説明

液体噴射装置および液体噴射装置の駆動方法

【課題】コストアップすることなく、インクカートリッジの交換通知をユーザーへと簡単に行える液体噴射装置および液体噴射装置の駆動方法を提供する。
【解決手段】本発明においてキャリッジ駆動制御手段は、インクカートリッジ内のインクが所定量消費されたことが確認されると、キャリッジを交換ポジションへと移動させ、交換ポジションにおいて交換対象のインクカートリッジの挿抜が確認されない状態で次動作の指示が入力されると、キャリッジを交換対象のインクカートリッジとチェックマークとが対向する通知ポジションへと移動させる動作と、キャリッジを交換ポジションへと移動させる動作とをこの順に実行し、その後、交換ポジションにおいてインクカートリッジの挿抜が確認され、次動作の指示が入力されると、キャリッジを通知ポジションへと移動させることなく交換したインクカートリッジから液体噴射ヘッドに対してインクを充填する動作を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置および液体噴射装置の駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置の一形態であるシリアル方式のインクジェットプリンター(以下、プリンターとも言う。)においては、記録ヘッド(流体噴射ヘッド)が搭載されたキャリッジを主走査方向に往復移動することで、記録用紙に対して印刷が実行される。この種のプリンターの多くは、キャリッジに複数色のインクカートリッジが着脱可能に装着されており、いずれかのカラーインクがインクロー(インク残量が少ない状態)またはインクエンド状態に達するとインクカートリッジの交換操作を行うようになっている。
【0003】
従来のインクジェットプリンターにおいては、キャリッジ上に装着されたインクカートリッジにおけるインクの消費状態を個別に検出することができるインク消費量検出手段が具備されている(特許文献1)。例えば、パネルスイッチの操作により、インクローまたはインクエンド状態に至ったインクカートリッジが、外郭ケースに配置されたチェックマークの位置に搬送されて停止される。ユーザーはこの状態を見て、インク残量の少ないカートリッジを認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−1852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インクエンドの指示動作後にカートリッジ交換ポジションへとキャリッジが移動するため、表示画面等にカートリッジの交換通知がなされる構造のプリンターの場合は既にインクエンドのカートリッジが判明しているため、このようなユーザーにとっては操作が煩雑であった。
また、表示媒体を具備しないプリンターの場合、LED(発光ダイオード)を利用してユーザーに対してインクカートリッジの交換の通知がなされるように構成されたものがある。しかしながら、インクカートリッジの数に対応させてLEDを複数配置する場合には、多数のLEDが必要となり、コストの増加を招いてしまう。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、コストアップすることなく、インクカートリッジの交換通知をユーザーへと簡単に行える液体噴射装置および液体噴射装置の駆動方法を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッドを搭載し、主走査方向に往復移動するキャリッジと、前記液体噴射ヘッドに対して液体を供給するために前記キャリッジ上に着脱可能に装着された複数の液体収容容器と、各液体収容容器の前記液体の消費状態をそれぞれ検出する消費量検出手段と、前記キャリッジの移動経路上に設けられ交換対象の前記液体収容容器を指し示す指示部と、前記消費量検出手段の検出結果に基づいて前記キャリッジの移動を制御するキャリッジ移動制御部と、を備え、前記キャリッジ移動制御部は、前記消費量検出手段によりいずれかの前記液体収容容器内の前記液体が所定量消費されたことが確認されると、前記キャリッジを、交換対象の前記液体収容容器を交換するための交換ポジションへと移動させる動作を実行し、前記交換ポジションにおいて交換対象の前記液体収容容器の挿抜が確認されない状態で次動作の指示が入力されると、前記キャリッジを、前記液体が所定量消費された交換対象の前記液体収容容器と前記指示部とが対向する通知ポジションへと移動させる動作と、前記キャリッジを、交換対象の前記液体収容容器を交換するための交換ポジションへと移動させる動作と、をこの順に実行し、その後、前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認され、次動作の指示が入力された場合は、前記キャリッジを前記通知ポジションへと移動させることなく、交換した前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに対して前記液体を充填する動作を実行する動作を実行することを特徴とする。
【0008】
本発明では、キャリッジに装着されたいずれかの液体収容容器内の液体が所定量消費されて交換すべき液体収容容器を検出した場合には、交換すべき液体収容容器の存在をユーザーに対して通知する動作を実行することなく、すぐにキャリッジを交換ポジションへと移動させることとした。このため、交換すべき液体収容容器を把握できているユーザーに対して煩わしさを感じさせることがなく、従来よりもインクカートリッジの交換作業を迅速に行うことが可能となる。また、交換ポジションにおいて液体収容容器の挿抜が確認されない場合、つまり、交換すべき液体収容容器を把握できていないユーザーに対しては、通知動作を実行することで交換動作を促すようにしている。
【0009】
また、その後に、次動作の指示が入力された場合に、交換対象の液体収容容器が未だ存在するときはキャリッジを交換ポジションへと移動させる動作を実行することとした。このときにも通知動作を省略することで、交換すべき液体収容容器を把握できているユーザーにとっては、迅速に作業ができることとなり作業性が向上する。
【0010】
また、本発明では、発光ダイオードを使用しないので、発光ダイオードを点灯させることによって交換すべき液体収容容器の通知動作を行っていた従来に比べて、低コストで行うことが可能である。
【0011】
また、前記キャリッジ移動制御部は、前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認された後、交換対象の前記液体収容容器が未だ存在している状態で次動作の指示が入力された場合に、前記キャリッジを前記通知ポジションまで移動させる動作と、前記キャリッジを前記交換ポジションまで移動させる動作と、をこの順に実行することとしてもよい。
【0012】
これによれば、交換すべき液体収容容器が複数存在している場合や、間違えて別の液体収容容器を交換してしまった場合に、このことを迅速にユーザーへと通知することができる。
【0013】
また、前記キャリッジ移動制御部は、前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認された後、交換対象の前記液体収容容器が未だ存在している状態で次動作の指示が入力された場合に、前記キャリッジをホームポジションへと移動させる動作と、前記キャリッジを前記通知ポジションまで移動させる動作と、前記キャリッジを前記交換ポジションまで移動させる動作と、をこの順に実行することとしてもよい。
【0014】
これによれば、交換すべき液体収容容器が複数存在している場合や、間違えて別の液体収容容器を交換してしまった場合であっても、一旦、キャリッジをホームポジションへと移動させることにより、交換及び通知動作を途中で中止することが可能となる。
【0015】
また、前記キャリッジ移動制御部は、交換対象の前記液体収容容器が複数存在する場合、前記キャリッジを通知ポジションまで移動させる動作において、交換対象の複数の前記液体収容容器を前記指示部と対向する位置に連続して配置させることとしてもよい。
【0016】
