説明

浴室暖房乾燥装置

【課題】エネルギー効率の優れたヒートポンプを用いることにより、消費エネルギーを少なくして、確実に浴室乾燥を行なえる浴室暖房乾燥装置を提供する。
【解決手段】浴室の空気を循環する循環ファン41、浴室の空気を加熱する温水加熱部42及び浴室aの空気を外部に排気する換気ファン43を有する暖房乾燥機本体2、温水加熱部42に循環供給される温水を加熱する燃焼加熱器6及びヒートポンプ7を有するハイブリッド熱源機3、そして、暖房乾燥機本体2及びハイブリッド熱源機3を駆動制御する制御部を備える。制御部は、乾燥運転開始により冷風を送風する低温送風換気運転を行い、湿度が安定すると次にヒートポンプ7を駆動させて中温の温風で送風する中温送風換気運転を行い、中温送風換気運転でも乾燥が不十分の場合には、燃焼加熱器を駆動させて高温送風換気運転を行なう制御をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の暖房と換気を行なう浴室暖房乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、浴室に浴室暖房乾燥装置が設置されるようになってきている。浴室暖房乾燥装置として、浴室の天井又は壁面に設置される暖房乾燥機本体と、室外に配置される熱源機とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。暖房乾燥機本体は、換気ファン、循環ファン、熱交換器等が組み込まれ、熱源機は、暖房乾燥機本体の熱交換器に循環供給する温水をバーナで加熱するようになっている。
【0003】
浴室の乾燥を行なう場合、例えば、特許文献1に開示される浴室暖房乾燥装置では、乾燥運転が開始されると、当初は暖房乾燥機本体の熱交換器と熱源機との間で水を循環させず、かつ、熱源機で加熱せずに、換気ファン及び循環ファンにより冷風による浴室内への送風を行いながら換気を行なう送風換気運転を所定時間(例えば7時間)行なう。その後、熱源機を駆動させて熱交換器と熱源機との間で水を循環させると共に、熱源機で循環する水を加熱して、高温水が流れる熱交換器に室内空気を通過させることで、浴室内に高温の温風を送りながら換気することで浴室の乾燥を行なっている。このように、従来の浴室暖房乾燥装置は、乾燥運転開始時から温風による送風換気運転を行なうのではなく、冷風による送風換気運転を所定時間行なった後に、温風による送風換気運転を行なうことで、ガスの使用量を抑えつつ、浴室の乾燥を効率よく行なうようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−62048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の浴室暖房乾燥装置では、乾燥運転開始時からガス燃焼で加熱した温風による送風換気運転を行なう場合に比べて、乾燥運転時の消費エネルギーの低減は可能となる。しかしながら、冷風による送風換気運転の後に行なう温風による送風換気運転は、依然として、熱源機でのガス燃焼で温水を加熱するため、熱効率に限界があるガス燃焼による温水加熱では、乾燥運転時のさらなる消費エネルギーの大幅な低減は期待できない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、浴室暖房機能と浴室乾燥機能とを具備させた浴室暖房乾燥装置において、消費エネルギーをできるだけ少なくして、確実に浴室の乾燥を行なうことができる浴室暖房乾燥装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の浴室暖房乾燥装置は、
浴室の天井又は壁面に設置され、浴室の空気を循環する循環ファンと、この循環ファンにより形成される空気流路を流通する空気を温水を利用して加熱する温水加熱部と、浴室の空気を外部に排気する換気ファンとを備える暖房乾燥機本体と、
室外に配置され、前記暖房乾燥機本体内の温水加熱部に温水循環路を介して循環供給する温水を加熱する燃焼加熱器及びヒートポンプを備えるハイブリッド熱源機と、
暖房乾燥機本体及びハイブリッド熱源機を駆動制御する制御部とを備え、
制御部は、乾燥運転開始により循環ファン及び換気ファンを駆動させて浴室内に送風すると共に換気する低温送風換気運転を行い、低温送風換気運転で湿度が低下せずに安定すると、循環ファン及び換気ファンを駆動させると共にヒートポンプを駆動させて温水加熱部による加熱で、浴室内に中温の温風を送風すると共に換気する中温送風換気運転を行い、中温送風換気運転開始から予め設定した時間を経過した後に中温送風換気運転によって湿度が低下せずに安定した場合には、循環ファン及び換気ファンを駆動させると共に燃焼加熱器を駆動させて温水加熱部による加熱で、浴室内に高温の温風を送風すると共に換気する高温送風換気運転を行なうように制御する構成としたことを特徴とする。
【0008】
