説明

浸透性の油を含有する食品用の包装材料

油気の強い若しくは脂肪分の多い食品用の包装材料であって、浸透に耐性のある、浸透を隠す、又は油気の強い若しくは脂肪分の多い物質の浸透に耐性があり、且つ浸透を隠す組み合わせである、1つ又は複数の機構を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、包装材料に関し、より詳細には、浸透性の油を含有する食品用の包装材料に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2005年6月29日付で出願された米国仮特許出願第60/695,145号の利益を主張する、2006年6月29日付で出願された米国特許出願第11/477,264号、及び2006年6月29日付で出願された国際出願第PCT/US2006/025557号の一部継続出願であり、2006年6月29日付で出願された米国仮特許出願第60/817,488号の利益をさらに主張するものである。上記出願の各々はその開示全体が参照により援用される。
【背景技術】
【0003】
紙ベースの袋及びカートンはフライドポテト、ハッシュブラウン、及びチキンカツ等の冷凍食品の包装によく使用されている。しかしながら、このような製品は大抵、紙又は板紙を浸透可能な油でコーティングされている。油が包装に染み込むと、黒ずんだ箇所又は染みがカートンの外側に現れる。このような染みは包装の外観を損ない、痛んでいるか又は汚染されたと見なされるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、低トランス脂肪酸油又は非トランス脂肪酸油(non-trans fatty acid oil)は、他の油よりも健康的であると見なされることで、ますます関心を集めている。しかしながら、非トランス脂肪酸油又は低トランス脂肪酸油は、典型的な冷凍庫の温度では凍結する他の油とは異なり、流体のままであるため、パッケージの大きな染みの原因となる。したがって、依然として油の染みを防ぐ、油の染みを隠す、又はそれらの任意の組み合わせであるパッケージ及び包装材料の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の様々な態様は概して、油気の強い(oily)又は脂肪分の多い(greasy)食品用の包装材料に関し、このような包装材料の作製方法に関する。様々な包装材料が、幾つかの食品に付き物である、1つ又は複数の油気の強い又は脂肪分の多い物質(以下、「油(単数又は複数)」とする)の浸透に耐性のある、浸透を隠す、又は浸透に耐性があり、且つ浸透を隠すという機構を備えている。
【0006】
一態様によれば、本発明は油による変色を受けやすい基材と、基材を実質的に覆う耐油層とを含み、耐油層が実質的に油の浸透に耐性のあるポリマーを含む、耐油性包装材料に関する。耐油層は任意の適切な坪量、例えば約1 lb/ream〜約10 lb/ream(lb/3000平方フィート)、又は約2 lb/ream〜約6 lb/reamを有し得る。
【0007】
耐油層は単一のポリマー、例えばポリプロピレンを含んでいてもよく、又は2種以上のポリマーのブレンドを含んでもよい。一例では、耐油層は約50wt%〜約99wt%のポリプロピレン及び最大約50重量(wt)%の低密度ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6,6、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、又はそれらの任意の組み合わせを含む。必要に応じて、耐油層は充填材を含んでもよい。一例では、耐油層は0wt%〜約30wt%の充填材を含み得る。別の例では、包装材料は紙又は板紙を含む基材、並びにポリプロピレン及び炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、アルミナ、二酸化チタン、又はそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される充填材を含む耐油層を含む。
【0008】
この態様の一変形形態では、包装材料は耐油層を実質的に覆うヒートシール層を含む。ヒートシール層は、例えば約180°F〜約380°Fの軟化温度を有する熱可塑性ポリマーであってもよい。したがって、例えば本発明では、基材が紙又は板紙を含み、耐油層がポリプロピレンを含み、且つヒートシール層が低密度ポリエチレンを含む包装材料が予想される。別の例としては、ヒートシール層はポリプロピレン、例えばメタロセンポリプロピレンを含む。
【0009】
本発明の別の態様によれば、油を含有する食品用の包装材料は、油による変色を受けやすい基材と、実質的に基材を覆うタイ層と、実質的にタイ層を覆う耐油層と、実質的に耐油層を覆うヒートシール層とを含む。耐油層は実質的に油の浸透に耐性のあるポリマーを含む。
【0010】
各種層は各々が多数の材料から形成されてもよく、1つ又は複数の層が異なるポリマー又は同じポリマーから形成されてもよい。一例では、タイ層及びヒートシール層は同じポリマーから形成される。別の例では、タイ層及びヒートシール層は異なるポリマーから形成される。或る特定の例では、基材が紙又は板を含み、タイ層が低密度ポリエチレンを含み、耐油層がポリプロピレンを含み、且つヒートシール層が低密度ポリエチレンを含む。別の例では、タイ層及びヒートシール層の一方又は両方がポリプロピレン、例えばメタロセンポリプロピレンを含む。
【0011】
さらに、各種層は任意の適切な量で存在し得る。或る特定の例では、紙又は板紙が約8 lb/ream〜約250 lb/reamの坪量を有し、タイ層が約0.1 lb/ream〜約5 lb/reamの坪量を有し、耐油層が約0.1 lb/ream〜約20 lb/reamの坪量を有し、且つヒートシール層が約1 lb/ream〜約15 lb/reamの坪量を有する。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、油の染みを隠す包装材料は、油を吸収しやすい基材と、基材に組み込まれる(1)不透明性改良添加剤(opacity modifying additive)及び(2)複数の漂白繊維の少なくとも1つとを含む。一例では、不透明性改良添加剤は二酸化チタン等の白色顔料を含む。別の例では、基材は複数の繊維(繊維の少なくとも約10wt%が漂白繊維である)から形成される。或る特定の例では、基材が少なくとも約25wt%の漂白繊維を含む、約30 lb/ream〜約50 lb/reamの坪量を有する紙を含み、且つ不透明性改良添加剤が紙1トン当たり少なくとも約90 lbの二酸化チタンを含む。別の特定の例では、基材が少なくとも約50wt%の漂白繊維を含む、約30 lb/ream〜約50 lb/reamの坪量を有する紙を含み、且つ不透明性改良添加剤が紙1トン当たり少なくとも約180 lbの二酸化チタンを含む。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、油の染みを隠す包装材料は、油を吸収しやすい基材と、基材を実質的に覆う不透明性改良層とを含み、当該不透明性改良層はポリマーと不透明性改良添加剤とを含む。一例では、不透明性改良添加剤は二酸化チタンを含む。この態様の一変形形態では、包装材料は基材と不透明性改良添加剤層との間に配置されるタイ層を含む。この態様の別の変形形態では、包装材料は、基材の遠位に不透明性改良層を実質的に覆うヒートシール層を含む。各種層は、限定されるものではないが、本明細書中に記載の任意の適切な材料から形成され得る。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、油の染みを隠す包装材料は油を吸収しやすく、したがって染みができる基材と、基材の少なくとも一部を覆う染みを隠す層とを含む。染みを隠す層は、染みの色によく似ているか、染みの光沢を目立たなくするか、染みを隠すのに十分に不透明であるか、又はそれらの任意の組み合わせである着色剤を含む。一例では、着色剤は染みの色によく似た暗色無反射顔料、例えば灰色顔料又は黒色顔料を含む。別の例では、着色剤は染みの光沢を目立たなくする反射顔料、例えばアルミニウムフレーク、真鍮フレーク、真珠光沢顔料、又はそれらの任意の組み合わせを含む。さらに別の例では、着色剤は染みの色によく似た第1の暗色無反射顔料と、染みの光沢を目立たなくする第2の反射顔料とを含む。一例では、着色剤は約50wt%〜約99wt%のカーボンブラックと、約1wt%〜約50wt%のアルミニウムフレークとを含む。
【0015】
染みを隠す層の様々な構成が本明細書により予想される。一例では、染みを隠す層は基材の少なくとも一部を、実質的に連続した又は一様の構成で覆う。別の例では、染みを隠す層は、基材の少なくとも一部をパターン化された構成で覆う。したがって、或る特定の例では、着色剤がカーボンブラックを含み、且つ染みを隠す層が基材の少なくとも一部を、黒色の明暗の陰影を含むパターン化された構成で覆う。
【0016】
一変形形態では、不透明性改良添加剤、複数の漂白繊維、又はそれらの任意の組み合わせが基材に組み込まれ得る。一例では、不透明性改良添加剤は二酸化チタンを含む。
【0017】
別の変形形態では、染みを隠す層が基材の第1の面の少なくとも一部を覆い、且つ包装材料が、基材の第2の面の少なくとも一部を覆う不透明性改良層をさらに含む。一例では、不透明性改良層はポリマーと不透明性改良添加剤、例えば二酸化チタンとを含む。任意に、タイ層は基材と不透明性改良層との間に配置されてもよい。
【0018】
