説明

浴槽装置

【課題】浴槽水中に多量のナノバブルを発生させることができると共に低コストでナノバブル含有浴槽水を製造でき、また、発生させるナノバブル量を自由に調整できる浴槽装置を提供する。
【解決手段】この浴槽装置では、ナノバブル含有浴槽水製造部63の第1槽5でもってマイクロバブル発生装置65が発生するマイクロバブルを浴槽水に含有させることをスタートとし、次に、第2槽11,第3槽20の各槽のマイクロナノバブル発生装置66,ナノバブル発生装置67にて、順次、マイクロナノバブル、ナノバブルを生成して浴槽水に含有させることができる。そして、これら各槽のマイクロバブル発生器としては、市販の汎用品を採用できる。すなわち、市販の汎用品である3台のマイクロバブル発生器を使用して、ナノバブル含有浴槽水を製造して、浴槽部64で利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴槽装置に関し、マイクロバブル発生器を用いてナノバブル含有浴槽水を製造できる浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ナノバブル含有液体の製造方法およびナノバブル含有液体の製造装置に関する技術が開示されているが、ナノバブル発生器から発生するナノバブル量は少ないことが一般的であった。
【0003】
ところで、ナノバブルを多量に発生することができるナノバブル発生機は、2006年に株式会社協和機設から販売が開始された。この株式会社協和機設のナノバブル発生装置を調査し、その構造を解析した結果、ナノバブルの特殊性から、ナノバブルを多量に製造するにはナノバブル発生機を構成する各種部品は、特製のものであった。このため、ナノバブル発生機の製造コストが高くなることのみならず、納期が長い状況であった。また、株式会社協和機設のナノバブル発生装置は、ナノバブルの発生量を目的に応じて自由に制御できないシステムになっていた。
【0004】
ところで、特許文献1(特許第4118939号公報)には、微細気泡(ナノバブルを含めた微細気泡)の発生方法や発生装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開2004−121962号公報)には、従来技術としてのナノバブルの利用方法および装置が開示されている。この技術は、ナノバブルが有する浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、静電分極の実現による界面活性作用と殺菌作用などの特性を活用したものである。より具体的には、それらが相互に関連することによって、汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能、殺菌機能によって各種物体を高機能、低環境負荷で洗浄することができ、汚濁水の浄化を行うことができることを開示している。
【0006】
また、特許文献3(特開2003−334548号公報)には、従来技術としてのナノ気泡の生成方法が開示されている。この技術は、液体中において、(1)液体の一部を分解ガス化する工程、(2)液体中で超音波を印加する工程または、(3)液体の一部を分解ガス化する工程および超音波を印加する工程から構成されていることを開示している。
【0007】
また、特許文献4(特開2004−321959号公報)では、従来技術としてのオゾンマイクロバブルを利用する廃液の処理装置が開示されている。この技術では、マイクロバブル発生装置にオゾン発生装置より生成されたオゾンガスと処理槽の下部から抜き出された廃液を加圧ポンプを介して供給している。また、生成されたオゾンマイクロバブルをガス吹き出しパイプの開口部より処理槽内の廃液中に通気することを開示している。
【0008】
ところで、ナノバブル含有水の作用効果が、各種分野において様々な研究者より報告されている。産業界では、当然のこととして、ナノバブル含有水をいかに安価に、かつ安定的に多量に製造するかが今後必要となる。
【0009】
上述したように、現在、株式会社協和機設のナノバブル発生装置が存在するが、該社は、ナノバブル発生装置を特注の部品を製作して組み合わせ、特別仕様で製作している。このため、現在では、株式会社協和機設のナノバブル発生装置は、特注部品が多いために、価格的に高コストになっている。
【特許文献1】特許第4118939号公報
【特許文献2】特開2004−121962号公報
【特許文献3】特開2003−334548号公報
【特許文献4】特開2004−321959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、この発明の課題は、浴槽水中に多量のナノバブルを発生させることができると共に低コストでナノバブル含有浴槽水を製造でき、また、発生させるナノバブル量を自由に調整できる浴槽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、この発明の浴槽装置は、浴槽部と、
上記浴槽部からの浴槽水が導入されると共に上記浴槽水にナノバブルを含有させて上記ナノバブルを含有した浴槽水を上記浴槽部に導入するナノバブル含有浴槽水製造部とを備え、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記浴槽部からの浴槽水が導入されると共にマイクロバブル発生器が設置されていて上記浴槽水にマイクロバブルを含有させる第1槽と、
上記第1槽から上記マイクロバブルを含有した浴槽水が導入されると共にマイクロバブル発生器が設置されていて上記浴槽水にマイクロナノバブルを含有させる第2槽と、
上記第2槽から上記マイクロナノバブルを含有する浴槽水が導入されると共にマイクロバブル発生器が設置されていて上記浴槽水にナノバブルを含有させる第3槽と、
上記第3槽から上記ナノバブルを含有する浴槽水が導入されると共に上記浴槽水中の垢を浮上させて除去する第4槽と、
上記第4槽から上記ナノバブルを含有する浴槽水が導入されると共に上記浴槽水が含有するナノバブル量と相関関係がある上記浴槽水の酸化還元電位もしくはゼータ電位を測定する電位測定部を含む第5槽とを有し、
上記浴槽部は、上記第5槽から上記ナノバブルを含有する浴槽水が導入されることを特徴としている。
【0012】
この発明の浴槽装置によれば、上記ナノバブル含有浴槽水製造部の第1槽でもってマイクロバブル発生器が発生するマイクロバブルを浴槽水に含有させることをスタートとし、次に、第2槽,第3槽の各槽のマイクロバブル発生器にて、順次、マイクロナノバブル、ナノバブルを生成して浴槽水に含有させることができる。そして、これら各槽のマイクロバブル発生器としては、市販の汎用品を採用できる。すなわち、市販の汎用品である3台のマイクロバブル発生器を使用して、ナノバブル含有浴槽水を製造して、浴槽部で利用できる。よって、この発明の浴槽装置によれば、既存の高価なナノバブル発生機(例えば、協和機設のナノバブル発生機)を使用するナノバブル製造装置と比較して、構造が多少複雑であるが、ナノバブルを安価に製造でき、浴槽部で利用することができる。
【0013】
また、この発明によれば、第4槽において、浴槽水中の垢をマイクロバブル,マイクロナノバブル,ナノバブルで浮上させて除去できるので、浴槽水の水質を向上できると共に各マイクロバブル発生器の目詰まりを防げる。また、この発明によれば、第5槽において、電位測定部が上記浴槽水の酸化還元電位もしくはゼータ電位を測定するので、上記浴槽水が含有するナノバブル量を間接的に測定可能となる。
【0014】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に界面活性剤を添加する界面活性剤添加部と、上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に無機塩類を添加する無機塩類添加部とのうちの少なくとも一方と、
上記第5槽の上記電位測定部が測定した酸化還元電位もしくはゼータ電位に基づいて、上記界面活性剤添加部による界面活性剤の添加量または上記無機塩類添加部による無機塩類の添加量の少なくとも一方の添加量を制御する制御部とを有する。
