説明

流体用容器及びそれを用いた流体入り容器

【課題】保管や輸送により破袋することがなく、内容物へのクリーン度に優れ、注出口付き包装袋の外装容器への着脱も容易であり、作業性等に優れる流体用容器を提供する。
【解決手段】開口部を有する外装容器と包装袋本体12に注出口11が接合された注出口付き包装袋10とを備え、包装袋本体12は前記外装容器内に収納可能且つ注出口11は前記外装容器の前記開口部に着脱可能であり、包装袋本体12は少なくとも2枚以上のフィルム121の外周辺にヒートシール部122を形成して袋体とすると共に、このヒートシール部122のシール面間に注出口11の一部が接合され、注出口11の一部は、前記シール面と面接合可能な注出口取付部111を備え、ヒートシール部122には、注出口取付部111が接合されるシール部Aのシール幅に比べて、シール部A以外の左右のシール部Aのシール幅が広くなるようにテーパーTが形成されている流体用容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工業薬品分野、医薬品や化粧品原料分野等で流動性内容物の保管や輸送する流体用容器に関する。特に、外装容器内に注出口付き包装袋が収納されている流体用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工業薬品分野、医薬品や化粧品原料分野等で、保管や輸送にアルミニウム、スチール、ステンレス、ファイバーボード等で作られた外装容器の内部に流動性内容物を収納する注出口付き包装袋を収納した容器が使用されている。
【0003】
このような容器は、使用済みの包装袋を外装容器から取り出し、新たな包装袋を外装容器内にセットするだけで再使用することができるために、例えば、包装袋を使用せずに直にスチール等の外装容器に流動性内容物を充填する場合に比べて、洗浄する手間等が省けるなどの利点があり、工業薬品、医薬品や化粧品原料の容器として広く使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1に開示された容器は、外装容器の内部に高純度薬品を収納するための内袋を有し、外装容器には高純度薬品を出し入れするための開口部と、圧力調整用流体を入れるための開口部とが設けられ、内袋は内袋本体と高純度薬品の出し入れ口とから構成され、出し入れ口は硬質外装容器の開口部に連通して設けられ、内袋外部から高純度薬品を導入及び排出するためのインナーパイプが挿入され、2つの開口部にはそれぞれ栓体が嵌められ、取っ手が設けられている。
【0005】
特許文献1に開示された内袋は、インフレーション成形機を使用して製造された筒状フィルムを所定の長さに切断し、所定の長さに切断した筒状フィルムの外周に穴を開け、その穴に出し入れ口を通して底部装着リングの部分でヒートシールして固着され、その後にフィルムの両端をヒートシールすることにより製造され、内袋本体に出し入れ口を備えた構成からなるものである。
【0006】
また、特許文献2に開示された容器は、特許文献1と同様に、外装容器(特許文献2でいうところのドラム缶)内に取付部材を備えた包装袋が前記取付部材を第1クロジャーに切設(穿孔された)された栓口に挿入され、螺条つきリングなどを用いて第1クロジャー体に取り付けられ、その後にドラム缶本体に装着される。
【0007】
特許文献1に開示された内袋及び特許文献2でいうところの包装袋は、図7に示すように、いずれも外周エッジ周りをヒートシールしてヒートシール部501が形成され、内袋(あるいは包装袋)500の中心から外れた、一方の短辺側の袋の面の一部に穴を開けて、その穴に出し入れ口(あるいは取付部材)502を挿入し、出し入れ口(あるいは取付部材)502の底部に設けられた底部装着リング503においてヒートシールされて取り付けられているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−95565号公報
【特許文献2】特表平5−505372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の容器は、外装容器の開口部に内袋の出し入れ口が挿入されて何等かの固定手段により出し入れ口が開口部で支持される構造であり、また、特許文献2の容器は、第1クロジャーに切設(穿孔された)された栓口に取付部材が挿入され、螺条つきリングなどを用いて第1クロジャー体に取り付けられる構造であり、いずれの場合においても内袋あるいは包装袋は出し入れ口あるいは取付部材で支持されて吊下げられた状態で保管、輸送されるために、流動性内容物の重量がヒートシールされたフランジ部あるいは底部装着リングの外周縁に掛かることになり、この部分から内袋、あるいは、包装袋が破袋するという問題があり、この問題の解決が要望されていた。特に、出し入れ口(あるいは取付部材)502は、通常、袋の一方の短い端縁側に寄った略中央部に取り付けられるために、他方の短い端縁側に位置するヒートシールされたフランジ部504あるいは底部装着リングの外周縁に流動性内容物の重量が集中的に掛かるために、この部分(図7において、符号Pで示す領域)にピンホールやエッジ切れによる破袋が生じ易いといった不都合があった。
【0010】
そこで本発明は、外装容器内に注出口付き包装袋が収納されている流体用容器であって、保管や輸送において包装袋に充填されたレジスト液等の流動性内容物の重量が掛かっても、ピンホールやエッジ切れにより破袋を起こすおそれがなく、また、流動性内容物への不純微粒子(パーティクルともいう)等の不純物や金属イオンの浸出が少なくてクリーン度(袋体を形成している樹脂組成物から薬液中にパーティクル等が浸出し、薬液を不純化する度合い)に優れ、さらには、注出口付き包装袋の外装容器への着脱も容易であり、作業性、衛生性にも優れる流体用容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、外装容器に収納する包装袋本体を少なくとも2枚以上のフィルムの外周辺にヒートシール部を形成して袋体とすると共に、このヒートシール部の所定位置であって、前記ヒートシール部のシール面間に前記注出口の一部が接合されたものとし、該包装袋本体を外装容器内に収納可能であると共に、注出口が外装容器の開口部に着脱可能にすることで、保管や輸送において流動性内容物の重量が掛かっても、破袋を起こすおそれがなく、また、流動性内容物へのパーティクル等の不純物や金属イオンの浸出が少なくてクリーン度を高く維持できること、また、使用済みの包装袋を外装容器から取り出し、新たな包装袋を外装容器内にセットするだけで再使用することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0012】
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0013】
(1) 開口部を有する外装容器と、この外装容器の内袋として使用され、包装袋本体に注出口が接合されてなる注出口付き包装袋と、からなる流体用容器であって、前記包装袋本体は前記外装容器内に収納可能であると共に、前記注出口は前記外装容器の開口部に着脱可能であり、前記包装袋本体は、少なくとも2枚以上のフィルムの外周辺にヒートシール部を形成して袋体とすると共に、このヒートシール部の所定位置であって、前記ヒートシール部のシール面間に前記注出口の一部が接合されている流体用容器。
【0014】
