説明

消えるインタフェース・システム

対話型ユーザ・インタフェース、発光素子(たとえばLED)、A/D回路を駆動して、発光素子の強度(たとえば、フェードイン/アウト)を制御するのにPWM信号を使う、マイクロプロセッサ・ベースのLEDフェーダ電子制御システムを有する、電気製品(たとえば、調理用レンジ)などのデバイス用の消えるインタフェース・システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、2004年3月31日に出願した米国特許仮出願第60/558,270号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、電気製品に関し、より詳細には、レンジ、ストーブおよび他の電気製品上の対話型情報インタフェース・ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
電気製品、より具体的には、レンジにおける電子ディスプレイの使用は、かなり当たり前になっている。さらに、レンジなどの電気製品における対話型インタフェース(たとえば、タッチ・スクリーン)の使用も当たり前になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、こうした電子ディスプレイ上に表示されるテキストおよびボタンなどのグラフィックスの存在は、電気製品に、雑然とした外見を与える場合がある。したがって、非活動期間の後、電源が切れ、または完全に、もしくは少なくとも部分的に消える電子情報ディスプレイを実現することが望ましい。
【0005】
参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第5,239,152号が、隠し画像モードを有するタッチ・センサ・パネルの一例を開示している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によると、本発明は、使用されていないときには少なくとも部分的に消える情報ディスプレイを有する電気製品を提供する。
【0007】
別の態様によると、本発明は、使用されていないときには少なくとも部分的に消えるタッチ・スクリーン・インタフェースを有する機器を提供する。
【0008】
別の態様によると、本発明は、使用されていないときには消えるディスプレイを有するレンジを提供する。
【0009】
さらに別の態様によると、本発明は、ユーザからの入力に応答して、少なくとも部分的に見えるようになるインタフェース・ディスプレイを提供する。
【0010】
さらに別の態様によると、本発明は、インタフェース手段と、インタフェース手段の後ろに配置された少なくとも1つの発光ダイオードを有する、インタフェース手段に接続された制御手段とを有する、消えるインタフェース・システムを提供する。制御手段は、インタフェース手段から信号を受信し、さらに、少なくとも1つの発光ダイオードの光強度を低減させ、または増大させるように信号を処理する。
【0011】
一態様によると、本発明は、ユーザとインタフェース・システムの間の情報交換のためのインタフェース手段を含む、消えるインタフェース・システムを提供する。インタフェース手段は、稼動されるとユーザに見える少なくとも1つの発光ダイオードを含む。本システムはインタフェース手段に動作可能に接続された制御手段を含み、この制御手段はインタフェース手段での条件に応答して発光ダイオードから放射される光の強度を変化させる。
【0012】
別の態様によると、本発明は、情報表示領域をさらに備える複数のタッチ・パッド・ボタンを有するユーザ・インタフェースと、デジタル化指数曲線、デジタル化指数曲線からデータを読むためのタイムステップ・アルゴリズム、マイクロプロセッサによって生成され、タイムステップ式アルゴリズムによって制御されるパルス幅変調出力信号、パルス幅変調出力信号によって駆動されるデジタル/アナログ回路、デジタル/アナログ回路によって駆動され、ユーザ・インタフェースの後ろに配置されたLEDアレイをさらに備える、マイクロプロセッサ・ベースのフェーダ電子制御システムとを含み、LEDフェーダ電子制御システムが、ユーザ・インタフェースから入力を受信し、LEDアレイの光強度の少なくとも一部分を低減し、または増大させるように、情報をさらに処理する調理用レンジを提供する。
【0013】
別の態様によると、本発明は、消えるインタフェース・システムを提供する。このシステムは、ユーザとインタフェース・システムの間の情報交換のためのインタフェース手段を含み、インタフェース手段は、稼動されたときにユーザに見える少なくとも1つの発光素子を含む。本システムは、発光ダイオードから放射された光の強度を変化させ、かつ可変周波数デジタル信号プロバイダおよびデジタル/アナログ電圧プロバイダを含む、インタフェース手段に動作可能に接続された制御手段を含み、アナログ電圧は、発光素子に通電するために与えられる。
【0014】
