浄水器
【課題】 手で持つことの可能な、小型且つ軽量な浄水器において、カートリッジの交換頻度を低減するために、超音波照射による吸着剤の再生を可能にすること。
【解決手段】 吸着剤を収容した浄水部を内蔵した吐水具と、浄水部に超音波を照射するための超音波発生装置を別体にし、吐水具を保持する保持具に超音波発生装置を設置する構成により、吐水具は手で持つことが可能な小型且つ軽量な構成を実現し、さらに吐水具を保持具に保持するだけで、超音波照射による浄水部の再生が可能という、手軽さも兼ね備えた。
【解決手段】 吸着剤を収容した浄水部を内蔵した吐水具と、浄水部に超音波を照射するための超音波発生装置を別体にし、吐水具を保持する保持具に超音波発生装置を設置する構成により、吐水具は手で持つことが可能な小型且つ軽量な構成を実現し、さらに吐水具を保持具に保持するだけで、超音波照射による浄水部の再生が可能という、手軽さも兼ね備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器に係り、特に性能の低下した吸着剤の再生が可能なため、カートリッジの交換などのメンテナンスの負荷を減らせ、性能の低下したカートリッジの廃棄も抑制でき、且つ小型で軽量なため、手で持って使用することが可能な浄水器に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
水道水を活性炭などの吸着剤と接触させることで、発ガン性物質であるトリハロメタンや異臭味物質である2−メチルイソボルネオールやジオスミンなどのような、水道水中に含まれている不純物を吸着除去する浄水器が市販されている。しかし吸着剤は、経時使用により除去性能が低下するため、カートリッジを交換する必要がある。交換したカートリッジは廃棄処理することが多い。
吸着剤を再生処理することでカートリッジの交換頻度を減らす再生型の浄水器もある。
【0003】
従来の再生型の浄水器は、高温では吸着剤に吸着する量が少ないことを利用して、装置内にヒータなどの熱源を組み込んで、定期的に吸着剤を加熱処理し、吸着物を脱着させることで、吸着剤を再生している(例えば、特許文献1参照。)。
しかしこのような場合、熱の損失を少なくして再生の効率を上げるためや、やけど防止のために断熱構造をとる必要があり、装置が大型化するといった問題、熱源を浄水器本体に取り付けるため電源が必要であり、浄水器付近に電気配線が必要になるため、蛇口付近に取り付けたり、手に持って使用する浄水器には不向きといった問題があった。またこのような浄水器では、吸着剤を100℃以上に加熱して再生処理を行うが、吸着剤のみならず、浄水器に含まれている水も、100℃に加熱しなければならず、この熱エネルギーは再生には関与しないため、エネルギー的に無駄が多いこと、水を含んだ吸着剤は100℃までしか達しないため、その温度では脱着しない物質には再生の効果がないといった問題もあった。さらに高温水を浄化する浄水器では、浄水時と再生時の温度差が小さいため、再生の効率が悪いといった問題もあった。
【0004】
また、超音波によって吸着剤に吸着した物質を分解することにより、再生処理を行う浄水器もある(例えば、特許文献2〜4参照。)。
しかし、この場合も浄水器に超音波発生装置を付属するため、装置が大型化、重量化するため、狭い空間への設置や手に持っての使用は不可能という問題があった。
【0005】
また、浄水器からカートリッジを取り外し、カートリッジのみを超音波洗浄することで浄水部の再生を行う、洗浄装置もある(例えば、特許文献5)。
しかしこのような場合、人の手を介してカートリッジを再生するので、使用者に負荷がかかり、また再生することを忘れて使用を継続するといった問題があった。さらに手で触ったカートリッジを再度使用するため、不衛生といった問題があった。
【特許文献1】特開平6−246260号公報
【特許文献2】実開昭52−158745号公報
【特許文献3】実開昭59−123594号公報
【特許文献4】特開2001−70762号公報
【特許文献5】特許第3277066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、小型で且つメンテナンスの頻度の低い、超音波による再生型の浄水器である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、給水ホースの先端に取り付けられ、水を吐水するための吐水口を有する吐水具と、前記吐水具内の前記吐水口より上流に収容され、前記給水ホースから前記吐水具内に供給された水を浄化するための吸着剤を有する浄水部と、前記吐水具を着脱可能に保持するための保持具と、超音波振動子を有する超音波発生装置と、少なくとも前記吐水具の外枠と前記保持具が接触する部分に前記超音波発生装置から発生する超音波が伝播されるように前記超音波振動子が保持具に内蔵、あるいは接触して配置され、前記浄水部が水に浸った状態で超音波発生装置を駆動することにより、前記保持具および前記吐水具の外枠内方と前記浄水部の間に介在する水を介して前記浄水部に超音波を照射可能とすることにより、吸着剤に吸着した物質を超音波で分解するため、吸着剤を効率よく再生し、メンテナンスの頻度を減らせ、また性能が低下した吸着剤の廃棄頻度を少なくした浄水器であり、且つ吐水具と超音波発生装置を別体にすることで、吐水具は小型で軽量なため、手で持って使用することも可能な浄水器を可能とした。
【0008】
また、請求項2記載の発明によれば、給水ホースの先端に取り付けられ、水を吐水するための吐水口を有する吐水具と、前記吐水具内の前記吐水口より上流に収容され、前記給水ホースから前記吐水具内に供給された水を浄化するための吸着剤を有する浄水部と、貯水可能な貯水容器と、前記貯水容器に取り付けられ、前記吐水具を着脱可能に保持するための保持具と超音波振動子を有する超音波発生装置と、を備えた浄水器であって、少なくとも前記吐水具の外枠と前記保持具が接触する部分に前記超音波発生装置から発生する超音波が伝播されるように前記超音波振動子が保持具に内蔵、あるいは接触して配置され、前記保持具は、前記吐水具から吐水された水が前記貯水容器に貯水され、且つ前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が前記貯水容器の溢れ面より下方に保持するように配置されており、前記吐水具から水が吐水されている状態で超音波発生装置を駆動することにより、前記貯水容器内に貯水された水を介して前記浄水部に超音波を照射可能としたことにより、吐水具と超音波発生装置の間を超音波の伝播効率の高い水で満たすことを可能とした。また吐水しながら超音波による再生を行うことで、超音波による分解生成物が吸着剤から効率よく離れるため、超音波による分解を促進することを可能とした。
【0009】
また、請求項3記載の発明によれば、前記貯水容器に水位検知手段を設け、前記水位検知手段は、貯水容器内に貯水された水の水位が前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が浸る状態を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動が可能となることにより、貯水容器に水が貯水されていない状態での超音波発生装置の駆動を防止することと、超音波発生装置の駆動の自動化を可能とした。
【0010】
また、請求項4記載の発明によれば、前記吐水具あるいは前記吐水具の上流に、前記吐水具からの吐水と止水を切り替え可能な開閉弁を備え、前記開閉弁は前記水位検知手段と前記超音波発生装置の駆動と連動しており、前記水位検知手段が前記貯水容器内に貯水された水の水位が前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が浸る状態を検知していない場合と前記超音波発生装置を駆動した場合に前記開閉弁を開にするように制御することにより、吐水と超音波発生装置の駆動の連動を可能とした。
【0011】
また、請求項5記載の発明によれば、前記吐水具外枠の少なくとも前記保持具と接触する部分は、前記保持具と同一の素材で形成されていることにより、超音波の反射による減衰を抑制し、効率よい超音波の伝播を可能とした。
【0012】
また、請求項6記載の発明によれば、前記保持具は、前記吐水具外枠の前記浄水部を囲んでいる部分と、少なくとも一部が接するように配置されていることにより、直進性の高い超音波の吸着剤に対する効率よい照射を可能とした。
【0013】
また、請求項7記載の発明によれば、前記超音波発生装置から発生する超音波の周波数が200kHz〜2MHzであることにより、吸着剤に吸着した物質の分解効率が高く、且つ人間はもちろん、犬、猫のような動物(ペット)にも静かな超音波の照射を可能とした。
【0014】
また、請求項8記載の発明によれば、前記保持具の前記吐水具外枠と接触する部分に押しボタンを備え、前記押しボタンが押されている状態でのみ前記超音波発生装置の駆動が可能となることにより、保持具に吐水具が保持されていない状態での超音波発生装置の駆動を防止することを可能とした。
【0015】
また、請求項9記載の発明によれば、前記押しボタンは、外力が加わっていない状態では、押しボタンが押されていない状態にするための付勢手段を備えたことをにより、押しボタンによる超音波発生装置の制御を繰り返し行うことを可能とした。
【0016】
また、請求項10記載の発明によれば、前記保持具に重量検知手段を設け、前記重量検知手段が前記吐水具の重量を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動が可能となることにより、保持具に吐水具が保持されていない状態での超音波発生装置の駆動を防止することを可能とした。
【0017】
また、請求項11記載の発明によれば、前記保持具あるいは振動子に温度検知手段を備え、前記温度検知手段が所定温度以上を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動を停止することにより、超音波発生装置の過熱を防ぐことを可能とした。
【0018】
また、請求項12記載の発明によれば、タイマーを設け、前記超音波振動子の駆動時間が所定時間に達した場合は駆動を停止することにより、超音波の照射時間を制御し、吸着剤の再生が終了したときには、超音波の駆動を停止することを可能とした。
【0019】
また、請求項13記載の発明によれば、前記タイマーにより、前記超音波発生装置の駆動開始時刻を制御することにより、超音波による吸着剤の再生を定期的に行うことを可能とした。
【0020】
また、請求項14記載の発明によれば、前記吐水具がシャワーヘッドであることにより、メンテナンスの頻度を少なく、小型且つ軽量なため、手で持つことが可能なシャワーヘッドで浄水の吐水を可能とした。温水の浄化も可能となった。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、浄水器において、超音波照射により浄水部の吸着剤に吸着した物質を分解することで吸着剤を再生するため、再生の効率が高く、浄水カートリッジの交換などのメンテナンスの頻度が軽減する効果がある。またそれにともなって、性能の低下したカートリッジの廃棄の頻度を減らす効果もある。超音波で再生することで、高温水を浄化する吸着剤の再生も可能である。またやけどなどの問題もないため、手で触れる場所への設置が可能となった。