(1)の発明による流体用容器は、少なくとも2枚以上のフィルムの外周辺にヒートシール部を形成して袋体とすると共に、このヒートシール部の所定位置であって、前記ヒートシール部のシール面間に前記注出口の一部が接合されている注出口付き包装袋が外装容器に収納されて内袋として使用しているので、保管や輸送において包装袋に充填されたレジスト液等の流動性内容物の重量が掛かっても、ピンホールやエッジ切れにより破袋を起こすおそれがない。また、内部に充填された流動性内容物への不純微粒子等の不純物や金属イオンの浸出が少なくてクリーン度に優れることになる。
【0015】
また、注出口付き包装袋の注出口は外装容器の開口部に着脱できると共に、この注出口の接合位置を、袋の中央部付近ではなく、ヒートシール部としている。このため、注出口付き包装袋の取り扱いが容易で、外装容器内への着脱も容易であり、作業性、衛生性にも優れるという優れた効果を奏する。
【0016】
(2) 前記注出口は、前記外装容器の開口部に係止されて包装袋本体を支持可能に構成されている(1)記載の流体用容器。
【0017】
(2)の態様によれば、注出口は、外装容器の開口部に係止して包装袋本体を支持可能に構成されているので、注出口付き包装袋は容易に取り替えることができることになり、使用済みの包装袋を外装容器から取り出し、新たな包装袋を外装容器内にセットするだけで再使用することができる。
【0018】
(3) 前記注出口は、前記シール面で熱接合可能な合成樹脂製である(1)又は(2)記載の流体用容器。
【0019】
(3)の態様によれば、注出口は、包装袋本体のシール面で熱接合可能な合成樹脂製であるので、包装袋本体をヒートシールして袋体に形成する際に注出口も同時に熱融着して包装袋本体に熱接合できることになり、接着剤等による接合に比較して注出口付き包装袋を効率よく成形することができる。また、熱接合であるため、注出口と包装袋本体のフィルムとが一体化されるので、シール性、接着性に優れる。
【0020】
(4) 前記注出口の一部は、前記シール面と面接合可能な注出口取付部を備える(1)から(3)いずれか記載の流体用容器。
【0021】
(5) 前記面接合可能な注出口取付部は、全体として断面形状が凸レンズ状の柱体をなしており、この柱体の側面が接合面である(4)記載の流体用容器。
【0022】
(6) 前記接合前の前記凸レンズ状の柱体の両終端部には板状のリブ部が延出して形成されており、このリブ部を含めて前記接合を行って得られる(5)記載の流体用容器。
【0023】
(4)から(6)の態様によれば、注出口取付部は包装袋本体のシール面で包装袋本体のフィルムと熱融着されて包装袋本体に熱接合されるが、注出口係合部が凸レンズ状の形状であるので、内層フィルムとの接合面積が大きく取れると共に、熱融着する際に隙間を生じないように融着できる。さらに、両終端部に板状リブを備えているので、熱融着する際にこの板状リブが溶融することにより、より一層隙間が生じないので、注出口と袋体とのシール性が優れることになる。
【0024】
(7) 前記外装容器は、繰り返し使用可能な剛性容器である(1)から(6)いずれか記載の流体用容器。
【0025】
(8) 前記剛性容器は、金属製容器又は合成樹脂製容器である(7)記載の流体用容器。
【0026】
外装容器は、繰り返しの使用を可能とするために、強度のある材料で構成されることが好ましい。このような外装容器としては、例えば、金属製、合成樹脂製、段ボール等の紙製の剛性容器が例示されるが、特にこれらに限定されるものではない。外装容器は、開口部(口栓とも呼ばれる)に雄ねじが形成されており、また、成形された一対のハンド部を設けることにより運搬を容易としてもよい。このような態様とすることで、操作が容易で、長期間の繰り返し使用に適する流体用容器となる。
【0027】
(9) 前記外装容器は、前記開口部を密封可能にすると共に、前記注出口を固定する蓋部を有する(7)又は(8)記載の流体用容器。
【0028】
(9)の態様によれば、保管や輸送においては、充填されている液体が漏れ出すおそれがない。
【0029】
(10) 前記包装袋本体は、外層フィルムと内層フィルムとを少なくとも重ね合わせた多重フィルムを、前記内層フィルム同士が対向するように重ねて外周辺にヒートシール部を形成してなる(1)から(9)いずれか記載の流体用容器。
【0030】
(10)の態様によれば、包装袋本体の一面は、内層フィルムと外層フィルムとを少なくとも重ね合わせた多重フィルムの構成になっているので、例えば、内層フィルムに不純微粒子(パーティクル)の浸出が極めて少ないフィルムを用い、外層フィルムに延伸フィルム等の強度に優れるフィルムを用いる等により、機械的強度やクリーン度に優れ、包装袋内に充填されるレジスト液等の内容物に不純微粒子(パーティクル)の浸出を極めて少なくすることができる。もちろん、多重にすることによって耐突き刺し性など強度面の向上も図れる。
【0031】
内層フィルムや外層フィルムは、それぞれ、単層構成、多層構成のいずれであってもよいが、特に外層フィルムは、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等において優れた性能が求められると共に熱融着性も求められるので、多層構成とするのが好ましい。
【0032】
(11) レジスト液を収納するために用いられる(1)から(10)いずれか記載の流体用容器。
【0033】
(12) 前記レジスト液の体積収納量が1L以上250L以下である(11)記載の流体用容器。
【0034】
(11)の態様によれば、本発明の注出口付き包装袋は、強度に優れると共に、外装容器に容易に着脱可能である。また、溶剤などに対する化学的耐久性も高い。このため、レジスト液の収納に特に好適である。この場合、レジスト液の収納量は、例えば1L以上250L以下であるが、本発明の包装袋は強度に優れ、特に注出口と包装袋本体とのシール強度に優れるので、(12)の態様のような重量物の収納に特に好適に用いられる。
【0035】
(13) (1)から(12)いずれか記載の流体用容器を構成する前記外装容器内に、前記注出口付き包装袋が装着されており、この包装袋内に流体が収納されており、前記注出口が密封されると共に、前記開口部に前記注出口が固定されている流体入り容器。
【0036】
(14) 前記開口部を密封して覆う蓋部によって、直接的又は間接的に前記注出口が密封されると共に、直接的又は間接的に前記開口部に前記注出口が固定されている(13)記載の流体入り容器。
【0037】
(13)、(14)の発明は、(1)から(12)の流体用容器を、それを用いた流体入り容器として展開したものである。この発明によれば、流体入り容器として、上記(1)から(12)の効果が得られる。要すれば、保管や輸送において包装袋に充填されたレジスト液等の流動性内容物の重量が掛かっても、ピンホールやエッジ切れにより破袋を起こすおそれがない。また、流動性内容物への不純微粒子等の不純物や金属イオンの浸出が少なくてクリーン度に優れる。さらには、注出口付き包装袋の外装容器への着脱も容易であり、作業性、衛生性にも優れる。なお、本発明によれば、液体の注入や排出も、後述する継手ブラットを用いることで容易に行うことができる。なお、本発明における「直接的又は間接的に」とは、蓋部によって直接、又はOリングなどを介して注出口が実質的に直接密封、固定されている場合はもちろんのこと、他の部材(例えば後述する継手ブラケット30や第1蓋50など)を介して、間接的に注出口が密封、固定されている場合も含む意味である。
【発明の効果】
【0038】
