説明

消える筆記媒体を用いるインターラクティブホワイトボード

【課題】消える筆記媒体を用いてインターラクティブホワイトボード機能を可能にするテクニックを提供する。
【解決手段】一組の実施形態では、ボード面の画像を受け取る。その画像には、ユーザがボード面に書いた物理的マークが含まれる。その物理的マークは、時間が経つと消えるように構成された筆記媒体を用いて書くことができる。物理的マークの電子的表現をその画像に基づき生成でき、その電子的表現をボード面上に表示できる。ボード面上に描かれたその物理的マークが消えたときに、その物理的マークを視覚的に置き換えるように、電子的表現を表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消える筆記媒体を用いるインターラクティブホワイトボードに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の実施形態は、概して、インターラクティブホワイトボードシステムに関し、特に、消えるインクなどの消える筆記媒体を用いてインターラクティブホワイトボード機能を可能にするテクニックに関する。
【0003】
インターラクティブホワイトボード(IWB)システムは、手書き情報を電子的形式でキャプチャして共有するために広く用いられている。従来のほとんどすべてのIWBシステムは、ユーザの手書きストロークを電子的にキャプチャするために、(例えば、ホワイトボード中に、及び/又はそのホワイトボードに書くのに用いる器具内に)特殊な器具を必要としている。例えば、従来のあるタイプのIWBシステムは、ホワイトボード面上におけるユーザの指の位置を検出するため、ホワイトボードにタッチセンサを組み込んでいる。一般的に言って、このような特殊なホワイトボードは、購入や維持にコストがかかる。
【0004】
普通の(すなわち、機器を備えていない)ホワイトボード面を利用できる電子ホワイトボードシステムが開発されている。こうしたシステムでは、ユーザは、従来のドライ・イレーズ・マーカを用いてホワイトボードに書き、ユーザが書いたものはホワイトボードに向けられたカメラでキャプチャされる。キャプチャされた筆記は電子的表現に変換され、記憶されたり、他の人と共有されたりする。しかし、ユーザの筆記はホワイトボードに残るので、一般的にこれらの電子的ホワイトボードシステムでは、電子的表現を表示して、ホワイトボード面上でインターラクトすることはできない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によるテクニックは、消える筆記媒体を用いてインターラクティブホワイトボード機能を可能にするテクニックである。一組の実施形態では、ボード面の画像を受け取る。その画像には、ユーザがボード面に書いた物理的マークが含まれる。その物理的マークは、時間が経つと消えるように構成された筆記媒体を用いて書くことができる。物理的マークの電子的表現をその画像に基づき生成でき、その電子的表現をボード面上に表示できる。ボード面上に描かれたその物理的マークが消えたときに、その物理的マークを視覚的に置き換えるように、電子的表現を表示できる。
【0006】
ボード面上に描かれた物理的マークは持続しないので、ユーザは、その物理的マークを手でボード面から消さなくても、表示された電子的表現を操作(例えば、移動、拡大・縮小、回転、削除等)できる。さらに、ボード面に描かれた物理的マークは(例えばそれがまだ見える時間中に)光学的にキャプチャできるので、ボード面にはユーザの筆記/描画を電子的形式でキャプチャする特殊な機器は必要ない。
【0007】
本発明の一実施形態による方法は、コンピュータシステムが、時間が経つと消えるように構成された筆記媒体を用いて、ユーザにより表面上に描かれた第1の物理的マークを含む、前記表面の第1の画像を受け取るステップと、前記コンピュータシステムが、前記第1の画像に基づき、前記第1の物理的マークの電子的表現を決定するステップと、前記コンピュータシステムが、前記第1の物理的マークの前記電子的表現を含むビデオ信号を生成するステップと、を含む。前記コンピュータシステムは、前記ビデオ信号を前記表面上に表示させ、前記表面上で、前記第1の物理的マークが消えたとき、前記第1の物理的マークの電子的表現が前記第1の物理的マークを視覚的に置き換える。
【0008】
一実施形態において、前記第1の物理的マークの電子的表現が、前記第1の物理的マークが前記ユーザにより最初に描かれたのと同じ前記表面上の場所に現れるように、前記ビデオ信号が前記表面上に表示される。
【0009】
一実施形態において、前記方法は、前記第1の物理的マークが消え始める時間を決定するステップをさらに有する。
【0010】
一実施形態において、前記第1の物理的マークが消え始めた時に、前記第1の物理的マークの電子的表現が前記表面上に見え始めるように、前記ビデオ信号が生成される。
【0011】
一実施形態において、前記方法は、前記第1の物理的マークが消える速さを決定するステップを更に有する。
【0012】
一実施形態において、前記第1の物理的マークが消える速さに対応した速さで、前記第1の物理的マークの電子的表現が前記表面上に見えるように、前記ビデオ信号が生成される。
【0013】
一実施形態において、前記消える速さは、前記筆記媒体に関する情報に基づき決定される。
【0014】
一実施形態において、前記筆記媒体に関する情報は前記筆記媒体の色、又は前記筆記媒体の生産者を含む。
【0015】
一実施形態において、少なくとも1秒あたり1フレーム、前記ビデオ信号は前記第1の物理的マークの電子的表現を含まないように、前記ビデオ信号が生成される。
【0016】
一実施形態において、前記方法は、さらに、前記筆記媒体を用いて、前記ユーザにより前記表面上に描かれた第2の物理的マークを含む、前記表面の第2の画像を受け取るステップと、前記第2の画像に基づいて、前記第2の物理的マークの電子的表現を決定するステップと、前記第1の物理的マークの電子的表現と、前記第2の物理的マークの電子的表現とを含む、更新されたビデオ信号を生成するステップと、前記更新されたビデオ信号を前記表面上に表示させるステップとを有する。
【0017】
一実施形態において、前記ビデオ信号が前記第1の物理的マークの電子的表現を含まない少なくとも1フレームの間に、前記第2の画像がカメラによりキャプチャされる。
【0018】
一実施形態において、前記表面上で、前記第2の物理的マークが消えたとき、前記第2の物理的マークの電子的表現が前記第2の物理的マークを視覚的に置き換える、
一実施形態において、前記方法は、前記第1の物理的マークの電子的表現をリモートシステムに送信するステップをさらに有する。
【0019】
一実施形態において、前記筆記媒体は消えるインクである。
【0020】
一実施形態において、前記筆記媒体は、少なくとも1秒間は見え、10秒以内に消えるように構成される。
【0021】
一実施形態において、前記表面は従来のホワイトボードである。
【0022】
一実施形態において、前記ビデオ信号を前記表面上に表示させるステップは、前記表面に投影するため、前記ビデオ信号をプロジェクタに送信するステップを有する。
【0023】
一実施形態において、前記表面はLCDディスプレイであり、前記ビデオ信号を前記表面上に表示させるステップは、前記ビデオ信号を前記LCDディスプレイに送信するステップを有する。
【0024】
本発明の他の一態様によるシステムは、プロセッサにより実行可能なプログラムコードを格納した非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体である。前記プログラムコードは、前記プロセッサに、時間が経つと消えるように構成された筆記媒体を用いて、ユーザにより表面上に描かれた第1の物理的マークを含む、前記表面の第1の画像を受け取らせるコードと、前記プロセッサに、前記画像に基づいて、前記物理的マークの電子的表現を決定させるコードと、前記プロセッサに、前記第1の物理的マークの前記電子的表現を含むビデオ信号を生成させるコードと、前記プロセッサに、前記表面上に表示するため、前記ビデオ信号を送信させるコードと、を有し、前記表面上で、前記物理的マークが消えたとき、前記物理的マークの電子的表現が前記物理的マークを視覚的に置き換える。
【0025】
