説明

流動化された粒子状固体の多段式処理のための方法及びシステム

【課題】粒子状固体の連続的多段式処理のための新規な方法及びシステムを提供する。
【解決手段】15〜200個又はそれ以上の流動床容器12を有する粒子状固体の連続的多段式処理のための方法及びシステムにおいて、各流動床容器の底部に容器間を連結する粒子移送用トンネルを設けるとともに、各流動床容器に設けられた気体取り入れ口に、共通の気体分配プレート22より、流動化用気体を進入させて移送用トンネルを通る流動化固体の流れを促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動化された粒子状固体の多段式処理のための方法及びシステムに関する。より詳細には本発明は、排他的なものとしてではなく、当該粒子状固体を流動化すべく加圧気体流を各々が採用する一連の段階容器類内で粒子状固体が連続的に処理されるという方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
粒子状固体と気相との間における相互作用を伴う処理に対し、多くの場合、固体を気相により流動化することは処理目的を達成するために有用な手法である。多くの商業的プロセスは、例えば、気固反応の実施のために、重合、化学的析出、焼成、乾式のために、触媒の活性化のために、そして他のプロセスなどのために、種々の様式で流動床技術を採用する。これらのプロセスの多くは濃密相の取扱い、特に固体の流動化を採用するが、その理由は、熱移動、物質移動、反応速度、物理的取扱い、物理的なサイズ、粒子状固体の搬送、及び/又は、他の要因に関して、流動化固体が提供し得る性能特性が良好だからである。これらの要因は多くの場合、高品質製品をもたらすコスト効率的な処理を提供し得る。
【0003】
流動化固体を処理するための種々の流動化方法及び装置は知られている。これらの内の幾つかは、以下に詳述される如き添付図面の図1乃至図3に示される。例えば、連続的な処理方法は、流動床処理容器の上部に粒子状固体を連続的に供給し、上記処理容器の他の側から粒子状固体を放出し、且つ、上記容器の底部を介して流動化用気体を供給して上記粒子状固体を流動化させることにより実施され得る。
【0004】
別の処理装置は、各段階容器とその隣の段階容器間に延在する移送用トンネルにより直列に相互に接続された所定個数の段階容器を備えて成る。各段階容器は、それ自体の流動化用気体の供給を受けることで、粒子状固体の流動床を生成する。処理されるべき固体生成物は、所望の一定の体積生成速度にて第1段階容器に連続的に送給され得る。上記系を進行する固体粒子群は、個別的な段階の形状及びサイズと、体積流量とに依存する滞留時間を有する。
【0005】
多くの流動床プロセスにおいて、系内における固体粒子の滞留時間は、重要であり、好適には、該系を移動する全ての固体粒子に対して予測可能かつ均一とされるべきである。しかし実際問題として、幾つかの固体粒子には上記系を通る平均経路よりも短い経路を辿らせ、且つ、他の固体粒子は上記系を通る平均経路より長い経路を辿らせるというバイパス現象及び遅滞現象の故に、これらの課題を満足することは困難でありもしくは不可能なこともある。結果として、処理される固体粒子の滞留時間には、相当の変動が在ることが通常である。
【0006】
故に、処理される粒子の滞留時間の分布を更に良好に制御し得るという粒子状固体の流動床式連続処理のための方法及びシステムを提供することが望ましい。
【0007】
背景技術に関する上記記述は、本発明に先立つ関連技術に対しては知られていないが、本発明により提供される知見、発見、理解、又は、開示、もしくは、その開示に伴う関連事項を含み得る。本発明の斯かる寄与の幾つかは本明細書において特に指摘されているが、本発明の他の斯かる寄与はそれらの前後関係から明らかであろう。本明細書において文献が引用されただけでは、本発明の分野とは非常に異なり得るその文献の分野が本発明の単一もしくは複数の分野に類似しているとの是認にはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、粒子状固体の連続的多段式処理のための新規な方法及びシステムを提供する。本発明の実施態様は、処理される粒子の滞留時間の分布の良好な制御を提供し得ると共に、ある場合では付加的利点を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの側面において本発明は、段階容器類の列における第1段階容器に対して粒子状固体を送給する工程と、上記段階容器類の各々の内へと流動化用気体を進入させて該段階容器類内の粒子状固体を流動化する工程と、隣接する段階容器類同士を相互に接続する移送用トンネルを介し、上記第1段階容器から他の段階容器へと流動化固体を搬送する工程と、上記段階容器の列における最終段階容器から粒子状固体を放出する工程とを備えて成る、粒子状固体の連続的多段式処理のための方法を提供する。上記方法は更に、各移送用トンネル内に配置された少なくとも一個の流動化用気体取入口を介して該移送用トンネル内へと流動化用気体を進入させる工程を備える。上記移送用トンネルの流動化用気体は、一つの段階から隣接する段階へと上記移送用トンネルを通る流動化固体の流れを促進すると共に、閉塞の回避を助力し得る。
【0010】
別の側面において本発明は、少なくとも15個の段階容器類の列における第1段階容器に対して粒子状固体を供給する工程と、上記段階容器類の各々の内へと流動化用気体を進入させ、各段階容器内に存在する粒子状固体を流動化させる工程と、上記段階容器類同士を相互に接続する移送用トンネルを介し、上記列における上記第1段階容器から他の段階容器へと流動化固体を搬送する工程と、上記段階容器類の列における最終段階容器から粒子状固体を放出する工程とを備えて成る、粒子状固体の連続的多段式処理のための方法を提供する。
【0011】
所望であれば、上記流動化用気体は、各移送用トンネル内の流動化用気体取入口の箇所と対向する移送用トンネル壁部に衝当するように、該移送用トンネルを通る流動化固体の搬送の方向と交差する方向において該移送用トンネルに対して進入され得る。本発明の幾つかの実施態様は、流動化用気体を共通の気体溜まりチャンバから各気体取入口に対して供給する工程を備えて成る。本発明の方法の実施態様は、各段階容器の回りに加熱もしくは冷却媒体を循環させて該段階容器内の流動化固体を加熱もしくは冷却する工程を備えて成り得る。
【0012】
本発明の方法の一つの実施態様は、上記段階容器類を介する搬送の間に上記流動化用気体を上記流動化粒子状固体に対して相互作用させる工程を備えて成る。別の実施態様は、上記段階容器類を通る搬送の間に上記流動化用気体を上記流動化粒子状固体と反応させる工程を備えて成り、上記流動化用気体及び上記固体は相互に化学的に反応性である。
【0013】
本発明はまた、並置して配置された少なくとも2個の段階容器であって、各段階容器が、上記流動化固体を収容する収容壁部、上記流動化固体に対する固体取入口、上記流動化固体に対する固体吐出口、流動化用気体に対する少なくとも一個の気体取入口、及び、上記流動化用気体に対する気体吐出口とを備えて成る、少なくとも2個の段階容器を備えて成る、流動化粒子状固体の連続的処理のための多段式システムも提供する。該システムは、隣接する2個の段階容器間を接続することで、隣接する該2個の段階容器間における流動化固体の搬送を許容する、少なくとも一本の移送用トンネルも備えて成る。
【0014】
本発明のシステムの一つの側面において、上記多段式システムは、上記少なくとも2個の段階容器の底部に亙り延在して該底部を形成する共通の一体的な気体分配プレートを備えて成る。該気体分配プレートは、流動化用気体供給源と連通し得ると共に、上記少なくとも2個の段階容器の上記流動化用気体取入口を構成し得る。
【0015】
本発明のシステムの別の側面において、上記多段式システムは、各段階容器の収容壁部の下側部分を構成する一体的もしくは単体的なベースプレートであって、上記少なくとも一本の移送用トンネルに対する頂壁及び側壁を構成するというベースプレートを備える。
【0016】
本発明のシステムの更なる側面において、上記多段式システムは、上記少なくとも2個の段階容器及び上記少なくとも一本の移送用トンネルの下方に延在して上記気体取入口に対して流動化用気体を供給する気体溜まりチャンバを備え、各気体取入口は上記気体溜まりチャンバと連通して該気体溜まりチャンバから流動化用気体を受容し得る。本発明の上記多段式システムのこれらの幾つかの側面は、当然ながら、一つのシステムにおいて多様に組み合わされ得る。
【0017】
所望であれば本発明のシステムの実施態様は、並置して配置された少なくとも10個の段階容器類を備え得ると共に、気体分配プレートは、段階容器類の大多数の底部に亙り延在して該底部を形成し得る。所望であれば、該気体分配プレートは段階容器類の大多数の気体取入口も構成し得る。
【0018】
本発明の幾つかの実施態様において、少なくとも一本の移送用トンネルは、流動化用気体に対する少なくとも一個の移送用トンネル気体取入口を備える。この特徴によれば、単一もしくは複数の移送用トンネルを通る粒子状固体の搬送が助力され得る。選択的に、気体分配プレートは、移送用トンネルの底部を形成すると共に、少なくとも一個の移送用トンネル気体取入口を構成する。この特徴は、移送用トンネルに対して気体取入口を装備するために好都合で効率的な構造を提供する。所望であれば、単一もしくは複数の移送用トンネル気体取入口は、流動化用気体を移送用トンネル内へと直接的に噴射し得る。
【0019】
本発明のシステムの幾つかの実施態様において、多段式システムは、並置して配置された少なくとも20個の段階容器類を備え、且つ、気体分配プレートは、全ての段階容器類の底部に亙り延在して該底部を形成すると共に、全ての段階容器類に対して気体取入口を支持する。多段式システムは、50個以上の段階容器類を備え得る。採用される段階容器類の可変の特定の構成によって、移送用トンネルの本数は、幾つかの実施態様において、段階容器類の個数より1だけ少ない数である。
