説明

液体供給システム、および液滴吐出装置

【課題】撹拌子の衝突音を低減すると共に、液体の撹拌効率に優れた、液体供給システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る液体供給システムの態様の1つは、液体を収容する液体収容部と、液体を吐出する吐出ヘッドと、液体供給管を介して液体収容部および吐出ヘッドに接続された撹拌容器と、を有し、吐出ヘッドおよび撹拌容器は、主走査方向に往復運動可能なキャリッジに搭載されており、撹拌容器は、その内壁面に接続されたコイルばねと、その内部に撹拌子と、を備えており、コイルばねは、第1コイルばねと、第2コイルばねと、を含み、第1コイルばねおよび第2コイルばねは、主走査方向に沿って対向するように配置され、かつ、主走査方向に撹拌子によって付勢可能に接続されており、キャリッジの往復運動に連動して、撹拌子が撹拌容器の内部を移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給システムおよび液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクを収容するインクタンクからインク供給管を介して、インクを吐出可能な吐出ヘッドに供給するインク供給システムについて知られている。このようなインク供給システムを用いた場合、吐出ヘッドにインクの供給が行われた後、インクの供給が長時間行われないと、インク供給管の流路内に残留したインクに含まれる成分が沈降することがある。インクに含まれる成分が沈降すると、再度吐出ヘッドにインクを供給する際に、吐出ヘッドにインクの安定供給ができなかったり、吐出不良が発生したりすることがある。
【0003】
特に、インクの成分として無機顔料(例えば酸化チタン等)や金属顔料(例えばアルミニウム)等を含む場合には、溶媒との比重差の点から、これらの顔料が沈降しやすいという問題がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、インク流路内に常に一定量のインクを保持させるサブタンクを設けたインク供給システムについて記載されている。また、特許文献1には、サブタンク内のインクを撹拌するためにサブタンク内に撹拌球を設けること等について記載されている。このようなサブタンクを設けることによって、インクに含まれる顔料等の成分の沈降を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−272648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の従来技術では、撹拌時にサブタンクの内壁に撹拌球が衝突したとき、衝突音を発生することがある。
【0007】
本発明のいくつかの態様にかかる目的の1つは、上記課題を解決することによって、撹拌子の衝突音を低減すると共に、液体の撹拌効率に優れた、液体供給システムを提供することにある。
【0008】
本発明のいくつかの態様にかかる目的の1つは、上記液体供給システムを含む液滴吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
【0010】
[適用例1]
本発明に係る液体供給システムの態様の1つは、
液体を収容する液体収容部と、
前記液体を吐出する吐出ヘッドと、
液体供給管を介して前記液体収容部および前記吐出ヘッドに接続された撹拌容器と、
を有し、
前記吐出ヘッドおよび前記撹拌容器は、主走査方向に往復運動可能なキャリッジに搭載されており、
前記撹拌容器は、その内壁面に接続されたコイルばねと、その内部に撹拌子と、を備えており、
前記コイルばねは、第1コイルばねと、第2コイルばねと、を含み、
前記第1コイルばねおよび前記第2コイルばねは、前記主走査方向に沿って対向するように配置され、かつ、前記主走査方向に前記撹拌子によって付勢可能に接続されており、
前記キャリッジの往復運動に連動して、前記撹拌子が前記撹拌容器の内部を移動する。
【0011】
適用例1の記載の発明によれば、撹拌容器内にコイルばねを有するため、撹拌子は、撹拌容器内を移動してコイルばねに接触することによって反発力を得ることができる。これにより、撹拌容器内の液体を効率よく撹拌することができる。
【0012】
また、適用例1の記載の発明によれば、撹拌子は、コイルばねによって撹拌容器の内壁に衝突することを低減することができる。これにより、撹拌子26の移動によって発生する衝突音を低減できる。
【0013】
[適用例2]
適用例1において、
さらに、前記第1コイルばねおよび前記第2コイルばねは、前記内壁面に接続された一端とは反対側の他端に弾性部材を有することができる。
【0014】
適用例2に記載の発明によれば、弾性部材は、撹拌子との接触における反発力を高めて撹拌効率を向上させつつ、接触による衝突音をより低減させることができる。
【0015】
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記液体は、沈降し得る成分を含むことができる。
【0016】