本発明の他の一態様によるシステムは、プロセッサを有するシステムである。前記プロセッサは、時間が経つと消えるように構成された筆記媒体を用いて、ユーザにより表面上に描かれた第1の物理的マークを含む、前記表面の第1の画像を受け取り、前記画像に基づいて、前記物理的マークの電子的表現を決定し、前記物理的マークの前記電子的表現を含むビデオ信号を生成し、前記ビデオ信号を前記表面上に表示させる。前記表面上で、前記物理的マークが消えたとき、前記物理的マークの電子的表現が前記物理的マークを視覚的に置き換える。
【0026】
前述のものは、及びその他の特徴と実施形態は、以下の明細書、特許請求の範囲、及び添付した図面を読めば、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態によるIWBシステムを示すブロック図である。
【図2A】本発明の一実施形態によるIWBシステムの面を示す図である。
【図2B】本発明の一実施形態によるIWBシステムの面を示す図である。
【図2C】本発明の一実施形態によるIWBシステムの面を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による複数のIWBシステムがネットワークされた環境を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるIWBシステムのコントローラにより実行されるプロセスのフロー図である。
【図5】本発明の一実施形態によるIWBシステムのコントローラにより実行されるプロセスのフロー図である。
【図6】本発明の一実施形態によるIWBシステムのコントローラにより実行されるプロセスのフロー図である。
【図7】本発明の一実施形態によるIWBシステムのコントローラにより実行されるプロセスのフロー図である。
【図8】本発明の一実施形態によるコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明では、説明を目的として、本発明の実施形態を理解してもらうために、多数の詳細事項を説明する。しかし、当業者には言うまでもなく、本発明はこれらの詳細事項がなくても実施することができる。
【0029】
本発明の実施形態は、消える筆記媒体を用いてインターラクティブホワイトボード機能を可能にするテクニックを提供する。一組の実施形態では、ボード面の画像を受け取る。その画像には、ユーザがボード面に書いた物理的マークが含まれる。その物理的マークは、時間が経つとだんだん薄くなって消えるように構成された筆記媒体を用いて書くことができる。物理的マークの電子的表現をその画像に基づき生成でき、その電子的表現をボード面上に表示できる。ボード面上に描かれたその物理的マークが消えたときに、その物理的マークを視覚的に置き換えるように、電子的表現を表示できる。
【0030】
ボード面上に描かれた物理的マークは持続しないので、ユーザは、その物理的マークを手でボード面から消さなくても、表示された電子的表現を操作(例えば、移動、拡大・縮小、回転、削除等)できる。さらに、ボード面に描かれた物理的マークは(例えばそれがまだ見える時間中に)光学的にキャプチャできるので、ボード面にはユーザの筆記/描画を電子的形式でキャプチャする特殊な機器は必要ない。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態によるIWBシステム100を示すブロック図である。図示したように、IWBシステム100は、ボード面102、カメラ104、コントローラ106、及びプロジェクタ108を含む。
【0032】
ボード面102はIWBシステム100の入出力インタフェースとして機能する。入力インタフェースであるボード面102は、筆記具(例えば筆記具112)を用いてユーザ(例えばユーザ110)が描いた物理的マークを受け取る。これらの物理的マークはカメラ104でキャプチャできる。出力インタフェースとして、ボード面102は、その物理的マークの電子的表現を含むビデオ信号を表示できる。ある実施形態では、プロジェクタ108などのプロジェクタにより、ボード面102上にビデオ信号を投影できる。別の実施形態では、ボード面102は、そのビデオ信号を直接表示するように構成されたディスプレイデバイス(例えばLCDディスプレイ)であってもよい。
【0033】
本開示の目的において、「物理的マーク」とは、有体の筆記媒体を用いてボード面上に筆記又は描画したものであればどんなものでもよい。一組の実施形態では、物理的マーク又は一群の物理的マークは図、スケッチ、又はイラストに対応する。他の一組の実施形態では、物理的マーク又は一群の物理的マークは、文字、数、又は記号に対応し、どんな言語やフォーマットで表したものであってもよい。さらに別の一組の実施形態では、物理的マーク又は一群の物理的マークは、図的要素とテキスト的要素の組み合わせに対応する。
【0034】
表面102は、ユーザが筆記・描画でき、表面上に情報を表示できる、ボード、スクリーンその他の物理的媒体であればどんなものを用いて実施してもよい。一組の実施形態では、表面102は従来のホワイトボードである。別の一組の実施形態では、表面102はLCDディスプレイ/スクリーンなどの電子的ディスプレイである。
【0035】
上記の通り、ユーザ110は、筆記具112を用いて表面102上に筆記/描画できる。筆記具112は、マーカ、ペン、ブラシなど、表面102に物理的マークを画定するのに使える器具であれば、どんなものでもよい。ある一組の実施形態では、筆記具112は、消える筆記媒体を、言い換えると、時間が経つとだんだん薄くなって消えるように設計された筆記媒体を、利用することもできる。したがって、筆記具112で筆記された物理的マークは、最初、表面102に筆記された時は見えるが、その後、薄くなり、まったく見えなくなる。
【0036】
例として、図2Aと図2Bは、表面102上に、消える筆記媒体を利用した筆記具112で描いた物理的マーク200を示す。図2Aに示したように、物理的マーク200は、表面102に描かれた直後は完全に見ることができる。しかし、図2Bに示したように、物理的マーク200は時間が経つと消え始める。最終的に、物理的マーク200は完全に消えてしまう。一組の実施形態では、筆記具112で用いる消える筆記媒体は、表面に描かれると、少なくとも1秒間見ることができるように構成され得る。他の一組の実施形態では、消える筆記媒体は、10秒で、又はその他の比較的短い時間で消えるように構成し得る。
【0037】
ある実施形態では、(図2Aに示したように)物理的マーク200が見える間に、例えば図1のカメラ104を用いて光学的にキャプチャできる。物理的マーク200は、表面102から消えるので、(図2Cに示したように)物理的マークの電子的表現(電子的マーク202)を表面102に表示して、視覚的に置き換えることができる。このプロセスは後でより詳しく説明する。
【0038】
一組の実施形態では、筆記具112で用いられる消える筆記媒体は、消えるインクである。消えるインクにはいろいろな色のものがあり、チモールフタレインベースの(青い)インクやフェノールフタレインベースの(赤い)インクなどがある。消えるインクの作り方とそのインクの科学的特性に関する情報は、David A. Katz著「Disappearing Ink」(http://www.chymist.com/Disappearing%20Ink.pdf)に記載されている。この文献はここに参照援用する。
【0039】
別の実施形態では、筆記具112で使われる消える筆記媒体は、基本的に水又はアルコールを含む。これらの実施形態では、表面102は、湿気があるところでは黒くなる(又は色が変わる)ように構成されている。そのため、筆記具112を用いて表面102上に書く/描くと、アプライ(apply)したストロークからの水またはアルコールが、表面102のその場所を黒くし(又は色を変え)、ユーザの筆記/描画を表示する。その水またはアルコールが蒸発すると、表面102が元の明るさ(又は色)に戻り、筆記/描画は消える。
【0040】
さらに別の実施形態では、消える筆記媒体を、(筆記具112から出すのではなく)表面102に組み込むこともできる。例えば、表面102が、外的刺激(例えば圧力)がかかるとその場所の色が変わる(又は色が現れる)材料のレイヤを含む。そのため、筆記具112(その他の器具、例えばユーザ110の指)を用いて表面102上に書く/描くと、アプライ(apply)したストロークによる刺激により、この材料レイヤのその場所の色を変え、ユーザの筆記/描画を表示する。これらの実施形態では、材料レイヤは時間が経つと元の状態に戻り、それにより筆記/描画が消える。このように「色が変わる」又は「色が現れる」レイヤの例としては、Kent Displaysが生産しているLCDなどの感圧的コレステリックLCDなどがある。
