説明

消しゴムのエンボス加工方法、エンボス加工装置、押出成形装置および消しゴム

【課題】消しゴムのゴム表面に、ユーザの趣味的感情を刺激する視覚的作用効果を有効に発揮し得るエンボス模様を安価に型押し成形することができるエンボス加工技術を提供する。
【解決手段】押出成形装置のヘッド部において、ダイ部材21の成形孔15の出口側直近位置に、成形孔15を押出される消しゴムWの表面にエンボス模様E1を押型成形する成形ローラ17と、この成形ローラ17による消しゴムWの押圧成形作用をバックアップするバックアップローラ18(17)とを、自由回転可能に対向配置させて、ダイ部材21の成形孔15を押出される消しゴムWの押出し力により、成形ローラ17とバックアップローラ18(17)を回転させて消しゴムWを走行案内させながら、成形ローラ17により、消しゴムWの表面に所定形状のエンボス模様E1を型押成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は消しゴムのエンボス加工方法、エンボス加工装置、押出成形装置および消しゴムに関し、さらに詳細には、プラスチック消しゴム等の消しゴムの表面に、文字、符号または図形あるいはこれらの組み合わせ等からなる図案や模様を型押し成形するエンボス加工技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鉛筆で書かれた文章の文字や図形の線などの消去に用いられる消しゴム、例えば、消しゴム材料がポリ塩化ビニル等の基材樹脂と可塑剤などからなるいわゆるプラスチック消しゴムは、ポリ塩化ビニル等の基材樹脂および可塑剤に、必要に応じて、炭酸カルシウム等の充填剤や安定剤が適宜添加されて、これらが混合、攪拌された後、成形型への流し込みや押出等により加熱、成形されてなる多量生産品である。
【0003】
一般的な消しゴムにおいては、一般に実用本位の安価な文房具として、その表面は何も図案や模様(以下、模様と称する。)が施されず、図案や模様を施した巻紙ケース等により被覆保護された形態とされている。
【0004】
一方で、実用性よりも趣味等による収集性をより重視した消しゴムもあり、この種の消しゴムにおいては、ファンシーグッズ(fancy goods)として、表面に模様が直接施された形態とされたり、消しゴム構成材料自体が芳香を放つ形態とされたりして、消しゴム本来の機能である消字性をある程度犠牲にしても、ユーザの趣味的感情を刺激することに主眼が置かれているのが一般的である。
【0005】
また、上記消しゴム表面の模様としては、印刷技術を用いて形成される平坦な模様のほか、射出成形により形成された凹凸模様が一般的であり、この模様形成のための追加製造設備コストや製造工程数の増加により、実用本位の一般的な消しゴムに比較して製品コストも一般に高い。
【0006】
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、消しゴムにおいて、消しゴム本来の機能である消字性を備えて実用性をまったく損なうことなく、消しゴム表面に、ユーザの趣味的感情を刺激する視覚的作用効果を有効に発揮し得る、文字、符号または図形あるいはこれらの組み合わせ等からなる模様を安価に型押し成形することができるエンボス加工方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的とするところは、上記エンボス加工方法を実施することができる消しゴムのエンボス加工装置を提供することにある。
【0009】
さらに、本発明のもう一つの他の目的とするところは、上記エンボス加工方法によりエンボス加工を施された消しゴムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、本発明の消しゴムのエンボス加工方法は、消しゴムの表面に、文字、符号または図形あるいはこれらの組み合わせ等からなるエンボス模様を型押し成形するエンボス加工方法であって、可塑性素材を所定の断面形状を有する消しゴムに押出し成形する押出成形装置のヘッド部において、上記可塑性素材を所定断面形状に通過成形するダイ部材の成形孔の出口側直近位置に、上記成形孔を押し出される消しゴム表面にエンボス模様を押型成形する成形ローラと、この成形ローラによる上記消しゴムの押型成形作用をバックアップする少なくとも一つのバックアップローラとを、回転可能に対向配置させて、上記ダイ部材の成形孔を押し出される上記消しゴムの押出し力により、上記成形ローラとバックアップローラを回転させて上記消しゴムを走行案内させながら、上記成形ローラにより、上記消しゴムの表面に所定形状のエンボス模様を型押成形するようにしたことを特徴とする。
【0011】
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記成形ローラおよびバックアップローラの回転軸心は、上記ダイ部材の成形孔の出口端縁を含む平面に平行な平面内に配置される構成とされる。
【0012】
(2)上記ヘッド部は、上記成形孔を有するダイ部材を備え、このダイ部材は、上記成形ローラおよびバックアップローラの間に突入配置される突入部を備えるとともに、この突入部の先端に、上記成形孔が上記成形ローラおよびバックアップローラ間に臨んで開口されてなり、上記成形孔を押し出される上記消しゴムは、その外周部分が上記成形ローラとバックアップローラの外周部分を押圧回転させながら、これら両ローラの挟圧作用により、その表面に上記成形ローラによる所定形状のエンボス模様が型押成形される。
【0013】
(3)上記成形ローラの円筒表面は、上記ダイ部材の成形孔から押し出される消しゴムの対向表面に対応したプロフィールを有する。
【0014】
(4)上記成形ローラの円筒表面に、上記エンボス模様を成形するエンボス成形型が所定のパターンをもって凹設される。
【0015】
(5)上記バックアップローラの円筒表面に、上記エンボス模様を成形するエンボス成形型が所定のパターンをもって凹設されて、上記成形ローラとしての機能を備える。
【0016】
(6)上記押出成形装置のダイ部材の成形孔が多角形状とされ、上記成形ローラとバックアップローラは、上記成形孔の多角形輪郭の各辺に対向するように均等配置される。
【0017】
(7)上記押出成形装置のダイ部材の成形孔が円形状とされ、上記成形ローラとバックアップローラは、上記成形孔の円形輪郭の円弧に対向するように均等配置される。
【0018】
また、本発明の第1の消しゴムのエンボス加工装置は、上記エンボス加工方法の実施に適したものであって、上記押出成形装置の先端部位に回転可能に支持され、上記成形孔を押し出される消しゴム表面にエンボス模様を押型成形する成形ローラと、上記押出成形装置の先端部位に回転可能に支持され、上記成形ローラによる上記消しゴムの押型成形作用をバックアップする少なくとも一つのバックアップローラとを備え、上記成形ローラとバックアップローラは、上記押出成形装置の成形孔の出口側直近位置に対向配置され、上記成形孔を押し出される上記消しゴムの押出し力により、上記成形ローラとバックアップローラが回転して上記消しゴムを走行案内しながら、上記成形ローラにより、上記消しゴムの表面に所定形状のエンボス模様が型押成形されるように構成されていることを特徴とする。
【0019】
同じく、本発明の第2の消しゴムのエンボス加工装置は、上記エンボス加工方法の実施に適したものであって、上記押出成形装置のシリンダ部の先端部位に取り付け固定され、可塑性素材を所定断面形状に通過成形する成形孔を有するヘッド本体と、このヘッド本体に回転可能に支持され、上記成形孔を押し出される消しゴム表面にエンボス模様を押型成形する成形ローラと、上記ヘッド本体に回転可能に支持され、上記成形ローラによる上記消しゴムの押型成形作用をバックアップする少なくとも一つのバックアップローラとを備え、上記成形ローラとバックアップローラは、上記成形孔の出口側直近位置に対向配置され、上記成形孔を押し出される上記消しゴムの押出し力により、上記成形ローラとバックアップローラが回転して上記消しゴムを走行案内しながら、上記成形ローラにより、上記消しゴムの表面に所定形状のエンボス模様が型押成形されるように構成されていることを特徴とする。
【0020】
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記成形ローラおよびバックアップローラの回転軸心は、上記成形孔の出口端縁を含む平面に平行な平面内に配置される構成とされる。
【0021】
(2)上記ヘッド部は、上記成形孔を有するダイ部材を備え、このダイ部材は、上記成形ローラおよびバックアップローラの間に突入配置される突入部を備えるとともに、この突入部の先端に、上記成形孔が上記成形ローラおよびバックアップローラ間に臨んで開口されてなり、上記成形孔を押し出される上記消しゴムは、その外周部分が上記成形ローラとバックアップローラの外周部分を押圧回転させながら、これら両ローラの挟圧作用により、その表面に上記成形ローラによる所定形状のエンボス模様が型押成形される。