適用例3に記載の発明によれば、撹拌容器内にコイルばねを有しているので、撹拌効率に優れ、沈降し得る成分の沈降を低減させることができる。
【0017】
[適用例4]
適用例3において、
前記沈降し得る成分は、無機顔料、金属顔料、および中空樹脂粒子から選択される少なくとも1種であることができる。
【0018】
適用例4に記載の発明によれば、撹拌容器内にコイルばねを有しているので、撹拌効率に優れ、上記成分の沈降を低減させることができる。
【0019】
[適用例5]
本発明に係る液滴吐出装置の態様の1つは、
適用例1ないし適用例4のいずれか1例に記載の液体供給システムを含む。
【0020】
適用例5に記載の発明によれば、上記のいずれか1例の液体供給システムを含むので、液体の撹拌効率に優れ、液体の成分組成比のばらつきが低減され、液体を安定供給できる。
【0021】
[適用例6]
適用例5において、
前記キャリッジの往復運動は、前記撹拌子を連動させることによって、該撹拌子を前記第1コイルばねおよび前記第2コイルばねに交互に接触させて付勢させる第1動作を備えることができる。
【0022】
適用例6に記載の発明によれば、撹拌子が効率よく撹拌容器内を移動できるので、液体をより効率的に撹拌することができる。
【0023】
[適用例7]
適用例6において、
さらに、前記キャリッジの往復運動は、前記吐出ヘッドから前記液体を吐出させる第2動作を備え、
前記第1動作は、前記キャリッジの移動速度および移動距離から選択される少なくとも一方について、前記第2動作とは異なることができる。
【0024】
適用例7に記載の発明によれば、より効率的に液体の撹拌を行うことができる。
【0025】
[適用例8]
適用例7において、
前記第1動作は、前記第2動作の前に行われることができる。
【0026】
適用例8に記載の発明によれば、液体を吐出する前に、撹拌容器内の液体を撹拌できるので、成分組成比のばらつきが低減された液体を吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る液体供給システムを模式的に示す断面図。
【図2】本実施形態に係る液体供給システムにおける撹拌容器を模式的に示す斜視図。
【図3】本実施形態に係る液滴吐出装置を模式的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0029】
1.液体供給システム
本発明に係る液体供給システムは、液体を収容する液体収容部と、前記液体を吐出する吐出ヘッドと、液体供給管を介して前記液体収容部および前記吐出ヘッドに接続された撹拌容器と、を有し、前記吐出ヘッドおよび前記撹拌容器は、主走査方向に往復運動可能なキャリッジに搭載されており、前記撹拌容器は、その内壁面に接続されたコイルばねと、その内部に撹拌子と、を備えており、前記コイルばねは、第1コイルばねと、第2コイルばねと、を含み、前記第1コイルばねおよび前記第2コイルばねは、前記主走査方向に沿って対向するように配置され、かつ、前記主走査方向に前記撹拌子によって付勢可能に接続されており、前記キャリッジの往復運動に連動して、前記撹拌子が前記撹拌容器の内部を移動するものである。
【0030】
図1は、本実施形態に係る液体供給システム100を模式的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係る液体供給システム100における撹拌容器20を模式的に示す斜視図である。以下、図1および図2を参照しながら、本実施形態に係る液体供給システム100について説明する。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係る液体供給システム100は、液体収容部10と、撹拌容器20と、液体供給管30と、吐出ヘッド40と、を有している。撹拌容器20および吐出ヘッド40は、キャリッジ50Aに搭載されている。撹拌容器20は、コイルばね22と、撹拌子26と、を備えている。キャリッジ50Aは、主走査方向MSDに往復運動可能である。
【0032】
1.1.液体収容部
液体収容部10は、液体を収容している。図1に示すように、液体収容部10は、液体供給管30aを介して撹拌容器20と接続されている。これによって、液体を撹拌容器20に供給することができる。
【0033】
液体収容部10は、消費した液体を再度補充できるような構造であることが好ましく、液体供給システム100の作動中に液体を補充できる構造であることがより好ましい。液体供給システム100の作動を中止せずに液体収容部10に液体を補充することにより、作業効率を向上させることができる。
【0034】
本明細書中における液体収容部10に収容されている液体とは、溶液に限らず、サスペンジョン、エマルジョン等の分散体も含まれる。例えば、液体収容部10に収容されている液体としては、インク組成物、有機ELディスプレー用材料、液晶ディスプレー等のカラーフィルター用材料、FED(面発光ディスプレー)用材料、電気泳動ディスプレー等の電極やカラーフィルター用材料、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料等が挙げられる。
【0035】
