説明

流体フィルタのためのシールグロメット

流体フィルタのためのシールグロメットが提供される。シールグロメットは、開口を画定する中央部分と、中央部分と一体に形成されるフランジ部分であって、中央部分の外側周縁から外向きに延出し、第1の方向にフランジ部分から離れる方向に中央部分の第1の部分が延出し、第2の方向にフランジ部分から離れる方向に中央部分の第2の部分が延出し、第1の方向は第2の方向と反対である、フランジ部分と、第1の部分上に配置される、開口を画定する中央部分の内側表面上に配置された第1の突起部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年12月18日に出願された米国仮特許出願第61/138、706号の利益を請求するものであり、その内容は本明細書に参考として組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
エンジン潤滑油システム、油圧システム、及び、燃料システムにおいて、循環させる流体から粒子を除去するために、多くのタイプの流体フィルタが使用される。
したがって、フィルタ取付け部をシールし、更に詳細には、スパッド部分が1.27cm(1/2インチ)以上である場合、フィルタ取付け部のスパッド部分を確実にシールするように設計されるシールグロメットを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの例示的実施形態において、流体フィルタのためのシールグロメットが提供される。シールグロメットは、開口を画定する中央部分と、中央部分と一体に形成されるフランジ部分であって、中央部分の外側周縁から外向きに延出し、第1の方向にフランジ部分から離れる方向に中央部分の第1の部分が延出し、第2の方向にフランジ部分から離れる方向に中央部分の第2の部分が延出し、第1の方向は第2の方向と反対である、フランジ部分と、第1の部分上に配置される、開口を画定する中央部分の内側表面上に配置された第1の突起部とを含む。
【0004】
他の一例示的実施形態において、フィルタ取付け部が延出するオイル循環システムのためのフィルタ組立体が提供される。フィルタ組立体は、ハウジングと、ハウジング内に配置されるフィルタ要素であって、フィルタ要素は流体をろ過するために構成され、第1の端部支持部及び第2の端部支持部を有し、第1の端部支持部はフィルタ要素の上端部分に固定される、フィルタ要素と、流体が通過して流れるための複数の流体路を提供するために複数の開口部を有するタッピングプレートと、開口を画定する中央部分と、中央部分と一体に形成されるフランジ部分であって、中央部分の外側周縁から外向きに延出し、第1の方向にフランジ部分から離れる方向に中央部分の第1の部分が延出し、第2の方向にフランジ部分から離れる方向に中央部分の第2の部分が延出し、第1の方向は第2の方向と反対である、フランジ部分とを含む、タッピングプレートと第1の端部支持部との間に配置されるシールグロメットと、第1の部分上に配置される、開口を画定する中央部分の内側表面上に配置された第1の突起部とを含む。
【0005】
他の一例示的実施形態において、オイル循環システムのフィルタ取付け部に固定されるように構成されるフィルタ組立体を組み立てるための方法が提供される。方法は、ハウジング内で流体をろ過するために構成され、第1の端部支持部、及び、第2の端部支持部を有し、第1の端部支持部はフィルタ要素の上端部分に固定されるフィルタ要素を配置するステップと、ハウジング内に流体のための複数の流体路を提供するための複数の開口部を有するタッピングプレートを据え付けるステップと、開口を画定する中央部分と、中央部分と一体に形成され、中央部分の外側周縁から外向きに延出するフランジ部分であって、フランジ部分は、中央部分の第1の部分が、第1の方向にフランジ部分から離れる方向に延出し、中央部分の第2の部分が、第2の方向にフランジ部分から離れる方向に延出し、第1の方向は、第2の方向と反対である、フランジ部分とを有するシールグロメットを第1の端部支持部とタッピングプレートとの間に配置するステップと、開口を画定する中央部分の内側表面上に配置された第1の突起部を第1の部分上に配置するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の例示的実施形態による、フィルタ組立体の例示的断面図である。
