説明

流体分布を評価する方法及び装置

流体分布を評価する方法及び装置。開示の一側面によれば、複数のテスト済領域を有する流体収集物の流体分布を評価するために流体検出網が用いられる。流体収集物の各テスト済領域は、流体検出網によって提供される。流体検出網は、流体収集物の流体分布を示すよう構成されている。開示の他の側面によれば、モニタサブシステムは、流体検出網によって提供されるテスト領域の流体分布を評価し、流体検出網は、テスト領域の流体分布を示す実特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体分布を評価する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばおむつ又は寝具類における尿の存在は、潜在的に湿った領域を物理的に触ることによって達成されてきた。便利さ、迅速性、公衆衛生、及び同様の理由のために、この方法は、特に管理された保護環境において理想的とは言えない。そのような環境では、尿検出は進行中のプロセスである。数人の患者は繰り返してテストされる必要があり、これは時間を浪費し物理的に不当な要求をする不快な仕事となり得る。しばしば患者はベッドにおいて毛布で覆われており、そのような環境で尿をテストすることは従来の方法を用いては困難である。ある検出方法は視覚的な指標を利用するが、これらの方法は衣類及び/又は毛布を除去することを要求し、人前でおむつを身につける大人が個別に用いることはできない。
【0003】
おむつのような尿収集物の有用性を最大限に活用するために、そのような物品は、適切な尿量を収集したときに取り替えねばならない。膀胱制御の欠乏に苦しむ人は、尿を切れ目なく漏らし、ただ物品に尿が存在するに過ぎないだけでは常に取り替えを必要としない。あまりにもすぐに尿収集衣を取り替えると、尿収集衣の最大限の効力が利用されないので、不経済となり得る。あまりにも遅く衣を取り替えると、着用者に不快感及び/又は炎症を引き起こす可能性があり、また、尿が衣の外側に広がるのを許す可能性がある。したがって、そのような衣の効力を最大限に活用するために、そのような衣によって収集された適切な尿量を決定し、その結果、衣を適切な時に取り替えることができることが望ましい。産業の専門家は、吸収物品が収容能力のたった約30%まで用いられ、この結果、消費者及び望まない環境の影響によって不必要に消耗される、と見積もっている。
【0004】
吸収物内の尿の分布は、使用形態に少なくとも部分的に依存し得る。おむつを用いると、例えば、物を用いる人の身体位置(例えば、仰向けに寝ている、うつ伏せに寝ている、左を下にして横に寝ている、右を下にして横に寝ている、など)は、おむつ内の流体分布に影響を与える。重力は、吸収物の他の部分と比べて比較的低い物の一部に残留流体を集める。多くの流体は物の低い側に保持されるので、低い側の領域で最大容量に到達するか、又は物の他の領域が流体を保持する前にそこで漏出が起こる可能性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
流体分布を評価する方法及び装置が提供されている。開示の一側面によれば、複数のテスト済領域を有する流体収集物の流体分布を評価するために流体検出網が用いられる。流体収集物の各テスト済領域は、流体検出網によって提供される。流体検出網は、流体収集物の流体分布を示すよう構成されている。開示の他の側面によれば、モニタサブシステムが、流体検出網によって提供されたテスト領域の流体分布を評価する。ここで流体検出網は、テスト領域の流体分布を示す実特性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、流体の分布を評価するよう構成された流体検出装置10を概略的に示す。ここで用いられるように、「分布」との用語は、そのような流体の絶対的な及び/又は相対的な存在、量、及び/又は位置を記述するために用いられる。流体検出装置10は、流体分布を検出するよう個別かつ集合的に構成され得るモニタサブシステム14及び流体検出網12を含む。流体検出網は、流体検出網の異なる部分がテスト済領域の異なる領域に対応するように、テストされるべき異なる領域と結びつけられ得る。換言すると、流体検出網の異なる部分は、テスト済領域の異なる領域を提供し得る。各領域は監視され得、かくしてテスト済領域を通じて流体分布が決定され得る。モニタサブシステムは、流体検出網から情報を読み取るために流体検出網と協力し得、そしてそのような情報は、テスト済領域の流体分布を評価するために用いられ得る。
【0007】
以下の開示は吸収物において尿の分配を検出するよう構成された典型的な装置を述べるが、この開示はさほど制限されないことに留意されたい。そのような実施例は、この開示の範囲内に留まる限り様々に組み合わされ得る個々の特徴、機能、要素、及び/又は特性を教える目的で与えられる。吸収物における尿の検出は、テスト済領域において流体を検出する広大な出願の一実施例としてのみ与えられる。
【0008】
[尿検出網]
図2は、尿検出網20の形態の典型的な流体検出網12を概略的に示す。尿検出網20は、吸収物における尿の分配を検出するために用いられ得る。ここで用いられるように、「吸収物」は、様々な量の流体を保持又は収容し得るあらゆる品を記述するために用いられる。おむつの文脈において以下で述べられるが、吸収物は寝具類、衣類、生理用ナプキンなどの形態を取ることもできることに留意されたい。その上、吸収物は、流体以外の物質と尿以外の流体とを収集するよう構成され得る。一般に、流体を収集し得る実質的にあらゆる吸収媒体又は他の品目の流体分布をテストすることはこの開示の範囲内である。おむつは、テストされ得る吸収物の単一の非制限的な実施例として記述される。
【0009】
吸収物は一つ又は複数の領域を含んでよく、各領域が湿らされた程度を評価するためにテストすることができる。例えば、おむつは、正面部及び背面部を含むことができ、これらは、利用者が仰向け又はうつ伏せのどちらに向けて横たわっているかに依存して、異なる量の尿でそれぞれ湿らされ得る。したがって、尿検出網20は、一つ又は複数の検出器22を含むことができ、これらは、そのような領域の相対的な尿体積又は絶対的な尿体積を検査するために、別々に構成されかつ位置させられ得る。このように、検出網は、分布の知識なしに尿の単なる存在とは対照的に吸収物の至る所における尿の位置を評価するために、吸収物の異なる領域を集合的にテストすることができる。互いとは関係なく、領域のグループとして、又は全体として集合的に、異なる領域がテストされ得る。その上、検出器の網は、一つ又は複数の身体位置における物の残った機能吸収能力を示すこともでき、同様に変化が延期され得るかを決定するために用いることもできる。
【0010】
テスト済領域は、異なる使用パターンに対応することができ、一つ又は複数の領域のテスト済湿気レベルは、漏れなく付加的な流体を収集する吸収物の能力を決定するために用いることができる。いくつかの実施例では、他の領域はあまり湿っていないか又は濡れていないことさえあるが、他の領域に関して大部分の流体を収容する領域における流体のレベルは、全体としての物の流体レベルと解釈され得る。いくつかの実施例では、一の領域における流体のレベルは、吸収物が機能上の目的を十分に満たすために付加的な流体を保持することができるかを決定するために、他の領域の湿気を考慮することができる。検出器の網は、吸収物の流体分布、すなわち物の一つ又は複数の領域の相対的な又は絶対的な湿気に関する情報を与えるよう構成され得る。そのような情報は、物の流体分布を評価するために用いられ得る。したがって、流体分布は、おむつが取り替えを必要とするかどうかのような、吸収物に対応する決定を行うために用いられ得る。
【0011】
検出器22は、尿検出網20内の確認可能要素として関与し得る。いくつかの実施例では、2つ又はそれよりも多くの検出器がバス24を介して互いに接続され得る。バス24は、一の検出器を他の検出器へ連係状態で接続する一つ又は複数の直列及び/又は並列接続を含むことができる。いくつかの実施例では、検出器は、バスに誘導的に又は容量的に接続され得る。その上、他の網要素は、バス24に連係状態で接続され得る。例えば、図2は、バス24に接続されたインターフェースモジュール26を示す。バス24は、検出器22及び/又はインターフェースモジュール26のような、2つ又はそれよりも多くの網要素を有効に接続するよう構成され得る。このように、単一の網要素の個々の機能は、以下でより詳細に述べられるように、全体として網の集合的な機能に寄与することができる。
【0012】
検出器22は、様々な機構を用いて吸収物の領域をテストするよう構成され得る。検出器22は、尿、他の流体、又はイオン化物質の存在を尿検出網20の特性の探知可能な変化に転換することができるあらゆる要素とすることができる。一実施例として、検出器は、検出器がテストする領域が尿分布の変化を経験するときに網の実静電容量を変化させることができる。尿検出網の実静電容量に対するそのような変化は、尿の存在に由来する検出器の個々の静電容量の変化に起因すると考えられる。静電容量は、尿分布の変化に反応し得る網特性の非制限的な例として与えられる。
【0013】
網は、特定の検出器が他の検出器から区別され得るように、網の他の検出器から区別する特性を有する検出器を含むことができる。例えば、少なくとも一つの検出器は、他の検出器の最小及び/又は最大値とは異なる知られている最小静電容量値及び最大静電容量値を用いて構成することができる。このように、特定の検出器は、他の検出器とは異なる方法で静電容量を変更することができ、あらゆる他の検出器、又はこれら検出器の組合せとは異なってあらゆる検出器の実静電容量を変更することができる。したがって、そのような検出器の静電容量が変化する場合には、検出器と結び付けられた領域は少なくとも部分的に湿るようになるので、静電容量の変化は、検出器によって提供される領域の濡れに起因すると考えられる。各検出器は、特有の静電容量を用いて構成することができ、全ての検出器、又は検出器のあらゆるグループの総合的な静電容量は、湿った物の一つ又は複数の領域に依存する異なる濡れ条件を示すよう構成することができる。
【0014】
いくつかの実施例では、他の検出器が正確に確認できる静電容量範囲を持たず、むしろ所定の値又は範囲から知られている範囲外の値までの範囲であるのに対し、一つ又は複数の検出器は、知られている静電容量範囲を有するよう構成することができる。そのような構成は、吸収物の特定領域が変化を許可するよう十分に湿らされるかを決定するために有用であり得る。例えば、この構成は、おむつのどの領域が湿っているかを正確に確認することなく、おむつを取り替える必要があるかを;又は確認された領域が湿っていると検出されるがおむつの取替えを回避することができるかを;決定するために用いることができる。
【0015】
確認できる検出器によって提供される領域は湿ってもよいが、漏れる傾向にない領域のような検出器と結び付けられた特定の領域のために、他の検出器が誘発されない場合にはおむつは取り替える必要がない。それにもかかわらず、検出器は、収集品の全ての残りの静電容量を決定するために用いることができる。湿ったときにおむつが取り替えられるべきであることを示す他の領域は、容易に個別に確認できないあまり予測できない検出器によって提供され得る。これは、そのような検出器と結び付けられたあらゆる領域が湿ったときにおむつが取り替えられるべきであることを前もって決定したからである。そのような状況では、湿らされた正確な領域は示すことができない。予測されない静電容量値を与える検出器は、これら領域のうちの少なくとも一つが湿ったときにおむつを取り替える必要と一致する領域を提供するよう配置されるので、予測されない静電容量は、取替えが必要であると合図することがある。ここで用いられるように、「予測されない」との用語は、所定の範囲外の静電容量値を記述するために用いられる。静電容量が所定の範囲外に移動したので「予測されない」値は濡れを確認するのに有用であることに留意されたい。いくつかの実施例では、各検出器又は検出器のグループの個々の静電容量値は、他の検出器とは別々にテストされ得、いくつかの実施例では、全ての検出器の実静電容量がテストされる。
【0016】
検出器22、又は検出器の一部は、尿との直接接触及び/又はガルバニ相互作用とは隔離され得る。換言すると、検出器は、金属部分のような検出器の部分が尿と物理的に相互作用しないように構成され得る。検出器は、尿に対して比較的不活性な材料のみが尿と接触するようになるように構成することができる。例えば、尿との反応性に欠くよう選択されたプラスチックのような絶縁層は、望まずして尿と反応する可能性のある検出器の金属部分を隠蔽するために用いられ得る。そのような覆いは、利用者と接触している尿が、利用者にとって有害になり得るようにして金属と反応するのを防止することができる。しかしながら、絶縁層は、検出器が尿を検出する所望の機能を果たすことを妨げることなく利用することができる。
