説明

流体検知センサ及び分光分析装置

【課題】 流体の非侵襲的分析において、簡易な構成で分解能を向上させる。
【解決手段】 流体物が流通する透光性のチューブ13の外側に着脱自在に設けられる流体検知センサ1であって、単一のピーク波長を有する光を出射する、発光素子18a〜18fと、発光素子18a〜18fの光が出射される光出射端111aからチューブ13を間に挟んで一定距離離れた場所に配置された、互いに独立した複数の受光面123aを有する受光素子19と、チューブ13と受光素子19との間又は光出射端111aとチューブ13との間に配置されたプリズム17とを備え、受光素子19は、プリズム17により分光された光をそれぞれ異なる受光面123aで受光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非侵襲型でチューブ内を流れる流体物の分析を行う、流体検知センサ及び分光分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲食物や化学薬品の成分を非侵襲的に分析することは広く行われている。
【0003】
特に液体やゲルといった流体物である飲料や化学品等の場合、製造現場から例えば貯蔵タンクへ製品を直送する流路上に分析装置を設け、流路内を流通する流体物に対して分光分析を行うことで、試料を別途採取することなく簡易に分析を行う技術が、例えば特許文献1及び特許文献2に紹介されている。
【0004】
図19は、上記従来の簡易な分光分析技術の模式図である。図19に示すように、透明なチューブ501を間に挟んで設けられた、赤外線等の所望の波長光を発生するLEDその他の発光素子502とCds等の受光素子503とを用い、発光素子502からの出射光をチューブ501及びチューブ501内を流入する流体物501aを透過させた後に受光させるものである。
【0005】
受光素子503から得られた電気信号は信号処理部504にて数値化され予め取得した既知のデータベースと比較されることで、当該データベースから信号の数値に対応した流体物501aの特性値が得られ、この値を分析結果として出力する。これよりチューブ501内を流れる流体物501aの特性(特定成分の濃度、含有率等)を測定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−300337号公報
【特許文献2】米国特許第7236237号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来の技術による簡易分光分析においては、以下のような問題があった。すなわち、分解能の高い精密な分光分析を行うには狭い波長ピッチで波長が変化する複数の光を用いることが望ましい。図19に示す構成の場合では、3つの発光素子502として、それぞれ異なるピーク波長の素子を用いることにより分解能を高めることができる。
【0008】
ところが、それらの分解能は発光素子502である既成のLED等の製品の定格によって定まり、精細な分解能を得ることは困難であった。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、流体物の非侵襲的分析において、簡易な構成で分解能を向上させることが可能な、流体検知センサ及び分光分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面は、
流体物が流通する透光性のチューブの外側に着脱自在に設けられる流体検知センサであって、
単一のピーク波長を有する光を出射する、単数又は複数の発光素子と、
前記単数又は複数の発光素子の光が出射される光出射端から前記チューブを間に挟んで一定距離離れた場所に配置された、互いに独立した複数の受光面を有する受光手段と、
前記チューブと前記受光手段との間又は前記光出射端と前記チューブとの間に配置された分光手段とを備え、
前記受光手段は、前記分光手段により分光された光をそれぞれ異なる受光面で受光するものである、流体検知センサである。
【0011】
又、本発明の第2の側面は、
流体物が流通する透光性のチューブと、
前記チューブの外側に設けられ、単一のピーク波長を有する光を出射する、単数又は複数の発光素子と、
前記チューブの外側であって、光出射端と対向する位置に設けられた、互いに独立した複数の受光面を有する受光手段と、
前記チューブの前記受光手段と隣接する側の壁部又は前記光出射端と隣接する側の壁部と一体的に形成された分光手段とを備え、
前記受光手段は、前記分光手段により分光された光をそれぞれ異なる受光面で受光するものである、流体検知センサである。
【0012】
又、本発明の第3の側面は、
前記発光素子は複数であって互いに異なる前記ピーク波長を有するものであり、前記チューブの延伸方向に対して交差する線上に配列されている、本発明の第1又は第2の側面の流体検知センサである。
【0013】
又、本発明の第4の側面は、
前記発光素子は複数であって互いに異なる前記ピーク波長を有するものであり、前記チューブの延伸方向に平行な直線上に配列されている、本発明の第1又は第2の側面の流体検知センサである。
【0014】
又、本発明の第5の側面は、
前記発光素子の光路において前記分光手段の直前に設けられた、一定大きさの開口を有する第1の遮蔽板を備えた、本発明の第1から第3のいずれかの側面の流体検知センサである。