これによれば、交換対象の液体収容容器が複数存在する場合に、一度の通知動作においてこれら複数の液体収容容器に対する通知を連続して行うことができるので、ユーザーへの通知動作を迅速に行うことができ、交換作業に要する時間を短縮することができる。
【0017】
本発明の液体噴射装置の駆動方法は、液体噴射ヘッドを搭載し、主走査方向に往復移動するキャリッジと、前記液体噴射ヘッドに対して液体を供給するために前記キャリッジ上に着脱可能に装着された複数の液体収容容器と、各液体収容容器の前記液体の消費状態をそれぞれ検出する消費量検出手段と、前記キャリッジの移動経路上に設けられ交換対象の前記液体収容容器を指し示す指示部と、前記消費量検出手段の検出結果に基づいて前記キャリッジの移動を制御するキャリッジ移動制御部と、を備える液体噴射装置の駆動方法であって、前記消費量検出手段により前記複数の液体収容容器内の液体消費量を検出する液体消費量検出ステップと、交換対象の前記液体収容容器を交換するための交換ポジションへ前記キャリッジを移動させるステップと、前記交換ポジションにおいて交換対象の前記液体収容容器の挿抜が確認されない状態で次動作の指示が入力されると、前記キャリッジを、前記液体が所定量消費された交換対象の前記液体収容容器と前記指示部とが対向する通知ポジションへと移動させるステップと、前記キャリッジを、交換対象の前記液体収容容器を交換するための交換ポジションへと移動させるステップと、をこの順に実行し、その後、前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認され、次動作の指示が入力された場合は、前記キャリッジを前記通知ポジションへと移動させることなく、交換した前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに対して前記液体を充填する動作を実行するステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、キャリッジに装着されたいずれかの液体収容容器内の液体が所定量消費されて交換すべき液体収容容器を検出した場合には、ユーザーに対して交換すべき液体収容容器を通知する動作を実行することなく、すぐにキャリッジを交換ポジションへと移動させることとした。このため、交換すべき液体収容容器を把握できているユーザーに対して煩わしさを感じさせることがなく、従来よりもインクカートリッジの交換作業を迅速に行うことが可能となる。また、交換ポジションにおいて液体収容容器の挿抜が確認されない場合、つまり、交換すべき液体収容容器を把握できていないユーザーに対しては、通知動作を実行することで交換動作を促すようにしている。
【0019】
また、その後に、次動作の指示が入力された場合に、交換対象の液体収容容器が未だ存在するときはキャリッジを交換ポジションへと移動させる動作を実行することとした。このときにも通知動作を省略することで、交換すべき液体収容容器を把握できているユーザーにとっては、迅速に作業ができることとなり作業性が向上する。
【0020】
また、本発明では、発光ダイオードを使用しないので、発光ダイオードを点灯させることによって交換すべき液体収容容器の通知動作を行っていた従来に比べて、低コストで行うことが可能である。
【0021】
また、前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認された後、交換対象の前記液体収容容器が未だ存在している状態で次動作の指示が入力された場合に、前記キャリッジを前記通知ポジションまで移動させるステップと、前記キャリッジを前記交換ポジションまで移動させるステップと、をこの順に実行する方法としてもよい。
【0022】
これによれば、交換すべき液体収容容器が複数存在している場合や、間違えて別の液体収容容器を交換してしまった場合に、このことを迅速にユーザーへ通知することができる。
【0023】
また、前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認された後、交換対象の前記液体収容容器が未だ存在している状態で次動作の指示が入力された場合に、前記キャリッジをホームポジションへと移動させるステップと、前記キャリッジを前記通知ポジションまで移動させるステップと、前記キャリッジを前記交換ポジションまで移動させるステップと、をこの順に実行する方法としてもよい。
【0024】
これによれば、交換すべき液体収容容器が複数存在している場合や、間違えて別の液体収容容器を交換してしまった場合であっても、一旦、キャリッジをホームポジションへと移動させることにより、交換及び通知動作を途中で中止することが可能となる。
【0025】
また、交換対象の前記液体収容容器が複数存在する場合に、前記キャリッジを通知ポジションまで移動させるステップにおいて、交換対象の複数の前記液体収容容器を前記指示部と対向する位置に連続して配置させる方法としてもよい。
【0026】
これによれば、交換対象の液体収容容器が複数存在する場合に、一度の通知動作ステップにおいてこれら複数の液体収容容器に対する通知を連続して行うことができるので、ユーザーへの通知動作に要する時間を短縮することができる。
【0027】
また、前記液体収容容器を交換した後、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面をキャッピング手段によって封止する方法としてもよい。
これによれば、キャッピング手段による吸引動作によって、キャリッジに装着された新しい液体収容容器から液体噴射ヘッドに液体を充填する作業を効率よく行えるとともに、充填作業時に液体噴射ヘッドから排出される液体によって装置内が汚れてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係るインクジェット式プリンターの要部を説明する斜視図。
【図2】図1に示したプリンター本体を収納した外郭ケースの平面図。
【図3】第1実施形態のプリンターに搭載された制御回路の構成を示すブロック図。
【図4】第1実施形態のプリンターの駆動方法を示すインクカートリッジの交換制御ルーチンを示すフローチャート。
【図5】インクカートリッジの交換・通知動作を詳細に示すフローチャート。
【図6】カートリッジの移動状態を示す説明図。
【図7】第2実施形態におけるインクカートリッジの交換制御ルーチンを示すフローチャート。
【図8】第2実施形態におけるカートリッジの移動状態を示す説明図。
【図9】第3実施形態におけるインクカートリッジの交換制御ルーチンを示すフローチャート。
【図10】第3実施形態における交換・通知動作の詳細を示す制御ルーチンを示すフローチャート。
【図11】第3実施形態におけるカートリッジの移動状態を示す説明図。
【図12】第3実施形態におけるカートリッジの移動状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るインクジェット式プリンター1(以下、単にプリンター1という)の要部を説明する斜視図である。
【0030】
図1に示すように、プリンター(液体噴射装置)1は、上側が開口する略直方体形状のフレーム2に複数の構成部材が設けられた基本本体1Aを備えている。フレーム2には、プラテン3が架設されており、不図示の紙送り機構により、このプラテン3上を記録用紙Pが副走査方向(図1中Y軸方向)に給送されるようになっている。
そして、フレーム2にはプラテン3と平行にガイド部材4が架設されており、このガイド部材4には、キャリッジ5がガイド部材4の軸線方向に移動可能に挿通支持されている。
また、このキャリッジ5は、タイミングベルト5bを介してキャリッジモータ5aに駆動連結されており、キャリッジモータ5aの駆動によってガイド部材4に沿って主走査方向(図1中X軸方向)に往復移動されるようになっている。
【0031】
また、キャリッジ5には、4つのインクカートリッジ(液体収容容器)Cが着脱可能に装着されている。具体的には、4つのインクカートリッジC(ブラックインクカートリッジC1、マゼンタインクカートリッジC2、イエローインクカートリッジC3、シアンインクカートリッジC4が着脱可能に装着されている。各種インク(液体)は、例えば、分散媒に色材である顔料を分散させた、いわゆる顔料インクである。