さらに超音波発生装置を吐水具とは別体にすることで、吐水具は小型で且つ軽量となり、手で持ちながら浄水の吐水ができるという効果がある。また吐水具本体を介して超音波を照射することで、カートリッジの取出しなどの負荷を省け、且つ衛生的といった効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【実施例】
【0023】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る浄水器の構成を例示する模式図である。この図を用いて、浄水の吐水方法を説明する。
【0024】
図1において、給水ホース9は、図示していない水道水などの水の給水管に接続されている。給水ホース9を通って水が吐水具1に供給される。吐水具1には浄水部11が収容されている。吐水具1に供給された水は浄水部11を通って浄水された後、吐水口3を経て吐水される。吐水具1は手に持って使用することが可能な、浴室、洗面化粧台、キッチンなどで使用できるシャワーヘッドである。
【0025】
吐水具1の吐水口3が十分狭く、吐水具1の内部の水と空気が置換されない構造の場合、吐水具1へ水の供給を中断しても、吐水具1の内部の水は外部に流出することなく、吐水具1内に留まる。同様に、吐水具1への水の供給を中断しても、浄水部11にも水は保持されている。
一般的な水栓金具(蛇口)やシャワーヘッドは、このような構造をとっている。
【0026】
図2は、浄水部11の構造を例示する模式図である。
【0027】
図2において、浄水部11は、活性炭などの吸着剤12と、中空糸フィルタのようなフィルタ13を有する。吸着剤12とフィルタ13は一体のカートリッジでもよいし、別体でもよい。
吐水部1に供給された水は、吸着剤12によって、例えばトリハロメタンのような水道水中の有機物を吸着、除去され、さらにフィルタ13によって、鉄サビや雑菌などの固形分を捕捉、除去され、浄水される。吸着剤12、フィルタ13の配置関係は逆でもよいし、図2のような構成をとらなくてもよい。
【0028】
図3は、図1の保持具4に吐水具1が保持されたときの、図1のA−A面の断面図である。この図を用いて、吐水具1を保持具4に保持しているときの、保持方法を説明する。
【0029】
図3において、保持具4には超音波振動子5が接触している。超音波振動子5は超音波発振回路6とともに超音波発生装置7を形成している。超音波発生装置7には電源コード8が接続しており、図示していない電源につながっている。これにより、電源コード8を通じて超音波発振回路6にエネルギーが供給され、超音波発生装置7の駆動が可能となる。
保持具4は通常、使用者が保持動作を行うことができる位置、すなわち壁面10の表側に配置され、超音波発生装置7および電源コード8は壁面10の裏側に配置されているとよい。
吐水具1を手に持って使用しないときは、吐水具1を保持具4に保持しておく。保持具4は吐水具外枠2と面で接するように保持する。保持方法は、吐水具1の外枠2の構成を、吐水口3側を給水ホース9側よりも広くなるように傾斜しておき、傾斜を利用して、保持具4に引っ掛ける。また、吐水口3を突出させて、突出部を利用して保持具4に保持するなどでもよい。
【0030】
次に、図1と図3を用いて、浄水部11への超音波照射方法について説明する。
【0031】
吐水具1を保持具4に保持しているときに、自動、あるいは手動で、超音波発生装置7を駆動させ、超音波振動子5を振動させる。超音波振動子5の振動は保持具4に伝播される。保持具4に伝わった超音波の振動は、保持具4と面で接している吐水具外枠2に伝播される。吐水具外枠2に伝播された超音波の振動は、吐水具1内に留まっている水を介し、浄水部11に伝播される。すなわち、超音波発生装置7の駆動により、保持具4、吐水具外枠2、吐水具1内の水を介して、浄水部11に超音波が照射される。
浄水部11に照射された超音波は、浄水処理のために、吸着剤12に吸着した物質に作用し、物質を分解する。これにより、吸着剤12に吸着した物質が減少し、吸着剤を再生できる。
【0032】
超音波は気体中では減衰しやすいため、吐水具外枠2と保持具4が面で接さず、吐水具外枠2と保持具4の間に大きな空気層が存在すると、超音波振動子5の振動が効率よく吐水具外枠2に伝わらず、その結果、超音波振動子5の振動が浄水部11に伝わらなくなり、再生の効率が悪くなる。
【0033】
次に、超音波による物質の分解メカニズムを説明する。
水に超音波を照射すると、超音波の縦波により、水中の溶存気体に対して、正・負の圧力が繰り返しかかる。負の圧力で膨潤した溶存空気から気泡が生成し、次に正の圧力で気泡は圧縮される。この繰り返しにより、正の圧力がかかった気泡は、断熱圧縮され、気泡内は高温高圧となり、限界に達すると、押しつぶされて崩壊する。この気泡が崩壊するときの衝撃波をキャビテーションという。キャビテーションにより、水や溶存気体から、化学物質を強力に分解する活性種が生成する。
物質の分解には、気泡内部での熱分解、気泡と水の界面での熱分解、衝撃波による分解、水中でのキャビテーションによって生成した活性種による分解がある。
【0034】
図4は吐水具1を保持具4に保持したときの吐水具1、浄水部11、保持具4の位置関係を示す、図1のB−B面の断面図である。
【0035】
図4のように、保持具4は吐水具外枠2の浄水部を囲んでいる部分14の、少なくとも一部に接するように配置する。このように保持具4と浄水部11を配置することで、直進性の高い超音波振動子5からの振動が、効率よく浄水部11に届くため、効率よい再生が可能となる。
【0036】
また超音波によるキャビテーションにより、吸着剤12への吸着物の分解のみならず、超音波洗浄と同じメカニズムで、フィルタ13に捕捉された固形分の洗浄も可能である。
【0037】
吐水具外枠2、保持具4の素材は樹脂、ステンレスのような金属など、種々の素材で選択可能だが、吐水具1と保持具4の素材が異なると、超音波の縦波が吐水具外枠2と保持具4の接触面で反射しやすくなるので、吐水具外枠2の少なくとも保持具4と接触する部分は、保持具4と同じ素材で構成したほうがよく、これにより、反射による超音波の減衰を防げ、吸着物の分解の効率を高めることができる。
【0038】
図5は有機塩素化合物を超音波照射により分解したときの、分解の周波数依存性を表す図である。この図の横軸は周波数、縦軸は有機塩素化合物を分解したときに生成するClイオン濃度を示している。この図は有機塩素化合物2mmol/Lに対して超音波を照射したときの分解の周波数依存性を表しており、投入エネルギー、照射時間はいずれも同じである。
【0039】
図5から、200kHzより高い周波数で分解の効率が顕著に高くなることがわかる。一般的にも、キャビテーションの気泡の大きさは周波数が増大するに従って減少し、それに伴い気泡内温度も減少するが、気泡の数は周波数の増大とともに増加するため、超音波による化学作用は100〜600kHzが適していると言われている。
そこで本発明で照射する超音波の周波数は200kHz〜2MHz、より好ましくは200〜600kHzがよい。
200kHz〜2MHzの周波数は、人間はもちろん犬、猫のようなペットの可聴領域からも大きく外れているため、超音波を照射しても、音が聞こえることはなく、静かという効果もある。
【0040】
[第2の実施形態]
図6は第2の実施形態に係る浄水器において、保持具4と超音波振動子5の位置関係を例示する模式図である。
【0041】
本実施形態では、超音波振動子5を保持具4に内蔵している。これにより、超音波振動子5は、吐水具1および浄水部11と近くなり、浄水部11への超音波の伝播の効率が高くなる。このとき超音波振動子5以外の超音波発生装置7を保持具4の外側にして、超音波発生装置7を構成すれば、保持具4が大型化することが避けられる。
【0042】
[第3の実施形態]
図7と図8は、第3の実施形態に係る浄水器において、保持具4の構成を例示する模式図である。図7は保持具4に吐水具1を保持していない状態を示し、図8は保持具4に吐水具1を保持している状態を示している。
【0043】
本実施形態では、保持具4の吐水具外枠2と接触する面に、押しボタン15を設けている。この押しボタン15は、図8のように、保持具4に吐水具1を保持した場合に押され、吐水具1を保持具4から外すと、図7のような、押されていない状態に戻る付勢手段を備えている。
【0044】
押しボタン15は、保持具4に吐水具1が保持されていない状態において、超音波が照射されることを防ぐ目的で設置している。保持具4に吐水具1が保持されていない状態で超音波発生装置7が駆動すると、エネルギーの損失があり、また超音波振動子5が過熱する危険性もある。
次に押しボタン15と超音波発生装置7の駆動について説明する。
【0045】
押しボタン15は図示していない制御部と連動し、保持具4に吐水具1が保持されているか否かを検知する。すなわち、押しボタン15が押されていない状態では、保持具4に吐水具1が保持されていない状態を示し、押しボタン15が押されている状態では、保持具4に吐水具1が保持されている状態を示している。
超音波発生装置7の駆動を、押しボタン15が押されている状態、すなわち保持具4に吐水具1が保持されている状態でのみ、可能にするよう制御することで、保持具4に吐水具1が保持されていない状態での、超音波の照射を防ぐことができる。
【0046】
[第4の実施形態]
図9と図10は、第4の実施形態に係る浄水器において、重量検知手段を備えた保持具104の構成を例示する模式図である。図9は保持具104に吐水具1を保持していない状態を示し、図10は保持具104に吐水具1を保持している状態を示している。
【0047】
本実施形態では、壁面10と一部で固定され、壁面10に固定された面の対面は、上下に可動する保持具104を備えている。この保持具104は、図9のように吐水具1が保持されていない状態では、対面が上に傾斜しており、図10のように、吐水具1を保持すると、吐水具1の重さにより、対面が下がることで吐水具1の重量を検知する、重量検知手段を備えている。保持具104は、吐水具1を外すと、図9のような、重量を検知していない状態に戻る付勢手段を備えている。
【0048】
重量検知手段は、図示していない制御部と連動し、保持具104に吐水具1が保持されているか否かを判断する。超音波発生装置7の駆動を、吐水具1の重量を検知し、保持具104が下がっている状態、すなわち吐水具1が保持具104に保持されている状態でのみ可能にするよう制御することで、保持具104に吐水具1が保持されていない状態での、超音波の照射を防ぐことができる。
【0049】
[第5の実施形態]
図11と図12は、第5の実施形態に係る浄水器において、重量検知手段を備えた保持具204の構成を例示する模式図である。図11は保持具204に吐水具1を保持していない状態を示し、図12は保持具204に吐水具1を保持している状態を示している。