【0015】
又、本発明の第6の側面は、
前記開口は、前記発光素子の個数及び形状の少なくともいずれか一方に対応して設けられている、本発明の第5の側面の流体検知センサである。
【0016】
又、本発明の第7の側面は、
前記発光素子の光路において前記発光手段の直後に設けられた、前記チューブの延伸方向に沿って延伸する形状の開口を有する第2の遮蔽板を備えた、本発明の第1から第6のいずれかの側面の流体検知センサである。
【0017】
又、本発明の第8の側面は、
前記受光素子の直前に設けられた集光手段を備えた、本発明の第1から第7のいずれかの側面の流体検知センサである。
【0018】
又、本発明の第9の側面は、
前記チューブの、発光素子と対向する側の外壁と内壁、及び前記受光面と対向する側の内壁と外壁の少なくともいずれか一方は、平行面を成している、本発明の第1から第8のいずれかの側面の流体検知センサである。
【0019】
又、本発明の第10の側面は、
前記分光手段はプリズムである、本発明の第1から第9のいずれかの側面の流体検知センサである。
【0020】
又、本発明の第11の側面は、
前記分光手段は回折格子である、本発明の第1から第9のいずれかの側面の流体検知センサである。
【0021】
又、本発明の第12の側面は、
前記分光手段はグリズムである、本発明の第1から第9のいずれかの側面の流体検知センサである。
【0022】
又、本発明の第13の側面は、
前記受光手段は、前記複数の受光面の全部又は一部が一つの素子上に設けられたものである、本発明の第1から第12のいずれかの側面の流体検知センサである。
【0023】
又、本発明の第14の側面は、
前記受光手段は、前記複数の受光面の各々が互いに独立した素子上に設けられたものである、本発明の第1から第12のいずれかの側面の流体検知センサである。
【0024】
又、本発明の第15の側面は、
本発明の第1から第14のいずれかの側面の流体検知センサと、
前記発光素子の動作を制御する発光制御手段と、
前記受光した光の分光分析処理を行う分析手段とを備え、
前記発光制御手段は前記発光素子を時分割に発光させる制御を行う、分光分析装置である。
【0025】
又、本発明の第16の側面は、
前記分析手段は、前記受光素子が同一波長帯域に属する光を複数回受光した場合は、より光量の大きい光を優先的に分光分析処理に用いる、本発明の第15の側面の分光分析装置である。
【発明の効果】
【0026】
以上のような本発明によれば、流体物の非侵襲的分析において、簡易な構成で分解能を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1による流体検知センサ1の構成を示す外観斜視図
【図2】本発明の実施の形態1による流体検知センサ1のハウジング10の内側の構成を示す模式的分解図
【図3】本発明の実施の形態1による分光分析装置2の機能的構成を示すブロック図
【図4】上側ハウジング11の底面111上における光出射端111aのレイアウトを示す図(b)下側ハウジング12の斜面123上における受光面123aのレイアウトを示す図
【図5】本発明の実施の形態1による流体検知センサ1の、発光素子18aからの出射光の光軸50による要部断面図
【図6】(a)本発明の流体検知センサの動作原理を説明するための図(b)本発明の流体検知センサの動作原理を説明するための図
【図7】上側ハウジング11の光出射端111aのレイアウトの他の例を示す図(b)下側ハウジング12の斜面123上における受光面123aのレイアウトの他の例を示す図
【図8】(a)本発明の流体検知センサにおける光路を説明するための図(b)本発明の流体検知センサにおける光路を説明するための図
【図9】(a)本発明の実施の形態2による流体検知センサ160の要部断面図(b)本発明の実施の形態2による流体検知センサ160の光路50に沿った方向から眺めた透視図(c)遮蔽板60の他の例を示す図
【図10】(a)本発明の実施の形態3による流体検知センサ170の要部断面図(b)本発明の実施の形態2による流体検知センサ170の上側ハウジングの裏面図(c)遮蔽板70の要部拡大図
【図11】本発明の実施の形態4による流体検知センサ180の要部断面図
【図12】本発明の実施の形態5による流体検知センサ190の要部断面図
【図13】本発明の流体検知センサの他の例を示す図
【図14】本発明の流体検知センサの他の例を示す図
【図15】本発明の流体検知センサの他の例を示す図
【図16】本発明の流体検知センサの他の例を示す図
【図17】本発明の流体検知センサの他の例を示す図
【図18】本発明の流体検知センサの他の例を示す図
【図19】従来の技術による分光分析の構成を模式的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による流体検知センサ1の外観を示す斜視図である。
【0030】