【0015】
この実施形態によれば、上記制御部でもって、第1〜第3槽への界面活性剤や無機塩類の添加量を上記酸化還元電位もしくはゼータ電位の測定値に基づいて制御して、第1〜第3槽でのマイクロバブル,マイクロナノバブル,ナノバブルの発生量を調整でき、所望の最適な発生状態に管理することが可能となる。
【0016】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に界面活性剤を添加する界面活性剤添加部を有する。
【0017】
この実施形態によれば、上記第1〜第3槽へ界面活性剤を添加することで、多量のバブルを発生させることが可能となる。
【0018】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に無機塩類を添加する無機塩類添加部を有する。
【0019】
この実施形態によれば、上記第1〜第3槽へ無機塩類を添加することで、多量のバブルを発生させることが可能となる。
【0020】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に界面活性剤を添加する界面活性剤添加部と、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に無機塩類を添加する無機塩類添加部とを有する。
【0021】
この実施形態によれば、上記第1〜第3槽へ界面活性剤および無機塩類を添加することで、さらに多量のバブルを発生させることが可能となる。
【0022】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記電位測定部は、上記浴槽水の酸化還元電位を測定し、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、上記界面活性剤添加部を有し、
上記制御部は、上記電位測定部が測定した上記浴槽水の酸化還元電位に基づいて、上記界面活性剤添加部による界面活性剤の添加量を制御する。
【0023】
この実施形態によれば、上記制御部でもって、第1〜第3槽への界面活性剤の添加量を制御して、第1〜第3槽でのマイクロバブル,マイクロナノバブル,ナノバブルの発生量を酸化還元電位の測定値に基づいて調整でき、所望の最適な発生状態に管理することが可能となる。
【0024】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記電位測定部は、上記浴槽水の酸化還元電位を測定し、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、上記無機塩類添加部を有し、
上記制御部は、上記電位測定部が測定した上記浴槽水の酸化還元電位に基づいて、上記無機塩類添加部による無機塩類の添加量を制御する。
【0025】
この実施形態によれば、上記制御部でもって、第1〜第3槽への無機塩類の添加量を上記酸化還元電位の測定値に基づいて制御して、第1〜第3槽でのマイクロバブル,マイクロナノバブル,ナノバブルの発生量を調整でき、所望の最適な発生状態に管理することが可能となる。
【0026】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記電位測定部は、上記浴槽水の酸化還元電位を測定し、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、上記界面活性剤添加部と上記無機塩類添加部の両方を有し、
上記制御部は、上記電位測定部が測定した上記浴槽水の酸化還元電位に基づいて、上記界面活性剤添加部による界面活性剤の添加量および上記無機塩類添加部による無機塩類の添加量を制御する。
【0027】
この実施形態によれば、上記制御部でもって、第1〜第3槽への界面活性剤の添加量および無機塩類の添加量を上記酸化還元電位の測定値に基づいて制御して、第1〜第3槽でのマイクロバブル,マイクロナノバブル,ナノバブルの発生量を調整でき、所望の最適な発生状態に管理することが可能となる。
【0028】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記界面活性剤添加部は、上記第1,第2,第3槽の各槽に界面活性剤を添加し、上記無機塩類添加部は、上記第1,第2,第3槽の各槽に無機塩類を添加する。
【0029】
この実施形態によれば、上記第1〜第3槽の各槽へ界面活性剤および無機塩類を添加することで、さらに多量のバブルを発生させることが可能となる。
【0030】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記電位測定部は、上記浴槽水のゼータ電位を測定し、
上記制御部は、上記電位測定部が測定した上記浴槽水のゼータ電位に基づいて、上記界面活性剤添加部による界面活性剤の添加量または上記無機塩類添加部による無機塩類の添加量の少なくとも一方の添加量を制御する。
【0031】
この実施形態によれば、上記制御部でもって、第1〜第3槽への界面活性剤や無機塩類の添加量を上記浴槽水のゼータ電位の測定値に基づいて制御して、第1〜第3槽でのマイクロバブル,マイクロナノバブル,ナノバブルの発生量を調整でき、所望の最適な発生状態に管理することが可能となる。上記浴槽水のゼータ電位は、ナノバブル量と相関関係があるので、ゼータ電位計で測定したゼータ電位を用いてナノバブル発生量を制御,管理することが可能である。
【0032】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記第4槽に活性炭が充填されている。
【0033】
この実施形態によれば、浴槽水中の有機物を上記第4槽の活性炭により吸着処理して、浴槽水を浄化することができる。特に、活性炭は、有機物を吸着すると同時に着色成分の処理にも有効となる。
【0034】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記第4槽に木炭が充填されている。
【0035】
この実施形態によれば、浴槽水中の有機物を上記第4槽の木炭により吸着処理して、浴槽水を浄化することができる。特に、木炭は、作用は弱いが、有機物の吸着と同時に着色成分の処理にも有効となる。
【0036】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記第4槽にラジウム鉱石が充填されている。
【0037】
この実施形態によれば、上記第4槽のラジウム鉱石から微量の放射線を放出するので、微量のラドンガスが発生し、この微量のラドンガスが浴槽水に含まれることで、体の細胞を少しずつ刺激するホルミシス効果を期待できる。
【0038】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記第4槽にポリ塩化ビニリデン充填物が充填されている。
【0039】
この実施形態によれば、上記第4槽のポリ塩化ビニリデン充填物に微生物が繁殖して浴槽水を浄化することができる。
【0040】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記第4槽に炭酸カルシウム鉱物が充填されている。
【0041】
この実施形態によれば、ナノバブルの酸化作用により浴槽水が酸性化した場合は、上記第4槽の炭酸カルシウム鉱物からカルシウムイオンが溶出して、浴槽水を中和することができる。
【0042】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記浴槽部は、
浴槽と、
上記浴槽からのオーバーフロー水が導入されるオーバーフロー配管と、
上記浴槽の底部からの底部水が導入される下部配管と
上記オーバーフロー配管と下部配管から上記オーバーフロー水と底部水とが導入されると共に上記オーバーフロー水と底部水とを混合して上記ナノバブル含有浴槽水製造部の第1槽に導入する循環ポンプとを有する。
【0043】