【0050】
本実施形態は、第4の実施形態と吐水具1の重量の検知方法、超音波発生装置7の制御の方法は同じだが、保持具204の動きが異なる。第4の実施形態では保持具104の一部は壁面10に固定されていたが、本実施形態では保持具204全体が動き、保持具204と壁面10の連結部にバネ材のような吐水具1の重量を検知する手段を設けることで、重量を検知し、超音波発生装置7の駆動を制御する。
【0051】
[第6の実施形態]
図13は第6の実施形態に係る浄水器の構成を例示する模式図である。本実施形態での浄水の吐水方法は、第1の実施形態と同じであるが、浄水部11に対する超音波の照射方法が異なる。この図を用いて、浄水部11に対する超音波の照射方法を説明する。
【0052】
図13において、水平面19に、吐水具1から吐水された水を貯水できる貯水容器16が設置されている。貯水容器16内部には、保持具4を設けている。貯水容器16の保持具4と接触する部分には、超音波振動子5が接続されている。貯水容器16は、保持具4に保持された吐水具1内の浄水部11の、少なくとも一部が浸る深さの溢れ面17を有する。また、浄水部11の少なくとも一部が浸るような水位を検知する水位検知手段18も設けている。水位検知手段18は図示していない制御部と連動している。
【0053】
吐水具1から水を吐水している状態で、貯水容器16内の保持具4に吐水具1を保持させる。あるいは保持具4に吐水具1を保持させてから、吐水具1から水を吐水する。この状態で吐水を続けると、貯水容器16内の水位が上昇し、水位検知手段18が、浄水部11の少なくとも一部が浸るような水位を検知する。これにより、制御部の信号を受けて、超音波発生装置7が駆動を開始し、超音波振動子5が振動する。
超音波振動子5の振動は、保持具4、貯水容器16内の水を介して吐水具外枠2に伝播される。吐水具外枠2に伝播された超音波の振動は、吐水具1内に留まっている水を介し、浄水部11に伝播される。すなわち、超音波発生装置7の駆動により、保持具4、貯水容器16内の水、吐水具外枠2、吐水具1内の水を介して、浄水部11に超音波が照射される。
水は、超音波の伝播効率が高いので、吐水具1を水に浸し、水を介して超音波を伝播させると、超音波照射の効率が高くなり、吸着物の分解が効率よく行われる。
【0054】
超音波照射中も吐水具1からの吐水は継続し、吐水された水の量が、貯水容器16の貯水量を超えると、貯水容器16の溢れ面17から溢れる。これにより、吸着剤に吸着し、超音波により分解された分解物が、浄水部11から外部に順次排出されるため、分解の効率が高まる。
【0055】
超音波照射中の吐水具1からの吐水は、1L/分程度の低流量で十分である。
【0056】
図13に示した水平面19は床面、壁に固定されているカウンター面、棚の上面、持ち運びの可能な板材などを表している。また、水が貯水できれば正確に水平でなくてもよい。
【0057】
本実施形態では、貯水容器16に水位検知手段18を設けて水位を検知することにより、超音波発生装置7の駆動を自動で開始したが、水位検知手段18を設けず、手動で超音波発生装置7を駆動させてもよい。
【0058】
[第7の実施形態]
図14は第7の実施形態に係る浄水器の構成を例示する模式図である。本実施形態での浄水の吐水方法、および超音波の照射方法は、第6の実施形態と同じである。この図を用いて、本実施形態と第6の実施形態の異なる点を説明する。
【0059】
図14において、貯水容器116は壁面10に設置されている。貯水容器116内部には保持具4と水位検知手段18が設けられている。超音波振動子5は保持具4の内部に設置されている。貯水容器116の溢れ面および、水位検知手段18で検知する水位は、保持された吐水具1内の浄水部11の少なくとも一部が浸るように設定されている。
【0060】
図14では、吐水具1の吐水口3側を下方にして保持具4に保持したが、位置関係を逆、すなわち、給水ホース9側を下方にしてもよい。
【0061】
第6、第7の実施形態においても、第3〜5の実施形態のように、保持具4に押しボタンや重量検知手段を設け、吐水具1が保持具4に保持されていない状態で、超音波発生装置7が駆動しないように制御してもよい。
【0062】
[第8の実施形態]
図15は、第8の実施形態に係る浄水器の構造を例示する模式図である。図16は、第8の実施形態に係る浄水器の再生の動作を例示するフローチャートである。これらの図を用いて、超音波発生装置7の動作について説明する。
本実施形態では、図示していないが制御部にタイマーを設けている。また超音波振動子5に温度検知手段20を備えている。保持具4の吐水具1との接触面には、保持具4に吐水具1が保持されているか否かを検知する押しボタン15が設けられている。
【0063】
ステップ101では、タイマーで、前回リセット時からの時間を測定する。測定した時間が所定時間に達しない場合、ステップ102が“No”となり、再生動作に移らず、通常の使用を続ける。ステップ101で測定した時間が所定時間を経過した場合、ステップ102で“Yes”となり、浄水部11の使用時間が再生を行うべき時刻に達しているとして、ステップ103に進む。
【0064】
ステップ103では、保持具4の押しボタン15で、吐水具1が設置されているか否かを検知する。押しボタン15が押されていない場合、すなわち保持具4に吐水具1が保持されていない場合は、ステップ104が“No”となり、通常の浄水の使用を続けることができる。押しボタン15が押された場合は、保持具4が吐水具1に保持されていることを意味し、この状態では超音波の照射を行っても問題ないため、ステップ104が“Yes”となり、ステップ105に進み、超音波発生装置7が駆動し、超音波が照射される。
【0065】
ステップ106では、タイマーで、超音波照射開始からの時間を測定する。またステップ108では、超音波振動子5に設置された温度検知手段20で温度を測定する。ステップ106で測定した時間が所定時間に達しない場合、ステップ107で“No”となり、ステップ108に進む。ステップ108で測定した温度が所定温度に達しない場合、ステップ109も“No”となり、超音波の照射を継続する。ステップ108で測定した温度が所定温度に達した場合は、ステップ109が“Yes”となる。またステップ106で測定した時間が所定時間に達した場合は、ステップ107が“Yes”となる。ステップ107あるいはステップ109が“Yes”になると、ステップ110に進み、超音波発生装置7の駆動を停止する。また同時にステップ111に進み、タイマーで測定していた前回リセット時からの時間および超音波照射時間をリセットする。
この一連の動作により、超音波による浄水部11の再生を自動で、定期的に行うことができる。
【0066】
ステップ101で測定する前回リセット時からの時間は、超音波照射の頻度を決定するものである。測定すべき前回リセット時からの時間(所定時間)は、浄水部11の使用状況に応じて、1日1回照射や1週間に1回照射と頻度決め、それに応じて設定するのがよいが、超音波の照射頻度が高いほうが、再生の効果は高い。しかし、照射の頻度を1日1回以上にすると、浄水を使用している時刻と超音波の照射時刻が重なる可能性があり、使い勝手が悪い。そこで、ステップ101で測定する時間を1日(24時間)、すなわち超音波照射の頻度は1日1回とし、超音波の照射は、浄水を使わない時刻、例えば夜間に行うよう、設定するとよい。
【0067】
ステップ106で測定すべき時間(所定時間)は、1回の再生処理で超音波を照射する時間である。これもステップ101と同様、浄水の使用状況や超音波の照射頻度に応じて設定するのがよいが、吸着剤12に吸着した物質の分解速度や超音波発生装置7の寿命などを考慮すると5〜20分に設定するのが効果的である。
【0068】
ステップ108で測定する温度検知手段20の温度(所定温度)は、吐水具1、保持具4および超音波発生装置7の過熱を防止するための温度であるため、構成部材の故障防止ややけど防止などを考慮して60℃程度に設定するとよい。
【0069】
[第9の実施形態]
図17は、第9の実施形態に係る浄水器の構造を例示する模式図である。図18は、第9の実施形態に係る浄水器の再生の動作を例示するフローチャートである。これらの図を用いて、超音波発生装置7の動作について説明する。
【0070】
本実施形態でも、第8の実施形態と同様、図示していないがタイマーを設けている。また保持具4に、吐水具1が保持されているか否かを検知する重量検知手段22と温度検知手段20を備えている。給水ホース9の途上には、図示していない制御部より、開閉の制御可能な開閉弁21が設置されている。
【0071】
ステップ201ではタイマーで、前回リセット時からの時間を測定する。測定した時間が所定時間に達しない場合、ステップ202が“No”となり、再生動作に移らず、通常の使用を継続する。ステップ201で測定した時間が所定時間を経過した場合、ステップ202で“Yes”となり、浄水部11の使用時間が、再生を行うべき時刻に達しているとして、ステップ203に進む。
【0072】
ステップ203では、保持具4の重量検知手段22で吐水具1が設置されているか否かを検知する。重量検知手段22が吐水具1の重量を検知してない場合、すなわち保持具4に吐水具1が保持されていない場合、ステップ204が“No”となり、通常の浄水の使用を続けることができる。重量検知手段22が吐水具1の重量を検知した場合は、保持具4が吐水具1に保持されていることを意味し、この状態では超音波の照射を行っても問題ないため、ステップ204が“Yes”となり、ステップ205に進み、制御部の信号を受けて開閉弁21が開き、吐水具1から吐水された水が、貯水容器16に貯水される。
【0073】
ステップ206では、貯水容器16内の水位検知手段18により、水位を測定する。吐水具1から吐水された水が貯水容器16に貯水され、水位が所定水位に達した場合、ステップ207が“Yes”となり、ステップ208に進み、超音波発生装置7が駆動し、超音波が照射される。超音波照射中も、開閉弁21は開いたままであり、吐水は継続され、貯水容器16の貯水量を超えた水は、貯水容器16の溢れ面17から溢れる。
【0074】
ステップ209では、タイマーで、超音波照射開始からの時間を測定する。またステップ211では、保持具4に設置された温度検知手段20で温度を測定する。ステップ209で測定した時間が所定時間に達しない場合、ステップ210で“No”となり、ステップ211に進む。ステップ211で測定した温度が所定温度に達しない場合、ステップ212も“No”となり、超音波の照射を続ける。ステップ211で測定した温度が所定温度に達した場合は、ステップ212が“Yes”となる。またステップ209で測定した時間が所定時間に達した場合は、ステップ210が“Yes”となる。ステップ210あるいはステップ212が“Yes”になると、ステップ213、ステップ214に進み、超音波発生装置7の駆動を停止し、開閉弁21を閉じる。また同時にステップ215に進み、タイマーで測定していた前回リセット時からの時間および超音波照射時間をリセットする。
