説明

流量計測装置

【課題】器具の特徴を抽出する構成とすることにより、演算の簡素化を図り、演算に必要なメモリ量を減らすとともに、手動操作や着火状態によるばらつきを吸収し、器具判別精度の向上を図る流量計測装置を提供すること。
【解決手段】超音波流量計104により一定時間間隔で計測した流量の差分値をコードに変換する差分値変換手段112と、一定時間毎に得られたコードから、前々々回コード、前々回コード、前回コードおよび今回コードを用いて、比較、判定し、コードの削除等を行い、器具の特徴を示す器具特徴コード列を作成する器具特徴抽出手段214と、器具特徴コード列と、器具固有の特徴コード列を示す器具固有特徴コード列を比較し、器具を判別する判別手段116で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流量の変化を捕らえることにより、流体を使用している器具を正しく判別するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスメータ装置を有する流体配管系において使用器具を特定するガスメータ装置として、特許文献1に記載のものがある。その構成について図12を参照しながら説明する。
【0003】
図12に示すように、ガスメータ装置1は、家庭用ガス供給管に接続された流路6中に配置され、ガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段3と流量計測手段3から出力される流量値の差分値を求める演算手段4と演算手段4により算出された差分値と記憶手段5内に登録された変化判定値との大きさを比較し、ガス器具の使用状態の変化を判定する比較判定手段7を有する構成である。演算手段4、比較判定手段7、ガス遮断弁2は、制御回路8によって制御されている。
【0004】
上記ガスメータ装置1においては、流量計測手段3から出力される瞬時流量の差分値の変化を逐次演算し、その変化量でもってガス器具の使用状態の変化を判定するものであり、登録されたデータと計測されたガス流量の変化(差分値)を比較し、使用ガス器具13,14,15の判別を可能とする。
【0005】
また、従来の流体の使用器具の判別方法として特許文献2に記載のものがある。その構成について図13を参照しながら説明する。
【0006】
図13に示すように、演算手段108は、超音波流量計104によって計測されたガスの流量の一定時間毎の差分値を演算し、差分値変換手段112により、流量区分表保持手段110に格納されている流量区分表110aを用いて一定時間毎の差分値を所定の区分に区分けし、当該区分を表す所定のコードに変換する。器具判別手段116は、差分値変換部112で変換されたコードを用いてコード列生成手段114で生成されたコード列と、器具固有コード列情報保持手段118に記憶された器具固有の器具固有特徴コード列を比較し、器具を判別する。
【0007】
上記構成において、流量の差分値をコード化(変換)して得られる符合値を使用し、器具判別の実行に際し、演算を簡略化することにより、演算に必要メモリ量などを減らしつつ、演算速度、器具判別精度の向上を図る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−313114号公報
【特許文献2】特開2008−309498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来の構成では、例えばパイロットバーナにより着火させるガステーブルなどでは、使用者が炎を確認してつまみから手を離した時に、流量が減少するが、手を離すまでの時間がばらついたり、また、ファンヒータなどの緩点火時間が着火状態によりばらついたりするため、流量差分やコード列では、あらかじめ登録されたデータとの
比較では誤判定してしまうという課題があった。
【0010】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、器具の特徴を抽出する構成とすることにより、演算の簡素化を図り、演算に必要なメモリ量を減らすとともに、手動操作や着火状態によるばらつきを吸収し、器具判別精度の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明の流量計測装置は、流路に流れる流体の流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、流量計測手段によって計測された流量の一定時間毎の差分値を演算する演算手段と、差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と、各区分を表すコードが対応付けられた流量区分表と、演算手段によって演算された差分値を、流量区分表に基づきコードに変換する差分値変換手段と、差分値変換手段によって一定時間毎に得られたコードから器具の特徴を示す器具特徴コード列を生成する器具特徴抽出手段と、器具特徴コード列と、器具固有の特徴コード列を示す器具固有特徴コード列を比較し器具を判別する器具判別手段とを備え、前記器具特徴抽出手段は、差分値変換手段によって得られた前々々々回コード、前々々回コード、前々回コード、前回コードおよび今回コードを用いて、比較、判定し、コードの削除等を行い、器具特徴コード列を作成する構成としたものである。
【0012】
これにより、流量の増減度合い、すなわちコードの増減による器具の特徴を抽出することができるとともに、ばらつきを吸収することが可能となり、安定した器具の特徴抽出が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の流量計測装置によると、器具の特徴を抽出する構成とすることにより、演算の簡素化を図り、演算に必要なメモリ量を減らすとともに、手動操作や着火状態によるばらつきを吸収し、器具判別精度の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1〜5における流量計測装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1〜5における流量区分表の一例を示す図
