説明

液体クロマトグラフの自動試料注入装置

【課題】ニードルが破損するなどの事態に至る前に異常を検知する。
【解決手段】しきい値保持部66には圧力センサ38の出力に対応してニードル2が試料瓶46に挿入されるには十分な大きさでニードル2又は試料瓶46が破損するよりも小さい大きさのしきい値を保持する。異常検知手段68はパルスモータ駆動手段62を介してニードル2を試料瓶46に向かって下降させるときの圧力センサ38の出力値を連続的に取り込んでその取り込んだ圧力センサ出力値がしきい値保持部66に保持されたしきい値を超え、かつ圧力センサ出力値が極大点を過ぎたことにより異常を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体クロマトグラフに試料を自動的に注入するオートサンプラと称される自動試料注入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフの自動試料注入装置として、測定用の試料が入った試料瓶をラック内に設置し、ニードルによりラック内の試料瓶から試料を吸引し、その後ニードルが液体クロマトグラフの試料注入口まで移動して試料を注入するものがある。自動試料注入装置のニードルは水平面内を移動して目的の試料瓶上に位置決めされ、その位置で下降してニードル先端が試料瓶に挿入されて試料を吸引する。その後、ニードルは上昇して再度水平面内を移動して試料注入口の上部に位置決めされ、その位置で下降して試料注入口に試料に注入する。
【0003】
これまでの自動試料注入装置は、図8(A)に示されるように、ニードル2にバネ4とセンサ6が具備されている。センサ6は固定された保持部側に取りつけられたホトインタラプタ6aと、ニードル2とともに移動するニードル支持部側に取りつけられたアクチュエータ6bとからなる。バネ4の強さはニードル2が試料瓶の入口を封止しているセプタムを貫通する力では収縮せず、ガラス瓶や金属部材などの硬い物体9に当たってニードルが曲がる程度の大きさの力が作用すると収縮するような強さに設定されている。そのため、ニードル2がセプタム8を貫通して試料瓶に正常に挿入されるときは(A)のようにバネ4は収縮しないためにセンサ6は作動せず、ニードル2がガラス瓶などの異物9に当たって一定以上の応力がニードル2に加わると(B)から(C)のようにバネ4が縮むことでセンサ6が作動する。このセンサ6が作動することによりニードル2の下降動作を停止させている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−243881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなセンサ6を用いた異常検知機構は、ニードル2に加わる応力の時間的変化を捉えることができないため,ニードル2が下降した際に、試料瓶の壁面にニードル先端があたってしまったり、試料瓶底面にニードルが接触するなど非正常な動作に至った際、センサ6が機能するまでニードル2は下降し続ける。その結果、ニードル2が破損したり、試料瓶が破損してしまうなどの問題が生じる。
【0006】
本発明は、ニードル2を下降させる際に、ニードル2が破損するなどの事態に至る前に異常を検知することのできる機構を備えた自動試料注入装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、ニードルに加わる応力を測定するための圧力センサを取りつけ、その圧力値をモニタしながらニードルの下降距離を制御する。すなわち、ニードルに加わる応力値を連続的に収集し、収集した応力値から異常を検知してニードルや試料瓶が破損する前にニードルの移動を停止させる。
【0008】
すなわち、本発明の自動試料注入装置は、ニードルと、前記ニードルを通して試料の吸引と吐出を行うポンプと、複数の試料瓶が配置されたサンプルラックと、パルスモータにより駆動され前記ニードルを前記サンプルラック内の選択された試料瓶の位置及び液体クロマトグラフの試料注入口の位置を少なくとも含む複数の位置の間で移動させるニードル移動機構と、前記ニードルに加わる垂直方向の応力を検知する圧力センサと、前記ニードルによる試料注入動作を制御する制御部とを備えている。
【0009】
