説明

消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置

【課題】 装置の構成が簡単で、かつ、スパッタの発生を大幅に低減できる消耗電極式の交流アーク溶接電源装置を提供すること。
【解決手段】 4個のスイッチング素子Ep1、Ep2、En1、En2を独立して制御する出力制御回路30と、溶接ワイヤ12と母材13との間が短絡状態かアーク状態かを検出する短絡検出回路36と、を設け、出力制御回路30は、溶接ワイヤ12と母材13が短絡した場合、現在オンされている第1の1対の前記スイッチング素子を予め定める期間T0オフし、その後、オフにした第1の1対のスイッチング素子の一方をオンし、溶接負荷に流れる電流が予め定める電流値Iasまで低下する間にリアクタ26に蓄えられたエネルギが放出させ、溶接負荷に流れる電流が予め定める電流値Iasまで低下したら、オフされている第1の1対のスイッチング素子の他方をオンし、予め定める期間T2溶接負荷に流れる電流を電流値Iasに保ち、その後予め定められている出力電流値に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
直流の消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置においては、短絡アーク溶接時におけるスパッタの発生を低減するため、短絡電源主回路の直流電圧の極性を切り換えるスイッチング素子PTR及びNTRのそれぞれにスイッチング素子と抵抗器とからなる直列回路を並列に接続しておくと共に、短絡からアークへの前兆である溶接ワイヤに発生するくびれを判別するくびれ判別回路NDを設けておき、電極プラス極性中にくびれが発生したときはスイッチング素子PTRを遮断すると共にスイッチング素子PTRに並列に接続されたスイッチング素子をオンして抵抗器を導通し、他方電極マイナス極性中にくびれが発生したときはスイッチング素子NTRを遮断すると共にスイッチング素子NTRに並列に接続されたスイッチング素子をオンして抵抗器を導通することにより、溶接負荷に供給する電流を小さくするようにした短絡アーク溶接用電源装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−114088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術によれば、スパッタの発生を防止することはできるが、制御可能なバイパス回路が必要であり、構成が複雑になった。また、短絡時の溶接電流を制限する装置として抵抗器を用いるため、損失が大きい。さらに、短絡時の溶接電流値が抵抗器の値によって決まってしまい、溶接ワイヤの種類やワイヤ径、溶接電流あるいはシールドガスの種類に応じて制御することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、装置の構成が簡単で、かつ、スパッタの発生を大幅に低減できる消耗電極式の交流アーク溶接電源装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の手段は、直流をインバータにより高周波交流に変換し、変換された高周波交流を整流回路により直流に整流し、整流された直流をリアクタで平滑して入力側の両端にスナバ回路を備えるブリッジ接続された4個のスイッチング素子からなるインバータ回路に供給し、前記インバータ回路により直流を交流に変換して溶接負荷に供給するようにした消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置において、前記4個のスイッチング素子を独立して制御する出力制御回路と、溶接ワイヤと母材との間が短絡状態かアーク状態かを検出する短絡検出回路と、を設け、前記出力制御回路は、溶接ワイヤと母材が短絡した場合、現在オンされている第1の1対の前記スイッチング素子を予め定める期間オフし、その後、オフにした前記第1の1対の前記スイッチング素子の一方をオンし、前記溶接負荷に流れる電流が予め定める電流値Iasまで低下する間に前記リアクタに蓄えられたエネルギが放出させ、前記溶接負荷に流れる電流が予め定める電流値Iasまで低下したら、オフされている前記第1の1対の前記スイッチング素子の他方をオンし、予め定める期間前記溶接負荷に流れる電流を前記電流値Iasに保ち、その後予め定められている出力電流値に戻すことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の手段は、直流をインバータにより高周波交流に変換し、変換された高周波交流を整流回路により直流に整流し、整流された直流をリアクタで平滑して入力側の両端にスナバ回路を備えるブリッジ接続された4個のスイッチング素子からなるインバータ回路に供給し、前記インバータ回路により直流を交流に変換して溶接負荷に供給するようにした消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置において、前記4個のスイッチング素子を独立して制御する出力制御回路と、前記溶接ワイヤと母材が短絡状態からアーク状態へと移行する前兆を検出するアーク前兆検出回路と、溶接ワイヤと母材との間が短絡状態かアーク状態かを検出する短絡検出回路と、を設け、前記出力制御回路は、前記アーク前兆検出回路から信号が出力された場合、現在オンされている第1の1対の前記スイッチング素子を予め定める時間オフし、その後、オフにした前記第1の1対の前記スイッチング素子の一方をオンし、前記溶接負荷に流れる電流が前記小電流値Iasよりも電流値が大きい予め定める電流値Isaまで低下する間に前記リアクタに蓄えられたエネルギが放出させ、前記溶接負荷に流れる電流値が前記電流値Isaまで低下したら、オフされている前記第1の1対の前記スイッチング素子の他方をオンして前記溶接負荷に流れる電流を前記電流値Isaに保ち、短絡が解消したら出力電流の値を溶接を行うために予め設定されている出力電流値に戻すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
