流体処理アセンブリ、流体処理エレメント及びこれらの製造方法
流体を処理するための流体処理アセンブリ及びエレメントに関する。これは、クロスフロー作動モードで、気体、液体、又は気体の混合物、及び/又は固体を含む流体を処理するために使用され得る。例えば、いくつかの流体処理アセンブリ及びエレメントが、前記流体から1つ以上の物質を除去するために使用されることができ、この場合、フィルタ及び濃縮器を含む分離器として機能する。他の流体処理アセンブリ及びエレメントは、2つの流体流の間に物質を移動させるために使用されることもでき、この場合、物質移動装置として機能する。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
[0001]本発明は、様々な方法で、気体、液体、或いは、気体、液体及び/又は固体の混合物を含む流体を処理するために使用される流体処理アセンブリ及びエレメントに関する。例えば、いくつかの流体処理アセンブリ及びエレメントは、流体から1つ以上の物質を除去するために使用でき、その場合、濃縮器やフィルタ、他のタイプの分離器として機能し得る。他の流体処理アセンブリ及びエレメントは、2つの流体流間で物質を移動させるために使用でき、その場合、物質移動装置として機能し得る。
【0002】
[0002]特に、本発明は、クロスフロー作動モードで流体を処理するように構成された、プリーツ(pleat)付きの流体処理アセンブリ及びエレメントに関する。プリーツ付きの流体処理エレメントは、例えば、単一のシートとして又は多層複合体の1つ以上の層として形成された流体処理メディアを含む。単一のシート又は多層複合体は、複数のプリーツを作るために、ジクザグに折り畳まれたり波形に形成されたりしてもよい。各プリーツは、折り畳まれた端部と、開放端部と、折り畳まれた端部と開放端部との間に延びる2つの脚部とを有する。プリーツ状にされたシート又は複合体の互いに反対向きの端縁部は、エッジシールに沿って互いにシールされて、略円筒形の流体処理パックを形成し、各プリーツは、流体処理パックに沿って実質的に軸線方向に延びる。
【0003】
[0003]流体処理アセンブリ及びエレメントは、流体処理パックのプリーツに沿って接線方向に延びる第1の流体流路と、第1の流体流路からプリーツ状にされた流体処理メディアを通って延びる、又は、プリーツ状にされた流体処理メディアを通って第1の流体流路へ延びる第2の流体流路とを含むものとすることができる。供給流体は、第1の流体流路に沿って流体処理アセンブリ又はエレメントに流入することができる。供給流体は、次いで、第1の流体流路を経て、軸線方向には流体処理パックに沿って、接線方向にはパックのプリーツ内を通過するが、ここで供給流体の処理が行われる。例えば、供給流体の1つ以上の成分を含む1つ以上の物質が、供給流体を第2の流体流路に沿って流体処理メディアの中を通過させることによって、供給流体から除去され得る。或いは、1つ以上の物質が、第2の流体流路に沿って流体処理メディアを通って供給流体内に入ることによって、供給流体に追加され得る。処理された供給流体は、次いで、第1の流体流路に沿って流体処理アセンブリ又はエレメントから連続的に排出される。
【0004】
[0004]本発明の一態様によれば、流体処理エレメントは、流体処理パックと、シーラントと、第1の流体流路と、第2の流体流路とを備えるものとすることができる。流体処理パックは、第1の表面及び第2の表面を有する流体処理メディアを含む。流体処理パックはまた、軸線と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、パックの第1の端部と第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツとを含む。各プリーツは、それぞれ、流体処理パックの第1の端部及び第2の端部に、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含む。各プリーツは、更に、折り畳まれた端部と、開放端部と、プリーツの折り畳まれた端部と開放端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを含む。構造体がない領域は、流体処理メディアの第1の表面に沿って、第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間でプリーツ内に軸線方向に延在し、かつ、プリーツの第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部とに開いている。シーラントは、流体処理メディアの第2の表面から流体処理パックの各端部をシールしている。第1の流体流路は、プリーツを有する流体処理パックに沿って軸線方向にプリーツ内に延在しており、かつ構造体がない領域を含む。第2の流体流路は、第1の流体流路から流体処理メディアを通って延びる、又は流体処理メディアを通って第1の流体流路へ延びる。
【0005】
[0005]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントは、略円筒形の中空の流体処理パックと、シーラントと、コアとを備えるものとすることができる。流体処理パックは、軸線と、内部と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、プリーツ状にされた複合体とを含む。プリーツ状にされた複合体は、内面及び外面を有する流体処理メディアを含み、かつ流体処理パックの第1の端部と第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツを画定している。各プリーツは、それぞれ、流体処理パックの第1の端部及び第2の端部において、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含む。各プリーツは、折り畳まれた外端部と、開放内端部と、折り畳まれた外端部と開放内端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを更に含む。構造体がない領域は、流体処理メディアの内面に沿って第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間でプリーツ内に軸線方向に延在し、かつ、プリーツの第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部とに開いている。シーラントは、流体処理メディアの外面から流体処理パックの各端部をシールしている。コアは、プリーツの開放内端部に沿って、流体処理パックの中空内部に配置されている。
【0006】
[0006]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントは、略円筒形の流体処理パックと、シーラントと、外側の囲み部とを備えるものとすることができる。流体処理パックは、軸線と、外面と、対向する第1の端部及び第2の端部と、プリーツ状にされた複合体とを含む。プリーツ状にされた複合体は、内面と外面とを有する流体処理メディアを含み、かつ、流体処理パックの第1の端部と第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツを画定している。各プリーツは、それぞれ、流体処理パックの第1の端部及び第2の端部において、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含む。各プリーツは、更に、折り畳まれた内端部と、開放外端部と、折り畳まれた内端部と開放外端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを含む。構造体がない領域は、流体処理メディアの外面に沿って第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間でプリーツ内に軸線方向に延在し、かつ、プリーツの第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部とに開いている。シーラントは、流体処理メディアの内面から流体処理パックの各端部をシールしている。外側の囲み部は、プリーツの開放外端部に沿って流体処理パックの外面の周りに配置されている。
【0007】
[0007]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントを製造する方法は、互いに反対側を向く第1の表面と第2の表面とを有する流体処理メディアを波形にして、複数のプリーツを形成するステップと、波形の流体処理メディアを略円筒形の流体処理パックに形成するステップとを備えるものとすることができる。流体処理パックは、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部を有し、プリーツは、この第1の端部と第2の端部との間を流体処理パックに沿って軸線方向に延びる。本方法はまた、流体処理メディアの第1の表面に沿って剥離材料を位置づけるステップと、流体処理パックに第1の端部及び第2の端部付近でシーラントを塗布して、流体処理メディアの第2の表面から流体処理パックの両端部をシールするステップとを備える。本方法は、更に、波形の流体処理パックから剥離材料を除去して、各プリーツに構造体がない領域を形成するステップを備える。剥離材料は、シーラントが流体処理パックの両端部に塗布された後、流体処理パックから除去される。
【0008】
[0008]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントを製造する方法は、互いに反対側を向く第1の表面と第2の表面とを有する流体処理メディアと、流体処理メディアの第1の表面に沿って配置された剥離材料とを含む複合体を形成するステップを備えるものとすることができる。本方法はまた、複合体を波形にして複数のプリーツを形成するステップと、波形の複合体を、第1の端部と第2の端部とを有する略円筒形の流体処理パックに形成し、プリーツは流体処理パックに沿って軸線方向に延びるステップとを備える。本方法は、流体処理パックに第1の端部及び第2の端部付近でシーラントを塗布して、流体処理メディアの第2の表面から流体処理パックの両端部をシールするステップを更に備える。本方法は、波形の複合体から剥離材料を除去して、各プリーツに構造体がない領域を形成するステップを、更に備える。剥離材料は、シーラントが流体処理パックの端部に塗布された後、複合体から除去される。
【0009】
[0009]本発明の実施形態は、多くの利点を有する。例えば、構造体がない領域をプリーツに設けることによって、供給流体が、流体の流れに対する抵抗をより小さくして、これらの領域に沿って流れることができる。結果的に、供給流体は、より小さな圧力降下で、流体処理パックを通って接線方向に流れることができる。更に、構造体がない領域を流体処理メディアの表面のすぐ隣に位置づけることによって、これらの領域を通って接線方向の流路に沿って流れる流体は、より高速でより一定のせん断速度を有することができ、かつ流体処理メディアの表面をより完全に汚れのない状態に維持することができる。加えて、多くの供給流体は、流体流路内の流路内の障害物を通って又は障害物の周りを流れる時、汚れを堆積させる。プリーツに構造体がない領域を設けることによって、本発明の実施形態によれば、供給流体が、流体処理メディアにほとんど汚れを堆積せずに、流体処理パックを通って接線方向の流路に沿って流れることが可能となる。結果的に、流体処理エレメントの性能が強化されることができ、流体処理エレメントの使用寿命が延びることになる。
【実施形態の説明】
【0010】
[0021]本発明を具現化する流体処理エレメント及び流体処理アセンブリとしては種々ある。流体処理アセンブリ10の一例が、図1〜図3に示されており、この例は、ハウジング12内に収容された流体処理エレメント11を備える。流体処理エレメント11は、概して述べるならば、中心軸線14と、互いに反対向きの端部15、16と、流体処理メディア17と、複数のプリーツ20とを有する略円筒形の中空の流体処理パック13を含んでいる。プリーツ20は、パック13の端部15、16間にて、実質的に軸線方向に延びている。プリーツ20は、径方向内方又は径方向外方に延び、或いは、湾曲した非径方向、弓形の非径方向、角度が付けられた非径方向又は直線的な非径方向において内方又は外方向に延びるものとすることができる。各プリーツ20は、流体処理パック13における互いに反対向きの端部15、16にて、それぞれに対応する互いに対向する軸線方向端部21、22を含んでいる。各プリーツ20は、折り畳まれた端部(例えば折り畳まれた外端部23)と、開放端部(例えば開放内端部24)と、折り畳まれた端部23と開放端部24との間に延びる2つの脚部25、26とを、更に含むことができる。流体処理パック13におけるプリーツ20の、全て又は実質的に全ての部分、すなわち、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、或いは100%の部分が、構造体がない領域27を含む。流体処理パック内に構造体がない領域がより多く設けられるため、パーセンテージが高い方が好ましい。構造体がない領域27は、プリーツ20の全長に沿って軸線方向端部21、22間で、各プリーツ20内に軸線方向に延在し、かつ、プリーツ20の軸線方向端部21、22にて開放している。流体処理メディア17は、内面及び外面を有し、構造体がない領域27は、流体処理メディア17の両表面のうちの一方、例えば内面に沿って、プリーツ20内に軸線方向に延びている。流体処理パック13の各端部のシーラント(封止剤)18は、流体処理メディア17の両表面のうちの他方、例えば外面を、流体処理パック13の端部15、16からシールしている。流体処理エレメント11は、接線方向流体流路30と横方向流体流路31とを更に含む。接線方向流体流路30は、プリーツ20内に流体処理パック13に沿って実質的に軸線方向に延在しており、構造体がない領域27を含む。横方向流体流路31は、接線方向流体流路30と流体的に連通しており、流体処理メディア17を通って接線方向流体流路30へ、又は接線方向流体流路30から流体処理メディア17を通って、横方向に延びる。
【0011】
[0022]稼働中、供給流体は、接線方向流体流路30を経て、流体処理パック13に沿って接線方向に通過することができる。例えば、供給流体は、ハウジング12の供給流体入口ないしはプロセス流体入口32を通して、接線方向流体流路30に沿って流れ、プリーツ20の軸線方向開放端部21の位置で、構造体がない領域27に入ることができる。供給流体は、次いで、構造体がない領域27を介して流体処理メディア17の一方の表面に沿って通過し、プリーツ20の反対側の軸線方向開放端部22及び未透過流体(retentate)出口ないしは濃縮流体出口33の位置で、流体処理パック13及びハウジング12から流出する。供給流体は、構造体がない領域27内で、例えば、横方向流体流路31を介して流体処理メディア17を通して供給流体から1つ以上の物質を除去することによって、又は、横方向流体流路31を介して流体処理メディア17を通して供給流体に1つ以上の物質を加えることによって、処理され得る。例えば、供給流体の1つ以上の成分が、流体処理メディア17を通り、ハウジング12の1つ以上の透過流体出口ないしは濾過流体出口34を通過することによって、除去され得る。したがって、流体処理エレメント11は、プリーツを有するクロスフロー流体処理エレメントとしてみなすことができる。なお、国際公開第00/13767号及び国際公開第2005/094963号もまた、プリーツを有するクロスフロー流体処理エレメントを開示しているが、これらの公報は、参照することにより、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に援用されるものとする。
【0012】
[0023]流体処理パック13は、様々な手法で組み立てられ得る。例えば、図3に示すように、流体処理パックは、プリーツ状にされた多層複合体40を含むものとすることができる。複合体40のいくつかの層又は全部の層が、互いに一体に繋がれていてもよいし、互いに一体形成されていてもよい。例えば、これらの層は、層の隣り合う表面の全部又は一部分に沿って、熱接合、溶剤接合又は接着剤による接合で、互いに接合され得る。しかし、多くの実施形態においては、複合体40の層は、別個独立の複数層からなるものとすることができ、これらの層は、互いに隣接して配置されているが、シーラントの近傍を除いて互いに固定されておらず、このシーラントの近傍において、シーラントは層を互いに固定することができる。
【0013】
[0024]流体処理パック13は、複合体40における1つ以上の層として形成された流体処理メディア17を含む。流体処理メディア17は、互いに反対側を向く表面、例えば内面41及び外面42を有する。適切な流体処理メディアは、供給流体の性質や、どのように供給流体が処理されるか、などの要因に応じて大幅に変わるものである。例えば、流体処理メディアは、無数の特性のうちの任意の特性を有することができ、又は有するように変更され得る。流体処理メディアは、透過性、半透過性、又は選択透過性を含む多孔性とすることができ、オングストローム範囲すなわちダルトン範囲又はそれ以下から、サブミクロン範囲、ミクロン範囲、又は数10ミクロン範囲又はそれ以上の、分子量カットオフを含む除去効率を有するものとすることができる。例えば、流体処理メディアは、逆浸透メディア、ナノ濾過メディア、限外濾過メディア又は精密濾過メディアからなるものとすることができる。流体処理は、気体及び液体を通すことができてもよいし、気体しか通さず液体を通さなくてもよい。流体処理メディアは、疎液性であっても親液性であってもよく、電気的に中性な表面又は帯電した表面を有してもよく、かつ/又は、例えば供給流体中の1つ以上の物質と結合するように構成されていてもよい1つ以上の官能基を含んでいてもよい。流体処理メディアは、例えば、透過性膜、半透過性膜若しくは選択透過性膜又は多孔性シート(繊維性シートなど)などを含む様々な手法で構成されることができ、また、金属、天然若しくは合成のポリマー、又はセラミック若しくはガラスを含む、任意の適切な材料から形成されることができる。多くの実施形態では、サブミクロンの定格除去性能を有する又は更に細かい透過性ポリマー膜が、流体処理メディアとして使用され得る。
【0014】
[0025]流体処理パック13は、流体処理メディア17に加えて、1つ以上の層を含むものとすることができる。例えば、流体処理パック13は、多層複合体40の更なる層として、多孔性排出メディアを含むことができる。排出メディアは、下流側排出層ないしは透過流体排出層43を備えることができ、この排出層43は、流体処理メディア17の表面、例えば外面42に沿って配置され、流体処理メディア17の外面42に隣接するか、又は流体処理メディア17の外面42から間隔を置いて配置されている。排出層43は、プリーツの脚部に対して平行なプリーツ状にされた流体処理メディア17の外面42へ、又は、該流体処理メディア17の外面42から、流体が適切に流れることを可能にする、十分に低いエッジ方向の流動抵抗を有する多様な材料のうちの任意の材料からなるものとすることができる。多くの適切な排出メディアが、例えば米国特許第5,543,047号及び米国特許第5,252,207号に開示されており、これらの両方が、参照により、あらゆる目的のために、その全体が本明細書に援用されるものとする。多くの実施形態のために、織られた又は不織のポリマー繊維状材料又はポリマーメッシュが、排出メディアとして使用され得る。例えば、透過流体排出層43は、第1及び第2の2平面のストランドの組を有する、押出成形されたポリマーメッシュからなるものとすることができる。押出成形されたメッシュ層に関しては、他の任意のメッシュ層と同様に、ストランドの組のどちらかを、複合体40内で流体処理パック13の軸線14に対し平行に向きを定めてもよく、また、ストランドのどちらの組も、複合体40内で流体処理パック13の軸線14に対し平行に向きを定めなくてもよい。
【0015】