前記制御部は、前記ニードル移動機構のパルスモータの駆動を制御するパルスモータ駆動手段、前記ポンプの駆動を制御するポンプ駆動手段、前記圧力センサの出力に対応して前記ニードルが試料瓶に挿入されるには十分な大きさで前記ニードル又は試料瓶が破損するよりも小さい大きさのしきい値を保持するしきい値保持部、及び前記パルスモータ駆動手段を介して前記ニードルを試料瓶に向かって下降させるときの前記圧力センサの出力値を連続的に取り込んでその取り込んだ圧力センサ出力値が前記しきい値保持部に保持されたしきい値を超え、かつ圧力センサ出力値が極大点を過ぎたことにより異常を検知する異常検知手段を備えている。そして、前記制御部は、ニードルを下降させるためのパルスモータへの送出パルス信号のパルス数がニードルを試料瓶に挿入するためのパルス数に到達する前に前記異常検知手段により異常が検知されなかったときは前記ポンプ駆動手段を介して前記ポンプによる試料の吸引動作を行い、異常が検知されたときはニードルを下降させるためのパルスモータへのパルス信号の送出を停止し、異常を報知する信号を出力するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明ではニードルや試料瓶が破損する位置までニードルを下降させた後に異常を検知するのではなく、圧力センサによりニードルにかかる応力を連続して監視し、しきい値と応力の時間変化により異常を検知するようにしたので、ニードルや試料瓶が破損する前にニードルの移動を停止させることができる。
【0011】
また、本来、ニードルに応力が発生すべき位置以外の位置でニードルへの応力が検知された場合、ニードルと試料瓶の間に何か異物があることが検出できるなど異物検出機能としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施例の自動試料注入装置の概観図である。
【図2】同実施例の内部構造を示す図であり、(A)は概略的な斜視図、(B)はその中のニードルアセンブリの内部構造を詳細に示した斜視図である。
【図3】ニードル部分を示す正面断面図である。
【図4】制御部を示すブロック図である。
【図5】一実施例の動作を示すフローチャートである。
【図6】動作時の応力とニードルの状態を時系列に示す図である。
【図7】他の実施例におけるニードル部分を示す正面断面図である。
【図8】従来の自動試料注入装置における異常検知動作時のニードル部分を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は一実施例の自動試料注入装置の外観図である。筐体10の前面には開閉可能な扉12が設けられており、その扉12を開けるとサンプルラック14を出し入れできるようになっている。サンプルラック14には複数の試料瓶が配置される。自動試料注入装置の機構はこの筐体の内部に設置されており、外部からは見ることができない。
【0014】
その内部の構造を図2に示す。(A)は概略的な斜視図であり、(B)はその中のニードルアセンブリ20の内部構造を詳細に示したものである。ニードルアセンブリ20は内部にニードル2を備えている。ニードルアセンブリ20は支持台22に取りつけられている。支持台22はガイドレール24に沿ってX方向に移動可能に支持されており、X方向駆動用のパルスモータ26によりベルト28を介してX方向に移動させられる。支持台22はガイドレール30に沿ってY方向に移動可能に支持されており、支持台22は駆動用のパルスモータ(図には表れていない)によりY方向に移動させられる。
【0015】
図3に示されるように、ニードル2はニードルアセンブリ20内でニードル取り付け部32に固定され、取り付け部32はZ方向に移動する駆動部34によりZ方向に摺動可能に取り付けられている。取り付け部32と駆動部34の間にはコイルバネ36が圧縮状態に挿入され、バネ36と取り付け部32との間には圧力センサ38が設けられている。駆動部34が下方向に移動することに伴って取り付け部32も下方向に移動する。圧力センタ38はバネ36と取り付け部32の間に働く応力、すなわちニードル2に働く応力を検知するためのものであり、例えば薄型ダイアフラムを用いたものや静電容量を検知するものなどが用いられている。
【0016】