【0022】
(3)上記成形ローラの円筒表面は、上記成形孔から押し出される消しゴムの対向表面に対応したプロフィールを有している。
【0023】
(4)上記成形ローラの円筒表面に、上記エンボス模様を成形するエンボス成形型が所定のパターンをもって凹設される。
【0024】
(5)上記バックアップローラの円筒表面に、上記エンボス模様を成形するエンボス成形型が所定のパターンをもって凹設されて、上記成形ローラとしての機能を備える。
【0025】
(6)上記成形孔が多角形状とされ、上記成形ローラとバックアップローラは、上記成形孔の多角形輪郭の各辺に対向するように均等配置される。
【0026】
(7)上記成形孔が円形状とされ、上記成形ローラとバックアップローラは、上記成形孔の円形輪郭の円弧に対向するように均等配置される。
【0027】
(8)上記成形ローラおよびバックアップローラは、上記押出成形装置の先端部位に取り付けられた支持台に、位置調整手段を介してそれぞれ回転可能に軸支され、上記位置調整手段の調整により、上記成形ローラおよびバックアップローラの加工位置を調整可能な構成とされる。
【0028】
(9)上記成形ローラおよびバックアップローラは、上記支持台に開閉可能に軸支された支持アームに、それぞれ回転可能に軸支され、上記支持アームの閉止時において、上記成形ローラおよびバックアップローラが加工位置にあり、一方、上記支持アームの開放時において、上記加工位置から離隔した退避位置にある。
【0029】
また、本発明の消しゴムの押出成形装置は、装置本体の先端部に、上記エンボス加工装置が交換可能に設置される構成とされていることを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明の消しゴムは、その表面に、上記エンボス加工方法によりエンボス模様が型押し成形されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、押出成形装置のヘッド部において、可塑性素材を所定断面形状に通過成形するダイ部材の成形孔の出口側直近位置に、上記成形孔を押し出される消しゴム表面にエンボス模様を押型成形する成形ローラと、この成形ローラによる上記消しゴムの押型成形作用をバックアップする少なくとも一つのバックアップローラとを回転可能に対向配置させて、上記成形孔を押し出される棒状の消しゴムの押出し力により、上記成形ローラとバックアップローラを回転させて上記棒状の消しゴムを走行案内させながら、上記成形ローラにより、上記消しゴムの表面に所定形状のエンボス模様を型押成形するようにしたから、以下に列挙するような優れた特有の効果が得られ、消しゴムにおいて、消しゴム本来の機能である消字性を備えて実用性をまったく損なうことなく、消しゴム表面に、ユーザの趣味的感情を刺激する視覚的作用効果を有効に発揮し得る、文字、符号または図形あるいはこれらの組み合わせ等からなる模様を安価に型押し成形することができるエンボス加工方法を提供することができる。
【0032】
(1)押出成形装置のダイ部材の成形孔の出口側直近位置に配置した成形ローラにより、バックアップローラでバックアップしながら、消しゴムの表面にエンボス模様を型押成形するようにしたから、エンボス加工位置が上記成形孔の出口から押し出された直後位置で、消しゴムが高温状態(100℃程度)にあって十分な可塑性が残っているため型成形効率が良く、エンボス模様が容易に形成され得る。
【0033】
このため、一般的なプラスチック消しゴムにおいても、消しゴム本来の機能である消字性を犠牲にすることなく、従来のファンシーグッズ仕様の消しゴムと同様に、ユーザの趣味的感情を刺激する消しゴムを提供することができる。
【0034】
しかも、このエンボス模様は、くっきりと明確に型成形され、特にエンボス模様と消しゴム表面との境界がくっきりと形成されることから、あたかも消しゴム表面にエンボス模様のシール等が貼着されたような視覚的印象を与え得る。
【0035】
(2)また、上記のような簡単な構成により、かつ通常の消しゴムの押出成形と同時にエンボス加工を行う構成であるため、従来のようにこの種のエンボス模様形成のための追加の製造設備コスト上昇がなく、また製造工程数の増加もないので、実用本位の一般的な消しゴムと同等の製造コストさらには製品コストを維持することが可能である。
【0036】
(3)押出成形装置のダイ部材の成形孔の出口側直近位置に、上記成形ローラとバックアップローラを回転可能に対向配置させて、上記ダイ部材の成形孔を押し出される消しゴムの押出し力により、これら成形ローラとバックアップローラを回転させるようにしたから、エンボス加工のための特別な駆動源がまったく不要で、ランニングコストを極めて低く抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
【0038】
実施形態1
本発明に係る押出成形装置が図1に示されている。この押出成形装置は、具体的には、熱可塑性樹脂からなる消しゴムいわゆるプラスチック消しゴムWを押出し成形するスクリュ式押出成形機の形態とされ、図示の実施形態の押出成形装置により製造される消しゴムWは、具体的には図7に示すように、直方体形状とされるとともに、その上下両面(表面)Wa、Wbに、複数の星の図柄e、e、…が所定のパターンをもって散在状にかつ連続状に配されてなるエンボス模様E1、E1が立体的に型押成形されてなる。
【0039】
この目的のため、図示の実施形態の押出成形装置は、図外の装置基台上に、シリンダ部2およびヘッド部3からなる装置本体1が取り付けられてなる従来周知の基本構造を備えるとともに、上記装置本体1の先端部である上記ヘッド部3が本発明の特徴構成であるエンボス加工装置4により構成されている。
【0040】
また、消しゴム成形素材としては、一般的なプラスチック消しゴム用のものが用いられ、基材樹脂であるポリ塩化ビニル、熱可塑性エラストマー(スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー等)などの熱可塑性樹脂に、可塑剤または軟化剤が配合され、必要に応じて、炭酸カルシウム等の充填剤や安定剤が適宜添加されてなる、粒状、断片状等の素材ペレット(可塑性素材)w、w、…が使用される。
【0041】
シリンダ部2は、従来周知の構造とされ、熱可塑性の上記素材ペレットw、w、…を投入充填し前方へ押出すもので、具体的には、シリンダ10、スクリュ11および駆動部12を主要部として構成されている。
【0042】
シリンダ10は、素材ペレットw、w、…を溶融素材(可塑性素材)swに加熱溶融して案内する部位で、具体的には伝熱性に優れる金属製の中空円筒体の形態とされている。このシリンダ10は、具体的には図示しないが、その外周囲を加熱ヒータにより囲繞配置されて、押出し成形運転時には、シリンダ10全体が所定の高温度に加熱維持される構成とされている。
【0043】
また、上記シリンダ10は、水平方向へ延びて設けられるとともに、その基端部位に素材投入ホッパ10aが設けられるとともに、その内部には上記スクリュ11が同軸状にかつ回転可能に内装されている。
【0044】
このスクリュ11は、上記シリンダ10により加熱溶融された溶融素材swを混練加圧するもので、上記シリンダ10内においてシリンダ10の軸線方向つまり前後方向へ同軸直線状に延びるとともに、回転可能に軸支されている。このスクリュ11の基端部は、シリンダ10の基端に接続配置された上記駆動部12に駆動連結されている。
【0045】
なお、上記素材投入ホッパ10aの開口位置は、スクリュ11の基端部上部に設定され、また、スクリュ11の螺旋羽根11aは、その外径寸法がシリンダ10の内径面との間に溶融素材swが漏れない程度のクリアランスを有するように設定されている。
【0046】
駆動部12は、上記スクリュ11をシリンダ10内で回転駆動させるもので、主要部として駆動モータ13を備えてなり、具体的には図示しないが、この駆動モータ13の回転軸が減速歯車機構を介して上記スクリュ11の基端に駆動連結されている。
【0047】
また、装置本体1の先端部つまりシリンダ10の先端部には、溶融素材(可塑性素材)swを所定断面形状の消しゴムWに通過成形する成形孔15を有するヘッド本体16が取外し交換可能に取り付け固定されている。図示の実施形態の成形孔15は、図6(a)に示すような矩形状とされて、この成形孔15を押出成形される消しゴムWは断面矩形状の棒状となる。なお、図示の実施形態においては、成形孔15を備えるヘッド本体16は、後述するように、エンボス加工装置4の一部を構成している。
【0048】
そして、シリンダ10が図外の加熱ヒータにより所定の高温度に加熱維持されるとともに、駆動部12の駆動モータ13の回転駆動により、シリンダ10内のスクリュ11が減速された低速度で回転される。この状態で、素材ペレットw、w、…が素材投入ホッパ10aに投入されると、投入された素材ペレットw、w、…は、自重によりシリンダ10内に自然落下して供給され、シリンダ10により加熱溶融されて溶融素材swとなるとともに、回転するスクリュ11により混練押圧されながらシリンダ10の前方へ進んでいき、先端部の成形孔15を通過する際に矩形断面の連続した棒状の消しゴムWに押出成形される。