別の態様によると、本発明は、インタフェースが視界から消え得るように、インタフェース・システム内部で光強度を制御する方法を提供する。インタフェース・システムは、ユーザとインタフェース・システムの間の情報交換のためのインタフェース手段を含み、インタフェース手段は、稼動されたときにユーザに見える少なくとも1つの発光ダイオードを含み、インタフェース・システムは、発光ダイオードから放射される光の強度を変化させる、インタフェース手段に動作可能に接続された制御手段を含む。本方法は、制御手段で使用されるインタフェース手段に関する条件指示を与えること、およびその条件指示を処理して、発光ダイオードに変化する電圧を提供し、発光ダイオードから放射される光の強度をその条件に応じて変化させることを含む。
【0015】
別の態様によると、本発明は、調理用レンジ・ディスプレイ上の消えるインタフェース・システムの光強度を活動化し非活動化する方法を提供する。本方法は、複数のタッチ・パッド・ボタンおよび情報表示領域を有するユーザ・インタフェースと、デジタル化指数曲線を備える電子制御システムと、デジタル化指数曲線からのデータを処理するためのマイクロプロセッサ・ベースのタイムステップ式アルゴリズムと、タイムステップ式アルゴリズムから受信されたデータに基づく、マイクロプロセッサによって生成されたパルス幅変調出力デジタル信号と、パルス幅変調出力デジタル信号を受信するためのデジタル/アナログ回路と、少なくとも1つの発光ダイオードとを提供すること、ユーザ・インタフェースに信号を入力すること、デジタル化指数曲線から、デジタル化されたデータを読むこと、マイクロプロセッサの出力にデータを伝送すること、パルス幅変調出力デジタル信号の周波数を変更すること、デジタル/アナログ回路にパルス幅変調出力デジタル信号を伝送すること、デジタル/アナログ回路の出力に電圧を印加すること、ならびに少なくとも1つの発光ダイオードの光強度を調整することを含む。
【0016】
それ以外の異なる、可能性としてはより広範な態様も、本発明の他の態様として提供されることを理解されたい。
【0017】
本発明は、特定の部品および部品の配置において物理的形をとり得るが、その一例を、本明細書において詳しく説明し、本明細書の一部をなす添付の図面に示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
ここで、本発明の例を示すことだけが目的であり、限定することが目的ではない図面を参照すると、図1は、本発明による消えるインタフェース・システムを組み込んだ、一般的なレンジ10の正面図を示す。本発明は、他のあらゆる種類のデバイスにおいても使用できることを理解されたい。たとえば、本発明は、大型または小型電気製品など、他のタイプの電気製品において使用することができる。大型電気製品の例は、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、および冷凍庫を含む。小型電気製品の例は、トースター、コーヒー・メーカー、および電子レンジを含む。ただし、本発明は、ある電気製品または特定のタイプの電気製品との利用に限定しなくてよいことを理解されたい。
【0019】
消えるインタフェース・システムのユーザ・インタフェース12の例を、図2に示す。図3は、ユーザ・インタフェース12と発光ダイオード(LED)フェーダ電子制御システム30の間の通信を示す上位図である。このようなものとして、図示してある例において、消えるインタフェース・システムは、ユーザ・インタフェース12およびLEDフェーダ電子制御システム30からなる。
【0020】
図1、2を参照すると、例示されたユーザ・インタフェース12は、情報表示領域14および黒色ガラス16をさらに含む。例示された情報表示領域14は、レンジ10を操作するためのユーザ入力を与えるために使われるタッチ感応領域18を表示する。このようなものとして、ユーザ・インタフェース12は、レンジ10の電子制御システムと通信して、基本操作(たとえば調理、パン焼き、ローストなど)を実施する。なお、この基本操作は一般に当該分野において公知であるので、ここではそれ以上説明しない。例示された情報表示領域14は、時計20および、たとえばオーブン温度、調理が終わるまでの残り時間など、他の情報などの情報提供領域も表示する。タッチ感応領域18は、様々な構造、構成、および操作技術を有し得ることを理解されたい。簡便化のため、タッチ感応領域18を単に「ボタン」と呼ぶ。ただし、操作を有効にするのにタッチするだけでも十分である場合があり、ボタンの物理的動きが起こらない場合があることを理解されたい。黒色ガラス16は、消えるインタフェース・システムが、さらに後で説明するように非活動状態であるとき、消えるインタフェース・システムの構成要素を隠すのに用いられる。言い換えると、黒色ガラス16は、消えるインタフェース・システムが、図1に示すように非活動状態であるとき、黒一色のガラスであるように見える。したがって、わかりやすく、整然とした外見が与えられる。
【0021】