【0020】
所望であれば、本発明に係る多段式システムは単体的なベースプレートを備え得る。該ベースプレートは、各段階容器の収容壁部の下側部分を構成し得ると共に、上記移送用トンネルに対する頂壁及び側壁を構成し得る。本発明の一つの有用な実施態様において、気体分配プレートは、単体的なベースプレートの下方に延在すると共に、段階容器類及び移送用トンネルの底部を閉じ得る。同様に、所望であれば気体分配プレートは、単体的なベースプレートに対して着脱自在に取付け可能とされ、又は、該ベースプレートから離間移動可能とされることで、点検及び保守のために段階容器類及び移送用トンネルに対するアクセスを提供し得る。
【0021】
処理能力の範囲を増進するために、多段式システムの実施態様は、各段階容器の回りに延在する体積空間であって、夫々の段階容器内の流動化固体の温度を制御するために温度制御流体を受容し得るという体積空間などの温度制御構造を備え得る。所望であれば上記システムは、各段階容器の回りの夫々の体積空間を包囲する温度制御用流体包囲体を備えて成り得ると共に、該温度制御用流体包囲体は選択的に、一つのサブ領域から他のサブ領域にかけて異なる温度を有するように、制御可能な複数のサブ領域へと分割され得る。
【0022】
幾つかの実施態様においては、流動化粒子状固体材料を処理するための一体化された多段式システムであって、流動床段階容器類と、相互接続を行う移送用トンネルとが共通のプラットフォーム上に一体化されるという多段式システムを提供することにより、本発明は、スループット、圧力低下及び滞留時間分布の如き要因に関して効率的に動作する豊富な処理段階を有するシステムを可能とする。共通のプラットフォームは、例えば、各段階容器及び移送用トンネルの各部分を取入れた堅牢なベースプレートにより提供され得る。そのベースプレートの下側には、気体源と連通する気体供給開口を有する一体片の気体分配プレートが位置し得ると共に、その気体分配プレートは、各段階容器及び移送用トンネルの底面に亙り延在する床部を提供する。
【0023】
本明細書において、本発明の幾つかの実施態様、本発明の実施及び使用方法の実施態様、並びに、本発明を実施するために企図される最良形態は、幾つかの図を通して同一の参照符号は同一の要素を表すという添付図面を参照して、詳細に且つ例示的に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】流動化固体の連続的処理のための公知の単一段階容器の部分的概略断面図である。
【図2】流動化固体の連続的処理のための公知の多段式システムの部分的概略断面図である。
【図3】図2に示された多段式システムの一部分の拡大図であり、各段階容器間における流動化固体の公知の移送様式を示している。
【図4】2つの公知の流動化固体処理システムに対する滞留時間分布のグラフである。
【0025】
【図5】本発明に係る流動化固体の連続的処理のための多段式システムの一実施態様の部分的に断面とされた前面図である。
【図6】図5に示された実施態様と多くの類似性を有すると共に異なる縮尺で描かれた本発明に係る流動化固体の連続的処理のための多段式システムの別実施態様の断面図である。
【図7】図6に示された多段式システムの頂部平面図である。
【図8】図6に示された容器型多段式システムの収容壁部を除去した部分的な右側端面図である。
【図9】図6において“A”と参照符号が付された部分の拡大図であり、同様に参照符号が付された図8の部分の拡大図と同様の図示内容である、各段階容器間の移送用トンネルを示している。
【0026】
【図10】図6の多段式システムの一部分の概略的斜視図であり、2つの段階容器及びそれらに伴う移送用トンネルの適切な構成を示している。
【図11】図6に示された多段式システムにおいて有用な羽口としても知られた流動化用気体取入ノズルの拡大正面図である。
【図12】図6に示された多段式システムにおいて有用な気体分配プレートの一部分の拡大図である。
【図13】60個の段階及び85個の段階を夫々有する本発明に係る2つの多段式流動化固体処理システムに対する適切な滞留時間分布を示すグラフである。
【図14】種々の個数の段階を有する流動化固体システムに対する適切な滞留時間分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
熱的調整、化学的処理又は他の処理のために流動化された粒子状固体を連続的に処理する公知の一つの方法は、図1に示されたような流動床処理容器を採用し得る。この方法において粒子状固体は、閉じられた円筒状処理容器の上部に固体送給ノズルを介して連続的に供給されると共に、上記容器の他の側から、固定高さの放出用吐出口を介して放出される。主として放出用吐出口の垂直位置により、処理容器内で定常状態の条件下となる固体質量の高さが決定される。その容器の底部に対しては、ある場合には“羽口(tuyere)”(不図示)として知られる複数の気体ノズルを担持する分配プレートを通して流動化用気体が供給され、その気体は処理容器の頂部から出力される。その気体の垂直流速は粒子状固体を流動化させるように制御されると共に、結果的な固体の流動床は概略的に幾分か流体のように挙動する。
【0028】
図1に示された処理容器を作動させる場合、粒子状固体は送給ノズルを介して一定の体積流量にて処理容器に送給され得ると共に、同一の一定の体積流量にて放出用吐出口を介して処理容器から溢流することが許容され得る。その処理容器内の固体の流動床の体積は、一定レベルVに維持される。
【0029】
粒子状固体の流動床は、その固体を流動化するために使用される気体流により熱処理されもしくは気体流と化学反応され得るか、又は、熱処理及び化学的処理の両方に委ねられても良い。処理容器は加熱マントルにより包囲されることで、流れる気体流との反応のために流動化固体の温度を所望の処理温度まで上昇させ得る。典型的な流動化固体の調製内容は、処理容器の全体に亙り気相と粒子状固体との間に合理的に均一な温度分布を提供し得るという良好な熱伝達特性を有している。効率的な構成に依れば、処理容器を包囲するマントルにより提供される加熱もしくは冷却により、吸熱もしくは発熱反応に対して流動化固体床は所望の温度範囲内に有効に維持され得る。この好適な挙動は、処理容器壁部と流動化固体の移動床との間における大きな熱伝達係数、及び、流動化により提供される混合の如き要因に由来し得る。
【0030】
殆どの流動床プロセスにおいて、系内における固体粒子の滞留時間は重要であり、好適には、該系を移動する全ての固体粒子に対して予測可能かつ均一とされるべきである。また、流動化固体がプラグとして移動する“プラグフロー挙動”と称される挙動も好適であり得る。但し実際問題として、これらの目標を満足することが困難なこともある。
【0031】
図1に示された処理方法を参照すると、固体粒子は、流動化媒体の圧力差、機械的推進又は均一化の如き駆動力により、送給箇所から放出箇所まで処理容器を通して移動される。流動床において固体粒子は、ランダム様式で相互に対して連続的に運動する。同様に流動化用気体は、粒子に対して更なる運動を付与する空隙もしくは“気泡”を生成する。粒子のこの一定でランダムな運動の一つの影響は、個々の粒子が送給点から放出点まで処理容器を通る異なる経路を取ると共に、当該粒子が追随し得る特定の経路に従い異なる速度にて進行するということである。結果として、異なる粒子は処理容器内で異なる滞留時間に直面し、このことは処理の一貫性に悪影響し得る。
【0032】
而して、処理容器において更に均一な粒子滞留時間を達成するために、処理容器を通る比較的に均一な経路へと粒子を拘束すべく整流板が採用されたが、首尾は限られていた。
【0033】
流動化された粒子状固体のプラグフロー挙動を達成する別の公知の手法は、垂直構成又は水平構成で直列に接続された所定数の処理容器もしくは段階を採用することである。流動化された気固プロセスに対しては、水平構成が好適であり得る。
【0034】
図2及び図3には、水平で順次的な連続多段式の流動床による熱的もしくは化学的な処理装置の一つの公知の実施態様が概略的に示されている。
【0035】
図2に示された如く処理装置はN個の段階容器を備えて成るが、全てが示されてはいない。第1段階容器は“段階1”と参照符号が付されると共に、最後の段階は“段階N”と参照番号が付され、且つ、順次的な中間の段階容器は夫々、“n”、“n+1”及び“n+2”と参照番号が付されている。12個までの段階容器を有する処理装置は公知であるか提案されており、全ての段階容器は同一の体積を有すると共に、同一体積Vの流動床固体を有するように操作され得る。代替的に、所望であれば各段階容器は異なる体積を有し得る。
【0036】
図2に示された装置において各段階容器は、図3において更に詳細に示されるように段階容器間及びその近傍に延在する例えば導管などの移送用トンネルにより相互に直列に接続されており、前に述べられた如く図2及び図3は概略的である。各移送用トンネルは、段階容器に対して流動化用気体を供給すべく通常は段階容器類の底部に配置される気体分配プレートのレベルの直上に配設される。この箇所は、流動化固体中に存在する大寸粒子であって、流動床の底部領域へと沈下して分離壁部の背後に捕捉され得るという大寸粒子の移送を助力する上で有用である。
【0037】
図2に示されたような装置において、処理されるべき固体生成物は、rと表された所望の一定の体積生成速度にて段階1に対して連続的に送給され得る。段階1において体積Vを有する流動化固体は、平均滞留時間V/rに亙り処理されると共に連続的に流動し、定常状態が達成されたときに速度rにて段階間で順次的に流動して最終段階Nに至り、其処から固体は連続的にその系から放出される。その系を通り進行する固体粒子群は、個々の段階の形状及びサイズに依存する滞留時間を有する。