図1に示すように、流体検知センサ1は、上側ハウジング11及び下側ハウジング12から構成されるハウジング10と、ハウジング10の内部に収納されるチューブ13とから構成される。チューブ13は断面矩形状の筒状の部材であって、ガラス又はアクリル若しくはポリエチレンその他化学樹脂である透光性の材料により作成されている。一端がチューブ13の端面形状に対応し、他端が既成の配管の端面形状である円形を有するコネクタ16をチューブ13の両端に接続することにより、流体検知センサ1は既成の配管と接続して、被検体である透光性の流体物を外部からチューブ13内部へ流通させることができる。なお、図中においてはチューブ13とコネクタ16とを係止するためのパッキンその他の機械的機構は周知の技術的手段を用いることとし、その詳細は省略して示した。又、本発明における「透光性」とは、可視光、不可視光の種類を問わず任意の波長の光を透過する性質を意味する。
【0031】
又、上側ハウジング11の上面には流体検知センサ1自体の動作状態を示すための表示ランプ14及び後述する発光素子の動作状態を示すための表示ランプ15が設けられている。
【0032】
次に、図2は、ハウジング10の内側の構成を示す模式的分解図である。
【0033】
図2に示すように、ハウジング10において、上側ハウジング11及び下側ハウジング12には、それぞれ中央に、チューブ13の外形の反転形状に対応した形状を有する溝110及び120が設けられている。上側ハウジング11及び下側ハウジング12が溝110及び120が対向する向きで当接されると、溝110及び120により柱状の空間が形成される。チューブ13は、溝110及び120に嵌合するようにして、この柱状の空間に収納される。
【0034】
上側ハウジング11の溝110の底面111上には、後述する発光素子の光出射端111aが露出している。ハウジング10が組み立てられた状態において、光出射端111aから所定波長光が溝120に向かって射出される。なお、上側ハウジング11及び下側ハウジング12は、脱着可能な構成であってもよい。その場合、ヒンジにより両者を結合し、図2中矢印Aに示すように開閉可能とすることが望ましい。
【0035】
又、下側ハウジング12の溝120は、底面111と平行な底面121、及び底面121と平行であってより深い底面122を有する二段底の構成を有している。底面121はチューブ13の両端に対応し、溝110とともにチューブ13の表面に当接してその位置を固定する役割を果たす。又、底面122は、チューブ13の直下に位置するプリズム17を収納する空間を形成する。更に、底面122と溝120の壁面との間には斜面123が形成されており、斜面123上には、後述する受光素子の受光面123aが露出している。
【0036】
次に、図3は、流体検知センサ1を含めた本発明の実施の形態1による分光分析装置2の機能的構成を示すブロック図であり、図4(a)は上側ハウジング11底面111上における出射端111aのレイアウトを示す図であり、図4(b)は下側ハウジング12の斜面123上における受光面123aのレイアウトを示す図である。
【0037】
図3に示すように、分光分析装置2は、検知部である流体検知センサ1と、流体検知センサ1の動作制御及びそこから取得した情報の処理を行う制御・処理部20とから構成される。
【0038】
流体検知センサ1は、同一波長ピッチにて互いに異なるピーク波長λ、λ、λ、λ、λ、λ(λ<λ<λ<λ<λ<λ)の光をそれぞれ発光する6つの発光素子18a、18b、18c、18d、18e、18f、チューブ13、プリズム17及び受光素子19から構成される。図3及び図4(a)に示す発光素子18a〜18fとしてはLED、レーザダイオード、又は有機EL素子等の固体光源を用いることができる。又、図4(a)に示すように、発光素子18a〜18fは等間隔で直線をなし、かつチューブ13の延伸方向(溝110の延伸方向)に対して斜行するように配列されている。
【0039】
又、受光素子19は、図2に示す受光面123aとして、図4(b)に示すように、長手方向に6つ短手方向に5つの合計30の受光領域を有する。これら30の受光領域のうち、短手方向の5つの受光領域を一列の単位として、6つの発光素子18a〜18fからの出射光を6列の受光領域列19a、19b、19c、19d、19e、19fのそれぞれによって受光する。
【0040】
一方、制御・処理部20は、発光素子18a〜18fを時分割で発光させる制御を行う発光制御部21、受光領域列19a〜19fにおいて、各列を構成する5つの受光領域からの電気信号をそれぞれ増幅する増幅回路22,増幅回路22から取得した信号を、記憶部24に記憶されたデータベースを参照し、比較する分析・比較処理部23、及び分析・比較処理部23の処理結果を外部へ信号として出力する出力処理部25から構成される。記憶部24に記憶されたデータベースは、光電変換による受光量と、これに対応した流体物の各種特性の実測値とを対応づけたものであり、使用用途に応じて流体物内の所定の物質の特性に応じたデータベースを用意する。
【0041】
なお、上記の構成において、流体検知センサ1は本発明の流体検知センサに相当し、発光制御部21は本発明の発光制御手段に相当し、分析・比較処理部23及び記憶部20は本発明の分析手段に相当する。
【0042】
又、発光素子18a〜18fは本発明の発光素子に相当し、光出射端111aは本発明の光出射端に相当する。又、受光素子19は本発明の受光手段に相当し、受光面123aは本発明の受光面に相当する。又、チューブ13は本発明のチューブに相当し、プリズム17は本発明の分光手段に相当する。
【0043】