【図3】(a)本発明の実施の形態1におけるガス器具A使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(b)同ガス器具A使用時の流量特性を示すグラフ、(c)同ガス器具A使用時の区分されたコードを表すグラフ、(d)同ガス器具A使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ
【図4】(a)本発明の実施の形態1におけるガス器具B使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(b)同ガス器具B使用時の流量特性を示すグラフ、(c)同ガス器具B使用時の区分されたコードを表すグラフ、(d)同ガス器具B使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ
【図5】(a)本発明の実施の形態1におけるガス器具C使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(b)同ガス器具C使用時の流量特性を示すグラフ、(c)同ガス器具C使用時の区分されたコードを表すグラフ、(d)同ガス器具C使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ
【図6】(a)本発明の実施の形態1におけるガス器具C使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(b)同ガス器具C使用時の流量特性を示すグラフ、(c)同ガス器具C使用時の区分されたコードを表すグラフ、(d)同ガス器具C使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ
【図7】(a)本発明の実施の形態2におけるガス器具A使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(b)同ガス器具A使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ、(c)本発明の実施の形態1におけるガス器具C使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(d)同ガス器具C使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ
【図8】(a)本発明の実施の形態3におけるガス器具D使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(b)同ガス器具D使用時の流量特性を示すグラフ、(c)同ガス器具D使用時の区分されたコードを表すグラフ、(d)同ガス器具D使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ
【図9】(a)本発明の実施の形態4におけるガス器具E使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(b)同ガス器具E使用時の流量特性を示すグラフ、(c)同ガス器具E使用時の区分されたコードを表すグラフ、(d)同ガス器具E使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ
【図10】(a)本発明の実施の形態4におけるガス器具F使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(b)同ガス器具F使用時の流量特性を示すグラフ、(c)同ガス器具F使用時の区分されたコードを表すグラフ、(d)同ガス器具F使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ
【図11】(a)本発明の実施の形態5におけるガス器具C使用時の流量差分値を流量区分表に従って区分する概念を示す図、(b)同ガス器具C使用時の流量特性を示すグラフ、(c)同ガス器具C使用時の区分されたコードを表すグラフ、(d)同ガス器具C使用時の特徴を抽出したコード列を示すグラフ
【図12】従来のガスメータのブロック図
【図13】従来の流量計測装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、流路に流れる流体の流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、流量計測手段によって計測された流量の一定時間毎の差分値を演算する演算手段と、差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と、各区分を表すコードが対応付けられた流量区分表と、演算手段によって演算された差分値を流量区分表に基づきコードに変換する差分値変換手段と、差分値変換手段によって一定時間毎に得られたコードから器具の特徴を示す器具特徴コード列を生成する器具特徴抽出手段と、器具特徴コード列と、器具固有の特徴コード列を示す器具固有特徴コード列を比較し器具を判別する器具判別手段とを備え、器具特徴抽出手段は、前記差分値変換手段によって得られたコードが、前回コードが前々回コードより大、且つ前回コードが今回コードより大の場合、あるいは前回コードが前々回コードより小、且つ前回コードが今回コードより小の場合には今回コードを器具特徴コード列に格納し、それ以外の場合には、今回コードを器具特徴コード列に格納された前回コードに上書きし、器具特徴コード列を圧縮する構成にしたものである。