駆動部34を介してニードル2を下降させるZ方向の移動機構として、ニードルアセンブリ20の筐体40の上部にZ方向駆動用のパルスモータ(図2(B)では現れていない)が設けられており、そのパルスモータにより回転が駆動される棒ネジ42が垂直方向に取り付けられている。棒ネジ42が回転することにより、棒ネジ42と螺合している駆動部34が上下方向に移動する。
【0017】
ニードル2の基端部は取付部32を貫通し、ニードル2を通して試料の吸引と吐出を行うポンプにつながれている。
【0018】
図2(A)に示されるように、ニードルアセンブリ20の移動範囲の下方にはサンプルラック14と、液体クロマトグラフの流路切換えバルブ44が配置されている。
【0019】
サンプルラック14は図1に示されているように、平面内でスライドして筐体10の全面から出し入れできるようになっており、サンプルラック14の複数の穴にはそれぞれ試料瓶46が嵌め込まれて保持されるようになっている。試料瓶46は内部に試料を収容し、上部開口部がニードルで貫通可能なセプタムで封止されている。
【0020】
流路切換えバルブ44は六方バルブである。流路切換えバルブ44の1つのポートには液体クロマトグラフの移動相を供給する流路が接続され、他の1つのポートにはカラムが接続され、他の2つのポートの間には注入された試料を計量するためのサンプルループが接続され、更に他の1つのポートには試料注入口であるインジェクションポート50が取り付けられており、残りのポートは不要な液を排出するためのドレインポートである。流路切換えバルブ44で試料を注入するときは、インジェクションポートがサンプルループを介してドレインに接続されるようにしておき、インジェクションポートから試料を注入して所定量をサンプルループに採取する。その後サンプルループを移動相流路とカラムの間に接続されるように切り換え、サンプルループに採取した試料を移動相によりカラムへ導いて分離と分析を行う。
【0021】
ニードル2はニードルアセンブリ20によってXY方向とZ方向に移動することができ、サンプルラック14の任意の試料容器46の位置、切換えバルブに設けられたインジェクションポート50の位置及びニードル2を洗浄するための洗浄ポート52の位置の上を少なくとも移動するように、X、Y、Z方向のそれぞれのパルスモータを含むニードル移動機構により移動が制御される。
【0022】
図1の装置の内部にはニードルの移動、ニードルによる試料の吸引と吐出の動作の制御、及び切換えバルブ44の流路切換えの動作の制御を行う制御装置が設けられている。制御装置はこの自動試料注入装置に専用のマイクロコンピュータとして設けられたものであるが、汎用のパーソナルコンピュータやその他のコンピュータにより実現することもできる。
【0023】
制御装置はその機能が図4に示されるものであり、ニードル移動機構63のパルスモータの駆動を制御するパルスモータ駆動手段62、ニードル2用のポンプ60の駆動を制御するポンプ駆動手段64、圧力センサ38の出力に対応してニードル2が試料瓶46に挿入されるには十分な大きさでニードル2又は試料瓶46が破損するよりも小さい大きさのしきい値を保持するしきい値保持部66、及びパルスモータ駆動手段62を介してニードル2を試料瓶46に向かって下降させるときの圧力センサ38の出力値を連続的に取り込んでその取り込んだ圧力センサ出力値がしきい値保持部66に保持されたしきい値を超え、かつ圧力センサ出力値が極大点を過ぎたことにより異常を検知する異常検知手段68を備えている。ニードル移動機構63はニードルアセンブリ20をX方向とY方向に移動させる機構と、ニードル2をZ方向に移動させる機構を含んだものである。そして、制御装置70は、ニードル2を下降させるためのパルスモータへの送出パルス信号のパルス数がニードルを試料瓶46に挿入するためのパルス数に到達する前に異常検知手段68により異常が検知されなかったときはポンプ駆動手段64を介してポンプ60による試料の吸引動作を行い、異常が検知されたときはニードル2を下降させるためのパルスモータへのパルス信号の送出を停止し、異常を報知する信号を出力する。
【0024】
次に、図5と図6を参照してこの実施例においてニードル2の下降中の異常を検知するための動作を説明する。
【0025】