図4〜8を参照すると、例示されたLEDフェーダ電子制御システム30は、マイクロプロセッサ・ベースの制御システムである。図示してある例において、デジタル化指数曲線32からの出力が、タイムステップ・アルゴリズム34の関数を実施するマイクロプロセッサに与えられ、パルス幅変調(PWM)出力信号36を与える。これに対して、PWM信号は、デジタル/アナログ変換回路(D/A回路)38に与えられ、この回路の出力は、LEDアレイ40に与えられる。動作の際、マイクロプロセッサは、デジタル化指数曲線32からの、デジタル化されたデータを使用するタイムステップ・ソフトウェア・ルーチンを実施して、PWM出力信号36を生成する。関数デジタル化指数曲線36は、メモリまたは実施されるアルゴリズムからの情報の提供など、適切などの構成要素(群)、操作(群)などによっても与えることができることを理解されたい。D/A回路38は、LED光アレイ40の光強度を変動させる。LED光アレイ40の強度は、マイクロプロセッサによって生成された、PWM信号36の周波数の関数である。次に、LEDフェーダ電子制御システム30の各構成要素を、より詳しく説明する。
【0022】
人間の眼は、光の強さを非線形的に検出する。このようなものとして、一例では、LED光アレイ40が滑らかで線形的な様式で変化する(たとえば、増大し、または低下する)強度を有する外見を与えるのに、非線形的フェージング効果が使用される。図5に示すようなデジタル化指数曲線32が、この効果をもたらす。図5の指数曲線は説明のために過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことに留意されたい。たとえば線形的レート、指数関数レート、対数関数的レートなどの増加または減少レートを示すあらゆるタイプの表、式、グラフなども、本発明において用いることができる。さらに、あらゆる時間間隔または指数関数レートも、本発明において用いることができる。時間が0秒から4秒に増すと、対応する正規化されたカウント値は、指数関数レートxで増加する。デジタル化指数曲線32は、それ自体が、LEDアレイ40の光強度の増大または減少を指示するものである。
【0023】
タイムステップ・アルゴリズム34は、デジタル化指数曲線32(たとえば、図5)からのデータを読みとり、マイクロプロセッサによって出力されるPWM信号36を与える際に使用するための情報を提供する。タイムステップ・アルゴリズム34は、これを、時間が0秒から4秒に増すときにデジタル化指数曲線32上の時間データ点を増加的にステップすることによって行う。タイムステップ・アルゴリズム34は次いで、対応する正規化されたカウント値を読みとり、この値をPWM信号36に与える。正規化されたカウントの値は、PWM信号36の周波数を決定し、この周波数は、さらに後で詳しく説明するように、LEDアレイ40の強度を決定する。
【0024】
図6を参照すると、上述したように、PWM出力信号36が、マイクロプロセッサによって生成され、D/A回路38を駆動し、D/A回路38は、LEDアレイ40を駆動する。PWM信号36の周波数は、デジタル化指数曲線32からの正規化されたカウント値の関数である。正規化されたカウントが増加すると、PWM信号36の周波数が増大し、正規化されたカウントが減少すると、PWM信号36の周波数は低下する。図6に示すPWM信号36は、50%のデューティ・サイクルを有する。このことは、通電電圧が時間の50%の間与えられることを意味する。周期は、そのサイクルを指す。さらに後で、ON/OFFサイクル、具体的にはサイクルの周波数/周期が、LEDアレイ40内でのフェージング効果を達成するのに利用されることが理解されよう。
【0025】
図7を参照すると、D/A回路38は、マイクロプロセッサからPWM信号36を受信する。図7はD/A回路38の一例を示す。D/A回路38は本発明において有用であるが、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことを理解されたい。さらに、図7は、具体的な回路構成の値を示す。図示してある例全体は本発明に対する限定ではなく、また具体的な回路構成の値も本発明に対する限定ではないことを理解されたい。他の多くの回路構成、D/A回路、回路値などを、本発明の範囲内で利用できることが企図されている。
【0026】
D/A回路38内部で、PWM信号36は、最初に、結合デバイスとして動作するコンデンサC1に印加される。信号36は、一定の割合のON入力を与える。具体的には、コンデンサに与えられる入力がパルス信号のとき、コンデンサC1のダウンストリーム側(すなわち、図7に見える右側)で変動電圧が起こる。パルス信号がコンデンサC1に印加されなくなると、ダウンストリーム側での電圧は、抵抗器R5を介して直ちに0ボルト(たとえば、接地)まで引き下げられる。
【0027】
