流体浄化装置
【課題】耐圧性に優れ、内部に紫外線ランプ等の光源を必要としない液体浄化装置を提供する。
【解決手段】内部が流体通路21となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシング22と、流体通路21の流体の圧力に対してケーシング22を補強し、紫外線を通過させる孔23aを有する補強材23と、ケーシング22内の紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層24を備えている。
【解決手段】内部が流体通路21となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシング22と、流体通路21の流体の圧力に対してケーシング22を補強し、紫外線を通過させる孔23aを有する補強材23と、ケーシング22内の紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層24を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒の殺菌作用を利用して流体の浄化を行う流体浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光触媒を利用して水の浄化を行う浄化装置として、例えば特開平10−151450号公報に開示されたものがある。この浄化装置は、図20に示すように、管路の途中に設置した浄化槽101内に光触媒を担持させた光触媒保持材102と、紫外線ランプ103を内蔵した透光管104を収容している。浄化槽101はステンレス製であり、太陽光の紫外線を遮断する構造である。このため、浄化槽101内に設けた紫外線ランプ103から光触媒に紫外線を照射し、浄化槽101内の水中の細菌等のTOC成分を除去するようにしている。
【0003】
また、加圧された流体を扱う配管設備では、加圧流体を流す管状部材をステンレスや塩化ビニール等の不透明な材料で形成している。これは、ガラスやポリカーボネート等の透明な材料で製造した管状部材では十分な耐圧性を確保するのが困難だからであり、管状部材の耐圧性を確保するためにはステンレスや塩化ビニール等の不透明な材料で管状部材を形成する必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開平10−151450号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の浄化装置では、浄化槽101内の光触媒に紫外線を照射するために紫外線ランプ103を内蔵した透光管104を浄化槽101内に設置しているので、部品点数が増加して製造コストが高くなると共に、装置が大掛かりなものになる。ここで、浄化槽101をガラスやポリカーボネート等の透明な材料で形成し、太陽光の紫外線を浄化槽101内の光触媒に当てるようにすれば、浄化槽101内に紫外線ランプ103を設置する必要が無くなり、製造コストを下げることができると共に装置を簡素化することが可能ではあるが、この場合には浄化槽101が耐圧性の低いものとなり、加圧した流体を流す設備には使用することができなくなる。
【0006】
本発明は、耐圧性に優れ、内部に紫外線ランプ等の光源を必要としない液体浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の液体浄化装置は、内部が流体通路となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシングと、流体通路の流体の圧力に対してケーシングを補強し、紫外線を通過させる孔を有する補強材と、ケーシング内の紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層を備えるものである。
【0008】
したがって、太陽光等の紫外線はケーシングの外からケーシングを透過し、補強材の孔を通過してケーシング内へと差し込む。このため、ケーシング内に紫外線ランプ等の光源を設けていなくても、ケーシング内の光触媒に紫外線を当てることができる。紫外線を透過させる材料、例えば透明な樹脂やガラス等で製造したケーシングは、例えばステンレス等で形成されたケーシングに比べて耐圧性に劣ることが一般的であると考えられるが、補強材によってケーシングを補強することで、ケーシングの耐圧性が向上し、内部の流体の圧力に十分に耐えることができる。補強材には紫外線を通過させる孔が設けられているので、補強材によってケーシングを補強しても、内部に差し込む紫外線を完全に遮ることはない。太陽光の紫外線をケーシングの内部に差し込ませるようにしても良いし、ケーシングの外に紫外線ランプ等の光源を設け、この光源から照射される紫外線ランプをケーシングの内部に差し込ませるようにしても良い。光源を設ける場合であっても、ケーシングの外に設けることができるので、ケーシング内に設ける場合に比べて構造が簡単である。
【0009】
紫外線を受けた光触媒層は、光触媒効果による殺菌作用と自浄作用による防汚、吸着脱臭、有害物質の除去、汚染物質の分解・除去による浄水を行う。光触媒としてはアナターゼ型酸化チタンの採用が好ましく、酸化チタンの表面で微量の紫外線で高化学反応を起こし、水を分解して活性酸素を作り出し、この活性酸素の強い酸化力で有機物質(細菌の餌となったり汚れの原因となる)を酸化分解させたり、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌やO157等の細菌類を殺菌する。このため、スケール、スライムの生成を抑え、レジオネラ菌やぬめりの原因となる細菌などのその他の菌類の繁殖を防ぐと共に、藻類などの成長を抑制しあるいは死滅させる。
【0010】
請求項2記載の流体浄化装置のように、ケーシングの内面に光触媒層を設けても良く、請求項3記載の流体浄化装置のように、ケーシング内に保持部材を設け、保持部材の表面に光触媒層を設けても良い。
【0011】
また、請求項4記載の流体浄化装置は、流体を活性化させる磁気活水処理部を備えている。したがって、磁気処理による活水処理を行うことができる。ここで、活水処理は、菌の餌となる有機物を分解したり、住みかをなくして、レジオネラ菌やその他の菌類、藻類などが繁殖し難い環境を作り出し維持すると共に、スケール成分(カルシウム、マグネシウムなど)の析出を抑えることができる。そして、磁気処理による活水処理によると、ロレンツ効果を利用して水の活性化を促し、菌の餌となる有機物を分解したり、住みかをなくして、菌類や藻類などが繁殖し難い環境を作り出し維持する。同時に、磁気処理により、水の分子の集合体であるクラスターが小さくなり、溶解度が上がることから、スケール成分(カルシウム、マグネシウムなど)の析出を抑えることができる。スケール成分は磁気処理により固着力が弱まり、微細化した状態で装置から流出するので、配管や熱交換機・濾過器などへ付着しない。通常、スケールを形成する結晶核は、電気的に不安定な状態で溶存しており、相互間の磁性によって誘因凝集(反応)しながら粒子状に成長する。そして、更に成長を続けた粒子は、配管内の静電気に引き寄せられて管壁に沈殿・固着して管を閉塞させる。しかし、磁化処理すると、存置内の電場(磁場)が結晶核の電位を配管内の静電気に反発する電位に変えるので、結晶核は浮遊しながら微細な粒子状態で安定し、配管に付着せずに排出される。また既に固着しているスケールは、粒子が丸みを帯び、相互間の付着力が低下し徐々に剥離して管外へ流出する。スライムは、水中に存在する殺菌が有機物などを利用して増殖したコロニーが主なものであり、細菌がお互いに粘着物質を分泌しながら凝集して徐々に大きな集合体へ成長する状態である。このスライムが配管内や系統内に付着した場合、熱交換率の低下や更にはスライムの増加に伴って配管との界面が局部的に嫌気状態となって酸素濃淡電池が発生し腐食を助長する弊害も発生する。スライムは、その特性上、スケール、腐食生成物等の付着物質がある場合にはより発生しやすい傾向がある。このため、スライム防止のためにはスケール、腐食などの発生・付着を防止することが重要であるが、磁気処理によれば同時にこれらスケール付着も防止できるので好ましい。
【0012】
更に、磁気処理による活水処理では、配管内の腐食の進行を止め、あるいは防止できる。即ち、水は極性を有しており、水流は耐電粒子の流動である。したがって、この水流が磁場を通過すると電磁誘導により、誘導電圧が発生する。さらに、誘導電圧が発生すると同誘導電圧によって水は電気分解されて、原始的に原子状態の活性水素と活性酸素が発生することとなる。このうち、活性酸素は、すぐに水と結合してH2O2を生成する。一方、非常に還元力が強い活性水素は、配管の内壁に堆積した赤錆Fe2O3を還元して、四酸化三鉄Fe3O4を生成する。また、水中に含まれる鉄イオンに対しては、酸化の進行を防止する。ここで、赤錆Fe2O3は進行性の腐食生成物であるため、放置しておくと配管の内壁面を浸食して漏水の原因ともなるし、それ自体が流出して赤水を発生させる原因ともなっている。一方、四酸化三鉄Fe3O4は非常に安定な酸化物であって、一度生成されると再び酸化されて赤錆Fe2O3を発生させることもない。さらに、配管内壁面に生成した四酸化三鉄Fe3O4は緻密な被膜を形成するため水道管を赤錆による浸食から保護する。したがって、磁気処理を行った水は、配管の内壁の腐食を防ぐ。なお、磁気処理による活水処理では、処理対象は水に限らず、その他の流体でも良い。
【0013】
磁気活水処理部は、光触媒層を収容するケーシングに収容しても良いし、光触媒層を収容するケーシングとは別のケーシングに収容しても良い。
【0014】
さらに、請求項5記載の流体浄化装置のように、磁気活水処理部は、磁石と磁極片とを交互に積層した積層体を互いに平行に複数配置して、互いに隣り合う積層体の磁極片の間で流体を通過させる通路を形成し、流体が通路を通過する際に流体に磁界を作用させるものであり、通路を形成する領域の磁極片の縁と磁石の縁との距離が、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるようにしたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
