説明

浄化槽

【課題】 脱リン機能に優れ、しかも脱リン機能を長期間にわたり維持することが可能であり、結果として、浄化作用に優れ、しかもメンテナンスが容易な脱リン装置付き浄化槽を提供すること。
【解決手段】 汚水が最初に導入される一次処理槽20,22と、一次処理槽で処理された汚水が導入される生物濾過槽24と、生物濾過槽で処理された被処理液が一時的に貯留される最終処理水槽26と、を有する浄化槽2である。最終処理水槽26に貯留してある被処理液の一部を、生物濾過槽24とは別に具備してある脱リン装置40を介して生物濾過槽24に戻す脱リン・ライン34と、処理水槽26に貯留してある被処理液の一部を、脱リン装置を介さずに一次処理槽20,22に戻す循環ライン32とが、並列に具備してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化槽に係り、さらに詳しくは、脱リン機能に優れ、しかも脱リン機能を長期間にわたり維持することが可能であり、結果として、浄化作用に優れ、しかもメンテナンスが容易な脱リン装置付き浄化槽に関する。
【背景技術】
【0002】
汚水中に含まれるリンを、電気化学的に金属電極から金属イオンを溶出させることでリンを除去する脱リン装置を具備している浄化槽が開発されている。脱リン装置付き浄化槽としては、たとえば下記の特許文献1および特許文献2に記載の浄化槽が知られている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載してある浄化槽では、生物濾過槽の内部に、直接に、脱リン装置のための電極を組み込んでいるために、汚泥が電極に付着しやすく、脱リン機能が低下しやすいと言う問題がある。
【0004】
また、特許文献2に記載してある浄化槽では、接触ばっ気槽から嫌気濾床槽に被処理液を戻す循環ラインの途中に脱リン装置を具備してあるために、嫌気濾床槽へ戻す被処理液の水量が多くなると、脱リン装置での脱リン機能が低下すると言う問題を有している。また、脱リン機能を向上させるために、嫌気濾床槽へ戻す被処理液の水量を少なくすると、被処理液の嫌気処理および接触ばっ気処理が不十分になるおそれがある。
【特許文献1】特開2001−79580号公報
【特許文献2】特開平5−104087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、脱リン機能に優れ、しかも脱リン機能を長期間にわたり維持することが可能であり、結果として、浄化作用に優れ、しかもメンテナンスが容易な脱リン装置付き浄化槽を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る浄化槽は、
汚水が最初に導入される一次処理槽と、
前記一次処理槽で処理された汚水が導入される生物濾過槽と、
前記生物濾過槽で処理された被処理液が一時的に貯留される最終処理水槽と、を有する浄化槽であって、
前記最終処理水槽に貯留してある被処理液の一部を、前記生物濾過槽とは別に具備してある脱リン装置を介して前記生物濾過槽に戻す脱リン・ラインと、
前記最終処理水槽に貯留してある被処理液の一部を、前記脱リン装置を介さずに前記一次処理槽に戻す循環ラインとが、具備してあることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る浄化槽では、生物濾過槽により処理された後の被処理液が貯留してある最終処理水槽中の被処理液の一部を、脱リン装置に導き、脱リン処理した後に、生物濾過槽に戻すようにしている。このため、余分な浮遊物が無い状態の被処理液を脱リン装置に通すために、脱リン装置の内部の電極に汚泥などが付着しにくく、しかも錆びが発生しにくく、脱リン機能が長持ちする。脱リン装置の脱リン機能が長持ちすれば、脱リン装置のメンテナンスも容易になる。
【0008】
しかも、本発明では、最終処理水槽から一次処理槽に戻す循環ラインとは別に、脱リン・ラインを設けているために、脱リン装置における脱リン機能が最大限に発揮される水量を、脱リン装置に導くことが可能になり、脱リン装置における脱リン機能が向上する。また、循環ラインでは、最適な流量で、被処理液を最終処理水槽から一次処理槽に戻すことが可能になり、全体としての浄化機能も向上する。
【0009】