パルス状入力の受信中、第1のトランジスタQ1(すなわち、送信機のベースで、図7に見える送信機の左ピン)に電圧が印加される。コンデンサC1からのこのような電圧は抵抗器R5を経由し、選択的に(すなわち、ON/OFFトグルで)トランジスタQ1の稼動を引き起こし得る。トランジスタQ1を選択的に稼動すると、トランジスタQ1のコレクタ(すなわち、図7に示すトランジスタの上ピン)での電圧は裁断波電圧であり、裁断波電圧とは、抵抗器R1を通して与えられる電圧源(たとえば、15ボルト)の変化部であることが理解できよう。それ以外の裁断波電圧に平滑作用を与えるために、コンデンサC2が、トランジスタQ1のコレクタと接地の間に接続される。留意するべき別の点としては、コンデンサC1に印加される電圧は方形波なので、トランジスタQ1からの出力電圧は、それ以外の場合は、PWM信号36の周波数に等しいレートで「揺れる(flicker)」はずである。この揺れは、LEDアレイ40での揺れに変換するべきではない。このようなものとして、コンデンサC2は、トランジスタQ1によって引き起こされる電圧を平均化し、PWM信号36の周波数に比例するアナログ電圧を生じるように加えられる。
【0028】
トランジスタQ2は、トランジスタQ1のコレクタに接続されたベース(すなわち、図7に見える下ピン)およびコンデンサC2を有し、したがって、平滑化された電圧を、抵抗器R3を介して受信する。このようなものとして、アナログ電圧(すなわち、トランジスタQ1およびコンデンサC2からの電圧)は、トランジスタQ2を制御する。トランジスタQ2は、電圧源にも(すなわち、エミッタ、つまり図7に見える左ピンの所で)接続される。トランジスタQ2からの出力信号は、コレクタ(図7に見える右ピン)の所で与えられる。トランジスタQ2は、単に電源電圧をすべて(たとえば、14.3ボルト)効果的に与え、または電源電圧を全く与えないことになる、単にON/OFFトグル切換えとして操作されるのではないことに留意されたい。そうではなく、トランジスタQ2は、その遷移範囲内で、時間を示す持続期間の間操作され、そうすることによって、トランジスタの電圧出力(すなわち、図7に示す右ピンでの電圧出力)は、D/A回路38(すなわち、コンデンサC1の所にある回路)への変化するパルス信号入力に応じて変わる。このようなものとして、トランジスタは、完全なON状態より低い範囲内で有意に操作される。最後のコンデンサC3は、トランジスタQ2の出力(すなわち、右ピン)に接続され、出力信号に対するノイズ削減関数を与えられる。したがって、LEDアレイ40に印加される電圧は、PWM信号36の周波数を変えることによって制御することができる。この特徴は、LEDアレイ40におけるフェージング(fading)と呼ぶことができる。
【0029】
LEDアレイ40に印加される電圧は、LEDアレイ40をフェードアウトさせるように制御できることも理解されたい。このような関数に関して、D/A変換回路38の動作は、上述したものと非常に似ている。ただし、カウントの増加ではなく、正規化されたカウントの削減が利用される。たとえば、図5に示す曲線は、逆進において用いることができ、対応する逆曲線さえも用いることができよう。
【0030】
図8を参照すると、図示してあるLEDアレイ40は説明のために過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。LEDフェーダ電子制御システム30は、本発明でのように、単一のLED42またはLED群46に適用することができる。さらに、図示してあるLEDアレイは、2つのドライブ・ライン接続44を使用して、接続全体の数を削減するために、アレイ全体を駆動する。当該分野において公知であるように、任意の数のドライブ接続を用いてよいことに留意されたい。
【0031】
各LED42または関連したLED群46は、図8Aに示す例のように、マイクロプロセッサによって制御される切換え装置(たとえば、トランジスタ)を介して、ON/OFF制御できることを理解されたい。このようなものとして、D/A回路38によって与えられる変動電圧は、マイクロプロセッサおよび関連づけられた切換え装置による制御に基づいて、特定のLED42またはLED群46の活動化(すなわち、ON状態)を引き起こすことが認められる。当然ながら、特定のLEDまたはLED群46に対するON状態は、変動(すなわち、増大しまたは減少する)電圧に基づくので、特定のLED42またはLED群46の光強度は、それに従って変わる。図8Aに示すON/OFF切換え装置は説明のためであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことを理解されたい。接地回路へのパスなど、当該分野において公知であるあらゆるタイプの切換え装置も、本発明において用いることができる。
【0032】
