説明

液体吐出ヘッドおよびそれを備える液体吐出装置

【課題】 簡単な構成で、静電気の影響を受け難い液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】 液体吐出ヘッドは、複数のコンタクトパッドが配列された電気配線テープH1301と、個別情報を記憶するための記憶素子と、液体を吐出するための吐出口を備え、上記複数のコンタクトパッドの一部を介して供給された電力を用いて液体を吐出する液体吐出部材と、を有し、上記複数のコンタクトパッドは、記憶素子と電気的に接続されたIDコンタクトパッドH1302aと、電力を供給するためのVHコンタクトパッドH1302cと、GNDHコンタクトパッドH1302dと、を有し、IDコンタクトパッドH1302aの両側には、VHコンタクトパッドH1302cおよびGNDHコンタクトパッドH1302dの一方または両方が隣接して設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク等の液体を吐出する液体吐出ヘッド、およびそれを備える液体吐出装置に関する。また、液体吐出装置としては、インクを吐出して記録を行なう一般的なプリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、あるいはこれらの装置の有する機能を複合して備える多機能記録装置等の他、インク以外の液体を吐出して媒体上に図形や模様を描画する装置に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
近年、液体吐出ヘッドとして代表的な商品であるインクジェット記録ヘッドに、自身のID(Identity)コードやインク吐出機構の駆動特性といったヘッド固有の情報(個別情報)を読み出して自在にデータ保持させるために、インクジェット記録用基板にROM(Read Only Memory)を搭載することが提案されている。例えば、特許文献1には、インクジェット記録ヘッドにEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)を搭載することが開示されている。
【0003】
この他、インクジェット記録ヘッドのインクジェット記録用基板のベース基板に、インク吐出のためのエネルギーを発生させる発熱抵抗素子を複数の積層膜で構成するとともに、ヘッド固有の情報を示す抵抗を形成する手法も知られている。この手法は、情報量が比較的少ない場合には有効である。ベース基板に形成された抵抗の値をインクジェット記録ヘッドを装着したインクジェット記録装置が読み込むことで、インクジェット記録ヘッドの固有情報を得て、インクジェット記録装置側からインクジェット記録ヘッドへの吐出のための最適な駆動制御が可能となる。
【0004】
また、特許文献2には、インクジェット記録用基板を製造するためのベース基板に、インク吐出部を構成する積層膜を形成するときに、ROMとなるヒューズを同時に形成することが開示されている。このヒューズを、同時に形成したロジック回路の制御により選択的に溶断すれば、その溶断の有無により、二値データを書き込み保持させることができる。
【0005】
上述のようなインクジェット記録用基板を利用したインクジェットヘッドでは、ヘッド固有の情報を保持させながらも構造の簡略化、生産性の向上、コストの削減、小型軽量化を実現することができる。
【0006】
なお、上述したような個別情報を記憶可能としたインクジェット記録ヘッドの場合、静電気対策をする必要がある。特に、インクジェット記録装置本体に着脱可能なインクジェット記録ヘッドにおいては、装置本体への装着時に、必ず使用者の手に触れることになる。例えば、ヘッド・インクタンク一体型のものでは、インクタンクが空になるたびに新しいインクジェット記録ヘッドが装着され、その際に、ヘッドが使用者の手に触れることになる。また、種類の異なるインクジェット記録ヘッドを取り替えることでインクジェット記録装置を通常画質記録機と写真画調高画質記録機として使い分けるような場合は、そのたびにインクジェット記録ヘッドが使用者の手に触れることになる。このような操作を行なうに際しては、インクジェット記録ヘッドを静電気から守る必要がある。そのための提案として、特許文献3には、インクジェット記録装置本体との電気的接続を行うコンタクトパッドの周囲に放電回路を設けることが開示されている。
【特許文献1】特開平3−126560号公報
【特許文献2】特開平6−91877号公報
【特許文献3】特開平07−060953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した個別情報を記憶可能な従来のインクジェット記録ヘッドには、以下のような問題がある。
【0008】
上述の特許文献1及び特許文献2に記載されたような、ROMやEEPROMなどの記憶素子を搭載するインクジェット記録ヘッドにおいては、どうしても装置構成が複雑になるため、生産性の向上や小型軽量化を図るための種々の改善が望まれている。基本的に、ROMチップは、記録データが大容量の場合は有用であるが、記録データが大容量でない場合には、コスト的に不利になることがあり、この点で改善の余地が残されている。
