説明

流体吐出装置及び流体吐出方法

流体吐出器及び該流体吐出装置を動作させる方法。流体吐出器は該流体吐出器内の流路に沿って通過する希釈剤によって駆動されるホイールを備えることができる。ホイールはポンプに接続されてリザーバから流体を圧送して希釈剤に吐出する。幾つかの実施形態では、ポンプサイクルに対するホイールの回転の比は、希釈剤に対する濃縮流体の所望の繰り返し可能な希釈率を提供するように選択される。流体吐出器は可搬性があり、及び/又は使い捨てとすることができ、幾つかの実施形態では、リザーバ壁の上縁に設置される。また、流体吐出器には、ポンプを駆動するホイールに入る希釈剤の速度及び衝突を制限するバッフルを設けることができ、それにより、幾つかの実施形態では吐出器の供与精度を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願により、2007年3月21日に出願された国際特許出願第PCT/US07/064524号及び2006年3月22日に出願された米国仮特許出願第60/784,969号に対する優先権を主張する。先に出願されたこれらの特許出願はいずれもその内容全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
濃縮洗浄化学薬品と他のタイプの化学薬品とを最終用途溶液内に所定の希釈率で供与するために、多くの異なるタイプの供与設備が使用される。幾つかのタイプの設備は、水源に直接配管される(すなわち定量エゼクタ(volumetric eductor)ベースの吐出)。しかし、このタイプの設備の設置は費用が非常にかかる可能性がある。他のタイプの設備は部分的制御を利用し、所定量の濃縮化学薬品が混合容器内に吐出され、濃縮化学薬品を希釈するために、別の液体がその容器に別個に加えられる。このタイプの設備では、ユーザは、適切な混合比に必要とされる化学薬品及び希釈剤の量を正確に知る必要がある。したがって、ユーザは、満たされる容器のサイズ又は容積を知ると共に、その容器を適切なレベルまで満たす必要がある場合がある。しかし、このことは、シンク、床洗浄機内のリザーバ、バケット、及び他の様々な容器を満たすか又は部分的にのみ満たす場合に困難である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、高い設置コストを必要としない、定量供与原理を利用する希釈制御システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
幾つかの実施の形態では、希釈される流体を受け取る装置が提供され、該装置は、所定の希釈率で希釈剤と混合された流体を制御して吐出する機構を含むことができる。この装置は、所定の希釈率を維持するために、流体の流量が変化すると、濃縮物の吐出割合を自動的に調整する機構を含むことができる。
【0005】
本発明の幾つかの実施の形態は、所定の希釈率に希釈された流体を吐出する方法を提供し、この希釈率は、流体の流量の変化に応じて維持される。
【0006】
本発明の幾つかの実施の形態は希釈制御システムに関し、この希釈制御システムは、定量供与を利用するが、高い設置コストを必ずしも必要としない。つまり、本発明の幾つかの実施の形態は、希釈剤の流量に比例して濃縮化学薬品を引き出すか又は他の場合には供給する吐出装置又は吐出方法を提供する。本発明の幾つかの実施の形態は、水平軸と、その周縁においてバケット、フロート、又は他の容器とを有するホイールを利用し、バケット内に又はバケット上に流れる希釈剤又は水は、濃縮化学薬品を、ホイール内又はホイール上に流れる希釈剤に対する適切な希釈率で吐出するための動力を提供する。詳細には、ホイールは、希釈剤の動力を利用し、濃縮化学薬品を吐出するために他の構造体又は要素に動力を提供する。
【0007】
幾つかの実施の形態では、希釈制御システムの一部として自由流れのホイール又は重力送りのホイールを利用する。希釈剤は、供給源からエアギャップを介してホイール内に自由に流れることができる。希釈剤は、ホイールのスクープ又は容器内に捕捉され、これによってホイールが回転する。ホイールは、このホイールと共に回転するシャフトに取り付けられる。こうして、濃縮化学薬品を吐出するためにシャフトの回転が使用される。幾つかの実施の形態では、シャフトが濃縮化学薬品を直接吐出する。他の実施の形態では、シャフトは、歯車、シャフト、ポンプ等のような他の装置を作動させることによって濃縮化学薬品を間接的に吐出する。
【0008】
また、幾つかの実施の形態では、ホイールは希釈制御システムの一部として、希釈剤の供給源、例えば蛇口に直接接続される。ホイールに供給されるときの希釈剤の圧力及び速度は、化学製品の希釈剤内への吐出に機械的な利点を提供することができる。希釈剤はホイールのスクープ又は容器内で捕捉され、これによってホイールが回転する。ホイールは、該ホイールと共に回転するシャフトに連結される。こうして、濃縮化学薬品を吐出するためにシャフトの回転が使用される。幾つかの実施の形態では、シャフトが濃縮化学薬品を直接吐出する。他の実施の形態では、シャフトは、歯車、シャフト、ポンプ等のような他の装置を作動させることによって濃縮化学薬品を間接的に吐出する。幾つかの実施の形態では、ホイールは発電機に連結される。こうして、発電機から生成される電力を利用して、ポンプに電力を供給することができる。
【0009】
本発明の幾つかの実施の形態は、希釈剤源から希釈剤を受け取る流路又は流体通路を少なくとも部分的に画定するハウジングと、ハウジングに連結されると共に流体通路と流体連通する回転力ホイール(rotary power wheel)とを備える化学薬品吐出装置を提供する。回転力ホイールは、流体通路を貫流する希釈剤の衝突又は重みによって駆動される。シャフトがハウジング及びホイールに連結され、このシャフトはホイールと共に回転するようになっている。ポンプがハウジング及びシャフトに連結される。ポンプは、濃縮化学薬品を含むリザーバと流体連通し、シャフトの回転によって作動して、流体通路を貫流する希釈剤に濃縮化学薬品を供給する。
【0010】
本発明の幾つかの実施の形態は、希釈剤源から希釈剤を受け取る流路又は流体通路を少なくとも部分的に画定するハウジングを備える化学薬品吐出装置であって、該ハウジングは濃縮化学薬品リザーバに連結される、化学薬品吐出装置を提供する。回転力ホイールが、ハウジングに連結されると共に、流体通路と流体連通する。回転力ホイールは、流体通路を貫流する希釈剤の衝突又は重みによって駆動される。ハウジング及びホイールに連結されるシャフトが、ホイールの回転に応じて回転し、濃縮化学薬品リザーバの開口又は流路内に位置決めされ、該シャフトの回転によってリザーバから濃縮化学薬品を選択的に吐出する。幾つかの実施の形態では、シャフトは、濃縮化学薬品リザーバの開口又は流路と連通する回転計量装置を備える。シャフトの回転によって、回転計量装置がリザーバから濃縮化学薬品を吐出する。幾つかの実施の形態の回転計量装置は、濃縮化学薬品と選択的に連通する、シャフトの平らな部分を備え、開口に隣接する平らな部分の回転によって化学薬品リザーバ内の濃縮化学薬品の計量吐出が提供される。他の実施の形態の回転計量装置は円盤を備え、該円盤は、シャフトに連結され、濃縮化学薬品と連通するときに濃縮化学薬品を受け取る少なくとも1つの開口を有する。また、幾つかの実施の形態では、シャフトは第1のシャフトであり、化学薬品吐出装置は、第2のシャフトと、一組の歯車とをさらに備える。第2のシャフトはホイールに直接連結され、ホイールと共に回転し、一組の歯車は、第2のシャフトから第1のシャフトに動力を提供するように位置決めされる。
【0011】
本発明の幾つかの実施の形態は、希釈剤源から希釈剤を受け取る流体通路を少なくとも部分的に画定するハウジングと、ハウジングに連結されると共に流体通路と流体連通するホイールとを備える化学薬品吐出装置を提供する。ホイールは、流体通路を貫流する希釈剤の衝突又は重みによって駆動される。シャフトがハウジング及びホイールに連結され、該シャフトはホイールと共に回転する。発電機がシャフトに連結され、該シャフトの回転に応じて回転する。発電機の回転によって電気が生成される。ポンプが発電機と電気的に通じており、濃縮化学薬品を含むリザーバと流体連通する。ポンプは、流体通路を貫流する希釈剤に濃縮化学薬品を供給するように、ホイールの回転によって作動可能である。
【0012】
上記の実施の形態の幾つかの構成は任意の数の他の特徴を含むことができる。例えば、幾つかの実施の形態は、ポンプから、流体通路を通過する希釈剤に濃縮洗浄化学薬品を供給するように、少なくとも部分的にハウジング内に位置決めされる導管を備える。導管は、濃縮洗浄化学薬品をホイールに供給して濃縮化学薬品がホイールにおいて希釈剤と混合されるのを可能にするように位置決めされ得る。別の例として、幾つかの実施の形態では、濃縮化学薬品を含むリザーバがハウジング内に収容される。他の実施の形態では、濃縮化学薬品を含むリザーバは、ハウジングに対して離れて配置され、ポンプとリザーバとの間に延びる導管を介してハウジングと流体連通する。別の例として、幾つかの実施の形態は、ハウジングに連結される一組の歯車も備え、この一組の歯車は、シャフトからポンプに動力を提供するように位置決めされる。この一組の歯車は、所定の希釈率を提供するように選択される歯車比を含むことができる。別の例として、幾つかの実施の形態では、ポンプは、所定量の濃縮化学薬品をホイールの回転毎に希釈剤に供給するように寸法決め及び構成されている。また、幾つかの実施の形態は、流体通路に沿ってホイールの上流に漏斗も備え、該漏斗は、希釈剤の供給源に直接接続することなく水を集め、希釈剤をホイールへと導く。しかし、他の実施の形態は、ハウジングに連結される逆流防止装置を備え、該逆流防止装置は希釈剤の供給源に直接接続される。
【0013】
他の実施の形態では、濃縮化学薬品と希釈剤とを比例して混合する方法が提供される。例えば、該方法は、希釈剤をハウジングの流体通路に供給すること、及び、ハウジングに連結されると共に流体通路と流体連通するホイールを該ホイールに対する希釈剤の衝突によって回転させることを含む。ハウジングに連結されるポンプは、ホイールの回転によって動作し、濃縮化学薬品を含むリザーバと流体連通し、ポンプの動作はホイールの回転に比例する。濃縮化学薬品は、ポンプの動作に応じてリザーバから引き出され、希釈剤に供給される。幾つかの実施の形態はまた、ホイールによって発電機を動作させるステップと、発電機によって電気を生成するステップとを含む。次いで、この電気はポンプに電力を供給するのに使用される。
【0014】
幾つかの実施形態は、希釈剤をハウジングの流体通路に供給すること、及び、ハウジングに連結されると共に流体通路と流体連通するホイールを該ホイールに対する希釈剤の衝突によって回転させることを含む方法を提供する。これによって、ホイールに連結されているシャフトが回転する。シャフトに連結される回転計量装置が、濃縮化学薬品リザーバ内に位置決めされる開口の選択的遮断位置に位置決めされる。濃縮化学薬品は、シャフト及び回転計量装置の回転に応じてリザーバから選択的に吐出され、希釈剤に供給される。
【0015】
本発明の幾つかの実施の形態では、流体を希釈剤に吐出すると共に、リザーバ壁の上縁に設置される可搬式流体吐出装置が提供され、該可搬式流体吐出装置は、希釈剤が流れ込む入口と、希釈剤が該吐出装置から流れ出る出口と、希釈剤が入口から出口へ流れるのに沿う流路と、複数の羽根を有するホイールであって、該ホイールの少なくとも一部が流路内に配置されるホイールと、流体リザーバと、ホイールに連結されると共に流体リザーバと流体連通するポンプであって、ホイールの回転に応じて流体リザーバから流体を圧送するように動作可能なポンプと、リザーバ壁と接触するように位置決めされ、該リザーバ壁の上縁に該吐出装置を支持する支持面(bearing surface)とを備え、入口、出口、ホイール、流体リザーバ、ポンプ及び支持面は工具を使用せずにリザーバ壁に取り外し及び取り付けが可能な可搬式ユニットを画定する。
【0016】
本発明の幾つかの実施の形態は、流体を希釈剤に吐出する使い捨て式流体吐出装置を提供し、該使い捨て式流体吐出装置は、ハウジングと、希釈剤を該使い捨て式吐出装置内に通す希釈剤流路と、ハウジング内に少なくとも部分的に配置されると共に、希釈剤流路に沿って流れる希釈剤によって駆動されるホイールと、或る量の流体を保持するリザーバであって、該リザーバは該使い捨て式吐出装置の外側からのユーザによるアクセスに対して永久的にシールされる、リザーバと、リザーバ内の流体と流体連通するポンプであって、ホイールに連結されると共に該ホイールの回転によって駆動される、ポンプとを備え、ハウジング、ホイール、リザーバ及びポンプは、工具を使用せずに単一の一体ユニットとして取り外し可能に且つ使い捨て式に設置される可搬式構造体を画定する。
【0017】
本発明の幾つかの実施の形態では、流体を希釈剤に吐出する可搬式流体吐出装置が提供され、該可搬式流体吐出装置は、該流体吐出装置を貫通する希釈剤流路と、ポンプと、ポンプと流体連通する流体リザーバと、希釈剤流路に沿って流れる希釈剤によって回転可能なホイールであって、該ホイールは、該ホイールの回転に応じてポンプを駆動するように該ポンプに連結され、該ホイールの各回転は、希釈剤流路に沿ってホイールを通る希釈剤の量及び流体リザーバから圧送される流体の量に対応する、ホイールとを備え、ホイールの回転毎に流体リザーバから圧送される流体の量と、ホイールの回転毎に該ホイールを通る流体の量との比は、少なくとも約1:500である。
【0018】
本発明の幾つかの実施の形態は、流体を希釈剤に吐出する流体吐出装置を提供し、該流体吐出装置は、該流体吐出装置内に希釈剤が受け取られる入口と、入口を少なくとも部分的に覆うバッフルであって、貫通する複数の第1の開口を有する第1の部分と、貫通する複数の第2の開口を有する第2の部分とを含む、バッフルとを備え、バッフルの第2の部分は、該流体吐出装置に接近中の希釈剤に対して凹状及び凸状の形状の少なくとも一方を呈するように第1の部分に対して斜めになっている。
【0019】
可搬式吐出装置であって、或る量の石けんを収容している使い捨て式容器と、リザーバから延びると共に、該装置内の希釈剤の流れに応じて石けんが該装置から吐出するために通る、流体流路と、使い捨て式容器内の石けんの商標名及びロゴの少なくとも一方が特徴付けられる吐出装置の表面とを備える、可搬式吐出装置。
【0020】
本発明のさらなる態様は、本発明の構成及び動作と共に、本発明の以下の詳細な説明が添付図面と共に考慮される場合に、その説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態による吐出装置の側方断面図である。
【図2】図1に示されている吐出装置の上面断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による吐出装置の側方断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による吐出装置の側方断面図である。
【図5】図4に示されている吐出装置の上面断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態による吐出装置の側方断面図である。
【図7】図6に示されている吐出装置の第1の上面断面図である。
【図8】図6に示されている吐出装置の代替的な上面断面図である。
【図9】本発明の別の実施形態による吐出装置の上面概略図である。
【図10】シンクの仕切りに連結されて示されている、本発明の別の実施形態による吐出装置の斜視図である。
【図11】シンクの仕切りに連結されて示されている、本発明の別の実施形態による吐出装置の斜視図である。
【図12】流体の吐出先の容器(例えばシンクの仕切り、バケットの壁等)の一部に連結されて示されている、本発明の別の実施形態による吐出装置の斜視図である。
【図13】図12に示されている吐出装置の別の斜視図である。
【図14】図12及び図13に示されている吐出装置の容器の斜視図である。
【図15】流体の吐出先の容器(例えばシンクの仕切り、バケットの壁等)の一部に連結されて示されている、本発明の別の実施形態による吐出装置の斜視図である。
【図16】図15に示されている吐出装置の容器の斜視図である。
【図17】本発明の別の実施形態による吐出装置の斜視図である。
【図18】容器が取り外されて示されている、図17の吐出装置の底部斜視図である。
【図19】明確にするために幾つかの部分が取り除かれて示されている、図17の吐出装置の上部斜視図である。
【図20】図19のギヤポンプの部分斜視図である。
【図21】ポンプの入口及び出口が取り外されて示されている、図19及び図20のギヤポンプの別の部分斜視図である。
【図22】明確にするために幾つかの部分が取り除かれて示されている、本発明の別の実施形態による吐出装置の上面斜視図である。
【図23】図22に示されているギヤポンプの斜視図である。
【図24】図22及び図23に示されているギヤポンプの分解斜視図である。
【図25】本発明の別の実施形態によるポンプの断面図である。
【図26】幾つかの部分が取り除かれて示されている、図25のポンプの斜視図である。
【図27】本発明の別の実施形態によるポンプの概略断面図である。
【図28】本発明のさらに別の実施形態によるポンプの正面図である。
【図29】本発明の一実施形態によるキャップ及びバッフルの斜視図である。
【図30】図29に示されているキャップ及びバッフルの上面図である。
【図31】図29及び図30に示されているキャップ及びバッフルの別の上面図である。
【図32】図29〜図31に示されているバッフルの斜視図である。
【図33】本発明の別の実施形態によるキャップ及びバッフルの底部斜視図である。
【図34A】本発明の別の実施形態によるバッフルの概略図である。
【図34B】本発明の一実施形態による速度リミッタの概略図である。