装置の構成が簡単で、かつ、スパッタの発生を大幅に低減できる。また、従来技術の抵抗器のような損失がほとんど発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る交流アーク溶接電源装置の外部接続図である。
【図2】溶接時における実際の出力電流と溶接電圧との関係を示す図である。
【図3】フライホイル電流の説明図である。
【図4】図2における時刻t2の近傍を拡大して示す図である。
【図5】短絡溶接における溶接ワイヤと母材との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る交流アーク溶接電源装置の外部接続図である。
図において、Pは交流アーク溶接電源装置である。入力側ダイオード21は三相交流電源20の交流電圧を整流する。スイッチング回路22は通常IGBTやFET等の大電流スイッチング素子で構成され、入力側ダイオード21で整流された電流を約20kHzの交流電流に変換する。スイッチング制御回路32はスイッチング回路22を構成する大電流スイッチング素子のON/OFFのタイミング制御を行う。整流回路25は高周波トランス24から出力された高周波交流を整流する。整流回路25で整流された溶接電流はリアクタ26で平滑され、点線で示すインバータ回路2(交流反転部)に入力される。
【0011】
インバータ回路2は、ブリッジ接続された4個のトランジスタEp1、Ep2、En1およびEn2と、直流スナバ回路Sとから構成されている。4a〜4dはエネルギ回生用のダイオードで、トランジスタEp1、Ep2、En1およびEn2の両端にそれぞれ接続あるいはトランジスタEp1、Ep2、En1およびEn2に予め作り込まれている。
【0012】
直流スナバ回路Sは、ダイオード5と並列に接続したコンデンサ6および抵抗7とから構成され、出力の極性切り換え時にトランジスタEp1、Ep2、En1およびEn2に発生するターンオフ時のスパイク電圧を吸収する。なお、棒プラス(EP)極性の場合はトランジスタEp1とEp2が、棒マイナス(EN)極性の場合はトランジスタEn1とEn2がオンされる。
【0013】
電流検出回路33は検出した出力電流値(溶接電流値)を出力電流フィードバック回路34を介して制御回路30にフィードバックする。電圧フィードバック回路35は検出した出力電圧値を制御回路30にフィードバックすると同時に、出力側がアーク状態か短絡状態かを判定するための短絡アーク検出回路36と出力側が短絡状態からアーク状態に移行する前兆を検出するためのアーク前兆検出回路37に検出した出力電圧値をフィードバックする。なお、アーク前兆検出回路37はアーク電圧または溶接電流のどちらかないし両方の変化によって検出する回路であり、この実施形態におけるアーク前兆検出回路37は、溶接電圧の上昇率を検出する検出回路と、検出した上昇率(dV/dt)と予め定める閾値とを比較し、上昇率が閾値を超えた場合は信号を出力する比較回路とから構成されている。
【0014】
ドライバー31は制御回路30の指令により、スイッチング素子 Ep1,Ep2、En1、En2を個別に制御する。
【0015】
外部への出力端子9にはケーブル40を介してチップ11が、出力端子10にはケーブル41を介して母材13に接続されている。40a、41aはケーブル40、41のリアクタンスである。溶接ワイヤ12はコイル16に巻かれており、モータ14に駆動される1対のローラ15により溶接部に供給される。
【0016】
ここで、本発明における溶接ワイヤおよび母材と溶接電流(出力電流)の制御内容との関係を図面を用いて説明する。
図5は、短絡溶接における溶接ワイヤと母材との関係を示す図であり、上段は設計上の(理想的な)出力電流を、下段は溶接ワイヤと母材との関係を模式的に示している。
(a):アーク状態であり、溶接ワイヤ12の先端に形成された溶滴52と母材13に形成された溶融プール53との間にアークが発生している。
(b):短絡が発生した瞬間(すなわち、溶滴52が溶融プール3に接触した瞬間)である。短絡発生以降の溶接電流値をアーク状態の溶接電流値と同じにすると、接触部分から再度アークが発生してスパッタが発生する場合がある。そこで、短絡が発生したら、出力電流値を急減させ、スパッタの発生を防止する。
(c):出力電流値を電流値Iasに保つ。電流値Iasは小さいので、溶滴52は溶融プール53に入り込む。
(d):出力電流を増加させることにより、溶滴52の溶融プール3への移行を促進させる。
(e):出力電流の増加に伴う電磁ピンチ力の増加により、溶滴52にクビレ54が生じる。クビレ54が生じたら、アークが発生する直前に出力電流を急減させ、出力電流値を小電流値Isaに保つ。