【図2】本発明の例示的実施形態による、フィルタ組立体に固定されるフィルタ取付け部をシールするように設計されたシールグロメットを組み付けたフィルタ組立体の上方部分の例示的分解断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の例示的実施形態は、フィルタ取付け部をシールし、更に詳細には、スパッド部分が1.27cm(1/2インチ)以上である場合、フィルタ取付け部のスパッド部分を確実にシールするように設計されたシールグロメットを目的とする。この独特なグロメットの設計は、短いか又は長いスパッドを有する様々なフィルタ取付け部のためのシールを確実にする。また、本発明の例示的実施形態は、1.27cm(1/2インチ)以上であるスパッドをシールするように設計されたシールグロメットを組み付けたフィルタ組立体、及び、その製造又は組立方法を目的とする。
【0008】
ここで図1を参照すると、本発明の例示的実施形態によるフィルタ装置すなわち組立体10が示される。フィルタ組立体10は、14に部分的に示されるエンジンのフィルタ取付け部12上に取り付けられるように構成される。具体的には、フィルタ組立体10は、組立体によって提供される流体ろ過から利益を得る潤滑油システム、油圧システム、燃料システム又は他の流体循環タイプのシステムに作動可能に取り付けられ、それらと通連するようになされる。1つの例示的実施形態において、フィルタ取付け部12が、高さが1.27cm(1/2インチ)であるスパッド部分15を備える。当然、用途によって、スパッド15は1.27cm(1/2インチ)を超える高さであり得る。フィルタ組立体10は軸中心16を有し、フィルタ構成要素は軸中心の両側で鏡像となっている。
【0009】
1つの例示的実施形態において、フィルタ組立体10は、フィルタ要素すなわちフィルタ部材22を囲むハウジング、フレーム又は缶20を有するフィルタ機構すなわちフィルタ18を含み、1つの本発明の例示的実施形態により、それは循環する流体(例えば、オイル)から汚れ及び研磨粉等の物質を除去するように構成される。
【0010】
1つの例示的実施形態において、図示されるように、フィルタ要素22はハウジング20内に配置され、それによって支持される。主流体通路23が、ハウジング20とフィルタ要素22との間に画定され、そこをエンジンからの「汚れた」流体が流れて、フィルタ要素22から濾し出される。1つの非制限的例示的実施形態において、フィルタ要素22は形状に関して円筒状であり、内側周縁及び外側周縁を含む。当然、楕円、矩形、細長い形状等のような他の形状が考えられる。
【0011】
1つの例示的実施形態において、フィルタ組立体10は、フィルタ要素22の内側周縁内、及び、軸中心14の周囲に軸方向に位置付けられる円筒状芯部又はスリーブすなわち中央管24を含み、それによって、中空の軸領域を形成し、その中に副流体通路26が、それを通って「異物のない」すなわちろ過された流体が流れるために画定される。この例示的実施形態において、円筒状芯部24は、ろ過された流体が副流体通路26へ流れるために通る複数の開口30を含む。円筒状芯部24の壁に沿って形成される開口30の数量、直径サイズ及び構成は、必要なフィルタ容量及び用途によって変わり、図1に示される開口30の例示的数量、サイズ、及び構成に限定されるべきではない。
【0012】
副流体通路26は、フィルタ要素22の上端部分28及び下端部分32の直近まで延出する。円筒状芯部24は、どのような従来設計であってもよく、十分な強度を有し、ろ過される流体に適合するあらゆる材料で作製できる。円筒状芯部24は、フィルタ要素22の内側周縁に半径方向への力に対する支持を提供し、また、曲げ力等に対する軸方向の強度及び剛体性をフィルタ要素22にもたらすのに役立つ。
【0013】
1つの例示的実施形態において、第1の端部支持部40(例えば、第1の端部円板)及び第2の端部支持部42(例えば、第2の端部円板)が、フィルタ要素22の上端部分28及び下端部分30にそれぞれ固定される。1つの非制限的例示的実施形態において、端部支持部は、例えば、溶接、ろう接、ガスケット又はあらゆる他の知られた手段のような固定するためのあらゆる手段によってフィルタ要素22に固定される。エポキシ、熱接合又はスピン溶接を使用するような他の従来技術が、フィルタ要素22の部分28、30へ端部支持部40、42を付着されるために使用できる。
【0014】
本発明の例示的実施形態によると、フィルタ組立体10はタッピングプレート50を含む。タッピングプレート50は、1つの非制限的実施形態において、エンジンから延出するフィルタ取付け部12上にフィルタ組立体を据え付け又は取り付けるように構成される。1つの例示的実施形態において、タッピングプレート50は、タッピングプレート50と第1の端部支持部40との間にスペーサを設けられるように設計され、したがって、最小の制限で流体が流れる経路をもたらす。
【0015】
