説明

液体収容容器

【課題】 安定して、高精度に液体残量の検出に用いることのできる液体検出部を備えた液体収容容器を提供すること。
【解決手段】 液体収容室7の液体の検出に使用する液体検出部11を備える液体収容容器1において、液体検出部11は、液体収容室7と外部の液体消費装置との間に介在する液体検出室21と、液体検出室21の容積変化に応動して離間距離が変化する一対の対向壁の一方に装備されて印加した振動に対する残留振動波形の変化の検出に用いる検出手段35と、液体検出室21の容積が最小になる時に、対向壁間に所定の空間を確保する空間形成部28とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等の液体消費装置に所定の液体を供給する液体収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
捺染装置やマイクロデスペンサ、さらには超高品質での印刷が求められる商業用記録装置等の液体噴射ヘッドは、液体収容容器から被吐出液の供給を受けるが、液体が供給されていない状態で作動させると、いわゆる空打ちとなって噴射ヘッドが損傷を受けるため、これを防止すべく容器の液体残量を監視する必要がある。
【0003】
そこで、記録装置に例を採ると、液体収容容器であるインクカートリッジ自体にインクの検出に用いるための液体検出部を装備したものが、各種提案されている。
このような液体検出部の具体的な構成としては、特許文献1に記載された発明のように、液体を収容する可撓性袋の相対向する偏平な面の一方に液収容用の凹部を形成すると共に、凹部の外面に圧電振動子を配置し、また、他方の面に剛体を配置して、剛体と圧電振動子との間の液量(液の深さ)による振動状態から液体残量を検出することが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−136670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載された液体検出部では、比較的高い精度で液体残量を検出することができるものの、可撓性袋に収容されたインクの残量を、可撓性袋の変形に追従させて剛体を移動させる関係上、袋の撓みやシワ等の影響を受けて、それにより検出精度が低下する虞があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、液体を収容する可撓性袋に発生する撓みやシワ等が液体残量の検出精度に影響を及ぼすことがなく、安定して、高精度に液体残量の検出に用いることのできる液体検出部を備えた液体収容容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の上記目的は、加圧空間に収容され該加圧空間に導入される加圧流体により加圧されて内部に貯留している液体を排出する液体収容室と、前記液体収容室の液体の検出に用いる液体検出部と、を備えた液体収容容器において、
前記液体検出部は、
前記液体収容室に連通する液体流入口と外部の液体消費装置に連通する液体流出口とを備えると共に、前記液体流入口と液体流出口との間の液圧に相応して容積が変化する液体検出室と、
前記液体検出室の容積変化に伴い離間距離が変化する一対の対向壁の一方の壁に装備されて液体の振動波形の検出に用いる検出手段と、
前記液体検出室の容積が最小になる時に、前記対向壁間に所定の空間を形成する空間形成部と、を設けたことを特徴とする液体収容容器により達成される。
【0008】
上記構成によれば、液体収容室における液体残量が減少すると、液体検出室に排出される液体量が減り、液体検出室の容積が減少する。よって、液体検出室内の容積の減少に基づいて、検出手段が液体検出室に印加する振動波形を検出することで、液体収容室における液体残量が検知される。
そして、液体検出室が液体収容室とは別の区画室であるため、液体収容室が可撓性袋に液体を収容する形態で、液体収容室の液体残量の減少により可撓性袋に撓みやシワが発生しても、これらの袋の撓みやシワが検出手段の検出精度に影響を及ぼさない。
しかも、液体収容室内の液体が消尽されて、液体検出室の容積が最小になった場合でも、液体検出室内では、検出手段と対向壁との間に所定の空間が確保されて、振動波形を検出可能としているため、正確に液体の消尽を検知することができる。
【0009】
(2)なお、好ましくは、上記(1)に記載の液体収容容器において、前記空間形成部が、前記対向壁の一方の壁に突設した突起である構成とすると良い。
このような構成にすると、液体検出室の一対の対向壁を構成する部品が樹脂の射出成形品である場合、この対向壁の壁面に突起を一体成形することで、部品増加を招かない。即ち、構成部品点数の増加に起因するコストアップを防止することができる。
【0010】
(3)また、好ましくは、上記(2)に記載の液体収容容器において、前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁を剛性壁で形成し、
前記剛性壁に前記検出手段を装備する一方、前記ダイヤフラムには前記検出手段に対向する受圧板を装備して、該受圧板に前記空間形成部としての突起を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けた構成とすると良い。
【0011】
このような構成にすると、液体収容室とは別個の液体検出室に検出手段を配置して、液体検出室に印加する振動波形を液体残量の検出に用いる液体検出部が、比較的簡単に構築できる。
【0012】