この実施形態によれば、浴槽部の浴槽の浴槽水面の上部の垢と浴槽の底部に沈殿した垢の両方を循環ポンプにて混合して、その両方を第1槽に導入することができる。よって、第1槽では、それら全ての垢をマイクロバブルに付着させて浮上させることができる。
【0044】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記ナノバブル含有浴槽水製造部の第1槽,第2槽,第3槽の各槽が有するマイクロバブル発生器は、空気を自吸する加圧溶解ポンプを含んでいる。
【0045】
この実施形態によれば、第1槽の加圧溶解ポンプでマイクロバブルを発生させ、第2槽の加圧溶解ポンプでマイクロナノバブルを発生させ、第3槽の加圧溶解ポンプでナノバブルを発生することができる。この加圧溶解ポンプは、空気を自吸した後、ポンプのインペラーを高速回転してバブルを発生させる。
【0046】
また、一実施形態の浴槽装置では、上記浴槽部が有する循環ポンプを、空気を自吸する加圧溶解ポンプとした。
【0047】
この実施形態によれば、上記浴槽部の加圧溶解ポンプでもって、浴槽水中の垢とマイクロバブルとを混合でき、次工程である第1槽、第2槽、第3槽での垢処理に有効とすることができる。また、上記浴槽部の加圧溶解ポンプは、マイクロバブル発生ポンプとして機能するので、次の第1〜第3槽で発生させるバブルサイズをより小さくして、第3槽でのナノバブルの発生量の増加を図れる。
【発明の効果】
【0048】
この発明の浴槽装置によれば、ナノバブル含有浴槽水製造部の第1槽でもってマイクロバブル発生器が発生するマイクロバブルを浴槽水に含有させることをスタートとし、次に、第2槽,第3槽の各槽のマイクロバブル発生器にて、順次、マイクロナノバブル、ナノバブルを生成して浴槽水に含有させることができる。そして、これら各槽のマイクロバブル発生器としては、市販の汎用品を採用できる。すなわち、市販の汎用品である3台のマイクロバブル発生器を使用して、ナノバブル含有浴槽水を製造して、浴槽部で利用できる。よって、この発明の浴槽装置によれば、既存の高価なナノバブル発生機(例えば、協和機設のナノバブル発生機)を使用するナノバブル製造装置と比較して、構造が多少複雑であるが、ナノバブルを安価に製造でき、浴槽部で利用することができる。
【0049】
また、この発明によれば、第4槽において、浴槽水中の垢をマイクロバブル,マイクロナノバブル,ナノバブルで浮上させて除去できるので、浴槽水の水質を向上できると共に各マイクロバブル発生器の目詰まりを防げる。また、この発明によれば、第5槽において、電位測定部が上記浴槽水の酸化還元電位もしくはゼータ電位を測定するので、上記浴槽水が含有するナノバブル量を間接的に測定可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0051】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に関する第1実施形態を示す図である。すなわち、第1実施形態は、この発明のナノバブルを利用した健康浴槽装置68である。この健康浴槽装置68は、ナノバブル含有浴槽水製造部63と健康浴槽部64から構成されている。
【0052】
最初に、ナノバブル含有浴槽水製造部63を説明し、その後で健康浴槽部64を詳細に説明する。
【0053】
ナノバブル含有浴槽水製造部63は、大きくは、第1槽5、第2槽11、第3槽20、第4槽48、第5槽29、界面活性剤タンク32、無機塩類タンク37および各種ポンプ等から構成されている。
【0054】
第1槽5には、健康浴槽1の浴槽水を健康浴槽循環ポンプ60で導入している。また、第1槽5には、必要に応じて、界面活性剤添加部としての界面活性剤タンク32からの界面活性剤が第1定量ポンプ33により薬品配管43を経由して添加される。そして、第1槽5には、必要に応じて、無機塩類添加部としての無機塩類タンク37からの無機塩類が第4定量ポンプ38により薬品配管42を経由して添加される。これら界面活性剤および無機塩類の添加量は、マイクロバブルの発生量で決定される。
【0055】
1次的には、マイクロバブル発生量としてのマイクロバブルの個数は、ベックマン・コールター株式会社のコールターカウンターで測定できる。
【0056】
この健康浴槽装置68では、制御のシステムとしては、第5槽29に設置された電位測定部としての酸化還元電位検出部30と酸化還元電位調節計62からなる酸化還元電位計により、酸化還元電位測定値と相関関係にあるナノバブル発生量が、界面活性剤と無機塩類の添加量で制御されることになる。
【0057】
そして、上記第1槽5の内部には、マイクロバブル発生装置65を構成する水中ポンプ型マイクロバブル発生機6が設置されている。また、第1槽5の外部には小型ブロワー7が設置されている。小型ブロワー7は、気体配管8で水中ポンプ型マイクロバブル発生機6に接続されている。すなわち、マイクロバブル発生装置65は、水中ポンプ型マイクロバブル発生機6、小型ブロワー7、気体配管8から構成されている。水中ポンプ型マイクロバブル発生機6には、小型ブロワー7から吐出する気体としての空気が、気体配管8を経由して供給され、この水中ポンプ型マイクロバブル発生機6はバブル水流9を発生している。
【0058】
第1槽5には、上述したように、必要に応じて、第1定量ポンプ33により、薬品配管43を経由して界面活性剤タンク32からの界面活性剤が添加される。
また、第1槽5には、必要に応じて、無機塩類タンク37から無機塩類が第4定量ポンプ38により、薬品配管42を経由して添加される。
【0059】
上記第1槽5への界面活性剤や無機塩類の添加量の制御について、システムの観点からより詳細に記載する。すなわち、後述する第5槽(測定槽)29に設置されている酸化還元電位検出部30と酸化還元電位調節計62からの信号を制御部としてのシーケンサー31で受け、シーケンサー31は上記信号に基づいて、第1定量ポンプ33や第4定量ポンプ38の吐出量を調整する。このことにより、第5槽(測定槽)29における設定の酸化還元電位が維持される。
【0060】
第5槽29内の浴槽水において、マイクロバブル、マイクロナノバブルおよびナノバブルが多量に存在すると酸化還元電位の値がプラスのミリボルトを示す。この第1実施形態では、一例として、第5槽(測定槽)29内の浴槽水における酸化還元電位の値を10ミリボルト(mV)以上に調整,制御した。すなわち、第5槽(測定槽)29内の浴槽水の酸化還元電位の値が10ミリボルト(mV)以上となるように、シーケンサー31により上記第1定量ポンプ33や第4定量ポンプ38の吐出量が制御され、界面活性剤や無機塩類が第1槽65に添加される。また、一例として、上記シーケンサー31による制御でもって、第1槽5内の浴槽水における酸化還元電位を1mV以上とし、第2槽11内の浴槽水における酸化還元電位を5mV以上とし、最終的に第3槽20の浴槽水における酸化還元電位を10mV以上とすることもできる。この第5槽29内での酸化還元電位の設定値は、浴槽水の水質,成分によって決定することができる。
【0061】
この第1槽5内の浴槽水におけるマイクロバブルの発生量は、界面活性剤と無機塩類の有無によって、相当異なる。つまり、第1槽5内の浴槽水に界面活性剤と無機塩類が有ることにより、マイクロバブルの発生量が極端に増大する。この界面活性剤としては、目的により市販品の中からカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤の中から適当なものを選定すればよい。また、無機塩類としては、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等の中から適当なものを選定すればよい。
【0062】
なお、界面活性剤タンク32には、タンク内を撹拌する目的で、第1撹拌機36が設置され、また同様に無機塩類タンク37には第2撹拌機41がタンク内を撹拌する目的で設置されている。これらの第1,第2撹拌機36,41も上記シーケンサー31によって制御される。
【0063】