【0038】
同一の形状及びサイズの複数の段階容器を有する装置であって、良好な粒子混合を行うと共に、一つの段階から次の段階への流速などの当該系の一定の流速を有するという装置に対し、P(tr)と表され得る粒子の滞留時間分布は、理論的に又は実験により決定され得る。
【0039】
適切な実験手順の一例は、一定の送給速度を以て定常状態条件下で系を動作させてから、所定量の粒子材料を追跡粒子として送給流内に導入することである。導入された材料粒子は望ましくは、処理されつつある粒子と同一の物理的特性を有するだけでなく、処理されつつある他の粒子から該材料粒子を区別する監視可能な特徴も有する。この所定量の追跡粒子が、処理されつつある粒子の平均滞留時間Trに対して既知の短い時的間隔tiに亙り導入されるなら、送給されつつある粒子の総数に対する実際の滞留時間分布関数P(Tr)を提供するように、系を離脱する追跡粒子の時間関連測定値であって“インパルス応答関数”と称され得る時間関連測定値が採用され得る。例えば、白色又は明るい色とされた同一材料の供給原料に対し、暗色の追跡体としての粒子の少量バッチが混合され得ると共に、出力における暗色粒子の分布超過時間は比色定量により、出力に対する割合として決定され得る。
【0040】
理論的な決定に関しては、直列に動作される“理想的段階”と称される理想的な複数の混合実施段階に対し、その系の幾何学形状の関連特性が、微分方程式を使用して数学的に記述され得る。これらの微分方程式に対する単一もしくは複数の解は、予測された滞留時間分布関数P(tr)をもたらし得ると共に、その関数は当然ながら、理想的段階の場合に制限されると共に、現実世界のシステム性能を正確に予測できることもあり、できないこともある。
【0041】
図4には幾つかの典型的な粒子滞留時間分布がグラフで示されており、そのグラフは、反応器から放出される粒子数の割合であってP(tr)と表される割合を、反応器における滞留時間trに対してプロットしている。定数Kは、総数が1.0である様に、各曲線の下方における面積に対して縦座標を単位数(unity)へと正規化している。通常、所望の品質を達成するために指定されたパラメータを当該系における滞留時間が満足すべきであるという生成物を処理するときに、分布の性質は重要である。図4は、1個又は2個の段階を有し、すなわちN=1及びN=2であるという処理システムに対する可能的な滞留時間分布を示している。図4に示された如く、滞留時間は所望の滞留時間trへと正規化されている。
【0042】
N=1である単一の混合実施段階の場合に対し、理論的な考察によれば、理想化された完全な混合実施段階は、全ての粒子は所定の時点においてその粒子が何処に配置されるかに関わらずに厳密に同一の放出確率を有する様に、無限大の混合速度を有すると定義され得ることが示唆される。但し実際問題として、この条件は実現され得ない。それでもなお、理想的で完全な混合実施段階を近似するように、段階容器における高度の混合を促進することは好適であり得る。
【0043】
図4を参照してP(tr)の原点を考察すると、その曲線はゼロから始まる、と言うのも、ゼロ時間にて系を離脱する粒子はゼロだからである。現実において、一つの段階容器に進入する一つの粒子が放出点を見出すためには一定の時間が掛かる。故に、段階容器において任意の粒子が放出点に到達するには、図4において“ε”と参照番号が付された有限時間が必要とされる。N=2に対する曲線は、P(tr)関数の広がりを示しており、これは、2段階システムにおける滞留時間分布の分散の程度である。図4を考察すると、モデル化された単一の段階容器においては、指定された滞留時間Trより長いもしくは短い滞留時間の後で、粒子の個数の主要割合が系を退出することが理解され得る。この変動は、粒子間のランダム衝突の役割であって、多くの粒子に対しては上記系を通して比較的に短い経路を取らせる一方で他の粒子に対しては更に長い経路を取らせるという役割に由来し得る。
【0044】
N=2である場合に、2つの処理容器を有する2段階システムの場合、同一の粒子が第1段階を通る最短経路を取ると共に第2段階を通しても最短経路を取る統計的な可能性は、相当に減少される。図4における各曲線を比較することにより、N=2であるという2つの処理容器の場合、処理システムにおいては更に高い生成物品質の可能性を以て、粒子の更に均一な滞留時間分布が達成され得ることが理解され得る。実質的に更に多くの粒子は所望滞留時間1.00に近い滞留時間trを有すると共に、ピーク百分率は、所望値の約0.1の滞留時間から該所望値の約半分まで顕著に移動する。但しその分布曲線は依然として不当に広範であり、多くの粒子が不都合な滞留時間を有し得ることを表している。
【0045】
故に本発明は、多数の段階容器を有する新規な多段式処理システムであって、そのシステムにより処理される粒子状固体の滞留時間に対して好適な分布曲線を更にもたらし得るというシステムを提供し得る。例えば、小さな割合の粒子のみが、そのシステムにおいて不都合に短い又は不都合に長い滞留時間を有することはあり得る。
【0046】
8個もの多くの段階を有する水平な多段式流動床処理システムの公知例が在るが、相当に多数の段階を採用することは、経済的な実施可能性に関する問題などの種々の理由により、提案されていないことは明らかである。
【0047】
例えば、隣接する段階間における前方もしくは後方混合を回避することは好適であるが、一つの段階から次の順次的な段階に至る各移送点にて流動化固体はそれらの段階を分離している壁部における開口もしくは通路を通過せねばならず、これは、段階間混合に対する機会を提供し得る。段階容器間で相当な長さを有する移送用トンネルは、段階間の可能な前方混合もしくは後方混合であって効率を低下させ得るという混合を低減する上で有用であり得る。但し、段階間における不当な移送用トンネル長の経路は不都合であり得る。後方混合及び前方混合を制御する必要があるということは概略的に、各段階を単純な整流板で分離することは実用的でないことを意味する。
【0048】
同様に、段階間の通路の流れ面積は、前方混合及び後方混合の制御を助力するために小さくすることが通常は好適であるが、小さな流路は閉塞に繋がり、滞留時間分布関数P(tr)の拡開に帰着し得る。
【0049】
更に、多段式の順次的な処理システムに対して段階間の各通路は通常は、プロセスの作動停止もしくは減速を回避するために閉塞されないままとされるべきである。もし通路が閉塞するなら、その閉塞を解消すべくトンネルもしくは他の通路に対して好都合にアクセスすることが好適であろう。
【0050】
図3を参照すると、そのシステムを通る流動化固体を移動させる駆動力は、図3においてΔHnと表されたレベル増分であって、任意の段階nと次続的な段階n+1との間における流動化固体のレベル増分であることが理解され得る。流動化固体は液相の様に液圧的に挙動することから、一定の観点において、各段階間においてΔhnとして示されたこの差分レベルにより、流動化固体の流れは接続移送用トンネルを通して段階nから段階n+1へと駆動される。多段式システムにおいては、段階間における各移送用トンネル又は他の接続体に亙る圧力低下は小さくされることが重要である、と言うのも、一連の段階において圧力低下は累積的だからである。
【0051】
例えば、本発明に係る多段式流動床処理システムの実施態様は、各段階を相互に接続する59本の移送用トンネルを以て直列に配置された60個の段階を備え得る。望ましくは各段階が、指定されたプロセス流速に対処すべく同一の圧力低下Δhmを必要とすべきである。この場合、例えばΔhmが0.25インチであるなら、N=1である第1段階の流動床レベルとN=60である最終段階との間の圧力差は、59×0.25インチすなわち14.75インチである。
【0052】
一定の場合、この大きさの流動床レベルの差は処理の観点から不適切であり得る。故に本発明の別実施態様において多段式システムは、該システムを通る生成物の流れの方向において下方に傾斜されることで、流れを維持するために必要とされる圧力差における重力的減少をもたらす勾配を提供する。但し一定の場合、システムを傾斜させることは工学技術もしくは処理の観点から不都合なこともある。
【0053】
故に本発明は、段階間において一本以上の移送用トンネルを採用する多段式流動床処理システムであって、各移送用トンネルに亙る比較的に小さい圧力低下を以て効率的にかつ確実に動作し得るという処理システムの実施態様も提供する。本発明の幾つかの実施態様は、ΔHmに対する1インチの16分の1、すなわち0.0625インチ以下の値を以て動作し得る。
【0054】
多くの場合、段階間における相互混合を制御するために有効な段階分離に対する要件は、圧力低下が小さいトンネルの設計と両立しない。故に本発明は幾つかの実施態様において、段階間の相互混合を効果的に制限し得る一方で圧力低下が小さいという移送用トンネルを提供する。
【0055】
多段式流動床による連続的な処理システムを提供する上で克服されるべき更なる困難性は、多くの多段式処理用途において、固体の流動床の温度を制御することが好適なことである。全ての流動床が同一の温度を有することが望まれることがあり、又は、系内で実施されつつある特定プロセスの要件を満足するためには段階間における特有の温度変化特性が必要とされることもある。かかる温度要件は典型的には、種々のプロセス段階を形成する容器壁部の回りで加熱もしくは冷却を行うことにより満足されている。しかし、容器の回りにおける管材の束もしくは加熱マントルの如き公知の加熱もしくは冷却手段は、比較的に多数の段階を有する多段式システムに対しては、不当に複雑で嵩張り且つ不経済になり得る。
【0056】
