説明

液体化粧品用ディスペンサーのための弁ノズル、およびこのような製品を貯蔵するための方法

本発明は、液体化粧品用ディスペンサーのための弁ノズルに関し、このノズルは、レザバ(R)および内部ピストン(P)を備え、このピストンは、基部(E)の移動によって作動される。本発明のノズルは、このレザバを閉じるキャップ(1)を備えること、およびスペーサー(2)に固定されたピン(21)によって密封された様式で閉じられ得る分解開口部(10)を備えることを特徴とする。このスペーサーは、スライドする様式で、キャップ(1)の内部に配置され、そして少なくとも1つのライン(20)を備える。このラインは、このレザバが空になること、および製品を排出することを、首尾よく確実にする。本発明によれば、キャップ(1)およびスペーサー(2)は、少なくとも1つの弾性変形可能な領域を有する壁と一緒に、空間(12)を規定し、ピストン(P)の作動に続いて、ピン(21)が分配開口部(10)から引っ込むことを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体化粧品のディスペンサーのための、弁を備えるノズルに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、レザバ、および基部の移動によって作動される内部ピストンを特に備える、ディスペンサーに適用可能である。
【0003】
これらのディスペンサーは、一般に、端部弁を備え、この端部弁は、レザバの液密と製品の送達との両方を確実にする。
【背景技術】
【0004】
弁は、しばしば、アプリケータノズルに組み立てられ、このアプリケータノズルは、レザバと一緒に単一片から作製され得るか、またはこのレザバに接合され得る。
【0005】
両方の場合において、製品のパッケージ段階の間に、組み立てプロセスの終了時に、液体の自由表面の上に位置する空間内の空気の放出を確実にすることが必要である。
【0006】
この操作は、製品の製造業者の前提で実施され、さらなる製造費用および/または質の欠陥を伴わないように、実施することが単純かつ容易でなければならない。
【0007】
さらに、製品を分配する段階の間に、用量の精度は、弁の感度、および小さい用量に対応する小さい振幅の場合においてさえも弁がピストンの移動によって発生する過剰の圧力に応答して反作用する能力に、密接に依存する。
【0008】
液密性に関して、これは、弁の可動要素の通常の位置に戻る場合の、弁の可動要素の迅速さおよび信頼性に依存する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの全ての制限は、本発明のノズルが解決しようとする技術的問題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、レザバを閉じ、そして分配開口部を有するカバーを備えることを特徴とするノズルによって達成され、この分配開口部は、スペーサーに堅固に取り付けられた栓によって、液密の様式で遮断され得、このスペーサーは、カバーの内側でスライドするように収容され、そして少なくとも1つの導管を備え、この導管は、レザバの排気および製品の排出を首尾よく確実にし、これらのカバーおよびスペーサーは、これらの間にエンクロージャーを規定し、このエンクロージャー内で、壁は、弾性的に変形され得る少なくとも1つの領域を有し、製品の送達を確実にするために、ピストンの作用に続いて、栓を分配開口部から分離することを可能にする。
【0011】
本発明の第一の代替の実施形態によれば、上記変形可能な領域は、分配開口部の周りの、カバーの頂部セクションからなる。上記導管は、好ましくは、スペーサーを通して作製される。
【0012】
別の代替の実施形態によれば、上記変形可能な領域は、上記栓を支持する気体セルの頂部壁からなる。従って、このセルは、好ましくは、上記スペーサーにスライド可能に取り付けられる。
【0013】
さらに、この場合、上記導管は、上記セルの外周に作製される。
【0014】
有利な特徴によれば、上記スペーサーの底部外周は、上記レザバの頂縁部と連結する要素を備える。
【0015】
別の特徴によれば、上記カバーは、スカートを備え、このスカートは、上記レザバの外側壁に放射状にフィットする。
【0016】
なお別の特徴によれば、上記カバーは、内側止めを備え、この内側止めは、スペーサーがレザバ上に組み立てられる場合に、このスペーサーが上向きに滑ることを制限する。
【0017】