なお、ブラックインクカートリッジC1〜シアンインクカートリッジC4を互いに区別しないで説明する場合には、単にインクカートリッジCとして説明する。また、ブラックインク及び各種カラーインクを総称して、インクとして説明する。
【0032】
キャリッジ5のプラテン3に対向する面には、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)6が搭載されている。記録ヘッド6の下面は不図示の多数のノズル開口が形成されたノズル形成面となっている。
多数のノズル開口からなる複数のノズル列は、各インクにそれぞれ対応しており、不図示の圧電素子の駆動により、記録用紙P上にインクの液滴が吐出されるようになっている。
【0033】
また、フレーム2内には、メンテナンスユニット7が備えられている。メンテナンスユニット7は、キャリッジ5の移動範囲内であって、記録用紙Pの搬送経路外の領域である非印刷領域に設けられており、本実施形態では図1中右側に設けられたホームポジションに配設されている。
このメンテナンスユニット7は、非印刷状態のときに記録ヘッド6のノズル形成面をキャッピング手段11にて封止し、ノズル開口内の乾燥や印刷不良を防止するためのヘッドクリーニングを行うものである。
【0034】
そして、図1に示すようにキャッピング手段11に隣接した印刷領域側には、ゴムなどの弾性素材を短冊状に形成したワイピング部材13が配置されていて、キャリッジ5がキャッピング手段11側に往復移動する際に、必要に応じて記録ヘッド6の移動経路に水平方向に進退し、記録ヘッド6のノズル形成面を払拭して清掃するワイピング動作がなされるように構成されている。
【0035】
図2は、図1に示したプリンター1本体を収納した外郭ケースの平面図である。
この外郭ケース21には、その長手方向に沿って、すなわちキャリッジ5の主走査方向に沿って、楕円形の窓孔22が形成されており、キャリッジ5に装着された各インクカートリッジCの走査状態が視認できるように構成されている。また、外郭ケース21にはインクカートリッジCの交換用開口部23が、窓孔22と連通するように形成されている。なお、交換用開口部23は、キャッピング手段11が配置されたホームポジションを避けた印刷領域側に形成されている。
【0036】
交換用開口部23は、後述するようにインクカートリッジCを交換するなどの操作を行うに際して、キャリッジ5が交換用開口部23に移動されるように構成されている。したがって、交換用開口部23における副走査方向の幅は、ユーザーが各インクカートリッジCを指先で把持しつつ、これらインクカートリッジCをキャリッジ5の上部に装着または引き抜く操作を行うことができる程度に形成されている。
【0037】
なお、交換用開口部23は、キャッピング手段11が配置されたホームポジションを避けた印刷領域側に形成されている。これは記録ヘッド6をキャッピング手段11により封止している状態でインクカートリッジCを交換しようとした場合、インクカートリッジCの抜き差しなどによる力がキャッピング手段に作用し、密閉されたキャップ内の圧力の変動により、ノズル開口に形成されたインクのメニスカスを破壊し、印刷不良に至らせるという問題を避けるためである。
【0038】
また、外郭ケース21の上面には、楕円形の窓孔22に沿った長手方向の一部に、チェックマーク(指示部)24が形成されており、いずれかのインクカートリッジCがインクローまたはインクエンド状態となった場合において、後述するキャリッジ5の移動操作によって、インクカートリッジCがチェックマーク24の配置位置に移動して停止されるようになされる。これにより、ユーザーは、どのインクカートリッジCが、インクローまたはインクエンド状態となっているかを把握することができる。
【0039】
なお、外郭ケース21の上面には、電源スイッチ26と、電源の投入状態を表示するLED27、記録用紙の給排紙スイッチ28と、用紙チェックランプとして機能するLED29、インクメンテナンススイッチ30と、インクローまたはエンド状態を示すLED31が配置されている。
なお、インクメンテナンススイッチ30、およびインクローまたはエンド状態を示すLED31の機能、およびチェックマーク24の機能については、後で詳細に説明する。
【0040】
図3は、前記したプリンター1に搭載された制御回路の構成を示すブロック図である。
なお、図3において、すでに説明した図1および図2に示された各部に相当する部分を同一符号で示し、その説明は省略する。
【0041】
図3に示したように、キャッピング手段11には、その内部空間を負圧に吸引する吸引ポンプ12におけるチューブの一端が接続されており、この吸引ポンプ12の排出側は廃液タンク14に接続されている。そして、クリーニング動作等によってキャッピング手段11内に排出されたインク廃液は、廃液タンク14に収納された廃液吸収材15によって、吸収保持されるように構成されている。
【0042】
ホストコンピュータ40にはプリンタドライバ41が搭載されており、入力装置42からの指令によって、このプリンタドライバ41のユーティリティ上で、周知の用紙サイズ、モノクロ/カラー印刷の選択、記録モードの選択、フォント等のデータおよび印刷指令等が入力できるようになされている。また、ホストコンピュータ40に搭載されたプリンタドライバ41においては、そのユーティリティ上において、後述するインクカートリッジCの交換操作もなされるようにプログラミングされている。
【0043】
なお、ホストコンピュータ40には、ディスプレイ43が接続されており、周知のとおり入力装置42による入力状況が確認できると共に、プリンター1の状態、例えば装着されている各インクカートリッジCのインク残量等の情報も、ユーティリティ上において可視的に表示できるように構成されている。
【0044】
一方、図3に示す印刷制御手段44は、ホストコンピュータ40側から送られる印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段45により駆動信号を発生させて、記録ヘッド6からインク滴を吐出させることができるように構成されている。ヘッド駆動手段45は印刷データに基づくインク滴の吐出作用の他に、フラッシング制御手段46からの指令を受けて、インク滴を空吐出させるようにも作用する。
【0045】
フラッシング制御手段46は、印刷タイマ47の計時により印刷動作が一定時間継続した時点で、フラッシング動作(定期フラッシング)が実行されるように構成されている。この場合、中央制御手段49を介してキャリッジ駆動手段(キャリッジ移動制御部)50に対して制御信号が送出され、キャリッジ駆動手段(キャリッジ移動手段)50はエンコーダ51からもたらされるキャリッジ5の位置情報に基づいて、キャリッジモータ5aを駆動し、キャリッジ5に搭載された記録ヘッド6を、所定のフラッシング領域に移動させるように制御する。そして、フラッシング制御手段46からの制御信号に基づいて、ノズル開口の目詰まりの防止や目詰まり解消のために、記録ヘッド6の全てのノズル開口から所定数のインク滴が空吐出されるように制御される。
【0046】
エンコーダ51は、特に図示していないが、キャリッジ5の移動方向に沿って配置され、ストライプを等間隔に配置した帯状のリニアセンサと、このリニアセンサを挟むようにしてキャリッジ5側に配置されてキャリッジ5と共に主走査方向に移動する光源および受光素子からなるフォトカプラより構成されている。そして、キャッピング手段11が配置されたホームポジション側に設定された基準点を“0”として、キャリッジ5の移動に応じてフォトカプラにより得られるパルス数をカウントすることで、キャリッジ5の移動位置が把握できるように構成されている。なお、キャリッジ駆動手段50およびエンコーダ51により、キャリッジ移動制御手段を構成している。
【0047】
一方、クリーニング制御手段53は、例えばホストコンピュータ40からの指令を受けて印刷制御手段44を介して制御信号を受けた場合、或いはプリンター1の操作パネルに配置されたインクメンテナンススイッチ30が所定の時間(例えば3秒)以上、プッシュ操作された場合において、起動されるように構成されている。そして、記録ヘッド6をキャッピング手段11によって封止した状態で、ポンプ駆動手段54に制御信号を出力し、吸引タイマ55にセットされた時間において吸引ポンプ12を駆動し、これにより記録ヘッド6のノズル開口からインクを吸引排出させるマニュアルクリーニング動作がなされるように作用する。
