説明

流体用弁箱および改良された製造方法

流体用弁箱および改良された製造方法が開示されている。開示された流体用弁箱は、互いに連結され弁箱の少なくとも一部を形成しているパイプ(210)および第二部材(220)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に流体用弁箱に関するものであり、さらに詳細には流体用弁箱およびコストを低下させる製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、油・ガスパイプライン分配システム、化学品プロセスプラント、または、たとえば食物および飲料プロセス、製薬プロセス、化粧品生産プロセスなどのような衛生品プロセスの如き産業プロセスにおいてプロセス流体を制御することが必要である。一般的に、圧力、温度およびプロセス流体特性の如きプロセス条件により、流体制御システムを実現するために用いられうる弁および弁構成部材のタイプが決まる。通常、弁は、流入口と流出口とを有しているとともに弁箱を貫通する流体流路を備えている。
【0003】
さまざまなタイプの構造体、たとえば鋳物、鍛造、または中実の材料を機械加工したものを用いて流体用弁箱を作ることができる。通常、流体制御プロセスによって、そのプロセスにおいて用いられる弁箱に適切な材料および構造体のタイプが決まる。清潔なスチームの提供、注射用の水または食物および飲料のサービスの如き衛生的な状態が必要とされるプロセスの場合、鋳物の孔により流体の流れ経路に沿って弁内に微生物および他の汚染物質に隠れ場所を提供しうるため、鋳物を用いることができない場合もある。衛生的な流体制御システムに用いられる流体用弁箱を作るために、鍛造を用いることができるものの、通常、このような弁箱の少量生産には経済的に見合わない。衛生的な流体制御システムに用いられる弁箱を製造するために、金属棒素材の如き中実の本体または中実の対象体を用いてもよい。しかしながら、中実の対象体が弁箱の最大の外部寸法または直径に対応するに足りる十分に大きな初期サイズを有していなければならないので、また、最終壁厚が第一の壁厚と比べて小さくなる場合があるので、機械加工中に、大量の材料が浪費されることになる。したがって、弁箱の内面を機械加工するのに費やされる時間と比べて、多くの機械加工時間が材料の過剰な外側の厚みを取り除くために費やされる。
【0004】
図1は、衛生的な流体制御プロセスで用いるために製造された公知の弁箱の一例を示す断面図である。この弁箱100は、弁箱部材105、107を提供するための2つの中実の対象体(たとえば、金属棒素材)から機械加工されたものである。部材105の第一端部110は、プロセス流体制御システムの他の部分(たとえば、パイプ)との接続ためのフランジ112を形成するように機械加工されている。フランジ112は外径Aを有している。この外径については、弁箱100を形成する元となる中実の対象体がさらに大きな外径を有している必要があり、これを機械加工することによって達成されている。第一端部110は内径Bを有している。このことは、中実の対象体から大量の材料が機械加工により取り除かれるまたは削除されることを必要とする。同様に、弁箱100のポート120は、弁箱100の流体流れ特性の要件に直径Cを有するポート120を合わせることを可能とするために相当な量の材料を除去する必要がある。部材105の第二端部130は、外径D、内径Eを有しているフランジ132と、ポート120に隣接し直径Fを有する拡大領域を備えるように機械加工されている。先の場合と同様に、部材105を形成するために用いられる中実の対象体から相当の量の材料が、内径EおよびFを形成するために、機械加工により取り除かれなければならない(すなわち、スクラップ材料になる)。
【0005】
また、開口端部142を有した側方部材または横部材107を提供するため、別個の中実の対象体(たとえば、一片の棒素材)が用いられている。横部材107の端部142は、端部110の内径Bに向けて延びているとともに外径Gおよび内径Hを有しているフランジ144を備えるように機械加工されている。先の場合と同様に、弁箱の部材107を形成するために用いられる中実の対象体から相当の量の材料が、端部142の外径Gおよび内径Hを形成するために機械加工により取り除かれなければならない。横部材107が機械加工されたあと、この横部材は、ガスタングステンアーク溶接、シールド金属アーク溶接、サブマージアーク溶接、フラックスコアアーク溶接、ガスメタルアーク溶接、電気ガスアーク溶接、プラズマアーク溶接および/または原子水素溶接の如き公知技術のうちいずれか一つまたはそれらの任意の組み合わせを用いて、弁箱100の側部117の部材105に接合部115を介して永続的に結合または接合されるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