好ましくは、脱リン装置は、浄化槽のマンホールの位置に装着する。このような位置に装着することで、脱リン装置のメンテナンスがさらに向上する。
【0010】
好ましくは、前記最終処理水槽から前記脱リン・ラインへ導入される被処理液の流量と、前記最終処理水槽から前記循環ラインへ導入される被処理液の流量とが、計量装置により制御される。このように計量装置により制御することで、脱リン装置での脱リン機能に最適な水量の最適化と、一次処理槽へ戻す循環水の水量の最適化とを同時に達成することができる。
【0011】
好ましくは、前記脱リン装置の内部には、流動可能な剥離材が収容してある。この脱リン装置の内部に収容してある剥離材は、生物濾過槽の内部に収容してある担体と同じでも異なっても良い。
【0012】
好ましくは、前記脱リン装置の内部に収容してある剥離材は、水流あるいは散気処理により流動可能に構成してある。剥離材を流動させることで、脱リン装置の内部に装着してある電極の表面に付着する不動態皮膜や生物膜を容易に剥離することが可能になり、さらに脱リン機能が長持ちする。
【0013】
好ましくは、前記生物濾過槽が、生物処理部と、濾過槽とを有する。
【0014】
好ましくは、一次処理槽が、嫌気濾床槽である。嫌気濾床槽は、単一槽でも良いが、直列に配列してある二槽以上の槽でも良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る浄化槽における被処理液の流れを示すブロック図、
図2は図1に示すブロック図を具体化した浄化槽の概略縦断面図、
図3は図2に示す浄化槽の内部を上から見た概略図、
図4は脱リン装置の概略図、
図5は計量装置の概略図である。
【0016】
図2に示すように、本実施形態に係る浄化槽2は、たとえばジシクロペンタジエンの反応射出成形体で構成してある浄化槽本体4を有し、浄化槽本体4は、たとえば上部槽体と下部槽体とを組み合わせることにより組み立てられる。
【0017】
浄化槽2には、浄化槽のメンテナンスなどのために必要となるマンホール6が浄化槽本体4の長手方向Xに沿って3つ形成してある。各マンホール6には、マンホール蓋がそれぞれ取り付けられる。また、浄化槽本体4の長手方向の両端には、汚水(被処理液)を導入するための流入口8と、処理を終えた浄化水を放流するための放流口10がそれぞれ形成してある。
【0018】
本実施形態に係る浄化槽2は、生物濾過方式に基づく浄化槽であり、浄化槽本体4の内部は、長手方向に沿って複数の仕切板12,14,16および隔壁18などにより複数の処理槽20,22,24,26,28に区切られている。すなわち、本実施形態では汚水が導入される上流側から、嫌気濾床槽第1室20、嫌気濾床槽第2室22、生物濾過槽24、処理水槽(最終処理水槽)26および消毒槽28の処理槽が順次形成してある。
【0019】
嫌気濾床槽第1室20および嫌気濾床槽第2室22は、それらの上部に、流量調整部19を有する。流量調整部19では、浄化槽2の内部に貯留される被処理液が、最小水位minから最大水位maxの間で上下するように水位を調節する。嫌気濾床槽第1室20、嫌気濾床槽第2室22および流量調整部19が、本発明の一次処理槽に相当する。
【0020】
嫌気濾床槽第1室20は、流入口8から汚水が導入される処理槽であり、隣接する嫌気濾床槽第2室22とは仕切板12で仕切られているが、当該仕切板12の上部に開設された連通孔によって両室20,22は連通している。この嫌気濾床槽第1室20には、合成樹脂などの濾材に嫌気性菌が付着した嫌気性濾床20aが支持されて設けてあり、流入口8から流入した汚水(被処理液)は、下向流により嫌気性濾床20aを通過する際に嫌気性処理が施され、仕切板12の連通孔を通って嫌気濾床槽第2室22へ、堰の自然越流によって流下することになる。
【0021】
上記嫌気濾床槽第1室に隣接する嫌気濾床槽第2室22は、嫌気濾床槽第1室20で嫌気性処理された被処理液が導入される第2の嫌気濾床槽であり、隣接する生物濾過槽24とは仕切板14で仕切られている。この嫌気濾床槽第2室22にも、嫌気濾床槽第1室20と同様に、合成樹脂などの濾材に嫌気性菌が付着した嫌気性濾床22aが保持してあり、嫌気濾床槽第1室20から流入した被処理液は、上向流により嫌気性濾床22aを通過する際に、さらなる嫌気性処理が施される。
【0022】