(4)また、好ましくは、上記(2)に記載の液体収容容器において、前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁を前記液体検出室の内壁に形成し、
前記内壁の一部を形成する剛性壁に前記検出手段を装備する一方、前記ダイヤフラムには前記検出手段に対向する受圧板を装備して、前記内壁に前記空間形成部としての突起を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けた構成とすると良い。
【0013】
このような構成にすると、上記(3)の場合と同様に、液体収容室とは別個の液体検出室に検出手段を配置して、液体検出室に印加する振動波形の検出に用いる液体検出部が、比較的簡単に構築できる。
【0014】
(5)また、好ましくは、上記(1)に記載の液体収容容器において、前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁は前記液体検出室の内壁に形成し、
前記内壁の一部を形成する剛性壁に前記検出手段を装備する一方、前記ダイヤフラムには前記検出手段に対向する受圧板を装備して、該受圧板に前記空間形成部としての凹部を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けた構成とすると良い。
【0015】
このような構成にすると、上記(3)の場合と同様に、液体収容室とは別個の液体検出室に検出手段を配置して、液体検出室に印加する振動波形の検出に用いる液体検出部が、比較的簡単に構築できる。
【0016】
(6)また、好ましくは、上記(2)に記載の液体収容容器において、前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁を前記液体検出室の内壁に形成し、
前記ダイヤフラムに前記検出手段を装備する一方、前記内壁には前記空間形成部としての突起を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けた構成とすると良い。
【0017】
このような構成の場合も、上記(3)の場合と同様に、液体収容室とは別個の液体検出室に検出手段を配置して、液体検出室に印加する振動波形の検出に用いる液体検出部が、比較的簡単に構築できる。
【0018】
(7)また、好ましくは、上記(1)に記載の液体収容容器において、前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁を前記液体検出室の内壁に形成し、
前記ダイヤフラムに前記検出手段を装備する一方、前記内壁には前記空間形成部としての凹部を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けた構成とすると良い。
【0019】
このような構成の場合も、上記(3)の場合と同様に、液体収容室とは別個の液体検出室に検出手段を配置して、液体検出室に印加する振動波形の検出に用いる液体検出部が、比較的簡単に構築できる。
【0020】
(8)また、好ましくは、上記(3)乃至(7)のいずれか一つに記載の液体収容容器において、前記ダイヤフラムが、可撓性フィルムにより構成されている構成とすると良い。
このような構成にすると、例えば、可撓性フィルムとして、樹脂フィルム層の上にアルミニウム層が積層形成されたアルミラミネート複層フィルムを用いることで、液体検出室に高いガスバリア性を確保することができ、液体収容室に収容されている液体の脱気度が液体検出室におけるガスバリア性によって低下することがなく、液体消費装置に脱気度の高い高品位の液体供給が可能になる。
【0021】
(9)また、好ましくは、上記(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の液体収容容器において、前記液体収容室に収容される液体がインクで、インクジェット記録装置にインクを供給するインク収容容器として用いられる構成とすると良い。
このような構成にすると、インクジェット記録装置にインクを供給するインク収容容器におけるインク残量を正確に検知可能になるため、インク残量の検出精度の低下や誤検知による不都合の発生を防止して、インクジェット記録装置における動作の信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る液体収容容器では、液体収容室における液体残量の減少に伴う液体検出室の容積変化を、液体検出室に印加する振動波形の変化で捉えて、液体収容室における液体残量の検出に用いるもので、液体検出室が液体収容室とは別の区画室であるため、液体収容室が可撓性袋に液体を収容する形態で、液体収容室の液体残量の減少により可撓性袋に撓みやシワが発生しても、これらの袋の撓みやシワが検出手段の検出精度に影響を及ぼさない。
しかも、液体収容室内の液体が消尽されて、液体検出室の容積が最小になった場合でも、液体検出室内では、検出手段と対向壁との間に所定の空間が確保されていて、検出手段が正常に稼働していれば、この空間に残留する液体量に対応する振動波形が検出されるため、検出手段の故障等で振動波形の変化が検出できなくなる場合と、液体が消尽された状態とを誤認することがなくなり、正確に液体の消尽を検知することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る液体収容容器の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る液体収容容器の第1の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が非加圧状態時の縦断面図、図2は液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が加圧状態時の縦断面図、図3は液体収容室内の液体が消尽されていて加圧空間が加圧状態時の縦断面図である。