【0009】
加えて、上述した静電気については考慮されていないため、その対策を行う必要もある。ヘッド基板上にヘッド固有の情報を記憶する記憶素子を微細に設けたものでは、ヘッド固有の情報を出力する端子は相対的に静電気に対して弱く、装着時に使用者の手にヘッドが触れてしまうと、破壊もしくは情報内容が書き換わってしまうことが危惧される。このため、静電気対策は重要である。
【0010】
特許文献3に記載のインクジェット記録ヘッドにおいては、静電気の影響は回避されるものの、基板上に放電回路を別途設けなければならない。このため、スペース効率の向上、小型化や低コスト化を図るための種々の改善が望まれている。
【0011】
本発明の目的は、上記問題を解決し、簡単な構成で、静電気の影響を受け難い液体吐出ヘッドおよびそれを備える液体吐出装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、液体吐出ヘッドの取扱い時における放電が個別情報出力コンタクトパッドよりも電源コンタクトパッドまたはグラウンドコンタクトパッドに対して起こり易くすることで、放電によって記憶素子の個別情報の破壊や書き換えといった問題が発生し難い構造の液体吐出ヘッドおよびそれを備える液体吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドは、複数のコンタクトパッドが配列された電気配線部材と、個別情報を記憶するための記憶素子と、液体を吐出するための吐出口を備え、前記複数のコンタクトパッドの一部を介して供給された電力を用いて液体を吐出する液体吐出部材と、を有し、前記複数のコンタクトパッドは、前記記憶素子と電気的に接続された個別情報コンタクトパッドと、前記電力を供給するための電源コンタクトパッドと、グラウンドコンタクトパッドと、を有し、前記個別情報出力コンタクトパッドの両側には、前記電源コンタクトパッドおよびグラウンドコンタクトパッドの一方または両方が隣接して設けられている。
【発明の効果】
【0014】
上述のような本発明によれば、特別な回路を設けることなく、またヘッドの大型化を伴うことなく、簡単な構成で、ヘッド装着の際の静電気による記憶素子の個別情報の破壊や書き換えといった問題を解決することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図5から図12は、本発明に係る液体吐出ヘッドもしくは液体吐出装置の一実施例としてのインクジェット記録ヘッドもしくはインクジェット記録装置を説明するための説明図である。以下、これらの図面を参照して各構成要素について説明する。
【0017】
本実施形態の記録ヘッドは、インクタンク一体型のものであって、図5の(a)および(b)に示すような、ブラックインクが充填された第1の記録ヘッドH1000と、図8の(a)および(b)に示すような、カラーインク(シアンインク、マゼンタインク、イエローインク)が充填された第2の記録ヘッドH1001との2形態を有する。これら記録ヘッドH1000、H1001は、インクジェット記録装置本体に搭載されているキャリッジ102上に、位置決め手段および電気的接点によって固定支持されるとともに、キャリッジ102に対して着脱可能となっている。充填されているインクが消費されてなくなった場合は、記録ヘッドを交換することができる。
【0018】
以下、これら記録ヘッドH1000、H1001に関して、その構成を詳細に説明する。
【0019】
<記録ヘッド>
第1の記録ヘッドH1000及び第2の記録ヘッドH1001は、いずれも電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギを生成する電気熱変換体を用いたインクジェット記録ヘッドであって、記録素子としての電気熱変換体とインク吐出口とが対向するように配置された構造のインクジェット記録ヘッドである。本実施例では、これら記録ヘッドはインクを吐出する記録素子基板(液体を吐出するための吐出口を備え、供給された電力を用いて液体を吐出する液体吐出部材の実施例である。)と、記録素子基板へ供給されるインクを保持・貯留するインクタンクとを、一体に備えた構造のものを用いて説明しているが、インクタンクを別体とした記録素子基板のみを有する構造の記録ヘッドであっても構わない。
【0020】
(1)第1の記録ヘッドH1000
図6は、第1の記録ヘッドH1000の分解斜視図である。第1の記録ヘッドH1000は、第1の記録素子基板H1100、電気配線部材としての電気配線シートH1300、インク貯留部材H1500を含んで構成されている。
【0021】
図7は、第1の記録素子基板H1100の構成を説明するための図で、一部破断して示す斜視図である。第1の記録素子基板H1100は、例えば、厚さ0.5mm〜1mmのSi基板H1110に、インク流路である長溝状の貫通口のインク供給口H1102を形成したものである。そして、第1の記録素子基板H1100のインク供給口1102がインク貯留部材H1500のインク供給口H1200に連通するよう、第1の記録素子基板H1100がインク貯留部材H1500に対して位置精度良く接着固定される。
【0022】