公知の弁箱100から明らかなように、部材105、107を形成するために用いられる中実の対象体の初期寸法または初期直径は、部材105、107の直径および輪郭を形成することができるように十分に大きくなければならないため、機械加工時間が増え、スクラップ材料が増え、これに応じて人件費が増え、これらのすべてが弁箱100の製造を比較的高価なものとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一の実施例では、流体用弁箱の製造方法は、所定の長さのパイプを得ることと、第一端部が開口部として構成され、第二端部が流体用弁箱の他の部材に結合されるように構成されるように、所定の長さのパイプにおいて第一端部および第二端部を形成することとを含んでいる。さらに、パイプの第二端部は、流体用弁箱の少なくとも一部を形成するために第二部材に結合されている。
【0008】
他の実施例では、流体用弁箱は、開口部として構成された第一端部と、流体用弁箱の他の部材に結合された第二端部とを有している所定の長さのパイプを備えている。パイプの第二端部および第二部材は、流体用弁箱の少なくとも一部を形成するために相互に結合されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
一般的に、本明細書に記載の例示の流体用弁箱には、流体が弁箱の端部間および弁箱の一または複数の流体用流路または流体用ポートを通るようになっている弁箱が含まれている。通常、衛生的な流体を流す用途に用いる公知の流体用弁箱は、たとえば複数の金属棒素材の如き中実の対象体から製造されている。このような複数の棒素材部材は、部材の機械加工が完了したときに流体用弁箱の所望の輪郭を形成するに足りる十分なサイズの初期の外形寸法または直径を有していなければならない。通常、機械加工工程は、製造工程においてスクラップとなる大量の金属を除去する必要がある。加えて、このような流体用弁箱の製造には相当の量の機械加工時間が必要となり、このことにより、人件費または費用が増大する。
【0010】
弁箱を形成するために鋳造プロセスを用いることにより、スクラップ材料の量および製造時間を著しく減らすことができる。しかしながら、鋳物の孔が微生物または他の汚染物質の隠れ場所を提供することになるため、鋳物を衛生用の弁箱として用いることは適切でない。さらに、衛生的な用途に用いられる流体用弁箱を製造するために鍛造を用いることができるものの、鍛造は、比較的高価であり、流体用弁箱の少量生産には採算が合わない。
【0011】
図2は、例示の流体用弁箱200を示す断面図である。図2に示されているように、例示の弁箱200は、選択され所定の長さに切断されたパイプから機械加工された第一部分(部材)210を備えている。この第一部分(部材)210は、開口部212と、流体制御システムの他の部分と結合するためのフランジ214とを有した一方の端部211を形成するように機械加工されている。フランジ214は外径Iを有しており、開口部212は内径Jを有している。図2から明らかなように、第一部分(部材)210を形成するために一片のパイプを用いると、中実の対象体または金属棒素材から同様の部材を機械加工することに比べて(たとえば、図1に示されている公知である弁箱100の部材105の場合に比べて)必要となる機械加工が少なくなり、ひいてはスクラップ材料が少なくなる。
【0012】
第一部材または部分210(たとえば、一片のパイプ)の他方のまたは第二端部216は、例示の弁箱200の第二部分(部材)220と連結するように構成されている。部材210の第二端部216は、適切ないかなる機械加工(たとえば、切削)作業および/または穿孔作業により所望の形状に加工されてもよい。第二部材220は、中実の対象体(たとえば、金属棒素材)から機械加工されており、外径Kを具備するフランジ224を有する端部222を備えている。この端部222は、直径Lを有している開口部226を備えており、この開口部は、直径Mを有している拡大領域228まで延びている。第二部材220の他の端部または第二端部230は、第一部材(たとえば、パイプ)210の第二端部216と係合または結合するように構成されており(たとえば、機械加工されており)、また、第一部材(たとえば、パイプ)210の第二端部216の部分に係合または結合させるような輪郭部分または切削部分232を備えている。第二端部230には、ポート240を通る流体の流量を制御するように構成された直径Nを有するポート240が隣接している。部分(部材)210の第二端部216および第二部材220の第二端部230は、永続的なかつ漏洩のない接着を実現するいかなる接合技術により結合または接合されてもよい。金属製の対象体から製造される場合における結合技術または接合技術の例としては、ガスタングステンアーク溶接、シールド金属アーク溶接、サブマージアーク溶接、フラックスコアアーク溶接、ガスメタルアーク溶接、電気ガスアーク溶接、プラズマアーク溶接および原子水素溶接が挙げられる。例示の弁箱200では、第一部材210と第二部材220との間には、完全溶込み接着または溶接236を形成することができる。
【0013】