【0048】
また、クリーニング制御手段53は、他にプリンター1の動作電源のオン時においてなされる電源オンクリーニング動作、所定時間毎に実行されるタイマークリーニング動作、およびインクカートリッジCが交換された時においてなされる後述する交換クリーニング動作等も実行されるように機能する。
【0049】
インク消費量演算手段57は、各インクカートリッジCに貯留されたインクの消費量をそれぞれ個別に演算する機能を有しており、このインク消費量演算手段57は印刷動作やフラッシング動作により吐出されたインク滴の数をカウントし、これに係数設定手段58に格納されている1滴当たりのインク量を乗算して、各インクカートリッジCのインク消費量を算出するように作用する。また、クリーニング動作時においては、ポンプ駆動手段54にインクの吸引指令が出力された段階で、記録ヘッド6から排出されるインク量に換算される数値を計数するように構成されている。
【0050】
このインク消費量演算手段57によって演算したインク消費量に関する計数値は、インク消費カウンタ59に送られ、このインク消費カウンタ59において、装着されている各インクカートリッジCのインク残量が管理される。このインク消費カウンタ59はインク消費量検出手段を構成するインクメンテナンス手段(インク消費量検出手段)60との間で、双方向にデータの交信ができるように構成されている。そして、インクメンテナンス手段60には、インクカートリッジ着脱検出手段61からの制御信号が供給されるように構成されている。
【0051】
インクカートリッジ着脱検出手段61は、キャリッジ5上から各インクカートリッジCが引き抜かれたか、または装着されたのかを検出するインクカートリッジCの装着状態を監視する機能を有しており、例えばインクカートリッジCの交換に伴い、インクカートリッジが引き抜かれたことを感知した場合においては、インクカートリッジCの交換フラグをセットする動作がなされる。
【0052】
インクメンテナンス手段60の詳細な機能については後述するが、このインクメンテナンス手段60にはインク消費カウンタ59からのインク消費計数値にかかるデータ、およびインクカートリッジ着脱検出手段61からのデータ(フラグ)が供給され、例えばインクカートリッジCの交換に伴い、これらインクカートリッジCに対応するインク消費計数値をゼロリセットさせるなどの機能も備えている。
【0053】
また、インクメンテナンス手段60を介してインク消費カウンタ59からのデータが、検証手段62に供給されるように構成されている。検証手段62には閾値設定手段63からの閾値情報が供給されるように構成されており、検証手段62は閾値設定手段63からの閾値情報と、インク消費カウンタ59からのデータとを比較する機能を有している。そして、いずれかのインクカートリッジCのインク消費量が閾値設定手段63に設定されている閾値に達した場合において、外郭ケース21のパネル上に配置された報知手段としてのLED31を点灯駆動させるように制御する。
【0054】
この場合、閾値設定手段63は、各インクカートリッジCに対応して、インクの残量が少ない状態を示すインクロー、インクの残量がより少なく、インクカートリッジCの交換を要するインクエンドのレベルを示す閾値を保持している。そして、いずれかのインクカートリッジCがインクローの状態に至った場合においては、検証手段62はLED31を点滅させるように制御し、また、いずれかのインクカートリッジCがインクエンドの状態に至った場合においては、検証手段62はLED31を点灯させるように制御する。
【0055】
したがって、ユーザーはLED31の点灯状態を確認することで、いずれかのインクカートリッジCがインクロー、またはインクエンドに至ったことを認識することができる。また、ユーザーはホストコンピュータ40に搭載されたプリンタドライバ41のユーティリティ上において、各インクカートリッジCのインクの消費度合いをディスプレイ43において確認することもできる。
【0056】
図4は、本実施形態のプリンターの駆動方法を示すインクカートリッジの交換制御ルーチンを示すフローチャートである。図5(a),(b)は、インクカートリッジの交換・通知動作(ステップS12)を詳細に示すフローチャートである。図6は、カートリッジの移動状態を示す説明図である。
【0057】
図4に示す制御ルーチンは、ホストコンピュータ40に搭載されたプリンタドライバ41のユーティリティ上において操作されるインクカートリッジCの通常交換時において採用される。この他のインクカートリッジCの交換としては、プリンター1側のインクメンテナンススイッチ30(以下、これをパネルスイッチ30ともいう)の操作またはプリンタドライバ41のユーティリティ上において操作されるインクカートリッジCの強制交換がある。
【0058】
なお、インクカートリッジCの通常交換とは、インクカートリッジCがインクローまたはインクエンドに至り、新たなインクカートリッジCと交換する場合の操作を示し、インクカートリッジCの強制交換とは、インクカートリッジCのインクの消費量に関係なく、ユーザーの要求によりインクカートリッジCを交換しようとする場合の操作を示す。さらに、初期充填とは、各インクカートリッジCから記録ヘッド6に初めてインクを導入して印刷可能な状態にする場合の操作を示す。
【0059】
ユーザーによってパネルスイッチ30が操作されると図4に示す制御ルーチンがスタートする。
まず、ステップ(液体消費量検出ステップ)S10では、キャリッジ5がホームポジションに配置された状態において(図6(a))、インクメンテナンス手段60がインク消費カウンタ59のデータを参照することによってインク量の検出動作がなされ、ステップS11においてインクローまたはインクエンドに達しているインクカートリッジCが存在するか否かが判定される。また、同時にインクカートリッジ着脱検出手段61からの情報を取得して、キャリッジ5に全てのインクカートリッジCが装着された状態であるか否かも検証する。
【0060】
ステップS11では、4つ全てのインクカートリッジC(C1〜C4)に対してインクの残量検出動作がなされるようになっており、ブラックインクカートリッジC1、マゼンタインクカートリッジC2、イエローインクカートリッジC3、シアンインクカートリッジC4のそれぞれのインク残量の検出を順次行うことによって、交換が必要なインクローまたはインクエンドに達しているインクカートリッジCの存在があるか否かを判定する。
【0061】
そして、インクローまたはインクエンドに達しているインクカートリッジCが存在する(Yes)場合には、LED31を点灯させ、ステップS12へ移行する。
なお、ステップS11において、キャリッジ5内に装着された4つ全てのインクカートリッジCがインクローまたはインクエンドではない(No)と判定された場合には、交換が必要なインクカートリッジCは存在しないことになり、ステップS16へと移行する。
【0062】
次に、キャリッジ5内にインクローまたはインクエンドに達しているインクカートリッジCが存在する(Yes)と判断された場合は、ステップS12においてインクカートリッジCの交換・通知動作が実行される。
【0063】
次に、図5(a)、(b)を参照して、インクカートリッジCの交換・通知動作を詳細に説明する。
インクロー又はインクエンドに達しているインクカートリッジCがキャリッジ5内に存在する場合は、図5(a)に示すステップS20において、インクローあるいはインクエンドに達したインクカートリッジCがどの色のインクカートリッジCであるのかを特定する。先のステップS10におけるインク残量の検出結果に基づいて、どの色のインクカートリッジCがインクローあるいはインクエンドに達したのかを特定する。そして、インクローまたはインクエンドに達した交換すべきインクカートリッジCの情報を、プリンター1に接続されたホストコンピュータ40(ステータスモニター)に出力する。ここでは、仮に、ブラックインクカートリッジC1がインクローあるいはインクエンドと判定された場合について述べる。