嫌気性濾床22aで処理された被処理液は、間欠定量ポンプ23の吐出配管23aにより生物濾過槽24の生物処理部24a(図3参照)に送られる。なお、嫌気濾床槽第2室22中の被処理液の流れは、本実施形態では上向流であるが、これに限定されず、下向流であってもよい。また、ポンプ23を用いることなく、自然越流により嫌気性濾床22aで処理された被処理液を生物濾過槽24の生物処理部24a(図3参照)に送っても良い。
【0023】
上記嫌気濾床槽第2室22に隣接する生物濾過槽24は、嫌気濾床槽第2室22でさらなる嫌気性処理が施された被処理液が導入される処理槽であり、隣接する処理水槽26とは仕切板16で仕切られているが、当該仕切板16の濾過部24b(図3参照)側の下部に形成されたスロット(狭小通路)によって両槽24,26は連通している。
【0024】
図3に示すように、本実施形態に係る生物濾過槽24は、生物処理部24aおよび濾過部24bを有する。これら生物処理部24aと濾過部24bとは、本実施形態では、浄化槽2の長手方向X(図2参照)に対して略垂直な水平方向左右に配置してあるが、本発明では特に限定されず、浄化槽の長手方向X(図2参照)に沿って配置してあってもよい。
【0025】
生物処理部24aおよび濾過部24bは、それらを仕切る仕切壁に形成してある流路または移流管により接続してあり、生物処理部24aからの被処理液は、移流管を通して濾過部24bへ流入されるようになっている。生物処理部24aには、合成樹脂などの担体を充填した担体層242aが設けてある。
【0026】
嫌気濾床槽第2室22から流入した被処理液は、下向流により生物処理部24aの担体層を通過する際に好気性処理が施され、その後、濾過部24bの上部へ流れることになる。生物処理部24aに用いられる担体としては、被処理液が通過する際に十分に流動し、しかも耐薬品性および耐摩耗性に優れ、交換の必要がない材質を採用することが好ましい。こうした材質としては、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ABS、PVCなどを挙げることができる。
【0027】
また、担体の真比重は、好ましくは1.05〜1.20である。このような諸性能を有する担体としては、たとえば、直径10〜15mm×高さ10〜15mm程度の円筒形状のポリプロピレン製担体などが挙げられる。担体には、生物膜の付着をよくするために発泡剤で表面をざらつかせたものを用いてもよい。
【0028】
また、生物処理部24aには、送風機が接続してある送気口からの空気を吐出する曝気用散気管25が配置してあり、この曝気用散気管25から生物処理部24a内部に排出される散気泡により、担体の流動状態を確保して、各担体間の閉塞を防ぐことができるようになっている。浄化槽稼働時には、通常、曝気用散気管25により、常時、曝気する。ただし、後述する逆洗を行う際には、曝気は停止してもよい。
【0029】
濾過部24bにも、生物処理部24aと同様に合成樹脂などの担体を充填した濾過層が設けてある。したがって、下向流により濾過部24bの濾過層を通過する際に浮遊物質(SS)が除去され、仕切板16の濾過部24b側下部に形成されたスロットを通って処理水槽26へ流れることになる。濾過部24bに用いられる担体としては、被処理液が通過する際には沈み、後述する逆洗時には十分に流動し、しかも耐薬品性および耐摩耗性に優れ、交換の必要がない材質を採用することが好ましい。また、担体の真比重は、好ましくは1.05〜1.3である。さらに用いる担体の形状は、たとえば円筒状などの如き水流を閉塞しない形状が好ましい。このような諸性能を有する材料としては、たとえば、直径10〜15mm×高さ10〜15mm程度の円筒形状のポリプロピレン製担体などが挙げられる。
【0030】
また、濾過部24bには、送気口からの空気を吐出する逆洗用散気管が配置してあり、この逆洗用散気管から濾過部24bの内部に排出される散気泡により、濾過層の担体に付着・堆積した余剰汚泥を剥離できるようになっている。こうした逆洗工程は、通常1日1回以上5〜15分間程度行われ、また、行う時間帯は、汚水流入がない深夜に行うことが好ましい。なお、生物処理部24aおよび濾過部24b中の被処理液の流れは、本実施形態ではいずれも下向き流であるが、これに限定されず、上向流であってもよい。