しかして、請求項1記載の流体浄化装置では、内部が流体通路となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシングと、流体通路の流体の圧力に対してケーシングを補強し、紫外線を通過させる孔を有する補強材と、ケーシング内の紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層を備えているので、ケーシング内に紫外線ランプ等の光源を設けていなくても、ケーシング内の光触媒に紫外線を当てることができる。このため、装置の部品点数を減らすことができ、製造コストを安くすることができる。また、装置を簡素化することができ、小型化できて設置場所の自由度を向上させることができる。さらに、メンテナンスが簡単になる。また、紫外線の線源として太陽光を利用することができ、この場合には紫外線ランプ等の光源が不要になるのでランニングコストを安くすることができる。一方、ケーシングの外に紫外線ランプ等の光源を設けても良く、この場合には太陽光の当たらない場所にも装置を設置することが可能になり、設置場所の自由度がさらに向上する。なお、ケーシングの外に光源を設けたとしても、ケーシング内に光源を設けた場合に比べてその構造は簡単である。
【0016】
また、請求項2記載の流体浄化装置のように、ケーシングの内面に光触媒層を設けても良く、請求項3記載の流体浄化装置のように、ケーシング内に保持部材を設け、保持部材の表面に光触媒層を設けても良い。
【0017】
さらに、請求項4記載の流体浄化装置では、流体を活性化させる磁気活水処理部を備えているので、光触媒による殺菌作用や自浄作用に加えて、磁気による活水処理を行って細菌の繁殖し難い環境を整えるので、これらが相乗的に作用して比較的に短期に除菌効果が得られ、スケール、スライムの生成を抑え、レジオネラ菌やぬめりの原因となる細菌などのその他の菌類の繁殖を防ぐことができる。
【0018】
更に、磁気活水処理部として請求項5記載のものを用いる場合には、磁極片間に形成される通路の必要な箇所に必要な磁束密度・強い磁場を形成して磁力線と垂直に被処理流体を通過させて、通路の被処理流体が流れやすい箇所に大きな磁束密度を与えることができる。このため、磁場を最も強くしたい箇所に最も強い磁場を与えるように制御できるので、希土類系磁石に比べて比較的低磁束の磁石例えばフェライト系磁石を使っても、磁極片間に形成される通路の磁場が必要な箇所に必要な磁束密度・強い磁場を形成して流体の磁気処理・活性化を良好に行うことができる。したがって、残留磁束密度の高い高価な希土類系磁石等を使わなくとも、安価なフェライト系磁石でも十分な磁気処理効果が得られると共に、磁石並びに磁極片の段数を減らして装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。なお、処理対象となる流体として水を例に説明する。ただし、処理対象となる流体は水に限るものではなく、例えば軽油、ガソリン等の石油燃料や、化学プラントにおける供給反応材料等、光触媒効果の得られる他の幅広い流体に適用することもできる。
【0020】
図1に、本発明の流体浄化装置の実施形態の一例を示す。この流体浄化装置は、例えばパイプ状を成し、配管の一部として設置することができる。流体浄化装置は、内部が流体通路21となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシング22と、流体通路21の流体の圧力に対してケーシング22を補強し、紫外線を通過させる孔23a(図2,図3)を有する補強材23と、ケーシング22内の紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層24を備えている。
【0021】
ケーシング22はパイプ状を成しており、配管の一部として他のパイプ25とパイプ26の間に接続されている。ケーシング22は、紫外線を透過させる材料、例えばガラスやポリカーボネート等の透明な樹脂等によって形成されている。ただし、ケーシング22の材料はガラスやポリカーボネート等に限るものではなく、紫外線を透過させ、且つ内部に流体通路21を形成することができるものであれば良い。
【0022】
補強材23は円筒状を成し、ケーシング22の外周面に巻き付けられている。補強材23は、例えば薄肉のステンレス製の板に多数の小孔23aを規則的又はランダムにあけたもので、多数の小孔23aを紫外線が通過する。ステンレスの薄板に対して、小孔23aを例えば電子ビーム加工する。小孔23aの形状は、図2に示すように丸形状でも良く、図3に示すようにスリット形状でも良く、その他の形状でも良い。補強材23の板厚、加工する小孔23aの形状,数,直径,加工ピッチ等は、透過させる紫外線の量、補強材23の強度等を考慮して決定する。なお、補強材23の材料はステンレスに限るものではなく、他の金属、その他の材料でも良い。また、金属製の薄板に小孔23aを形成したものに代えて、例えばネット状の補強材23の使用も可能である。
【0023】
補強材23として、例えば、(1)板厚0.5mmのSUS316L材に、直径0.1mmの小孔23aを0.3mmピッチで60度で交差する千鳥状に加工したもの(開孔率10.1%)、(2)板厚0.5mmのSUS316L材に、直径0.2mmの小孔23aを0.4mmピッチで60度で交差する千鳥状に加工したもの(開孔率22.7%)、(3)板厚0.5mmのSUS316L−CSP材に、スロット孔φ0.15×4.0mmの小孔23a(スリット状のもの)を孔ピッチ5.2mmピッチ、列ピッチ1.0mmで加工したもの(開孔率11.5%)等の使用が可能である。
【0024】
ケーシング22を補強材23によって補強することで、ケーシング22の肉厚を実用的な厚さとしたまま十分な耐圧性を確保することができる。例えば、本発明の流体浄化装置を上水道管として使用することも可能である。上水道管として使用するためには法定の耐圧性を有する必要があるが、ケーシング22を補強材23によって補強することで、定められた耐圧性を十分に確保することができる。即ち、ケーシング22の材料として紫外線が透過する材料を使用した場合であっても、流体の圧力に対する耐圧性を十分に確保することができる。
【0025】
光触媒層24は、例えば酸化チタン光触媒を塗布した層で、ケーシング22の内面に設けられている。光触媒は、紫外線照射による光触媒効果により殺菌作用と自浄作用による防汚、吸着脱臭、有害物質の除去、汚染物質の分解・除去による浄水を行う。光触媒としてはアナターゼ型酸化チタンの採用が好ましく、酸化チタンの表面で微量の紫外線で光化学反応を起こし、水を分解して活性酸素を作り出し、この活性酸素の強い酸化力で有機物質(細菌の餌となったり汚れの原因となる)を酸化分解させたり、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌やO157等の細菌類を殺菌する。このため、スケール、スライムの生成を抑え、レジオネラ菌やぬめりの原因となる細菌などのその他の菌類の繁殖を防ぐと共に、藻類などの成長を抑制しあるいは死滅させる。
【0026】
この液体浄化装置は、例えば太陽光の当たる位置に設置される。太陽光の紫外線は、補強材23の小孔23aを通過し、ケーシング22を透過し、光触媒層24に当たる。このため、ケーシング22内に紫外線ランプ等の光源を設けていなくても、光触媒層24に紫外線を当てることができる。ケーシング22内への光源の設置を不要にできるので、装置の部品点数を減らすことができると共に装置の構造を簡素化することができ、製造コストを安くすることができる。また、光源を必要としないので、ランニングコストも安い。また、装置の形状がパイプ形状を成しており、通常のパイプと同様に配管の一部として設置できるので、特別な設置場所を必要とせず大変便利である。また、配管の一部として設置できるので、設置場所の自由度が向上する。光触媒は、紫外線を受けて流体通路21の流体を浄化する。紫外線を受ける光触媒には汚れが付着しにくいので、長期にわたって使用可能である。
【0027】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0028】
例えば、上述の説明では、ケーシング22の外周に補強材23を設けていたが、これに限るものではない。例えば図4に示すようにケーシング22の内周に補強材23を設けても良く、図5に示すようにケーシング22の内部に補強材23を鋳くるむようにしても良い。なお、図4及び図5では、中心線より上側半部のみを図示し、下側半部の図示を省略している。
【0029】
また、上述の説明では、ケーシング22の内面に光触媒層24を設けていたが、これに限るものでない。例えば図6に示すように、ケーシング22内に保持部材30を設け、保持部材30の表面に光触媒層24を設けるようにしても良い。この場合、例えばケーシング22の外周面に流入ポート31を設けると共に、ケーシング22の一端を蓋27によって塞ぎ、蓋27に保持部材30を取付けることが考えられる。保持部材30は、例えば棒状を成している。この場合にも、太陽光の紫外線は補強材23の小孔23aを通過し、ケーシング22を透過して光触媒層24に当たる。また、図7に示すように、保持部材30の表面とケーシング22の内面の両方に光触媒層24を設けても良い。
【0030】
また、図8及び図9に示すように、棒部材28と棒部材28から放射状に広がる板部材29とで保持部材30を構成しても良い。本実施形態では、4枚の板部材29を有している。ただし、板部材29の枚数は4枚に限るものではない。図6の保持部材30に比べて、図8の保持部材30ではその表面積を増やすことができるので、光触媒層24の面積を増やすことができる。
【0031】
また、ケーシング22の外に図示しない紫外線ランプ等の光源を設けても良い。この場合でも、ケーシング22内に光源を設ける場合に比べて、光源の取付け構造は簡単である。ケーシング22の外に光源を設けることで、太陽光の当たらない場所に流体浄化装置を設置することができる。ただし、太陽光が当たる場所に流体浄化装置を設置した場合にも光源を設けるようにしても良い。
【0032】
また、上述の説明では、ケーシング22をパイプ形状とし、配管の一部として流体浄化装置を設置していたが、ケーシング22の形状はこれに限るものではないことは勿論である。
【0033】
本発明の流体浄化装置を、例えば魚類等の水生生物の養殖施設等の水を循環させる配管の途中に設置することが考えられる。流体浄化装置によって水を浄化することで、養殖する水生生物が伝染病等にかかるのを防止することができる。例えば鯉の養殖施設に流体浄化装置を設置した場合には、コイヘルペスの感染防止を図ることができる。また、本発明の流体浄化装置を、上水道水や下水道等の配管の途中に設けることが考えられる。ただし、本発明の流体浄化装置の設置場所や用途はこれらに限るものではないことは勿論である。