本発明の流体用容器は、上記請求項1〜15のいずれかに記載の構成とすることにより、保管や輸送において包装袋に充填されたレジスト液等の流動性内容物の重量が掛かっても、ピンホールやエッジ切れにより破袋を起こすおそれがない。また、収納された注出口付き包装袋を片面に少なくとも2枚以上のフィルムを重ね合わせた多重フィルム構造とした場合には、包装袋本体は、強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性等の機械的強度に優れると共に、充填された内容物へのパーティクル等の不純物や金属イオンの浸出が少なくてクリーン度を高く維持することができるという優れた効果を奏するものである。また、外装容器に収納される注出口付き包装袋の外装容器への着脱も容易であるから、作業性、衛生性にも優れる。さらには、保管や輸送においては、充填されている液体が漏れ出すおそれがなく、また、液体の注入、排出は、後述する継手ブラットに継手を装着することや、同じく後述する液出しチューブで容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る流体用容器の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】前記実施形態による流体用容器の開口部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図3】前記実施形態による流体用容器の開口部分の断面分解組立図である。
【図4】前記実施形態による流体用容器の外装容器に収納される注出口付き包装袋の一実施形態を示す平面図である。
【図5】前記実施形態による流体用容器の外装容器に収納される注出口付き包装袋の注出口を示す図であって、(a)は縦断面図、(b)は注出口取付部側から見た底面図である。
【図6】前記実施形態による注出口付き包装袋の外装容器への収容状態を示す図であり、(a)は注出口付き包装袋を外装容器に挿入する状態を示す部分斜視図、(b)は外装容器に注出口付き包装袋が収容された後の状態を示す部分斜視図である。
【図7】従来の注出口付き包装袋の一実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0041】
<全体構成>
図1は本発明に係る流体用容器の一実施形態を示す縦断面図であり、図2は前記実施形態による流体用容器の開口部分を拡大して示す拡大断面図であり、図3は前記実施形態による流体用容器の開口部分の断面分解組立図であり、図4は前記実施形態による流体用容器の外装容器に収納される注出口付き包装袋の一実施形態を示す平面図であり、図5は前記実施形態による流体用容器の外装容器に収納される注出口付き包装袋の注出口を示す図であって、(a)は縦断面図(図5(b)のB−B断面)、(b)は注出口取付部側から見た底面図である。
【0042】
最初に、本発明に係る流体用容器の構成を説明する。図1から図3に示すように、流体用容器1は、可撓性の注出口付き包装袋10と、開口部24を有する外装容器20と、開口部24に保持される円筒状の継手ブラケット30と、この継手ブラケット30の筒部32に挿入される液出しチューブ40と、開口部24に螺合して、注出口11及び継手ブラケット30を開口部24に保持する円環状の第1蓋50と、内部に突出するブッシュ62を有する第2蓋60と、を備えている。注出口付き包装袋10は、液体を注入可能に開口する注出口11と流動性内容物を充填する包装袋本体12とを有している。外装容器20は、注出口11を開口部24で支持して、注出口付き包装袋10を収納することができる。そして、注出口付き包装袋10は、予め洗浄されており、外装容器20に収納される。注出口付き包装袋10から液体を排出した後に、注出口付き包装袋10を廃棄し、新たな注出口付き包装袋10が外装容器20に収納される。本発明に係る流体用容器1は、外装容器20が繰り返し使用され、毎回新しい注出口付き包装袋が使用される複式格納型の容器となっている。
【0043】
<注出口付き包装袋>
注出口付き包装袋10は、図4に示すように、外層フィルム121aと内層フィルム121bとを少なくとも重ね合わせた多重フィルム121を内層フィルム121b同士が対向するようにして四辺をヒートシールしてヒートシール部122を形成した包装袋本体12と、この包装袋本体12の一辺のヒートシール部122(図4中の上辺)の前記内層フィルム121b間に予め熱融着された射出成形された注出口11とを備えている。
【0044】
尚、包装袋本体12は、多重フィルム121を内層フィルム121b同士が対向するようにして折り曲げた後、重なり合った外周辺の三辺をヒートシール部122として形成してもよい。また、ヒートシール部122の内縁角部はその内縁を弧状に形成してもよい。これによって、角部に流動性内容物が残存し難い構造となっている。
【0045】
<注出口>
注出口11は注出口取付部111と、該注出口取付部111の一方に連接する注出口係合部112とからなり、図4に示すように、注出口取付部111で多重フィルム121の内層フィルム121b間に熱融着されている。注出口取付部111を含むヒートシール部122においては、注出口取付部111のシール部Aのシール幅に比べて、シール部A以外の左右のシール部Aのシール幅が全体的に広くなるように、テーパー(又は段差でもよい)Tが形成されている。このテーパーTにより、図4の矢印方向にかかる袋の内圧を、シール部Aのシール側辺A21で受け止めることができる。これにより、注出口取付部111にかかる圧、特にシール側辺A11の両端部X付近にかかる圧を軽減し、輸送中に生じる繰り返しの振動などによる、エッジ切れ等を防止することができる。
【0046】
注出口11の注出口取付部111は、図5(a)、(b)に示すように、断面形状が凸レンズ状で中央部に第1貫通穴111aを有する柱体であって、両終端部に一対の板状リブ111bを備える。これは、通常、注出口11を、注出口取付部111で多重フィルム121の内層フィルム121b間に熱融着する際に、内層フィルム121b間と注出口取付部111の端部で囲まれる2つの領域に隙間ができて密封不良となり易く、これを防止するために両端に板状リブ111bを設け、熱融着時にこの板状リブ111bを溶融することにより隙間ができないように構成している。
【0047】
なお、この実施形態においては、図5(a)に示すように、板状リブ111bの両下方の角部Yには、注出口取付部111の高さ方向の幅より狭くなるように段部Tが設けられている。この段部Tにより、注出口11接着後の角部Yに、PE(ポリエチレン)等の樹脂溜りが出ても、角部Yが鋭利な角にならない様に考慮されている。これにより、上記と同様に、輸送中に生じる繰り返しの振動などによる、角部Yのエッジ切れを防止できる。
【0048】
注出口係合部112は、図5(a)に示すように、断面形状が略U字形状の筒状部112aと、その上端周縁にフランジ部112bを備えている。筒状部112aの底部には、開口が複数個形成されていてもよい。これによって、注出口付き包装袋10と外装容器20内との間に通気を確保することができる。すなわち、使用時に流体を汲み出す際には、この開口と通じて注出口付き包装袋10と外装容器20内との間に気体を封入することで、包装袋本体12の外部から圧力をかけて内部の流体の汲み出しをスムースに行うことができる。
【0049】
フランジ部112bは、注出口11の注出口係合部112を収容する外装容器20に形成された注出口係合部112の高さ方向の寸法より短い位置で略円筒の突出した開口部24の上周端に当接、係止することにより、注出口付き包装袋10が外装容器20内で支持される構造となっている(図6参照)。
【0050】
注出口11は、好ましくは射出成形法にて製造される。これに用いる樹脂としては射出成形可能な樹脂であれば特に限定するものではない。多重フィルム121の内層フィルム121bの内面を構成する樹脂と熱接着により接合されて注出口付き包装袋10となるために、内層フィルム121bの内面を構成する樹脂を適宜選択する必要があるが、通常は高温時でも剛性があり、低温時において脆化し難い高密度ポリエチレンが好適である。
