消雪ノズル
【課題】 ノズル本体の凹陥部に散水路を備えた蓋体を回動角度を細かくして、しかも簡単に位置決めする。
【解決手段】 ノズル本体1の上面に凹陥部7を形成し、この凹陥部7に散水路の溝部13を形成し蓋体7Aをノズル本体1の軸芯Xを回動中心として回動自在に収容する。ノズル本体1に内蔵され溝部13とノズル本体1の下部に設けた給水用の接続口3とを連通する。蓋体7Aの外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを凹陥部7の内周面に形成する。窪み14Aを凹陥部7の内周面に連続して形成する。突起14を所定箇所の窪み14Aに係止することで、蓋体7Aをほぼ連続的に回動位置合わせができ、この結果散水路の溝部13を所望方向に向けることができる。しかも窪み14Aは凹陥部7に設けられているので、窪み14Aを上方から視認しながら係止することができる。
【解決手段】 ノズル本体1の上面に凹陥部7を形成し、この凹陥部7に散水路の溝部13を形成し蓋体7Aをノズル本体1の軸芯Xを回動中心として回動自在に収容する。ノズル本体1に内蔵され溝部13とノズル本体1の下部に設けた給水用の接続口3とを連通する。蓋体7Aの外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを凹陥部7の内周面に形成する。窪み14Aを凹陥部7の内周面に連続して形成する。突起14を所定箇所の窪み14Aに係止することで、蓋体7Aをほぼ連続的に回動位置合わせができ、この結果散水路の溝部13を所望方向に向けることができる。しかも窪み14Aは凹陥部7に設けられているので、窪み14Aを上方から視認しながら係止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消雪ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして図9に示すようにノズル本体31の上面に凹陥部32を形成し、この凹陥部32内にリング体33をノズル本体31の軸芯Xを中心として回動自在に設けると共に、このリング体33の上面には外側端が散水口となる散水路34を等間隔で四方に形成し、さらにリング体33の内側にバルブ(図示せず)を内蔵したリング押え35を設け、そして、リング体33の外周面には凸部36が1箇所に突設され、その凸部36と嵌合する凹部37が前記凹陥部32の内周面に内側及び上方を開口して1箇所に形成されており、これら凸部36と凹部37とで位置決め部を構成し、前記凹陥部32の内面に嵌入したリング体33を回り止めしているものが公知である(例えば特許文献1)。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体31内を通過した水は散水路34より軸芯Xを中心に四方へ向け噴出するようになっている。
【0003】
さらに、図10及び図11に示した消雪ノズルも周知である。図10に示した従来周知の消雪ノズルは、鋳物製ノズル本体41の上面に凹陥部42を形成し、この凹陥部42内にリング体43を同様に設けると共に、このリング体43の上面には散水路44を3箇所に形成しており、この散水路44は軸芯Xを中心として60度間隔で形成されている。さらにリング体43の内側にリング押え45を設け、そして、リング体43の外周面には凸部46が1箇所に突設され、その凸部46と選択的に嵌合する凹部47が前記凹陥部42の内周面に内側及び上方を開口して4箇所に形成されていると共に、この凹陥部42は鋳物製ノズル本体41と一体に形成されたものであって軸芯Xを中心として90度間隔で形成されている。そしてこれら凸部46と凹部47とで位置決め部を構成し、前記凹陥部42の内面に嵌入したリング体43を回り止めしている。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体41内を通過した水は散水路44が向いた方向で軸芯Xを中心にほぼ120度の範囲で噴出するようになっている。
【0004】
また、図11に示した従来周知の消雪ノズルは、鋳物製ノズル本体51の上面に凹陥部52を形成し、この凹陥部52内にリング体53を同様に設けると共に、このリング体53の上面には散水路54を等間隔で4方向に形成している。さらにリング体53の内側にリング押え55を設け、そして、リング体53の外周面には凸部56が1箇所に突設され、その凸部56と選択的に嵌合する凹部57が鋳物製ノズル本体51と一体に形成されており、さらに前記凹陥部52の内周面に内側及び上方を開口して等間隔で4箇所に形成されている。そしてこれら凸部56と凹部57とで位置決め部を構成し、前記凹陥部52の内面に嵌入したリング体53を回り止めしている。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体51内を通過した水は散水路54が向いた4方向で噴出するようになっている。
【0005】
さらに、図12に示す消雪ノズルも公知である(例えば特許文献2)。この消雪ノズルは、ノズル本体61の先端開口部1に環部材62(リング体に相当)を嵌入し得る嵌合凹部63を設け、環部材62には通水路64Aと連通して水の噴出方向や角度を規定する散水路64を形成する。環部材62に弁体66が挿通する挿通孔65を形成し、弁体66の係止段部67とノズル本体61と螺合する螺子部68を設け、螺子部68と螺合してノズル本体61に環部材62が押さえ込み状態に止着されるように構成し、環部材62の回り止め係止部69がノズル本体61の回り止め係止部70に係止することで環部材62の過回動を阻止し得るように構成し、環部材62は嵌合凹部63に嵌入された状態で所定範囲を自在に回動させて水の噴出方向を変更し、弁体66に設けた弁機構により散水量を調節して散水するものである。
【特許文献1】特許第3156914号公報
【特許文献2】特開2004−251005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記図9〜図11に示した従来技術では、上方から視認しやすい凹陥部32,42,52に凹部37,47,57を設けて、この凹陥部32,42,52に凸部36,46,56を嵌合してリング体33,43,53を位置決めして散水路34,44,54となるようにするものであるが、図9のものは凹部37が1箇所であるので、リング体33の回動方向を所望角度とすることはできないが、図10,11のものは凹部47,57が4箇所であるので、いすれかの凹部47,57に凸部46,56を嵌合することで、リング体43,53を90度の間隔で回動して位置決めすることができる。特に図4のものでは散水路44を60度間隔で3箇所に形成したリング体43を90度の間隔で回動して位置決めすることができるようにしたものであるので、散水路44を90度間隔で回動して位置決めすることができる。