(f):アーク発生時、出力電流(小電流値Isa)が小さいので、スパッタの発生を低減することができる。
【0017】
次に、制御回路30の動作を説明する。
図2は溶接時における実際の出力電流と溶接電圧との関係を示す図である。また、図3はフライホイル電流の説明図であり、図2における期間T1および期間T4に対応している。また、図4は図2における時刻t1近傍を拡大して示す図である。
【0018】
図2に示すように、短絡が発生したら(時刻t0)、トランジスタEp1、Ep2をオフにする。すると、リアクタ26に蓄えられていたエネルギが直流スナバ回路Sの抵抗7により消費され、出力電流Iwが減少する。予め定める期間時間T0(例えば、20〜50μs)が経過したら(時刻t1)、トランジスタEp1またはEp2のいずれか一方(ここでは、トランジスタEp1)を期間T1(数十μs)オンにする。すると、チップ11と母材13とが溶接ワイヤ12により接続されているので、図3に示すように、母材13、ケーブル41,ダイオード4d、トランジスタEp1、ケーブル40、チップ11、溶接ワイヤ12からなる閉回路が形成され、リアクタンス40a、41aに蓄えられていたエネルギによりこの回路に点線で示すフライホイル電流Ifが流れる。そして、フライホイル電流Ifの値が後述する電流値Iasまで低下したら(時刻t2)、予め定める期間T2(100〜600μs。溶接ワイヤ径が軟鋼1.2mmの場合500μs程度。)の間トランジスタEp1、Ep2をオンにして電流フィードバック制御(FB制御)により出力電流値をIasに保ち、その後(時刻t3)、溶接を行うために設定された出力電流値に戻す。なお、Iasの電流値としては、アークが消弧しない程度の値とすることが好ましく、例えば、溶接ワイヤが軟鋼1.2mmφの場合には50A以下とするのが実用的である。
【0019】
ここで、図3、図4により、時刻t1近傍の出力電流についてさらに説明する。
トランジスタEp1、Ep2をオフにすると、リアクタンス40a、41aに蓄えられていたエネルギによる回生電流が直流スナバ回路Sを介して流れ、抵抗7により一部が熱に変えられる結果、出力電流は図4の実線のように減少し、時刻twに0になる。一方、リアクタ26に蓄えられていたエネルギも直流スナバ回路Sを介して流れ、抵抗7により一部が熱に変えられるが、リアクタ26に蓄えられていたエネルギはリアクタンス40a、41aに蓄えられていたエネルギよりも大きいため、点線で示すように遅れて減少し、時刻tcにエネルギは0になる。このため、時刻twより前にトランジスタEp1、トランジスタEp2の両者をオンすると、図4に二点鎖線で示すように、出力電流値が増加し、瞬間的にアークが発生してスパッタが発生する場合がある。これに対して、時刻twより前の時刻t1にトランジスタEp1またはトランジスタEp2のいずれか一方だけをオンすると、図4に実線で示すように、リアクタンス40a、41aに蓄えられていたエネルギに基づく出力電流はフライホイル電流Ifとなるので、時刻tc時点で出力電流値を出力電流Iasと同等以上に維持することができ、アークの発生を防止できる。例えば、溶接ワイヤが軟鋼1.2mmφの場合、期間T0としては20〜50μsとすれば、フライホイル電流Ifの最大値は電流Iasの1.5倍(75A程度である。)以下になり、アークが発生することはない。なお、時刻t5の場合も同様である。
【0020】
そして、出力電圧の傾きが急上昇し、上昇率が閾値を超えることによりアーク前兆検出回路37から信号が出力されたら(時刻t4)、予め定める期間T3(例えば、20〜50μs)の間トランジスタEp1、Ep2をオフにする。予め定める期間時間T3が経過したら(時刻t5)、トランジスタEp1またはEp2のいずれか一方(ここでは、トランジスタEp1)をオンにする。すると、母材13、ケーブル41,ダイオード4d、トランジスタEp1、ケーブル40、チップ11、溶接ワイヤ12からなる閉回路が形成される結果、リアクタンス40a、41aに蓄えられていたエネルギにより、この回路にフライホイル電流Ifが流れる。そして、フライホイル電流Ifの値が予め定める電流値をIsaまで低下したら(時刻t6)、トランジスタEp1、Ep2をオンにして出力電流値をIsaに保ち(期間T5)、短絡検出回路が短絡の解消を検出したら、出力電流の値を溶接を行うために予め設定されている出力電流値に戻す。すなわち、期間T5は溶接ワイヤ12にくびれが発生するのを待つ時間であり、通常、100〜400μsである。
【0021】
ここで、出力電流Isaの値は、アークへの移行がスムーズに行われる、できるだけ低い値が望ましく、例えば、溶接ワイヤが軟鋼1.2mmφの場合、Isaの電流値として80A程度とするのが実用的である。
【0022】
なお、時刻t1を予め定めることに代えて、例えば出力電流値がIasの1.5倍になった時点としてもよい。同様に、時刻t5を予め定めることに代えて、例えば出力電流値がIsaの1.5倍になった時点としてもよい。
【0023】
期間T2は、長さを変えることにより、溶接ビードの形状を制御することができる。すなわち、期間T2の長さを長くすると、単位時間当たりの入熱量が小さくなることにより凸ビードになり、期間T2と期間T5の長さを短くすると、単位時間当たりの入熱量が大きくなることによりフラットなビードになる。