【0051】
また、注出口11や内層フィルム121bとして、上記の高密度ポリエチレンの他に、例えば耐熱性、耐化学薬品性、非粘着性であり、低温特性にも優れるテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと略記する)やポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略記する)等のフッ素系樹脂を用いてもよい。この場合、包装袋本体12を構成するフィルム121もPTFEフィルムを用いることが好ましい。
【0052】
<包装袋本体>
この実施形態においては、多重フィルム121は外層フィルム121aと内層フィルム121bとで少なくとも構成される。
【0053】
<外層フィルム>
外層フィルム121aは、単層構成、多層構成のいずれであってもよいが、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等において優れた性能と、内層フィルム121bに対するヒートシール性とが求められるため、材質の選定やコスト面等から多層構成とするのが好ましい。
【0054】
尚、注出口付き包装袋10の内容積が少なくて、充填される内容物の重量が少ない等で機械的強度を余り要求されない場合には単層構成としてもよい。
【0055】
複層構成の場合には、基材層と熱接着性樹脂層との構成とし、基材層としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリアセタール系等の樹脂からなるフィルムを用いることができ、一軸方向ないし特に二軸方向に延伸した延伸フィルムが適当であるが、注出口付き包装袋10は、外装容器20内に収納されて保管、輸送され、特に、輸送においては流動性内容物が袋内で激しく揺動するために、この揺動によって発生するピンホールやクラックを防止する必要があり、二軸延伸ポリアミドフィルムであるのが好ましい。フィルムの厚さとしては基材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストなどを勘案して決めればよい。
【0056】
また、熱接着性樹脂層としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂を挙げることができ、流動性内容物の種類により適宜選択して用いることができるが、一般的には、低温シール性に優れることからポリエチレンが好ましく、さらには分子量分布が狭く、ヒートシール強度において優れると共に流動性内容物への影響が少ないメタロセン触媒を用いて重合された直鎖状(線状)低密度ポリエチレンが好ましい。
【0057】
また、前記外層フィルム121aには、酸素や水蒸気等のガスバリアー性を付与するために基材層と熱接着性樹脂層との間に、必要に応じて中間層を設けてもよい。この中間層を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫等の金属箔、あるいは、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、あるいは、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ビニルアルコール等のフィルムにポリ塩化ビニリデンを塗布したフィルム、ないしはアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着層を施したフィルムなどを用いることができる。
【0058】
また、この中間層は上記したガスバリアー性を付与するのみならず、例えば、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等の機能を付与することができる。上記したガスバリアー性を付与する材料と、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン等のフィルムと組み合わせて用いても構わない。
【0059】
また、基材層として、上記したフィルムにポリ塩化ビニリデンを塗布したものや、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着層を形成したものを用いてもよい。
【0060】
また、外層フィルム121aの各層を積層する積層方法としては、基材層の一方の面に、例えば、有機チタネート、ポリエチレンイミン誘導体、シランカップリング剤、イソシアネート系化合物等のアンカーコーティング剤を塗布乾燥した後に熱接着性樹脂層をTダイ押出機で加熱溶融押出しして積層してもよいし、また、熱接着性樹脂層をフィルム状態で用意してサンドイッチラミネーション法で積層してもよいし、また、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて周知のドライラミネーション法で積層してもよい。また、当然のことであるが、各層の必要な面に必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等の易接着処理を施してもよい。
【0061】
<内層フィルム>
一方、内層フィルム121bとしては、単層構成であってもよいし、また、ピンホールやクラックを外層フィルム121aと協働して防止する意味から、あるいは、多重フィルム121からなる注出口付き包装袋10自体の抗張力強度やヒートシール強度等の強度を向上させる意味から多層構成としてもよい。
【0062】
単層構成の場合、外層フィルム121aの熱接着性樹脂層と熱接着可能な樹脂である必要があり、熱接着性樹脂層に用いる樹脂の種類により、適宜選択して用いればよいものであるが、外層フィルム121aの熱接着性樹脂層で説明した理由により、ポリエチレン、さらには、メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状(線状)低密度ポリエチレンが好ましい。
【0063】
上記のように、注出口11は、通常は高温時でも剛性があり、低温時において脆化し難い高密度ポリエチレンが好適であり、そういう意味からしても内層フィルム121bの内面を構成する熱接着性樹脂層としてはポリエチレン、さらにはメタロセン触媒を用いて重合された直鎖状(線状)低密度ポリエチレンが好ましい。
【0064】
メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体は、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して、エチレンとα・オレフィンとを共重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。上記のメタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである(以下、メタロセン触媒は、シングルサイト触媒と同等の意味である。)。具体的には、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、三菱化学株式会社製の商品名「カーネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュー」、米国、エクソン・ケミカル(EXXONCHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティー(AFFINITY)」、商品名「エンゲージ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α−オレフィン共重合体を使用することができる。