【0049】
ヘッド部3は、前述したように本発明の特徴構成であるエンボス加工装置4を主要部として構成されている。すなわち、このヘッド部3は、シリンダ部2から押し出される溶融素材swを所定の断面形状(図示の場合は矩形状)を有するプラスチック消しゴムWに押出し成形するとともに、この後ほぼ同時にエンボス模様E1を型押し成形する部位で、エンボス加工装置4を備えてなる。
【0050】
このエンボス加工装置4は、消しゴムWの表面に、文字、符号または図形あるいはこれらの組み合わせ等からなるエンボス模様E1、E1を型押し成形するもので、シリンダ部2の先端部位に取外し交換可能に設置されており、上記ヘッド本体16、成形ローラ17およびバックアップローラ18を主要部として備えてなる。
【0051】
図示の実施形態のエンボス加工装置4は、前述したように、消しゴムWの上下両面Wa、Wbに、複数の星の図柄e、e、…が所定のパターンをもって散在状にかつ連続状に配されてなるエンボス模様E1、E1をそれぞれ立体的に型押成形する構成とされている(図7参照)。
【0052】
ヘッド本体16は、上記押出成形装置の押出成形部を構成するもので、シリンダ部2の先端部位に取り付け固定される構造とされ、溶融素材swを所定断面形状に通過成形する成形孔15を有する。
【0053】
図示の実施形態のヘッド本体16は、具体的には、取付本体20とダイ部材21を主要部として備えてなる。
【0054】
取付本体20は、ヘッド本体16さらにはエンボス加工装置4を上記シリンダ部2に取付け固定する部位であり、具体的には、シリンダ10の先端部位と同心状に嵌合する円筒状に形成され、図示しないが締付け具により、シリンダ10の先端部に連通して接続固定される。
【0055】
ダイ部材21は、上記取付本体20と一体的に設けられて、シリンダ10から押し出される溶融素材swを成形する上記成形孔15を備える。このダイ部材21および取付本体20に貫通する連通路22は、上記シリンダ10から取付け本体20を介して上記成形孔15に連続的にかつ緩やかに続くように形成されている。
【0056】
また、図示の実施形態の成形孔15は、前述したように、図6(a)に示すような矩形状に形成されており、この成形孔15を押出成形される消しゴムWは断面矩形状の棒状となる(図2参照)。
【0057】
また、ダイ部材21は、後述するように、成形孔15を押出成形された棒状の消しゴムWの表面(図示の場合は上下両面)にエンボス加工を施すための特別な構成が採用されている。
【0058】
成形ローラ17は、上記ヘッド本体16の成形孔15を押し出される消しゴムWの表面にエンボス模様E1、E1を押型成形するもので、その円筒表面に、上記エンボス模様E(図示の実施形態においては、図7に示すような複数の星の図柄e、e、…が散在状にかつ連続状に配されてなるエンボス模様E1)を成形するエンボス成形型E´(E1´)が所定のパターンをもって凹設されるとともに、協働するバックアップローラ18と共に上記ヘッド本体16に回転可能に支持されている。
【0059】
図示の実施形態においては、消しゴムWの表面のうち、上下両面Wa、Wbに同じエンボス模様E1、E1を押型成形する構造とされ、具体的には、消しゴムWの上面Waにエンボス模様E1を押型成形する成形ローラ17A、下面Wbにエンボス模様E1を押型成形する成形ローラ17B、および、左右側面Wc、Wdをそれぞれ転動支持して、上下両成形ローラ17A、17Bによる押型成形作用をバックアップするバックアップローラ18C、18Dが、上記ヘッド本体16に回転可能に支持されている。
【0060】
なお、消しゴムWの表面にエンボス模用Eを押型成形するローラの組の最小単位は、1つの成形ローラ17と、この成形ローラ17の押型成形作用をバックアップする少なくとも1つのバックアップローラ18との組合せであり、この場合のバックアップローラ18は、上記成形ローラ17に対して消しゴムWを隔てた対向側位置であって、かつ成形ローラ17による押型成形作用を有効にバックアップする位置に少なくとも1つ配置される。
【0061】
つまり、上記ダイ部材21の成形孔15から押し出される棒状の消しゴムWの表面、例えば上面Waに成形ローラ17によりエンボス模様Eを型押し成形する場合、棒状の消しゴムWには下向きの押圧力Pがかかる。このため、押し棒状の消しゴムWは、押圧力PAにより下側へ曲ろうとするが、バックアップローラ18がこの棒状の消しゴムWを下側から転動支持して、この棒状の消しゴムWの下側への曲げを防止し、これにより、棒状の消しゴムWの軸心が水平に保持されて、成形ローラ17によるエンボス模様Eの型成形作用がバックアップローラ18によりバックアップされる。
【0062】
図示の実施形態においては、図6(a)、(b)を参照して、消しゴムWの上面Waにエンボス模様E1を押型成形するために必要な最小単位は、上側の成形ローラ17Aと、この成形ローラ17Aに対して消しゴムWを隔てて対向配置された下側の成形ローラ17Bとの組で、この場合は下側の成形ローラ17Bがバックアップローラとしての役割を果たす。
【0063】
一方、消しゴムWの下面Wbにエンボス模様E1を押型成形するために必要な最小単位は、下側の成形ローラ17Bと、この成形ローラ17Bに対して消しゴムWを隔てて対向配置された上側の成形ローラ17Aとの組で、この場合は上側の成形ローラ17Aがバックアップローラとしての役割を果たす。
【0064】
また、左右両側のバックアップローラ18C、18Dは、その円筒表面が平滑な円筒面に形成されるとともに、これら円筒面が、上記成形ローラ17A、17Bによるエンボス加工時に、棒状の消しゴムWの左右両側面Wc、Wdを両側から転動支持して、消しゴムWが上下両側からの押圧力PA、PBにより左右両側へ膨張しようとするのを有効に防止する。これにより、上記成形ローラ17A、17Bが消しゴムWの上下両面Wa、Wbにエンボス模様E1、E1を押型成形する際の上下両面Wa、Wbの逃げ(弾性変形)が有効に防止される結果、上下両面Wa、Wbにはくっきりしたエンボス模様E1、E1が成形される。
【0065】
このように、ダイ部材21の成形孔15が多角形状(図示の場合は矩形状)とされる場合は、成形ローラ17A、17Bとバックアップローラ18C18Dは、上記成形孔15の多角形輪郭(図示の場合は矩形輪郭)の各辺に対向するように均等配置されているのが望ましい。
【0066】
また、上記目的のため、およびその関連において、これら4つのローラ17A、17B、18C、18Dの形状構成および支持構成は、以下に述べるように構成されている。
【0067】
上記4つのローラ17A、17B、18C、18Dの円筒表面は、上記成形孔15から押し出される消しゴムWの対向表面Wa、Wb、Wc、Wdにそれぞれ対応したプロフィールを有している。つまり、これら4つのローラ17A、17B、18C、18Dの円筒表面の外周輪郭は、図6(a)に示すように、消しゴムWの対向する表面Wa、Wb、Wc、Wdにそれぞれ対応したプロフィールの直線状輪郭とされるとともに、これら直線状輪郭で形成される矩形状輪郭は、図示のごとくダイ部材21の成形孔15の矩形状輪郭にほぼ一致するように設定されている。
【0068】
このように4つのローラ17A、17B、18C、18Dの外周輪郭が設定されることにより、実際に上記成形孔15から押し出される棒状の消しゴムWは、その材料特質から、図6(b)に示すように、成形孔15よりも僅かに上下方向(および図示しないが左右方向)へ膨出するところ、この膨出した外周部分が、上記成形孔15を押し出される棒状の消しゴムWの押出し力により、上記ローラ17A、17B、18C、18Dの外周部分を押圧回転させながら、上下成形ローラ17A、17Bの挟圧作用により、その上下両面Wa、Wbに上記成形ローラ17A、17Bによる所定形状のエンボス模様E1、E1がそれぞれ型押成形される。この際、左右両バックアップローラ18C、18Dは、図6(a)に示すように、棒状の消しゴムWの左右両側面Wc、Wdを転送支持して、両成形ローラ17A、17Bによる押型成形作用をバックアップすることにより、上下両面Wa、Wbに成形されるエンボス模様E1、E1の輪郭がよりくっきりと形成される。
【0069】
なお、4つのローラ17A、17B、18C、18Dの外周輪郭位置、つまり、これらローラの消しゴムWの各表面Wa〜Wdを転動支持する外周輪郭位置は、後述するように、位置調整部(位置調整手段)31の調整動作により調整可能な構成とされている。
【0070】
また、成形ローラ17A、17Bとバックアップローラ18C、18Dの回転軸心つまり回転軸30a、30b、30c、30dは、上記成形孔15の出口端縁を含む平面O0に平行な平面O1内に配置される構成とされることが望ましい。このような配置構成とされることにより、上記4つのローラ17A、17B、18C、18Dの棒状の消しゴムWに対する当接位置、つまり成形ローラ17A、17Bの押型成形作用位置およびバックアップローラ18C、18Dのバックアップ作用位置が、上記消しゴムWにおける同一円周上位置となって、この結果、それぞれの作用効果が最大限に発揮され得る。