【0017】
検出器は、尿が所定のしきい量及び/又は濃度を超過するならば、尿の存在に反応するよう調整することができる。いくつかの実施例では、そのようなしきいは、あらゆる尿がしきいを超過するような公称値にセットすることができる。いくつかの実施例では、しきいは、選択されたしきいよりも上の尿の量及び/又は濃度と同じように選択されたしきいよりも下の尿の量及び/又は濃度が尿検出網に影響を及ぼさないように、より有意な値に設定することができる。これは、検出器の付近における僅かな量の水分に由来する誤った陽性の検出を回避するのに役立つ。いくつかの実施例では、検出器は、検出器によって提供される領域における尿の相対的な量に反応することができ、かくして検出器はその領域における尿の相対的な量を決定するために用いることができる。いくつかの実施例では、一つよりも多くの検出器が領域に結び付けられ、領域における各検出器は、流体の異なるしきいに応答することができる。
【0018】
検出器は、標的とされた流体に対する反応性を増加させるために増感剤を用いて処理され得る。例えば、検出器22は、ある程度の飽和が起こったときに、溶解する、又はそうでなければ形態を変えるよう構成された流体可溶性コーティングで処理され得る。いくつかの実施例では、乾燥した形態又は他の形態のイオン化物質が検出器に適用され得る。このように、イオン化していない流体を含む流体とイオン化物質とは、イオン化した溶液を形成するよう結合し、これによりいくつかの流体に対する検出器の感度が増加する及び/又はそうでなければ探知できない流体の検出が可能になる。いくつかの実施例では、検出器は、流体を保持するよう構成された流体収集パッド又はスポンジを含むことができる。そのようなパッドは、イオン化された溶液を用いて処理され、乾燥され、かくしてパッド上にイオン化物質が残る。イオン化物質は、流体の検出を容易にするためにイオン化された及び/又はイオン化されていない流体と反応し得る。
【0019】
検出器は、流体の存在に応答して誘電性特性を変化させるよう構成された誘電体部を含むことができる。例えば、いくつかの実施例では、検出器は、パッドの濡れレベルの変化に応答して検出器の静電容量を変化させる、パッド又はスポンジのような可変誘電体によって分離された対向プレートを含むことができる。パッドの濡れレベルは、パッドの周りの濡れの程度に従って変化する。単一の検出器における静電容量の変化は、網の実静電容量における対応する変化を生み出す。上述したように、一つ又は複数の検出器は、一つ又は複数の他の検出器とは異なる量で、実静電容量を変化させるよう構成され得る。網は、検出器が提供する領域に相当する濡れ条件を決定するためにテストされ得る。例えば、静電容量が濡れに応答して変化する網特性である実施例では、網の実静電容量は、測定されるか又はそうでなければ網をテストするために分析され得る。
【0020】
いくつかの実施例では、検出器は、流体が検出器に導入されたときに検出器の部分間の距離が機械的に変化するよう構成され得る。例えば、誘電体部は、濡れの変化レベルに従って拡大及び/又は縮小し、かくして対向プレート間の距離が変化する。いくつかの実施例では、誘電体層は標的とされた流体にさらされたときに溶解する。いくつかの実施例では、誘電体層は、他の方法で誘電性特性を変化させる。いずれの場合でも、そのような変化は、検出器に対応する飽和を評価するために測定及び/又は分析され得る。上述のことは、非制限的な例として与えられたものであり、他の検出機構が付加的に又は代わりに実施され得る。
【0021】
図3は、尿検出網32を含むおむつ30を概略的に示す。尿検出網は、検出器36を互いに接続するバス34を含む。見られるように、検出器は、おむつ30の隣接した異なる領域に配置される。各検出器は、検出器の位置に対応する領域をテストするよう構成される。尿検出網32はまた、外部装置との接続を容易にするインターフェースモジュール38を含む。尿検出網32のおむつ30への組み込みは、吸収物を提供する流体検出網の非制限的な例として与えられる。他の構成が熟慮されることに留意されたい。その上、流体検出の当業者は、上述の概念を、他の種類のテスト済領域を提供する他の流体検出装置に適用することができる。尿検出網、又はその一部は、おむつの外部保護層の内側、又は外部保護層の外側に配置され得る。
【0022】
図4は、典型的な検出器50の概略断面図を示す。検出器50は、互いに対向するプレート52及びプレート54を含む。プレートは、金属シート材料、又は他の適切な導体から構成され得る。これらプレートはそれぞれ、絶縁層56及び絶縁層58によって湿気からシールされ得る。絶縁層は、プラスチック又は他の防水の被覆材料から構成され得る。絶縁層は、流体との望まない接触を防止しつつ、絶縁されるか又はされないバスとプレートとが電気的に接続することを許容するよう構成され得る。絶縁層は、望まない流体接触からプレートの選択された部分を効果的にシールする実質的にあらゆる形態で実施され得る。いくつかの実施例では、絶縁層の単一の区分は、プレートを効果的に分離することができ、いくつかの実施例では、絶縁層の2つ又はそれよりも多くの部分は、プレートを総合的にシールするよう協力し得る。シールされたプレートはバスと接続し得ることに留意されたい。
【0023】
プレート52とプレート54との間に、検出器50は、誘電体材料60を含む。図示された実施例では、誘電体材料60は、水分吸収部62と非吸収部64とを含む。吸収部は、大まかに66で示される開口部を介して流体にさらされる。吸収部62は、流体にさらされたときに誘電性特性を変化させるよう構成される。したがって、検出器50の静電容量は、検出器が流体にさらされたときに変化する。静電容量の変化は、検出器と結び付けられた領域の濡れ条件を評価するために分析され得る。上述のことは、テスト済領域における流体分布を評価するために実施され得る検出器の一例に過ぎない。静電容量の変化と共に流体濃度の変化に応答するよう構成された他の構成が、付加的に又は代わりに用いられ得、静電容量以外の誘電性を変化させるよう構成された配置が、いくつかの実施例で用いられ得る。
【0024】
図5は、吸収物へ組み入れられ得るシート102として構成された典型的な尿検出網100を示す。単一のシートとして尿検出網100を構成すると、吸収物の組立体を簡素化することができる。例えば、おむつは、自動機械によって層に組み立てられ得る。保護殻、吸収核、内部織物、及び/又は他の部分は、一体に重ねられ、切断され、形作られ、接着され等され得る。その上、弾性バンド、ファスナー、補強支持材、等のような付加的な構成要素が構成に用いられ得る。シート102は、シートがおむつの他の部分と共に重ねられるように、そのような組立プロセスに組み入れられ得る。いくつかの実施例では、尿検出網、又はその一部を、組立ての間におむつ内の所望の位置に配置するために、ピックアンドプレイス構成が用いられる。そのようなシート構成は、単一のワイヤ、コンデンサプレートの組立体、複数のワイヤ、及び/又は他の構成要素と共に組み立てられた尿検出網、又はあらゆる他の適切な尿検出網を含むことができる。
【0025】
尿検出網100は、静電容量を変更することによって尿の存在に応答するよう構成された検出器104を含む。検出器104は、図4の検出器50と同一の一般的な配置で組み立てることができるか、又は他の適切な構成が代わりに用いられ得る。各検出器104は、第1ノード110でバス108に電気的に接続された第1プレート106と、第2ノード114でバスに電気的に接続された第2プレート112と、を含む。プレートは、絶縁層でプレートを覆うことを含むあらゆる適切な手段を用いて流体から電気的に絶縁され得る。プレートは、パッド116のような誘電性材料の対向する側に配置され得る。示されるように、誘電体の少なくとも一部は、尿が誘電体と直接接触するようになるように露出され得る。誘電体は、流体及び/又は他の物質を吸収するときに誘電性特性を変化させる吸収部を用いて構成され得る。したがって、流体検出網の静電容量の測定は、流体の存在を評価するために用いられ得る。
【0026】
示されるように、尿検出網100は、検出器104が接続される網バス108を含む。他の検出器が120で示されるようにバスから間隔を置かれ得るのに対して、いくつかの検出器は、118で示されるように、網バスの直近に接続され得る。図5は、一つの可能な構成のみを示し、検出器は、テストが望まれる吸収物の実質的にあらゆる領域に対応するよう配置され得ることに留意されたい。その上、流体検出網は、吸収物以外のテスト済領域を提供するよう構成され得、それ相当に構成され得る。流体検出網を構成する様々な検出器の配置を容易にするために一つ又は複数の網バスが用いられ得る。
【0027】
流体検出網は、モニタサブシステムとの相互作用を容易にするよう構成されたインターフェースモジュールを含むことができる。このように、網によってテストされた流体分布に対応する情報は、モニタサブシステムによって獲得及び/又は解釈され得る。モニタサブシステムは、テスト済流体検出網のインターフェースモジュールと関係して補足的に構成されるインターフェースモジュールを使用することができる。いくつかのモニタサブシステムは、流体検出網から情報を無線で獲得するように、及び/又は直接の電気接続を介して接続するように構成されたインターフェースモジュールを含むことができる。ここでは無線で連絡された電磁エネルギー及び直接の電気接続を介して連絡された電気エネルギーに関して主に述べられたが、流体検出網は、光エネルギー及び力学的エネルギーを含む他のエネルギー形態を用いて動作及び/又は連絡するよう構成され得ることに留意されたい。
【0028】
図5は、接続ノード130の形態の典型的なインターフェースモジュールを示す。接続ノード130は、電気接点132と電気接点134とを含み、これら接点は、尿接続網のバス108へ連係状態で接続されている。バス108は、尿の存在に応答するよう構成された検出器104へ接続され得る。一つ又は複数のインターフェースモジュールは、同一の流体検出網に含まれ得、これによりモニタサブシステムとの異なる種類の相互作用が容易になる及び/又はモニタサブシステムが相互作用を確立する異なる領域のテスト済物が与えられる。
【0029】
モニタサブシステムは、削減され得るか又はそうでなければ接続ノード130に接続され得、かくしてモニタサブシステムが流体検出網の特性、例えば静電容量をモニタすることが可能となる。図示の実施例では、接続ノード130とモニタサブシステムとの間に電荷経路を確立する位置にモニタサブシステムのクリップ136が示されている。他の構成が可能であり、上述のことは非制限的な例として示されている。例えば、いくつかの実施例では、接続ノード130は、電機接続が容易に形成され得るおむつから延在するよう構成され得る。一般的に、物理的又は作用的な接続が、モニタサブシステムの導体と流体検出網の接続ノードとの間に確立され得、かくしてモニタサブシステムと流体検出網との間の電流の伝達が容易になる。接続の種類及び接続の位置は変更することができる。モニタサブシステムは、網の静電容量を含む、流体検出網の特性を測定するよう構成され得る。いくつかの実施例では、電気接点132及び電気接点134は、網とモニタサブシステムとの間の静電結合を容易にすることができる。
【0030】
図20は、エネルギー変換モジュール150の形態の典型的なインターフェースモジュールを示す。エネルギー変換モジュール150は、尿検出網のバスへ結合され得る。エネルギー変換モジュールは、モニタサブシステムと協力するよう構成され得、かくして尿検出網についての情報がモニタサブシステムへ無線で伝達される。例えば、モニタサブシステムは、エネルギー変換モジュール150にエネルギーを与える磁気又は電磁場を生成することができる。尿検出網は、流体分布の変更に応答して静電容量を変更し、変更静電容量は、モニタサブシステムとエネルギー変換モジュール150との間のエネルギー分布に対応する変化をもたらす。したがって、モニタサブシステムは、流体分布に応答して予測通りに変化する流体検出網の静電容量をモニタするために用いられ得る。このように、モニタサブシステムとエネルギー変換モジュール150との間のエネルギー分布は、流体分布を決定するためにモニタされ得る。
【0031】