【0031】
生物濾過槽24に隣接する処理水槽26は、生物濾過槽24で好気性処理が施された被処理液が導入される槽であり、隣接する消毒槽28とは隔壁18によって仕切られているが、当該隔壁18の上部を通じて両室26,28は連通している。スロットから流入した被処理液は、処理水槽26を通過し、隔壁18を超える上澄み液が堰の自然越流によって消毒槽28に移流することになる。
【0032】
また、処理水槽26には、移送管31が配置してあり、常時稼動してあるエアリフトポンプ(図示省略)によって処理水槽26の底部に存在する被処理液を、計量装置30に送るようになっている。計量装置30では、移送管31により吸い上げた被処理液を、図1、図3および図4に示すように、循環ライン移送管32と、脱リン・ライン移送管34とに、それぞれ適切な流量に制御して振り分ける。
【0033】
循環ライン移送管32では、処理水槽26から吸い上げた被処理液を、そのままの状態で、嫌気濾床槽第1室20へ戻すようになっている。その水量は、特に限定されないが、たとえば、1日平均汚水量の3〜4倍量である。ただし、逆洗を行う場合には、図1および図3に示す逆洗水ライン移送管36を用いて行い、循環ライン移送管32は停止する。
【0034】
脱リン・ライン移送管34には、脱リン装置40が装着してあり、計量装置30により計量された被処理液は、脱リン装置40に入り込むようになっている。脱リン装置40は、図4に示すように、上方開口部を有するケーシング41の内部に、一対の電極ユニット42,44が配置してある。各電極ユニット42,44は、それぞれ、たとえば複数の電極板で構成してある。ボルトなどで交換可能に取り付けてある電極板は、たとえば鉄板で構成してある。
【0035】
一対の電極ユニット42,44には、制御ボックス46から中継ボックス48を通して、直流電圧が印加され、陽極の電極ユニットを構成する電極板から鉄イオンが生成して被処理液中に溶解するようになっている。そして生成した鉄イオンがリン成分と結合してリン酸鉄となって析出することで、被処理液中からリン成分を除去するようになっている。リン成分が除去された被処理液は、生成したリン酸鉄と共にケーシング41の上側の側壁に設けられた側部開口部45を通して、生物処理部24aに戻されるようになっている。直流電圧を印加する向きを、例えば1日毎に切りかえ、陽極と陰極を逆転させ、一対の電極ユニット42,44を均一に消費させる。
【0036】
脱リン装置40のケーシング41の内部には、剥離材50が流動可能に収容してある。この脱リン装置40の内部に収容してある剥離材50は、生物濾過槽24の内部に収容してある担体と同じものを用いることができるが異なっても良い。脱リン装置の内部に収容してある剥離材は、水流あるいは散気処理により流動可能、すなわち液の流れや気泡の流れによって液中を移動したり元の位置に戻ったりできるように構成してある。剥離材を流動させることで、脱リン装置40の内部に装着してある電極板の表面に付着する不動態皮膜や生物膜を容易に剥離することが可能になり、さらに脱リン機能が長持ちする。
【0037】
計量装置30により計量されて脱リン・ライン移送管34を通して、脱リン装置40の内部に流入する被処理液の流量は、脱リン装置40の大きさにもよるが、好ましくは、循環ライン移送管32に分配される流量の0.2〜1倍程度である。図5に示すように、計量装置30は、移送管31により吸い上げられた被処理液を、堰などを利用して、循環ライン移送管32と脱リン・ライン移送管34とに、それぞれ所定流量に分配するようになっている。
【0038】
また、脱リン装置40は、図2に示すように、マンホール6の直下に位置し、そのマンホールを通して着脱が容易であり、そのメンテナンスの容易化が図られている。
【0039】
図1〜図3に示す消毒槽28は、一体成形された小室であり、当該消毒槽28には、処理水槽26の上澄み液が堰の自然越流によって移流し、薬剤筒によって供給された消毒剤で塩素消毒された後、放流口10を通って放流水として外部に放流される。
【0040】
本実施形態に係る浄化槽2によれば、生物処理部24aと濾過部24bとを、浄化槽2の長手方向に対して略垂直な水平方向左右に配置してあり、これらを移流管19により接続してあるため、浄化槽2のコンパクト化に寄与することができる。