【0007】
しかしながら、前記図10,11に示した従来技術ではリング体43,53を90度の間隔で位置決めすることができるものの、それ以上に細かく位置決めできないという問題を有する。
【0008】
一方、前記図12に示した従来技術では回り止め係止部68を円環状に複数配置することで、位置決めを細かく行うことができるが、回り止め係止部70は嵌合凹部63の奥側に位置するので、視認性に劣り、この結果ノズル本体61に回り止め係止部69を組み込みにくくなるという問題を有する。
【0009】
解決しようとする問題点は、ノズル本体の凹陥部に散水路を備えた蓋体を回動角度を細かくして、しかも簡単に位置決めすることができる消雪ノズルを提供する点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、ノズル本体の上面に凹陥部を形成し、この凹陥部に散水路を形成した蓋体を前記ノズル本体の軸芯を回動中心として回動自在に収容し、前記散水路と前記ノズル本体の下部に設けた給水用の接続口とを連通し、前記凹陥部の内周面に該内周方向に沿って係止受け部を複数形成すると共に、該複数の係止受け部に選択的に係止可能な係止部を前記蓋体の外周に設けた消雪ノズルにおいて、前記係止受け部を前記内周面に連続して形成したことを特徴とする消雪ノズルである。
【0011】
請求項2の発明は、前記係止部と前記係止受け部との係止は凹凸状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の消雪ノズルである。
【0012】
請求項3の発明は、前記係止部と前記係止受け部との係止は嵌合によって形成されたことを特徴とする請求項2記載の消雪ノズルである。
【0013】
請求項4の発明は、前記複数の係止受け部は前記ノズル本体の軸芯を中心として円弧状に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の消雪ノズルである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、係止部を所定箇所の係止受け部に係止することで、蓋体をほぼ連続的に回動位置合わせができ、しかも係止受け部は凹陥部に設けられているので、係止受け部を上方から視認しながら簡単に係止することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、突起と窪み部による凹凸の係止によって簡単に位置合わせを行うことができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、突起と窪み部による凹凸の嵌合によってずれるようなことは少なくなり簡単に位置合わせを行うことができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、係止受け部を凹陥部内周の全周ではなく円弧状に設けたことによって、係止受け部を少なくでき、製造しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0019】
図1〜図2は実施例1を示しており、同図において、1はステンレス材、鋳鉄等により鋳物によって形成されるノズル本体であり、このノズル本体1は、上部に径大部2を有し、下部には送水管Aに接続する接続口3が形成されている。この接続口3は、ノズル本体1の中央部分を貫通し、そのほぼ中央部にねじ孔4を有する隔壁5が水平方向に突出形成されている。また、接続口3の上端周縁部には順次径大に形成された段差凹部6と該段差凹部6よりも径大な凹陥部7が接続口3と、ノズル本体1の軸芯Xと同心的に形成され、その最上部に形成した凹陥部7は、前記径大部2の上面に開口して形成される。尚、図中7Aは凹陥部7の円形な底面であり、軸芯Xに底面7Aより径小な前記凹部6が接続している。
【0020】
10は前記凹陥部7の内面に嵌め入れる着脱自在なリング体であり、中央部に前記段差凹部6と貫通孔11を有し、その貫通孔11の上面周縁には、逆円錐状に窪んだテーパ面12を形成している。さらに、そのテーパ面12に断面U字型をなした複数の散水路たる溝部13をリング体10の中心に向かって放射状に形成している。また、リング体10の外周面には凸部としての回り止め用の係止部たる突起14が突設されている。この突起14の間隔W、すなわち周方向の厚みWは、溝部13の幅より小さく、また軸芯Xを中心として等間隔で4方に配置される突起14はリング体10の縁より下方に向けて形成されており、縁の厚みA、すなわち縁の高さAと、突起14の高さBを合計した長さが、凹陥部7の深さとほぼ等しくなるように設けられている。一方突起14と嵌合する凹部としての係止受け部たる窪み部14Aが前記凹陥部7の内周面に形成されている。この窪み部14Aは軸芯Xを中心としてほぼ90度の範囲θに複数隣接して連続して設けられている。この窪み部14Aは小突起状の隔壁14Cを軸芯Xに向けて形成したものでその周方向の幅Z、すなわち窪み部14Aの周方向の長さは前記幅Wとほぼ同じに形成して、いずれかの窪み部14Aにいずれかの突起14が嵌合するようにする。隣接して連続して設けられる窪み部14A間の隔壁14Cの周方向の厚みZ´は、前記幅Zと同じ長さか、短く形成されている。尚、ノズル本体1が鋳物で形成されるような場合には、製造上の問題として幅Zを前記幅Wよりわずかに大きく形成する。さらに、窪み部14Aを形成する小突起の上端14Bは、リング体10の縁の下面に当接するか近接するように径大部2の上面より下方に後退して形成されている。そして、突起14と窪み部14Aとで位置決め部を構成し、前記凹陥部7の内面に嵌入したリング体10を所定角度の方向で回り止めしている。
【0021】