水中ポンプ型マイクロバブル発生機6は、一般的な水中ポンプと同様、インペラ部分が高速回転し、そこに小型ブロワー7から供給された空気が、インペラが高速回転することによって、せん断されてマイクロバブルを発生する。この水中ポンプ型マイクロバブル発生機6の特徴としては、液中に360度方向すなわち水中ポンプ型マイクロバブル発生機6の全周囲方向にマイクロバブルを噴射することができることがある。また、この水中ポンプ型マイクロバブル発生機6に供給する小型ブロワー7からの空気量は、一例として2〜5リットル/分である。
【0064】
上述したように、界面活性剤と無機塩類を添加すると、添加量により異なるが、第1槽5において、浴槽水が牛乳のように白濁する。次に、第1槽5からオーバーフローで流出した浴槽水は、オーバーフロー配管10を経て第2槽11に流入する。
【0065】
マイクロナノバブル発生槽である第2槽11には、マイクロナノバブル発生装置66が設置されている。この第2槽(マイクロナノバブル発生槽)11に設置されているマイクロナノバブル発生装置66は、循環ポンプ15、部品としてのマイクロナノバブル発生器13、吸い込み配管14、気体配管16、気体ニードルバルブ17、水配管18より構成され、バブル水流12を発生する。
【0066】
この第2槽11には、界面活性剤タンク32からの界面活性剤が第2定量ポンプ34により薬品配管44を経由して必要に応じて添加される。また、第2槽11には、無機塩類タンク37からの無機塩類が第5定量ポンプ39により薬品配管46を経由して必要に応じて添加される。
【0067】
制御システムの観点から述べると、界面活性剤や無機塩類の添加量は、後述する第5槽(測定槽)29に設置されている酸化還元電位検出部30と酸化還元電位調節計68(2つ合わせて酸化還元電位計)の信号を受けたシーケンサー31によって調整される。つまり、シーケンサー31は上記信号に基づいて、第2定量ポンプ34や第5定量ポンプ39の吐出量を調整する。
【0068】
上述したように、この界面活性剤と無機塩類は、マイクロナノバブル発生装置66が発生するマイクロナノバブルの発生量を飛躍的に増大させる添加剤としての作用がある。つまり、マイクロナノバブルの発生量は、界面活性剤と無機塩類の有る無しでは相当異なり、界面活性剤と無機塩類が有ると極端に発生量が増大する。
【0069】
次に、第2槽(マイクロナノバブル発生槽)11からオーバーフローで流出した浴槽水は、オーバーフロー配管19を経て第3槽(ナノバブル発生槽)20に流入する。この第3槽(ナノバブル発生槽)20には、装置としてのナノバブル発生装置67が設置されている。
【0070】
この第3槽20に設置されたナノバブル発生装置67は、循環ポンプ24、部品としてのナノバブル発生器22、吸い込み配管23、気体配管25、気体ニードルバルブ26、水配管27より構成され、バブル水流21を発生する。この第3槽20には、界面活性剤タンク32からの界面活性剤が第3定量ポンプ35により薬品配管45を経由して必要に応じて添加される。また、この第3槽20には、無機塩類タンク37からの無機塩類が第6定量ポンプ40により薬品配管47を経由して必要に応じて添加される。
【0071】
制御システムの観点から述べると、界面活性剤や無機塩類の添加量は、後述する第5槽(測定槽)29に設置されている酸化還元電位検出部30と酸化還元電位調節計68(2つ合わせて酸化還元電位計)の信号を受けたシーケンサー31によって調整される。つまり、シーケンサー31は上記信号に基づいて、第3定量ポンプ35や第6定量ポンプ40の吐出量を調整する。
【0072】
上述したように、この界面活性剤と無機塩類は、ナノバブル発生装置67が発生するナノバブルの発生量を飛躍的に増大させる添加剤としての作用がある。つまり、ナノバブルは、発生量が界面活性剤と無機塩類の有無によって相当異なり、界面活性剤と無機塩類が有ると極端に発生量が増大する。
【0073】
次に、第3槽20から流出した浴槽水は、オーバーフロー配管28を経由して第4槽48に流入する。第4槽48は垢分離槽である。ところで、前述の第1槽5におけるマイクロバブル、第2槽11におけるマイクロナノバブル、第3槽20におけるナノバブルが、それぞれ、浴槽水中の垢に付着する。これらの各バブルが付着した垢は3つの水槽5,11,20内で浮上する。そして、この浴槽水中の垢は、第4槽48に流入した時点で、第4槽(垢分離槽)48の水面49の部分に集積し、垢排水配管53から系外に排出される。
【0074】
一方、垢が浮上して分離された浴槽水は、穴あき支持台52上に配置された活性炭収容袋50に収容された活性炭51の層を通過して、浴槽水中の微量溶解有機物が活性炭51に吸着され、浴槽水が浄化される。この浄化された浴槽水は、下部連通配管54を通過して、第5槽(測定槽)29に流入する。この第5槽29には、上述したように水中の酸化還元電位を測定するための酸化還元電位検出部30が設置されている。この酸化還元電位検出部30は、ナノバブルの有する酸化力を測定するための検出部であり、ナノバブル量と酸化還元電位との間には相関関係がある。
【0075】
したがって、第5槽(測定槽)29において、設定した酸化還元電位が確保できるように、酸化還元電位検出部30、酸化還元電位調節計68(2つ合わせて酸化還元電位計)、第1定量ポンプ33、第2定量ポンプ34、第3定量ポンプ35、第4定量ポンプ38、第5定量ポンプ39、第6定量ポンプ40が信号線55によりシーケンサー31に接続されている。これにより、第1,第2,第3,第4,第5,第6定量ポンプ33,34,35,38,39,40のそれぞれは、上記酸化還元電位計で計測された酸化還元電位に基づき、シーケンサー31によって連携運転される。こうして、この実施形態の健康浴槽装置68の第5槽29の浴槽水において、設定した酸化還元電位が確保される。
【0076】
なお、ナノバブルは、物質に対する酸化力がある。ナノバブルは、物質に対する酸化力があることから、酸化還元電位は、プラスミリボルトで測定されるが、液体の種類や浴槽水における溶解成分、ナノバブル数、ナノバブルの密度により異なる。
【0077】
この第1実施形態では、上記第5槽29の浴槽水における酸化還元電位を、一例として、プラス+20mV〜+120mVの範囲内で設定して運転した。ちなみに、排水処理における脱窒槽(すなわち還元槽)では、酸化に対して還元槽であるため、酸化還元電位はマイナスミリボルトで−50mV〜−400mVの範囲であることが多い。なお、上記酸化還元電位検出部30および酸化還元電位調節計68のメーカーは、特に限定されるものではないが、この第1実施形態では、一例として東亜DKK株式会社の製品を採用した。
【0078】
そして、上述のように設定された酸化還元電位を示す浴槽水は、水配管3を経由して、健康浴槽1に流入する。この健康浴槽1には、給湯するために健康浴槽1の健康浴槽水面2の上部に給湯配管78が設置されている。そして、必要時に健康浴槽1にお湯が給水される。また、健康浴槽1の側面上部にはオーバーフロー配管4が設置され、また、健康浴槽1の側面下部には下部水配管58が設置されている。そして、オーバーフロー配管4からの浴槽水と下部水配管58からの浴槽水は、吸い込み配管59で合流して健康浴槽循環ポンプ60によって、健康浴槽循環配管61を経由して第1槽5に導入される。なお、符号56,57はバルブである。
【0079】
ここで、ナノバブル含有浴槽水製造装置63における第1槽5、第2槽11、第3槽20、第4槽48での役割を纏めると以下の内容である。
(1) 第1槽(マイクロバブル発生槽)5:マイクロバブル発生装置65と、界面活性剤と無機塩類の添加によるマイクロバブルの多量発生のための槽
(2) 第2槽(マイクロナノバブル発生槽)11:マイクロナノバブル発生装置66と、界面活性剤と無機塩類の添加によるマイクロナノバブルの多量発生のための槽
尚、マイクロナノバブル発生装置66は、正確に表現すると、マイクロバブル発生装置である。しかし、このマイクロナノバブル発生装置66には、第1槽65で形成されたマイクロバブル含有液体がオーバーフロー配管10から流入する。そして、そのマイクロバブル含有液体をさらにマイクロナノバブル発生装置(マイクロバブル発生装置)66でせん断する。これにより、マイクロナノバブル発生装置66では、マイクロナノバブルが発生する。