上記浴室暖房乾燥装置によれば、乾燥運転が開始されると、浴室内の湿度が低下して湿度が安定するまでは浴室内に冷風を送風して換気する低温送風換気運転を行い、低温送風換気運転で湿度が低下せずに安定すると、すぐに燃焼加熱器を駆動させて高温送風換気運転を行なうのではなく、ガス燃焼よりもエネルギー効率の高いヒートポンプを駆動させて中温送風換気運転を行って湿度をさらに低下させる。そして、中温送風換気運転開始から予め設定した時間を経過した後に中温送風換気運転によって湿度が低下せずに安定した場合には、まだ、乾燥が十分でないとして、燃焼加熱器を駆動させて高温送風換気運転を行なう。従って、燃焼加熱器でのガス燃焼による熱効率に限界があっても、冷風を送風して換気する低温送風換気運転の後に直ぐに高温送風換気運転を行なうのではなく、ガス燃焼加熱よりもエネルギー効率の優れたヒートポンプによる加熱により中温送風換気運転を行ない、低温送風換気運転による湿度低下からさらに湿度を低下させた状態で高温送風換気運転が必要な場合にだけ、この高温送風換気運転を行なえばよい。その結果、燃焼加熱器による消費エネルギーを従来よりも低下させられ、かつ、エネルギー効率の優れたヒートポンプによる加熱により消費エネルギーを低減できるので、乾燥運転全体としての消費エネルギーを低減できて、浴室の乾燥も確実に行なうことができる。しかも、中温送風換気運転だけでは、乾燥が十分でないと判断された場合のみ、高温送風換気運転を行なうので、中温送風換気運転だけで乾燥が十分に行なえた場合には高温送風換気運転を行なわずに済み、その場合には、消費エネルギーをさらに低減できる。
【0009】
また、本発明の浴室暖房乾燥装置は、浴室暖房乾燥装置において、暖房乾燥機本体は、浴室内の湿度を検出する湿度検出部を備え、制御部は、低温送風換気運転により湿度が安定したことの判定、及び、中温送風換気運転により湿度が安定したことの判定は、湿度検出部で検出した湿度の一定時間あたりの変化量を算出し、算出した湿度変化量の値が小さくなってほぼ一定となったときを湿度が安定したと判定する構成とすることが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、湿度検出部で検出した浴室内の湿度に基づいて一定時間あたりの湿度変化量を求めることで、そのときの乾燥運転では湿度の低下がみられなくなった状態を把握でき、低温送風換気運転から中温送風換気運転へ、必要な場合には、中温送風換気運転から高温送風換気運転へと、効率良く順次運転を切り替えることができる。その結果、無駄なエネルギー消費を防止して、省エネと長過ぎない乾燥運転を両立させることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明による浴室暖房乾燥装置によれば、冷風を送風して換気する低温送風換気運転の後に直ぐに燃焼加熱器による加熱で高温送風乾燥運転を行なうのではなく、低温送風換気運転後に、燃焼加熱器による加熱よりもエネルギー効率に優れたヒートポンプによる加熱で中温送風乾燥運転を行ない、中温送風乾燥運転でも乾燥が不十分の場合にのみ高温送風乾燥運転を行なうため、乾燥運転時の燃焼加熱器による消費エネルギーを従来よりも低減でき、乾燥運転全体としての消費エネルギーを低減できて、浴室の乾燥も確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1に係る浴室暖房乾燥装置の内部構造を示す概略平面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る浴室暖房乾燥装置の乾燥運転時の動作を浴室の湿度変化量に基づいて制御する場合を示すフローチャートである。
【図3】発明の実施形態1に係る浴室暖房乾燥装置の乾燥運転時の動作を設定時間により制御する場合を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態1に係る浴室暖房乾燥装置の暖房運転時の動作を表すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態2に係る浴室暖房乾燥装置の内部構造を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る浴室暖房乾燥装置1は、浴室Aの天井又は壁面に設置される暖房乾燥機本体2と、室外に配置されるハイブリッド熱源機3とを備える。本実施形態1では、暖房乾燥機本体2は天井埋め込み式を用いている。
【0014】
暖房乾燥機本体2は、本体ケース20を有し、この本体ケース20を図示していないが浴室Aの天井に設置させており、本体ケース20内には、浴室Aの空気を循環する循環ファン41と、この循環ファン41により形成される空気流路を流れる空気を温水を利用して加熱する温水加熱部42と、浴室Aの空気を外部に排気する換気ファン43とを備える。
【0015】
本体ケース20は、循環ファン41及び温水加熱部42が配置される第1室21と、換気ファン43が配置される第2室22とに区画されており、第2室22は連通路23を介して第1室21と連通されている。連通路23内にはステッピングモータ24に接続されたダンパ25が設けられている。このダンパ25は、ステッピングモータ24の駆動により連通路23を開閉する。
【0016】