【0024】
液体収容容器1は、インクジェット式記録装置のカートリッジに着脱可能に装着されて、記録装置に装備された記録ヘッド(液体噴射ヘッド)にインクを供給するインクカートリッジである。
【0025】
この液体収容容器1は、不図示の加圧手段によって加圧される加圧空間(以下、密閉空間3)を区画形成した容器本体5と、インクを貯留して密閉空間3内に収容され密閉空間3の加圧により貯留しているインクを排出口7aから排出する液体収容室7と、外部の液体消費装置である記録ヘッドにインクを供給するために容器本体5の一端側の隔壁5aに貫通形成された液体供給口9と、密閉空間3内で液体収容室7と液体供給口9との間に介在してインク残量の検出に用いられる液体検出部11とを備えている。なお、密閉空間3は完全に密閉されているものに限定されず、その機能を果たす限りにおいて加圧空気が導入可能であればよい。
【0026】
容器本体5は、箱形の筐体で、密閉空間3を画成している6面の隔壁の内、一端側の隔壁5aには、液体供給口9の他に、加圧口13が貫通形成されている。この加圧口13は、不図示の加圧手段が密閉空間3内に加圧空気を送給するための通路である。
【0027】
液体収容室7は、樹脂フィルム層の上にアルミニウム層が積層形成されたアルミラミネート複層フィルム相互の周縁部を互いに貼り合わせることにより形成した袋体7bの一端側に、液体検出部11の液体流入口11aが接続される筒状の排出口7aを接合した、所謂インクパックである。アルミラミネート複層フィルムを使用したことで、高いガスバリア性を確保している。
液体収容室7と液体検出部11は、排出口7aに液体流入口11aを嵌合接続させることで、互いに接続した状態になる。即ち、排出口7aと液体流入口11aとの嵌合を解除することで、互いに分離可能になっている。
液体収容室7には、液体検出部11を接続する前に、予め脱気度の高い状態に調整されたインクが充填される。
【0028】
液体検出部11は、液体収容室7の排出口7aに接続される液体流入口11aと液体供給口9に接続される液体流出口11bとを連通させた凹空間19aを有した検出装置ケース19と、凹空間19aの上面の開口部を封止して液体検出室(液体貯蔵部)21を画成した隔壁であるダイヤフラム23と、凹空間19aの底部に装備された振動検出部25と、この振動検出部25に対向してダイヤフラム23の内面に接着剤等により固着されて振動検出部25の先端平坦面に対向する板状の剛性壁として機能する受圧板27と、この受圧板27と凹空間19aの底部との間に圧装されて液体検出室21の容積が増大する方向に受圧板27及びダイヤフラム23を付勢する付勢手段である圧力調整ばね29とを備えている。
この圧力調整ばね29は、液体検出室21内のインク圧に応じてダイヤフラム23が変
位するようにダイヤフラムを付勢している。
【0029】
検出装置ケース19は、凹空間19aを画成している周壁の一端側に、液体流入口11aが一体形成され、また、この液体流入口11aと対向する周壁に液体供給口9に連通する液体流出口11bが貫通形成されている。
図示していないが、液体供給口9には、インクジェット式記録装置のカートリッジ装着部に装着した際に、カートリッジ装着部に装備されているインク供給針の挿入により流路を開く弁機構が装備される。
【0030】
ダイヤフラム23は、可撓性フィルムにより形成されたもので、液体検出室21に供給されるインクの圧力に応じて受圧板27に変位を付与する。インクの微少な圧力変化を検出可能にして、検出精度を向上させるためには、ダイヤフラム23には十分な可撓性を持たせると良い。また、液体検出室21内を通過するインクの脱気度の低下を防止するためには、ダイヤフラム23を構成する可撓性フィルムとして、袋体7bと同様にガスバリア性に優れたアルミラミネート複層フィルムを使用すると良い。
【0031】
液体検出部11における振動検出部25は、図3に示すように、液体収容室7のインクが消尽されたとき、加圧口13から密閉空間3内に供給される加圧流体の圧力によって受圧板27が圧力調整ばね29のばね力に抗して押し下げられて受圧板27が後述する空間形成部28を介して当接する平板状の剛性壁31と、該剛性壁31に形成された検出用凹部であるインク誘導路33と、インク誘導路33に振動を印加すると共に印加した振動に伴う残留振動波形の変化の検出に用いる圧電型検出手段35とを備えたもので、液体検出室21の容積減少に伴う受圧板27の移動や、気泡が混在しているか否か等によって変動する残留振動波形の変化(振幅や周波数の変化)を用いることにより、インクの有無(インク残量)を検知する。尚、本発明に係る検出手段は、残留振動波形の変化を検出するものに限らない。
【0032】
本実施の形態の場合、液体検出部11の剛性壁31は、液体検出室21の内壁(以下、底壁)21aの一部を構成している。
そして、液体検出部11の剛性壁31とダイヤフラム23は、液体検出室21の容積変化に伴い離間距離が変化する液体検出室21の一対の対向壁である。そして、本実施の形態における液体検出部11は、これらの一対の対向壁の内の他方の壁である剛性壁31に、圧電型検出手段35を装備したものと言える。
【0033】
そして、本実施の形態の場合、液体収容室7内のインクが消尽されて、図3に示すように液体検出室21の容積が最小になる時に、一対の対向壁である剛性壁31と可撓性フィルム23上の受圧板27との間に所定の離間間隔を残す空間形成部28を設けている。