一般的に、例示の流体用弁箱は、パイプおよび棒状の素材材料の如き2つ以上の材料から製造されうる。図2の例示の弁箱200では、弁箱200は、中実の対象体または金属棒素材を機械加工することにより形成されうる第三部分(部材)250を有している。第三部材250は、外径がOであり内径がPであるフランジ254を含む端部252を備えている。端部252は、直径Pを有した開口部256を備えている。あるいは、第三部材250は、当該第三部材250を例示の流体用弁箱200に組み立てる前に端部252を最終形状に形成されるといった前もって成形された部材であってもよい。第三部材250の第二端部258は、第一部材210および第二部材220のそれぞれ対応する第二端部216および230のうちの少なくとも1つと係合するように構成されている。第三部材250は、永続的かつ漏洩のない接続を達成するために上述の結合技術または接合技術のうちのいずれかによって弁箱200に結合または接合される。この一例では、完全溶込み接着または溶接259によって、第三部材250を接合することができる。図2に記載の例示の弁箱200では、接着または溶接259により、第一部材210および第二部材220の両方に第三部材250が接合されている。しかしながら、設計要件に応じて、第三部材250は、第一部材210および第二部材220のうちの一つだけに接合される場合もある。
【0014】
図2の例示の流体用弁箱200は、弁箱の作成に必要な機械加工時間の量を減らす製造方法の結果である。第一部材210にあっては、中実の金属製の対象体または棒素材の場合に必要な機械加工時間と比べてより少ない機械加工時間ですむ適切な長さ、内径および外径を有するように前もって1個の金属パイプから作ることができる。弁箱200の第一部材210を形成するために1つのパイプ210を利用することにより、かなりの量の機械加工時間、それに対応する量のスクラップ材料および消滅時間が製造工程から除去される。図1の公知の流体用弁箱100は、通常、部材105、107の作成に約約4時間の機械加工時間を必要とする。それとは対照的に、図2の第一部材210、第二部材220および第三部材250の作成に必要な機械加工時間は、約2時間半である。さらに、図1の公知の弁箱100は約100ポンドの初期重量を有する棒素材から作られ、例示の完成した弁箱100は約25ポンドの重さを有しているため、約75ポンドのスクラップ材料が生じることになる。図2の一例では、第一部材210を形成するために適切な長さ、内径および外径を有するように前もって選択されたパイプを用いるため、製造工程中に著しく少ないスクラップ材料が生成されるので、材料費が低くなる。第二部材220に第一部材210を結合するためにさらなる溶接時間が必要となるものの、例示の弁箱200の製造は、棒素材の如き中実の金属製の対象体から製造される弁箱と比較して、製造するためのコストがより低く抑えることができる。一般的に、衛生的な流体を流すために使用される流体用弁箱の製造に、高耐食性を有する低炭素ステンレススチール合金が用いられてもよい。
【0015】
図3は、他の例示の流体用弁箱300を示す断面図である。図3に示されているように、例示の弁箱300は、一つの初期金属製パイプから機械加工により作成される先に例示した第一部材210を備えている。この一例では、第一部材(部分)のパイプ210の第二端部216は、弁箱300の第二部材320に結合されるように(たとえば、機械加工および/または穿孔により)構成されている。第二部材320は、第一部分322と第二部分344とを備えている。これらの第一部分322と第二部分344とは、部品322および344の輪郭を形成するように機械加工された中実の対象体または金属棒素材からなっている。第一部分322は外径寸法または外径Sを有しており、第二部分344は外形寸法または外径Uを有している。図3から容易に分かるように、第一部分322の外形寸法Sは、第二部分344の外形寸法Uよりも著しく小さくなっている。より小さな直径を有する個別の対象体から第一部分322を作成することによって、中実の対象体のコスト、第二部分344の形成に必要となる機械加工時間、機械加工により除かれ製造工程中のスクラップとなる材料の量を著しく削減することができる。
【0016】
第一部分322は、第二部分344の第一端部334と係合または結合するように機械加工により構成されている。第一端部324は、直径がRである拡大領域328を有する開口部326を備えている。第一部分322の第二開放端部330は、外径がSおよび内径がTであるフランジ332を有するように機械加工により構成されている。第二部分344の第一端部334は、拡大領域338の一部を形成するために直径Rを有している開口部336を備えている。開口部336は、第一部分322の第一端部324にそれに対応する形状に形成された開口部326と連通している。第二部分344は、第一部材210の第二端部216と係合または結合するように機械加工により構成されている第二端部342を備えている。第二部分344は、第一部材210の第二端部216の一部と結合または係合するように構成された輪郭部分(切削部分)346を備えている。第二部分344の第二端部342には、ポート340を通る流体の流量を制御するための直径Qを有しているポート340が隣接している。第二部分344の第一端部334および第一部分322の第一端部324は、たとえば溶接355の如き永続的なかつ漏洩のない接着を達成するために上述した例示の接合技術のいずれかにより結合または接合されている。