【図34C】本発明の別の実施形態による別の速度リミッタの概略図である。
【図35】吐出装置のキャップに取り付けられて示されている、本発明の一実施形態によるフードの斜視図である。
【図36】図35に示されているフードの上面図である。
【図37】図35及び図36に示されているフードの底部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその用途において、以下の説明に記載されているか又は添付図面に示されている構成要素の構成及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用される語法及び用語は、説明の目的のためであり、限定するものとみなされるべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む」、「備える」、又は「有する」、及びそれらの変形の使用は、その後に列挙される物(item)とそれらの物の均等物と追加の物とを包含するように意図されている。別途指定又は限定されない限り、用語「取り付けられる」、「接続される」、「支持される」及び「連結される」、並びにそれらの変形は、広範に使用され、直接及び間接の両方の取り付け、接続、支持及び連結を包含する。さらに、「接続される」及び「連結される」は物理的又は機械的な接続又は連結に限定されない。
【0023】
図1及び図2を参照すると、本発明の態様を具現する吐出装置10の一実施形態が示されている。図示の吐出装置10は、定量供与する希釈制御システムを提供する。つまり、この実施形態の吐出装置10は、吐出装置10を通過して容器内に流れる希釈剤の流量に比例して濃縮化学薬品を引き出すか又は他の場合には供給する。
【0024】
図示されているように、この実施形態の吐出装置10は、ハウジング12、及び希釈剤源(図示せず)からの希釈剤16が通る流体通路14を有する。希釈剤源は例えば、シンクの蛇口若しくは栓、ホース若しくはホース用水栓、パイプ若しくは他の導管等の配管した希釈剤源とすることができるか、又は代わりに任意のタイプのベッセルとすることができる。幾つかの実施形態では、流体通路14はハウジング12の一部によって少なくとも部分的に画定されるが、他の実施形態では、流体通路14は任意の適した方法でハウジング12に取り付けられる1つ又は複数の要素を含む。
【0025】
図1及び図2に示す吐出装置10は、軸を中心に回転可能であると共に流体通路14を通過する流体と流体連通するホイール20を有する。ホイール20は、添付図面に例示するように様々な異なる方法で構成されることができる。ホイール20は概して、水車、タービン、若しくは外車のように複数の羽根22(以下でより詳細に説明する)を延ばした状態で中心ハブ、車軸、スピンドル、又は他のシャフトを有することができるか、又はそれらに接続されることができる。ホイール20は概して、ホイール20の羽根22に対する流体の流れの衝突、この流体の流れからの重み又は反応によって駆動される回転力ユニット(rotary power unit:回転動力装置)として動作する。ホイール20は、流れる希釈剤16の動力を利用して、以下でより詳細に説明するように、濃縮化学薬品34を吐出するために他の構造体又は要素に動力を提供する。
【0026】
ホイール20は、別個のシャフト27に接続されることができるか、又はシャフト27と一体的に形成されることができる。シャフト27がホイール20とは別個の要素である実施形態では、ホイール20は固定シャフト27を中心に回転可能とすることができるか、又はシャフト27に対して回転することができる。代替的に、シャフト27がホイール20と一体である実施形態では、シャフト27は、シャフト27が取り付けられる吐出装置の構造体(例えば、ハウジング12によって画定されるか又はハウジング12に接続される1つ又は複数のソケット、ハウジング12に接続される1つ又は複数のベアリング又はブシュ等(図1及び図2には図示せず))に対して回転可能とすることができる。
【0027】
図1及び図2に図示される実施形態では、ホイール20のシャフト27(したがって、回転軸)は水平に向いている。流体通路14を通る流体の経路に少なくとも部分的に応じて、ホイール20のシャフト27及び回転軸は、所望の任意の他の様式に、例えば垂直向き、並びに垂直向き及び水平向きに対して傾斜した向きに向けられることができる。
【0028】
図1及び図2に示すホイール20は、流体の動き及び/又は重みをホイール20に伝える複数の羽根22を有する。羽根22は真っ直ぐな、湾曲した又は面のある(faceted)羽根22(例えばブレード又は外車)を含むがそれらに限定されない、所望の任意の形状とすることができ、スクープ、バケット又は他の容器等を画定するような形状である。羽根22は、隣接した構造体(例えば隣接した羽根及び/又はシャフト27)を有することなく、或る量の流体を保持する形状とすることができるが、このことは他の羽根形状の場合には必ずしも当てはまらない。
【0029】
上述したように、羽根22は通路14を通過する流体と接触する。幾つかの実施形態では、各羽根22の遠位部分(すなわち、ホイール20の周縁)のみが吐出装置10の動作の際に流体と接触するが、他の実施形態では、羽根22の全体又は実質的に全体が流体と接触する。
【0030】
羽根22上を流れる(例えば図1及び図2における図示のバケット状の羽根22を少なくとも部分的に満たす)水又は他の希釈剤16は、ホイール20内及び/又はホイール20上に流れる希釈剤16に対する適切な希釈率で濃縮化学薬品を吐出するための動力を提供する。この動力が複数の異なる要素に伝わってこの吐出作用を提供する。例えば、幾つかの実施形態では、ホイール20はシャフト27だけでなく、水又は他の希釈剤に対する適切な希釈率で濃縮化学薬品の吐出を生じさせる1つ又は複数のシャフトも直接又は間接に駆動する。
【0031】
例えば、図1及び図2に示すホイール20及びシャフト27は、ハウジング12に連結されると共に第1のシャフト27及びホイール20に連結されて駆動可能である第2のシャフト26を駆動する。より詳細には、ホイール20及び第1のシャフト27の回転が、第1のシャフト27と第2のシャフト26との駆動接続によって第2のシャフト26の回転を生じさせる。この実施形態では、第2のシャフト26の少なくとも一部は、濃縮化学薬品34の流路30又はリザーバ32内に位置決めされ、第2のシャフト26の回転によって、希釈剤16又は容器に濃縮化学薬品34を選択的に吐出する。他の実施形態では、第1のシャフト27は濃縮化学薬品34の流路30又はリザーバ32内に位置決めされ、第1のシャフト27の回転によって濃縮化学薬品34を希釈剤16又は容器に吐出するために第2のシャフト26に関して以下で説明するのと同じ特徴を有する。
【0032】
図1及び図2の吐出装置10(及び明細書の他の箇所に記載及び図示される他の吐出装置10)を用いて、調理品(food preparation)を洗浄すると共に器具及び台所用品に適う洗剤及びすすぎ補助剤、洗濯用途のための洗剤及びファブリック柔軟剤、床の手入れのための洗浄用、除去用、処理用、及びコーティング用の化学薬品等が挙げられるがこれらに限定されない、任意のタイプの濃縮化学薬品を吐出することができる。例示に過ぎないが、食器洗浄に使用される吐出装置の実施形態を参照すると、本明細書に記載及び図示される吐出装置のいずれかは、Premium、 Super、 Crystal及びBreak−up等のSuma(登録商標)(JohnsonDiversey社)製品、Sunlight(登録商標)(JohnsonDiversey社)製品、Dawn(登録商標)(Procter & Gamble社)製品、Palmolive(登録商標)(Colgate-Palmolive Company社)製品、及びJoy Dish Soap(Procter & Gamble社)製品のいずれも吐出することができる。
【0033】
幾つかの実施形態では、本願に記載及び図示される各種吐出装置の1つ又は複数の表面には、リザーバ32内の濃縮化学薬品34の商標名及び/又はロゴを設けることができる。例えば、リザーバ32内に食器用石けんがある場合、上記の石けんの商標名のいずれかを吐出装置の表面に表示することができる。商標名及び/又はロゴを特徴付ける表面として、例えばリザーバ32の表面又はハウジング12の表面が挙げられる。このようにして、リザーバ32内に保存されている濃縮化学薬品のタイプを、装置のユーザが濃縮化学薬品を特定するために表示することができる。
【0034】
ここでまた図1及び図2に図示される実施形態を参照すると、希釈剤16(例えば水)用の第1の流路14がハウジング12を貫通しており、該第1の流路14は概して入口36及び出口38を有する。漏斗40が希釈剤源から希釈剤16の流れを回収、収集又は集中させるように流路14に沿って又は隣接して配置されることができる。上述のように、希釈剤源は、シンクの蛇口若しくは栓、ホース若しくはホース用水栓等の配管した希釈剤源とすることができる。しかし、幾つかの実施形態では、希釈源は希釈剤16のボトル、タンク、リザーバ又は他の容器とすることができ、そのような容器から直接供給されることができるか、又は管、パイプ、チャネル又は他の導管を介して供給することができる。配管するか又は配管しない実施形態では、希釈剤の流れは1つ又は複数のバルブによって制御されることができる。
【0035】
したがって、以下でより詳細に説明するように、幾つかの実施形態では、希釈剤源は吐出装置10に直接連結され得る。一方、他の実施形態では、希釈剤源は自由流れの流体連通に置かれ得る(すなわち、直接連結されない)。直接連結される実施形態では、ハウジング12は、希釈剤16を受け取るように蛇口又は他の希釈源に直接接続又は配管することができる。かかる実施形態は、吐出装置10からの濃縮化学薬品の吐出を補助するために、水又は他の希釈剤16を移動させることによる力及び圧力を利用できる。このような実施形態では、吐出装置10を通る希釈剤16の速度が、流体通路14又は下流の容器へ吐出される濃縮化学薬品の量及び割合が少なくとも部分的に決定し得る。幾つかの実施形態では、漏斗40内又は漏斗40の下流(すなわち、吐出装置10内)に蓄積される水又は他の希釈剤16の重みがさらに又は代わりにホイール20を駆動するのに用いられ、この場合、吐出装置10に流入する希釈剤16の速度によって、吐出される濃縮化学薬品の量及び割合を必ずしも決定する必要はない。直接接続される実施形態のいずれかでは、必要であれば、給排水設備基準に従うために逆流防止装置(例えば1つ又は複数のバルブ、エアギャップ装置等)を利用することができる。
【0036】
自由流れの実施形態では、上記の漏斗40を用いて希釈剤源から自由に流れる希釈剤16を捕捉することができる。かかる実施形態では、吐出装置10を介して移動する水又は他の希釈剤16からの力及び圧力を利用して、吐出装置10から濃縮化学薬品を吐出することができ、この場合、吐出装置10に流入する希釈剤16の速度によって濃縮化学薬品の吐出を補助することができる。代替的に、自由に流れる希釈剤16が供給される幾つかの実施形態は主として又はもっぱら、ホイール20を駆動するのに、漏斗40内又は漏斗40の下流(すなわち吐出装置10内)に蓄積される希釈剤16の重みに依存する。
【0037】
さらに、図1及び図2に図示されてはいないが、ハウジング12を貫流して出口38から流れ出る希釈剤16は、ベッセル、リザーバ又は他の容器内に収容することができる。例えば、幾つかの実施形態では、希釈剤16はシンクの一区画内に収容することができる。他の実施形態では、希釈剤16は、バケット、噴霧ボトル、洗浄機のリザーバ等の中に収容することができる。さらに他の実施形態では、希釈剤16は、容器内に収集せず、代わりに床、又はカウンター甲板、壁、車体、窓、動物の死骸等のような他の表面に直接供与する。
【0038】
続けて図1及び図2の実施形態を参照すると、図示の吐出装置10は、濃縮化学薬品34が沿って流れることができる第2の流路30を有する。ここに図示される実施形態における第2の流路30は、示すようにベッセル、リザーバ、又は他の容器等の濃縮化学薬品34の供給源(又はそのような容器に延びる適した管、パイプ、チャネル若しくは他の導管)に連結される入口42を有する。図示の実施形態における第2の流路30の出口44は、第1の流路14の出口38の上流で第1の流路14と交わる。つまり、図1に示すように、第2の流路30はハウジング12の内部で第1の流路14と交わり、該第1の流路14に流れ込み、それによって、濃縮化学薬品34が吐出装置(例えばハウジング12)から出る前に濃縮化学薬品34を少なくとも部分的に希釈することを可能にする。このことは、濃縮化学薬品が吐出装置10(例えばハウジング12)を出る前に希釈剤16と少なくとも部分的に混合されるため、該吐出装置付近の人々又は物体が濃縮化学薬品と接触するのを防止するのに役立ち得る。しかし、他の実施形態では、第2の流路30はその専用の出口を有し、この場合では、濃縮化学薬品34は内部で希釈されることなく吐出装置10から吐出されることができる。
【0039】
図1に示されている実施形態では、濃縮化学薬品34のリザーバ32は、第2の流路30の上方に位置決めされ且つ流体連通する。この構成により、濃縮化学薬品34は第2の流路30内に重力送りされる。しかし、以下でより詳細に説明するように、幾つかの実施形態では、ポンプ又は他の装置を使用して、濃縮化学薬品を第2の流路30又は他の場合には希釈剤16又は容器内に供給することができる。
【0040】
上述したように、ホイール20は、図1及び図2に図示される実施形態においてハウジング12に連結され、希釈剤流路14と流体連通する。図1及び図2に示すように、幾つかの実施形態では、ホイール20はハウジング12内に完全に収容されている。しかし、他の実施形態では、ホイール20の1つ又は複数の部分をハウジング12の外側に晒すことができる。ホイール20の一部は希釈剤流路14内に配置される。より詳細には、ホイール20は、希釈剤流路14を通る希釈剤16の流れを少なくとも部分的に遮る(及びいくつかの場合では実質的に遮る)ように該流路14に位置決めすることができる。流路14を通る希釈剤16をホイール20が実質的に遮るこれらの実施形態では、流路14を貫流する実質的に全ての希釈剤16は、ホイール20を駆動するのに利用されると共にホイール20に最大動力を提供することができる。他の実施形態では、流路14に沿った希釈剤16の一部を利用してホイール20を駆動し、この場合では、希釈剤16の残りはホイール20の周りを流れることができるか、又は任意の他の方法で(例えば別個の導管によって)ホイール20を迂回することができる。かかる実施形態では、移動する希釈剤からの最大動力の一部をホイール20に与えることができる。この成果は、吐出装置10によって吐出される濃縮化学薬品の量を低減するために、より低速のホイール回転が望まれる実施形態において望ましいものであり得る。
【0041】
幾つかの実施形態(例えば希釈剤の流れ全体がホイール20を駆動するのに用いられる実施形態)では、流路14に沿って通る希釈剤16の量は、(羽根10を希釈剤16で部分的に又は完全に満たすことができる実施形態では)ホイール20を占めている羽根10の数によって、又はホイール20の回転数によって測定することができる。ホイール20の回転は、濃縮化学薬品34の吐出に比例的に結びつくことができる。上述したように、幾つかの実施形態では、ホイール20は希釈剤16の流れの一部しか遮らず、そのため、ホイール20が希釈剤16の流れを実質的に遮るように位置決めされている場合よりも、ホイール20の回転毎に吐出される濃縮化学薬品34が少ない。
【0042】
図2に最良に示すように、図示の実施形態のホイール20は濃縮化学薬品流路30内の回転計量装置に連結される。詳細には、ホイール20は、歯車54に連結される(上述した)シャフト27に連結される。幾つかの実施形態では、シャフト27は任意の適した方法で歯車54に接続される別個の要素であるが、他の実施形態では、シャフト27は歯車54と一体である。この歯車54は、(上述の)シャフト26に連結される第2の歯車56に駆動可能に連結される。この第2のシャフト26は回転計量装置に連結されるか、又は回転計量装置を少なくとも部分的に画定する。より詳細には、図示の実施形態では、第2のシャフト26は、以下でより詳細に説明する回転計量装置50と一体的に形成される。幾つかの実施形態では、第2の歯車56、シャフト26及び/又は回転計量装置50を一体的に形成することができるが、他の実施形態では、これらの要素56、26、50のいずれかは任意の適した方法で一緒に接続される別個の要素とすることができる。図示の実施形態のホイール20、第1のシャフト27、歯車54、56、第2のシャフト26及び回転計量装置50は全て、共通のハウジング12(又は共通のハウジング12の幾つかの部分)内に収容され、他の実施形態では、これらの要素のいずれか又は全ての少なくとも一部がハウジング12の外側に配置されることができる。
【0043】
図1及び図2に示す吐出装置の実施形態の回転計量装置50は、シャフト26上に2つの平らな部分52を含む。他の実施形態では、回転計量装置50は平らな部分52を1つだけ有するか、3つ以上の平らな部分52を有するか、又は図1及び図2に図示される実施形態に関して以下でより詳細に説明する方法と同様の方法で濃縮化学薬品を計量及び吐出するように吐出装置10の隣接壁と協働する他の形状を有する円周方向に離間した部分を有する。代替的に又は付加的に、回転計量装置50はシャフト26内に又はシャフト26を貫通する1つ又は複数の開口を含むことができる。図1及び図2の実施形態を続けて参照すると、回転計量装置50は、濃縮化学薬品リザーバ32の下流に位置する開口58に配置される。より詳細には、図示の回転計量装置50は、リザーバ32から延びる導管30に配置される。他の実施形態では、回転計量装置50は、(濃縮化学薬品リザーバ32の底面又は側面の少なくとも一部を画定すること等によって)濃縮化学薬品リザーバ32の上に又はすぐ隣に配置されるが、他の実施形態では、回転計量装置50は(第1の流路14と第2の流路30とが交わるところに配置される等)さらに下流に配置される。