この空間形成部28は、本実施の形態の場合、圧電型検出手段35に対向する受圧板27の表面に突設された突起である。
【0034】
圧力調整ばね29の付勢方向は、前述したように液体検出室21の容積が増大する方向であると同時に、圧電型検出手段35が配置された側とは反対の方向となっている。
圧力調整ばね29の受圧板27への付勢力Fは、密閉空間3に供給される加圧空気により作用する加圧力をP、加圧空気の加圧により液体収容室7から液体検出室21に流入して充満したインク圧による液体検出室21の内部圧をp1としたとき、P=F+p1が成立するように設定しておく。
【0035】
液体収容室7内のインク収容量が減少すると、加圧流体による一定の加圧操作が実施された場合に液体収容室7から液体検出室21に流入するインク量が減少するため、実際の液体検出室21内のインク圧による内部圧は、当初に設定していたp1よりも小さいp2となる。
即ち、液体検出室21は、密閉空間3内が加圧流体により加圧されておらず、また、液体収容室7内に十分のインクが残留している時に、圧力調整ばね29の付勢力によって、容積が最大に拡張された状態になっている。
【0036】
そして、その後、液体収容室7内のインク収容量が減少し、それに相応して、加圧操作時に液体収容室7から液体検出室21に流入するインク量が減少すると、液体検出室21内の受圧板27に作用する付勢力の総和である(F+p2)は、(F+p2)<(F+p1)=Pの関係により、加圧流体による加圧力Pよりも小さくなり、受圧板27が液体検出室21の容積を減少する方向に動く。
図2は、密閉空間3内への加圧空気の供給により、液体収容室7及び液体検出部11が加圧を受け、液体収容室7内のインク液が液体検出室21を介して液体供給口9に供給される状態を示している。
【0037】
そして、液体収容室7のインクが消尽されて、密閉空間3が加圧空気により加圧されても液体収容室7から液体検出室21へのインク供給が無くなると、液体検出室21内における受圧板27への付勢力は、圧力調整ばね29の付勢力のみとなり、加圧空気による外圧により受圧板27が凹空間19aの底側、即ち、振動検出部25側に押し付けられる。受圧板27の下面27aは、剛性壁31の表面に平行(即ち、水平面に平行)に対向する一面となっていて、この受圧板27の下面27aに突設された空間形成部28が剛性壁31の表面に当接することにより、インク誘導路33が微少な間隙を介して液体検出室21に連通した状態が維持される。
【0038】
本実施の形態では、液体検出室21内のインク収容量の減少によって受圧板27の空間形成部28が剛性壁31に当接して、インク誘導路33が規定の微少間隙を介して液体検出室21に連通する時点を、液体収容室7の液体が消尽された状態に設定している。
【0039】
以上に説明した液体収容容器1では、液体検出室21における液体収容量が規定以下になると、受圧板27が検出用凹部であるインク誘導路33を有した剛性壁31に空間形成部28を介して当接して、振動作用領域であるインク誘導路33に連通する液体検出室21が限定された狭い空間になるため、残留振動波形の変化が顕著になり、液体収容室7や液体検出室21における液体残量が所定レベルに到達した時点又は状態を、正確に確実に検出することができる。
【0040】
そして、液体検出室21が液体収容室7とは別の区画室であるため、液体収容室7が可撓性の袋体7bに液体を収容する形態で、液体収容室7のインク残量の減少により可撓性の袋体7bに撓みやシワが発生しても、袋体7bの撓みやシワが圧電型検出手段35の検出精度に影響を及ぼさない。
しかも、液体収容室7内のインクが消尽されて、液体検出室の容積が最小になった場合でも、液体検出室21内では、検出手段35と対向壁である受圧板27との間に所定の空間が確保されていて、検出手段35が正常に稼働していれば、この空間に残留するインク量に対応する残留振動波形が検出可能とされるため、検出手段35の故障等で残留振動波形の変化が検出できなくなる場合と、液体が消尽された状態とを誤認することがなくなり、正確にインクの消尽を検知することができる。
従って、液体を収容する可撓性の袋体7bに発生する撓みやシワ等がインク残量の検出精度に影響を及ぼすことがなく、安定して、高精度にインク残量を検出することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、空間形成部28が、液体検出室21の検出手段35に対向する受圧板27の表面に突設された突起で、受圧板27が樹脂等の成形品である場合、突起を一体成形することで、部品増加を招かない。即ち、構成部品点数の増加に起因するコストアップを防止することができる。
【0042】
また、本実施の形態の液体検出部11は、容積変化に伴い離間距離が変化する一対の対向壁としてのダイヤフラム23と剛性壁31との内、他方の壁である底壁21aの一部を形成する剛性壁31に圧電型検出手段35を装備する一方、一方の壁であるダイヤフラム23には検出手段35の先端平坦面に対向する板状の受圧板27を装備して、受圧板27に空間形成部28としての突起を設け、更に、液体検出室21内には、液体検出室21内の液圧に応じてダイヤフラム23が変位するようにダイヤフラム23を付勢する圧力調整ばね29を設けた構成とし、液体収容室7とは別個の液体検出室21に検出手段35を配置したことにより、残留振動波形の変化をインク残量の検出に用いる液体検出部11が、比較的簡単に構築できる。
【0043】