【0034】
また、流体を活性化させる磁気活水処理部1を備えるようにしても良い。本実施形態では、磁気活水処理部1は、磁石2と磁極片3とを交互に積層した積層体4を互いに平行に複数配置して、互いに隣り合う積層体4の磁極片3の間で流体を通過させる通路6を形成し、流体が通路6を通過する際に流体に磁界を作用させるものであり、通路6を形成する領域の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離が、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるようにしたものである(図10〜図19)。
【0035】
ここで、通路6には磁束密度の必要性の重み付け、即ち意図的に狙った箇所に強い磁場を形成するように、通路6を形成する領域の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離xが、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるように設けることで磁場強度を制御するようにしている。本実施形態では、通路6を形成する領域の互いに隣設する磁極片3の縁の形状に対して磁石2の縁の形状を相似形とし、相似形状の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離xを一定とするようにしている。この場合には、磁極片3の間で形成される水を通過させる通路6の磁石2を配置している領域Aの全域で磁場の強い影響を受け、中でも通路が交差する水が流れ易い箇所では磁束が集中してより強い磁場の影響を受ける。
【0036】
積層体4は、交互に積層した磁石2と磁極片3を1本の支持軸7に通して1つのブロックに構成されている。本実施形態では、積層体4は例えば4本備えられている。さらに、4本の積層体4は、例えば2枚の端部固定板8と2枚の中間固定板9に組み付けられ一体化されている。即ち、4本の積層体4は、支持軸7と同じ長さの支柱10を中心に円状に且つ平行に並べられ、両端を端部固定板8によって、中間の2箇所を中間固定板9によってそれぞれ束ねられている。より具体的には、支柱10と各積層体4の支持軸7の両端にはねじ部11と段部12(図11に支持軸7について図示)が形成されており、段部12を端部固定板8の裏面に当て、ねじ部11を端部固定板8の孔に通してナット13を締め付けることで、各積層体4の両端を端部固定板8に取り付けている。また、磁石2と磁極片3を交互に積層して積層体4を製造する際、中間の2箇所において磁極片3の代わりに中間固定板9を積層しておくことで、4本の積層体4の途中の部分を数段毎に束ねている。本実施形態では、図10の上から4段目と5段目の間と、10段目と11段目(下から4段目と5段目)の間に中間固定板9を積層している。4本の積層体4を組み付ける際、隣接する積層体4の磁石2同士が反発又は吸引し合うので、途中に中間固定板9を設けることで、磁石2の反発又は吸引による振れで組付作業性が損なわれるのを防止することができる。また、途中に中間固定板9を設けることで、4本の積層体4の中間部分の剛性を向上させることができ、特に積層数が多くなる場合に有用である。尚、磁石2は脆く破損し易いのでそのかけらが流出しないようにするため、ステンレス製キャップ2aに納めて磁極片3に組み付けられている。例えば、本実施形態では磁石を2枚ずつ合わせてステンレス製カップ2aに収納して、磁極片3を挟んで連結するようにしている。勿論、磁石2は、1枚ずつでも良いし、場合によっては3枚以上合わせてカップ2aに収納して用いても良い。
【0037】
一体化された4本の積層体4から成る磁気活水処理部1は、筒状ケーシング14内に収容されている。本実施形態では、横断面形状が円形状を成す筒状ケーシング14内に磁気活水処理部1を収容するので、磁気活水処理部1全体の軸方向からみた輪郭を円形にする必要がある。このため、積層体4の数が4本の場合には、積層体4の磁極片3の形状を中心角が90度の扇形としている。
【0038】
筒状ケーシング14の入口17,出口18は、磁気活水処理部1を収容する部分に向けて緩やかに拡径したレジューサであることが好ましい。レジューサの拡径角度は例えば7°〜10°程度に設定されている。このレジューサから成る入口17を経て流体は筒状ケーシング14内に大きな乱れを招くことなく流入する。筒状ケーシング14は、例えばケーシング22の下流側に配置されている。ただし、筒状ケーシング14をケーシング22の上流側に配置しても良い。また、磁気活水処理部1を筒状ケーシング14内に収容するのに代えてケーシング22内に収容しても良い。
【0039】
隣接する積層体4の磁極片3の間には、適宜隙間があけられて水を通過させる通路6が形成されている。この通路の幅(隣合う磁極片3の間の隙間)dの大きさは、圧力損失と比例し磁場強度と反比例するので、磁場の影響が大きく低下しない範囲内で可能な限り広くすることが好ましい。即ち、水の圧力損失を考慮すると、磁極片3間の隙間(通路6)は広い方が良い。一方、発生する磁束密度の大きさを考慮すると、磁極片3間の隙間は狭い方が良い。そして、本発明者等の実験によると、磁極片3間の隙間(通路幅)dが0mm(隙間無し)から広がるにつれて磁極片3間の磁束密度は徐々に減少するが、約9mmまでは磁束密度の減少は緩やかであり、約9mmを超えると磁束密度の減少が目立ち始めるが、10mm程度までは磁力の低下が磁気処理に必要な磁束密度・強い磁場を形成するに実用上問題とならない範囲である。そこで、磁極片3間の磁束密度の減少と水の圧力損失の低減を考慮して、本実施形態では磁極片3間の隙間を10mmとしている。尚、本実施形態では、扇形の磁極片3を支柱10まわりに円形状に並べる配置であるので、軸方向からみて十字形状の通路6が形成される。通路6は各段の磁極片3毎に形成される。また、中間固定板9には、例えば図13に示すような切り欠き孔15が4箇所に設けられており、中間固定板9の段においては各切り欠き孔15が通路6となる。各切り欠き孔15は磁極片3間の通路6の上に重なるように配置されており、水の流れを妨げ難い構造となっている。
【0040】
通路6には磁束密度の必要性に対する重み付けがなされており、必要な箇所に必要な磁束密度・強い磁場を形成して磁力線と垂直に水を通過させるようにされている。つまり、水の磁気処理を行う場合、通路6の全ての部分について磁束密度を大きくしなくても、必要なところだけに磁束密度を大きくすれば、水を十分に活性化することができて磁気処理の効果として十分な効果を得ることができると考えられる。そこで、通路6を形成する領域の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離xが、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるように設けて磁場強度を制御することで重み付けするようにしている。
【0041】
本実施形態の場合、ケーシング14の管壁から離れた中央寄りの水が流れやすい領域Aに大きな磁束密度を与え、それ以外の領域の重み付けを小さくした。この場合、磁極片3の周辺のケーシング14との間の僅かな隙間(通路)あるいはその近傍の磁極片3間の通路6においては磁場の影響を大きく受けることがなくても、この部分には圧力損失やケーシング壁面との流体摩擦などによって水が流れ難いので、磁気処理効果に与える影響は小さい。したがって、磁束密度を水が流れやすい箇所に集中させることによる磁気処理の効率向上の方が上回り、全体として磁気処理・活性化を良好に行うことができる。
【0042】
上述の重み付けをするため、磁石2は、通路6を形成する領域の互いに隣設する磁極片3の縁の形状に対して磁石2の縁の形状を相似形とし、相似形状の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離xが一定となるように磁極片3と磁石2とを積層させている。即ち、本実施形態では、扇形の磁極片3に対し、磁石2の平面形状を中心角90度の扇形状とし、磁石2の縁と磁極片3の縁とが通路6の水が流れ易い領域Aにおいて等しくなるように配置されている。このようにすることで、磁石2として磁力が強く高価なものを使用しなくても、通路6の重み付けの大きな部分に重点的に大きな磁束密度を発生させることができる。
【0043】
本発明者等の実験によると、少なくとも200ガウス、好ましくは500ガウスの磁束密度が水に作用すれば赤さびが黒さびに変化したことが同定できた。したがって、残留磁束密度の高い高価な希土類系磁石等を使わなくとも、安価なフェライト系磁石でも十分な磁気処理効果が得られる。しかも、このフェライト系磁石は磁気特性が安定している。
【0044】
ここで、磁石の着磁方向は、積層方向(水の流れ方向)にN,Sとし隣合う磁石の対向する磁極がN,S極となるようにしても良いが、本実施形態の場合には積層体の積層方向と直交する同一平面において、互いに隣設する磁極片が同一磁極であるようにしている。さらには、同一平面内の磁石は全て同一磁極とし、積層方向にN極の平面とS極の平面とを交互に配置するようにしている。そして、通路6の幅dよりも磁極片3の積層方向の間隔tの方が広くなるように形成している。これによって、通路6を通過する水が互いに隣り合う磁極片3の同一磁極間で反発し合う磁力線を垂直に横切る。この場合、水に対して作用する磁力線の向きは1段毎に逆になるので、水は1段ごとに向きを変えた磁力線によって活性化されることになる。このため、水に対する磁束作用を極めて大きくすることができ、小型の装置で高い活性化効果を得ることができる。N極とS極とに交互に通過することによって効率的にスピン現象を起こすことでさび成分などが磁気をもった小さなマグネトロンになり、配管の内壁に発生するマイナスのゼータ電位に対してプラス電位となった細かな磁石が吸着することで管壁をマグネタイトで次第に被覆するものと推定される。
【0045】
ここで、積層体4の数は4本に限られず、2本、3本、あるいは5本以上にしても良い。例えば、図15に積層体4の数を9本とした場合の例を示す。この場合には、軸方向からみて格子状の通路6となる。なお、図15の符号Aで示す仮想線の円の範囲が通路6の大きな重み付けの部分である。また、例えば図16に示すように、外側の積層体4の磁極片3と筒状ケーシング14との間も通路6にする場合には、通路6全体に大きな重み付けをしても良い。この場合には、磁石2の横断面の形状及び大きさを磁極片3の形状及び大きさとほぼ同じにすれば良い。即ち、磁極片3並びに磁石2の形状は、前述の扇形に限定されるものではなく、必要に応じて種々の形状をとり得ることができるものである。