タッピングプレート50は、1つの非制限的例示的実施形態において、概ね凹状円形断面形状を有し、1つの例示的実施形態において、鋼、鉄等のような金属材料から作製される。タッピングプレート50の下端表面部分52が、第1の端部支持部40の平坦な表面54と概ね平行に横たわるように、タッピングプレート50はハウジング18内に配置され、そこに固定される。1つの例示的実施形態において、タッピングプレート50は、複数の開口部すなわち流体入口ポート56を含む。タッピングプレート50は、下端表面部分52に、軸中心14の周囲に開口60を画定する中央部分58を含む。開口部56は、図示されるように、概ね開口60の周囲に隣接して間隔を隔てて位置付けられる。開口部56は、「汚れた」流体がそれを通って主流体通路23内へ流れ、その結果、ろ過のためにフィルタ要素22を貫通して流れるための流体路を提供する。1つの非制限的例示的実施形態において、開口部56は、図1及び2に示されるように、タッピングプレート50の傾いた壁部分62に沿って形成される。そのため、開口部56は第1の端部支持部40の平坦な表面54に対して概ね斜めに横たわり、それによって、第1の端部支持部40と複数の開口部56との間に、流体がそこを通って最小の制限で流れる空間すなわち間隙64を形成する。タッピングプレート50の壁部分62に沿って形成される開口部56の数量、直径サイズ及び構成は、必要なフィルタ容量及び用途によって変わってよく、図1から2に示される開口部56の例示的数量、サイズ、及び構成に限定されてはならないことは理解されるべきである。
【0016】
1つの例示的実施形態において、タッピングプレート50は流体出口ポート70を画定する。流体出口ポート70は副流体通路26と流体的に通連している。したがって、流体出口ポート70は、フィルタ要素22から濾し出された流体が流体出口ポート70を通って流れてエンジンへ戻ることを可能にする。結果として、図2で矢印72によって指示される流体経路は、流体入口ポート56及び主流体通路23から、フィルタ要素22及び軸方向芯部24の開口30を通って、流体出口ポート60へ延在する。
【0017】
1つの例示的実施形態において、シールグロメット80が、フィルタ取付け部12及び流体出口ポート70のスパッド部分15をシールするためにタッピングプレート50と第1の端部支持部40との間に配置される。シールグロメットは中央部分82及びフランジ部分84を含む。1つの例示的実施形態において、シールグロメット80の中央部分82は開口86を画定する円筒である。1つの例示的実施形態によると、フランジ部分84は中央部分82と共に一体に形成される。シールグロメットのフランジ部分84は中央部分82の外側周縁88から外向きに延出する。1つの例示的実施形態において、フランジ部分84はフランジ部分84の遠位端部87で外向きに湾曲する。中央部分82は、(例えば、タッピングプレートに向かう)第1の方向にフランジ部分から離れる方向に延出する第1の部分90、及び、第1の方向と反対の(例えば、フィルタ要素に向かう)第2の方向にフランジ部分から離れる方向に延出する第2の部分92を含む。1つの例示的実施形態において、第1の突起部94が、図示されるように中央部分82の内側表面に沿って第1の部分90上に配置される。シールグロメットがタッピングプレート50とフィルタ取付け部12との間に配置される場合、第1の突起部94はスパッド15に第1のシールを提供する。1つの例示的実施形態において、第2の突起部96が、図示されるように中央部分82の内側表面に沿って第2の部分90上に配置される。シールグロメットがタッピングプレートとフィルタ取付け部12との間に配置される場合、第2の突起部96はスパッド15に第2のシールを提供する。図1及び2においてフランジ部分の各々の部分に単一の突起部のみが例示されるが、本発明の他の例示的実施形態において、2つ以上の突起部が第1の部分及び/又は第2の部分上に配置できる。1つの例示的実施形態によると、第1の突起部94及び/又は第2の突起部96は中央部分82と共に一体に形成される。
【0018】
1つの例示的実施形態において、第2の突起部96は、シールグロメット80のシール表面98の上方に設置される主シールである。1つの例示的実施形態によると、第1の突起部94は、シールグロメット80のスケーリング表面98の上方に設置される副シール又は予備シールである。そのため、第2の突起部96は、スパッド15とタッピングプレート50との間のシールを強化するように構成される。このグロメットの設計は、長さが1.27cm(1/2インチ)以上であるスパッドを確実にシールする。
【0019】
