説明

液体を継続的に移送し処理するシステムおよび方法

複数の容器から複数の目的地に液体を移送する液体移送システムは、複数の入口バルブを備えている。各入り口バルブは、容器からの液体がシステムの中に汲み上げられることを可能にする開位置と、容器からの液体がシステムの中に汲み上げられることを遮る閉位置との間で動作可能である。液体容器のそれぞれから汲み上げられた液体は、バッファチャンバ内の液体の気体を抜くように設計されたバッファチャンバに送達される。バッファチャンバは、通気された供給器チャンバに通じ、該供給器チャンバはまた、ある量の液体を保持するように適合されている。チャンバ接続バルブが、バッファチャンバと供給器チャンバとの間に提供され、バッファチャンバと供給器チャンバとの間の液体の流れを可能にするか、または遮る。供給器チャンバは、複数の目的地に液体を送達するために動作可能である複数の分配バルブに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の移送および処理のシステムの分野に関し、さらに詳細には、血液学の分野における化学分析を含む化学分析に対して使用される、液体の移送および処理のシステムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
血液学および他の分野の化学分析において、液体の試薬の形式の化学物質が、多くの場合に、いくつかの消費ステーションに送達されることを必要とする。例えば、血液学の分野において、希釈液の形態の試薬が、多くの場合に、全血球計算混合チャンバと、白血球分類数混合チャンバと、網赤血球数混合チャンバとに同時に送達されることを必要とする。他のときには、いくつかの異なる液体試薬が、単一の消費ステーションに送達されることを必要とし得る。例えば、血液学の分野において、溶解剤(lyse)および溶解安定化剤(stabilyse)が、単一の白血球分類混合チャンバに送達され、赤血球を分解する。液体試薬が送達された後に、洗浄液体がシステムを介して消費ステーションに送達され、新たな分析のためにシステムを浄化する。
【0003】
大部分の既存の液体試薬移送システムにおいて、各異なる液体試薬は、液体試薬を分配するために使用される独自の移送システムを有する。複数の試薬が使用されるときには、複数の試薬移送システムが、場所から場所に試薬を送達するために使用されなければならない。複数の試薬移送システムは、ユーザにシステムの費用の増加をもたらす。さらに、多数の試薬移送システムは、非常に多くの貴重な研究室の空間を消費する。さらに、実験の実行の後に、試薬が複数の移送システムのそれぞれの中に残り、残りの試薬が複数のシステムのそれぞれから浄化されなければならないので、これらのシステムは試薬の消費の点において非効率的である。時の経過と共に、複数のシステムから浄化される試薬の量はかなりのものとなり、かなりの資源の無駄をもたらし、試薬が無駄にされるという点でユーザにかなりのコストをもたらす。従って、複数の場所から複数の液体を移送し、このような液体および/または液体の組み合わせを複数の場所に送達することが可能である、効率的な液体の化学物質の移送および処理のシステムを提供することが望ましい。
【0004】
多くの従来技術の液体移送システムにおいて、収集アセンブリが各試薬容器に取り付けられる。収集アセンブリは容器から試薬を移動させ、試薬を移送チューブに送達するように設計されており、該移送チューブは、システム全体に試薬を分配する。残念ながら、これらの収集アセンブリは、多くの場合に、システムに入る試薬の汚染をもたらす。試薬の中に延びる表面を有する収集アセンブリは、この問題に対して特に影響を受けやすい。しかしながら、ほぼ全ての収集アセンブリが、わずかな試薬が容器内に残っているときに、小さい気泡(すなわち、「微細な気泡」)をシステムの中に導入する問題の影響を受けやすい。システムの中への微細な気泡の導入は、多くの場合に、器具を測定するシステムから誤った読み取りをもたらす。従って、システムの中に導入される微細な気泡の量を減少させ、および/またはこのような液体がシステムの測定器具にさらされる前に、液体から微細な気泡を排除することが可能である液体移送システムを提供することが望ましい。
【0005】
多くの従来技術の液体の移送および処理のシステムに関する別の問題は、ある量の試薬が、試薬を保持する容器から消費されたときに、実験の実行が一時的に停止されなければならないということである。特に、試薬の容器が空にされたときには、満杯の試薬容器がシステムに接続されることを可能にするために、実験の実行が一時的に停止されなければならない。実験室のテストにおけるこれらの遅延が、貴重な時間と資源とを無駄にする。従って、使い尽くされた試薬の容器を取り替えるために、実験の実行における一時的な遅延を必要とすることなく、必要なだけ長く実験処理が続くように、1つ以上の消費ステーションに液体試薬を継続的に供給することが可能であるシステムを提供することが、さらに有利である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも1つの容器から少なくとも1つの目的地に液体を移送する液体移送システムは、複数の入口バルブを含む入口マニホールドを備えている。入口バルブのそれぞれは、液体容器を密閉するように適合されたキャップに接続されている。各入口バルブは、関連する容器からの液体がシステムの中に汲み上げられることを可能にする開位置と、関連する容器からの液体がシステムの中に汲み上げられることを遮る閉位置との間で動作可能である。液体容器のそれぞれから汲み上げられた液体は、入口マニホールドを通過し、ある量の液体を保持するように適合された第1のチャンバに届く。第1のチャンバは、バッファチャンバ内の液体のガスを抜くように設計および適合されたバッファチャンバである。バッファチャンバは、液体出口ポートと、入口マニホールドに接続された液体入口ポートとを含む。蓋が第1のチャンバに提供される。蓋は、第1のチャンバを圧力にさらすように動作可能な圧力ポートと、第1のチャンバを真空にさらすように動作可能な真空ポートとを含む。
【0007】
第1のチャンバの出口ポートは、またある量の液体を保持するように適合された第2のチャンバに通じる。チャンバ接続/ブリッジバルブが、第1のチャンバと第2のチャンバとの間に提供され、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の液体の流れを制御する。第2のチャンバは、複数の消費ステーションに液体を送達するように設計および適合された、通気された供給器チャンバである。供給器チャンバは、第1のチャンバの出口ポートに接続された入口ポートを含む。供給器チャンバはまた、分配マニホールドに接続された出口ポートを含む。分配マニホールドは、複数の分配バルブを含む。各分配バルブは、開位置と閉位置との間で動作可能である。開位置においては、システムからの液体が、関連する消費ステーション目的地に届くことを可能にされる。閉位置においては、システムからの液体が、関連する消費ステーション目的地に届くことを遮られる。