本体ケース20の第1室21における循環ファン41の下方には、図1に示すように、浴室Aに連通する空気流入口26と空気流出口27とが開口している。第1室21内の空気流入口26近くには、浴室Aの湿度を検出する湿度センサ51と浴室Aの温度を検出する室温センサ52とが設けられている。さらに、第1室21内には、循環ファン41の底部と側部を囲むようにL型の温水加熱部42が配置されている。
【0017】
循環ファン41はラインフローファンからなり、その回転駆動によって、浴室A内の空気を空気流入口26から本体ケース20内に吸い込ませ、空気流出口27から浴室Aに吹き出させる構成となっている。
【0018】
温水加熱部42は、両端部で蛇行状に屈曲された温水コイル42aと、温水コイル42aが挿通される多数のフィン42bとからなり、図1に示すように、2枚のフィン42bの平面がL字状に配置されるようにL型に構成されている。温水加熱部42は、循環ファン41を下方から囲むように、循環ファン41の下方に配置させている。
【0019】
さらに、温水加熱部42の温水コイル42aには、屋外等に設置したハイブリッド熱源機3と連通する温水循環路である温水循環配管31が接続されている。ハイブリッド熱源機3によって加熱された温水が温水循環配管31を介して温水加熱部42に循環供給される。
【0020】
温水加熱部42に温水を供給することで、循環ファン41の駆動により空気流入口26から本体ケース20内に吸い込まれた浴室A内の空気が温水加熱部42で加熱されて温風となって浴室A内に流出され、温風を浴室A内に送風する動作を繰り返すことにより、浴室A内の空気は温められていく。
【0021】
また、本体ケース20の第2室22には、図1に示すように、排気口28が形成されており、この排気口28には、シロッコファンからなる換気ファン43が接続されている。換気ファン43は駆動により空気流入口26から浴室A内の空気を吸引して排気口28から室外へ排気させる。
【0022】
本実施形態1では、換気ファン43が回転駆動すると、後述する本体側制御部81により、連通路23のダンパ25がステッピングモータ24の駆動で回転して連通路23が開放した状態になり、浴室A内の空気が空気流入口26から本体ケース20内に吸引され、連通路23を通過して排気口28から室外に排出される。
【0023】
また、換気ファン43が停止している時は、本体側制御部81は、ステッピングモータ24を駆動させてダンパ25を連通路23を封鎖するように回転させ、これにより、暖房運転時には本体ケース20内で温められた空気の一部が排気口28から外へ逃げるのを防止できる。
【0024】
循環ファン41及び換気ファン43、そして、ステッピングモータ24などの暖房乾燥機本体2内に配置される各機器は、本体ケース20の外面に配置される本体側制御部81によって駆動制御される。暖房運転、換気運転、そして、送風と換気を同時に行なう乾燥運転を行なう際には、浴室A内の壁面や台所等に設けられているリモコン9を操作して本体側制御部81に運転指令などを出力し、各機器を駆動させる。
【0025】
ハイブリッド熱源機3は、燃焼加熱器6及びヒートポンプ7を備え、これら燃焼加熱器6及びヒートポンプ7により、暖房乾燥機本体2内の温水加熱部42に温水循環配管31を介して循環供給する温水を加熱する。
【0026】
燃焼加熱器6は、温水循環配管31を流れる温水をガスバーナ61で加熱するようになっており、温水循環配管31におけるガスバーナ61で加熱される部分には、多数のフィン62が設けられており、これらフィン62によって温水循環配管31を流れる温水の加熱が良好に行なわれる。
【0027】
ヒートポンプ7は、圧縮機71、凝縮器72、減圧器73及び蒸発器74を備え、順に冷媒循環路75で接続されている。凝縮器72は、温水循環配管31の一部に形成した熱交換部32に並列に接触させて、冷媒循環路75内の冷媒と熱交換部32内の温水とを熱交換させることにより、温水循環配管31内の温水を加熱する。本実施形態1では、ヒートポンプ7に用いる冷媒として代替フロンを用いている。また、冷媒として二酸化炭素を用いることもできる。冷媒として二酸化炭素を用いる場合には、代替フロンに比べて、圧縮時の温度を高くでき、温水循環配管31を流れる温水を高温(例えば80℃)で加熱できる。
【0028】
さらに、温水循環配管31は、図1にも示すように、暖房乾燥機本体2における温水加熱部42の下流側に接続される部分を途中で分岐して、一方をヒートポンプ7の凝縮器72に接触する熱交換部32に接続し、他方を燃焼加熱器6に接続している。そして、ヒートポンプ7で温水が熱交換された後の下流側の温水循環配管31と、燃焼加熱器6で温水が加熱された後の下流側の温水循環配管31とを接続している。温水循環配管31の低温側となる上流側の分岐部には、三方電磁弁33が設けられている。三方電磁弁33は、後述する熱源側制御部82により、温水加熱部42をヒートポンプ7側の熱交換部32に連通させるか、または、温水加熱部42を燃焼加熱器6に連通させるように開閉制御される。
【0029】