[0026]多層複合体40は、また、他の層を含むことができる。例えば、透過流体排出層43は、流体処理メディア17の外面42に沿って配置され得るが、このとき、下流側支持層ないしは透過流体多孔性支持層44と下流側クッション層ないしは透過流体多孔性クッション層45とが、透過流体排出層43と流体処理メディア17の外面42との間にあってもよい。透過流体支持層44は、流体処理メディア17の外面42及び透過流体排出層43の内面に沿って延在し、かつ、透過流体クッション層45と同様に、流体処理メディア17を支持する。例えば、透過流体支持層44は、透過流体排出層43へと流体処理メディア17を押圧する力、例えば膜差圧に伴う力などの力に対して、流体処理メディア17を支持することができ、それによって、透過流体クッション層45と同様に、流体処理メディア17が透過流体排出層43の溝や開口部へ押出されることに抗することができる。透過流体支持層44は、多種多様な織られた若しくは不織のポリマー繊維状材料、又は透過流体排出層43のメッシュより細かくてもよいポリマーメッシュからなるものとすることができる。
【0016】
[0027]下流側クッション層45は、流体処理メディア17の直近にあってもよく、かつ流体処理メディア17の外面に沿って、また、透過流体支持層44及び透過流体排出層43の内面に沿って延在させてもよい。透過流体クッション層45は、他の下流側層43、44から受ける損傷から流体処理メディア17を保護する。例えば、透過流体クッション層45は、下流側支持層44又は下流側排出層43による摩擦から、流体処理メディア17を保護する。多くの実施形態では、クッション層は、薄く、滑らかで、かつ丈夫な不織繊維状材料からなるものとすることができる。
【0017】
[0028]プリーツ20内の構造体がない領域27は、一般に、プリーツ20内に空間又は溝を提供するが、これらの空間又は溝を通って、流体、例えば供給流体が、流体処理パック13の一方の端部15、16から、他方の端部16、15まで流れることができる。各領域27は、プリーツ20の脚部25、26間に、プリーツ20に沿って軸線方向に延びる。構造体がない領域27の幅、すなわち1つのプリーツの脚部から他方の脚部までの距離は、領域27間で変更されてもよく、又は一定であってもよい。更に、構造体がない領域27の幅は、領域27の軸線方向長に沿ってかつ/又はプリーツ20の高さに沿って、変更されても、一定であってもよい。多くの実施形態では、構造体がない領域27の公称幅は、約1000分の10インチ又はそれ以下から約1000分の200インチ又はそれ以上までの範囲内、例えば、約1000分の20〜1000分の150インチ、或いは、約1000分の40〜1000分の130インチとすることができる。更に、各構造体がない領域27の高さは、プリーツ20の折り畳まれた端部23と開放端部24との間で、プリーツ20の高さの少なくとも約50%又は少なくとも約75%又は少なくとも約90%又は約100%とすることができる。これもまた、より多くの構造体がない領域27が設けられるため、パーセンテージが高い方が好ましい。
【0018】
[0029]構造体がない領域27はそれぞれ、プリーツ20の軸線方向端部21、22間に障害なく延びることができる。例えば、構造体がない領域27は、プリーツ20内に構造体がない領域を画定又は維持するために、フィルターパック内にかつ/又はプリーツの両脚部の間に挿入される1つ以上のスペーサなどの、スペーサ構造体を含まないものとすることができる。更に、多くの実施形態では、各構造体がない領域27は、流体処理メディア17の直近に配置され、流体処理メディア17の表面、例えば内面41に隣接して配置されてもよい。結果的に、接線方向の流路30に沿って流れる供給流体などの流体は、構造体がない領域27を、圧力降下の少ない状態で、かつ、より高速でより一定のせん断速度で、流体処理エレメント17の表面に沿って通過する。
【0019】
[0030]流体処理パック13及び構造体がない領域27に加えて、流体処理エレメント11は、他の特徴部を含むことができる。例えば、流体処理エレメント11は、例えばプリーツ20の開放内端部24に沿って、流体処理パック13の内部に配置されるコア50を含むことができる。コア50は、プリーツ20の開放内端部24から流体が流れ出るのを防ぐよう機能することができるが、これは様々に構成され得る。例えば、コア50は、中実のロッド又は各端部でキャップされた中空のチューブからなるものとすることができる。コアは、プリーツ20の開放内端部24を閉止する外面51を有することができる。この場合、コア50は、プリーツ20の軸線方向開放端部21、22へ、又は軸線方向開放端部21、22から流体を向け、かつプリーツ20の開放内端部24を通って径方向内側へ流体が流れないようにし、接線方向の流路30に沿って構造体がない領域27内に流体を閉じ込める。
【0020】
[0031]流体処理エレメント11はまた、流体処理パック13の外面の周りに配置された、ケージ、スリーブ又はラップなどの囲み部52を含むことができる。囲み部は、当該囲み部の軸線方向長の全部又は一部のみに沿って、有孔若しくは多孔性であってもよく、又は他の開口部を有していてもよい。いくつかの実施形態では、囲み部は不浸透性であってもよい。例示の実施形態において、囲み部52は、軸線方向全長にわたり開口部を有しており、かつ、流体処理パック13の外面の周りに円周方向に巻きつけられたポリマーメッシュ、例えば押出成形されたポリマーメッシュの1つ以上の層からなるものとすることができる。この囲み部は、プリーツ20、例えばプリーツ20の折り畳まれた外端部23に当接することができ、かつ、プリーツ20を適切な位置に保持しかつ流体処理メディアと透過流体出口との間に流体連通を維持する際の補助となり得る。
【0021】
[0032]ハウジング12は、流体処理エレメント11を収容するように、多くの異なる態様で構成され得る。例えば、ハウジング12は、シェル53を含むことができ、このシェル53は、流体処理エレメント11の外面を包囲し、かつ対向する開放端部54、55を有する。ハウジング12は、また、様々に構成され得る複数のポートを含むことができる。例えば、ハウジング12は、供給流体入口ポートないしはプロセス流体入口ポート32を有することができ、この供給入口ポート32は、単に、シェル53の開放端部54、55のうちの一方を備えるだけでもよい。ハウジング12は、また、未透過流体出口ポートないしは濃縮流体出口ポート33を有することができ、この未透過流体出口ポート33は、単に、シェル53の開放端部55、54のうちの他方の開放端部を備えるだけでもよい。少なくとも1つの透過流体出口ポートないしは濾過流体出口ポート34(例えばシェル53の両端部付近に配置されており、かつ180°の角度変位を有する2つの透過流体出口34)が、又はハウジング12に関連づけられ得る。
【0022】
[0033]シーラント18が、流体処理エレメント11の各端部において、流体処理メディア17からハウジング12のシェル53まで径方向外向きに延在するが、このシーラント18は、流体処理メディア17の一方の表面、例えば外面42すなわち透過流体側、から、流体処理パック13の各端部15、16をシールする。シーラント18は、また、流体処理エレメント11をハウジング12に固定するために、かつ/又は流体処理メディア17を適切な位置に固定するよう、例えば流体処理メディア17を流体処理パック13の1つ以上の他の層に固定するよう機能する。例えば、エポキシ、ウレタン又はポリオレフィンを含む、様々なシーラントが利用され得る。多くの実施形態では、シーラントはエポキシとすることができる。シーラント18は、約1/8インチ又はそれ以下から約1インチ又はそれ以上までの範囲の距離を、流体処理エレメント11の各端部から軸線方向内側に延在させてもよい。ハウジング12との併用で、シーラント18は、流体を、流体処理メディア17を通って、接線方向の流路30から横方向の流路31に沿って行くように、又は横方向の流路31に沿って接線方向の流路30へ行くように、方向付ける。例えば、透過流体すなわち濾過流体は、接線方向の流路30及び構造体がない領域27から横方向の流路31に沿って流入し、流体処理メディア17を通って囲み部52へ行き、囲み部52に沿ってハウジング12の透過流体出口ポート34に達するように、導かれることができる。
【0023】
[0034]シーラント64もまた、流体処理パック13の各端部で、例えば、流体処理メディア17の供給側にて、コア50とプリーツ20との間に配置され得る。シーラント64は、構造体がない領域27にほとんど影響を与えることなく、隣り合うプリーツ20の脚部25、26をコア52に固定することができる。シーラント64は、コア50の全長に沿って、軸線方向に延在させてもよい。いくつかの実施形態では、シーラント64は、約1/8インチ又はそれ以下から約1インチ又はそれ以上までの範囲の距離を、流体処理パックの一方の端部から内部へ軸線方向に延在することができる。コア52とハウジング12のシェル53とが流体処理エレメント11に固定されているので、ハウジング12は、図1に示すように、コア50とシェル53との間に延びるいかなる端部片も含まないものとすることができ、例えば、全くなくてもよい。この場合、ハウジング12のいかなる部分も、流体処理パックの外径より小さい内径を有さない。これにより、製造が簡単になり、かつ、流体処理アセンブリ10を使い切った際に処分される廃棄物の量が低減される。シェル53の両端部は、それぞれ、取付具、例えばトリクランプ金具65の一部として構成されてもよく、入口ライン及び出口ライン(図示せず)の対応する取付具に接続されることができる。
【0024】
[0035]流体処理エレメント又はアセンブリは、多数の手法のうちのいずれかで製造され得る。例えば、1つの方法は、概して述べるならば、第1の表面と第2の表面とを有する少なくとも1つの流体処理メディアを波形にして複数のプリーツを形成するステップと、波形の流体処理メディアを略円筒形の流体処理パックに形成するステップとを備える。流体処理パックは、第1の端部と第2の端部とを有し、かつプリーツは、パックの第1の端部と第2の端部との間に、流体処理パックに沿って軸線方向に延びる。本方法はまた、流体処理メディアの第1の表面に沿って剥離材料を配置するステップと、流体処理パックに第1の端部及び第2の端部付近でシーラントを塗布して、流体処理メディアの第2の表面から両端部をシールするステップとを備える。本方法は、更に、波形の流体処理パックから剥離材料を除去して各プリーツに構造体がない領域を形成するステップを備える。
【0025】
[0036]別の方法は、概して述べるならば、多層複合体を波形にして複数のプリーツを形成するステップと、波形の複合体を略円筒形の流体処理パックに形成するステップとを備える。多層複合体は、互いに反対側を向く第1の表面と第2の表面とを有する少なくとも1つの流体処理メディアと、流体処理メディアの第1の表面に沿って配置された剥離材料とを含む。円筒形の流体処理パックは、第1の端部と第2の端部とを有し、プリーツは、流体処理パックに沿って軸線方向に延びる。本方法は、流体処理パックに第1の端部及び第2の端部付近でシーラントを塗布して、流体処理メディアの第2の表面から両端部をシールするステップと、シーラントを塗布した後に、剥離材料を波形の複合体から剥ぎ取って各プリーツに構造体がない領域を形成するステップとを更に備える。
【0026】
[0037]流体処理アセンブリを製造する方法の更に特定の例では、図4に示すように、最初に、多層複合体40を形成するステップを含んでもよい。複合体40を形成するステップは、外面42になる側の流体処理メディア17の表面に沿って、透過流体排出層43と、透過流体支持層44と、透過流体クッション層45とを配置する工程を含んでもよい。透過流体排出層43は、流体処理メディア17と同じ幅であってもよく、透過流体排出層43の側縁部及び流体処理メディア17の側縁部は、位置合わせされてもよい。透過流体支持層44及び透過流体クッション層45は、流体処理メディア17より幾分狭くてもよい。例えば、透過流体支持層44の側縁部及び透過流体クッション層45の側縁部は、流体処理メディア17の側縁部に平行であってもよいが、流体処理メディア17の側縁部から内側に、例えば約3/4インチまで、間隔を置かれてもよい。
【0027】
[0038]多層複合体40はまた、内面41になる側の流体処体メディア17の表面に沿って、1つ以上の層が形成されてもよい。例えば、シーラントバリヤ層70及び剥離材料71が、流体処理メディア17の内面41に沿って配置されてもよい。シーラントバリヤ層は、流体処理メディアの幅と同様の幅を有する単一のシートを備えることができる。しかし、ほとんどの実施形態では、シーラントバリヤ層70は、2つの幅の狭いストリップを備えることができ、これらのストリップは、流体処理メディア17の両側縁部に沿って配置され、かつ多くの場合においては、流体処理メディアの両側縁部から内側に間隔をあけて置かれる。例えば、シーラントバリヤ層70のストリップは、幅が約1インチ又はそれ以上とすることができ、各ストリップの一方の側縁部は、流体処理メディア17の側縁部に対して平行に、しかし流体処理メディア17の側縁部から約1/4インチ又はそれ以上で内側に間隔を置いて、配置され得る。シーラントバリヤ層70は、シーラントにバリア性を提供する多様な材料から形成され得る。多くの実施形態では、シーラントバリヤ層70は、シーラントに接合しにくい、薄い不浸透性のポリマーフィルムから形成される。
【0028】
[0039]剥離材料71は、流体処理メディア17の内面41に沿って配置され得る。剥離材料71は、流体処理メディア17と同じ幅を有することができ、剥離材料71の側縁部及び流体処理メディア17の側縁部が整列されるとよい。流体処理パック13から剥離材料71を除去することにより、構造体がない領域27が得られるが、剥離材料の厚さは、概ね各構造体がない領域27の幅に対応しており、例えば各構造体がない領域27の幅の約半分であってもよい。結果的に、剥離材料71の厚さは、プリーツ20の所望の数と構造体がない領域27の所望の寸法とに従って、選ばれ得る。剥離材料71は、様々な方法で構成されることができ、色々な材料のうちの任意の材料から作られ得る。例えば、剥離材料は、流体処理メディア17と共に波形をつけられるのに十分な可撓性を有する、単一の層又は多層を備えることができる。更に、剥離材料は、シート材料から作られることができるが、このシート材料は、耐圧縮性を有し、かつ波形形成の間、流体処理メディアへの損傷を防止するものである。多くの実施形態では、剥離材料71は、多層複合体、例えば、前述した透過流体クッション層45と、透過流体支持層44と、透過流体排出層43とに類似した、クッション層と、支持層と、排出層とを含む3層複合体からなるものとすることができる。
【0029】
[0040]多層複合体40は、次いで、波形にされて複数のプリーツ20を形成することができる。この複合体は、色々なコルゲータのうちの任意のコルゲータによって波形にされることができ、プリーツは様々に構成され得る。例えば、各プリーツの脚部は、ほぼ等しい長さを有してもよく、又は、一方の脚部が他方の脚部より長くてもよい。多層複合体40が波形にされた後、カッタが、プリーツ状にされた複合体をプリーツ20に対して平行な方向に切断し、前縁72と、後縁73と、所定数のプリーツ20とを形成してもよい。プリーツ状にされた複合体は、次いで、略円筒形のパック13に形成される。例えば、プリーツ状にされた複合体40の前縁72及び後縁73は、図5に示すように合わせて互いに隣接して配置され、内面と、外面と、対向する端部15、16とを有する、略円筒形の中空の流体処理パック13を形成してもよい。側部シール74は、例えば溶融接合、接着剤接合、及び/又は機械的接続を含む色々な方法で、前縁及び後縁72、73に沿って形成され得る。ほとんどの実施形態では、シーラントバリヤ層70及び剥離材料71は、側部シール74の一部を形成しないように、前縁及び後縁72、73から引っ込んだところで切除することができる。
【0030】
[0041]流体処理パック13が形成された後、1つ以上のシーラントが塗布され得る。任意のシーラントの量及び粘度と、このシーラントに接触する様々な層の湿潤性とが、シーラントの不十分な又は過度の滲み込みが層に沿って軸線方向に生じないように選ばれる。シーラントは、様々な方法のうちの任意の方法で塗布され得る。例えば、パック13の各端部15、16は、シーラント81に浸漬され得るが、このとき、シーラント81が、パック13の端部15、16を、パック13の各端部15、16から約1/8インチ又はそれ以上の軸線方向の深さまで満たすようにする。図6に示すように、流体処理パック13の各端部15、16は、底部にシーラント81が入っているコップ形状の固定具80内に浸漬されてもよい。固定具80は、流体処理パック13の所望の外径に対応する内径と、約1インチ又はそれ以下から約1.25インチ又はそれ以上の深さとを有してもよく、頂部付近に僅かなテーパを有してもよい。コア50又はコア代用物が、パック13が固定具80内のシーラント81に浸漬される前に、流体処理パック13の内部に挿入されてもよい。
【0031】
[0042]最初に塗布されたシーラント81が凝固した後、次いで、シーラント18が、流体処理パック13とコップ形状の固定具80の内径との間に塗布され、流体処理パック13内の全ての空隙部を充填することができる。これらの空隙部は、図6に示すように、径方向には、流体処理メディア17の外面42と固定具80の内面との間にあり、軸線方向には、最初に塗布されたシーラント81と、例えば固定具80の頂部付近のテーパの底部との間にある。シーラント18は、固定具80の底部付近から頂部付近まで延びる流体処理パック13の端部領域内の、透過流体排出層43の空隙に侵入する。透過流体クッション層及び透過流体支持層44、45の側縁部が、図4に示すように、流体処理メディア17の側縁部から、内側に間隔をあけて置かれているため、シーラント18は、透過流体クッション層及び支持層44、45の両縁部から軸線方向内方に、約1/16インチから約1/2インチだけ、透過流体クッション層及び透過流体支持層44、45の空隙に侵入することができる。シーラント18は、また、固定具80の底部付近から頂部付近まで延びる端部領域において、流体処理メディア17の空隙に侵入することができ、流体処理メディア17を通過して流体処理メディア17の内面41まで達し、この内面41において、シーラント18は、シーラントバリアストリップ70によってブロックされる。或いは、シーラント18は、通過して内面41まで到達せずに、単に流体処理メディア17の外面42に接合してもよい。
【0032】
[0043]シーラント18が凝固した後、流体処理メディア17の外面42は、流体処理パック13の端部15、16からシールされる。透過流体排出層43及び流体処理メディア17は、透過流体支持層44及び透過流体クッション層45と同様に、流体処理パック13の端部領域においてシーラント18によって、効果的に互いに接合される。更に、隣合うプリーツ20の脚部25、26は、シーラント18内に埋め込まれ、流体処理パック13の端部領域において、流体処理メディア17から外向きに互いに効果的に接合される。しかし、剥離材料71及びシーラントバリアストリップ70は、最初に塗布されたシーラント81によってのみ、流体処理パック13に接合されてもよい。
【0033】
[0044]多くの実施形態では、囲み部52は、シーラント81、18が塗布される前に流体処理パック13の周りに設置され得るが、シーラント81、18が塗布された後に、囲み部52が設置されてもよい。囲み部52は、シート又はストリップの形とすることができ、1つ以上の層の状態で、流体処理パック13の周りに円周方向に又は螺旋状に巻き付けられてもよい。或いは、この囲み部は、円筒形ケージ又はスリーブの形であってもよく、流体処理パック上へ軸線方向にスライドさせて取り付けてもよい。多くの実施形態では、囲み部52の外径は、ハウジング12の内径に一致させるとよい。
【0034】