また、本実施の形態では、ダイヤフラム23が、可撓性フィルムにより構成されているため、可撓性フィルムとして、樹脂フィルム層の上にアルミニウム層が積層形成されたアルミラミネート複層フィルムを用いることで、液体検出室21に高いガスバリア性を確保することができ、液体収容室7に収容されているインクの脱気度が液体検出室21におけるガスバリア性によって低下することがなく、液体消費装置であるインクジェット記録装置に脱気度の高い高品位のインク供給が可能になる。
【0044】
そして、本実施の形態の液体収容容器1が、インクジェット記録装置にインクを供給するインク収容容器として用いられる場合には、インク残量を正確に検知可能なため、インク残量の検出精度の低下や誤検知による不都合の発生を防止して、インクジェット記録装置における動作の信頼性を向上させることができる。
【0045】
また、本実施の形態の液体検出部11は、液体検出室21が当初最大の内容積に設定されていて、その後、液体収容室7内のインクの消費に応じて徐々に液体検出室21の内容積が減少していって、液体収容室7内のインクが消尽されると、液体検出室21の内容積が最小限になる構成となるため、液体検出室21の受圧板27を支持するダイヤフラム23は、液体検出室21の内容積が徐々に減少する方向に変形をする。
即ち、液体検出室21の内容積が最大限から最小限まで変化する大きな変形の発生頻度は、液体収容室7内の液体が消尽されるまでに1回であり、密閉空間3の外部に液体検出部が装備される形態のものとは異なり、液体検出室21の可撓壁であるダイヤフラム23が大きな変形を頻繁に繰り返すことがないため、液体検出室21の可撓壁であるダイヤフラム23に、耐久性を下げた安価な材料を使用することができ、液体検出部11のコストの低減を図ることができる。
【0046】
更に、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出部11は、上面を開口した凹空間19aを形成している検出装置ケース19に対して、凹空間19aの上面の開口を封止するようにダイヤフラム23を接着することで、液体検出室21を画成しており、凹空間19aの開口部を封止するダイヤフラム23自体が、液体検出室21の容積変化を可能にする可撓壁となるため、容積変化特性(コンプライアンス)を備えた液体検出室21を簡単に、且つ安価に形成することができる。
【0047】
また、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出部11では、受圧板27を圧電型検出手段35から離れる方向に付勢する付勢手段を、弾性部材としての圧力調整ばね29により構成している。
これにより、圧力調整ばね29による付勢力は、例えば、弾性部材の材質の変更等によって簡単に加減でき、この付勢力の加減により、受圧板27が検出用凹部であるインク誘導路33を閉じる時期を変更できて、検出すべき液体検出室21内の残存液量を容易に設定変更することができる。
【0048】
また、本実施の形態の液体収容容器1の液体検出部11では、受圧板27が剛性壁31と協働して、空間形成部28が剛性壁31に当接する時点を、液体収容室7の液体が消尽された状態に設定しているため、例えばインクカートリッジとして使用した場合に、液体検出部11の圧電型検出手段35を、液体収容室7におけるインク残量がゼロになったことを検知するインクエンド検出機構として有効に活用することができる。
【0049】
なお、受圧板27が剛性壁31と協働して、インク誘導路33を密閉空間に形成する時点は、液体収容室7の液体が略消尽された状態に設定するようにしても良い。
このようにすると、例えばインクカートリッジとして使用した場合に、液体検出部11の圧電型検出手段35を、液体収容室7におけるインク残量がもうすぐゼロになる状態を検知するインクニアエンド検出手段として有効に活用することができる。
【0050】
また、上記実施の形態では、受圧板27は、ダイヤフラム23の内面に接着剤等により固着した構成としたが、受圧板27をダイヤフラム23に固着させずとも、受圧板27を剛性壁31から離れる方向に付勢する圧力調整ばね29による付勢力によって、受圧板27をダイヤフラム23に当接した状態に保持するだけにしても良い。
【0051】
また、上記第1の実施の形態では、受圧板27に空間形成部28として突起を設けたが、上記実施形態に限らない。以下、図4及び図5を用いて本発明第2の実施の形態について説明する。
図4は本発明に係る液体収容容器の第2の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が非加圧状態時の縦断面図、図5は液体収容室内の液体が消
尽されていて加圧空間が加圧状態時の縦断面図である。
図4に示した液体収容容器104は、空間形成部28が、液体検出室21の底壁21aに設けられる。底壁21aに形成された空間形成部28は、底壁21aから受圧板27の方へ突出する突起である。なお、空間形成部28である突起は凹空間19aと一体に形成されてもよく、凹空間19aの形成後に別体に設けられてもよい。
【0052】
本実施の形態の場合、液体検出室21の底壁21aとダイヤフラム23は、液体検出室21の容積変化に伴い離間距離が変化する液体検出室21の一対の対向壁である。そして、本実施の形態における液体検出部11は、これらの一対の対向壁の内の他方の壁である底壁21aの一部を形成する剛性壁31に、圧電型検出手段35を装備したものである。
【0053】
そして、本実施の形態の場合、液体収容室7内のインクが消尽されて、図5に示すように液体検出室21の容積が最小になる時に、一対の対向壁である底壁21aと可撓性フィルム23上の受圧板27との間に所定の空間を残す空間形成部28である突起が液体検出室21の底壁21aから突出するように設けられている。