本発明のまたさらなる態様によれば、油を含有する食品用の包装材料は、油と接触すると染みが付いたように見える紙ベースの基材と、基材の第1の面を実質的に覆うタイ層と、タイ層を実質的に覆う耐油層と、耐油層を実質的に覆うヒートシール層と、基材の第2の面の少なくとも一部を覆う染みを隠す層とを含む。耐油層は、実質的に油の浸透に耐性のあるポリマーと不透明性改良添加剤とを含んでもよい。染みを隠す層は染みの色によく似ているか、染みの光沢を目立たなくするか、又はそれらの任意の組み合わせである着色剤を含んでもよい。着色剤は、染みの色によく似た第1の暗色無反射顔料と、染みの光沢を目立たなくする第2の反射顔料とを含んでもよい。一変形形態では、着色剤は、約60wt%〜約80wt%のカーボンブラックと、約20wt%〜約40wt%のアルミニウムフレークとを含む。
【0019】
一変形形態では、タイ層が低密度ポリエチレンを含み、耐油層中のポリマーがポリプロピレンを含み、不透明性改良添加剤が二酸化チタンを含み、且つヒートシール層が低密度ポリエチレンを含む。
【0020】
別の変形形態では、紙ベースの基材が約8 lb/ream〜約250 lb/reamの坪量を有し、タイ層が約0.1 lb/ream〜約5 lb/reamの坪量を有し、耐油層が約0.11 lb/ream〜約20 lb/reamの坪量を有し、且つヒートシール層が約1 lb/ream〜約15 lb/reamの坪量を有する。
【0021】
任意の様々な材料がパッケージ、例えば油気の強い物質を含有する食品用のパッケージを形成するために使用され得る。或る特定の例では、任意の様々な材料が、従来の袋、又はフライドポテト等のジャガイモを原料にした食品用の他のパッケージを形成するために使用され得る。
【0022】
本発明の他の態様及び特徴は、図面及び以下の記載に鑑みて明らかになる。
【0023】
この記載は添付の図面に関するが、その幾つかは概略であり、幾つかの図にわたって同様の参照文字は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の様々な態様による例示的な包装材料の概略断面図である。
【図2】本発明の様々な態様による別の例示的な包装材料の概略断面図である。
【図3A】本発明の様々な態様によるさらに別の例示的な包装材料の概略断面図である。
【図3B】図3Aの材料を形成する例示的なプロセスの概略図である。
【図4A】本発明の様々な態様によるさらに別の例示的な包装材料の概略断面図である。
【図4B】図4Aの材料を形成する例示的なプロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の様々な態様は概して、食品を包装するための材料に関する。より詳細には、本発明の様々な態様は概して、包装材料の1つ又は複数の構成要素に染み込む可能性のある、油気の強い若しくは脂肪分の多い物質、例えばトランス脂肪酸油、低トランス脂肪酸油、非トランス脂肪酸油、飽和油、不飽和油、油脂、又はバター(「油(単数又は複数)」と総称)でコーティングされるか又はそれを含有する食品を包装するための材料に関する。本発明の包装材料は浸透に耐性のある、浸透を隠す、又は油の浸透に耐性があり、且つ浸透を隠すという機構を備える。当然のことながら、本明細書中に開示されるか又は本明細書により予想される、技法及び機構の任意の組み合わせを、必要又は所望に応じて単独又は任意の組み合わせで使用してもよい。
【0026】
本明細書中に記載されるか又は本明細書により予想される、任意の多数の包装材料が、袋、カートン、カートンブランク、若しくは他のパッケージ、又は中に食品を収納するための構築物を形成するために使用され得る。一例では、包装材料はジャガイモを原料にした食品、例えばハッシュブラウン、フライドポテト等を収容する袋を形成するために使用される。
【0027】
耐油性材料
本発明の一態様によれば、包装材料は実質的に油の浸透に耐性がある。包装材料は、油の浸透を受けやすい1つ又は複数の構成要素、及び油の浸透に耐性のある1つ又は複数の構成要素を含む層状構造であってもよい。例えば、包装材料は、油の浸透に耐性のある1つ又は複数の付加的な層でコーティングされる油浸透性基材を含み得る。
【0028】
本発明の様々な態様は、包装材料、及びこのような材料を形成する概略プロセスの多数の例を図示する図面を参照して説明され得る。便宜上、同様の数字は同様の機構を述べるために使用され得る。当然のことながら、複数の類似した機構を図示する場合、そのような機構全てを各々の図面に必ずしも表示しているわけではない。様々な発明の幾つかの異なる例示的な態様、実施態様、及び実施形態が提供されるが、それらの組み合わせ、及び様々な発明の変更形態、態様、実施態様、及び発明の実施形態との間の多数の相互関係が本明細書により予想される。
【0029】
図1は、本発明の様々な態様による例示的な包装材料100の概略断面図である。包装材料100は、基材105及び基材105を実質的に隠すか、又は覆う耐油層110を含み得る。
【0030】
基材105はを油の浸透を受けやすい任意の材料、例えば紙又は板紙であり得る。本発明のこの態様及び他の態様では、紙又は板紙は、例えば漂白クラフト紙若しくは無漂白クラフト紙であっても、又は天然クラフト無漂白繊維及び天然クラフト漂白繊維のブレンドから形成される紙であってもよい。当然のことながら、紙ベースの基材が本明細書中で詳述されるが、本明細書中に記載の耐油性機構は、油に浸透性であり、したがって望ましくない染みになりやすい任意の他の型の基材に適用することができる。
【0031】
耐油層110は、油の浸透に耐性のある1つ又は複数の材料から形成され得る。一態様では、耐油層は樹脂、ポリマー材料、又はフィルム、例えば、各種メタロセンポリプロピレンを含むポリプロピレン、低密度ポリエチレンを含むポリエチレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体を含むプロピレン−エチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6,6、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、又はそれらの任意の組み合わせを含む。本発明に使用するのに適切であり得るポリプロピレンの一例は、Chevron Phillips(Kingsport, Tennessee)からMARLEX(登録商標)の商品名で市販されているものである。本発明に使用するのに適切であり得るポリエチレンテレフタレートの一例は、Toray Plastics(America), Inc.(Front Royal, Virginia)からPA10の商品名で市販されているものである。本発明に使用するのに適切であり得るポリビニルアルコールの一例は、DuPont(Wilmington, Delaware)からELVANOL(登録商標)の商品名で市販されているものである。本発明に使用するのに適切であり得るポリ塩化ビニリデンの一例は、Dow Chemical Company(Midland, Michigan)からSARAN(登録商標)の商品名で市販されているものである。本発明に使用するのに適切であり得るエチレンビニルアルコールの一例は、Evalco(Houston, Texas)からEVAL樹脂の商品名で市販されているものである。適切であり得る別のポリマー材料は、DuPont(Wilmington, Delaware)から市販されている、エチレン/メタクリル酸共重合体のブレンドであるSURLYN(登録商標)である。他の材料が本明細書により予想される。
【0032】
耐油層は、所望に応じて様々な他の添加剤及び成分を含んでもよい。他の添加剤及び成分は、紙基材又は包装材料中の他の層若しくは構成要素に対する接着性を改良するために選択してもよく、油の浸透に対する耐性を増大し得るか、又は他の機能又は属性をもたらし得る。例えば、ポリプロピレンは、他のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーと混合されてもよい。或る特定の例では、ポリプロピレンは、ポリエチレン、例えば低密度ポリエチレンと混合される。別の例では、ポリプロピレンは、有機充填剤又は無機充填剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、アルミナ、二酸化チタン、任意の他の充填剤、又はそれらの任意の組合せと混合される。さらに別の例では、ポリプロピレンは、低密度ポリエチレン及び炭酸カルシウムと混合される。このような例が本明細書中で提供される一方で、多数の他の添加剤及び成分が本明細書により予想される。当然のことながら、このような充填材、添加剤、及び成分の幾つかは1つ又は複数の層及び/又は包装材料の他の特性、例えば不透明性を完全に変更し得る。
【0033】
耐油層が2種以上のポリマー又は他の添加剤を含む場合、各々の様々な成分は、0wt%超から100wt%までの重量パーセントを有し得る。したがって、各々の様々な例では、耐油層は独立して、約50wt%〜100wt%のポリプロピレン及び0wt%〜約50wt%の低密度ポリエチレン、約60wt%〜100wt%のポリプロピレン及び0wt%〜約40wt%の低密度ポリエチレン、約70wt%〜100wt%のポリプロピレン及び0wt%〜約30wt%の低密度ポリエチレン、約80wt%〜100wt%のポリプロピレン及び0wt%〜約20wt%の低密度ポリエチレン、又は約90wt%〜100wt%のポリプロピレン及び0wt%〜約10wt%の低密度ポリエチレンを含み得る。
【0034】