1つの例示的実施形態によると、グロメット80の中央部分82、フランジ部分84、第1の突起部94及び/又は第2の突起部96は、同じ材料からそれぞれ形成され、1つの非制限的例示的実施形態によると、材料はエラストマ−ゴムである。他の実施形態において、使用される材料はニトリルゴムである。当然、本発明の他の例示的実施形態において、グロメット80及びその同等物を形成するための他の適切な材料が使用でき、本明細書に説明される例に限定されてはならない。
【0020】
例示されるように、中央部分82の第1の部分90は、グロメット80が、タッピングプレート50と第1の端部支持部40との間に配置される場合、タッピングプレート50の中央部分58の内側表面とスパッド15の外側表面との間に配置される。タッピングプレートの中央部分58とスパッド15の外側表面との間に形成される間隙又は開口部100の少なくとも一部分は、シールグロメット80の第1の部分90を受容する。そのため、中央部分82の第1の部分90が、開口部100によって受容されることで、開口部内の空間は減少する。シールグロメットがタッピングプレート50と第1の端部支持部40との間に配置される場合、第2の部分92は、図示されるように、フィルタ要素22の内側周縁とスパッド15との間に配置される。シールグロメット80が、タッピングプレート50と第1の端部支持部40との間に配置される場合、第1の突起部94及び第2の突起部96はスパッド15の外側周縁に押し当たるように構成され、スパッド15にシールを提供し、それはまた流体出口ポート70をシールする。
【0021】
1つの例示的実施形態によると、グロメット80は、図示されるように、タッピングプレート50を受容するためにフランジ部分84の遠位端部87と中央部分82の第1の部分90との間に窪み102を画定する。他の一例示的実施形態において、タッピングプレート50は、タッピングプレート50の下端表面部分52がフランジ部分84の周縁表面に押し当たるように、フランジ部分84の周縁表面の上部面上に配置される。そのため、中央部分82の第1の部分90がタッピングプレート50の中央部分58とスパッド15の外側表面との間に挿入され、グロメット80の第2の部分92がフィルタ要素22の内側周縁とスパッド15の外側表面との間に挿入される場合、第1のシール及び第2のシールはそれぞれ形成される。上記の配設は、「汚れた」流体が副流体通路26を通過して流れることを防止する。「汚れた」流体は、むしろ、ろ過のために主流体通路23へ押し出されるか、又は、送られる。次いで、ろ過された流体は、上記のようにフィルタ要素22及び軸方向芯部24の開口30を通って副流体通路26内へ流れ、流体出口ポート70から流れ出る。
【0022】
1つの例示的実施形態によると、タッピングプレート50は、フィルタ取付け部12のねじ切りされた壁部分112と対応して係合又は連結するためにねじ切りされた部分110を含む。1つの非制限的例示的実施形態において、ねじ切りされた部分110は、M59(メートル法)雌ねじを有する。当然、様々なサイズのねじがタッピングプレート50のねじ切りされた部分110上に形成できる。タッピングプレート50のねじ切りされた部分110はフィルタ取付け部12にフィルタ組立体10を固定する。すなわち、タッピングプレート50のねじ切りされた部分110は、タッピングプレート50のねじ切りされた部分110が、図示されるようにフィルタ取付け部12のねじ切りされた壁部分112と係合するように、フィルタ取付け部12上にタッピングプレート50を回転することによって、エンジンから延出するフィルタ取付け部12のフィルタ先頭部にフィルタ組立体10のタッピングプレート90を取り付けるために使用される。
【0023】
例示されるように、タッピングプレート50は、タッピングプレート50の周縁の周囲にタッピングプレート50の上端部122の直近まで延出するタッピング縁部120を画定する。1つの例示的実施形態において、図示されるように、タッピングプレート50の上端部122へタッピング縁部120から延出する上向きの突起部を形成するようにタッピングプレート50と一体に延長部材124が形成される。タッピング縁部120の内側周縁表面は肩部126を画定する。ハウジング20にタッピングプレート50を固定するために、接触造作部128がハウジング20の一方の端部に設置され、タッピングプレート50の延長部材124の周縁を覆って、実質的にその周囲に曲げられる。ハウジング20の接触造作部128は、隙間130がハウジング20とタッピングプレート50との間に肩部126の直近に形成されるように、タッピングプレート50の延長部材124を覆って曲げられ、したがって、軸方向の全荷重がハウジング20を通して伝搬する。ハウジング20の接触造作部128をタッピングプレート50の延長部材124を覆って曲げることによって、タッピングプレート50とグロメット80との間に締まりばめが提供される。また、このような工程によって、グロメット80と第1の端部支持部40との間の締まりばめが可能になる。タッピングプレート50の延長部材124を覆ってハウジング20の接触造作部128を曲げる工程は、J字状締め(J−Seam)工程又は巻き(rolling)工程と呼ばれることがある。