【0044】
概して、回転計量装置50は少なくとも2つの位置を有することができる。第1の位置では、回転計量装置50は、濃縮化学薬品が導管30を貫流するのを阻止する。もう一つの位置では、回転計量装置50によって、特定量の濃縮化学薬品を吐出するか、又は吐出することができる位置まで移動させることが可能になる。図1及び図2に図示される実施形態の平らな部分52によって、所定量の濃縮化学薬品34を、シャフト26の回転毎に又はホイール20の回転毎に供与することが可能になる。詳細には、平らな(flatted)部分52が特定の回転位置にある場合、化学濃縮物34は、シャフト26と吐出装置10の隣接部分(例えば、流路30を画定するハウジング12の隣接部分)との間に画定される開口60内に流れ込むことができる。シャフト26の回転は結果的に、この開口60とリザーバ32とのさらなる連通を阻止する。シャフト26のさらなる回転によって、開口60(及び捕捉された化学薬品)は流路30の残りの部分と流体連通するようになり、流路30の残りの部分への濃縮化学薬品の吐出が可能になる。したがって、ホイール20に駆動可能に連結される計量装置50の使用によって、濃縮化学薬品34を、容量測定的に且つ吐出される希釈剤16の量に比例して吐出することができる。
【0045】
図1に示されている実施形態では、一単位の希釈剤16当たりに吐出される濃縮化学薬品34の量を多くの方法で制御することができる。例えば、吐出される濃縮化学薬品34の量を、第2のシャフト26の平らな部分52のいずれか又は双方のサイズ及び/又は形状を変更すること等、回転計量装置50のサイズ及び構成を調整することによって、制御することができる。別の例として、吐出される濃縮化学薬品34の量をさらに又は代わりに、第2のシャフト26に隣接する吐出装置10(例えば、ハウジング12の第2のシャフト26に隣接する部分)の形状を変更することによって制御することができ、それにより、回転計量装置50に隣接する第2の流路30のその部分を少なくとも部分的に画定する。さらに別の例として、吐出される濃縮化学薬品34の量をさらに又は代わりに、第1の歯車54と第2の歯車56との歯車比を調整することによって制御することができ、これによって、第1のシャフト26の各回転に対するシャフト26の回転数を変更することができる。これらの特徴のいずれか又は全てを変更することによって、希釈剤16の濃縮化学薬品に対する希釈率は、幾つかの実施形態では、約1:1以下の比〜少なくとも約3000:1以上の比とすることができる。濃縮化学薬品の粘度も、吐出装置10により生じる、希釈率に影響を及ぼす制御要因となり得ることを理解されたい。
【0046】
これより、図1及び図2に示す吐出装置の動作を説明する。濃縮化学薬品34がリザーバ32内に提供され、希釈剤源が吐出装置10に提供される。ここでも同様に、希釈剤16の供給源は吐出アセンブリ10に直接接続されることができるか、又は吐出アセンブリ10に自由に流れることができる(この場合では、希釈剤源と吐出アセンブリ10との間にエアギャップが存在し得る)。自由流れの実施形態では、希釈剤16を、希釈剤流路14と連通する漏斗40内に捕捉することができる。その後、漏斗40内に蓄積された希釈剤16は、流路14に沿って流れることができ、この流路においてホイール20と接触するようになり、(希釈剤16がホイール20を通る際に、隣接する羽根22に部分的に若しくは完全に満たそうと、羽根22を押すだけであろうと)ホイール20を回転させる。幾つかの実施形態では、希釈剤16がホイール20に加える力は、希釈剤16の重みによってのみ又はその重みによって実質的に提供されるが、(希釈剤が圧力下にあるか又は羽根22に影響を及ぼす実施形態等)他の実施形態では、希釈剤16がホイール20に加える力は少なくとも部分的に希釈剤16の慣性に起因する。
【0047】
ホイール20の回転によって、測定された量の希釈剤16がホイール20の回転毎に流路14を貫流することが可能になる。詳細には、ホイール22を通る(例えば、幾つかの実施形態では羽根22を移動する及び/又は羽根22のそれぞれを満たす)希釈剤の容積は既知であり、この容積はホイール20の回転毎に既知である。したがって、ホイール20の回転毎に流路14を通過する希釈剤16の量は既知である
【0048】
ホイール20の回転によって、濃縮化学薬品流路30内の回転計量装置50も回転し、第1の流路16に沿った希釈剤に対して所定の希釈率で濃縮化学薬品34を吐出する。詳細には、ホイール20の回転によって、第1のシャフト27が回転し、これによって第1の歯車54が回転する。第1の歯車54は第2の歯車56を駆動し、次に第2の歯車56はシャフト26を回転させる。シャフト26の回転によって、上述したように回転計量装置50が濃縮化学薬品流路30を通って化学薬品34を吐出する。
【0049】
図1及び図2に図示される実施形態では、濃縮化学薬品34は、重力によって化学薬品流路30及び回転計量装置50に供給される。回転計量装置50の回転によって、所定量の濃縮化学薬品34を希釈剤の容積毎に希釈剤16に吐出することができる。図1及び図2に図示される実施形態では、濃縮化学薬品34はハウジング12内で希釈剤16と混合されるが、これを他の実施形態に必ずしも当てはめる必要はない。
【0050】
図1及び図2に図示される実施形態では、回転計量装置50は後の吐出のために濃縮化学薬品を受け取る形状となっている部分を有する回転シャフト26である。しかし、他の実施形態では、他のタイプの計量装置を代わりに用いて、ポンプを駆動するシャフト26の回転毎に既知の量の濃縮化学薬品を吐出することができる。例示に過ぎないが、シャフト26はいかなるタイプのポンプも駆動することができ、ここではポンプ26の各作動により、供給される既知の量の濃縮化学薬品が吐出される。このポンプは、本発明の他の実施形態に関して本明細書に記載されるものを含め、ピストンポンプ、蠕動ポンプ、ウォッブルプレートポンプ(wobble plate pump)、ダイヤフラムポンプ、歯車ポンプ、ウォームギヤポンプ、又は、任意の他のタイプのポンプとすることができる。別の例として、シャフト26は、図3に関して以下でより詳細に説明するように、測定された量の濃縮化学薬品を吐出するために任意のタイプの別のホイールを駆動することができる。
【0051】
図3〜図5は本発明による流体吐出装置の代替的な実施形態を示す。したがって、図3〜図5の実施形態と図1〜図2の実施形態とで互いに相反する特徴及び要素を除き、図3〜図5の実施形態の特徴及び要素(並びにそれらの特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜図2の実施形態に伴う上記の説明の参照を行う。
【0052】
図3に示すように、図1及び図2の実施形態に対するこの実施形態の構成の唯一の重要な差異は回転計量装置50に関する。詳細には、図3に示す回転計量装置50はホイールである。ホイールの回転により、濃縮化学薬品がホイールに及びホイールを通じて吐出される。このホイールは、図1及び図2の実施形態におけるホイール20を参照して上述した形態のいずれかをとることができる。例えば、図3に示す回転計量装置50は、図1及び図2に示す平らなシャフト27とは対照的に、水車、外車、又はタービンのタイプの装置を含み得る。図3に示す回転計量装置50は、図1及び図2に関して上述したシャフト及び歯車の構成を含め、任意の適切な接続を介してホイール20によって駆動することができる。先の実施形態に関して説明したように、この回転計量装置50のサイズ、形状及び構成は該装置50の回転毎の任意の所望の量の濃縮化学薬品を吐出するように選択することができる。
【0053】
図4及び図5は、本発明の態様を具現する吐出装置10の別の実施形態を示す。ここに図示される実施形態は図1〜図3に示す実施形態と同様に構成されると共に同様に動作する。したがって、図4及び図5に関して説明及び図示される実施形態の構成及び動作(並びにその代替形態)に関するさらなる情報については、図1〜図3に関する上述の実施形態の説明の参照を行う。
【0054】
図4及び図5の実施形態は、希釈剤流路14が延びるハウジング12を有する。幾つかの実施形態では、ハウジング12は希釈剤流路14を少なくとも部分的に画定する。ホイール20は希釈剤流路14と流体連通し、図示の実施形態では、希釈剤流路14内に配置される。図示の実施形態のハウジング12は化学薬品リザーバ32も備える。図示の実施形態の化学薬品リザーバ32はホイール20に隣接して位置決めされる。図5に最良に示すように、化学薬品リザーバ32は、化学薬品リザーバ32の底部に画定される開口60を含む。開口60は化学薬品リザーバ32内の最低点に配置され、それによって、化学薬品リザーバ32全体を重力によって空にすることができる。しかし、開口60の他の位置も可能である。図4及び図5に図示される実施形態を続けて参照すると、ホイール20に連結されるシャフト26は、開口60に隣接して位置決めされ、化学薬品リザーバ32から化学薬品34を選択的に吐出する。より詳細には、シャフト26に固定されるか又はシャフト26によって画定される回転計量装置50が、開口60内又は開口60に隣接して位置決めされ、開口60を選択的に開閉するか、又は他の場合には開口60を通じて化学薬品を吐出するように回転することができる。上述したように、シャフト26は、開口60を介して化学薬品リザーバ32と流体連通する通路内に位置決めされることができる。
【0055】
図4及び図5の実施形態では、シャフト26はホイール20によって直接駆動される。したがって、希釈制御は、開口60のサイズ並びに/又は回転計量装置50のサイズ及び構成を制御することによって少なくとも部分的に達成される。つまり、一組の歯車又は別のタイプの機械動力伝達装置若しくはアセンブリは、ここに図示される実施形態内には含まれない。しかし、他の実施形態では、化学薬品リザーバ32からの(例えば開口60を介する)化学薬品の吐出の頻度及び量を制御するために追加のシャフトと機械動力伝達装置及びアセンブリを利用することができる。
【0056】
図4及び図5に示す実施形態の化学薬品リザーバ32はハウジング12と一体であるが、他の実施形態では、化学薬品リザーバ32は他の方法でハウジングに連結することができる。例えば、化学薬品リザーバ32は1つ又は複数のパイプ、管、チャネル又は他の導管を介してハウジング12に連結することができる。加えて、幾つかの実施形態では、ハウジング12は図4に示すような流体の自由流れを受け取られることができるか、又は代わりにボトル若しくは他の容器の化学薬品34(例えば濃縮化学薬品)を直接収容することができる。
【0057】
これより、図4及び図5に示す吐出装置10の動作を説明する。濃縮化学薬品34がリザーバ32内に提供され、希釈剤源が吐出装置10に提供される。ここでもまた、希釈剤16は吐出装置10に接続される容器から受け取られることができるか、又は吐出装置10に(すなわち、希釈剤の供給源と吐出装置10との間のエアギャップを介して)自由に流れることができる。自由流れの構成では、希釈剤16を、流路14と流体連通する漏斗40内に捕捉することができる。その後、漏斗40内の希釈剤16は、流路14内に流れ込むことができ、この流路においてホイール20と接触するようになる。希釈剤16は遅延なくホイール20に直接流れることができるか、又は先に漏斗40内及び/又はホイール20の上流の他の場所内で回収することができる。希釈剤はホイール20に流れ、羽根22によって少なくとも部分的に画定される1つ又は複数の容器を部分的に又は完全に満たすことができるか、又は(例えば、羽根22が容器を画定しない場合では)そのように満たすことなく単に羽根22を動かすことができる。ホイール20に対する希釈剤16の重み(及び幾つかの場合では希釈剤16の衝突)によって、ホイール20が回転する。
【0058】
先の実施形態に関して説明したように、図示の実施形態におけるホイール20の回転によって、測定された量の希釈剤16がホイール20の全回転又は部分回転毎に希釈剤流路14を貫流することが可能になるか、又はそのような量の希釈剤16に対応する。ホイール20の回転によって、濃縮化学薬品34と流体連通する回転計量装置50も回転して、化学薬品34を吐出する。したがって、濃縮化学薬品34は流れる希釈剤16に対して所定の比で吐出される。詳細には、ホイール20の回転によってシャフト26が回転し、シャフト26の回転によって回転計量装置50が回転し、化学薬品リザーバ32から化学薬品を吐出する。
【0059】
図1〜図5に関して上述した実施形態のそれぞれは、重力送り回転計量装置等の、化学薬品を吐出する重力に、少なくとも部分的に依存する。つまり、濃縮化学薬品34は、濃縮化学薬品34のリザーバ32から希釈剤16に少なくとも部分的に重力の影響下で供給される。さらに、重力は回転計量装置50への濃縮化学薬品34の供給に少なくとも部分的に関与する。その場合、回転計量装置50の回転によって、所定量の化学薬品34が吐出される。
【0060】
他の実施形態では、濃縮化学薬品34の吐出は、(任意のタイプの)計量装置に濃縮化学薬品を移動させるのであろうと、希釈のために濃縮化学薬品を吐出するのであろうと、重力を必要とせずに行われる。例示に過ぎないが、図6〜図9に図示の実施形態は、濃縮化学薬品34を圧送することによって動作する。つまり、ポンプ62を利用して、濃縮化学薬品34のリザーバ32から濃縮化学薬品34を吐出する。幾つかの実施形態では、ポンプ62は重力を克服することができ、他の実施形態では、ポンプ62は重力と連携動作することができる。例えば、幾つかの実施形態では、化学薬品リザーバ32又はその一部分(複数部分)を、ポンプ62の下方、及び/又は吐出出口の下方に位置決めしてもよい。濃縮化学薬品は、吐出出口を通って計量されるか若しくは他の場合では吐出される。かかる実施形態では、ポンプ62を用いて重力を克服することができる。そうしなければ、重力により濃縮化学薬品の吐出出口への移動が妨げられるか又は制限される。幾つかの実施形態では、例示に過ぎないが、ポンプ62は、リザーバ32内に位置決めされる浸漬管から化学薬品を引き出す。幾つかの実施形態では、濃縮化学薬品が重力送りによってポンプ62に供給されるようにポンプ62を位置決めすることができ、ポンプ62は、濃縮化学薬品を重力に抗して吐出出口に供給する。
【0061】
図6〜図8は、上記に説明され示される吐出装置の実施形態と共通の特徴を多数有する吐出装置10の実施形態を示す。したがって、これらの共通の特徴の多くは詳細には説明しない。むしろ、図6〜図8に関して説明され示される実施形態の構成及び動作(並びにその代替形態)に関するより多くの情報については、図1〜図5に関して上述した実施形態の参照を行う。
【0062】
図6及び図7に図示の吐出装置10は、先の実施形態に関して上記に説明され示される形態のいずれかをとることができるホイール20に延びる流体通路14を有する。吐出装置10は、幾つかの実施形態では、流体通路14を少なくとも部分的に画定することができるハウジング12を備えることができる。図示の吐出装置10もポンプ62を備え、このポンプ62は幾つかの実施形態ではハウジング12に連結されることができる。流体通路14は希釈剤16(例えば水)を希釈剤源から受け取る。流路14(ハウジング12を通ろうとそうでなかろうと)は典型的に入口36及び出口38を含む。また、希釈剤源(図示せず)から吐出装置に流入する希釈剤を収集、蓄積、及び集中するために、流路14に沿って又は流路14に隣接して漏斗40を配置することができる。
【0063】
上記で示されたように、吐出装置10はホイール20を備える。ホイール20は幾つかの実施形態ではハウジング12に連結することができるか、又は代わりに所望の任意の他の方法で回転するように取り付けることができる。ホイール20の少なくとも一部は、希釈剤流路14と流体連通し、該流路内に配置される。ホイール20を、流路14を通る希釈剤16の全ての流れを少なくとも部分的に遮るように流路14内に位置決めすることができる。他の実施形態では、ホイール20は、第1の流路14を通る希釈剤16の全ての流れを実質的に完全に遮ることができる。また、さらに他の実施形態では、ホイール20は第1の流路14を通る希釈剤16の全てよりも少ない流れを少なくとも部分的に遮ることができる。ホイール20と接触する希釈剤16はホイール20に動力を与え、この動力を用いてポンプ62を駆動又は作動させて濃縮化学薬品34を吐出する。
【0064】
ポンプ62は、濃縮化学薬品34を収容するリザーバ32と流体連通する。ポンプ62の作動によって、流体通路又は流路14を貫流する希釈剤16に濃縮化学薬品34が供給され、他の実施形態では、先の実施形態に関して上述したように吐出装置10の外側の場所にそのような化学薬品を供給することができる。図7に最良に示すように、図示の実施形態のホイール20は、歯車54に連結されるシャフト27に連結される。この歯車54は第2の歯車56に連結され、第2の歯車56は第2のシャフト26に連結される。第2のシャフト26はポンプ62に駆動可能に連結される。幾つかの実施形態では、ポンプ62は、ホイール20に直接連結することができ、この場合では、シャフト27がホイール20からポンプ62に延びることができる。このような実施形態では、歯車及び第2のシャフトは省かれるであろう。さらに他の実施形態では、追加の歯車、シャフト、及び他の機械動力伝達装置及びアセンブリをホイール20とポンプ62との間に接続してポンプ62を適当な速度で駆動し、所望の希釈率を達成することができる。
【0065】