材料の多数の他の組合せが予想される。例えば、耐油層は、約50wt%〜100wt%のポリプロピレン、0wt%〜約50wt%の低密度ポリエチレン及び0wt%〜約30wt%の充填剤(例えば炭酸カルシウム)を含み得る。別の例としては、耐油層は、約15wt%〜約80wt%のポリプロピレン、約1wt%〜約40wt%の低密度ポリエチレン及び約10wt%〜約30wt%の充填剤を含み得る。さらに別の例としては、耐油層は、約30wt%〜約80wt%のポリプロピレン、約10wt%〜約30wt%の低密度ポリエチレン及び約5wt%〜約20wt%の充填剤を含み得る。
【0035】
各種層は各々が、任意の適切な重量を有してもよく、任意の適切な量で包装材料に存在してもよい。例えば紙又は板紙であり得る基材は、約8 lb/ream〜約250 lb/reamの坪量を有し得る。一態様では、基材は、約20 lb/ream〜約50 lb/reamの坪量を有する。別の態様では、基材は、約35 lb/ream〜約45 lb/reamの坪量を有する。
【0036】
耐油層は概して、約0.05 lb/ream〜約25 lb/reamの坪量を有し得る。一態様では、耐油層は、約1 lb/ream〜約10 lb/reamの坪量を有する。別の態様では、耐油層は、約2 lb/ream〜約6 lb/reamの坪量を有する。さらに別の態様では、耐油層は、約3 lb/ream〜約5 lb/reamの坪量を有する。さらに別の態様では、耐油層は、約1 lb/ream〜約3 lb/reamの坪量を有する。さらに別の態様では、耐油層は、約2 lb/ream〜約4 lb/reamの坪量を有する。さらに別の態様では、耐油層は、約2 lb/ream〜約5 lb/reamの坪量を有する。
【0037】
図2は本発明による別の例示的な包装材料200を図示している。この例では、ヒートシール層205は耐油層210の全部又は一部を実質的に覆い、耐油層210は基材215の少なくとも一部を実質的に覆う。ヒートシール層205は、例えば、包装材料200からパッケージ(図示せず)を形成するために熱接合が利用される場合に使用され得る。
【0038】
この態様及び他の態様では、ヒートシール層は、任意の適切な熱可塑性ポリマー材料から形成され得る。概して、ヒートシール層は、ヒート(heal)シールを比較的低い温度、例えば約180°F〜約380°F(「ヒートシール温度」)で開始することができるように、低い融点又は軟化点を有する任意の材料から形成され得る。さらに、ヒートシール層の形成に使用される材料は、ヒートシールが或る範囲の温度にわたって所望の持続時間及び粘着度で形成され得るように、幅の広い熱融着シール窓(wide hot tack sealing window)を提供するように選択され得る。
【0039】
一例としては、限定されるものではないが、ヒートシール層は線状低密度ポリエチレン、例えばメタロセン触媒線状低密度ポリエチレン(又は「メタロセンポリエチレン」)を含み得る。別の例では、ヒートシール層は低密度ポリエチレンを含み得る。適切であり得る低密度ポリエチレンの例としては、Westake Chemical Corp.(Houston, Texas)から市販されるWestlake EC−482、Eastman Chemical Company(Kingsport, Tennessee)から市販されるVORIDIAN PE E6838−850P、及びChevron Phillips(The Woodlands, Texas)から市販されるMarflex 1013 LDPEが挙げられるが、これらに限定されない。別の例では、ヒートシール層はポリエチレン、例えばExxon Mobil(Irving, Texas)から市販されるEXXCO 012 PE、又は任意の他の適切なポリエチレンを含み得る。さらに別の例では、ヒートシール層は、エチレン/メタクリル酸共重合体のブレンド、例えばDuPont(Wilmington, Delaware)から市販されるSURLYN(登録商標)1707樹脂から形成され得る。さらに別の例では、ヒートシール層はポリプロピレン、例えばメタロセン触媒ポリプロピレン(又は「メタロセンポリプロピレン」)から形成され得る。本発明に使用するのに適切であり得るメタロセンポリプロピレンの一例は、Dow Chemical(Midland, Michigan)から市販されるAffinity 1450である。他の例が予想される。
【0040】
さらに別の例では、ヒートシール層は、ポリエチレン、低密度ポリエチレン及びエチレン/メタクリル酸共重合体、例えば上記のもの(これらに限定されない)のブレンドから形成され得る。様々な例示的な態様では、ブレンドは独立して、約40wt%〜約80wt%のポリエチレン、約15wt%〜約55wt%の低密度ポリエチレン、及び約1wt%〜約25wt%のエチレン/メタクリル酸共重合体;約50wt%〜約70wt%のポリエチレン、約25wt%〜約45wt%の低密度ポリエチレン、及び約1wt%〜約15wt%のエチレン/メタクリル酸共重合体;約50wt%〜約70wt%のポリエチレン、約25wt%〜約45wt%の低密度ポリエチレン、及び約1wt%〜約10wt%のエチレン/メタクリル酸共重合体;約60wt%のポリエチレン、約35wt%の低密度ポリエチレン、及び約5wt%のエチレン/メタクリル酸共重合体;又は任意の他の適切なブレンド若しくは必要に応じたブレンド範囲を含み得る。
【0041】
さらに別の例では、ヒートシール層は、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン/メタクリル酸共重合体、例えば上記のもの(これらに限定されない)のブレンドから形成され得る。幾つかの例では、ポリプロピレンは、メタロセンポリプロピレンを含む。様々な例示的な態様では、ブレンドは独立して、約40wt%〜約80wt%のポリエチレン、約15wt%〜約55wt%のポリプロピレン、及び約1wt%〜約25wt%のエチレン/メタクリル酸共重合体;約50wt%〜約70wt%のポリエチレン、約25wt%〜約45wt%のポリプロピレン、及び約1wt%〜約15wt%のエチレン/メタクリル酸共重合体;約50wt%〜約70wt%のポリエチレン、約25wt%〜約45wt%のポリプロピレン、及び約1wt%〜約10wt%のエチレン/メタクリル酸共重合体;約60wt%のポリエチレン、約35wt%のポリプロピレン、及び約5wt%のエチレン/メタクリル酸共重合体;又は任意の他の適切なブレンド若しくは必要に応じたブレンド範囲を含み得る。
【0042】
本明細書中では特定の例が提供されるが、当然のことながら他のポリマー、例えば、限定されるものではないが、本明細書中に記載のポリマーのいずれか、又はそれらの任意のブレンド若しくは共重合体が本発明に従って使用され得る。例えば、ヒートシール層のポリマーを、隣接した層(この例では、耐油層)の形成に使用されるポリマーと混合することが望ましいと思われる。代替的には、層がより適合し、より優れた接着特性を実現することができるように、ヒートシール層のポリマーの一部を、ヒートシール層のポリマーと耐油層のポリマーとの共重合体と置き換えてもよい。
【0043】
したがって、必要に応じて、ヒートシール層は、適合化(compatibilizing)ポリマー、適合化剤、又は適合化添加剤として1つ又は複数のポリマーを0wt%〜約50wt%含んでもよい。或る特定の例では、ヒートシール層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約40wt%含む。別の例では、ヒートシール層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約30wt%含む。さらに別の例では、ヒートシール層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約20wt%含む。さらに別の例では、ヒートシール層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約10wt%含む。さらに別の例では、ヒートシール層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約5wt%含む。
【0044】
包装材料の様々な他の層と同様に、ヒートシール層は、所望のヒートシールを得るのに必要な又は望ましい任意の適切な量で存在し得る。一態様では、ヒートシール層は、約0.1 lb/ream〜約20 lb/reamの坪量を有する。別の態様では、ヒートシール層は、約1 lb/ream〜約15 lb/reamの坪量を有する。別の態様では、ヒートシール層は、約3 lb/ream〜約10 lb/reamの坪量を有する。さらに別の態様では、ヒートシール層は、約3.5 lb/ream〜約9 lb/reamの坪量を有する。さらに別の態様では、ヒートシール層は、約2 lb/ream〜約6 lb/reamの坪量を有する。
【0045】
したがって、本発明による例示的な包装材料は、約8 lb/ream〜約250 lb/reamの坪量を有する紙又は板紙の層、任意で約0.1 lb/ream〜約20 lb/reamのレベルで添加剤を適用させた耐油性ポリマー(例えばポリプロピレン)の層、約1 lb/ream〜約15 lb/reamの坪量を有するヒートシール層を含み得る。別の例示的な包装材料は、約30 lb/ream〜約60 lb/reamの坪量を有する紙又は板紙の層、任意で約2 lb/ream〜約6 lb/reamのレベルで添加剤を適用させたポリプロピレンの層、約3 lb/ream〜約9 lb/reamの坪量を有するヒートシール層を含み得る。