操作に先立ち、しきい値保持部66には、キーボードなどの入力装置からニードル2が試料瓶46の開口部を封止しているセプタムを貫通するときの応力よりも大きな応力値で、かつニードル2が異物に当たっても破損されない程度の応力値をしきい値P0として設定しておく。このしきい値P0は予め実験により定めておく。
【0026】
ニードル2の下降を開始する(ステップS1)と、制御装置70は圧力センサ38から圧力検出値を取り込み(ステップS2)、しきい値保持部66に設定されているしきい値P0と比較する(ステップS3)。その取り込んだ圧力センサの検出値がしきい値を超えていなければ、ニードル2を下降させるためのパルスモータに供給するパルス信号のパルス数がニードル2を試料瓶46に挿入するために必要な所定のパルス数に到達していない間は、更にニードルを下降させる(ステップS4→S5→S1)。ニードル2の下降中は圧力センサ38による圧力検出値の取込みとしきい値P0との比較を繰り返していく。
【0027】
圧力検出値がしきい値P0を超えない状態で試料の吸入に必要な位置までニードル2を下げるための所定のパルス数まで到達すると(ステップS5)、ニードル2は正常に試料瓶46に挿入されたこととなるので、ポンプ駆動手段64によりポンプ60が作動させられて、ニードル動作が開始される(ステップS6)。ニードル2による所定量の試料の吸入が終わるとニードル2は上昇させられ、ニードルアセンブリ20はホームポディションに戻る(ステップS7)。
【0028】
一方、ニードル2の下降中にニードル下降用のパルスモータに供給したパルス信号のパルス数が所定のパルス数に到達する前に、圧力センサ38による圧力値がしきい値P0を超えた場合(ステップS4)、そのときの圧力値が連続的に取り込んできた圧力値によるピーク値を超えたか否かを判定する(ステップS8)。ピークを超えていなければ、更にニードル2を下降させ(ステップS5→S1)、同様に圧力値の取込みとしきい値P0との比較及びピークを超えたか否かの判定を繰り返す(ステップS8→S5→S1)。圧力センサ38による圧力値がしきい値P0を超えても、必ずしも異物に当たったとは限らないので、ピークを超えるまではニードル2の下降を続け、ニードル2を下げるためのパルスモータに供給したパルス信号のパルス数が所定のパルス数に到達すれば、正常に試料瓶にニードル先端が挿入されたものとしてニードル2による正常な吸引動作を行い、ニードルアセンブリ20をホームポディションに戻して終了となる(ステップS8→S5→S6→S7)。
【0029】
一方、しきい値を超えてニードル2を下降させていったときに、圧力センサによる検出値がピークを超えると(ステップS8)、その時点で異物に当たっていると判定し、ニードル2の下降動作を停止する(ステップS9)。そして使用者に異常を報知する(ステップS10)。異常の報知はディスプレイに表示したり、音声によって警告を発するなどの手段で行う。又はプリンタに異常が発生したことを出力するようにしてもよい。
【0030】
この実施例の動作を図6で表す。(A)はニードル2を下げて行ったときにニードル2にかかる応力の時間変化を示したもの、(B)はニードル2が試料瓶の開口部を封止しているセプタム8に正常に挿入されるときの様子を示したものである。そのときのニードル2にかかる応力値の時間変化は図6(A)の(a)に示されたようになる。すなわち、ニードル2の先端がセプタム8に当たり、ニードル先端がセプタム8に入り込むまでの間はバネ36が収縮していくとともに応力が直線的に増加していく。やがてニードル先端がセプタム8中に入ると、セプタム中を進むための応力がほぼ一定値となり、応力値は時間に対しほぼ水平な状態となる。その後、ニードル先端がセプタム8の反対側に出ると、ニードル2にかかる応力はニードル2の側面とセプタム8の穴の内面との摩擦力となる。それはニードル先端がセプタム8を突き進む応力よりも小さくなって、図6(A)(a)の低い応力値の平坦な直線で示されるような状態となる。
【0031】
この実施例では応力値がしきい値を超えないでニードル2を下降させるためのパルスモータのパルス数が所定の値に到達したことをもってニードル2が正常に下降したと判定しているが、図6(A)の(a)に示されるような応力値の時間変化のパターンを制御装置に記録しておき、ニードル2の下降に伴う応力のパターンとの比較から正常であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0032】
