説明

液体分注装置

【課題】分注プローブに吸着した被分注液体中に含まれるタンパク質を効率よく洗浄し、試料間、試薬間のキャリーオーバーを低減する。
【解決手段】絶縁体材料で構成された分注プローブ1が洗浄槽15内の溶液に浸漬され電気泳動用溶液が分注プローブ1内に吸引された後、電気泳動用電源装置28によりプローブ1内の電極27と洗浄槽15内の電極26に電圧が印加される。アルカリ性溶液によりタンパク質の総電荷が負となりプローブ1内壁及び先端外壁表面に帯電した負電荷と電気的に反発し、タンパク質は分注プローブ1表面に吸着しにくくなる。一定時間後、電極26、27への電圧印加を終了し、プローブ1を上昇させバルブ8を開いて精製水を送液し電気泳動用溶液をプローブ1外に押し出す。バルブ16を開き精製水供給ノズル17から供給した精製水によって電気泳動用溶液に浸した分注プローブ1外壁先端を濯ぎ溶液を洗い流す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体分注装置に係り、特に生体成分を含んだ液体の分注に使用される液体分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
患者由来の血液や尿などの生体試料を分析することは、病態を診断するために広く行われており、自動化された分析装置が病院や臨床検査室にて使用されている。この自動分析装置では、多数の試料に対して多様な分析項目の測定を行うため、分注プローブを用いて次々と多数の試料および試薬を分注することが一般的である。この場合、分注する試料あるいは試薬が変わるごとに分注プローブを洗浄する必要がある。
【0003】
ここで、分注プローブに残留した被分注液体の成分が次の被分注液体に混入すると測定に影響する可能性があるような分析項目、つまりキャリーオーバーを回避する必要性の高い分析項目の分注を行う場合は、通常の洗浄以上に洗浄を行う必要がある。
【0004】
この種のキャリーオーバーを扱った公知技術としては、例えば、特許文献1に記載された技術がある。この特許文献1には、ラテックス粒子の凝集反応を利用した抗原または抗体を検出するような免疫分析項目の試薬を分注したあとの試薬分注プローブを、十分な洗浄時間をかけて洗浄液で洗浄するか又は洗浄液の吐出量を多くして洗浄すると共に、生化学分析項目用の試薬を分注したあとには、試薬分注プローブを短時間洗浄するか又は洗浄液の吐出量を少なくして洗浄することにより、洗浄液の無駄な消費をなくすということが記載されている。
【0005】
また、特許文献1においては、試薬とは別の試料分注プローブの場合も洗浄液の流量の調節により洗浄液の無駄な消費をなくすことが可能である旨を指摘している。
【0006】
【特許文献1】特開平4−169851公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したキャリーオーバーを回避する必要性の高い分析項目は、分析成分がタンパク質であることが多く、別の被分注液体中のタンパク質が分注プローブに付着し、その項目を分析する被分注液体の分注時に混入することが問題となっている。
【0008】
このような分析項目を測定する際の分注プローブの洗浄方法としては、洗浄時間を長くしたり洗浄液量を増やしたりする方法や、界面活性剤などの洗剤を含む洗浄液を用いる方法が一般的である。
【0009】
しかし、上述のように、洗浄時間を長くしたり洗浄液量を増やしたりする方法や、界面活性剤などの洗剤を含む洗浄液を用いても、タンパク質の洗浄が困難である場合がある。
【0010】
特に、生化学項目と測定濃度範囲の広い免疫項目の分析のための試料を同一容器から採取して測定する場合、試料間のキャリーオーバーを極力低減することが求められ、タンパク質を有効に洗浄する必要がある。
本発明の目的は、分注プローブに付着したタンパク質を効率よく除去し、試料間、あるいは試薬間キャリーオーバーを低減可能な液体分注装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、液体分注装置において、分注プローブの内壁に設定される第1の電極と、洗浄槽内に設置される第2の電極と、第1の電極と第2の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、分注プローブの内壁と、外壁の少なくとも先端部及びその近辺とが絶縁材で形成される。
【0012】