【0016】
これによって、流量の増減度合い、すなわちコードの増減による器具の特徴を抽出することができる。
【0017】
第2の発明は、特に、第1の発明の器具特徴抽出手段を、演算手段により算出された差分値がマイナス且つ差分値変換手段によって得られたコードが所定のコード以外はコードにマイナスを付加するとともに、前回コードがプラス且つ今回コードがマイナスの場合は今回コードを器具特徴コード列に格納された前回コードに上書きしない構成にしたものである。
【0018】
これによって、コードの増減による器具の特徴に増減情報を付加でき、増加、減少で同じコードを示すものがあっても判別することができる。
【0019】
第3の発明は、特に、第1の発明の器具特徴抽出手段を、差分値変換手段によって得られたコードの推移がN字型、すなわち、前々回コードが前々々回コードより大、且つ前回コードが前々回コードより小、且つ今回コードが前回コードより大の時に、前回コードと
前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードが今回コードより小であった場合、あるいは、差分値変換手段によって得られたコードの推移が逆N字型、すなわち、前々回コードが前々々回コードより小、且つ前回コードが前々回コードより大、且つ今回コードが前回コードより小の時に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードが今回コードより大であった場合に、器具特徴コード列に格納された前回コードおよび前々回コードを削除し、今回コードを器具特徴コード列に格納された前々回コードに上書きし、器具特徴コード列を圧縮する構成にしたものである。
【0020】
これによって、流量の増減度合い、すなわちコードの増減による器具の特徴を抽出することができるとともに、ばらつきを吸収することが可能となり、安定した器具の特徴抽出ができる。
【0021】
第4の発明は、差分値変換手段によって得られたコードの推移がM字型、すなわち、前々々回コードが前々々々回コードより大、且つ前々回コードが前々々回コードより小、且つ前回コードが前々回コードより大、且つ今回コードが前回コードより小の時に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードと今回コードが等しい場合、あるいは、差分値変換手段によって得られたコードの推移がW字型、すなわち、前々々回コードが前々々々回コードより小、且つ前々回コードが前々々回コードより大、且つ前回コードが前々回コードより小、且つ今回コードが前回コードより大の時に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードと今回コードが等しい場合に、器具特徴コード列に格納された前回コードおよび前々回コードを削除し、今回コードを器具特徴コード列に格納された前々回コードに上書きし、器具特徴コード列を圧縮する構成にしたものである。
【0022】
これによって、流量の増減度合い、すなわちコードの増減による器具の特徴を抽出することができるとともに、ばらつきを吸収することが可能となり、安定した器具の特徴抽出ができる。
【0023】
第5の発明は、特に、第1の発明の器具特徴抽出手段を、器具特徴コード列の最終コードの絶対値が所定値以上の場合に、前記器具特徴コード列から最終コードを削除する構成にしたものである。
【0024】
これによって、人為的な燃焼量の切替操作により現れるコードを器具特徴コード列より排除することが可能となり、安定した器具の特徴抽出ができる。
【0025】
第6の発明は、第1から第5のいずれか1つの発明に記載の流量計測装置の全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラムである。そして、プログラムであるので汎用コンピュータやサーバーを用いて本発明のプログラムの少なくとも一部を容易に実現できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
【0026】
本発明は、第1の発明から第5の発明の要部を実施の形態とすることにより本発明の目的を達成できるので、各請求項に対応する実施の形態の詳細を、以下に図面を参照しながら説明し、本発明を実施するための最良の形態の説明とする。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態の説明において、同一構成並びに同一作用効果を奏するところには、同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における流量計測装置のブロック図である。
【0028】
図1において、ガスメータ100は、流路102と、流量計測手段としての超音波流量計104と、計測流量情報記憶手段106と、演算手段108と、流量区分表保持手段110と、差分値変換手段112と、器具特徴抽出手段214と、器具判別手段116と、器具固有特徴コード列情報保持手段218とを備えたものである。さらにガスメータ100は、流路102に配置され、緊急時などにガスを遮断する遮断手段122を含む。
【0029】
超音波流量計104は、流路102に流れる流体としてのガスに対し、一定時間間隔で超音波を発射してその流量を計測するものであり、一般的なものを使用することができる。計測流量情報記憶手段106は、超音波流量計104で計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データを記憶する。
【0030】