15は前記リング体10を固定するリング押えたるバルブケースであり、下端部にバルブ16を内蔵する筒部17と、この筒部17の上端部に水平方向に突出して前記リング体10を上方側から押える押圧部18とからなり、この押圧部18の下面に前記リング体10に形成するテーパ面12と同一角度で傾斜するテーパ面18Aを形成している。そして、リング体10とその内側に配置される押圧部18によって後述する散水口27を有し、前記凹陥部7を覆う蓋体7Aが形成される。また、前記筒部17の下端部外周面には前記隔壁5のねじ孔4にねじ込まれるねじ部17Aを形成すると共に、バルブケース15には、前記接続口3と通じる連通孔19が軸方向に貫通して設けられ、この連通孔19に前記接続口3から流入する水量を調整する前記バルブ16が装着されている。このバルブ16の外周面には、バルブケース15に圧入したピン20の先端を挿入する凹溝21が形成され、この凹溝21と前記ピン20によってバルブケース15に前記バルブ16を回動自在に支持している。そして、バルブ16の上端部に形成する係止溝22に図示しない工具を挿入してバルブ16を回し、バルブケース15と前記バルブ16に形成する孔23,24の開口量を調節して水量を調節し、また、バルブ16の孔24を完全に塞いで止水するように構成している。尚、バルブケース15の連通孔19の上端周縁部にも工具を挿入係止する角筒状の係合凹部25が形成されており、前記ノズル本体1に対して前記バルブケース15を締め付けたりあるいは緩めることができるようになっている。そして、バルブケース15をノズル本体1に締め付けることによって、バルブケース15の押圧部18に形成するテーパ面18Aをリング体10のテーパ面12に面接触状態で密着され、これにより溝部13の全面が押圧部18のテーパ面18Aで塞がれる。また、この溝部13の下端部は前記接続口3に通じる段差凹部6に臨んで開口し、かつ溝部13の上端部は前記径大部2の上面に開口する。こうしてリング体10のテーパ面12に形成する溝部13とこの溝部13を塞ぐバルブケース15のテーパ面18Aによって散水口27が形成される。尚、図中3Aは、前記接続口3に設けたOリング、16Aは前記バルブ16に設けたOリング、25Aは係合凹部25を覆う着脱可能なゴムキャプである。
【0022】
次に前記構成についてその作用を説明する。送水管Aに予めノズル本体1の接続口3を接続して設置する。次に散水口27となる溝部13を所望方向に向けてリング体10を凹陥部7に嵌合する。この際、突起14が凹陥部7に挿入してその下端が上端14Bに当たるまでは軸芯Xを中心に自由に回動でき、方向を定めたあとはリング体10をさらに凹陥部7に挿入することで、1つの突起14が所定の1箇所の窪み部14Aに嵌合、係止して位置決めを行うことができる。尚、バルブケース15の押圧部18に形成するテーパ面18Aをリング体10のテーパ面12に面接触状態で密着され、これにより溝部13の全面が押圧部18のテーパ面18Aで塞がれるので、リング体10の下面を凹陥部7の底面7Aに均一に密着できるようになっている。
【0023】
したがって、道路などに設置された状態で、送水管Aから接続口3に流入した水は、バルブケース15の連通孔19を通って、バルブ16の孔24とバルブケース15の孔23からバルブケース15の周面と接続口3の内周面との隙間を上昇してバルブケース15の押圧部18によって塞がれた段差凹部6の内部に溜まる。そして、この段差凹部6内の水が段差凹部6に連通した溝部13によって形成される散水口27を通って外部に散水される。一方、止水する場合にはゴムキャプ25Aを取り外した後に工具(図示せず)の先端を係止溝22に係合してバルブ16を回動することによって、バルブ16がバルブケース15に圧入したピン20に沿って水平方向に回動して孔24を塞がれ、これにより、止水できる。
【0024】
ところで、前記散水口27から噴射される水の噴射角は、ノズル本体1に着脱自在に装着するリング体10とこのリング体10を押えるバルブケース15の押圧部18に形成する両テーパ面12,18Aの傾斜角度によって設定され、一方、その噴射方向は、リング体10のテーパ面12に形成する溝部13の位置によって設定される。尚、図2の断面図で示す散水ノズルは、リング体10とバルブケース15の両テーパ面12,18Aの傾斜角度aは30度で、リング体10のテーパ面12に形成する溝部13は、4条の溝部13が90度の間隔毎に放射状に形成されている。そして、この散水する水の噴射角と噴射方向を決定するリング体10とこのリング体10を押えるバルブケース15は、ノズル本体1からバルブケース15を取り外れせば簡単に交換できる。したがって、散水口27から噴射する水の噴射角及び噴射方向を変える場合、その噴射角に応じた傾斜角度を有し、かつ、その噴射方向に応じた溝部を有するリング体とバルブケースに交換すれば、散水ノズルの水の噴射角と噴射方向を任意に可変することができる。
【0025】
以上のように、前記実施例においては、ノズル本体1の上面に凹陥部7を形成し、この凹陥部7に散水路の溝部13を形成し蓋体7Aを前記ノズル本体1の軸芯Xを回動中心として回動自在に収容し、前記溝部13と前記ノズル本体1の下部に設けた給水用の接続口3とを連通し、前記蓋体7Aの外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、前記突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、前記窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に連続して形成したことにより、突起14を所定箇所の窪み14Aに嵌合して係止することで、蓋体7Aをほぼ連続的に回動位置合わせができ、この結果散水路の溝部13を所望方向に向けることができ、しかも窪み14Aは前記凹陥部7に設けられているので、窪み14Aを上方から視認しながら係止することができる。
【0026】
また突起14と窪み部14Aによる凹凸状に敬氏するので簡単に位置合わせを行うことができる。また、突起14と窪み部14Aによる凹凸状係止を突起14が窪み14Aに嵌り込む嵌合とすることにより、ノズル本体1に対してリング体10が軸芯Xを中心にぐらついて回動するようなこともない。
【0027】
しかも、前記複数の窪み14Aの配置は前記ノズル本体1の軸芯Xを中心として90度のように全周ではなく円弧状に設け、突起14も90度間隔で複数設けたことによって、比較的複雑な形状の窪み14Aを少なくでき、製造しやすくなる。
【0028】
また、リング体10の外周面に凸部としての回り止め用の係止部たる突起14を形成し、凹部としての係止受け部たる窪み部14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、これら突起14と窪み部14Aは軸芯Xより可及的に離れているので、トルクにおける腕長さを最大限とでき軸芯Xを中心とした耐トルク性を大きくすることができる。
【実施例2】
【0029】