[0045]流体処理パック13を含む流体処理エレメント11と、シーラント81、18と、コア50と、囲み部52とは、ハウジング12内に設置され得る。例えば、流体処理エレメント11は、ハウジング12のシェル53内に軸線方向にスライドさせて取り付けられ得るが、その状態では、囲み部52は、ハウジング12に当接し、かつ流体処理メディア17の外面42と1つ以上の透過流体出口34との間で流体的に連通する。流体処理エレメント11がシェル53内にスライドさせて取り付けられる前に、シーラントが流体処理エレメント11に塗布されて、流体処理パック13を囲み部52に接合したり、流体処理エレメント11をシェル53に接合したりする。流体処理メディア17の外面42と透過流体出口34との間の流体的な連通を可能にするために、シーラントは、透過流体の流れをほとんど阻害しない態様で塗布され得る。例えば、シーラントは、流体処理エレメント11の互いに反対向きの端部15、16間で、プリーツ20の折り畳まれた端部23の外面に沿って、点又はダッシュのパターンで塗布され得る。シェル53は、流体処理エレメント11より幾分短くし、流体処理エレメント11の各端部の少なくとも最初に塗布されたシーラント81がシェル53の両端部を越えて延在できるようにしてもよい。更に、シェル53の長さは、囲み部52の軸線方向の長さより長くてもよく、例えば、約0.5インチ又はそれ以下から約1.5インチ又はそれ以上、長くてもよく、その結果、小さな環状部が残る。この小さな環状部は、シーラント18の外面からシェル53の内面まで径方向に延在し、かつシェル53の端部から囲み部52の軸線方向端部まで軸線方向に延びる。
【0035】
[0046]追加のシーラント18が、流体処理エレメント11とハウジング12との間に塗布されて、流体処理エレメント11の両端部から流体処理メディア17の第2の表面42を更にシールしてもよい。この追加のシーラント18は、また、流体処理エレメント11をハウジング12に接合してもよい。例えば、シェル53及び流体処理エレメント11は、軸線14を垂直にして配置されることができ、シーラント18を、シェル53の下端部の環状部に注入することができる。シーラント18は、環状部を充填し、短い距離を軸線方向に延在し、囲み部52へと流入することができる。環状部内のシーラント18が凝固すると、シェル53及び流体処理エレメント11は、上下逆にでき、シーラント18は、シェル53の他方の端部の環状部に注入されることができ、流体処理メディア17の第2の表面42を流体処理アセンブリ10の両端部から完全にシールし、流体処理エレメント11をハウジング12にしっかりと固定することができる。
【0036】
[0047]剥離材料71は、隣り合うプリーツ20の脚部25、26がパック両端部で互いに接合された後などの様々な場合に、流体処理パック13から除去され得る。例えば、環状部内のシーラント18が凝固した後、ハウジング12を越えて延在しかつ最初に塗布されたシーラント81を含む流体処理エレメント11の端の部分は、流体処理エレメント11から切断され、例えばスライス状に切断されてもよい。最初に塗布されたシーラント81を流体処理エレメント11から切断することにより、流体処理パック13の端部15、16において、シーラントバリヤ層70及び剥離材料71が、露出する。コア50又はコア代用物は、また、流体処理パック13の内部から除去されてもよく、流体処理パック13の内部に沿って剥離材料71を更に露出することができる。剥離材料71は、次いで、流体処理パック13から引き剥されることができる。シーラントバリヤ層70は、流体処理メディア17の外面42に沿って塗布されたシーラント18と剥離材料71との間の接触を防止している。したがって、剥離材料71は、パック13内のいかなるものにも接合されておらず、パック13の一方又は両方の軸線方向端部を介して、プリーツ20の脚部25、26の間から簡単に引き剥がされることができ、剥離材料71の代わりに構造体がない領域27を残すことができる。隣接するプリーツ20の脚部25、26が、流体処理パック13の端部領域内で互いに接合され、かつ流体処理メディア17が、流体処理パック13の端部領域内でシーラント18に接合されているので、構造体がない領域27は、流体処理メディア17の内面に沿って障害なく維持される。ほとんどの実施形態では、薄いシーラントバリヤ層70は、シーラント18に接合しない材料から作られ得る。結果的に、シーラントバリヤ層70は、剥離材料71が除去されるのと同時に、又は剥離材料71が除去された後に、流体処理メディア17の内面41から除去され得る。
【0037】
[0048]剥離材料71が除去され、構造体がない領域27が露出した後、コア50が、流体処理パック13の内部に設置され得る。コア50は、開放端部24において、プリーツ20の脚部25、26にぴったりと嵌合することができ、構造体がない領域27を迂回する流体処理パックの端から端までの軸線方向の流れを防止する。多くの実施形態では、コア50は、シーラントにより、開放端部24でプリーツ20の脚部25、26に接合され得る。シーラントは、コアの全長に沿って(例えばコアが流体処理パック13の内部に挿入されるのと同時に)、又はコアの一部のみに沿って塗布され得る。例えば、シーラント64は、コア50が流体処理パック13の内部に挿入されるのと同時に、又は流体処理パック13の内部に挿入された後に、流体処理パック13の端部領域においてのみ、コア50とプリーツ20との間に塗布されることができる。シーラントが凝固すると、コア50は、パック13内の所定の場所にしっかりと保持される。
【0038】
[0049]本発明を具現化した流体処理アセンブリは、様々なクロスフロープロセスのうちの任意のプロセスにおいて、無数の流体のうちの任意の流体を処理するために、使用され得る。例えば、図1〜図3に示した流体処理アセンブリ10は、分離工程で使用され得る。供給流体入口32及び未透過流体出口33は、供給ラインと未透過流体出口ライン(図示せず)とに連結されることができ、供給流体が、プリーツの軸線方向開放端部21で、流体処理アセンブリに導入され得る。コア50と、流体処理メディア17の外面42とハウジング12との間のシーラント18とは、供給流体を供給ラインから構造体がない領域27へと真直ぐに向け、供給流体は、構造体がない領域27内を、接線方向の流路30に沿って、プリーツ20の反対側の軸線方向開放端部22へと軸線方向に流れる。各構造体がない領域27は、脚部25、26に沿った流体処理メディア17の内面41とプリーツ20の折り畳まれた端部23とによって囲まれている。プリーツ20の反対側の軸線方向開放端部22において、供給流体は、未透過流体出口33を介して流体処理パック13と流体処理アセンブリ10とを出て、未透過流体は、構造体がない領域27を流出し、真直ぐに未透過流体出口ラインへ入る。
【0039】
[0050]構造体がない領域27内で、1つ以上の物質が、横方向流体流路31を経て供給流体から除去され得る。1つ以上の物質は、透過流体として、ほぼ径方向に内面41から流体処理メディア17を通って外面42へ、また、透過流体排出層43を通って囲み部52へと通過することができる。透過流体は、次いで、横方向の流路31に沿って、全体的には軸線方向に囲み部52に沿って透過流体出口34の1つへと流れる。この透過流体出口34は、透過流体出口ライン(図示せず)に接続され得る。透過流体は、次いで、透過流体出口34と透過流体出口ラインを介して流体処理アセンブリ10を流出する。透過流体若しくは未透過流体又は両方が、分離プロセスの所望の生成物となることできる。
【0040】
[0051]多くの利点が、本発明を具現化する流体処理エレメント及びアセンブリに関連して考えられる。例えば、構造体がない領域を設けることによって、本発明を具現化する流体処理エレメント及びアセンブリは、流体の流れ、例えば供給流体に対する抵抗を小さくする。流体が、供給流体入口ラインから構造体がない領域の軸線方向開放端部へと真直ぐに流れ、かつ/又は構造体がない領域の軸線方向開放端部から未透過流体出口ラインへと真直ぐに流れる場合、曲がり損失が供給流体入口と未透過流体出口においてより少なくなるため、流体の流れに対する抵抗は、更に小さくなる。したがって、流体は、より小さい圧力降下で、流体処理エレメント又はアセンブリを通って流れる。更に、構造体がない領域を流体処理メディアの内面の直近に置くことによって、メディアの表面にて、より高速でより一定のせん断速度が得られるため、接線方向の流路に沿って流れる流体が、例えば、より完全に流体処理メディアの表面を汚れのない状態に保つことが可能である。加えて、構造体がない領域が、障害物のない流体処理メディアに沿って延びる場合、流体処理メディアに堆積する汚れが少なくなり、細胞溶液などの敏感な供給流体が、敏感な流体又はこの敏感な流体自体の成分をほとんど又は全く損傷せずに、構造体がない領域に沿って流れることができる。
【0041】
[0052]これまで様々な本発明の態様を説明しかつ/又は図示してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、任意の実施形態の特徴部の1つ以上が、本発明の範囲から逸脱することなく排除され得る。例えば、囲み部はなくてもよい。流体は、この場合、透過流体出口と流体処理メディアとの間を、透過流体排出層を介して流れることができる。択一的に又は追加的に、ハウジングの内面は、透過流体出口と流体処理メディアとの間に流体を方向付ける通路を、有することができる。更なる例として、透過流体クッション層及び透過流体支持層のどちらか一方又は両方ともが、損傷を受けにくくかつ流体の流れに伴う力に対してより抵抗力のある流体処理メディアを実現するために、排除されてもよい。
【0042】
[0053]更に、任意の実施形態の1つ以上の特徴部が、本発明の範囲から逸脱せずに、変更され得る。例えば、透過流体出口は、ハウジングのシェル上、一方の端部の付近に、かつ流体処理メディアの外面と流体的に連通する状態で、配置されてもよい。この場合、囲み部は、ブラインド部分を含むことができ、このブラインド部分は、不浸透性かつ無孔であってもよく、反対側の端部から透過流体出口付近まで軸線方向に延在してもよい。この場合、囲み部のブラインド部分は、透過流体を、透過流体排出層内で横方向の流路に沿って透過流体出口まで軸線方向に流すのに役に立ち得る。
【0043】
[0054]更なる変形例として、透過流体クッション層及び透過流体支持層は、クッション層及び支持層の両方の機能を果たす単一の層に統合されてもよい。
【0044】
[0055]更なる変形例として、ハウジングは、端部片を含むことができ、これらの端部片は、シェルの両端部に繋がれてもよい。端部片は、略円形であってもよく、中空の中央取付具を有してもよく、この中央取付具は、外側に突出しており、シェルより小さい外径を有する。各端部片の内面は、ランド、リブ、又は他の構造を有することができ、他の構造は、構造体がない領域の開放軸線方向の両端部と該端部片の中央取付具の内部との間を連通する通路を画定する。これらの端部片は、ランド又はリブが流体処理エレメントの両端部とコアの両端部とにおいてシーラントに接触した状態で、シェルの両端部に接続され得る。このようにして、流体処理エレメント及びコアは、端部片によってハウジング内で軸線方向に支持され得る。
【0045】
[0056]更なる別の変形例として、剥離材料は、更に堅固な材料を備えていてもよく、波形の流体処理パックが形成された後、プリーツ内、例えば、プリーツの軸線方向の端部又はプリーツの開放端部内に、挿入されてもよい。例えば、剥離材料は、プリーツの軸線方向長の一部分又は全部に沿って延びる堅固なフィンとして、構成され得る。フィンは、各構造体がない領域の所望の幅と高さに対応する幅と高さを有する個別の平坦な片であってもよい。或いは、図7に示すように、フィン82はコア代用物83に取り付けられてもよい。コア代用物83は、流体処理パック13の内部にスライド式で取り付けられてもよく、この時、フィン82は、軸線方向開放端部24を通って、プリーツ20の脚部25、26との間に摺り込まれる。流体処理パック及び更に堅固な剥離材料は、最初に塗布されるシーラントが入っているコップ形状の固定具に浸漬されてもよい。前述したように、囲み部及びその他のシーラントが用いられてもよく、流体処理エレメントがハウジング内に置かれてもよい。最初に塗布されたシーラントが流体処理エレメントの各端部から切リ取られた後、更に堅固な剥離材料が、流体処理パックから引き剥がされ、剥離材料、例えばフィンの代わりに、構造体がない領域を残してもよい。
【0046】
[0057]更に他の変形例として、シーラントが流体処理メディアの表面、例えば外面に塗布された後で、しかし、流体処理エレメントがシェル内に挿入される前に、又は囲み部がパックの周りに置かれる前に、剥離材料が、流体処理パックから除去されてもよい。シーラントが、流体処理メディアの外面に塗布されて凝固した後、当初塗布されたシーラントを有する流体処理パッキングの端の部分が、流体処理パックから切断され、パックの端部で剥離材料を露出してもよい。コア又はコア代用物は取り外されてもよく、剥離材料が除去されて、流体処理メディアの内面に沿って流体処理パック内に構造体がない領域を残してもよい。次いで、囲み部が、流体処理パックの周りに置かれてもよく、流体処理エレメントが、シェル内部に置かれてもよく、残りのシーラントが、環状部内に塗布されてもよく、コアが、流体処理パックの内部に設置されてもよい。
【0047】
[0058]更に、ある実施形態における1つ以上の特徴部が、他の実施形態における1つ以上の特徴部と組み合わせられてもよい。例えば、端部片が、ハウジングのシェルの内面上に流体通路を有する実施形態と組み合わせられてもよい。
【0048】
[0059]更に、非常に異なる特徴部を有する実施形態でさえ、本発明の範囲内に入り得る。例えば、流体処理アセンブリは、使い捨ての流体処理エレメントを備えることができるが、この使い捨ての流体処理エレメントは、例えば再使用可能なシェルなどの、再使用可能なハウジング内に取り外し可能に取り付けられ、この再使用可能なハウジングにシールされている。使い捨ての流体処理エレメントを使い切った後、この使い捨ての流体処理エレメントは、再使用可能なハウジングから取り外され、新品の又は洗浄された流体処理エレメントと置換されることができる。
【0049】
[0060]更なる例として、流体処理エレメント及びアセンブリは、流体処理メディアの内面ではなく外面に沿ってプリーツ内に延びる、構造体がない領域を有することができる。このような流体処理アセンブリ90及び流体処理エレメント91の一例が、図8〜図10に示されている。図8〜図10に示した流体処理アセンブリ90の特徴部は、アセンブリ90を製造し使用するための構成部品及び方法を含み、図1〜図3に示した流体処理アセンブリ10の特徴部に類似しており、対応する構成部品は同一の符号によって示されている。しかし、流体処理アセンブリ90の幾何学的配列については、図1〜図3に示した流体処理アセンブリ90に関し、ほぼ反転されてもよい。例えば、透過流体クッション層45、透過流体支持層44、及び透過流体排出層43は、流体処理メディア17の内面41に沿って配置されてもよく、その一方で、構造体がない領域27は、流体処理メディア17の外面42に沿って、軸線方向に延在してもよい。
【0050】
[0061]流体処理アセンブリ90は、ハウジング12内に置かれた流体処理エレメント11を含むことができる。流体処理エレメント11は、中心軸線と、対向する端部15、16と、流体処理メディア17と、軸線方向に延びる複数のプリーツ20とを有する、流体処理パック13を含むことができる。各プリーツ20は、折り畳まれた内端部23と、開放外端部24と、折り畳まれた端部と開放端部との間に延びる2つの脚部25、26と、流体処理パック13の対向する端部15、16における互いに反対向きの軸線方向開放端部21、22とを有する。プリーツ20の全部又は実質的に全部が、構造体がない領域27を含み、この構造体がない領域27は、軸線方向端部21、22間でプリーツ20の全長に沿って各プリーツ20内に軸線方向に延在し、プリーツ20の軸線方向端部21、22にて開いている。各構造体がない領域27は、流体処理媒体17の外面に沿ってプリーツ20内に軸線方向に延びる。流体処理パック13の各端部のシーラント18は、流体処理パック13の端部15、16から、流体処理メディア17の内面41、例えば透過流体側をシールする。流体処理エレメント11は、接線方向流体流路30と横方向流体流路31とを更に含む。接線方向流体流路30は、プリーツ20内で流体処理パック13に沿って実質的に軸線方向に延在し、構造体がない領域27を含む。横方向流体流路31は、接線方向流体流路30と流体的に連通し、接線方向流体流路30へ、又は接線方向流体流路30から、流体処理メディア17を通って横方向に延びる。
【0051】
[0062]流体処理メディアの外面に沿って延びる構造体がない領域を有する流体処理エレメント及びアセンブリは、コアなしであってもよい。しかし、多くの実施形態は、コア50を含むことができる。コア50は、中空かつ有孔又は透過性であってもよく、コア50の内部は、透過流体クッション層45と、透過流体支持層44と、透過流体排出層43とを介して、コア50の全部又は大部分の軸線方向長に沿って、流体処理メディア17の内面41と流体的に連通することができる。コア50は、開放端部48及び反対側のブラインド端部49を、つまり2つの開放端部を有することができる。囲み部52は、囲み部52自体の全長に沿ってブラインド(開口無し)であり、例えば不浸透性かつ無孔であってもよく、又は囲み部52は省略されてもよい。
【0052】
[0063]ハウジング12は、外部シェル53と、シェル53に取り付けられた互いに反対向きの端部片92、93とを含むことができる。シェル53は、流体処理エレメント11の外面の周りにぴったりと嵌合され得る。シーラント64が、流体処理パック13の各端部で、シェル53とプリーツ20との間に配置され得る。更に、シーラントが、流体処理パック13の長さに沿って囲み部52とプリーツ20との間に配置されてもよい。一方の端部片92が、供給流体入口32とマニホールド94とを含むことができ、このマニホールド94は、供給流体入口32と、流体処理パック13の一方の端部のプリーツ20の軸線方向開放端部21のところにある構造体がない領域27との間で流体連通する。反対側の端部片93は、未透過流体出口33とマニホールド95とを含むことができ、このマニホールド95は、未透過流体出口33と、流体処理パック13の反対側の端部のプリーツ20の軸線方向開放端部22のところにある構造体がない領域27との間で流体連通する。どちらか一方又は両方の端部片が、透過流体出口を含むことができる。この例示実施形態において、供給端部上にある端部片92は、透過流体出口34を含むことができ、この透過流体出口34は、未透過流体と透過流体とが互いから隔てられるように、コア50の開放端部48へシールされていてもよい。コア50の他方の端部は、ブラインド端部49であってもよい。端部片92、93は、シェル53に取り付けられて、ハウジング12内に流体処理エレメント11とコア50とを支持することができる。
【0053】
[0064]図8〜図10に示した流体処理アセンブリ90は、端部片92、93を含むことができるが、流体処理メディアの外面に沿って延びる構造体がない領域を有する流体処理アセンブリは、端部片がなくてもよい。例えば、流体処理メディアの外面に沿って構造体がない領域を有する流体処理アセンブリは、図1に示した流体処理アセンブリ10のハウジング12に類似したハウジングを含むことができ、各端部に取付具を有するシェルを含むことができる。シェルの内径に相当する内径を有する供給管及び未透過流体管は、それぞれ、供給入口端部とシェルの未透過流体出口端部とにおいて取付具に取り付けられ得る。透過流体出口管が、流体処理エレメントの一方又は両方の端部でコアに取り付けられてもよく、供給管及び/又は未透過流体管内で一定の距離、延在してもよい。透過流体出口管又は供給管及び/若しくは未透過流体管は、曲がっていてもよく、透過流体出口管が供給管及び/又は未透過流体管の壁を通って延在できるようにし、透過流体を供給流体及び/又は未透過流体流体から隔ててもよい。
【0054】