図7は、アルミニウム箔、導電性インク、又は同様のもののような導電性材料162の単一層から形成された典型的な流体検出網160の概略図を示す。導電性材料は最初は一般的に平面配置に配置され、誘電体材料164に配置され得る。最初の平面配置にあるとき、導電性材料は最終的な所望の配置にはない。導電性材料の一部168が導電性材料の他の一部170の近くに配置されるように折線166に沿って折ると、導電性材料が所望の配置に位置決めされる。換言すると、導電性材料を折ると所望の回路が完成する。一部168のノード172は、電荷経路を形成するよう一部170のノード174に物理的に接続され得る。いくつかの実施例では、ノード172及びノード174は、静電結合され得る、すなわち換言すると、誘電体層によって分離され得る。ひとたび折られると、一部168及び一部170は、モニタサブシステムと相互作用し得るインターフェースモジュールとして総体的に役立つ。検出器のような他の網要素がまた、単一の層を2つ又はそれよりも多くの近隣層へ折ることで形成され得る。
【0032】
流体検出網160は検出器176を含み、検出器は平面配置に並んで配置された絶縁導電性プレートを含む。そのような構成では、イオン化された流体は、従来のコンデンサにみられるように、第2対向プレートと同様に機能し得る。例えば、検出器176のプレートを覆うイオン化流体は、プレートが電荷を一時的に貯蔵することを可能にし、流体検出網の全体の静電容量に影響を及ぼす。換言すると、イオン化流体が網の検出器を覆うとき、検出器の静電容量はそれに応じて変化する。吸収材料層は、流体による完全な適用範囲を確保するために検出器の頂部に配置される。その上、アルミニウム箔のような第2の導電性材料層が吸収層の頂部に配置され得、乾式検出器と湿式検出器との間の検出分解能を改善することができる。検出器のプレートは、誘電体材料のシートによって及び/又は誘電体材料の保護膜を適用することによって流体から隔離され得る。検出器は、異なる検出器間の区別を可能にするために異なる大きさで構成され得る。
【0033】
図8は、誘電体層によって分離された2つの平行導体から構成された典型的な流体検出網180の概略図を示す。検出器と結び付けられた部分のような誘電体層の一部は、流体が存在するときに予測できるように反応するよう構成され得る。例えば、誘電体層の一部の誘電性特性は、テスト済流体にさらされたときに変化し得る。検出器と結び付けられていない部分のような他の一部は、流体と反応しないようにすることができる。反応を回避するために、そのような一部は、物理的に隔離された及び/又はそうでなければ保護された適切な化合物で充満され得る。
【0034】
流体検出網180の誘電体層及び導体は、様々な構成で構成され得る。例えば、図9は、一つの可能な構成の断面図を示し、図9において平行導体182は、共通吸収誘電体層184を挟んで向かい合う側に配置されている。導体は絶縁層186によって取り囲まれている。図10は、他の構成を示し、図10において導体188は、絶縁層190によって覆われ、次いで誘電体層192で覆われる。これら又は他の実施例において、誘電体層は、吸収性及び/又は化学的に活性である。上述のことは、非制限的な実施例として与えられる。吸収又は非吸収誘電体層を備えた他の構成が用いられ得る。いくつかの実施例では、誘電体層は、それ自身絶縁体を提供し、かくして個々の絶縁層が不必要になる。他の種類の流体検出網を用いたとき、乾式網の全体の静電容量を確立することができ、網のあらゆる検出器で起こる変化は検出され、流体分布を評価するときに用いられ得る。
【0035】
図11〜図13は、一つ又は複数の検出器、バス、及び/又は付加的な要素を形成するよう構成された単一の導電性要素を含む3つの典型的な流体検出網構成を示す。いくつかの実施例では、単一の導電性要素は、湿気絶縁ワイヤの形態をとり得る。単一の導電性要素から流体検出網を組み立てると流体検出網のコストが減少する。導電性要素は、複数の位置で検出器を形成するよう形作られ得、各位置での湿気をテストするために用いられ得る。流体検出網のバス、検出器、及び/又はインターフェースモジュールは単一の導電性要素から形成され得るのに対して、絶縁層、誘電体部、及び他の構成要素がまた、そのような流体検出網を構成するために用いられ得ることに留意されたい。
【0036】
図11は流体検出網200を示し、流体検出網は、単一の導電性要素208から作られたバス202、検出器204、及びインターフェースモジュール206を含む。検出器204は単一のコンデンサとして機能し得る。ここで述べられるように、コンデンサは、湿気の変化に応答して静電容量を変化させることによってテスト済領域の湿気を効果的に測定するよう構成され得る。そのような測定を容易にするために、湿気に応答して誘電性特性を変える材料がいくつかの実施例で利用され得る。インターフェースモジュール206は、例えば相互インダクタンスを介してモニタサブシステムと無線で相互作用するよう用いられ得る。図12は、単一の導電性要素212がバス214を形成するよう形作られた流体検出網210を示す。検出器216はコイルパターンに形成されている。湿気に応答して、コイル状要素を含む検出器は、静電容量を変化させ得、及び/又は独自の電気誘導の振る舞いを変化させ得、これにより流体検出網の全体のエネルギー吸収パターンに測定可能な変化がもたらされる。図13は、単一の導電性要素222がバス224、検出器226、及びインターフェースモジュール228を形成するよう形作られたさらに他の典型的な流体検出網220を示す。検出器226はコイルとして形作られ、いくつかの実施例では、網の他の要素が絶縁されている一方で、検出器は流体に少なくとも部分的にさらされ得る。
【0037】
単一の導電性要素がバス、検出器、及び/又はインターフェースモジュールのような複数の網要素を形成するよう形作られた流体検出網を形成するために様々な方法が用いられ得る。例えば、ワイヤは具体的な形に曲げられ、導電性インクが所望のパターンを印刷するために用いられ、導電性シート材料が切断又はエッチングされ、等され得る。一般に、繰返し性及び製造速度を最大化させつつコストを最小限に抑える方法が好まれる。
【0038】
図14〜図17は、導電性材料のシートを、流体検出網の一部として用いられる所望のパターンに形作る典型的な方法を示す。図14は、流体検出網を形成するために用いられ得るシート材料の一部の断面図を示す。シート材料は、基板240、バインダ242、及び導電性層244を含む。基板は、尿又は他のテスト済物質に対して比較的化学的に不活性なプラスチック及び/又は他の電気伝導性の低い導体を含むことができる。いくつかの実施例では、おむつのような尿収集物における配置選択の自由を増加させるように基板は可撓性を有する。導電性層244は一般に、電荷が移動し得る一つ又は複数の荷電経路を確立するのに適切な導電性シート材料から形成される。いくつかの実施例では、導電性層はアルミニウム箔、又は他の可撓性導体のような金属シート材料を含むことができる。バインダ242は中間基板240と導電性層244との中間にある。以下で説明されるように、いくつかの実施例では、バインダは所望のプロファイルが与えられた選択的に変形可能な層とすることができる。例えば、バインダ242は、導電性層244を基板240に接着することのできるホットメタル接着剤を含むことができる。そのようなホットメタル接着剤は、所望の形状を有するように、刻印され、エンボス加工され、又はそうでなければ物理的に変更され得る。いくつかの実施例では、単一の層は、バインダ及び基板として役に立ち得る。例えば、熱可塑性基板/バインダが、ラミネートされた導電性層に対する基板として役に立ち得、熱可塑性基板/バインダは、以下に述べられるように、適切な間隔距離を確立しかつ維持するのを助けるために加熱され形作られ得る。
【0039】
図15に示されるように、打刻器(scorer)250は、導電性層244にパターンをつけるために用いられ得る。いくつかの実施例では、打刻器は、導電性層、ことによるとバインダ及び/基板の一部を物理的に切断するよう構成されたダイ切断プレートの形態をとることができる。導電性層を切断すると、導電性層が所望の導電性パターン252に効果的に形作られる。バインダ及び/又は基板の少なくとも一部は、完全なままであり、かくして新しく形成された導電性パターンに適切な基部が与えられる。導電性パターンは、間隔距離Dによって分離された隣接する跡を含むことができる。打刻器が導電性層を離間させた後、間隔距離Dは非常に小さくなるか又は閉じられることさえある。
【0040】
図16に示されるように、カバー層260は、形作る前又は後に形成される。カバー層260は、押しつけられた導電性層の形状に形作られ得るか、又はカバー層は実質的に平らなままとすることができる。カバー層260は、電気的絶縁体として有効に作用するプラスチック、又は他の適切な材料を含むことができる。カバー層260及び基板240は、導電性層、又は少なくとも導電性層の選択された一部をシールするために協力することができる。カバー層260はまた、導電性層の隣接する跡の間の所望の間隔距離Dを維持することを容易にする。
【0041】
図17に示されるように、シェーパー270は、導電性パターン252をさらに形成するために用いられ得る。いくつかの実施例では、シェーパーは、加熱されたエンボス加工プレートの形態をとることができる。シェーパーは、導電性パターン252を補足するスタンピングパターン272で構成され得る。スタンピングパターン及び導電性パターンは整列され、スタンピングパターンは導電性パターンへプレスされ得る。示されるように、導電性層、バインダ、及び/又はカバー層は、シェーパーの圧力によって変形され得る。特に、導電性層には、導電性層の隣接する跡間の間隔距離Dを増加させ得るさらに多くの3次元プロファイルが与えられる。増加した間隔距離は回路の無欠性を改善し、電気的短絡又は流体検出網に予測できなく振る舞わせる他の条件を制限するのを助けることができる。
【0042】
図18に概略的に示されるように、流体検出網280は、情報を格納するためのデータ格納機構282を含むことができる。例えば、流体検出網は、特定の流体検出網の識別を容易にするためにモニタサブシステムに与えられ得る識別子を格納するメモリを含むことができる。これは、例えば、共通のモニタサブシステムが一つよりも多くの流体検出網をテストするために用いられる場合に役に立つ。特に、データ格納機構は、インターフェースモジュールが結び付けられた吸収物の種類、大きさ、及び/又は容量に関する情報を含むことができ、これによりカスタマイズされた定量測定を実施することができる。
【0043】
モニタサブシステムと流体検出網との間の情報の無線交換を容易にするために、一つ又は複数のエネルギー変換モジュールが、流体検出網に連係状態で接続され得る。エネルギー変換モジュールは、流体検出網とモニタサブシステムとの間のエネルギーの交換を容易にする。エネルギーの交換は、モニタサブシステムによって測定及び/又は分析され得る。流体検出網の特性は、流体検出網とモニタサブシステムとの間のエネルギー交換に対応する。特に、静電容量のような一つ又は複数の流体検出網の特性は、モニタされたエネルギー交換に基づいて決定され得る。
【0044】
いくつかの実施例では、エネルギー変換モジュールは、流体検出網バスに接続されたコイルを含む。コイルは、インデューサによって生成されたエネルギーを流体検出網内の起電力に転換するよう構成され得る。流体検出網とインデューサとの間のエネルギー分布は、静電容量、又は流体検出網の他の特性に従ってある程度まで影響を与えられ得る。したがって、エネルギー分布パターンの測定及び分析は、尿の分布を検出するために用いられ得る。
【0045】
[モニタサブシステム]
図19は、典型的なモニタサブシステム300を概略的に示す。モニタサブシステムは、一のテスト位置から他のテスト位置へ移動できる携帯装置の形態をとり得る。いくつかの実施例では、モニタサブシステムは、2つ又はそれよりも多くの個別の装置として構成され得る固定及び移動構成要素の組合せを含むことができる。モニタサブシステムは、他の装置とは独立して流体分布を測定及び/又は分析するよう構成され得るか、又はモニタサブシステムは、流体分布を測定及び/又は分析するために一つ又は複数の他の装置と協力するよう構成され得る。モニタサブシステムは、有線又は無線の伝送モードを介した分析及び/又は通知のために他の装置へ情報を与えるよう構成され得る。いくつかの実施例では、モニタサブシステムは、流体分布を決定するために解釈又はさらに分析され得るデータを送信又は受信し得る。さらに、モニタサブシステムの要素は、モニタサブシステムの他の要素へ、又は有線又は無線通信を介して他の装置へ、生データ及び/又は分析データを伝達することができる。そのようなデータはさらに分析、記録、確認、報告、等することができる。簡単のため、この開示は主に、一体の移動装置として構成されたモニタサブシステムに焦点を合わせている。しかしながら、2つ又はそれよりも多くの装置から構成されたモニタサブシステムがまた、この開示の範囲内である。その上、流体分布を測定及び分析する場面で述べられる間、検出網が異なる種類の測定のために構成され得ること、及びモニタサブシステムがそのような測定から得られた情報を無線で評価するために用いられ得ることに留意されたい。