濃縮化学薬品34について所望の希釈率を得るのに実質的に任意のポンプを利用することができるが、幾つかの実施形態では、優れた性能結果のために容積式ポンプが用いられる。例えば、幾つかの実施形態では、歯車ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、ウォッブルプレートポンプ、蠕動ポンプ、回転羽根ポンプ又は他のポンプを用いることができる。さらに、幾つかの実施形態では、渦巻ポンプを利用することができる。
【0066】
吐出装置10は、1つ又は複数の所望の希釈率及び/又は1つ又は複数の範囲の所望の希釈率の流体を吐出するように適合され得る。この適合は、幾つかの場合では希釈剤16と共に濃縮化学薬品34と吐出するようにホイール20と連携して用いられるポンプのタイプに応じて、様々な方法で達成することができる。例えば、ホイール20からポンプ62に動力を伝達するのに歯車が利用される場合、所望の希釈率を提供するように歯車比を選択することができる。さらに、ポンプ62の構成、容積及びサイズは、所望の希釈率を提供するように又は他の場合では吐出装置10の希釈制御を行うように選択することができる。濃縮化学薬品34の粘度も、吐出装置の希釈率における制御要因となり得ることを理解されたい。
【0067】
図7に示すように、ポンプ62は、ハウジング12から離れて配置される濃縮化学薬品リザーバ32から濃縮化学薬品34を引き出すことができ、この場合では、リザーバ32とポンプ62との間に流体連通を確立するのに適した導管以外の任意の何かを介してリザーバ32をハウジング12に必ずしも接続する必要はない。例えば、図示の実施形態におけるポンプ62及びハウジング12は、ハウジング12に至るポンプ62からリザーバ32に延びる導管64(例えば管)を介してリザーバ32に接続される。濃縮化学薬品34は、ポンプ62の動作中に導管64を介してリザーバ32から引き出すことができる。代替的に、例として図8に示すように、リザーバ32は、ハウジング12に連結することができるか、又はハウジング12と一体的に形成することができる。このような実施形態では、ポンプ62への入口は(例えば、ポート又は他の適した流体接続を介して)リザーバ32と連通して配置させることができる。幾つかの実施形態では、ポンプ62への入口はリザーバ32内の最低位置に配置され、実質的に全ての濃縮化学薬品をポンプ62に重力送りすることが可能になる。
【0068】
幾つかの実施形態(例えば図8の実施形態)では、吐出装置10は、上述したように、ハウジング12によって画定されるか又はハウジング12に接続されるリザーバ32を有するが、他の実施形態はハウジング12を有せず、同じユニット内(例えば吐出装置10の同じフレーム上又は同じ構造内)にあるポンプ62及びリザーバ32によって同様の利点を依然として提供する。これに関して、幾つかの実施形態では、可搬性があり、使い捨てであり、且つ/又は配管せずに設置することができる吐出装置10を提供することが非常に望ましい。このため、吐出装置10の幾つかの実施形態は、ポンプ62及びリザーバ32を有し、また可搬性があり、使い捨てであり、且つ/又はかかる吐出装置10がハウジング12を有するかどうかにかかわらず、配管せずに設置することができる。
【0069】
濃縮化学薬品34は、ハウジング12を有しないこれらの実施形態では、ハウジング12内又は吐出装置10の構造体内の様々な場所に圧送することができる。図6及び図7の実施形態を再び参照すると、幾つかの実施形態では、濃縮化学薬品34はホイール20の上の場所又はホイールに隣接した場所(例えば、図示の実施形態における開口66)に圧送される。したがって、濃縮化学薬品34はホイール20上に吐出され、ホイール20において希釈剤16と混合することができる。幾つかの実施形態では、この混合作用は、濃縮化学薬品34及び希釈剤16が吐出装置10(例えばハウジング12)から出る前に生じ得る。加えて、このような構成では、希釈剤16のホイール20内ヘの流れによって混合流体の攪拌が生じ得る。このような攪拌によって希釈剤16内で濃縮化学薬品34を発泡させることができ、このことは幾つかの状況では望ましいであろう。図6〜図8に図示される実施形態では、濃縮化学薬品34は導管68を介してポンプ62からホイール20に供給される。しかし、他の実施形態では、ポンプ62は、ポンプ62と濃縮化学薬品の吐出場所との間にこのような導管が不要となるように、ホイール20及び/又は希釈剤流路14に対して位置決めすることができる。さらに、幾つかの実施形態では、濃縮化学薬品をホイール20上に吐出することが望ましくない場合がある。これらの及び他の実施形態では、ポンプの出口(又はこの出口から延びる任意の導管)は他の所に向けることができる。
【0070】
上述したように、吐出装置10は吐出前又は吐出時に所望の程度の化学薬品の発泡を与えるように構成することができる。例えば、吐出装置10は、前の段落で説明したように発泡を高めるように構成することができる。しかし、他の実施形態では、吐出装置10は、希釈剤流路14の乱流が比較的小さな場所(例えばホイール20の下流)に濃縮化学薬品を導入すること等によって、化学薬品の攪拌と結果的に生じる発泡とを最小限に抑えるように構成することができる。発泡が望ましい実施形態では、ホイール20、ホイール20に隣接した構造体(例えば1つ又は複数のハウジング壁)、及び/又はホイール20の下流の希釈剤流路14の任意の一部に、フィン、バンプ、バッフル、ひだ及び他の突起、及び/又はリセス、孔、くぼみ、溝及び他の開口を設けて、攪拌を生じさせるか若しくは高め、又は他の場合では発泡作用を生じさせるか若しくは高めることができる。
【0071】
これより、図6及び図7に示す実施形態の動作を説明する。濃縮化学薬品34がリザーバ32内に提供され、希釈剤が希釈剤源(図示せず)から吐出装置10に供給される。ここでもまた、希釈剤16は、希釈剤源への直接接続によって吐出装置に供給されることができるか、又は吐出装置10に自由に流れることができる(すなわち、その場合は希釈剤源と吐出装置10との間にエアギャップがある)。自由流れの実施形態では、希釈剤16は、希釈剤流路14と流体連通する漏斗40内に捕捉することができる。希釈剤16は、著しい蓄積なく漏斗40からホイール20に直接流れることができるか、又は他の実施形態では希釈剤流路14に沿ってホイール20に進む前に漏斗40内に蓄積することができる。いずれの場合においても、希釈剤16はホイール20と接触してホイール20を駆動する。上記でより詳細に説明したように、希釈剤16はホイール20の1つ又は複数の容器(例えばホイール20の羽根22によって画定される)を部分的に又は全体的に満たすことができるが、他の実施形態では、そのような充填作用は、羽根22の形状に少なくとも部分的に応じて生じない。希釈剤16の重み、幾つかの場合では羽根22上の希釈剤16の衝突によって、ホイール20の回転が生じる。
【0072】
ホイール20の回転によって、測定された量の希釈剤16がホイール20の部分回転又は全回転毎に流路14を貫流することが可能になる。詳細には、幾つかの実施形態では、羽根22によって少なくとも部分的に画定される各容器の容量は既知であり、回転毎に満たされる及び空になる、羽根22によって少なくとも部分的に画定される容器の数は既知である。したがって、回転毎に希釈剤流路14を通過する希釈剤16の量は既知である。これらの及び他の実施形態では、ホイール20の回転数は既知であり、(羽根22が容器を画定する形状であるかどうかにかかわらず)ホイール20を通過する希釈剤の流れの量に比例することができる。したがって、回転毎に希釈剤流路14を通過する希釈剤16の量もまた既知である。
【0073】
図6〜図8に関して上述したように、幾つかの実施形態におけるホイール20の回転によってポンプ62が作動して濃縮化学薬品を希釈剤16に供給する。詳細には、図6〜図8の図示されている実施形態では、ホイール20の回転によって第1のシャフト27が回転し、これによって第1の歯車54が回転する。第1の歯車54は第2の歯車56を駆動し、次に第2の歯車56は第2のシャフト26を回転させる。第2のシャフト26の回転によって、ポンプ62がリザーバ32から濃縮化学薬品を吐出する。図6〜図8に図示される実施形態における濃縮化学薬品34はホイール20の頂部に供給され、ホイール20において希釈剤16と混合される。ホイール20におけるこの混合作用は、ホイール20における流体攪拌によって混合物内に泡を形成することができる。
【0074】
図9は、本発明による流体吐出装置の代替的な実施形態を示す。図面から分かると共に以下で行う説明において理解されるように、図9に示す吐出装置10は先に説明した実施形態と共通の特徴を多数有する。したがって、これらの共通の特徴の多くは詳細には説明しない。図9の実施形態と図1〜図8の実施形態とで互いに相反する特徴及び要素を除き、図9の実施形態の特徴及び要素(並びにそれらの特徴及び要素に対する代替物)のより完全な説明については、図1〜図8の実施形態に伴う上記の説明の参照を行う。
【0075】
ポンプ62を有する吐出装置10の先の実施形態と同様に、図9に示す吐出装置10は、ポンプ62を利用して濃縮化学薬品34を希釈剤16に供給する。しかし、ポンプ62を動作させるために純粋に機械的な動力を使用する先の実施形態とは異なり、図9の吐出装置10は発電機70を利用してポンプ62に電力を供給する。以下で説明するように、発電機70は、先の実施形態に関して上述した形態のいずれかをとるホイール20によって駆動されることができる。
【0076】
図9に示す吐出装置10は、希釈剤16が流れる流体通路14と、発電機70に供給される電力を生成するタービンとして機能するホイール20とを有する。図示の実施形態における吐出装置10もまた、ホイール20が連結するハウジング12を有するが、他の実施形態は必ずしもハウジング12を有する必要はない。先に図示される実施形態と同様に、図9に示す吐出装置10のハウジング12は、希釈剤源から希釈剤16を受け取る流体通路14を少なくとも部分的に画定する。他の実施形態では、流体通路14は、1つ又は複数の導管等、吐出装置10の1つ又は複数の他の部分によって画定される。再び図9に図示される実施形態を参照すると、ハウジング12を通る流路14は概して、入口及び出口を含む。自由流れの希釈剤16を希釈剤源から受け取る実施形態では、希釈剤16の流れを収集、蓄積、及び集中するために流路14に沿って又は隣接して漏斗(図示せず)を配置することができる。他の実施形態では、希釈剤源は吐出装置10に接続され、それによって希釈剤源から出る加圧流体を利用することができる。
【0077】
上記に示したように、吐出装置10はホイール20を備える。ホイール20は幾つかの実施形態ではハウジング12に連結することができるか、又は代わりに回転するように任意の所望の他の方法で取り付けることができる。ホイール20の少なくとも一部は希釈剤流路14と流体連通し希釈剤流路14内に配置される。ホイール20は流路14内に位置決めされて、流路14を通る希釈剤16の全ての流れを少なくとも部分的に遮ることができる。他の実施形態では、ホイール20は第1の流路14を通る希釈剤16の全ての流れを実質的に完全に遮ることができる。また、さらに他の実施形態では、ホイール20は、第1の流路14を通る希釈剤16の全てよりも少ない流れを少なくとも部分的に遮ることができる。ホイール20と接触する希釈剤16はホイール20に動力を与え、この動力を用いてポンプ62を駆動又は作動して濃縮化学薬品34を吐出する。ホイール20が第1の流路14を通る希釈剤16の全ての流れ又は実質的に全ての流れを遮る実施形態では、吐出装置10内に流れる希釈剤16の全ての機械的利点又は実質的に全ての機械的利点を利用することが可能である。
【0078】
幾つかの実施形態では、流路14を通過する希釈剤16の量は、希釈剤16で完全に又は部分的に満たされた22、羽根22によって画定される容器の数、及び/又はホイール20の回転数によって測定することができる。本明細書でより詳細に説明するように、ホイール20を通過する希釈剤16の量を知ることによって、濃縮化学薬品34の量が分かり、それをホイール20の回転に基づき比例して吐出することができる。
【0079】
続けて図9を参照すると、発電機70はホイール20に連結され、ホイール20によって駆動される。ホイール20の回転によって発電機70の一部(例えば固定子に対して回転子)が回転し、それによって電気が生成する。その後、この生成された電気が使用されて、濃縮化学薬品を希釈剤16に供給するポンプ62に電力が供給される。
【0080】
ポンプ62は発電機70と電気的に通じており、濃縮化学薬品34を収容するリザーバ32と流体連通している。ポンプ62は、リザーバ32に隣接して位置決めすることができるか、又はリザーバ32に対して離れて配置されることができる。幾つかの実施形態では、ポンプ62はハウジング12内に収容され、ハウジング12に対して離れて配置されるリザーバ32に連結される(ただし、流体導管64を介して連結される)。他の実施形態では、ポンプ62は、ハウジング12に対して離れて配置されるリザーバ32に連結される(ただし、流体導管68を介して濃縮化学薬品をハウジング12に供給する)。さらに他の実施形態では、ポンプ62及びリザーバ32は、ハウジング12と一体的に形成することができるか、又はハウジング12に直接連結することができる。上述したように、幾つかの実施形態では、可搬性があり、使い捨てであり、且つ/又は配管せずに設置することができる吐出装置10を提供することが非常に望ましい。このため、吐出装置10の幾つかの実施形態は、ポンプ62及びリザーバ32を有し、また可搬性があり、使い捨てであり、且つ/又はかかる吐出装置10がハウジング12を有するかどうかにかかわらず、配管せずに設置することができる。かかる吐出装置10の構成要素は、共通のプレート又はフレームに取り付けること等によって、単一の可搬性一体ユニットとして一緒に連結することができる。
【0081】
ポンプ62は多くの異なる方法でトリガ及び作動することができる。幾つかの実施形態では、ポンプ62は、電流が発電機70から受け取られたときに作動する。他の実施形態では、ポンプ62は、トリガ信号がホイール20、ハウジング12又は発電機70から受信されたときに作動する。加えて、ポンプ62は、トリガされて、ホイール20の回転数に基づいて限られた時間の間に圧送を行うことができるか、又はホイール20の回転毎に選択された回数だけオン及びオフに調節することができる。
【0082】
上述したように、ポンプ62は、希釈剤16の容積毎に所望量の濃縮化学薬品を圧送及び吐出するように構成及びサイズ設定することができ、それによって、混合された濃縮化学薬品34及び希釈剤16に対して所定の希釈率を生成する。
【0083】
これより、図9に示す吐出装置の動作を説明する。濃縮化学薬品34がリザーバ32内に提供され、希釈剤16が希釈剤源(図示せず)から吐出装置10に供給される。ここでもまた、希釈剤源は吐出装置10に直接接続することができるか、又は希釈剤は吐出装置10に自由に流れることができる(すなわち、その場合は希釈剤源と吐出装置10との間にエアギャップがある)。希釈剤源が吐出装置10に接続される実施形態では、ハウジング12又は吐出装置10の他の部分は、蛇口又は上述の他の希釈剤源構造体のような希釈剤源に直接連結することができる。例えば、ねじ接続又は迅速接続継手を使用して、ハウジング12を希釈剤16の供給源に接続することができる(このような接続は本明細書に記載の吐出装置の実施形態のいずれかに適用可能である)。希釈剤が希釈剤源から供給されると、希釈剤16は希釈剤流路14に流れ込むことができ、ここで、希釈剤16はホイール20と接触する。先の実施形態において説明したように羽根22が流体容器を画定する実施形態では、希釈剤16はホイール20における1つ又は複数の羽根22を部分的に又は完全に満たすことができる。これらの及び他の実施形態では、ホイール20上の希釈剤16の重みによって、ホイール20が回転する。加えて、幾つかの実施形態(例えば、希釈剤源が加圧されるか、又はホイール20に接近中の希釈剤が有意な速度を得る場合)では、羽根22上の希釈剤16の衝突を用いてホイール20を駆動することができる。
【0084】
ホイール20の回転によって発電機70が駆動し、この駆動によって電気が生成する。その後、この電気を用いてポンプ62に電力を供給し、これによって、濃縮化学薬品34をリザーバ32から希釈剤16に供給する。上述したように、ポンプ62は、ホイール20を通過する一単位の希釈剤16当たりに所望量の濃縮化学薬品34を希釈剤16に供給するように、サイズ設定、構成及び動作することができる。濃縮化学薬品34はホイール20の頂部に供給され、ホイール20において希釈剤16と混合されることができるか、又は他のホイールのタイプの吐出装置の実施形態に関して上述した他の場所のいずれかに供給されることができる。ホイール20内での濃縮化学薬品34と希釈剤16との混合は、ホイール20における攪拌によって混合物内に泡を形成することができる。
【0085】
幾つかの実施形態では、吐出装置10は発電機70と電気的に通じるバッテリ(図示せず)をさらに備える。かかる実施形態では、バッテリは、ホイール20が希釈剤の流れによって回転するときに発電機70によって充電されることができる。上述したようにポンプ62を駆動するために、電力をバッテリからポンプ62へ供給することができる。
【0086】
図10及び図11は、本発明による吐出装置についての代替的な構成を示す。図10及び図11はそれぞれ、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる2つの吐出装置10を示すが、任意の数の吐出装置10を図10及び図11に示すような単区画シンク又は多区画シンク上のような所定の環境内に設置することができることに留意すべきてある。
【0087】