例示されたLEDフェーダ電子制御システム30の動作を次に説明する。図1は、スリープ・モードでの情報ディスプレイ14を示す。このモードにおいて、LEDアレイ40はオフであり、情報ディスプレイ14は空白、すなわち、言い換えると消えている。ユーザが、ユーザ・インタフェース12のタッチ感応部分(たとえば、ボタン)に接触すると、タイムステップ式アルゴリズム34は、デジタル化指数曲線32によって与えられるデータの中をステップしていく。タイムステップ式アルゴリズム34は、データを読むと、対応する正規化されたカウント値を、PWM信号36の出力に送信する。正規化されたカウントの値は、PWM信号36の周波数を決定する。正規化されたカウントが高い程、PWM信号36の周波数は高くなり、正規化されたカウントが低い程、周波数は低くなる。PWM信号36は、それに対して、上述したようにD/A回路38を駆動する。上述したように、LEDアレイ40に印加される電圧は、PWM信号36の周波数を変えることによって制御される。PWM信号36の周波数が増大すると、LEDアレイ40に印加される電圧が増大し、それに続いて、LEDアレイ40の光強度も増大する。したがって、ユーザが消えるインタフェース・システムを稼動したときから時間がたつと、正規化されたカウント値が増加し、カウント値の増加が、PWM信号36の周波数を増大させ、周波数の増大が、D/A回路38に印加される電圧を増大させ、電圧の増大が、LEDアレイ40の光強度を増大させる。さらに、ユーザが、消えるインタフェース・システムを稼動させると、情報ディスプレイは、LEDアレイ40が最大強度になるまで、強度を増す。図2は、消えるインタフェース・システムをユーザが稼動させた後の情報ディスプレイ14を示す。
【0033】
逆に、PWM信号36の周波数が減少すると、LEDアレイ40に印加される電圧が減少し、それに続いて、LEDアレイ40の光強度も低下する。そのとき、LEDアレイ40の光強度は、上述したように、PWM信号36のデューティ・サイクルの値に対応する値まで低下する。
【0034】
低下した強度状態(たとえば、スリープ・モード)がどのようにして達成されるかに沿って、あらゆる適切な手法も用いることができることに留意されたい。たとえば、所定の非活動期間の後、タイムステップ式アルゴリズム34は、デジタル化指数曲線32からのデータを、上述したのとは反対に読みとる。したがって、非活動である時間が増すと、正規化されたカウント値は減少し、したがってPWM信号36の周波数を低下させ、周波数の低下は、D/A回路38に印加される電圧を低下させ、電圧の低下は、LEDアレイ40の光強度を究極に低下させる(すなわち、フェードアウトさせる)。また、たとえばエンター・スリープ・モード・ボタンをタッチして、プログレッション(すなわち、フェードアウト)を開始することが可能である。
【0035】
図1、9〜12を参照すると、消えるインタフェース・システムは、いくつかの動作モードを含む。こうしたモードは、スリープ・モード、情報スリープ・モード、アクティブ・モード、アクティブ・スリープ・モード、および状況依存タッチ・パッド・ボタンが活動状態であるアクティブ・モードを含む。
【0036】
図1は、スリープ・モードにある消えるインタフェース・システムを示す。このモードにおいて、情報表示領域14全体が空白、すなわち、言い換えると、消えている(すなわち、フェードアウトしている)。
【0037】
図9は、情報スリープ・モードにある消えるインタフェース・システムを示す。このモードにおいて、情報表示領域14は、限定された情報を表示し、残りの情報表示領域14は空白のままである。図9に示す例において、表示される情報は時計20である。
【0038】
図10は、アクティブ・モードにある消えるインタフェース・システムを示す。このモードにおいて、情報表示領域14にある情報はすべて視認できる。
【0039】
図11は、アクティブ/スリープ・モードにある消えるインタフェース・システムを示す。このモードにおいて、レンジ10は動作しているが、情報表示領域14の大部分は空白、すなわち、消えている。情報表示領域14に表示される唯一の情報は、現在使用中のレンジ機能である。たとえば、図11において、情報表示領域14は、時計20に加えて、対流ベーキング・タッチ・パッド・ボタン22、オーブン温度24、および照射されているキャンセル・タッチ・パッド・ボタン26も示す。このことは、レンジ10が現在、対流ベーキング・モードで、170度の温度で動作していることを意味する。情報表示領域14の残りの部分は、ユーザからの入力がなかったので、消えている。
【0040】
図12は、状況依存タッチ・パッド・ボタンが活動状態になっている、アクティブ・モードにある消えるインタフェース・システムを示す。このモードでは、レンジ10の状態に応じて、状況依存タッチ・パッド・ボタンは、色を変化させ、または情報表示領域14の残りの箇所より高い強度で照射する能力をもっている。たとえば、キャンセル・タッチ・パッド・ボタン26は、キャンセル・ボタンが使用可能でないときの青色から、キャンセル・ボタンが使用可能であるときの赤に変わる。
【0041】
上述した本発明は、消えるインタフェース・システムが、ある非稼動期間の後にどのようにして動作するかを示す。ただし、消えるインタフェース・システムの消える機能は、ユーザ・インタフェース12を介した入力によりユーザが手動で制御できることに留意されたい。ユーザが、ユーザ・インタフェース12を介して適切な入力を行うと、情報表示領域14のすべてまたは一部分が消える。