演算手段108は、超音波流量計104によって計測されたガスの流量の、前述した超音波発射間隔に相当する一定時間毎の差分値を演算するものである。例えば後述する図3において、所定タイミングの流量(絶対流量)が90L/h(リットル毎時)であり、次のタイミングでの流量が145L/hである場合、このときの差分値は145−90=55(L/h)として演算される。流量区分表保持手段110は、図2に示すような、差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と、各区分を表すコードが対応付けられた流量区分表110aを保持するものである。流量区分表110aは、計測された差分値の絶対値を所定の区分に区分けし、当該区分を表す所定のコードに変換する変換テーブルの役割を果たす。流量区分表110aの区分の数は特に限定されないが、図2では一例として16コードに区分されたものを記載している。尚、流量がゼロと判断される領域を挙げたが、実際の装置では計測される流量が、多少のばらつきを有するため完全にゼロとなることはあまりない。したがって、流量がゼロとなるのはほぼゼロ、実質的にゼロとなったときをも含む。
【0031】
また、各区分の範囲については、それぞれ異なる流量間隔を有して細分化されている。例えばコード1から5までは10L/hとし、コード6からBまでは25L/h、コードCからDまでは50L/h、コードEは100L/hといったように、流量の差分値の小さいほうを細分化している。このような構成は、差分値の小さい領域では器具の種類が多いため、間隔を小さくすることにより、判別精度を上げることができる。
【0032】
なお、コードのAからFについては、10から15を16進数で表記したものであるので、コードを数値として大小比較を行うことができる。
【0033】
差分値変換手段112は、演算手段108によって演算された差分値を、流量区分表110aに基づき、(超音波発射の)一定時間毎の差分値が分類される区分を表すコードに変換する。
【0034】
器具特徴抽出手段214は、差分値変換手段112によって得られた一定時間毎のコードの集合に基づき、実際の計測により得られたコードの列である計測コード列から器具の特徴を示す抽出コード列を生成する。この計測コード列は、流体の流量変化を擬似的に表現するものである。器具特徴抽出手段214は、器具の特徴を示す抽出コード列を必要に応じてメモリ(図示せず)に記録する。
【0035】
器具判別手段116は、器具特徴抽出手段214によって抽出された抽出コード列に基づき、流体としてのガスを使用しているガス器具を判別する。ここで器具判別手段116は、抽出コード列と、予めガス器具ごとに器具固有特徴コード列情報保持手段218に記憶されたガス器具固有の特徴コード列を示す器具固有特徴コード列を比較し、その類似関係等からガスを使用するガス器具を判別する。
【0036】
器具別流量算出手段120は、器具判別手段116により判別されたガス器具毎の流量を算出することもできる。また、ガスメータ100は上流側においてガス管路19に接続されるとともに、下流側にてガステーブル、ファンヒータ、床暖房等、種々のガス器具13,14,15に接続されている。
【0037】
以上のように構成された流量計測装置について、以下器具の特徴抽出処理に関して、その動作について説明する。
【0038】
まず、超音波流量計104によって一定時間間隔(例えば0.5秒など)をおいて計測される流量(絶対流量)Q(n)と前回計測された流量Q(n−1)は、計測流量情報記憶手段106に一旦記憶される。その後、Q(n)と前回計測された流量Q(n−1)との差である差分値ΔQ(n)=Q(n)−Q(n−1)を演算手段108で演算する。ここで一定間隔は1秒や2秒であってもよい。
【0039】
差分値変換手段112は、演算手段108によって演算された差分値ΔQ(n)の絶対値を、図2の流量区分表110aを参照し、一定時間毎の差分値が分類される区分を表すコードである区分コードに変換する。図3はこのような流量区分表を用いた変換の一例を示している。図1のガス器具13,14,15のいずれかに相当するガス器具A(例えばファンヒータ)が起動を開始し、ガス流量が発生すると、計測される流量は、図3(a)の「流量値」、図3(b)のグラフで示されるように、流量Q(n)=0から流量Q(n)≠0となり、ガス使用量に応じて流量が変化する。超音波流量計104による流量の計測と同時に、演算手段108が差分値を演算し、区分コードへの変換が差分値変換手段112によって行われる。
【0040】
変換の結果得られたコードから、器具特徴抽出手段214は、差分値変換手段112によって変換されたコードが、前回コードが前々回コードより大、且つ前回コードが今回コードより大の場合、あるいは前回コードが前々回コードより小、且つ前回コードが今回コードより小の場合には今回コードをメモリである器具特徴コード列に格納し、それ以外の場合には、今回コードを器具特徴コード列に格納された前回コードに上書きする処理をおこなう。この処理により、図3に示した一定時間毎のコード列[0761151111111111]から抽出したコード列[07151]が器具特徴コード列に格納されることになる。すなわち、この処理をおこなうことにより、図3(b)に示したガス器具Aの起動から流量グラフの変化点Iまで、変化点Iから変化点IIまで、変化点IIから変化点IIIまでのコードのピーク値を抽出することができる。この抽出されたコード列をグラフに示したものが図3(d)であり、情報量が圧縮されているにも関わらず、図3(c)に示した抽出前のコード列のグラフと比較しても、十分に器具の特徴が抽出されていることがわかる。
【0041】
同様に、図4はガス器具B使用時の特徴抽出についての概念を示す図であるが、ガス器具B(例えばプッシュレバー方式のガステーブルなど)では、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列[0361111111111111]から抽出したコード列[061]が器具特徴コード列に格納される。