【0008】
第1のチャンバと第2のチャンバとの両方が、チャンバの中の液体のレベルを決定するために動作可能であるセンサを含む。各センサは、概して、チャンバ内の液体が低位レベルを上回っているかを決定するために動作可能である低位レベルセンサと、チャンバ内の液体が高位レベルを上回ったかを決定するために動作可能である満杯レベルセンサとを備えている。
【0009】
システムは、複数の入力信号を受信し、複数の出力信号を送信するように動作可能であるマイクロコントローラをさらに含む。複数の入力信号は、低位レベルセンサおよび高位レベルセンサからの信号を含む。複数の出力信号は、入口バルブ制御信号と、分配バルブ制御信号と、真空制御信号と、圧力制御信号とを含む。
【0010】
一実施形態において、複数の液体容器のそれぞれに接続されたキャップは、アパーチャと少なくとも1つの垂れ下がりスカートとを有する上側部分を含むキャップ本体を備えている。プランジャは、キャップ本体の上側部分におけるアパーチャを通過する。プランジャは、円筒形のシャフトに接続されたヘッド部分を含み、円筒形のシャフトは、下側プレート部分に接続されている。下側プレート部分はディスク状であり、上側表面と底部表面とを含む。プランジャの下側ディスク部分をキャップの上側部分から離れるように、ばねが付勢するように、キャップ本体の上側部分とプランジャの下側ディスク部分の上側表面との間に、ばねが配置されている。ガスケットがプランジャの下側部分の底部表面に接続され、キャップと容器との間にシールを提供する。
【0011】
一実施形態において、上記のシステムは、複数の容器に対して液体投入ラインを密閉するために、キャップを使用することによって動作に置かれる。次に、コントローラは適切な1つの入口バルブまたは複数の入口バルブを開き、真空が第1のチャンバに適用され、それにより液体投入ラインを通って、少なくとも1つの容器から第1のチャンバに液体を吸引する。液体が第1のチャンバに吸引されると、第1のチャンバに適用された真空を使用して、第1のチャンバからガスが抜かれる。第1のチャンバ内の液体が第2のチャンバに移送されるときに、ブリッジバルブが開き、圧力が第1のチャンバに適用される。その結果、第1のチャンバ内の圧力は、第1のチャンバから第2のチャンバに液体を押す。次に、第2のチャンバ内の液体が、複数の目的地のうちの少なくとも1つに分配され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1を参照すると、液体を継続的に移送して処理するシステム10は、少なくとも1つの液体容器14を備えている試薬ステーション12を備えている。少なくとも1つの液体容器14は、複数の入口バルブ18を備えている入口マニホールド16に取り付けられている。入口マニホールド16はバッファチャンバ20に通じる。バッファチャンバ20は圧力バルブ22を通って圧力源に接続され、かつ、真空バルブ24を通って真空源に接続されている。バッファチャンバ20の出口78は、通気された供給チャンバ30に通じる。ブリッジバルブ28が、バッファチャンバ20と供給チャンバ30との間に配置されており、バッファチャンバ20と供給チャンバ30との間の液体の流れを可能にするか、または遮るように動作可能である。供給チャンバ30の出口は、分配マニホールド32に通じる。分配マニホールド32は、少なくとも1つの液体消費ステーションに接続されている。マイクロプロセッサコントローラ40(本明細書においては、「マイクロコントローラ」または「コントローラ」とも呼ばれる)は、上に記述されたコンポーネントのうちのいくつかに接続されている。コントローラ40は、そのようなコンポーネントに制御信号を配信するように動作可能である。コントローラ40はまた、マスターシステムコントローラに接続され、命令を受信し、マスターシステムコントローラにステータスを報告し得る。
【0013】
試薬ステーション12は、一般的には、液体の試薬で満たされているか、または部分的に満たされている複数の液体容器14を備えている。1つの液体容器14だけが、図1に示されているが、システムは入口バルブ18と同じ数の液体容器を想定している。さらに、3つの入口バルブ18だけが、図1に示されているが、当業者は任意の数の入口バルブ18と関連の容器14とを認識する。
【0014】
例示的な液体容器14が、図3Aに示されている。各容器は、可撓性/変形可能な本体部分44を含む。本体部分は、液体を通さないゴムまたは可撓性のプラスチック材料で構成され得る。口に通じる首47が、各液体容器14における本体部分44の上部付近に提供される。口は容器14の内部への開口部を画定し、容器14からの液体の通過を可能にする。首47はキャップを受け取るように構成されている。容器14が格納されるときに、格納キャップが使用され、容器14の内側を密封し、容器からの液体の漏れを防止する。容器14がシステム10に接続されたときに、収集キャップ50が使用される。これらの収集キャップ50のそれぞれがアパーチャを含み、キャップに接続されたチューブの中に容器14から液体が通過することを可能にする。このために、キャップ50はキャップ50にチューブを接合するように設計されたチューブ取り付け部品48を含む。本明細書に記述されたシステム10で特に有用なキャップ50の一実施形態が、図4Aおよび図4Bを参照して示されており、以下でさらに詳細に記述される。液体が容器14から吸引されるか、または汲み上げられるときに、容器および/またはキャップ50に接続されたチューブの中に空気が入ることを防止するために、各キャップ50は、容器14の口46を密閉するように設計されている。
【0015】
ここで図3Aを参照すると、各液体容器14の本体部分44は、液体で満たされたときには、概して、ブロックの形状となる。液体が容器14から汲み上げられると、可撓性の容器の本体部分44は、図3Bに示されているようにつぶれる。容器から液体を汲み上げるために、概して、真空が使用される。真空が容器から液体を汲み上げるときに、キャップ50は、容器14の口に密閉されるので、真空はまた、容器はほぼ完璧につぶれる。1つの有利な実施形態において、容器14は、首47を用いて、試薬ステーション12の中で首47を下にして置かれる。これが、液体の最後の部分が容器から汲み上げられるように、容器14の中のほぼ全ての液体をキャップ50にもたらすことを、重力が助けることを可能にする。可撓性の容器44はつぶれるので、容器内に液体がほとんど残っていないときに、システムのユーザは明確な指示を有する。これが、使い尽くされた容器が、新たな容器と取り替えられるべきであるという指示をユーザに提供する。別の実施形態において、センサがキャップ50に含まれ、液体が容器からほぼ使い果たされたときに指示する。