以上の構成を有する流体検知センサ1の動作を説明するとともに、これにより、本発明の分光分析装置の一実施の形態について説明を行う。
【0044】
はじめに、分光分析装置2が動作を開始すると、発光制御部21は発光素子18a〜18fを順次発光させる。すなわち、発光素子18a〜18fは逐次的に発光し、2つ以上の素子が同時に発光することはない。
【0045】
以下、発光素子18aが最初に発光した場合を例にとって説明を行う。発光素子18aから出射された波長λa0の出射光は、後述する光軸に沿って、チューブ13及びチューブ13内を流通する流体物を透過して、プリズム17に達する。
【0046】
ここで図5に、動作中の流体検知センサ1の、発光素子18aからの出射光の光軸50による要部断面図を示す。ここで図5に示す発光素子18aは、本発明の説明を容易にするために、仮想的にチューブ13の上面中央に対向する位置にあるものとして示した。これは、以後の各実施の形態における要部断面図を参照した説明においても同様である。図5に示すように、チューブ13の各壁面と直交する光軸50を経てプリズム17に達した光は屈折するが、その光に含まれる波長に応じたスペクトルで分光した後プリズム17から出射され、斜面123に到達する。
【0047】
斜面123上の受光面123aは、受光素子19の受光領域列を構成する5つの受光領域の位置が、屈折後の所望の波長の出射光の到達位置となるように設定されている。これにより、それぞれ光路51、52、53、54及び55をとる5つの特定波長λa1、λa2、λa3、λa4及びλa5(λa5>λa4>λa3>λa2>λa1)の出射光が受光領域列19aにて受光される。
【0048】
波長λa1〜λa5の出射光は受光素子19にて電気信号として増幅回路22へ出力され、増幅された後、分析・比較処理部23に送られる。分析・比較処理部23は受光量をA/D変換して数値化するとともに、図示しないバッファメモリに一旦当該数値を記憶する。
【0049】
ここで図6(a)(b)は、本発明の流体検知センサの動作原理を説明するための図である。
【0050】
図6(a)に示すように、単一波長光を発するとされる固体光源であっても、実際にはピーク波長λを中心に一定の波長幅を有し、ピーク波長λより長い波長及び短い波長の双方の光を含んでいる。本実施の形態においては、プリズム17により、これらピーク波長λX以外の波長の光を取り出すことにより、単一の発光素子から複数の波長の光を検出するようにしている。プリズム17により分光される光のスペクトルは連続的なものであるが、分光後の各波長の光の経路はプリズム17の材料の屈折率、角度等によって定まるため、受光面123aの位置を所望の波長光に応じて設定することで、当該所望の波長光を検出することができる。図6(b)にはピーク波長λと同一波長λX3、及びこれより短い波長λX1並びにλX2及び長い波長λX4及びλX5を含む合計5つの波長の光を取り出すものとして示したが、受光素子19の感度や受光面123aのレイアウトに応じて、これら波長より短い又は長い波長の光の受光量を求めるようにしてもよい。
【0051】
従来の分光分析においては、その分解能は発光素子である固体光源の定格に依存することとなり、小さくとも20nm程度であったが、本発明の構成によれば、プリズム17の寸法、角度、屈折率及び受光面123aの位置等の各パラメータを調整することにより、単一ピーク波長の固体光源から、これら定格に定められた製品の波長ピッチよりも短い波長ピッチ(例えば数nm)で複数の光を取り出すことができ、別途光源を用意することなく、簡易な構成で分解能を向上させることが可能となり、更には流体物の特性に応じた、より精度の高い分光分析を行うことも可能となる。
【0052】
又、単一の光源で複数の波長を得ることができるため、従来では複数の光源が必要な分光分析を本実施の形態の装置で置き換えることが可能となり、又、既製品の発光素子の定格に基づくピーク波長とは異なる波長の光を分光分析に用いることもできる。これらにより、装置の低コスト化を図ることが可能となる。
【0053】
再び分光分析装置2の動作の説明に戻る。発光制御部21は、発光素子18bを発光させる。発光素子18aの場合と同様にして、プリズム17を通過することにより波長λの入射光は分光され、5つの特定波長λb1〜λb5の出射光として受光領域列19bにて受光され、電気信号として取り出され、分析・比較処理部23は受光量を数値化、記憶する。以下、発光素子18fの動作完了まで同様の動作を繰り返す。
【0054】
分析・比較処理部23は、以上の動作により特定波長λa1〜λa5から発光素子18fのピーク波長λの分光による特定波長λf1〜λf5までの合計30種類の信号値を得ると、記憶部24のデータベースを参照し、これより、各信号値に対応した流体物の各種特性の実測値を分析結果として読み出し、出力処理部25はこれを外部へ出力する。
【0055】
ところで、特に、分解能を上げるために発光素子18a〜18fのピーク波長間の波長ピッチを短く設定した場合、発光素子からの出射光の波長の長短が変化することにより、元の発光素子18a〜18fの波長の長短にかかわらず、分光後の光において同一波長の光が複数の受光領域列にまたがって受光されることが考えられる。以下、図4(b)を参照して説明する。
【0056】