【0065】
上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体についてさらに詳述すると、具体的には、例えば、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物との組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒(いわゆるカミンスキ−触媒を含む)を使用し、エチレンとα・オレフィンとを共重合させてなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。なお、上記のメタロセン触媒は、無機物に担持されて使用されることもある。上記において、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれる遷移金属、具体的には、チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基又は置換フルオニル基が1ないし2個結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナート基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイ素原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものを使用することができる。また、上記において、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、又は鎖状あるいは環状アルミノキサン等を使用することができる。ここで、アルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等を使用することができる。また、鎖状あるいは環状アルミノキサンとしては、例えば、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成することができる。例えば、重合時に、アルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水又は有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで生成することができる。次にまた、上記において、メタロセン触媒を担持させる無機物としては、例えば、シリカゲル、ゼオライト、珪素土等を使用することができる。
【0066】
次に、上記において、重合方法としては、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等の各種の重合方法で行うことができる。また、上記の重合は、バッチ式あるいは連続式等のいずれの方法でもよい。上記において、重合条件としては、重合温度、−100〜250℃、重合時間、5分〜10時間、反応圧力、常圧〜300Kg/cm位である。さらに、本発明において、エチレンと共重合されるコモノマーであるα・オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、デセン等を使用することができる。上記のα・オレフフィンは、単独で使用してもよく、また、2以上を組み合わせて使用することもできる。また、上記のα・オレフフィンの混合比率は、例えば、1〜50重量%、望ましくは、10〜30重量%とすることが好ましい。本発明において、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の物性は、例えば、分子量、5×10〜5×10、密度、0.890〜0.930g/cm、メルトフローレート(MFR)、0.1〜50g/10分位である。なお、本発明においては、上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体には、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、染料、顔料等を任意に添加して使用することができる。
【0067】
また、複層構成の場合には、芯層とその両面を熱接着性樹脂層とし、芯層としては、外層フィルム121aの基材層と同様に、機械的強靭性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等において優れた性能のものであるのが好ましく、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリアセタール系等の樹脂からなる層が挙げられる。また、未延伸であっても、また、一軸方向ないし二軸方向に延伸した樹脂からなる層であってもよいが、外層フィルム121aの基材層200と同様に、好ましくはポリアミドからなる層であり、このポリアミド層の両面に熱接着性樹脂層を備えた構成が特に好ましい。
【0068】
芯層の両面に設ける熱接着性樹脂層としては、一方が外層フィルム121aの熱接着性樹脂層と熱接着することができ、他方が上記した高密度ポリエチレンからなる注出口11と熱接着することができる樹脂からなることが前提であり、外層フィルム121aの熱接着性樹脂層で説明した理由により、ポリエチレンが適当であり、さらには、メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状(線状)低密度ポリエチレンが好ましい。
【0069】
多層構成の場合の内層フィルム121bの積層方法としては、各層を外層フィルム121aで説明した積層方法で積層してもよいが、製造コストを安価なものとすることができる等の理由から、5層(熱接着性樹脂層/接着層/芯層/接着層/熱接着性樹脂層)を一度に積層することができる共押出し法を用いて積層するのが好適である。
【0070】
尚、熱接着性樹脂層がポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィンの場合、接着層としては不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィン、例えば、アドマー〔三井石油化学(株)製:商品名〕、モディック〔三菱化学(株)製:商品名〕、ポリタック〔出光石油化学(株)製:商品名〕を好適に用いることができる。
【0071】
<その他の構成>
また、図示はしないが、外層フィルム121aと内層フィルム121bの間に中間層フィルムを設け、3重以上の多重フィルム121としてよいものである。中間層フィルムとしては、注出口付き包装袋10に求められる物性に応じて設けられるものであり、例えば、外層フィルム121aの熱接着性樹脂層で説明した樹脂からなる単層のフィルムを用いてもよいし、また、外層フィルム121aの基材層が表出する面に熱接着性樹脂層を積層した構成からなるものを用いてもよいし、また、内層フィルム121bで説明した層構成からなるものであってもよいものである。いずれにしても、外層フィルム121a、中間層フィルム、内層フィルム121bのそれぞれ対向する熱接着性樹脂層は互いに熱接着することができる樹脂の組み合わせとするのが好ましい。
【0072】
なお、本発明における包装袋本体12を構成するフィルムは、最内面同士がヒートシール可能な構成であれば、必ずしも多重フィルムである必要はなく、例えば1対の外層フィルム121aのみを用いた通常の構成であってもよい。
【0073】
また、注出口11や内層フィルム121bとして、上記の高密度ポリエチレンの他に、例えば耐熱性、耐化学薬品性、非粘着性であり、低温特性にも優れるPFAやPTFE等のフッ素系樹脂を用いてもよい。この場合、包装袋本体12を構成するフィルムもPTFEフィルムを用いることが好ましい。