【0041】
カメラ104は、静止画又はビデオをキャプチャするデバイスであり、表面102の前に配置され、表面102の一連の画像(例えば、静止画やビデオフレーム)をキャプチャするように構成されている。上記の通り、ある実施形態では、カメラ104は、表面上に筆記具112で描かれた物理的マークを含む表面102の画像をキャプチャできる。この画像を(例えばコントローラ106で)処理して、物理的マークの電子的表現(すなわち電子的マーク)を生成できる。ある実施形態では、カメラ104は、1秒間に24、30、又は60フレームのレートで、描画面102のビデオストリームをキャプチャするように構成されている。他の実施形態では、カメラ104は、およそ1秒間に1画像のレートで、描画面102の静止画像をキャプチャするように構成され得る。
【0042】
コントローラ106は、IWBシステム100のいろいろなコンポーネントを調整し、システム100が提供する機能を実現する中央処理コンポーネントとして機能し得る。一組の実施形態では、コントローラ106は、以下に図8を参照して説明するシステム800のようなコンピュータシステムを用いて実現できる。別の実施形態では、コントローラ106はプロセッサやプログラマブルロジックデバイスなどを用いて実施できる。
【0043】
図1に示したように、コントローラ106は、カメラ104、プロジェクタ108、及び/又は表面102と通信可能に結合している。一組の実施形態では、コントローラ106は、表面102の状態をキャプチャするカメラ104から、1つ以上の画像を受け取る。これらの画像は、筆記具112で表面102上にユーザ110が描いた物理的マークを含み得る。次に、コントローラ106は、受け取った画像を処理して、物理的マークを識別し、その物理的マークに対応する電子的マークを決定する。例えば、電子的マークは、物理的マークのラスター又はベクトルをベースとした表現であり得る。
【0044】
ある実施形態では、電子的マークを決定するプロセスは、物理的マークの方向及び/又はタイミングの決定を含む。これらの実施形態では、コントローラ106は、例えば、カメラ104から受け取った画像中に現れる物理的マークのサチュレーション(saturation)を分析できる。この情報に基づき、コントローラ106は、物理的マークが描かれた方向及び/又は物理的マークが描かれた時間を決定できる。この方向及びタイミングの情報は、電子的マークの情報とともに、コントローラ106により記憶される。
【0045】
コントローラ106は、物理的マークを識別し、対応する電子的マークを生成すると、ビデオ信号を生成し、又は前に生成したビデオ信号を更新して、その信号が電子的マークを含むようにすることができる。次に、コントローラ106は、生成した又は更新したビデオ信号を、表面102上に表示させる。上記の通り、ある実施形態では、筆記具112は、時間が経つとその筆記具112で描いた物理的マークが薄くなって消える、消える筆記媒体を利用できる。これらの実施形態では、物理的マークが消えると、表面102上には電子的マークが見えるようになり、視覚的に物理的マークと置き換わる。
【0046】
一組の実施形態では、コントローラ106は、表面102上で、物理的マークが消えるにつれ、電子的マークが徐々に見えるようになるように、ビデオ信号を構成できる。こうすることにより、消える物理的マークと現れる電子的マークとの間の視覚的移行が分かりづらくなり、場合によっては、物理的マークが消えていないような印象をユーザ110に与えることができる。これを実現するため、コントローラ106は、物理的マークが消え始める時間及び/又はそのマークが消える速さ(rate)を決定することができる。次に、コントローラ106は、表面102上で、物理的マークの消える時間と速さに対応する時間と速さで、電子的マークがだんだん濃くなって見えるようになるよう、ビデオ信号を構成できる。
【0047】
ある実施形態では、コントローラ106は、物理的マークが表面102に最初にアプライ(apply)された時間に基づいて、その物理的マークの消える時間と速さ(rate)とを決定できる。上記の通り、このタイミング情報は、カメラ104によりキャプチャした画像中の物理的マークの飽和(saturation)を分析することにより、推定できる。
【0048】
あるいは、コントローラ106は、筆記具112に関する、及び/又は筆記具112に使われている消える筆記媒体に関する情報に基づき、物理的マークの消える時間と速さを決定できる。かかる情報の例としては、消える筆記媒体の種類、色、及び/又は生産者やブランドがある。一実施形態では、この情報はユーザ110がコントローラ106に提供する。他の一実施形態では、この情報は、例えば、カメラ104によりキャプチャされた画像を分析して、コントローラ106が自動的に決定する。
【0049】
表面102上において物理的マークが、表示された電子的マークと視覚的に置き換えられると、ユーザ110は、筆記具112(又は消去器具など他の器具)を用いて表面102上に別のマークやストローク(strokes)を描くことにより、表示された電子的マークとインターラクトできる。別のマークやストロークは、カメラ104によりキャプチャされ、コントローラ106により処理され、表示されたビデオ信号を更新できる。
【0050】
例えば、ユーザ110は、電子的マークの一部を削除したいとき、削除器具を取って、表面102上の電子的マークの画像を横切るようにその削除器具を動かす。カメラ104は、表面102を横切る削除器具の動きをトラッキングする画像をキャプチャし、コントローラ106は、その画像に基づいて、電子的マークのどの部分を削除するか、判断できる。次に、コントローラ106は、適切な部分が削除された、電子的マークの修正バージョンを含むように、表面102上に表示されたビデオ信号を更新できる。言うまでもなく、電子的マークに対応する物理的マークは表面102上にはもう見えないので、ユーザ110は、電子的マークを削除するために物理的マークを表面からマニュアルで削除する必要はない。
【0051】
一組の実施形態では、消去器具は、カメラ104でキャプチャした画像中でコントローラ106が容易に識別でき、トラッキングできる対象であればどんなものでもよい。例えば、消去器具は特定の形状及び/又は色のもの(object)や、可視的識別子(例えばバーコード)を有するものであってもよい。筆記具112で表面102上に描いた物理的マークはすべて時間が経つと消えるので、消去器具は表面102から物理的マークを消去できる必要はない。
【0052】
他の一組の実施形態では、消去器具は、表面102に消える筆記媒体をアプライするという点で、筆記具112と類似していてもよい。消去器具が用いる消える筆記媒体は、コントローラ106が「消去マーク」に対応するものとして識別できる、特有の品質(例えば、色や反射率)を有する。コントローラ106は、カメラ104によりキャプチャされた画像中のこれらの消去マークを識別すると、その消去マークの境界内に入る電子的マークの部分を削除する。筆記具112で描いた物理的マークと同様に、消去具で描いた消去マークは時間が経つと消える。
【0053】
ユーザ110は、電子的マークを操作(例えば、移動、回転、拡大縮小)したい場合、筆記具112(又はユーザの指などのその他の器具)を電子的マークに、またはその知覚に置いて、所定のストロークや動きをする。カメラ104は、これらのストローク/動きをトラッキングする画像をキャプチャし、コントローラ106は、その画像に基づいて、電子的マークをどのように操作するか判断できる。例えば、コントローラ106は、電子的マークをあるスケーリングファクタでスケーリングし、又は元の位置からある距離だけ移動させることを決定できる。コントローラ106は、表面102上に表示されたビデオ信号を更新して、これらの変更を反映する。
【0054】