分注プローブは、電気泳動用溶液を吸引して洗浄槽内に吐出し、分注プローブの先端部を電気泳動用溶液が収容された洗浄槽内に浸漬し、分注プローブ内の第1の電極と第2の電極とが電気泳動用溶液を介して接触している状態で第1及び第2の電極に電圧を印加することで上記分注プローブを洗浄する。
【0013】
または、洗浄槽内に電気泳動用溶液を供給する電気泳動用溶液供給手段を備え、分注プローブの少なくも先端部を電気泳動用溶液が収容された洗浄槽内に浸漬し、電気泳動用溶液を上記第1の電極に至るまで吸引した状態で第1及び第2の電極に電圧を印加することで上記分注プローブを洗浄する。
【0014】
これにより、分注プローブ壁面に吸着した被分注液体中の成分であるタンパク質を電気泳動により溶液中に移動させ、この溶液と共に除去することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電気泳動の作用により分注プローブの洗浄を行うようにしたため、分注プローブに吸着した被分注液体中のタンパク質を効率よく除去することができ、試料間、あるいは試薬間キャリーオーバーを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である液体分注装置の概略構成図である。
【0017】
図1において、分注プローブ1はチューブ2を介してシリンジ3に接続されている。シリンジ3はシリンジ駆動機構4によって駆動され、シリンジ駆動機構4は制御部5によって制御される。
【0018】
ポンプ6は、シリンジ3、チューブ2および分注プローブ1の内部を精製水で満たすように、その精製水をタンク7から送液する。ポンプ6が精製水をタンク7から送液する場合、バルブ8は開かれる。
【0019】
この精製水は、被分注液体を分注プローブ1内に吸引したり、その吸引した被分注液体を分注プローブ1から吐出したりするためにその被分注液体にシリンジ3の動作を伝達する伝達媒体となるもので、この伝達媒体は図では符号9で示されている。
【0020】
分注プローブ1は絶縁体材料で構成されるが、分注プローブの一部、例えば、プローブ内壁および被分注液体及びプローブ洗浄槽15内に保持された電気泳動用溶液に接触する外壁を絶縁体材料で構成し、他の部分は導電体材料とすることもできる。
【0021】
分注プローブ1は、モータ10により駆動される分注プローブ移動機構11によって上下方向(天地方向)に移動することができ、モータ10は制御部5によって制御される。
【0022】
また、分注プローブ1は、モータ12により駆動される分注プローブ移動機構11によって被分注液体である試料または試薬の吸引および吐出位置、ならびに分注プローブ洗浄槽の間で水平移動をすることができ、この水平移動も制御部5によって制御される。
【0023】
容器収容体13には、液体容器14が収容され、この液体容器14には被分注液体である試料あるいは試薬が入れられる。
【0024】
また、分注プローブ1は、被分注液体の吸引位置で分注プローブ移動機構11により下降し、被分注液体の液面より僅かに下方まで分注プローブ1の先端を挿入する。分注プローブ1の下降動作停止後、シリンジ3の動作により所要量の被分注液体が分注プローブ1内の先端付近に吸引保持される。
【0025】
そして、分注プローブ1は分注プローブ移動機構11により上昇した後、反応容器内への吐出位置上に水平移動する。
【0026】
次に、分注プローブ1は、プローブ移動機構11により反応容器内の所定の高さまで下降し、分注プローブ1内に吸引保持されている被分注液体がシリンジ3の動作により分注プローブ1から反応容器内に吐出される。
【0027】
被分注液体の分注を終了した分注プローブ1は、分注プローブ移動機構11により上昇した後、プローブ洗浄槽15上に水平移動する。分注プローブ1は分注プローブ移動機構11によりプローブ洗浄槽15内の所定の高さに下降し、バルブ8を開いてシリンジ動作伝達媒体9である精製水によって分注プローブ1の内壁に残留した被分注液体を分注プローブ1外に押し出す。
【0028】
また、バルブ16を開いてプローブ洗浄槽15に設置された精製水供給ノズル17から供給した精製水によって分注プローブ1の外壁先端に残留した被分注液体を洗い流す。このとき、プローブ洗浄槽15のバルブ18は開かれ、分注プローブ1を洗浄した水が廃液タンク19に排出される。
【0029】
上記精製水での洗浄によっても分注プローブ1の外壁面および内壁面に吸着して残留する被分注液体の成分(タンパク質)が洗浄されず、次の分注で測定する分析項目に影響する可能性がある場合、精製水での洗浄に続けて電気泳動を利用した洗浄動作を行う。