本発明はまた、液体化粧品を、ディスペンサーにパッケージするための方法に関し、このディスペンサーは、本発明によるノズルを備え、この方法は、充填後、上記カバーが上記レザバにフィットされ、このとき、内部スペーサーがその低位置にあり、分配開口部を越えること、次いで、このノズルが押し下げられて、このノズルが含んでいる空気を、導管、エンクロージャーおよび開口部を通して、スペーサーがレザバの頂縁部に対して下方の停止位置にくるまで放出すること、ならびに次いで、上記カバーがスペーサーに対して停止し、一方で、上記栓が、液密の様式で上記分配開口部に入ることを特徴とする。
【0018】
この方法の特徴によれば、上記ノズルは上記ディスペンサー上に案内され、カバーを上記レザバの側壁に対してスライドさせ、これによって、円形の座を与える。
【0019】
本発明のノズルは、特に単純である。なぜなら、このノズルは、互いに取り付けられて予め組み立てられたアセンブリを形成したままであり得る2つの部品(カバーおよびスペーサー)を備えるのみであるからである。このアセンブリは、このディスペンサーの他の部品(レザバ、ピストンおよび基部)と一緒に、顧客に送達される。
【0020】
本発明のパッケージ方法は、さらに、産業化することが容易である。なぜなら、最後の閉じる工程が、予め組み立てられたアセンブリを、レザバが含む空気の自動的な放出とともに、レザバに単にフィットさせる工程からなるからである。
【0021】
さらに、この取り付けは、カバーのスカートとレザバの壁との間の協働(これは、円形の座を与える)によって、案内される。
【0022】
本発明は、図面を参照してなされる以下の説明を読むことによって、よりよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明のノズルの実施形態は、図において、液体化粧品のディスペンサーDに関連して示され、このディスペンサーの構造は、本明細書において、模式の様式で提供される。
【0024】
これらのディスペンサーDは、本質的に、それらの主要部品として、レザバRおよび内部ピストンPを備え、この内部ピストンは、基部Eの手動の作動によって、そしてこの場合には特に、レザバRおよびノズルに関する垂直軸の周りでのこの基部の回転によって、移動される。
【0025】
本発明のノズルは、明らかに、本明細書中に示されるディスペンサー以外のディスペンサー上に設置されるために適切であり、そして本質的に、ピストンが弁アクチュエータの軸方向移動によって移動されるディスペンサー上に設置されるために適切である。
【0026】
図1A、1B、2Aおよび2Bにおいて、製品は、明瞭にする理由により、示されていない。
【0027】
本発明のノズルは、カバー1を備え、このカバーは、レザバRを収容し、そして分配開口部10を有する。開口部10は、カバー1の内側でスライドするように差し込まれたスペーサーに堅固に取り付けられた、栓またはニードル弁21によって、液密の様式で遮断され得る。
【0028】
スペーサー2は、少なくとも1つの導管20を備え、この導管は、図3A〜3Dに示されるように、レザバRの排気を首尾よく確実にし、そして図1Bおよび2Bに示されるように、このレザバからの製品の排出を首尾よく確実にする。
【0029】
カバー1およびスペーサー2は、これらの間で、ノズルの頂部セクションにおいて、エンクロージャー12を規定し、このエンクロージャーに、導管20を介して、製品が供給される。このエンクロージャーの壁は、弾性的に変形可能な少なくとも1つの領域を有し、これによって、ピストンPの作動によって、分配開口部10から栓21を外すことが可能になり、製品の送達を可能にする。
【0030】
スペーサー2の底部外周は、レザバRの頂縁部またはネックrとのリンクを確実にする要素を備え、一方で、カバー1は、レザバRの外側壁に対して液密の様式でしっかりとフィットし、そして基部Eの頂縁部に対して外側の停止位置に来る、スカート11を備える。
【0031】
カバー1はまた、例えば、肩部13の形態の内部止めを備え、この内部止めは、図3Cおよび3Dに示されるように、ノズルをディスペンサー上に設置する場合に、スペーサー2の相対的な上向きのスライドを制限することが意図される。
【0032】
図1Aおよび1Bに示される本発明の実施形態において、エンクロージャー12の変形可能な領域は、カバー1の頂部セクションからなる。この領域は、このカバーの実際の壁からなり、この壁は、少なくとも分配開口部の周囲で、特殊な材料から、そして/または特殊な厚さで作製され、製品の圧力下で開口部10を開くために十分な可撓性を、その壁に付与する。