図3〜図4は実施例2を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例2においては、複数の散水路たる溝部13をリング体10の中心に向かって60度間隔で3箇所に放射状に形成している。この溝部13は貫通孔11の外周に沿って上方へ突設したリング部12Aに形成されている。尚、バルブケース15の押圧部18に形成するほぼ水平な下面18Bをリング部12Aのほぼ水平な上面に面接触状態で密着され、これにより溝部13の全面が押圧部18の下面18Bで塞がれるので、リング体10の下面を凹陥部7の底面7Aに均一に密着できるようになっている。リング体10の外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、前記突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、前記窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に連続して形成したことにより、突起14を所定箇所の窪み14Aに係止することで、蓋体7Aをほぼ連続的に回動位置合わせができる。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体1内を通過した水は散水口27が向いた方向で軸芯Xを中心にほぼ120度の範囲で噴出するようになっている。
【実施例3】
【0030】
図5〜図6は実施例3を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例3においては、複数の散水路たる溝部13をリング体10の中心に向かって所定間隔で全周に向けて放射状に形成している。この溝部13は貫通孔11の外周に沿って上方へ突設したリング部12Aに形成されている。尚、バルブケース15の押圧部18に形成するほぼ水平な下面18Bをリング部12Aのほぼ水平な上面に面接触状態で密着され、これにより溝部13の全面が押圧部18の下面18Bで塞がれるので、リング体10の下面を凹陥部7の底面7Aに均一に密着できるようになっている。リング体10の外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、前記突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、前記窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に連続して形成したことにより、突起14を所定箇所の窪み14Aに係止することで、蓋体7Aをほぼ連続的に回動位置合わせができる。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体1内を通過した水は散水口27が向いた方向で軸芯Xを中心にほぼ360度の範囲で噴出するようになっている。
【実施例4】
【0031】
図7〜図8は実施例4を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例4はノズル本体1の上部の径大部2に、蓋体7Aの主体を形成するリング体10を嵌入し得る凹陥部7を設け、リング体10には凹部6と連通して水の噴出方向や角度を規定する孔状の散水口27を形成する。リング体10の軸芯Xにバルブケース15の上部が係止すると共に、バルブケース15の下部のねじ部17Aがノズル本体1のねじ孔4にねじ込まれて、バルブケース15はリング体10を下方に押圧して凹陥部7に取り付けている。
【0032】
そして、リング体10の外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、前記突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、前記窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に連続して形成したことにより、突起14を所定箇所の窪み14Aに係止することで、リング体10をほぼ連続的に回動位置合わせができる。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体1内を通過した水は散水口27が向いた方向で噴出するようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように本発明にかかる消雪ノズルは種々の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例1を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例2を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施例2を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例3を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の実施例3を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例4を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の実施例4を示す断面図である。
【図9】第1の従来例を示す分解斜視図である。
【図10】第2の従来例を示す分解斜視図である。
【図11】第3の従来例を示す分解斜視図である。
【図12】第4の従来例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ノズル本体
3 接続口
7 凹陥部
7A 蓋体
13 溝部(散水路)
14 突起(係止部)
14A 窪み(係止受け部)
X 軸芯
【技術分野】
【0001】
本発明は、消雪ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして図9に示すようにノズル本体31の上面に凹陥部32を形成し、この凹陥部32内にリング体33をノズル本体31の軸芯Xを中心として回動自在に設けると共に、このリング体33の上面には外側端が散水口となる散水路34を等間隔で四方に形成し、さらにリング体33の内側にバルブ(図示せず)を内蔵したリング押え35を設け、そして、リング体33の外周面には凸部36が1箇所に突設され、その凸部36と嵌合する凹部37が前記凹陥部32の内周面に内側及び上方を開口して1箇所に形成されており、これら凸部36と凹部37とで位置決め部を構成し、前記凹陥部32の内面に嵌入したリング体33を回り止めしているものが公知である(例えば特許文献1)。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体31内を通過した水は散水路34より軸芯Xを中心に四方へ向け噴出するようになっている。