さらに、温水循環配管31における温水加熱部42への流入部の近くには、温水循環配管31を流れる温水の温度を検出する水温センサ53と熱動弁34とが設けられている。水温センサ53で検出された水温の検出信号は、本体側制御部81及び熱源側制御部82に入力される。熱動弁34は、燃焼加熱器6又はヒートポンプ7が駆動されると、熱源側制御部82による制御で開くようになっている。
【0030】
なお、温水循環配管31における三方電磁弁33よりも上流側には、温水を循環させるための循環ポンプ35が設けられている。この循環ポンプ35も熱源側制御部82による制御で駆動するようになっている。
【0031】
ハイブリッド熱源機3は、熱源側制御部82を備え、この熱源側制御部82は、リモコン9からの指令、又は、暖房乾燥機本体2の本体側制御部81からの指令により燃焼加熱器6、ヒートポンプ7、そして、三方電磁弁33の動作を制御する。ヒートポンプ7の圧縮機71は、熱源側制御部82により指示される回転速度で圧縮機71を作動させて、凝縮器72での温度を調節する。
【0032】
水温センサ53で検出した温水温度の検出信号、湿度センサ51で検出した浴室Aの湿度の検出信号、室温センサ52で検出した浴室Aの室温の検出信号のそれぞれが、暖房乾燥機本体2の本体側制御部81に入力され、さらに本体側制御部81から通信により熱源側制御部82に入力される。そして、本体側制御部81は、各検出信号に基づいて、温水循環配管31を流れる温水を燃焼加熱器6により加熱するか、ヒートポンプ7により加熱するかの判断を行なって、熱源側制御部82に運転指令を送り、熱源側制御部82は運転指令に従って燃焼加熱器6又はヒートポンプ7の駆動制御を行う。なお、熱源側制御部82により、リモコン9又は本体側制御部81からの運転指令及び各検出信号に基づいて、温水循環配管31を流れる温水を燃焼加熱器6により加熱するか、ヒートポンプ7により加熱するかの判断を行なって燃焼加熱器6又はヒートポンプ7の駆動制御を行うようにしてもよい。
【0033】
また、本体側制御部81及び熱源側制御部82に指令を送るリモコン9には、暖房運転スイッチ91、換気運転スイッチ92及び乾燥運転スイッチ93の他に、暖房時間や乾燥時間を設定するためのタイマスイッチ94が設けられている。これらスイッチは、個別に形成したボタンとしてもよいし、タッチパネル式の液晶画面に表示させるようにしてもよい。
【0034】
浴室暖房乾燥装置1を操作する操作者は、リモコン9の暖房運転スイッチ91をONすることで暖房運転を開始することができ、換気運転スイッチ92をONすることで換気運転(換気ファン43のみを駆動させる)を開始することができ、乾燥運転スイッチ93をONすることで乾燥運転を開始することができる。そして、それぞれの運転スイッチをONした後に、タイマスイッチ94を操作することで、各運転の運転時間を設定することができる。
【0035】
次に、浴室Aの乾燥運転の制御について、浴室A内の一定時間あたりの湿度変化量に基づいて乾燥運転を制御する場合を図2の動作フローチャートに基づいて説明する。
【0036】
本実施形態1の浴室暖房乾燥装置1は、リモコン9の操作により乾燥運転が指定され、タイマスイッチ94により乾燥時間が設定されない場合には、浴室A内の一定時間あたりの湿度変化量に基づいて乾燥運転を制御するようなっている。
【0037】
リモコン9の操作により乾燥運転が開始されると、本体側制御部81からの指令によって、循環ファン41及び換気ファン43が回転駆動して、浴室A内に冷風を送風すると共に換気する低温送風換気運転が行なわれる(S11)。このとき、本体側制御部81により連通路23のダンパ25は開放状態となっている。
【0038】
そして、本体側制御部81及び熱源側制御部82に入力された湿度センサ51による検出結果に基づいて、本体側制御部81は、一定時間当たり(例えば1分当たり)の絶対湿度(g/m)の変化量を算出し、湿度変化量がXg/mより小さくなったか否かを判定する(S12)。なお、湿度変化量Xg/mは、低温送風換気運転を行なっても湿度が低下しなくなって安定した時の湿度変化量(例えば1分当たりの変化量が0.1g/m以下)か、または、この安定時の変化量よりも例えば0.02g/m多い値とすることができる。
【0039】
なお、本実施形態1では、本体側制御部81は、一定時間当りの湿度変化量に基づいて低温送風換気運転によって湿度が一定になったかを判定したが、湿度がほぼ安定すると予測される所定の湿度量(P1g/m)を予め設定しておいて、この設定湿度量(P1g/m)に基づいて湿度が一定になったかを判定するようにしてもよい。なお、設定湿度量は、所定の数値としてもよいし、閾値を有するようにしてもよい。また、熱源側制御部82により、湿度変化量を算出して湿度の判定を行なったり、設定湿度量に基づいて湿度の判定を行なってもよい。
【0040】
湿度変化量がXg/mより小さくなった場合には(S12でYes)、さらに中温の温風で浴室A内を乾燥させるために、ヒートポンプ7を駆動させると共に熱動弁34を開き、循環ポンプ35を駆動して、ヒートポンプ7により温水循環配管31を流れる温水が熱交換部32において例えば約40℃〜60℃となるように加熱される(S13)。このとき、ヒートポンプ7が駆動されると同時に、本体側制御部81内に設けるタイマーを作動させて、経過時間の測定を開始する。加熱された中温の温水は温水加熱部42に送られて、この温水加熱部42において本体ケース20内に流入してきた浴室A内の空気が加熱される。そして、加熱された温かい空気は、浴室A内に中温の温風として送風され、浴室A内で乾燥に使われた後の空気が換気ファン43により室外に排出されて中温送風換気運転が行なわれる。