【0071】
さらに、ダイ部材21は、図6(a)、(b)に示すように、上記成形ローラ17A、17Bおよびバックアップローラ18C、18Dの間に突入配置される突入部21aを備えるとともに、この突入部21aの先端に、上記成形孔15が成形ローラ17A、17Bおよびバックアップローラ18C、18Dの間に臨んで開口されて、上記成形孔15が成形ローラ17A、17Bおよびバックアップローラ18C、18Dによるエンボス加工位置が、ダイ部材21の成形孔15の出口から押し出された直後位置に設定される。
【0072】
このように設定されたエンボス加工位置は、消しゴムWが押出成形直後の高温状態(100℃程度)にあって、十分な可塑性が残っているため、成形ローラ17A、17Bによる型成形効率が良い。
【0073】
上記成形ローラ17(17A、17B)およびバックアップローラ18(18C、18D)の具体的な支持構造が図3〜図5に示されている。
【0074】
すなわち、成形ローラ17(17A、17B)およびバックアップローラ18(18C、18D)は、上記支持台35に押出成形装置の先端部位に取り付けられた支持台35に、支持アーム40、41、42を介してそれぞれ回転可能に軸支されている。
【0075】
具体的には、支持アーム40が、支軸45を介して、上記支持台35に水平方向へ開閉可能に軸支されるとともに、この支持アーム40の支持ブラケット40a、40bに、上記上下成形ローラ17A、17Bの回転軸30a、30bが軸受(図示省略)を介してそれぞれ回転可能に支持されている。
【0076】
また、支持アーム41、42が、それぞれ支軸46、47を介して、上記支持台35に水平方向へ開閉可能に軸支されるとともに、これら支持アーム41、42の支持ブラケット41a、42aに、上記左右バックアップローラ18C、18Dの回転軸30c、30dがそれぞれ軸受(図示省略)を介して回転可能に支持されている。
【0077】
そして、上記支持アーム40、41、42の閉止時において、上記成形ローラ17A、17Bおよびバックアップローラ18C、18Dのすべてが図3に示す加工位置にある。一方、上記支持アーム41、42の開放時において、上記左右バックアップローラ18C、18Dが、図4に示すように、上記加工位置から離隔した退避位置にあり、さらに、上記支持アーム40の開放時において、上記上下成形ローラ17A、17Bが、図5に示すように、上記加工位置から離隔した退避位置にある。この場合、支持アーム40と支持41、42とは、図示のごとく、上記開閉動作時に互いに干渉しない形状構造とされている。
【0078】
このような支持アーム40、41、42の折畳み開閉によるローラ17A、17B、18C、18Dの支持構造により、これらローラ17A、17B、18C、18Dの交換作業およびダイ部材21の成形孔15の清掃作業等のメンテナンスが容易かつ迅速に行える。
【0079】
また、上下成形ローラ17A、17Bを回転可能に支持する支持ブラケット40a、40bと、左右バックアップローラ18C、18Dを回転可能に支持する支持ブラケット41a、42aはいずれも、位置調整部31、31、…を介して支持アーム40、41、42にそれぞれ取り付けられており、これら位置調整部31、31、…の調整により、上記上下成形ローラ17A、17Bおよび左右バックアップローラ18C、18Dの加工位置がそれぞれ調整可能な構成とされている。
【0080】
図示の実施形態の位置調整部31は、図示のような蟻溝状の案内レール構造31aと、この案内レール構造31aを移動させる送りネジ機構31bとからなり、この送りネジ機構31bを手指にて回転操作することで、各案内レール構造31aが直線移動し、これにより、上下成形ローラ17A、17Bの上下方向位置がそれぞれ調整されるとともに、左右バックアップローラ18C、18Dの左右方向位置がそれぞれ調整されて、各ローラの加工位置が、成形ローラ17A、17Bの押型成形作用効果およびバックアップローラ18C、18Dのバックアップ作用効果を考慮した最適な状態にそれぞれ調整され得る。
【0081】
また、位置調整部31により上下成形ローラ17A、17Bの上下方向位置を調整することで、これら成形ローラ17A、17Bと棒状の消しゴムWの上下両面Wa、Wbとの間隙を適宜設定することにより、消しゴムWの上下両面Wa、Wbに成形されるエンボス模様E1、E1の高さ寸法(隆起寸法)が所望の値に設定される(例えば、0.3mm〜1.0mmの範囲)。
【0082】
しかして、以上のように構成された押出成形装置において、シリンダ部2のシリンダ10が所定温度に加熱されるとともに、駆動部12によりシリンダ10内のスクリュ11が低速度で回転された状態で、プラスチック消しゴム用の基材樹脂であるポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂および可塑剤に、必要に応じて、炭酸カルシウム等の充填剤や安定剤が適宜添加されてなる粒状、断片状等の素材ペレット(可塑性素材)w、w、…が上記シリンダ部2の素材投入ホッパ10aから投入供給される。
【0083】
投入された素材ペレットw、w、…は、押出成形に適した流動性が得られるまで加熱溶融されて溶融素材swとなり、回転するスクリュ11によって均質な状態に混練押圧されつつシリンダ10の前方へ進んでいき、先端部の成形孔15から押し出されて、成形孔15を通過する際にその輪郭形状(図示の場合は矩形状)に倣った断面形状の棒状消しゴムWに連続して押出成形される。
【0084】
この押出成形された棒状消しゴムWは、そのまま前方へ押し出されて、その上下両面Wa、Wbに、エンボス加工装置4の成形ローラ17A、17Bにより、複数の星の図柄e、e、…が所定のパターンをもって散在状にかつ連続状に配されてなるエンボス模様E1、E1が、それぞれ立体的に型押成形される。
【0085】
具体的には、図6(a)、(b)を参照して、ダイ部材21の成形孔15を押し出された棒状の消しゴムWは、エンボス加工装置4の上下成形ローラ17A、17Bおよび左右バックアップローラ18C、18Dの外周輪郭で形成された加工通路を通過する際に、その押出力と上述したような消しゴムWの材料特質(高温化の可撓性+弾性)による動作メカニズムとにより、上記ローラ17A、17B、18C、18Dを回転させながら走行案内されるとともに、上下成形ローラ17A、17Bの挟圧作用により、これら成形ローラ18C、18Dのエンボス成形型E1´、E1´が棒状の消しゴムWの上下両面Wa、Wbにエンボス模様E1、E1を型押成形する。この際、左右両バックアップローラ18C、18Dは、棒状の消しゴムWの左右両側面Wc、Wdを転送支持して(図6(a)参照)、上記両成形ローラ17A、17Bによる押型成形作用をバックアップする。
【0086】
このようにエンボス模様E1、E1が型押成形された棒状の消しゴムWは、具体的には図示しないが、冷却用の水中を浸漬通過して冷却固化された後、裁断機により所定の長さに裁断されて、図7に示すような消しゴムWが連続的に製造される。
【0087】
以上のように、本実施形態によれば、プラスチック消しゴムWにおいて、消しゴムW本来の機能である消字性を備えて実用性をまったく損なうことなく、消しゴムWの上下両表面Wa、Wbに、ユーザの趣味的感情を刺激する視覚的作用効果を有効に発揮し得る、文字、符号または図形あるいはこれらの組み合わせ等からなるエンボス模様E1、E1を安価に型押し成形することができるエンボス加工方法を提供することができる。
【0088】
すなわち、押出成形装置のダイ部材21の成形孔15の出口側直近位置に配置した成形ローラ17A、17Bにより、バックアップローラ(上側成形ローラ17Aに対する下側成形ローラ17B、下側成形ローラ17Bに対する上側成形ローラ17A)および左右バックアップローラ18C、18Dでバックアップしながら、棒状の消しゴムWの上下両面Wa、Wbにエンボス模様E1、E1を型押成形するようにしたから、エンボス加工位置が上記成形孔15の出口から押し出された直後位置で、消しゴムWが高温状態(100℃程度)にあって十分な可塑性が残っているため型成形効率が良く、エンボス模様が容易に形成され得る。
【0089】
このため、一般的なプラスチック消しゴムにおいても、消しゴム本来の機能である消字性を犠牲にすることなく、従来のファンシーグッズ仕様の消しゴムと同様に、ユーザの趣味的感情を刺激する消しゴムを提供することができる。
【0090】
しかも、このエンボス模様E1、E1はくっきりと明確に型成形され、特にエンボス模様E1、E1と消しゴムWの表面Wa、Wbとの境界がくっきりと形成されることから、あたかも消しゴムWの表面Wa、Wbにエンボス模様E1、E1のシール等が貼着されたような視覚的印象を与え得る。