【0046】
図3Aは本発明によるさらに別の例示的な包装材料300を図示している。この例では、複数のポリマー層305、310、及び315(それぞれ層A、B、及びCとしても表される)は基材320、例えば、紙又は板紙(上記)を覆う。各々の層は、この構造内で1つ又は複数の異なる機能を果たし得る。例えば、基材320を実質的に覆うポリマー層305は、ポリマー層310を基材320に接合する結合層又は「タイ」層の役割を果たし得る。タイ層は、例えば、2つの隣接した層(この例では、ポリマー層310及び基材320)が適合しないか、又はそうでなければ十分な接着を実現することができない場合に使用され得る。タイ層は2つのポリマー層若しくは2つの紙層の間、又は紙層とポリマー層との間に配置されてもよい。このような層の他の利用が本明細書により予想される。
【0047】
本発明のこの態様及び他の態様に従って、タイ層は、隣接した層に十分に接着し、それらを接合する任意の適切なポリマーから形成され得る。一例では、タイ層は上記の低密度ポリエチレン、例えばEC−482から形成される。別の例では、タイシール層はポリプロピレン、例えばメタロセンポリプロピレンから形成される。しかし、当然のことながら、他のポリマー、及びそれらのブレンド又は共重合体を本発明に従って使用してもよい。例えば、タイ層のポリマーを、隣接した層(この例では、耐油層)の形成に使用されるポリマーと混合することが望ましいと思われる。代替的には、層がより適合し、より優れた接着特性を実現することができるように、タイ層のポリマーの一部を、タイ層のポリマーと耐油層のポリマーとの共重合体と置き換えてもよい。
【0048】
したがって、必要に応じて、タイ層は、適合化ポリマー、適合化剤、又は適合化添加剤として1つ又は複数のポリマーを0wt%〜約50wt%含んでもよい。或る特定の例では、タイ層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約40wt%含む。別の例では、タイ層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約30wt%含む。さらに別の例では、タイ層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約20wt%含む。さらに別の例では、タイ層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約10wt%含む。またさらなる例では、タイ層は1つ又は複数の適合化ポリマーを0wt%〜約5wt%含む。
【0049】
タイ層は必要に応じて、隣接した層との所望の接着性レベルを実現するのに適切な任意の坪量を有し得る。例えば、タイ層は約0.1 lb/ream〜約5 lb/reamの坪量を有し得る。他の坪量が本明細書により予想される。
【0050】
図3Aをさらに見るが、実質的にポリマー層305とポリマー層315との間に位置するポリマー層310は、耐油層の役割を果たし得る。このような層は、任意の適切なポリマーから形成され、上記のように任意の適切な坪量を有し得る。例えば、ポリマー層310はポリプロピレン、並びに任意に、1つ又は複数の他のポリマー及び/又は充填材を含んでもよい。別の例としては、ポリマー層310は約0.1 lb/ream〜約20 lb/ream、例えば約2 lb/ream〜約6 lb/reamの坪量を有し得る。他のポリマー、組成物、及び坪量が本明細書により予想される。
【0051】
ポリマー層310を実質的に覆うポリマー層315は、ヒートシール層の役割を果たし得る。このような層は、任意の適切なポリマーから形成され、上記のように任意の適切な坪量を有し得る。例えば、ポリマー層315はポリプロピレン、及び任意に、1つ又は複数の他のポリマーを含んでもよい。別の例としては、ポリマー層315は約1 lb/ream〜約15 lb/ream、例えば約3 lb/ream〜約5 lb/reamの坪量を有し得る。他のポリマー、組成物、及び坪量が本明細書により予想される。
【0052】
この態様及び他の態様では、本発明による様々な包装材料が、当業者に既知の1つ又は複数の技法を利用して任意の適切な形で形成され得る。一例では、図3Bに概略的に示されるように、材料300の層305、310、及び315の各々が別個の押出機を使用して形成される。層の1つ又は複数が共押し出し加工されてもよく、代替的には連続した形で形成及び/又は接合されてもよい。多数の他のプロセスが本明細書により予想される。
【0053】
必要に応じて、図4A及び図4Bに示すように、層の1つ又は複数が同じ型のポリマーから形成されてもよい。この例示的な包装材料400では、複数のポリマー層405、410、及び415は基材420、例えば紙又は板紙(上記)を実質的に覆う。ポリマー層405及び415は各々、ポリマー型Aから形成されるように指定され、ポリマー層410はポリマー型Bから形成されるように指定される。この例では、基材420を実質的に覆うポリマー層405は、様々な他のポリマー層410及び415を基材420へと接合する結合層又はタイ層の役割を果たし得る。実質的にポリマー層405とポリマー層415との間に位置するポリマー層410は、耐油層の役割を果たし得る。ポリマー層410を実質的に覆うポリマー層415は、ヒートシール層の役割を果たし得る。各種層に関する坪量及び組成の例は本明細書を通じて提供され、多数の他の例が本明細書により予想される。
【0054】
包装材料400は任意の適切な形で形成され得る。例えば、図4Bに概略的に示されるように、1つの押出機がポリマー層405及びポリマー層415を形成するのに使用され、別の押出機がポリマー層410を形成するのに使用されてもよい。層の1つ又は複数が共押し出し加工されてもよく、代替的には、連続した形で形成及び/又は接合されてもよい。多数の他のプロセスが本明細書により予想される。
【0055】
当然のことながら、多数の他の構造及び包装材料が本明細書により予想される。例えば、基材と適合して基材を実質的に覆う第1のタイ層、第1のタイ層及び耐油層と適合して、第1のタイ層と耐油層との間に実質的に位置する第2のタイ層、及び耐油層を実質的に覆うヒートシール層の4層構造が予想される。別の例としては、ヒートシール層と耐油層との間に実質的に位置する第3のタイ層を含む5層構造が予想される。
【0056】
必要に応じて、本発明の任意の様々な包装材料の層を、パッケージにセキュリティー機能を付けるために選択してもよい。例えば、基材に隣接した第1のポリマー層が、第1のポリマー層に隣接した第2のポリマー層よりも弱く結合されるよう選択され得る。このような処置をすると、パッケージを開こうと試みた場合、シールが基材と第1のポリマー層との接触面で剥がれやすいことが見出されている。基材が紙である場合、紙は破れやすく、再封じできない。したがって、使用者はパッケージに不当に手が加えらえれた、パッケージが汚染された、又は別の方法で傷付けられた可能性に注意することができる。或る特定の例では、基材は紙を含み、第1のポリマー層はポリプロピレン、例えばメタロセンポリプロピレンを含み、且つ第2のポリマー層もポリプロピレン、例えばメタロセンポリプロピレンを含む。多数の他の可能性が予想される。
【0057】
代替的には、パッケージが再封じ可能であることが望ましい場合、基材に隣接した第1のポリマー層が、第1のポリマー層に隣接した第2のポリマー層よりも強く結合されるよう選択され得る。このような処置では、シールは、通常は再封じできる第1のポリマー層と第2のポリマー層との接触面で剥がれやすい。或る特定の例では、基材は紙を含み、第1のポリマー層はポリエチレン、例えば線状低密度ポリエチレンを含み、且つ第2のポリマー層はポリプロピレンを含む。
【0058】
本発明では、油の浸透に対する耐性が増大した包装材料の作製方法も予想される。本方法は、油に浸透性であり、したがって染みになり得る基材を用意すること、及び基材の少なくとも一部を耐油性材料又は耐油層、例えば樹脂又はポリマーフィルムで実質的に覆うことを含む。耐油層は、付加的な機能特性、例えば色、吸光度、向上した接着性、撥油性、又は多数の他の属性を付与するために、樹脂又はフィルムに任意に添加された1つ又は複数の添加剤を含んでもよい。包装材料をシールするために、ヒートシール層を耐油層の少なくとも一部に塗布又は接合してもよい。様々な他の層の間の接着性を改良するために、1つ又は複数のタイ層が含まれてもよい。様々な他の機能を果たす、さらなる他の層が組み込まれてもよい。
【0059】
包装材料の各種層は、当該技術分野で既知の任意の方法又は技法を利用して、形成、組み立て、及び/又は接合され得る。したがって、例えばポリマーの層を、紙層に共押し出し加工及び積層してもよい。別の例では、各々の層を独立して形成し、熱、接着材、機械的締結、又は他の接合若しくは結合の技法を利用して互いに積層してもよい。さらに別の例では、ポリマーの層を同時又は順次に直接紙層上に押し出し加工してもよい。多数の他のプロセスが本明細書により予想される。
【0060】
この態様及び他の態様では、包装材料は任意の適切なパッケージ、例えば、袋に形成され得る。袋は特定の食品及び用途に関する必要に応じて、任意の形状及び大きさを有し得る。幾つかの用途について、例えばフライドポテト用に、袋はスリット、又は袋詰めの後に空気を逃がす他の機構を含んでもよい。これにより、複数の袋をより効果的に、箱又は輸送用の他のカートンに梱包することができる。
【0061】
袋の形成及び袋詰めのために任意の適切なプロセスが利用され得る。このようなプロセスの大半では、パッケージの開口端を共にシールするために熱が利用される。しかしながら、任意の適切な接着材、機械的締結、接合又は結合の技法が本発明に利用され得る。