この一連の動作により、超音波による浄水部11の再生と吐水具1からの吐水を自動で、定期的に行うことができる。
【0075】
通常使用で吐水具1から浄水を吐水する場合、以外の開閉弁21の動作は、タイマーで測定する時間が超音波照射開始時刻に達し、保持具4に吐水具1が保持され、且つ水位検知手段18が所定水位を検知していない場合と、水位検知手段が所定水位を検知し、且つ超音波発生装置7が駆動している場合のみ、開状態となり、それ以外は閉状態である。
通常使用で吐水具1から浄水を吐水する場合は、開閉弁21の開閉で吐水を行うか、別途開閉弁を設けて、吐水と止水を行うのがよいが、別途開閉弁を設けるときは、開閉弁21も複数の開閉弁を組み合わせて、開状態と閉状態を作る必要がある。
【0076】
第9の実施形態では、ステップ213とステップ214、すなわち超音波発生装置7の駆動の停止と開閉弁21を閉める動作を同時に行ったが、これはこの限りでなく、両者は同時に行わなくてもよい。例えば、超音波発生装置7の駆動中、開閉弁21は開状態と閉状態を繰り返すことで、吐水を間欠的に行うことができ、超音波照射中の吐水を節水する効果を得られたり、また、超音波発生装置7の停止後も開閉弁21の開状態を継続することで、浄水部11に対するリンスの効果が得られたりもする。
【0077】
第9の実施形態では、開閉弁21を給水ホース9の途上に設けたが、開閉弁21の配置はこの限りでなく、給水ホース9の上流や、吐水具1に設けてもよい。
【0078】
第8と第9の実施形態では、タイマーを使って超音波発生装置7の駆動を制御したが、タイマーの代わりに時計を備え、時計を用いて超音波の照射開始時刻や照射終了時刻を設定し、超音波発生装置7の駆動を制御してもよい。
【0079】
第1〜9の実施形態では、吐水具1をシャワーヘッドとして説明したが、吐水具1は手で持つことの可能な吐水具であればシャワーヘッドに限らず、吐水形態が、一般的な水栓金具(蛇口)からの吐水やスプレー吐水、霧状の吐水となる吐水具でもよい。また、冷水を吐水する吐水具でも、温水を吐水する吐水具でもよい。
【0080】
本発明では、浄水部を超音波照射することで、吸着剤に吸着している物質を分解し、吸着剤を再生することができるため、メンテナンスの頻度とカートリッジの廃棄の少ない浄水器とすることができた。また、超音波発生装置を吐水具と別体にして、保持具に超音波発生装置を設置する構成により、吐水具は手で持つことが可能な、軽量、小型化を実現し、さらに再生を行うときには、吐水具を保持具に保持するだけという、手軽さも兼ね備えた。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の浄水器の浄水部を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る浄水器の吐水具と保持具の構成を示す図1のA−A面の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る浄水器の保持具と浄水部の位置関係を示す図1のB−B面の断面図である。
【図5】有機塩素化合物の超音波照射による分解の周波数依存性を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る浄水器の保持具と超音波振動子の位置関係を示す模式図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る浄水器の保持部の構成を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る浄水器の吐水具と保持部との構成を示す模式図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る浄水器の保持具の構成を示す模式図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る浄水器の吐水具と保持具の構成を示す模式図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る浄水器の保持具の構成を示す模式図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る浄水器の吐水具と保持具の構成を示す模式図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図14】本発明の第7の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図15】本発明の第8の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図16】本発明の第8の実施形態に係る浄水器の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第9の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図18】本発明の第9の実施形態に係る浄水器の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1…吐水具
2…吐水具外枠
3…吐水口
4…保持具
5…超音波振動子
6…超音波発振回路
7…超音波発生装置
8…電源コード
9…給水ホース
10…壁面
11…浄水部
12…吸着剤
13…フィルタ
14…吐水具外枠2の浄水部を囲んでいる部分
15…押しボタン
16…貯水容器
17…貯水容器の溢れ面
18…水位検知手段
19…水平面
20…温度検知手段
21…開閉弁
22…重量検知手段
104…重量検知手段を備えた保持具
204…重量検知手段を備えた保持具
116…貯水容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器に係り、特に性能の低下した吸着剤の再生が可能なため、カートリッジの交換などのメンテナンスの負荷を減らせ、性能の低下したカートリッジの廃棄も抑制でき、且つ小型で軽量なため、手で持って使用することが可能な浄水器に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
水道水を活性炭などの吸着剤と接触させることで、発ガン性物質であるトリハロメタンや異臭味物質である2−メチルイソボルネオールやジオスミンなどのような、水道水中に含まれている不純物を吸着除去する浄水器が市販されている。しかし吸着剤は、経時使用により除去性能が低下するため、カートリッジを交換する必要がある。交換したカートリッジは廃棄処理することが多い。
吸着剤を再生処理することでカートリッジの交換頻度を減らす再生型の浄水器もある。
【0003】
従来の再生型の浄水器は、高温では吸着剤に吸着する量が少ないことを利用して、装置内にヒータなどの熱源を組み込んで、定期的に吸着剤を加熱処理し、吸着物を脱着させることで、吸着剤を再生している(例えば、特許文献1参照。)。
しかしこのような場合、熱の損失を少なくして再生の効率を上げるためや、やけど防止のために断熱構造をとる必要があり、装置が大型化するといった問題、熱源を浄水器本体に取り付けるため電源が必要であり、浄水器付近に電気配線が必要になるため、蛇口付近に取り付けたり、手に持って使用する浄水器には不向きといった問題があった。またこのような浄水器では、吸着剤を100℃以上に加熱して再生処理を行うが、吸着剤のみならず、浄水器に含まれている水も、100℃に加熱しなければならず、この熱エネルギーは再生には関与しないため、エネルギー的に無駄が多いこと、水を含んだ吸着剤は100℃までしか達しないため、その温度では脱着しない物質には再生の効果がないといった問題もあった。さらに高温水を浄化する浄水器では、浄水時と再生時の温度差が小さいため、再生の効率が悪いといった問題もあった。
【0004】
また、超音波によって吸着剤に吸着した物質を分解することにより、再生処理を行う浄水器もある(例えば、特許文献2〜4参照。)。
しかし、この場合も浄水器に超音波発生装置を付属するため、装置が大型化、重量化するため、狭い空間への設置や手に持っての使用は不可能という問題があった。
【0005】
また、浄水器からカートリッジを取り外し、カートリッジのみを超音波洗浄することで浄水部の再生を行う、洗浄装置もある(例えば、特許文献5)。
しかしこのような場合、人の手を介してカートリッジを再生するので、使用者に負荷がかかり、また再生することを忘れて使用を継続するといった問題があった。さらに手で触ったカートリッジを再度使用するため、不衛生といった問題があった。
【特許文献1】特開平6−246260号公報
【特許文献2】実開昭52−158745号公報
【特許文献3】実開昭59−123594号公報
【特許文献4】特開2001−70762号公報
【特許文献5】特許第3277066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、小型で且つメンテナンスの頻度の低い、超音波による再生型の浄水器である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、給水ホースの先端に取り付けられ、水を吐水するための吐水口を有する吐水具と、前記吐水具内の前記吐水口より上流に収容され、前記給水ホースから前記吐水具内に供給された水を浄化するための吸着剤を有する浄水部と、前記吐水具を着脱可能に保持するための保持具と、超音波振動子を有する超音波発生装置と、少なくとも前記吐水具の外枠と前記保持具が接触する部分に前記超音波発生装置から発生する超音波が伝播されるように前記超音波振動子が保持具に内蔵、あるいは接触して配置され、前記浄水部が水に浸った状態で超音波発生装置を駆動することにより、前記保持具および前記吐水具の外枠内方と前記浄水部の間に介在する水を介して前記浄水部に超音波を照射可能とすることにより、吸着剤に吸着した物質を超音波で分解するため、吸着剤を効率よく再生し、メンテナンスの頻度を減らせ、また性能が低下した吸着剤の廃棄頻度を少なくした浄水器であり、且つ吐水具と超音波発生装置を別体にすることで、吐水具は小型で軽量なため、手で持って使用することも可能な浄水器を可能とした。
【0008】
また、請求項2記載の発明によれば、給水ホースの先端に取り付けられ、水を吐水するための吐水口を有する吐水具と、前記吐水具内の前記吐水口より上流に収容され、前記給水ホースから前記吐水具内に供給された水を浄化するための吸着剤を有する浄水部と、貯水可能な貯水容器と、前記貯水容器に取り付けられ、前記吐水具を着脱可能に保持するための保持具と超音波振動子を有する超音波発生装置と、を備えた浄水器であって、少なくとも前記吐水具の外枠と前記保持具が接触する部分に前記超音波発生装置から発生する超音波が伝播されるように前記超音波振動子が保持具に内蔵、あるいは接触して配置され、前記保持具は、前記吐水具から吐水された水が前記貯水容器に貯水され、且つ前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が前記貯水容器の溢れ面より下方に保持するように配置されており、前記吐水具から水が吐水されている状態で超音波発生装置を駆動することにより、前記貯水容器内に貯水された水を介して前記浄水部に超音波を照射可能としたことにより、吐水具と超音波発生装置の間を超音波の伝播効率の高い水で満たすことを可能とした。また吐水しながら超音波による再生を行うことで、超音波による分解生成物が吸着剤から効率よく離れるため、超音波による分解を促進することを可能とした。