【0042】
本発明の特定の実施形態を説明し例示したが、こうした実施形態は例示の目的でのみ提供され、本発明は、それに限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲の適正な範囲によってのみ限定されることを企図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による消えるユーザ・インタフェース・システム例を組み込み、ユーザ・インタフェースが一動作モードにある、一般的なレンジを示す正面図である。
【図2】図1のレンジの一部分を示し、別の動作モードでのユーザ・インタフェースを示す拡大した正面図である。
【図3】図2のユーザ・インタフェースからLEDフェーダ電子制御システムへの通信を示す上位通信図である。
【図4】LEDフェーダ電子制御システムを示す機能ブロック図の例である。
【図5】図4のLEDフェーダ電子制御システム内部で用いられるデジタル化指数曲線を示すグラフ例である。
【図6】LEDフェーダ電子制御システム内部で与えられるパルス幅変調出力信号例を示す図である。
【図7】LEDフェーダ電子制御システム内部のデジタル/アナログ変換回路例を示す略図である。
【図8】図1、2に示す消えるユーザ・インタフェース・システム内部のLEDアレイ部分の例を示す略図である。
【図8A】図8に示すLEDアレイ部分内部のLEDアレイ群の例を示す略図である。
【図9】インタフェースが、情報スリープ・モードと呼ぶことができる別の動作モードにある、図1のレンジのユーザ・インタフェースを示す拡大した正面図である。
【図10】図9に似ているが、アクティブ・モードと呼ぶことができる別の動作モードでのインタフェースを示す図である。
【図11】図9に似ているが、アクティブ/スリープ・モードと呼ぶことができる別の動作モードでのインタフェースを示す図である。
【図12】図9に似ているが、状況依存タッチ・パッド・ボタンが稼動しているアクティブ・モードでのインタフェースを示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10…レンジ、12…ユーザ・インタフェース、14…情報表示領域、18…タッチ感応領域、30…LEDフェーダ電子制御システム、32…デジタル化指数曲線、34…タイムステップ・アルゴリズム、36…PWM信号、38…D/A回路、40…LEDアレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザとインタフェース・システムの間の情報交換のためのインタフェース手段であって、稼動されたときに前記ユーザに見える少なくとも1つの発光ダイオードを含む前記インタフェース手段と、
前記インタフェース手段での条件に応答して、前記発光ダイオードから放射される光の強度を変化させる、前記インタフェース手段に動作可能に接続された制御手段とを含む、消えるインタフェース・システム。
【請求項2】
前記制御手段が、前記発光ダイオードから放射される前記光の強度を増加させるように変化させる手段を含む、請求項1に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項3】
前記制御手段が、前記発光ダイオードから放射される前記光の強度を低下させるように変化させる手段を含む、請求項1に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項4】
前記インタフェース手段が、ユーザからの接触に応答可能な手段を含み、
前記制御手段が、前記インタフェース手段で、前記発光ダイオードから放射される前記光の強度の条件を、前記インタフェース手段での前記条件として、前記インタフェース手段での前記ユーザからの接触に応答して変化させる手段を含む、請求項1に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項5】
前記インタフェース手段が、ユーザからの接触に応答可能な手段を含み、
前記制御手段が、時間に基づく判定のための手段と、前記インタフェース手段で、前記発光ダイオードから放射される前記光の強度の条件を、前記インタフェース手段での前記条件として、前記インタフェース手段でユーザからの接触がないことに応答して変化させる手段とを含む、請求項1に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項6】
前記インタフェース・システムが、電気製品の一部であり、
前記インタフェース手段が、前記電気製品の操作に関して、ユーザと前記インタフェース・システムの間で情報を交換する手段を含む、請求項1に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項7】
前記インタフェース・システムが、前記電気製品としての調理用レンジの一部であり、前記インタフェース手段が、前記調理用レンジの操作に関して、ユーザと前記インタフェース・システムの間で情報を交換する手段を含む、請求項6に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項8】