【0091】
また、図示のような簡単な装置構成により、かつ通常の消しゴムの押出成形と同時にエンボス加工を行う構成であるため、従来のようにこの種のエンボス模様形成のための追加の製造設備コスト上昇がなく、また製造工程数の増加もないので、実用本位の一般的な消しゴムと同等の製造コストさらには製品コストを維持することが可能である。
【0092】
押出成形装置のダイ部材21の成形孔15の出口側直近位置に、上記成形ローラ17A、17Bとバックアップローラ18C、18Dを回転可能に対向配置させて、上記ダイ部材21の成形孔15を押し出される消しゴムWの押出し力により、これら成形ローラ17A、17Bとバックアップローラ18C、18Dを回転させるようにしたから、エンボス加工のための特別な駆動源がまったく不要で、ランニングコストを極めて低く抑えることができる。
【0093】
さらに、図示の実施形態においては、装置本体1の先端部に、エンボス加工装置4が交換可能に設置される構成とされているから、押出成形装置の装置本体1の構造を変えることなく、異なる形状寸法の成形孔15および成形ローラ17とバックアップローラ18の組を複数種類用意しておくことにより、多品種少量生産型の消しゴム製造が可能となり、また、このようなエンボス加工装置4を既存の押出成形装置に後から付設することも可能であり、汎用性に富む。
【0094】
実施形態2
本実施形態は図8〜図10に示されており、実施形態1におけるエンボス加工装置4の構成が若干改変されたものである。
【0095】
すなわち、実施形態1のエンボス加工装置104においては、消しゴムWの上下両面(表面)Wa、Wbに同一のエンボス模様E1、E1を立体的に型押成形する構成とされていたのに対して、本実施形態のエンボス加工装置104においては、この上下成形ローラ17A、17Bによる上下両面(表面)Wa、Wbに対するエンボス模様E1、E1に加えて、左右成形ローラ17C、17Dにより、消しゴムWの左右両面(表面)Wc、Wdにも同一のエンボス模様E2、E2を立体的に押型成形する構成とされている。
【0096】
本実施形態におけるエンボス模様E2は、図10(a)に示すように、連続する格子の図柄からなるエンボス模様とされている。
【0097】
この目的のため、左右成形ローラ17C、17Dの円筒表面には、上記エンボス模様E2を成形するエンボス成形型E2´が凹設されている。
【0098】
図示の実施形態においては、図9を参照して、消しゴムWの上面Waにエンボス模様E1を押型成形するために必要な最小単位は、上側の成形ローラ17Aと、この成形ローラ17Aに対して消しゴムWを隔てて対向配置された下側の成形ローラ17Bとの組で、この場合は下側の成形ローラ17Bがバックアップローラとしての役割を果たし、一方、消しゴムWの下面Wbにエンボス模様E1を押型成形するために必要な最小単位は、下側の成形ローラ17Bと、この成形ローラ17Bに対して消しゴムWを隔てて対向配置された上側の成形ローラ17Aとの組で、この場合は上側の成形ローラ17Aがバックアップローラとしての役割を果たす点は実施形態1とまったく同様である。
【0099】
さらに、左右両側の成形ローラ17C、17Dも、上記成形ローラ17A、17Bによるエンボス加工時に、実施形態1におけるバックアップローラ18C、18Dと同様に、棒状の消しゴムWの左右両側面Wc、Wdを両側から転動支持して、バックアップローラとして作用する。
【0100】
一方、消しゴムWの左側面Wcにエンボス模様E2を押型成形するために必要な最小単位は、左側の成形ローラ17Cと、この成形ローラ17Cに対して消しゴムWを隔てて対向配置された右側の成形ローラ17Dとの組で、この場合は左側の成形ローラ17Dがバックアップローラとしての役割を果たし、一方、消しゴムWの右側面Wdにエンボス模様E2を押型成形するために必要な最小単位は、右側の成形ローラ17Dと、この成形ローラ17Dに対して消しゴムWを隔てて対向配置された左側の成形ローラ17Cとの組で、この場合は左側の成形ローラ17Cがバックアップローラとしての役割を果たす。
【0101】
さらに、上下両側の成形ローラ17A、17Bも、上記成形ローラ17C、17Dによるエンボス加工時に、棒状の消しゴムWの上下両側面Wa、Wbを上下両側から転動支持して、バックアップローラとして作用する。
【0102】
しかして、本実施形態のエンボス加工装置104においては、ダイ部材21の成形孔15から押出成形された棒状消しゴムWは、そのまま前方へ押し出されて、その押出し力により、4つの成形ローラ1717A〜17Dを回転させて、走行案内されながら、その上下両面Wa、Wbに、成形ローラ17A、17Bによるエンボス模様E1、E1が、また、左右両側面Wc、Wdに、成形ローラ17C、17Dによるエンボス模様E2、E2が、それぞれ立体的に型押成形される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0103】
実施形態3
本実施形態は図11および図12に示されており、実施形態1におけるエンボス加工装置4の構成が若干改変されたものである。
【0104】
すなわち、本実施形態のエンボス加工装置204においては、消しゴムWの上面(表面)Waにのみ、エンボス模様E3を立体的に型押成形する構成とされている。
【0105】
本実施形態におけるエンボス模様E3は、図12(a)に示すように、単一の大きなハートの図柄からなるエンボス模様とされている。
【0106】
この目的のため、上側成形ローラ17Aの円筒表面には、上記エンボス模様E3を成形するエンボス成形型E3´が凹設されている。
【0107】
図示の実施形態においては、図11を参照して、消しゴムWの上面Waにエンボス模様E3を押型成形するために必要な最小単位は、上側の成形ローラ17Aと、この成形ローラ17Aに対して消しゴムWを隔てて対向配置された下側のバックアップローラ18Bとの組で、このバックアップローラ18Bが主たるバックアップ機能を発揮する一方、、左右両側のバックアップローラ18C、18Dは、上記成形ローラ17Aによるエンボス加工時に、棒状の消しゴムWの左右両側面Wc、Wdを両側から転動支持して、実施形態1と同様の補助的なバックアップ機能を発揮する。
【0108】
しかして、本実施形態のエンボス加工装置204においては、ダイ部材21の成形孔15から押出成形された棒状消しゴムWは、そのまま前方へ押し出されて、その押出し力により、1つの成形ローラ17Aと、3つのバックアップローラ18B〜18Dを回転させて、走行案内されながら、その上面Waに、成形ローラ17Aによるエンボス模様E3が立体的に型押成形される。
【0109】
なお、本実施形態においては、消しゴムWの上面Waに型押成形されるエンボス模様E3は、単一の大きなハートの図柄からなるため(図12(a)参照)、エンボス加工後の棒状の消しゴムWの裁断タイミングは、画像センサ等の位置検出センサにより、エンボス模様E3、E3、…が連続して型押成形された棒状の消しゴムにおける各エンボス模様E3の位置をそれぞれ検知して、この検知結果に従って、裁断機が棒状の消しゴムWを所定の長さに裁断することで、図12に示すように、図12(a)に示すように、単一の大きなハートの図柄からなるエンボス模様E3が上面Waに型押成形されてなる消しゴムWが連続的に製造される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0110】
実施形態4
本実施形態は図13および図14に示されており、エンボス加工対象となる消しゴムWが実施形態1〜3のものと異なる形状とされたものである。
【0111】
すなわち、本実施形態の消しゴムWは、図14に示すように、断面形状が正六角形とされた六角柱形状とされるとともに、その外周面(表面)Wg〜Wlに、複数の星の図柄e、e、…が長手方向へ所定の等間隔をもって連続状に整列されてなるエンボス模様E4、E4が…、それぞれ立体的に型押成形されてなる。
【0112】
この目的のため、本実施形態のダイ部材321は、実施形態1のダイ部材21と同様に前記取付本体20と一体的に設けられるとともに、シリンダ10から押し出される溶融素材swを成形する成形孔315を備える。この成形孔315は、図13に示すような正六角形状に形成されており、この成形孔315を押出成形される消しゴムWは断面正六角形状の棒状となる。
【0113】
また、本実施形態のエンボス加工装置304においては、ダイ部材321の成形孔315から押し出される棒状の消しゴムWの外周面Wg〜Wlに同じエンボス模様E4をそれぞれ押型成形する構造とされ、具体的には、上記棒状の消しゴムWの各外周面Wg〜Wlにそれぞれ対向して、成形ローラ17G〜17Lが回転可能に配置されるとともに、これら成形ローラ17G〜17Lの円筒表面は、上記ダイ部材321の成形孔315から押し出される消しゴムWの対向表面Wg〜Wlにそれぞれ対応したプロフィールを有している。
【0114】
