説明

液体噴射装置及び液体噴射ヘッド

【課題】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズルからの液体の溶媒の揮発による液体の増粘をより効果的に抑制することが可能な液体噴射装置、及び、液体噴射ヘッドを提供することにある。
【解決手段】ノズル28が開口したノズル開口面を有し、前記ノズル28に連通する圧力室30に液体を充填し、当該圧力室30内の液体に圧力変動を付与することにより前記ノズル28から液滴を噴射可能な液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドの内部において、前記圧力室30から前記ノズル28に至るまでの流路に連通する通液路45が形成され、前記通液路45を通じて加湿用液を前記ノズル28側に供給する加湿用液供給手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式プリンター等の液体噴射装置、及び、液体噴射ヘッドに関するものであり、特に、ノズルからの液体の溶媒の揮発をより効果的に抑制することが可能な液体噴射装置、及び、液体噴射ヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置は、液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから液体を噴射して着弾対象に着弾させる装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一種。以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクを噴射させて、記録紙や光ディスクの印刷面等の記録媒体(着弾対象の一種)に着弾させることで画像やテキスト等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造装置や電極形成装置等、各種の製造装置にも液体噴射装置のインクジェット技術が応用されている。
【0003】
このような液体噴射装置では、印刷動作中においてはノズルが大気に晒される。このため、ノズルを通じて液体の溶媒成分が揮発する。その結果、ノズル付近で液体の粘度が上昇し、これにより、噴射されるインクの重量が低下したりインクの飛翔速度が低下したりする等の不具合が生じる虞がある。このような液体の増粘による不具合を抑制すべく、液体噴射装置では、種々の対策が講じられている。例えば、上記のインクジェット式プリンターを例に挙げると、記録ヘッドのノズルが開口した面(以下、ノズル開口面という。)を封止するキャップ部材に洗浄液タンクとポンプを接続してキャップ部材内に洗浄液を供給・排出できるようにし、非記録動作時に記録ヘッドのノズルを洗浄液により洗浄した後、キャップ部材内に洗浄液を保持させることでキャップ部材内を高湿度に維持することにより、ノズル近傍のインク溶媒の揮発を抑制する構成が提案されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−209897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成では、記録媒体に対する記録処理(噴射処理中)においてはノズル開口面がキャップ部材から開放されるので、インクの増粘を確実に防止することができなかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズルからの液体の溶媒の揮発による液体の増粘をより効果的に抑制することが可能な液体噴射装置、及び、液体噴射ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズルが開口したノズル開口面を有し、前記ノズルに連通する圧力室に液体を充填し、当該圧力室内の液体に圧力変動を付与することにより前記ノズルから液滴を噴射可能な液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、
前記液体噴射ヘッドの内部において、前記圧力室から前記ノズルに至るまでの流路に連通する通液路が形成され、
前記通液路を通じて加湿用液を前記ノズル側に供給する加湿用液供給手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、通液路を通じて加湿用液をノズル側に供給するので、液体に加湿用液が補充されることにより、液体粘度の上昇が抑制される。その結果、液体の増粘による噴射不良、即ち、噴射される液体の量や飛翔速度が設計上目標とする値から著しく低下したり、或いはノズルから液体が噴射されなかったりする等の不具合を防止することができる。また、ノズルからの静電気を通液路側に逃すことができるので、ノズルから液体を通じて圧力発生手段や駆動回路などに伝達することが緩和される。