【0046】
モニタサブシステム300は分析モジュール302を含む。点線で示されるように、モニタサブシステム300はまた、インターフェースモジュール304、誘導モジュール306、サンプリングモジュール308、及び/又は通知モジュール310を含むことができる。分析モジュール302は、流体検出網によって与えられるテスト済領域の流体分布を評価するために情報を分析するよう構成され得る。分析モジュール302は、測定及び/又は分析を実施するために用いられるハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含むことができる。非制限的な実施例として、分析モジュールは、流体検出網を分析する特定の目的で構成されたサーキットボードの形態をとることができるか、又は分析モジュールは、流体検出網を分析するよう構成されたソフトウェアを作動させることのできる一般のコンピュータの形態をとることができる。いくつかの実施例では、分析モジュールは、流体検出網の静電容量を直接測定するための構成要素を含むことができる。いくつかの実施例では、分析モジュールは、以下でより詳細に述べられるように、データ分析を実行するよう構成され得る。
【0047】
モニタサブシステム及び流体検出網は、情報リンクによって通信するよう接続され得る。情報リンクは、有線の又は無線の接続とすることができる。いくつかの実施例では、分析モジュールは、流体検出網の接続ノードに物理的に接続されたインターフェースモジュール304を介して分析するために情報を取得することができる。いくつかの実施例では、分析モジュールは、分析のために情報を無線で取得することができる。情報は、誘導モジュール306及び/又はサンプリングモジュール308を介して無線で取得され得る。どちらの場合でも、取得された情報は、電気接続又は光接続のような直接接続を介して分析モジュールへ引き渡され得るか、又は情報は例えば無線信号を介して無線で伝達され得る。
【0048】
存在する場合には、インターフェースモジュール304は、流体検出網の接続ノードへ電気的に接続され得、かくして流体検出網の接続ノードが分析モジュール302へ電気的に接続される。このようにして、分析モジュール302は、直接の物理的な接続を介して尿検出網の実静電容量(又は他の特性)を読むことができる。図5は、インターフェースモジュール304が接続する接続ノードの例を示す。上述されたように、接続ノードはアクセスが容易となるように配置され、その結果、流体分布測定が容易に行われ得る。簡単な切り取り構成として概略的に示されているが、流体検出網をモニタサブシステムに接続するために、よりしっかりしたインターフェースが利用され得ることに留意されたい。
【0049】
いくつかの実施例では、無線信号発生器の形態のインターフェースモジュールが、流体検出網に直接接続され得る。例えば、図20に示されるように、自己動力信号発生器312は、接続ノード314を介して尿検出網のバスへ接続され得る。信号発生器312は、モニタサブシステムによって受信及び/又は分析され得る信号を生成するよう構成され得る。図示の実施例では、信号発生器312は網に直接接続されるとともに、網の静電容量の変化に応答して生成信号(周波数、変調、使用率、等)の性質を予想通りに変更するよう構成されている。換言すると、対応する尿検出網の周囲の尿分布は、尿検出網の静電容量を制御し、尿検出網の静電容量は、信号発生器312によって生成された信号の少なくとも一つの性質を制御する。分析モジュール302は、放送信号を受信するとともに網の静電容量を決定するよう構成され得る。このようにして、テスト済領域の尿分布が評価され得る。
【0050】
信号発生器312は、信号伝達を容易にするよう構成された内部又は外部アンテナ316を含むことができる。信号発生器はまた、信号生成に電力を供給するために用いられる電池、又は他の電力源を含むことができ、及び/又は信号発生器は、伝達のための信号を生成するために伝達された電磁エネルギーを介して放出された出力を利用することができる。いくつかの実施例では、生データ及び/又は分析データを伝達するために他の構成の信号発生器を用いることができる。
【0051】
いくつかの実施例では、静電容量又は他の実特性の直接の読み取りは行われない。その代わりに、誘導磁場又は誘導電磁場に対する流体検出網の応答はモニタサブシステムによって抽出され得る。流体検出網の応答は、流体検出網と直接接触することなく、又は少なくともモニタサブシステムと流体検出網との間に直接電荷経路を確立することなく、抽出され得る。したがって、この種の抽出は、「無線」と称される。無線で抽出された情報は流体検出網によって提供されるテスト済領域の流体分布を評価するために用いられ得る。
【0052】
モニタサブシステム300は、流体検出網と無線で相互作用するよう構成された誘導モジュール306を含むことができる。誘導モジュール306は所望のエネルギー場を生成するよう構成され得る。非制限的な実施例として、誘導モジュール306は、無線周波数発振器のような、コイルに連係状態で接続された信号発生器を含むことができる。信号発生器は、所望のエネルギー場を生成するためにコイルを通じて過渡又は連続の形態で電気信号を駆動することができる。信号発生器は、電圧制御発振器、位相ロックループベースのシンセサイザ、直接デジタルシンセサイザ、等を含むことができる。信号発生器は、所望のエネルギー場を生成するために、駆動信号の波形、周波数、又は使用率を選択的に調整するよう構成され得る。
【0053】
上述したように、モニタサブシステムは、流体検出網とモニタサブシステムとの間の物理的な接続を確立することなく、流体検出網によって与えられる領域の流体分布を評価するよう構成され得る。そのような場合、流体検出網は、テスト済領域の流体分布に従ってはっきりと異なる方法で放出されたエネルギーを吸収及び/又は反射するよう構成され得る。モニタサブシステムは、エネルギー場を放出し、流体分布を決定するためにモニタサブシステムと流体検出網との間のエネルギー分布を測定することができる。例えば、静電容量、インピーダンス、又は共鳴周波数のような、網の少なくとも一つの特性は、網による吸収エネルギーのパターン及び/又は網から反射された後方散乱エネルギーに影響を及ぼすことができる。そのような特性は、流体分布を示すことができる。したがって、特性は、流体分布を評価するために決定され得る。
【0054】
エネルギー分布関数は2つ又はそれよりも多くの測定から構成され得る。例えば、誘導エネルギー場の変化は、誘導場の周波数が変化したときに定期的に測定され得る。そのような測定は、分析モジュール、サンプリングモジュール、又はモニタサブシステムの他の構成要素で行うことができる。数千又はそれよりも多くのそのような測定が毎秒行われ得る。測定の結果は、曲線として図式的に表され得るエネルギー分布関数を形成するために編集され得る。エネルギー分布関数は、対応する流体検出網の状態を決定するために分析され得る。例えば、エネルギー分布関数の一つ又は複数のパラメータは、知られている流体検出網の状態に対応する一組の格納されたパラメータと比較され得る。分析モジュールは、エネルギー分布関数を構成及び/又は分析するために用いられ得る。
【0055】
単一の測定とは対照的に、エネルギー分布関数の分析は、流体検出網の状態を確認するのを容易にすることができる。短い時間にいくつかの周波数で取られた測定を含むエネルギー分布関数はまた、単一の測定をあまり正確にしない変数を補償するために用いられ得る。エネルギー交換のパターンは、流体検出網の静電容量以外の変数によって影響を与えられ得る。例えば、電磁結合係数Kは、エネルギー分布に影響を与える流体検出網及びインデューサの接近及び配向に従って変化する。エネルギー分布関数の分析は、例えK値が変わっても、静電容量のような流体検出網の特性を同定するために用いられ得る。エネルギー分解関数の分析は付加的に又は代わりに、他の変数を補うことができる。
【0056】
図19に概略的に示されるように、モニタサブシステム300は、通知モジュール310を含むことができる。通知モジュール310は、流体検出網によって与えられる領域の流体分布に対応する音声情報、視覚情報、及び/又は機械的な情報を与えるよう構成され得る。例えば、テスト済領域が湿っている場合には、通知モジュール310は、テスト済領域の湿った状態を示す光をつける。いくつかの実施例では、通知モジュールは、聞こえる警戒を鳴らす、機械的に振動する、又はそうでなければ流体分布の指示を生み出すことができる。いくつかの実施例では、通知モジュールは、流体検出網の個々の検出器に対応する情報を与えるよう構成され得る。情報の量及び通知モジュールによって与えられる情報の分解能は、流体検出網の能力及び所望の使用に従って選択され得る。存在する場合には、通知モジュールは、モニタサブシステムの他の構成要素に物理的に接続され得るか、又は通知モジュールは、スタンドアローンの装置とすることができる。
【0057】
上述したように、流体検出網は、モニタサブシステムと無線で相互作用するよう構成され得る。特に、誘導エネルギー場にさらされている場合には、モニタサブシステムと流体検出網との間のエネルギー分布パターンは、流体検出網によって与えられる領域の流体分布を示すことができる。そのような流体検出網の動的な性質のために、インダクタンス対静電容量比の変化のような流体の存在によって引き起こされる変化は、インピーダンス、共鳴周波数における電圧及び電流の増大の測定、又は他のもののような網の特性に変化を引き起こす可能性がある。加えて、暗騒音、温度変化、及び/又は流体検出網の形状、位置、及び/又は向きの変化は、付加的なテスト変数を導入することができる。サンプリングモジュール308は、K及び/又は他のテスト変数の計算に対する依存状態を減少させるために用いられるデータ分析を容易にするよう構成され得る。サンプリングモジュールの使用はまた、流体検出網の製造許容差をより緩和することを可能にし、その結果、さほど高価でないテストシステムが生まれる。
【0058】
サンプリングモジュール308は、誘導モジュール306によって生成されるエネルギー場内に位置される。サンプリングモジュールは、コイル、増幅回路、及び/又は誘導エネルギー場を測定するよう構成された他の構成要素を含むことができる。誘導エネルギー場は、誘導エネルギー場からエネルギーを少なくとも部分的に吸収及び/又は反射する流体検出網のような外部因子によって影響を与えられ得る。テストの間、サンプリングモジュールは、流体検出網のエネルギー変換モジュールの作動距離内に位置され得る。サンプリングモジュール及びエネルギー変換モジュールは、誘導場に対する互いの応答に影響を及ぼすことができる。その上、流体検出網によって与えられる領域の流体分布の変化は、インデューサ、流体検出網、及びサンプリングモジュール間のエネルギー分布パターンに対応する変化を引き起こすことができる。エネルギー分布パターンにおけるそのような変化は、流体検出網によって与えられる領域の流体分布を評価するために用いられ得る。
【0059】
図21に示されるように、モニタサブシステム320は、分析モジュール324及び誘導モジュール326に物理的に接続されたサンプリングモジュール322を含むことができる。このようにして、誘導モジュールとサンプリングモジュールとの相対的な配向及び位置が固定される。したがって、サンプリングモジュールと誘導モジュールとは一緒になって動き、網をテストするときには流体検出網328の作動距離内に位置され得る。モニタサブシステムは、サンプリングモジュールがテストの間、誘導モジュールと流体検出網との間のようなある配向に位置されるように構成され得る。そのような関係は、対応する流体検出網における少なくとも部分的な鏡変化に対してサンプリングモジュールを与え、変数の計算に対して固定された基準を与え、及び/又は以下でより詳細に述べられるように、Kの正確な計算に対する従属関係を減少させることができる。
【0060】
図22に示されるように、モニタサブシステム330は、誘導モジュール334に物理的に固定されていない、物理的に独立した装置であるサンプリングモジュール332を含むことができる。いくつかの実施例では、そのようなサンプリングモジュールは、流体検出網336に関して実質的に固定された関係に位置され得る。サンプリングモジュールは、流体検出網の直近に位置され得るか、又はサンプリングモジュールは、例えば一つ又は複数の覆い層によって、流体検出網から分離され得る。例えば、サンプリングモジュールは、ユーザーのポケットに配置するよう又は吸収物に直接取り付けるよう構成され得る。
【0061】