【0009】
また、請求項3記載の発明によれば、前記貯水容器に水位検知手段を設け、前記水位検知手段は、貯水容器内に貯水された水の水位が前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が浸る状態を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動が可能となることにより、貯水容器に水が貯水されていない状態での超音波発生装置の駆動を防止することと、超音波発生装置の駆動の自動化を可能とした。
【0010】
また、請求項4記載の発明によれば、前記吐水具あるいは前記吐水具の上流に、前記吐水具からの吐水と止水を切り替え可能な開閉弁を備え、前記開閉弁は前記水位検知手段と前記超音波発生装置の駆動と連動しており、前記水位検知手段が前記貯水容器内に貯水された水の水位が前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が浸る状態を検知していない場合と前記超音波発生装置を駆動した場合に前記開閉弁を開にするように制御することにより、吐水と超音波発生装置の駆動の連動を可能とした。
【0011】
また、請求項5記載の発明によれば、前記吐水具外枠の少なくとも前記保持具と接触する部分は、前記保持具と同一の素材で形成されていることにより、超音波の反射による減衰を抑制し、効率よい超音波の伝播を可能とした。
【0012】
また、請求項6記載の発明によれば、前記保持具は、前記吐水具外枠の前記浄水部を囲んでいる部分と、少なくとも一部が接するように配置されていることにより、直進性の高い超音波の吸着剤に対する効率よい照射を可能とした。
【0013】
また、請求項7記載の発明によれば、前記超音波発生装置から発生する超音波の周波数が200kHz〜2MHzであることにより、吸着剤に吸着した物質の分解効率が高く、且つ人間はもちろん、犬、猫のような動物(ペット)にも静かな超音波の照射を可能とした。
【0014】
また、請求項8記載の発明によれば、前記保持具の前記吐水具外枠と接触する部分に押しボタンを備え、前記押しボタンが押されている状態でのみ前記超音波発生装置の駆動が可能となることにより、保持具に吐水具が保持されていない状態での超音波発生装置の駆動を防止することを可能とした。
【0015】
また、請求項9記載の発明によれば、前記押しボタンは、外力が加わっていない状態では、押しボタンが押されていない状態にするための付勢手段を備えたことをにより、押しボタンによる超音波発生装置の制御を繰り返し行うことを可能とした。
【0016】
また、請求項10記載の発明によれば、前記保持具に重量検知手段を設け、前記重量検知手段が前記吐水具の重量を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動が可能となることにより、保持具に吐水具が保持されていない状態での超音波発生装置の駆動を防止することを可能とした。
【0017】
また、請求項11記載の発明によれば、前記保持具あるいは振動子に温度検知手段を備え、前記温度検知手段が所定温度以上を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動を停止することにより、超音波発生装置の過熱を防ぐことを可能とした。
【0018】
また、請求項12記載の発明によれば、タイマーを設け、前記超音波振動子の駆動時間が所定時間に達した場合は駆動を停止することにより、超音波の照射時間を制御し、吸着剤の再生が終了したときには、超音波の駆動を停止することを可能とした。
【0019】
また、請求項13記載の発明によれば、前記タイマーにより、前記超音波発生装置の駆動開始時刻を制御することにより、超音波による吸着剤の再生を定期的に行うことを可能とした。
【0020】
また、請求項14記載の発明によれば、前記吐水具がシャワーヘッドであることにより、メンテナンスの頻度を少なく、小型且つ軽量なため、手で持つことが可能なシャワーヘッドで浄水の吐水を可能とした。温水の浄化も可能となった。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、浄水器において、超音波照射により浄水部の吸着剤に吸着した物質を分解することで吸着剤を再生するため、再生の効率が高く、浄水カートリッジの交換などのメンテナンスの頻度が軽減する効果がある。またそれにともなって、性能の低下したカートリッジの廃棄の頻度を減らす効果もある。超音波で再生することで、高温水を浄化する吸着剤の再生も可能である。またやけどなどの問題もないため、手で触れる場所への設置が可能となった。
さらに超音波発生装置を吐水具とは別体にすることで、吐水具は小型で且つ軽量となり、手で持ちながら浄水の吐水ができるという効果がある。また吐水具本体を介して超音波を照射することで、カートリッジの取出しなどの負荷を省け、且つ衛生的といった効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【実施例】
【0023】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る浄水器の構成を例示する模式図である。この図を用いて、浄水の吐水方法を説明する。
【0024】
図1において、給水ホース9は、図示していない水道水などの水の給水管に接続されている。給水ホース9を通って水が吐水具1に供給される。吐水具1には浄水部11が収容されている。吐水具1に供給された水は浄水部11を通って浄水された後、吐水口3を経て吐水される。吐水具1は手に持って使用することが可能な、浴室、洗面化粧台、キッチンなどで使用できるシャワーヘッドである。
【0025】
吐水具1の吐水口3が十分狭く、吐水具1の内部の水と空気が置換されない構造の場合、吐水具1へ水の供給を中断しても、吐水具1の内部の水は外部に流出することなく、吐水具1内に留まる。同様に、吐水具1への水の供給を中断しても、浄水部11にも水は保持されている。
一般的な水栓金具(蛇口)やシャワーヘッドは、このような構造をとっている。
【0026】
図2は、浄水部11の構造を例示する模式図である。
【0027】
図2において、浄水部11は、活性炭などの吸着剤12と、中空糸フィルタのようなフィルタ13を有する。吸着剤12とフィルタ13は一体のカートリッジでもよいし、別体でもよい。
吐水部1に供給された水は、吸着剤12によって、例えばトリハロメタンのような水道水中の有機物を吸着、除去され、さらにフィルタ13によって、鉄サビや雑菌などの固形分を捕捉、除去され、浄水される。吸着剤12、フィルタ13の配置関係は逆でもよいし、図2のような構成をとらなくてもよい。
【0028】
図3は、図1の保持具4に吐水具1が保持されたときの、図1のA−A面の断面図である。この図を用いて、吐水具1を保持具4に保持しているときの、保持方法を説明する。
【0029】
図3において、保持具4には超音波振動子5が接触している。超音波振動子5は超音波発振回路6とともに超音波発生装置7を形成している。超音波発生装置7には電源コード8が接続しており、図示していない電源につながっている。これにより、電源コード8を通じて超音波発振回路6にエネルギーが供給され、超音波発生装置7の駆動が可能となる。
保持具4は通常、使用者が保持動作を行うことができる位置、すなわち壁面10の表側に配置され、超音波発生装置7および電源コード8は壁面10の裏側に配置されているとよい。
吐水具1を手に持って使用しないときは、吐水具1を保持具4に保持しておく。保持具4は吐水具外枠2と面で接するように保持する。保持方法は、吐水具1の外枠2の構成を、吐水口3側を給水ホース9側よりも広くなるように傾斜しておき、傾斜を利用して、保持具4に引っ掛ける。また、吐水口3を突出させて、突出部を利用して保持具4に保持するなどでもよい。
【0030】
次に、図1と図3を用いて、浄水部11への超音波照射方法について説明する。
【0031】
吐水具1を保持具4に保持しているときに、自動、あるいは手動で、超音波発生装置7を駆動させ、超音波振動子5を振動させる。超音波振動子5の振動は保持具4に伝播される。保持具4に伝わった超音波の振動は、保持具4と面で接している吐水具外枠2に伝播される。吐水具外枠2に伝播された超音波の振動は、吐水具1内に留まっている水を介し、浄水部11に伝播される。すなわち、超音波発生装置7の駆動により、保持具4、吐水具外枠2、吐水具1内の水を介して、浄水部11に超音波が照射される。
浄水部11に照射された超音波は、浄水処理のために、吸着剤12に吸着した物質に作用し、物質を分解する。これにより、吸着剤12に吸着した物質が減少し、吸着剤を再生できる。
【0032】
超音波は気体中では減衰しやすいため、吐水具外枠2と保持具4が面で接さず、吐水具外枠2と保持具4の間に大きな空気層が存在すると、超音波振動子5の振動が効率よく吐水具外枠2に伝わらず、その結果、超音波振動子5の振動が浄水部11に伝わらなくなり、再生の効率が悪くなる。
【0033】
次に、超音波による物質の分解メカニズムを説明する。
水に超音波を照射すると、超音波の縦波により、水中の溶存気体に対して、正・負の圧力が繰り返しかかる。負の圧力で膨潤した溶存空気から気泡が生成し、次に正の圧力で気泡は圧縮される。この繰り返しにより、正の圧力がかかった気泡は、断熱圧縮され、気泡内は高温高圧となり、限界に達すると、押しつぶされて崩壊する。この気泡が崩壊するときの衝撃波をキャビテーションという。キャビテーションにより、水や溶存気体から、化学物質を強力に分解する活性種が生成する。
物質の分解には、気泡内部での熱分解、気泡と水の界面での熱分解、衝撃波による分解、水中でのキャビテーションによって生成した活性種による分解がある。
【0034】
図4は吐水具1を保持具4に保持したときの吐水具1、浄水部11、保持具4の位置関係を示す、図1のB−B面の断面図である。
【0035】
図4のように、保持具4は吐水具外枠2の浄水部を囲んでいる部分14の、少なくとも一部に接するように配置する。このように保持具4と浄水部11を配置することで、直進性の高い超音波振動子5からの振動が、効率よく浄水部11に届くため、効率よい再生が可能となる。
【0036】
また超音波によるキャビテーションにより、吸着剤12への吸着物の分解のみならず、超音波洗浄と同じメカニズムで、フィルタ13に捕捉された固形分の洗浄も可能である。
【0037】