【0042】
ここで、抽出された器具特徴コード列について、上記のガス器具Aの場合とガス器具Bの場合とを比較してみると、ガス器具Aすなわち図3(d)のグラフでは2山現れているが、ガス器具Bすなわち図4(d)のグラフでは1山しか現れていない。これは器具Aでは緩点火動作があるためであり、これによりガス器具Bとは明らかに判別することが可能となる。
【0043】
このようなガス器具毎の個別の立ち上り特性である器具固有の特徴コード列を予め器具固有特徴コード列情報保持手段218に記憶しておき、得られた器具特徴コード列が[07151]であれば、使用されたガス器具がガス器具Aであると判別することができ、また得られた器具特徴コード列が[061]であれば、使用されたガス器具がガス器具Bであると判別することができる。
【0044】
次に図5および図6は、ガス器具C使用時の特徴抽出についての概念を示す図であるが、ガス器具Cはパイロットバーナ搭載の機器(例えばパイロットバーナ方式の押し回し式ガステーブルなど)では、点火後に手を離すことによりパイロットバーナは消火するため、この時にガス流量が減少するが、手を離すまでの時間がばらつくため、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列は、図5の例では[0861131111111111]、図6の例では[0861111311111111]となり、同じガス器具であるとは判定できない。しかしながら、本実施の形態1における特徴抽出処理をおこなうことにより、図5では、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列から抽出したコード列は[08131]となり、図6では、抽出したコード列は[08131]となり、同じコード列が得られる。これにより、同じガス機器であることが判定できる。
【0045】
また、ガス器具Cの図5(d)のグラフでは前述したガス器具Aの図3(d)同様に2山現れているが、2山目の高さ(コードの大きさ)が異なることで、判別することができる。なお、抽出した器具特徴コード列だけでなく、安定流量値(例えば図3では204L/h、図5では143L/h)も判定条件に加えてもよい。
【0046】
以上のように、本実施の形態においては、器具特徴抽出手段214により差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列から器具の特徴を抽出することにより、精度のよい器具判別が可能となり、特徴抽出によりコード列を圧縮することができ、メモリサイズを小さくすることができる。
【0047】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における特徴抽出についての概念を示す図である。実施の形態1で述べたように、器具特徴抽出手段214により抽出された器具特徴コード列により器具の判別が可能となるが、同じガス器具を繰り返し使用した際に、流量ばらつき等により差分流量値がコードの区分閾値前後となった場合に、器具特徴コード列が異なるといったことも発生する可能性がある。そのために例えば予め器具固有特徴コード列情報保持手段218に記憶してある器具固有特徴コード列と、抽出した器具特徴コード列とを比較する際に、器具固有特徴コード列の各コード±1までは許容し、同一器具であると見なすことにより誤判別を防止する。
【0048】
ここで、前述したガス器具Aの器具特徴コード列のグラフ図3(d)、ガス器具Cの器具特徴コード列のグラフ図5(d)を比較してみると、器具固有特徴コード列の各コード±1までは許容した場合に、2山目のコードが4の場合に、誤判別する可能性があることがわかる。但し、前述したように、安定流量を判別に加えることにより誤判定を防止することは可能である。
【0049】
そこで、実施の形態1で述べた特徴抽出処理に加え、器具特徴抽出手段214は、演算手段108により算出された差分値がマイナス且つ差分値変換手段112によって得られたコードが所定のコード以外はコードにマイナスを付加するとともに、前回コードがプラス且つ今回コードがマイナスの場合は今回コードを器具特徴コード列に格納された前回コードに上書きしない処理をおこなう。ここで所定のコードは[1]とする。
【0050】
この処理により、ガス器具Aの場合は、図7(a)に示したように、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列[0761151111111111]は[0761151111111111]となり、ここから抽出したコード列[07151]が器具特徴コード列に格納される。
【0051】
同様にガス器具Cの場合は、図7(c)に示したように、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列[0861111311111111]は[0861111−311111111]となり、ここから抽出したコード列[081−31]が器具特徴コード列に格納される。これによりガス器具Aとガス器具Cは明確に判別できる。
【0052】
以上のように、本実施の形態においては、器具特徴抽出手段214により差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列から流量の増減情報を含めた器具の特徴を抽出することにより、精度のよい器具判別が可能となり、また特徴抽出によりコード列を圧縮することができ、メモリサイズを小さくすることができる。