Si基板H1110には、インク供給口H1102を挟んでその両側に、電気熱変換素子H1103が1列ずつ並べて配置され、さらに電気熱変換素子H1103に電力を供給するAlなどからなる不図示の電気配線が形成されている。
【0023】
また、Si基板H1110には、電気配線に電力を供給したり、電気熱変換素子H1103を駆動するための電気信号を供給したりするための電極部H1104が、電気熱変換素子H1103の列の両端に位置する側の辺部に沿って配列されており、それぞれの電極部H1104上にはAuなどからなるバンプH1105が形成されている。
【0024】
さらに、Si基板H1110には、ヘッド固有の情報を格納するためのヒューズと必要な周辺回路とが形成されている。図11にその概略を示す。
【0025】
図11において、H1117で示す部分がヒューズである。この例では、ポリシリコン抵抗体よりなる4つのヒューズH1117が、インク供給口H1102の短辺側に配置されている。各ヒューズH1117には、それぞれヒューズの溶融および情報の読み出しを行うための第2の駆動素子H1118が接続されている。これら第2の駆動素子H1118は、電気熱変換素子H1103を駆動する第1の駆動素子H1116に隣接して配置されている。
【0026】
ヒューズH1117を駆動する第2の駆動素子H1118を選択するための信号には、電気熱変換素子H1103を駆動する第1の駆動素子H1116を選択するための信号がそのまま用いられる。このため、第2の駆動素子H1118を選択するための回路部分を、第1の駆動素子H1116を選択するための回路部分と同様な構成で形成することができる。具体的には、インクジェット記録基板外部より信号が入力される信号線から、シフトレジスタ、ラッチ回路、デコーダを経て、第2の駆動素子H1118に接続される信号線までの部分は、第1の駆動素子H1116を選択する回路と共通の回路構成とすることができる。また、シフトレジスタなどからの出力により第2の駆動素子H1118を最終的に選択する選択回路H1112は、第1の駆動素子H1116用の選択回路と同様な構造である。
【0027】
VH電源を供給するためのVHパッドH1104cは、VH配線H1114を介して電気熱変換素子H1103に接続されている。GNDH電源を供給するためのGNDHパッドH1104dは、GNDH配線H1113を介して、電気熱変換素子H1103に接続された第1の駆動素子H1116とヒューズH1117に接続された第2の駆動素子H1118に共通に接続されている。すなわち、第1の駆動素子H1116および第2の駆動素子H1118はGNDH配線H1113を共用している。
【0028】
IDパッドH1104aは、ヒューズH1117の溶断時は、電圧を印加するヒューズ切断電源端子として、ヒューズによる情報の読み出し時には、信号出力端子として機能する。具体的には、ヒューズH1117の溶断時は、IDパッドH1104aに電圧(例えば電気熱変換素子の駆動電圧の24V)を印加して、選択回路によって選択された第2の駆動素子H1118を駆動して対応するヒューズH1117を瞬間的に溶断する。このとき、ヒューズ読み出し用電源端子であるID電源パッドH1104bと接続するヒューズ読み出し用電源等の外部回路との電気導通は切断状態にする。一方、情報の読み出し時は、ID電源パッドH1104bに電圧(例えばロジック回路の電源電圧の3.3V)を印加することにより、ヒューズH1117が溶断しているときは、ID電源パッドH1104bとIDパッドH1104aとが同電位となり、IDパッドH1104aからはHiレベルの電圧が出力される。また、ヒューズH1117が溶断していないときは、ヒューズH1117の抵抗値より極めて大きな抵抗値を持った読み出し抵抗H1111により、IDパッドH1104aからはLoレベルの電圧が出力される。
【0029】
他の形態として、上述したヒューズH1117のかわりに単なる配線をSi基板H1110上に形成し、その配線の有無に基づく情報の記憶および読み出しを行うようにしても良い。この場合は、Si基板H1110上への配線の成膜時に、ヘッド固有の情報を書き込むことになる。情報の読み出しは、上述した形態と全く同様に行えるが、後からの情報の書き込みはできない。
【0030】
さらに異なる形態としては、Si基板H1110上に、ヘッド固有の情報に関連した抵抗素子を形成し、その抵抗素子の一端をIDパッドH1104aに、他端をGNDHパッドH1104dに接続するようにしても良い。この場合は、インクジェット記録装置本体は、IDパッドH1104aとGNDHパッドH1104d間の抵抗値を読み取ることで、抵抗値に対応するヘッド固有情報を得ることができる。
【0031】
上記いずれの形態においても、Si基板H1110上の、ヒューズ、配線および抵抗素子などの記憶素子のパターンが形成された面上には、電気熱変換素子H1103ごとにインク流路を備えて樹脂材料からなる構造体がフォトリソ技術によって形成されている。この構造体は、各インク流路を区切るインク流路壁H1106とその上方を覆う天井部とを有し、天井部には吐出口H1107が開口されている。吐出口1107は、電気熱変換素子H1103のそれぞれに対向して設けられており、これにより吐出口群H1108を形成している。
【0032】