【0016】
再び図1を参照すると、各容器14は、可撓性のプラスチックの管49の一区画の形式で液体投入ラインによって、入口マニホールド16に接続されている。マニホールド16は、複数の入口ポート60と単一の出口ポート62とを含む。プラスチックの管49の各部分は、容器14に通じ、容器14のキャップ取り付け部品48と入口ポート60のうちの1つとの間で延びる。各入口ポート60は複数の入口バルブ18のうちの1つに通じる。各入口バルブ18は、関連する入口ポート60を開閉し、それによってポート60を通る液体の通過を可能にするか、または液体の通過を遮るように動作可能である。コントローラ40は複数の入口バルブ18のそれぞれに接続されており、バルブを開閉するために、入口バルブに制御信号を配信するように動作可能である。各入口バルブ18は、入口マニホールド16の出口ポート62に通じる。液体投入ラインの可撓性の管64の別の部分は、出口ポート62とバッファチャンバ20との間で延びる。管64に対する真空の適用は、接続された容器14から液体を汲み上げ、入口マニホールド16の入口ポート18を開く。容器14から汲み上げられた液体は、入口マニホールド16を通って、管64を下り、バッファチャンバ20に移動する。
【0017】
ここで図2を参照すると、バッファチャンバ20は、本体部分70と、本体部分70に接続された蓋72とを含む。本体部分70は、概して、第1の液体容器20の内側の部分/リザーバ71を画定する。リザーバ71は約40ml〜100mlの液体を保持するように設計されている。出口ポート78が、本体の底部またはその付近において、本体70の中に形成される。出口ポート78は、本体内の開口部であり、出口ポート78に接続された可撓性の管79の一部分の中にリザーバ71から液体が通過することを可能にする。取り付け部品80が出口ポート78に管79を固定するために提供される。バッファチャンバ20の本体部分70はまた、入口ポート76を含む。入口ポート76はバッファチャンバの内側リザーバ71の中への通路を提供する。入口ポート76は、入口マニホールド16に接続された管64の可撓性の部分を受け取り、かつ、バッファチャンバ20の内側リザーバ71に管から液体が通過することを可能にするように設計されている。バッファチャンバの本体部分70は、内側リザーバ71の上部を画定する上部リム82をさらに含む。
【0018】
バッファチャンバの蓋72は、本体部分70のリム82に取り付き、本体部分70を密閉するように設計されている。ナットとボルトとのアセンブリ74が、本体部分70のリム82に蓋72を固定するために使用され得る。一実施形態において、ガスケットなどのシールが、蓋と本体部分との間に提供される。例えば、Oリング型のシールが、蓋72と本体部分のリム82との間に気密取り付きを提供するために使用され得る。別の実施形態において、蓋72とリム82とは、Oリングまたは他のシールを使用することなく、気密シールを提供するように充分に滑らかであり得る。
【0019】
蓋72は、バッファチャンバ20の内側リザーバ71の中への連通を提供する複数の通路をさらに含む。例えば、蓋72は、圧力ポート84と真空ポート86とを含む。蓋72の圧力ポート84は、図1に示されたように、圧力バルブ22に延びる可撓性の管に接続されている。圧力バルブ22は圧力源に通じる。一実施形態において、圧力源は、圧力バルブ22と圧力ポート84とを通って、バッファチャンバ20の内側部分71に不活性ガスを送達する。不活性ガスは、圧力が増加されてバッファチャンバ20に送達され、概して、バッファチャンバ内の圧力に大気圧を超えさせる。電気リードが圧力バルブ22とマイクロコントローラ40との間で延びている。この電気リードは、マイクロコントローラ40が圧力バルブ22に制御信号を提供し、それによってバッファチャンバ20が圧力源にさらされるか否かを制御することを可能にする。特に、マイクロコントローラ40が圧力バルブ22を開くように命令する場合には、バッファチャンバ20は圧力源にさらされる。しかしながら、マイクロコントローラ40が圧力バルブ22を閉じるように命令するときには、バッファチャンバ20は圧力源から隔離される。
【0020】
蓋72の真空ポート86は、やはり図1に示されているように、真空バルブ24に延びる可撓性の管に接続されている。真空バルブ24は真空源に通じる。真空バルブ24は、開位置と閉位置との間で動作可能である。開位置においては、真空源は、バッファチャンバの内側部分71を真空にさらす。しかしながら、閉位置においては、真空バルブ24が、真空源からバッファチャンバ20の内側部分71を遮る。電気リードはマイクロコントローラ40を真空バルブ24に接続し、マイクロコントローラ40が真空バルブ24に制御信号を提供することを可能にし、それにより開位置と閉位置との間の真空バルブの動作を制御することを可能にする。
【0021】
図2に示されているように、蓋はまた、センサポート88を含む。液体レベルセンサ90の一端がバッファチャンバ90の外側にあり、液体レベルセンサの他端が内側リザーバ71の中に延びるように、液体レベルセンサ90はセンサポート88を通過する。液体レベルセンサは、内側リザーバ71の中の液体のレベルを決定し、マイクロプロセッサコントローラ40に対して配信するセンサ信号を生成するために動作可能である。特に、液体レベル信号は、バッファチャンバの中の液体のレベルが、低位のレベル91を下回るときに「低位」信号を生成し、バッファチャンバの中の液体のレベルが、満杯のレベル92を上回るときに「満杯」信号を生成するように動作可能である。電気リードは、コントローラ40と液体レベルセンサ90の外側端との間で延び、液体レベルセンサによって生成された信号がコントローラに配信されることを可能にする。一実施形態において、レベルセンサ90は2つの感知素子を含む。この実施形態において、両方の感知素子が液体に浸されているときには、バッファチャンバ20のステータスは「満杯」である。上部の素子が液体から外れ、底部の素子が液体の中にあるときには、バッファチャンバのステータスは「標準」である。両方の素子が液体から外れているときには、バッファチャンバのステータスは「低位」である。従って、コントローラ40は、バッファチャンバ20の中の液体のレベルに関する情報を継続的に提供される。