図4(b)に示すように、領域Rは元の発光素子18aからの出射光のピーク波長λがより長い波長λa5の光が受光される領域であって、領域Rは元の発光素子18bからの出射光のピーク波長λがより短い波長λb2の光が受光される領域である。プリズム17による分光の結果、出射光同士において元の発光素子からの出射光のピーク波長λ及びλの差分(λ−λ)が補償されることでλa5=λb2となった場合、領域Rから得られる信号値及び領域Rから得られる信号値は、同一波長についての情報を重複して与えていることとなる。
【0057】
このような場合に対応するため、分析・比較処理部23においては、予め、各受光領域とその領域が受光する光の波長との対応を記憶しておき、バッファメモリから各光の受光量を抽出した後に、同一波長のものについては信号値同士の比較を行い、一番値の大きなものを当該波長の受光値として選択する。図4(b)の場合であれば、領域R又はRのうち、信号値の大きいいずれか一方の信号値を、当該波長光からの信号として選択するようにする。
【0058】
以上のように設定することで、各波長毎の測定精度を向上させることが可能となる。
【0059】
なお、上記の分析・比較処理部23の動作に際しては、バッファメモリによる信号値の一次蓄積を省略して逐次的に分析結果を読み出してもよい。これは、受光素子19の複数の受光領域列にまたがって同一波長の光が受光されることがない場合に、分析の速度を向上させる効果がある。又、発光制御部21は直流電流で発光素子18a〜18fを発光させるものであるが、交流信号を重畳して動作するようにしてもよい。この場合、発光素子18a〜18fからの出射光が交流変調され、分析・比較処理部23は変調成分を選択して信号値として処理することができ、光雑音等の外部雑音の影響を排除し、より精密な分析を行うことが可能となる。
【0060】
以上のように、本実施の形態の分光分析装置2は、流体検知センサ1により、単一の固体光源からなる発光素子により精細な波長光を得ることで、分解能を高めた分光分析が可能となる。
【0061】
なお、上記の説明においては、発光素子18a〜18fはチューブ13の延伸方向に対して斜行する直線上に配置したが、これは図7(a)に示すように、チューブ13の延伸方向に対して平行な直線とすることも可能である。しかしながら、図8(a)(b)に示すように、発光素子からの出射光においては、波長の短い光(図8(a))が長い光(図8(b))よりも屈折角が大きいため、分光後の光においては受光素子列の位置がシフトすることになる。このシフトを考慮して受光面123aを設計すると、図7(b)に示すように、受光素子19の表面積の大型化を招くこととなる。したがって、流体検知センサ1の小型化を考慮した場合は、図3(a)に示すように発光素子18a〜18fを、斜行線上に配列することが望ましい。ただし、本発明は上記の構成に限定するものではなく、発光素子の配列は、用いる光の波長、プリズム17の材料の屈折率、受光面123aのレイアウト等を考慮して、任意に設定してよい。例えば直線状ではなく、曲線状に配置してもよい。要するに、本発明は、複数の受光面を有している構成であればよく、その受光面の具体的な配置によって限定されるものではない。
【0062】
(実施の形態2)
図9(a)は、本発明の実施の形態2による流体検知センサ160の、発光素子18aからの出射光の光軸50による要部断面図であり、図9(b)は、光軸50に沿った方向から眺めた透視図である。
【0063】
本実施の形態2による流体検知センサ160は、実施の形態1の流体検知センサ1の構成に、チューブ13とプリズム17との間に位置する、開口61を有する遮蔽板60を更に備えたことを特徴とする。
【0064】
図9(b)に示すように、遮蔽板60において、開口61は、発光素子18a〜18fの光出射端111aと同一位置にレイアウトされた、わずかに大きな円形の開口61a〜61fとして形成されている。このような構成とすることにより、発光素子18a〜18fの光出射端111aから出射された光のうち、チューブ13及びチューブ13内を流通する流体物内で乱反射して生ずる迷光62がプリズム17へ入射することを防ぎ、分光分析の精度を高めることができる。
【0065】
なお、開口の形状は、必ずしも光出射端111aの形状に対応させる必要はない。図9(c)のスリット61gに示すように、光出射端111aの各面を一連につなげたスリット状の形状としてもよい。又、動作させない発光素子の個数に応じて、その個数を増減させてもよい。
【0066】
要するに、流体検知センサ160の動作において、プリズム17へ入射する迷光の程度を、分光分析において差し支えない程度まで低減できるのであれば、本発明の開口61はその形状、個数、大きさ等によって限定されるものではない。
【0067】
なお、上記の構成において、遮蔽板60は本発明の第1の遮蔽板に相当し、開口61は本発明の一定大きさの開口に相当する。
【0068】
(実施の形態3)
図10(a)は、本発明の実施の形態3による流体検知センサ170の、発光素子18aからの出射光の光軸50による要部断面図であり、図10(b)は、図4(a)に対応した上側ハウジングの裏面図である。
【0069】
本実施の形態3による流体検知センサ170は、実施の形態1の流体検知センサ1の構成に、光出射端111aとチューブ13との間に位置する、開口71を有する遮蔽板70を更に備えたことを特徴とする。