吐水具外枠2、保持具4の素材は樹脂、ステンレスのような金属など、種々の素材で選択可能だが、吐水具1と保持具4の素材が異なると、超音波の縦波が吐水具外枠2と保持具4の接触面で反射しやすくなるので、吐水具外枠2の少なくとも保持具4と接触する部分は、保持具4と同じ素材で構成したほうがよく、これにより、反射による超音波の減衰を防げ、吸着物の分解の効率を高めることができる。
【0038】
図5は有機塩素化合物を超音波照射により分解したときの、分解の周波数依存性を表す図である。この図の横軸は周波数、縦軸は有機塩素化合物を分解したときに生成するClイオン濃度を示している。この図は有機塩素化合物2mmol/Lに対して超音波を照射したときの分解の周波数依存性を表しており、投入エネルギー、照射時間はいずれも同じである。
【0039】
図5から、200kHzより高い周波数で分解の効率が顕著に高くなることがわかる。一般的にも、キャビテーションの気泡の大きさは周波数が増大するに従って減少し、それに伴い気泡内温度も減少するが、気泡の数は周波数の増大とともに増加するため、超音波による化学作用は100〜600kHzが適していると言われている。
そこで本発明で照射する超音波の周波数は200kHz〜2MHz、より好ましくは200〜600kHzがよい。
200kHz〜2MHzの周波数は、人間はもちろん犬、猫のようなペットの可聴領域からも大きく外れているため、超音波を照射しても、音が聞こえることはなく、静かという効果もある。
【0040】
[第2の実施形態]
図6は第2の実施形態に係る浄水器において、保持具4と超音波振動子5の位置関係を例示する模式図である。
【0041】
本実施形態では、超音波振動子5を保持具4に内蔵している。これにより、超音波振動子5は、吐水具1および浄水部11と近くなり、浄水部11への超音波の伝播の効率が高くなる。このとき超音波振動子5以外の超音波発生装置7を保持具4の外側にして、超音波発生装置7を構成すれば、保持具4が大型化することが避けられる。
【0042】
[第3の実施形態]
図7と図8は、第3の実施形態に係る浄水器において、保持具4の構成を例示する模式図である。図7は保持具4に吐水具1を保持していない状態を示し、図8は保持具4に吐水具1を保持している状態を示している。
【0043】
本実施形態では、保持具4の吐水具外枠2と接触する面に、押しボタン15を設けている。この押しボタン15は、図8のように、保持具4に吐水具1を保持した場合に押され、吐水具1を保持具4から外すと、図7のような、押されていない状態に戻る付勢手段を備えている。
【0044】
押しボタン15は、保持具4に吐水具1が保持されていない状態において、超音波が照射されることを防ぐ目的で設置している。保持具4に吐水具1が保持されていない状態で超音波発生装置7が駆動すると、エネルギーの損失があり、また超音波振動子5が過熱する危険性もある。
次に押しボタン15と超音波発生装置7の駆動について説明する。
【0045】
押しボタン15は図示していない制御部と連動し、保持具4に吐水具1が保持されているか否かを検知する。すなわち、押しボタン15が押されていない状態では、保持具4に吐水具1が保持されていない状態を示し、押しボタン15が押されている状態では、保持具4に吐水具1が保持されている状態を示している。
超音波発生装置7の駆動を、押しボタン15が押されている状態、すなわち保持具4に吐水具1が保持されている状態でのみ、可能にするよう制御することで、保持具4に吐水具1が保持されていない状態での、超音波の照射を防ぐことができる。
【0046】
[第4の実施形態]
図9と図10は、第4の実施形態に係る浄水器において、重量検知手段を備えた保持具104の構成を例示する模式図である。図9は保持具104に吐水具1を保持していない状態を示し、図10は保持具104に吐水具1を保持している状態を示している。
【0047】
本実施形態では、壁面10と一部で固定され、壁面10に固定された面の対面は、上下に可動する保持具104を備えている。この保持具104は、図9のように吐水具1が保持されていない状態では、対面が上に傾斜しており、図10のように、吐水具1を保持すると、吐水具1の重さにより、対面が下がることで吐水具1の重量を検知する、重量検知手段を備えている。保持具104は、吐水具1を外すと、図9のような、重量を検知していない状態に戻る付勢手段を備えている。
【0048】
重量検知手段は、図示していない制御部と連動し、保持具104に吐水具1が保持されているか否かを判断する。超音波発生装置7の駆動を、吐水具1の重量を検知し、保持具104が下がっている状態、すなわち吐水具1が保持具104に保持されている状態でのみ可能にするよう制御することで、保持具104に吐水具1が保持されていない状態での、超音波の照射を防ぐことができる。
【0049】
[第5の実施形態]
図11と図12は、第5の実施形態に係る浄水器において、重量検知手段を備えた保持具204の構成を例示する模式図である。図11は保持具204に吐水具1を保持していない状態を示し、図12は保持具204に吐水具1を保持している状態を示している。
【0050】
本実施形態は、第4の実施形態と吐水具1の重量の検知方法、超音波発生装置7の制御の方法は同じだが、保持具204の動きが異なる。第4の実施形態では保持具104の一部は壁面10に固定されていたが、本実施形態では保持具204全体が動き、保持具204と壁面10の連結部にバネ材のような吐水具1の重量を検知する手段を設けることで、重量を検知し、超音波発生装置7の駆動を制御する。
【0051】
[第6の実施形態]
図13は第6の実施形態に係る浄水器の構成を例示する模式図である。本実施形態での浄水の吐水方法は、第1の実施形態と同じであるが、浄水部11に対する超音波の照射方法が異なる。この図を用いて、浄水部11に対する超音波の照射方法を説明する。
【0052】
図13において、水平面19に、吐水具1から吐水された水を貯水できる貯水容器16が設置されている。貯水容器16内部には、保持具4を設けている。貯水容器16の保持具4と接触する部分には、超音波振動子5が接続されている。貯水容器16は、保持具4に保持された吐水具1内の浄水部11の、少なくとも一部が浸る深さの溢れ面17を有する。また、浄水部11の少なくとも一部が浸るような水位を検知する水位検知手段18も設けている。水位検知手段18は図示していない制御部と連動している。
【0053】
吐水具1から水を吐水している状態で、貯水容器16内の保持具4に吐水具1を保持させる。あるいは保持具4に吐水具1を保持させてから、吐水具1から水を吐水する。この状態で吐水を続けると、貯水容器16内の水位が上昇し、水位検知手段18が、浄水部11の少なくとも一部が浸るような水位を検知する。これにより、制御部の信号を受けて、超音波発生装置7が駆動を開始し、超音波振動子5が振動する。
超音波振動子5の振動は、保持具4、貯水容器16内の水を介して吐水具外枠2に伝播される。吐水具外枠2に伝播された超音波の振動は、吐水具1内に留まっている水を介し、浄水部11に伝播される。すなわち、超音波発生装置7の駆動により、保持具4、貯水容器16内の水、吐水具外枠2、吐水具1内の水を介して、浄水部11に超音波が照射される。
水は、超音波の伝播効率が高いので、吐水具1を水に浸し、水を介して超音波を伝播させると、超音波照射の効率が高くなり、吸着物の分解が効率よく行われる。
【0054】
超音波照射中も吐水具1からの吐水は継続し、吐水された水の量が、貯水容器16の貯水量を超えると、貯水容器16の溢れ面17から溢れる。これにより、吸着剤に吸着し、超音波により分解された分解物が、浄水部11から外部に順次排出されるため、分解の効率が高まる。
【0055】
超音波照射中の吐水具1からの吐水は、1L/分程度の低流量で十分である。
【0056】
図13に示した水平面19は床面、壁に固定されているカウンター面、棚の上面、持ち運びの可能な板材などを表している。また、水が貯水できれば正確に水平でなくてもよい。
【0057】
本実施形態では、貯水容器16に水位検知手段18を設けて水位を検知することにより、超音波発生装置7の駆動を自動で開始したが、水位検知手段18を設けず、手動で超音波発生装置7を駆動させてもよい。
【0058】
[第7の実施形態]
図14は第7の実施形態に係る浄水器の構成を例示する模式図である。本実施形態での浄水の吐水方法、および超音波の照射方法は、第6の実施形態と同じである。この図を用いて、本実施形態と第6の実施形態の異なる点を説明する。
【0059】
図14において、貯水容器116は壁面10に設置されている。貯水容器116内部には保持具4と水位検知手段18が設けられている。超音波振動子5は保持具4の内部に設置されている。貯水容器116の溢れ面および、水位検知手段18で検知する水位は、保持された吐水具1内の浄水部11の少なくとも一部が浸るように設定されている。
【0060】
図14では、吐水具1の吐水口3側を下方にして保持具4に保持したが、位置関係を逆、すなわち、給水ホース9側を下方にしてもよい。
【0061】
第6、第7の実施形態においても、第3〜5の実施形態のように、保持具4に押しボタンや重量検知手段を設け、吐水具1が保持具4に保持されていない状態で、超音波発生装置7が駆動しないように制御してもよい。
【0062】
[第8の実施形態]
図15は、第8の実施形態に係る浄水器の構造を例示する模式図である。図16は、第8の実施形態に係る浄水器の再生の動作を例示するフローチャートである。これらの図を用いて、超音波発生装置7の動作について説明する。
本実施形態では、図示していないが制御部にタイマーを設けている。また超音波振動子5に温度検知手段20を備えている。保持具4の吐水具1との接触面には、保持具4に吐水具1が保持されているか否かを検知する押しボタン15が設けられている。
【0063】
ステップ101では、タイマーで、前回リセット時からの時間を測定する。測定した時間が所定時間に達しない場合、ステップ102が“No”となり、再生動作に移らず、通常の使用を続ける。ステップ101で測定した時間が所定時間を経過した場合、ステップ102で“Yes”となり、浄水部11の使用時間が再生を行うべき時刻に達しているとして、ステップ103に進む。
【0064】
ステップ103では、保持具4の押しボタン15で、吐水具1が設置されているか否かを検知する。押しボタン15が押されていない場合、すなわち保持具4に吐水具1が保持されていない場合は、ステップ104が“No”となり、通常の浄水の使用を続けることができる。押しボタン15が押された場合は、保持具4が吐水具1に保持されていることを意味し、この状態では超音波の照射を行っても問題ないため、ステップ104が“Yes”となり、ステップ105に進み、超音波発生装置7が駆動し、超音波が照射される。
【0065】