【0046】
また、上述の説明では、隣接する積層体4では、向かい合う磁極片3同士が同極になるようにしていたが、この構成に限るものではなく、例えば図17に示すように、向かい合う磁極片3同士が異極になるようにしても良い。この場合にも、磁極片3間には磁力線が発生するので、水に対して磁力線を作用させることができる。
【0047】
また、上述の説明では、各積層体4の磁極片3の高さを同一にし、図14に示すように隣接する積層体4の磁極片3同士が正面に向かい合うように配置していたが、例えば図18に示すように、一端にスペーサ16を設ける等して隣接する積層体4の磁極片3同士をずらして配置しても良い。磁極片3同士の配置をずらすことで磁極片3間の距離が広がるので、通路6の通路面積を増加させて水の圧力損失を減らすことができる。
【0048】
以上のように構成された磁気活水処理部1によると、光触媒層24が設けられているケーシング22を通過した被処理流体例えば水は、筒状ケーシング14内での流れの挙動がどのようであろうと、各段の磁極片3の間の通路6を通過する際には、水に磁力線が直角に作用する。しかも、水の多くが磁気処理に必要な磁束密度が発生する領域Aを通過するため、筒状ケーシング14内を通り抜ける頃には、磁気処理・活性化が完了している。即ち、大きな磁束密度が欲しい所に大きな磁束密度を発生させることができる。このため、効率よく水の活性化を行うことができ、通路6全体に大きな磁束密度を発生させるような強い磁力の磁石2を使用しなくて済む。
【0049】
なお、水の磁気処理の効果として、配管内の腐食の進行を止め、あるいは防止できるメカニズムは次の通りである。即ち、水は極性を有しており、水流は耐電粒子の流動である。したがって、この水流が磁場を通過すると電磁誘導により、誘導電流が発生する。さらに、誘導電流が発生すると同誘導電流によって水は電気分解されて、原始的に原子状態の活性水素と活性酸素が発生することとなる。
【0050】
このうち、活性酸素は、すぐに水と結合してH2O2を生成する。一方、非常に還元力が強い活性水素は、水道管壁に堆積した赤錆Fe2O3を還元して、四酸化三鉄Fe3O4を生成する。また、水中に含まれる鉄イオンに対しては、酸化の進行を防止する。ここで、赤錆Fe2O3は進行性の腐食生成物であるため、放置しておくと水道管壁面を浸食して漏水の原因ともなるし、それ自体が流出して赤水を発生させる原因ともなっている。一方、四酸化三鉄Fe3O4は非常に安定な酸化物であって、一度生成されると再び酸化されて赤錆Fe2O3を発生させることもない。さらに、水道管壁面に生成した四酸化三鉄Fe3O4は緻密な被膜を形成するため水道管を赤錆による浸食から保護する。したがって、磁気処理を行った水は、水道管の閉塞、漏水、赤水を防止することが可能となっている。本発明者等の実験によると、本発明の磁気処理装置を温水管・給水管に設置した場合、設置45日目において濁度・溶出鉄分などに顕著な変化が現れ、設置88日目にはX線回折法による同定検査にて配管内のマグネタイト化が確認された。また。発電所の排水管に設置した場合の実験においては、3ヶ月設置した後に、装置を2週間外していても、ゼータ電位(界面電位)が確認され、管内壁面にマグネタイトが生成されたことが推定された。
【0051】
また、同時に、磁気処理により発生する活性酸素は、菌の餌となる有機物を分解したり、住みかをなくして、レジオネラ菌やその他の菌類、藻類などが繁殖し難い環境を作り出し維持すると共に、スケール成分(カルシウム、マグネシウムなど)の析出を抑えることができる。即ち、磁気処理により水の活性化を促し、菌の餌となる有機物を分解したり、住みかをなくして、菌類や藻類などが繁殖し難い環境を作り出し維持する。同時に、磁気処理により、水の分子の集合体であるクラスターが小さくなり、溶解度が上がることから、スケール成分(カルシウム、マグネシウムなど)の析出を抑えることができる。スケール成分は磁気処理により固着力が弱まり、微細化した状態で装置から流出するので、配管や熱交換機・濾過器などへ付着しない。通常、スケールを形成する結晶核は、電気的に不安定な状態で溶存しており、相互間の磁性によって誘因凝集(反応)しながら粒子状に成長する。そして、更に成長を続けた粒子は、配管内の静電気に引き寄せられて管壁に沈殿・固着して管を閉塞させる。しかし、磁化処理すると、存置内の電場(磁場)が結晶核の電位を配管内の静電気に反発する電位に変えるので、結晶核は浮遊しながら微細な粒子状態で安定し、配管に付着せずに排出される。また既に固着しているスケールは、粒子が丸みを帯び、相互間の付着力が低下し徐々に剥離して管外へ流出する。スライムは、水中に存在する殺菌が有機物などを利用して増殖したコロニーが主なものであり、細菌がお互いに粘着物質を分泌しながら凝集して徐々に大きな集合体へ成長する状態である。このスライムが配管内や系統内に付着した場合、熱交換率の低下や更にはスライムの増加に伴って配管との界面が局部的に嫌気状態となって酸素濃淡電池が発生し腐食を助長する弊害も発生する。スライムは、その特性上、スケール、腐食生成物等の付着物質がある場合にはより発生しやすい傾向がある。このため、スライム防止のためにはスケール、腐食などの発生・付着を防止することが重要であるが、磁気処理によれば同時にこれらスケール付着も防止できるので好ましい。
【0052】
以上のように光触媒層24に加えて磁気活水処理部1を備える流体浄化装置では、光触媒による殺菌効果だけに依存するものではなく、磁気活水処理部1の活水効果を利用することにより殺菌効果を相乗的に高めることができる。即ち、光触媒によって殺菌あるいは滅菌を図る一方、活水処理によって細菌の繁殖し難い環境を整えるので、これらが相乗的に作用して比較的に短期に除菌効果が得られ、スケール、スライムの生成を抑え、レジオネラ菌やぬめりの原因となる細菌などのその他の菌類の繁殖を防ぐことができる。
【0053】
また、磁気活水処理部1に代えて、ステンレス製のメッシュのカゴに麦飯石、トルマリン、ゼオライトなどの鉱物あるいはそれらを粉砕・焼成したセラミックスなどを収容したものを使用することも可能である。この場合にも磁気活水処理部1と同様に、スライム等の発生を防止する効果があり、殺菌部との間で同様の相乗効果を奏するものである。
【0054】
また、本装置は、海水を処理対象とすることも可能である。例えば、発電所の蒸気を復水させるコンデンサの冷却材としてあるいは天然ガスを気化させる冷媒として使用される海水の取水配管あるいは排水配管に、本除菌装置を組み込むことで、自然環境を汚染することなく配管中のさび、ぬめり、藻の繁殖あるいはムラサキガイなどの稚貝の発生を防ぐことができる。
【0055】
更に、本装置は、例えば殺菌洗浄水、家畜用飲料水、軽油、ガソリン等の石油燃料や、化学プラントにおける供給反応材料等、磁束作用での活性化効果の得られる他の幅広い流体に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の流体浄化装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】補強材に設けた小孔を示す図である。
【図3】補強材に設けた小孔の他の例を示す図である。
【図4】本発明の流体浄化装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の流体浄化装置の第3の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の流体浄化装置の第4の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明の流体浄化装置の第5の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明の流体浄化装置の第6の実施形態を示す断面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】磁気活水処理部の一例である磁気処理装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図11】積層体の端部を示す斜視図である。
【図12】図10のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】中間固定板の平面図である。
【図14】隣接する積層体の磁極片の磁極の関係を説明する図である。
【図15】磁気活水処理部の第2の実施形態を示す横断面図である。
【図16】磁気活水処理部の第3の実施形態を示す横断面図である。
【図17】磁気活水処理部の第4の実施形態を示す説明図である。
【図18】磁気活水処理部の第5の実施形態を示す説明図である。
【図19】磁気活水処理部をケーシング内に設置した様子を示す平面図である。
【図20】従来の流体浄化装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 磁気活水処理部
2 磁石
3 磁極片
4 積層体
6 流体を通過させる通路
21 流体通路
22 ケーシング
23 補強材
23a 小孔(紫外線を通過させる孔)
24 光触媒層
25 保持部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒の殺菌作用を利用して流体の浄化を行う流体浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光触媒を利用して水の浄化を行う浄化装置として、例えば特開平10−151450号公報に開示されたものがある。この浄化装置は、図20に示すように、管路の途中に設置した浄化槽101内に光触媒を担持させた光触媒保持材102と、紫外線ランプ103を内蔵した透光管104を収容している。浄化槽101はステンレス製であり、太陽光の紫外線を遮断する構造である。このため、浄化槽101内に設けた紫外線ランプ103から光触媒に紫外線を照射し、浄化槽101内の水中の細菌等のTOC成分を除去するようにしている。
【0003】