【0062】
油マスキング材料
本発明の別の態様によれば、包装材料は基材の油の浸透を隠す機構を含む。油は大抵、基材を半透明又は透明にし、したがって特に材料に継ぎ目、擦傷、開口部、又はスリットがある場合、例えば紙又は板紙上に目に見える染みを生じさせ得ることが見出されている。そのため、基材の少なくとも一部を、油の浸透により生じた黒ずんだ部位の外観を隠すように改良してもよい。
【0063】
染みを隠す様々な手法が本発明により予想される。このような手法の例としては、基材の黒ずんだ部位の外観をできるだけ目立たなくするための、1つ又は複数の不透明性改良添加剤の使用、不透明性改良繊維の使用、1つ又は複数の着色剤の使用、及び様々な印刷パターンの使用が挙げられるが、これらに限定されない。不透明性改良添加剤、着色剤、又はそれらの組み合わせは、必要に応じて、材料全体に塗布又は組み込まれるか、パターン状に塗布又は組み込まれるか、特定の領域に選択的に塗布又は組み込まれるか、幾らかランダムな形で塗布又は組み込まれるか、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0064】
不透明性改良添加剤は、油染みの外観を隠すために多数の方法で使用され得る。本発明に使用するのに適切であり得る不透明性改良添加剤の例としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、又はクレイ、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。当然のことながら、幾つかの不透明性改良添加剤は着色剤でもあり、幾つかの着色剤は不透明性改良添加剤でもある。
【0065】
一態様では、基材をより白色及び不透明にするために、不透明性改良添加剤が基材に組み込まれ得る。或る特定の例では、二酸化チタンが基材に添加される。例えば、約20 lb/トン〜約180 lb/トンの二酸化チタンが、約15 lb/ream〜約160 lb/reamの坪量を有する紙に添加され得るか、又は所望の結果を得るために必要な任意の量で添加され得る。或る特定の例では、約20 lb/トン〜約180 lb/トンの二酸化チタンが、約30 lb/ream〜約50 lb/reamの坪量を有する紙に添加され得る。
【0066】
別の態様では、二酸化チタン又は他の不透明性改良添加剤を含有するポリマーの層が、基材にコーティング、押し出し加工、積層されるか、又はそうでなければ塗布され得る。そのようにすることで、ポリマー押し出し品が実質的に均一の量の不透明化剤を含有するように、不透明性改良添加剤はポリマーと混合又は配合され、次いで押出機に調節しながら供給され得る。このような層は例えば、上記したような多層構造の1つ又は複数の層として付与されるか、又は他のポリマー層なしに基材に直接塗布され得る。このようなポリマー層を使用する場合、包装材料は、特定の用途に関する必要又は所望に応じて、不透明化されたポリマー層がパッケージの内側に食品と接して、及び/又はパッケージの外側に位置するようにパッケージへと形成され得る。
【0067】
さらに別の態様では、基材が紙ベースである場合、より白色の傾向のある漂白繊維が、無漂白木材パルプ繊維の代わりに又はそれに加えて、基材の形成に使用され得る。概して、基材を形成するのに使用する繊維の0wt%〜100wt%が漂白繊維であり得る。各々の様々な例では、基材は独立して、約10wt%〜100wt%の漂白繊維及び0wt%〜約90wt%の非漂白繊維、約20wt%〜100wt%の漂白繊維及び0wt%〜約80wt%の非漂白繊維、約30wt%〜100wt%の漂白繊維及び0wt%〜約70wt%の非漂白繊維、約40wt%〜100wt%の漂白繊維及び0wt%〜約60wt%の非漂白繊維、約50wt%〜100wt%の漂白繊維及び0wt%〜約50wt%の非漂白繊維、約60wt%〜100wt%の漂白繊維及び0wt%〜約40wt%の非漂白繊維、約70wt%〜100wt%の漂白繊維及び0wt%〜約30wt%の非漂白繊維、約80wt%〜100wt%の漂白繊維及び0wt%〜約20wt%の非漂白繊維、又は約90wt%〜100wt%の漂白繊維及び0wt%〜約10wt%の非漂白繊維から形成され得る。他の繊維型の範囲及び比が本明細書により予想される。
【0068】
さらに別の態様では、基材の繊維含量は、少なくとも約10wt%の漂白繊維を含み得る。各々の様々な他の例では、基材の繊維含量は独立して、少なくとも約15wt%の漂白繊維、少なくとも約20wt%の漂白繊維、少なくとも約25wt%の漂白繊維、少なくとも約30wt%の漂白繊維、少なくとも約35wt%の漂白繊維、少なくとも約40wt%の漂白繊維、少なくとも約45wt%の漂白繊維、少なくとも約50wt%の漂白繊維、少なくとも約55wt%の漂白繊維、少なくとも約60wt%の漂白繊維、少なくとも約65wt%の漂白繊維、少なくとも約70wt%の漂白繊維、少なくとも約75wt%の漂白繊維、少なくとも約80wt%の漂白繊維、少なくとも約85wt%の漂白繊維、又は少なくとも約90wt%の漂白繊維を含み得る。さらに別の例では、基材の繊維含量は、少なくとも約90wt%の漂白繊維を含み得る。各例では、残りの繊維は、非漂白繊維であっても、又は任意の他の適切な繊維であってもよい。
【0069】
別の例では、基材は、約30 lb/ream〜約50 lb/ream、例えば40 lb/reamの坪量を有してもよく、少なくとも約25wt%の漂白繊維を含んでもよく、不透明性改良添加剤は、紙1トン当たり少なくとも約90 lbの二酸化チタンを含む。さらに別の例では、基材は、約30 lb/ream〜約50 lb/ream、例えば40 lb/reamの坪量を有してもよく、少なくとも約25wt%の漂白繊維を含んでもよく、不透明性改良添加剤は、紙1トン当たり少なくとも約90 lbの二酸化チタンを含む。
【0070】
改良を行っていない基材の不透明性は、多数の因子、例えば、基材の原料、及び基材の坪量に依存し得る。したがって、不透明性改良添加剤を添加することで、不透明性改良繊維、又は不透明性改良層、基材の不透明性が様々な相対量で増大し得る。例えば、各々の様々な例では、改良を行った基材は独立して、改良を行っていない基材より約5パーセント〜約20パーセント大きい、改良を行っていない基材より約20パーセント〜約40パーセント大きい、改良を行っていない基材より約40パーセント〜約60パーセント大きい、改良を行っていない基材より約60パーセント〜約80パーセント大きい、改良を行っていない基材より約80パーセント〜約100パーセント大きい、改良を行っていない基材より約100パーセント〜約120パーセント大きい、改良を行っていない基材より約120パーセント〜約140パーセント大きい、改良を行っていない基材より約140パーセント〜約160パーセント大きい、改良を行っていない基材より約160パーセント〜約180パーセント大きい、又は改良を行っていない基材より約180パーセント〜約200パーセント大きい不透明性を有し得る。不透明性のさらに大きい差異が本明細書により予想される。
【0071】
本発明のさらに別の態様では、油染みの外観は、使用者から見える基材の表面に塗布される着色剤で隠され得る。本明細書中で使用される場合、用語「着色剤」は、基材の表面に色を付けることを目的とする任意の物質を意味している。したがって、用語「着色剤」は、例えば顔料、インク、塗料、又はそれらの任意の組み合わせを含むように意図されている。着色剤はまた、当業者には既知であるように、材料の他の属性、例えば不透明性及び輝度を改良し得る。
【0072】
選択される着色剤の種類及び組成、並びに基材に塗布又は組み込まれる量は、選択される基材の種類、基材の坪量、基材の改良した又は本来の不透明性、包装された食品の種類、食品上の油の量、生じる染みの程度、基材上の染みの色、及び染みの外観を隠すのに使用される技法の組み合わせに応じて変化し得る。したがって、本明細書中では様々な例が提供されるが、当然ながら、基材及び着色剤の多数の他の組み合わせが本明細書により予想される。
【0073】
各々の様々な例では、着色剤組成物は、約0.1 lb/ream〜約10 lb/ream、約0.5 lb/ream〜約8 lb/ream、約0.7 lb/ream〜約5 lb/ream、約0.8 lb/ream〜約3.5 lb/ream、約1 lb/ream〜約3 lb/ream、約1 lb/ream、約1.25 lb/ream、約1.5 lb/ream、約1.75 lb/ream、約2 lb/ream、約2.25 lb/ream、約2.5 lb/ream、約2.75 lb/ream、約3 lb/reamの量で、又は特定の用途に必要な若しくは望ましい任意の他の量で適用され得る。
【0074】
一態様では、着色剤特有の色は、油が基材を浸透することにより生じた基材上の染みの外観とよく似ているか、又は目立たなくするものが選択され得る。この形では、着色剤は染みを隠すように働き、したがって使用者が完成したパッケージの外面の油染みに気付かないようにする。任意の色の使用が本明細書により予想されるが、油染みに伴う色の変化を隠すためには、黒色又は灰色等の暗色が特に適切であると思われる。このような色は、光のスペクトルの全部、又はほぼ全部を吸収し、したがって油染みにより透明又は半透明になった部分の基材を遮るか又は隠す。さらに、無機着色剤の使用は有利であり得る。このような着色剤は、幾らか半透明であることが多い有機顔料と比較すると、より不透明な傾向がある。
【0075】