ステップ106では、タイマーで、超音波照射開始からの時間を測定する。またステップ108では、超音波振動子5に設置された温度検知手段20で温度を測定する。ステップ106で測定した時間が所定時間に達しない場合、ステップ107で“No”となり、ステップ108に進む。ステップ108で測定した温度が所定温度に達しない場合、ステップ109も“No”となり、超音波の照射を継続する。ステップ108で測定した温度が所定温度に達した場合は、ステップ109が“Yes”となる。またステップ106で測定した時間が所定時間に達した場合は、ステップ107が“Yes”となる。ステップ107あるいはステップ109が“Yes”になると、ステップ110に進み、超音波発生装置7の駆動を停止する。また同時にステップ111に進み、タイマーで測定していた前回リセット時からの時間および超音波照射時間をリセットする。
この一連の動作により、超音波による浄水部11の再生を自動で、定期的に行うことができる。
【0066】
ステップ101で測定する前回リセット時からの時間は、超音波照射の頻度を決定するものである。測定すべき前回リセット時からの時間(所定時間)は、浄水部11の使用状況に応じて、1日1回照射や1週間に1回照射と頻度決め、それに応じて設定するのがよいが、超音波の照射頻度が高いほうが、再生の効果は高い。しかし、照射の頻度を1日1回以上にすると、浄水を使用している時刻と超音波の照射時刻が重なる可能性があり、使い勝手が悪い。そこで、ステップ101で測定する時間を1日(24時間)、すなわち超音波照射の頻度は1日1回とし、超音波の照射は、浄水を使わない時刻、例えば夜間に行うよう、設定するとよい。
【0067】
ステップ106で測定すべき時間(所定時間)は、1回の再生処理で超音波を照射する時間である。これもステップ101と同様、浄水の使用状況や超音波の照射頻度に応じて設定するのがよいが、吸着剤12に吸着した物質の分解速度や超音波発生装置7の寿命などを考慮すると5〜20分に設定するのが効果的である。
【0068】
ステップ108で測定する温度検知手段20の温度(所定温度)は、吐水具1、保持具4および超音波発生装置7の過熱を防止するための温度であるため、構成部材の故障防止ややけど防止などを考慮して60℃程度に設定するとよい。
【0069】
[第9の実施形態]
図17は、第9の実施形態に係る浄水器の構造を例示する模式図である。図18は、第9の実施形態に係る浄水器の再生の動作を例示するフローチャートである。これらの図を用いて、超音波発生装置7の動作について説明する。
【0070】
本実施形態でも、第8の実施形態と同様、図示していないがタイマーを設けている。また保持具4に、吐水具1が保持されているか否かを検知する重量検知手段22と温度検知手段20を備えている。給水ホース9の途上には、図示していない制御部より、開閉の制御可能な開閉弁21が設置されている。
【0071】
ステップ201ではタイマーで、前回リセット時からの時間を測定する。測定した時間が所定時間に達しない場合、ステップ202が“No”となり、再生動作に移らず、通常の使用を継続する。ステップ201で測定した時間が所定時間を経過した場合、ステップ202で“Yes”となり、浄水部11の使用時間が、再生を行うべき時刻に達しているとして、ステップ203に進む。
【0072】
ステップ203では、保持具4の重量検知手段22で吐水具1が設置されているか否かを検知する。重量検知手段22が吐水具1の重量を検知してない場合、すなわち保持具4に吐水具1が保持されていない場合、ステップ204が“No”となり、通常の浄水の使用を続けることができる。重量検知手段22が吐水具1の重量を検知した場合は、保持具4が吐水具1に保持されていることを意味し、この状態では超音波の照射を行っても問題ないため、ステップ204が“Yes”となり、ステップ205に進み、制御部の信号を受けて開閉弁21が開き、吐水具1から吐水された水が、貯水容器16に貯水される。
【0073】
ステップ206では、貯水容器16内の水位検知手段18により、水位を測定する。吐水具1から吐水された水が貯水容器16に貯水され、水位が所定水位に達した場合、ステップ207が“Yes”となり、ステップ208に進み、超音波発生装置7が駆動し、超音波が照射される。超音波照射中も、開閉弁21は開いたままであり、吐水は継続され、貯水容器16の貯水量を超えた水は、貯水容器16の溢れ面17から溢れる。
【0074】
ステップ209では、タイマーで、超音波照射開始からの時間を測定する。またステップ211では、保持具4に設置された温度検知手段20で温度を測定する。ステップ209で測定した時間が所定時間に達しない場合、ステップ210で“No”となり、ステップ211に進む。ステップ211で測定した温度が所定温度に達しない場合、ステップ212も“No”となり、超音波の照射を続ける。ステップ211で測定した温度が所定温度に達した場合は、ステップ212が“Yes”となる。またステップ209で測定した時間が所定時間に達した場合は、ステップ210が“Yes”となる。ステップ210あるいはステップ212が“Yes”になると、ステップ213、ステップ214に進み、超音波発生装置7の駆動を停止し、開閉弁21を閉じる。また同時にステップ215に進み、タイマーで測定していた前回リセット時からの時間および超音波照射時間をリセットする。
この一連の動作により、超音波による浄水部11の再生と吐水具1からの吐水を自動で、定期的に行うことができる。
【0075】
通常使用で吐水具1から浄水を吐水する場合、以外の開閉弁21の動作は、タイマーで測定する時間が超音波照射開始時刻に達し、保持具4に吐水具1が保持され、且つ水位検知手段18が所定水位を検知していない場合と、水位検知手段が所定水位を検知し、且つ超音波発生装置7が駆動している場合のみ、開状態となり、それ以外は閉状態である。
通常使用で吐水具1から浄水を吐水する場合は、開閉弁21の開閉で吐水を行うか、別途開閉弁を設けて、吐水と止水を行うのがよいが、別途開閉弁を設けるときは、開閉弁21も複数の開閉弁を組み合わせて、開状態と閉状態を作る必要がある。
【0076】
第9の実施形態では、ステップ213とステップ214、すなわち超音波発生装置7の駆動の停止と開閉弁21を閉める動作を同時に行ったが、これはこの限りでなく、両者は同時に行わなくてもよい。例えば、超音波発生装置7の駆動中、開閉弁21は開状態と閉状態を繰り返すことで、吐水を間欠的に行うことができ、超音波照射中の吐水を節水する効果を得られたり、また、超音波発生装置7の停止後も開閉弁21の開状態を継続することで、浄水部11に対するリンスの効果が得られたりもする。
【0077】
第9の実施形態では、開閉弁21を給水ホース9の途上に設けたが、開閉弁21の配置はこの限りでなく、給水ホース9の上流や、吐水具1に設けてもよい。
【0078】
第8と第9の実施形態では、タイマーを使って超音波発生装置7の駆動を制御したが、タイマーの代わりに時計を備え、時計を用いて超音波の照射開始時刻や照射終了時刻を設定し、超音波発生装置7の駆動を制御してもよい。
【0079】
第1〜9の実施形態では、吐水具1をシャワーヘッドとして説明したが、吐水具1は手で持つことの可能な吐水具であればシャワーヘッドに限らず、吐水形態が、一般的な水栓金具(蛇口)からの吐水やスプレー吐水、霧状の吐水となる吐水具でもよい。また、冷水を吐水する吐水具でも、温水を吐水する吐水具でもよい。
【0080】
本発明では、浄水部を超音波照射することで、吸着剤に吸着している物質を分解し、吸着剤を再生することができるため、メンテナンスの頻度とカートリッジの廃棄の少ない浄水器とすることができた。また、超音波発生装置を吐水具と別体にして、保持具に超音波発生装置を設置する構成により、吐水具は手で持つことが可能な、軽量、小型化を実現し、さらに再生を行うときには、吐水具を保持具に保持するだけという、手軽さも兼ね備えた。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の浄水器の浄水部を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る浄水器の吐水具と保持具の構成を示す図1のA−A面の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る浄水器の保持具と浄水部の位置関係を示す図1のB−B面の断面図である。
【図5】有機塩素化合物の超音波照射による分解の周波数依存性を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る浄水器の保持具と超音波振動子の位置関係を示す模式図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る浄水器の保持部の構成を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る浄水器の吐水具と保持部との構成を示す模式図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る浄水器の保持具の構成を示す模式図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る浄水器の吐水具と保持具の構成を示す模式図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る浄水器の保持具の構成を示す模式図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る浄水器の吐水具と保持具の構成を示す模式図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図14】本発明の第7の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図15】本発明の第8の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図16】本発明の第8の実施形態に係る浄水器の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第9の実施形態に係る浄水器の構成を示す模式図である。
【図18】本発明の第9の実施形態に係る浄水器の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1…吐水具
2…吐水具外枠
3…吐水口
4…保持具
5…超音波振動子
6…超音波発振回路
7…超音波発生装置
8…電源コード
9…給水ホース
10…壁面
11…浄水部
12…吸着剤
13…フィルタ
14…吐水具外枠2の浄水部を囲んでいる部分
15…押しボタン
16…貯水容器
17…貯水容器の溢れ面
18…水位検知手段
19…水平面
20…温度検知手段
21…開閉弁
22…重量検知手段
104…重量検知手段を備えた保持具
204…重量検知手段を備えた保持具
116…貯水容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水ホースの先端に取り付けられ、水を吐水するための吐水口を有する吐水具と、
前記吐水具内の前記吐水口より上流に収容され、前記給水ホースから前記吐水具内に供給された水を浄化するための吸着剤を有する浄水部と、
前記吐水具を着脱可能に保持するための保持具と、
超音波振動子を有する超音波発生装置と、