また、加圧された流体を扱う配管設備では、加圧流体を流す管状部材をステンレスや塩化ビニール等の不透明な材料で形成している。これは、ガラスやポリカーボネート等の透明な材料で製造した管状部材では十分な耐圧性を確保するのが困難だからであり、管状部材の耐圧性を確保するためにはステンレスや塩化ビニール等の不透明な材料で管状部材を形成する必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開平10−151450号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の浄化装置では、浄化槽101内の光触媒に紫外線を照射するために紫外線ランプ103を内蔵した透光管104を浄化槽101内に設置しているので、部品点数が増加して製造コストが高くなると共に、装置が大掛かりなものになる。ここで、浄化槽101をガラスやポリカーボネート等の透明な材料で形成し、太陽光の紫外線を浄化槽101内の光触媒に当てるようにすれば、浄化槽101内に紫外線ランプ103を設置する必要が無くなり、製造コストを下げることができると共に装置を簡素化することが可能ではあるが、この場合には浄化槽101が耐圧性の低いものとなり、加圧した流体を流す設備には使用することができなくなる。
【0006】
本発明は、耐圧性に優れ、内部に紫外線ランプ等の光源を必要としない液体浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の液体浄化装置は、内部が流体通路となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシングと、流体通路の流体の圧力に対してケーシングを補強し、紫外線を通過させる孔を有する補強材と、ケーシング内の紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層を備えるものである。
【0008】
したがって、太陽光等の紫外線はケーシングの外からケーシングを透過し、補強材の孔を通過してケーシング内へと差し込む。このため、ケーシング内に紫外線ランプ等の光源を設けていなくても、ケーシング内の光触媒に紫外線を当てることができる。紫外線を透過させる材料、例えば透明な樹脂やガラス等で製造したケーシングは、例えばステンレス等で形成されたケーシングに比べて耐圧性に劣ることが一般的であると考えられるが、補強材によってケーシングを補強することで、ケーシングの耐圧性が向上し、内部の流体の圧力に十分に耐えることができる。補強材には紫外線を通過させる孔が設けられているので、補強材によってケーシングを補強しても、内部に差し込む紫外線を完全に遮ることはない。太陽光の紫外線をケーシングの内部に差し込ませるようにしても良いし、ケーシングの外に紫外線ランプ等の光源を設け、この光源から照射される紫外線ランプをケーシングの内部に差し込ませるようにしても良い。光源を設ける場合であっても、ケーシングの外に設けることができるので、ケーシング内に設ける場合に比べて構造が簡単である。
【0009】
紫外線を受けた光触媒層は、光触媒効果による殺菌作用と自浄作用による防汚、吸着脱臭、有害物質の除去、汚染物質の分解・除去による浄水を行う。光触媒としてはアナターゼ型酸化チタンの採用が好ましく、酸化チタンの表面で微量の紫外線で高化学反応を起こし、水を分解して活性酸素を作り出し、この活性酸素の強い酸化力で有機物質(細菌の餌となったり汚れの原因となる)を酸化分解させたり、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌やO157等の細菌類を殺菌する。このため、スケール、スライムの生成を抑え、レジオネラ菌やぬめりの原因となる細菌などのその他の菌類の繁殖を防ぐと共に、藻類などの成長を抑制しあるいは死滅させる。
【0010】
請求項2記載の流体浄化装置のように、ケーシングの内面に光触媒層を設けても良く、請求項3記載の流体浄化装置のように、ケーシング内に保持部材を設け、保持部材の表面に光触媒層を設けても良い。
【0011】
また、請求項4記載の流体浄化装置は、流体を活性化させる磁気活水処理部を備えている。したがって、磁気処理による活水処理を行うことができる。ここで、活水処理は、菌の餌となる有機物を分解したり、住みかをなくして、レジオネラ菌やその他の菌類、藻類などが繁殖し難い環境を作り出し維持すると共に、スケール成分(カルシウム、マグネシウムなど)の析出を抑えることができる。そして、磁気処理による活水処理によると、ロレンツ効果を利用して水の活性化を促し、菌の餌となる有機物を分解したり、住みかをなくして、菌類や藻類などが繁殖し難い環境を作り出し維持する。同時に、磁気処理により、水の分子の集合体であるクラスターが小さくなり、溶解度が上がることから、スケール成分(カルシウム、マグネシウムなど)の析出を抑えることができる。スケール成分は磁気処理により固着力が弱まり、微細化した状態で装置から流出するので、配管や熱交換機・濾過器などへ付着しない。通常、スケールを形成する結晶核は、電気的に不安定な状態で溶存しており、相互間の磁性によって誘因凝集(反応)しながら粒子状に成長する。そして、更に成長を続けた粒子は、配管内の静電気に引き寄せられて管壁に沈殿・固着して管を閉塞させる。しかし、磁化処理すると、存置内の電場(磁場)が結晶核の電位を配管内の静電気に反発する電位に変えるので、結晶核は浮遊しながら微細な粒子状態で安定し、配管に付着せずに排出される。また既に固着しているスケールは、粒子が丸みを帯び、相互間の付着力が低下し徐々に剥離して管外へ流出する。スライムは、水中に存在する殺菌が有機物などを利用して増殖したコロニーが主なものであり、細菌がお互いに粘着物質を分泌しながら凝集して徐々に大きな集合体へ成長する状態である。このスライムが配管内や系統内に付着した場合、熱交換率の低下や更にはスライムの増加に伴って配管との界面が局部的に嫌気状態となって酸素濃淡電池が発生し腐食を助長する弊害も発生する。スライムは、その特性上、スケール、腐食生成物等の付着物質がある場合にはより発生しやすい傾向がある。このため、スライム防止のためにはスケール、腐食などの発生・付着を防止することが重要であるが、磁気処理によれば同時にこれらスケール付着も防止できるので好ましい。
【0012】
更に、磁気処理による活水処理では、配管内の腐食の進行を止め、あるいは防止できる。即ち、水は極性を有しており、水流は耐電粒子の流動である。したがって、この水流が磁場を通過すると電磁誘導により、誘導電圧が発生する。さらに、誘導電圧が発生すると同誘導電圧によって水は電気分解されて、原始的に原子状態の活性水素と活性酸素が発生することとなる。このうち、活性酸素は、すぐに水と結合してH2O2を生成する。一方、非常に還元力が強い活性水素は、配管の内壁に堆積した赤錆Fe2O3を還元して、四酸化三鉄Fe3O4を生成する。また、水中に含まれる鉄イオンに対しては、酸化の進行を防止する。ここで、赤錆Fe2O3は進行性の腐食生成物であるため、放置しておくと配管の内壁面を浸食して漏水の原因ともなるし、それ自体が流出して赤水を発生させる原因ともなっている。一方、四酸化三鉄Fe3O4は非常に安定な酸化物であって、一度生成されると再び酸化されて赤錆Fe2O3を発生させることもない。さらに、配管内壁面に生成した四酸化三鉄Fe3O4は緻密な被膜を形成するため水道管を赤錆による浸食から保護する。したがって、磁気処理を行った水は、配管の内壁の腐食を防ぐ。なお、磁気処理による活水処理では、処理対象は水に限らず、その他の流体でも良い。
【0013】
磁気活水処理部は、光触媒層を収容するケーシングに収容しても良いし、光触媒層を収容するケーシングとは別のケーシングに収容しても良い。
【0014】
さらに、請求項5記載の流体浄化装置のように、磁気活水処理部は、磁石と磁極片とを交互に積層した積層体を互いに平行に複数配置して、互いに隣り合う積層体の磁極片の間で流体を通過させる通路を形成し、流体が通路を通過する際に流体に磁界を作用させるものであり、通路を形成する領域の磁極片の縁と磁石の縁との距離が、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるようにしたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
しかして、請求項1記載の流体浄化装置では、内部が流体通路となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシングと、流体通路の流体の圧力に対してケーシングを補強し、紫外線を通過させる孔を有する補強材と、ケーシング内の紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層を備えているので、ケーシング内に紫外線ランプ等の光源を設けていなくても、ケーシング内の光触媒に紫外線を当てることができる。このため、装置の部品点数を減らすことができ、製造コストを安くすることができる。また、装置を簡素化することができ、小型化できて設置場所の自由度を向上させることができる。さらに、メンテナンスが簡単になる。また、紫外線の線源として太陽光を利用することができ、この場合には紫外線ランプ等の光源が不要になるのでランニングコストを安くすることができる。一方、ケーシングの外に紫外線ランプ等の光源を設けても良く、この場合には太陽光の当たらない場所にも装置を設置することが可能になり、設置場所の自由度がさらに向上する。なお、ケーシングの外に光源を設けたとしても、ケーシング内に光源を設けた場合に比べてその構造は簡単である。
【0016】
また、請求項2記載の流体浄化装置のように、ケーシングの内面に光触媒層を設けても良く、請求項3記載の流体浄化装置のように、ケーシング内に保持部材を設け、保持部材の表面に光触媒層を設けても良い。
【0017】
さらに、請求項4記載の流体浄化装置では、流体を活性化させる磁気活水処理部を備えているので、光触媒による殺菌作用や自浄作用に加えて、磁気による活水処理を行って細菌の繁殖し難い環境を整えるので、これらが相乗的に作用して比較的に短期に除菌効果が得られ、スケール、スライムの生成を抑え、レジオネラ菌やぬめりの原因となる細菌などのその他の菌類の繁殖を防ぐことができる。
【0018】
更に、磁気活水処理部として請求項5記載のものを用いる場合には、磁極片間に形成される通路の必要な箇所に必要な磁束密度・強い磁場を形成して磁力線と垂直に被処理流体を通過させて、通路の被処理流体が流れやすい箇所に大きな磁束密度を与えることができる。このため、磁場を最も強くしたい箇所に最も強い磁場を与えるように制御できるので、希土類系磁石に比べて比較的低磁束の磁石例えばフェライト系磁石を使っても、磁極片間に形成される通路の磁場が必要な箇所に必要な磁束密度・強い磁場を形成して流体の磁気処理・活性化を良好に行うことができる。したがって、残留磁束密度の高い高価な希土類系磁石等を使わなくとも、安価なフェライト系磁石でも十分な磁気処理効果が得られると共に、磁石並びに磁極片の段数を減らして装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。なお、処理対象となる流体として水を例に説明する。ただし、処理対象となる流体は水に限るものではなく、例えば軽油、ガソリン等の石油燃料や、化学プラントにおける供給反応材料等、光触媒効果の得られる他の幅広い流体に適用することもできる。