前記発光ダイオードと前記ユーザの間に配置された媒体を含み、前記媒体が、前記発光ダイオードが活動化されたときに前記発光ダイオードを見えるようにし、前記発光ダイオードが活動化されていないと前記発光ダイオードを見えなくさせる、請求項1に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項9】
前記媒体が黒ガラスである、請求項8に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項10】
前記制御手段が、前記発光ダイオードに変動電圧を与える回路を含む、請求項1に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項11】
前記回路が、変動電圧を出力するように操作されるトランジスタを含む、請求項10に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項12】
前記回路が、前記トランジスタへのパルス入力を介して操作されるトランジスタを含む、請求項10に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項13】
前記制御手段が、前記トランジスタにその周波数が変化するように、前記パルス入力を与える手段を含む、請求項12に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項14】
前記パルス入力を与える手段が、前記周波数を時間と共に指数関数的に変化させる、請求項13に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項15】
前記トランジスタ出力での電圧がアナログ電圧に平均化されるように、前記回路が前記トランジスタの出力に接続されたコンデンサを含む、請求項12に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項16】
前記回路が、変動電圧を出力するように操作される第2のトランジスタを含み、前記アナログ電圧が、前記第2のトランジスタを制御するのに使われる、請求項15に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項17】
前記第2のトランジスタが、電源電圧に動作可能に接続され、前記第2のトランジスタへの前記アナログ電圧の印加が、前記第2のトランジスタを通過する前記電源電圧の割合を制御するのに使われる、請求項17に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項18】
前記第2のトランジスタを通過する前記電源電圧の割合が、前記発光ダイオードに与えられる、請求項18に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項19】
前記インタフェース手段が、複数のタッチ・パッド・ボタンと、グラフィックスを表示するための情報表示領域とをさらに備える、請求項1に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項20】
前記制御手段が、デジタル化指数曲線と、前記デジタル化指数曲線からのデータを処理するためのマイクロプロセッサ・ベースのタイムステップ式アルゴリズムとをさらに備える、請求項19に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項21】
前記マイクロプロセッサが、前記タイムステップ式アルゴリズムによって処理される前記データに基づいて、パルス幅変調出力デジタル信号を生成し、前記パルス幅変調出力デジタル信号の周波数が、前記タイムステップ式アルゴリズムから受信される前記データに比例する、請求項20に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項22】
前記制御システムが、前記パルス幅変調出力デジタル信号を受信するためのデジタル/アナログ回路をさらに備え、前記デジタル/アナログ回路が、少なくとも1つの前記発光ダイオードに、前記パルス幅変調出力デジタル信号の周波数に比例する出力電圧を与える、請求項21に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項23】
少なくとも1つの前記発光ダイオードが、LEDアレイをさらに備え、前記LEDアレイの光強度が、前記デジタル/アナログ回路の前記出力電圧に比例する、請求項22に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項24】
前記LEDアレイが、情報ディスプレイ上にグラフィックスを照射する、請求項23に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項25】