ユーザ110は、表面102に別の筆記/描画を加えたいとき、筆記具112で表面102に追加の物理的マークを描く(又は書く)ことができる。これらの追加の物理的マークは、上記の通り、キャプチャされ、電子的マークに変換される。ある実施形態では、新しく追加された物理的マークを、表示されている電子的マークと区別するため、表面102上に表示されたビデオ信号は、電子的マークをまったく含まないフレームを少なくとも1秒あたり1フレーム含んでいてもよい。これにより、カメラ104は、その少なくとも1フレームの間に、表面上に描かれた物理的マークのみを含む表面102の画像をキャプチャできる。このアプローチにより、コントローラ106は、カメラ104から受け取った画像のどの部分が物理的マークを含み、どの部分が表示された電子的マークを含むか判断する必要がない。
【0055】
あるいは、カメラ104は、表面102上に表示された電子的マークと新しく追加された物理的マークとを両方含む、表面102の画像をキャプチャできる。これらの実施形態では、コントローラ106は、(例えば、従来の画像処理技術を用いて)キャプチャした画像から電子的マークを差し引くことができる。この減算を行うことにより、コントローラ106は、画像中の新しく追加されたマークを分離して、これらのマークの電子的表現への変換を容易にすることができる。
【0056】
ある実施形態では、コントローラ106は、表面102上の物理的マークを識別する前に、上記のビデオ信号を生成できる。例えば、IWBシステム100の電源をオンにした時、カメラ104は表面102の画像のキャプチャを開始でき、コントローラ106はその画像を処理して、筆記具112で表面102上に描かれた物理的マークを識別できる。表面102がきれいで、ユーザ110が表面上に筆記具112で何も描いていないとき、コントローラ106は物理的マークを識別しない。こうした状況では、コントローラ106は、白い背景を、又はユーザ110が描画面102上に表示したいその他の情報を含むだけのビデオ信号を生成できる。次に、コントローラ106は、生成されたビデオ信号を、表面102上に表示させる。上記の通り、ユーザ110が筆記具112を用いて表面102上に物理的マークを描くと、コントローラ106は、その物理的マークを識別して、その物理的マークに基づき電子的マークを生成し、その電子的マークを組み込むようにビデオ信号を更新する。
【0057】
プロジェクタ108は、ビデオ信号又は画像を表面102に投影できるデバイスであればどんなデバイスであってもよい。いろいろな実施形態において、プロジェクタ108は、コントローラ106から、筆記具112を用いてユーザ110が描いた物理的マークに対応する電子的マークを含むビデオ信号を受け取ることができる。次に、プロジェクタ108は、ビデオ信号を表面102上に投影できる。ある実施形態では、プロジェクタ108は、投影された電子的マークが、対応する物理的マークが最初に描かれた表面102上の実質的に同じ場所に現れるように、ビデオ信号を投影できる。
【0058】
一組の実施形態では、プロジェクタ108はフロントプロジェクタである。他の実施形態では、プロジェクタ108はリアプロジェクタである。ある実施形態では、プロジェクタ108は、(プロジェクタレンズの表面102までの距離を、投影される画像の幅で割った比で定義される)スロー比(throw ratio)が例えば0.4より小さいウルトラ・ショート・スロー(ultra-short-throw, UST)プロジェクタであってもよい。そのようなプロジェクタの例としては、株式会社日立製作所が生産しているCP−AW250NMがある。
【0059】
上記の通り、ある実施形態では、表面102はLCDディスプレイなどのディスプレイデバイスであってもよい。これらの実施形態では、プロジェクタ108は必要ない。直接表面上に信号を表示するため、コントローラ106がビデオ信号を表面102に送信できるからである。
【0060】
言うまでもなく、図1は例示であって、本発明の実施形態を限定することを意図したものではない。例えば、システム100は、他の機能を有していても、図1に示したコンポーネントよりも多い又は少ないコンポーネントを有していてもよい。本技術分野の当業者には、この他の変形、修正、改変が分かるであろう。
【0061】
ある実施形態では、図1のIWBシステム100は、他のIWBシステムとネットワークされ、2つのシステム間で描画/筆記のインターラクティブな共有を可能とするものである。図3は、本発明の一実施形態による複数のIWBシステムがネットワークされた環境300を示すブロック図である。
【0062】
図示したように、環境300は、通信ネットワーク350を介してリモートIWBシステム352と通信可能に結合したローカルIWBシステム302を含む。ローカルIWBシステム302とリモートIWBシステム352の構成は、それぞれ図1に示したIWBシステム100と実質的に同様である。例えば、IWBシステム302と352は、それぞれ表面(304、354)と、カメラ(306、356)と、コントローラ(308、358)と、プロジェクタ(310、360)とを含む。IWBシステム302と352は、電話会議及び/又はテレビ会議を実現するビデオ/オーディオ入力デバイスなどの、具体的には図示していない他のコンポーネントを含んでいてもよい。
【0063】
通信ネットワーク350は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想ネットワーク(例えばVPN)、メトロエリアネットワーク(MAN)、又はインターネットなどの、データ通信を可能にするネットワークであればどんなものでもよい。ある実施形態では、通信ネットワーク350は、複数の相互接続ネットワークの集まりであってもよい。
【0064】
一組の実施形態では、ローカルIWBシステム302を操作するローカルユーザ312は、リモートユーザ362との協働セッション(collaborative session)に参加するため、システム302とリモートIWBシステム352との間の接続を確立する。接続が確立されると、ローカルIWBシステム302のローカルカメラ306はローカル表面304の画像(例えば静止画像やビデオフレーム)のキャプチャを開始し、キャプチャした画像をローカルコントローラ308に送る。それに応じて、ローカルコントローラ308は受け取った画像を処理して、ローカル表面304上に描かれた物理的マークを識別する。ローカル表面304が最初はきれいであると仮定すると、ローカルコントローラ304は、白い背景を(又はローカルユーザ312又はリモートユーザ362が事前に選択したその他の画像を)含むビデオ信号を生成し、ローカル表面304上に表示するため、ローカルプロジェクタ310に(又はローカル表面304に)そのビデオ信号の送信を開始する。
【0065】
同時に、リモートIWBシステム352のリモートカメラ356は、リモート表面354の画像(例えば静止画像やビデオフレーム)のキャプチャを開始し、キャプチャした画像をリモートコントローラ358に送る。それに応じて、リモートコントローラ358は、受け取った画像を処理して、リモート表面354上に描かれた物理的マークを識別する。リモート表面354には最初何も描かれていないと仮定すると、リモートコントローラ358は、白い背景を(又はローカルユーザ312又はリモートユーザ362が事前に選択したその他の画像を)含むビデオ信号を生成し、リモート表面354上に表示するため、リモートプロジェクタ360に(又はリモート表面354に)そのビデオ信号の送信を開始する。
【0066】
協働セッション中のいつかの時点において、ローカルユーザ312及び/又はリモートユーザ362は、消える筆記媒体を用いた筆記具(例えば、図1の筆記具112)で、それぞれの表面上に筆記/描画を開始する。例えば、ローカルユーザ312が、かかる器具でローカル表面304上に物理的マークを描くと仮定する。ローカルカメラ306は、物理的マークが見えるうちに、ローカル表面304の1つ以上の画像をキャプチャでき、その画像をローカルコントローラ308に送る。その画像を受け取ると、ローカルコントローラ308は、物理的マークを識別し、その物理的マークに対応する電子的マークを決定する。次に、ローカルコントローラ308は、その電子的マークを含むように、ローカルプロジェクタ310に(又はローカル表面304に)送信するビデオ信号を更新し、それにより、その電子的マークがローカル表面304上でローカルユーザ312に見える(電子的マーク314として図示した)ようにする。