【0020】
図1に、本発明の流体浄化装置の実施形態の一例を示す。この流体浄化装置は、例えばパイプ状を成し、配管の一部として設置することができる。流体浄化装置は、内部が流体通路21となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシング22と、流体通路21の流体の圧力に対してケーシング22を補強し、紫外線を通過させる孔23a(図2,図3)を有する補強材23と、ケーシング22内の紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層24を備えている。
【0021】
ケーシング22はパイプ状を成しており、配管の一部として他のパイプ25とパイプ26の間に接続されている。ケーシング22は、紫外線を透過させる材料、例えばガラスやポリカーボネート等の透明な樹脂等によって形成されている。ただし、ケーシング22の材料はガラスやポリカーボネート等に限るものではなく、紫外線を透過させ、且つ内部に流体通路21を形成することができるものであれば良い。
【0022】
補強材23は円筒状を成し、ケーシング22の外周面に巻き付けられている。補強材23は、例えば薄肉のステンレス製の板に多数の小孔23aを規則的又はランダムにあけたもので、多数の小孔23aを紫外線が通過する。ステンレスの薄板に対して、小孔23aを例えば電子ビーム加工する。小孔23aの形状は、図2に示すように丸形状でも良く、図3に示すようにスリット形状でも良く、その他の形状でも良い。補強材23の板厚、加工する小孔23aの形状,数,直径,加工ピッチ等は、透過させる紫外線の量、補強材23の強度等を考慮して決定する。なお、補強材23の材料はステンレスに限るものではなく、他の金属、その他の材料でも良い。また、金属製の薄板に小孔23aを形成したものに代えて、例えばネット状の補強材23の使用も可能である。
【0023】
補強材23として、例えば、(1)板厚0.5mmのSUS316L材に、直径0.1mmの小孔23aを0.3mmピッチで60度で交差する千鳥状に加工したもの(開孔率10.1%)、(2)板厚0.5mmのSUS316L材に、直径0.2mmの小孔23aを0.4mmピッチで60度で交差する千鳥状に加工したもの(開孔率22.7%)、(3)板厚0.5mmのSUS316L−CSP材に、スロット孔φ0.15×4.0mmの小孔23a(スリット状のもの)を孔ピッチ5.2mmピッチ、列ピッチ1.0mmで加工したもの(開孔率11.5%)等の使用が可能である。
【0024】
ケーシング22を補強材23によって補強することで、ケーシング22の肉厚を実用的な厚さとしたまま十分な耐圧性を確保することができる。例えば、本発明の流体浄化装置を上水道管として使用することも可能である。上水道管として使用するためには法定の耐圧性を有する必要があるが、ケーシング22を補強材23によって補強することで、定められた耐圧性を十分に確保することができる。即ち、ケーシング22の材料として紫外線が透過する材料を使用した場合であっても、流体の圧力に対する耐圧性を十分に確保することができる。
【0025】
光触媒層24は、例えば酸化チタン光触媒を塗布した層で、ケーシング22の内面に設けられている。光触媒は、紫外線照射による光触媒効果により殺菌作用と自浄作用による防汚、吸着脱臭、有害物質の除去、汚染物質の分解・除去による浄水を行う。光触媒としてはアナターゼ型酸化チタンの採用が好ましく、酸化チタンの表面で微量の紫外線で光化学反応を起こし、水を分解して活性酸素を作り出し、この活性酸素の強い酸化力で有機物質(細菌の餌となったり汚れの原因となる)を酸化分解させたり、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌やO157等の細菌類を殺菌する。このため、スケール、スライムの生成を抑え、レジオネラ菌やぬめりの原因となる細菌などのその他の菌類の繁殖を防ぐと共に、藻類などの成長を抑制しあるいは死滅させる。
【0026】
この液体浄化装置は、例えば太陽光の当たる位置に設置される。太陽光の紫外線は、補強材23の小孔23aを通過し、ケーシング22を透過し、光触媒層24に当たる。このため、ケーシング22内に紫外線ランプ等の光源を設けていなくても、光触媒層24に紫外線を当てることができる。ケーシング22内への光源の設置を不要にできるので、装置の部品点数を減らすことができると共に装置の構造を簡素化することができ、製造コストを安くすることができる。また、光源を必要としないので、ランニングコストも安い。また、装置の形状がパイプ形状を成しており、通常のパイプと同様に配管の一部として設置できるので、特別な設置場所を必要とせず大変便利である。また、配管の一部として設置できるので、設置場所の自由度が向上する。光触媒は、紫外線を受けて流体通路21の流体を浄化する。紫外線を受ける光触媒には汚れが付着しにくいので、長期にわたって使用可能である。
【0027】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0028】
例えば、上述の説明では、ケーシング22の外周に補強材23を設けていたが、これに限るものではない。例えば図4に示すようにケーシング22の内周に補強材23を設けても良く、図5に示すようにケーシング22の内部に補強材23を鋳くるむようにしても良い。なお、図4及び図5では、中心線より上側半部のみを図示し、下側半部の図示を省略している。
【0029】
また、上述の説明では、ケーシング22の内面に光触媒層24を設けていたが、これに限るものでない。例えば図6に示すように、ケーシング22内に保持部材30を設け、保持部材30の表面に光触媒層24を設けるようにしても良い。この場合、例えばケーシング22の外周面に流入ポート31を設けると共に、ケーシング22の一端を蓋27によって塞ぎ、蓋27に保持部材30を取付けることが考えられる。保持部材30は、例えば棒状を成している。この場合にも、太陽光の紫外線は補強材23の小孔23aを通過し、ケーシング22を透過して光触媒層24に当たる。また、図7に示すように、保持部材30の表面とケーシング22の内面の両方に光触媒層24を設けても良い。
【0030】
また、図8及び図9に示すように、棒部材28と棒部材28から放射状に広がる板部材29とで保持部材30を構成しても良い。本実施形態では、4枚の板部材29を有している。ただし、板部材29の枚数は4枚に限るものではない。図6の保持部材30に比べて、図8の保持部材30ではその表面積を増やすことができるので、光触媒層24の面積を増やすことができる。
【0031】
また、ケーシング22の外に図示しない紫外線ランプ等の光源を設けても良い。この場合でも、ケーシング22内に光源を設ける場合に比べて、光源の取付け構造は簡単である。ケーシング22の外に光源を設けることで、太陽光の当たらない場所に流体浄化装置を設置することができる。ただし、太陽光が当たる場所に流体浄化装置を設置した場合にも光源を設けるようにしても良い。
【0032】
また、上述の説明では、ケーシング22をパイプ形状とし、配管の一部として流体浄化装置を設置していたが、ケーシング22の形状はこれに限るものではないことは勿論である。
【0033】
本発明の流体浄化装置を、例えば魚類等の水生生物の養殖施設等の水を循環させる配管の途中に設置することが考えられる。流体浄化装置によって水を浄化することで、養殖する水生生物が伝染病等にかかるのを防止することができる。例えば鯉の養殖施設に流体浄化装置を設置した場合には、コイヘルペスの感染防止を図ることができる。また、本発明の流体浄化装置を、上水道水や下水道等の配管の途中に設けることが考えられる。ただし、本発明の流体浄化装置の設置場所や用途はこれらに限るものではないことは勿論である。
【0034】
また、流体を活性化させる磁気活水処理部1を備えるようにしても良い。本実施形態では、磁気活水処理部1は、磁石2と磁極片3とを交互に積層した積層体4を互いに平行に複数配置して、互いに隣り合う積層体4の磁極片3の間で流体を通過させる通路6を形成し、流体が通路6を通過する際に流体に磁界を作用させるものであり、通路6を形成する領域の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離が、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるようにしたものである(図10〜図19)。
【0035】
ここで、通路6には磁束密度の必要性の重み付け、即ち意図的に狙った箇所に強い磁場を形成するように、通路6を形成する領域の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離xが、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるように設けることで磁場強度を制御するようにしている。本実施形態では、通路6を形成する領域の互いに隣設する磁極片3の縁の形状に対して磁石2の縁の形状を相似形とし、相似形状の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離xを一定とするようにしている。この場合には、磁極片3の間で形成される水を通過させる通路6の磁石2を配置している領域Aの全域で磁場の強い影響を受け、中でも通路が交差する水が流れ易い箇所では磁束が集中してより強い磁場の影響を受ける。
【0036】