上記のように構成された第1の記録素子H1100では、インク流路H1102から供給されたインクは、各電気熱変換素子H1103の発熱によって発生した気泡の圧力によって、各電気熱変換素子H1103に対向する吐出口1107から吐出される。
【0033】
電気配線シートH1300は、第1の記録素子基板H1100に対してインクを吐出するための電気信号を印加する電気信号経路を形成するものであり、ポリイミドのベース基材上に銅箔の配線パターンを形成することで構成されている。また、第1の記録素子基板H1100を組み込むための開口部H1303が形成されており、この開口部の縁付近には、第1の記録素子基板H1100の電極部H1104に接続される電極端子H1304が形成されている。さらに、電気配線シートH1300には、本体装置からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1302が形成されており、この外部信号入力端子H1302と電極端子H1304が連続した銅箔の配線パターンでつながれている。
【0034】
電気配線シートH1300と第1の記録素子基板H1100の電気的接続は、例えば、第1の記録素子基板H1100の電極部H1104に形成されたバンプH1105と、第1の記録素子基板H1100の電極部H1104に対応する電気配線シートH1300の電極端子H1304とが熱超音波圧着法により電気接合されることでなされている。
【0035】
インク貯留部材H1500に固定された第1の記録素子基板H1100の周囲の平面(記録ヘッドH1000がキャリッジ102に装着された際には、記録媒体と対面する面である。)には、電気配線テープH1300の一部の裏面が接着剤により接着固定される。そして、電気配線テープH1300の未接着部は折り曲げられ、インク貯留部材H1500の第1の記録素子基板H1100の接着面にほぼ垂直な側面に接着剤等で固定される。
【0036】
(2)第2の記録ヘッドH1001
第2の記録ヘッドH1001はシアン、マゼンタ、イエローの3色のインクを吐出させるためのもので、図9の分解斜視図に示すように、第2の記録素子基板H1101、電気配線部材としての電気配線シートH1301、インク貯留部材H1501を含んで構成されている。以下に説明する構成を除くと、原則、上述した第1の記録ヘッドH1000と同様の構成である。
【0037】
図10は、第2の記録素子基板H1101の構成を説明するために一部破断して示す斜視図である。この第2の記録素子基板H1101は、シアン、マゼンタ、イエロー用の3個のインク供給口H1102が並列して形成されている点が第1の記録素子基板H1100と大きく異なる。それぞれのインク供給口H1102を挟んでその両側に電気熱変換素子H1103と吐出口H1107とが一列に千鳥状に並んで配置されている。Si基板H1110a上には、第1の記録素子基板H1100におけるSi基板H1110同様に、電気配線、ヒューズもしくは抵抗、電極部などが形成されている。さらに、Si基板H1110a上には、フォトリソグラフィ技術によって、樹脂材料よりなるインク流路壁H1106や吐出口H1107が形成されている。電気配線に電力を供給するための電極部H1104には、Au等のバンプH1105が形成されている。
【0038】
<インクジェット記録装置>
次に、上述したような記録ヘッドを搭載可能な記録装置について説明する。図12は、本発明のインクジェット記録ヘッドを搭載可能な記録装置の一例であって、内部を概観する模式的上面図である。
【0039】
図12を参照してわかるように、この記録装置は、図5に示した記録ヘッドH1000および図8に示した記録ヘッドH1001が位置決めされて交換可能に搭載されるキャリッジ102を有している。キャリッジ102には、記録ヘッドH1000およびH1001上の外部信号入力端子を介して各吐出部に駆動信号等を伝達するための電気接続部が設けられている。
【0040】
図5及び図8に示したように、第1の記録ヘッドH1000及び第2の記録ヘッドH1001は、キャリッジ102のヘッド装着位置に記録ヘッドを案内するための装着ガイドH1560や、インクジェット記録ヘッドH1000をインクジェット記録装置に固定するための係合部H1930等により、キャリッジ102の所定位置へ案内されて固定される。インクジェット記録ヘッドH1000は、キャリッジ102の所定の装着位置に位置決めするためのX方向(キャリッジスキャン方向)の突き当て部H1570、Y方向(記録メディア搬送方向)の突き当て部H1580、Z方向(インク吐出方向)の突き当て部H1590を備えている。これらの突き当て部によりキャリッジ102に対して位置決めされることで、電気配線シートH1300およびH1301上の外部信号入力端子H1302とキャリッジ102内に設けられた電気接続部のコンタクトピンとの正確な電気的接触が可能となっている。
【0041】
キャリッジ102は、主走査方向に延在して装置本体に設置されたガイドシャフト103に沿って往復移動可能に支持されている。記録ヘッドH1000およびH1001は、各吐出部における吐出口の並び方向がキャリッジ102の走査方向に対して交差する方向になるようにキャリッジ102に搭載され、ピックアップローラ131と搬送ローラ109とにより吐出口と対向する位置にまで搬送された記録媒体108に対して、吐出口列から液体を吐出して記録を行う。