一方、図6(C)に示されるように、ニードル先端が試料瓶46や金属部材などの異物9に当たった場合は、圧力センサ38により検出される応力値は、図6(A)の(b)で示されるように、ニードル先端が異物9に当たってからバネ36が収縮するとともに応力値が連続的に上昇していき、やがてしきい値P0超える。更に下降させるために駆動部34を下降させていくと、ニードル2は異物9には進入できないのでバネ36がさらに収縮するとともに圧力センサ38による応力検出値もさらに増大していく。やがてニードル2が変形を始めると、応力値が下がり始め、時間に対する応力値の変化はピークを過ぎて減少を始める。制御装置70は圧力センサ38の出力値を連続的に取り込んで時間的な変化を監視していることにより、圧力センサ38の出力値がピークを過ぎた時点Xを検知することができる。制御装置70は応力値がピークを過ぎたその時点Xを検知したことにより異常があったと判定し、この時点Xでニードル2の下降を停止する。これにより、ニードル2は損傷することがない。もし、この時点Xで停止しないでさらにニードル2を下降させると、図6(A)の(b)の曲線の鎖線部に示されるように応力が低下していき、図6(C)に示されるようにニードル2の変形量が大きくなって塑性変形となり、ニードル2が損傷又は破損してしまう。
【0033】
図7は他の実施例を示したものである。図3の実施例ではニードル移動機構はニードル2のZ方向の移動をニードル2を下降させる方向に移動させるものであるのに対し、図7に示される実施例は、ニードル2の垂直方向は固定しておき、サンプルラックの側を上方向に移動させるようにしたものである。この場合もニードル2に働く応力を圧力センサ38によって検出する点は同じである。
【符号の説明】
【0034】
2 ニードル
20 ニードルアセンブリ
38 圧力センサ
46 試料瓶
60 ニードル用のポンプ
62 パルスモータ駆動手段
63 ニードル移動機構
64 ポンプ駆動手段
66 しきい値保持部
68 異常検知手段
70 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニードルと、
前記ニードルを通して試料の吸引と吐出を行うポンプと、
複数の試料瓶が配置されたサンプルラックと、
パルスモータにより駆動され前記ニードルを前記サンプルラック内の選択された試料瓶の位置及び液体クロマトグラフの試料注入口の位置を少なくとも含む複数の位置の間で移動させるニードル移動機構と、
前記ニードルに加わる垂直方向の応力を検知する圧力センサと、
前記ニードルによる試料注入動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記ニードル移動機構のパルスモータの駆動を制御するパルスモータ駆動手段、前記ポンプの駆動を制御するポンプ駆動手段、前記圧力センサの出力に対応して前記ニードルが試料瓶に挿入されるには十分な大きさで前記ニードル又は試料瓶が破損するよりも小さい大きさのしきい値を保持するしきい値保持部、及び前記パルスモータ駆動手段を介して前記ニードルを試料瓶に向かって下降させるときの前記圧力センサの出力値を連続的に取り込んでその取り込んだ圧力センサ出力値が前記しきい値保持部に保持されたしきい値を超え、かつ圧力センサ出力値が極大点を過ぎたことにより異常を検知する異常検知手段を備えており、
前記制御部は、ニードルを下降させるためのパルスモータへの送出パルス信号のパルス数がニードルを試料瓶に挿入するためのパルス数に到達する前に前記異常検知手段により異常が検知されなかったときは前記ポンプ駆動手段を介して前記ポンプによる試料の吸引動作を行い、異常が検知されたときはニードルを下降させるためのパルスモータへのパルス信号の送出を停止し、異常を報知する信号を出力するものである自動試料注入装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−22086(P2011−22086A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−169298(P2009−169298)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】