積層体4は、交互に積層した磁石2と磁極片3を1本の支持軸7に通して1つのブロックに構成されている。本実施形態では、積層体4は例えば4本備えられている。さらに、4本の積層体4は、例えば2枚の端部固定板8と2枚の中間固定板9に組み付けられ一体化されている。即ち、4本の積層体4は、支持軸7と同じ長さの支柱10を中心に円状に且つ平行に並べられ、両端を端部固定板8によって、中間の2箇所を中間固定板9によってそれぞれ束ねられている。より具体的には、支柱10と各積層体4の支持軸7の両端にはねじ部11と段部12(図11に支持軸7について図示)が形成されており、段部12を端部固定板8の裏面に当て、ねじ部11を端部固定板8の孔に通してナット13を締め付けることで、各積層体4の両端を端部固定板8に取り付けている。また、磁石2と磁極片3を交互に積層して積層体4を製造する際、中間の2箇所において磁極片3の代わりに中間固定板9を積層しておくことで、4本の積層体4の途中の部分を数段毎に束ねている。本実施形態では、図10の上から4段目と5段目の間と、10段目と11段目(下から4段目と5段目)の間に中間固定板9を積層している。4本の積層体4を組み付ける際、隣接する積層体4の磁石2同士が反発又は吸引し合うので、途中に中間固定板9を設けることで、磁石2の反発又は吸引による振れで組付作業性が損なわれるのを防止することができる。また、途中に中間固定板9を設けることで、4本の積層体4の中間部分の剛性を向上させることができ、特に積層数が多くなる場合に有用である。尚、磁石2は脆く破損し易いのでそのかけらが流出しないようにするため、ステンレス製キャップ2aに納めて磁極片3に組み付けられている。例えば、本実施形態では磁石を2枚ずつ合わせてステンレス製カップ2aに収納して、磁極片3を挟んで連結するようにしている。勿論、磁石2は、1枚ずつでも良いし、場合によっては3枚以上合わせてカップ2aに収納して用いても良い。
【0037】
一体化された4本の積層体4から成る磁気活水処理部1は、筒状ケーシング14内に収容されている。本実施形態では、横断面形状が円形状を成す筒状ケーシング14内に磁気活水処理部1を収容するので、磁気活水処理部1全体の軸方向からみた輪郭を円形にする必要がある。このため、積層体4の数が4本の場合には、積層体4の磁極片3の形状を中心角が90度の扇形としている。
【0038】
筒状ケーシング14の入口17,出口18は、磁気活水処理部1を収容する部分に向けて緩やかに拡径したレジューサであることが好ましい。レジューサの拡径角度は例えば7°〜10°程度に設定されている。このレジューサから成る入口17を経て流体は筒状ケーシング14内に大きな乱れを招くことなく流入する。筒状ケーシング14は、例えばケーシング22の下流側に配置されている。ただし、筒状ケーシング14をケーシング22の上流側に配置しても良い。また、磁気活水処理部1を筒状ケーシング14内に収容するのに代えてケーシング22内に収容しても良い。
【0039】
隣接する積層体4の磁極片3の間には、適宜隙間があけられて水を通過させる通路6が形成されている。この通路の幅(隣合う磁極片3の間の隙間)dの大きさは、圧力損失と比例し磁場強度と反比例するので、磁場の影響が大きく低下しない範囲内で可能な限り広くすることが好ましい。即ち、水の圧力損失を考慮すると、磁極片3間の隙間(通路6)は広い方が良い。一方、発生する磁束密度の大きさを考慮すると、磁極片3間の隙間は狭い方が良い。そして、本発明者等の実験によると、磁極片3間の隙間(通路幅)dが0mm(隙間無し)から広がるにつれて磁極片3間の磁束密度は徐々に減少するが、約9mmまでは磁束密度の減少は緩やかであり、約9mmを超えると磁束密度の減少が目立ち始めるが、10mm程度までは磁力の低下が磁気処理に必要な磁束密度・強い磁場を形成するに実用上問題とならない範囲である。そこで、磁極片3間の磁束密度の減少と水の圧力損失の低減を考慮して、本実施形態では磁極片3間の隙間を10mmとしている。尚、本実施形態では、扇形の磁極片3を支柱10まわりに円形状に並べる配置であるので、軸方向からみて十字形状の通路6が形成される。通路6は各段の磁極片3毎に形成される。また、中間固定板9には、例えば図13に示すような切り欠き孔15が4箇所に設けられており、中間固定板9の段においては各切り欠き孔15が通路6となる。各切り欠き孔15は磁極片3間の通路6の上に重なるように配置されており、水の流れを妨げ難い構造となっている。
【0040】
通路6には磁束密度の必要性に対する重み付けがなされており、必要な箇所に必要な磁束密度・強い磁場を形成して磁力線と垂直に水を通過させるようにされている。つまり、水の磁気処理を行う場合、通路6の全ての部分について磁束密度を大きくしなくても、必要なところだけに磁束密度を大きくすれば、水を十分に活性化することができて磁気処理の効果として十分な効果を得ることができると考えられる。そこで、通路6を形成する領域の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離xが、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるように設けて磁場強度を制御することで重み付けするようにしている。
【0041】
本実施形態の場合、ケーシング14の管壁から離れた中央寄りの水が流れやすい領域Aに大きな磁束密度を与え、それ以外の領域の重み付けを小さくした。この場合、磁極片3の周辺のケーシング14との間の僅かな隙間(通路)あるいはその近傍の磁極片3間の通路6においては磁場の影響を大きく受けることがなくても、この部分には圧力損失やケーシング壁面との流体摩擦などによって水が流れ難いので、磁気処理効果に与える影響は小さい。したがって、磁束密度を水が流れやすい箇所に集中させることによる磁気処理の効率向上の方が上回り、全体として磁気処理・活性化を良好に行うことができる。
【0042】
上述の重み付けをするため、磁石2は、通路6を形成する領域の互いに隣設する磁極片3の縁の形状に対して磁石2の縁の形状を相似形とし、相似形状の磁極片3の縁と磁石2の縁との距離xが一定となるように磁極片3と磁石2とを積層させている。即ち、本実施形態では、扇形の磁極片3に対し、磁石2の平面形状を中心角90度の扇形状とし、磁石2の縁と磁極片3の縁とが通路6の水が流れ易い領域Aにおいて等しくなるように配置されている。このようにすることで、磁石2として磁力が強く高価なものを使用しなくても、通路6の重み付けの大きな部分に重点的に大きな磁束密度を発生させることができる。
【0043】
本発明者等の実験によると、少なくとも200ガウス、好ましくは500ガウスの磁束密度が水に作用すれば赤さびが黒さびに変化したことが同定できた。したがって、残留磁束密度の高い高価な希土類系磁石等を使わなくとも、安価なフェライト系磁石でも十分な磁気処理効果が得られる。しかも、このフェライト系磁石は磁気特性が安定している。
【0044】
ここで、磁石の着磁方向は、積層方向(水の流れ方向)にN,Sとし隣合う磁石の対向する磁極がN,S極となるようにしても良いが、本実施形態の場合には積層体の積層方向と直交する同一平面において、互いに隣設する磁極片が同一磁極であるようにしている。さらには、同一平面内の磁石は全て同一磁極とし、積層方向にN極の平面とS極の平面とを交互に配置するようにしている。そして、通路6の幅dよりも磁極片3の積層方向の間隔tの方が広くなるように形成している。これによって、通路6を通過する水が互いに隣り合う磁極片3の同一磁極間で反発し合う磁力線を垂直に横切る。この場合、水に対して作用する磁力線の向きは1段毎に逆になるので、水は1段ごとに向きを変えた磁力線によって活性化されることになる。このため、水に対する磁束作用を極めて大きくすることができ、小型の装置で高い活性化効果を得ることができる。N極とS極とに交互に通過することによって効率的にスピン現象を起こすことでさび成分などが磁気をもった小さなマグネトロンになり、配管の内壁に発生するマイナスのゼータ電位に対してプラス電位となった細かな磁石が吸着することで管壁をマグネタイトで次第に被覆するものと推定される。
【0045】
ここで、積層体4の数は4本に限られず、2本、3本、あるいは5本以上にしても良い。例えば、図15に積層体4の数を9本とした場合の例を示す。この場合には、軸方向からみて格子状の通路6となる。なお、図15の符号Aで示す仮想線の円の範囲が通路6の大きな重み付けの部分である。また、例えば図16に示すように、外側の積層体4の磁極片3と筒状ケーシング14との間も通路6にする場合には、通路6全体に大きな重み付けをしても良い。この場合には、磁石2の横断面の形状及び大きさを磁極片3の形状及び大きさとほぼ同じにすれば良い。即ち、磁極片3並びに磁石2の形状は、前述の扇形に限定されるものではなく、必要に応じて種々の形状をとり得ることができるものである。
【0046】
また、上述の説明では、隣接する積層体4では、向かい合う磁極片3同士が同極になるようにしていたが、この構成に限るものではなく、例えば図17に示すように、向かい合う磁極片3同士が異極になるようにしても良い。この場合にも、磁極片3間には磁力線が発生するので、水に対して磁力線を作用させることができる。
【0047】
また、上述の説明では、各積層体4の磁極片3の高さを同一にし、図14に示すように隣接する積層体4の磁極片3同士が正面に向かい合うように配置していたが、例えば図18に示すように、一端にスペーサ16を設ける等して隣接する積層体4の磁極片3同士をずらして配置しても良い。磁極片3同士の配置をずらすことで磁極片3間の距離が広がるので、通路6の通路面積を増加させて水の圧力損失を減らすことができる。
【0048】
以上のように構成された磁気活水処理部1によると、光触媒層24が設けられているケーシング22を通過した被処理流体例えば水は、筒状ケーシング14内での流れの挙動がどのようであろうと、各段の磁極片3の間の通路6を通過する際には、水に磁力線が直角に作用する。しかも、水の多くが磁気処理に必要な磁束密度が発生する領域Aを通過するため、筒状ケーシング14内を通り抜ける頃には、磁気処理・活性化が完了している。即ち、大きな磁束密度が欲しい所に大きな磁束密度を発生させることができる。このため、効率よく水の活性化を行うことができ、通路6全体に大きな磁束密度を発生させるような強い磁力の磁石2を使用しなくて済む。
【0049】
なお、水の磁気処理の効果として、配管内の腐食の進行を止め、あるいは防止できるメカニズムは次の通りである。即ち、水は極性を有しており、水流は耐電粒子の流動である。したがって、この水流が磁場を通過すると電磁誘導により、誘導電流が発生する。さらに、誘導電流が発生すると同誘導電流によって水は電気分解されて、原始的に原子状態の活性水素と活性酸素が発生することとなる。
【0050】