[0065]流体処理メディアの外面に沿って構造体がない領域を有する流体処理アセンブリを製造する方法は、前述したように、流体処理メディアの内面に沿って構造体がない領域を有する流体処理アセンブリを製造するための方法に類似させることができる。しかし、シーラントバリヤ層及び剥離層は、外面42、すなわち供給側になる方の流体処理メディア17の表面に沿って、多層複合体40内に配置され得る。透過流体排出層43と、透過流体支持層44と、透過流体クッション層45とは、内面41、すなわち透過流体側になる方の流体処理メディア17の表面に沿って、複合体40内に配置され得る。
【0055】
[0066]加えて、図11に示すように、最初に塗布されるシーラント81と、流体処理パック13の両端部から流体処理メディア17の内面41をシールするシーラント18とは、図6に示したコップ形状の固定具80に類似したコップ形状の固定具100内で塗布されてもよい。しかし、図11に示した固定具100は、流体処理パック13の内径に対応する外径を有する円筒形の中央突出部101を更に含む。中央突出部101は、約1インチ又はそれ以下から約1.25インチ又はそれ以上、上方に延在し、かつ頂部付近にわずかな内向きのテーパを有してもよい。各端部に関し、流体処理パック13は、固定具100の底部内で、最初に塗布されるシーラント81に浸漬され、流体処理パック13の端部全体を約1/8インチ又はそれ以上までの深さまで満たす。次いで、シーラント81を凝固させる。流体処理メディア17の内面41についてのシーラント18は、次いで、例えば、パック13の反対側の端部から流体処理パック13の中空内部に挿入した長い針によって、流体処理パック13と固定具100の中央円筒形突出部101との間に塗布される。シーラント18は、径方向には、流体処理メディア17の内面41と中央円筒形突出部101の外径との間に、軸線方向には、固定具100の底部付近の最初に塗布されたシーラントから円筒形突出部101の頂部付近のテーパの底部まで、流体処理パック13の各端部15、16における空隙部の全部を充填する。
【0056】
[0067]シーラント18が凝固した後、流体処理メディア17の内面41は、流体処理パック13の端部15、16からシールされ得る。透過流体排出層43及び流体処理メディア17は、透過流体支持層44及び透過流体クッション層45と同様に、流体処理パック13の端部領域において、流体処理メディア17から内側に、互いに有効に接合され得る。更に、隣接するプリーツ20の脚部25、26は、流体処理パック13の端部領域において、流体処理メディア17から内側に、互いに有効に接合され得る。しかし、剥離材料71及びシーラントバリヤ層70は、最初に塗布されたシーラント81によってのみ、流体処理パック13に接合されてもよい。
【0057】
[0068]シーラント18が凝固し、隣接するプリーツ20の脚部25、26が流体処理パック13の端部領域内で互いに接合された後、剥離材料71が、パック13から除去されてもよい。例えば、最初に塗布されたシーラント81を含む流体処理パック13の部分がパック13から切断されることにより、剥離材料71とシーラントバリヤ層70とが、パック13から除去されることができるようにしてもよい。剥離材料71は、次いで、流体処理パック13の外部から引き剥がされ、その結果、構造体がない領域27が、各プリーツ20に沿って軸線方向に延在し、かつプリーツの両方の軸線方向端部21、22で開くようにしてもよい。シーラントバリヤ層70もまた、流体処理パック13の外部から除去され得る。
【0058】
[0069]剥離材料71が流体処理パック13から除去された後、囲み部52が、プリーツ20の開放外端部24で、流体処理パック13の外面に用いられてもよいし、用いられなくてもよい。流体処理エレメント11は、ハウジング12のシェル53に挿入されてもよく、シーラントによってシェル53に接合されてもよいし、接合されなくてもよい。このシーラントは、シェル53の内面と囲み部52との間に、又はプリーツ20の開放外端部24のところにある隣接するプリーツ20の脚部25、26の間に配置される。
【0059】
[0070]有孔のコア50は、様々な場合において、例えば、シーラント18が流体処理メディア17の内面41に沿って塗布され、最初に塗布されたシーラント81が流体処理パック13から切断された後、などに設置され得る。追加のシーラント18が、パック13の端部領域内でコア50とプリーツ20の折り畳まれた内端部23との間に塗布されて、各端部片92、93のマニホールド94、95から流体処理メディア17の内面41をよりに完全にシールしてもよく、かつコア52を流体処理パック13に固定してもよい。コア50が流体処理パック13内に設置され、流体処理エレメント10がシェル53内に設置された後、端部片92、93が、シェル53の両端部に取り付けられ、かつコア50にシールされて、流体処理アセンブリ90を形成してもよい。
【0060】
[0071]使用中、供給流体は、接線方向の流路30に沿って、供給入口32と入口マニホールド94とに方向付けられることができる。入口マニホールド94から、供給流体は、流体処理パック13の一方の端部15のところのプリーツ20の軸線方向開放端部21内へ実質的に軸線方向に流れ込み、流体処理メディア17の外面42に沿った構造体がない領域27を通って、パック13の反対側の端部16のところのプリーツ20の軸線方向開放端部22へ行き、出口マニホールド95に流入する。この出口マニホールド95から、未透過流体は、未透過流体出口33を介して、流体処理アセンブリ90を流出する。多くの実施形態では、供給流体の1つ以上の成分が、横方向の流路31を介して構造体がない領域27内で除去される。成分は、外面42から内面41へ実質的に径方向に流れ、流体処理メディア17を通って、かつ透過流体クッション層45と、透過流体支持層44と、透過流体排出層44とを通って、有孔のコア50の内部へと流れる。透過流体は、次いで、横方向の流路に沿って、実質的に軸線方向にコア50の内部に沿って流れ、透過流体出口34を通る。
【0061】
[0072]非常に異なる特徴部を有する実施形態の更なる例として、流体処理アセンブリが、物質移動装置として構成され得る。例えば、図1〜図3で示した流体処理アセンブリ10に類似した流体処理アセンブリにおいては、不浸透性で無孔である囲み部が、軸線方向距離の大部分がシェル内の2つのポートの間にある状態で、流体処理パックの外部の周りに配置され得る。第1の流体、例えば気体又は液体が、ポートのうちの1つを通って流体処理アセンブリに入り、外側の排出層と、外側の支持層と、外側のクッション層とを通って、流体処理メディアの外面に沿って軸線方向に通過し、他方のポートを通って流出することができる。更なる流体が、接線方向の流路に沿って並流又は向流をなして流れ、流体入口から入って、構造体がない領域に沿って軸線方向に流体出口へと流れることができる。流体のうちの1つ、例えば流体処理メディアの外面に沿って流れる第1の流体の、1つ以上の成分が、横方向の流路に沿って流体処理メディアを通って、構造体がない領域の中に流れこんでいる流体へと流れることができる。
【0062】
[0073]このように、本発明は、記述しかつ/又は図示した特定の実施形態に限定されるものではなく、請求項の範囲に入るあらゆる変形例、組合せ及び異なる実施形態を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】流体処理アセンブリの断面図である。
【図2】図1に示した流体処理アセンブリの端面図である。
【図3】図1に示した流体処理アセンブリの前面を示す断面図である。
【図4】流体処理メディアを含む多層複合体の代表図である。
【図5】円筒形の流体処理パックの斜視図である。
【図6】固定具内の流体処理パックの一部分の断面側面図である。
【図7】流体処理パック内の剥離材料の斜視図である。
【図8】別の流体処理アセンブリの断面図である。
【図9】図8に示した流体処理エレメントの断面図である。
【図10】図8に示した流体処理アセンブリの前面を示す断面図である。
【図11】固定具内の流体処理パックの一部分の断面図である。
【発明の概要】
【0001】
[0001]本発明は、様々な方法で、気体、液体、或いは、気体、液体及び/又は固体の混合物を含む流体を処理するために使用される流体処理アセンブリ及びエレメントに関する。例えば、いくつかの流体処理アセンブリ及びエレメントは、流体から1つ以上の物質を除去するために使用でき、その場合、濃縮器やフィルタ、他のタイプの分離器として機能し得る。他の流体処理アセンブリ及びエレメントは、2つの流体流間で物質を移動させるために使用でき、その場合、物質移動装置として機能し得る。
【0002】
[0002]特に、本発明は、クロスフロー作動モードで流体を処理するように構成された、プリーツ(pleat)付きの流体処理アセンブリ及びエレメントに関する。プリーツ付きの流体処理エレメントは、例えば、単一のシートとして又は多層複合体の1つ以上の層として形成された流体処理メディアを含む。単一のシート又は多層複合体は、複数のプリーツを作るために、ジクザグに折り畳まれたり波形に形成されたりしてもよい。各プリーツは、折り畳まれた端部と、開放端部と、折り畳まれた端部と開放端部との間に延びる2つの脚部とを有する。プリーツ状にされたシート又は複合体の互いに反対向きの端縁部は、エッジシールに沿って互いにシールされて、略円筒形の流体処理パックを形成し、各プリーツは、流体処理パックに沿って実質的に軸線方向に延びる。
【0003】
[0003]流体処理アセンブリ及びエレメントは、流体処理パックのプリーツに沿って接線方向に延びる第1の流体流路と、第1の流体流路からプリーツ状にされた流体処理メディアを通って延びる、又は、プリーツ状にされた流体処理メディアを通って第1の流体流路へ延びる第2の流体流路とを含むものとすることができる。供給流体は、第1の流体流路に沿って流体処理アセンブリ又はエレメントに流入することができる。供給流体は、次いで、第1の流体流路を経て、軸線方向には流体処理パックに沿って、接線方向にはパックのプリーツ内を通過するが、ここで供給流体の処理が行われる。例えば、供給流体の1つ以上の成分を含む1つ以上の物質が、供給流体を第2の流体流路に沿って流体処理メディアの中を通過させることによって、供給流体から除去され得る。或いは、1つ以上の物質が、第2の流体流路に沿って流体処理メディアを通って供給流体内に入ることによって、供給流体に追加され得る。処理された供給流体は、次いで、第1の流体流路に沿って流体処理アセンブリ又はエレメントから連続的に排出される。
【0004】
[0004]本発明の一態様によれば、流体処理エレメントは、流体処理パックと、シーラントと、第1の流体流路と、第2の流体流路とを備えるものとすることができる。流体処理パックは、第1の表面及び第2の表面を有する流体処理メディアを含む。流体処理パックはまた、軸線と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、パックの第1の端部と第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツとを含む。各プリーツは、それぞれ、流体処理パックの第1の端部及び第2の端部に、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含む。各プリーツは、更に、折り畳まれた端部と、開放端部と、プリーツの折り畳まれた端部と開放端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを含む。構造体がない領域は、流体処理メディアの第1の表面に沿って、第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間でプリーツ内に軸線方向に延在し、かつ、プリーツの第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部とに開いている。シーラントは、流体処理メディアの第2の表面から流体処理パックの各端部をシールしている。第1の流体流路は、プリーツを有する流体処理パックに沿って軸線方向にプリーツ内に延在しており、かつ構造体がない領域を含む。第2の流体流路は、第1の流体流路から流体処理メディアを通って延びる、又は流体処理メディアを通って第1の流体流路へ延びる。
【0005】
[0005]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントは、略円筒形の中空の流体処理パックと、シーラントと、コアとを備えるものとすることができる。流体処理パックは、軸線と、内部と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、プリーツ状にされた複合体とを含む。プリーツ状にされた複合体は、内面及び外面を有する流体処理メディアを含み、かつ流体処理パックの第1の端部と第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツを画定している。各プリーツは、それぞれ、流体処理パックの第1の端部及び第2の端部において、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含む。各プリーツは、折り畳まれた外端部と、開放内端部と、折り畳まれた外端部と開放内端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを更に含む。構造体がない領域は、流体処理メディアの内面に沿って第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間でプリーツ内に軸線方向に延在し、かつ、プリーツの第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部とに開いている。シーラントは、流体処理メディアの外面から流体処理パックの各端部をシールしている。コアは、プリーツの開放内端部に沿って、流体処理パックの中空内部に配置されている。
【0006】
[0006]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントは、略円筒形の流体処理パックと、シーラントと、外側の囲み部とを備えるものとすることができる。流体処理パックは、軸線と、外面と、対向する第1の端部及び第2の端部と、プリーツ状にされた複合体とを含む。プリーツ状にされた複合体は、内面と外面とを有する流体処理メディアを含み、かつ、流体処理パックの第1の端部と第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツを画定している。各プリーツは、それぞれ、流体処理パックの第1の端部及び第2の端部において、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含む。各プリーツは、更に、折り畳まれた内端部と、開放外端部と、折り畳まれた内端部と開放外端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを含む。構造体がない領域は、流体処理メディアの外面に沿って第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間でプリーツ内に軸線方向に延在し、かつ、プリーツの第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部とに開いている。シーラントは、流体処理メディアの内面から流体処理パックの各端部をシールしている。外側の囲み部は、プリーツの開放外端部に沿って流体処理パックの外面の周りに配置されている。
【0007】
[0007]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントを製造する方法は、互いに反対側を向く第1の表面と第2の表面とを有する流体処理メディアを波形にして、複数のプリーツを形成するステップと、波形の流体処理メディアを略円筒形の流体処理パックに形成するステップとを備えるものとすることができる。流体処理パックは、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部を有し、プリーツは、この第1の端部と第2の端部との間を流体処理パックに沿って軸線方向に延びる。本方法はまた、流体処理メディアの第1の表面に沿って剥離材料を位置づけるステップと、流体処理パックに第1の端部及び第2の端部付近でシーラントを塗布して、流体処理メディアの第2の表面から流体処理パックの両端部をシールするステップとを備える。本方法は、更に、波形の流体処理パックから剥離材料を除去して、各プリーツに構造体がない領域を形成するステップを備える。剥離材料は、シーラントが流体処理パックの両端部に塗布された後、流体処理パックから除去される。
【0008】
[0008]本発明の別の態様によれば、流体処理エレメントを製造する方法は、互いに反対側を向く第1の表面と第2の表面とを有する流体処理メディアと、流体処理メディアの第1の表面に沿って配置された剥離材料とを含む複合体を形成するステップを備えるものとすることができる。本方法はまた、複合体を波形にして複数のプリーツを形成するステップと、波形の複合体を、第1の端部と第2の端部とを有する略円筒形の流体処理パックに形成し、プリーツは流体処理パックに沿って軸線方向に延びるステップとを備える。本方法は、流体処理パックに第1の端部及び第2の端部付近でシーラントを塗布して、流体処理メディアの第2の表面から流体処理パックの両端部をシールするステップを更に備える。本方法は、波形の複合体から剥離材料を除去して、各プリーツに構造体がない領域を形成するステップを、更に備える。剥離材料は、シーラントが流体処理パックの端部に塗布された後、複合体から除去される。
【0009】
[0009]本発明の実施形態は、多くの利点を有する。例えば、構造体がない領域をプリーツに設けることによって、供給流体が、流体の流れに対する抵抗をより小さくして、これらの領域に沿って流れることができる。結果的に、供給流体は、より小さな圧力降下で、流体処理パックを通って接線方向に流れることができる。更に、構造体がない領域を流体処理メディアの表面のすぐ隣に位置づけることによって、これらの領域を通って接線方向の流路に沿って流れる流体は、より高速でより一定のせん断速度を有することができ、かつ流体処理メディアの表面をより完全に汚れのない状態に維持することができる。加えて、多くの供給流体は、流体流路内の流路内の障害物を通って又は障害物の周りを流れる時、汚れを堆積させる。プリーツに構造体がない領域を設けることによって、本発明の実施形態によれば、供給流体が、流体処理メディアにほとんど汚れを堆積せずに、流体処理パックを通って接線方向の流路に沿って流れることが可能となる。結果的に、流体処理エレメントの性能が強化されることができ、流体処理エレメントの使用寿命が延びることになる。
【実施形態の説明】
【0010】
[0021]本発明を具現化する流体処理エレメント及び流体処理アセンブリとしては種々ある。流体処理アセンブリ10の一例が、図1〜図3に示されており、この例は、ハウジング12内に収容された流体処理エレメント11を備える。流体処理エレメント11は、概して述べるならば、中心軸線14と、互いに反対向きの端部15、16と、流体処理メディア17と、複数のプリーツ20とを有する略円筒形の中空の流体処理パック13を含んでいる。プリーツ20は、パック13の端部15、16間にて、実質的に軸線方向に延びている。プリーツ20は、径方向内方又は径方向外方に延び、或いは、湾曲した非径方向、弓形の非径方向、角度が付けられた非径方向又は直線的な非径方向において内方又は外方向に延びるものとすることができる。各プリーツ20は、流体処理パック13における互いに反対向きの端部15、16にて、それぞれに対応する互いに対向する軸線方向端部21、22を含んでいる。各プリーツ20は、折り畳まれた端部(例えば折り畳まれた外端部23)と、開放端部(例えば開放内端部24)と、折り畳まれた端部23と開放端部24との間に延びる2つの脚部25、26とを、更に含むことができる。流体処理パック13におけるプリーツ20の、全て又は実質的に全ての部分、すなわち、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、或いは100%の部分が、構造体がない領域27を含む。流体処理パック内に構造体がない領域がより多く設けられるため、パーセンテージが高い方が好ましい。構造体がない領域27は、プリーツ20の全長に沿って軸線方向端部21、22間で、各プリーツ20内に軸線方向に延在し、かつ、プリーツ20の軸線方向端部21、22にて開放している。流体処理メディア17は、内面及び外面を有し、構造体がない領域27は、流体処理メディア17の両表面のうちの一方、例えば内面に沿って、プリーツ20内に軸線方向に延びている。流体処理パック13の各端部のシーラント(封止剤)18は、流体処理メディア17の両表面のうちの他方、例えば外面を、流体処理パック13の端部15、16からシールしている。流体処理エレメント11は、接線方向流体流路30と横方向流体流路31とを更に含む。接線方向流体流路30は、プリーツ20内に流体処理パック13に沿って実質的に軸線方向に延在しており、構造体がない領域27を含む。横方向流体流路31は、接線方向流体流路30と流体的に連通しており、流体処理メディア17を通って接線方向流体流路30へ、又は接線方向流体流路30から流体処理メディア17を通って、横方向に延びる。
