説明

浄水貯留構造

【課題】本発明は湖沼の水質に関係なく、湖沼から浄水を取出すことを課題とする。
【解決手段】湖沼1内に容器2を設置し、該容器2内に浄水を貯留する。該容器2内の浄水は湖沼の水質の如何に関らず、比較的良好な水質を維持することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湖沼内における浄水貯留構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
湖沼内の水は、特に該湖沼が生活地域内にあるため池のような場合には、該水が汚染されて水質が悪化し、例えば消火用水として使用する時にはポンプやホースに浮遊物が詰まったりして不具合をきたす場合が多い。
従来、湖沼には近くの農業用水源、上水源、消火用水源等より上水を導入して湖沼内の水の水質悪化を防いでいる。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−19493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし湖沼には周囲からの汚濁水の流入が必ずあり、また湖沼の底にも落葉等の堆積腐敗物等の有機汚染物質が存在し、湖沼内に浄水を導入しても、水質の悪化は根本的に防止出来ず、湖沼内の水は利用価値の低いものになってしまうと云う問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、湖沼1内に浄水W2 を貯留した容器2を設置した浄水貯留構造を提供するものである。
該容器2の上端開口部3には被覆5が施されていることが望ましく、また該容器2には浄水源から浄水導入路6が接続されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
〔作用〕
容器2内の浄水W2 は、該容器2によって湖沼1内の水W1 とは隔離されているから、湖沼1内の水W1 が汚染されて水質が悪化しても、該容器2内の水W2 はその影響を受けず、比較的良い水質を保つことが出来る。
該容器2の上端開口部3に被覆5を施しておけば、容器2内に落葉、鳥の糞等の汚染物質が侵入することが防止出来る。
該容器2に浄水源から浄水導入路6を接続しておけば、該容器2内の水W2 は該浄水導入路6からの水で更新することが出来、良好な水質を維持する。
【0007】
〔効果〕
本発明では、湖沼の水質如何に関らず、容器から比較的良い水質の浄水を取出すことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明を図1に示す一実施例によって説明すれば、1は湖沼であり、該湖沼1内の水W1 内には容器2が設置される。該容器2は例えばプラスチックシート製の袋状であり、上端開口部3周囲には浮輪4が取付けられ、該浮輪4によって該湖沼1内の水W1 中を浮遊状態にせしめられる。該容器2の上端開口部3にはプラスチックシート等による被覆5が施されており、また該容器2の上端には農業用水源、上水源、消火用水源等の浄水源より浄水導入路6および溢水路7が接続されている。
【0009】
上記構成では、常時浄水導入路6から浄水W2 が容器2内に流入し、溢水路7から湖沼1内に溢水する。該容器2内の浄水を使用する時には、該溢水路7に管路を接続して該容器2内の浄水W2 を取出す。
【0010】
図2には他の実施例が示される。本実施例では湖沼11の水中にFRP製の角箱状容器12が設置されており、該容器12の上端開口部13には蓋板15が被覆され、該容器12には浄水源より電磁バルブ18を付した浄水導入路16が接続され、更にポンプ19を付した浄水取出路17が接続されており、該容器12内の最高水位L1 を検出するレベルセンサSL1 と、最低水位L2 を検出するレベルセンサSL2 とが挿入されている。
【0011】
上記構成では、該容器12内の水位が最低水位L2 になった時、電磁バルブ18が開となって浄水導入路16から浄水が容器12内に補充され、最高水位L1 になった時、電磁バルブ18が閉となって浄水の補充が中断する。該容器12から浄水を取出す時には、浄水取出路17のポンプ19を作動させて浄水取出路17から浄水を取出す。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明では湖沼に設置した容器から比較的良い水質の浄水を取出すことが出来、該浄水は消火用水、農業用水、冷却用水等に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例の説明側断面図
【図2】本発明の他の実施例の説明側断面図
【符号の説明】
【0014】
1,11 湖沼
2,12 容器
3,13 上端開口部
5 被覆
6,16 浄水導入路
7 浄水溢水路
15 蓋板
17 浄水取出路
1 湖沼の水
2 浄水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湖沼内に浄水を貯留した容器を設置したことを特徴とする浄水貯留構造。
【請求項2】
該容器の上端開口部には被覆が施されている請求項1に記載の浄水貯留構造。
【請求項3】
該容器には浄水源から浄水導入路が接続されている請求項1または2に記載の浄水貯留構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−144472(P2006−144472A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338672(P2004−338672)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(393018668)
【出願人】(504433836)株式会社河和 (1)
【Fターム(参考)】