【0030】
この電気泳動を利用した洗浄動作について、図2をも参照しながら説明する。プローブ洗浄槽15に設置された電気泳動用溶液供給ノズル20は、電気泳動用溶液容器21からシリンジ22の動作およびバルブ23、24の開閉によって所定量の電気泳動用溶液(緩衝液)を洗浄槽15内に供給する(ステップ101)。
【0031】
シリンジ22はシリンジ駆動機構25によって駆動され、シリンジ駆動機構25は制御部5によって制御される。電気泳動用溶液はpH8以上の電解質溶液とする。電気泳動用溶液はプローブ洗浄槽15内に設置された電極26(第2の電極)が浸漬するように洗浄槽内に満たされる。
【0032】
次いで、分注プローブ1が、絶縁体材料で構成された分注プローブ1先端外壁の被分注液体に接触した部分が洗浄槽15内に保持された溶液に浸漬する高さまで下降する(ステップ102)。
【0033】
分注プローブ1の下降動作停止後、シリンジ3の動作によりプローブ洗浄槽15内の電気泳動用溶液が分注プローブ1内に吸引される(ステップ103)。分注プローブ1内に吸引される溶液の量は、分注するために分注プローブ1内に吸引された被分注液体量よりも多く、分注プローブ1内壁に設置された電極27(第1の電極)が吸引された溶液に接触する量である。
【0034】
電極26および27は、白金などの材質で構成される。分注プローブ1を構成する絶縁体としては、一般的にキャピラリー電気泳動に使用されるガラス、溶融石英、含フッ素炭化水素樹脂などの材質が用いられる。また、絶縁体で構成されるプローブ内径は1mm以下である。
【0035】
電気泳動用溶液が分注プローブ1内に吸引された後、制御部5によって制御された電気泳動用電源装置28(電圧印加手段)によって、分注プローブ1内の電極27とプローブ洗浄槽15内の電極26の間に電圧が印加される(ステップ104)。つまり、分注プローブ1内の電極27と洗浄槽15内の電極26とが電気泳動用溶液を介して接触している状態で、電極27及び電極26とに電圧が印加される。
【0036】
電極26と27間に電圧が印加されると、アルカリ性の溶液によりタンパク質の総電荷が負となり、分注プローブ1内壁および先端外壁表面に帯電した負電荷と電気的に反発し、タンパク質は分注プローブ1の表面に吸着しにくくなる。
【0037】
負に帯電したタンパク質は溶液中を陽極方向へ電気泳動で移動する。一方、溶液は電気浸透流で陰極方向に移動する。例えば、分注プローブ1側の電極27を陽極、洗浄槽15側の電極26を陰極とする電圧が印加されると、負に帯電したタンパク質は分注プローブ1内壁側の電極27方向へ移動するが、溶液の電気浸透流の方が速ければ洗浄槽15側へ流される。
【0038】
分注プローブ1表面に吸着したタンパク質を溶液中に遊離させることが目的であるため、電圧を印加する時間は短時間でよい。一定時間後(例えば1秒後)、電極26、27への電圧の印加を終了する(ステップ105)。
【0039】
電圧印加終了直後、分注プローブ1外壁面が洗浄槽15内に保持された電気泳動用溶液液面から離脱するように分注プローブ移動機構11により分注プローブ1を上昇させる。その際、バルブ8を開いてシリンジ動作伝達媒体9である精製水を送液することによって分注プローブ1内の電気泳動用溶液をプローブ外に押し出し洗浄槽に排出する(ステップ106)。
【0040】
さらに、バルブ16を開き精製水供給ノズル17から供給した精製水によって電気泳動用溶液に浸した分注プローブ1外壁先端を濯ぎ(ステップ107)、溶液を洗浄槽15に洗い流す。
【0041】
これにより、電圧の印加によって分注プローブ1表面から電気泳動用溶液中に遊離したタンパク質が溶液と共に流し去られる。また、洗浄槽15内の溶液は精製水供給ノズル17から供給される精製水によって流される。
【0042】
電圧印加終了後、プローブ洗浄槽15内に保持された電気泳動用溶液、分注プローブ1から吐出された溶液および精製水、精製水供給ノズル17から供給された精製水は、バルブ18を開き廃液タンク19に排出される(ステップ108)。
【0043】
なお、溶液供給ノズル20を洗浄槽15側に設けずに、チューブ2とバルブ23の溶液供給ノズル20側とを接続することにより伝達媒体9を溶液とし、これを分注プローブ1から吐出してプローブ洗浄槽15に溶液を供給してもよい。この場合、分注プローブ1内に溶液を吸引する動作は省略される。また、この場合、シリンジ3とシリンジ22とを、それぞれ設けてもよいし、一つのシリンジで兼用することもできる。