【0011】
[0022]稼働中、供給流体は、接線方向流体流路30を経て、流体処理パック13に沿って接線方向に通過することができる。例えば、供給流体は、ハウジング12の供給流体入口ないしはプロセス流体入口32を通して、接線方向流体流路30に沿って流れ、プリーツ20の軸線方向開放端部21の位置で、構造体がない領域27に入ることができる。供給流体は、次いで、構造体がない領域27を介して流体処理メディア17の一方の表面に沿って通過し、プリーツ20の反対側の軸線方向開放端部22及び未透過流体(retentate)出口ないしは濃縮流体出口33の位置で、流体処理パック13及びハウジング12から流出する。供給流体は、構造体がない領域27内で、例えば、横方向流体流路31を介して流体処理メディア17を通して供給流体から1つ以上の物質を除去することによって、又は、横方向流体流路31を介して流体処理メディア17を通して供給流体に1つ以上の物質を加えることによって、処理され得る。例えば、供給流体の1つ以上の成分が、流体処理メディア17を通り、ハウジング12の1つ以上の透過流体出口ないしは濾過流体出口34を通過することによって、除去され得る。したがって、流体処理エレメント11は、プリーツを有するクロスフロー流体処理エレメントとしてみなすことができる。なお、国際公開第00/13767号及び国際公開第2005/094963号もまた、プリーツを有するクロスフロー流体処理エレメントを開示しているが、これらの公報は、参照することにより、あらゆる目的のためにその全体が本明細書に援用されるものとする。
【0012】
[0023]流体処理パック13は、様々な手法で組み立てられ得る。例えば、図3に示すように、流体処理パックは、プリーツ状にされた多層複合体40を含むものとすることができる。複合体40のいくつかの層又は全部の層が、互いに一体に繋がれていてもよいし、互いに一体形成されていてもよい。例えば、これらの層は、層の隣り合う表面の全部又は一部分に沿って、熱接合、溶剤接合又は接着剤による接合で、互いに接合され得る。しかし、多くの実施形態においては、複合体40の層は、別個独立の複数層からなるものとすることができ、これらの層は、互いに隣接して配置されているが、シーラントの近傍を除いて互いに固定されておらず、このシーラントの近傍において、シーラントは層を互いに固定することができる。
【0013】
[0024]流体処理パック13は、複合体40における1つ以上の層として形成された流体処理メディア17を含む。流体処理メディア17は、互いに反対側を向く表面、例えば内面41及び外面42を有する。適切な流体処理メディアは、供給流体の性質や、どのように供給流体が処理されるか、などの要因に応じて大幅に変わるものである。例えば、流体処理メディアは、無数の特性のうちの任意の特性を有することができ、又は有するように変更され得る。流体処理メディアは、透過性、半透過性、又は選択透過性を含む多孔性とすることができ、オングストローム範囲すなわちダルトン範囲又はそれ以下から、サブミクロン範囲、ミクロン範囲、又は数10ミクロン範囲又はそれ以上の、分子量カットオフを含む除去効率を有するものとすることができる。例えば、流体処理メディアは、逆浸透メディア、ナノ濾過メディア、限外濾過メディア又は精密濾過メディアからなるものとすることができる。流体処理は、気体及び液体を通すことができてもよいし、気体しか通さず液体を通さなくてもよい。流体処理メディアは、疎液性であっても親液性であってもよく、電気的に中性な表面又は帯電した表面を有してもよく、かつ/又は、例えば供給流体中の1つ以上の物質と結合するように構成されていてもよい1つ以上の官能基を含んでいてもよい。流体処理メディアは、例えば、透過性膜、半透過性膜若しくは選択透過性膜又は多孔性シート(繊維性シートなど)などを含む様々な手法で構成されることができ、また、金属、天然若しくは合成のポリマー、又はセラミック若しくはガラスを含む、任意の適切な材料から形成されることができる。多くの実施形態では、サブミクロンの定格除去性能を有する又は更に細かい透過性ポリマー膜が、流体処理メディアとして使用され得る。
【0014】
[0025]流体処理パック13は、流体処理メディア17に加えて、1つ以上の層を含むものとすることができる。例えば、流体処理パック13は、多層複合体40の更なる層として、多孔性排出メディアを含むことができる。排出メディアは、下流側排出層ないしは透過流体排出層43を備えることができ、この排出層43は、流体処理メディア17の表面、例えば外面42に沿って配置され、流体処理メディア17の外面42に隣接するか、又は流体処理メディア17の外面42から間隔を置いて配置されている。排出層43は、プリーツの脚部に対して平行なプリーツ状にされた流体処理メディア17の外面42へ、又は、該流体処理メディア17の外面42から、流体が適切に流れることを可能にする、十分に低いエッジ方向の流動抵抗を有する多様な材料のうちの任意の材料からなるものとすることができる。多くの適切な排出メディアが、例えば米国特許第5,543,047号及び米国特許第5,252,207号に開示されており、これらの両方が、参照により、あらゆる目的のために、その全体が本明細書に援用されるものとする。多くの実施形態のために、織られた又は不織のポリマー繊維状材料又はポリマーメッシュが、排出メディアとして使用され得る。例えば、透過流体排出層43は、第1及び第2の2平面のストランドの組を有する、押出成形されたポリマーメッシュからなるものとすることができる。押出成形されたメッシュ層に関しては、他の任意のメッシュ層と同様に、ストランドの組のどちらかを、複合体40内で流体処理パック13の軸線14に対し平行に向きを定めてもよく、また、ストランドのどちらの組も、複合体40内で流体処理パック13の軸線14に対し平行に向きを定めなくてもよい。
【0015】
[0026]多層複合体40は、また、他の層を含むことができる。例えば、透過流体排出層43は、流体処理メディア17の外面42に沿って配置され得るが、このとき、下流側支持層ないしは透過流体多孔性支持層44と下流側クッション層ないしは透過流体多孔性クッション層45とが、透過流体排出層43と流体処理メディア17の外面42との間にあってもよい。透過流体支持層44は、流体処理メディア17の外面42及び透過流体排出層43の内面に沿って延在し、かつ、透過流体クッション層45と同様に、流体処理メディア17を支持する。例えば、透過流体支持層44は、透過流体排出層43へと流体処理メディア17を押圧する力、例えば膜差圧に伴う力などの力に対して、流体処理メディア17を支持することができ、それによって、透過流体クッション層45と同様に、流体処理メディア17が透過流体排出層43の溝や開口部へ押出されることに抗することができる。透過流体支持層44は、多種多様な織られた若しくは不織のポリマー繊維状材料、又は透過流体排出層43のメッシュより細かくてもよいポリマーメッシュからなるものとすることができる。
【0016】
[0027]下流側クッション層45は、流体処理メディア17の直近にあってもよく、かつ流体処理メディア17の外面に沿って、また、透過流体支持層44及び透過流体排出層43の内面に沿って延在させてもよい。透過流体クッション層45は、他の下流側層43、44から受ける損傷から流体処理メディア17を保護する。例えば、透過流体クッション層45は、下流側支持層44又は下流側排出層43による摩擦から、流体処理メディア17を保護する。多くの実施形態では、クッション層は、薄く、滑らかで、かつ丈夫な不織繊維状材料からなるものとすることができる。
【0017】
[0028]プリーツ20内の構造体がない領域27は、一般に、プリーツ20内に空間又は溝を提供するが、これらの空間又は溝を通って、流体、例えば供給流体が、流体処理パック13の一方の端部15、16から、他方の端部16、15まで流れることができる。各領域27は、プリーツ20の脚部25、26間に、プリーツ20に沿って軸線方向に延びる。構造体がない領域27の幅、すなわち1つのプリーツの脚部から他方の脚部までの距離は、領域27間で変更されてもよく、又は一定であってもよい。更に、構造体がない領域27の幅は、領域27の軸線方向長に沿ってかつ/又はプリーツ20の高さに沿って、変更されても、一定であってもよい。多くの実施形態では、構造体がない領域27の公称幅は、約1000分の10インチ又はそれ以下から約1000分の200インチ又はそれ以上までの範囲内、例えば、約1000分の20〜1000分の150インチ、或いは、約1000分の40〜1000分の130インチとすることができる。更に、各構造体がない領域27の高さは、プリーツ20の折り畳まれた端部23と開放端部24との間で、プリーツ20の高さの少なくとも約50%又は少なくとも約75%又は少なくとも約90%又は約100%とすることができる。これもまた、より多くの構造体がない領域27が設けられるため、パーセンテージが高い方が好ましい。
【0018】
[0029]構造体がない領域27はそれぞれ、プリーツ20の軸線方向端部21、22間に障害なく延びることができる。例えば、構造体がない領域27は、プリーツ20内に構造体がない領域を画定又は維持するために、フィルターパック内にかつ/又はプリーツの両脚部の間に挿入される1つ以上のスペーサなどの、スペーサ構造体を含まないものとすることができる。更に、多くの実施形態では、各構造体がない領域27は、流体処理メディア17の直近に配置され、流体処理メディア17の表面、例えば内面41に隣接して配置されてもよい。結果的に、接線方向の流路30に沿って流れる供給流体などの流体は、構造体がない領域27を、圧力降下の少ない状態で、かつ、より高速でより一定のせん断速度で、流体処理エレメント17の表面に沿って通過する。
【0019】
[0030]流体処理パック13及び構造体がない領域27に加えて、流体処理エレメント11は、他の特徴部を含むことができる。例えば、流体処理エレメント11は、例えばプリーツ20の開放内端部24に沿って、流体処理パック13の内部に配置されるコア50を含むことができる。コア50は、プリーツ20の開放内端部24から流体が流れ出るのを防ぐよう機能することができるが、これは様々に構成され得る。例えば、コア50は、中実のロッド又は各端部でキャップされた中空のチューブからなるものとすることができる。コアは、プリーツ20の開放内端部24を閉止する外面51を有することができる。この場合、コア50は、プリーツ20の軸線方向開放端部21、22へ、又は軸線方向開放端部21、22から流体を向け、かつプリーツ20の開放内端部24を通って径方向内側へ流体が流れないようにし、接線方向の流路30に沿って構造体がない領域27内に流体を閉じ込める。
【0020】
[0031]流体処理エレメント11はまた、流体処理パック13の外面の周りに配置された、ケージ、スリーブ又はラップなどの囲み部52を含むことができる。囲み部は、当該囲み部の軸線方向長の全部又は一部のみに沿って、有孔若しくは多孔性であってもよく、又は他の開口部を有していてもよい。いくつかの実施形態では、囲み部は不浸透性であってもよい。例示の実施形態において、囲み部52は、軸線方向全長にわたり開口部を有しており、かつ、流体処理パック13の外面の周りに円周方向に巻きつけられたポリマーメッシュ、例えば押出成形されたポリマーメッシュの1つ以上の層からなるものとすることができる。この囲み部は、プリーツ20、例えばプリーツ20の折り畳まれた外端部23に当接することができ、かつ、プリーツ20を適切な位置に保持しかつ流体処理メディアと透過流体出口との間に流体連通を維持する際の補助となり得る。
【0021】
[0032]ハウジング12は、流体処理エレメント11を収容するように、多くの異なる態様で構成され得る。例えば、ハウジング12は、シェル53を含むことができ、このシェル53は、流体処理エレメント11の外面を包囲し、かつ対向する開放端部54、55を有する。ハウジング12は、また、様々に構成され得る複数のポートを含むことができる。例えば、ハウジング12は、供給流体入口ポートないしはプロセス流体入口ポート32を有することができ、この供給入口ポート32は、単に、シェル53の開放端部54、55のうちの一方を備えるだけでもよい。ハウジング12は、また、未透過流体出口ポートないしは濃縮流体出口ポート33を有することができ、この未透過流体出口ポート33は、単に、シェル53の開放端部55、54のうちの他方の開放端部を備えるだけでもよい。少なくとも1つの透過流体出口ポートないしは濾過流体出口ポート34(例えばシェル53の両端部付近に配置されており、かつ180°の角度変位を有する2つの透過流体出口34)が、又はハウジング12に関連づけられ得る。
【0022】
[0033]シーラント18が、流体処理エレメント11の各端部において、流体処理メディア17からハウジング12のシェル53まで径方向外向きに延在するが、このシーラント18は、流体処理メディア17の一方の表面、例えば外面42すなわち透過流体側、から、流体処理パック13の各端部15、16をシールする。シーラント18は、また、流体処理エレメント11をハウジング12に固定するために、かつ/又は流体処理メディア17を適切な位置に固定するよう、例えば流体処理メディア17を流体処理パック13の1つ以上の他の層に固定するよう機能する。例えば、エポキシ、ウレタン又はポリオレフィンを含む、様々なシーラントが利用され得る。多くの実施形態では、シーラントはエポキシとすることができる。シーラント18は、約1/8インチ又はそれ以下から約1インチ又はそれ以上までの範囲の距離を、流体処理エレメント11の各端部から軸線方向内側に延在させてもよい。ハウジング12との併用で、シーラント18は、流体を、流体処理メディア17を通って、接線方向の流路30から横方向の流路31に沿って行くように、又は横方向の流路31に沿って接線方向の流路30へ行くように、方向付ける。例えば、透過流体すなわち濾過流体は、接線方向の流路30及び構造体がない領域27から横方向の流路31に沿って流入し、流体処理メディア17を通って囲み部52へ行き、囲み部52に沿ってハウジング12の透過流体出口ポート34に達するように、導かれることができる。
【0023】
[0034]シーラント64もまた、流体処理パック13の各端部で、例えば、流体処理メディア17の供給側にて、コア50とプリーツ20との間に配置され得る。シーラント64は、構造体がない領域27にほとんど影響を与えることなく、隣り合うプリーツ20の脚部25、26をコア52に固定することができる。シーラント64は、コア50の全長に沿って、軸線方向に延在させてもよい。いくつかの実施形態では、シーラント64は、約1/8インチ又はそれ以下から約1インチ又はそれ以上までの範囲の距離を、流体処理パックの一方の端部から内部へ軸線方向に延在することができる。コア52とハウジング12のシェル53とが流体処理エレメント11に固定されているので、ハウジング12は、図1に示すように、コア50とシェル53との間に延びるいかなる端部片も含まないものとすることができ、例えば、全くなくてもよい。この場合、ハウジング12のいかなる部分も、流体処理パックの外径より小さい内径を有さない。これにより、製造が簡単になり、かつ、流体処理アセンブリ10を使い切った際に処分される廃棄物の量が低減される。シェル53の両端部は、それぞれ、取付具、例えばトリクランプ金具65の一部として構成されてもよく、入口ライン及び出口ライン(図示せず)の対応する取付具に接続されることができる。
【0024】
[0035]流体処理エレメント又はアセンブリは、多数の手法のうちのいずれかで製造され得る。例えば、1つの方法は、概して述べるならば、第1の表面と第2の表面とを有する少なくとも1つの流体処理メディアを波形にして複数のプリーツを形成するステップと、波形の流体処理メディアを略円筒形の流体処理パックに形成するステップとを備える。流体処理パックは、第1の端部と第2の端部とを有し、かつプリーツは、パックの第1の端部と第2の端部との間に、流体処理パックに沿って軸線方向に延びる。本方法はまた、流体処理メディアの第1の表面に沿って剥離材料を配置するステップと、流体処理パックに第1の端部及び第2の端部付近でシーラントを塗布して、流体処理メディアの第2の表面から両端部をシールするステップとを備える。本方法は、更に、波形の流体処理パックから剥離材料を除去して各プリーツに構造体がない領域を形成するステップを備える。
【0025】
[0036]別の方法は、概して述べるならば、多層複合体を波形にして複数のプリーツを形成するステップと、波形の複合体を略円筒形の流体処理パックに形成するステップとを備える。多層複合体は、互いに反対側を向く第1の表面と第2の表面とを有する少なくとも1つの流体処理メディアと、流体処理メディアの第1の表面に沿って配置された剥離材料とを含む。円筒形の流体処理パックは、第1の端部と第2の端部とを有し、プリーツは、流体処理パックに沿って軸線方向に延びる。本方法は、流体処理パックに第1の端部及び第2の端部付近でシーラントを塗布して、流体処理メディアの第2の表面から両端部をシールするステップと、シーラントを塗布した後に、剥離材料を波形の複合体から剥ぎ取って各プリーツに構造体がない領域を形成するステップとを更に備える。
【0026】
[0037]流体処理アセンブリを製造する方法の更に特定の例では、図4に示すように、最初に、多層複合体40を形成するステップを含んでもよい。複合体40を形成するステップは、外面42になる側の流体処理メディア17の表面に沿って、透過流体排出層43と、透過流体支持層44と、透過流体クッション層45とを配置する工程を含んでもよい。透過流体排出層43は、流体処理メディア17と同じ幅であってもよく、透過流体排出層43の側縁部及び流体処理メディア17の側縁部は、位置合わせされてもよい。透過流体支持層44及び透過流体クッション層45は、流体処理メディア17より幾分狭くてもよい。例えば、透過流体支持層44の側縁部及び透過流体クッション層45の側縁部は、流体処理メディア17の側縁部に平行であってもよいが、流体処理メディア17の側縁部から内側に、例えば約3/4インチまで、間隔を置かれてもよい。
【0027】
[0038]多層複合体40はまた、内面41になる側の流体処体メディア17の表面に沿って、1つ以上の層が形成されてもよい。例えば、シーラントバリヤ層70及び剥離材料71が、流体処理メディア17の内面41に沿って配置されてもよい。シーラントバリヤ層は、流体処理メディアの幅と同様の幅を有する単一のシートを備えることができる。しかし、ほとんどの実施形態では、シーラントバリヤ層70は、2つの幅の狭いストリップを備えることができ、これらのストリップは、流体処理メディア17の両側縁部に沿って配置され、かつ多くの場合においては、流体処理メディアの両側縁部から内側に間隔をあけて置かれる。例えば、シーラントバリヤ層70のストリップは、幅が約1インチ又はそれ以上とすることができ、各ストリップの一方の側縁部は、流体処理メディア17の側縁部に対して平行に、しかし流体処理メディア17の側縁部から約1/4インチ又はそれ以上で内側に間隔を置いて、配置され得る。シーラントバリヤ層70は、シーラントにバリア性を提供する多様な材料から形成され得る。多くの実施形態では、シーラントバリヤ層70は、シーラントに接合しにくい、薄い不浸透性のポリマーフィルムから形成される。