【0070】
図10(b)に示すように、遮蔽板70において、開口71は、発光素子18a〜18fの光出射端111aと同一位置にレイアウトされ、短手方向の長さが光出射端111aの直径よりも短い矩形状のスリット71a〜71fとして形成されている。
【0071】
このような構成とすることにより、図10(c)に示すように、光出射端111aの一部領域111bが遮蔽板70によって覆われることとなり、発光素子18a〜18fの光出射端111aから出射された光の断面形状が、チューブ13の延伸方向に沿った長円形状に整形されることとなる。その結果、チューブ13への入射光の、チューブ13の延伸方向に直交する方向における選択性を高め、チューブ13内で迷光が生ずる可能性を低減することで、分光分析の精度を高めることができる。
【0072】
なお、上記の構成において、遮蔽板70は本発明の第2の遮蔽板に相当し、開口71は本発明の開口に相当する。また、開口の形状は、矩形に限定されない。長円、楕円等であってもよい。要するに、流体検知センサ170の動作において、チューブ13内で発生する迷光を低減できるように、チューブ13の延伸方向に沿って延伸する形状であればよい。
【0073】
(実施の形態4)
図11は、本発明の実施の形態4による流体検知センサ180の、発光素子18aからの出射光の光軸50による要部断面図である。
【0074】
本実施の形態4による流体検知センサ180は、実施の形態1の流体検知センサ1の構成に、プリズム17と受光面123aとの間に位置する集光手段100を更に備えたことを特徴とする。
【0075】
図11に示すように、集光手段100は、プリズム17から出射された分光を収束させることができる。これにより、受光面123aの幅を小さくとることができるため、受光素子として実施の形態1の受光素子19よりも小型の受光素子19´を用いることができ、ひいてはセンサ本体の更なる小型化を実現することができる。
【0076】
なお、集光手段100としては、凸レンズ、コリメートレンズ、円筒レンズ、グリンレンズ等の任意のレンズ、更には透過型回折格子等を用いてもよい。要するに、プリズム17からの出射光を収束する機能を有するものであれば、その具体的な構成によって限定されるものではない。
【0077】
なお、上記の構成において、集光手段100は本発明の集光手段に相当する。
【0078】
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の形態5による流体検知センサ190の、発光素子18aからの出射光の光軸50による要部断面図である。
【0079】
本実施の形態5による流体検知センサ190は、実施の形態1の流体検知センサ1の構成において、チューブ13及びプリズム17に替えて、プリズム17と同一材料により構成されたチューブ130を備えたことを特徴とする。
【0080】
図12に示すように、チューブ130の断面形状は、その底面の領域131において、内壁131a及び外壁131bが、実施の形態1のプリズム17と同様の傾斜角を有している。すなわち、本実施の形態5におけるチューブ130は、チューブ13及びプリズム17を一体化した構成と同等の光学的機能を有する。
【0081】
このような構成とすることにより、流体検知センサの部品点数を省略でき、小型化、軽量化を実現することができる。
【0082】
なお、上記の説明においては、チューブ130の材料をプリズム17と同一であるとしたが、受光面123aに所望の波長光を導くことができれば、可視光、不可視光の種類を問わず任意の波長の光に対して透光性を有する材料を用いてもよい。その場合は、内壁131a及び外壁131bの傾斜角を所望の角度に調整する。
【0083】
なお、上記の構成において、チューブ130は、本発明の、受光手段と隣接する側の壁部又は前記光出射端と隣接する側の壁部と一体的に形成された分光手段に相当する。
【0084】
以上説明したところから明らかなように、本発明の各実施の形態による流体検知センサ並びに分光分析装置によれば、簡易な構成で分光分析の分解能を高めることが可能となる。
【0085】
しかしながら、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではない。
【0086】
上記の各実施の形態においては、本発明の分光手段はプリズム17であるとして説明を行ったが、発光素子からの光を複数の波長の光に分光できるものであれば、他の構成であってもよい。
【0087】
図13に、分光手段として透過型回折格子80を用いた流体検知センサ200を示す。回折格子を用いることで、分光した光を所定方向に選択的に出射させることができるため、より精度の高い受光が可能となる。更に、透過型回折格子80はプリズム17より厚みが小さくなるため分光された光の光路を短くとることができるため、実施の形態4と同様、より小さな受光素子19´を用いることも可能となる。なお、回折格子としては透過型の他、反射型を用いてもよい。
【0088】
又、他の例として図14に、分光手段としてグリズム90を用いた流体検知センサ210を示す。グリズム90を用いることで、発光素子からの出射光の方向と分光した光の方向とを揃えることができるため、受光面の構成を簡略化、小型化することが可能となる。なお、グリズム90は一枚の回折格子の両面にプリズムを配置した構成としたが、一枚の回折格子のいずれかの面にプリズムを配置した構成として実現してもよい。