故に、これらの問題の一つ以上を解決もしくは緩和するために本発明は、図5乃至図12に図示されたシステムの実施態様の如く商業的用途と関連する気体固体に対する連続的な多段式流動床処理システム及び方法を提供する。そのシステムは、6個以上から数百個にも上るような多数の段階を備え得ると共に、粒子に関して良好な滞留時間の均一性を提供し得る。
【0057】
図5に示された特定のシステム実施態様は60段階の連続的処理システムであり、60個の段階は図7に示された如く送給入力点から放出点まで直列に配置される。
【0058】
図5乃至図10を参照すると、多段式システムの図示実施態様はベースプレート10を有し、そのベースプレートは、多数の段階容器12の各々の収容壁部の下側区画11と、所定数の移送用トンネル18の各々に対する頂壁42及び側壁40とを構成する。移送用トンネル18は、隣接する段階12間に延在すると共に、一つの段階容器12から別の段階容器へと固体を移送するために、順次的な段階容器12を接続する通路を形成する。移送用トンネル18は、所望パターンで各段階容器12を接続するに十分な本数である。単一列の複数の段階容器12に対し、移送用トンネル18の本数は例えば段階容器12の個数より1だけ少ない数であり得る。
【0059】
ベースプレート10は概略的に平坦なプレートから成り得、そのプレートから段階容器類12及び移送用トンネル18が上方に突出する。ベースプレート10は、厚寸の金属プレート、又は、金属もしくは耐火材料の鋳型物から一体的な単体片として作製され得るか、又は、別の適切に頑丈な構造を有し得ると共に、所望であれば、他のシステム要素に対する支持を提供する該システムの構造的な骨格を備え得る。ベースプレート10の一実施態様は、適切な材料の一枚的(monolithic)なプレートもしくは厚板から適切な開口、チャネルもしくは他の形状を切り出す例えば水噴射切断機器などの適切な切断機器を用いて、各段階容器12の下側区画11と、複数の移送用トンネル18とを構成する複合体として製造され得る。
【0060】
幾つかの実施態様において、ベースプレート10は、約25mm〜約250mmの範囲の厚み(約1〜10インチ厚み)を有し得る。所望であればベースプレート10は、これらの寸法よりも厚寸とされ得るか、又は、そのベースプレートは、構造的ユニットを形成すべく相互に固着され且つ所望であれば相互から選択的に分離され得るという複数の区画もしくは構成要素又は複数片で形成され得る。ベースプレート10の幾つかの構成要素は、所望であれば、溶着、リベット留め又は他の適切な手段により相互に対して永続的に固着され得る。ベースプレート10は、これらの特徴の内の任意の適合的な組み合わせを有し得る。
【0061】
例えば図5に示された如く、ベースプレート10は、各段階容器12に対して流動化用加圧気体を提供する気体溜まりチャンバ20の上方にフランジ取付けされ得る。気体溜まりチャンバ20とベースプレート10との間には、流動化用気体を各段階容器12及び各移送用トンネル18に対して配分する流動化用気体分配プレート22が挟持される。
【0062】
気体分配プレート22は段階容器12及び移送用トンネル18の下方で延在し、且つ、該気体分配プレートは、示されたシステム実施態様においては気体噴射ノズル24もしくは羽口とされ得る多数の気体取入口を支持する。流動化用気体は、加圧気体を収容する気体溜まり又はチャンバ20に対して気体分配プレート22を貫通して連通する気体ノズル24を通して、段階容器12及び移送用トンネル18に対して提供される。気体分配プレート22は、全ての段階容器12に対して奉仕する共通の一体的な単体部材として構成され得ると共に、所望であれば、選択的に一枚状とされ得る。代替的に気体分配プレートは、使用するためには一体的な単体部材へと選択的に組立てられ得る所定数の別体的なもしくは分離可能な構成要素で形成され得る。気体分配プレート22は、鋼鉄、アルミニウム合金又は他の適切な材料の連続薄寸体から形成され得るか、又は、相互に結合された2枚以上の薄寸体から形成され得る。
【0063】
本発明の有用な一実施態様において気体分配プレート22は、ベースプレート10に対して着脱自在に取付けられ得る。例えば気体溜まりハウジング31は、気体分配プレート22を通してボルト締めされた周縁フランジ25であって、その気体溜まりハウジング及び気体分配プレート22をベースプレート10に対して取付けることで、気体溜まりハウジング31とベースプレート10との間に気体分配プレート22を挟持するという周縁フランジ25を担持し得る。その場合に気体分配プレート22は、ボルト締めされた上記フランジを開き且つ気体分配プレート22を下降させることによりベースプレート10から分離されることで、移送用トンネル18に対する良好なアクセスを提供し得る。
【0064】
代替的に、例えばヒンジもしくは枢動軸などの他の適切な手段が配備され得ることから、気体分配プレート22は容易に開かれ又は取り外されることで、清浄化及び保守などのために上記システムの内部に対するアクセスを提供し得る。更なる代替的な構成において気体分配プレート22及び気体溜まりチャンバ20は、例えばベースプレート10に対して取付けられた軌道上で、ベースプレート10に対してユニットとして又は別体的に、水平方向に摺動可能である。
【0065】
気体分配プレート22及び気体溜まりチャンバ20を取り外し又は開く機能によれば、閉塞を解消するため、及び、定常的な清浄化及び保守のために且つ他の目的のために、移送用トンネル18と段階容器12の内部とに対する好都合なアクセスが提供される。
【0066】
望ましくは、各気体ノズル24が、多数の段階容器類の下側区画11及び移送用トンネル18の内部のパターンに整合するパターンであって、段階容器類12及び移送用トンネル18内への流動化用気体の送給に資するというパターンで配置される。
【0067】
気体ノズル24のパターン、及び、気体ノズル24に関する他の一切の可変的な特性は、流動化固体が多段式システムの全体に亙り一つの容器段階12から別の容器段階12へと移送用トンネル18を通過するときに、流動化固体を、望ましくは良好な均一性の流動化を以て流動化状態に維持するように選択され得る。同様に望ましくは、気体分配プレート22における気体ノズル24のパターンは、段階容器12及び移送用トンネル18の領域の外側には何らの気体ノズルが存在しない如きである。本発明の一実施態様において、個々の段階容器12間の領域、又は、それらの包囲壁部(以下に記述)の近傍に、気体ノズル24は存在しない。
【0068】
次に図9及び図11を参照すると、此処に示された各気体ノズル24は、ネック26と、耐久性であり選択的に中実であるヘッド28とを備える羽口から成る。ネック26は垂直送給通路27により縦走される共に、ヘッド28は、下方に傾斜されて送給通路27と連通する一本以上の径方向分配通路30により横断される。気体通路30は、中空ネック26と接続されると共に、気体ノズル・ヘッド28の下側面にて開いている。選択的に、気体通路30は2〜6本とされ得ると共に、気体ノズル・ヘッド28の回りに均一に分布され得る。各気体ノズル24は、分配プレート22を貫通延在すると共に、気体溜まりチャンバ20内へと開くことで、気体溜まりチャンバ20から流動化用気体を受容する。気体ノズル24は受容した気体を、該ノズルが配置された夫々の段階容器12もしくは移送用トンネル18の床部上へと、選択的には気体通路30の本数及び配設に従う所定数の方向にて放出する。気体ノズル24のヘッド28は望ましくは、移動する流動化固体粒子による一定の摩耗に対して不適切な破損もしくは摩損なしで耐えるべく頑丈で耐久性のある構成である。
【0069】
所望であれば気体ノズル24に代えて、当業者に公知であるか公知となる他の流動化用気体取入口が採用され得る。例えば流動化用気体取入口は、気体分配プレート22における単純な開口もしくは穿孔から成り得る。望ましくは、気体流が無いときに固体がその開口もしくは穿孔を通り落下するのを阻止するように開口もしくは穿孔を塞ぎもしくは閉塞する一定の手段が配備され得て、例えば、各孔もしくは穿孔に対してボルトが無拘束的に嵌合され得る。
【0070】
本発明の一実施態様において、各気体ノズル24は、例えば、隣接する気体ノズルのヘッド28同士の間における間隔であって、ヘッド28の概略幅以下であるという間隔を以て、相互に対して接近して直交格子状に離間される。気体ノズル24の一つの可能的な配置は、図12に示される。図12においては、各段階容器12は矩形格子状に3×7個の気体ノズル24を有し、段階容器区画の湾曲部分においてその格子の各端部には付加的な小寸の気体ノズル24が配備され、且つ、各移送用トンネル18には更なる小寸の気体ノズル24が配備されることが理解され得る。所望であれば、各移送用トンネルもしくは幾つかの移送用トンネルは、気体分配プレート22の部分であって夫々の移送用トンネル18の床部を提供するという部分により支持された2個以上の気体ノズル24又は他の流動化用気体取入口を備え得る。
【0071】
述べられた如く気体分配プレート22は、段階容器類12並びに移送用トンネル18に対する底壁部もしくは床部を提供し得ると共に、各気体ノズル24は夫々の段階容器12及び移送用トンネル18内へと上方に突出する。本発明に係るシステムの図示される実施態様において、気体分配プレート22は、隣接する段階容器類12間の空間の下方にて、且つ、個々の段階容器と接続された一切の移送用トンネルの下方にて、且つ、隣接する一個以上の段階容器類の下方にて、容器壁部と交差して、一切の個々の段階容器12を越えて延在することが理解され得る。但し所望であれば、気体分配プレート22の他の構成が採用され得る。
【0072】