【0024】
また、期間T0、T2、T3および出力電流値Iasおよび出力電流値Isaは、溶接ワイヤの種類、溶接ワイヤの直径、溶接電流値およびシールドガスによって最適値が異なるため、予めデータベースに適切な値を定めておき、溶接時に適正値を選択するようにすると、更に効果的である。
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、バイパス回路を設けることなく、短絡が発生した後の出力電流を確実に制御できるので、スパッタの発生を防止することができる。
【0026】
また、短絡からアークへ移行する際にも、出力電流値Isaの値を確実に制御できるので、スパッタの発生を防止することができる。
【0027】
なお、上記においてはEp極性の場合について説明したが、En極性の場合も実質的に同じであるので重複する説明を省略する。
【符号の説明】
【0028】
12 溶接ワイヤ
13 母材
26 リアクタ
30 出力制御回路
36 短絡検出回路
Ep1 スイッチング素子
Ep2 スイッチング素子
En1 スイッチング素子
En2 スイッチング素子
Ias 電流値
T0 予め定める期間
T2 予め定める期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流をインバータにより高周波交流に変換し、変換された高周波交流を整流回路により直流に整流し、整流された直流をリアクタで平滑して入力側の両端にスナバ回路を備えるブリッジ接続された4個のスイッチング素子からなるインバータ回路に供給し、前記インバータ回路により直流を交流に変換して溶接負荷に供給するようにした消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置において、
前記4個のスイッチング素子を独立して制御する出力制御回路と、溶接ワイヤと母材との間が短絡状態かアーク状態かを検出する短絡検出回路と、を設け、
前記出力制御回路は、溶接ワイヤと母材が短絡した場合、現在オンされている第1の1対の前記スイッチング素子を予め定める期間オフし、その後、オフにした前記第1の1対の前記スイッチング素子の一方をオンし、前記溶接負荷に流れる電流が予め定める電流値Iasまで低下する間に前記リアクタに蓄えられたエネルギが放出させ、前記溶接負荷に流れる電流が予め定める電流値Iasまで低下したら、オフされている前記第1の1対の前記スイッチング素子の他方をオンし、予め定める期間前記溶接負荷に流れる電流を前記電流値Iasに保ち、その後予め定められている出力電流値に戻す
ことを特徴とする消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置。
【請求項2】
直流をインバータにより高周波交流に変換し、変換された高周波交流を整流回路により直流に整流し、整流された直流をリアクタで平滑して入力側の両端にスナバ回路を備えるブリッジ接続された4個のスイッチング素子からなるインバータ回路に供給し、前記インバータ回路により直流を交流に変換して溶接負荷に供給するようにした消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置において、
前記4個のスイッチング素子を独立して制御する出力制御回路と、
前記溶接ワイヤと母材が短絡状態からアーク状態へと移行する前兆を検出するアーク前兆検出回路と、
溶接ワイヤと母材との間が短絡状態かアーク状態かを検出する短絡検出回路と、を設け、
前記出力制御回路は、前記アーク前兆検出回路から信号が出力された場合、現在オンされている第1の1対の前記スイッチング素子を予め定める時間オフし、その後、オフにした前記第1の1対の前記スイッチング素子の一方をオンし、前記溶接負荷に流れる電流が前記小電流値Iasよりも電流値が大きい予め定める電流値Isaまで低下する間に前記リアクタに蓄えられたエネルギが放出させ、前記溶接負荷に流れる電流値が前記電流値Isaまで低下したら、オフされている前記第1の1対の前記スイッチング素子の他方をオンして前記溶接負荷に流れる電流を前記電流値Isaに保ち、短絡が解消したら出力電流の値を溶接を行うために予め設定されている出力電流値に戻す
ことを特徴とする消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置。
【請求項3】
前記電流値Iasが50Aであることを特徴とする請求項1に記載の消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置。
【請求項4】
前記電流値Isaが80Aであることを特徴とする請求項2に記載の消耗性電極式の交流アーク溶接電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−269088(P2009−269088A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94448(P2009−94448)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(305048635)日立ビアエンジニアリング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】