転写ホイールであって、該転写ホイールは、前記吐出装置から前記輪郭部分へ流体を移送するための、軸方向にテーパを付けた移送面を有することを特徴とする転写ホイール。
【請求項16】
前記移送面は、円錐台形の円周面の形を有することを特徴とする請求項15に記載の転写ホイール。
【請求項17】
前記転写ホイールを通る軸方向断面において、前記ホイールの軸と前記移送面の断面縁部との間の角度は、20度〜70度、好ましくは30度〜60度、最も好ましくは45度であることを特徴とする請求項15又は16に記載の転写ホイール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−536684(P2008−536684A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507823(P2008−507823)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/014640
【国際公開番号】WO2006/113757
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】