気体溜まりチャンバ20は、気体溜まりハウジング31により包囲された加圧気体チャンバであって、気体供給導管32から気体が供給されるという加圧気体チャンバから成る。気体溜まりチャンバ20は分配プレート22の実質的に全ての領域の下方に延在することで、各気体ノズル24の送給通路27に対して自由にアクセス可能である。所望であれば、気体溜まりチャンバ20から分離壁部36により起動領域34が分離されることで、始動の間において下流の段階容器類12が固体で満たされる前に、上記システムの最初の方の容器段階類における気体圧力が維持され得る。選択的に起動領域34は、それ自体の気体供給導管38を有し得る。本発明の幾つかの実施態様(不図示)において、気体溜まりチャンバ20は区画化され、各区画は一個以上の段階容器類12又は移送用トンネル18に供給を行う所定数の気体ノズル24に供する。
【0073】
本発明の一実施態様において気体溜まりチャンバ20は、気体の供給及び需要における変動を緩衝するに十分な容量であって、各気体ノズル24に対して一定圧力の気体源を提供するという容量を有する。
【0074】
図10に最適に見られる如く、ベースプレート10は、各段階容器12の下側区画11と、各移送用トンネル18の側部40及び屋根部42とを形成するように切り取られる。示された如く、各段階容器の下側区画11は、ベースプレート10を貫通して一側から他側にかけて延在する垂直の楕円形状開口により画成される。移送用トンネルの側部40及び屋根部42は、下側区画11における矩形断面チャネルであって下方に開いているチャネルにより画成される。当業者であれば明らかである如く、段階容器類12及び移送用トンネル18の種々の形状が可能である。述べられた如く、又は、示唆された如く、段階容器類の下側区画11及び移送用トンネル18は気体分配プレート22により閉じられる。気体分配プレート22により支持された気体ノズル24は、ベースプレート10の夫々の切り取り部分内に収容される。
【0075】
移送用トンネル18は、後方混合及び前方混合の効果的な制御のために必要であるよりも望ましくは多少なりとも長寸であり、且つ、望ましくは少なくとも一個の気体ノズル24を完全に収容するに十分なほど長寸でもある。移送用トンネル18は、任意の適切な高さを有し得る。望ましくは、各移送用トンネル18は、処理されつつある粒子状固体が、夫々の移送用トンネル18内に配置された単一もしくは複数のノズル24の上方を流れるために十分な高さを有する。一本以上の移送用トンネル18、又は、全ての移送用トンネル18の高さ及び/又は他の寸法は、夫々の移送用トンネル18内に配置された気体ノズルもしくは取入口24を通ることが許容された流動化用気体がその移送用トンネルの屋根部42に衝当し且つ側方に偏向されることで、移送用トンネル18を通る固体の流れを促進する如きであることも有用であり得る。多段式システムの所定の実施態様において、所望であれば全ての移送用トンネル18は同様の寸法を有し得る。
【0076】
代替的に、各移送用トンネル12の寸法は、所定の多段式システムの実施態様において多様とされ得る。斯かる多段式システムの一実施態様において、例えば揮発性物質の喪失もしくは収縮、又はその両方の結果として、流動化固体がシステムを通り進行するにつれてその流動化固体が更に相当に稠密となるプロセスに対して有用なのは、幾つかの下流の移送用トンネル12が小さな断面積を以て作製されることで、多段式システムを通る流動化固体の一定の流速を維持することである。一定のプロセスに関し、選択された移送用トンネル12に対しては、取外し可能なインサートなどが挿入されることでトンネルの断面積が減少され得て、所望であれば、他のトンネルからは取り外され得る。
【0077】
各段階容器12は更に筒状上側区画44を備え、区画はその基部にてベースプレート10の夫々の下側区画11に対して合致係合すると共に、所望であればそれに対して溶着もしくは別様に固着されることで、段階容器類12の多段式配列を完成する。上側区画44及び下側区画11は協働して、示された各段階容器のサイズ及び形状を定める。示された如く段階容器類12は全て、同一のサイズ及び形状を有する。但し所望であれば、各段階容器12は、異なるサイズもしくは異なる形状、又は、異なるサイズ及び異なる形状の両方を有し得る。図10を参照すると、各段階容器12はその高さの全体に亙り均一な断面を有することで、円滑に丸み付けされた端部を備えた長寸の楕円の形態を取る。流動化固体の流れの方向において内側に円滑に輪郭形成された端部を備えたこの長寸形状は、多段式システムの効率的な動作に有用であると確信される。
【0078】
概略的に、移動する粒子状固体に対して晒される多段式システムの内側表面は、粒子状固体の流れを阻害しない円滑な輪郭形状を有することが好適である。同様に、移動する粒子状固体により不当に侵食もしくは摩耗されない耐久性材料であって、適切であれば、高い処理温度に耐え得るという材料を採用することが一般的に好適である。本発明の幾つかの実施態様に対しては、ステンレス鋼が採用され得ると共に、アルミニウム又は他の合金も有用であり得る。
【0079】
図7に示された如く、各図に示された多段式システムの好適な実施態様は、段階容器類12の3本の水平な平行列の配列から成り、各列は20個の段階容器から成る。60個の段階容器類12は移送用トンネル18により相互に接続されることで、各段階容器12を通り直列に固体送給ポート46から固体放出ポート48まで流動化固体を流す波状経路を提供する。図7においては、好適な参照のために各段階容器12は、それらが接続される流れの順序に従い1から60まで順次的に付番される。
【0080】
同様に図7に示された如く、移送用トンネル18は段階容器類12に対して端部整列して又は側方に接続され得る。図7に示された以外の構成において、1本の移送用トンネル18は、一つの段階容器12に対しては端部的に整列され且つ次の段階容器12に対して側方に接続され得る。当業者であれば、この例及び本開示に鑑み、段階容器類の他の配置及び個数は明らかであり又は明らかとなろう。例えば、各移送用トンネル18による段階容器類12の異なる相互接続によれば、2本の小寸の流路が単一の大寸の流路に合流するというY構成を有し得る。
【0081】
各段階容器12の配列の回りには、その段階容器12の上側区画44を包囲かつ収容する外側収容壁部50が延在する。多段式システムに対する取付けを促進するために、収容壁部50はその頂部周縁部及び底部周縁部の回りにフランジ52及び54を担持し得るか、又は、他の適切な取付手段を備え得る。底部フランジ54は、ボルトなどによりベースプレート10に対して接続され得る。
【0082】
収容壁部50の高さは実用的には、収容壁部50の頂部上に配置されたシールプレート56が、所望であれば一個以上のガスケットを採用して、各段階容器12並びに収容壁部50に当接してシールし得る様に、段階容器類12の上側区画44の高さと等しく選択され得る。シールプレート56は、収容壁部50と、各段階容器12の上側区画44と、ベースプレート10と共に、全てのもしくは所望の個数の段階容器類12に共通の温度制御用流体包囲体58を画成する。温度制御用流体包囲体58は、段階容器類12の回りに加熱もしくは冷却用の気体もしくは液体を循環させて段階容器類12の温度を制御するように採用され得る。例えば空気などの温度制御流体は取入口及び吐出口(不図示)を介して温度制御用流体包囲体58に対して進入され且つそれから放出され得、その吐出口は、加熱気体の取入口−吐出口に対しては“低位に対して高位に”位置され、且つ/又は、冷却気体の取入口−吐出口に対しては“高位に対して低位に”位置される。温度制御用流体包囲体58は、所望であれば、一つのサブ領域から他のサブ領域にかけて異なる温度を有すべく制御可能な複数のサブ領域へと分割され得る。
【0083】
示された多段式連続処理流動床システムは、収容容器50の頂部フランジ52に対してボルト締めもしくは別様に固着され得る周縁フランジ64により加熱チャンバ・シールプレート56の頂部に取付けられた余裕高チャンバ60を備えて成る。所望であれば、上記システムに対しては余裕高チャンバ60を固着する他の手段が採用され得る。余裕高チャンバ60は、各段階容器12により生成されたオフガスを収集し得る頂部蓋体であって、該オフガスを一個以上の気体放出ポート62を介して放出し得るという頂部蓋体を提供する。
【0084】
本発明の一実施態様は、処理されつつある粒子の滞留時間の所望程度の均一性を達成するに必要なだけの個数の段階を有する連続的な多段式流動床処理システムを備えて成る。
【0085】
図示された流動化固体を処理する多段式システムを作動させる一つの方法においては、そのシステム内へと固体を送給するに先立ち、気体溜まりチャンバ20及び起動領域34に対して加圧空気が供給されることで、気体ノズル24を通る流動化用空気流が確立される。同様に、特定の処理温度もしくは温度変化特性が維持されるべきであれば、温度制御用気体包囲体58に対しては加熱もしくは冷却気体が進入されると共に、必要であれば、システムの温度調整のための時間が許容される。次に、例えば酸化アルミニウム粗粒粉末などの粒子状固体の供給原料が、システム及び供給原料の特性に関する所定の一定の体積速度にて、固体送給ポート46を介し且つ第1の段階容器12内へと、システムに対して送給される。
【0086】
粒子状固体は第1段階容器12の床部に向けて落下し、そこで粒子状固体は、その段階容器の床部を構成する気体分配プレート22の部分における気体ノズル24からの上向きの空気流に遭遇する。この上向きの空気流は、下降する粒子状固体を流動化する。第1段階容器12内へと更なる粒子状固体が流入するにつれ、上方へと積み上がる流動化固体床により付与される下向き圧力により、その固体は第1の移送用トンネル12内へと移動される。第1移送用トンネル18において流動化固体は、移送用トンネル18における単一もしくは複数の気体ノズル24からの空気流であって流動化を維持すると共にトンネルの詰まりを阻止するという空気流に遭遇する。第1段階容器12における流動化固体床の流体静力学的な圧力によれば、流動化固体は第1移送用トンネル18内へと移動されて移送用トンネル18における単一もしくは複数の気体ノズル24からの空気流を次の段階容器12へと導向することで、移送用トンネル18を通り次の段階容器12内への流動化粒子状固体の移動が促進される。移送用トンネル18における単一もしくは複数の気体ノズル24はまた、移送用トンネル18を通る粒子状固体の移行の間において、粒子状固体の流動化を維持する。