また、成形ローラ17G〜17Lの回転軸心つまり回転軸30g〜30lは、実施形態1と同様に、上記ダイ部材321の成形孔315の出口端縁を含む平面に平行な平面内に配置される構成とされている。
【0115】
図示の実施形態においては、図13を参照して、消しゴムWの外周面Wg〜Wlにエンボス模様E4を押型成形するために必要な最小単位は、以下に列挙するとおりである。
【0116】
(1)消しゴムWの外周面Wgにエンボス模様E4を押型成形するために必要な最小単位は、成形ローラ17Gと、この成形ローラ17Gに対して消しゴムWを隔てて反対側位置に対向配置された成形ローラ17Jとの組で、この場合は成形ローラ17Jがバックアップローラとしての役割を果たす。
【0117】
(2)消しゴムWの外周面Whにエンボス模様E4を押型成形するために必要な最小単位は、成形ローラ17Hと、この成形ローラ17Hに対して消しゴムWを隔てて対向配置された成形ローラ17Kとの組で、この場合は成形ローラ17Hがバックアップローラとしての役割を果たす。
【0118】
(3)消しゴムWの外周面Wiにエンボス模様E4を押型成形するために必要な最小単位は、成形ローラ17Iと、この成形ローラ17Iに対して消しゴムWを隔てて対向配置された成形ローラ17Lとの組で、この場合は成形ローラ17Lがバックアップローラとしての役割を果たす。
【0119】
(4)消しゴムWの外周面Wjにエンボス模様E4を押型成形するために必要な最小単位は、成形ローラ17Jと、この成形ローラ17Jに対して消しゴムWを隔てて対向配置された成形ローラ17Gとの組で、この場合は成形ローラ17Gがバックアップローラとしての役割を果たす。
【0120】
(5)消しゴムWの外周面Wkにエンボス模様E4を押型成形するために必要な最小単位は、成形ローラ17Kと、この成形ローラ17Kに対して消しゴムWを隔てて対向配置された成形ローラ17Hとの組で、この場合は成形ローラ17Hがバックアップローラとしての役割を果たす。
【0121】
(6)消しゴムWの外周面Wlにエンボス模様E4を押型成形するために必要な最小単位は、成形ローラ17Lと、この成形ローラ17Lに対して消しゴムWを隔てて対向配置された成形ローラ17Iとの組で、この場合は成形ローラ17Iがバックアップローラとしての役割を果たす。
【0122】
さらに、上記(1)の消しゴムWの外周面Wgにエンボス模様E4を押型成形するために必要な最小単位の2つの成形ローラ17G、17J以外の4つの成形ローラ17H、17I、17K、17Lは、上記成形ローラ17Gによるエンボス加工時に、実施形態1におけるバックアップローラ18C、18Dと同様に、棒状の消しゴムWの残りの外周面Wh、Wi、Wk、Wlをそれぞれ転動支持して、バックアップローラとして作用し、上記(2)〜(6)についても同様である。
【0123】
また、本実施形態のエンボス加工装置304においては、消しゴムWの外周面Wg〜Wlに同じエンボス模様E4をそれぞれ押型成形するところ、これら外周面Wg〜Wlにおけるエンボス模様E4を構成する星の図柄e同士の配置は整列(長手方向位置を一致)させる必要がある。この目的のため、6つの成形ローラ17G〜17Lの回転を同期させる機械的同期機構が採用されており、具体的には図示しないが、図示の実施形態においては、成形ローラ17G〜17Lの回転軸30g〜30l同士が傘歯車機構で相互に駆動連結されている。
【0124】
しかして、本実施形態のエンボス加工装置304においては、成形孔315から押出成形された棒状消しゴムWは、そのまま前方へ押し出されて、その押出し力により、6つの成形ローラ17G〜17Lを回転させて、走行案内されながら、その外周面Wg〜Wlに、成形ローラ17G〜17Lによるエンボス模様E4、E4、…がそれぞれ立体的に型押成形される。
【0125】
なお、本実施形態においても、消しゴムWの外周面Wg〜Wlに型押成形されるエンボス模様E4は、複数の星の図柄e、e、…が長手方向へ所定の等間隔をもって連続状に整列されてなるエンボス模様であるため(図14参照)、実施形態3の場合と同様に、エンボス加工後の棒状の消しゴムWの裁断タイミングは、画像センサ等の位置検出センサにより、エンボス模様E4、E4、…が連続して型押成形された棒状の消しゴムにおける各エンボス模様E4、E4、…の位置をそれぞれ検知して、この検知結果に従って、裁断機が棒状の消しゴムWを所定の長さに裁断することで、図14に示すように、複数の星の図柄e、e、…からなるエンボス模様E4、E4、…が、消しゴムWの前後両端部位で区切りよく、外周面Wg〜Wlに型押成形されてなる消しゴムWが連続的に製造される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0126】
実施形態5
本実施形態は図15および図16に示されており、実施形態4と同様、エンボス加工対象となる消しゴムWが実施形態1〜3のものと異なる形状とされたものである。
【0127】
すなわち、本実施形態の消しゴムWは、図16に示すように、断面形状が正八角形とされた八角柱形状とされるとともに、その外周面(表面)Wm〜Wtに、実施形態4と同様、複数の星の図柄e、e、…が長手方向へ所定の等間隔をもって連続状に整列されてなるエンボス模様E4、E4が…、それぞれ立体的に型押成形されてなる。
【0128】
この目的のため、本実施形態のダイ部材421は、実施形態1のダイ部材21と同様に前記取付本体20と一体的に設けられるとともに、シリンダ10から押し出される溶融素材swを成形する成形孔415を備える。この成形孔415は、図15に示すような正八角形状に形成されており、この成形孔415を押出成形される消しゴムWは断面正八角形状の棒状となる。
【0129】
また、本実施形態のエンボス加工装置404においては、ダイ部材421の成形孔415から押し出される棒状の消しゴムWの外周面Wm〜Wtに同じエンボス模様E4をそれぞれ押型成形する構造とされ、具体的には、上記棒状の消しゴムWの各外周面Wm〜Wtにそれぞれ対向して、成形ローラ17M〜17Tが回転可能に配置されるとともに、これら成形ローラ17M〜17Tの円筒表面は、上記ダイ部材421の成形孔415から押し出される消しゴムWの対向表面Wm〜Wtにそれぞれ対応したプロフィールを有している。
【0130】
これら成形ローラ17M〜17Tが備えるべき具体的な設計条件、例えば、回転軸30m〜30tが、上記ダイ部材421の成形孔415の出口端縁を含む平面に平行な平面内に配置される構成とされている点、成形ローラ17M〜17Tの〜30tの回転軸30m〜30t同士が傘歯車機構で相互に駆動連結されている点、および消しゴムWの外周面Wm〜Wtにエンボス模様E4を押型成形するために必要な最小単位などは、上述した実施形態4の場合と成形ローラ17の配設数が異なる他は同様である。
【0131】
しかして、本実施形態のエンボス加工装置404においては、成形孔415から押出成形された棒状消しゴムWは、そのまま前方へ押し出されて、その押出し力により、8つの成形ローラ17M〜17Tを回転させて、走行案内されながら、その外周面Wm〜Wtに、成形ローラ17M〜17Tによるエンボス模様E4、E4、…がそれぞれ立体的に型押成形され、続いて冷却固化された後、実施形態3の場合と同様、画像センサ等の位置検出センサにより、棒状の消しゴムにおける各エンボス模様E4、E4、…の位置がそれぞれ検知されて、この検知結果に従って裁断機により、棒状の消しゴムWが所定の長さに裁断される(図16参照)。
その他の構成および作用は実施形態4と同様である。
【0132】
実施形態6
本実施形態は図17および図18に示されており、エンボス加工対象となる消しゴムWが実施形態1〜3のものと異なる形状とされたものである。
【0133】
すなわち、本実施形態の消しゴムWは、図18に示すように、断面形状が円形とされた円柱形状とされるとともに、その外周面(表面)Wの円周方向4箇所に、複数の星の図柄e、e、…が長手方向へ所定の等間隔をもって連続状に整列されてなるエンボス模様E4、E4が…、それぞれ立体的に型押成形されてなる。
【0134】
この目的のため、本実施形態のダイ部材521は、実施形態1のダイ部材21と同様に前記取付本体20と一体的に設けられるとともに、シリンダ10から押し出される溶融素材swを成形する成形孔515を備える。この成形孔515は、図17に示すような円形状に形成されており、この成形孔515を押出成形される消しゴムWは断面円形状の棒状となる。
【0135】
また、本実施形態のエンボス加工装置504においては、ダイ部材521の成形孔515から押し出される棒状の消しゴムWの外周面Wxの円周方向4箇所に同じエンボス模様E4をそれぞれ押型成形する構造とされ、具体的には、成形ローラ17A〜17Dが、成形孔515の円形輪郭の円弧に対向するように均等配置されている。
【0136】
換言すれば、上記棒状の消しゴムWの円周方向等間隔位置(つまり円周角90度ずつ)にそれぞれ対向して、成形ローラ17A〜17Dが回転可能に配置されるとともに、これら成形ローラ17A〜17Dの円筒表面は、上記ダイ部材521の成形孔515から押し出される消しゴムWの対向表面つまり円筒表面にそれぞれ対応したプロフィールを有している。