図10及び図11に示す吐出装置10は、単区画シンク又は多区画シンクの仕切り又は他の壁上で受けられるように構成されている。これに関して、吐出装置10は、図10及び図11に示すようなシンクの仕切り壁の上縁及び/又はかかるシンクの外壁の上縁等、かかるシンクの上縁に係止するような形状である。このため、吐出装置10の一部(例えば、幾つかの実施形態ではハウジング12、他の実施形態では取り付けプレート又はフレーム)には、吐出装置10のその部分をシンクに接続し、それによって吐出装置10をシンクに取り付ける取り付け機構が設けられる。幾つかの実施形態では、取り付け機構はシンクの壁を少なくとも部分的にまたぐ、吐出装置10のフック状部分である。フック状部分は、吐出装置10のハウジング12、フレーム、取り付けプレート又は他の構造体に接続される、吐出装置の別個の要素とすることができるか、又は吐出装置のそのような部分(複数可)(例えば、シンクの壁を受けるリセスを画定する形状であるハウジング12)によって画定されることができる。
【0088】
幾つかの実施形態では、吐出装置10のフック状部分は、一定のサイズを有する壁受け開口を画定することができる。代替的に、この開口は、吐出装置10を様々な異なる壁の厚さ及び形状を受けることを可能にするように調整可能とすることができる。このような調整可能な開口に関するさらなる情報は、本発明の他の実施形態に関して以下に示す。
【0089】
シンクの壁の上縁を受けるようになっている吐出装置10のフック状部分の代替形態として、ハウジング12は、シンクの壁の上縁に載置されてその上に支持されるような他の様式の形状とすることができる。例えば、吐出装置10はシンクの壁の上縁に載置される寸法のレッジを有する形状とすることができ、その場合、吐出装置10は上縁で平衡を保つことができる。本明細書に記載の吐出装置の実施形態のいずれかでは、他の取り付け機構を用いて吐出装置10をシンクに対して所望の位置及び場所に保持することができる。そのような取り付け機構の例として、接着剤又は粘着性結合剤、吸引カップ、面ファスナー(hook and loop fastener material)、磁石等が挙げられるがこれらに限定されない。加えて、吐出装置10の1つ又は複数の部分を受けて保持する構造体をシンク上に設けることができる。さらに、上述したように、吐出装置10(例えば、ハウジング12の一部)を蛇口に直接連結することができる。
【0090】
同じく上述したように、幾つかの実施形態では、可搬性があり、使い捨てであり、且つ/又は配管せずに設置することができる吐出装置10を設けることが非常に望ましい。したがって、本発明の幾つかの実施形態はもっぱら、解放可能であり、吐出装置10の取り外し又は移動を可能にする、シンクに対して吐出装置10を所定位置に保持する本明細書に記載の特徴を利用する。これらの実施形態の幾つかはまた、工具を使用せずにシンクからの吐出装置10の取り外し又は吐出装置10の移動を可能にする。シンクに対する吐出装置10の移動又は取り外しを可能にすることによって、工具を必要とない幾つかの場合において、ユーザの必要性(異なるシンク槽内で希釈された化学薬品を吐出する場合に、吐出装置を左利き又は右利きの個人により都合のよい場所に移動させるため、又は他の理由のため等)が生じた際に、ユーザは、吐出装置10をシンク上の異なる場所又は別のシンクに移動させることができるか、或いは保存のために、又は同じ若しくは異なる化学薬品を吐出する吐出装置との交換のために吐出装置を取り外すことができる。
【0091】
図10及び図11に示す実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる吐出装置10は、シンク上に設置されて示されている。しかし、他の用途では、吐出装置10は、本明細書に記載の構造及び環境のいずれかを含め、他の構造及び装置上に設置することができ、及びそのような他の構造及び装置と共に使用することができる。例えば、吐出装置10は、バケットに化学薬品及び希釈剤を充填するためにバケットの壁に連結することができ、床洗浄機のリザーバに化学薬品及び希釈剤を充填するためにリザーバに連結することができる等である。これらの実施形態のいずれかでは、吐出装置10は、上述したように、ボウル、チャンバー、バケット又は他のリザーバの上縁に調整可能に且つ/又は取り外し可能に連結されることができ、幾つかの実施形態では、単一の一体ユニットとして設置及び取り外しされることができる。同様に、かかる実施形態では、配管せず、工具を使用せずに又は吐出装置10をリザーバの上縁以外の任意の構造体に接続する必要なく、吐出装置の設置及び取り外しを行うことが可能である。
【0092】
リザーバの上縁への設置は、本明細書に説明し示す吐出装置10に対して特有の利点を提示するが、吐出装置10のいずれかを、幾つかの場合では単一の一体ユニットとして及び/又は配管又は工具を必要とせずに、他の構造に永久的に又は解放可能に取り付けることができることが理解されるであろう。例えば、吐出装置10は、壁、ラック又はフレームに連結されることができ、噴霧ボトル又は手持ち式のバケットのような小型容器に吐出するように構成されることができる。
【0093】
図12〜図16は、本発明による流体吐出装置のさらなる実施形態を示す。したがって、図12〜図16の実施形態と図1〜図11に関して説明した実施形態とで互いに相反する特徴及び要素は除き、図12〜図16の実施形態の特徴及び要素(並びにそれらの特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図1〜図11の実施形態に伴う上記の説明の参照を行う。
【0094】
図12〜図16に示す吐出装置10はそれぞれ、濃縮化学薬品リザーバ32として使用されるようになっている容器を備え、該容器は吐出器ハウジング12に直接連結する。つまり、ホイール20及びポンプ(図12〜図16には見られない)が吐出器ハウジング12に接続され、浸漬管(同様に図12〜図16には見られない)が、吐出器ハウジング12の下方に配置される化学薬品リザーバ32内に延び、このリザーバ32から濃縮物を引き出す。幾つかの実施形態では、吐出器ハウジング12及び化学薬品リザーバ32は、吐出器ハウジング12(又はその大部分)が濃縮化学薬品リザーバ32として使用される別個の容器内に収容されるように、異なって構成することができる。
【0095】
図12〜図16は、幾つかの実施形態では、化学薬品リザーバ32を吐出装置10の残りから分離することができる方法の幾つかの例を示す。化学薬品リザーバ32をこの方法で分離することができる機能により、幾つかの実施形態では、ユーザが化学薬品リザーバ32に同じ又は異なる化学薬品を充填することが可能となり得る。しかし、他の実施形態では、化学薬品リザーバ32を吐出装置10の残りから取り外すことができないことを確実にすることが非常に望ましい。特に、本明細書に記載の吐出装置の実施形態のいずれかでは、ユーザの濃縮化学薬品16へのアクセス機会又は曝露機会を最小限にするか又はなくすことを確実にすることが望ましいであろう。したがって、かかる実施形態では、化学薬品リザーバ32は吐出装置10の残りに永久的に取り付けられ、化学薬品リザーバ32内の、及び/又は濃縮化学薬品34が沿って流れる濃縮化学薬品の流路内の濃縮化学薬品34には吐出装置10の外側からはアクセス可能ではない。
【0096】
図12〜図16は、本明細書に説明され示される各種吐出装置10が、シンク、バケット又は他のリザーバの仕切り壁又は外壁の上縁(図12及び図13)、任意のそのようなリザーバの隅の上縁(図15)等、異なる形状を有する場所に配置されるように適合できる方法も示す。これに関して、吐出装置10の1つ又は複数の外壁は、吐出装置10が上に設置されるリザーバの上縁及び1つ又は複数の壁に合う形状とすることができる。図12〜図15を参照すると、吐出装置10は、直前に説明したように壁の上縁に係止するような形状であると共にそのように位置決めされた支持面95を有する。支持面95は、図示の実施形態に示すようにハウジング12の突起部によって画定されることができるが、吐出装置の他の部分(例えばリザーバの一部、吐出装置のフレーム又は取り付けプレート等)によって画定してもよい。
【0097】
上記では詳細に説明しなかったが、本発明の幾つかの実施形態による吐出装置は、濃縮化学薬品を様々な形態で吐出することができる。例えば、幾つかの実施形態では、濃縮化学薬品は液体状であるが、他の実施形態では、濃縮化学薬品は固体状又は粉末状である。濃縮化学薬品が固体状又は粉末状である実施形態では、様々な計量装置及び計量技法を使用することができる。
【0098】
例えば、固体濃縮化学薬品の場合、水は、重力を活用して希釈剤源から直接固体濃縮化学薬品の上を流れ、重力を活用してハウジング又は吐出装置10の他の部分から流出することができる。固体の製品は、所望の希釈率を提供するために、希釈剤16の流れに対応する所定のはやさで溶解するように選択又は配置することができる。このような場合では、希釈剤16の流れは、ホイール、バルブ、制御される開口、曲がった流体通路、流路内の迂回路等によって制御することができる。さらに、固体の製品は、ホイール上で浸透されるか又はカプセル化する(encapsulated)ことができ、所定のはやさで溶解するように選択することができる。このような場合では、固体の製品は、濃縮洗浄化学薬品、硬水軟化化学薬品等とすることができる。
【0099】
粉末化学薬品吐出の場合では、その内容全体が参照により本明細書に援用される「計量及び分配用密封装置(Metering and Dispensing Closure)」と題する米国特許出願公開第2005/0247742号明細書に示されているような分配用密封装置(dispensing closure)を駆動するようにホイール20を構成することができる。代替的に、吐出器内で制御された量の希釈剤を粉末の境界面に対して流して、所望の希釈率を希釈剤の流れに提供することができる。粉末と接触する希釈剤の量は、ホイール、バルブ、制御される開口、曲がった流体通路、流路内の迂回路等によって制御することができる。
【0100】
図17〜図21は本発明の別の実施形態による吐出装置510を示す。吐出装置510は、以下に説明すると共に図17〜図21に示す特徴と互いに相反する特徴を除き、図1〜図16の吐出装置の実施形態に関して上述した特徴のいずれかを有することができる。また、図17〜図21の吐出装置510に関して以下で説明する特徴のいずれかは、本発明の前述のポンプに利用することができる。図17〜図21に示す吐出装置510の構造及び動作(並びにその代替形態)に関するさらなる情報については、図17〜図21の実施形態に関する上記の説明の参照を行う。
【0101】
先に図17を参照すると、図示の吐出装置510は、ハウジング512に連結される濃縮化学薬品リザーバ532を備える。濃縮化学薬品リザーバ532及びハウジング512は成形、溶接、機械加工、スタンピング、プレス等による等の任意の所望の方法で製造することができる。ハウジング512は所望される任意の形状及びサイズを有することができ、任意の数の構成要素から構成されることができる。例えば、図17〜図19に示すハウジング512は、キャップ519に接続される本体517を有する。幾つかの実施形態では、本体517は、キャップ519に永久的に接続された別個の要素であり、濃縮化学薬品リザーバ532がキャップ519から外れるのを防止し、及び/又は濃縮化学薬品リザーバ532の内部に、又は、濃縮化学薬品リザーバ532から濃縮化学薬品が希釈剤と混合する場所までの濃縮化学薬品の流路に、ユーザがアクセスすることを防止する。
【0102】
図17〜図21の吐出装置もまた、希釈剤を受け取る漏斗540を備える。図17に示す漏斗540はキャップ519内に画定されるが、他の実施形態では、漏斗540(使用される場合)は、ハウジング512の他の要素によって部分的に又は完全に画定されることができる。
【0103】
上記に説明され示される吐出装置と同様に、吐出装置510は希釈剤の流れを受け取り、濃縮化学薬品リザーバ532内に保存されている希釈剤及び化学薬品を吐出する。この吐出は、部分的又は完全に混合された希釈剤及び化学薬品の流れを含み得るか、又は混合されていない(例えば下流のリザーバ内での混合のために別の出口から吐出される)希釈剤及び化学薬品を含み得る。図示の実施形態では、吐出装置510は、希釈剤(例えば水)と化学薬品との混合物を流体出口576に向けて吐出する。
【0104】
図17〜図21に図示される実施形態では、濃縮化学薬品リザーバ532及びハウジング512は、ポリマー材料から成るか又はポリマー材料を含むが、所望であれば、金属、ガラス繊維、ガラス及び他のセラミック、並びに複合材料等の他の材料を代わりに用いることができる。吐出装置510(以下で詳細に説明するポンプ、歯車、及び他の構成要素を含む)は、可搬性がある単一の一体ユニットであり、幾つかの実施形態では完全に使い捨てである。幾つかの実施形態(例えば使い捨て式の実施形態)では、化学薬品リザーバ532は、濃縮化学薬品リザーバ532への流体の導入に対してであろうと、内部の濃縮化学薬品へのユーザのアクセスに対してであろうと、ユーザのアクセスに対して閉じている。このような場合、ハウジング512は、濃縮化学薬品が吐出される出口を除き、濃縮化学薬品リザーバ532を永久的に閉じてシールするように構成することができる。
【0105】
図17〜図22に示す吐出装置510の形態をとることができる上述の吐出装置いずれかは互いに相反する特徴及び要素がないことに留意されたい。しかし、図17〜図19に示す濃縮化学薬品リザーバ532及びハウジング512(キャップ519及び本体517を含む)の形状及び構成は多くの用途において特に望ましい。この形状及び構成は、例示に過ぎないが提示されており、本発明に限定を与える意図はない。
【0106】
図17〜図21に図示される実施形態を続けて参照すると、吐出装置510はクランプアーム501を備える。上記でより詳細に説明したように、吐出装置510の幾つかの実施形態は、シンク、バケット又は洗浄機の上縁等、任意のリザーバ壁の上縁に取り付けられる。このため、吐出装置510は(図12〜図16の実施形態に関して上述したように)支持面595を有することができ、この支持面595に対してリザーバ壁の上縁が支えられ吐出装置510を支持する。上述の先の実施形態と同様に、支持面595は任意の形状を有することができ、リザーバ壁の任意の数の所望の場所で接触することができる。図17〜図19に図示のクランプアーム501は、そのようなリザーバ壁の一部に沿って延び、吐出装置510をリザーバ壁に保持するのに役立つことができる。クランプアーム510もまた、吐出装置510の一部を、該吐出装置510が取り付けられるリザーバ壁の上縁よりも下の高さ位置で支持するように位置決めされると共にそのような形状であり、それにより、リザーバから吐出される流体のはね返り又は飛び散りが低減されるか又は最小限となる。
【0107】
幾つかの実施形態では、吐出装置510のクランプアーム501は調整可能ではない。しかし、図示の実施形態におけるクランプアーム510は、異なる場所への取り付けのために吐出装置510を調整するように、吐出装置510の残りの部分に対して(特に図示の実施形態における本体512に対して)移動可能である。図18を参照すると、図示のクランプアーム501は第1の(最内)位置から第2の(最外)位置の間で移動可能であり、それらの間の多くの異なる位置に移動可能であり得る。幾つかの実施形態では、クランプアーム501は或る範囲の位置内を移動可能であるが、他の実施形態では、クランプアーム501は2つ以上の個々の位置にのみ移動可能である。
【0108】
多くの異なる機構及び要素を用いて、上述したようにクランプアーム510の調整が可能となり得る。例えば、クランプアーム510を吐出装置の残り(例えばハウジング512)に嵌合ラチェット及び爪機構によって接続することができ、その例は図17〜図19に示す。特に図18を参照すると、嵌合ラチェット及び爪機構502により、ユーザがクランプアーム510を複数の位置のいずれかにロックすることが可能となる。所望のシンク、バケット又は他のリザーバに取り付けるために、又は他の所望の場所に取り付けるためにクランプアーム510が異なる位置に摺動することができるように、ユーザがラチェット及びデテント機構502を解放することを可能にするレバー503が含まれ得る。図示されていない他の実施形態では、クランプアーム510は、一回限りのラチェット及びデテント機構又は他の使い捨てクランプ機構とすることができ、これにより、ユーザがクランプアーム510を一度だけ調整することが可能となることで、クランプアーム510を所望の位置に永久的に固定することができる。
【0109】
クランプアーム510は、それぞれ本発明の精神及び範囲内にある多くの他の方法で、ハウジング512及び/又は濃縮化学薬品リザーバ532に対して異なる位置に調整することができる。例えば、ねじ式クランプ機構、ばね付勢式ロックレバー(パイプクランプに利用されるもの等)のような従来のクランプに対する任意のタイプの調整機構を用いることができる。
【0110】
次に図19を参照すると、図示の吐出装置510は、濃縮化学薬品リザーバ532から濃縮化学薬品を吐出する歯車ポンプ505を備える。歯車ポンプ505(以下でより詳細に説明する)は、吐出装置510内で非常に望ましい特有の性能結果を与える。図示の歯車ポンプ505は、先の実施形態に関して上述した形態のいずれかをとるホイール520(図示せず)に動作可能に連結されるか、又は該ホイール520によって駆動される。図示の実施形態におけるホイールの少なくとも一部が、吐出装置510内の希釈剤流路内に位置決めされ、それにより、希釈剤の重み(幾つかの実施形態では衝突)によって、ホイール520が回転する。これに関するさらなる情報については、上記の先に説明されたホイール駆動ポンプの実施形態の参照を行う。他の図示していない実施形態では、他のポンプ駆動装置及び吐出装置510内の希釈剤の移動に応じて歯車ポンプ505に動力を供給することが可能な機構を、所望に応じて代わりに用いることができ、これは本発明の精神及び範囲内にある。
【0111】