【0033】
この場合、導管20は、スペーサー2を通して作製され、そして示される代替の実施形態においては、栓21の周りに作製される。
【0034】
レザバRは、ネックrを有し、このネックは、スペーサー2の周囲フランジ22の輪郭と相補的な輪郭を有し、フィットすることによるこのフランジとの接続を確実にする。
【0035】
さらに、スペーサー2の側面の輪郭は、肩部13のレベルにて、カバー1の内壁に一致し、これによって、このスペーサーが高い位置で押し込まれることを確実にする。
【0036】
図2Aおよび2Bに示される本発明の実施形態において、エンクロージャー12の変形可能な領域は、栓21を支持している気体セル24の頂部壁23aからなる。
【0037】
使用される気体は、好ましくは、大気圧の空気である。
【0038】
セル24は、気密であり、そしてスペーサー2に堅固に取り付けられる。
【0039】
過剰の圧力が、ピストンPの作動によって、レザバR内およびエンクロージャー12内に発生する。カバー1の壁は、この場合には変形可能ではないので、この過剰の圧力は、セル24の薄い壁(屈曲し得る膜を形成する)によって吸収され、この壁と一緒に栓21を運び、これによって、開口部10を開く。
【0040】
この作動は、明らかに、ピストンPの作動によって加圧されるエンクロージャー12内の圧力と、セル24の内部体積内の圧力との間の差が正である条件においてのみ、可能である。
【0041】
示される代替例において、このセルは、スペーサーの内部に収容され、そしてこのセルの底部23bは、確立されると予測される圧力条件下で変形しない、剛性の壁からなる。
【0042】
この底部は、示される代替例においてと同様に、別個の部品であり得るか、またはセル24の他の部品と一緒に単一部品から形成され得る。
【0043】
導管20は、少なくとも1つのチャネル20aの形態で、このセルの外周に作製される。示される代替例においてと同様に、いくつかのチャネルが予測される場合、これらのチャネルは、セル24の側壁とノズル1の壁との間に軸方向に延びる区画25によって分離される。
【0044】
レザバのネックrは、少なくとも1つの周囲スロットcから作製され、製品の通過とスペーサー2との接続との両方を確実にする。
【0045】
本発明のノズルの、ディスペンサーDへの設置は、以下のように実施される製品パッケージングプロセスの間に、実施される操作である:
レザバRを満たした後(図3A)、カバー1が、図3Bに示されるように位置決めされ、そしてフィットされる。
【0046】
この工程において、スペーサー2は、その低位置にある。栓21は、開口部10に対して引き込まれる。
【0047】
次いで、このノズルが垂直に下向きに押され、これは、このノズルが含む空気を、連続的かつ自動的に、導管20、エンクロージャー12、および開口部10を通して外側に強制的に放出する効果を有する(図3Bにおいて、矢印によって表される)。
【0048】
この最初の組み立て段階の間中、このノズルは、カバー1をレザバRの側壁の外側でスライドさせることによって案内され、これによって、円形の座が与えられ、一方で、スペーサー2は、カバー1に対して固定される。
【0049】
このスライドによるフィットは、図3Cに示されるように、スペーサー2がレザバRの頂縁部rに対する停止位置にくるまで続く。
【0050】
この位置の後に、スペーサー2は、レザバ上に固定され、そしてカバー1のみが、スペーサー/レザバアセンブリに対して垂直に下向きにスライドし続ける。
【0051】
このアセンブリは、栓21が液密の様式で開口部10に挿入され、そしてカバー1がスペーサー2の頂部セクションに対して接合により止まる場合に、完了する。この場合、スカート11の底縁部は、図3Dに示されるように、同時に基部Eと接触する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1Aおよび1Bは、それぞれ通常状態および分配状態における、ディスペンサー上に設置された、本発明のノズルの第一の実施形態の断面図を示す。
【図2】図2Aおよび2Bは、それぞれ通常状態および分配状態における、同じディスペンサー上に設置された、本発明のノズルの第二の実施形態の断面を示す。