【0042】
また、記録ヘッドH1001と全く同じ構成で、内部のインクがライトマゼンタ、ライトシアン、ブラックで構成された記録ヘッドを記録ヘッドH1000と交換して使うことで高画質写真画調プリンタとして使用することも可能である。
【0043】
<ESD(静電気放電)実験結果>
図11に示す回路を設けた第2の記録素子基板H1101を用いて、ESD実験を行なった。その結果を以下に示す。
【0044】
実験を行った電気配線シートH1301には、IDコンタクトパッドH1302a、VHコンタクトパッドH1302c、GNDHコンタクトパッドH1302dが図13に示すような位置に設けられている。すなわち、IDコンタクトパッドH1302aの一方の側にVHコンタクトパッドH1302cが、他方の側にGNDHコンタクトパッドH1302dが配置されている。各コンタクトパッドの開口寸法は1.3mm角で、そのピッチは2.0mmである。電気配線シートH1301のベース材はポリイミドでできており、銅箔よりなる複数の配線がそれぞれ第2の記録素子基板上のIDパッドH1104a、VHパッドH1104c、GNDHコンタクトパッドH1104dに接続されている。
【0045】
図13において、IDコンタクトパッドH1302aの真上に先端が直径8mmの半球形状の試験端子140を近づけ、この試験端子140に+20kVの電圧を印加した時の各コンタクトパッドへの放電状態を観察した。この観察を、4個のサンプル1〜4について行った結果を以下の表1に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
上記の結果によれば、IDコンタクトパッドH1302aを狙って放電を行ったにもかかわらず、IDコンタクトパッドH1302aへの放電が生じたのは、4サンプル中1サンプルのみである。この結果から、VHコンタクトパッドやGNDHコンタクトパッドがIDコンタクトパッドの近傍に存在することにより、IDコンタクトパッドへの放電がより効果的に妨げられることが分かる。また、IDコンタクトパッドへの放電が生じたサンプル1の場合は、同時にVHコンタクトパッドへの放電も生じていることから、VHコンタクトパッドやGNDHコンタクトパッドがIDコンタクトパッドの近傍に存在することにより、IDコンタクトパッドへの放電が緩和されることが分かる。
【0048】
なお、上述の説明では、記録素子基板内に記憶素子を設けた場合について述べたが、当然、同様の記憶素子を記録素子基板とは別の基板に設けた場合においても同様の効果は認められる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の記録ヘッドでは、VHコンタクトパッドおよびGNDHコンタクトパッドの一方または両方をIDコンタクトパッドの両側に隣接して設けることで、IDコンタクトパッドへの放電がより効果的に妨げられる、または、緩和されるようになっている。これにより、装置本体もしくはキャリッジへの装着時に、ヘッドが使用者の手に触れた際に発生する静電気に起因する記憶素子への悪影響を防止している。特に、最近では、インクジェット記録用基板の回路が改善され、静電気に対してはかなり強いものとなっているので、本実施形態におけるコンタクトパッドの配置を適用するだけで、静電気への対策は十分であると考えられる。
【0050】
IDコンタクトパッドとVHコンタクトパッドおよびGNDHコンタクトパッドとの配置関係について、以下に具体例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0051】
本発明の第1の実施例であるインクジェット記録ヘッドについて図1を参照して説明する。
【0052】
図1は、本実施例のインクジェット記録ヘッドに用いられる第2の記録ヘッドの電気配線シートの外部信号入力端子部を拡大したものである。図1を参照すると、電気配線シートH1301には32個の外部信号入力端子H1302が設けられていることがわかる。これら外部信号入力端子H1302のうち、IDコンタクトパッドH1302aは6個で、その位置は外部信号入力端子H1302が設けられた部分のほぼ中央部とされている。これらIDコンタクトパッドH1302aは、図10に示した第2の記録素子基板H1101の3つのインク供給口H1102それぞれの両端に存在するヒューズH1117(または単なる結線や抵抗素子でもよい。図11参照。)とつながるIDパッドに各々接続されている。
【0053】
IDコンタクトパッドH1302aの列に沿って、その一方の側(図1でIDコンタクトパッドH1302aの列の上側に位置する側)に隣接して、6個のVHコンタクトパッドH1302cが配列されている。これらVHコンタクトパッドH1302cは、第2の記録素子基板H1101の両端の電極部H1104(図10参照)に存在するVHパッドH1104c(図11参照)に接続されている。
【0054】