【0041】
その後、一定時間当たり(例えば1分当たり)の湿度変化量がYg/mより小さくなったか否かを判定する(S14)。湿度変化量Yg/mは、中温送風換気運転を行なっても湿度が低下しなくなって安定した時の湿度変化量(例えば1分当たりの変化量が0.1g/m以下)か、または、この安定時の変化量よりも例えば0.02g/m多い値とすることができる。この場合も、湿度がほぼ安定すると予測される所定の湿度量(P2g/m)を予め設定しておいて、この設定湿度量(P2g/m)に基づいて湿度が一定になったかを判定するようにしてもよい。
【0042】
湿度変化量がYg/mより小さくなった場合には(S14でYes)、さらに、中温送風換気運転開始からタイマーで計測している経過時間が予め設定している時間(例えば30分)を経過しているか否かを判定する(S15)。経過時間が設定時間を経過している場合には(S15でYes)、中温送風換気運転によって絶対湿度が安定するまでに時間を要しているため乾燥が不十分であるとして、さらに高温の温風で浴室A内を乾燥させるために、ヒートポンプ7を停止して、燃焼加熱器6を駆動させる(S16)。また、タイマーはリセットされる。燃焼加熱器6により温水循環配管31を流れる温水が熱交換部32において例えば約80℃となるように加熱される。加熱された高温の温水は温水加熱部42に送られて、この温水加熱部42において本体ケース20内に流入してきた浴室A内の空気が加熱される。そして、加熱された空気は、浴室A内に高温の温風として送風され、浴室A内で乾燥に使用された後の空気が換気ファン43により室外に排出されて高温送風換気運転が行なわれる。
【0043】
さらに高温送風換気運転により、一定時間当たり(例えば1分当たり)の湿度変化量がZg/mより小さくなったか否かを判定する(S17)。湿度変化量Zg/mは、高温送風換気運転を行なっても湿度が低下しなくなって安定した時の湿度変化量(1分当たりの変化量が0.1g/m以下)か、または、この安定時の変化量よりも0.02g/m多い値とすることができる。この場合も、湿度がほぼ安定すると予測される所定の湿度量(P3g/m)を予め設定しておいて、この設定湿度量(P3g/m)に基づいて湿度が一定になったかを判定するようにしてもよい。
【0044】
湿度変化量がZg/mより小さくなった場合には(S17でYes)、乾燥が十分行なわれたとして、熱動弁34を閉じ、燃焼加熱器6、循環ポンプ35、循環ファン41及び換気ファン43の駆動を停止し(S18)、高温送風換気運転が終了する。
【0045】
また、ステップS15において、中温送風換気運転開始からタイマーで計測している経過時間が設定時間(例えば30分)を経過していない場合は(S15でNo)、乾燥が十分であるとしてとして、熱動弁34を閉じ、循環ポンプ35、循環ファン41及び換気ファン43の駆動を停止し(S19)、高温送風換気運転が終了する。このとき、タイマーはリセットされる。
【0046】
このように、湿度の変化量に基づいて乾燥運転を行なうと共に、低温送風換気運転、中温送風換気運転、そして、中温送風換気運転でも乾燥が不十分の場合には高温送風換気運転と三段階で送風換気運転を行い、特に、中温送風換気運転をガス燃焼加熱よりもエネルギー効率の高いヒートポンプ7を駆動させて行なうので、燃焼加熱器6による消費エネルギーを従来よりも低下させられ、かつ、エネルギー効率の優れたヒートポンプによる加熱により消費エネルギーを低減できる。その結果、乾燥運転全体としての消費エネルギーを低減できて、浴室Aの乾燥も確実に行なうことができる。
【0047】
さらに、中温送風換気運転だけでは、乾燥が十分でないと判断された場合のみ、高温送風換気運転を行なうので、中温送風換気運転だけで乾燥が十分に行なえた場合には高温送風換気運転は行なわずに乾燥を終了させられるので、その場合には、消費エネルギーをさらに低減できる。
【0048】
また、湿度の変化量に基づいて乾燥運転を行なっているので、それぞれの送風換気運転中において湿度の低下がみられなくなった状態を直ぐに把握できるため、低温送風換気運転から中温送風換気運転へ、必要な場合には、中温送風換気運転から高温送風換気運転へ、エネルギーの無駄なく効率良く順次運転を切り替えていくことができる。その結果、無駄なエネルギー消費を防止して、省エネと長過ぎない乾燥運転を両立させることができる。
【0049】
次に、浴室Aの乾燥運転の制御について、リモコン9で設定した乾燥時間に基づいて乾燥運転を制御する場合を図3の動作フローチャートに基づいて説明する。
【0050】
リモコン9の操作により乾燥運転が開始され、タイマスイッチ94により乾燥時間が設定されると(S20)、本体側制御部81からの指令によって、循環ファン41及び換気ファン43が回転駆動して、浴室A内に冷風を送風すると共に換気する低温送風換気運転が行なわれる(S21)。このとき、本体側制御部81により連通路23のダンパ25は開放状態となっている。