【図3】図3A〜3Dは、本発明のパッケージング方法における種々の段階の模式図を示す。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体化粧品を分配するための弁を備えるノズルであって、該ノズルは、レザバ(R)、および基部(E)の移動によって作動される内部ピストン(P)を備え、該ノズルは、該レザバを閉じかつ分配開口部(10)を有するカバー(1)を備えることを特徴とし、該分配開口部は、スペーサー(2)に堅固に取り付けられた栓(21)によって液密様式で遮断され得、該スペーサーは、該カバー(1)の内部でスライドするように収容され、そして該レザバの排気および該製品の排出を首尾よく確実にする少なくとも1つの導管(20)を備え、該カバー(1)および該スペーサー(2)は、これらの間にエンクロージャー(12)を規定し、該エンクロージャー内で、壁が、弾性的に変形し得る少なくとも1つの領域を有し、該ピストン(P)の作動に続いて、該栓(21)が該分配開口部(10)から離れることを可能にし、該製品の送達を確実にする、ノズル。
【請求項2】
前記変形可能な領域が、前記分配開口部(10)の周りのカバー(1)の頂部セクションからなることを特徴とする、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記導管(20)が、スペーサー(2)を通して作製されていることを特徴とする、請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
前記変形可能な領域が、気体セル(24)の頂部壁(23a)からなり、該頂部壁が、前記栓(21)を支持することを特徴とする、請求項1に記載のノズル。
【請求項5】
前記セル(24)が、前記スペーサー(2)に堅固に取り付けられていることを特徴とする、請求項4に記載のノズル。
【請求項6】
前記導管(20)が、前記セル(24)の外周に作製されていることを特徴とする、請求項4または5に記載のノズル。
【請求項7】
前記スペーサー(2)の底部外周が、前記レザバ(R)の頂縁部と連結する要素を備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項8】
前記カバー(1)が、スカート(11)を備え、該スカートは、前記レザバ(R)の外面壁に放射状にフィットすることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項9】
前記カバー(1)が、内部止め(13)を備え、該内部止めが、レザバ(R)に組み立てられる場合に、前記スペーサー(2)の上向きのスライドを制限することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項10】
ディスペンサー(D)内に液体化粧品をパッケージする方法であって、該ディスペンサーは、一方で、レザバ(R)、および基部(E)の移動によって作動される内部ピストン(P)を備え、そして他方では、請求項1〜9のいずれか1項に記載のノズルを備え、該方法は、充填後、前記内側スペーサー(2)が前記分配開口部(10)を越えるように低位置にある状態で、前記カバー(1)が該レザバ(R)にフィットされること、次いで、該ノズルが押し下げられて、該スペーサー(2)が、該レザバ(R)の頂縁部(r)に対する底部に対して下向きに停止位置までくるまで、該ノズルが含む空気を、前記導管(20)、前記エンクロージャー(12)および該開口部(10)を通して外側に放出させること、ならびに次いで、前記栓(21)が液密の様式で該分配開口部(10)に入りながら、該カバー(1)が該スペーサー(2)に対する停止位置にくることを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記ノズルが、前記ディスペンサー(D)上に案内され、前記カバーが前記レザバ(R)の側壁に対するカバースライドを作製し、従って、円形の座を与えることを特徴とする、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2007−526858(P2007−526858A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519854(P2006−519854)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007676
【国際公開番号】WO2005/016776
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(505190655)レクサム ディスペンシング システムズ (12)
【Fターム(参考)】