【0064】
次に、ステップS21では、キャリッジ5を移動させてインクカートリッジCの交換用開口部23と一致するインクカートリッジ交換ポジションへと移動させる(図6(b))。
本ステップにおいては、エンコーダ51の出力を監視し、キャリッジ5がインクカートリッジ交換ポジションへと位置するようにフィードバックサーボをかける制御がなされる。
【0065】
次に、ステップS22において、キャリッジ5に対してブラックインクカートリッジC1が挿抜されたか否かが判定され、ブラックインクカートリッジC1の挿抜があった(Yes)と判定された場合においては、図4に示すステップS13に移行する。
このとき、キャリッジ5に全てのインクカートリッジCが装着されているか否かについても判定する。
【0066】
一方、ステップS22において、交換ポジションにて停止されたキャリッジ5に対してブラックインクカートリッジC1の挿抜がなかった(No)と判定された場合は、図5(b)に示すステップS23へ移行する。
【0067】
ステップS23では、次動作の指示があったか否かが判定される。次動作の指示としては、例えば、ユーザーによるパネルスイッチ30の操作、あるいは、外部装置からの印刷動作やメンテナンス動作などの指示が挙げられる。
【0068】
そして、交換ポジションに移動されたキャリッジ5に対してインクカートリッジCの挿抜がない状態で次動作の指示があった(Yes)場合には、ステップS24へ移行して、キャリッジ5を通知ポジションへと移動させる交換カートリッジの通知動作が実行される(図6(c))。ここでは、エンコーダ51からのパルス信号をカウントすることでキャリッジ5を通知ポジションへと移動されるようになされる。そして、図2に示すチェックマーク24の位置にブラックインクカートリッジC1が対向するようにキャリッジ5が移動して停止される。
【0069】
また、本ステップでは、エンコーダ51の出力を監視し、キャリッジ5が通知ポジションに位置するようにフィードバックサーボをかける制御がなされる。
これにより、ユーザーは、ブラックインクカートリッジC1がインクローまたはインクエンドの状態となっていることを認識することができる。
【0070】
次に、ステップS25において次動作の指示があった(Yes)と判断されると、図5(a)に示すステップS21へ戻って、キャリッジ5をインクカートリッジCの交換ポジションへと移動させる(図6(d))。
そして、ブラックインクカートリッジC1の挿抜があった(Yes)場合には(ステップS22)、図4に示すステップS13へ移行する。
【0071】
ステップS13において次動作の指示あり(Yes)と判定された場合には、ステップS14へ移行して、キャリッジ5をホームポジションへと移動させる(ステップS14:図6(e))。ステップS14においては、エンコーダ51の出力を監視し、キャリッジ5がホームポジションへと位置するようにフィードバックサーボをかける制御がなされる。
【0072】
次に、ステップS15において、キャリッジ5内にインクローあるいはインクエンドのインクカートリッジCが存在するか否かが再度判定され、交換すべきインクカートリッジCが存在しない(No)と判断された場合には、ステップS16へと移行する。
【0073】
一方、ステップS15において、交換すべきインクカートリッジCが存在する(Yes)と判断された場合には、ステップS12へ戻って、ステップS20〜ステップS25までを再帰的に実行する。
【0074】
ここで、ステップS15においてYesと判断される場合とは、ブラックインクカートリッジC1の他にインクロー又はインクエンドのインクカートリッジCがある場合、あるいは、先のステップS21において本来ならばブラックインクカートリッジC1を交換すべきところ、ユーザーが間違えて他のインクカートリッジCを交換してしまった場合である。交換作業を間違えた場合は、ブラックインクカートリッジC1が未だインクロー又はインクエンドのままであるため、Yesと判定される。
【0075】
このように、ステップS15においてYesと判断された場合、交換・通知動作を実行し、インクカートリッジの交換・通知動作制御ルーチンにおいて、交換すべきインクカートリッジCがブラックインクカートリッジC1であると再度判定され(後のステップS20)、さらに交換ポジションにおいてその挿抜が確認されないうちに(後のステップS21,S22)、次動作の指示があった場合には(後のステップS23)、ブラックインクカートリッジC1の交換通知動作を実行する(後のステップS24)。この通知動作により、ユーザーは先のインクカートリッジCの交換作業を間違えて行ったことを認識することとなる。
【0076】
また、交換すべきインクカートリッジCが他のインクカートリッジCであると判定され(後のステップS20)、さらに交換ポジションにおいてその挿抜が確認されないうちに(後のステップS21,S22)、次動作の指示があった場合には(後のステップS23)、マゼンタインクカートリッジC2の交換通知動作を実行する(後のステップS24)。この通知動作により、ユーザーは、マゼンタインクカートリッジC2の交換が必要であること、ブラックインクカートリッジC1の交換作業が正しく行われたことを認識する。
【0077】
そして、次動作の指示があった後(ステップS25)、交換ポジションにおいてキャリッジ5に対するインクカートリッジCの挿抜が確認されると(ステップS21、S22)、ステップS13へ移行する。
ステップS13〜ステップS15を経て、ホームポジションに移動されたキャリッジ5内にインクローあるいはインクエンドのインクカートリッジCが存在しない(No)と判断された場合には(ステップS15)、交換すべきインクカートリッジCの交換作業が全て終了したこととなり、ステップS16へと移行する。
【0078】
ステップS16では、記録ヘッド6に対してインクの初期充填動作を実行する。このように、ホームポジションに位置するキャリッジ5内に新たに装着された新品のインクカートリッジC(ブラックインクカートリッジC1、マゼンタインクカートリッジC2)から記録ヘッド6に対してインクの供給を行い、印刷可能な状態にする。
【0079】
(マゼンタインクカートリッジC2)
なお、ステップS20において、インクローまたはインクエンドに達しているインクカートリッジCがマゼンタインクカートリッジC2であると特定された場合には、ステップS21へと移り、キャリッジ5をカートリッジ交換ポジションへと移動させる。
【0080】
そして、ステップS22においてマゼンタインクカートリッジC2の挿抜が無い(No)状態で、ステップS17において次動作の指示があった場合には、ステップS24に移行してキャリッジ5を第2通知ポジションに移動させる操作が実行される。これにより、チェックマーク24とマゼンタインクカートリッジC2が対向する位置までキャリッジ5が移動して停止される。したがって、ユーザーは、マゼンタインクカートリッジC2がインクローまたはインクエンドの状態になっていることを認識することができる。
【0081】
(イエローインクカートリッジC3)
また、インクローまたはインクエンドのインクカートリッジCがイエローインクカートリッジC3と特定された場合は(ステップS20)、キャリッジ5をインクカートリッジ交換ポジションへと移動させる操作が実行され(ステップS21)、このポジションにおいてイエローインクカートリッジC3の挿抜が無い状態で(ステップS22)、次動作の指示があった場合(ステップS23)には、キャリッジ5をさらに通知ポジションに移動させる操作が実行される(ステップS24)。このとき、チェックマーク24とイエローインクカートリッジC3が対向する位置にキャリッジ5が移動して停止される。
【0082】
(シアンインクカートリッジC4)
さらに、インクローまたはインクエンドのインクカートリッジCがシアンインクカートリッジC4と判定された場合は(ステップS20)、キャリッジ5をインクカートリッジ交換ポジションへと移動させる操作がなされ(ステップS21)、このポジションにおいてシアンインクカートリッジC4の挿抜が無い状態で(ステップS22)、次動作の指示があった場合(ステップS23)には、キャリッジ5をさらに通知ポジションに移動させる操作が実行される(ステップS24)。このとき、チェックマーク24とシアンインクカートリッジC4が対向する位置にキャリッジ5が移動して停止される。