【0053】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3における特徴抽出についての概念を示す図である。図8(b)に示すような流量の立ち上がり特性を持ったガス器具Dの場合に、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列は図8(a)に示したように[0768113−4−2−6111111]となる。これをグラフに示したものが図8(c)である。
【0054】
図8(b)に示した流量の立ち上がりから変化点Iまでの間をみると、流量特性の勾配に差はあるが、全体としては右上がりの勾配であることがわかる。同様に図8(b)の変化点IIIから変化点IVまでの間を見ると、流量特性の勾配に差はあるが、全体としては右下がりの勾配であることがわかる。
【0055】
しかしながら、図8(b)に示した流量の立ち上がりから変化点Iまでの間に相当する区間のコード列は、[0768]であり、図8(c)に示したようにN字型の特性を示している。また図8(b)の変化点IIIから変化点IVまでの間に相当する区間のコード列は、[3−4−2−6]であり、図8(c)に示したように逆N字型の特性を示している。
【0056】
すなわち、流量特性では、概ね右上がり、あるいは右下がりであるにも関わらず、コード列としてN字型、あるいは逆N字型となり、決して特徴が一致しているとは言えない。
【0057】
そこで、実施の形態1あるいは実施の形態2で述べた特徴抽出処理に加え、器具特徴抽出手段214は、差分値変換手段112によって得られたコードの推移がN字型、すなわち、前々回コードが前々々回コードより大、且つ前回コードが前々回コードより小、且つ今回コードが前回コードより大、あるいは、差分値変換手段112によって得られたコードの推移が逆N字型、すなわち、前々回コードが前々々回コードより小、且つ前回コードが前々回コードより大、且つ今回コードが前回コードより小の場合に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下であれば、前回コードおよび前々回コードを削除する処理をおこなう。ここで、コードの推移が逆N字型で、前回コードおよび前々回コードを削除する場合の前回コードと前々回コードとの差分は、例えば2以下であるとする。
【0058】
この処理をおこなうことにより、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列[0768113−4−2−6111111]から抽出したコード列[0812−61]が器具特徴コード列に格納される。これにより、コード列のN字型、あるいは逆N字型は吸収され、本来の流量特性の右上がり、あるいは右下がりの特徴を明確に抽出することができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態においては、器具特徴抽出手段214により差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列から流量特性の傾斜傾向を反映した器具の特徴を抽出することにより、精度のよい器具判別が可能となり、また特徴抽出によりコード列を圧縮することができ、メモリサイズを小さくすることができる。
【0060】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4における特徴抽出についての概念を示す図である。図9(b)に示すような流量の立ち上がり特性を持ったガス器具Eの場合に、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列は図9(a)に示したように[0545411111111111]となる。これをグラフに示したものが図9(c)である。この時、
図9(a)の例で示したように、流量差分値が41L/hと40L/hの繰り返しのように、流量差分値が閾値近辺で推移していると、41L/hと40L/hでは1L/hの差でしかないが、コードは[5454]というように、わずかな差にも係わらず、コードが変化する。
【0061】
流量の立ち上がり区間のコード列は、[05454]であり、図9(c)に示したようにM字型の特性を示している。すなわち、流量特性では、概ね右上がりであるにも関わらず、コード列としてM字型となり、決して特徴が一致しているとは言えない。
そこで、実施の形態1、実施の形態2あるいは実施の形態3で述べた特徴抽出処理に加え、器具特徴抽出手段214は、差分値変換手段112によって得られたコードの推移がM字型、すなわち、前々々回コードが前々々々回コードより大、且つ前々回コードが前々々回コードより小、且つ前回コードが前々回コードより大、且つ今回コードが前回コードより小の時に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードと今回コードが等しい場合、前回コードおよび前々回コードを削除し、今回コードを前々回コードに上書きする処理をおこなう。ここで、コードの推移がM字型で、前回コードおよび前々回コードを削除する場合の前回コードと前々回コードとの差分は、1以下であるとする。
【0062】
この処理をおこなうことにより、差分値変換手段112で変換されたコードのうち、立ち上がりのコード列[05454]は[054]となり、以降のコードを加えた[05411111111111]は実施の形態1に示した処理により、コード列は[051]となり、器具特徴コード列に格納される。
【0063】
次に、図10も、本発明の実施の形態4における特徴抽出についての概念を示す図であり、図9との差について以下に述べる。
【0064】