例えば、着色剤はカーボンブラック、二酸化チタン、又はそれらの様々な組み合わせを含み得る。典型的な組成物は、約0.25 lb/ream〜約5 lb/ream(3000平方フィート)のカーボンブラックインク乾燥固体(又は「不揮発性物質」)及び約10 lb/トン〜約180 lb/トンの二酸化チタンを基材中に含み得る。一態様では、着色剤組成物は約0.35 lb/ream〜約3 lb/reamのカーボンブラックインク乾燥固体及び約20 lb/トン〜約150 lb/トンの二酸化チタンを含む。別の態様では、着色剤組成物は約0.4 lb/ream〜約2 lb/reamのカーボンブラックインク乾燥固体及び約40 lb/トン〜約140 lb/トンの二酸化チタンを含む。さらに別の態様では、着色剤組成物は約0.5 lb/ream〜約2 lb/reamのカーボンブラックインク乾燥固体及び約50 lb/トン〜約135 lb/トンの二酸化チタンを基材中に含む。
【0076】
インク又は他の着色剤のマスキング有効性は、メタリック顔料又は他の反射顔料を使用して向上させてもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、このような顔料がインク又は着色剤組成物に存在することで、メタリックインクが光を反射し、したがって油染みが付いた基材の光沢のある外観を目立たなくするため、染みのマスキングを向上させると考えられる。本発明に使用するのに適切であり得る反射顔料の例としては、アルミニウムフレーク、真鍮フレーク、真珠光沢顔料、若しくは他の光反射顔料、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。本発明に使用するのに適切であり得る真珠光沢顔料の幾つかの例としては、EM Industries, Inc.によって提供されるものが挙げられる。本発明に使用するのに適切であり得る反射顔料の幾つかの例は、Benda-Lutz Co.からBlitzアルミニウム粉末及びBlitzゴールドブロンズ粉末の商品名で市販されているものである。他の材料が本明細書により予想される。
【0077】
したがって、一態様では、本発明に従って使用される着色剤組成物は、特定の基材上の油染みの色を十分に隠す顔料、例えば無反射顔料を含み得る。別の態様では、本発明に従って使用される着色剤組成物は、特定の基材上の油染みに伴う光沢を十分に目立たなくする顔料、例えば反射顔料を含み得る。さらに別の態様では、着色剤組成物は油染みの色を隠す第1の顔料、例えば無反射顔料、及び油染みに伴う光沢を目立たなくする第2の顔料、例えば反射顔料を含み得る。
【0078】
したがって、各々の様々な例では、顔料は独立して、0wt%〜約10wt%の反射顔料及び約90wt%〜100wt%の非反射顔料、約10wt%〜約20wt%の反射顔料及び約80wt%〜90wt%の非反射顔料、約20wt%〜約30wt%の反射顔料及び約70wt%〜80wt%の非反射顔料、約30wt%〜約40wt%の反射顔料及び約60wt%〜70wt%の非反射顔料、約40wt%〜約50wt%の反射顔料及び約50wt%〜60wt%の非反射顔料、約50wt%〜約60wt%の反射顔料及び約40wt%〜50wt%の非反射顔料、約60wt%〜約70wt%の反射顔料及び約30wt%〜40wt%の非反射顔料、約70wt%〜約80wt%の反射顔料及び約20wt%〜30wt%の非反射顔料、約80wt%〜約90wt%の反射顔料及び約10wt%〜20wt%の非反射顔料、又は約90wt%〜100wt%の反射顔料及び0wt%〜10wt%の非反射顔料を含み得る。
【0079】
各々の様々な他の例では、顔料は独立して、0wt%〜約10wt%のアルミニウムフレーク及び約90wt%〜100wt%のカーボンブラック、約10wt%〜約20wt%のアルミニウムフレーク及び約80wt%〜90wt%のカーボンブラック、約20wt%〜約30wt%のアルミニウムフレーク及び約70wt%〜80wt%のカーボンブラック、約30wt%〜約40wt%のアルミニウムフレーク及び約60wt%〜70wt%のカーボンブラック、約40wt%〜約50wt%のアルミニウムフレーク及び約50wt%〜60wt%のカーボンブラック、約50wt%〜約60wt%のアルミニウムフレーク及び約40wt%〜50wt%のカーボンブラック、約60wt%〜約70wt%のアルミニウムフレーク及び約30wt%〜40wt%のカーボンブラック、約70wt%〜約80wt%のアルミニウムフレーク及び約20wt%〜30wt%のカーボンブラック、約80wt%〜約90wt%のアルミニウムフレーク及び約10wt%〜20wt%のカーボンブラック、又は約90wt%〜100wt%のアルミニウムフレーク及び0wt%〜10wt%のカーボンブラックを含み得る。
【0080】
各々のさらに別の例では、顔料は独立して、約1wt%〜約50wt%のアルミニウムフレーク及び約50wt%〜約99wt%のカーボンブラック、約20wt%〜約40wt%のアルミニウムフレーク及び約60wt%〜約80wt%のカーボンブラック、約3wt%〜約50wt%のアルミニウムフレーク及び約50wt%〜約90wt%のカーボンブラック、約20wt%〜約60wt%のアルミニウムフレーク及び約40wt%〜約80wt%のカーボンブラック、0wt%〜約50wt%のアルミニウムフレーク及び約50wt%〜100wt%のカーボンブラック、又は各成分の任意の他の量若しくは量の範囲を含み得る。
【0081】
必要に応じて、1つ又は複数の顔料を結合剤、媒剤、ろう、及び水又は別の適切な溶媒等の分散液の安定したエマルションに混ぜ込んで着色剤組成物を形成してもよい。
【0082】
当然のことながら、本明細書中に記載の、又は本明細書により予想される様々な不透明性改良添加剤、不透明性改良繊維、及び/又は着色剤(「マスキング添加剤」と総称)は、材料に任意の適切な形で組み込まれ得る。一例では、マスキング添加剤は、基材の形成中に基材に組み込まれ得る。したがって、基材が紙又は板紙である場合、添加剤はパルプのウエットエンドプロセス中に添加され得る。マスキング添加剤が不透明性改良添加剤、不透明性改良繊維、又は着色剤である場合、これは添加剤を基材の大部分に実質的に分散させるため有利であり得る。
【0083】
別の例では、マスキング添加剤は形成後、基材に塗布され得る。したがって、例えば、マスキング添加剤が着色剤である場合、着色剤は基材の表面に塗布され得る。任意の多数の吹き付け、ロール塗布、はけ塗り、含浸、印刷、発泡、及び他の技法を含む任意の適切なプロセスが利用され得る。或る特定の例では、基材の表面に非常に薄い均一の層を得るために、着色剤を塗布するのに印刷が利用され得る。
【0084】
本発明に従って材料を形成するために、プロセスの任意の組み合わせを利用してもよい。したがって、例えば、或る着色剤、例えばカーボンブラックを外側に印刷し、別の着色剤、例えば二酸化チタンをウエットエンド成分として紙に添加してもよい。
【0085】
本明細書中で検討される各々の様々な態様では、1つ又は複数の処理添加剤を必要又は所望に応じて、様々な組成物又は層のいずれかに組み込んでもよいことは当業者には明らかであろう。したがって、例えば、幾つかのこのような層又は組成物は、耐摩耗性及び滑り抵抗を改良するために界面活性剤、消泡剤、可塑剤、及び添加剤を含み得る。他の処理添加剤が本明細書により予想される。
【0086】
本発明のさらに別の態様によれば、染みのマスキングは、着色剤を一様の、パターン化された、又はランダムな構成で塗布又は含浸することにより向上し得る。場合によっては、ランダム印刷パターン又はランダムに印刷されたパターンは、例えば、染みがパッケージの排気スリットの周囲に現れる傾向がある場合、染みの付いた基材の色の変化をカモフラージュすることにより、染みのマスキングを向上し得る。他の例では、一様の又はパターン化された構成により所望の程度のマスキングが達成され得る。
【0087】
当然のことながら、本明細書中に記載の、又は本明細書により予想される技法及び機構の任意の組み合わせを本発明に従って使用してもよい。本発明の様々な態様が以下の実施例によってさらに説明されるが、実施例は任意の形に限定されると解釈されるものではない。
【0088】
耐油試験
様々なサンプルを以下の手順に従って評価した。
【0089】
まず、6インチ×10インチのサンプルシートを用意する。サンプル材料の片側に2つの強い折り目を、その2つの折り目がポーチの片側のちょうど中心で交差するように付ける。シートを半分に折り、短辺を慎重にシールする。大さじ1杯の砂をビーカーに入れ、赤色に染めた非トランス脂肪酸油をプラスチック製の目薬の容器で1滴添加し、混合する。シール箇所が砂又は油で汚染されないように、赤色の油を含んだ砂をスプーンでポーチに入れる。ポーチの側面を押し、可能な限り空気を抜く。ポーチの開口端をヒートシールする。シールが汚染された、しわになった、又はそうでなければ十分に形成さなかったサンプルは、いずれも廃棄する。5つのサンプルポーチを用意し、吸い取り紙上に置く。
【0090】
室温での評価では、5つのサンプルを各々、室温(典型的には約72°F、約50%湿度)で最初の2時間は毎時間、その後24時間は約3時間毎に赤色の油染みの兆候について観察する。
【0091】
50℃での評価では、5つのサンプルを各々、約50℃に維持したオーブンに入れる。サンプルを最初の2時間は約20分毎、その後24時間は1時間毎に赤色の油染みについて観察する。
【0092】
80℃での評価では、5つのサンプルを各々、約80℃に維持したオーブンに入れる。サンプルを最初の1時間は約10分毎、その後8時間は30分毎、その後24時間は3時間毎に赤色の油染みについて観察する。