【0074】
<外装容器>
外装容器20は、図1に示すように、底板21と、側壁22と、中央が隆起した天板23とで構成され、天板23の略中央部分に開口部24が形成されたスチール製容器が好ましく用いられる。開口部24の外周面に雄ねじ24aが形成されている。また、側壁22の天板23より上方位置に一対のハンド部25(図6参照)を設けることにより運搬を容易にしてもよい。
【0075】
外装容器20としては、例えば、金属製、合成樹脂製、段ボール等の紙製の剛性容器が例示されるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0076】
図2、3に示すように、注出口付き包装袋10の注出口11の開口側にはフランジ部112bが形成され、一方、開口部24の内壁には段差が設けられており、このフランジ部112bが段差に係止することにより、注出口11が開口部24に支持されている。注出口付き包装袋10を外装容器20に収納し、注出口付き包装袋10に接合された注出口11を外装容器20の開口部24に支持した後に、注出口付き包装袋10は好ましくは窒素又は圧縮空気によって膨張される。その後、注出口付き包装袋10は第1貫通穴111aから液体が注入される(図2又は図3参照)。
【0077】
<容器の継手>
本発明による容器の継手は、円筒状の継手ブラケット30と液出しチューブ40を備えている(図2又は図3参照)。図2において、継手ブラケット30は開口部24に保持されている。また、継手ブラケット30は、略筒状のヘッダ部31を一端側に有し、筒部32を他端側に有している。さらに、継手ブラケット30は、一端側から他端側に貫通する第2貫通穴33を有している。ヘッダ部31は、継手ブラケット30の円筒状底内から隆起している。筒部32は、注出口11の第1貫通穴111aに嵌合する(図3参照)。
【0078】
図2又は図3において、液出しチューブ40は、継手ブラケット30のヘッダ部31の頂面311に密着される鍔部41を一端側に有している。また、液出しチューブ40の他端側は、継手ブラケット30の第2貫通穴33に挿入される。液出しチューブ40は、一端から他端まで延びる流体通路42を有し、注出口付き包装袋10内の液体が流体通路42を通って排出される(図1参照)。
【0079】
継手ブラケット30の外径は、注出口11の内径より僅かに小さく、開口部24に支持された注出口11に継手ブラケット30が嵌合する(図2参照)。継手ブラケット30の一端側には、開口部24の内径より僅かに小さい外径を有するフランジ34が設けられ、このフランジ34にオーリングが担持され、開口部24が密封されている(図2又は図3参照)。
【0080】
継手ブラケット30は、第1蓋50が開口部24に締結されることにより、注出口11と共に開口部24に保持される(図2参照)。継手ブラケット30の底部外壁と、注出口11の筒状部112aの底部内壁との間に所定の間隙が設けられている(図2参照)。
【0081】
図3において、筒部32は、継手ブラケット30の底部から突出するように設けられ、筒部32が注出口11の第1貫通穴111aに嵌合する。注出口11の第1貫通穴111a内部にはオーリングが担持され、このオーリングが筒部32の外周に密着することにより、注出口付き包装袋10内の気体を封止することができる(図示せず)。ヘッダ部31の上端から筒部32の下端に第2貫通穴33が貫通しており、第2貫通穴33に液出しチューブ40が挿入される(図2参照)。注出口付き包装袋10内の気体が複数の第2開口43に通気できるように、第2貫通穴33と液出しチューブ40の外周に間隙が設けられている(図2参照)。
【0082】
本発明による容器の継手は、外装容器20の内部から開口部24に気体を通気可能な第1通気手段と、注出口付き包装袋10の内部から開口部24に気体を通気可能な第2通気手段と、開口部24を封止する第2蓋60と、を備えている。第1通気手段は、継手ブラケット30の複数の第1開口35を有している。複数の第1開口35は、筒部32の周囲からヘッダ部31の頂面311に連通している。第2通気手段は、複数の第2開口43を有している。複数の第2開口43は、液出しチューブ40の鍔部41に設けられ、開口部24と継手ブラケット30の第2貫通穴33内部とを連通している(図2及び図3参照)。
【0083】
そして、本発明による容器の継手は、第2蓋60を取り付けたときは、開口部24から液体と気体のいずれも流出することを防止する。また、第2蓋60を取り除いたときは、液出しチューブ40内の液体が開口部24に排出される前に、外装容器20内の気体、及び注出口付き包装袋10内の気体がそれぞれ第1及び第2通気手段を通って開口部24外に逃げるようになっている。
【0084】
第1開口35は、筒部32の周囲からヘッダ部31の頂面311に貫通するスリットであってよく、筒部32とヘッダ部31との間に設けられる。第1開口35は、継手ブラケット30と注出口11との間に設けられる間隙と、大気とを実質的に連通している(図2及び図3参照)。
【0085】
図2に示すように、第2開口43は、液出しチューブ40の鍔部41に形成される貫通穴であって、鍔部41の上面から液出しチューブ40の周囲に貫通している。図2において、鍔部41の下面にはオーリングが担持され、このオーリングがヘッダ部31の頂面311に密着することにより、第2貫通穴33を封止する。そして、第2開口43は、第2貫通穴33の内壁と液出しチューブ40の外壁に設けられた間隙と、大気とを実質的に連通している(図2及び図3参照)。前述したように、この間隙は注出口付き包装袋10の内部空間に通気可能となっている。
【0086】
<蓋>
図2又は図3において、外装容器20の開口部24と螺合する第1蓋50と該第1蓋50に螺合する第2蓋60とを備えている。
【0087】
第1蓋50は、内側面に外装容器20の開口部24の外面と螺合する雌ねじが形成され、外側面に雄ねじが形成された金属製又は合成樹脂製の蓋本体51に、継手ブラケット30の外寸法と略同じ寸法の第4開口52が同心円状に形成されている。第1蓋50を開口部24に螺合して締め付けることで、継手ブラケット30は保持される。
【0088】
第2蓋60は、開口部24に備わる第1蓋50に螺合する遮光性を有するクロジャー本体61と、クロジャー本体61の内部に突出する耐食性を有するブッシュ62で構成されている。ブッシュ62は、鍔部41の表面に密着して流体通路42からの通気を封止するオーリング63を備えている。
【0089】
クロジャー本体61は、金属製又は合成樹脂製であって、クロジャー本体61の内周には、第1蓋50に螺合する雌ねじが設けられている。第2蓋60を締めたときに、クロジャー本体61の内壁は、継手ブラケット30の頂面311に当接している。クロジャー本体61は、注出口付き包装袋10に収納される薬品が化学変化しないように、遮光性を有している。ブッシュ62は、注出口付き包装袋10に収納される薬品に触れる可能性が多いので、耐食性を有する合成樹脂からなることが好ましい。ブッシュ62の一端側は、クロジャー本体61に圧入されて、ブッシュ62とクロジャー本体61を一体化している(図3参照)。ブッシュ62の他端側は、クロジャー本体61の内部に突出し、先端面にオーリング63を担持している。オーリング63は、鍔部41の表面に密着して流体通路42からの液体と気体のいずれも流出することを防止できる。
【0090】