【0003】
さらに、図10及び図11に示した消雪ノズルも周知である。図10に示した従来周知の消雪ノズルは、鋳物製ノズル本体41の上面に凹陥部42を形成し、この凹陥部42内にリング体43を同様に設けると共に、このリング体43の上面には散水路44を3箇所に形成しており、この散水路44は軸芯Xを中心として60度間隔で形成されている。さらにリング体43の内側にリング押え45を設け、そして、リング体43の外周面には凸部46が1箇所に突設され、その凸部46と選択的に嵌合する凹部47が前記凹陥部42の内周面に内側及び上方を開口して4箇所に形成されていると共に、この凹陥部42は鋳物製ノズル本体41と一体に形成されたものであって軸芯Xを中心として90度間隔で形成されている。そしてこれら凸部46と凹部47とで位置決め部を構成し、前記凹陥部42の内面に嵌入したリング体43を回り止めしている。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体41内を通過した水は散水路44が向いた方向で軸芯Xを中心にほぼ120度の範囲で噴出するようになっている。
【0004】
また、図11に示した従来周知の消雪ノズルは、鋳物製ノズル本体51の上面に凹陥部52を形成し、この凹陥部52内にリング体53を同様に設けると共に、このリング体53の上面には散水路54を等間隔で4方向に形成している。さらにリング体53の内側にリング押え55を設け、そして、リング体53の外周面には凸部56が1箇所に突設され、その凸部56と選択的に嵌合する凹部57が鋳物製ノズル本体51と一体に形成されており、さらに前記凹陥部52の内周面に内側及び上方を開口して等間隔で4箇所に形成されている。そしてこれら凸部56と凹部57とで位置決め部を構成し、前記凹陥部52の内面に嵌入したリング体53を回り止めしている。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体51内を通過した水は散水路54が向いた4方向で噴出するようになっている。
【0005】
さらに、図12に示す消雪ノズルも公知である(例えば特許文献2)。この消雪ノズルは、ノズル本体61の先端開口部1に環部材62(リング体に相当)を嵌入し得る嵌合凹部63を設け、環部材62には通水路64Aと連通して水の噴出方向や角度を規定する散水路64を形成する。環部材62に弁体66が挿通する挿通孔65を形成し、弁体66の係止段部67とノズル本体61と螺合する螺子部68を設け、螺子部68と螺合してノズル本体61に環部材62が押さえ込み状態に止着されるように構成し、環部材62の回り止め係止部69がノズル本体61の回り止め係止部70に係止することで環部材62の過回動を阻止し得るように構成し、環部材62は嵌合凹部63に嵌入された状態で所定範囲を自在に回動させて水の噴出方向を変更し、弁体66に設けた弁機構により散水量を調節して散水するものである。
【特許文献1】特許第3156914号公報
【特許文献2】特開2004−251005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記図9〜図11に示した従来技術では、上方から視認しやすい凹陥部32,42,52に凹部37,47,57を設けて、この凹陥部32,42,52に凸部36,46,56を嵌合してリング体33,43,53を位置決めして散水路34,44,54となるようにするものであるが、図9のものは凹部37が1箇所であるので、リング体33の回動方向を所望角度とすることはできないが、図10,11のものは凹部47,57が4箇所であるので、いすれかの凹部47,57に凸部46,56を嵌合することで、リング体43,53を90度の間隔で回動して位置決めすることができる。特に図4のものでは散水路44を60度間隔で3箇所に形成したリング体43を90度の間隔で回動して位置決めすることができるようにしたものであるので、散水路44を90度間隔で回動して位置決めすることができる。
【0007】
しかしながら、前記図10,11に示した従来技術ではリング体43,53を90度の間隔で位置決めすることができるものの、それ以上に細かく位置決めできないという問題を有する。
【0008】
一方、前記図12に示した従来技術では回り止め係止部68を円環状に複数配置することで、位置決めを細かく行うことができるが、回り止め係止部70は嵌合凹部63の奥側に位置するので、視認性に劣り、この結果ノズル本体61に回り止め係止部69を組み込みにくくなるという問題を有する。
【0009】
解決しようとする問題点は、ノズル本体の凹陥部に散水路を備えた蓋体を回動角度を細かくして、しかも簡単に位置決めすることができる消雪ノズルを提供する点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、ノズル本体の上面に凹陥部を形成し、この凹陥部に散水路を形成した蓋体を前記ノズル本体の軸芯を回動中心として回動自在に収容し、前記散水路と前記ノズル本体の下部に設けた給水用の接続口とを連通し、前記凹陥部の内周面に該内周方向に沿って係止受け部を複数形成すると共に、該複数の係止受け部に選択的に係止可能な係止部を前記蓋体の外周に設けた消雪ノズルにおいて、前記係止受け部を前記内周面に連続して形成したことを特徴とする消雪ノズルである。
【0011】
請求項2の発明は、前記係止部と前記係止受け部との係止は凹凸状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の消雪ノズルである。
【0012】
請求項3の発明は、前記係止部と前記係止受け部との係止は嵌合によって形成されたことを特徴とする請求項2記載の消雪ノズルである。
【0013】