【0137】
これら成形ローラ17A〜17Dが備えるべき具体的な設計条件は、断面矩形状の消しゴムWの上下左右4面(表面)Wa〜Wdにエンボス模様E1またはE2を型押成形する実施形態2の場合と同様である。
【0138】
しかして、本実施形態のエンボス加工装置504においては、成形孔515から押出成形された棒状消しゴムWは、そのまま前方へ押し出されて、その押出し力により、4つの成形ローラ17A〜17Dを回転させて、走行案内されながら、その外周面Wxの円周方向4箇所に、成形ローラ17A〜17Dによるエンボス模様E4、E4、…がそれぞれ立体的に型押成形され、続いて冷却固化された後、実施形態3の場合と同様、画像センサ等の位置検出センサにより、棒状の消しゴムにおける各エンボス模様E4、E4、…の位置がそれぞれ検知されて、この検知結果に従って裁断機により、棒状の消しゴムWが所定の長さに裁断される(図18参照)。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0139】
なお、上述した実施形態1〜6はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。一例として以下のような改変が可能である。
【0140】
押出成形装置を構成する各構成部の具体的構造は、図示の実施形態のものと同様な作用効果を奏する範囲内で種々の設計変更が可能である。一例として以下のような構成が採用可能である。
【0141】
(1)図示の実施形態1〜6の押出成形装置においては、消しゴムWの押出流れ方向は、その長手方向へ押出成形する構成とされているが、横方向へ押出成形する構成とされてもよい。
【0142】
(2)図示の実施形態1〜6のエンボス加工装置4、204、304、404、504においては、押出成形装置の基本構成部であるヘッド本体16のダイ部材21、321、421、521を備えてなるヘッド本体16が、エンボス加工装置4、204、304、404、504の構成部として一体的に組み付けられているが、もちろん、このヘッド本体16が、押出成形装置の基本構成部として、エンボス加工装置4、204、304、404、504と別個独立した構造とされてもよい。
【0143】
(3)図示の実施形態1〜6のエンボス加工装置4、204、304、404、504は、いずれも、押出成形装置の装置本体1の先端部に、エンボス加工装置4が交換可能に設置される構成とされているが、装置本体1に一体型の専用装置とされてもよい。
【0144】
(4)図示の実施形態1〜6においては、消しゴム成形素材として、一般的なプラスチック消しゴム用のものが用いられているが、本発明は、従来の生ゴムを基材樹脂とした消しゴム成形素材を用いてなる消しゴムや練り消しの製造にも適用可能である。つまり、この種の消しゴムの代表的な成形方法としては、図示の実施形態と同様な押出成形とプレス成形があるところ、本発明は、前者の押出成形により成形製造される消しゴム(練り消しを含む)について適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の実施形態1であるエンボス加工装置を備えた消しゴムの押出成形装置を一部切開して示す斜視図である。
【図2】同エンボス加工装置の構成を示す斜視図である。
【図3】同エンボス加工装置の加工時における具体的構成を示し、図3(a)は正面図、図3(b)は平面図、図3(c)は側面図である。
【図4】同エンボス加工装置の非加工時(例えばメンテナンス時)における具体的構成を示し、図4(a)は左右バックアップローラを開放した状態を示す正面図、図4(b)は同じく平面図である。
【図5】同じく同エンボス加工装置の非加工時(例えばメンテナンス時)における具体的構成を示し、図5(a)は左右バックアップローラおよび成形ローラを開放した状態を示す正面図、図5(b)は同じく平面図である。
【図6】同エンボス加工装置における成形ローラおよびバックアップローラと、押出成形装置の成形孔15を押し出される消しゴムとの関係を示す配置構成図で、図6(a)は成形孔15の開口輪郭形状と成形ローラおよバックアップローラとの関係を示す正面図、図6(b)は同成形孔を押出し成形される消しゴムと成形ローラおよびバックアップローラとの関係を示す側面図である。
【図7】同エンボス加工装置を備えた消しゴムの押出成形装置により製造された消しゴムを示し、図7(a)は斜視図、図7(b)は図7(a)におけるB−B線に沿った断面図、図7(c)は図7(a)におけるC−C線に沿った断面図、図7(d)は図7(a)におけるD−D線に沿った断面図である。
【図8】本発明の実施形態2であるエンボス加工装置の構成を示す斜視図である。
【図9】同エンボス加工装置における成形ローラおよびバックアップローラと、押出成形装置の成形孔の開口輪郭形状との配置構成を示す正面図である。
【図10】同エンボス加工装置を備えた消しゴムの押出成形装置により製造された消しゴムを示し、図10(a)は斜視図、図10(b)は図10(a)におけるB−B線に沿った断面図、図10(c)は図10(a)におけるC−C線に沿った断面図、図10(d)は図10(a)におけるD−D線に沿った断面図である。
【図11】本発明の実施形態3であるエンボス加工装置の構成を示す斜視図である。
【図12】同エンボス加工装置を備えた消しゴムの押出成形装置により製造された消しゴムを示し、図12(a)は斜視図、図12(b)は図12(a)におけるB−B線に沿った断面図、図12(c)は図12(a)におけるC−C線に沿った断面図である。
【図13】本発明の実施形態4であるエンボス加工装置における成形ローラおよびバックアップローラと、押出成形装置の成形孔の開口輪郭形状との配置構成を示す正面図である。
【図14】同エンボス加工装置を備えた消しゴムの押出成形装置により製造された消しゴムを示す斜視図である。
【図15】本発明の実施形態5であるエンボス加工装置における成形ローラおよびバックアップローラと、押出成形装置の成形孔の開口輪郭形状との配置構成を示す正面図である。
【図16】同エンボス加工装置を備えた消しゴムの押出成形装置により製造された消しゴムを示す斜視図である。
【図17】本発明の実施形態6であるエンボス加工装置における成形ローラおよびバックアップローラと、押出成形装置の成形孔の開口輪郭形状との配置構成を示す正面図である。
【図18】同エンボス加工装置を備えた消しゴムの押出成形装置により製造された消しゴムを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0146】
W 消しゴム
Wa〜Wd 消しゴム表面
Wg〜Wl 消しゴム表面
Wm〜Wt 消しゴム表面
w 素材ペレット(可塑性素材)
sw 溶融素材(可塑性素材)
e 星の図柄
1、〜E4 エンボス模様
1´〜E4´ エンボス成形型
1 装置本体
2 シリンダ部
3 ヘッド部
4 エンボス加工装置
10 シリンダ
11 スクリュ
12 駆動部
15、315、415、515 成形孔
16 ヘッド本体
17(17A、17B) 成形ローラ
17(17A〜17D) 成形ローラ
17(17G〜17L) 成形ローラ
17(17M〜17T) 成形ローラ
18(18C〜18D) バックアップローラ
18(18A〜18D) バックアップローラ
20 取付本体
21、321、421、521 ダイ部材
21a 突入部
30a〜30d 回転軸
30g〜30l 回転軸
30m〜30t 回転軸
31 位置調整部(位置調整手段)
35 支持台
40、41、42 支持アーム
104 エンボス加工装置
204 エンボス加工装置
304 エンボス加工装置
404 エンボス加工装置
415 成形孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
消しゴムの表面に、文字、符号または図形あるいはこれらの組み合わせ等からなるエンボス模様を型押し成形するエンボス加工方法であって、
可塑性素材を所定の断面形状を有する消しゴムに押出し成形する押出成形装置のヘッド部において、
前記可塑性素材を所定断面形状に通過成形するダイ部材の成形孔の出口側直近位置に、前記成形孔を押し出される消しゴム表面にエンボス模様を押型成形する成形ローラと、この成形ローラによる前記消しゴムの押型成形作用をバックアップする少なくとも一つのバックアップローラとを、回転可能に対向配置させて、
前記ダイ部材の成形孔を押し出される前記消しゴムの押出し力により、前記成形ローラとバックアップローラを回転させて前記消しゴムを走行案内させながら、前記成形ローラにより、前記消しゴムの表面に所定形状のエンボス模様を型押成形するようにした
ことを特徴とする消しゴムのエンボス加工方法。
【請求項2】
前記成形ローラおよびバックアップローラの回転軸心は、前記ダイ部材の成形孔の出口端縁を含む平面に平行な平面内に配置される構成とされている
ことを特徴とする請求項1に記載の消しゴムのエンボス加工方法。