【0067】
ある実施形態では、ローカルコントローラ308は、電子的マーク314が、ローカル表面304上の消える物理的マークを視覚的に置き換えるように、ビデオ信号を構成できる。例えば、ローカルコントローラ308は、物理的マークが見えなくなるにつれ、ローカル表面304上に電子的マーク314が徐々に見えるようにする。これには、例えば、物理的マークが消える時間と速さを決定し、その物理的マークが消える時間と速さに対応した時間と速さ(rate)で電子的マーク314を見えるようにすることが含まれる。
【0068】
ローカルコントローラ308は、ローカルプロジェクタ310やローカル表面304に送信するビデオ信号を更新するのと並行して、電子的マーク314に関する情報をリモートコントローラ358に送る。リモートコントローラ358は、この情報を受け取ると、リモートユーザ362にリモート表面354上で電子的マークが見えるように(電子的マーク364として図示した)、リモートプロジェクタ360(又はリモート表面354)に送信するビデオ信号に、電子的マークを組み込む。
【0069】
上記のフローの後、リモートユーザ362が、消える筆記媒体を用いた筆記具でリモート表面354上に物理的マークを描いたと仮定する。ローカルカメラ306は、その物理的マークが見えるうちに、リモート表面354の1つ以上の画像をキャプチャでき、その画像をリモートコントローラ358に送ることができる。その画像を受け取ると、リモートコントローラ358は、その物理的マークを識別し、その物理的マークに対応する電子的マークを決定する。次に、リモートコントローラ358は、その電子的マークを含むように、リモートプロジェクタ360に(又はリモート表面354に)送信するビデオ信号を更新し、それにより、その電子的マークがリモート表面354上でリモートユーザ362に見える(電子的マーク366として図示した)ようにする。
【0070】
ある実施形態では、ローカルコントローラ308と同様に、リモートコントローラ358は、電子的マーク366が、リモート表面354上の消える物理的マークを視覚的に置き換えるように、ビデオ信号を構成できる。例えば、リモートコントローラ358は、物理的マークが見えなくなるにつれ、リモート表面354上に電子的マーク366が徐々に見えるようにする。これには、例えば、物理的マークが消える時間と速さを決定し、その物理的マークが消える時間と速さに対応した時間と速さ(rate)で電子的マーク366を見えるようにすることが含まれる。
【0071】
リモートコントローラ358は、リモートプロジェクタ360やリモート表面354に送信するビデオ信号を更新するのと並行して、電子的マーク366に関する情報をローカルコントローラ308に送ることができる。ローカルコントローラ308は、この情報を受け取ると、ローカルユーザ312にローカル表面304上で電子的マークが見えるように(電子的マーク316として図示した)、ローカルプロジェクタ310(又はローカル表面304)に送信するビデオ信号に、その電子的マークを組み込む。
【0072】
このようにして、ローカル表面304上にローカルユーザ312が描いた、及びリモート表面354上にリモートユーザ362が描いた物理的筆記/描画は、ローカルサイトとリモートサイトの両方において電子的形式で表示され得る。要するに、これにより、ローカルユーザ312とリモートユーザ362がひとつの筆記/描画面を共有している印象を持てる環境を提供できる。
【0073】
また、これにより、ローカルユーザ312とリモートユーザ362は、いろいろなやり方で、筆記/描画の電子的表現とインターラクションすることができる。一例として、ローカルユーザ312又はリモートユーザ362は、表面304と354上に表示された電子的マークを、それを移動、回転、又は拡大縮小(scaling)することにより、操作できる。他の例として、ローカルユーザ312やリモートユーザ362は、(図1を参照して説明したように消去器具を用いて)電子的マークやその一部を電子的に消去できる。さらに別の一例として、ローカルユーザ312又はリモートユーザ362は、自分の描画面上に追加的な物理的マークを描くことができる。これらの追加的マークは、キャプチャされ、電子的マークに変換され、ローカル表面とリモート表面の両方に表示される。これらのタイプの(及びその他の)インターラクションは、ローカルユーザ又はリモートユーザがセッションを終了するまで、限りなく続けることができる。
【0074】
言うまでもなく、上記のインターラクションは、ローカル表面304及び/又はリモート表面354に、ユーザの筆記/描画をキャプチャする特別な器具を必要とせずに、実現することができる。むしろ、ローカル表面304とリモート表面354は、従来のホワイトボード表面であっても、従来のディスプレイデバイスであってもよい。さらに、言うまでもなく、このインターラクションは、ローカルユーザ312又はリモートユーザ362が自分の表面の物理的マークをマニュアルで消去しなくても実現できる。
【0075】
図3は例示であって、本発明の実施形態を限定することを意図したものではない。例えば、図3には2つのIWBのみを示したが、ネットワークして協働セッションに参加するシステムの数はいくつでもよい。さらに、図3を参照して説明したフローはいろいろなやり方で修正できる。例えば、ある実施形態では、リモートユーザ362は、ローカルユーザ312より前に筆記を開始できるし、この二人のユーザは実質的に同時にそれぞれの表面上に筆記することもできる。順序にかかわらず、一方のユーザにより描かれた物理的筆記/描画は、ローカルシステムとリモートシステムの両方で電子的形式で、見て、インターラクティブに操作することができる。
【0076】
図4は、本発明の一実施形態によるインターラクティブホワイトボード機能を提供するため、図1のIWBシステム100により実行されるプロセス400を示すフロー図である。特に、プロセス400は、システム100のコントローラ106により実行され得る。プロセス400は、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせで実施できる。ソフトウェアとして、プロセス400は、コンピュータ読み出し可能記憶媒体に記憶されたプログラムコードとしてエンコードできる。
【0077】
ブロック402において、コントローラ106は、カメラ104から、表面102の第1の画像を受け取る。この第1の画像は、ユーザ(例えばユーザ110)により表面上に描かれた第1の物理的マークを含む。ある実施形態では、第1の物理的マークは、筆記具112などの消える筆記媒体を用いた筆記具で描かれる。消える筆記媒体は例えば消えるインクである。
【0078】
ブロック404において、コントローラ106は、第1の画像を処理して、その処理に基づき、第1の物理的マークの電子的表現(すなわち第1の電子的マーク)を決定する。例えば、第1の電子的マークは、第1の物理的マークのラスター又はベクトルをベースとした表現であり得る。
【0079】
ある実施形態では、電子的マークを決定するプロセスは、物理的マークの方向及び/又はタイミングの決定を含む。これらの実施形態では、コントローラ106は、例えば、カメラ104から受け取った画像中に現れる物理的マークの飽和(saturation)を分析できる。この情報に基づき、コントローラ106は、物理的マークが描かれた方向及び/又は物理的マークが描かれた時間を決定できる。この方向及びタイミングの情報は、電子的マークの情報とともに、コントローラ106により記憶される。
【0080】
第1の電子的マークが生成されると、コントローラ106は、ビデオ信号が第1の電子的マークを含むように、ビデオ信号を生成(又は前に生成したビデオ信号を更新)する(ブロック406)。次に、コントローラ106は、生成/更新したビデオ信号を、表面102上に表示するため、プロジェクタ108又は表面102に送信する。
【0081】