【0017】
また、例示の弁箱300は、中実の対象体または金属棒素材を機械加工することにより形成された、先に例示した第三部分(部材)250をさらに備えている。第三部材250は、フランジ254を有する端部252と、第二端部258とを備えている。第二端部258は、開口部256と、第一部材210の第二端部216または第二部分344の第二端部342の少なくとも1つと係合または結合するように構成されている。図3に示されているように、第二端部258は、第一部材210の第二端部216および第二部分344の第二端部342の両方と係合している。第三部材250は、永続的にかつ漏洩のない接着を達成するために上述の結合技術または接合技術のいずれかにより、接着部または溶接部358において、第二端部216および342と結合または接合されている。
【0018】
図4は、例示の流体用弁箱を製造するための方法を表すフローチャートの一例である。より具体的には、図4には、本明細書に記載した例示の弁箱の作成に用いられうる例示の製造方法400が記載されている。まず、パイプが、所望の内径および外径(たとえば、第一部材または部分210)に応じて選択される。そのときに所望の長さに合わせて前もって選択されていなければ、所望の長さに切断する(ブロック404)。図2および図3の例示の弁箱に関して記載されているように、所定の長さのパイプは、開口部を有する端部(たとえば、図2および図3の開口部212を有する端部211)を形成するように機械加工される。しかしながら、これらの端部および開口部は、部分的に機械加工されるだけまたは荒削りされるだけであってもよく(ブロック406)、仕上げ機械加工が後で施されてもよい。製造工程の後半においてパイプの端部および開口部の仕上げ機械加工を完了させることによって、つまり、さまざまな理由によりプロセスの後半で廃棄されるかもしれない部分を完全には機械加工しないことによって、時間と費用を節約することができる。一般的に、一旦例示の弁箱の最終組立がうまく完成したならば、事前に完全に機械加工された部分を廃棄する可能性を減らすために、弁箱の一部の部分に最終機械加工を施すことができる。したがって、図4に記載の方法400は、荒削り作業および最終機械加工作業の両方を示している。
【0019】
パイプの他方の端部または第二端部(たとえば、図2および図3の端部216)を任意選択的に機械加工してもよい(ブロック408)。一部の用途では、この第二端部は、完成した弁箱の第二部材(たとえば、図2および図3の第二部材220、320)に接合または結合されるので、完全に機械加工される場合もある。あるいは、所望の輪郭を形成するために、パイプの第二端部をドリルで穴開け加工してもよい(ブロック410)。
【0020】
次に、図4に記載の他の方法によって例示の弁箱の第二部材を製造してもよい。この場合、第二部材を形成するために用いられる材料を選択することが可能である(ブロック412)。選択される材料は、例示した弁箱の所望の用途に応じて、金属からなる対象体または棒素材であってもよい。第二部材は所望の長さに切断され(ブロック414)、次いで、所望の輪郭を形成するように機械加工される。あるいは、加工方法は、第二部材の一方の端部(たとえば、図2および図3の端部222、330)を機械加工し、ポート(たとえば、図2および図3のポート240、340)および第二部材の他方の端部(たとえば、図2および図3の端部230、342)を少なくとも部分的に機械加工してもよいし(ブロック416)、第二部材の両方の端部を部分的に機械加工してもよい(ブロック418)。第二部材の所望の機械加工が達成されたあと、パイプ(たとえば、第一部材または210の部材)および第二部材(たとえば、図2および図3の第二部材220、320)は、取付け具の如き保持装置に載置され、たとえば上述のように溶接することにより結合または接合される(ブロック420)。この組立体には所望の仕上げ輪郭を達成するために最終機械加工を施してもよい(ブロック422)。パイプおよび/または第二部材の前行程での機械加工の程度に応じて、パイプおよび第二部材の一方または両方が最終機械加工を施すことを必要とする場合もある。
【0021】
ブロック430〜438には、例示する弁箱の第二部材を製造する他の方法が示されている。第二部材(たとえば、図3の第二部材320)を形成するために2つの部分(たとえば、図3の第一部分および第二部分322、344)が選択される(ブロック430)。これらの2つの部分に選択される構造は、金属製の中空の対象体であってもよいしまたは棒素材であってもよい。これらの2つの部分はそれぞれ対応する部分の所望の長さに合わせて切断される(ブロック432)。図4の例示の方法、とくに2つの部分からなる部材を形成する方法は、第二部材の第一部分の端部(たとえば、図3の端部324、330)を少なくとも部分的に機械加工することを含んでいる(ブロック434)。第二部材の2つの部分のうちの第二部分は、その両端部(たとえば、図3の端部334、342)が少なくとも部分的に機械加工または荒削りされ、第二部分の一部としてポート(たとえば、図3のポート340)を形成するようになっている(ブロック436)。