このうち、活性酸素は、すぐに水と結合してH2O2を生成する。一方、非常に還元力が強い活性水素は、水道管壁に堆積した赤錆Fe2O3を還元して、四酸化三鉄Fe3O4を生成する。また、水中に含まれる鉄イオンに対しては、酸化の進行を防止する。ここで、赤錆Fe2O3は進行性の腐食生成物であるため、放置しておくと水道管壁面を浸食して漏水の原因ともなるし、それ自体が流出して赤水を発生させる原因ともなっている。一方、四酸化三鉄Fe3O4は非常に安定な酸化物であって、一度生成されると再び酸化されて赤錆Fe2O3を発生させることもない。さらに、水道管壁面に生成した四酸化三鉄Fe3O4は緻密な被膜を形成するため水道管を赤錆による浸食から保護する。したがって、磁気処理を行った水は、水道管の閉塞、漏水、赤水を防止することが可能となっている。本発明者等の実験によると、本発明の磁気処理装置を温水管・給水管に設置した場合、設置45日目において濁度・溶出鉄分などに顕著な変化が現れ、設置88日目にはX線回折法による同定検査にて配管内のマグネタイト化が確認された。また。発電所の排水管に設置した場合の実験においては、3ヶ月設置した後に、装置を2週間外していても、ゼータ電位(界面電位)が確認され、管内壁面にマグネタイトが生成されたことが推定された。
【0051】
また、同時に、磁気処理により発生する活性酸素は、菌の餌となる有機物を分解したり、住みかをなくして、レジオネラ菌やその他の菌類、藻類などが繁殖し難い環境を作り出し維持すると共に、スケール成分(カルシウム、マグネシウムなど)の析出を抑えることができる。即ち、磁気処理により水の活性化を促し、菌の餌となる有機物を分解したり、住みかをなくして、菌類や藻類などが繁殖し難い環境を作り出し維持する。同時に、磁気処理により、水の分子の集合体であるクラスターが小さくなり、溶解度が上がることから、スケール成分(カルシウム、マグネシウムなど)の析出を抑えることができる。スケール成分は磁気処理により固着力が弱まり、微細化した状態で装置から流出するので、配管や熱交換機・濾過器などへ付着しない。通常、スケールを形成する結晶核は、電気的に不安定な状態で溶存しており、相互間の磁性によって誘因凝集(反応)しながら粒子状に成長する。そして、更に成長を続けた粒子は、配管内の静電気に引き寄せられて管壁に沈殿・固着して管を閉塞させる。しかし、磁化処理すると、存置内の電場(磁場)が結晶核の電位を配管内の静電気に反発する電位に変えるので、結晶核は浮遊しながら微細な粒子状態で安定し、配管に付着せずに排出される。また既に固着しているスケールは、粒子が丸みを帯び、相互間の付着力が低下し徐々に剥離して管外へ流出する。スライムは、水中に存在する殺菌が有機物などを利用して増殖したコロニーが主なものであり、細菌がお互いに粘着物質を分泌しながら凝集して徐々に大きな集合体へ成長する状態である。このスライムが配管内や系統内に付着した場合、熱交換率の低下や更にはスライムの増加に伴って配管との界面が局部的に嫌気状態となって酸素濃淡電池が発生し腐食を助長する弊害も発生する。スライムは、その特性上、スケール、腐食生成物等の付着物質がある場合にはより発生しやすい傾向がある。このため、スライム防止のためにはスケール、腐食などの発生・付着を防止することが重要であるが、磁気処理によれば同時にこれらスケール付着も防止できるので好ましい。
【0052】
以上のように光触媒層24に加えて磁気活水処理部1を備える流体浄化装置では、光触媒による殺菌効果だけに依存するものではなく、磁気活水処理部1の活水効果を利用することにより殺菌効果を相乗的に高めることができる。即ち、光触媒によって殺菌あるいは滅菌を図る一方、活水処理によって細菌の繁殖し難い環境を整えるので、これらが相乗的に作用して比較的に短期に除菌効果が得られ、スケール、スライムの生成を抑え、レジオネラ菌やぬめりの原因となる細菌などのその他の菌類の繁殖を防ぐことができる。
【0053】
また、磁気活水処理部1に代えて、ステンレス製のメッシュのカゴに麦飯石、トルマリン、ゼオライトなどの鉱物あるいはそれらを粉砕・焼成したセラミックスなどを収容したものを使用することも可能である。この場合にも磁気活水処理部1と同様に、スライム等の発生を防止する効果があり、殺菌部との間で同様の相乗効果を奏するものである。
【0054】
また、本装置は、海水を処理対象とすることも可能である。例えば、発電所の蒸気を復水させるコンデンサの冷却材としてあるいは天然ガスを気化させる冷媒として使用される海水の取水配管あるいは排水配管に、本除菌装置を組み込むことで、自然環境を汚染することなく配管中のさび、ぬめり、藻の繁殖あるいはムラサキガイなどの稚貝の発生を防ぐことができる。
【0055】
更に、本装置は、例えば殺菌洗浄水、家畜用飲料水、軽油、ガソリン等の石油燃料や、化学プラントにおける供給反応材料等、磁束作用での活性化効果の得られる他の幅広い流体に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の流体浄化装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】補強材に設けた小孔を示す図である。
【図3】補強材に設けた小孔の他の例を示す図である。
【図4】本発明の流体浄化装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の流体浄化装置の第3の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明の流体浄化装置の第4の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明の流体浄化装置の第5の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明の流体浄化装置の第6の実施形態を示す断面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】磁気活水処理部の一例である磁気処理装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図11】積層体の端部を示す斜視図である。
【図12】図10のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】中間固定板の平面図である。
【図14】隣接する積層体の磁極片の磁極の関係を説明する図である。
【図15】磁気活水処理部の第2の実施形態を示す横断面図である。
【図16】磁気活水処理部の第3の実施形態を示す横断面図である。
【図17】磁気活水処理部の第4の実施形態を示す説明図である。
【図18】磁気活水処理部の第5の実施形態を示す説明図である。
【図19】磁気活水処理部をケーシング内に設置した様子を示す平面図である。
【図20】従来の流体浄化装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 磁気活水処理部
2 磁石
3 磁極片
4 積層体
6 流体を通過させる通路
21 流体通路
22 ケーシング
23 補強材
23a 小孔(紫外線を通過させる孔)
24 光触媒層
25 保持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が流体通路となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシングと、前記流体通路の流体の圧力に対して前記ケーシングを補強し、紫外線を通過させる孔を有する補強材と、前記ケーシング内の前記紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層を備えることを特徴とする流体浄化装置。
【請求項2】
前記ケーシングの内面に前記光触媒層を設けたことを特徴とする請求項1記載の流体浄化装置。
【請求項3】
前記ケーシング内に保持部材を設け、前記保持部材の表面に前記光触媒層を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の流体浄化装置。
【請求項4】
前記流体を活性化させる磁気活水処理部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の流体浄化装置。
【請求項5】
前記磁気活水処理部は、磁石と磁極片とを交互に積層した積層体を互いに平行に複数配置して、互いに隣り合う前記積層体の磁極片の間で前記流体を通過させる通路を形成し、前記流体が前記通路を通過する際に前記流体に磁界を作用させるものであり、前記通路を形成する領域の前記磁極片の縁と前記磁石の縁との距離が、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるようにしたものであることを特徴とする請求項4記載の流体浄化装置。
【請求項1】
内部が流体通路となり、紫外線を透過させる材料で形成されたケーシングと、前記流体通路の流体の圧力に対して前記ケーシングを補強し、紫外線を通過させる孔を有する補強材と、前記ケーシング内の前記紫外線が当たる位置に設けられた光触媒層を備えることを特徴とする流体浄化装置。
【請求項2】
前記ケーシングの内面に前記光触媒層を設けたことを特徴とする請求項1記載の流体浄化装置。
【請求項3】
前記ケーシング内に保持部材を設け、前記保持部材の表面に前記光触媒層を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の流体浄化装置。
【請求項4】
前記流体を活性化させる磁気活水処理部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の流体浄化装置。
【請求項5】
前記磁気活水処理部は、磁石と磁極片とを交互に積層した積層体を互いに平行に複数配置して、互いに隣り合う前記積層体の磁極片の間で前記流体を通過させる通路を形成し、前記流体が前記通路を通過する際に前記流体に磁界を作用させるものであり、前記通路を形成する領域の前記磁極片の縁と前記磁石の縁との距離が、磁場を最も強くしたい箇所で最も狭くなるようにしたものであることを特徴とする請求項4記載の流体浄化装置。
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2009−178668(P2009−178668A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20620(P2008−20620)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(506345144)株式会社エコ・レイド (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(506345144)株式会社エコ・レイド (2)
【Fターム(参考)】
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