また、液体収容部10に収容されている液体は、沈降し得る成分を含むことができる。沈降し得る成分とは、分散媒に対する比重が高い成分であって、インク組成物にあっては、例えば、無機顔料、金属顔料、および中空樹脂粒子から選択される少なくとも1種であることができる。
【0036】
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラックなどを挙げることができる。
【0037】
金属顔料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン等の単体、またはそれらの合金などを挙げることができる。
【0038】
中空樹脂粒子としては、例えば、米国特許第4880465号や特許第3562754号などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を挙げることができる。なお、中空樹脂粒子とは、例えば、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されているものである。中空樹脂粒子は、白色顔料として使用することができる。
【0039】
以下、液体収容部10に収容される液体として代表的に使用される白色インク組成物について説明する。例えば、白色インク組成物には、白色顔料として上記の中空樹脂粒子を用いることができる。中空樹脂粒子の含有量は、白色インク組成物の全質量に対して、好ましくは5質量%以上20質量%以下、より好ましくは8質量%以上15質量%以下である。中空樹脂粒子の含有量が上記範囲を超えると、吐出ヘッド20の目詰まり等が発生する場合がある。また、中空樹脂粒子の含有量が上記範囲未満であると、白色度が不足する場合がある。
【0040】
白色インク組成物は、顔料を定着させる樹脂を含むことができる。樹脂としては、アクリル系樹脂(例えば、アルマテックス(三井化学社製))、ウレタン系樹脂(例えば、WBR−022U(大成ファインケミカル社製))等が挙げられる。樹脂の含有量は、白色インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上3質量%以下である。
【0041】
白色インク組成物は、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。アルカンジオールやグリコールエーテルは、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
【0042】
アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどの炭素数が4以上8以下の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。これらの中でも炭素数が6以上8以下の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いためより好ましい。
【0043】
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。これらの中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
【0044】
これらのアルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種の含有量は、白色インク組成物の全質量に対して、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
【0045】
また、白色インク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
【0046】
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
【0047】
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
【0048】
さらに、白色インク組成物には、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
【0049】
上記界面活性剤の含有量は、白色インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上0.5質量%以下である。
【0050】
白色インク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、例えば、白色インク組成物をインクジェット式記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
【0051】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
【0052】
上記多価アルコールの含有量は、白色インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。
【0053】
白色インク組成物は、溶媒として水を含有することができる。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