【0028】
[0039]剥離材料71は、流体処理メディア17の内面41に沿って配置され得る。剥離材料71は、流体処理メディア17と同じ幅を有することができ、剥離材料71の側縁部及び流体処理メディア17の側縁部が整列されるとよい。流体処理パック13から剥離材料71を除去することにより、構造体がない領域27が得られるが、剥離材料の厚さは、概ね各構造体がない領域27の幅に対応しており、例えば各構造体がない領域27の幅の約半分であってもよい。結果的に、剥離材料71の厚さは、プリーツ20の所望の数と構造体がない領域27の所望の寸法とに従って、選ばれ得る。剥離材料71は、様々な方法で構成されることができ、色々な材料のうちの任意の材料から作られ得る。例えば、剥離材料は、流体処理メディア17と共に波形をつけられるのに十分な可撓性を有する、単一の層又は多層を備えることができる。更に、剥離材料は、シート材料から作られることができるが、このシート材料は、耐圧縮性を有し、かつ波形形成の間、流体処理メディアへの損傷を防止するものである。多くの実施形態では、剥離材料71は、多層複合体、例えば、前述した透過流体クッション層45と、透過流体支持層44と、透過流体排出層43とに類似した、クッション層と、支持層と、排出層とを含む3層複合体からなるものとすることができる。
【0029】
[0040]多層複合体40は、次いで、波形にされて複数のプリーツ20を形成することができる。この複合体は、色々なコルゲータのうちの任意のコルゲータによって波形にされることができ、プリーツは様々に構成され得る。例えば、各プリーツの脚部は、ほぼ等しい長さを有してもよく、又は、一方の脚部が他方の脚部より長くてもよい。多層複合体40が波形にされた後、カッタが、プリーツ状にされた複合体をプリーツ20に対して平行な方向に切断し、前縁72と、後縁73と、所定数のプリーツ20とを形成してもよい。プリーツ状にされた複合体は、次いで、略円筒形のパック13に形成される。例えば、プリーツ状にされた複合体40の前縁72及び後縁73は、図5に示すように合わせて互いに隣接して配置され、内面と、外面と、対向する端部15、16とを有する、略円筒形の中空の流体処理パック13を形成してもよい。側部シール74は、例えば溶融接合、接着剤接合、及び/又は機械的接続を含む色々な方法で、前縁及び後縁72、73に沿って形成され得る。ほとんどの実施形態では、シーラントバリヤ層70及び剥離材料71は、側部シール74の一部を形成しないように、前縁及び後縁72、73から引っ込んだところで切除することができる。
【0030】
[0041]流体処理パック13が形成された後、1つ以上のシーラントが塗布され得る。任意のシーラントの量及び粘度と、このシーラントに接触する様々な層の湿潤性とが、シーラントの不十分な又は過度の滲み込みが層に沿って軸線方向に生じないように選ばれる。シーラントは、様々な方法のうちの任意の方法で塗布され得る。例えば、パック13の各端部15、16は、シーラント81に浸漬され得るが、このとき、シーラント81が、パック13の端部15、16を、パック13の各端部15、16から約1/8インチ又はそれ以上の軸線方向の深さまで満たすようにする。図6に示すように、流体処理パック13の各端部15、16は、底部にシーラント81が入っているコップ形状の固定具80内に浸漬されてもよい。固定具80は、流体処理パック13の所望の外径に対応する内径と、約1インチ又はそれ以下から約1.25インチ又はそれ以上の深さとを有してもよく、頂部付近に僅かなテーパを有してもよい。コア50又はコア代用物が、パック13が固定具80内のシーラント81に浸漬される前に、流体処理パック13の内部に挿入されてもよい。
【0031】
[0042]最初に塗布されたシーラント81が凝固した後、次いで、シーラント18が、流体処理パック13とコップ形状の固定具80の内径との間に塗布され、流体処理パック13内の全ての空隙部を充填することができる。これらの空隙部は、図6に示すように、径方向には、流体処理メディア17の外面42と固定具80の内面との間にあり、軸線方向には、最初に塗布されたシーラント81と、例えば固定具80の頂部付近のテーパの底部との間にある。シーラント18は、固定具80の底部付近から頂部付近まで延びる流体処理パック13の端部領域内の、透過流体排出層43の空隙に侵入する。透過流体クッション層及び透過流体支持層44、45の側縁部が、図4に示すように、流体処理メディア17の側縁部から、内側に間隔をあけて置かれているため、シーラント18は、透過流体クッション層及び支持層44、45の両縁部から軸線方向内方に、約1/16インチから約1/2インチだけ、透過流体クッション層及び透過流体支持層44、45の空隙に侵入することができる。シーラント18は、また、固定具80の底部付近から頂部付近まで延びる端部領域において、流体処理メディア17の空隙に侵入することができ、流体処理メディア17を通過して流体処理メディア17の内面41まで達し、この内面41において、シーラント18は、シーラントバリアストリップ70によってブロックされる。或いは、シーラント18は、通過して内面41まで到達せずに、単に流体処理メディア17の外面42に接合してもよい。
【0032】
[0043]シーラント18が凝固した後、流体処理メディア17の外面42は、流体処理パック13の端部15、16からシールされる。透過流体排出層43及び流体処理メディア17は、透過流体支持層44及び透過流体クッション層45と同様に、流体処理パック13の端部領域においてシーラント18によって、効果的に互いに接合される。更に、隣合うプリーツ20の脚部25、26は、シーラント18内に埋め込まれ、流体処理パック13の端部領域において、流体処理メディア17から外向きに互いに効果的に接合される。しかし、剥離材料71及びシーラントバリアストリップ70は、最初に塗布されたシーラント81によってのみ、流体処理パック13に接合されてもよい。
【0033】
[0044]多くの実施形態では、囲み部52は、シーラント81、18が塗布される前に流体処理パック13の周りに設置され得るが、シーラント81、18が塗布された後に、囲み部52が設置されてもよい。囲み部52は、シート又はストリップの形とすることができ、1つ以上の層の状態で、流体処理パック13の周りに円周方向に又は螺旋状に巻き付けられてもよい。或いは、この囲み部は、円筒形ケージ又はスリーブの形であってもよく、流体処理パック上へ軸線方向にスライドさせて取り付けてもよい。多くの実施形態では、囲み部52の外径は、ハウジング12の内径に一致させるとよい。
【0034】
[0045]流体処理パック13を含む流体処理エレメント11と、シーラント81、18と、コア50と、囲み部52とは、ハウジング12内に設置され得る。例えば、流体処理エレメント11は、ハウジング12のシェル53内に軸線方向にスライドさせて取り付けられ得るが、その状態では、囲み部52は、ハウジング12に当接し、かつ流体処理メディア17の外面42と1つ以上の透過流体出口34との間で流体的に連通する。流体処理エレメント11がシェル53内にスライドさせて取り付けられる前に、シーラントが流体処理エレメント11に塗布されて、流体処理パック13を囲み部52に接合したり、流体処理エレメント11をシェル53に接合したりする。流体処理メディア17の外面42と透過流体出口34との間の流体的な連通を可能にするために、シーラントは、透過流体の流れをほとんど阻害しない態様で塗布され得る。例えば、シーラントは、流体処理エレメント11の互いに反対向きの端部15、16間で、プリーツ20の折り畳まれた端部23の外面に沿って、点又はダッシュのパターンで塗布され得る。シェル53は、流体処理エレメント11より幾分短くし、流体処理エレメント11の各端部の少なくとも最初に塗布されたシーラント81がシェル53の両端部を越えて延在できるようにしてもよい。更に、シェル53の長さは、囲み部52の軸線方向の長さより長くてもよく、例えば、約0.5インチ又はそれ以下から約1.5インチ又はそれ以上、長くてもよく、その結果、小さな環状部が残る。この小さな環状部は、シーラント18の外面からシェル53の内面まで径方向に延在し、かつシェル53の端部から囲み部52の軸線方向端部まで軸線方向に延びる。
【0035】
[0046]追加のシーラント18が、流体処理エレメント11とハウジング12との間に塗布されて、流体処理エレメント11の両端部から流体処理メディア17の第2の表面42を更にシールしてもよい。この追加のシーラント18は、また、流体処理エレメント11をハウジング12に接合してもよい。例えば、シェル53及び流体処理エレメント11は、軸線14を垂直にして配置されることができ、シーラント18を、シェル53の下端部の環状部に注入することができる。シーラント18は、環状部を充填し、短い距離を軸線方向に延在し、囲み部52へと流入することができる。環状部内のシーラント18が凝固すると、シェル53及び流体処理エレメント11は、上下逆にでき、シーラント18は、シェル53の他方の端部の環状部に注入されることができ、流体処理メディア17の第2の表面42を流体処理アセンブリ10の両端部から完全にシールし、流体処理エレメント11をハウジング12にしっかりと固定することができる。
【0036】
[0047]剥離材料71は、隣り合うプリーツ20の脚部25、26がパック両端部で互いに接合された後などの様々な場合に、流体処理パック13から除去され得る。例えば、環状部内のシーラント18が凝固した後、ハウジング12を越えて延在しかつ最初に塗布されたシーラント81を含む流体処理エレメント11の端の部分は、流体処理エレメント11から切断され、例えばスライス状に切断されてもよい。最初に塗布されたシーラント81を流体処理エレメント11から切断することにより、流体処理パック13の端部15、16において、シーラントバリヤ層70及び剥離材料71が、露出する。コア50又はコア代用物は、また、流体処理パック13の内部から除去されてもよく、流体処理パック13の内部に沿って剥離材料71を更に露出することができる。剥離材料71は、次いで、流体処理パック13から引き剥されることができる。シーラントバリヤ層70は、流体処理メディア17の外面42に沿って塗布されたシーラント18と剥離材料71との間の接触を防止している。したがって、剥離材料71は、パック13内のいかなるものにも接合されておらず、パック13の一方又は両方の軸線方向端部を介して、プリーツ20の脚部25、26の間から簡単に引き剥がされることができ、剥離材料71の代わりに構造体がない領域27を残すことができる。隣接するプリーツ20の脚部25、26が、流体処理パック13の端部領域内で互いに接合され、かつ流体処理メディア17が、流体処理パック13の端部領域内でシーラント18に接合されているので、構造体がない領域27は、流体処理メディア17の内面に沿って障害なく維持される。ほとんどの実施形態では、薄いシーラントバリヤ層70は、シーラント18に接合しない材料から作られ得る。結果的に、シーラントバリヤ層70は、剥離材料71が除去されるのと同時に、又は剥離材料71が除去された後に、流体処理メディア17の内面41から除去され得る。
【0037】
[0048]剥離材料71が除去され、構造体がない領域27が露出した後、コア50が、流体処理パック13の内部に設置され得る。コア50は、開放端部24において、プリーツ20の脚部25、26にぴったりと嵌合することができ、構造体がない領域27を迂回する流体処理パックの端から端までの軸線方向の流れを防止する。多くの実施形態では、コア50は、シーラントにより、開放端部24でプリーツ20の脚部25、26に接合され得る。シーラントは、コアの全長に沿って(例えばコアが流体処理パック13の内部に挿入されるのと同時に)、又はコアの一部のみに沿って塗布され得る。例えば、シーラント64は、コア50が流体処理パック13の内部に挿入されるのと同時に、又は流体処理パック13の内部に挿入された後に、流体処理パック13の端部領域においてのみ、コア50とプリーツ20との間に塗布されることができる。シーラントが凝固すると、コア50は、パック13内の所定の場所にしっかりと保持される。
【0038】
[0049]本発明を具現化した流体処理アセンブリは、様々なクロスフロープロセスのうちの任意のプロセスにおいて、無数の流体のうちの任意の流体を処理するために、使用され得る。例えば、図1〜図3に示した流体処理アセンブリ10は、分離工程で使用され得る。供給流体入口32及び未透過流体出口33は、供給ラインと未透過流体出口ライン(図示せず)とに連結されることができ、供給流体が、プリーツの軸線方向開放端部21で、流体処理アセンブリに導入され得る。コア50と、流体処理メディア17の外面42とハウジング12との間のシーラント18とは、供給流体を供給ラインから構造体がない領域27へと真直ぐに向け、供給流体は、構造体がない領域27内を、接線方向の流路30に沿って、プリーツ20の反対側の軸線方向開放端部22へと軸線方向に流れる。各構造体がない領域27は、脚部25、26に沿った流体処理メディア17の内面41とプリーツ20の折り畳まれた端部23とによって囲まれている。プリーツ20の反対側の軸線方向開放端部22において、供給流体は、未透過流体出口33を介して流体処理パック13と流体処理アセンブリ10とを出て、未透過流体は、構造体がない領域27を流出し、真直ぐに未透過流体出口ラインへ入る。
【0039】
[0050]構造体がない領域27内で、1つ以上の物質が、横方向流体流路31を経て供給流体から除去され得る。1つ以上の物質は、透過流体として、ほぼ径方向に内面41から流体処理メディア17を通って外面42へ、また、透過流体排出層43を通って囲み部52へと通過することができる。透過流体は、次いで、横方向の流路31に沿って、全体的には軸線方向に囲み部52に沿って透過流体出口34の1つへと流れる。この透過流体出口34は、透過流体出口ライン(図示せず)に接続され得る。透過流体は、次いで、透過流体出口34と透過流体出口ラインを介して流体処理アセンブリ10を流出する。透過流体若しくは未透過流体又は両方が、分離プロセスの所望の生成物となることできる。
【0040】
[0051]多くの利点が、本発明を具現化する流体処理エレメント及びアセンブリに関連して考えられる。例えば、構造体がない領域を設けることによって、本発明を具現化する流体処理エレメント及びアセンブリは、流体の流れ、例えば供給流体に対する抵抗を小さくする。流体が、供給流体入口ラインから構造体がない領域の軸線方向開放端部へと真直ぐに流れ、かつ/又は構造体がない領域の軸線方向開放端部から未透過流体出口ラインへと真直ぐに流れる場合、曲がり損失が供給流体入口と未透過流体出口においてより少なくなるため、流体の流れに対する抵抗は、更に小さくなる。したがって、流体は、より小さい圧力降下で、流体処理エレメント又はアセンブリを通って流れる。更に、構造体がない領域を流体処理メディアの内面の直近に置くことによって、メディアの表面にて、より高速でより一定のせん断速度が得られるため、接線方向の流路に沿って流れる流体が、例えば、より完全に流体処理メディアの表面を汚れのない状態に保つことが可能である。加えて、構造体がない領域が、障害物のない流体処理メディアに沿って延びる場合、流体処理メディアに堆積する汚れが少なくなり、細胞溶液などの敏感な供給流体が、敏感な流体又はこの敏感な流体自体の成分をほとんど又は全く損傷せずに、構造体がない領域に沿って流れることができる。
【0041】
[0052]これまで様々な本発明の態様を説明しかつ/又は図示してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、任意の実施形態の特徴部の1つ以上が、本発明の範囲から逸脱することなく排除され得る。例えば、囲み部はなくてもよい。流体は、この場合、透過流体出口と流体処理メディアとの間を、透過流体排出層を介して流れることができる。択一的に又は追加的に、ハウジングの内面は、透過流体出口と流体処理メディアとの間に流体を方向付ける通路を、有することができる。更なる例として、透過流体クッション層及び透過流体支持層のどちらか一方又は両方ともが、損傷を受けにくくかつ流体の流れに伴う力に対してより抵抗力のある流体処理メディアを実現するために、排除されてもよい。
【0042】
[0053]更に、任意の実施形態の1つ以上の特徴部が、本発明の範囲から逸脱せずに、変更され得る。例えば、透過流体出口は、ハウジングのシェル上、一方の端部の付近に、かつ流体処理メディアの外面と流体的に連通する状態で、配置されてもよい。この場合、囲み部は、ブラインド部分を含むことができ、このブラインド部分は、不浸透性かつ無孔であってもよく、反対側の端部から透過流体出口付近まで軸線方向に延在してもよい。この場合、囲み部のブラインド部分は、透過流体を、透過流体排出層内で横方向の流路に沿って透過流体出口まで軸線方向に流すのに役に立ち得る。
【0043】
[0054]更なる変形例として、透過流体クッション層及び透過流体支持層は、クッション層及び支持層の両方の機能を果たす単一の層に統合されてもよい。
【0044】
[0055]更なる変形例として、ハウジングは、端部片を含むことができ、これらの端部片は、シェルの両端部に繋がれてもよい。端部片は、略円形であってもよく、中空の中央取付具を有してもよく、この中央取付具は、外側に突出しており、シェルより小さい外径を有する。各端部片の内面は、ランド、リブ、又は他の構造を有することができ、他の構造は、構造体がない領域の開放軸線方向の両端部と該端部片の中央取付具の内部との間を連通する通路を画定する。これらの端部片は、ランド又はリブが流体処理エレメントの両端部とコアの両端部とにおいてシーラントに接触した状態で、シェルの両端部に接続され得る。このようにして、流体処理エレメント及びコアは、端部片によってハウジング内で軸線方向に支持され得る。
【0045】
[0056]更なる別の変形例として、剥離材料は、更に堅固な材料を備えていてもよく、波形の流体処理パックが形成された後、プリーツ内、例えば、プリーツの軸線方向の端部又はプリーツの開放端部内に、挿入されてもよい。例えば、剥離材料は、プリーツの軸線方向長の一部分又は全部に沿って延びる堅固なフィンとして、構成され得る。フィンは、各構造体がない領域の所望の幅と高さに対応する幅と高さを有する個別の平坦な片であってもよい。或いは、図7に示すように、フィン82はコア代用物83に取り付けられてもよい。コア代用物83は、流体処理パック13の内部にスライド式で取り付けられてもよく、この時、フィン82は、軸線方向開放端部24を通って、プリーツ20の脚部25、26との間に摺り込まれる。流体処理パック及び更に堅固な剥離材料は、最初に塗布されるシーラントが入っているコップ形状の固定具に浸漬されてもよい。前述したように、囲み部及びその他のシーラントが用いられてもよく、流体処理エレメントがハウジング内に置かれてもよい。最初に塗布されたシーラントが流体処理エレメントの各端部から切リ取られた後、更に堅固な剥離材料が、流体処理パックから引き剥がされ、剥離材料、例えばフィンの代わりに、構造体がない領域を残してもよい。
【0046】
[0057]更に他の変形例として、シーラントが流体処理メディアの表面、例えば外面に塗布された後で、しかし、流体処理エレメントがシェル内に挿入される前に、又は囲み部がパックの周りに置かれる前に、剥離材料が、流体処理パックから除去されてもよい。シーラントが、流体処理メディアの外面に塗布されて凝固した後、当初塗布されたシーラントを有する流体処理パッキングの端の部分が、流体処理パックから切断され、パックの端部で剥離材料を露出してもよい。コア又はコア代用物は取り外されてもよく、剥離材料が除去されて、流体処理メディアの内面に沿って流体処理パック内に構造体がない領域を残してもよい。次いで、囲み部が、流体処理パックの周りに置かれてもよく、流体処理エレメントが、シェル内部に置かれてもよく、残りのシーラントが、環状部内に塗布されてもよく、コアが、流体処理パックの内部に設置されてもよい。