また、クロジャー本体61の側周には、第1蓋50との螺合を解除すると、液出しチューブ40内の液体が開口部24に排出される前に、外装容器20内の気体、及び注出口付き包装袋10内の気体がそれぞれ第1及び第2通気手段を通って開口部24外に逃げる一つ以上の通気穴64が設けられている(図2又は図3参照)。このように、クロジャー本体61の側周に通気穴64を設けることにより、第2蓋60を緩めたときに、オーリング63と鍔部41の表面との密着が解除され、少なくとも複数の第2開口43内の気体が通気穴64から外部に排出される。そして、液出しチューブ40内の液体が噴出することを防止できる。
【0091】
図1又は図2において、第2蓋60を取り除いたときは、液出しチューブ40内の液体が開口部24に排出される前に、外装容器20内の気体、及び注出口付き包装袋10内の気体がそれぞれ第1及び第2通気手段を通って開口部24外に逃げるようになっているので、液出しチューブ40内の液体が開口部24外へ排出されることを防止できる。
【0092】
本発明による容器の継手は、液出しチューブ40内の気体と外装容器20内の気体、及び注出口付き包装袋10内の気体とが第2蓋60で個別に封止している。第2蓋60を取り除いたときは、液出しチューブ40内の圧力と、外装容器20内の圧力、及び注出口付き包装袋10内の圧力は、直ちに大気圧と一致するので、液出しチューブ40内の液体が開口部24外へ排出されることを防止できる。
【0093】
また、図3に示すように、液出しチューブ40は、鍔部41を有する一端側から他端側に至る途中でチューブ44を接合している。液出しチューブ40は、鍔部41を有する一端側から他端側に至る途中でチューブ44を超音波振動で熱溶着できる。本発明による容器の継手は、液出しチューブ40を一体構造としたことにより、従来のように別体からなる汲出しチューブの圧入個所の隙間に浸透した薬品を除去する手間を省くことができる。
【0094】
<収納方法>
本発明の流体用容器1は、図6(a)に示すように、外装容器20の開口部24から外装容器20の内部に挿入され、図6(b)に示すように、注出口11が外装容器20の開口部24に装着される。この際、外装容器20の開口部24は、注出口係合部112の高さ方向の寸法より短い略円筒の突出した形状になっていて、図5のフランジ部112bが、開口部24の内側面に形成された段差の上周端に当接することにより、注出口付き包装袋10が外装容器20内で支持される。
【0095】
その後、この状態で、所定の方法で内容物である流体を注出口11から導入し、その後、継手ブラケット30を注出口11に挿入し、次いで、第1蓋50を開口部24に螺合して注出口11及び継手ブラケット30を固定し、注出口付き包装袋10を支持する。その後、液出しチューブ40のチューブ44を継手ブラケット30の第2貫通穴33に挿入して液出しチューブ40を装着し、次いで、第2蓋60を第1蓋50に螺合して液出しチューブ40の頂部面を密封して、開口部24を覆う。これによって、流体用容器1は開口部24及び注出口11が密封されて、流通、移送が可能な状態となる。
【0096】
そして、流体の使用時、すなわち流体を汲み出す際には、注出口11から液出しチューブ40を通じて汲み出すことができる。
【0097】
このように、本発明の流体用容器は、工業薬品分野、医薬品や化粧品原料分野等で流動性内容物の保管や輸送に供せられる。なかでも、レジストメーカーと半導体などのデバイスメーカーとの間を繰り返し移送されるレジスト収容容器は、高い強度と衛生性が要求されるものであり、また、その移送形態も、1Lから250L程度まで種々の容量への対応が必要である。
【0098】
この点、本発明の流体用容器は、外装容器と内装する注出口付き包装袋を適宜選択することにより、種々の容量のバリエーションに適宜対応できる。また、注出口付き包装袋は外装容器への着脱も容易であるから、作業性、衛生性にも優れるものである。
【実施例1】
【0099】
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0100】
下記する実施例、比較例に用いる包装袋の構成としては、外層フィルムとして、ON(二軸延伸ポリアミド)フィルム25μm/ウレタン系接着剤3μm/LLDPEフィルム40μmからなる2層積層体を用い、内層フィルムとして、LLDPE層25μm/接着層10μm/ナイロン層15μm/接着層10μm/LLDPE層20μmからなる5層共押出しフィルムを用いた。尚、外層フィルムのLLDPEフィルムとしては、メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(DNPテクノフィルム社製の「SR−UEN」)を用いた。また、内層フィルムのLLDPE層としては、メタロセン触媒を用いて重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部興産株式会社製のUBEスーパーポリエチレン「ユメリット」)を用いた。
【0101】
[実施例1]
内層フィルムの25μm厚さのLLDPE層が内容物側となるようにして高密度ポリエチレン製注出口を一方の短辺にヒートシールすることにより取り付けた2重フィルムからなる図4に示す内寸が380mm×715mmの四方シールタイプの注出口付き包装袋を作製した。尚、高密度ポリエチレン製注出口の注出口係合部のフランジ部の外周直径は53.9mm、フランジ部の厚さは2.5mm、注出口係合部のフランジ部直下の外周直径は50.8mm、注出口係合部の高さは32mmである。
【0102】
[比較例1]
内層フィルムの25μm厚さのLLDPE層が内容物側となるようにして高密度ポリエチレン製注出口を一方の短辺側の位置に開けた穴に通して底部装着リングの部分でヒートシールすることにより取り付けた2重フィルムからなる図4に示す内寸が380mm×715mmの四方シールタイプの比較例1とする注出口付き包装袋を作製した。尚、高密度ポリエチレン製注出口のフランジ部の外周直径は53.9mm、フランジ部の厚さは2.5mm、フランジ部直下の外周直径は50.8mm、フランジ部と底部装着リング間の長さは25mmである。
【0103】
上記で作製した実施例1、比較例1の注出口付き包装袋を直径が227.6mm、高さが500mmの略円筒形状の底面に糸底を有すると共に天板の中央部に内径が50.8mm、突出長さが15.0mmの筒状開口部を有するステンレス製容器の筒状開口部から挿入して、筒状開口部の段部の上周面にフランジ部を当接させた状態にセットし、その後に注出口から水を18L注入し、筒状開口部を適宜に封止手段(蓋)で封止して落下試験に供するサンプルを各10容器作製した。
【0104】
上記で作製した容器を70cmの高さから垂直方向と水平方向の順に各1回落下させて水漏れの有無、及び、破袋箇所を目視にて確認し、その結果を表1に示した。
【0105】
【表1】

【0106】
表1からも明らかなように、実施例1の一辺のヒートシール部に注出口を取り付けた包装袋を収納した流体用容器は、比較例1の短辺側の位置に注出口を取り付けた包装袋を収納した流体用容器に比べて落下衝撃による包装袋の破袋のおそれのない結果であった。
【0107】
この結果より、本発明の流体用容器は、レジスト等の液体を貯蔵、輸送及び取り扱う際に外装容器に収納された包装袋の破袋が起こり難いことが確認された。
【0108】
[比較例2]
従来から使用されている以下の構成の包装袋を比較例2として、実施例1の包装袋と比較例2とについて、包装袋の物性、クリーン度、パーティクルの浸出度合いを検討した。従来の包装袋の構成は、外層フィルムが、PE15μm/PE35μm/PE20μmの3層共押出しフィルム、内層フィルムが、LLDPE15μm/PE10μm/NY20μm/PE10μm/PE10μm(内容物側がLLDPE)の5層フィルムからなる二重フィルム構成である。