【0054】
さらに、白色インク組成物は、必要に応じて、水溶性ロジンなどの定着剤、安息香酸ナトリウムなどの防黴剤・防腐剤、アロハネート類などの酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤などの添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0055】
なお、白色インク組成物として、水系インク組成物を例として説明しているが、紫外線硬化型インク等を用いてもよい。紫外線硬化型インクを用いる場合には、沈降し得る成分として、例えば、光重合開始剤等を挙げることができる。
【0056】
1.2.液体供給管
液体供給管30は、図1および図2の例では、液体供給管30aと液体供給管30bとから構成されている。図1および図2の例では、液体供給管30aは、液体収容部10と、撹拌容器20と、を接続している。液体供給管30aは、液体収容部10に収容されている液体を撹拌容器20に供給することができる。図1および図2の例では、液体供給管30bは、撹拌容器20と、吐出ヘッド40と、を接続している。液体供給管30bは、撹拌容器20に供給された液体を吐出ヘッド40に供給することができる。
【0057】
液体供給管30の形状としては、特に限定されないが、以下のものを挙げることができる。例えば、液体収容部10および吐出ヘッド20を単純な直線で結ぶ直線状、たるんだ形状、局所的に高い部分と低い部分とが交互に繰り返される部分を含む波形状、および複数のループが連結される部分を含むループ状等を挙げることができる。
【0058】
液体供給管30の内部には、液体の流動方向に沿ってねじられた仕切り部(図示せず)が設けられていてもよい。仕切り部は、液体供給管30内に導入された液体を撹拌する機能を有している。液体供給管30に導入された液体は、ねじれ構造である仕切り部に沿うように液体供給管30内を進み、吐出ヘッド20に供給される。これによって、液体供給管30内の液体を充分に撹拌することができる。
【0059】
液体供給管30の材質としては、可撓性を有するものであれば特に限定されるものではく、エラストマー等を挙げることができる。エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、合成ゴム等の加硫ゴムや、塩化ビニル系、スチレン系、オレフィン系、シリコーン系、フッ素系等のエラストマーを挙げることができる。
【0060】
液体供給管30の内径は、液体供給システム100の用途等に合わせて決定することができ、特に限定されない。例えば、液体供給システム100を後述する液滴吐出装置200に適用する場合には、液体供給管30の内径は、好ましくは2mm以上5mm以下であり、より好ましくは2mm以上4mm以下である。
【0061】
1.3.撹拌容器
撹拌容器20は、図1および図2に示すように、その内壁部に接続されたコイルばね22と、その内部に撹拌子26と、を有する。また、コイルばね20は、主走査方向MSDに沿って対向するように配置され、かつ、主走査方向MSDに撹拌子によって付勢可能に接続されている、第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bを有する。
【0062】
図1および図2の例では、撹拌容器20は、液体供給管30aを介して液体収容部10に接続されている。撹拌容器20および液体供給管30aの接続部分J1は、後述するJ2以外の部分に形成されるのであれば、撹拌容器20のいずれの部分に設けられてもよい。
【0063】
また、図1および図2の例では、撹拌容器20は、液体供給管30bを介して吐出ヘッド40に接続されている。また、撹拌容器20および液体供給管30bの接続部分J2は、J1以外の部分に形成されるのであれば、撹拌容器20のいずれの部分に設けられてもよい。
【0064】
撹拌容器20の取り付けられている向きや角度等は、撹拌子26がキャリッジ50Aの往復運動に連動するのであれば、特に限定されるものではない。また、撹拌容器の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、直方体形状、円筒形状、楕円筒形状等であることができる。
【0065】
撹拌容器20の形状を直方体形状とする場合には、図2のように主走査方向MSDに延びる辺の長さをこれと直交する辺の長さより長くして、撹拌子26が撹拌容器20内を往復移動する際に、コイルバネ22に確実に接触するようにすることが好ましい。
【0066】
また、撹拌容器20の形状を円筒形状や楕円筒形状とする場合には、主走査方向MSDと直交する撹拌容器20の断面形状が円形または楕円形となるように設置し、かつ、主走査方向MSDに沿った撹拌容器20の長さがこれと直交する断面の直径よりも長いものを用いることが好ましい。特に、撹拌容器20の長手方向とキャリッジ50Aの主走査方向MSDとが平行になるように撹拌容器20を設置すると、撹拌子26が撹拌容器20の底部に溜まった沈降物に接触しやすくなり、撹拌子26の移動によって沈降物を効率的に撹拌することができる。
【0067】