【0022】
再び図1を参照すると、バッファチャンバ20の出口ポート78は、可撓性の管79の一部分を介してブリッジバルブ28に接続されている。ブリッジバルブ28はまた、可撓性の管89の別の区画を介して供給チャンバ30に接続されている。ブリッジバルブは、開位置と閉位置との間で動作可能である。開位置において、バッファチャンバ20からの液体は、供給チャンバ30までブリッジバルブ28を通過することを可能にされる。閉位置において、ブリッジバルブ28は、バッファチャンバ20から供給チャンバ30に液体が通ることを遮る。ブリッジバルブ20はコントローラ40に電気的に接続されている。コントローラ40は、ブリッジバルブ28に制御信号を配信し、開位置と閉位置との間のブリッジバルブの動作を制御するために動作可能である。
【0023】
供給チャンバ30は、図2に示されたバッファチャンバ20と同様である。特に、供給チャンバは、入口ポート96と出口ポート98とを有する本体部分70を含む。供給チャンバ30の本体部分70は、約40ml〜100mlの液体を保持するように設計された内側/リザーバの部分71を画定する。供給チャンバの本体部分70はまたリム82を含み、供給チャンバの蓋72がリムの上にある。しかしながら、バッファチャンバ20の蓋とは異なり、供給チャンバ30の蓋は、圧力ポート84または真空ポート86を含まない。その代わりに、供給チャンバ30の蓋は、通気口34を含む。通気口34は、蓋の中の単なる開口部であり、第2の液体チャンバ30の内側部分71からシステムの外側の外気への通路を提供する。従って、供給器チャンバの中の圧力は、概ね大気圧である。真空または圧力のいずれも供給チャンバ30に適用されないので、蓋は、本体部分に密閉され得るか、または密閉されないこともあり得る。
【0024】
レベルセンサが、供給チャンバ30の蓋に据え付けられ、供給チャンバ30の内側部分の中に延びる。レベルセンサはコントローラ40に接続されており、供給チャンバ30の中の液体のレベルが、満杯のレベルを上回るか、または低位のレベルを下回るかを決定するように動作可能である。液体のレベルが、満杯のレベルを上回る場合には、レベルセンサは、コントローラに「満杯」信号を提供する。液体のレベルが、低位のレベルを下回る場合には、レベルセンサは、コントローラに「低位」信号を提供する。
【0025】
供給チャンバの出口ポート98は、可撓性の管99によって、分配マニホールド32に接続されている。分配マニホールド32は、複数の出口ポート68に接続された入口ポート66を含む。分配バルブ38が各出口ポート68に配置されている。各分配バルブ38は、開位置と閉位置との間で動作可能である。開位置において、分配バルブ38は、分配バルブ38および関連する出口ポート68を通って液体が流れることを可能にする。閉位置において、分配バルブ38は、分配バルブ38および関連する出口ポート68を通って液体が流れることを遮る。複数の可撓性の管99が複数の出口ポート68に接続されている。複数の可撓性の管99は、容器14から移送されてシステム10によって処理された液体の試薬を受け取るように設計された測定装置および/または他の消費ステーションに通じる。
【0026】
ここで、システムの動作が、図1および図5を参照して記述される。第1に、図5のステップ202において、コントローラ40は、システムを使用して処理される適切な液体または液体の混合物に関する命令を提供される。これが、所望の液体または液体の組み合わせに対応する、入口マニホールド16内の1つの入口バルブまたは複数の入口バルブを、コントローラ40が開くことを可能にする。システムの一実施形態において、各入口バルブ18は様々なタイプの液体に対応する。システムの第2の実施形態において、各入口バルブ18は同じタイプの液体に対応し、1つ以上の容器14からの液体が使い果たされたときであっても、複数のバルブが液体の継続的な処理を可能にしている。この第2の実施形態において、使い果たされた容器は、液体の新たな容器と取り替えられ得るが、システムは別の容器からの液体を処理している。システムの第3の実施形態において、少なくとも2つの入口バルブが、システムによって使用される各様々なタイプの液体に対応する。この実施形態は、液体の継続的な処理を可能にし、またシステムが異なる液体を処理することを可能にする。
【0027】
処理のために既知の適切な液体または液体の組み合わせに関し、ステップ204において、コントローラは、バッファチャンバ20内の液体のレベルが「低位」であるか否かを決定する。ステップ206において、液体が「低位」である場合には、コントローラは、適切な液体または液体の組み合わせの送達のために、適切な入口バルブを開く。次に、コントローラ40は、ステップ208において真空バルブ24を開き、それによってバッファチャンバ20を真空にさらす。この間は、ブリッジバルブ28と圧力バルブ22とが閉じられている。バッファチャンバが真空にさらされたときに、真空は、開いた入口バルブ18と関連する液体容器14から液体を汲み上げる。真空にさらされた液体は、収集キャップ50と入口マニホールド16の入口バルブ18とを通ってバッファチャンバ20の中に、関連する容器14から汲み上げられる。この期間に、液体内で形成された比較的大きい泡がバッファチャンバ20の中に解放され得る。バッファチャンバの中に解放された任意のこのような気泡が、真空源に汲み上げられ、システムから排出される。
【0028】
バッファチャンバ20を真空にさらした後、ステップ210において、液体のレベルが「高位」のレベルに到達するまで、コントローラ40はバッファチャンバ内の液体のレベルを継続的に調べる。バッファチャンバ内の液体のレベルが「高位」に到達すると、ステップ212において、コントローラは任意の開いた入口バルブを閉じ、バッファチャンバの中に液体を汲み上げる処理を終了する。
【0029】
次に、ステップ214において、チャンバ内の液体が満杯のレベルに到達した後のある期間、コントローラ40はバッファチャンバ20に真空を適用し続ける。一実施形態において、この期間は、例えば、30秒の期間などに限定されている。図5に示された実施形態において、ステップ220において以下で記述されるように、圧力がバッファチャンバに適用されるまで、この真空はいつまでも継続する。真空がバッファチャンバに適用される間に、バッファチャンバの中の低圧力の状態により、バッファチャンバ内の液体内に溶解されたガスが液体から解放される。液体から解放されたこれらのガスは、バッファチャンバから真空源の中に汲み上げられ、真空源において、ガスはシステムから排気される。従って、システムは、システムを使用して処理され移送された液体に対して、ガスを抜く処理を提供する。一実施形態において、チャンバ内の液体が満杯のレベルに到達した後に適用される真空は、バッファチャンバに対して、さらにより高い程度の吸引を提供する「最高」真空である。この「最高」真空は、さらにより微細な気泡をバッファチャンバ内の液体から解放することに効果的である。この最高真空の実施形態において、マイクロコントローラ40は、真空源を制御し、「標準」または「最高」のいずれかが真空が適用されるべきであるかを決定するように動作可能である。