【0051】
そして、乾燥設定時間(例えば7.5時間)に基づいて、熱源側制御部82は、循環ファン41及び換気ファン43が回転駆動してから、所定時間、例えば6時間経過したか否かを判定する(S22)。
【0052】
6時間経過した場合には(S22でYes)、さらに中温の温風で浴室A内を乾燥させるために、ヒートポンプ7を駆動させると共に熱動弁34を開き、循環ポンプ35を駆動して、ヒートポンプ7により温水循環配管31を流れる温水が熱交換部32において例えば約40℃〜60℃となるように加熱される(S23)。このとき、ヒートポンプ7が駆動されてからの経過時間の測定も開始する。加熱された中温の温水は温水加熱部42に送られて、この温水加熱部42において本体ケース20内に流入してきた浴室A内の空気が加熱される。そして、加熱された温かい空気は、浴室A内に中温の温風として送風され、浴室A内で乾燥に使用された後の空気が換気ファン43により室外に排出されて中温送風換気運転が行なわれる。
【0053】
その後、ヒートポンプ7を駆動してから、所定時間、例えば30分経過したか否かを判定する(S24)。30分経過した場合には(S24でYes)、さらに、一定時間当たり(例えば1分当たり)の湿度変化量がYg/m以上であるか否かを判定する(S25)。湿度変化量がYg/m以上である場合には(S25でYes)、乾燥が不十分として、さらに高温の温風で浴室A内を乾燥させるために、ヒートポンプ7を停止して、燃焼加熱器6を駆動させる(S26)。燃焼加熱器6により温水循環配管31を流れる温水が熱交換部32において例えば約80℃となるように加熱される。加熱された高温の温水は温水加熱部42に送られて、この温水加熱部42において本体ケース20内に流入してきた浴室A内の空気が加熱される。そして、加熱された空気は、浴室A内に高温の温風として送風され、浴室A内で乾燥に使用された後の空気が換気ファン43により室外に排出されて高温送風換気運転が行なわれる。
【0054】
さらに燃焼加熱器6が駆動してから所定時間、例えば1時間が経過したか否かを判定する(S27)。1時間が経過した場合には(S27でYes)、タイマスイッチ94で設定した乾燥時間が終了してタイマーがリセットされ、浴室Aの乾燥が十分行なわれたとして、熱動弁34を閉じ、燃焼加熱器6、循環ポンプ35、循環ファン41及び換気ファン43の駆動を停止し(S28)、高温送風換気運転が終了する。
【0055】
また、ステップS25において、湿度変化量がYg/m未満である場合は(S25でNo)、乾燥が十分であるとしてとして、タイマスイッチ94で設定した乾燥時間に関係なくタイマーをリセットし、熱動弁34を閉じ、循環ポンプ35、循環ファン41及び換気ファン43の駆動を停止し(S29)、高温送風換気運転が終了する。
【0056】
このように、乾燥運転の設定時間に基づいて乾燥運転を行なうと共に、低温送風換気運転、中温送風換気運転、そして、中温送風換気運転でも乾燥が不十分の場合には高温送風換気運転と三段階で送風換気運転を行い、特に、中温送風換気運転をエネルギー効率の高いヒートポンプ7を駆動させて行なうので、燃焼加熱器6による消費エネルギーを従来よりも低下させられ、かつ、エネルギー効率の優れたヒートポンプによる加熱により消費エネルギーを大幅に低減できる。その結果、乾燥運転全体としての消費エネルギーを大幅に低減できて、浴室Aの乾燥も確実に行なうことができる。
【0057】
また、低温送風換気時間、中温送風換気時間、そして、高温送風換気時間を予測される乾燥度合いに応じた乾燥に最適な時間に割り振って設定しているので、無駄なエネルギー消費を防止して、省エネと長過ぎない乾燥運転を両立させることができる。
【0058】
次に、浴室Aの暖房運転の制御について、図4の動作フローチャートに基づいて説明する。
【0059】
リモコン9の操作により暖房運転が開始されると、熱源側制御部82からの指令によって、燃焼加熱器6が駆動すると共に、熱動弁34を開き、循環ポンプ35を駆動して、温水循環配管31を流れる水を加熱し始める(S31)。本実施形態1では、暖房運転の立ち上げを早くするために、燃焼加熱器6のガスバーナ61による加熱で温水循環配管31を流れる水を急速に温める。
【0060】
本体側制御部81及び熱源側制御部82に入力された水温センサ53による検出結果に基づいて、本体側制御部81は、水温が所定の温度、例えば40℃を超えたか否かを判定する(S32)。
【0061】
水温が40℃を超えた場合には(S32でYes)、本体側制御部81の指令によって、循環ファン41が回転駆動する(S33)。本実施形態1では、浴室A内に冷風を送風するのを防止するため、温水循環配管31を流れる水の温度がある程度温かくなるまでは循環ファン41を駆動させないようにしている。
【0062】
そして、循環ファン41の駆動によって浴室A内の空気が空気流入口26から本体ケース20内に吸い込まれ、吸込まれた空気が温水加熱部42にて熱交換されて高温の温風となって空気流出口27から浴室Aに吹き出されて浴室Aの暖房が行われる。このとき、本体側制御部81により連通路23のダンパ25は閉じた状態となっている。