【0047】
[0058]更に、ある実施形態における1つ以上の特徴部が、他の実施形態における1つ以上の特徴部と組み合わせられてもよい。例えば、端部片が、ハウジングのシェルの内面上に流体通路を有する実施形態と組み合わせられてもよい。
【0048】
[0059]更に、非常に異なる特徴部を有する実施形態でさえ、本発明の範囲内に入り得る。例えば、流体処理アセンブリは、使い捨ての流体処理エレメントを備えることができるが、この使い捨ての流体処理エレメントは、例えば再使用可能なシェルなどの、再使用可能なハウジング内に取り外し可能に取り付けられ、この再使用可能なハウジングにシールされている。使い捨ての流体処理エレメントを使い切った後、この使い捨ての流体処理エレメントは、再使用可能なハウジングから取り外され、新品の又は洗浄された流体処理エレメントと置換されることができる。
【0049】
[0060]更なる例として、流体処理エレメント及びアセンブリは、流体処理メディアの内面ではなく外面に沿ってプリーツ内に延びる、構造体がない領域を有することができる。このような流体処理アセンブリ90及び流体処理エレメント91の一例が、図8〜図10に示されている。図8〜図10に示した流体処理アセンブリ90の特徴部は、アセンブリ90を製造し使用するための構成部品及び方法を含み、図1〜図3に示した流体処理アセンブリ10の特徴部に類似しており、対応する構成部品は同一の符号によって示されている。しかし、流体処理アセンブリ90の幾何学的配列については、図1〜図3に示した流体処理アセンブリ90に関し、ほぼ反転されてもよい。例えば、透過流体クッション層45、透過流体支持層44、及び透過流体排出層43は、流体処理メディア17の内面41に沿って配置されてもよく、その一方で、構造体がない領域27は、流体処理メディア17の外面42に沿って、軸線方向に延在してもよい。
【0050】
[0061]流体処理アセンブリ90は、ハウジング12内に置かれた流体処理エレメント11を含むことができる。流体処理エレメント11は、中心軸線と、対向する端部15、16と、流体処理メディア17と、軸線方向に延びる複数のプリーツ20とを有する、流体処理パック13を含むことができる。各プリーツ20は、折り畳まれた内端部23と、開放外端部24と、折り畳まれた端部と開放端部との間に延びる2つの脚部25、26と、流体処理パック13の対向する端部15、16における互いに反対向きの軸線方向開放端部21、22とを有する。プリーツ20の全部又は実質的に全部が、構造体がない領域27を含み、この構造体がない領域27は、軸線方向端部21、22間でプリーツ20の全長に沿って各プリーツ20内に軸線方向に延在し、プリーツ20の軸線方向端部21、22にて開いている。各構造体がない領域27は、流体処理媒体17の外面に沿ってプリーツ20内に軸線方向に延びる。流体処理パック13の各端部のシーラント18は、流体処理パック13の端部15、16から、流体処理メディア17の内面41、例えば透過流体側をシールする。流体処理エレメント11は、接線方向流体流路30と横方向流体流路31とを更に含む。接線方向流体流路30は、プリーツ20内で流体処理パック13に沿って実質的に軸線方向に延在し、構造体がない領域27を含む。横方向流体流路31は、接線方向流体流路30と流体的に連通し、接線方向流体流路30へ、又は接線方向流体流路30から、流体処理メディア17を通って横方向に延びる。
【0051】
[0062]流体処理メディアの外面に沿って延びる構造体がない領域を有する流体処理エレメント及びアセンブリは、コアなしであってもよい。しかし、多くの実施形態は、コア50を含むことができる。コア50は、中空かつ有孔又は透過性であってもよく、コア50の内部は、透過流体クッション層45と、透過流体支持層44と、透過流体排出層43とを介して、コア50の全部又は大部分の軸線方向長に沿って、流体処理メディア17の内面41と流体的に連通することができる。コア50は、開放端部48及び反対側のブラインド端部49を、つまり2つの開放端部を有することができる。囲み部52は、囲み部52自体の全長に沿ってブラインド(開口無し)であり、例えば不浸透性かつ無孔であってもよく、又は囲み部52は省略されてもよい。
【0052】
[0063]ハウジング12は、外部シェル53と、シェル53に取り付けられた互いに反対向きの端部片92、93とを含むことができる。シェル53は、流体処理エレメント11の外面の周りにぴったりと嵌合され得る。シーラント64が、流体処理パック13の各端部で、シェル53とプリーツ20との間に配置され得る。更に、シーラントが、流体処理パック13の長さに沿って囲み部52とプリーツ20との間に配置されてもよい。一方の端部片92が、供給流体入口32とマニホールド94とを含むことができ、このマニホールド94は、供給流体入口32と、流体処理パック13の一方の端部のプリーツ20の軸線方向開放端部21のところにある構造体がない領域27との間で流体連通する。反対側の端部片93は、未透過流体出口33とマニホールド95とを含むことができ、このマニホールド95は、未透過流体出口33と、流体処理パック13の反対側の端部のプリーツ20の軸線方向開放端部22のところにある構造体がない領域27との間で流体連通する。どちらか一方又は両方の端部片が、透過流体出口を含むことができる。この例示実施形態において、供給端部上にある端部片92は、透過流体出口34を含むことができ、この透過流体出口34は、未透過流体と透過流体とが互いから隔てられるように、コア50の開放端部48へシールされていてもよい。コア50の他方の端部は、ブラインド端部49であってもよい。端部片92、93は、シェル53に取り付けられて、ハウジング12内に流体処理エレメント11とコア50とを支持することができる。
【0053】
[0064]図8〜図10に示した流体処理アセンブリ90は、端部片92、93を含むことができるが、流体処理メディアの外面に沿って延びる構造体がない領域を有する流体処理アセンブリは、端部片がなくてもよい。例えば、流体処理メディアの外面に沿って構造体がない領域を有する流体処理アセンブリは、図1に示した流体処理アセンブリ10のハウジング12に類似したハウジングを含むことができ、各端部に取付具を有するシェルを含むことができる。シェルの内径に相当する内径を有する供給管及び未透過流体管は、それぞれ、供給入口端部とシェルの未透過流体出口端部とにおいて取付具に取り付けられ得る。透過流体出口管が、流体処理エレメントの一方又は両方の端部でコアに取り付けられてもよく、供給管及び/又は未透過流体管内で一定の距離、延在してもよい。透過流体出口管又は供給管及び/若しくは未透過流体管は、曲がっていてもよく、透過流体出口管が供給管及び/又は未透過流体管の壁を通って延在できるようにし、透過流体を供給流体及び/又は未透過流体流体から隔ててもよい。
【0054】
[0065]流体処理メディアの外面に沿って構造体がない領域を有する流体処理アセンブリを製造する方法は、前述したように、流体処理メディアの内面に沿って構造体がない領域を有する流体処理アセンブリを製造するための方法に類似させることができる。しかし、シーラントバリヤ層及び剥離層は、外面42、すなわち供給側になる方の流体処理メディア17の表面に沿って、多層複合体40内に配置され得る。透過流体排出層43と、透過流体支持層44と、透過流体クッション層45とは、内面41、すなわち透過流体側になる方の流体処理メディア17の表面に沿って、複合体40内に配置され得る。
【0055】
[0066]加えて、図11に示すように、最初に塗布されるシーラント81と、流体処理パック13の両端部から流体処理メディア17の内面41をシールするシーラント18とは、図6に示したコップ形状の固定具80に類似したコップ形状の固定具100内で塗布されてもよい。しかし、図11に示した固定具100は、流体処理パック13の内径に対応する外径を有する円筒形の中央突出部101を更に含む。中央突出部101は、約1インチ又はそれ以下から約1.25インチ又はそれ以上、上方に延在し、かつ頂部付近にわずかな内向きのテーパを有してもよい。各端部に関し、流体処理パック13は、固定具100の底部内で、最初に塗布されるシーラント81に浸漬され、流体処理パック13の端部全体を約1/8インチ又はそれ以上までの深さまで満たす。次いで、シーラント81を凝固させる。流体処理メディア17の内面41についてのシーラント18は、次いで、例えば、パック13の反対側の端部から流体処理パック13の中空内部に挿入した長い針によって、流体処理パック13と固定具100の中央円筒形突出部101との間に塗布される。シーラント18は、径方向には、流体処理メディア17の内面41と中央円筒形突出部101の外径との間に、軸線方向には、固定具100の底部付近の最初に塗布されたシーラントから円筒形突出部101の頂部付近のテーパの底部まで、流体処理パック13の各端部15、16における空隙部の全部を充填する。
【0056】
[0067]シーラント18が凝固した後、流体処理メディア17の内面41は、流体処理パック13の端部15、16からシールされ得る。透過流体排出層43及び流体処理メディア17は、透過流体支持層44及び透過流体クッション層45と同様に、流体処理パック13の端部領域において、流体処理メディア17から内側に、互いに有効に接合され得る。更に、隣接するプリーツ20の脚部25、26は、流体処理パック13の端部領域において、流体処理メディア17から内側に、互いに有効に接合され得る。しかし、剥離材料71及びシーラントバリヤ層70は、最初に塗布されたシーラント81によってのみ、流体処理パック13に接合されてもよい。
【0057】
[0068]シーラント18が凝固し、隣接するプリーツ20の脚部25、26が流体処理パック13の端部領域内で互いに接合された後、剥離材料71が、パック13から除去されてもよい。例えば、最初に塗布されたシーラント81を含む流体処理パック13の部分がパック13から切断されることにより、剥離材料71とシーラントバリヤ層70とが、パック13から除去されることができるようにしてもよい。剥離材料71は、次いで、流体処理パック13の外部から引き剥がされ、その結果、構造体がない領域27が、各プリーツ20に沿って軸線方向に延在し、かつプリーツの両方の軸線方向端部21、22で開くようにしてもよい。シーラントバリヤ層70もまた、流体処理パック13の外部から除去され得る。
【0058】
[0069]剥離材料71が流体処理パック13から除去された後、囲み部52が、プリーツ20の開放外端部24で、流体処理パック13の外面に用いられてもよいし、用いられなくてもよい。流体処理エレメント11は、ハウジング12のシェル53に挿入されてもよく、シーラントによってシェル53に接合されてもよいし、接合されなくてもよい。このシーラントは、シェル53の内面と囲み部52との間に、又はプリーツ20の開放外端部24のところにある隣接するプリーツ20の脚部25、26の間に配置される。
【0059】
[0070]有孔のコア50は、様々な場合において、例えば、シーラント18が流体処理メディア17の内面41に沿って塗布され、最初に塗布されたシーラント81が流体処理パック13から切断された後、などに設置され得る。追加のシーラント18が、パック13の端部領域内でコア50とプリーツ20の折り畳まれた内端部23との間に塗布されて、各端部片92、93のマニホールド94、95から流体処理メディア17の内面41をよりに完全にシールしてもよく、かつコア52を流体処理パック13に固定してもよい。コア50が流体処理パック13内に設置され、流体処理エレメント10がシェル53内に設置された後、端部片92、93が、シェル53の両端部に取り付けられ、かつコア50にシールされて、流体処理アセンブリ90を形成してもよい。
【0060】
[0071]使用中、供給流体は、接線方向の流路30に沿って、供給入口32と入口マニホールド94とに方向付けられることができる。入口マニホールド94から、供給流体は、流体処理パック13の一方の端部15のところのプリーツ20の軸線方向開放端部21内へ実質的に軸線方向に流れ込み、流体処理メディア17の外面42に沿った構造体がない領域27を通って、パック13の反対側の端部16のところのプリーツ20の軸線方向開放端部22へ行き、出口マニホールド95に流入する。この出口マニホールド95から、未透過流体は、未透過流体出口33を介して、流体処理アセンブリ90を流出する。多くの実施形態では、供給流体の1つ以上の成分が、横方向の流路31を介して構造体がない領域27内で除去される。成分は、外面42から内面41へ実質的に径方向に流れ、流体処理メディア17を通って、かつ透過流体クッション層45と、透過流体支持層44と、透過流体排出層44とを通って、有孔のコア50の内部へと流れる。透過流体は、次いで、横方向の流路に沿って、実質的に軸線方向にコア50の内部に沿って流れ、透過流体出口34を通る。
【0061】
[0072]非常に異なる特徴部を有する実施形態の更なる例として、流体処理アセンブリが、物質移動装置として構成され得る。例えば、図1〜図3で示した流体処理アセンブリ10に類似した流体処理アセンブリにおいては、不浸透性で無孔である囲み部が、軸線方向距離の大部分がシェル内の2つのポートの間にある状態で、流体処理パックの外部の周りに配置され得る。第1の流体、例えば気体又は液体が、ポートのうちの1つを通って流体処理アセンブリに入り、外側の排出層と、外側の支持層と、外側のクッション層とを通って、流体処理メディアの外面に沿って軸線方向に通過し、他方のポートを通って流出することができる。更なる流体が、接線方向の流路に沿って並流又は向流をなして流れ、流体入口から入って、構造体がない領域に沿って軸線方向に流体出口へと流れることができる。流体のうちの1つ、例えば流体処理メディアの外面に沿って流れる第1の流体の、1つ以上の成分が、横方向の流路に沿って流体処理メディアを通って、構造体がない領域の中に流れこんでいる流体へと流れることができる。
【0062】
[0073]このように、本発明は、記述しかつ/又は図示した特定の実施形態に限定されるものではなく、請求項の範囲に入るあらゆる変形例、組合せ及び異なる実施形態を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】流体処理アセンブリの断面図である。
【図2】図1に示した流体処理アセンブリの端面図である。
【図3】図1に示した流体処理アセンブリの前面を示す断面図である。
【図4】流体処理メディアを含む多層複合体の代表図である。
【図5】円筒形の流体処理パックの斜視図である。
【図6】固定具内の流体処理パックの一部分の断面側面図である。
【図7】流体処理パック内の剥離材料の斜視図である。
【図8】別の流体処理アセンブリの断面図である。
【図9】図8に示した流体処理エレメントの断面図である。
【図10】図8に示した流体処理アセンブリの前面を示す断面図である。
【図11】固定具内の流体処理パックの一部分の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体処理パックと、シーラントと、第1の流体流路と、第2の流体流路とを備える流体処理エレメントであって、
前記流体処理パックが、流体処理メディアと、軸線と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツとを含み、前記流体処理メディアが、第1の表面と第2の表面とを有し、前記プリーツの各々が、前記流体処理パックの前記第1の端部及び前記第2の端部において、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含み、前記プリーツの各々が更に、折り畳まれた端部と、開放端部と、前記折り畳まれた端部と前記開放端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを含み、前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って、前記第1の軸線方向端部と前記第2の軸線方向端部との間で前記プリーツ内に軸線方向に延在し、かつ前記プリーツの前記第1の軸線方向端部及び前記第2の軸線方向端部へ開いており、前記シーラントが、前記流体処理パックの各端部を前記流体処理メディアの前記第2の表面からシールしており、前記第1の流体流路が、前記プリーツ内で前記流体処理パックに沿って軸線方向に延び、構造体がない領域を含んでおり、前記第2の流体流路が、前記第1の流体流路から前記流体処理メディアを通って延び、又は前記流体処理メディアを通って前記第1の流体流路へ延びている、流体処理エレメント。
【請求項2】
前記流体処理メディアの前記第1の表面が外面である、請求項1に記載の流体処理エレメント。
【請求項3】
前記流体処理メディアの前記第1の表面が内面である、請求項1に記載の流体処理エレメント。
【請求項4】
前記構造体がない領域が、前記第1の脚部から前記第2の脚部まで前記プリーツの全体にわたって延びている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項5】
前記構造体がない領域が、前記折り畳まれた端部から前記開放端部まで前記プリーツの高さに沿って延びている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項6】
前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記第1の表面に隣接している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項7】
前記流体処理パックが、略円筒形の形状と外面とを有し、前記流体処理エレメントが、前記流体処理パックの前記外面の周りに配置された囲み部を更に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項8】
前記流体処理パックが、内部を有する中空の円筒形の形状を有し、前記流体処理エレメントが、前記流体処理パックの前記内部に配置されたコアを更に備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項9】
前記コアが、前記流体処理パックの前記第1の端部及び前記第2の端部で、前記流体処理パックに接合されている、請求項8に記載の流体処理エレメント。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体処理エレメントと、前記流体処理エレメントの周りに配置されたハウジングとを備える流体処理アセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジングがシェルを備え、前記流体処理エレメントが前記シェルに接合されており、前記ハウジングには端部片がない、請求項10に記載の流体処理アセンブリ。
【請求項12】
略円筒形の中空の流体処理パックと、シーラントと、コアとを備える流体処理エレメントであって、
前記流体処理パックが、軸線と、内部と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、プリーツ状にされた複合体とを含み、前記プリーツ状にされた複合体が、内面と外面とを有する流体処理メディアを含み、かつ前記流体処理パックの前記第1の端部と前記第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツを画定し、前記プリーツの各々が、前記流体処理パックの前記第1の端部及び前記第2の端部で、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含み、前記プリーツの各々が、折り畳まれた外端部と、開放内端部と、前記折り畳まれた外端部と前記開放内端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを更に含み、前記構造体がない領域が、前記流体処体メディアの前記内面に沿って、前記第1の軸線方向端部と前記第2の軸線方向端部との間で前記プリーツ内に軸線方向に延在し、かつ前記プリーツの第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部へ開いており、前記シーラントが、前記流体処理パックの各端部を前記流体処理メディアの前記外面からシールしており、前記コアが、前記プリーツの前記開放内端部に沿って前記流体処理パックの中空の前記内部内に配置されている、流体処理エレメント。