【0024】
1つの例示的実施形態において、ばね機構(図示されず)を有する保持器140がハウジング20内でフィルタ要素22の下端部分32に隣接して設置される。保持器140はハウジング20内にフィルタ要素22を固定する。1つの例示的実施形態において、保持器140は、例えば、セラミックペースト、溶接、ろう接、ガスケット又はあらゆる他の知られた手段のような固定するためのあらゆる手段によってハウジングに固定できる。1つの例示的実施形態において、保持器140は、図1に対して上方向にフィルタ要素22を付勢するために設けられる。1つの例示的実施形態において、第2の端部支持部42は保持器140に押し当てられ、そこに締まりばめが提供される。代替的例示的実施形態において、保持器140は、例えば、セラミックペースト、溶接、ろう接、ガスケット又はあらゆる他の知られた手段のような固定するためのあらゆる手段によって、第2の端部支持部42に固定される。
【0025】
1つの例示的実施形態において、ノッチ部分146を備えた縁部144を有するガスケット142が、1つの例示的実施形態により、タッピングプレート50の上方に配置される。1つの例示的実施形態において、ガスケット142は、フィルタ組立体とフィルタ取付け部との間のシールを提供するために使用できる。1つの非制限的例示的実施形態において、縁部144は、図示されるように、概ね凹状外郭を有する。ガスケット142は、ガスケット142の縁部144が、タッピングプレート50の延長部材124を覆って曲げられるハウジング20の接触造作部128の部分に押し当たり、一方で、ガスケット142のノッチ部分146が、ハウジング20とタッピングプレート50との間に画定される隙間130によって受容されるように、タッピングプレート50上方に配置される。この配設によって、ガスケット142はハウジング20とタッピングプレート50との間に固定される。
【0026】
本発明の例示的実施形態によると、本発明の1つの例示的実施形態によるJ字状締め工程又は巻き工程を使用するフィルタ組立体10を組み立てる例示的方法が提供される。例示的方法は、第2の端部支持部42が、ハウジング20に固定される保持器140に押し当たるように、ハウジング20内でそれぞれフィルタ要素の上端部分28及び下端部分30に固定される第1の端部支持部40及び第2の端部支持部42を有するフィルタ要素22を配置するステップを概ね含む。適宜、第2の端部支持部42は、溶接のような固定するためのあらゆる知られた方法によって保持器140に固定できる。次いで、方法は、図2に例示されるように、中央部分82の第1の部分90が、タッピングプレートの中央部分58とスパッド15の外側表面との間に挿入され、中央部分82の第2の部分92が、フィルタ要素22の内側周縁とスパッド15の外側表面との間に挿入されるように、タッピングプレート50と第1の端部支持部40との間にシールグロメット80を配置するステップを含む。そのようにすることで、第2の突起部96及び第1の突起部94はスパッド15の外側周縁に押し当たり、スパッド15及び流体出口ポート70に主シール及び副シールをそれぞれ提供する。タッピングプレート50は、シールグロメット80の上部面上に配置されるか、又は、図2に例示されるように、グロメット80によって形成される窪み102によって受容され、締まりばめが、タッピングプレート50とシールグロメット80との間に提供される。
【0027】
方法はまた、タッピングプレート50の延長部材124を覆ってハウジング20の接触造作部128を曲げるステップを含み、したがって、軸方向の全荷重がハウジング20を通して伝搬する。次いで、方法は、図示されるように、ガスケット142の縁部144が、タッピングプレート50の延長部材124を覆って曲げられるハウジング20の接触造作部128の部分に押し当たり、一方、ガスケット142のノッチ部分146が、ハウジング20とタッピングプレート50との間に画定される隙間130によって受容されるように、タッピングプレート50上方にガスケット142を配置するステップを含み、したがって、ハウジング20とタッピングプレート50との間にガスケット142を肩部126の直近に固定する。次に、方法は、タッピングプレート50のねじ切りされた部分110が、フィルタ取付け部12のねじ切りされた壁部分112と対応して連結又は係合するように、エンジン又は油圧システムから延出するフィルタ取付け部12上にタッピングプレート50を回転させるステップを含む。
【0028】