【0080】
そして、この第2槽11において、界面活性剤と無機塩類を添加することによって、マイクロバブルとナノバブルの混合物としてのマイクロナノバブルが多量に発生する。
(3) 第3槽(ナノバブル発生槽)20:ナノバブル発生装置67は、正確に表現すると、マイクロバブル発生装置である。しかし、このナノバブル発生装置67には、第2槽(マイクロナノバブル発生槽)11で形成されたマイクロナノバブル含有液体がオーバーフロー配管19から流入する。そして、そのマイクロナノバブル含有液体をさらにナノバブル発生装置(マイクロバブル発生装置)67でせん断することで、ナノバブルを中心としたマイクロバブルとの混合物(ナノバブル等)が発生する。
【0081】
そして、この第3槽(ナノバブル発生槽)20において、界面活性剤と無機塩類を添加することによって、ナノバブルを中心としたマイクロバブルの混合物すなわちナノバブル等が多量に発生する。
(4) 第4槽(垢分離槽)48:第1槽5,第2槽11,第3槽20の各槽において、各種バブルが付着することによって浮上した垢の集合体は、この第4槽(垢分離槽)48に導入され、この第4槽(垢分離槽)48において、垢集合体と浴槽水とに物理的に分離される。この分離された垢集合体は、垢排水配管53から排出される。
(5) 第5槽(測定槽)29:この第5槽29は、上述の第3槽20までで発生し、上記第4槽(垢分離槽)48を経由したナノバブルの量を、ナノバブルが有する酸化還元電位で測定するための槽である。この第5槽29において、ナノバブル量が不足している場合、すなわち酸化還元電位が設定値よりも低い場合は、シーケンサー31で第1〜第3定量ポンプ33〜35,第4〜第6定量ポンプ38〜40のうちの少なくとも1つを駆動,制御する。これにより、第1,第2,第3槽5,11,20のうちの少なくとも1つの槽に界面活性剤または無機塩類の少なくとも一方を添加して、上記酸化還元電位が設定値となるようにナノバブル量を増加させることができる。
【0082】
なお、界面活性剤と無機塩類のそれぞれの添加量、もしくは界面活性剤または無機塩類の単独の添加量は、浴槽水それぞれ固有の条件である。また、界面活性剤と無機塩類のそれぞれの浴槽水への添加量は、あらかじめの実験により確認できる内容である。
【0083】
次に、第1槽5でのマイクロバブル発生装置65、第2槽11でのマイクロナノバブル発生装置66、第3槽20でのナノバブル発生装置67、それぞれのメカニズムを詳細に説明する。
【0084】
マイクロバブル発生装置65、マイクロナノバブル発生装置66、およびナノバブル発生装置67は、正確には、装置としての性能は単独で使用した場合は、全てマイクロバブル発生装置である。
【0085】
上記マイクロバブル発生装置65は、マイクロナノバブル発生装置66、およびナノバブル発生装置67と比較して、使用空気量が2〜5リットル/分で多く、バブルのサイズも大きい。上記マイクロナノバブル発生装置66およびナノバブル発生装置67の使用空気量は、1リットル/分で少なく、バブルのサイズもマイクロバブル発生装置65と比較して小さい。
【0086】
本実施形態は、最終的に、ナノバブル含有浴槽水を製造することが目的であり、第3槽(ナノバブル発生槽)20でナノバブルを製造することを目的とする。すなわち、第1槽(マイクロバブル発生槽)5でのマイクロバブル発生装置65が発生するバブルサイズが大きくても、3段階を経て、すなわち、第1槽5,第2槽11,第3槽20の各槽におけるせん断でもってナノバブルを製造する内容である。そして、第1槽5,第2槽11,第3槽20でのバブル含有浴槽水をさらにポンプ15,24、発生器13,22へ導入することによって、マイクロバブル、マイクロナノバブル、およびナノバブルが形成されることになる。
【0087】
次に、マイクロバブル発生装置65、マイクロナノバブル発生装置66、およびナノバブル発生装置67のメカニズムについて説明する。
【0088】
マイクロバブル発生装置65は、水中ポンプ型マイクロバブル発生機6と小型ブロワー7、気体配管8から構成されている。解り易く言えば、水中ポンプにおけるインペラを高速回転させて、その部分に気体としての空気を小型ブロワー7から供給して空気をせん断してマイクロバブルを発生させている。
【0089】
また、マイクロナノバブル発生装置66とナノバブル発生装置67は、全く同じ構造構成である。ただし、マイクロナノバブル発生装置66は、マイクロバブル含有浴槽水を吸い込み、ナノバブル発生装置67は、マイクロナノバブル含有浴槽水を吸い込んでいる点が動作上異なる。
【0090】
マイクロナノバブル発生装置66は、マイクロナノバブル発生器13、吸い込み配管14、循環ポンプ15、気体配管16、気体ニードルバルブ17、液体配管18から構成されている。また、ナノバブル発生装置67は、ナノバブル発生器22、吸い込み配管23、循環ポンプ24、気体配管25、気体ニードルバルブ26、液体配管27から構成されている。
【0091】
そして、マイクロナノバブル発生器13やナノバブル発生器22において、
流体力学的に圧力を制御し、負圧形成部分から気体を吸入し、高速流体運動させて、負圧部を形成し、バブルを発生させる。より解り易く簡単に説明すると、水と空気を効果的に自給,混合,溶解し、圧送することにより、マイクロナノバブルやナノバブルを製造することができる。
【0092】
さらに詳細に説明する。マイクロナノバブル発生装置66とナノバブル発生装置67に使用している循環ポンプ15と24は、揚程15m以上(すなわち、1.5kg/cmの高圧)の高揚程のポンプである。すなわち、循環ポンプ15と24は、高揚程のポンプである必要性があり、かつトルクが安定している2ポールのものを選定することが望ましいが絶対的条件ではない。なお、ポンプには、2ポールと4ポールがあり、2ポールのポンプはトルクが安定している。
【0093】
また、循環ポンプ15と24は圧力の制御をすることが望ましい。この高揚程のポンプの回転数を回転数制御器(一般的にはインバーターと呼ばれている)で目的にあった圧力とすることも可能である。循環ポンプ15と24の圧力を、目的にあった圧力とすることで、バブルサイズが纏まったバブルを製造することができる。
【0094】
ここで、循環ポンプ15,24に接続したマイクロナノバブル発生器13,ナノバブル発生器22のバブル発生のメカニズムを述べる。
【0095】
マイクロナノバブル発生器13とナノバブル発生器22においては、それぞれのバブルを発生させるために、液体および気体の混相旋回流を発生させ、発生器中心部に高速旋回させる気体空洞部を形成させる。次に、この気体空洞部を圧力で竜巻状に細くして、より高速で旋回する回転せん断流を発生させる。この気体空洞部の気体としては、空気(オゾン、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、の場合もあるが、この実施形態では、単に空気とした。目的によって、他の気体を選定してもよい。上記気体を、マイナス圧(負圧)を利用して、自動的に供給させる。さらに、上記気体を切断,粉砕しながら混相流を回転させる。この切断,粉砕は、装置出口付近における内外の気液二相流体の旋回速度差により起きる。その時の回転速度は、500〜600回転/秒である。
【0096】
すなわち、マイクロナノバブル発生器13とナノバブル発生器22において、流体力学的に圧力を制御することで、負圧形成部分から気体を吸入し、高揚程ポンプで高速流体運動させて、負圧部を形成し、マイクロナノバブルやナノバブルを発生させる。より解り易く簡単に説明すると、高揚程ポンプで水と空気を効果的に自給,混合,溶解して圧送することにより、マイクロナノバブルやナノバブルを製造することができるのである。以上が、マイクロナノバブル発生装置66とナノバブル発生装置67のバブル発生のメカニズムである。
【0097】
そして、第2,第3槽11,20への界面活性剤や無機塩類の添加は、バブルの発生量を増大させる効果がある。
【0098】