撹拌容器20は、複数設けられていてもよい。撹拌容器20が複数設けられていることによって、液体の撹拌効率を向上させることができる。また、撹拌容器20は、その内部に撹拌子26を複数備えていてもよい。これによって、撹拌容器20に供給された液体の撹拌効率を向上させることができる。
【0068】
撹拌子26は、キャリッジ50Aの往復運動に連動して、撹拌容器20の内部を移動して、撹拌容器20に供給された液体を撹拌することができる。撹拌子26の軌道および移動方向は、キャリッジ50Aの往復運動、撹拌容器20への液体供給量、撹拌容器20の取り付けられている向きや角度、撹拌容器の形状等によって決定される。
【0069】
撹拌子26の形状としては、撹拌容器20内を移動できる形状であればよく、例えば、球形、ラグビーボール型、円柱型などを挙げることができる。また、撹拌子26は、撹拌容器20に供給される液体の比重よりも高い比重の材質を用いることが好ましく、2.5g/cm以上の比重の材質を用いることがより好ましい。例えば、撹拌子26の材質としては、ケイ酸塩を主成分とするガラスや、酸化ジルコニウム等を挙げることができる。撹拌子26の比重が撹拌容器20に供給される液体の比重よりも高いことによって、撹拌容器20に沈降した成分の撹拌を効果的に行うことができる。
【0070】
図1および図2に示すように、コイルばね22は、撹拌容器20の内壁部に接続されている。コイルばね22は、撹拌子26に接触することにより付勢される。撹拌子26は、コイルばね22の付勢によって発生する反発力を利用して移動できるので、液体の撹拌効率を向上させることができる。また、撹拌子26は、撹拌容器20の内壁部に直接衝突する場合に比べて、コイルばね22に接触する方が衝突により発生する衝突音を低減することができる。
【0071】
また、コイルばね20は、第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bを有する。第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bは、主走査方向MSDに沿って対向するように配置され、かつ、主走査方向MSDに撹拌子26によって付勢可能に接続されている。具体的には、第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bは、図1および図2に示すように、それぞれ撹拌容器20に接続された面に向かって付勢可能に設けられている。
【0072】
第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bが主走査方向MSDに沿って対向するように配置され、かつ、主走査方向MSDに付勢可能に撹拌容器20の内壁に接続されていると、後述の「1.5.撹拌動作」に記載するように、撹拌容器20内の液体をより効率的に撹拌することができる。
【0073】
第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bとしては、後述する「1.5.撹拌動作」において撹拌子26の動作を容易に制御できるような、ばね定数、巻き径、巻き数、長さ、および素材等のものを選択することが好ましい。
【0074】
コイルばね20は、撹拌容器20の内壁面に接続された一端とは反対側の他端に弾性部材24を有することができる。図1および図2の例では、第1コイルばね22aには弾性部材24aが接続されており、第2コイルばね22bには弾性部材24bが接続されている。これにより、弾性部材24は、撹拌子26との接触における反発力をさらに高めて撹拌効率を向上させつつ、接触による衝突音をより低減させることができる。
【0075】
弾性部材の材質としては、弾性を有しているものであれば特に限定されず、例えば、エラストマー等を挙げることができる。エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、合成ゴム等の加硫ゴムや、塩化ビニル系、スチレン系、オレフィン系、シリコーン系、フッ素系等のエラストマーを挙げることができる。
【0076】
コイルばね20は、上述の第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bとは別に、さらに他のコイルばねを有していてもよい。他のコイルばねをさらに有することで、例えば、撹拌子26の軌道が主走査方向MSD以外に逸れた場合でも、他のコイルばねの反発力を利用することができる。これにより、撹拌容器20内の液体の撹拌効率を向上させることができる。また、他のコイルばねによって、上述した衝突音を減少することができる。
【0077】
1.4.吐出ヘッド
吐出ヘッド40は、液体供給管30bから供給された液体を吐出することができる。吐出ヘッド40に供給される液体は、撹拌容器20において充分撹拌されたものである。そのため、液体吐出ヘッド40は、成分組成比のばらつきの少ない液体を吐出することができる。
【0078】
1.5.撹拌動作
上述したように、撹拌子26は、キャリッジ50Aの往復運動に連動して、撹拌容器20の内部を移動して、撹拌容器20に供給された液体を撹拌することができる。