図17〜図21に図示される実施形態における歯車ポンプ505は、卵形又は卵状の(ovular or egg-like)ポンプハウジングを有する。他の実施形態では、他の対称及び非対称のハウジング形状が可能であり、円形状、矩形状及び長円状が挙げられるがこれらに限定されない。図19〜図21における歯車ポンプ505は流体入口506及び流体出口507を有するが、歯車ポンプ505の他の実施形態では、2つ以上の流体入口506及び/又は流体出口507があり得ることに留意されたい。歯車ポンプ505はリザーバ532から、流体入口506に延びる管、パイプ又は他の導管(図示せず)を通り、流体入口506を通り、(図20及び図21における矢印Aに沿って)歯車ポンプ505の長い直径にわたって、(図20及び図21における矢印B及びCに沿って)歯車ポンプ505の周辺の少なくとも一部の周りに流れ、流体出口507から出るように、濃縮化学薬品を圧送するように動作可能である。他の実施形態では、濃縮化学薬品は、流体入口506及び流体出口507間のより真っ直ぐな経路等、ポンプハウジング549内の異なる経路に沿って導かれる。上記に説明し図21及び図22に示した経路は、歯車ポンプ505内の改善されたシールによって望ましいものとなり得る。
【0112】
特に、幾つかの流体密の歯車ポンプハウジングを、嵌合するハウジング部品間に別個のガスケット又はシールを必要とせずに構成することができるが、かかるハウジングは流体密シールが必要とされる場所に比較的高い公差が必要であることに起因して製造が困難となる可能性がある。ハウジング部品を構成するのに使用される材料及びハウジング部品のための製造方法に少なくとも部分的に応じて、本発明者らは、歯車ポンプハウジング部品の周辺で、より高い製造公差が達成され得ることを見出した。例えば、成形されたプラスチック歯車ポンプハウジング部品では、多くの場合、かかるハウジング部品の周辺をハウジング部品の他の部分よりも高い公差に保ち得る。したがって、また、図17〜図21の実施形態を参照すると、歯車ポンプハウジング549の流体密シールを画定する領域を、より高い製造公差を維持することができる同じ場所(例えば、図示の実施形態のハウジングポンプ部分549の双方の周辺領域)に配置することは、ハウジングシール及びハウジングの性能結果を向上させることになり得る。したがって、図17〜図21に図示される実施形態では、歯車ポンプ505内の流体の流れは、歯車ポンプ505の周辺の周りに位置する流体通路を貫流する。
【0113】
図19〜図21に示す歯車ポンプ505は、歯車列を形成する複数の歯車509を含む。歯車509は回転しているホイール520から動力を受け取り、歯車ポンプ505の別の歯車509に動力を伝達する。図示の実施形態では、歯車509は、ホイール520の回転速度が歯車ポンプ505の回転速度と異なり得るような異なるサイズを有する。歯車509の相対的な歯車直径と歯の速度が、ホイール520の各回転に応じて歯車ポンプ505に圧送される濃縮化学薬品の量を確定する。希釈剤に対してより高い濃度の化学薬品が望まれる場合、歯車比及び相対的な歯車直径は、より低い濃度が所望される場合よりも所定量の水に対してより濃縮した化学薬品が流れることが可能となるように選択されることができる。上述したような歯車列が、ホイール520の回転速度とは異なるポンプ入力速度を生じさせることによって著しい利点を与えることができ、他の実施形態における歯車ポンプ505の入力速度は、ホイール520が周りに回転するシャフトが歯車ポンプ505の入力に直接接続されるシャフトと同じである実施形態におけるように、ホイール520の回転速度と同じである。
【0114】
歯車ポンプ505は、少なくとも2つの噛合い歯車(図19〜図21には図示しないが、図22及び図23の実施形態に示す歯車ポンプの歯車665と同様である)の方へ吸引力を引き込むことによって動作する。これらの噛合い歯車の少なくとも1つは、上述した歯車列の歯車509によって駆動される。結果として得られる吸引力により、濃縮化学薬品が化学薬品リザーバ532から歯車ポンプ505の入口506に引き込まれ、その場合、濃縮化学薬品は、上記でより詳細に説明したように、歯車ポンプ出口507に向かって移動する。
【0115】
選択される歯車509及びホイール520のサイズに少なくとも部分的に基づいて、濃縮化学薬品に対する希釈剤の非常に正確な比率が可能となる。例えば、1:50、1:500及び1:2500の化学薬品と希釈剤との比率が試験中に一貫していると共に繰り返し可能である。これらの比率は製造中に設定されることができ、それによって、所定数の所望の濃度(例えば、1つ又は2つ)を有する所定の濃縮化学薬品がいずれかの又はいずれもの所望の濃度で販売されることができる。
【0116】
上述され図19〜図21に示されている歯車ポンプ505、及び同様に上述されているような吐出装置510内のかかるポンプ505の使用によって、非常に小さな希釈率が高い精度及び正確さで達成されることができる。幾つかの実施形態では、歯車ポンプ505は、希釈剤に対する濃縮化学薬品の比率が約1:256以上で濃縮化学薬品を吐出する或る割合で駆動される。他の実施形態では、歯車ポンプ505は、希釈剤に対する濃縮化学薬品の比率が約1:500以上で濃縮化学薬品を吐出するように或る速度で駆動される。さらに他の実施形態では、歯車ポンプ505は、希釈剤に対する濃縮化学薬品の比率が約1:1800以上で濃縮化学薬品を吐出するように或る速度で駆動される。しかし、本発明者らは、希釈剤に対する濃縮化学薬品の比率が約1:2500以上で濃縮化学薬品を吐出する歯車ポンプ駆動速度が、幾つかの用途では非常に望ましいことを見出した。
【0117】
上記の希釈率は、吐出装置510を通る希釈剤の多くの異なる流量で達成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、希釈剤は1分当たりに少なくとも約0.5ガロン、及び1分当たり約10ガロン以下の流量で吐出装置510を流れることができる。代替的に、本発明の幾つかの実施形態は、1分当たりに少なくとも約2ガロン、及び1分当たりに約8ガロン以下の希釈剤流量で動作する。他の実施形態では、希釈剤は1分当たりに少なくとも約3ガロン、及び1分当たり約7ガロン以下の流量で吐出装置510を流れることができる。
【0118】
このような少量の濃縮化学薬品が吐出装置510の通常動作で吐出される場合、所定量の洗浄流体を製造するのにこれまで可能であったよりも少ない容積の化学薬品濃度しか必要とされない。幾つかの実施形態では、化学薬品リザーバ520は少なくとも約0.5リットル保持する。他の実施形態では、化学薬品リザーバ520は少なくとも約1リットル保持する。さらに他の実施形態では、化学薬品リザーバ520は少なくとも約1.5リットル保持する。また、幾つかの実施形態では、化学薬品リザーバは最大2.0リットル保持するが、他の実施形態では、例えば最大5リットル〜10リットルを保持するより大きな化学薬品リザーバが可能であり、それでもなおユーザが吐出装置510を持ち運ぶことが可能である。
【0119】
図17〜図21に図示される実施形態では、化学薬品リザーバ532からの濃縮化学薬品がホイール520に隣接した場所に圧送される。濃縮化学薬品はホイール520において希釈剤と共に攪拌され、これにより、起泡又は発泡(石けん及び他の洗浄用製品の吐出等の多くの用途において望ましい)がもたらされ得る。他の実施形態では、濃縮化学薬品は、吐出装置510における希釈剤との混合のために任意の他の場所(例えばホイール520の下又は脇)に、又は希釈剤の出口から離れた吐出装置510の出口にさえも圧送される。しかし、多くの場合、出口538等を介して、吐出アセンブリ510を出る前に、希釈剤及び濃縮化学薬品を少なくとも部分的に混合することが望ましい。この吐出前混合作用により、吐出アセンブリ510からの濃縮化学薬品とユーザが接触することを阻止又は防止することができる。
【0120】
図22〜図24は、本発明の別の実施形態による歯車ポンプ605を有する吐出装置610を示す。吐出装置610は、上記に説明され示される形状のいずれかをとることができる。図17〜図21の実施形態に関して上述した歯車ポンプと同様に、図22〜図24に示す歯車ポンプ605は、互いに相反しない、本明細書に説明され及び/又は示される吐出装置の実施形態のいずれかにおいて利用されることができる。図22〜図24において示す歯車ポンプ605は、上述の歯車ポンプ505に多くの点で類似している。したがって、図22〜図24の実施形態と図17〜図21の実施形態とで互いに相反する特徴及び要素を除き、図22〜図24の実施形態の特徴及び要素(並びにそれらの特徴及び要素の代替物)のより完全な説明については、図17〜図21の実施形態に伴う上記の説明の参照を行う。図17〜図21の実施形態における特徴及び要素に対応する図22〜図24の実施形態における特徴及び要素は、600番台の参照符号で番号が付されている。
【0121】
図22〜図24に示す歯車ポンプ605は流体入口606及び流体出口607を有するが、2つ以上の流体入口606及び/又は流体出口607が歯車ポンプ605の他の実施形態において存在し得ることに留意されたい。歯車ポンプ605はホイールに駆動可能に連結される(図22には示されていないが、先の実施形態に関して上述した特徴のいずれかを有すると共に上述した方法のいずれかで接続される)。
【0122】
歯車ポンプ605は、化学薬品リザーバ(図示されていないが、先の実施形態に図示され説明されている化学薬品リザーバのいずれかと同様である)から濃縮化学薬品を、図24の矢印Dで全体的に示す流路に沿って、入口606を介し、一対の噛合い歯車665を介し、出口607に向かって引き込む。歯車ポンプ605を介する流路は、幾つかの実施形態では歯車ポンプ605の入口606及び出口607間に延びる歯車ポンプハウジング659内の細長い通路によって少なくとも部分的に画定され得る。噛合い歯車665は、このようにして濃縮化学薬品を圧送する吸引を生じさせるために、上述の方法のいずれかでホイールの回転によって駆動される。図22に図示される実施形態では、濃縮化学薬品は出口607からホイールの下の場所に吐出され、その結果、吐出装置610から出る希釈剤と濃縮化学薬品との混合物の発泡が低減するか又はなくなる。図示されていない他の実施形態では、吐出装置610内の濃縮化学薬品の吐出場所により、ホイール上へ又はホイールの上部に隣接して濃縮化学薬品の吐出がもたらされ、それにより、幾つかの実施形態では発泡がもたらされる。いかなる場合でも、吐出装置610内の所望のどこかに濃縮化学薬品を吐出する必要に応じて、或る長さの管、パイプ又は他の導管が歯車ポンプ605の出口607から延びることができる。
【0123】
図22〜図24に図示の歯車ポンプ605を使用しての希釈剤に対する濃縮化学薬品の希釈率は、歯車ポンプ605及び歯車ポンプ605を駆動するホイールの回転の相対速度によって確定される。この比率は幾つかの実施形態では、流体圧送用歯車665を駆動する歯車(例えば、図17〜図21の実施形態における歯車509のような駆動歯車を使用するか、又は上述の先の実施形態における他の駆動歯車アセンブリのいずれかを使用する)の相対的な直径及び速度によって少なくとも部分的に確定され得る。また、歯車ポンプ605が接続されるリザーバによって保持される濃縮化学薬品の量は、上述の量のいずれかと同じ又は同様とすることができる。
【0124】
図22〜図24に示す歯車ポンプ605を続けて参照すると、図示の歯車ポンプ605は、ポンプハウジング649の2つの異なる部分605’、605’’間で受け取られるシール611を有する。図22〜図24に図示される実施形態におけるシール611は、噛合い歯車664を通る流体密通路と噛合い歯車664から延びる流体通路669を保証するための、歯車ポンプハウジング部分605’、605’’間で圧縮される材料層である。幾つかの実施形態では、シール611は、直前に延べた流体密シールをもたらすように耐圧縮性を与える弾性発泡ガスケット層である。所望であれば、シール611は平滑な低摩擦材料層(例えばTEFLON(登録商標)ブランドの合成樹脂等)を含むことができる。
【0125】
シール611は、図24に示すように歯車ポンプハウジング部分605’、605’’間に位置決めされることができ、歯車ポンプハウジング部分605’、605’’の要素を嵌合することによってその間で圧縮されることができる。図示の実施形態では、例えば、歯車ポンプハウジング部分605’、605’’は、歯車ポンプハウジング部分605’、605’’の相対回転によって歯車ポンプハウジング部分605’、605’’を共に連結及び圧縮するように係合する複数の嵌合ランプ及び突起の組613及び615を有する。任意の数のかかる嵌合ランプ及び突起の組を用いて、この機能を行うことができる。このようにして歯車ポンプハウジング部分605’、605’’で圧縮されると、シール611は、歯車ポンプ605の入口606及び出口607間に流れる濃縮化学薬品のための流体密通路(例えば液密)を提供することができる。
【0126】
図示の実施形態における嵌合ランプ及び突起の組613、615は、シール611を圧縮すると共に2つの歯車ポンプハウジング部分605’、605’’間の余分なスペースを塞ぐために予荷重を与えることができ、それにより、本来は他の歯車ポンプの設計において許容可能であろうよりも大きな範囲の製造公差にもかかわらず、流体密通路を確定する。比較的大きな製造公差及び低い製造コストを有する単純で確実な流体密の歯車ポンプ611を製造することができる能力を提供することの他に、図22〜図24に示す歯車ポンプ設計により、工具を使用せずに歯車ポンプ605の分解を可能にする(例えば、幾つかの実地形態では、ランプ及び突起の組613、615の係合を解除するために単に歯車ポンプハウジング部分605’、605’’間を相対回転させることによる)。
【0127】
上述のように、本明細書に説明され示される吐出装置の実施形態のいずれかは、希釈剤との混合のために化学薬品リザーバから濃縮化学薬品を引き出すのに歯車ポンプを用いることができる。代替的に、この機能を果たすのにピストンポンプを用いることができる。図25及び図26は、本発明の一実施形態によるこのようなポンプ723を示す。このピストンポンプ723は、本明細書に説明され示される吐出装置の実施形態のいずれにも利用することができる。
【0128】
図示のピストンポンプ723は、入口725、該入口725にある、又は該入口725に関連付けられる入口バルブ729、出口745、該出口725にある、又は該出口725に関連付けられる出口バルブ747、ピストン735、及び入口725と流体連通するポンプチャンバー733を有する。入口バルブ729及び出口バルブ745はそれぞれ、ボールバルブ、チェックバルブ、アンブレラバルブ、ダックビルバルブのような任意の適した逆止め弁とすることができる。入口バルブ749及び出口745は、所望に応じて同じタイプ又は異なるタイプのものとすることができる。幾つかの実施形態では、通常開いているアンブレラバルブを入口バルブ729に用いて、濃縮化学薬品を入口725を介してポンプチャンバー733に実質的に制約されずに流すことが可能であり、その一方、濃縮化学薬品が入口725から逆方向に流れることを防止する。また、幾つかの実施形態では、通常開いているアンブレラバルブを出口弁747に用いて、ポンプチャンバー733から出口745を通って濃縮化学薬品を実質的に制約されずに流すことが可能であり、その一方、出口745からポンプチャンバー733への逆流を防止する。
【0129】
図25及び図26に示すポンプチャンバー733の容積をピストン735の移動によって変更することができる。このピストン735はポンプチャンバー733内の濃縮化学薬品を入口725を介して引き出して、化学薬品流体をそこから出口745を介して押し出すようにポンプチャンバー733内で移動可能である。図示の実施形態のピストン735は、歯車列739の歯車709に接続されるクランクアーム783によってポンプチャンバー733内で移動する。クランクアーム783は、歯車709からの回転運動をポンプチャンバー733内のピストン735の直線又は実質的に直線の運動に伝達するために歯車709の一方に偏心して接続されることができる。歯車709は、本明細書に記載の構成のいずれかを有するホイール(図示せず)に連結することができ、そのため、上述の方法のいずれかでホイールの回転に応じて歯車709が回転する。歯車709が回転する際、クランクアーム783がポンプチャンバー733内で一方向にピストン735を移動させて、濃縮化学薬品を入口725に引き出し、ポンプチャンバー733内で反対方向において出口745の外に濃縮化学薬品を押し出す。他のタイプのピストン及びチャンバーの形状及び構成並びにピストン移動がこれらの機能を果たすことが可能であり、これらの全ては本発明の精神及び範囲内にあることに留意されたい。また、他の実施形態では、ピストン735は、減速歯車列又は非減速歯車列を介するのではなく、ホイールに直接連結されるクランクアーム783によって駆動されることができる。
【0130】
幾つかの実施形態では、図25に示す実施形態のように、ピストンポンプ723に初めに呼び水をし、及び/又はポンプチャンバー733を介して或る用量の濃縮流体を手動で吐出するために手動式ピストン757を備えることができる。例えば、ピストンポンプ723の初めの使用の間、ポンプチャンバー733内に向けて濃縮化学薬品を引き出すように繰り返し的又は持続的に吸引力を加える必要がある場合がある。別の例として、より勢いのある洗浄流体が或る用途に必要とされる場合等、吐出装置の通常動作下で他の場合(例えばホイールの回転による)に吐出されるであろうより多い濃縮化学薬品を希釈剤流にユーザが手動で吐出することが望ましい場合がある。手動式ピストン757は、ユーザがいずれか又はいずれもの機能を行うことができる便宜的な方法を提供する。図示の実施形態の手動式ピストン757は、上述のようにクランクアーム783によって駆動されるピストン735とは独立して移動可能であり、ユーザがホイール動作とは独立してピストンチャンバー733の圧力、又は他のピストン735の位置若しくは移動を制御することができる魅力的な方法を提供する。