【0044】
図3は、本発明による液体分注装置が適用された自動分析装置の一例を示す図である。
【0045】
図3において、生化学分析項目を分析処理するための分析ユニット200は、透光性の反応容器205を同心円状に配列した反応ディスク203を有する。反応ディスク203の恒温浴には恒温水供給装置230から所定温度(例えば37℃)に保たれた水が供給される。
【0046】
試料採取用の液体分注装置202は、液体を吸入および排出し得る分注プローブ1を備えており、分注プローブ1を、ライン62上の試料吸引位置と反応ディスク203上の試料吐出位置204と、プローブ洗浄槽15とに位置づけることができる。
【0047】
容器収容体13である試料ラックは血清、血漿又は尿などの生体試料の入った液体容器14を保持する。分注装置202は、試料ラック13によって保持され試料吸引位置に位置づけられた液体容器14内の試料の液面より僅かに下方まで分注プローブ1の先端を挿入する。そして、分注プローブ1の先端付近に所定量の試料を吸引保持し、分注プローブ1を反応ディスク203上の容器列の試料吐出位置204へ移動する。そして、吐出位置にある洗浄済みの反応容器205内へプローブ1内に保持していた試料を吐出する。
【0048】
試料を受け入れた反応容器205は、反応ディスク203により第1試薬の添加位置まで移動される。試薬供給系は2系列存在し、第1の試薬ディスク215に多数配置された試薬ボトル217の中から分析項目に応じて選択された第1試薬は、試薬分注装置210により反応ディスク203上の反応容器205へ分注される。
【0049】
次いで、反応容器205内における試料と試薬との混合物は、撹拌機構219により撹拌され、試料と試薬の化学反応が進められる。
【0050】
第2試薬を必要とする分析項目の場合は、第2の試薬ディスク216に多数配置された試薬ボトル218の中から分析項目に応じて選択された第2試薬が第2試薬の添加位置にて試薬分注装置211により反応容器205へ添加される。
【0051】
反応容器205内で形成された試料と試薬の反応液は、反応容器205内に収容されている状態で、多波長光源235からの光束を測光位置241で照射される。反応容器205を透過した光は多波長光度計240により分光され、測光信号はアナログ−デジタル変換機245によりデジタル化されて制御部5に入力され演算処理され、試料中の測定対象物の濃度又は酵素活性値が計算される。
【0052】
測光済みの反応容器205は容器洗浄部(図示せず)にて洗浄され、新たな試料を受け入れるよう試料吐出位置へ移動される。
【0053】
試料ラック13上の1つの試料を分注した分注プローブ1は、別の試料の採取作業前に、プローブ洗浄槽15において洗浄され、多数の試料のために繰り返し使用される。
【0054】
別の試料に対してキャリーオーバーを回避する必要性の高い分析項目の依頼があれば、別の試料の採取作業前に、プローブ洗浄槽15において、図1に関連して説明した電気泳動を利用した洗浄方法により分注プローブ1の外壁面及び内壁面が洗浄され、次の試料へのキャリーオーバーを低減できる。
【0055】
なお、電気泳動を利用した洗浄は、試薬分注装置210あるいは211の試薬分注プローブに対して適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態である液体分注装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態である液体分注装置における電気泳動を利用した洗浄動作のフローチャートである。
【図3】本発明による液体分注装置が適用された自動分析装置の一例の概要図である。
【符号の説明】
【0057】
1 分注プローブ
2 チューブ
3、22 シリンジ
4 シリンジ駆動機構
5 制御部
6 ポンプ
11 分注プローブ移動機構
15 プローブ洗浄槽
20 電気泳動用溶液供給ノズル
21 電気泳動用溶液容器
26 プローブ洗浄槽内電極
27 分注プローブ内電極
28 電気泳動用電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被分注液体を吸引し、吐出して分注する分注プローブと、この分注プローブを洗浄するための洗浄槽とを有する液体分注装置において、
上記分注プローブの内壁に設定される第1の電極と、