IDコンタクトパッドH1302aの列に沿って、その他方の側(図1でIDコンタクトパッドH1302aの列の下側に位置する側)には、6個のGNDHコンタクトパッドH1302dが配列されている。これらGNDHコンタクトパッドH1302dは、第2の記録素子基板H1101の両端の電極部H1104(図10参照)に存在するGNDHパッドH1104(図11参照)に接続されている。
【0055】
IDコンタクトパッドH1302a、VHコンタクトパッドH1302cおよびGNDHコンタクトパッドH1302dを除く残りの外部信号入力端子H1302は、トランジスタへの電力供給や制御信号等、その他の信号授受に使用される。
【0056】
本実施例のインクジェット記録ヘッドの場合、相対的に静電気に弱いIDコンタクトパッドH1302aが外部信号入力端子H1302部のほぼ中央部に位置している。この配置は、使用者が第2の記録ヘッドを手にした場合、IDコンタクトパッドH1302aに触れ難い位置である。使用者は、基本的には、外部信号入力端子H1302部に触れないように意識して記録ヘッドを持つことから、中央に位置するパッドほど触れ難いことになる。
【0057】
加えて、IDコンタクトパッドH1302aは、VHコンタクトパッドH1302c及びGNDHコンタクトパッドH1302dに隣接しており、しかもそれらコンタクトパッドの間に挟まれているので、使用者の帯電した指がIDコンタクトパッドH1302aに接近して放電が生じた場合、その放電はVHコンタクトパッドH1302c及びGNDHコンタクトパッドH1302dの方に起こり易い。このように、放電によるヘッド固有情報の破壊や書き換えといった問題が発生し難い構造となっている。
【実施例2】
【0058】
本発明の第2の実施例であるインクジェット記録ヘッドについて図2を参照して説明する。
【0059】
図2は、本実施例のインクジェット記録ヘッドに用いられる第1の記録ヘッドの電気配線シートの外部信号入力端子部を拡大したものである。図2を参照すると、電気配線シートH1300には、21個の外部信号入力端子H1302が設けられていることがわかる。第1の記録ヘッドは、ブラックインク用であるため、第1の実施例で述べたシアン、マゼンタ、イエローの3色インク用である第2の記録ヘッドに比べ、電力供給用端子や制御信号用端子が少なくなっている。但し、インクジェット記録装置本体のキャリッジ102は、第1の記録ヘッドを取り外した位置に第2の記録ヘッドと全く同じ形態の第3の記録ヘッドとなるフォト用記録ヘッドが装着可能とされている。そのため、21個の外部信号入力端子H1302の位置は、第2の記録ヘッドにおける外部信号入力端子H1302のキャリッジ102への装着時の位置と対応するようになっている。
【0060】
電気配線シートH1300に設けられた外部信号入力端子H1302のうち、IDコンタクトパッドH1302aは2個で、その位置は外部信号入力端子H1302が設けられた部分のほぼ中央部とされている。これらIDコンタクトパッドH1302aは、図7に示した第1の記録素子基板H1100のインク供給口H1102の両端に存在するヒューズH1117(または単なる結線や抵抗素子でもよい。図11参照。)とつながるIDパッドにそれぞれ接続されている。
【0061】
IDコンタクトパッドH1302aの並びに沿って、その一方の側(図2でIDコンタクトパッドH1302aの並びの上側)に隣接して、4個のVHコンタクトパッドH1302cが配列されている。これらVHコンタクトパッドH1302cは、第1の記録素子基板H1100の両端の電極部H1104(図7参照)に存在するVHパッドH1104c(図11参照)に接続されている。
【0062】
IDコンタクトパッドH1302aの並びに沿って、その他方の側(図2でIDコンタクトパッドH1302aの並びの下側)には、4個のGNDHコンタクトパッドH1302dが配列されている。これらGNDHコンタクトパッドH1302dは、記録素子基板H1100の両端の電極部H1104(図7参照)に存在するGNDHパッドH1104(図11参照)に接続されている。
【0063】
IDコンタクトパッドH1302a、VHコンタクトパッドH1302cおよびGNDHコンタクトパッドH1302dを除く残りの外部信号入力端子H1302は、トランジスタへの電力供給や制御信号等、その他の信号授受に使用される。
【0064】
本実施例のインクジェット記録ヘッドにおいても、第1の実施例の場合と同様、相対的に静電気に弱いIDコンタクトパッドH1302aは、外部信号入力端子H1302部のほぼ中央部に位置しているので、使用者が第1の記録ヘッドを手にした場合に、IDコンタクトパッドH1302aに触れ難い構成とされている。
【0065】
加えて、IDコンタクトパッドH1302aは、VHコンタクトパッドH1302c及びGNDHコンタクトパッドH1302dに隣接しており、しかもそれらコンタクトパッドの間に挟まれているので、使用者の帯電した指がIDコンタクトパッドH1302aに接近して放電が生じた場合に、その放電によるヘッド固有情報の破壊や書き換えといった問題が発生し難い構造となっている。
【実施例3】
【0066】
本発明の第3の実施例であるインクジェット記録ヘッドについて図3を参照して説明する。
【0067】