【0030】
ステップ214における真空の適用の間または直後に、ステップ216において、コントローラ40は、供給器チャンバ30内の液体のレベルを調べる。液体のレベルが低位ではない場合には、システムはステップ204に戻り、バッファチャンバ20内の液体のレベルに関して調べる。バッファチャンバ20内の液体のレベルが低位ではない場合には、システムはステップ218に移り、バッファチャンバ内の液体からさらにガスを抜くために、バッファチャンバ内の液体に真空を適用し続ける。この後、ステップ216において、システムは、供給器チャンバ内の液体のレベルを再び調べる。従って、コントローラは、バッファチャンバと供給器チャンバとの両方を継続的に監視し、いずれかのチャンバが液体に関して低位になった場合には、そのようなチャンバを再び満たす適切な行動を取るように動作可能である。
【0031】
図5には示されていないが、コントローラがバッファチャンバ20および供給器チャンバ30の中の液体のレベルを調べている間、コントローラ40はまた、分配バルブを開閉し、供給チャンバ30内の液体が、必要に応じて、消費ステーションに分配されることを可能にする。一般的に、コントローラは、分配ごとに1ml〜5mlなどのわずかな増分で、供給チャンバから消費ステーションに液体を解放するだけである。
【0032】
ステップ216において、供給器チャンバ30のセンサが、低位の液体のレベルを報告する場合には、ステップ220において、コントローラ40は、直ぐに、バッファチャンバ20から真空を取り除く。次に、ステップ222において、コントローラは圧力バルブ22を開き、大気圧を上回る増加された圧力がバッファチャンバ20の中に導入されることをもたらす。次に、ステップ224において、コントローラはブリッジバルブ28を開き、バッファチャンバ20から供給器チャンバ30に液体が通過することを可能にする。この時間のバッファチャンバ20内の増加された圧力は、概して、ブリッジバルブ28が開いているときに、バッファチャンバ20から供給器チャンバ30に液体を押すためには充分である。
【0033】
圧力がバッファチャンバ20の中に導入されたときには、真空処理によって取り除かれなかった、液体内の任意の残りの微細な気泡が、液体の中に溶解し戻る。先に述べたように、これらの微細な気泡は、装置を測定するシステムに対する負の影響を有し得、誤った測定が、装置を測定するシステムによって獲得されるという結果となる。しかしながら、液体はバッファチャンバ20にさらされるので、かなりの量の微細な気泡が、システムを使用して、液体から取り除かれる。
【0034】
システム10の代替の実施形態において、追加のバッファステージとバッファチャンバとが追加され、液体から微細な気泡を取り除くさらなる手段を提供し得る。これらの代替の実施形態において、液体の中へ戻る微細な気泡の溶解を妨げるために、ステージからステージに、圧力におけるほんのわずかな変化が使用され得る。
【0035】
続けて図5を参照すると、ステップ224において、コントローラがブリッジバルブ28を開いた後、ステップ226において、液体が高位レベルにあるということを、供給器チャンバ内のセンサが示すまで、コントローラは供給器チャンバ30内の液体のレベルを監視する。供給器チャンバ内の液体が高位のレベルに到達したときに、ステップ228において、コントローラ40はブリッジバルブ28を閉じる。次に、ステップ230において、コントローラは圧力バルブ22を閉じ、バッファチャンバ20から圧力を取り除く。次に、コントローラ40はステップ204に戻り、バッファチャンバ20内の液体のレベルに関して調べる。液体のレベルが低位である場合には、バッファチャンバ20に対して、再び満たす処理が繰り返される。液体のレベルが低位ではない場合には、チャンバのうちの1つが低位のレベルに到達し、液体がチャンバの中に移送されるべきであるということを示すまで、コントローラはバッファチャンバ20と供給器チャンバ30とを監視し続ける。
【0036】
上に記述された方法において、液体が、システムによって行なわれる次の処理に常に利用可能であるように、システム10は、バッファチャンバ20と供給器チャンバ30との両方において、適切な量の液体を継続的に維持する。液体が供給器チャンバ30において継続的に利用可能であるので、コントローラ40は、分配マニホールド32内の選択的分配バルブ38を開き、必要としているときにいつでも、消費ステーションに液体を供給するように動作可能である。従って、本明細書において記述されたシステムは、複数の消費ステーションに液体を継続的に移送するように動作可能である。さらに、代替の実施形態において、システムは、システムサイクルの様々な段階において、複数の消費ステーションに様々な液体の試薬を移送するように動作可能である。
【0037】
先に述べたように、キャップ50は液体容器14に対して密閉するように設計されている。このようなキャップ50の一実施形態が、図4Aおよび図4Bに示されている。図4Aにおいて、キャップ50は、液体容器に取り付けられずに示されている。キャップ50は、概して、ねじを切られたキャップ部分110と可動なプランジャ部分140とを含む。
【0038】
ねじを切られたキャップ部分110は、概して、硬質プラスチック材料で構成されており、外側垂れ下がりスカート114と内側垂れ下がりスカート116とを有する上側円形プレート112を含む。ホール118が上側円形プレートの中央に形成され、プランジャがキャップ部分110を通過することを可能にする。外側垂れ下がりスカート114は、つぶれることが可能な液体容器14の首よりも大きい直径を有し、該つぶれることが可能な液体容器14に、キャップが取り付けられる。外側垂れ下がりスカート114は、内壁部分の底部付近にねじやま115を含む。キャップ50が、つぶれることが可能な液体容器14の口にねじ込まれることを、外側垂れ下がりスカートのねじやま115が可能にする。
【0039】