この実施形態では、第5槽(測定槽)29での酸化還元電位検出部30による酸化還元電位に関する測定値を、酸化還元電位調節計62で受け、この酸化還元電位調節計62は上記酸化還元電位を調節すべく、シーケンサー31に信号を送り、シーケンサー31は上記信号に基づいて、各定量ポンプ33、34、35、38、39、40のそれぞれの吐出量を制御している。すなわち、酸化還元電位検出部30、酸化還元電位調節計68、およびシーケンサー31によって、定量ポンプ33、34、35、38、39、40の吐出流量の調整制御が行われる。
【0099】
なお、この実施形態では、マイクロバブル発生装置65の具体的一例として、野村電子工業株式会社のマイクロバブラーMB−400を採用した。また、ナノバブル発生装置66,ナノバブル発生装置67におけるバブル発生器13,22としては、具体的一例として株式会社ナノプラネット研究所の製品であるマイクロバブル発生器M2型を採用した。
【0100】
ここで、4種類のバブルについて説明する。
【0101】
(1) 通常のバブル(気泡)は水の中を上昇して、ついには表面でパンとはじけて消滅する。
【0102】
(2) マイクロバブルは、発生時において10〜数10ミクロン(μm)の気泡径を有し、発生後に収縮運動によりマイクロナノバブルになる。
【0103】
(3) マイクロナノバブルは、10μm〜数100nm前後の直径を有する気泡である。
【0104】
(4) ナノバブルは、数100nm以下の直径を有する気泡である。
【0105】
次に、第5槽(測定槽)29において、酸化還元電位の測定値が設定値以上となった浴槽水は、水配管3を経由して、健康浴槽1に流入する。この健康浴槽1に入浴した場合、ナノバブル含有浴槽水は、通常の浴槽水よりも洗浄力があるので、人体の各部分を物理化学的に洗浄して、人体からの垢を発生させる。この人体からの垢は、健康浴槽1内にもナノバブルが存在することから、一部垢の集合体を形成して健康浴槽1の水面2に浮上する。そして、上記垢の集合体を含む浴槽水は、健康浴槽1の側壁上部に接続されているオーバーフロー配管4から流出する。また、一部の人体からの垢は、健康浴槽1内に沈殿して、健康浴槽1の側壁下部に接続されている下部水配管58から流出する。このオーバーフロー配管4と下部水配管58から流出した垢の集合体を含む浴槽水は、上述のように、健康浴槽循環ポンプ60により循環配管61を通して第1槽5に流入することになる。
【0106】
この第1実施形態の健康浴槽装置68は、単価の安い汎用マイクロバブル発生装置を利用してナノバブル含有浴槽水を製造しているので、イニシャルコストを低く抑えることができる特徴がある。これと同時に、ナノバブル含有浴槽水がナノバブルを多量に含有しているので、人体に対する洗浄能力が優れている。洗浄能力が優れているナノバブル含有浴槽水は、美容や湿疹などの皮膚病に対して有効な作用を示すことになる。そして、このナノバブル含有浴槽水は、人体の皮膚から浸入して人体の血流量を増加させることができる。こうして、人体の血流量が増加すると、血液の循環が良くなり、各種疾病にかかりにくくなる。
【0107】
なお、上記第1実施形態において、上記浴槽部64の循環ポンプ60を、空気を自吸する加圧溶解ポンプとし、この加圧溶解ポンプでもマイクロバブルを発生させるようにしてもよい。また、上記第1実施形態において、活性炭51に替えて木炭が第4槽48に充填されていてもよい。
【0108】
(第2の実施の形態)
次に、図2に、この発明の健康浴槽装置の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、前述の第1実施形態における無機塩類タンク37,第4定量ポンプ38,第5定量ポンプ39,第6定量ポンプ40が設置されていない点だけが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第2実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付して、前述の第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0109】
この第2実施形態では、前述の第1実施形態が備えていた無機塩類タンク37、第4定量ポンプ38、第5定量ポンプ39、第6定量ポンプ40を備えていない。これらの設備は、浴槽水の水質によっては、必要が無くなる。この第2実施形態では、界面活性剤のみでも充分な浴槽水に対応している。すなわち、この実施形態は、第5槽29における酸化還元電位の測定値が低い場合、ナノバブルが発生し易い浴槽水が選定されている場合などに適合している。
【0110】
(第3の実施の形態)
次に、図3に、この発明の健康浴槽装置の第3実施形態を示す。この第3実施形態は、前述の第1実施形態における界面活性剤タンク32,第1定量ポンプ33,第2定量ポンプ34,第3定量ポンプ35が設置されていない点だけが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第3実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付して、前述の第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0111】
この第3実施形態では、前述の第1実施形態が備えていた界面活性剤タンク32、第1定量ポンプ33、第2定量ポンプ34、第3定量ポンプ35を備えていない。これらの設備は、浴槽水の水質によっては、必要がなく、バブル発生量を増加させるためには、無機塩類のみでも充分な浴槽水も存在する。よって、この第3実施形態は、第5槽29における酸化還元電位の測定値が低い場合、ナノバブルが発生し易い浴槽水が選定されている場合などに適合している。
【0112】
(第4の実施の形態)
次に、図4に、この発明の健康浴槽装置の第4実施形態を示す。この第4実施形態は、前述の第1実施形態における酸化還元電位検出部30と酸化還元電位調節計68に替えて、ゼータ電位検出部69とゼータ電位調節計70を備えた点だけが、前述の第1実施形態と異なる。よって、この第4実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付して、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0113】
ゼータ電位とは、一般に、『表面電位によって形成された電気二重層の、滑り面での電位』と定義されている。第5槽29におけるナノバブルの発生量とゼータ電位とは相関関係があり、ナノバブル量を酸化還元電位と同様にナノバブル量の管理手段として利用することができる。つまり、ナノバブルの発生量は、ゼータ電位との相関関係があり、浴槽水の種類によって異なる事が判明している。
【0114】
この第4実施形態が備えるゼータ電位検出部69とゼータ電位調節計70のメーカーは特に限定しないが、具体的一例として、日本ルフト株式会社のゼータ電位測定装置DT型におけるゼータ電位検出部69とゼータ電位調節計70を選定した。
【0115】
(第5の実施の形態)
次に、図5にこの発明の健康浴槽装置の第5実施形態を示す。この第5実施形態は、前述の第1実施形態における水中ポンプ型マイクロバブル発生機6等から構成されるマイクロバブル発生装置65に替えて、マイクロバブル発生器72、循環ポンプ74等から構成されるマイクロバブル発生装置95が第1水槽5に設置されている点だけが、前述の第1実施形態と異なる。よって、この第5実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、前述の第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0116】
この第5実施形態において、第1槽5に設置されているマイクロバブル発生装置95は、循環ポンプ74、部品としてのマイクロナノバブル発生器72、吸い込み配管73、気体配管75、気体ニードルバルブ76、水配管77で構成され、バブル水流72を発生する。このマイクロバブル発生装置75は、第2槽11に設置されているマイクロナノバブル発生装置66の構成と同等の構成になっている。