【0087】
第2の段階容器12に進入する粒子状固体は即座に、第2段階容器12における気体ノズル24から出射する流動化用空気の上向き流であって、第2段階容器12内へと出現する粒子状固体の流動化を維持するという上向き流に遭遇する。第1移送用トンネル18を通る粒子状固体の連続流によれば第2段階容器12内には流動化固体床が積み上がることで、粒子状固体の流れを第2の移送用トンネル18内へ且つ移送用トンネルを通して第3の段階容器12へと移動させる流体静力学的な圧力頭が提供される。そのプロセスは、最終の段階容器12に至ることで粒子状固体の流れが最終段階容器12に到達して固体放出ポート48から出射するまで、多段式システムにおける全ての段階容器類12を通り反復される。
【0088】
始動後、図6に示された如き定常状態が達成され得、その場合、各段階容器12における流動化固体床66の高さは、粒子状固体の流れにより移動される段階容器12の列に沿い減少する経過を示している。一つの段階容器12と次の段階容器との間における高さの差は、接続している移送用トンネル18を通して粒子状固体を移動させるために必要とされる圧力を表している。
【0089】
通常の場合、各移送用トンネル18における単一もしくは複数の気体ノズル24の流動化作用は、そのシステムを通る粒子状固体の整然とした流れを中断し得るトンネル内の閉塞を阻止するために有効である。それでもなお、トンネルの閉塞が生じた場合にそのプロセスは停止され得ると共に、フランジ25をボルト締め解除し、且つ、気体溜まりハウジング31及び気体分配プレート22をベースプレート10から離間させて下降させることで、単一もしくは複数の閉塞を解消すべく移送用トンネル18に対する良好なアクセスを提供することにより、閉塞は解消され得る。また、定常的なもしくは緊急の保守又は他の目的のために必要とされるなら、各段階容器12の内部に対するアクセスが同時に提供される。
【0090】
多数の段階容器類を備えたシステムを実現可能とする上では、効率的なトンネル設計態様が有用であり得る。例えば、60段階システムには、確実に作動すべき59本のトンネルが在る。いずれかの単一のトンネルが不調になると処理ラインが作動停止されることがあり、このことは高容量の処理設備に対しては非常に不経済となり得る。
【0091】
以下の非限定的な例は、図5乃至図12に示された如き多段式システムにて実施され得る粒子状固体処理方法の実施態様を記述している。
【実施例】
【0092】
実施例1:酸化アルミニウムの乾燥
例えば水分などの揮発性物質を減少するために酸化アルミニウムを乾燥させるプロセスに対する処理仕様は、120ミクロンの平均粒子サイズを有する白色酸化アルミニウム生成物の粒子が250℃の温度まで加熱され、且つ、その温度に1時間保持されることを必要とする。更に詳細には、品質制御仕様は、酸化アルミニウムは250℃の温度に、少なくとも40分かつ80分以下だけ加熱されることを必要とする。
【0093】
このプロセスは60段階システムにて実施され、その場合に各段階容器12は、約102mm×約305mm(約4インチ×12インチ)の断面サイズ、及び、約1,143mm(約45インチ)の高さを有する。各段階容器を相互に接続する59本の移送用トンネル18は各々、約38mm(約1.5インチ)の幅及び約44mm(約1.75インチ)の高さの矩形状の断面形状を有すると共に、約25mm(約1.0インチ)の長さを有する。各移送用トンネル18は2個の流動化用気体ノズル24を収容することで、そのトンネルにおける良好な流動化を提供すると共に、指定された生産流速における圧力低下を少なくする。
【0094】
その多段式システム内への生成物の送給に先立ち、温度制御用気体包囲体58内へ加熱空気が進入せしめられ、且つ、そのシステムは各段階容器12の全体に亙り250℃の温度を確立することが許容される。次に、白色の粒子状の酸化アルミニウム生成物は、1,716kg/時間(3,780ポンド/時間)に制御されるべき体積流量にて上記60段階システムの第1段階へと送給される。
【0095】
定常状態において上記システムは、段階容器番号1における送給点での約744mm(約29.3インチ)の流動床レベル、及び、段階容器番号60における放出点での約521mm(約20.5インチ)のレベルを有する。図7に示された如く、一つの段階容器12から次の段階容器に対して流動床の高さには漸進的な低下が在る。第1及び最終の段階容器間における床高の差、すなわち約224mm(約8.8インチ)の流動化固体は、60個の段階容器12を接続する59本の移送用トンネル18に掛けて全体的な圧力低下が生ずることを表していると理解され得る。移送用トンネルの本数により圧力低下を除算すると、1本の移送用トンネル当たりで、約3.8mm(約0.15インチ)の数値の流動床に等しい圧力低下がもたらされる。これは、例えば各移送用トンネル18内への流動化用気体の噴射、及び可能的には、各段階容器12の断面形状などの本発明の特定構造に由来し得る驚異的に低い数値である。移送用トンネルの気体取入口24が無く、移送用トンネル18が移送用トンネル気体取入口24の代わりに移送用トンネルの丈の全体に亙り平滑な床部を有するなら、圧力低下は相当に大きいと予測される。
【0096】
記述された各寸法は、流動床レベルの頂部と段階容器12の頂部との間における余裕高さであって、段階容器番号1における約406mm(約16インチ)から段階容器番号60における約622mm(約24.5インチ)まで増加するという余裕高さを提供する。
【0097】
各段階における平均の流動床容積は、約1,980cm3(約0.70立方フィート)である。
【0098】
各ユニットを通過して流れる酸化アルミニウム粒子総数の平均滞留時間は、1時間である。記述された多段式システムにおいて、毎分約3.35メートル(約11.0フィート)の空気流動化速度にて流動化された酸化アルミニウムの嵩密度は、約1,442kg/m3(約90ポンド/立方フィート)である。
【0099】
上記ユニットを3,780ポンド/時間の一定の送給速度にて且つ定常状態条件で動作させて、処理される酸化アルミニウム粒子の滞留時間分布を決定するために、白色の酸化アルミニウムの送給を継続し、且つその混合物に対する3,780ポンド/時間の一定の送給速度は維持されながら、白色粒子と同一のサイズ、形状及び重量である褐色の酸化アルミニウムの粒子の16kg(35ポンド)のバッチが急速に段階容器番号1に送給される。放出流における褐色粒子出力の割合であって比色的に決定され得るという割合によれば、採用された処理条件下で上記ユニットに対して送給される粒子の個数の滞留時間分布が与えられる。
【0100】
この方法により求められ得る幾つかの結果は図13に示され、その場合、図4におけるのと同様に、実際の滞留時間は平均滞留時間の割合として横座標上にプロットされ、且つ、縦座標は、各曲線の下方の面積に対し、総数の滞留時間が1.0である様に単位数へと正規化される。故に、図13に示されたグラフの横座標は、1時間の平均滞留時間に対し、粒子数が遭遇する割合である。このグラフの縦座標は、曲線の下方の面積を単位数とし、すなわち総数とするスケール係数である。滞留時間の2つの値の間における曲線の下方の面積は、その2つの値の間の滞留時間を有する総数の割合である。
【0101】
図13に示された2つのグラフは夫々、60段階システム及び85段階システムに対して理想化された数学的モデルからの出力を表している。驚くべきことに、上述の試験において出力された褐色粒子の割合を分析したところ、これらの2つのグラフの間に全てが収まるというデータ点が獲得され得て、実際の60段階ユニットが理論的考察から期待されるよりも僅かに高い効率を有することが示唆された。本発明は何らかの特定の理論により制限はされないが、この有用な発見は、個々の段階容器12の特に楕円形の幾何学形状と、移送用トンネル18内へと流動化用気体を噴射する気体ノズル24の使用とに由来し得る。
【0102】
所望であれば滞留時間の均一性は、図14から理解され得る如く相当に多数の段階を有する多段式システムを採用することにより増進され得る。
【0103】
図4及び図13におけるのと同様に図14においては、実際の滞留時間は平均滞留時間の割合として横座標上にプロットされると共に、縦座標は、各曲線の下方の面積に対し、総数の滞留時間が1.0である様に単位数へと正規化される。図14は、段階容器の個数Nが10段階、20段階、60段階及び120段階であるという場合に対してモデル化により決定された滞留時間のグラフを示している。この図からは、120段階の場合には総粒子数の80%超(81.6%)が平均滞留時間の±20%の間であることが理解され得る。当業者であれば、他の個数の段階に対して比較可能なグラフを作成し得ることから、特定の工業的、商業的又は研究的な用途に対し、適切な個数の段階を有する本発明の多段式システムの実施態様が選択され得る。
【0104】
例えば、多段式システムが、少なくとも約15個の段階容器、約40個の段階容器〜約500個の段階容器、約100個の段階容器〜約200個の段階容器、約50個の段階容器〜約70個の段階容器、又は、約80個の段階容器〜約200個の段階容器を有し得ると共に、本発明の方法は斯かる個数の容器を有するシステムにおいて実施され得る。
【0105】
本開示から理解され得るように、本発明の種々の実施態様は、以下の段落に記述される一つ以上の特徴又は利点を有し得るか提供し得る。