図3は、本実施例のインクジェット記録ヘッドに用いられる第2の記録ヘッドの電気配線シートの外部信号入力端子部を拡大したものである。この第2の記録ヘッドは、第1の実施例のものと同じ第2の記録素子基板H1101を用いており、電気配線シート上の外部入力端子H1302の配置のみが第1の実施例のものとは異なる。
【0068】
電気配線シートH1301に設けられた32個の外部信号入力端子H1302のうち、6個がIDコンタクトパッドH1302aである。これらIDコンタクトパッドH1302aは、外部信号入力端子H1302が形成された部分の中央に、縦方向(電気配線シートH1301の長さ方向)に並べて配置されている。
【0069】
IDコンタクトパッドH1302aの並びに沿って、その一方の側(図3でIDコンタクトパッドH1302aの並びの右側)には、6個のVHコンタクトパッドH1302cが隣接して配列されており、他方の側(図3でIDコンタクトパッドH1302aの並びの左側)には、6個のGNDHコンタクトパッドH1302dが隣接して配列されている。
【0070】
本実施例のインクジェット記録ヘッドにおいても、第1の実施例の場合と同様、相対的に静電気に弱いIDコンタクトパッドH1302aは、外部信号入力端子H1302部のほぼ中央部に位置しているので、使用者が第2の記録ヘッドを手にした場合に、IDコンタクトパッドH1302aに触れ難い構成とされている。
【0071】
加えて、IDコンタクトパッドH1302aは、VHコンタクトパッドH1302cおよびGNDHコンタクトパッドH1302dに隣接しており、しかもそれらコンタクトパッドの間に挟まれているので、使用者の帯電した指がIDコンタクトパッドH1302aに接近して放電が生じた場合に、その放電によるヘッド固有情報の破壊や書き換えといった問題が発生し難い構造となっている。
【実施例4】
【0072】
本発明の第4の実施例であるインクジェット記録ヘッドについて図4を参照して説明する。
【0073】
図4は、本実施例のインクジェット記録ヘッドに用いられる第2の記録ヘッドの電気配線シートの外部信号入力端子部を拡大したものである。この第2の記録ヘッドは、第1の実施例のものと同じ第2の記録素子基板H1101を用いており、電気配線シートH1301上の外部入力端子H1302の配置のみが第1の実施例のものと異なる。
【0074】
電気配線シートH1301に設けられた32個の外部信号入力端子H1302のうち、6個がIDコンタクトパッドH1302aである。これらIDコンタクトパッドH1302aのそれぞれは、外部信号入力端子H1302が設けられた部分のほぼ中央部とされている。そして、その周囲(図4でIDコンタクトパッドH1302aの上下左右)に隣接してVHコンタクトパッドH1302cもしくはGNDHコンタクトパッドH1302dが設けられている。すなわち、各IDコンタクトパッドH1302aは、図4においてその上下方向および左右方向において、VHコンタクトパッドH1302cもしくはGNDHコンタクトパッドH1302dで挟まれた構造になっている。見方を変えれば、IDコンタクトパッドH1302aは外部信号入力端子H1302が設けられた部分の中央部に斜めに3個ずつ2列に配列されており、それぞれの列を挟むように6個のVHコンタクトパッドH1302c及び6個のGNDHコンタクトパッドH1302dで形成される3つの斜めの列が形成されている。
【0075】
本実施例のインクジェット記録ヘッドにおいては、各IDコンタクトパッドH1302aは、その周囲の四方に上下左右の位置に隣接して設けられた、VHコンタクトパッドH1302cもしくはGNDHコンタクトパッドH1302dで挟まれているので、他の実施例よりもさらに、放電によるヘッド固有情報の破壊や書き換えといった問題が発生し難い構造となっている。
【0076】
以上説明した各実施例のインクジェット記録ヘッドは、本発明の一例であって、その構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【0077】
また、上述の各実施例の説明に用いたインクジェット記録ヘッドとしては、本実施例に記載された吐出方式のものに限られず、種々のインク吐出方式を採用するインクジェット記録ヘッドへの適用が可能である。
【0078】
また、上述の各実施例の説明に用いた外部信号入力端子は、隣接する同種のパッド同士が繋がった形状のパッドであっても、本発明の適用が可能である。また、IDコンタクトパッドについても情報の読み出しだけではなく、記録ヘッドに搭載する記憶素子が情報の書き込みが可能な素子の場合には、情報の書き込み用のパッドとしても使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施例であるインクジェット記録ヘッドの配線基板を示す模式図である。
【図2】本発明の第2の実施例であるインクジェット記録ヘッドの配線基板を示す模式図である。
【図3】本発明の第3の実施例であるインクジェット記録ヘッドの配線基板を示す模式図である。
【図4】本発明の第4の実施例であるインクジェット記録ヘッドの配線基板を示す模式図である。
【図5】図2に示すインクジェット記録ヘッドの配線基板を用いた第1のインクジェット記録ヘッドを説明するための斜視図である。
【図6】図5に示すインクジェット記録ヘッドの分解斜視図である。