網のエネルギー吸収は、流体の存在によって影響を与えられ得、したがってサンプリングモジュール及び網のエネルギー変換モジュールの結合されたエネルギー吸収パターンは、網の状態を示すことができる。そのような構成の優位点は、網の回路が最小に維持されつつ、サンプリングモジュールが、K又は他のテスト変数の計算を不必要にもたらす情報を含むためにエネルギー交換パターンを修正する構成要素を含むことができることである。加えて、サンプリングモジュール及びモニタサブシステムは、テスト時の相対的な位置が網の応答に影響を及ぼすことなく確認されるように構成され得る。サンプリングモジュールは、少なくとも部分的に自己動力がある。
【0062】
図23は、モニタサブシステムにおけるエネルギー分布を表す基準曲線400(エネルギー分布関数)を示す。そのようなモニタサブシステムは、周波数、振幅、変調、等のような知られているパラメータを用いて信号を生成するよう構成されたインデューサを含むことができる。特に、インデューサは、示された図面の水平軸を含む周波数段階によって示されるように、周波数の範囲に段をつける信号を生成することができる。モニタサブシステムはまた、生成された信号の一つ又は複数の特性が測定されるサンプリングモジュールを含むこともできる。測定された特性は、示された図面の垂直軸によって示されるように、量のレベルで表され得る。
【0063】
サンプリングモジュール及びインデューサは、互いに関係のある固定された関係に位置され得る。サンプリングモジュール及びインデューサの相対的な位置を固定すると、構成要素間のエネルギー交換に影響を与える変数の数を減少させる助けになり得る。例として、固定された関係は、インデューサとサンプリングモジュールとの間に実質的に一定のK値を確立することができる。サンプリングモジュールとエネルギーを交換するよう構成されたインデューサを含むモニタサブシステムに関して述べられたが、開示された分析は、流体検出網とのエネルギーの測定可能な交換をもたらす他の構成を用いて使用され得ることに留意されたい。基準曲線400は、外部因子がサンプリングモジュールとインデューサとの間のエネルギー交換に影響を与えない制御された環境において、サンプリングモジュールでとられる一連の測定を示す。そのような曲線は、テスト曲線が比較されるベースラインとして用いられ得る。特に、基準曲線400は、サンプリングモジュールとインデューサとの間のエネルギー交換が流体検出網の存在のような外部因子によって影響されるときに測定されるテスト曲線を分析するための基準として用いられ得る。
【0064】
流体検出網は、インデューサとサンプリングモジュールとの間のエネルギー交換に測定可能な影響を与えることができる。流体検出網の静電容量が変化する流体分布に応答して変化するとき、流体検出網は、インデューサとサンプリングモジュールとの間のエネルギー交換に対応する変化を引き起こすことができる。変化は、インデューサとサンプリングモジュールとの尿検出網に対する相対的な配向に依存している。エネルギー分布関数の分析は、流体検出網の静電容量の測定された変化を解釈するために用いられる。そのような分析は、例え尿検出網に対するインデューサとサンプリングモジュールとの位置が許容範囲内で変化する場合でも、行うことができる。換言すると、K値の変化は、開示された分析によって補償され得る。例えば、曲線が交差する箇所における基準曲線に対するテスト曲線の角度は、K値を示す。K値が許容範囲内であるならば、分析の結果が報告される。K値が許容範囲外になるならば、付加的な測定が行われ、及び/又はユーザーはモニタサブシステムの位置を調整するよう通知される。
【0065】
図24は、基準曲線400、テスト曲線402、及びテスト曲線404を示す。テスト曲線402及びテスト曲線404は、サンプリングモジュールが流体検出網のインデューサとエネルギー変換モジュールとの間に配置されるように位置されたモニタサブシステムによって流体検出網が尋ねられるテスト状況に対応する。テスト結果は、乾燥状態にある流体検出網によって影響を与えられ、かくして各テスト曲線は、基準曲線400とは異なる。換言すると、流体検出網は、乾燥条件を反映する静電容量を有し、静電容量は、尿検出網がエネルギー交換に影響を与えない状況に対するエネルギー交換の対応する変化によって検出され得る。
【0066】
テスト曲線402及びテスト曲線404は、モニタサブシステムが流体検出網に対して2つの異なる配置にあるときにとられる測定に対応する。そのような配置の違いは、互いに対するテスト曲線間の違いに反映されている。しかしながら、テスト曲線における違いにもかかわらず、曲線の分析は、テスト済流体検出網の状態に対応する情報を与えることができる。
【0067】
図24に見られるように、テスト曲線402及びテスト曲線404は、交点406及び交点408で互いに交差する。基準曲線400はまた、交点406及び交点408、又は少なくともこれらの点の許容範囲内を通過する。換言すると、両テスト曲線及び基準曲線は、インデューサによって生成される信号の周波数又は周波数範囲に対応する共通の交点を有する。示された図面では、乾燥尿検出網は、周波数段階11及び周波数段階21のほぼ周囲で起こる交点に対応する。そのような周波数段階は、エネルギー交換が測定され得る意義のある基準曲線を与えるために調整され得る周波数値に対応する。乾燥流体検出網に対するそのような結果は、知られている条件の下で予め決定され得るとともに、尿検出網をテストするときに対照として用いられ得る。例えば、所定の交点406及び/又は交点408の許容範囲内にテスト曲線の基準曲線又は異なるテスト曲線との交点を生み出す照会(query)は、乾燥条件での尿検出網からの結果として解釈され得る。これは、テスト曲線を分析することによって、例えば交点で基準曲線に対するテスト曲線の角度を比較することによって、決定され得るK値の範囲に対して当てはまる。
【0068】
図25は、基準曲線400とともにテスト曲線410及びテスト曲線412を示す。図24と同様に、テスト曲線及び基準曲線は、414及び416で示されるように、共通の点又は領域で交差する。交点414及び416は、第1検出器が尿を積極的にテストする尿検出網に対応し、かくして流体検出網の実静電容量を変更している。静電容量の変化は、交点406及び408と比べた場合に、交点414及び416のシフトに反映される。交点の位置は、第1検出器によって提供される領域が湿っている流体分布を第1検出器が合図している尿検出網からの結果として解釈され得る。
【0069】
図26は、尿検出網が湿った状態を合図している、図25に示されたものとは異なる他の筋書きを示す。換言すると、第2検出器が湿った状態を合図している。したがって、尿検出網の実静電容量は異なり、テスト曲線420及び422によって表される。示されるように、交点424及び426は、図25の交点414及び416、及び図24の交点406及び408からシフトしている。交点424及び426の位置は、第2検出器によって提供される領域が湿っている流体分布を第2検出器が合図している尿検出網からの結果として解釈され得る。
【0070】
テスト曲線は、交点又は流体分布を評価するために用いられ得る他の関係を確認するために基準曲線又は他のテスト曲線と比較され得る。上で説明されたように、交点は、Kの変化に少なくとも部分的に抵抗する。したがって、交点は、尿検出網の静電容量値を確認するために用いられ得る。それぞれの可能な網状態は、そのような比較が行われ得るような制御された条件(第1検出器が湿っている、第2検出器が湿っている、第1及び第2検出器が湿っている、等)の下で予め決定され得る。上述したように、網は、それぞれの可能な網状態が唯一の実静電容量を有するように構成され得る。よく理解され得るように、尿検出網の静電容量の変化は、エネルギー分布における対応する測定可能な変化を引き起こす。そのような変化は、予め決定された知られている応答とテスト済応答とを比較することによって分析され得る。このようにして、分析は、尿検出網の状態を決定するために用いることができる。分析は異なるモニタサブシステムの位置及び/又は方位に対応する異なるK値を用いて実施され得るので、テストの筋書きの柔軟性が達成される。
【0071】
いくつかの実施例では、交点以外の、テスト曲線、及び/又は基準曲線の外観が分析され得る。例えば、テスト曲線は典型的には図26の偏差430及び偏差432のような偏差を経験する。そのような偏差は、測定された尿検出網の静電容量を決定するために分析され得る。分析は、偏差の境界となる交点の位置、偏差の境界となる交点間の距離、及び/又は偏差の角度を含むことができる。テスト曲線を分析する他の規準が熟慮される。特に、テスト曲線と基準曲線との間の他の比較が、尿検出網の静電容量を解釈するために用いられ得る。
【0072】
その上、異なる時間にとられた測定の組から構成されたエネルギー分解関数のような、2つ又はそれよりも多くのエネルギー分布関数が、互いに比較され得る。2つ又はそれよりも多くのエネルギー分布関数間の比較は、流体検出網の状態についての情報を評価するために及び/又はテスト結果を実証するために用いられ得る。暗騒音又は干渉は、一つ又は複数のテスト測定の結果に影響を及ぼす可能性がある。網の状態を正確に検出するために、テスト曲線における干渉の影響は、確認される必要及び補償される必要があり得る。基準曲線をもたらすサンプリングモジュールを使用することによって、干渉を検出するための能力が与えられ得る。例えば、サンプリングモジュールが網の影響から離れて位置されている一方で、基準曲線とは実質的に異なるテスト曲線は、干渉の記しを与え得る。そのようなテスト曲線の分析は、干渉パターンについての情報を与え得るとともに、さらなる測定から干渉の影響を除外するために用いられ得る。加えて、数字による及び統計に基づくフィルタが、過渡干渉及び/又は不安定な干渉の不利な影響を検出するために用いられ得る。ここで用いられたように、暗騒音及び干渉は、モニタサブシステムによってとられる測定に影響を及ぼしているテスト済流体検出網に加えてどんなものをも含む。換言すると、モニタサブシステムと流体検出網との間に確立された情報リンクの外側で受け取られるあらゆる信号、情報、エネルギー場、等は、暗騒音及び/又は干渉と称され得る。
【0073】
いくつかの実施例では、一つよりも多くのサンプリングモジュールが、測定における暗騒音の不利な影響を克服し得る異なる測定を行う際に用いられ得る。例えば、2つのサンプリングモジュールは、誘導モジュールから実質的に等しい距離で誘導モジュールの反対側に固定され得る。両方の位置における誘導信号の測定により2つのテスト曲線が生じる。網が存在しないときには、テスト曲線は、騒々しい環境においてさえも、両方が騒音と同様に反応するときに実質的に同様とすべきである。網が存在するときには、両方のモジュールは、網及びインデューサに関係のあるサンプリングモジュールのそれぞれの距離及び配向に従って応答する。2つのテスト曲線間の違いは、流体検出網及び/又は流体検出網の状態に関するサンプリングモジュールの位置に起因すると考えられる。
【0074】
この開示は、先の使用できる原理及び実施例に関して与えられてきたが、形状及び詳細の様々な変更が添付の特許請求の範囲に規定された範囲及び精神から逸脱することなく行われ得ることは当業者に明らかであろう。この開示は、あらゆるそのような代替、修正、及び変形を包含するよう意図されている。開示又は請求項が「ある」、「第1の」、又は「他の」との要素、又はこれらと等価のものを説明する箇所では、これらは、2つ又はそれよりも多くのそのような要素を要求することも除外することもなく、一つ又は複数のそのような要素を含むよう解釈されるべきである。
【0075】
この出願は、2001年9月25日に提出された米国特許仮出願第60/324,278号明細書;2002年1月7日に提出された同第60/344,795号明細書;2002年1月16日に提出された同第60/348,381号明細書;2002年2月8日に提出された同第60/354,530号明細書;2002年2月20日に提出された同第60/357,624号明細書;及び2002年4月19日に提出された同第60/373,637号明細書の利点をクレームした、2002年9月23日に提出された米国特許出願第10/253,807号明細書の一部継続出願である。この出願はまた、2002年11月25日に提出された米国特許仮出願第60/429,154号明細書;2003年3月6日に提出された同第60/452,703号明細書;2003年3月12日に提出された同第60/454,390号明細書;2003年5月2日に提出された同第60/467,272号明細書;2003年5月22日に提出された同第60/473,001号明細書;2003年5月27日に提出された同第60/473,790号明細書;及び2003年8月8日に提出された同第60/494,031号明細書の利点をクレームする。上述の参照された出願の内容は、全ての目的において参照によって本願に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】流体検出装置の概略図である。