請求項4の発明は、前記複数の係止受け部は前記ノズル本体の軸芯を中心として円弧状に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の消雪ノズルである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、係止部を所定箇所の係止受け部に係止することで、蓋体をほぼ連続的に回動位置合わせができ、しかも係止受け部は凹陥部に設けられているので、係止受け部を上方から視認しながら簡単に係止することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、突起と窪み部による凹凸の係止によって簡単に位置合わせを行うことができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、突起と窪み部による凹凸の嵌合によってずれるようなことは少なくなり簡単に位置合わせを行うことができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、係止受け部を凹陥部内周の全周ではなく円弧状に設けたことによって、係止受け部を少なくでき、製造しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0019】
図1〜図2は実施例1を示しており、同図において、1はステンレス材、鋳鉄等により鋳物によって形成されるノズル本体であり、このノズル本体1は、上部に径大部2を有し、下部には送水管Aに接続する接続口3が形成されている。この接続口3は、ノズル本体1の中央部分を貫通し、そのほぼ中央部にねじ孔4を有する隔壁5が水平方向に突出形成されている。また、接続口3の上端周縁部には順次径大に形成された段差凹部6と該段差凹部6よりも径大な凹陥部7が接続口3と、ノズル本体1の軸芯Xと同心的に形成され、その最上部に形成した凹陥部7は、前記径大部2の上面に開口して形成される。尚、図中7Aは凹陥部7の円形な底面であり、軸芯Xに底面7Aより径小な前記凹部6が接続している。
【0020】
10は前記凹陥部7の内面に嵌め入れる着脱自在なリング体であり、中央部に前記段差凹部6と貫通孔11を有し、その貫通孔11の上面周縁には、逆円錐状に窪んだテーパ面12を形成している。さらに、そのテーパ面12に断面U字型をなした複数の散水路たる溝部13をリング体10の中心に向かって放射状に形成している。また、リング体10の外周面には凸部としての回り止め用の係止部たる突起14が突設されている。この突起14の間隔W、すなわち周方向の厚みWは、溝部13の幅より小さく、また軸芯Xを中心として等間隔で4方に配置される突起14はリング体10の縁より下方に向けて形成されており、縁の厚みA、すなわち縁の高さAと、突起14の高さBを合計した長さが、凹陥部7の深さとほぼ等しくなるように設けられている。一方突起14と嵌合する凹部としての係止受け部たる窪み部14Aが前記凹陥部7の内周面に形成されている。この窪み部14Aは軸芯Xを中心としてほぼ90度の範囲θに複数隣接して連続して設けられている。この窪み部14Aは小突起状の隔壁14Cを軸芯Xに向けて形成したものでその周方向の幅Z、すなわち窪み部14Aの周方向の長さは前記幅Wとほぼ同じに形成して、いずれかの窪み部14Aにいずれかの突起14が嵌合するようにする。隣接して連続して設けられる窪み部14A間の隔壁14Cの周方向の厚みZ´は、前記幅Zと同じ長さか、短く形成されている。尚、ノズル本体1が鋳物で形成されるような場合には、製造上の問題として幅Zを前記幅Wよりわずかに大きく形成する。さらに、窪み部14Aを形成する小突起の上端14Bは、リング体10の縁の下面に当接するか近接するように径大部2の上面より下方に後退して形成されている。そして、突起14と窪み部14Aとで位置決め部を構成し、前記凹陥部7の内面に嵌入したリング体10を所定角度の方向で回り止めしている。
【0021】
15は前記リング体10を固定するリング押えたるバルブケースであり、下端部にバルブ16を内蔵する筒部17と、この筒部17の上端部に水平方向に突出して前記リング体10を上方側から押える押圧部18とからなり、この押圧部18の下面に前記リング体10に形成するテーパ面12と同一角度で傾斜するテーパ面18Aを形成している。そして、リング体10とその内側に配置される押圧部18によって後述する散水口27を有し、前記凹陥部7を覆う蓋体7Aが形成される。また、前記筒部17の下端部外周面には前記隔壁5のねじ孔4にねじ込まれるねじ部17Aを形成すると共に、バルブケース15には、前記接続口3と通じる連通孔19が軸方向に貫通して設けられ、この連通孔19に前記接続口3から流入する水量を調整する前記バルブ16が装着されている。このバルブ16の外周面には、バルブケース15に圧入したピン20の先端を挿入する凹溝21が形成され、この凹溝21と前記ピン20によってバルブケース15に前記バルブ16を回動自在に支持している。そして、バルブ16の上端部に形成する係止溝22に図示しない工具を挿入してバルブ16を回し、バルブケース15と前記バルブ16に形成する孔23,24の開口量を調節して水量を調節し、また、バルブ16の孔24を完全に塞いで止水するように構成している。尚、バルブケース15の連通孔19の上端周縁部にも工具を挿入係止する角筒状の係合凹部25が形成されており、前記ノズル本体1に対して前記バルブケース15を締め付けたりあるいは緩めることができるようになっている。そして、バルブケース15をノズル本体1に締め付けることによって、バルブケース15の押圧部18に形成するテーパ面18Aをリング体10のテーパ面12に面接触状態で密着され、これにより溝部13の全面が押圧部18のテーパ面18Aで塞がれる。また、この溝部13の下端部は前記接続口3に通じる段差凹部6に臨んで開口し、かつ溝部13の上端部は前記径大部2の上面に開口する。こうしてリング体10のテーパ面12に形成する溝部13とこの溝部13を塞ぐバルブケース15のテーパ面18Aによって散水口27が形成される。尚、図中3Aは、前記接続口3に設けたOリング、16Aは前記バルブ16に設けたOリング、25Aは係合凹部25を覆う着脱可能なゴムキャプである。
【0022】
次に前記構成についてその作用を説明する。送水管Aに予めノズル本体1の接続口3を接続して設置する。次に散水口27となる溝部13を所望方向に向けてリング体10を凹陥部7に嵌合する。この際、突起14が凹陥部7に挿入してその下端が上端14Bに当たるまでは軸芯Xを中心に自由に回動でき、方向を定めたあとはリング体10をさらに凹陥部7に挿入することで、1つの突起14が所定の1箇所の窪み部14Aに嵌合、係止して位置決めを行うことができる。尚、バルブケース15の押圧部18に形成するテーパ面18Aをリング体10のテーパ面12に面接触状態で密着され、これにより溝部13の全面が押圧部18のテーパ面18Aで塞がれるので、リング体10の下面を凹陥部7の底面7Aに均一に密着できるようになっている。