【請求項3】
前記ヘッド部は、前記成形孔を有するダイ部材を備え、
このダイ部材は、前記成形ローラおよびバックアップローラの間に突入配置される突入部を備えるとともに、この突入部の先端に、前記成形孔が前記成形ローラおよびバックアップローラ間に臨んで開口されてなり、
前記成形孔を押し出される前記消しゴムは、その外周部分が前記成形ローラとバックアップローラの外周部分を押圧回転させながら、これら両ローラの挟圧作用により、その表面に前記成形ローラによる所定形状のエンボス模様が型押成形される
ことを特徴とする請求項1に記載の消しゴムのエンボス加工方法。
【請求項4】
前記成形ローラの円筒表面は、前記ダイ部材の成形孔から押し出される消しゴムの対向表面に対応したプロフィールを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の消しゴムのエンボス加工方法。
【請求項5】
前記成形ローラの円筒表面に、前記エンボス模様を成形するエンボス成形型が所定のパターンをもって凹設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の消しゴムのエンボス加工方法。
【請求項6】
前記バックアップローラの円筒表面に、前記エンボス模様を成形するエンボス成形型が所定のパターンをもって凹設されて、前記成形ローラとしての機能を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の消しゴムのエンボス加工方法。
【請求項7】
前記押出成形装置のダイ部材の成形孔が多角形状とされ、
前記成形ローラとバックアップローラは、前記成形孔の多角形輪郭の各辺に対向するように均等配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の消しゴムのエンボス加工方法。
【請求項8】
前記押出成形装置のダイ部材の成形孔が円形状とされ、
前記成形ローラとバックアップローラは、前記成形孔の円形輪郭の円弧に対向するように均等配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の消しゴムのエンボス加工方法。
【請求項9】
可塑性素材を所定の断面形状を有する消しゴムに押出し成形する押出成形装置のヘッド部を構成して、前記消しゴムの表面に、文字、符号または図形あるいはこれらの組み合わせ等からなるエンボス模様を型押し成形するエンボス加工装置であって、
前記押出成形装置の先端部位に回転可能に支持され、前記成形孔を押し出される消しゴム表面にエンボス模様を押型成形する成形ローラと、
前記押出成形装置の先端部位に回転可能に支持され、前記成形ローラによる前記消しゴムの押型成形作用をバックアップする少なくとも一つのバックアップローラとを備え、
前記成形ローラとバックアップローラは、前記押出成形装置の成形孔の出口側直近位置に対向配置され、
前記成形孔を押し出される前記消しゴムの押出し力により、前記成形ローラとバックアップローラが回転して前記消しゴムを走行案内しながら、前記成形ローラにより、前記消しゴムの表面に所定形状のエンボス模様が型押成形されるように構成されている
ことを特徴とする消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項10】
可塑性素材を所定の断面形状を有する消しゴムに押出し成形する押出成形装置のヘッド部を構成して、前記消しゴムの表面に、文字、符号または図形あるいはこれらの組み合わせ等からなるエンボス模様を型押し成形するエンボス加工装置であって、
前記押出成形装置のシリンダ部の先端部位に取り付け固定され、可塑性素材を所定断面形状に通過成形する成形孔を有するヘッド本体と、
このヘッド本体に回転可能に支持され、前記成形孔を押し出される消しゴム表面にエンボス模様を押型成形する成形ローラと、
前記ヘッド本体に回転可能に支持され、前記成形ローラによる前記消しゴムの押型成形作用をバックアップする少なくとも一つのバックアップローラとを備え、
前記成形ローラとバックアップローラは、前記成形孔の出口側直近位置に対向配置され、
前記成形孔を押し出される前記消しゴムの押出し力により、前記成形ローラとバックアップローラが回転して前記消しゴムを走行案内しながら、前記成形ローラにより、前記消しゴムの表面に所定形状のエンボス模様が型押成形されるように構成されている
ことを特徴とする消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項11】
前記成形ローラおよびバックアップローラの回転軸心は、前記成形孔の出口端縁を含む平面に平行な平面内に配置される構成とされている
ことを特徴とする請求項9または10に記載の消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項12】
前記ヘッド部は、前記成形孔を有するダイ部材を備え、
このダイ部材は、前記成形ローラおよびバックアップローラの間に突入配置される突入部を備えるとともに、この突入部の先端に、前記成形孔が前記成形ローラおよびバックアップローラ間に臨んで開口されてなり、
前記成形孔を押し出される前記消しゴムは、その外周部分が前記成形ローラとバックアップローラの外周部分を押圧回転させながら、これら両ローラの挟圧作用により、その表面に前記成形ローラによる所定形状のエンボス模様が型押成形される
ことを特徴とする請求項9または10に記載の消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項13】
前記成形ローラの円筒表面は、前記成形孔から押し出される消しゴムの対向表面に対応したプロフィールを有している
ことを特徴とする請求項9または10に記載の消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項14】
前記成形ローラの円筒表面に、前記エンボス模様を成形するエンボス成形型が所定のパターンをもって凹設されている
ことを特徴とする請求項9または10に記載の消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項15】
前記バックアップローラの円筒表面に、前記エンボス模様を成形するエンボス成形型が所定のパターンをもって凹設されて、前記成形ローラとしての機能を備えている
ことを特徴とする請求項9または10に記載の消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項16】
前記成形孔が多角形状とされ、
前記成形ローラとバックアップローラは、前記成形孔の多角形輪郭の各辺に対向するように均等配置されている
ことを特徴とする請求項9または10に記載の消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項17】
前記成形孔が円形状とされ、
前記成形ローラとバックアップローラは、前記成形孔の円形輪郭の円弧に対向するように均等配置され
ことを特徴とする請求項9または10に記載の消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項18】
前記成形ローラおよびバックアップローラは、前記押出成形装置の先端部位に取り付けられた支持台に、位置調整手段を介してそれぞれ回転可能に軸支され、
前記位置調整手段の調整により、前記成形ローラおよびバックアップローラの加工位置を調整可能な構成とされている
ことを特徴とする請求項9または10に記載の消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項19】
前記成形ローラおよびバックアップローラは、前記支持台に開閉可能に軸支された支持アームに、それぞれ回転可能に軸支され、
前記支持アームの閉止時において、前記成形ローラおよびバックアップローラが加工位置にあり、一方、前記支持アームの開放時において、前記加工位置から離隔した退避位置にある
ことを特徴とする請求項18に記載の消しゴムのエンボス加工装置。
【請求項20】
装置本体の先端部に、請求項9から19のいずれか一つに記載のエンボス加工装置が交換可能に設置される構成とされている
ことを特徴とする消しゴムの押出成形装置。
【請求項21】
消しゴムの表面に、請求項1から8のいずれか一つに記載のエンボス加工方法によりエンボス模様が型押し成形されてなる
ことを特徴とする消しゴム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−115814(P2010−115814A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289289(P2008−289289)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000106782)株式会社シード (52)
【Fターム(参考)】