ある実施形態では、生成/更新されたビデオ信号は、第1の物理的マークが消えると、第1の電子的マークが表面102上に見えるようになるように構成され得る。そうすると、ユーザ110の立場からは、第1の電子的マークが第1の物理的マークと置き換わったように見える。ある実施形態では、第1の電子的マークは、第1の物理的マークが見えなくなる(fade out of view)と表面102上に見える(fade into view)ようになり、それにより、消える第1の物理的マークと現れる第1の電子的マークの間でスムースな移行ができる。図5は、この移行を実現するためにローカルコントローラ106により実行されるプロセスを示している。プロセス400と同様に、プロセス500は、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせで実施できる。ソフトウェアとして、プロセス500は、コンピュータ読み出し可能記憶媒体に記憶されたプログラムコードとしてエンコードできる。
【0082】
素ロック502において、コントローラ106は、第1の物理的マークが消え始める時間及び/又はそのマークが消える速さ(rate)を決定することができる。一組の実施形態では、コントローラ106は、物理的マークが表面102に最初にアプライ(apply)された時間に基づき、この時間と速さを決定できる。上記の通り、このタイミング情報は、カメラ104によりキャプチャされた画像中の物理的マークの飽和(saturation)を分析することにより、推定できる。
【0083】
他の一組の実施形態では、コントローラ106は、筆記具112に関する、及び/又は筆記具112に使われている消える筆記媒体に関する情報に基づき、第1の物理的マークの消える時間と速さを決定できる。かかる情報の例としては、消える筆記媒体の種類、色、及び/又は生産者やブランドがある。一実施形態では、この情報はユーザ110がコントローラ106に提供する。他の一実施形態では、この情報は、例えば、カメラ104によりキャプチャされた画像を分析して、コントローラ106が自動的に決定する。
【0084】
ブロック504において、コントローラ106は、表面102上で、第1の物理的マークの消える時間と速さに対応する時間と速さで、第1の電子的マークが見える(fade into view)ようになるよう、図4のブロック406において生成したビデオ信号を構成できる。
【0085】
表面102上において第1の物理的マークが第1の電子的マークに視覚的に置き換わると、ユーザ110は、表面102上で別のマークを描くことにより、表示されたビデオ信号とインターラクションできる。図6は、ユーザ110により描かれた第2の物理的マークを処理するため、コントローラ106により実行されるプロセス600を示している。プロセス400及び500と同様に、プロセス600は、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせで実施できる。ソフトウェアとして、プロセス600は、コンピュータ読み出し可能記憶媒体に記憶されたプログラムコードとしてエンコードできる。
【0086】
ブロック602において、ローカルコントローラ106は、カメラ104から表面102の第2の画像を受け取る。第2の画像は、ユーザ110により描かれた第2の物理的マークを含む。いろいろな実施形態において、第2の物理的マークは、図4を参照して説明した第1の物理的マークと同じ消える筆記媒体を用いて描くことができる。
【0087】
ブロック604において、コントローラ106は、第2の画像に基づき、第2の物理的マークの電子的表現(すなわち第2の電子的マーク)を決定する。一組の実施形態では、カメラ104によりキャプチャされた第2の画像は、図4のブロック408において表面102上に表示された第1の電子的マークを含まないように、構成できる。例えば、表面102上に表示されたビデオ信号は、1秒あたり、第1の電子的マークを含まない1つ以上のフレームを表示するように構成され、第2の画像はこれらの1つ以上のフレームにおいてキャプチャされる。これらの実施形態では、コントローラ106は、第2の画像中の第2の物理的マークを識別する処理を実行する必要はない。
【0088】
他の一組の実施形態では、(表面102に表示されているように)第1の電子的マークと第2の物理的マークとを両方とも含むように、第2の画像を構成することができる。これらの実施形態では、コントローラ106は、(例えば、従来の画像処理技術を用いて)第2の画像から第1の電子的マークを差し引くことができる。このようにして、コントローラ106は、第2の物理的マークから第1の電子的マークを区別できる。
【0089】
第2の電子的マークが生成されると、コントローラ106は、ブロック406において生成されたビデオ信号が第1の電子的マークに加え、第2の電子的マークを含むように、そのビデオ信号を更新できる。次に、コントローラ106は、更新されたビデオ信号を、表面102上に表示するため、プロジェクタ108又は表面102に送信する。第1の電子的マークと同様に、コントローラ106は、第2の物理的マークが見えなくなる(fade out of view)と、第2の電子的マークが表面102上に見える(fade into view)ようにして、それにより、消える第2の物理的マークと現れる第2の電子的マークの間でスムースな移行をする。
【0090】
言うまでもなく、プロセス400、500、及び600は例示であり、変形や修正が可能である。例えば、順次説明したステップは並行して実行してもよく、ステップの順序を変えてもよく、ステップを修正しても、組み合わせても、追加しても、省略してもよい。本発明の技術分野の当業者には、他の変形、修正、変更が分かるであろう。
【0091】
ある実施形態では、IWBシステム100のコントローラ106は、キャリブレーションプロセスを実行して、カメラ104によりキャプチャした画像の座標空間を、コントローラ106により生成されたビデオ信号画像の座標空間にマッピングできる。このキャリブレーションをしないと、コントローラ106により決定される電子的マークは、表面102上に表示されたとき、対応する物理的マークと視覚的に位置合わせされないことがある。一実施形態では、キャリブレーションプロセスは、表面102、カメラ104、及び/又はプロジェクタ108の物理的位置が変わるたびに、実行してもよい。他の実施形態では、キャリブレーションプロセスは、IWBシステム100の電源をオンにするたびに実行できる。
【0092】
一組の実施形態では、キャリブレーションプロセスは、複数のキャリブレーション点を含む「テスト」ビデオ信号を生成して表面102上に表示することを含む。これらのキャリブレーションポイントは、例えば、ビデオ信号画像の四隅にある。テストビデオ信号を見るとき、ユーザ110は、キャリブレーションポイントが表面102の四隅と実質的に位置合わせ(align)されるように、プロジェクタ108の(又は表面102の)位置を調節できる。ユーザ110は、カメラが表面102の全体を写せる(又は映せる)ように、カメラ104の位置も調節できる。プロジェクタ108、表面102、及びカメラ104が適切に配置されると、カメラ104は、キャリブレーションポイントを含む表面102の画像をキャプチャでき、コントローラ106は、キャプチャされた画像に基づいて、キャプチャされた画像の座標空間をビデオ信号画像の座標空間にどのようにマッピングするか、決定できる。ネットワークされたIWBシステムの場合、ローカルシステムとリモートシステムは、このテクニックを用いて別々にキャリブレーションされ、ローカルビデオ信号画像の座標空間は、リモートビデオ信号画像の座標空間にマッピングされる。
【0093】
他の一組の実施形態では、キャリブレーションは、初期テストビデオ信号を生成して表示する必要なしに、システム100がユーザ110により使用されている間に、コントローラ106により「オンザフライ(on-the-fly)」で実行される。かかるキャリブレーションプロセスの一例を、図7にプロセス700として示す。プロセス700は、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせで実施できる。ソフトウェアとして、プロセス700は、コンピュータ読み出し可能記憶媒体に記憶されたプログラムコードとしてエンコードできる。
【0094】
ブロック702において、コントローラ106は、カメラ104から、ユーザ110により表面102上に描かれた物理的マークを含む第1の画像を受け取る。説明を簡単にするため、物理的マークは2つの端点で完全に画定された直線であると仮定する(別の実施形態では、物理的マークはどんなタイプのストロークや表示であってもよい)。
【0095】