【請求項13】
前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記内面に隣接している、請求項12に記載の流体処理エレメント。
【請求項14】
前記コアが、前記流体処理パックに接合されている、請求項12又は13に記載の流体処理エレメント。
【請求項15】
前記流体処理パックの前記外面の周りに配置された囲み部を更に備える、請求項12〜14のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項16】
請求項12〜15のいずれか一項に記載の流体処理エレメントと、前記流体処理エレメントの周りに配置されたハウジングとを備える、流体処理アセンブリ。
【請求項17】
更に、前記ハウジングがシェルを備え、前記流体処理エレメントが前記シェルに接合されており、前記ハウジングには端部片がない、請求項15に記載の流体処理エレメント。
【請求項18】
略円筒形の流体処理パックと、シーラントと、外側の囲み部とを備える流体処理エレメントであって、前記流体処理パックが、軸線と、外面と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、プリーツ状にされた複合体とを含み、前記プリーツ状にされた複合体が、内面と外面とを有する流体処理メディアを含み、かつ前記第1の端部と前記第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツを画定し、前記プリーツの各々が、前記流体処理パックの前記第1の端部及び前記第2の端部で、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含み、前記プリーツの各々が、更に、折り畳まれた内端部と、開放外端部と、前記折り畳まれた内端部と前記開放外端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを含み、前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記外面に沿って前記第1の軸線方向端部と前記第2の軸線方向端部との間で前記プリーツ内に軸線方向に延在し、かつ前記プリーツの第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部へ開いており、前記シーラントが、前記流体処理パックの各端部を前記流体処理メディアの前記内面からシールしており、前記囲み部が、前記プリーツの前記開放外端部に沿って前記流体処理パックの前記外面の周りに配置されている、流体処理エレメント。
【請求項19】
前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記外面に隣接している、請求項18に記載の流体処理エレメント。
【請求項20】
前記流体処理パックの中空内部に配置されたコアを更に備える、請求項18又は19に記載の流体処理エレメント。
【請求項21】
請求項18〜20のいずれか一項に記載の流体処理エレメントと、前記流体処理エレメントの周りに配置されたハウジングとを備える、流体処理アセンブリ。
【請求項22】
前記ハウジングが、シェルと、前記シェルの各端部に取り付けられた端部片とを含む、請求項21に記載の流体処理アセンブリ。
【請求項23】
流体処理エレメントを製造する方法であって、
互いに反対向きの第1の表面と第2の表面とを有する流体処理メディアと、前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って配置された剥離材料とを含む複合体を形成するステップと、前記複合体を波形にして複数のプリーツを形成するステップと、
前記プリーツが前記流体処理パックに沿って軸線方向に延びる状態で、波形の前記複合体を、第1の端部と第2の端部とを有する略円筒形の流体処理パックに形成するステップと、前記流体処理パックに前記第1の端部及び前記第2の端部付近でシーラントを塗布して、前記流体処理パックの前記両端部を前記流体処理媒体の前記第2の表面からシールするステップと、前記シーラントを塗布した後に、前記波形の複合体から前記剥離材料を除去して、前記プリーツの各々に構造体がない領域を形成するステップとを備える方法。
【請求項24】
前記複合体を形成するステップが、前記流体処理メディアと前記剥離材料との間にシーラントバリヤ層を配置する工程を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記流体処理パックの両端部に最初のシーラントを塗布して各端部を完全にシールした後に、前記シーラントを前記流体処理パックに塗布して、前記パックの前記両端部を前記流体処理メディアの前記第2の表面からシールするステップを更に備える、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記パックの両端部から前記最初のシーラントを切断して前記剥離材料を露出させた後、前記剥離材料を波形の前記複合体から剥ぎ取るステップを更に備える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
流体処理エレメントを製造する方法であって、
互いに反対向きの第1の表面と第2の表面とを有する流体処理メディアを波形にして、複数のプリーツを形成するステップと、
前記プリーツが、前記第1の端部と前記第2の端部との間で、前記流体処理パックに沿って軸線方向に延びる状態で、波形の前記流体処理メディアを、第1の端部及び第2の端部を有する略円筒形の流体処理パックに形成するステップと、
前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って剥離材料を配置するステップと、
前記流体処理パックに前記第1の端部及び前記第2の端部付近でシーラントを塗布して、前記流体処理メディアの前記第2の表面から前記流体処理パックの前記両端部をシールするステップと、
前記シーラントを塗布した後、前記流体処理パックから前記剥離材料を除去して、前記プリーツの各々に構造体がない領域を形成するステップと
を備える方法。
【請求項28】
前記流体処理メディアと前記剥離材料とを含む複合体を形成するステップを更に備え、前記剥離材料を配置するステップが、前記複合体内の前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って前記剥離材料を配置する工程を含む、請求項27の方法。
【請求項29】
前記剥離材料を配置するステップが、前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って、前記剥離材料を、前記略円筒形の流体処理パックの前記プリーツに挿入する工程を含む、請求項27の方法。
【請求項1】
流体処理パックと、シーラントと、第1の流体流路と、第2の流体流路とを備える流体処理エレメントであって、
前記流体処理パックが、流体処理メディアと、軸線と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツとを含み、前記流体処理メディアが、第1の表面と第2の表面とを有し、前記プリーツの各々が、前記流体処理パックの前記第1の端部及び前記第2の端部において、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含み、前記プリーツの各々が更に、折り畳まれた端部と、開放端部と、前記折り畳まれた端部と前記開放端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを含み、前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って、前記第1の軸線方向端部と前記第2の軸線方向端部との間で前記プリーツ内に軸線方向に延在し、かつ前記プリーツの前記第1の軸線方向端部及び前記第2の軸線方向端部へ開いており、前記シーラントが、前記流体処理パックの各端部を前記流体処理メディアの前記第2の表面からシールしており、前記第1の流体流路が、前記プリーツ内で前記流体処理パックに沿って軸線方向に延び、構造体がない領域を含んでおり、前記第2の流体流路が、前記第1の流体流路から前記流体処理メディアを通って延び、又は前記流体処理メディアを通って前記第1の流体流路へ延びている、流体処理エレメント。
【請求項2】
前記流体処理メディアの前記第1の表面が外面である、請求項1に記載の流体処理エレメント。
【請求項3】
前記流体処理メディアの前記第1の表面が内面である、請求項1に記載の流体処理エレメント。
【請求項4】
前記構造体がない領域が、前記第1の脚部から前記第2の脚部まで前記プリーツの全体にわたって延びている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項5】
前記構造体がない領域が、前記折り畳まれた端部から前記開放端部まで前記プリーツの高さに沿って延びている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項6】
前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記第1の表面に隣接している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項7】
前記流体処理パックが、略円筒形の形状と外面とを有し、前記流体処理エレメントが、前記流体処理パックの前記外面の周りに配置された囲み部を更に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項8】
前記流体処理パックが、内部を有する中空の円筒形の形状を有し、前記流体処理エレメントが、前記流体処理パックの前記内部に配置されたコアを更に備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項9】
前記コアが、前記流体処理パックの前記第1の端部及び前記第2の端部で、前記流体処理パックに接合されている、請求項8に記載の流体処理エレメント。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体処理エレメントと、前記流体処理エレメントの周りに配置されたハウジングとを備える流体処理アセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジングがシェルを備え、前記流体処理エレメントが前記シェルに接合されており、前記ハウジングには端部片がない、請求項10に記載の流体処理アセンブリ。
【請求項12】
略円筒形の中空の流体処理パックと、シーラントと、コアとを備える流体処理エレメントであって、
前記流体処理パックが、軸線と、内部と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、プリーツ状にされた複合体とを含み、前記プリーツ状にされた複合体が、内面と外面とを有する流体処理メディアを含み、かつ前記流体処理パックの前記第1の端部と前記第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツを画定し、前記プリーツの各々が、前記流体処理パックの前記第1の端部及び前記第2の端部で、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含み、前記プリーツの各々が、折り畳まれた外端部と、開放内端部と、前記折り畳まれた外端部と前記開放内端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを更に含み、前記構造体がない領域が、前記流体処体メディアの前記内面に沿って、前記第1の軸線方向端部と前記第2の軸線方向端部との間で前記プリーツ内に軸線方向に延在し、かつ前記プリーツの第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部へ開いており、前記シーラントが、前記流体処理パックの各端部を前記流体処理メディアの前記外面からシールしており、前記コアが、前記プリーツの前記開放内端部に沿って前記流体処理パックの中空の前記内部内に配置されている、流体処理エレメント。
【請求項13】
前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記内面に隣接している、請求項12に記載の流体処理エレメント。
【請求項14】
前記コアが、前記流体処理パックに接合されている、請求項12又は13に記載の流体処理エレメント。
【請求項15】
前記流体処理パックの前記外面の周りに配置された囲み部を更に備える、請求項12〜14のいずれか一項に記載の流体処理エレメント。
【請求項16】
請求項12〜15のいずれか一項に記載の流体処理エレメントと、前記流体処理エレメントの周りに配置されたハウジングとを備える、流体処理アセンブリ。
【請求項17】
更に、前記ハウジングがシェルを備え、前記流体処理エレメントが前記シェルに接合されており、前記ハウジングには端部片がない、請求項15に記載の流体処理エレメント。
【請求項18】
略円筒形の流体処理パックと、シーラントと、外側の囲み部とを備える流体処理エレメントであって、前記流体処理パックが、軸線と、外面と、互いに反対向きの第1の端部及び第2の端部と、プリーツ状にされた複合体とを含み、前記プリーツ状にされた複合体が、内面と外面とを有する流体処理メディアを含み、かつ前記第1の端部と前記第2の端部との間に軸線方向に延びる複数のプリーツを画定し、前記プリーツの各々が、前記流体処理パックの前記第1の端部及び前記第2の端部で、第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部を含み、前記プリーツの各々が、更に、折り畳まれた内端部と、開放外端部と、前記折り畳まれた内端部と前記開放外端部との間に延びる第1の脚部及び第2の脚部と、構造体がない領域とを含み、前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記外面に沿って前記第1の軸線方向端部と前記第2の軸線方向端部との間で前記プリーツ内に軸線方向に延在し、かつ前記プリーツの第1の軸線方向端部及び第2の軸線方向端部へ開いており、前記シーラントが、前記流体処理パックの各端部を前記流体処理メディアの前記内面からシールしており、前記囲み部が、前記プリーツの前記開放外端部に沿って前記流体処理パックの前記外面の周りに配置されている、流体処理エレメント。
【請求項19】
前記構造体がない領域が、前記流体処理メディアの前記外面に隣接している、請求項18に記載の流体処理エレメント。
【請求項20】
前記流体処理パックの中空内部に配置されたコアを更に備える、請求項18又は19に記載の流体処理エレメント。
【請求項21】
請求項18〜20のいずれか一項に記載の流体処理エレメントと、前記流体処理エレメントの周りに配置されたハウジングとを備える、流体処理アセンブリ。
【請求項22】
前記ハウジングが、シェルと、前記シェルの各端部に取り付けられた端部片とを含む、請求項21に記載の流体処理アセンブリ。
【請求項23】
流体処理エレメントを製造する方法であって、
互いに反対向きの第1の表面と第2の表面とを有する流体処理メディアと、前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って配置された剥離材料とを含む複合体を形成するステップと、前記複合体を波形にして複数のプリーツを形成するステップと、
前記プリーツが前記流体処理パックに沿って軸線方向に延びる状態で、波形の前記複合体を、第1の端部と第2の端部とを有する略円筒形の流体処理パックに形成するステップと、前記流体処理パックに前記第1の端部及び前記第2の端部付近でシーラントを塗布して、前記流体処理パックの前記両端部を前記流体処理媒体の前記第2の表面からシールするステップと、前記シーラントを塗布した後に、前記波形の複合体から前記剥離材料を除去して、前記プリーツの各々に構造体がない領域を形成するステップとを備える方法。
【請求項24】
前記複合体を形成するステップが、前記流体処理メディアと前記剥離材料との間にシーラントバリヤ層を配置する工程を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記流体処理パックの両端部に最初のシーラントを塗布して各端部を完全にシールした後に、前記シーラントを前記流体処理パックに塗布して、前記パックの前記両端部を前記流体処理メディアの前記第2の表面からシールするステップを更に備える、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記パックの両端部から前記最初のシーラントを切断して前記剥離材料を露出させた後、前記剥離材料を波形の前記複合体から剥ぎ取るステップを更に備える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
流体処理エレメントを製造する方法であって、
互いに反対向きの第1の表面と第2の表面とを有する流体処理メディアを波形にして、複数のプリーツを形成するステップと、
前記プリーツが、前記第1の端部と前記第2の端部との間で、前記流体処理パックに沿って軸線方向に延びる状態で、波形の前記流体処理メディアを、第1の端部及び第2の端部を有する略円筒形の流体処理パックに形成するステップと、
前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って剥離材料を配置するステップと、
前記流体処理パックに前記第1の端部及び前記第2の端部付近でシーラントを塗布して、前記流体処理メディアの前記第2の表面から前記流体処理パックの前記両端部をシールするステップと、
前記シーラントを塗布した後、前記流体処理パックから前記剥離材料を除去して、前記プリーツの各々に構造体がない領域を形成するステップと
を備える方法。
【請求項28】
前記流体処理メディアと前記剥離材料とを含む複合体を形成するステップを更に備え、前記剥離材料を配置するステップが、前記複合体内の前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って前記剥離材料を配置する工程を含む、請求項27の方法。
【請求項29】
前記剥離材料を配置するステップが、前記流体処理メディアの前記第1の表面に沿って、前記剥離材料を、前記略円筒形の流体処理パックの前記プリーツに挿入する工程を含む、請求項27の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2009−509749(P2009−509749A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533534(P2008−533534)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/037546
【国際公開番号】WO2007/038542
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【住所又は居所原語表記】2200 Northern Boulevard East Hills, New York
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/037546
【国際公開番号】WO2007/038542
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【住所又は居所原語表記】2200 Northern Boulevard East Hills, New York
【Fターム(参考)】
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