【図2】尿検出網の概略図である。
【図3】尿検出網によって提供されるおむつの概略図である。
【図4】流体検出網で用いられるような検出器の概略図である。
【図5】尿検出網の実施例の略概略図である。
【図6】尿検出網のインターフェースモジュールの実施例の略概略図である。
【図7】尿検出網の実施例の概略図である。
【図8】尿検出網の他の実施例の概略図である。
【図9】尿検出網の実施例の概略断面図である。
【図10】尿検出網の他の実施例の概略断面図である。
【図11】単一の導電要素から構成された尿検出網の概略図である。
【図12】単一の導電要素から構成された尿検出網の概略図である。
【図13】単一の導電要素から構成された尿検出網の概略図である。
【図14】シート材料から流体検出網の一部を作成する方法を示す図である。
【図15】シート材料から流体検出網の一部を作成する方法を示す図である。
【図16】シート材料から流体検出網の一部を作成する方法を示す図である。
【図17】シート材料から流体検出網の一部を作成する方法を示す図である。
【図18】データ格納機構を含む尿検出網の概略図である。
【図19】モニタサブシステムの概略図である。
【図20】流体検出網に接続するよう構成された信号発生器の略概略図である。
【図21】モニタサブシステムの実施例の略概略図である。
【図22】モニタサブシステムの他の実施例の略概略図である。
【図23】測定されたエネルギー分布から流体分布を評価するために用いられる可能な分析を概略的に示す図である。
【図24】測定されたエネルギー分布から流体分布を評価するために用いられる可能な分析を概略的に示す図である。
【図25】測定されたエネルギー分布から流体分布を評価するために用いられる可能な分析を概略的に示す図である。
【図26】測定されたエネルギー分布から流体分布を評価するために用いられる可能な分析を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0077】
20,32,100 尿検出網
22,36,50,104,176,204,216,226 検出器
24,34,108,202,214,224 バス
26,38,304,206,228 インターフェースモジュール
30 おむつ
60 誘電体材料
102 シート
130 接続ノード
150 エネルギー変換モジュール
160,180,200,210,220 流体検出網
164 誘電体材料
208,212,222 導電性要素
240 基板
242 バインダ
244 導電性層
300 モニタサブシステム
302 分析モジュール
306 誘導モジュール
308 サンプリングモジュール
310 通知モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿収集物の第1領域を提供するよう構成された第1検出器と;
前記尿収集物の第2領域を提供するよう構成され、前記第1検出器と連係状態で接続された少なくとも第2検出器と;を備え、
前記第1検出器及び第2検出器は、前記尿収集物の流体分布を示すよう集合的に構成されたことを特徴とする尿検出網。
【請求項2】
請求項1記載の尿検出網において、
前記尿検出網は、少なくとも前記第1検出器の第1静電容量及び前記第2検出器の第2静電容量に由来する実静電容量を有し、
前記尿検出網の実静電容量は、前記尿収集物の流体分布を示す
ことを特徴とする尿検出網。
【請求項3】
請求項2記載の尿検出網において、
前記第1静電容量は、所定の最小値と所定の最大値との間で変動することを特徴とする尿検出網。
【請求項4】
請求項2記載の尿検出網において、
前記第1静電容量は、所定の最小値と所定範囲外の値との間で変動することを特徴とする尿検出網。
【請求項5】
請求項2記載の尿検出網において、
前記第1静電容量は、所定の最大値と所定範囲外の値との間で変動することを特徴とする尿検出網。
【請求項6】
請求項1記載の尿検出網において、
前記尿検出網は、少なくとも前記第1検出器の第1インダクタンス及び前記第2検出器の第2インダクタンスに由来する実インダクタンスを有し、
前記尿検出網の実インダクタンスは、前記尿収集物の流体分布を示す
ことを特徴とする尿検出網。
【請求項7】
請求項6記載の尿検出網において、
前記第1検出器は、コイル状導電性要素を含むことを特徴とする尿検出網。
【請求項8】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器の特性は、前記尿収集物の第1領域を湿らす尿の第1閾値に応答して測定可能に第1値に変化し、
前記第2検出器の特性は、前記尿収集物の第2領域を湿らす尿の第2閾値に応答して測定可能に第2値に変化する
ことを特徴とする尿検出網。
【請求項9】
請求項8記載の尿検出網において、
前記第1値は、前記第2値と異なることを特徴とする尿検出網。
【請求項10】
請求項9記載の尿検出網において、
前記第1値は第1静電容量であり、
前記第2値は第2静電容量である
ことを特徴とする尿検出網。
【請求項11】
請求項8記載の尿検出網において、
前記第1閾値及び前記第2閾値は実質的に等しいことを特徴とする尿検出網。
【請求項12】
請求項8記載の尿検出網において、
前記第1閾値は前記第2閾値と異なることを特徴とする尿検出網。
【請求項13】
請求項8記載の尿検出網において、
前記第1閾値は、尿の名目量であることを特徴とする尿検出網。
【請求項14】
請求項8記載の尿検出網において、
前記第1閾値は、尿の名目量よりも大きいことを特徴とする尿検出網。
【請求項15】
請求項8記載の尿検出網において、
前記第1検出器の特性は、前記第1検出器の静電容量を含み、
前記第2検出器の特性は、前記第2検出器の静電容量を含む
ことを特徴とする尿検出網。
【請求項16】
請求項15記載の尿検出網において、
前記第1検出器の誘電性特性は、前記尿収集物の第1領域を湿らす尿の第1閾値に応答して測定可能に変化し、
前記第2検出器の誘電性特性は、前記尿収集物の第2領域を湿らす尿の第2閾値に応答して測定可能に変化する
ことを特徴とする尿検出網。
【請求項17】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器は増感剤を含むことを特徴とする尿検出網。
【請求項18】
請求項17記載の尿検出網において、
前記増感剤は、乾燥イオン化物質を含むことを特徴とする尿検出網。
【請求項19】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器及び第2検出器と電気的に通信するインターフェースモジュールをさらに備えることを特徴とする尿検出網。
【請求項20】
請求項19記載の尿検出網において、
前記インターフェースモジュールは、前記尿収集物の流体分布に基づいてモニタサブシステムと予想可能に無線で相互作用するよう構成されたエネルギー変換モジュールを含むことを特徴とする尿検出網。
【請求項21】
請求項19記載の尿検出網において、
前記インターフェースモジュールは、前記尿検出網の特性が直接測定され得る接続ノードを含むことを特徴とする尿検出網。
【請求項22】
請求項21記載の尿検出網において、
前記尿検出網の実静電容量は、前記接続ノードで直接測定され得ることを特徴とする尿検出網。
【請求項23】
請求項21記載の尿検出網において、
前記尿検出網の実インダクタンスは、前記接続ノードで直接測定され得ることを特徴とする尿検出網。
【請求項24】
請求項21記載の尿検出網において、
前記インターフェースモジュールは、モニタサブシステムと静電結合するよう構成されていることを特徴とする尿検出網。
【請求項25】
請求項1記載の尿検出網において、
前記尿検出網のエネルギー交換パターンは、前記尿収集物の流体分布に対応することを特徴とする尿検出網。
【請求項26】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器及び第2検出器は区別できることを特徴とする尿検出網。
【請求項27】
請求項26記載の尿検出網において、
前記第1検出器は、前記第1領域が湿るときに第1静電容量を有し、
前記第2検出器は、前記第2領域が湿るときに、前記第1静電容量と異なる第2静電容量を有する
ことを特徴とする尿検出網。
【請求項28】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器及び第2検出器が配置される可撓性基板をさらに備えることを特徴とする尿検出網。
【請求項29】
請求項28記載の尿検出網において、
前記基板は、おむつに組み入れられるよう構成されていることを特徴とする尿検出網。
【請求項30】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器及び第2検出器は、単一の導電性要素の構成要素であることを特徴とする尿検出網。
【請求項31】
請求項30記載の尿検出網において、
前記単一の導電性要素は略平面のシート材料から形成されていることを特徴とする尿検出網。
【請求項32】
請求項30記載の尿検出網において、
前記単一の導電性要素の一部を折ることでLC回路が作り出されることを特徴とする尿検出網。
【請求項33】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器及び第2検出器は、ワイヤを形作ることによって形成されることを特徴とする尿検出網。
【請求項34】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器及び第2検出器は、誘電体材料によって分離された2つの導電性ワイヤを形作ることによって形成されることを特徴とする尿検出網。
【請求項35】
請求項1記載の尿検出網において、
前記尿検出網の導電性要素間の間隙は、結合層に圧力を加えることによって形作られることを特徴とする尿検出網。
【請求項36】
尿収集手段の第1領域を提供する第1検出手段と;
前記尿収集手段の第2領域を提供する少なくとも第2検出手段と;を備え、
前記第1検出手段及び第2検出手段は、前記尿収集手段の流体分布を集合的に示すことを特徴とする尿検出網。
【請求項37】
テスト領域を提供するために配置された複数の検出器であって、該検出器が流体の所定の閾値にさらされるときに検出器の特性が予想通りに変化する、複数の検出器と;
各検出器に連係状態で接続されたバスと;
前記バスに連係状態で接続されたインターフェースモジュールであって、各検出器の特性から得られる網特性を伝達するよう構成され、前記テスト領域の流体分布を伝えるインターフェースモジュールと;
を備えることを特徴とする流体検出網。
【請求項38】
請求項37記載の流体検出網において、
各検出器の特性は各検出器の静電容量であり、
前記網特性は、前記流体検出網の実静電容量である
ことを特徴とする流体検出網。
【請求項39】
請求項38記載の流体検出網において、
検出器の誘電性特性は、前記検出器によって提供されるテスト領域のある領域を湿らせる流体の閾値に応答して測定可能に変化することを特徴とする流体検出網。
【請求項40】
請求項37記載の流体検出網において、
前記複数の検出器の少なくとも一つは、前記複数の検出器の他の一つによって提供される領域と異なる領域を提供するよう配置されることを特徴とする流体検出網。
【請求項41】
請求項37記載の流体検出網において、
前記複数の検出器が配置される可撓性基板をさらに備えることを特徴とする流体検出網。
【請求項42】
請求項41記載の流体検出網において、
前記基板は、おむつに組み入れられるよう構成されていることを特徴とする流体検出網。
【請求項43】
請求項37記載の流体検出網において、
前記インターフェースモジュールは、前記テスト領域の流体分布に基づいて誘導エネルギー場に予想通りに影響を与えるよう構成されたエネルギー変換モジュールを含むことを特徴とする流体検出網。
【請求項44】
請求項37記載の流体検出網において、
前記インターフェースモジュールは、前記バスに連係状態で接続された複数のインターフェースモジュールのうちの一つであり、前記複数のインターフェースモジュールのそれぞれは、異なる位置からアクセスされるよう配置されていることを特徴とする流体検出網。
【請求項45】
それぞれが尿への露出に応答して変化する特性を有する複数の検出器を含む尿検出網の少なくとも一部を形成する方法であって、前記尿検出網は前記複数の検出器の個々の特性に由来する実特性を有する、方法であって、
結合層及び導電層を含むシート材料を提供する段階と;
間隙の間隔によって分離された隣接する痕跡を含む導電性パターンを形成するために少なくとも前記導電層に刻み目をつける段階と;
前記導電性パターンの隣接する痕跡を分離する間隙の間隔を増加させるために前記結合層及び導電層を変形させるように形削り盤を用いて前記導電性パターンを刻み込む段階と;