【0079】
また、撹拌子26をコイルばね22に接触させて、コイルばね22を付勢させることが好ましい。撹拌子26の運動エネルギーは、撹拌容器20の内壁に衝突した場合の損失に比べて、コイルばね22との接触による損失の方が低い。そのため、撹拌子26は、コイルばね22の反発力を利用して撹拌容器20内を移動することができ、より効率的に撹拌容器20内の液体を撹拌することができる。
【0080】
また、撹拌子26は、運動エネルギーを効率よく利用することができるので、キャリッジ50Aの往復運動の動作が小さくてもより連動しやすくなり、撹拌容器20内の液体をより効率的に撹拌することができる。
【0081】
また、撹拌子26は、コイルばね22によって衝撃が吸収されるので、撹拌容器20の内壁に衝突した場合に比べて、衝突音を低減できる。
【0082】
さらに、撹拌子26は、第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bと交互に接触して、第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bを付勢させることがより好ましい。このようにすると、撹拌子26は、第1コイルばね22aおよび第2コイルばね22bから交互に反発力を得られるので、運動エネルギーの損失をさらに低減できる。これにより、撹拌子26は、撹拌容器20内の液体をより効率的に撹拌することができる。
【0083】
さらに、キャリッジ50Aは、撹拌子26と第1コイルばね22aとの接触時において、第1コイルばね22aの付勢方向とは逆方向へ運動しており、かつ、撹拌子26と第2コイルばね22bとの接触時において、第2コイルばね22bの付勢方向とは逆方向へ運動していることが特に好ましい。キャリッジ50Aが上記の様な運動を行うことにより、撹拌子26がコイルばね22a(22b)から受ける反発力が高まる。これにより、撹拌子26は撹拌容器20内を移動しやすくなり、撹拌容器20内の液体をより効率的に撹拌することができる。
【0084】
また、液体供給システム100を後述する液滴吐出装置200に適用した場合において、撹拌のためのキャリッジ50Aの往復運動は、印刷開始前に別途行うことが好ましい。これは、撹拌容器20内に液体が沈降している場合があるためである。これにより、液体の吐出前に十分液体を撹拌できるので、成分組成比のばらつきが低減された液体を吐出ヘッド40から吐出することができる。
【0085】
キャリッジ50Aの撹拌動作の開始から印刷の実行までは、例えば次のようにして行われる。まず、液滴吐出装置200における制御部60(後述)は印刷命令を受信すると、前回印刷命令が出されたときからの経過時間に基づいて印刷の可否を判定する。経過時間が所定の時間を超えている場合には、制御部60は、キャリッジ50Aに撹拌動作を行わせる。そして、制御部60は撹拌動作の終了後に印刷命令を下して、印刷を実行させる。なお、経過時間が所定の時間内の場合には、撹拌動作を行わないで印刷を実行させる。また、上記の所定の時間は、撹拌容器20内での沈降物の発生が予想される時間として、液滴吐出装置200の制御部60にあらかじめ記憶されている。
【0086】
次に、撹拌容器20内の液体を最適な条件で撹拌するための設定方法について説明する。最適な撹拌条件の設定は、例えば、あらかじめキャリッジ50Aの最適な移動距離および移動速度を液体供給システム100に記憶させておくことにより行うことができる。なお、キャリッジ50Aの最適な移動距離および移動速度は、例えば、キャリッジ50Aが往復運動する距離や速度を変化させることによって設定することができる。
【0087】
なお、最適な撹拌状態としては、次の通りである。キャリッジ50Aが一回反転することに伴い、撹拌子26をコイルばね22a(または22b)に一回接触させて、コイルばね22a(または22b)の付勢力によって撹拌子26の移動方向を反転させる。つまり、キャリッジ50Aの往復運動に撹拌子26を連動させることによって、撹拌子26をコイルばね22aおよびコイルばね22aに交互に接触させて、コイルばね22aおよびコイルばね22aを付勢させる。そして、このような状態は、キャリッジ50Aが複数回往復運動する際にも維持されていると、液体の撹拌効率の観点から好ましい。
【0088】
撹拌条件の具体的な設定方法は以下の通りである。まず、撹拌容器20内に液体を供給する。次に、キャリッジ50Aを所定の移動速度、所定の移動距離に設定して、複数回(例えば10回以上)往復運動させる。このとき、キャリッジ50Aを一回反転させる毎に、撹拌子26がコイルばね22a(または22b)に一回接触せず、撹拌効率の良い撹拌条件が得られていないことを確認できれば、キャリッジ50Aの移動距離および移動速度から選択される少なくとも一方を変化させて、さらに上記のキャリッジ50Aの往復運動を行う。
【0089】
このような動作を繰り返して、キャリッジ50Aを一回反転させる毎に、撹拌子26がコイルばね22a(または22b)に一回接触する撹拌条件が得られるまで行う。そして、このような撹拌条件が得られたら、この条件におけるキャリッジ50Aの移動距離および移動速度を最適な条件として記録する。その際、移動距離および移動速度から選択される少なくとも一方の値に所定の範囲が得られた場合には、所定の範囲における中心値などを最適な移動距離、移動速度として記録してもよい。