明確に理解しておくべき点は、第二部材の2つの部材(部分)が第一部分および第二部分のうちの一方または両方の部分にポートを有することが可能であって、第二部分のポートに関する記載は、本明細書に記載される製造方法および設計の単なる一例の説明に過ぎないということである。次いで、第一部分および第二部分は、取付け具の如き保持装置に載置され(ブロック438)、第二部材を形成するために、上述のように溶接することにより、結合または接合される。この他の製造方法は、パイプ(たとえば、第一部材または部分210)および第二部材(たとえば、図3の第二部材320)を取付け具の如き保持装置に載置して、上述のように溶接することによりパイプおよび第二部材を結合または接合し(ブロック420)、パイプおよび第二部材の組立体を、所望の仕上げ輪郭を達成するために最終機械加工する(ブロック422)ことを含んでいる。パイプおよび/または第二部材の前行程での機械加工の程度に応じて、パイプおよび第二部材のうちの一方または両方が最終機械加工を施すことを必要とする場合もある。
【0022】
先に記載されたように、例示の弁箱は、図2および図3に示されているように、パイプからなっている第一部材と、第二部材と、第三部材(たとえば、図2および図3の第三部材250)とを備えうる。第三部材が必要な場合には、当該第三部材が製造される構造体(たとえば、金属製の対象体または棒素材)が選択される(ブロック440)。第三部材は所望の長さに合わせて切断され(ブロック442)、端部(たとえば、図2および図3の端部252、258)は、所望の輪郭を形成するように機械加工される(ブロック444)。これに代えて、選択プロセスが、フランジ(たとえば、図2および図3のフランジ254)を具備した端部(たとえば、図2および図3の端部252)の如き完成した部分を有しているような前もって形成された部分か、または第三部材(440ブロック)の選択を含んでいてもよい。これによって、完成した部分の機械加工を必要としなくなる。前もって形成された第三部材の一方の端部(たとえば、図2および図3の端部258)は、パイプおよび第二部材のうちの少なくとも1つと当該第三部材を結合または係合させることを可能とするための輪郭を形成するように機械加工される(ブロック446)。第三部材の適切な機械加工が達成されたあと、パイプおよび第二部材の組立体と第三部材とは、取付け具の如き保持装置に載置され、たとえば本明細書に記載されているように溶接することにより、結合または接合される(448ブロック)。一般的に、第三部材の機械加工は、当該第三部材がパイプおよび第二部材の組立体と結合される前に完了しうる。
【0023】
例示の製造方法が、図4に記載のフローチャートと関連させて説明されている。しかしながら、当業者にとって明らかなように、CNC機械の使用、部分の手動による機械加工および/または図4に記載の順序から作業順序の変更の如き流体用弁箱の製造方法を実施する方法が他にもある。
【0024】
本明細書に、例示の方法、装置および製品が記載されているが、本発明の範疇が、これらによって制限されることはない。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲に文字通りにまたは均等論に従って正当に該当する製造の方法、装置および製品をすべて網羅する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】公知の流体用弁箱を示す断面図である。
【図2】流体用弁箱の一例を示す断面図である。
【図3】流体用弁箱の他の一例を示す断面図である。
【図4】本明細書に記載の流体用弁箱の一例を製造するために用いられうるプロセスの一例を示す代表的なフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体用弁箱を製作する方法であって、
パイプを所定の長さに形成することと、
前記所定の長さのパイプに、開口部となる第一端部と、前記流体用弁箱の第二部材に結合する第二端部とを形成することと、
前記パイプの前記第二端部に前記第二部材を結合して、前記流体用弁箱のうちの少なくとも一部を形成することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記パイプの前記第二端部に前記第二部材を結合することには、溶接することが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パイプおよび前記第二部材が金属からなっている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記流体用弁箱が、流量調整装置の一部として用いられるように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パイプの前記第二端部を形成することには、ドリルによる穴開け加工または切削加工のうちの少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第一端部と、前記パイプの前記第二端部に結合するように構成された第二端部と、を有するように実質的に中実の対象体から前記第二部材を形成すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第二部材が形成される前に、前記第二部材の前記第二端部が、前記パイプの前記第二端部に結合される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記流体用弁箱の第三部材と係合するように、前記パイプの前記第二端部および前記第二部材の前記第二端部うちの少なくとも1つを形成することと、