【0041】
また、本実施形態に係る浄化槽2によれば、生物処理部24aと濾過部24bとを鉛直方向に直列に配置しないので、この点からも生物処理部24aおよび濾過部24bのメンテナンスを容易にしている。
【0042】
さらに、本実施形態に係る浄化槽2では、生物濾過槽24により処理された後の被処理液が貯留してある処理水槽26の一部を、脱リン装置40に導き、脱リン処理した後に、生物濾過槽24に戻すようにしている。このため、浮遊物が無い状態の被処理液を脱リン装置40に通すために、脱リン装置40の内部の電極に汚泥などが付着しにくく、脱リン機能が長持ちする。脱リン装置40の脱リン機能が長持ちすれば、脱リン装置40のメンテナンスも容易になる。
【0043】
しかも、本実施形態では、処理水槽26から嫌気濾床槽第1室20に戻す循環ライン移送管32とは別に、脱リン・ライン移送管34を設けているために、脱リン装置40における脱リン機能が最大限に発揮される水量を、脱リン装置40に導くことが可能になり、脱リン装置40における脱リン機能が向上する。また、循環ライン移送管32により、最適な流量で、被処理液を処理水槽26から嫌気濾床槽第1室20に戻すことが可能になり、全体としての浄化機能も向上する。
【0044】
本実施形態に係る浄化槽は、たとえば、処理対象人員5〜10人の家庭用浄化槽などに好ましく用いることができる。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る浄化槽における被処理液の流れを示すブロック図である。
【図2】図2は図1に示すブロック図を具体化した浄化槽の概略縦断面図である。
【図3】図3は図2に示す浄化槽の内部を上から見た概略図である。
【図4】図4は脱リン装置の概略図である。
【図5】図5は計量装置の概略図である。
【符号の説明】
【0047】
2… 浄化槽
4… 浄化槽本体
6… マンホール
8… 流入口
10… 放流口
12,14,16… 仕切板
18… 隔壁
20… 嫌気濾床槽第1室
20a… 嫌気性濾床
22… 嫌気濾床槽第2室
22a… 嫌気性濾床
24… 生物濾過槽
24a… 生物処理部
24b… 濾過部
26… 処理水槽
28… 消毒槽
30… 計量装置
32… 循環ライン移送管
34… 脱リン・ライン移送管
40… 脱リン装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水が最初に導入される一次処理槽と、
前記一次処理槽で処理された汚水が導入される生物濾過槽と、
前記生物濾過槽で処理された被処理液が一時的に貯留される最終処理水槽と、を有する浄化槽であって、
前記最終処理水槽に貯留してある被処理液の一部を、前記生物濾過槽とは別に具備してある脱リン装置を介して前記生物濾過槽に戻す脱リン・ラインと、
前記最終処理水槽に貯留してある被処理液の一部を、前記脱リン装置を介さずに前記一次処理槽に戻す循環ラインとが、具備してあることを特徴とする浄化槽。
【請求項2】
前記最終処理水槽から前記脱リン・ラインへ導入される被処理液の流量と、前記最終処理水槽から前記循環ラインへ導入される被処理液の流量とが、計量装置により制御される請求項1に記載の浄化槽。
【請求項3】
前記脱リン装置の内部には、流動可能な剥離材が収容してある請求項1または2に記載の浄化槽。
【請求項4】
前記脱リン装置の内部に収容してある剥離材は、水流あるいは散気処理により流動可能に構成してある請求項3に記載の浄化槽。
【請求項5】
前記生物濾過槽が、生物処理部と、濾過槽とを有する請求項1〜4のいずれかに記載の浄化槽。
【請求項6】
前記一次処理槽が、嫌気濾床槽である請求項1〜5のいずれかに記載の浄化槽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−167691(P2006−167691A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367819(P2004−367819)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【出願人】(592245904)株式会社ハマネツ (11)
【出願人】(000201582)前澤化成工業株式会社 (33)
【Fターム(参考)】