【図7】図5に示すインクジェット記録ヘッドを構成する第1の記録素子基板の一部を破断して示す斜視図である。
【図8】図1に示すインクジェット記録ヘッドの配線基板を用いた第2のインクジェット記録ヘッドを説明するための斜視図である。
【図9】図8に示すインクジェット記録ヘッドの分解斜視図である。
【図10】図8に示すインクジェット記録ヘッドを構成する第2の記録素子基板の一部を破断して示す斜視図である。
【図11】本発明を実施するインクジェット記録ヘッドに用いられる、ヘッド固有の情報を格納するためのヒューズと必要な周辺回路を含むSi基板の模式図である。
【図12】本発明を実施するインクジェット記録ヘッドを搭載可能な記録装置の一例であって、内部を概観する模式的上面図である。
【図13】ESD実験を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0080】
H1301 電気配線テープ
H1302a IDコンタクトパッド
H1302c VHコンタクトパッド
H1302d GNDHコンタクトパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、
複数のコンタクトパッドが配列された電気配線部材と、
個別情報を記憶するための記憶素子と、
液体を吐出するための吐出口を備え、前記複数のコンタクトパッドの一部を介して供給された電力を用いて液体を吐出する液体吐出部材と、を有し、
前記複数のコンタクトパッドは、前記記憶素子と電気的に接続された個別情報コンタクトパッドと、前記電力を供給するための電源コンタクトパッドと、グラウンドコンタクトパッドと、を有し、前記個別情報出力コンタクトパッドの両側には、前記電源コンタクトパッドおよびグラウンドコンタクトパッドの一方または両方が隣接して設けられている、液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記個別情報コンタクトパッドが列状に配置された第1のコンタクトパッド列と、前記第1のコンタクトパッド列を挟むように前記電源コンタクトパッドおよびグラウンドコンタクトパッドの一方または両方が列状に配置された複数の第2のコンタクトパッド列とを有し、前記第1および第2のコンタクトパッド列は前記複数のコンタクトパッドの配列の内側の列である、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第1のコンタクトパッド列を複数有し、前記第1のコンタクトパッド列のそれぞれが前記複数の第2のコンタクトパッド列に挟まれている、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記個別情報コンタクトパッドが列状に配置された複数の第1のコンタクトパッド列と、前記複数の第1のコンタクトパッド列のそれぞれを挟むように前記電源コンタクトパッドおよびグラウンドコンタクトパッドの一方または両方が列状に配置された複数の第2のコンタクトパッド列とを有し、前記第1および第2のコンタクトパッド列は前記複数のコンタクトパッドの配列の内側の列である、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記個別情報コンタクトパッドは、第1のパッド配列の方向と、該第1のパッド配列の方向と交差する第2のパッド配列の方向との2つの方向において、前記電源コンタクトパッドおよびグラウンドコンタクトパッドの一方または両方により挟まれている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記記憶素子は前記液体吐出部材に設けられている、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記記憶素子は、前記液体吐出部材に設けられた結線の無有により情報を保持するように構成されている、請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記記憶素子は、外部からの電気信号により切断可能なヒューズにより構成されている、請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記記憶素子は抵抗素子よりなる、請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記液体吐出ヘッドは、前記液体を貯留するためのインクタンクをさらに有する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを搭載して一定方向に往復移動可能なキャリッジとを有し、
前記キャリッジは、前記液体吐出ヘッドに形成された複数のコンタクトパッドと当接される複数のパッドを備える液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−15733(P2006−15733A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139622(P2005−139622)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】