【0093】
各時間間隔で赤色の染みの量を記録し、平均を取る。サンプルは、表面の約25%に赤色の油染みが現れた場合、不良とした。
【0094】
[実施例]
[実施例1]
包装材料中での耐油層の使用について評価した。Westlake Chemical Corp.(Houston, Texas)からEC 482の商品名で入手した、約2 lb/reamの低密度ポリエチレンの層を、約38 lb/reamの坪量を有する天然クラフト紙に塗布した。次にPhillips SumikaからMarlexの商品名で入手した、約4 lb/reamのポリプロピレンの層を、クラフト紙の粗い未塗布面上に押し出し加工した。層は首尾よく互いに接着した。次にヒートシール添加剤を含む、約4 lb/reamのEC 482 LDPEの層を、ヒートシール層であるポリプロピレンの上部に押し出し加工した。耐油試験によると、耐油性材料は効果的に、非トランス脂肪酸油であるWessonのキャノーラ油の浸透に耐性であった。
【0095】
[実施例2]
包装材料中での耐油層の使用について評価した。Phillips SumikaからMARLEXの商品名で入手したポリプロピレン68wt%、Westlake Chemical Corp.(Houston, Texas)からEC 482の商品名で入手した低密度ポリエチレン20wt%、及びBayshoreからBL−910の商品名で入手した炭酸カルシウム12wt%のブレンドを用意した。基材に対する接着性を改良するために炭酸カルシウムを添加した。約4 lb/reamのこの組成物を、約38 lb/reamの坪量を有する天然クラフト紙上に押し出しコーティングした。次にヒートシール添加剤を含む、約4 lb/reamのEC 482 LDPEの層を、ヒートシール層であるポリプロピレンの上部に押し出し加工した。耐油試験により測定したところ、この組成物は紙基材に効果的に接着し、非トランス脂肪酸油に対する良好な耐性が得られた。
【0096】
[実施例3]
メタリック顔料を含むマスキング用着色剤組成物と、メタリック顔料を含まない組成物の有効性を比較した。評価した組成物を以下に示す。
【0097】
インク処方物I(黒色)
約20wt%のカーボンブラック顔料
約23wt%の他の成分(例えば、結合剤、樹脂、界面活性剤、ろう)
残りは水

インク処方物II「ピューター」(わずかに金属の色合い)
約14wt%のカーボンブラック顔料
約4.7wt%のアルミニウムフレーク
約21wt%の他の成分(例えば、結合剤、樹脂、界面活性剤、ろう)
残りは水

インク処方物III(金属黒銀色)
約6.7wt%のカーボンブラック顔料
約9.8wt%のアルミニウムフレーク
約20wt%の他の成分(例えば、結合剤、樹脂、界面活性剤、ろう)
残りは水

インク処方物IV(わずかに金属の色合いの黒色)
約17.48wt%のカーボンブラック顔料
約7.77wt%のアルミニウムフレーク
約69.88wt%の他の成分(例えば、結合剤、樹脂、界面活性剤、ろう)
残りは水
【0098】
インク組成物を、紙の滑らかな面に約1 lb/reamの乾燥量でコーティングした。次に、約6 lb/reamの低密度ポリエチレンを、約40 lb/reamの坪量を有する紙の裏面に押し出しコーティングした。表1に示されるように、各種組成物は効果的に染みを隠していた。
【0099】
【表1】

【0100】
[実施例4]
不透明性改良剤及び/又は漂白繊維を使用して、単独の効果及び複合効果を評価した。結果を表2に示す。
【0101】
【表2】

【0102】
[実施例5]
印刷されたマスキングパターンの使用について評価した。大きな桶一杯のジャガイモの絵からフレキソ印刷版を用意した。絵にはジャガイモの形を明確にする明暗域があった。実施例3の処方I、II、及びIIIを約40 lb/reamの坪量を有する天然クラフト紙に所望のパターンで印刷した。結果を表3に示す。
【0103】
【表3】

【0104】
[実施例6]
可撓性の、実質的に平面の耐油性包装材料を、耐油性ポリマーをコーティングした紙の層から形成した。コーティング紙を、油気の強い製品を密封して扱うポーチ又はパッケージに形成した。通常は密封されたパッケージの外側に見られる油染みは、ほとんど目に見えないか、又は全く目に見えなかった。
【0105】
[実施例7]
黒色インクを実施例6の包装材料の外面に一様の構成で印刷することで、油染みは、紙の印刷していない部分と比べてより見え難くなった。
【0106】
[実施例8]
約96%のカーボンブラック及び約4%の微粉アルミニウム顔料を含有するインクを、実施例6の包装材料の外面に一様の構成で印刷した。油染みは効果的に隠された。
【0107】
[実施例9]
約10%の微粉アルミニウム及び約90%のカーボンブラックを含有するインクを、実施例6の包装材料の外面に一様の構成で印刷した。油染みは効果的に隠された。
【0108】
[実施例10]
100%カーボンブラックインクを実施例6の包装材料の外面に様々な構成で印刷した。明暗の陰影のあるランダム印刷パターンは、一様の印刷パターンよりも染みを隠すのに効果的であった。
【0109】
[実施例11]
約96%のカーボンブラック及び約4%の微粉アルミニウムを含有するインクを、実施例6の包装材料の外面に様々な構成で印刷した。ランダム印刷パターンは、一様の印刷パターンよりも染みを隠すのに効果的であった。
【0110】
[実施例12]
約90%のカーボンブラック及び約10%の微粉アルミニウムを含有するインクを、実施例6の包装材料の外面に様々な構成で印刷した。ランダム印刷パターンは、一様の印刷パターンよりも染みを隠すのに効果的であった。
【0111】
本発明の或る特定の実施形態を或る程度詳細に記載したが、当業者は、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく開示の実施形態に多数の変更を加えることができる。方向の指示(例えば、上の、下の、内側の、外側の、上方の、下方の、上方へ、下方へ、左の、右の、左側の、右側の、上部、下部、上に、下に、垂直の、水平の、時計回りに、及び反時計回りに)は全て、読者が本発明の様々な実施形態を理解をするのを助けるために、単に識別表示目的で使用され、添付の特許請求の範囲に具体的に説明しない限り、特に位置、方位、又は本発明の利用に関して限定するものではない。接合の指示(例えば、接合する、付着する、連結する、接続する等)は、広義に解釈され、要素の接続間の中間部材及び要素間の相対運動を含み得る。このように、接合の指示は必ずしも2つの要素が直接、互いに固定された関係で接続することをを意味するものではない。
【0112】
本発明の範囲内の全く新しい実施形態を作り出すために、様々な実施形態を参照して検討される様々な要素を交換してもよいことは当業者には明らかであろう。上に記載されるか又は添付の図面に示される全ての事柄は、単に例示として解釈され、限定するものではないことが意図される。本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、細部又は構造の変更を加えてもよい。本明細書中で説明される詳細にわたる記載は、本発明を限定するか、又はそうでなければ本発明の任意の他の実施、脚色、変形、改良、及び等価の構成を除外するように意図又は解釈されるものではない。
【0113】
したがって、本発明の上の詳細にわたる記載に鑑みて、本発明が広い効用及び用途に適用可能であることが当業者には容易に明らかとなるであろう。本明細書中で記載されるもの以外の本発明の多くの脚色、並びに多くの変形、改良、及び等価の構成が、本発明の内容又は範囲を逸脱することなく、本発明及び本発明の上の詳細にわたる記載により明らかであるか、又は十分に示唆されている。
【0114】
本発明は特有の態様に関して本明細書中に詳細に記載されているが、当然ながら、この詳細にわたる記載は単に本発明の説明及び例示であり、単に本発明の完全で有効な開示を提供する目的で、本発明を実施する本発明者(又は発明者ら)によって考えられる最良の形態を提供するように為してある。本明細書中で説明される詳細にわたる記載は、本発明を限定するか、又はそうでなければ本発明の任意の他の実施、脚色、変形、改良、及び等価の構成を除外するように意図又は解釈されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐油性の包装材料であって、
油による変色を受けやすい基材と、
前記基材を実質的に覆う耐油層とを含み、該耐油層が実質的に油の浸透に耐性のあるポリマーを含む、耐油性の包装材料。
【請求項2】
前記耐油層が単一のポリマーを含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項3】
前記耐油層がポリプロピレンを含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項4】
前記耐油層が約1 lb/ream〜約10 lb/reamの坪量を有する、請求項5に記載の包装材料。
【請求項5】
前記耐油層が約2 lb/ream〜約6 lb/reamの坪量を有する、請求項5に記載の包装材料。
【請求項6】
前記耐油層が2種以上のポリマーのブレンドを含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項7】
前記耐油層が
約50重量%〜100重量%のポリプロピレンと、