【0089】
又、図13や図14に示す例は、実施の形態5のように、チューブ13と一体化した構成として実現してもよい。
【0090】
又、上記の各実施の形態においては、分光手段としてのプリズム17は、チューブ13と受光面123aとの間に配置するものとして説明を行ったが、本発明の分光手段は、図15に示すように、光出射端111aとチューブ13との間に配置する構成としてもよい。この場合、分光した光の光路が大きく広がることから、複数の受光面123aを集積した受光素子19に替えて、より安価な、それぞれが単一の受光面123aを有する複数の受光素子19″を用いることができ、低コスト化を図ることが可能となる。なお、この構成は、実施の形態5や図13,14に示す例においても実現してもよい。
【0091】
更に、上記の実施の形態1〜4においては、本発明のチューブは、流体検知センサの本体に収納された断面矩形状のチューブ13であるとして説明を行ったが、本発明の流体検知センサは、チューブが流体検知センサの上側ハウジング及び下側ハウジングと脱着可能な構成であってもよいし、断面形状が円形、その他の形状のチューブであってもよい。そのような構成例を図16に示す。
【0092】
図16に示す構成は、チューブ13に替えて、透光性及び可撓性を有する材料で作成したチューブ140に対応した流体検知センサ230である。この場合、チューブ140が変形することにより光出射端111aとの接点及びプリズム17との接点との光学的結合が確保される。すなわち、ハウジング10がチューブ140を内蔵した状態においては、チューブ140の外形は、上側ハウジング11の溝110及び下側ハウジング12の溝120のそれぞれの内壁の形状に沿って変形するが、このとき、変形したチューブ140の内壁及び外壁のうち、光出射端111aと接する部分とプリズム17側に対向する部分とが互いに平行面を成すように位置されれば、これらの部分によって形成される領域141(図中一点鎖線により示す)内の光学的状態は図5等に示した断面矩形のチューブ13と同様となる。これにより、光学素子18a(並びに他の光学素子18b〜18f)からの出射光は屈折、反射等することなく、チューブ140の、領域141に含まれる壁面と直交する直線の光軸50を形成してプリズム17に到達することができる。なお、領域141以外の箇所におけるチューブ140の変形の程度、パターンは本発明の作用効果に何ら影響を及ぼすものではない。
【0093】
なお、チューブ140の形状を安定させるように、図17に示す流体検知センサ231のような構成としてもよい。流体検知センサ231は、プリズム17とチューブ140との間に、光出射端111aに対して平行面をなす透光性の支持板142を備えたものである。このような構成とすることにより、可撓性のチューブ140は支持板142の表面に沿って変形することとなり、領域141におけるチューブ140の形状を安定して保持することが可能となる。
【0094】
又、可撓性がないチューブであっても、実質的に光出射端111aとの接点及びプリズム17との接点との光学的結合が保たれるならば、チューブ壁面の位置関係によらず、本発明を実施することができる。例えば、図18に示す流体検知センサ232においては、断面形状が円形であって、可撓性を有さない透光性のチューブ140´が、光出射端111a及びプリズム17の表面状の点141aと接することで固定されている。領域141に含まれるチューブ140´の壁面の部分が実質的に平行面と見なせる程度の厚み及び曲率を有するものであれば、チューブ13と同様の光学的機能を維持することができる。なお、チューブ140´の直径が光軸50と一致するようにチューブ140´を位置決めすることは、領域141内におけるチューブ140´の対向する壁面同士の曲率を対称とできるため、さらに光学的特性をチューブ13に近似させることが可能となり、より望ましい。流体検知センサ232においてはチューブ140´の直径は光軸50と一致している。
【0095】
以上述べたように、本発明は、チューブの断面形状に限定されるものではない。さらに、チューブを脱着可能な構成とすることでチューブを明示的に含まない構成として実現してもよい。
【0096】
又、上記の各実施の形態においては、発光素子は6つの発光素子18a〜18fとし、受光素子は合計30の受光面123aを有するものとしたが、発光素子の個数、及び受光素子、受光面の個数は単数、複数と任意であってよい。発光素子の個数としては具体的には4〜16個が望ましく、これら個数の発光素子を700〜950nm(近赤外線領域)、400〜650nm(可視光領域)、さらには400〜1000nm(可視光及び近赤外線領域)、又は700,800,900nm(赤血球の測定に必要な離散的波長帯域)に渡って、それぞれ波長を異ならせることにより、これら各領域において分解能の高い分光分析を行うことが可能となる。
【0097】