【0063】
浴室A内が暖房され始めると、浴室Aの温度を検出する室温センサ52により検出された検出温度が本体側制御部81及び熱源側制御部82に入力されて、この入力された温度検出結果と、予め設定されている暖房温度とに基づいて、熱源側制御部82は、室温が所定の温度(B℃)、例えば25℃、になったか否かを判定する(S34)。本実施形態1では、暖房開始時は、室温を急速に上げるために、燃焼加熱器6によって温水循環配管31を循環する温水を加熱している。
【0064】
室温がB℃を超えた場合には(S34でYes)、温められた浴室Aの温度を高いエネルギー効率で維持するために、熱源側制御部82の指令によって、燃焼加熱器6が停止され、エネルギー効率の優れたヒートポンプ7が駆動される(S35)。
【0065】
ヒートポンプ7が駆動されると、本体側制御部81は、リモコン9の操作により暖房運転を終了する指令があったか否かの判定を行なう(S36)。暖房運転終了の指令があった場合には(S36でYes)、暖房運転を終了するために、本体側制御部81及び熱源側制御部82の制御により、ヒートポンプ7が停止され、熱動弁34は閉じられ、循環ファン41も停止される(S37)。
【0066】
暖房運転終了の指令がない場合には(S36でNo)、水温センサ53による検出結果に基づいて、本体側制御部81は、検出した水温が所定の温度、例えば50℃より低いか否かを判定する(S38)。水温が50℃より低くなった場合には(S38でYes)、まず、リモコン9の操作により暖房運転を終了する指令があったか否かの判定を行なう(S39)。暖房運転終了の指令があった場合には(S39でYes)、暖房運転を終了するために、熱源側制御部82及び本体側制御部81により、ヒートポンプ7が停止され、熱動弁34は閉じられ、循環ファン41も停止される(S37)。
【0067】
また、暖房運転終了の指令がない場合には(S39でNo)、本体側制御部81は、熱源側制御部82に判定結果を出力し、熱源側制御部82は、暖房するための温度が低くなっていると判断して、ヒートポンプ7を停止させ、再度、燃焼加熱器6を駆動させる(S40)。
【0068】
そして、燃焼加熱器6の駆動により、水温が上昇してくるので、水温センサ53による検出結果に基づいて、本体側制御部81は、水温が所定の温度(a℃)、例えば60℃以上になったか否かを判定する(S41)。
【0069】
水温が所定の温度(a℃)以上になった場合には(S41でYes)、本体側制御部81は、熱源側制御部82に判定結果を出力し、熱源側制御部82は、暖房を維持するための水温が十分になっていると判断して、燃焼加熱器6を停止させ、再度、ヒートポンプ7を駆動させる(S42)。そして、ステップS36に戻り、暖房運転中は、検出した水温に基づいて、燃焼加熱器6及びヒートポンプ7の駆動を制御する。
【0070】
また、ステップS41において、水温がa℃より低い場合には(S41でNo)、本体側制御部81は、リモコン9の操作により暖房運転を終了する指令があったか否かの判定を行なう(S43)。暖房運転終了の指令がない場合には(S43でNo)、ステップS41に戻り、暖房運転の制御を続行する。暖房運転終了の指令があった場合には(S43でYes)、暖房運転を終了するために、熱源側制御部82及び本体側制御部81により、燃焼加熱器6が停止され、熱動弁34は閉じられ、循環ファン41も停止される(S44)。
【0071】
(実施形態2)
なお、本実施形態1の浴室暖房乾燥装置1は、ハイブリッド熱源機3を室外に配置しているので、図5に示す実施形態2の浴室暖房乾燥装置1のように、ハイブリッド熱源機3のヒートポンプ7を浴室A以外の屋内の給湯に利用することができる。
【0072】
図5に示す実施形態2の浴室暖房乾燥装置1は、実施形態1の浴室暖房乾燥装置1に給湯ユニット10をさらに併設させており、給湯ユニット10は、ハイブリッド熱源機3のヒートポンプ7により、給湯ユニット10の貯湯タンク101内の水を加熱するようになっている。貯湯タンク101内の水は、ヒートポンプ用循環路102によりヒートポンプ7との間で循環させ、ヒートポンプ用循環路102を流れる温水をヒートポンプ7の凝縮器72で加熱するようになっている。給湯ユニット10を除く構成は、実施形態1の構成と同じであり、同じ構成部分は、同じ符号で示し、説明は省略する。
【0073】
給湯ユニット10は、温水が溜められる貯湯タンク101と、貯湯タンク101の上部と下部とに接続されるヒートポンプ用循環路102と、ヒートポンプ用循環路102に設けられる循環ポンプ103と、ヒートポンプ用循環路102におけるヒートポンプ7の凝縮器72と接触させる熱交換部104と、貯湯タンク101の下部に接続される給水管105と、貯湯タンク101の上部に接続され貯湯タンク101内から高温の温水を屋内の浴室や台所などの蛇口へ給湯するための給湯管106と、給湯管106を流れる温水をさらに加熱するガス給湯器107とを備える。
【0074】