ブロック704と706において、コントローラ106は、第1の画像に基づき、物理的マークの電子的表現(すなわち電子的マーク)を決定し、その電子的マークを含むビデオ信号を生成/更新する。次に、コントローラ106は、そのビデオ信号を、表面102上に表示させる(ブロック708)。システム100はまだキャリブレーションされていないので、コントローラ106は、ビデオ信号画像の座標空間内の電子的マークの正しい位置をしらず、そのためその電子的マークをどこに配置すべきか推定する。
【0096】
ブロック710において、コントローラ106は、ブロック708において表示された電子的マークを含む、カメラ104からの第2の画像を受け取る。コントローラ106は、少なくとも第2の画像に基づき、表示された電子的マークと元の物理的マークとの間の位置の違いを計算できる(ブロック712)。一組の実施形態では、第2の画像は、物理的マークが消える前に取ることができ、それゆえ表示された電子的マークと物理的マークとを両方とも含む。これらの実施形態では、コントローラ106は、表示された電子的マークと物理的マークとの位置の違いを、第2の画像のみを用いて決定できる。
【0097】
他の一組の実施形態では、第2の画像は、物理的マークが消えた後に取ることができ、それゆえ表示された電子的マークのみを含む。これらの実施形態では、コントローラ106は、表示された電子的マークと物理的マークとの位置の違いを、第1の画像と第2の画像とを比較して、決定できる。
【0098】
ブロック712で実行される計算は、複数の異なる方法で実行できる。物理的マークが(第1の又は第2の画像中の)点Aから点Bまでであり、電子的マークが(第2の画像中の)点A′から点B′までである場合、コントローラ106は、A′マイナスAとB′マイナスBを計算することにより、位置の違いを計算できる。物理的マークがより複雑な形状(例えば曲線)である場合、コントローラ106は、その物理的マーク中の3つ以上の点を特定し、これらの点を電子的マーク中の対応する点にマッピングする。
【0099】
マーク間の位置の違いを計算すると、コントローラ106は、その違いに基づき、ビデオ信号中の電子的マークを移動して、電子的マークを物理的マークと位置合わせ(align)する(ブロック714)。さらに、コントローラ106は、この移動を、コントローラが決定した別の電子的マークに適用できる。このように、システムは、カメラ104によりキャプチャされた画像の座標空間を、コントローラ106により生成されたビデオ信号画像の座標空間に適切にマッピングできる。
【0100】
(図3に示したように)IWBシステム100がリモートIWBシステムとネットワークされているとき、コントローラ106は、ブロック704で決定した電子的マークの表示を、リモートIWBシステムのリモートコントローラに送ることができる。リモートIWBシステムは、リモート表面に表示するため、電子的マークを含むビデオ信号を生成できる。次に、リモートコントローラは、リモートカメラによりキャプチャされたリモート表面の画像を受け取り、その画像を生成されたビデオ信号と比較して、キャプチャされた画像とビデオ信号画像中のマーク間の位置の違いを決定する。次に、リモートコントローラは、その違いに基づき、ビデオ信号中の電子的マークを並進移動して、リモートシステムをキャリブレーションできる。
【0101】
言うまでもなく、プロセス700は例示であり、変形や修正が可能である。例えば、順次説明したステップは並行して実行してもよく、ステップの順序を変えてもよく、ステップを修正しても、組み合わせても、追加しても、省略してもよい。本発明の技術分野の当業者には、他の変形、修正、変更が分かるであろう。
【0102】
図8は、本発明の一実施形態によるコンピュータシステム800を示すブロック図である。一組の実施形態では、コンピュータシステム800を用いて、図1に示し上で説明したコントローラ106を実施することができる。図8に示したように、コンピュータシステム800は、バスサブシステム804を介して複数の周辺サブシステムと通信する1つ以上のプロセッサ802を含む。これらの周辺サブシステムは、メモリサブシステム808及びファイル記憶サブシステム810を含む記憶サブシステム806と、ユーザインタフェース入力デバイス812と、ユーザインタフェース出力デバイス814と、ネットワークインタフェースサブシステム816とを含む。
【0103】
バスサブシステム804は、コンピュータシステム800のいろいろなコンポーネントやサブシステムに、目的通りに互いに通信させるメカニズムを提供する。バスサブシステム804は1つのバスとして示したが、別の実施形態では複数のバスを利用してもよい。
ネットワークインタフェースサブシステム816は、他のシステム及び/又はネットワークからデータを受信し、他のシステム及び/又はネットワークにデータを送信するインタフェースとして機能する。例えば、ネットワークインタフェースサブシステム816は、インターネットなどの通信ネットワークを介して、一方のIWBシステム(例えば図3のローカルIWBシステム302)のコントローラに、離れて配置された他方のIWBシステム(例えば図3のリモートIWBシステム352)と通信させる。
【0104】
ユーザインタフェース入力デバイス812は、キーボードと、マウス、トラックボール、タッチパッド、またはグラフィクスタブレットのようなポインティングデバイスと、スキャナと、バーコードスキャナと、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーンと、音声認識システムのようなオーディオ入力デバイスと、マイクロホンと、その他のタイプの入力デバイスとを含み得る。一般的に、「入力デバイス」との用語を用いるとき、コンピュータシステム800に情報を入力するすべての可能なタイプのデバイスとメカニズムを含むものとする。
【0105】
ユーザインタフェース出力デバイス814は、例えば、ディスプレイサブシステムと、プリンタと、ファックス機と、オーディオ出力デバイスなどの非視覚的ディスプレイとを含み得る。ディスプレイサブシステムは、例えば、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルデバイス、またはプロジェクションデバイスである。一般的に、「出力デバイス」との用語を用いるとき、コンピュータシステム800から情報を出力するすべての可能なタイプのデバイスとメカニズムを含むものとする。
【0106】
記憶サブシステム806は、本発明の機能を提供する基本プログラムとデータ構成を記憶するコンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供できる。プロセッサにより実行された時に本発明の機能を提供するソフトウェア(例えば、プログラム、コードモジュール、命令など)は、記憶サブシステム806に記憶できる。これらのソフトウェアモジュールまたは命令は、プロセッサ802により実行される。記憶サブシステム806は、本発明による用いられるデータを記憶するリポジトリも提供できる。記憶サブシステム806は、メモリサブシステム808とファイル/ディスク記憶サブシステム810とを有する。
【0107】
メモリサブシステム808はいくつかのメモリを含み、それにはプログラム実行中に命令とデータを記憶する主要なランダムアクセスメモリ(RAM)818と、固定された命令が格納される読み出し専用メモリ(ROM)820とが含まれる。ファイル記憶サブシステム810は、プログラムとデータのファイル用の非一時的で永続的な(不揮発性の)記憶を提供し、ハードディスクドライブと、取り外し可能媒体を有するフレキシブルディスクドライブと、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)と、光ドライブと、取り外し可能メディアカートリッジと、その他の同様な記憶媒体とを含む。
【0108】
コンピュータシステム800はいろいろなタイプがあり、パーソナルコンピュータ、電話、ポータブルコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、またはその他のデータ処理システムを含んでいる。コンピュータとネットワークは常に変化し続けているので、図8に示したコンピュータシステム800の説明は、コンピュータシステムの一実施形態を例示するための具体例として挙げただけである。図8に示したシステムよりもコンポーネントが多い又は少ない他の多くの構成も可能である。