【0083】
本実施形態では、4つのインクカートリッジCの全てがインクローまたはインクエンドに達している場合においては、キャリッジ5を交換ポジションへ移動させた後にホームポジションへ一旦戻し、その後、他にもインクローあるいはインクエンドに達しているインクカートリッジCが存在することを通知すべくさらに通知ポジションへと移動させる。
このような動作を繰り返し行い、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各インクカートリッジCが、チェックマーク24の位置に順に移動されて停止されることになる。ここで、キャリッジ5の停止位置はインクカートリッジC(C1,C2,C3,C4)毎に異なっている。
【0084】
以上のように、本実施形態におけるインクカートリッジCの交換制御ルーチンは、いずれかのインクカートリッジCがインクローまたはインクエンドに達した時に、キャリッジ5をインクカートリッジCの交換用開口部23に移動するようになされる。この状態において、ホストコンピュータ40のステータスモニターを通じて既にいずれかのインクカートリッジCがインクローまたはインクエンド状態に達しているのかを認識しているユーザーは、交換ポジションへ移動されたキャリッジ5から交換すべきインクカートリッジCを引き抜き、新たなインクカートリッジCを装着する交換作業がなされる。その後、新たに装着されたインクカートリッジCから記録ヘッド6へのインクの初期充填作業が実行され、必要に応じて高感度のクリーニングが引き続き実行される。
【0085】
上記した制御ルーチンによれば、いずれかのインクカートリッジCがインクローまたはインクエンドに達した際、ユーザーに対して交換対象のインクカートリッジCを通知する通知動作を実行することなく、交換すべきインクカートリッジCを検出した場合には直ぐにキャリッジ5をインクカートリッジCの交換ポジションへと移動させているので、従来よりも迅速に、インクローあるいはインクエンドのインクカートリッジCを新たなものと交換することが可能である。
【0086】
また、上記した制御ルーチンでは、いずれかのインクカートリッジCがインクローまたはインクエンドに達した時に、どのインクカートリッジCの交換作業が必要なのかを把握できていないユーザーに対してのみ通知動作を実行するようになっている。
このように、ユーザーへの通知動作よりもユーザーによる交換作業を優先する動作を実施することによって、交換すべきインクカートリッジCを把握できているユーザーに対して煩わしさを感じさせることをなくすことができる。また、どのインクカートリッジCの交換作業が必要なのかを把握できていないユーザーに対しては、通知動作を実行することで交換動作を促すようにしている。これにより、インクカートリッジCの交換作業及びユーザーへの通知動作を簡素化することが可能となっている。
【0087】
また、本実施形態では、発光ダイオードを使用しないので、発光ダイオードを点灯させることによって交換すべきインクカートリッジCの通知動作を行っていた従来に比べて、低コストで行うことが可能である。
以上により、本実施形態のインクカートリッジCの交換・通知制御ルーチンによれば、コストアップすることなく、交換すべきインクカートリッジCの通知動作をユーザーに対して簡単に行える。
【0088】
(第2実施形態)
次に、上記した構成のプリンターにおける第2実施形態の駆動方法について述べる。
図7は、第2実施形態におけるインクカートリッジの交換制御ルーチンである。
ユーザーによってパネルスイッチ30が操作されると、図7に示す制御ルーチンがスタートする。図8は、第2実施形態におけるカートリッジの移動状態を示す説明図である。
【0089】
図7(a)に示すように、まず、キャリッジ5がホームポジションに配置された状態において(図8(a))、キャリッジ5内に装着された各インクカートリッジCのインク量の検出動作がなされ(ステップS30:液体消費量検出ステップ)、インクローまたはインクエンドに達しているインクカートリッジCが存在するか否かが判定される(ステップS31)。そして、インクロー又はインクエンドに達しているインクカートリッジCが存在する場合には、インクカートリッジCの交換通知動作(ステップS32)を実行する。
本実施形態のステップS32は、先の実施形態における交換通知動作(ステップS12)と同様である。
【0090】
ステップS32では、図5(a)に示すように、まず、どの色のインクカートリッジCなのかを特性する(ステップS20)。ここで、例えばブラックインクカートリッジC1がインクローあるいはインクエンドと判定された場合、キャリッジ5を交換ポジションへと移動させる(ステップS21:図8(b))。交換ポジションへ配置されたキャリッジ5に対して、インクカートリッジC(ブラックインクカートリッジC1)の挿抜が確認されると(ステップS22)、ステップS33へ移行する。
【0091】
図7に示すステップS33において次動作の指示があった場合(Yes)には、キャリッジ5をホームポジションへ移動させる(ステップS34:図8(b))。
【0092】
一方、図5(a)に示すステップS22において、交換ポジションへ配置されたキャリッジ5に対してブラックインクカートリッジC1の挿抜が確認されない状態で、図5(b)に示すステップS23において次動作の指示があったと判断された場合には、交換カートリッジの通知動作を実行する(ステップS24)。図8(c)に示すチェックマーク24の位置にブラックインクカートリッジC1が対向するようにキャリッジ5を移動させて停止させる。
【0093】
その後、通知ポジションにおいて次動作の指示が入力されると(ステップS25)、図5(a)に示すステップS21へと戻って、キャリッジ5を交換ポジション(図8(d))へ移動させる。このように、再度、交換ポジションへ配置されたキャリッジ5に対してブラックインクカートリッジC1の挿抜が確認された場合には(ステップS22)、図7に示すステップS33へ移行する。
そして、ステップS33において次動作の指示が入力されると、キャリッジ5をホームポジションへと移動させる(ステップS34:図8(e))。
【0094】
本実施形態においては、次のステップS35においてキャリッジ5内にインクロー又はインクエンドのインクカートリッジCが未だ存在するか否かを判断する。そして、キャリッジ5内にインクロー又はインクエンドのインクカートリッジCが存在しない(No)と判断された場合はステップS38へ移行する。
【0095】
一方、ステップS35においてキャリッジ5内にインクカートリッジCが未だ存在する(Yes)と判定された場合には、ステップS37において交換すべきインクカートリッジCを特定し、図5(b)に示すステップS24へ移行する。本ステップにおいてYesと判断される場合とは、ブラックインクカートリッジC1の他にインクロー又はインクエンドのインクカートリッジCがある場合、あるいは、ステップS13において本来ならばブラックインクカートリッジC1を交換すべきところ、ユーザーが間違えて他のインクカートリッジCを交換してしまった場合などがある。ここでは、ブラックインクカートリッジC1が交換されていない場合について述べる。
【0096】
そして、図8(f)に示すチェックマーク24の位置に、再度、ブラックインクカートリッジC1が対向するようにキャリッジ5を移動させて停止させる。このような通知動作を再度実行した後(ステップS24)、次動作の入力があった場合には(ステップS25)、図5(a)に示すステップS21、ステップS22を実行する。交換ポジションにおいてインクカートリッジCの挿抜が検出された後、次動作の指示があった場合には(ステップS33)、キャリッジ5をホームポジションへ移動させ(ステップS34)、再度、キャリッジ5内にインクロー又はインクエンドのインクカートリッジCが未だ存在するか否かを判定する(ステップS35)。
このようにして、インクカートリッジCの交換通知動作を再帰的に実行する。
【0097】
そして、ステップS35において、インクロー又はインクエンドのインクカートリッジCが存在しない(No)と判断されると、ステップS38へ移行する。