上記洗浄槽内に設置される第2の電極と、
上記第1の電極と第2の電極に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備え、上記分注プローブの内壁と、外壁の少なくとも先端部及びその近辺とが絶縁材で形成され、上記分注プローブは、電気泳動用溶液を吸引して上記洗浄槽内に吐出し、上記分注プローブの少なくも先端部を電気泳動用溶液が収容された洗浄槽内に浸漬し、上記分注プローブ内の上記第1の電極と第2の電極とが電気泳動用溶液を介して接触している状態で第1及び第2の電極に電圧を印加することで上記分注プローブを洗浄することを特徴とする液体分注装置。
【請求項2】
被分注液体を吸引し、吐出して分注する分注プローブと、この分注プローブを洗浄するための洗浄槽とを有する液体分注装置において、
上記分注プローブの内壁に設定される第1の電極と、
上記洗浄槽内に設置される第2の電極と、
上記第1の電極と第2の電極に電圧を印加する電圧印加手段と、
上記洗浄槽内に電気泳動用溶液を供給する電気泳動用溶液供給手段と、
を備え、上記分注プローブの内壁と、外壁の少なくとも先端部及びその近辺とが絶縁材で形成され、上記分注プローブの少なくも先端部を電気泳動用溶液が収容された洗浄槽内に浸漬し、電気泳動用溶液を上記第1の電極に至るまで吸引した状態で第1及び第2の電極に電圧を印加することで上記分注プローブを洗浄することを特徴とする液体分注装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の液体分注装置において、上記分注プローブは、精製水を上記洗浄槽に吐出し、上記分注プローブの洗浄を上記電気泳動用溶液による洗浄に先立って、又は上記電気泳動用溶液による洗浄の後に行なうことを特徴とする液体分注装置。
【請求項4】
複数の反応容器が配列される反応ディスクと、複数の試薬容器が配列される試薬ディスクと、液体試料を吸引し、上記反応ディスク上の反応容器に吐出する試料分注プローブと、上記試薬ディスク上の試薬容器内から試薬を吸引し、上記反応ディスク上の反応容器に吐出する試薬分注プローブと、上記反応ディスク上の反応容器中の液体の成分を分析する分析手段とを有する自動分析装置において、
上記試料分注プローブを洗浄するための洗浄槽と、
上記試料分注プローブの内壁に設定される第1の電極と、
上記洗浄槽内に設置される第2の電極と、
上記第1の電極と第2の電極に電圧を印加する電圧印加手段と、
上記洗浄槽内に電気泳動用溶液を供給する電気泳動用溶液供給手段と、
を備え、上記試料分注プローブの内壁と、外壁の少なくとも先端部及びその近辺とが絶縁材で形成され、上記試料分注プローブの少なくも先端部を電気泳動用溶液が収容された洗浄槽内に浸漬し、電気泳動用溶液を上記第1の電極に至るまで吸引した状態で第1及び第2の電極に電圧を印加することで上記試料分注プローブを洗浄することを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
複数の反応容器が配列される反応ディスクと、複数の試薬容器が配列される試薬ディスクと、液体試料を吸引し、上記反応ディスク上の反応容器に吐出する試料分注プローブと、上記試薬ディスク上の試薬容器内から試薬を吸引し、上記反応ディスク上の反応容器に吐出する試薬分注プローブと、上記反応ディスク上の反応容器中の液体の成分を分析する分析手段とを有する自動分析装置において、
上記試料分注プローブを洗浄するための洗浄槽と、
上記試料分注プローブの内壁に設定される第1の電極と、
上記洗浄槽内に設置される第2の電極と、
上記第1の電極と第2の電極に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備え、上記試料分注プローブの内壁と、外壁の少なくとも先端部及びその近辺とが絶縁材で形成され、上記試料分注プローブは、電気泳動用溶液を吸引して上記洗浄槽内に吐出し、上記試料分注プローブの少なくも先端部を電気泳動用溶液が収容された洗浄槽内に浸漬し、上記試料分注プローブ内の上記第1の電極と第2の電極とが電気泳動用溶液を介して接触している状態で第1及び第2の電極に電圧を印加することで上記試料分注プローブを洗浄することを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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