図10(b)に示すような流量の立ち上がり特性を持ったガス器具Fの場合に、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列は図10(a)に示したように[0646561111111111]となる。これをグラフに示したものが図10(c)である。この時、流量の立ち上がりのコード列[06465]は、図9の例で示したようにM字型を示しているが、前回コードと前々回コードとの差分が2であり、M字型のコード圧縮条件を満たさないため、圧縮されずにコードが残ることとなる。しかしながら、先頭を除き、次のコードを加えたコード列[64656]は、図10(c)に示したようにW字型の特性を示している。
【0065】
そこで、実施の形態1、実施の形態2あるいは実施の形態3で述べた特徴抽出処理に加え、器具特徴抽出手段214は、差分値変換手段112によって得られたコードの推移がW字型、すなわち、前々々回コードが前々々々回コードより小、且つ前々回コードが前々々回コードより大、且つ前回コードが前々回コードより小、且つ今回コードが前回コード
より大の時に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードと今回コードが等しい場合に、器具特徴コード列に格納された前回コードおよび前々回コードを削除し、今回コードを器具特徴コード列に格納された前々回コードに上書きする処理をおこなう。ここで、コードの推移がW字型で、前回コードおよび前々回コードを削除する場合の前回コードと前々回コードとの差分は、1以下であるとする。
【0066】
この処理をおこなうことにより、差分値変換手段112で変換されたコードのうち、立ち上がりのコード列[64656]は[646]となる。また、先頭及び以降のコードを加えた[06461111111111]のうち、[6461]は、実施の形態3で述べた逆N字型に該当するので、実施の形態1に示した処理と併せて、コード列は[061]となり、器具特徴コード列に格納される。
【0067】
M字型、W字型の処理をおこなうことにより、コード列のM字型、あるいはW字型は吸収され、本来の流量特性の特徴を明確に抽出することができる。
【0068】
以上のように、本実施の形態においては、器具特徴抽出手段214により差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列から流量特性の傾斜傾向を反映した器具の特徴を抽出することにより、精度のよい器具判別が可能となり、また特徴抽出によりコード列を圧縮することができ、メモリサイズを小さくすることができる。
【0069】
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5における特徴抽出についての概念を示す図である。実施の形態1で説明したガス器具Cを点火した後に、火力を切り替えた場合について、示しているが、火力変更するまでの立ち上がりの流量変化については、図6に示したものと同一であるとする。図11(b)は点火後の火力変更も含めた流量の立ち上がり特性を示し、差分値変換手段112で変換された一定時間毎のコード列は図11(a)に示したように[0861111311111133]となる。これをグラフに示したものが図11(c)である。
【0070】
実施の形態1で述べたように、火力が変更されるまでのコード列[08611113111111]は特徴を抽出する処理により、[08131]となるが、火力変更のコードを含めるとコード列は[0813133]となり、更に実施の形態1の処理により、最終的には[081313]となる。そのため、実施の形態1の図6の抽出したコード列[08131]とは異なるため、同じガス器具であるとは判定できない。
【0071】
そこで、器具特徴抽出手段214は、器具特徴コード列の最終コードの絶対値が所定値以上の場合に、前記器具特徴コード列から最終コードを削除する処理をおこなう。ここで、最終コードを削除する所定値は2以上であるとする。
【0072】
この処理をおこなうことにより、前述のコード列[081313]は[08131]となり、図6の火力変更がない場合と同じコード列が得られ、これにより、同じガス機器であることが判定できる。
【0073】
以上のように、本実施の形態においては、人為的な燃焼量の切替操作により現れるコードを器具特徴コード列より排除することが可能となり、精度のよい器具判別が可能となり、また特徴抽出によりコード列を圧縮することができ、メモリサイズを小さくすることができる。
【0074】
以上のような流量計測方法を実施するため、ガスメータ100の器具判別手段116や図示せぬコンピュータ(演算装置)には、流量計測方法の各ステップを実行させるプログ
ラムが記憶されているが、プログラムに代えハードを以って実行することも可能である。
【0075】
なお、上記各実施の形態においては、流量計測手段として超音波流量計を用いた場合について説明したが、サンプリング信号を用いる他の瞬間式の流量計測装置でも、同様の効果が得られることは明白である。器具判別後の処理は説明を省略したが、ガスメータでは、登録器具ごとあるいは分類分けされたグループごとの積算流量の計測による器具別料金や、登録器具ごとあるいは分類分けされたグループごとに安全管理(保安機能)処理の器具別保安機能を設定することも可能であることは明白である。また、ガスメータとガス器具に無線機のような送受信手段を装備させることができれば、より器具判別の精度が向上することは明白である。
【0076】
なお、上記各実施の形態においては、一定時間毎の流量差分値から変換したコードを用いた器具の特徴抽出について説明したが、流量差分値を用いることにより、より精度良く特徴抽出が可能である。
【0077】