【0131】
手動式ピストン757は、ボタン797、又は吐出装置の外側からユーザがアクセス可能な他の手動アクチュエータに接続されるか又はそれらを画定することができる。ボタン797は、幾つかの実施形態ではばね付勢されることができ、十分な濃縮化学薬品がピストンポンプ723に引き出されてピストンポンプ723に呼び水をするまで、一回又は複数回作動することができる。これに関して、ボタン797の作動により、化学薬品リザーバからの濃縮化学薬品が入口725を介して引き出される。この作動を用いて、空の又は部分的に空のポンプチャンバー733を(呼び水のために)初めに充填することができるか、又は希釈剤流に向かって出口744を介して1つ又は複数の追加用量の濃縮化学薬品を(直接であろうと、図26に示す導管759等、管、パイプ、チャネル又は他の導管を介すのであろうと)提供する。図25及び図26に図示される実施形態では、手動式ピストン757は空のポンプチャンバー733に呼び水するために約10秒以内で作動させることができるが、これより早いか又は遅い呼び水時間も可能である。幾つかの実施形態では、ピストンポンプ723は、製造中(例えば、濃縮化学薬品又は他の流体を部分的に又は完全に充填されている)に呼び水をすることができるが、他の実施形態では、ピストンポンプ723は初めのユーザによって呼び水をされ得る。
【0132】
幾つかの実施形態では、ピストンポンプ723は、吐出装置の外側での濃縮化学薬品の漏洩を防止するために化学薬品リザーバ(図示せず)の上及び/又はその内部にバルブ729及び747のいずれか又は双方が配置されるように位置決めされると共に方向付けられている。かかる実施形態では、ピストンポンプ723が製造中及び出荷前に呼び水をされる場合であっても、濃縮化学薬品の漏洩を防止することができる。また、入口バルブ729及び/又は出口バルブ747は、バルブ729、747のいずれか又は双方をポンプチャンバー733から流れる流体に対して閉じた状態に保持する予荷重力を有することができる。幾つかの実施形態では、入口バルブ729は、入口バルブ729を閉じた状態に保持する比較的小さな予荷重力(例えば約0.5psi)を有することができ、出口バルブ747は、出口バルブ729を遮断した状態に保持するより大きな予荷重力(例えば約3psi)を有することができる。これらの予荷重力は、ポンプ723に流入する流体にほとんど抵抗を与えないが、ポンプ723から流れ出る流体にはより大きな抵抗を与え、したがって、梱包、出荷、貯蔵、開梱及び設置の際にポンプ723からの濃縮化学薬品の漏洩の阻止に役立つことができる。また、入口バルブ729の予荷重と出口バルブ747の予荷重とのバランスにより、特にピストンポンプ723によって圧送され得る流体の様々な粘度に鑑みて、動作中に適切な圧力がチャンバー733に生じることが可能となり得る。他の入口バルブの予荷重力及び出口バルブの予荷重力(例えば、バルブ729、747のいずれかについて0.5psi未満〜3psiよりも大きい予荷重力)が可能であること、及び、幾つかの実施形態では、いずれか又は双方の入口バルブ及び出口バルブは予荷重力を有し得ないことに留意されたい。上記に提示されたバルブの予荷重値は例示としてのみ示され、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0133】
図27及び図28は、水又は他の希釈剤との混合のために化学薬品リザーバから化学濃縮物を圧送する、本明細書に説明され示されている吐出装置のいずれかにおいて利用することができるポンプの代替的な実施形態を示す。先に図27を参照すると、ホイール820によって駆動される歯車ポンプ871が示されている。歯車ポンプ871は、ホイール820の回転に応じて回転するウォームギヤ又はスクリュー873(以下ではまとめてスクリュー873と呼ぶ)を含むことができる。ホイール820は、先の実施形態に関して上述した方法のいずれかでホイール820にかかる希釈剤の重み及び/又は衝突によって回転する。ホイール820は、スクリュー873に連結されてホイール820と同じ速度でスクリュー873を駆動することができるか、又は本明細書に記載の方法のいずれかで1つ又は複数の歯車(図示せず)を介して異なる速度でスクリュー873を回転させることができる。歯車のサイズ及び数によって、ホイール820の所定の回転数に応じて解放された濃縮化学薬品の量を少なくとも部分的に確定することができる。
【0134】
ウォームギヤ873は、ポンプチャンバー877に向かって濃縮化学薬品を引き出すように入口875に隣接して位置決めされることができる。濃縮化学薬品がポンプチャンバー877に導かれると、ポンプチャンバー877内に圧力が生じ、バルブ879に対して濃縮化学薬品を付勢する。バルブ879は、ボールバルブ、チェックバルブ、ダックビルバルブ、アンブレラバルブ、2部品蝶番弁等の任意の適した通常閉じている逆止弁とすることができる。閾値圧力に達すると、バルブ879が開くように付勢されて、濃縮化学薬品がバルブ879を通過して吐出のためホイール820に向かうことを可能にする(又は、他の実施形態では、吐出装置の他のところでの吐出のために適した導管を介する)。幾つかの実施形態では、図27に示すばね881等の付勢要素を用いて、バルブ879を閉位置の方へ付勢することができる。他の実施形態では、使用するバルブ879のタイプに応じて、付勢要素はバルブ879によって与えられる固有の予荷重があるために必要とされない。
【0135】
本明細書に説明され示されている吐出装置の実施形態のいずれかにおいて用いることができる別のポンプが、図28に示されている。図28に示すポンプ987は蠕動ポンプ987であり、ホイール920に連結され、矢印Fで示す概ねの方向の希釈剤の流れを受け取って、ホイール920を回転させる。ホイール920は、直接(回転速度の変化を伴わない)であろうと、1つ若しくは複数の歯車又は他の機械動力伝達要素(回転速度の変化を伴う場合がある)によるものであろうと、本明細書に記載の方法のいずれかで蠕動ポンプ987の回転子991に駆動可能に接続されることができる。ホイール920の回転によって、図28の矢印Gで示す方向に回転子991が回転する。先の実施形態で上述したように、ホイール920が回転子991に駆動可能に連結される方法によって、濃縮化学薬品吐出の割合、及び、その結果として得られる濃縮化学薬品の希釈率を、ポンプ987の速度によって少なくとも部分的に確定することができる。図28に示す回転子991は2つのローラ993を有し、該ローラ993は、弾性及び可撓性導管(図示せず)をプレスして、矢印Hで示す方向に導管に沿って流体を移動させる。図28に示す蠕動ポンプ987は、ホイールの回転(複数可)毎に濃縮化学薬品の繰り返し可能に吐出される量を生成させることができ、本明細書に説明され図示される他のポンプの魅力的な代替形態として機能することができる。
【0136】
本明細書に説明され示されている吐出装置の実施形態のいずれかを含む、本発明の幾つかの実施形態では、吐出装置に入って共にホイールに導入される希釈剤の慣性作用を制御又は制限することが望ましいであろう。例えば、吐出装置に供給される流体の圧力(したがって、幾つかの実施形態ではホイールに供給される流体の圧力)は、環境に応じて様々とすることができ、それにより、幾つかの実施形態ではホイールの速度に影響を及ぼす。例えば、幾つかの領域では、水は例えば1分当たり6ガロン以上で、配管した蛇口から流出してもよく、他の領域では、この流量は例えば1分当たり0.5ガロン以下ほどの低さであってもよい。希釈剤源からの流体圧力が十分な成果ではない場合であっても、吐出装置に入る希釈剤によって得られる慣性は、幾つかの実施形態ではホイールの速度に影響を及ぼす可能性がある。例えば、蛇口と化学薬品吐出装置との高さの違いは、例えば1インチ(約2.54センチメートル)又は2インチ(約5.08センチメートル)ほどの小ささから16インチ(約40.64センチメートル)以上ほどの大きさまでの範囲とすることができる。
【0137】
本発明の幾つかの実施形態では、本明細書に説明され示される吐出装置のいずれかに、以下でより詳細に説明するようなバッフルを設けることができる。このバッフルを用いて、吐出装置に入る希釈剤の速度を制御又は制限することができ、それにより、水の重みがホイールの回転及び濃縮化学薬品の吐出を生じさせる主要な力又はもっぱら実質的な力となることが可能となる。このようにして、希釈剤への化学薬品の供与精度を著しく高めることができる。この精度は、調理用及び食事用器具、床、及びバスルームの洗浄、並びに他の用途に許容可能な混合物を規制する規準に従うことが多くの設備での必要性に基づき望ましい。弱すぎる(希釈剤が多すぎる)又は強すぎる(化学薬品が多すぎる)混合物は規準要件を満たしていない可能性がある。以下に説明すると共に図29〜図34Bに図示されているバッフルは、上述したように希釈剤源の圧力及び高さ等、吐出装置に対する希釈剤の流れの運動エネルギーを著しく変え得る要因にもかかわらず、濃縮化学薬品の供与を一定に保つのに役立つ。
【0138】
図29は、先に説明した吐出装置のいずれかに連結することができるキャップ1100を示す。キャップ1100は、漏斗を画定するか又は漏斗に連結することができ、幾つかの実施形態では、吐出装置の本体若しくは他の部分、及び/又は濃縮化学薬品リザーバ(図示せず)に連結することができる。キャップ1100には、複数の開口1120、1124が貫通している、バッフル1104が設けられている。図示のバッフル1104は第1の部分1108、第2の部分1112及び第3の部分1116を有し、それぞれ、複数の開口1120が第1の部分1108及び第3の部分1116を貫通し、複数の概してより小さい開口1124が第2の部分1112を貫通している。はね返り又は飛び散りを制限するために、図示のバッフル1104は概して形状が凹状であり、そのため、第2の部分1112が第1の部分1108及び第3の部分1116よりも低い高さに位置決めされるようになっている。この凹状構成には、図29〜図32に最良に図示されている。
【0139】
吐出装置に接近中の希釈剤は、バッフル1104によって減速及び/又は分割される。図29及び図30に示す実施形態等の実施形態では、希釈剤は次いで、バッフル1104の下に位置決めされている吐出装置の漏斗1140内に捕捉されることができる。その後、希釈剤の重み(又は希釈剤の位置エネルギー)によって濃縮化学薬品の吐出のためにホイールの回転を生じさせることができ、ホイールの回転時に希釈剤速度の影響が低減するか又はなくなる。
【0140】
バッフル1104に図示される構成では、開口1124は、開口1124に向かって鉛直方向に下方(幾つかの用途ではバッフル1104に対する希釈剤の流れの共通の向き)に導かれる希釈剤の分裂及び/又は減速を向上させるように開口1120よりも小さい。バッフル1104の第2の部分1112の開口1124のサイズがより小さいことにより、希釈剤の多くをそらすことによって希釈剤の流れの速度を制限することができる。図示のバッフル1104の第1の部分1108及び第2の部分1116における開口1120がより大きいことにもかかわらず、第1の部分1108及び第3の部分1116は、第2の部分1112の平面に対して鋭角で向いている。したがって、より大きい開口1120もまた、幾つかの用途では他の場合には直接鉛直方向に下方に流れるであろう希釈剤をそらすことによって希釈剤の流れの速度を制限するのに効果的である。
【0141】
上述の希釈剤の流れの分裂及び速度制限の機能を果たしつつもなお、バッフル1104の他の配置及び構成が可能である。例示に過ぎないが、バッフル1104は必ずしも上述したような3つの部分1108、1112、1116を有する必要はなく、代わりに、同じ又は異なる開口サイズを有する任意の数の部分(例えば、2つの非平行で交わる部分、ボウル形状を画定する4つ以上の部分等)を有することができる。また、凹状バッフル1104が著しい利点を提供し得るが、他の形状を有するバッフル1104を代わりに用いて、吐出装置への希釈剤の流れを効果的に分裂及び減速させることができる。例えば、バッフル1104は実質的に平坦とすることができるか、又は接近中の希釈剤の流れに対し実質的に凸状を呈する第1の部分、第2の部分及び第3の部分を有することができる。さらに、幾つかの実施形態によるバッフル1104は、所望に応じて任意の数の開口を有することができる。
【0142】
図29〜図32に示すバッフル1104は、図29及び図30におけるキャップ1110上に設置されて示されている。幾つかの実施形態では、バッフル1104はキャップ1100上に取り外し可能に設置されることができるか、又はキャップ1100と一体的に形成されることができる。バッフル1104は、同じキャップ1100を有しない吐出装置内に設置されることができ、その場合、バッフル1104は希釈剤の供給源とホイール(又はホイールに至る流体通路)との間の任意の場所、吐出装置の本体又はフレーム上、ホイールの上流の漏斗口内又は漏斗口の上等に設置されることができることにも留意されたい。
【0143】
本発明の別の実施形態によるバッフル1204を図33に示す。図示のバッフル1204は漏斗1240及びキャップ1200の下部に位置決めされ、漏斗1240に永久的に接続される。バッフル1204は漏斗1240及び/又はキャップ1200に、接着剤又は粘着性結合剤、溶接、機械的ファスナー等の任意の所望の方法で連結されることができる。他の実施形態では、バッフル1204は漏斗1240及び/又はキャップ1200から取り外し可能である。また、他の実施形態では、バッフル1204は、希釈剤の流れを分裂及び減速させるように(例えば、漏斗1240及びキャップ1200の下部に)位置決めされるが、代わりに永久的に又は解除可能に、本体、フレーム等、吐出装置の別の部分、又は化学薬品リザーバ(図示せず)に接続される。
【0144】
流入する希釈剤を分裂及び減速させるのに使用することができる他のタイプのバッフルが可能であり、これは本発明の精神及び範囲内にある。例えば、図34Aを参照すると、複数のバッフル1350が漏斗1340に設けられ、漏斗1340の内表面に沿って散在することができる。幾つかの図示されていない実施形態では、バッフル1350は漏斗1340の長さに沿って規則的なパターンを形成するが、他の実施形態では、バッフル1350は漏斗1340の長さに沿って不規則に位置決めされる。他の実施形態では、漏斗1340には、希釈剤が漏斗1340にさらに流れることを可能にする前に或る量の希釈剤を受け取るための任意の形状及び深さのリセスが設けられ得る。これらのリセスは、漏斗1340を通過する希釈剤を分裂及び減速させるように機能することができる。
【0145】
本発明の各種吐出装置に導入される希釈剤を分裂及び減速させるために、さらに他の装置及び要素がある。幾つかの実施形態では、希釈剤は、希釈剤の速度を制限するように1つ又は複数のリザーバ内に回収されることができ、その後、リザーバが十分に充填された後でリザーバの最下部よりも上に位置する開口に流れ込むことができる。例えば、図34Bの概略図を参照すると、希釈剤は漏斗1340に流れ込み、矢印1365で示すように漏斗1340内の開口1360から出る。このようにして、開口1360から流れ出る希釈剤の速度は比較的一定の位置エネルギー及び制限された運動エネルギーを有し得るため、希釈剤の速度を調整することができる。さらに、1つ又は複数のさらなるリザーバは、開口1360を流れる希釈剤を受け取るように位置決めされることができ、漏斗1340及び開口と同じように又は同様に機能することができる。したがって、希釈剤は、速度が制限された状態でホイール(図示せず)に向かって次第に下降することができる。
【0146】
さらに他の実施形態では、希釈剤は、(希釈剤の速度及び衝突とは対照的に)希釈剤の重みに応じて開くことが可能な開口を有する構造体内に収容されることができる。例えば、スリット又は他の同様の開口を有する変形可能な弾性膜に希釈剤の所定の重みが達すると該膜が開くことができる。しかし、他の場合には、弾性膜は希釈剤の衝突に応じて実質的に不動のままであり得る。このような速度リミッタの一例は図34Cに示されている。図示の漏斗状膜1340は、希釈剤の十分な重みに応じて図示のように撓むことができる複数の弾性フィンガ1370を含む。
【0147】
さらに他の図示されていない実施形態では、希釈剤はホイールに達する前に、希釈剤を減速するように曲がった通路に導かれる。この曲がった通路はバッフル又は上述の他の速度制限装置のいずれかの上若しくは下に位置決めされることができるか、又はかかるバッフル若しくは速度制限装置を必要とせずに用いることができる。
【0148】
本明細書に説明され示される吐出装置のいずれかと共に用いることができる別の装置が図35〜図37に示されている。このフード1400は吐出装置のキャップ又は他の部分に設置されるか又はそれらによって画定されることができ、吐出装置に永久的に又は取り外し可能に取り付けられることができる。フード1400は、希釈剤がキャップ1100及び漏斗(使用される場合)に入る際に希釈剤のはね返りを制限することができる。フード1400はまた、速度リミッタをまだ流れていない任意の量の希釈剤を収容することができる。図示のフード1400は、該フード1400の上部付近に開口1405を含む。複数のかえし(barb)1410が含まれ、キャップ1100に向かって開口1405から下方に延びることができる。開口1405及びかえし1410はホースを受けることができるか、又は吐出装置のはね返り又は過充填を阻止することができる。
【0149】