【0117】
この第5実施形態では、マイクロバブル発生器72、循環ポンプ74等から構成されるマイクロバブル発生装置95が第1槽5に設置されているので、この第1槽5では、水中ポンプ型マイクロバブル発生機6よりも細かい、すなわちサイズの小さいマイクロバブルを発生できる。そして、最終的に第5槽29でのナノバブルのサイズを、より小さくすることができる。マイクロバブルやナノバブルについて、サイズがより小さい方が洗浄能力,血流量増加作用等の作用効果が向上することが判明しているので、好都合である。
【0118】
(第6の実施の形態)
次に、図6に、この発明の健康浴槽装置の第6実施形態を示す。この第6実施形態では、前述の第1実施形態における第4槽48に充填されていた活性炭51,活性炭収容袋50に替えて、ラジウム鉱石収容袋79に収容されたラジウム鉱石80が第4槽48に充填されている点のみが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第6実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0119】
前述の第1実施形態では、第4槽48に活性炭が充填されていたが、第6実施形態では、ラジウム鉱石80が第4槽48に充填されているので、第4槽48において、ラジウム鉱石の作用や効果を期待できる。すなわち、ラジウム鉱石からは、微量の気体としてのラドンが発生する。また、ラジウムは、常にアルファ・ベータ・ガンマー線を放射している。ちなみに、秋田県の玉川温泉、島根の三朝温泉はラジウム温泉であり、ラジウム温泉では、温泉からラジウムを放出して、微量のラドンガスを発生している。このラジウム温泉に入浴すると、体の細胞を少しずつ刺激(ホルミシス効果)して、体の恒常性が増加する効果がある。
【0120】
(第7の実施の形態)
次に、図7に、この発明の健康浴槽装置の第7実施形態を示す。この第7実施形態では、前述の第1実施形態における第4槽48に充填されていた活性炭51,活性炭収容袋50に替えて、固定金具81に取り付けたポリ塩化ビニリデン充填物82が第4槽48に充填されている点のみが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第7実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0121】
前述の第1実施形態では、第4槽48に活性炭が充填されていたが、この第7実施形態では、ポリ塩化ビニリデン充填物82が第4槽48に充填されているので、ポリ塩化ビニリデン充填物82に微生物が繁殖し、かつ微生物がナノバブルで活性化して、浴槽水を効率よく浄化することができる。
【0122】
(第8の実施の形態)
次に、図8に、この発明の健康浴槽装置の第8実施形態を示す。この第8実施形態は、前述の第1実施形態における第4槽48に充填されていた活性炭51,活性炭収容袋50に替えて、炭酸カルシウム鉱物収容袋83に収容された炭酸カルシウム鉱物84が第4槽48に充填されている点のみが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第8実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0123】
前述の第1実施形態では、第4槽48に活性炭が充填されていたが、この第8実施形態では、炭酸カルシウム鉱物84が第4槽48に充填されているので、浴槽水の成分がナノバブルにより酸化されて、浴槽水のpHが低下した場合、炭酸カルシウム鉱物84が溶解して、炭酸カルシウム鉱物84からカルシウムイオンが溶出して、浴槽水を中和することができる。
【0124】
(実験例1)
図1に示した第1実施形態に基いて、健康浴槽装置68をナノバブル含有浴槽水製造部63と健康浴槽部64とで構成した実験装置を製作した。この実験装置では、ナノバブル含有浴槽水製造部63の第1槽5の容量を0.04m、第2槽11の容量を0.04m、第3槽20の容量を0.04m、第4槽48の容量を0.06m、第5槽29の容量を0.02mとした。また、健康浴槽部64の健康浴槽1の容量を0.20mとし、界面活性剤タンク32の容量を0.02mとし、無機塩類タンク37の容量を0.02mとした。
【0125】
そして、第1槽5に設置するマイクロバブル発生装置65として野村電子工業株式会社の製品であるマイクロバブラMD−400を選定した。また、第2槽11に設置するマイクロナノバブル発生装置66と第3槽20に設置するナノバブル発生装置67を同一の株式会社ナノプラネット研究所の製品M2型を選定した。
【0126】
また、第4槽48に充填する活性炭51をクラレケミカル株式会社クラレコールKWとして0.03m充填し、第5槽29に設置する酸化還元電位検出部30と酸化還元電位調節計68としては東亜DKKの製品を採用した。
【0127】
また、界面活性剤タンク32に人体に影響しないカチオン界面活性剤を投入して第1撹拌機36を運転して撹拌し、さらに無機塩類タンク37に塩化ナトリウムを投入して第2撹拌機41を運転して撹拌した。そして、健康浴槽1に給湯配管78を経由して給水し、その後、第5槽29の水をベックマン・コールター株式会社のコールターカウンターにて測定したところ、サイズが160nm付近を中心に223000個/mlのナノバブルを確認できた。また、その時の第5槽29の酸化還元電位を測定したところ、+38mVであった。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】この発明の浴槽装置の第1実施形態を模式的に示す図である。
【図2】この発明の浴槽装置の第2実施形態を模式的に示す図である。
【図3】この発明の浴槽装置の第3実施形態を模式的に示す図である。
【図4】この発明の浴槽装置の第4実施形態を模式的に示す図である。
【図5】この発明の浴槽装置の第5実施形態を模式的に示す図である。
【図6】この発明の浴槽装置の第6実施形態を模式的に示す図である。
【図7】この発明の浴槽装置の第7実施形態を模式的に示す図である。
【図8】この発明の浴槽装置の第8実施形態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0129】
1 健康浴槽
2 健康浴槽水面
3 水配管
4 オーバーフロー配管
5 第1槽
6 水中ポンプ型マイクロバブル発生機
7 小型ブロワー
8 気体配管
9 バブル水流
10 オーバーフロー配管
11 第2槽
12 バブル水流
13 マイクロナノバブル発生器
14 吸い込み配管
15 循環ポンプ
16 気体配管
17 気体ニードルバルブ
18 水配管
19 オーバーフロー配管
20 第3槽
21 バブル水流
22 ナノバブル発生器
23 吸い込み配管
24 循環ポンプ
25 気体配管
26 気体ニードルバルブ
27 水配管
28 オーバーフロー配管
29 第5槽
30 酸化還元電位検出部
31 シーケンサー
32 界面活性剤タンク
33 第1定量ポンプ
34 第2定量ポンプ
35 第3定量ポンプ
36 第1撹拌機
37 無機塩類タンク
38 第4定量ポンプ
39 第5定量ポンプ
40 第6定量ポンプ
41 第2撹拌機
42〜47 薬品配管
48 第4槽
49 第4槽水面
50 活性炭収容袋
51 活性炭
52 穴あき支持台
53 垢排水配管
54 下部連通配管
55 信号線
56、57 バルブ
58 下部水配管
59 吸い込み配管
60 健康浴槽循環ポンプ
61 健康浴槽循環配管
62 酸化還元電位調節計
63 ナノバブル含有浴槽水製造部
64 健康浴槽部
65、95 マイクロバブル発生装置
66 マイクロナノバブル発生装置
67 ナノバブル発生装置
68 健康浴槽装置
69 ゼータ電位検出部
70 ゼータ電位調節計
71 バブル水流
72 マイクロバブル発生器
73 吸い込み配管
74 循環ポンプ
75 気体配管
76 気体ニードルバルブ
77 水配管
78 給湯配管