なお、上記各実施の形態においては、器具固有コード列情報保持手段118に記憶された器具固有特徴コード列と、差分値変換手段によって一定時間毎に得られたコードから器具の特徴を示す器具特徴コード列とを比較し、器具を判別するが、器具固有特徴コード列は、実際の流量計測を繰り返しばらつきを考慮した補正をおこなってもよい。また、器具登録モードを設け、現場で器具を繰り返し動作させ、器具特徴を抽出し、平均化するなどして器具固有特徴コード列として登録してもよい。また、器具固有特徴コード列を予め設定するのではなく、学習により器具固有特徴コード列を自動登録してもよい。
【0078】
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上のように、本発明にかかる流量計測装置は、器具の特徴を抽出することができることから、工業用流量計や水道メータにおいても同様に、流量計測装置の下流側に接続された使用器具の特定や、そのグルーピングに対しても適用できる。
【符号の説明】
【0080】
13、14、15 ガス器具
19 ガス管路
100 ガスメータ(流量計測装置)
102 流路
104 超音波流量計(流量計測手段)
106 計測流量情報記憶手段
108 演算手段
110 流量区分表保持手段
112 差分値変換手段
116 器具判別手段
120 器具別流量算出手段
122 遮断手段
214 器具特徴抽出手段
218 器具固有特徴コード列情報保持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路に流れる流体の流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段によって計測された流量の一定時間毎の差分値を演算する演算手段と、差分値の大きさに応じた複数の差分値の区分と、各区分を表すコードが対応付けられた流量区分表と、前記演算手段によって演算された差分値を前記流量区分表に基づき前記コードに変換する差分値変換手段と、前記差分値変換手段によって一定時間毎に得られたコードから器具の特徴を示す器具特徴コード列を生成する器具特徴抽出手段と、前記器具特徴コード列と、器具固有の特徴コード列を示す器具固有特徴コード列を比較し器具を判別する器具判別手段とを備え、前記器具特徴抽出手段は、前記差分値変換手段によって得られたコードが、前回コードが前々回コードより大、且つ前回コードが今回コードより大の場合、あるいは前回コードが前々回コードより小、且つ前回コードが今回コードより小の場合には今回コードを器具特徴コード列に格納し、それ以外の場合には、今回コードを前記器具特徴コード列に格納された前回コードに上書きすることを特徴とする流量計測装置。
【請求項2】
器具特徴抽出手段は、前記演算手段により算出された差分値がマイナス且つ前記差分値変換手段によって得られたコードが所定のコード以外はコードにマイナスを付加するとともに、前回コードがプラス且つ今回コードがマイナスの場合は今回コードを前記器具特徴コード列に格納された前回コードに上書きしないことを特徴とする請求項1記載の流量計測装置。
【請求項3】
器具特徴抽出手段は、前記差分値変換手段によって得られたコードの推移がN字型、すなわち、前々回コードが前々々回コードより大、且つ前回コードが前々回コードより小、且つ今回コードが前回コードより大の時に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードが今回コードより小であった場合、あるいは、前記差分値変換手段によって得られたコードの推移が逆N字型、すなわち、前々回コードが前々々回コードより小、且つ前回コードが前々回コードより大、且つ今回コードが前回コードより小の時に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードが今回コードより大であった場合に、前記器具特徴コード列に格納された前回コードおよび前々回コードを削除し、今回コードを前記器具特徴コード列に格納された前々回コードに上書きすることを特徴とする請求項1または2記載の流量計測装置。
【請求項4】
器具特徴抽出手段は、前記差分値変換手段によって得られたコードの推移がM字型、すなわち、前々々回コードが前々々々回コードより大、且つ前々回コードが前々々回コードより小、且つ前回コードが前々回コードより大、且つ今回コードが前回コードより小の時に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードと今回コードが等しい場合、あるいは、前記差分値変換手段によって得られたコードの推移がW字型、すなわち、前々々回コードが前々々々回コードより小、且つ前々回コードが前々々回コードより大、且つ前回コードが前々回コードより小、且つ今回コードが前回コードより大の時に、前回コードと前々回コードとの差分が所定値以下で、且つ前々回コードと今回コードが等しい場合に、前記器具特徴コード列に格納された前回コードおよび前々回コードを削除し、今回コードを前記器具特徴コード列に格納された前々回コードに上書きすることを特徴とする、請求項1または2記載の流量計測装置。
【請求項5】
器具特徴抽出手段は、前記器具特徴コード列の最終コードの絶対値が所定値以上の場合に、前記器具特徴コード列から最終コードを削除することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の流量計測装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の流量計測装置の全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−230645(P2010−230645A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212592(P2009−212592)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】