以上の第2の実施の形態の場合も、第1の実施の形態と同様に、当初の目的を達成する作用効果を奏することができる。
【0054】
次に、図6及び図7を用いて本発明第3の実施の形態について説明する。図6は本発明に係る液体収容容器の第3の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が非加圧状態時の縦断面図、図7は液体収容室内の液体が消尽されていて加圧空間が加圧状態時の縦断面図である。
図1に示した第1の実施の形態である液体収容容器1において空間形成部28が受圧板27に設けられた突起であるのに対し、図6に示した液体収容容器105は、空間形成部28が振動検出部25のインク誘導路33と対向する位置に設けられた受圧板27の凹部である点で相違する。
【0055】
本実施の形態の場合、液体収容室7内のインクが消尽されて、図7に示すように液体検出室21の容積が最小になる時に、一対の対向壁である剛性壁31と可撓性フィルム23上の受圧板27との間に、受圧板27に設けられた空間形成部28としての凹部により、空間が形成される。
これによって、第3の実施の形態の場合も、第1の実施の形態と同様に、当初の目的を達成する作用効果を奏することができる。
【0056】
なお、本発明に係る液体検出部において、振動検出部25を装備する位置や、空間形成部28を装備する位置は、上記実施形態に限らない。
例えば、図8に示すように、振動検出部25及び空間形成部28を配置するように構成しても良い。
図8に示した液体収容容器101は、本発明に係る液体収容容器の第4の実施の形態となるもので、液体検出室21の容積変化に応じて離間距離が変わる一対の対向壁の一方となるダイヤフラム23に、圧電型検出手段35を有した振動検出部25を配置している。そして、ダイヤフラム23に対向する液体検出室21の底壁21aが、他方の対向壁として機能するが、この液体検出室21の底壁21aに、空間形成部28を突起として装備するようにしている。
【0057】
即ち、この第4の実施の形態の液体収容容器101は、液体検出室21の容積変化に伴い離間距離が変化する液体検出室21の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラム23で形成すると共に、他方の壁を検出装置ケース19の底壁21aに形成し、ダイヤフラム23上に固着された剛性壁31に検出手段35を装備する一方、検出手段35の先端平坦面が対向する液体検出室21の底壁21aには振動検出部25との間に所定の空間を残す空間形成部28を設けている。なお、振動検出部25の具体的な構成や、液体検出室21内にダイヤフラム23を付勢する圧力調整ばね29を設ける点は、第1の実施の形態と共通である。
【0058】
この第4の実施の形態の構成にした場合も、第1の実施の形態の場合と同様に、液体収容室7とは別個の液体検出室21に検出手段35を配置して残留振動波形の変化をインク残量の検出に用いる液体検出部11が、比較的簡単に構築できる。
更に、独立部品であった受圧板27が不要に成る分、部品点数の削減によるコスト低減を図ることができる。
【0059】
次に、図9及び図10を用いて本発明第5の実施の形態について説明する。図9は本発明に係る液体収容容器の第5の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が非加圧状態時の縦断面図、図10は液体収容室内の液体が消尽されていて加圧空間が加圧状態時の縦断面図である。
図8に示した第4の実施の形態である液体収容容器101において、空間形成部28は液体検出室21の底壁21aに設けられた突起であるのに対し、図9に示した液体収容容器106は、空間形成部28が液体検出室21の底壁21aに設けられ、振動検出部25のインク誘導路33と対向する位置に形成された凹部である点で相違する。
【0060】
本実施の形態の場合、液体収容室7内のインクが消尽されて、図10に示すように液体検出室21の容積が最小になる時に、一対の対向壁である液体検出室21の底壁21aとダイヤフラム23上に固着された振動検出部25の剛性壁31との間に、液体検出室21の底壁21aに設けられた空間形成部28としての凹部により、空間が形成される。
【0061】
これによって、第5の実施の形態の場合も、第4の実施の形態と同様に、当初の目的を達成する作用効果を奏することができる。
【0062】
なお、本発明に係る液体収容容器において、液体検出部11の装備位置は、液体収容室7を収容した密閉空間3内とは限らない。
後述する第6実施形態や第7の実施の形態のように、液体収容室7を収容する密閉空間3とは独立した外部の専用の収容空間に液体検出部11を配置することも可能である。
【0063】
図11は本発明に係る液体収容容器の第6の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて液体収容室が設けられた加圧空間が非加圧状態時の縦断面図、図12は図11に示した液体収容容器の拡大断面図であり、非加圧状態の液体収容室から液体供給口を介して液体が吸引される状態を示す。
この第6の実施の形態の液体収容容器102は、第1の実施の形態に示した液体収容容器1における液体検出部11を、液体収容室7を収容する密閉空間3の外部に独立して区画された検出部収容室15に移したものである。
【0064】