給湯ユニット10は、貯湯タンク101内下部の低温の温水を循環ポンプ103によりヒートポンプ用循環路102に流してヒートポンプ7の凝縮器72で加熱した後に貯湯タンク101の上部に高温の温水として戻すことで、貯湯タンク101内の上部に下部よりも高温の温水が貯留される。
【0075】
さらに、本実施形態2では、給湯ユニット10の貯湯タンク101内の水を常時加熱するため、浴室暖房乾燥装置1が高温送風換気運転を行なっていても、ヒートポンプ7は停止させずに駆動させ続けるようになっている。
【0076】
なお、ハイブリッド熱源機3のヒートポンプ7は、図5示す給湯ユニット10だけでなく、浴室A以外の屋内の暖房、例えば床暖房にも利用することができる。
【0077】
このように、ハイブリッド熱源機3の高いエネルギー効率のヒートポンプ7を、浴室Aの暖房及び乾燥だけでなく、屋内での給湯や他の暖房にも利用することで家屋全体の消費エネルギーを低減することができる。
【0078】
また、本実施形態1及び2では、燃焼加熱器6とヒートポンプ7とを温水循環配管31により並列に接続したが、直列に接続してもよい。本実施形態1及び2のように燃焼加熱器6とヒートポンプ7とを温水循環配管31により並列に接続することで、ヒートポンプ7で加熱された温水が燃焼されていない燃焼加熱器6を通過する間に放熱してしまうのを防止して、ヒートポンプ7で加熱された温水を無駄に放熱させずに温水加熱部42に送ることができる。
【0079】
さらに、ヒートポンプの冷媒として代替フロンを用いる場合には、凝縮器での加熱温度は40〜60℃となるが、冷媒に二酸化炭素を用いることで、凝縮器での加熱温度は80℃まで上げることができる。
【0080】
さらに、本実施の形態では、浴室内の湿度の低下を浴室内の湿度を検出して判断したが、浴室内の温度を検出し、その検出温度の上昇の状態をみて湿度の低下を判断することもできる。
【0081】
尚、本発明に係る浴室暖房乾燥装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、上記実施形態では、浴室Aのみの暖房及び乾燥を行なうことのできる浴室暖房乾燥装置について説明したが、本体ケース20からダクトを延長させて、脱衣室の暖房及び乾燥も行うようにすることも可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0082】
1 浴室暖房乾燥装置
2 暖房乾燥機本体
3 ハイブリッド熱源機
6 燃焼加熱器
7 ヒートポンプ
31 温水循環配管(温水循環路)
34 熱動弁
41 循環ファン
42 温水加熱部
43 換気ファン
51 湿度センサ(湿度検出部)
52 室温センサ
53 水温センサ
81 本体側制御部
82 熱源側制御部
94 タイマスイッチ(乾燥時間設定部)
A 浴室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の天井又は壁面に設置され、浴室の空気を循環する循環ファンと、この循環ファンにより形成される空気流路を流通する空気を温水を利用して加熱する温水加熱部と、浴室の空気を外部に排気する換気ファンとを備える暖房乾燥機本体と、
室外に配置され、前記暖房乾燥機本体内の温水加熱部に温水循環路を介して循環供給する温水を加熱する燃焼加熱器及びヒートポンプを備えるハイブリッド熱源機と、
暖房乾燥機本体及びハイブリッド熱源機を駆動制御する制御部とを備え、
制御部は、乾燥運転開始により循環ファン及び換気ファンを駆動させて浴室内に送風すると共に換気する低温送風換気運転を行い、低温送風換気運転で湿度が低下せずに安定すると、循環ファン及び換気ファンを駆動させると共にヒートポンプを駆動させて温水加熱部による加熱で、浴室内に中温の温風を送風すると共に換気する中温送風換気運転を行い、中温送風換気運転開始から予め設定した時間を経過した後に中温送風換気運転によって湿度が低下せずに安定した場合には、循環ファン及び換気ファンを駆動させると共に燃焼加熱器を駆動させて温水加熱部による加熱で、浴室内に高温の温風を送風すると共に換気する高温送風換気運転を行なうように制御する構成としたことを特徴とする浴室暖房乾燥装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室暖房乾燥装置において、
暖房乾燥機本体は、浴室内の湿度を検出する湿度検出部を備え、
制御部は、低温送風換気運転により湿度が安定したことの判定、及び、中温送風換気運転により湿度が安定したことの判定は、湿度検出部で検出した湿度の一定時間あたりの変化量を算出し、算出した湿度変化量の値が小さくなってほぼ一定となったときを湿度が安定したと判定する構成とした浴室暖房乾燥装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−72582(P2013−72582A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211224(P2011−211224)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】