内側垂れ下がりスカート116は、容器14の首の直径を下回る直径を有する。内側垂れ下がりスカート116は、外側垂れ下がりスカートほど上側円形プレート112から離れて延びていない。図4Aに示されているように、内側垂れ下がりスカート116が、外側垂れ下がりスカート114のねじやま115のレベルに近いが届かないような、上側円形プレート12からの長さに、内側垂れ下がりスカート116は延びる。引張ばね120が内側垂れ下がりスカート116の中に保持されている。ばね120の一端は、キャップ50の上側プレート112に当たる。
【0040】
キャップ50の可動なプランジャ部分140は、ヘッド148と、円筒形のシャフト部分142と、円筒形のシャフト部分142の端に取り付けられた下側プレート144とを含む。プランジャ140のヘッド148は、外側にぎざぎざ節を有する上部チューブ接続部分146含み、プランジャがチューブ150に接続されることを可能にする。ヘッド148はまた、チューブ接続部分146の下にノブ部分149を含む。ノブ部分149は、大きくされた直径を有しており、該大きくされた直径は、プランジャ部分140がキャップ部分110の上側プレート112におけるホール118を通過することを防止する。
【0041】
円筒形のシャフト部分142は、ヘッド148と一体で形成され、ヘッド148のノブ部分149とプランジャ140の下側プレート144との間に延びる。円筒形の部分142は、円筒形がキャップ部分110の上側プレート112におけるホール118を通過することを可能にするようなサイズにされている。液体がプランジャ部分140を通過することを可能にするように、中央ボア141がプランジャ部分140の全体を通って延びる。
【0042】
下側プレート144は、円筒形のシャフト部分142と一体で形成される。下側プレート144は、キャップ50が密閉される容器14の首の直径と実質的に同一な直径を有する。下側プレート144は、上部の側面/表面151と、底部の側面/表面153とを含む。底部表面153は、第1の円形壁154およびリップ156と共に、シール130を受け取って保持するように適合されたシールシートを形成する。上側表面151は、第2の円形壁152と共に、引張ばね120の端を受け取るように設計されたばねシートを形成する。ばねシート内のばね120に関して、ばね120はキャップ部分110の上側プレート112と下側プレート144の上側表面151との間に捕らえられている。これは上側プレート112から離れるように下側プレート114を付勢する。しかしながら、先に述べたように、プランジャ部分140がキャップ部分110におけるホール118を完全に通過することを防止するような充分なサイズに、ノブ部分149はされている。
【0043】
ここで図4Bを参照すると、キャップ50が容器14の上に置かれ、ねじられたときに、キャップの外側スカート114の内側のねじやま115は、液体容器14の首47の外側部分のねじやまに係合する。ねじやまがさらに係合されると、キャップ50は容器14に固定される。この間に、キャップのシール130が、液体容器14の首47の上の上部のリム/口46に接触する。キャップ50が首47においてねじられると、下側プレート144は、上側プレート112に向けて押され、ばねが圧縮される。圧縮されたばね120は、シール130を押して、口46に対して圧縮し、キャップ50と容器14との間で気密シールを形成する。有利にも、キャップ50は、容器に対してキャップを密閉するために、容器14の首47において完全にねじを切られる必要はない。特に、容器の口46に対してディスク144とシール130とを押す引張ばね120の力は、キャップが容器において幾分緩んだときであっても、キャップ50と容器14との間のシールを可能にする。キャップ50が容器14において完全にねじられて締められると、キャップ50の内側スカート116は、下側プレート144に押され、シールのさらなる圧縮をもたらし、容器14におけるキャップ50のさらなる回転を防止する。
【0044】
図4Aおよび図4Bを参照して上で述べられたように、液体容器14を密閉するように動作可能であるキャップ50が提供される。キャップ50は、先に記述されたような可撓性の液体容器と関連して特に有用である。キャップ50が容器14との確かな密閉を形成するので、余分な追加の空気がシステム10に入ることを許さない。追加の空気がシステム10に入ることを防止することによって、微細な気泡は、システムを使用する、液体の移送および処理において減少される。システム内の微細な気泡の量を減少させることによって、システムによって提供された液体は、さらに正確かつ信頼性のある測定値を作り出す。
【0045】
本発明は、特定の好適な実施形態を参照して記述されてきたが、他の実装および用途が可能であるということを、当業者は理解する。例えば、本明細書において記述されたコントローラの動作は、システムを使用して可能なコントローラの動作の単なる一実施形態である。別の例として、本明細書において記述されている収集キャップは、システムと共に使用され得るキャップの単なる1つのタイプである。さらに、上に記述された他の局面を組み込むことなく獲得され得る、本明細書において記述された個々の進歩に対する利点が存在する。従って、添付の特許請求の範囲の精神および範囲は、本明細書に含まれる好適な実施形態の記述に限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、液体を継続的に移送して処理するシステムの概略図を示す。
【図2】図2は、図1のシステムにおいて使用するチャンバアセンブリの側面断面図である。
【図3A】図3Aは、図1のシステムにおいて使用する満杯にされた液体容器の斜視図である。
【図3B】図3Bは、液体が容器から実質的に使い果たされた、図3Aの液体容器の斜視図である。
【図4A】図4Aは、図3Aの液体容器で使用するキャップの側面断面図である。
【図4B】図4Bは、液体容器に取り付けられた図4Aのキャップの側面断面図である。
【図5】図5は、図1のシステムによって使用される処理を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの容器から少なくとも1つの目的地に液体を移送するために動作可能である液体移送システムであって、該液体移送システムは、
a)該少なくとも1つの容器に通じる少なくとも1つの液体投入ラインと、
b)液体を保持するように適合された第1のチャンバであって、該第1のチャンバは、
i)該液体投入ラインに接続された第1の液体入口ポートと、
ii)真空または圧力に該第1のチャンバをさらすように動作可能である圧力ポートと、
iii)第1の液体出口ポートと
を含む、第1のチャンバと、
c)液体を保持するように適合された第2のチャンバであって、該第2のチャンバは、
i)該第1の液体出口ポートに接続された第2の液体入口ポートと、