1つの例示的実施形態において、フィルタ18は、過酷使用対応のオイルフィルタである。当然、1.27cm(1/2インチ)以上の範囲の高さを有する様々なスパッドサイズのために確実にシールするように設計されるシールグロメット80の例示的実施形態と連結させて、他の様々なタイプのフィルタが使用できる。
【0029】
本発明は、例示的実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が実施できること、及び、均等物がその要素を代用できることを当業者は理解するだろう。更に、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、特定の状態又は材料に適応させるために、本発明の教示に多くの改良が実施できる。したがって、本発明は、本発明を実行するために思考された最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されないが、本発明は、添付の請求項の範囲内に収まるすべての実施形態及びそれらの法的均等物を含むこととなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を画定する中央部分と、
前記中央部分と一体に形成されるフランジ部分であって、前記中央部分の外側周縁から外向きに延出し、第1の方向に前記フランジ部分から離れる方向に前記中央部分の第1の部分が延出し、第2の方向に前記フランジ部分から離れる方向に前記中央部分の第2の部分が延出し、前記第1の方向は前記第2の方向と反対である、フランジ部分と、
前記第1の部分上に配置される、前記開口を画定する前記中央部分の内側表面上に配置された第1の突起部と
を備える流体フィルタのためのシールグロメット。
【請求項2】
請求項1に記載のシールグロメットにおいて、前記中央部分、前記フランジ部分及び前記第1の突起部が同じ材料からそれぞれ形成され、前記同じ材料はエラストマ−ゴムである、シールグロメット。
【請求項3】
請求項1に記載のシールグロメットにおいて、前記中央部分、前記フランジ部分及び前記第1の突起部が同じ材料からそれぞれ形成され、前記同じ材料はニトリルゴムである、シールグロメット。
【請求項4】
請求項1に記載のシールグロメットにおいて、前記第2の部分上に配置され、前記開口を画定する前記中央部分の前記内側表面上に配置される第2の突起部を更に備えるシールグロメット。
【請求項5】
請求項4に記載のシールグロメットにおいて、前記中央部分、前記フランジ部分、前記第1の突起部及び前記第2の突起部が同じ材料からそれぞれ形成され、前記同じ材料はエラストマ−ゴムである、シールグロメット。
【請求項6】
請求項4に記載のシールグロメットにおいて、前記中央部分、前記フランジ部分、前記第1の突起部及び前記第2の突起部が同じ材料からそれぞれ形成され、前記同じ材料はニトリルゴムである、シールグロメット。
【請求項7】
請求項1に記載のシールグロメットにおいて、前記フランジ部分が前記フランジ部分の遠位端部で外向きに湾曲する、シールグロメット。
【請求項8】
請求項1に記載のシールグロメットにおいて、前記中央部分が円筒である、シールグロメット。
【請求項9】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されるフィルタ要素であって、前記フィルタ要素は流体をろ過するために構成され、第1の端部支持部及び第2の端部支持部を有し、前記第1の端部支持部は前記フィルタ要素の上端部分に固定される、フィルタ要素と、
流体が通過して流れるための複数の流体路を提供するために複数の開口部を有するタッピングプレートと、
開口を画定する中央部分と、前記中央部分と一体に形成されるフランジ部分であって、前記中央部分の外側周縁から外向きに延出し、第1の方向に前記フランジ部分から離れる方向に前記中央部分の第1の部分が延出し、第2の方向に前記フランジ部分から離れる方向に前記中央部分の第2の部分が延出し、前記第1の方向は前記第2の方向と反対である、フランジ部分とを含む、前記タッピングプレートと前記第1の端部支持部との間に配置されるシールグロメットと、
前記第1の部分上に配置される、前記開口を画定する前記中央部分の内側表面上に配置された第1の突起部と
を備える、フィルタ取付け部が延出する前記オイル循環システムのためのフィルタ組立体。
【請求項10】
請求項9に記載のフィルタ組立体において、前記シールグロメットが前記タッピングプレートと前記第1の端部支持部との間に配置される場合、前記中央部分の前記第1の部分が前記タッピングプレートの内側表面部分と前記フィルタ取付け部の外側表面部分との間に配置され、前記タッピングプレートの前記内側表面部分と前記フィルタ取付け部の前記外側表面部分との間に形成される間隙の少なくとも一部分が前記中央部分の前記第1の部分を受容する、フィルタ組立体。