【0098】
ステップS38では、記録ヘッド6に対するインクの初期充填動作を実行する。ここでは、キャリッジ5内に新たに装着された新品のインクカートリッジC(ブラックインクカートリッジC1)から記録ヘッド6に対してインクの供給を行い、印刷可能な状態にする。
【0099】
本実施形態のインクカートリッジCの交換制御ルーチンでは、最初の制御ルーチンにおいてキャリッジ5内に交換すべきインクカートリッジCがあることが判明した場合、まず、キャリッジ5を交換ポジションへと移動させ、交換ポジションにおいてインクカートリッジCの挿抜が確認されない場合に、ユーザーに対して1回目の交換カートリッジの通知動作を実行することにしている。そして、キャリッジ5内に交換すべきインクカートリッジCが複数存在していた場合や、間違えて他のインクカートリッジCを交換してしまった場合には、1回目の交換・通知動作の後で再度インクローあるいはインクエンドのインクカートリッジCが検出され、ユーザーに対して、交換カートリッジの通知動作を再度実行することとなっている。このように、ユーザーに対して2度目となる交換カートリッジの通知動作(ステップS24)を実行する場合には、キャリッジ5を交換ポジションへと移動させる動作を省略して、キャリッジ5を通知ポジションへと移動させる。
【0100】
これにより、キャリッジ5内に交換の必要なインクカートリッジCが複数あった場合にユーザーへの通知動作を迅速に行うことができ、メンテナンスに要する時間を短縮することができる。
【0101】
また、例えば、本来ならばブラックインクカートリッジC1を交換しなければならないところ、間違えて交換の必要のない他のインクカートリッジCを交換してしまった場合にも、ユーザーへの通知を迅速に行うことが可能である。ユーザーは、プリンター1からの通知動作を再確認した上でインクカートリッジCの交換作業を実施することとなる。
【0102】
(第3実施形態)
次に、上記した構成のプリンターにおける第3実施形態の駆動方法について述べる。
図9は、第3実施形態におけるインクカートリッジの交換制御ルーチンを示すフローチャートである。図10は、本実施形態における交換・通知動作の詳細を示す制御ルーチンを示すフローチャートである。図11及び図12は、第3実施形態におけるカートリッジの移動状態を示す説明図である。
本実施形態では、複数のインクカートリッジCが同時にインクロー又はインクエンドであった場合の制御ルーチンについて示す。
ユーザーによってパネルスイッチ30が操作されると図9に示す制御ルーチンがスタートする。
【0103】
まず、キャリッジ5がホームポジションに配置された状態において(図11(a))、キャリッジ5に装着された各インクカートリッジCに対するインク量の検出動作がなされ(ステップS40:液体消費量検出ステップ)、インクロー又はインクエンドに達しているインクカートリッジCが存在するか否かが判定される(ステップS41)。そして、インクロー又はインクエンドに達しているインクカートリッジCが1つでも存在する場合には、インクカートリッジCの交換通知動作(ステップS42)を実行する。
【0104】
先のステップS41において交換すべきインクカートリッジCが複数存在していることが判明した場合、ステップS42では、図10(a)に示すように、どの色のインクカートリッジCがインクローあるいはインクエンドなのかを特性する(ステップS50)。ここでは、例えば、ブラックインクカートリッジC1、マゼンタインクカートリッジC2、イエローインクカートリッジC3がインクローあるいはインクエンドと判定された場合について述べる。
そして、インクカートリッジCが特定されると、キャリッジ5を交換ポジションへと移動させる(ステップS51:(図11(b))。交換ポジションへ移動したキャリッジ5に対してインクカートリッジCの挿抜が確認されると(ステップS52)、ステップS43へ移行する。
【0105】
一方、図10(a)に示すステップS52において交換ポジションへ配置されたキャリッジ5に対してインクカートリッジCの挿抜が確認されない状態で、図10(b)に示すステップS53において次動作の指示があった場合には、交換カートリッジの通知動作を実行する(ステップS54:(図11(c)〜図11(e))。
【0106】
ステップS54では、まず、図11(c)に示すチェックマーク24の位置にブラックインクカートリッジC1が対向するようにキャリッジ5を移動させて停止させ、続けて、図11(d)に示すチェックマーク24の位置にイエローインクカートリッジC3が対向するようにキャリッジ5を移動させて停止させ、最後に、図11(e)に示すチェックマーク24の位置にイエローインクカートリッジC3が対向するようにキャリッジ5を移動させて停止させる。なお、通知順及び停止時間は適宜設定される。
【0107】
そして、ステップS55において通知動作が終了した(Yes)ことが判定され、その後、次動作の指示が入力されると(ステップS56)、図10(a)に示すステップS51へ戻ってキャリッジ5を交換ポジションへと移動させる(図12(a))。このように、再度、交換ポジションへ配置されたキャリッジ5に対してインクカートリッジC(C1,C2,C3)の挿抜が確認された場合には(ステップS52)、図9に示すステップS43へ移行する。
【0108】
ステップS43において次動作の指示が入力されると、次のステップS44においてキャリッジ5をホームポジションへと移動させる(図12(b))。
次に、ステップS45において、キャリッジ5内にインクロー又はインクエンドのインクカートリッジCが未だ存在するか否か再判定する。ユーザーによるインクカートリッジCの交換間違え等により、インクロー又はインクエンドのインクカートリッジCが未だ存在する(Yes)と判定された場合には、ステップS42へ戻って、ステップS50〜ステップS56、ステップS43、ステップS44までを再帰的に実施する。
ステップS45において、キャリッジ5内に交換すべきインクカートリッジCが存在しない(No)と判断された場合には、ステップS46へ移行する。
【0109】
そして、ステップS46において、新品の各インクカートリッジCから記録ヘッド6に対してインクの初期充填動作が実行される。
【0110】
先に述べた第2実施形態では、キャリッジ5内に交換すべきインクカートリッジCが複数存在する場合に、各インクカートリッジCに対する交換・通知動作を実行するごとに、ホームポジションへとキャリッジ5を移動させることとなっていたが、本実施形態では、複数のインクカートリッジCに対する通知動作を連続して実施するようにした。
【0111】
このように、複数のインクカートリッジCに対する通知動作を連続して実行することによって、ユーザーに対する交換・通知動作をより短縮することが可能になる。さらに、ユーザーは、キャリッジ5が交換ポジションに配置された際に、交換の必要な複数のインクカートリッジCをまとめて新しいものと交換することが可能となるため、ユーザーによる交換作業も容易になり、作業時間も短縮することができる。
【0112】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0113】
例えば、インクローあるいはインクエンドのインクカートリッジCを新品のインクカートリッジCに交換して、ホームポジションへとキャリッジ5を移動させた後、新しく装着されたインクカートリッジCから記録ヘッド6へインクを充填する前に、記録ヘッド6のノズル形成面をキャッピング手段によって封止しておくようにする。これにより、インクの充填作業が効率よく行われるとともに充填作業に伴うインクの排出があった場合でも、装置内が汚れてしまうことがない。
【0114】
上述の実施形態においては、記録装置として、インク等の液体を噴射する液体噴射装置を例にして説明したが、噴射可能な液体は、機能材料の粒子が分散又は溶解されている液状体、ジェル状の流状体を含む。
【0115】