を備えることを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項45記載の方法において、
前記シート材料にカバー層を形成する段階をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項46記載の方法において、
前記カバー層は、前記導電性パターンを刻み込む段階の前に形成されることを特徴とする方法。
【請求項48】
分泌された尿を収容する吸収核と;
前記吸収核の近くに配置された複数の検出器を含む尿検出網であって、検出器が前記分泌された尿の所定の閾値にさらされたときに検出器の特性が予想通りに変化する、尿検出網と;
を備えることを特徴とするおむつ。
【請求項49】
請求項48記載のおむつにおいて、
前記複数の検出器と連係状態で接続されたインターフェースモジュールをさらに備え、
該インターフェースモジュールは、各検出器の特性から得られる網特性を伝達するよう構成され、前記吸収核内の尿分布を伝えることを特徴とするおむつ。
【請求項50】
請求項48記載のおむつにおいて、
前記複数の検出器は、おむつの異なる領域を提供するように、吸収核の異なる領域の近くに配置されていることを特徴とするおむつ。
【請求項51】
尿収集物を提供する尿検出網であって、該尿検出網は、
前記尿収集物の第1領域を提供するよう構成された第1検出器と、
前記第1検出器と連係状態で接続されかつ前記尿収集物の第2領域を提供するよう構成された少なくとも第2検出器と、を含み、
前記尿検出網は、少なくとも前記第1検出器の第1特性及び前記第2検出器の第2特性に由来する実特性を有し、前記尿検出網の実特性は、前記尿収集物の流体分布を示す、尿検出網と;
前記尿検出網の実特性を決定するよう構成されたモニタサブシステムと;
を備えることを特徴とする尿検出装置。
【請求項52】
複数の領域を有するテスト済領域の流体分布を評価する方法であって、
複数の検出器を含む尿検出網を提供する段階であって、それぞれが尿への露出に応答して変化する特性を有し、前記尿検出網は、前記複数の検出器の個々の特性に由来する実特性を有する、尿検出網を提供する段階と;
前記テスト済領域の各領域が前記尿検出網の検出器によって提供されるように前記尿検出網を配置し、その結果、前記テスト済領域のある領域が湿らされるときに、前記領域を提供する前記検出器の特性が変化し、かくして前記尿検出網の実特性を変化させる段階と;
前記尿検出網を用いて情報リンクを確立する段階と;
前記情報リンクを介して前記尿検出網の実特性を決定する段階と;
前記実特性から前記流体分布を抽出する段階と;
を備えることを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項52記載の方法において、
前記情報リンクを確立する段階は、電気導体を用いて前記尿検出網に分析モジュールを接続する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項53記載の方法において、
前記実特性を決定する段階は、前記電気導体を介して前記実特性を直接測定する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項52記載の方法において、
前記情報リンクを確立する段階は、前記尿検出網へ信号生成モジュールを電気的に接続する段階を含み、前記信号生成モジュールは、前記尿検出網の実特性に従って生成された信号の特性を変更するよう構成されていることを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項55記載の方法において、
前記実特性を決定する段階は、前記生成された信号を受信する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項52記載の方法において、
前記情報リンクを確立する段階は、前記尿検出網の実特性によって予想通りに影響されるエネルギー分布を確立するために、前記尿検出網の作用距離内にエネルギー場を導入する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項57記載の方法において、
前記実特性を分析する段階は、前記エネルギー分布を測定する段階と、測定されたエネルギー分布から前記実特性を解釈する段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項59】
請求項52記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項60】
請求項59記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階は、テスト済領域が湿らされていること及び変化が推奨されていることを示す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項61】
請求項59記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階は、テスト済領域が湿らされていること及び変化が延期され得ることを示す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項62】
請求項59記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階は、テスト済領域が乾燥していること及び変化が延期され得ることを示す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項63】
請求項59記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階は、多くの乾燥領域を示す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項64】
請求項52記載の方法において、
前記情報リンクの外部で受け取られる情報を認識する段階をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項65】
請求項64記載の方法において、
前記実特性を決定する段階は、前記情報リンクの外部で受け取られた情報を補償する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項66】
請求項52記載の方法において、
干渉を補償する段階をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項67】
複数の領域を有するテスト済領域の流体分布を評価する方法であって、
それぞれが尿への露出に応答して変化する特性を有する複数の検出器を含む尿検出網を提供する段階であって、前記尿検出網は、前記複数の検出器の個々の特性に由来する実特性を有する、尿検出網を提供する段階と;
前記テスト済領域の各領域が前記尿検出網の検出器によって提供されるように前記尿検出網を配置し、その結果、前記テスト済領域のある領域が湿らされたときに、前記領域を提供する前記検出器の特性が変化し、かくして前記尿検出網の実特性が変化する段階と;
前記尿検出網の実特性によって予想通りに影響されるエネルギー分布を確立するために前記尿検出網の作用距離内にエネルギー場を導入する段階と;
前記尿検出網の実特性を決定するために測定されたエネルギー分布を分析する段階と;
所定の実特性から前記流体分布を抽出する段階と;
を備えることを特徴とする方法。
【請求項68】
請求項67記載の方法において、
前記測定されたエネルギー分布を分析する段階は、測定されたエネルギー分布を基準エネルギー分布と比較する段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項69】
請求項68記載の方法において、
前記測定されたエネルギー分布を基準エネルギー分布と比較する段階は、前記測定されたエネルギー分布と基準エネルギー分布との交点を見つける段階と、前記交点に対応する流体分布を捜す段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項70】
請求項69記載の方法において、
前記交点の頻度は、前記流体分布を捜すために用いられることを特徴とする方法。
【請求項71】
請求項69記載の方法において、
前記交点の角度は、K値を決定するために用いられることを特徴とする方法。
【請求項72】
請求項69記載の方法において、
前記交点の角度は、流体分布を決定する際に考慮されることを特徴とする方法。
【請求項73】
請求項68記載の方法において、
前記基準エネルギー分布は、尿検出網によって影響されないエネルギー分布に対応することを特徴とする方法。
【請求項74】
請求項68記載の方法において、
前記基準エネルギー分布は、メモリに格納されることを特徴とする方法。
【請求項75】
請求項67記載の方法において、
前記流体分布を抽出する段階は、決定された実特性と関連された流体分布を捜す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項76】
請求項67記載の方法において、
前記流体分布を抽出する段階は、2つ又はそれよりも多くのエネルギー分布を比較する段階を含み、各エネルギー分布は、異なる時間に対応することを特徴とする方法。
【請求項77】
請求項67記載の方法において、
前記流体分布を抽出する段階は、2つの測定されたエネルギー分布の交点を見つける段階と、前記交点に対応する流体分布を捜す段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項78】
請求項77記載の方法において、
前記2つの測定されたエネルギー分布は、異なるサンプリングモジュールによって測定されることを特徴とする方法。
【請求項79】
請求項67記載の方法において、
各検出器は、尿への露出に応答して変化する静電容量を有することを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項67記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項81】
請求項80記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階は、テスト済領域が湿らされていること及び変化が推奨されていることを示す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項82】
請求項80記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階は、テスト済領域が湿らされていること及び変化が延期され得ることを示す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項83】
請求項80記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階は、テスト済領域が乾燥していること及び変化が延期され得ることを示す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項84】
請求項80記載の方法において、
前記流体分布を報告する段階は、多くの乾燥領域を示す段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項85】
尿検出網によって提供されるテスト領域の流体分布を評価するモニタサブシステムであって、前記尿検出網は、前記テスト領域の流体分布を示す実特性を有する、モニタサブシステムであって、
エネルギー場を生成するよう構成された誘導モジュールであって、前記尿検出網の作用距離内に生成されるエネルギー場が、前記尿検出網の実特性によって予想通りに影響される前記モニタサブシステムと前記尿検出網との間にエネルギー分布を確立する、誘導モジュールと;
前記エネルギー分布から前記尿検出網の実特性を決定するよう構成された分析モジュールと;
を備えることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項86】
請求項85記載のモニタサブシステムにおいて、
前記エネルギー分布を測定するよう構成されたサンプリングモジュールをさらに備えることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項87】
請求項86記載のモニタサブシステムにおいて、
前記サンプリングモジュールは、前記誘導モジュールに対して位置的に固定されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項88】