【請求項11】
請求項9に記載のフィルタ組立体において、前記シールグロメットが前記タッピングプレートと前記第1の端部支持部との間に配置される場合、前記中央部分の前記第2の部分が前記フィルタ要素の内側周縁と前記フィルタ取付け部との間に配置される、フィルタ組立体。
【請求項12】
請求項9に記載のフィルタ組立体において、前記第1の突起部が第1のシールを前記フィルタ取付け部に提供するように構成され、前記第1のシールが前記フランジ部分のシール表面の上方に設置される、フィルタ組立体。
【請求項13】
請求項12に記載のフィルタ組立体において、第2の突起部が前記第2の部分上に配置され、前記開口を画定する前記中央部分の前記内側表面上に配置される、フィルタ組立体。
【請求項14】
請求項13に記載のフィルタ組立体において、前記第2の突起部が第2のシールを前記フィルタ取付け部に提供するように構成され、前記第2のシールは前記フランジ部分の前記シール表面の下方に設置される、フィルタ組立体。
【請求項15】
請求項13に記載のフィルタ組立体において、前記中央部分、前記フランジ部分、前記第1の突起部及び前記第2の突起部が、同じ材料からそれぞれ形成され、前記同じ材料はエラストマ−ゴムである、フィルタ組立体。
【請求項16】
請求項13に記載のフィルタ組立体において、前記中央部分、前記フランジ部分、前記第1の突起部及び前記第2の突起部が同じ材料からそれぞれ形成され、前記同じ材料はニトリルゴムである、フィルタ組立体。
【請求項17】
請求項9に記載のフィルタ組立体において、前記中央部分、前記フランジ部分及び前記第1の突起部が同じ材料からそれぞれ形成され、前記同じ材料はエラストマ−ゴムである、フィルタ組立体。
【請求項18】
請求項9に記載のフィルタ組立体において、前記中央部分、前記フランジ部分及び前記第1の突起部が同じ材料からそれぞれ形成され、前記同じ材料はニトリルゴムである、フィルタ組立体。
【請求項19】
ハウジング内で流体をろ過するために構成されるフィルタ要素であって、第1の端部支持部及び第2の端部支持部を有し、前記第1の端部支持部は前記フィルタ要素の上端部分に固定される、フィルタ要素を配置するステップと、
前記ハウジング内に流体のための複数の流体路を提供するために複数の開口部を有するタッピングプレートを据え付けるステップと、
開口を画定する中央部分と、前記中央部分と一体に形成されるフランジ部分であって、前記中央部分の外側周縁から外向きに延出し、第1の方向に前記フランジ部分から離れる方向に前記中央部分の第1の部分が延出し、第2の方向に前記フランジ部分から離れる方向に前記中央部分の第2の部分が延出し、前記第1の方向は前記第2の方向と反対である、フランジ部分とを有するシールグロメットを前記第1の端部支持部と前記タッピングプレートとの間に配置するステップと、
前記開口を画定する前記中央部分の内側表面上に配置された第1の突起部を前記第1の部分上に配置するステップと、
を備える、オイル循環システムのフィルタ取付け部に固定されるように構成されるフィルタ組立体を組み立てるための方法。
【請求項20】
請求項20に記載の方法において、前記シールグロメットが前記タッピングプレートと前記第1の端部支持部との間に配置される場合、前記中央部分の前記第1の部分が前記タッピングプレートの内側表面部分と前記フィルタ取付け部の外側表面部分との間に配置され、前記タッピングプレートの前記内側表面部分と前記フィルタ取付け部の前記外側表面部分との間に形成される間隙の少なくとも一部分が前記中央部分の前記第1の部分を受容し、前記シールグロメットが前記タッピングプレートと前記第1の端部支持部との間に配置される場合、前記中央部分の前記第2の部分が前記フィルタ要素の内側周縁と前記フィルタ取付け部との間に配置される、方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−512744(P2012−512744A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542331(P2011−542331)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/068011
【国際公開番号】WO2010/080394
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(511284971)フラム・グループ・アイピー・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】