【0090】
さらに、上記の最適な撹拌条件として、キャリッジ50Aが、撹拌子26と第1コイルばね22aとの接触時において、第1コイルばね22aへの付勢の方向とは逆方向へ運動しており、かつ、キャリッジ50Aが、撹拌子26と第2コイルばね22bとの接触時において、第2コイルばね22bへの付勢の方向とは逆方向へ運動していることが特に好ましい。これにより、コイルばね22aおよび22bの付勢力が高まることによって、撹拌子26がコイルばね22aおよび22bから受ける反発力が高まり、液体の撹拌効率をさらに向上させることができるためである。
【0091】
以上のようにして、キャリッジ50Aの最適な移動距離および移動速度を設定し、この条件を制御部60に記憶させる。また、1回の撹拌動作が実行される際のキャリッジ往復回数も制御部に記憶させる。
【0092】
なお、撹拌動作におけるキャリッジ50Aの移動距離および移動速度は、撹拌効率の点から最適なものである。そのため、撹拌動作は、キャリッジ50Aの移動距離および移動速度から選択される少なくとも一方について、撹拌動作に続いて行なわれる印刷動作と異なる場合がある。本実施形態における撹拌動作は、印刷動作が行なわれる前に、印刷動作とは別のキャリッジ動作として行うことができる。そのため、撹拌動作におけるキャリッジ移動条件は、印刷動作とは異なる条件として設定することができる。ここで、本実施形態における印刷動作とは、液体を吐出ヘッド40から吐出させる動作のことをいう。
【0093】
このような最適な撹拌条件の設定は、液体供給システム100の出荷前または出荷後に行うことができ、出荷前に行うことが好ましい。キャリッジ50Aの最適な移動距離および移動速度は、液体の種類、液体の供給量、撹拌容器20のサイズ、撹拌子26のサイズ、撹拌子の質量等によって変化するものである。そのため、設定条件が複雑になるので、液体供給システム100を製品として出荷する前に、キャリッジ50Aの最適な移動距離および移動速度を制御部60に記憶させておくのが好ましい。
【0094】
なお、液体供給システム100に供給されている液体の種類や、前回の印刷動作が行なわれてからの経過時間などの液体供給システム100の状態に応じた複数の撹拌条件を制御部60に記憶させ、状態に応じて撹拌条件を選択して撹拌動作を行わせるようにしてもよい。
【0095】
1.6.作用効果
本実施形態に係る液体供給システム100は、撹拌容器20内にコイルばね22を有する。そのため、撹拌子26は、撹拌容器20内を移動してコイルばね22に接触することにより、反発力を得ることができる。これにより、本実施形態に係る液体供給システム100は、撹拌容器20内の液体を効率よく撹拌することができる。
【0096】
また、撹拌子26は、コイルばね22によって撹拌容器20の内壁に衝突することを低減することができる。これにより、本実施形態に係る液体供給システム100は、撹拌子26の移動によって発生する衝突音を低減できる。
【0097】
2.液滴吐出装置
本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液体供給システムを含む。本実施形態では、上述した液体供給システム100を有する液滴吐出装置200について説明する。本実施形態に係る液滴吐出装置200は、いわゆるインクジェットプリンターである。
【0098】
図3は、液体供給システム100を含む液滴吐出装置200を模式的に示す斜視図である。本実施形態にかかる液滴吐出装置200は、図3に示すように、制御部60と、液体収容部10と、液体供給管30と、駆動部50と、給紙部70と、を有することができる。
【0099】
液体収容部10、液体供給管30、および液体収容部10に収容される液体については、「1.液体供給システム」で説明したので、その説明を省略する。
【0100】
制御部60は、CPUとメモリとを有するコンピューターを利用して構成されることができる。制御部60は、液体収容部10、駆動部50、および給紙部70を制御する機能を担う。
【0101】
駆動部50は、キャリッジ50Aと、駆動ベルト50Bと、キャリッジモーター50Cと、を有することができる。駆動部50は、フレキシブルケーブル62を介して制御部60と接続されており、制御部60によって制御されている。
【0102】
駆動部50は、キャリッジ50Aを主走査方向MSDに往復運動させる機能を有する。具体的には、キャリッジ50Aの駆動源となるキャリッジモーター50Cの動力によって、キャリッジ50Aと接続されている駆動ベルト50Bを駆動させ、キャリッジ50Aを主走査方向MSDへ往復運動させる。
【0103】
キャリッジ50Aには、「1.液体供給システム」で説明したように、撹拌容器20と、吐出ヘッド40と、が搭載されている。キャリッジ50Aを主走査方向MSDに移動させた際に、吐出ヘッドから適宜液滴が吐出され、記録紙Pへの印刷が行われる。
【0104】