請求項86記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、前記測定されたエネルギー分布を基準エネルギー分布と比較するよう構成されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項89】
請求項88記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、前記測定されたエネルギー分布と前記基準エネルギー分布との交点を見つけるよう構成されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項90】
請求項88記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールはメモリを含み、前記基準エネルギー分布は前記メモリに格納されることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項91】
請求項88記載のモニタサブシステムにおいて、
前記基準エネルギー分布は、尿検出網によって影響されずかつ前記サンプリングモジュールで測定されるエネルギー分布に対応することを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項92】
請求項88記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、前記測定されたエネルギー分布を前記基準エネルギー分布と比較することによって交点を見分けるよう構成されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項93】
請求項92記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、干渉を補償するよう構成されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項94】
請求項92記載のモニタサブシステムにおいて、
通知モジュールをさらに備え、
前記通知モジュールは、前記干渉が補償され得ない場合に環境が検出に適切でないと報告するよう構成されている
ことを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項95】
請求項92記載のモニタサブシステムにおいて、
通知モジュールをさらに備え、
前記通知モジュールは、回復できない干渉が存在しない場合に環境が検出に適切であると報告するよう構成されている
ことを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項96】
請求項85記載のモニタサブシステムにおいて、
前記エネルギー分布は、誘導モジュールを介して測定されることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項97】
請求項85記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、異なる時間に測定された2つ又はそれよりも多くの測定されたエネルギー分布を比較することによって前記尿検出網の実特性を決定するよう構成されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項98】
請求項85記載のモニタサブシステムにおいて、
前記決定された実特性から抽出された流体分布を報告するよう構成された通知モジュールをさらに備えることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項99】
エネルギー変換モジュールのエネルギー吸収パターンを評価するモニタサブシステムであって、
前記エネルギー変換モジュールと前記モニタサブシステムとの間にエネルギー分布を確立するよう構成された誘導モジュールと;
前記エネルギー分布を測定するよう構成されたサンプリングモジュールと;
前記測定されたエネルギー分布を基準エネルギー分布と比較することによって前記エネルギー変換モジュールのエネルギー吸収パターンを決定するよう構成された分析モジュールと;
を備えることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項100】
請求項99記載のモニタサブシステムにおいて、
前記サンプリングモジュールは、前記誘導モジュールに対して位置的に固定されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項101】
請求項99記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、前記測定されたエネルギー分布と前記基準エネルギー分布との交点を見つけるよう構成されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項102】
請求項101記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、前記エネルギー吸収パターンを捜すために前記交点の頻度を用いることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項103】
請求項101記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、前記エネルギー吸収パターンを捜すために前記交点の角度を用いることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項104】
請求項99記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、異なる時間で2つ又はそれよりも多くの測定されたエネルギー分布及び前記基準エネルギー分布を比較することによって前記エネルギー変換モジュールのエネルギー吸収パターンを決定するよう構成されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項105】
請求項104記載のモニタサブシステムにおいて、
前記分析モジュールは、前記2つの測定されたエネルギー分布の交点を見つけることによって前記エネルギー変換モジュールのエネルギー吸収パターンを決定するよう構成されていることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項106】
請求項105記載のモニタサブシステムにおいて、
前記2つの測定されたエネルギー分布は、前記エネルギー変換モジュールに対する前記誘導モジュールの2つの異なる位置に対応することを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項107】
請求項104記載のモニタサブシステムにおいて、
前記2つの測定されたエネルギー分布は、異なるサンプリングモジュールによって測定されることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項108】
請求項99記載のモニタサブシステムにおいて、
前記基準エネルギー分布は、前記エネルギー変換モジュールによって影響されずかつ前記サンプリングモジュールで測定されるエネルギー分布に対応することを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項109】
請求項99記載のモニタサブシステムにおいて、
前記エネルギー吸収パターンを報告するよう構成された通知モジュールをさらに備えることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項110】
尿検出網によって提供されるテスト領域の流体分布を評価するモニタサブシステムであって、前記尿検出網は、前記テスト領域の流体分布を示す実特性を有する、モニタサブシステムであって、
前記尿検出網に電気的に接続するよう構成されたコネクタと;
前記コネクタに電気的に接続された分析モジュールであって、前記コネクタを介して前記尿検出網の実特性を測定するよう構成された分析モジュールと;
測定された実特性から抽出された流体分布を報告するよう構成された通知モジュールと;
を備えることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項111】
請求項110記載のモニタサブシステムにおいて、
前記実特性は、静電容量であることを特徴とするモニタサブシステム。
【請求項112】
テスト領域を提供するよう配置された複数の検出器を含む流体検出網であって、検出器の特性は、前記検出器が流体の所定の閾値にさらされたときに予想通りに変化し、前記流体検出網は、前記複数の検出器の個々の特性に由来する実特性を有する、流体検出網と;
前記流体検出網の実特性を決定しかつ前記実特性から前記流体分布を抽出するよう構成されたモニタサブシステムと;
を備えることを特徴とする流体検出装置。
【請求項113】
請求項112記載の流体検出装置において、
前記モニタサブシステムは、電気導体を介して前記実特性を直接測定するよう構成されていることを特徴とする流体検出装置。
【請求項114】
請求項112記載の流体検出装置において、
前記モニタサブシステムは、前記実特性によって影響されるエネルギー分布を無線で分析することによって前記実特性を決定するよう構成されていることを特徴とする流体検出装置。
【請求項115】
請求項112記載の流体検出装置において、
前記流体検出網の実特性に従って生成された信号の特性を変更するよう構成された信号生成器をさらに備えることを特徴とする流体検出装置。
【請求項116】
請求項115記載の流体検出装置において、
前記モニタサブシステムは、生成された信号を受け取りかつ前記信号から実特性を解釈するよう構成されていることを特徴とする流体検出装置。
【請求項117】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器の金属要素と流体との間、及び前記第2検出器の金属要素と流体との間における直接の物理的接触を防止するよう構成された絶縁体をさらに備えることを特徴とする尿検出網。
【請求項118】
請求項1記載の尿検出網において、
前記第1検出器の金属要素及び前記第2検出器の金属要素は、直接の流体接触から隔離されていることを特徴とする尿検出網。
【請求項119】
請求項37記載の流体検出網において、
前記複数の検出器及びバスの金属要素は、直接の流体接触から隔離されていることを特徴とする流体検出網。
【請求項120】
請求項46記載の方法において、
前記カバー層は、前記シート材料を直接の流体接触から隔離するよう構成されていることを特徴とする方法。
【請求項121】
請求項48記載のおむつにおいて、
前記複数の検出器のそれぞれの金属要素は、直接の流体接触から隔離されていることを特徴とするおむつ。
【請求項122】
請求項51記載の尿検出網において、
前記第1検出器の金属要素と流体との間、及び前記第2検出器の金属要素と流体との間における直接の物理的接触を防止するよう構成された絶縁体をさらに備えることを特徴とする尿検出網。
【請求項123】
請求項51記載の尿検出網において、
前記第1検出器の金属要素と前記第2検出器の金属要素とは、直接の流体接触から隔離されていることを特徴とする尿検出網。
【請求項124】
請求項52記載の方法において、
前記複数の検出器のそれぞれの金属要素は、直接の流体接触から隔離されていることを特徴とする方法。
【請求項125】
請求項67記載の方法において、
前記複数の検出器のそれぞれの金属要素は、直接の流体接触から隔離されていることを特徴とする方法。
【請求項126】
請求項112記載の方法において、
前記複数の検出器のそれぞれの金属要素は、直接の流体接触から隔離されていることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2006−504976(P2006−504976A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501604(P2005−501604)
【出願日】平成15年9月17日(2003.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/029797
【国際公開番号】WO2004/038342
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(505104076)シスモア・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】