そして、液体検出部11を密閉空間3の外部の検出部収容室15に移したことに伴い、液体検出室21のダイヤフラム23を付勢する圧力調整ばね29の装備形態が変更されている。圧力調整ばね29は、受圧板27が固着されたダイヤフラム23と検出部収容室15の内壁との間に圧縮状態で装着され、ダイヤフラム23を検出装置ケース19の底部側(液体検出室21の容積が減少する側)に付勢している。
なお、圧力調整ばね29の配置等が変わったが、それ以外の構成は、第1の実施の形態の液体収容容器1と共通であり、共通する構成には同番号を付して説明を省略する。
【0065】
図13は本発明に係る液体収容容器の第7の実施の形態で、液体収容室に接続された液体検出部の拡大断面図である。
この第7の実施の形態の液体収容容器103は、第4の実施の形態に示した液体収容容器101における液体検出部11を、液体収容室7を収容する密閉空間3の外部に独立して区画された検出部収容室15に移したものである。
【0066】
そして、第5実施形態の場合と同様に、液体検出部11を密閉空間3の外部の検出部収容室15に移したことに伴い、液体検出室21のダイヤフラム23を付勢する圧力調整ばね29の装備形態が変更されている。即ち、圧力調整ばね29は、振動検出部25の剛性壁31が固着されたダイヤフラム23と検出部収容室15との間に圧縮状態で装着され、ダイヤフラム23を検出装置ケース19の底部側(液体検出室21の容積が減少する側)に付勢している。
なお、圧力調整ばね29の配置等が変わったが、それ以外の構成は、第4の実施の形態の液体収容容器101と共通であり、共通する構成には同番号を付して説明を省略する。
【0067】
以上の第6の実施の形態や第7の実施の形態の場合も、第1の実施の形態や第2の実施の形態の場合と同様に、当初の目的を達成する作用効果を奏することができる。
【0068】
即ち、液体検出部11が、液体収容室7におけるインク残量の減少に伴う液体検出室液体検出室21の容積変化を、残留振動波形の変化で捉えて、液体収容室7におけるインクの検出に用いるもので、液体検出室21が液体収容室7とは別の区画室であるため、液体収容室7が可撓性袋体に液体を収容する形態で、液体収容室7のインク残量の減少により可撓性の袋体7bに撓みやシワが発生しても、これらの袋の撓みやシワが圧電型検出手段35の検出精度に影響を及ぼさない。
しかも、液体収容室7内のインクが消尽されて、液体検出室の容積が最小になる場合も、液体検出室21内では、空間形成部28により検出手段35と対向壁との間に所定の空間が確保されていて、検出手段35が正常に稼働していれば、この空間に残留するインク量に対応する残留振動波形が検出されるため、検出手段の故障等で残留振動波形の変化が検出できなくなる場合と、インクが消尽された状態とを誤認することがなく、正確にインクの消尽を検知することもできる。
従って、インクを収容する可撓性の袋体7bに発生する撓みやシワ等が液体残量の検出精度に影響を及ぼすことがなく、安定して、高精度にインク残量を検出することができる。
【0069】
また、本発明の液体収容容器の用途は、インクジェット記録装置のインクカートリッジに限らない。液体噴射ヘッドを備える各種の液体消費装置に流用可能である。
例えば、液体消費装置を、記録用紙(図示略)の搬送方向(前後方向)と交差する方向において記録ヘッドが記録用紙の幅方向(左右方向)の長さに対応した全体形状をなす、いわゆるフルラインタイプ(ラインヘッド方式)のプリンタに具体化してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、液体消費装置をインクジェット式プリンタに具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体(ゲルのような流状体を含む)を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。なお、本明細書において「液体」とは、無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等または、液状体、流状体などが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る液体収容容器の第1の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて密閉空間が非加圧状態時の縦断面図である。
【図2】第1の実施形態おいて、液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が加圧状態時の縦断面図である。
【図3】第1の実施形態おいて、液体収容室内の液体が消尽されていて密閉空間が加圧状態時の縦断面図である。
【図4】本発明に係る液体収容容器の第2の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が非加圧状態時の縦断面図である。
【図5】第2実施形態において、液体収容室内の液体が消尽されていて加圧空間が加圧状態時の縦断面図である。
【図6】本発明に係る液体収容容器の第3の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が非加圧状態時の縦断面図である。
【図7】第3実施形態において、液体収容室内の液体が消尽されていて加圧空間が加圧状態時の縦断面図である。
【図8】本発明に係る液体収容容器の第4の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が非加圧状態時の縦断面図である。
【図9】本発明に係る液体収容容器の第5の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて加圧空間が非加圧状態時の縦断面図である。