吐出ヘッド40は、液滴を吐出する複数のノズルを有することができる。また、吐出ヘッド40の液滴の吐出方法は、特に限定されるものではなく、例えばインクジェット吐出方法を利用することができる。インクジェット吐出方法としては、従来公知の方法はいずれも使用でき、例えば、ピエゾ式インクジェット、サーマルジェット式インクジェット等を挙げることができる。
【0105】
給紙部70は、その駆動源となる給紙モーター(図示せず)と、給紙モーターの作動により回転する給紙ローラー72と、を備えている。給紙部70は、記録用紙Pを主走査方向MSDと交差する副走査方向に搬送することができる。
【0106】
本実施形態に係る液滴吐出装置200は、液体供給システム100を有する。そのため、本実施形態に係る液滴吐出装置200は、キャリッジ50Aの往復運動による撹拌子20bの衝突音を低減させることができる。
【0107】
本実施形態に係る液滴吐出装置200は、撹拌容器20内にコイルばね22を有するので、撹拌子26の移動によって液体を効率よく撹拌することができる。そのため、本実施形態に係る液滴吐出装置200は、成分組成比のばらつきの少ない液体を吐出ヘッド40から吐出することができる。
【0108】
本発明の液滴吐出装置200は、例示したインクジェットプリンター等の画像記録装置以外にも、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)、電気泳動ディスプレー等の電極やカラーフィルターの形成に用いられる液体材料噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料噴射装置としても好適に用いられる。
【0109】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。たとえば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(たとえば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0110】
10 液体収容部、20 撹拌容器、22 コイルばね、22a 第1コイルばね、
22b 第2コイルばね、24 弾性部材、24a 第1弾性部材、
24b 第2弾性部材、26 撹拌子、30,30a,30b 液体供給管、
40 吐出ヘッド、50 駆動部、50A キャリッジ、50B 駆動ベルト、
50C キャリッジモーター、60 制御部、62 フレキシブルケーブル、
70 給紙部、72 給紙ローラー、100 液体供給システム、200 液滴吐出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する液体収容部と、
前記液体を吐出する吐出ヘッドと、
液体供給管を介して前記液体収容部および前記吐出ヘッドに接続された撹拌容器と、
を有し、
前記吐出ヘッドおよび前記撹拌容器は、主走査方向に往復運動可能なキャリッジに搭載されており、
前記撹拌容器は、その内壁面に接続されたコイルばねと、その内部に撹拌子と、を備えており、
前記コイルばねは、第1コイルばねと、第2コイルばねと、を含み、
前記第1コイルばねおよび前記第2コイルばねは、前記主走査方向に沿って対向するように配置され、かつ、前記主走査方向に前記撹拌子によって付勢可能に接続されており、
前記キャリッジの往復運動に連動して、前記撹拌子が前記撹拌容器の内部を移動する、液体供給システム。
【請求項2】
請求項1において、
さらに、前記第1コイルばねおよび前記第2コイルばねは、前記内壁面に接続された一端とは反対側の他端に弾性部材を有する、液体供給システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記液体は、沈降し得る成分を含む、液体供給システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記沈降し得る成分は、無機顔料、金属顔料、および中空樹脂粒子から選択される少なくとも1種である、液体供給システム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体供給システムを含む、液滴吐出装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記キャリッジの往復運動は、前記撹拌子を連動させることによって、該撹拌子を前記第1コイルばねおよび前記第2コイルばねに交互に接触させて付勢させる第1動作を備える、液滴吐出装置。
【請求項7】
請求項6において、
さらに、前記キャリッジの往復運動は、前記吐出ヘッドから前記液体を吐出させる第2動作を備え、
前記第1動作は、前記キャリッジの移動速度および移動距離から選択される少なくとも一方について、前記第2動作とは異なる、液滴吐出装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1動作は、前記第2動作の前に行われる、液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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