前記パルス幅変調信号の周波数が上昇すると、前記情報ディスプレイ上の前記グラフィックスの少なくとも一部分が照射され、前記パルス幅変調信号の周波数が低下すると、情報ディスプレイ上のグラフィックスの少なくとも一部分が消える、請求項24に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項26】
前記制御手段が、デジタル/アナログ・コンバータと、前記デジタル/アナログ・コンバータへの入力として、可変周波数デジタル信号を与えるための手段とを含む、請求項1に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項27】
ユーザとインタフェース・システムの間の情報交換のためのインタフェース手段であって、稼動されると前記ユーザに見える少なくとも1つの発光素子を含むインタフェース手段と、
発光ダイオードから放射された光の強度を変化させる、可変周波数デジタル信号プロバイダおよびデジタル/アナログ電圧プロバイダを含む、前記インタフェース手段に動作可能に接続された制御手段とを含み、前記アナログ電圧は、前記発光素子に通電するために与えられる、消えるインタフェース・システム。
【請求項28】
前記発光素子が発光ダイオードである、請求項27に記載の消えるインタフェース・システム。
【請求項29】
複数のタッチ・パッド・ボタンを有し、情報表示領域をさらに備えるユーザ・インタフェースと、
デジタル化指数曲線、
前記デジタル化指数曲線からデータを読むためのタイムステップ・アルゴリズム、
前記マイクロプロセッサによって生成され、前記タイムステップ式アルゴリズムによって制御されるパルス幅変調出力信号、
前記パルス幅変調出力信号によって駆動されるデジタル/アナログ回路、
前記デジタル/アナログ回路によって駆動され、前記ユーザ・インタフェースの後ろに配置されたLEDアレイをさらに備えるマイクロプロセッサ・ベースのフェーダ電子制御システムとを備え、
前記LEDフェーダ電子制御システムが、前記ユーザ・インタフェースから入力を受信し、前記LEDアレイの光強度の少なくとも一部分を低減し、または増大させるように前記情報をさらに処理する調理用レンジ。
【請求項30】
インタフェース・システム内部で、前記インタフェースが視界から消え得るように光の強度を制御する方法であって、前記インタフェース・システムは、ユーザと前記インタフェース・システムの間の情報交換のためのインタフェース手段を含み、前記インタフェース手段は、稼動されたときに前記ユーザに見える少なくとも1つの発光ダイオードを含み、前記インタフェース・システムは、前記発光ダイオードから放射される前記光の強度を変化させる、前記インタフェース手段に動作可能に接続された制御手段を含み、
前記制御手段において使用するための前記インタフェース手段に関する条件指示を与えること、および
前記条件に応答して、前記発光ダイオードに変動電圧を提供するように前記条件指示を処理して、前記発光ダイオードから放射される前記光の強度を変化させることを含む方法。
【請求項31】
調理用レンジ・ディスプレイ上の消えるインタフェース・システムの光の強度を活動化し非活動化する方法であって、
複数のタッチ・パッド・ボタンおよび情報表示領域を有するユーザ・インタフェースと、デジタル化指数曲線を備える電子制御システムと、前記デジタル化指数曲線からのデータを処理するためのマイクロプロセッサ・ベースのタイムステップ式アルゴリズムと、前記タイムステップ式アルゴリズムから受信された前記データに基づく、前記マイクロプロセッサによって生成されたパルス幅変調出力デジタル信号と、前記パルス幅変調出力デジタル信号を受信するためのデジタル/アナログ回路と、少なくとも1つの発光ダイオードとを提供するステップ、
前記ユーザ・インタフェースに信号を入力するステップ、
前記デジタル化指数曲線から、そのデジタル化されたデータを読むステップ、
前記マイクロプロセッサの出力に前記データを伝送するステップ、
前記パルス幅変調出力デジタル信号の周波数を変更するステップ、
前記デジタル/アナログ回路に前記パルス幅変調出力デジタル信号を伝送するステップ、
前記デジタル/アナログ回路の出力に電圧を印加するステップ、ならびに
少なくとも1つの前記発光ダイオードの光の強度を調整するステップを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−531163(P2007−531163A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506247(P2007−506247)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/009654
【国際公開番号】WO2005/098774
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(504430547)エレクトロラックス ホーム プロダクツ,インク. (4)
【Fターム(参考)】