79 ラジウム鉱石収容袋
80 ラジウム鉱石
81 固定金具
82 ポリ塩化ビニリデン充填物
83 炭酸カルシウム収容袋
84 炭酸カルシウム鉱物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽部と、
上記浴槽部からの浴槽水が導入されると共に上記浴槽水にナノバブルを含有させて上記ナノバブルを含有した浴槽水を上記浴槽部に導入するナノバブル含有浴槽水製造部とを備え、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記浴槽部からの浴槽水が導入されると共にマイクロバブル発生器が設置されていて上記浴槽水にマイクロバブルを含有させる第1槽と、
上記第1槽から上記マイクロバブルを含有した浴槽水が導入されると共にマイクロバブル発生器が設置されていて上記浴槽水にマイクロナノバブルを含有させる第2槽と、
上記第2槽から上記マイクロナノバブルを含有する浴槽水が導入されると共にマイクロバブル発生器が設置されていて上記浴槽水にナノバブルを含有させる第3槽と、
上記第3槽から上記ナノバブルを含有する浴槽水が導入されると共に上記浴槽水中の垢を浮上させて除去する第4槽と、
上記第4槽から上記ナノバブルを含有する浴槽水が導入されると共に上記浴槽水が含有するナノバブル量と相関関係がある上記浴槽水の酸化還元電位もしくはゼータ電位を測定する電位測定部を含む第5槽とを有し、
上記浴槽部は、上記第5槽から上記ナノバブルを含有する浴槽水が導入されることを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
請求項1に記載の浴槽装置において、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に界面活性剤を添加する界面活性剤添加部と、上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に無機塩類を添加する無機塩類添加部とのうちの少なくとも一方と、
上記第5槽の上記電位測定部が測定した酸化還元電位もしくはゼータ電位に基づいて、上記界面活性剤添加部による界面活性剤の添加量または上記無機塩類添加部による無機塩類の添加量の少なくとも一方の添加量を制御する制御部とを有することを特徴とする浴槽装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の浴槽装置において、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に界面活性剤を添加する界面活性剤添加部を有することを特徴とする浴槽装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の浴槽装置において、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に無機塩類を添加する無機塩類添加部を有することを特徴とする浴槽装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の浴槽装置において、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に界面活性剤を添加する界面活性剤添加部と、
上記第1,第2,第3槽のうちの少なくとも1槽に無機塩類を添加する無機塩類添加部とを有することを特徴とする浴槽装置。
【請求項6】
請求項2に記載の浴槽装置において、
上記電位測定部は、上記浴槽水の酸化還元電位を測定し、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、上記界面活性剤添加部を有し、
上記制御部は、上記電位測定部が測定した上記浴槽水の酸化還元電位に基づいて、上記界面活性剤添加部による界面活性剤の添加量を制御することを特徴とする浴槽装置。
【請求項7】
請求項2に記載の浴槽装置において、
上記電位測定部は、上記浴槽水の酸化還元電位を測定し、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、上記無機塩類添加部を有し、
上記制御部は、上記電位測定部が測定した上記浴槽水の酸化還元電位に基づいて、上記無機塩類添加部による無機塩類の添加量を制御することを特徴とする浴槽装置。
【請求項8】
請求項2に記載の浴槽装置において、
上記電位測定部は、上記浴槽水の酸化還元電位を測定し、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部は、上記界面活性剤添加部と上記無機塩類添加部の両方を有し、
上記制御部は、上記電位測定部が測定した上記浴槽水の酸化還元電位に基づいて、上記界面活性剤添加部による界面活性剤の添加量および上記無機塩類添加部による無機塩類の添加量を制御することを特徴とする浴槽装置。
【請求項9】
請求項8に記載の浴槽装置において、
上記界面活性剤添加部は、上記第1,第2,第3槽の各槽に界面活性剤を添加し、上記無機塩類添加部は、上記第1,第2,第3槽の各槽に無機塩類を添加することを特徴とする浴槽装置。
【請求項10】
請求項2に記載の浴槽装置において、
上記電位測定部は、上記浴槽水のゼータ電位を測定し、
上記制御部は、上記電位測定部が測定した上記浴槽水のゼータ電位に基づいて、上記界面活性剤添加部による界面活性剤の添加量または上記無機塩類添加部による無機塩類の添加量の少なくとも一方の添加量を制御することを特徴とする浴槽装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1つに記載の浴槽装置において、
上記第4槽に活性炭が充填されていることを特徴とする浴槽装置。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1つに記載の浴槽装置において、
上記第4槽に木炭が充填されていることを特徴とする浴槽装置。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか1つに記載の浴槽装置において、
上記第4槽にラジウム鉱石が充填されていることを特徴とする浴槽装置。
【請求項14】
請求項1から10のいずれか1つに記載の浴槽装置において、
上記第4槽にポリ塩化ビニリデン充填物が充填されていることを特徴とする浴槽装置。
【請求項15】
請求項1から10のいずれか1つに記載の浴槽装置において、
上記第4槽に炭酸カルシウム鉱物が充填されていることを特徴とする浴槽装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1つに記載の浴槽装置において、
上記浴槽部は、
浴槽と、
上記浴槽からのオーバーフロー水が導入されるオーバーフロー配管と、
上記浴槽の底部からの底部水が導入される下部配管と
上記オーバーフロー配管と下部配管から上記オーバーフロー水と底部水とが導入されると共に上記オーバーフロー水と底部水とを混合して上記ナノバブル含有浴槽水製造部の第1槽に導入する循環ポンプとを有することを特徴とする浴槽装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1つに記載の浴槽装置において、
上記ナノバブル含有浴槽水製造部の第1槽,第2槽,第3槽の各槽が有するマイクロバブル発生器は、空気を自吸する加圧溶解ポンプを含んでいることを特徴とする浴槽装置。
【請求項18】
請求項16または17に記載の浴槽装置において、
上記浴槽部が有する循環ポンプを、空気を自吸する加圧溶解ポンプとしたことを特徴とする浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−119482(P2010−119482A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294182(P2008−294182)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】