図示のフード1400は、キャップ1100にスナップ嵌めされる一体部品である。幾つかの実施形態では、フード1400はキャップ1100に取り外し可能に連結され、幾つかの実施形態では、フード1400はハンドル1415に対し持ち上げることによって、キャップ1100から取り外すことができる。他の実施形態では、フード1400はキャップ1100に又は吐出装置の他の部分に取り外し不可能に固定される。取り外し可能なフード1400を含む実施形態では、フード1400は、開口1405が提供する入口領域よりも大きな入口領域を必要とする供給源からの水の流れを保存又は受け取るために取り外すことができる。フード1400はプラスチック又は金属等の任意の弾性材料から成ることができる。
【0150】
図35〜図37に示すように、図示のフード1400は実質的に円錐状の形状を有する。しかし、他の図示されていない実施形態では、フード1400は、矩形状、正方形状、卵状又は任意の他の規則的な若しくは不規則的な形状を有することができる。
【0151】
上述したと共に図面に示されている実施形態は、例示としてのみ提示され、本発明の概念及び原理に対する限定として意図されていない。したがって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、複数の要素と、それらの要素の構成及び配置との様々な変更が可能であることを、当業者は理解するであろう。例えば、幾つかの実施形態において吐出器を通る濃縮物の流れを制御するために回転計量装置が利用される。幾つかの実施形態では、吐出開口を選択的に遮断する往復運動部材のような他の非回転構造体を使用することができる。他の実施形態では、1つ若しくは複数のポンプ又は他の計量装置を利用することができる。例えば、同じ化学薬品の異なる希釈率を提供するために2つのポンプを構成又は駆動することができる。代替的に、追加の化学薬品を吐出するために、追加のポンプを、これらの化学薬品を収容する追加の化学薬品リザーバと連通させることができる。追加の化学薬品は、同時に、連続して、又は選択的に吐出することができる。
【0152】
本発明の或る特定の特徴及び要素に対する様々な代替形態が、本発明の特定の実施形態を参照して説明される。相互排他的な又は上述した各実施形態と相反する、特徴、要素、及び動作方法を除き、特定の一実施形態を参照して説明される代替の特徴、要素、及び動作方法は他の実施形態に適用可能であることに留意されたい。
【0153】
本発明の様々な特徴が以下の特許請求の範囲内に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を希釈剤に吐出すると共に、リザーバ壁の上縁に設置される可搬式流体吐出装置であって、
希釈剤が流れ込む入口と、
希釈剤が前記吐出装置から流れ出る出口と、
希釈剤が前記入口から前記出口へ流れるのに沿う流路と、
複数の羽根を有するホイールであって、前記ホイールの少なくとも一部が前記流路内に配置されるホイールと、
流体リザーバと、
前記ホイールに連結されると共に前記流体リザーバと流体連通するポンプであって、前記ホイールの回転に応じて前記流体リザーバから流体を圧送するように動作可能なポンプと、
前記リザーバ壁と接触するように位置決めされ、前記リザーバ壁の前記上縁に前記吐出装置を支持する支持面とを備え、
前記入口、前記出口、前記ホイール、前記流体リザーバ、前記ポンプ及び前記支持面は、工具を使用せずにリザーバ壁に取り外し及び取り付けが可能な可搬式ユニットを画定する、可搬式流体吐出装置。
【請求項2】
異なるサイズのリザーバ壁を受ける異なる位置に調整可能なアームをさらに備える、請求項1に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項3】
突起を有するハウジングをさらに備え、前記支持面は、前記リザーバ壁における前記装置の設置位置での前記突起の下向き面である、請求項1に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項4】
前記ポンプは第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分と、前記第1のハウジング部分及び前記第2のハウジング部分間で圧縮される圧縮性弾性材料のシートとを含む歯車ポンプである、請求項1に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項5】
前記第1のハウジング部分及び前記第2のハウジング部分は、前記シートに加えられる圧縮量を変えるように互いに対して回転可能である、請求項4に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項6】
前記ポンプはポンプチャンバーと、前記ポンプチャンバー内の流体を圧送するように前記ホイールによって駆動される第1のピストンと、前記ポンプチャンバー内の流体を圧送するように前記第1のピストンに対して独立的に手動で動作可能な第2のピストンとを有するピストンポンプである、請求項1に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項7】
前記流体リザーバは前記可搬式流体吐出装置の外側の場所から前記流体リザーバの内部へのアクセスに対して永久的にシールされる、請求項1に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項8】
前記ポンプからの流体は前記ホイールに供給される、請求項1に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項9】
前記ホイールの各回転は、前記流路に沿って前記ホイールを通る希釈剤の量及び前記流体リザーバから圧送される流体の量に対応し、且つ
前記ホイールの回転毎に前記流体リザーバから圧送される前記流体の量と、前記ホイールの回転毎に前記ホイールを通る前記流体の量との比は、少なくとも約1:500である、請求項1に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項10】
前記比は少なくとも約1:1800である、請求項9に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項11】
前記比は少なくとも約1:2500である、 請求項9に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項12】
前記入口の上流にバッフルをさらに備え、前記バッフルを介して希釈剤が前記入口に流入する、請求項1に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項13】
前記ホイールと前記ポンプとの間で前記ホイールと前記ポンプに連結され、前記ポンプを前記ホイールの速度とは異なる速度で駆動する、歯車列をさらに備える、請求項1に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項14】
流体を希釈剤に吐出する使い捨て式流体吐出装置であって、
ハウジングと、
希釈剤を前記使い捨て式吐出装置内に通す希釈剤流路と、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置されると共に、前記希釈剤流路に沿って流れる希釈剤によって駆動されるホイールと、
或る量の流体を保持するリザーバであって、前記リザーバは前記使い捨て式吐出装置の外側からのユーザによるアクセスに対して永久的にシールされる、リザーバと、
前記リザーバ内の流体と流体連通し、前記ホイールに連結されると共に前記ホイールの回転によって駆動されるポンプとを備え、
前記ハウジング、前記ホイール、前記リザーバ及び前記ポンプは、工具を使用せずに単一の一体ユニットとして取り外し可能に且つ使い捨て式に設置される可搬式構造体を画定する、使い捨て式流体吐出装置。
【請求項15】
異なるサイズを有する構造体に前記吐出装置を取り付けるように異なる位置に調整可能なアームをさらに備える、請求項14に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項16】
前記ハウジングは、前記装置の設置位置に前記装置を支持する下向き支持面を有する突起を含む、請求項14に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項17】
前記ポンプは、第1の歯車ポンプハウジング部分及び第2の歯車ポンプハウジング部分と、前記第1の歯車ポンプハウジング部分及び前記第2の歯車ポンプハウジング部分間で圧縮される圧縮性弾性材料のシートとを含む歯車ポンプである、請求項14に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項18】
前記第1の歯車ポンプハウジング部分及び前記第2の歯車ポンプハウジング部分は、前記シートに加えられる圧縮量を変えるように互いに対して回転可能である、請求項17に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項19】
前記ポンプは、ポンプチャンバーと、前記ポンプチャンバー内の流体を圧送するように前記ホイールによって駆動される第1のピストンと、前記ポンプチャンバー内の流体を圧送するように前記第1のピストンに対して独立的に手動で動作可能な第2のピストンとを有するピストンポンプである、請求項14に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項20】
前記流体リザーバは、前記使い捨て式流体吐出装置の外側の場所から前記リザーバの内部へのアクセスに対して永久的にシールされる、請求項14に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項21】
前記ポンプからの流体は前記ホイールに供給される、請求項14に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項22】
前記ホイールの各回転は、前記希釈剤流路に沿って前記ホイールを通る希釈剤の量及び前記流体リザーバから圧送される流体の量に対応し、且つ
前記ホイールの回転毎に前記流体リザーバから圧送される前記流体の量と、前記ホイールの回転毎に前記ホイールを通る前記希釈剤の量との比は、少なくとも約1:500である、請求項14に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項23】
前記比は少なくとも約1:1800である、請求項22に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項24】
前記比は少なくとも約1:2500である、請求項22に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項25】
前記ハウジングの入口の上流にバッフルをさらに備え、前記バッフルを介して希釈剤が前記入口に流入する、請求項14に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項26】
前記ホイールと前記ポンプとの間で前記ホイールと前記ポンプに連結され、前記ポンプを前記ホイールの速度とは異なる速度で駆動する、歯車列をさらに備える、請求項14に記載の使い捨て式流体吐出装置。
【請求項27】
流体を希釈剤に吐出する可搬式流体吐出装置であって、
前記流体吐出装置を貫通する希釈剤流路と、
ポンプと、
前記ポンプと流体連通する流体リザーバと、
前記希釈剤流路に沿って流れる希釈剤によって回転可能なホイールであって、前記ホイールの回転に応じて前記ポンプを駆動するように前記ポンプに連結され、前記ホイールの各回転は、前記希釈剤流路に沿って前記ホイールを通る希釈剤の量及び前記流体リザーバから圧送される流体の量に対応する、ホイールとを備え、
前記ホイールの回転毎に前記流体リザーバから圧送される前記流体の量と、前記ホイールの回転毎に前記ホイールを通る前記流体の量との比は、少なくとも約1:500である、可搬式流体吐出装置。
【請求項28】
異なるサイズを有する構造体に前記吐出装置を取り付けるように異なる位置に調整可能なアームをさらに備える、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項29】
前記装置の設置位置に前記装置を支持する下向き支持面を有する突起を有するハウジングをさらに備える、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項30】
前記ポンプは、第1の歯車ポンプハウジング部分及び第2の歯車ポンプハウジング部分と、前記第1の歯車ポンプハウジング部分及び前記第2の歯車ポンプハウジング部分間で圧縮される圧縮性弾性材料のシートとを含む歯車ポンプである、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項31】
前記第1の歯車ポンプハウジング部分及び前記第2の歯車ポンプハウジング部分は、前記シートに加えられる圧縮量を変えるように互いに対して回転可能である、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項32】
前記ポンプは、ポンプチャンバーと、前記ポンプチャンバー内の流体を圧送するように前記ホイールによって駆動される第1のピストンと、前記ポンプチャンバー内の流体を圧送するように前記第1のピストンに対して独立的に手動で動作可能な第2のピストンとを有するピストンポンプである、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項33】
前記流体リザーバは、前記可搬式流体吐出装置の外側の場所から前記リザーバの内部へのアクセスに対して永久的にシールされる、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項34】
前記ポンプからの流体は前記ホイールに供給される、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項35】
前記ホイールの各回転は、前記希釈剤流路に沿って前記ホイールを通る希釈剤の量及び前記流体リザーバから圧送される流体の量に対応し、
前記ホイールの回転毎に前記流体リザーバから圧送される前記流体の量と、前記ホイールの回転毎に前記ホイールを通る前記希釈剤の量との比は、少なくとも約1:500である、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項36】
前記比は少なくとも約1:1800である、請求項35に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項37】
前記比は少なくとも約1:2500である、請求項35に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項38】
前記装置の入口の上流にバッフルをさらに備え、前記バッフルを介して希釈剤が前記入口に流入する、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項39】
前記ホイールと前記ポンプと間で前記ホイールと前記ポンプに連結され、前記ポンプを前記ホイールの速度とは異なる速度で駆動する、歯車列をさらに備える、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項40】
前記流体はDAWN、JOY及びPALMOLIVEのうちの1つである、請求項27に記載の可搬式流体吐出装置。
【請求項41】
流体を希釈剤に吐出する流体吐出装置であって、
前記流体吐出装置内に希釈剤が受け取られる入口と、
前記入口を少なくとも部分的に覆うバッフルであって、貫通する複数の第1の開口を有する第1の部分と、貫通する複数の第2の開口を有する第2の部分とを含む、バッフルとを備え、
前記バッフルの前記第2の部分は、前記流体吐出装置に接近中の希釈剤に対して凹状の形状及び凸状の形状の少なくとも一方を呈するように、前記第1の部分に対して斜めになっている、流体吐出装置。
【請求項42】
前記複数の第1の開口はそれぞれ、前記複数の第2の開口のそれぞれのサイズよりも大きいサイズを有する、請求項41に記載の流体吐出装置。
【請求項43】
前記バッフルは前記流体吐出装置から取り外し可能である、請求項41に記載の流体吐出装置。
【請求項44】
貫通する複数の第3の開口を有する第3の部分をさらに含み、前記第3の部分は前記第1の部分及び前記第2の部分に対して斜めになっている、請求項41に記載の流体吐出装置。
【請求項45】
可搬式吐出装置であって、
或る量の石けんを収容している使い捨て式容器と、
前記リザーバから延びると共に、前記装置内の希釈剤の流れに応じて前記石けんが前記装置から吐出するために通る、流体流路と、
前記使い捨て式容器内の前記石けんの商標名及びロゴの少なくとも一方が特徴付けられる、前記吐出装置の表面とを備える、可搬式吐出装置。
【請求項46】
前記石けんは食器用石けんである、請求項45に記載の可搬式吐出装置。
【請求項47】
前記使い捨て式容器は、請求項45に記載の可搬式吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公表番号】特表2010−537795(P2010−537795A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554498(P2009−554498)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/020511
【国際公開番号】WO2008/115203
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(398061050)ディバーシー・インコーポレーテッド (101)
【住所又は居所原語表記】8310 16th Street,Sturtevant,Wisconsin 53177−0902,United States of America
【Fターム(参考)】