前記第三部材の第一端部が開口端部として構成され、前記第三部材の第二端部が前記パイプまたは前記第二部材のうちの少なくとも1つの前記第二端部と結合するように構成されるように、前記第三部材を実質的に中実の対象体から形成することと、
前記第三部材の前記第二端部を、前記パイプの第二端部または前記第二部材の第二端部の少なくとも1つに結合することと、
をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記第三部材の前記第二端部を、前記パイプの第二端部または前記第二部材の第二端部の少なくとも1つに結合することには、溶接が含まれる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記パイプ、前記第二部材、または前記第三部材のうちの少なくとも1つが金属からなっている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第二部材を第一部分および第二部分から形成し、前記第一部分の第一端部が前記第二部分と係合するとともに、前記第一部分の第二端部が開口端部として構成されており、前記第二部分が、ポートと、前記第一部分の前記第一端部に係合するように構成された第一端部と、前記パイプの前記第二端部に係合するように構成された第二端部と、を備えており、
前記第一部分の前記第一端部と前記第二部分の前記第一端部とを結合することをさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
流体用弁箱であって、
開口端部として構成される第一端部と、前記流体用弁箱の第二部材に結合される第二端部と、を有する所定の長さのパイプを備え、
前記パイプの前記第二端部と前記第二部材とが、前記流体用弁箱のうちの少なくとも一部を形成するように結合されてなる、流体用弁箱。
【請求項13】
前記パイプの前記第二端部および前記第二部材が溶接部を介して結合されてなる、請求項12に記載の流体用弁箱。
【請求項14】
前記流体用弁箱が流量調整装置の一部である、請求項12に記載の流体用弁箱。
【請求項15】
前記パイプの前記第二端部が、ドリルによる穴開け加工または切削加工のうちの少なくとも1つにより形成されてなる、請求項12に記載の流体用弁箱。
【請求項16】
前記第二部材が、ポートと前記パイプの前記第二端部に結合される第二端部とを有するように、前記第二部材が実質的に中実の対象体から形成されてなる、請求項12に記載の流体用弁箱。
【請求項17】
前記パイプの第二端部または前記第二部材の第二端部の少なくとも1つが前記流体用弁箱の第三部材に結合されており、該第三部材の第一端部が開口端部として構成され、かつ、該第三部材の第二端部が前記パイプの第二端部または前記第二部材の第二端部の少なくとも1つに結合されるように、前記第三部材が中実の対象体から形成されてなる、請求項16に記載の流体用弁箱。
【請求項18】
前記第三部材の前記第二端部と、前記パイプの第二端部または前記第二部材の第二端部の少なくとも1つと、が溶接部を介して結合されてなる、請求項17に記載の流体用弁箱。
【請求項19】
前記パイプ、前記第二部材、または前記第三部材のうちの少なくとも1つが金属よりなっている、請求項17に記載の流体用弁箱。
【請求項20】
前記第二部材が第一部分と第二部分とをさらに備えており、前記第一部分が、前記第二部分に結合される第一端部と、開口端部として構成された第二端部とを有しており、前記第二部分の第一端部が前記第一部分の前記第一端部に結合され、前記第二部分の第二端部が前記パイプの前記第二端部に結合されてなる、請求項12に記載の流体用弁箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−520167(P2009−520167A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545604(P2008−545604)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/044112
【国際公開番号】WO2007/070212
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(591055436)フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー (183)
【Fターム(参考)】