【0023】
したがって、道路などに設置された状態で、送水管Aから接続口3に流入した水は、バルブケース15の連通孔19を通って、バルブ16の孔24とバルブケース15の孔23からバルブケース15の周面と接続口3の内周面との隙間を上昇してバルブケース15の押圧部18によって塞がれた段差凹部6の内部に溜まる。そして、この段差凹部6内の水が段差凹部6に連通した溝部13によって形成される散水口27を通って外部に散水される。一方、止水する場合にはゴムキャプ25Aを取り外した後に工具(図示せず)の先端を係止溝22に係合してバルブ16を回動することによって、バルブ16がバルブケース15に圧入したピン20に沿って水平方向に回動して孔24を塞がれ、これにより、止水できる。
【0024】
ところで、前記散水口27から噴射される水の噴射角は、ノズル本体1に着脱自在に装着するリング体10とこのリング体10を押えるバルブケース15の押圧部18に形成する両テーパ面12,18Aの傾斜角度によって設定され、一方、その噴射方向は、リング体10のテーパ面12に形成する溝部13の位置によって設定される。尚、図2の断面図で示す散水ノズルは、リング体10とバルブケース15の両テーパ面12,18Aの傾斜角度aは30度で、リング体10のテーパ面12に形成する溝部13は、4条の溝部13が90度の間隔毎に放射状に形成されている。そして、この散水する水の噴射角と噴射方向を決定するリング体10とこのリング体10を押えるバルブケース15は、ノズル本体1からバルブケース15を取り外れせば簡単に交換できる。したがって、散水口27から噴射する水の噴射角及び噴射方向を変える場合、その噴射角に応じた傾斜角度を有し、かつ、その噴射方向に応じた溝部を有するリング体とバルブケースに交換すれば、散水ノズルの水の噴射角と噴射方向を任意に可変することができる。
【0025】
以上のように、前記実施例においては、ノズル本体1の上面に凹陥部7を形成し、この凹陥部7に散水路の溝部13を形成し蓋体7Aを前記ノズル本体1の軸芯Xを回動中心として回動自在に収容し、前記溝部13と前記ノズル本体1の下部に設けた給水用の接続口3とを連通し、前記蓋体7Aの外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、前記突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、前記窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に連続して形成したことにより、突起14を所定箇所の窪み14Aに嵌合して係止することで、蓋体7Aをほぼ連続的に回動位置合わせができ、この結果散水路の溝部13を所望方向に向けることができ、しかも窪み14Aは前記凹陥部7に設けられているので、窪み14Aを上方から視認しながら係止することができる。
【0026】
また突起14と窪み部14Aによる凹凸状に敬氏するので簡単に位置合わせを行うことができる。また、突起14と窪み部14Aによる凹凸状係止を突起14が窪み14Aに嵌り込む嵌合とすることにより、ノズル本体1に対してリング体10が軸芯Xを中心にぐらついて回動するようなこともない。
【0027】
しかも、前記複数の窪み14Aの配置は前記ノズル本体1の軸芯Xを中心として90度のように全周ではなく円弧状に設け、突起14も90度間隔で複数設けたことによって、比較的複雑な形状の窪み14Aを少なくでき、製造しやすくなる。
【0028】
また、リング体10の外周面に凸部としての回り止め用の係止部たる突起14を形成し、凹部としての係止受け部たる窪み部14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、これら突起14と窪み部14Aは軸芯Xより可及的に離れているので、トルクにおける腕長さを最大限とでき軸芯Xを中心とした耐トルク性を大きくすることができる。
【実施例2】
【0029】
図3〜図4は実施例2を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例2においては、複数の散水路たる溝部13をリング体10の中心に向かって60度間隔で3箇所に放射状に形成している。この溝部13は貫通孔11の外周に沿って上方へ突設したリング部12Aに形成されている。尚、バルブケース15の押圧部18に形成するほぼ水平な下面18Bをリング部12Aのほぼ水平な上面に面接触状態で密着され、これにより溝部13の全面が押圧部18の下面18Bで塞がれるので、リング体10の下面を凹陥部7の底面7Aに均一に密着できるようになっている。リング体10の外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、前記突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、前記窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に連続して形成したことにより、突起14を所定箇所の窪み14Aに係止することで、蓋体7Aをほぼ連続的に回動位置合わせができる。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体1内を通過した水は散水口27が向いた方向で軸芯Xを中心にほぼ120度の範囲で噴出するようになっている。
【実施例3】
【0030】
図5〜図6は実施例3を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例3においては、複数の散水路たる溝部13をリング体10の中心に向かって所定間隔で全周に向けて放射状に形成している。この溝部13は貫通孔11の外周に沿って上方へ突設したリング部12Aに形成されている。尚、バルブケース15の押圧部18に形成するほぼ水平な下面18Bをリング部12Aのほぼ水平な上面に面接触状態で密着され、これにより溝部13の全面が押圧部18の下面18Bで塞がれるので、リング体10の下面を凹陥部7の底面7Aに均一に密着できるようになっている。リング体10の外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、前記突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、前記窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に連続して形成したことにより、突起14を所定箇所の窪み14Aに係止することで、蓋体7Aをほぼ連続的に回動位置合わせができる。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体1内を通過した水は散水口27が向いた方向で軸芯Xを中心にほぼ360度の範囲で噴出するようになっている。