以上のような本発明の流体検知センサは、流体物として一定の透明度を有するものであれば、食品(ビール、アップルジュース等)、医薬品、飲料水、工業用水、アンモニア、石油精製物等の化学品、等、多岐に渡って分析対象として用いることができる。又、本発明の分光分析装置は、従来の分光分析装置であれば数百万円単位のコストを要する分光分析装置に相当する上記流体物の(含有率等の)定量測定、(不純物混入等の)定性測定を、数百円単位のコストで実現することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上説明したように、本発明によれば、流体物の非侵襲的分析において、簡易な構成で分解能を向上させることが可能な効果を有し、例えば食品や薬品等の分析において有用である。
【符号の説明】
【0099】
1 流体検知センサ
2 分光分析装置
10 ハウジング
11 上側ハウジング
12 下側ハウジング
13 チューブ
14、15 表示ランプ
16 コネクタ
17 プリズム
18a〜18f 発光素子
19a〜19f 受光領域列
20 制御・処理部
21 発光制御部
22 増幅回路
23 分析・比較処理部
24 記憶部
25 出力処理部
111a 光出射端
123a 受光面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体物が流通する透光性のチューブの外側に着脱自在に設けられる流体検知センサであって、
単一のピーク波長を有する光を出射する、単数又は複数の発光素子と、
前記単数又は複数の発光素子の光が出射される光出射端から前記チューブを間に挟んで一定距離離れた場所に配置された、互いに独立した複数の受光面を有する受光手段と、
前記チューブと前記受光手段との間又は前記光出射端と前記チューブとの間に配置された分光手段とを備え、
前記受光手段は、前記分光手段により分光された光をそれぞれ異なる受光面で受光するものである、流体検知センサ。
【請求項2】
流体物が流通する透光性のチューブと、
前記チューブの外側に設けられ、単一のピーク波長を有する光を出射する、単数又は複数の発光素子と、
前記チューブの外側であって、光出射端と対向する位置に設けられた、互いに独立した複数の受光面を有する受光手段と、
前記チューブの前記受光手段と隣接する側の壁部又は前記光出射端と隣接する側の壁部と一体的に形成された分光手段とを備え、
前記受光手段は、前記分光手段により分光された光をそれぞれ異なる受光面で受光するものである、流体検知センサ。
【請求項3】
前記発光素子は複数であって互いに異なる前記ピーク波長を有するものであり、前記チューブの延伸方向に対して交差する線上に配列されている、請求項1又は2に記載の流体検知センサ。
【請求項4】
前記発光素子は複数であって互いに異なる前記ピーク波長を有するものであり、前記チューブの延伸方向に平行な直線上に配列されている、請求項1又は2に記載の流体検知センサ。
【請求項5】
前記発光素子の光路において前記分光手段の直前に設けられた、一定大きさの開口を有する第1の遮蔽板を備えた、請求項1から3のいずれかに記載の流体検知センサ。
【請求項6】
前記開口は、前記発光素子の個数及び形状の少なくともいずれか一方に対応して設けられている、請求項5に記載の流体検知センサ。
【請求項7】
前記発光素子の光路において前記発光手段の直後に設けられた、前記チューブの延伸方向に沿って延伸する形状の開口を有する第2の遮蔽板を備えた、請求項1から6のいずれかに記載の流体検知センサ。
【請求項8】
前記受光素子の直前に設けられた集光手段を備えた、請求項1から7のいずれかに記載の流体検知センサ。
【請求項9】
前記チューブの、発光素子と対向する側の外壁と内壁、及び前記受光面と対向する側の内壁と外壁の少なくともいずれか一方は、平行面を成している、請求項1から8のいずれかに記載の流体検知センサ。
【請求項10】
前記分光手段はプリズムである、請求項1から9のいずれかに記載の流体検知センサ。
【請求項11】
前記分光手段は回折格子である、請求項1から9のいずれかに記載の流体検知センサ。
【請求項12】
前記分光手段はグリズムである、請求項1から9のいずれかに記載の流体検知センサ。
【請求項13】
前記受光手段は、前記複数の受光面の全部又は一部が一つの素子上に設けられたものである、請求項1から12のいずれかに記載の流体検知センサ。
【請求項14】
前記受光手段は、前記複数の受光面の各々が互いに独立した素子上に設けられたものである、請求項1から12のいずれかに記載の流体検知センサ。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の流体検知センサと、
前記発光素子の動作を制御する発光制御手段と、
前記受光素子した光の分光分析処理を行う分析手段とを備え、
前記発光制御手段は前記発光素子を時分割に発光させる制御を行う、分光分析装置。
【請求項16】
前記分析手段は、前記受光素子が同一波長帯域に属する光を複数回受光した場合は、より光量の大きい光を優先的に分光分析処理に用いる、請求項15に記載の分光分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−21917(P2012−21917A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161082(P2010−161082)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(501397920)旭光電機株式会社 (45)
【Fターム(参考)】