【0109】
上記で作製した実施例1及び比較例2について、包装袋のヒートシール部のシール強度、注出口と包装袋との接着強度、包装袋の突刺強度及び耐ゲルボ性、パーティクルを測定して表2に示した。また、包装袋に薬液を充填した場合について、薬液中の微小不純固形物量、水分量、金属不純物溶出量、イオン成分量、不揮発分量、薬液の粘度の経時変化及び所定時間経過後の薬液を塗布した際に形成される塗膜の膜厚について測定しその結果を表3に示した。尚、各種強度他の測定は下記の方法により測定した。また、薬液としてはフォトレジスト組成物(商品名:TFR−790PL、東京応化工業社製)を使用した。
【0110】
<シール強度の測定>
包装袋の注出口を融着したヒートシール部以外の残りのヒートシール部の略中央部分から幅15mmに引っ張り試験体を採取して、JIS−Z1707に準じて測定した。尚、試験片は図4のヒートシール部122の両側辺及び底辺の中間部分で、ヒートシール部を含むようにして採取した。
【0111】
<注出口と包装袋本体との接着強度の測定>
注出口と包装袋本体とが熱融着された部分を含むようにして、ヒートシール部と直交する方向で、幅15mmの試験体を採取して、JIS−Z1707に準じて測定した。
【0112】
<突刺強度の測定>
昭和57年厚生省告示第20号、「器具又は容器包装一般の試験方法」に準じて測定した。内層フィルムと外層フィルムを重ねた状態で、内層側及び外層側から測定した。
【0113】
<耐ゲルボ性の測定>
内層フィルムと外層フィルムを重ねた状態で、ゲルボ試験(試験機:ゲルボフレックステスター)を実施し、ゲルボ回数1000回及び2000回後に、内層フィルムと外層フィルムそれぞれのピンホール数をカウントした。尚、試験は常温、常湿の環境下で行った。
【0114】
<パーティクルの測定>
試料に超純水を入れ、袋内に超純水が行き渡る様に10秒間軽く揺すり、その後、20分間静置する。前記処理を行った液を、液中粒子計数器により測定した。
【0115】
<薬液中の微小不純固形物量の測定>
パーティクルカウンター(Rion社製、製品名:パーティクルセンサー KS−41)を用いて、パーティクル数を測定した。
【0116】
<薬液中の水分量の測定>
カールフィッシャー水分計にて測定した。
【0117】
<薬液中の金属不純物溶出量、イオン成分量、不揮発分量の測定>
金属不純物溶出量はICP発光分光光度計にて測定した。イオン成分量は、イオンクロマトグラフィーにて測定した。また、不揮発分量は、初期の値に対する蒸発後重量の増加割合である。
【0118】
<薬液の粘度の測定>
キャノンフェンスケ粘度計にて測定した。
【0119】
<塗膜の膜厚の測定>
6インチシリコンウエーハ上に回転塗布(3000rpm)し、ホットプレート上で190℃、90秒乾燥して形成された塗膜の膜厚を測定した。
【0120】
【表2】

【0121】
【表3】

【0122】
表2に示すように、実施例1の包装袋は、ヒートシール部のシール強度、注出口と包装袋との接着強度、包装袋の突刺強度のいずれにおいても、比較例2の包装袋に比べ優れる結果であった。また、ピンホールの個数やパーティクルの個数が少ない結果であった。
【0123】
また、表3に示すように薬液を充填した場合でも、薬液中へのパーティクル、金属不純物溶出、イオン成分、不揮発分の浸出度合いや薬液の粘度、水分量の変化のいずれについても、比較例2と略同等であった。
【0124】
これらの結果より、本発明の包装袋は、機械的強度に優れていると共に、レジスト液等の内容物を貯蔵、輸送及び取り扱う際に破袋が起こり難く、また、薬液へのパーティクル他の浸出が少ないことが確認された。
【符号の説明】
【0125】
1 流体用容器
10 注出口付き包装袋
11 注出口
111 注出口取付部
111b 板状リブ
12 包装袋本体
121 (多重)フィルム
121a 外層フィルム
121b 内層フィルム
122 ヒートシール部
20 外装容器
24 開口部
50 第1蓋
60 第2蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する外装容器と、
この外装容器の内袋として使用され、包装袋本体に注出口が接合されてなる注出口付き包装袋と、からなる流体用容器であって、
前記包装袋本体は前記外装容器内に収納可能であると共に、前記注出口は前記外装容器の開口部に着脱可能であり、
前記包装袋本体は、少なくとも2枚以上のフィルムの外周辺にヒートシール部を形成して袋体とすると共に、このヒートシール部の所定位置であって、前記ヒートシール部のシール面間に前記注出口の一部が接合されており、
前記注出口の一部は、前記シール面と面接合可能な注出口取付部を備え、
前記ヒートシール部には、前記注出口取付部が接合されるシール部のシール幅に比べて、当該シール部以外の左右のシール部のシール幅が広くなるようにテーパーが形成されている流体用容器。
【請求項2】
前記注出口は、前記外装容器の開口部に係止されて包装袋本体を支持可能に構成されている請求項1記載の流体用容器。
【請求項3】
前記注出口は、前記シール面で熱接合可能な合成樹脂製である請求項1又は2記載の流体用容器。
【請求項4】
前記面接合可能な注出口取付部は、全体として断面形状が凸レンズ状の柱体をなしており、この柱体の側面が接合面である請求項3記載の流体用容器。
【請求項5】
前記接合前の前記凸レンズ状の柱体の両終端部には板状のリブ部が延出して形成されており、このリブ部を含めて前記接合を行って得られる請求項4載の流体用容器。
【請求項6】
前記外装容器は、繰り返し使用可能な剛性容器である請求項1から5いずれか記載の流体用容器。
【請求項7】
前記剛性容器は金属製容器又は合成樹脂製容器である請求項6記載の流体用容器。
【請求項8】
前記外装容器は、前記開口部を密封可能にすると共に、前記注出口を固定する蓋部を有する請求項6又は7記載の流体用容器。
【請求項9】
前記包装袋本体は、外層フィルムと内層フィルムとを少なくとも重ね合わせた多重フィルムを、前記内層フィルム同士が対向するように重ねて外周辺にヒートシール部を形成してなる請求項1から8のいずれか記載の流体用容器。
【請求項10】
レジスト液を収容するために用いられる請求項1から9いずれか記載の流体用容器。
【請求項11】
前記レジスト液の体積収容量が1L以上250L以下である請求項10記載の流体用容器。
【請求項12】
請求項1から11いずれか記載の流体用容器を構成する前記外装容器内に、前記注出口付き包装袋が装着されており、この包装袋内に流体が収容されており、前記注出口が密封されると共に、前記開口部に前記注出口が固定されている流体入り容器。
【請求項13】
前記開口部を密封して覆う蓋部によって、直接的又は間接的に前記注出口が密封されると共に、直接的又は間接的に前記開口部に前記注出口が固定されている請求項12記載の流体入り容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−41093(P2012−41093A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262431(P2011−262431)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【分割の表示】特願2006−178810(P2006−178810)の分割
【原出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000220239)東京応化工業株式会社 (1,407)
【Fターム(参考)】