ii)該少なくとも1つの目的地に接続された第2の液体出口ポートと、
iii)通気口と
を含む、第2のチャンバと
を備えている、液体移送システム。
【請求項2】
前記液体投入ラインは、第1の部分と複数の第2の部分とであって、該第1の部分と該複数の第2の部分との間に入口マニホールドが配置されている、該第1の部分と複数の第2の部分とを備えており、該第1の部分は、前記チャンバの前記第1の液体入口ポートに接続されている、請求項1に記載の液体移送システム。
【請求項3】
前記入口マニホールドは、前記液体投入ラインの前記複数の第2の部分に接続された複数の入口バルブを備えている、請求項2に記載の液体移送システム。
【請求項4】
前記第2の液体出口ポートに接続された少なくとも1つの分配バルブをさらに備えており、該少なくとも1つの分配バルブは、該第2の液体出口ポートから前記少なくとも1つの目的地に液体を分配するように動作可能である、請求項1に記載の液体移送システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの目的地は、複数の液体消費ステーションを含み、前記少なくとも1つの分配バルブは、該複数の液体消費ステーションへの接続のために適合された複数の分配バルブを含む、請求項4に記載の液体移送システム。
【請求項6】
前記第1のチャンバは、該第1のチャンバ内の液体が第1の低位レベルを上回っているか否かを決定するために動作可能である第1のセンサと、該第1のチャンバ内の液体が第1の高位レベルを上回っているか否かを決定するために動作可能である第2のセンサとを備えている、請求項1に記載の液体移送システム。
【請求項7】
前記第2のチャンバは、該第2のチャンバ内の液体が第2の低位レベルを上回っているか否かを決定するために動作可能である第3のセンサと、該第2のチャンバ内の液体が第2の高位レベルを上回っているか否かを決定するために動作可能である第4のセンサとを備えている、請求項6に記載の液体移送システム。
【請求項8】
前記第1の液体出口ポートと前記第2の入口ポートとの間に接続されたブリッジバルブをさらに備えている、請求項7に記載の液体移送システム。
【請求項9】
複数の入力信号を受信するように動作可能であるマイクロコントローラをさらに備えており、該複数の入力信号は、前記第1のセンサと前記第2のセンサと前記第3のセンサと前記第4のセンサとからの信号を含み、該マイクロコントローラは、該マイクロコントローラによって受信された該複数の入力信号に基づいて、入口バルブ制御信号と分配バルブ制御信号とを配信するように動作可能である、請求項8に記載の液体移送システム。
【請求項10】
前記マイクロコントローラは、真空制御信号と圧力制御信号とを配信するようにさらに動作可能である、請求項9に記載の液体移送システム。
【請求項11】
前記マイクロコントローラは、ブリッジバルブ制御信号を配信するようにさらに動作可能である、請求項10に記載の液体移送システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの液体投入ラインは、該少なくとも1つの液体投入ラインに密閉可能に接続されており、前記少なくとも1つの容器は、可撓性の本体部分で構成されている、請求項1に記載の液体移送システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの容器に前記少なくとも1つの液体投入ラインを密閉するように構成された少なくとも1つのキャップをさらに備えている、請求項1に記載の液体移送システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのキャップは、
a)上側プレートと垂れ下がりスカートとを含むキャップ本体であって、アパーチャが該上側プレートに形成される、キャップ本体と、
b)該上側プレートにおける該アパーチャを通過するプランジャ部分であって、該プランジャ部分は、上面と底面とを含む下側プレートに接続されたシャフトを含み、ガスケットが、該下側プレートの該底面に対して配置されている、プランジャ部分と、
c)該上側プレートと該下側プレートの該上面との間に配置され、それにより該上側プレートから離れるように該下側プレートを付勢するばねと
をさらに備えている、請求項13に記載の液体移送システム。
【請求項15】
前記第1のチャンバ内に配置されたレベルセンサをさらに備えており、該レベルセンサは、該第1のチャンバが高位レベルを上回ったときを決定する、請求項1に記載の液体移送システム。
【請求項16】
前記第2のチャンバ内に配置されたレベルセンサをさらに備えており、該レベルセンサは、該第1のチャンバが高位レベルを上回ったときを決定する、請求項1に記載の液体移送システム。
【請求項17】
少なくとも1つの容器から少なくとも1つの目的地に液体を移送する方法であって、該方法は、
a)該少なくとも1つの容器に液体投入ラインを動作可能に接続することと、
b)第1のチャンバに真空を適用し、該液体投入ラインを通して該少なくとも1つの容器から該第1のチャンバに液体を吸引することと、
c)該第1のチャンバに適用された真空を使用して、該第1のチャンバからガスを抜くことと、
d)該第1のチャンバに圧力を適用することと、
e)該第1のチャンバから第2のチャンバに液体を移送することであって、該第2のチャンバは、通気口を含む、ことと、
f)該第2のチャンバ内の液体を該少なくとも1つの目的地に分配することと
を包含する、方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの容器は、可撓性の本体部分で構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの容器は、複数の容器を備え、前記液体投入ラインは、第1の部分と複数の第2の部分とを備えており、該第1の部分は、前記第1のチャンバに接続されており、該少なくとも1つの容器に該液体投入ライン密閉するステップは、該複数の容器に該複数の第2の部分を密閉することを包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のチャンバ内の液体のレベルを感知するステップをさらに備えており、該第1のチャンバ内の液体のレベルが、該第1のチャンバに対する低位閾値に到達した後に、前記少なくとも1つの容器から該第1のチャンバへ液体を吸引するステップが生じる、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のチャンバ内の液体のレベルが、該第1のチャンバに対する高位閾値に到達した後に、該第1のチャンバに