また、上述した実施形態において、液体噴射装置から噴射される液体としては、インクのみならず、特定の用途に対応する液体を適用可能である。液体噴射装置に、その特定の用途に対応する液体を噴射可能な噴射ヘッドを設け、その噴射ヘッドから特定の用途に対応する液体を噴射して、その液体を所定の物体に付着させることによって、所定のデバイスを製造可能である。例えば、記録装置は、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、及び面発光ディスプレイ(FED)の製造等に用いられる電極材、色材等の材料を所定の分散媒(溶媒)に分散(溶解)した液体(液状体)を噴射する装置に適用可能である。
【0116】
また、液体噴射装置としては、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する記録装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0117】
1…プリンター(液体噴射装置)、5…キャリッジ、6…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、C…インクカートリッジ(液体収容容器)、11…キャッピング手段、24…チェックマーク(指示部)、50…キャリッジ駆動手段(キャリッジ移動制御部)、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体噴射ヘッドを搭載し、主走査方向に往復移動するキャリッジと、
前記液体噴射ヘッドに対して液体を供給するために前記キャリッジ上に着脱可能に装着された複数の液体収容容器と、
各液体収容容器の前記液体の消費状態をそれぞれ検出する消費量検出手段と、
前記キャリッジの移動経路上に設けられ交換対象の前記液体収容容器を指し示す指示部と、
前記消費量検出手段の検出結果に基づいて前記キャリッジの移動を制御するキャリッジ移動制御部と、を備え、
前記キャリッジ移動制御部は、前記消費量検出手段によりいずれかの前記液体収容容器内の前記液体が所定量消費されたことが確認されると、前記キャリッジを、交換対象の前記液体収容容器を交換するための交換ポジションへと移動させる動作を実行し、
前記交換ポジションにおいて交換対象の前記液体収容容器の挿抜が確認されない状態で次動作の指示が入力されると、
前記キャリッジを、前記液体が所定量消費された交換対象の前記液体収容容器と前記指示部とが対向する通知ポジションへと移動させる動作と、
前記キャリッジを、交換対象の前記液体収容容器を交換するための交換ポジションへと移動させる動作と、をこの順に実行し、
その後、前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認され、次動作の指示が入力された場合は、前記キャリッジを前記通知ポジションへと移動させることなく、交換した前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに対して前記液体を充填する動作を実行する動作を含む
ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記キャリッジ移動制御部は、
前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認された後、交換対象の前記液体収容容器が未だ存在している状態で次動作の指示が入力された場合に、
前記キャリッジを前記通知ポジションまで移動させる動作と、
前記キャリッジを前記交換ポジションまで移動させる動作と、をこの順に実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記キャリッジ移動制御部は、
前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認された後、交換対象の前記液体収容容器が未だ存在している状態で次動作の指示が入力された場合に、
前記キャリッジをホームポジションへと移動させる動作と、
前記キャリッジを前記通知ポジションまで移動させる動作と、
前記キャリッジを前記交換ポジションまで移動させる動作と、をこの順に実行する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記キャリッジ移動制御部は、交換対象の前記液体収容容器が複数存在する場合、
前記キャリッジを通知ポジションまで移動させる動作において、
交換対象の複数の前記液体収容容器を前記指示部と対向する位置に連続して配置させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
液体噴射ヘッドを搭載し、主走査方向に往復移動するキャリッジと、前記液体噴射ヘッドに対して液体を供給するために前記キャリッジ上に着脱可能に装着された複数の液体収容容器と、各液体収容容器の前記液体の消費状態をそれぞれ検出する消費量検出手段と、前記キャリッジの移動経路上に設けられ交換対象の前記液体収容容器を指し示す指示部と、前記消費量検出手段の検出結果に基づいて前記キャリッジの移動を制御するキャリッジ移動制御部と、を備える液体噴射装置の駆動方法であって、
前記消費量検出手段により前記複数の液体収容容器内の液体消費量を検出する液体消費量検出ステップと、
交換対象の前記液体収容容器を交換するための交換ポジションへ前記キャリッジを移動させるステップと、
前記交換ポジションにおいて交換対象の前記液体収容容器の挿抜が確認されない状態で次動作の指示が入力されると、
前記キャリッジを、前記液体が所定量消費された交換対象の前記液体収容容器と前記指示部とが対向する通知ポジションへと移動させるステップと、
前記キャリッジを、交換対象の前記液体収容容器を交換するための交換ポジションへと移動させるステップと、をこの順に実行し、
その後、前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認され、次動作の指示が入力された場合は、前記キャリッジを前記通知ポジションへと移動させることなく、交換した前記液体収容容器から前記液体噴射ヘッドに対して前記液体を充填する動作を実行するステップと、を含むことを特徴とする液体噴射装置の駆動方法。
【請求項6】
前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認された後、交換対象の前記液体収容容器が未だ存在している状態で次動作の指示が入力された場合に、
前記キャリッジを前記通知ポジションまで移動させるステップと、
前記キャリッジを前記交換ポジションまで移動させるステップと、をこの順に実行する
ことを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置の駆動方法。
【請求項7】
前記交換ポジションにおいて前記液体収容容器の挿抜が確認された後、交換対象の前記液体収容容器が未だ存在している状態で次動作の指示が入力された場合に、
前記キャリッジをホームポジションへと移動させるステップと、
前記キャリッジを前記通知ポジションまで移動させるステップと、
前記キャリッジを前記交換ポジションまで移動させるステップと、をこの順に実行する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の液体噴射装置の駆動方法。
【請求項8】
交換対象の前記液体収容容器が複数存在する場合に、
前記キャリッジを通知ポジションまで移動させるステップにおいて、
交換対象の複数の前記液体収容容器を前記指示部と対向する位置に連続して配置させる
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の液体噴射装置の駆動方法。
【請求項9】
前記液体収容容器を交換した後、前記液体噴射ヘッドのノズル形成面をキャッピング手段によって封止する
ことを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載の液体噴射装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−71523(P2012−71523A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219118(P2010−219118)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】