少なくとも前記吐水具の外枠と前記保持具が接触する部分に前記超音波発生装置から発生する超音波が伝播されるように前記超音波振動子が保持具に内蔵、あるいは接触して配置され、
前記浄水部が水に浸った状態で超音波発生装置を駆動することにより、前記保持具および前記吐水具の外枠内方と前記浄水部の間に介在する水を介して前記浄水部に超音波を照射可能としたことを特徴とする浄水器。
【請求項2】
給水ホースの先端に取り付けられ、水を吐水するための吐水口を有する吐水具と、
前記吐水具内の前記吐水口より上流に収容され、前記給水ホースから前記吐水具内に供給された水を浄化するための吸着剤を有する浄水部と、
貯水可能な貯水容器と、
前記貯水容器に取り付けられ、前記吐水具を着脱可能に保持するための保持具と
超音波振動子を有する超音波発生装置と、を備えた浄水器であって、
少なくとも前記吐水具の外枠と前記保持具が接触する部分に前記超音波発生装置から発生する超音波が伝播されるように前記超音波振動子が保持具に内蔵、あるいは接触して配置され、
前記保持具は、前記吐水具から吐水された水が前記貯水容器に貯水され、且つ前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が前記貯水容器の溢れ面より下方に保持するように配置されており、
前記浄水部が水に浸った状態で超音波発生装置を駆動することにより、前記貯水容器内に貯水された水を介して前記浄水部に超音波を照射可能としたことを特徴とする浄水器。
【請求項3】
前記貯水容器に水位検知手段を設け、
前記水位検知手段は、貯水容器内に貯水された水の水位が前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が浸る状態を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動が可能となることを特徴とする請求項2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記吐水具あるいは前記吐水具の上流に、前記吐水具からの吐水と止水を切り替え可能な開閉弁を備え、
前記開閉弁は前記水位検知手段と前記超音波発生装置の駆動と連動しており、
前記水位検知手段が前記貯水容器内に貯水された水の水位が前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が浸る状態を検知していない場合と
前記超音波発生装置を駆動した場合に前記開閉弁を開にするように制御することを特徴とする請求項2に記載の浄水器。
【請求項5】
前記吐水具外枠の少なくとも前記保持具と接触する部分は、前記保持具と同一の素材で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項6】
前記保持具は、前記吐水具外枠の前記浄水部を囲んでいる部分と、少なくとも一部が接するように配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項7】
前記超音波発生装置から発生する超音波の周波数が200kHz〜2MHzであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項8】
前記保持具の前記吐水具外枠と接触する部分に押しボタンを備え、
前記押しボタンが押されている状態でのみ前記超音波発生装置の駆動が可能となることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項9】
前記押しボタンは、外力が加わっていない状態では、押しボタンが押されていない状態にするための付勢手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の浄水器。
【請求項10】
前記保持具に重量検知手段を設け、
前記重量検知手段が前記吐水具の重量を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動が可能となることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項11】
前記保持具あるいは前記超音波振動子に温度検知手段を備え、
前記温度検知手段が所定温度以上を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動を停止することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項12】
タイマーを設け、前記超音波振動子の駆動時間が所定時間に達した場合は駆動を停止することを特徴とした請求項1〜11のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項13】
前記タイマーにより、前記超音波発生装置の駆動開始時刻を制御することを特徴とする請求項12に記載の浄水器。
【請求項14】
前記吐水具がシャワーヘッドであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項1】
給水ホースの先端に取り付けられ、水を吐水するための吐水口を有する吐水具と、
前記吐水具内の前記吐水口より上流に収容され、前記給水ホースから前記吐水具内に供給された水を浄化するための吸着剤を有する浄水部と、
前記吐水具を着脱可能に保持するための保持具と、
超音波振動子を有する超音波発生装置と、
少なくとも前記吐水具の外枠と前記保持具が接触する部分に前記超音波発生装置から発生する超音波が伝播されるように前記超音波振動子が保持具に内蔵、あるいは接触して配置され、
前記浄水部が水に浸った状態で超音波発生装置を駆動することにより、前記保持具および前記吐水具の外枠内方と前記浄水部の間に介在する水を介して前記浄水部に超音波を照射可能としたことを特徴とする浄水器。
【請求項2】
給水ホースの先端に取り付けられ、水を吐水するための吐水口を有する吐水具と、
前記吐水具内の前記吐水口より上流に収容され、前記給水ホースから前記吐水具内に供給された水を浄化するための吸着剤を有する浄水部と、
貯水可能な貯水容器と、
前記貯水容器に取り付けられ、前記吐水具を着脱可能に保持するための保持具と
超音波振動子を有する超音波発生装置と、を備えた浄水器であって、
少なくとも前記吐水具の外枠と前記保持具が接触する部分に前記超音波発生装置から発生する超音波が伝播されるように前記超音波振動子が保持具に内蔵、あるいは接触して配置され、
前記保持具は、前記吐水具から吐水された水が前記貯水容器に貯水され、且つ前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が前記貯水容器の溢れ面より下方に保持するように配置されており、
前記浄水部が水に浸った状態で超音波発生装置を駆動することにより、前記貯水容器内に貯水された水を介して前記浄水部に超音波を照射可能としたことを特徴とする浄水器。
【請求項3】
前記貯水容器に水位検知手段を設け、
前記水位検知手段は、貯水容器内に貯水された水の水位が前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が浸る状態を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動が可能となることを特徴とする請求項2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記吐水具あるいは前記吐水具の上流に、前記吐水具からの吐水と止水を切り替え可能な開閉弁を備え、
前記開閉弁は前記水位検知手段と前記超音波発生装置の駆動と連動しており、
前記水位検知手段が前記貯水容器内に貯水された水の水位が前記吐水具内の浄水部の少なくとも一部が浸る状態を検知していない場合と
前記超音波発生装置を駆動した場合に前記開閉弁を開にするように制御することを特徴とする請求項2に記載の浄水器。
【請求項5】
前記吐水具外枠の少なくとも前記保持具と接触する部分は、前記保持具と同一の素材で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項6】
前記保持具は、前記吐水具外枠の前記浄水部を囲んでいる部分と、少なくとも一部が接するように配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項7】
前記超音波発生装置から発生する超音波の周波数が200kHz〜2MHzであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項8】
前記保持具の前記吐水具外枠と接触する部分に押しボタンを備え、
前記押しボタンが押されている状態でのみ前記超音波発生装置の駆動が可能となることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項9】
前記押しボタンは、外力が加わっていない状態では、押しボタンが押されていない状態にするための付勢手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の浄水器。
【請求項10】
前記保持具に重量検知手段を設け、
前記重量検知手段が前記吐水具の重量を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動が可能となることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項11】
前記保持具あるいは前記超音波振動子に温度検知手段を備え、
前記温度検知手段が所定温度以上を検知した場合に前記超音波発生装置の駆動を停止することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項12】
タイマーを設け、前記超音波振動子の駆動時間が所定時間に達した場合は駆動を停止することを特徴とした請求項1〜11のいずれか一項に記載の浄水器。
【請求項13】
前記タイマーにより、前記超音波発生装置の駆動開始時刻を制御することを特徴とする請求項12に記載の浄水器。
【請求項14】
前記吐水具がシャワーヘッドであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の浄水器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図13】
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【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−136894(P2008−136894A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323214(P2006−323214)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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