【0109】
本発明の具体的な実施形態を説明したが、様々な修正、変更、代替的構成、均等物が本発明の範囲に含まれる。本発明の実施形態は、具体的な環境や状況における動作には限定されず、複数の環境や状況において自由に動作させることができる。さらに、一連の具体的なトランザクションとステップを用いて本発明の実施形態を説明したが、これらは発明の実施形態の範囲を限定することを意図するものではない。
【0110】
さらに、本発明の実施形態をハードウェアとソフトウェアの具体的な組み合わせを用いて説明したが、ハードウェアとソフトウェアの他の組み合わせも本発明の範囲に入ることが分かるであろう。例えば、本発明の実施形態はハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより実現することができる。
【0111】
したがって、明細書と図面は例示であって限定ではないと考えるべきである。本発明の精神と範囲から逸脱することなく、追加、削除、その他の修正、変更をすることができることは明らかであろう。
【符号の説明】
【0112】
100 IWBシステム
102 表面
104 カメラ
106 コントローラ
108 プロジェクタ
112 筆記具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムにより、時間が経つと消えるように構成された筆記媒体を用いて、ユーザにより表面上に描かれた第1の物理的マークを含む、前記表面の第1の画像を受け取るステップと、
前記コンピュータシステムが、前記第1の画像に基づき、前記第1の物理的マークの電子的表現を決定するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記第1の物理的マークの前記電子的表現を含むビデオ信号を生成するステップと、
前記コンピュータシステムが、前記ビデオ信号を前記表面上に表示させるステップと、を有し、
前記表面上で、前記第1の物理的マークが消えたとき、前記第1の物理的マークの電子的表現が前記第1の物理的マークを視覚的に置き換える、方法。
【請求項2】
前記第1の物理的マークの電子的表現が、前記第1の物理的マークが前記ユーザにより最初に描かれたのと同じ前記表面上の場所に現れるように、前記ビデオ信号が前記表面上に表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の物理的マークが消え始める時間を決定するステップをさらに有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の物理的マークが消え始めた時に、前記第1の物理的マークの電子的表現が前記表面上に見え始めるように、前記ビデオ信号が生成される、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の物理的マークが消える速さを決定するステップを更に有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の物理的マークが消える速さに対応した速さで、前記第1の物理的マークの電子的表現が前記表面上に見えるように、前記ビデオ信号が生成される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記消える速さは、前記筆記媒体に関する情報に基づき決定される、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記筆記媒体に関する情報は前記筆記媒体の色、又は前記筆記媒体の生産者を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1秒あたり1フレーム、前記ビデオ信号は前記第1の物理的マークの電子的表現を含まないように、前記ビデオ信号が生成される、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記筆記媒体を用いて、前記ユーザにより前記表面上に描かれた第2の物理的マークを含む、前記表面の第2の画像を受け取るステップと、
前記第2の画像に基づいて、前記第2の物理的マークの電子的表現を決定するステップと、
前記第1の物理的マークの電子的表現と、前記第2の物理的マークの電子的表現とを含む、更新されたビデオ信号を生成するステップと、
前記更新されたビデオ信号を前記表面上に表示させるステップとを有する、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ビデオ信号が前記第1の物理的マークの電子的表現を含まない少なくとも1フレームの間に、前記第2の画像がカメラによりキャプチャされる、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記表面上で、前記第2の物理的マークが消えたとき、前記第2の物理的マークの電子的表現が前記第2の物理的マークを視覚的に置き換える、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の物理的マークの電子的表現をリモートシステムに送信するステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記筆記媒体は消えるインクである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記筆記媒体は、少なくとも1秒間は見え、10秒以内に消えるように構成された、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記表面は従来のホワイトボードである、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ビデオ信号を前記表面上に表示させるステップは、前記表面に投影するため、前記ビデオ信号をプロジェクタに送信するステップを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記表面はLCDディスプレイであり、前記ビデオ信号を前記表面上に表示させるステップは、前記ビデオ信号を前記LCDディスプレイに送信するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
プロセッサにより実行可能なプログラムコードを格納した非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記プログラムコードは、
前記プロセッサに、時間が経つと消えるように構成された筆記媒体を用いて、ユーザにより表面上に描かれた第1の物理的マークを含む、前記表面の第1の画像を受け取らせるコードと、
前記プロセッサに、前記画像に基づいて、前記物理的マークの電子的表現を決定させるコードと、
前記プロセッサに、前記第1の物理的マークの前記電子的表現を含むビデオ信号を生成させるコードと、
前記プロセッサに、前記表面上に表示するため、前記ビデオ信号を送信させるコードと、を有し、
前記表面上で、前記物理的マークが消えたとき、前記物理的マークの電子的表現が前記物理的マークを視覚的に置き換える、非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項20】
時間が経つと消えるように構成された筆記媒体を用いて、ユーザにより表面上に描かれた第1の物理的マークを含む、前記表面の第1の画像を受け取り、
前記画像に基づいて、前記物理的マークの電子的表現を決定し、
前記物理的マークの前記電子的表現を含むビデオ信号を生成し、
前記ビデオ信号を前記表面上に表示させる
プロセッサ有し、
前記表面上で、前記物理的マークが消えたとき、前記物理的マークの電子的表現が前記物理的マークを視覚的に置き換える、
システム。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−234538(P2012−234538A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−99592(P2012−99592)
【出願日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】