【0106】
段階容器類12の下側区画及び移送用トンネル18をベースプレート10の如き堅牢で一体的なベースプレートから作製することは経済的であり得ると共に、多段式システムの個々の段階を相互に対して正確に位置決めし且つ各移送用トンネルを段階容器類12に関して正確に位置決めすることが促進され得る。ベースプレート10を一体的もしくは一枚状のユニットとして作製すると、処理システムの有用な寿命の間において各段階容器12及び各移送用トンネル18の適切な空間的関係が確実に維持されることが助力される。これらの対策は全て、本発明に係る高容量の及びその他の実施態様の有効性に寄与し得る。
【0107】
各段階容器並びに各移送用トンネルに奉仕する適切なパターンにて“羽口”と称される流動化用噴射ノズル24と共に気体分配プレート22を使用すると、そのシステムを通る粒子状固体の一貫した通過を促進する良好な固体流動化特性が付与され得る。
【0108】
トンネルの放出部における気体圧力はトンネル入口における気体圧力よりも低くなり得ることから、移送用トンネル18における流動化用気体はその移送用トンネルの屋根部に衝当して、そのトンネルを通る生成物の流れの方向を転回することで、移送用トンネルの確実な作用を促進すると共に、固体粒子によるトンネルの可能的な詰まり又は他の閉塞を低減し得る。驚くべきことに本発明の幾つかの実施態様においては、トンネルの閉塞もしくは遮断を引き起こさずに、一個以上の気体ノズル24が各トンネルを通る固体流路内へと突出し得ると言うのも、この閉塞もしくは遮断が移送用トンネル18における一個以上の気体ノズル24からの流動化用気体により阻止され得るからである。
【0109】
気体分配プレート22をベースプレート・フランジ25からボルト締め解除することにより気体分配プレート22をシステムから分離し又はプレートを開く機能によれば、清浄化及び保守のために全ての移送用トンネル18に対する好都合なアクセスが提供される。同様にベースプレート10は、各段階容器12を相互から十分に離間して各段階容器の回りにおける加熱もしくは冷却媒体の循環を許容する幾何学形状を採用し、各段階容器12に対する良好な熱伝達条件を提供し且つ各段階容器における処理温度の制御を促進することで、第1段階から最終段階までの段階容器類12の所望の温度変化特性の維持を可能とし得る。
【0110】
本発明の幾つかの実施態様は、粒子状固体を処理するために技術的及び経済的に実現可能な多段式方法であって、粒子状固体と気相との間の相互作用を利用するプロセスに対し、例えば20個、60個、120個又は数百個の段階などの多数の段階と共に利用され得るという方法を提供する。斯かる発明のある実施態様は一定の場合において、多段式反応器における粒子群の滞留時間に関する良好な均一性と、高品質の出力とを提供し得る。
【0111】
本発明は、他の利点をも提供し得る。例えば、本発明のプロセス及びシステムの有用な実施態様は、移送の間における圧力低下を少なくしながら、一つの段階容器から次の段階容器へと確実に流動化固体を移送し得る。本発明の更なる実施態様は、各段階容器を連続的な処理システムへと相互に接続する複数の移送用トンネルに対する好都合なアクセスを提供することで、一本以上の移送用トンネルが効率的に動作しない場合に即時の清浄化もしくは保守、又はその両方を許容し得る。
【0112】
これに加えて本発明は、各段階容器がシステム包囲体内に取付けられることで、共通の領域又は区域内に循環する気体により各段階容器の好都合に制御された加熱もしくは冷却が許容されるという実施態様を提供する。そして更に、本発明の実施態様は、多段式流動化固体連続理システムにおける多数の段階の各々に対して採用されるならば、各段階容器及び移送用トンネル、分配プレート、及び、気体溜まりチャンバを清浄化、洗浄、排出及び保守するために、好都合なアクセスを獲得する方法及びメカニズムを提供する。
【0113】
本発明に係る多段式システムの実施態様は、気体により流動化され得る粒子状形態の多様な固体材料を処理するために採用され得る。例えば多段式システムの実施態様は、滞留時間の良好な均一性を有する時間−温度処理履歴を必要とする繊細な材料の連続的な乾燥もしくは加熱、又は、加熱及び乾燥の両方の処理ために採用され得る。
【0114】
品質規格を満足するために従来は反復的なバッチ処理を必要としていた幾つかの製品は、本発明の多段式流動床システムの実施態様を採用することで連続式に処理され得る。
【0115】
本発明の幾つかの有用な実施態様は、少ない熱損失及び良好なエネルギ効率、高い製品スループット、及び、滞留時間の良好な均一性を提供し得る。本明細書に記述された新規な移送用トンネルの設計態様は、滞留時間の均一性に悪影響し得る粒子のバイパス及び遅滞を低減もしくは排除すべく採用され得る。
【0116】
本発明は、10個〜200個の容器段階類又は他の所望の個数の段階を備える多段式システムによる流動床処理の実施態様であって、取外し可能な気体分配プレートもしくは他の匹敵する対策を採用することにより、生成物の切換えのため又は定常的な保守のためにそのシステムを清浄化すべく良好なアクセスを提供し得るという実施態様を包含する。
【0117】
各段階容器12の水平配設列を備える多段式システムによる流動床処理の記述された実施態様に加え、各段階容器は粒子状固体の流れの方向に傾斜された底部を有するか、又は、一つの容器が他の容器に関して垂直に変位され得ることで、そのシステムを通る重力的な流れを促進し得ることが理解される。
【0118】
上述の詳細な説明は先行する背景及び発明の要約の説明に鑑み且つそれらと組み合わせて読まれるべきであり、当業者であれば明らかな如く、其処においては、本発明を実施する最良形態に関する、又は、本発明の改変例、代替例もしくは有用な実施態様に関する部分的もしくは完全な情報が示され又は示唆され得る。本明細書における本発明の説明において使用された用語の意味と、参照により別の文献から援用された内容における用法との間に不一致があるならば、本明細書において使用された意味が優先することが意図される。
【0119】
上記記述の全体に亙り、各プロセスは特定のプロセス工程を有し、含み又は備えると記述されたが、本発明に係る各プロセスは、記述されたプロセス工程から本質的に成り、又はそのプロセス工程から成ることも可能である。本発明が作用可能な限りにおいて、各工程の順序、又は、一定の動作を実施するための順序は重要でないことを理解すべきである。更に、2つ以上の工程又は動作が同時に行われても良い。
【0120】
上記においては本発明の代表的な実施態様が記述されたが、当業者であれば、多くの種々の改変は明らかであり、又は、当業界が発展したときに上述の記述に鑑みて明らかとなり得ることは当然ながら理解される。かかる改変は、本明細書中に開示された単一もしくは複数の発明の精神及び有効範囲内であることが企図されると共に、限定的なものとしてではなく、以下の実施態様を包含する。
【0121】
1.(a)段階容器類の列における第1段階容器に対して粒子状固体を送給する工程と、
(b)上記段階容器類の各々の内へと流動化用気体を進入させて該段階容器類内の粒子状固体を流動化する工程と、
(c)隣接する段階容器類同士を相互に接続する移送用トンネルを介し、上記第1段階容器から他の段階容器へと流動化固体を搬送する工程と、
(d)各移送用トンネル内に配置された少なくとも一個の流動化用気体取入口を介して該移送用トンネル内へと流動化用気体を進入させることにより、一つの段階から隣接する段階へと上記移送用トンネルを通る流動化固体の流れを促進する工程と、
(e)上記段階容器類の列における最終段階容器から粒子状固体を放出する工程を備えて成る、
粒子状固体の連続的多段式処理のための方法。
【0122】
2.前記流動化固体を所定個数の段階容器類を通して搬送する工程であって、
上記個数は、少なくとも15個の段階容器類、約40個の段階容器類〜約500個の段階容器類、約100個の段階容器類〜約200個の段階容器類、約50個の段階容器類〜約70個の段階容器類、又は、約80個の段階容器類〜約150個の段階容器類から成る群から選択される範囲内であり、
流動化固体は同様に、隣接する段階容器類同士を接続する前記移送用トンネルを介して搬送されるという工程を備えて成る、
実施態様1記載の方法。
【0123】
3.各段階容器の回りに加熱もしくは冷却媒体を循環させて該段階容器類内の流動化固体を加熱もしくは冷却する工程を備えて成る、実施態様2記載の方法。
4.前記流動化用気体は、各移送用トンネル内の流動化用気体取入口の箇所と対向する移送用トンネル壁部に衝当するように、該移送用トンネルを通る流動化固体の搬送の方向と交差する方向において該移送用トンネルに対して進入される、実施態様2記載の方法。
5.流動化用気体を共通の気体溜まりチャンバから各気体取入口に対して供給する工程を備えて成る、実施態様2記載の方法。
【0124】
6.前記段階容器類を介する搬送の間に前記流動化用気体を前記流動化粒子状固体と相互に作用させる工程を備えて成る、実施態様2記載の方法。
7.前記流動化用気体及び前記固体は相互に化学的に反応性であり、当該方法は、前記段階容器類を通る搬送の間に上記流動化用気体を上記流動化粒子状固体と反応させる工程を備えて成る、実施態様2記載の方法。
【0125】
8.(a)少なくとも15個の段階容器類の列における第1段階容器に対して粒子状固体を供給する工程と、
(b)上記段階容器類の各々の内へと流動化用気体を進入させ、各段階容器類内に存在する粒子状固体を流動化させる工程と、
(c)上記段階容器類同士を相互に接続する移送用トンネルを介し、上記列における上記第1段階容器から他の段階容器へと流動化固体を搬送する工程と、
(d)上記段階容器類の列における最終段階容器から粒子状固体を放出する工程を備えて成る、