対して圧力を適用するステップが生じる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のチャンバ内の液体のレベルを感知するステップをさらに包含し、該第2のチャンバ内の液体のレベルが、該第2のチャンバに対する低位閾値に到達したときに、前記第1のチャンバから該第2のチャンバに液体を移送するステップが生じる、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のチャンバ内の液体のレベルが、該第2のチャンバに対する高位閾値に到達したときに、前記第1のチャンバから該第2のチャンバに液体を移送するステップが終了する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つの収集キャップが、前記少なくとも1つの容器に対して前記液体投入ラインを密閉するために使用され、該液体投入ラインは、該少なくとも1つの容器に対して密閉され、該少なくとも1つの容器から前記第1のチャンバの中へ液体を吸引するステップの間、該第1のチャンバの中へガスを引き込むことを回避する、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの目的地は、複数の液体消費ステーションを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
複数の目的地に液体を移送する方法であって、該方法は、
a)複数の液体容器を提供することと、
b)複数の入口バルブを介して該複数の液体容器に接続される少なくとも1つのバッファリングチャンバを提供することと、
c)少なくとも1つの供給チャンバを提供することであって、該少なくとも1つの供給チャンバは、チャンバ接続バルブを介して該少なくとも1つのバッファリングチャンバに接続されている、ことと、
d)該チャンバ接続バルブを閉じることと、
e)該複数の液体容器のうちの少なくとも1つから該少なくとも1つのバッファリングチャンバに液体を吸引するために、該複数の入口バルブのうちの少なくとも1つを開き、該少なくとも1つのバッファリングチャンバに真空を適用することと、
f)該ステップe)において開かれた該複数の入口バルブのうちの少なくとも1つを閉じ、該バッファリングチャンバに適用された該真空を使用して、該少なくとも1つのバッファリングチャンバからガスを抜くことと、
g)該少なくとも1つのバッファリングチャンバから該少なくとも1つの供給チャンバに該液体を移送するために、該少なくとも1つのバッファリングチャンバに圧力を適用し、該チャンバ接続バルブを開くことと、
h)該少なくとも1つの供給チャンバ内の該液体を該複数の目的地のうちの少なくとも1つに分配することと
を包含する、方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つのバッファリングチャンバからガスを抜くステップは、該少なくとも1つのバッファリングチャンバに高い真空を適用することを含み、該高い真空は、前記ステップe)において適用された前記真空よりも大きい吸引を、該少なくとも1つのバッファリングチャンバに適用する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記供給チャンバは、複数の分配バルブに接続されており、前記少なくとも1つの供給チャンバ内の前記液体を分配する前記ステップは、該複数の分配バルブのうちの少なくとも1つを開くことをさらに包含する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ステップe)の前に、前記バッファチャンバ内の液体のレベルを検出するステップをさらに備えており、該バッファチャンバ内の前記液体のレベルが低位レベルに到達した後に、該ステップe)は生じる、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つのバッファリングチャンバからガスを抜くステップは、所定の期間行なわれる、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
首とリムとを有する容器から目的地に液体を移送するように動作可能である液体移送システムであって、該液体移送システムは、
a)該容器から液体を吸引するように動作可能であるチューブと、
b)該容器に該チューブを固定するように動作可能であるキャップであって、該キャップは、
i)上側部分と垂れ下がりスカートとを含むキャップ本体であって、アパーチャが該上側部分に形成されている、キャップ本体と、
ii)該キャップ本体の該上側部分における該アパーチャを通過するプランジャであって、該プランジャは下側部分に接続されたシャフトを含み、該下側部分は、上側表面と底部表面とを含む、プランジャと、
iii)該プランジャの該下側部分を該キャップの該上側部分から離れるように、ばねが付勢するように、該キャップ本体の該上側部分と該プランジャの該下側部分の該上側表面との間に配置された該ばねと、
を備えている、キャップと
を備えている、液体移送システム。
【請求項32】
前記プランジャの前記下側部分の前記底部表面に接続されたガスケットをさらに備えている、請求項31に記載の液体移送システム。
【請求項33】
前記キャップ本体の前記垂れ下がりスカートは、ねじを切られており、前記キャップが前記容器の前記首に置かれたときに、前記ガスケットは、該容器の前記リムに対して密閉するように適合されている、請求項32に記載の液体移送システム。
【請求項34】
前記シャフトは中空であり、該シャフトを通る液体の移送を容易にする、請求項33に記載の液体移送システム。
【請求項35】
前記プランジャは、ヘッドをさらに備えており、前記チューブの端は、該プランジャの該ヘッドに接続されている、請求項34に記載の液体移送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−511818(P2009−511818A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535556(P2008−535556)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/038145
【国際公開番号】WO2007/047069
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(507316789)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (34)
【Fターム(参考)】