最大約50重量%の低密度ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6,6、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、又はそれらの任意の組み合わせとを含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項8】
前記耐油層が充填材を含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項9】
前記耐油層が0重量%〜約30重量%の充填材を含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項10】
前記基材が紙又は板紙を含み、且つ前記耐油層がポリプロピレン並びに炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、アルミナ、二酸化チタン、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される充填材を含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項11】
前記耐油層を実質的に覆うヒートシール層をさらに含む、請求項1に記載の包装材料。
【請求項12】
前記ヒートシール層が、約180°F〜約380°Fの軟化温度を有する熱可塑性ポリマーを含む、請求項11に記載の包装材料。
【請求項13】
前記基材が紙又は板紙を含み、前記耐油層がポリプロピレンを含み、且つ前記ヒートシール層がメタロセンポリプロピレンを含む、請求項11に記載の包装材料。
【請求項14】
油を含有する食品用の包装材料であって、
油による変色を受けやすい基材と、
前記基材を実質的に覆うタイ層と、
前記タイ層を実質的に覆う耐油層(実質的に油の浸透に耐性のあるポリマーを含む)と、
前記耐油層を実質的に覆うヒートシール層とを含む、油を含有する食品用の包装材料。
【請求項15】
前記基材が紙又は板紙を含み、前記タイ層がメタロセンポリプロピレンを含み、前記耐油層がポリプロピレンを含み、且つ前記ヒートシール層がメタロセンポリプロピレンを含む、請求項14に記載の包装材料。
【請求項16】
前記紙又は板紙が約8 lb/ream〜約250 lb/reamの坪量を有し、前記タイ層が約0.1 lb/ream〜約5 lb/reamの坪量を有し、前記耐油層が約0.1 lb/ream〜約20 lb/reamの坪量を有し、且つ前記ヒートシール層が約1 lb/ream〜約15 lb/reamの坪量を有する、請求項14に記載の包装材料。
【請求項17】
前記タイ層及び前記ヒートシール層が同じポリマーから形成される、請求項14に記載の包装材料。
【請求項18】
前記タイ層及び前記ヒートシール層が異なるポリマーから形成される、請求項14に記載の包装材料。
【請求項19】
油の染みを隠す包装材料であって、
油を吸収しやすい基材と、
前記基材に組み込まれる、不透明性改良添加剤及び複数の漂白繊維の少なくとも1つとを含む、油の染みを隠す包装材料。
【請求項20】
前記基材が白色顔料を含む不透明性改良添加剤を含む、請求項19に記載の包装材料。
【請求項21】
前記基材が二酸化チタンを含む不透明性改良添加剤を含む、請求項19に記載の包装材料。
【請求項22】
前記基材が複数の繊維から形成され、該繊維の少なくとも10重量%が漂白繊維である、請求項19に記載の包装材料。
【請求項23】
前記基材が少なくとも約25重量%の漂白繊維を含む、約30 lb/ream〜約50 lb/reamの坪量を有する紙を含み、且つ前記不透明性改良添加剤が紙1トン当たり少なくとも約90 lbの二酸化チタンを含む、請求項19に記載の包装材料。
【請求項24】
前記基材が少なくとも50重量%の漂白繊維を含む、約30 lb/ream〜約50 lb/reamの坪量を有する紙を含み、且つ前記不透明性改良添加剤が紙1トン当たり少なくとも約180 lbの二酸化チタンを含む、請求項19に記載の包装材料。
【請求項25】
油の染みを隠す包装材料であって、
油を吸収しやすい基材と、
前記基材を実質的に覆う不透明性改良層とを含み、該不透明性改良層がポリマーと不透明性改良添加剤とを含む、油の染みを隠す包装材料。
【請求項26】
前記不透明性改良添加剤が二酸化チタンを含む、請求項25に記載の包装材料。
【請求項27】
前記基材と前記不透明性改良層との間に配置されるタイ層をさらに含む、請求項25に記載の包装材料。
【請求項28】
前記基材の遠位に、前記不透明性改良層を実質的に覆うヒートシール層をさらに含む、請求項25に記載の包装材料。
【請求項29】
油の染みを隠す包装材料であって、
油を吸収しやすく、したがって染みができる基材と、
前記基材の少なくとも一部を覆う、染みを隠す層とを含み、該染みを隠す層が着色剤を含み、該着色剤が染みの色によく似ているか、染みの光沢を目立たなくするか、又はそれらの任意の組み合わせである、油の染みを隠す包装材料。
【請求項30】
前記着色剤が染みの色によく似た暗色無反射顔料を含む、請求項29に記載の包装材料。
【請求項31】
前記着色剤が染みの光沢を目立たなくする反射顔料を含む、請求項29に記載の包装材料。
【請求項32】
前記反射顔料がアルミニウムフレーク、真鍮フレーク、真珠光沢顔料、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項29に記載の包装材料。
【請求項33】
前記着色剤が染みの色によく似た第1の暗色無反射顔料と、染みの光沢を目立たなくする第2の反射顔料とを含む、請求項29に記載の包装材料。
【請求項34】
前記着色剤が約50重量%〜約99重量%のカーボンブラックと、約1重量%〜約50重量%のアルミニウムフレークとを含む、請求項29に記載の包装材料。
【請求項35】
前記染みを隠す層が、前記基材の少なくとも一部を実質的に連続した構成で覆う、請求項29に記載の包装材料。
【請求項36】
前記染みを隠す層が、前記基材の少なくとも一部を実質的にパターン化された構成で覆う、請求項29に記載の包装材料。
【請求項37】
前記着色剤がカーボンブラックを含み、前記染みを隠す層が前記基材の少なくとも一部を黒色の明暗の陰影のあるパターン化された構成で覆う、請求項29に記載の包装材料。
【請求項38】
不透明性改良添加剤、複数の漂白繊維、又はそれらの任意の組み合わせが前記基材に組み込まれる、請求項29に記載の包装材料。
【請求項39】
前記不透明性改良添加剤が二酸化チタンを含む、請求項38に記載の包装材料。
【請求項40】
前記染みを隠す層が前記基材の第1の面の少なくとも一部を覆い、且つ前記包装材料が、前記基材の第2の面の少なくとも一部を覆う不透明性改良層をさらに含む、請求項29に記載の包装材料。
【請求項41】
前記不透明性改良層がポリマーと不透明性改良添加剤とを含む、請求項40に記載の包装材料。
【請求項42】
前記不透明性改良添加剤が二酸化チタンを含む、請求項41に記載の包装材料。
【請求項43】
前記基材と前記不透明性改良層との間に配置されるタイ層をさらに含む、請求項41に記載の包装材料。
【請求項44】
油を含有する食品用の包装材料であって、
油と接触すると、染みが付いたように見える紙ベースの基材と、
前記基材の第1の面を実質的に覆うタイ層と、
前記タイ層を実質的に覆う耐油層(実質的に油の浸透に耐性のあるポリマーと不透明性改良添加剤とを含む)と、
前記耐油層を実質的に覆うヒートシール層と、
前記基材の第2の面の少なくとも一部を覆う染みを隠す層(着色剤を含む)とを含み、該着色剤が染みの色によく似ているか、染みの光沢を目立たなくするか、又はそれらの任意の組み合わせである、油を含有する食品用の包装材料。
【請求項45】
前記タイ層が低密度ポリエチレンを含み、前記耐油層中の前記ポリマーがポリプロピレンを含み、前記不透明性改良添加剤が二酸化チタンを含み、且つ前記ヒートシール層が低密度ポリエチレンを含む、請求項44に記載の包装材料。
【請求項46】
前記紙ベースの基材が約8 lb/ream〜約250 lb/reamの坪量を有し、前記タイ層が約0.1 lb/ream〜約5 lb/reamの坪量を有し、前記耐油層が約0.1 lb/ream〜約20 lb/reamの坪量を有し、且つ前記ヒートシール層が約1 lb/ream〜約15 lb/reamの坪量を有する、請求項44に記載の包装材料。
【請求項47】
前記着色剤が染みの色によく似た第1の暗色無反射顔料と、染みの光沢を目立たなくする第2の反射顔料とを含む、請求項44に記載の包装材料。
【請求項48】
前記着色剤が約60重量%〜約80重量%のカーボンブラックと、約20重量%〜約40重量%のアルミニウムフレークとを含む、請求項44に記載の包装材料。
【請求項49】
請求項44に記載の包装材料から形成されるパッケージ。
【請求項50】
ジャガイモを原料にした食品を収容するための、請求項44に記載の包装材料から形成されるパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2009−542539(P2009−542539A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518554(P2009−518554)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/072329
【国際公開番号】WO2008/003025
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(504075588)グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッド (137)
【Fターム(参考)】