【図10】第5実施形態において、液体収容室内の液体が消尽されていて加圧空間が加圧状態時の縦断面図である。
【図11】本発明に係る液体収容容器の第6の実施の形態で、液体収容室内に液体が残留していて液体収容室が設けられた加圧空間が非加圧状態時の縦断面図である。
【図12】図11に示した液体収容容器の拡大断面図であり、非加圧状態の液体収容室から液体供給口を介して液体が吸引される状態を示す。
【図13】本発明に係る液体収容容器の第7の実施の形態で、液体収容室に接続された液体検出部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 液体収容容器(インクカートリッジ)
3 密閉空間
5 容器本体
7 液体収容室(インクパック)
7a 排出口
7b 袋体
9 液体供給口
11 液体検出部
11a 液体流入口
11b 液体流出口
13 加圧口
15 検出部収容室
19 検出装置ケース
19a 凹空間
21 液体検出室
23 ダイヤフラム(可撓性フィルム)
25 振動検出部
27 移動部材
27a 下面
28 空間形成部
29 圧力調整ばね(付勢手段)
31 剛性壁
33 インク誘導路(検出用凹部)
35 圧電型検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧空間に収容され該加圧空間に導入される加圧流体により加圧されて内部に貯留している液体を排出する液体収容室と、前記液体収容室の液体の検出に用いる液体検出部と、を備えた液体収容容器において、
前記液体検出部は、
前記液体収容室に連通する液体流入口と外部の液体消費装置に連通する液体流出口とを備えると共に、前記液体流入口と液体流出口との間の液圧に相応して容積が変化する液体検出室と、
前記液体検出室の容積変化に伴い離間距離が変化する一対の対向壁の一方の壁に装備されて液体の振動波形の検出に用いる検出手段と、
前記液体検出室の容積が最小になる時に、前記対向壁間に所定の空間を形成する空間形成部と、
を設けたことを特徴とする液体収容容器。
【請求項2】
前記空間形成部が、前記対向壁の一方の壁に突設した突起であることを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項3】
前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁を剛性壁で形成し、
前記剛性壁に前記検出手段を装備する一方、前記ダイヤフラムには前記検出手段に対向する受圧板を装備して、該受圧板に前記空間形成部としての突起を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けたことを特徴とする請求項2に記載の液体収容容器。
【請求項4】
前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁を前記液体検出室の内壁に形成し、
前記内壁の一部を形成する剛性壁に前記検出手段を装備する一方、前記ダイヤフラムには前記検出手段に対向する受圧板を装備して、前記内壁に前記空間形成部としての突起を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けたことを特徴とする請求項2に記載の液体収容容器。
【請求項5】
前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁を前記液体検出室の内壁に形成し、
前記内壁の一部を形成する剛性壁に前記検出手段を装備する一方、前記ダイヤフラムには前記検出手段に対向する受圧板を装備して、該受圧板に前記空間形成部としての凹部を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項6】
前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁を前記液体検出室の内壁に形成し、
前記ダイヤフラムに前記検出手段を装備する一方、前記内壁には前記空間形成部としての突起を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けたことを特徴とする請求項2に記載の液体収容容器。
【請求項7】
前記液体検出室の一対の対向壁の内、一方の壁を圧力変化に伴い変位するダイヤフラムで形成すると共に、他方の壁を前記液体検出室の内壁に形成し、
前記ダイヤフラムに前記検出手段を装備する一方、前記内壁には前記空間形成部としての凹部を設け、
更に、前記ダイヤフラムが液圧に応じて変位するように該ダイヤフラムを付勢する圧力調整ばねを設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項8】
前記ダイヤフラムが、可撓性フィルムにより構成されていることを特徴とする請求項3乃至7の何れか1項に記載の液体収容容器。
【請求項9】
前記液体収容室に収容される液体がインクで、インクジェット記録装置にインクを供給するインク収容容器として用いられることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の液体収容容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−307894(P2007−307894A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107476(P2007−107476)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】