粒子状固体の連続的多段式処理のための方法。
【0126】
9.前記流動化固体は、約40個の段階容器類〜約500個の段階容器類、約100個の段階容器類〜約200個の段階容器類、約50個の段階容器類〜約70個の段階容器類、又は、約80個の段階容器類〜約150個の段階容器類から成る群から選択される範囲内の個数の段階容器類を通して搬送される、実施態様8記載の方法。
【0127】
10.(a)並置して配置された少なくとも2個の段階容器であって、各段階容器が、
(i)上記流動化固体を収容する収容壁部、
(ii)上記流動化固体に対する固体取入口、
(iii)上記流動化固体に対する固体吐出口、
(iv)流動化用気体に対する少なくとも一個の気体取入口、及び、
(v)上記流動化用気体に対する気体吐出口、
を備えて成るという少なくとも2個の段階容器と、
(b)隣接する2個の段階容器間を接続することで、隣接する該2個の段階容器間における流動化固体の搬送を許容するという少なくとも一本の移送用トンネルと、
(c)上記少なくとも2個の段階容器の底部に亙り延在して、該底部を形成する共通の一体的な気体分配プレートであって、流動化用気体供給源と連通可能であり且つ上記少なくとも2個の段階容器の上記流動化用気体取入口を構成するという気体分配プレートとを備えて成る、
流動化粒子状固体の連続的処理のための多段式システム。
【0128】
11.当該システムは、並置して配置された少なくとも10個の段階容器類を備え、且つ前記気体分配プレートは、上記段階容器類の大多数の底部に亙り延在して該底部を形成すると共に、上記段階容器類の該大多数の上記気体取入口を構成する、実施態様10記載の多段式システム。
12.前記少なくとも一本の移送用トンネルは、流動化用気体に対する少なくとも一個の移送用トンネル気体取入口を備え、且つ、任意に、前記気体分配プレートは、上記移送用トンネルの底部を形成すると共に、上記少なくとも一個の移送用トンネル気体取入口を構成する、実施態様10記載の多段式システム。
【0129】
13.当該システムは、並置して配置された少なくとも20個の段階容器類を備え、且つ、前記気体分配プレートは、全ての上記段階容器類の底部に亙り延在して該底部を形成すると共に、全ての上記段階容器類に対して前記気体取入口を支持する、実施態様12記載の多段式システム。
14.前記各段階容器は平行な複数の列の配列で配置され、前記各移送用トンネルは、上記段階容器類の配列を通る前記流動化固体に対する波状の流路を提供するように配設され、且つ、上記移送用トンネルの本数は、上記段階容器の個数より1だけ少ない、実施態様13記載の多段式システム。
【0130】
15.並置して配置された少なくとも50個の段階容器類を備え、前記少なくとも一本の移送用トンネルは、各移送用トンネル内へと直接的に流動化用気体を進入させる少なくとも一個の移送用トンネル気体取入口を備え、前記気体分配プレートは、全ての上記段階容器類及び移送用トンネルの底部を形成し、且つ、全ての上記段階容器類及び移送用トンネルに対する気体取入口を構成し、該気体分配プレートは選択的に一枚状である、実施態様10記載の多段式システム。
16.当該システムは単体的なベースプレートを備え、該ベースプレートは、各段階容器の収容壁部の下側部分を構成すると共に、前記少なくとも一本の移送用トンネルに対する頂壁及び側壁を構成する、実施態様13記載の多段式システム。
【0131】
17.前記気体分配プレートは、前記単体的なベースプレートの下方に延在すると共に、前記段階容器類及び前記移送用トンネルの前記底部を閉じ、該気体分配プレートは選択的に、上記単体的なベースプレートに対して着脱自在に取付け可能である、実施態様16記載の多段式システム。
18.各段階容器の回りに延在する体積空間であって、夫々の段階容器内の流動化固体の温度を制御するために温度制御流体を受容するという体積空間を備えて成る、実施態様13記載の多段式システム。
19.前記各段階容器の回りの夫々の前記体積空間を包囲する温度制御用流体包囲体を備えて成る、実施態様18記載の多段式システム。
【0132】
20.前記共通の温度制御用流体包囲体は、一つのサブ領域から他のサブ領域にかけて異なる温度を有すべく制御可能な複数のサブ領域へと分割される、実施態様19記載の多段式システム。
21.前記気体供給源は、前記少なくとも2個の段階容器及び前記少なくとも一本の移送用トンネルの下方に延在して前記気体取入口に対して流動化用気体を供給する気体溜まりチャンバを備え、各容器の気体取入口及び移送用トンネルの気体取入口は上記気体溜まりと連通して該気体溜まりから流動化用気体を受容し得る、実施態様10記載の多段式システム。
22.各段階容器の上方に延在するオフガス収集器であって、各段階容器の流動化用気体吐出口から消費済み気体を受容して当該多段式システムから放出するというオフガス収集器を備えて成る、実施態様13記載の多段式システム。
【0133】
23.(a)並置して配置された少なくとも2個の段階容器であって、各段階容器が、
(i)上記流動化固体を収容する収容壁部、
(ii)上記流動化固体に対する固体取入口、
(iii)上記流動化固体に対する固体吐出口、
(iv)流動化用気体に対する少なくとも一個の気体取入口、及び、
(v)上記流動化用気体に対する気体吐出口、
を備えて成るという少なくとも2個の段階容器と、
(b)隣接する2個の段階容器間を接続することで、隣接する該2個の段階容器間における流動化固体の搬送を許容するという少なくとも一本の移送用トンネルと、
(c)各段階容器の収容壁部の下側部分と、上記少なくとも一本の移送用トンネルに対する頂壁及び側壁とを構成する一体的なベースプレートとを備えて成る、
流動化粒子状固体の連続的処理のための多段式システム。
24.前記少なくとも一本の移送用トンネルは、流動化用気体のための少なくとも一個の気体取入口を備えて成る、実施態様23記載の多段式システム。
【0134】
各請求項において使用された如く、“備えて成る”又は“備えている”という表現は、その要素の包含を意味することが意図されるが、他の要素を排除するものでなく、非制限的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)段階容器類の列における第1段階容器に対して粒子状固体を送給する工程と、
(b)上記段階容器類の各々の内へと流動化用気体を進入させて該段階容器類内の粒子状固体を流動化する工程と、
(c)隣接する段階容器類同士を相互に接続する移送用トンネルを介し、上記第1段階容器から他の段階容器へと流動化固体を搬送する工程と、
(d)各移送用トンネル内に配置された少なくとも一個の流動化用気体取入口を介して該移送用トンネル内へと流動化用気体を進入させることにより、一つの段階から隣接する段階へと上記移送用トンネルを通る流動化固体の流れを促進する工程と、
(e)上記段階容器類の列における最終段階容器から粒子状固体を放出する工程を備えて成る、
粒子状固体の連続的多段式処理のための方法。
【請求項2】
(a)少なくとも15個の段階容器類の列における第1段階容器に対して粒子状固体を供給する工程と、
(b)上記段階容器類の各々の内へと流動化用気体を進入させ、各段階容器類内に存在する粒子状固体を流動化させる工程と、
(c)上記段階容器類同士を相互に接続する移送用トンネルを介し、上記列における上記第1段階容器から他の段階容器へと流動化固体を搬送する工程と、
(d)上記段階容器類の列における最終段階容器から粒子状固体を放出する工程を備えて成る、
粒子状固体の連続的多段式処理のための方法。
【請求項3】
(a)並置して配置された少なくとも2個の段階容器であって、各段階容器が、
(i)上記流動化固体を収容する収容壁部、
(ii)上記流動化固体に対する固体取入口、
(iii)上記流動化固体に対する固体吐出口、
(iv)流動化用気体に対する少なくとも一個の気体取入口、及び、
(v)上記流動化用気体に対する気体吐出口、
を備えて成る、少なくとも2個の段階容器と、
(b)隣接する2個の段階容器間を接続することで、隣接する該2個の段階容器間における流動化固体の搬送を許容する、少なくとも一本の移送用トンネルと、
(c)上記少なくとも2個の段階容器の底部に亙り延在して、該底部を形成する共通の一体的な気体分配プレートであって、流動化用気体供給源と連通可能であり且つ上記少なくとも2個の段階容器の上記流動化用気体取入口を構成する、気体分配プレートとを備えて成る、
流動化粒子状固体の連続的処理のための多段式システム。
【請求項4】
(a)並置して配置された少なくとも2個の段階容器であって、各段階容器が、
(i)上記流動化固体を収容する収容壁部、
(ii)上記流動化固体に対する固体取入口、
(iii)上記流動化固体に対する固体吐出口、
(iv)流動化用気体に対する少なくとも一個の気体取入口、及び、
(v)上記流動化用気体に対する気体吐出口、
を備えて成る、少なくとも2個の段階容器と、
(b)隣接する2個の段階容器間を接続することで、隣接する該2個の段階容器間における流動化固体の搬送を許容する、少なくとも一本の移送用トンネルと、
(c)各段階容器の収容壁部の下側部分と、上記少なくとも一本の移送用トンネルに対する頂壁及び側壁とを構成する、一体的なベースプレートとを備えて成る、
流動化粒子状固体の連続的処理のための多段式システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−148747(P2009−148747A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−292083(P2008−292083)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(308036790)ブルノプ トゥヴェーデ ベスローテン フェンノートシャップ (21)
【Fターム(参考)】