【実施例4】
【0031】
図7〜図8は実施例4を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例4はノズル本体1の上部の径大部2に、蓋体7Aの主体を形成するリング体10を嵌入し得る凹陥部7を設け、リング体10には凹部6と連通して水の噴出方向や角度を規定する孔状の散水口27を形成する。リング体10の軸芯Xにバルブケース15の上部が係止すると共に、バルブケース15の下部のねじ部17Aがノズル本体1のねじ孔4にねじ込まれて、バルブケース15はリング体10を下方に押圧して凹陥部7に取り付けている。
【0032】
そして、リング体10の外周に回り止め用の係止部たる突起14を設けると共に、前記突起14が係止可能な係止受け部たる窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に形成し、前記窪み14Aを前記凹陥部7の内周面に連続して形成したことにより、突起14を所定箇所の窪み14Aに係止することで、リング体10をほぼ連続的に回動位置合わせができる。したがって、この消雪ノズルにおいては、ノズル本体1内を通過した水は散水口27が向いた方向で噴出するようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように本発明にかかる消雪ノズルは種々の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例1を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例1を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例2を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施例2を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例3を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の実施例3を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例4を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の実施例4を示す断面図である。
【図9】第1の従来例を示す分解斜視図である。
【図10】第2の従来例を示す分解斜視図である。
【図11】第3の従来例を示す分解斜視図である。
【図12】第4の従来例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ノズル本体
3 接続口
7 凹陥部
7A 蓋体
13 溝部(散水路)
14 突起(係止部)
14A 窪み(係止受け部)
X 軸芯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズル本体の上面に凹陥部を形成し、この凹陥部に散水路を形成した蓋体を前記ノズル本体の軸芯を回動中心として回動自在に収容し、前記散水路と前記ノズル本体の下部に設けた給水用の接続口とを連通し、前記凹陥部の内周面に該内周方向に沿って係止受け部を複数形成すると共に、該複数の係止受け部に選択的に係止可能な係止部を前記蓋体の外周に設けた消雪ノズルにおいて、前記係止受け部を前記内周面に連続して形成したことを特徴とする消雪ノズル。
【請求項2】
前記係止部と前記係止受け部との係止は凹凸状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の消雪ノズル。
【請求項3】
前記係止部と前記係止受け部との係止は嵌合によって形成されたことを特徴とする請求項2記載の消雪ノズル。
【請求項4】
前記複数の係止受け部は前記ノズル本体の軸芯を中心として円弧状に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の消雪ノズル。
【請求項1】
ノズル本体の上面に凹陥部を形成し、この凹陥部に散水路を形成した蓋体を前記ノズル本体の軸芯を回動中心として回動自在に収容し、前記散水路と前記ノズル本体の下部に設けた給水用の接続口とを連通し、前記凹陥部の内周面に該内周方向に沿って係止受け部を複数形成すると共に、該複数の係止受け部に選択的に係止可能な係止部を前記蓋体の外周に設けた消雪ノズルにおいて、前記係止受け部を前記内周面に連続して形成したことを特徴とする消雪ノズル。
【請求項2】
前記係止部と前記係止受け部との係止は凹凸状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の消雪ノズル。
【請求項3】
前記係止部と前記係止受け部との係止は嵌合によって形成されたことを特徴とする請求項2記載の消雪ノズル。
【請求項4】
前記複数の係止受け部は前記ノズル本体の軸芯を中心として円弧状に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の消雪ノズル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−247584(P2006−247584A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70120(P2005−70120)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000241809)北越消雪機械工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(000241809)北越消雪機械工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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