さらに、加湿用液を揮発させてノズル側に送る機構などの大がかりな装置が不要であるため、装置の大型化を抑えることができると共にコストも抑えることができる。
【0009】
上記構成において、前記通液路の内径が、前記ノズル開口面におけるノズルの開口径よりも小さいことが望ましい。
この構成によれば、圧力室内の圧力を変化させて液体を噴射する時でも、液体が通液路内に進入することを抑制することができる。
【0010】
また、上記構成において、通液路の流路抵抗が、前記ノズルの流路抵抗よりも大きくすることもできる。
この構成でも、圧力室内の圧力を変化させて液体を噴射する時に、液体が通液路内に進入することを抑制できる。
【0011】
さらに、上記構成において、通液路は、半透膜を有することが望ましい。
この構成によれば、半透膜によって液体の成分を通過させないで、加湿用液のみを通過させることができるので、液体の成分が通液路内に進入することを防止することができ、液体と加湿用液が混ざることを防ぐことができる。
【0012】
また、上記構成において、加湿用液供給手段は、前記ノズル開口面に対して鉛直な方向に延びる供給路を有し、加湿用液の供給源側から前記供給路および前記通液路を通じて加湿用液を前記ノズル側に供給することが望ましい。
この構成によれば、重力を利用して加湿用液をノズル側に供給することができる。
【0013】
さらに、上記構成において、前記加湿用液供給手段は、加湿用液を前記通液路に供給する送液手段を有する構成を採用することが望ましい。
上記構成によれば、各通液路を介して各ノズルをムラ無く加湿用液を供給することができる。
【0014】
また、上記構成において、前記液体噴射ヘッド内部の加湿用液を検出する加湿用液検出手段を備えた構成を採用することが望ましい。
この構成において、前記加湿用液供給手段は、前記加湿用液検出手段により加湿用液が検出されない場合、前記送液手段を駆動することにより、加湿用液を前記通液路に供給する構成を採用することが望ましい。
上記構成によれば、各通液路に加湿用液を過不足無く保持させるようにすることができる。
【0015】
また、上記構成において、前記液体が、インクであって、
前記加湿用液は、インクの揮発成分を一種類以上含む構成を採用することができる。
【0016】
さらに、本発明の液体噴射ヘッドは、ノズルが開口したノズル開口面を有し、前記ノズルに連通する圧力室に液体を充填し、当該圧力室内の液体に圧力変動を付与することにより前記ノズルから液滴を噴射可能な液体噴射ヘッドであって、
前記液体噴射ヘッドの内部において、前記圧力室から前記ノズルに至るまでの流路に連通する通液路が形成され、
前記通液路を通じて加湿用液を前記ノズル側に供給する加湿用液供給手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、通液路を通じて加湿用液をノズル側に供給するので、液体に加湿用液が補充されることにより、液体粘度の上昇が抑制される。その結果、液体の増粘による噴射不良、即ち、噴射される液体の量や飛翔速度が設計上目標とする値から著しく低下したり、或いはノズルから液体が噴射されなかったりする等の不具合を防止することができる。また、ノズルからの静電気を通液路側に逃すことができるので、ノズルから液体を通じて圧力発生手段や駆動回路などに伝達することが緩和される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】プリンターの構成を説明する斜視図である。
【図2】記録ヘッドの断面図である。
【図3】第1の実施形態の図2におけるA−A線断面図である。
【図4】第1の実施形態の記録ヘッドの分解斜視図である。
【図5】第1の実施形態の記録ヘッドのノズルプレート側から見た平面図である。
【図6】第2の実施形態における記録ヘッドの断面図である。
【図7】第3の実施形態の(a)図2におけるA−A線断面図(b)領域Xの拡大図である。
【図8】第3の実施形態における記録ヘッドの分解斜視図である。
【図9】第3の実施形態における記録ヘッドのノズルプレート側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
【0020】
図1に示したプリンター1は、インク(本発明における液体の一種)を貯留したインクカートリッジ5が取り付けられるカートリッジ装着部2を有し、後述する加湿用液用タンク17(本発明における加湿用液供給手段の一部)および記録ヘッド3(本発明における液体噴射ヘッドの一種)を搭載するキャリッジ4を備えている。そして、キャリッジ4は、ガイドロッド6に軸支された状態で、駆動プーリー8と遊転プーリー9との間に架設したタイミングベルト10に接続されている。そして、この駆動プーリー8はパルスモーター11の回転軸に接合されており、このパルスモーター11の作動によってキャリッジ4が記録紙7(記録媒体又は着弾対象の一種。)の幅方向、即ち、主走査方向に移動するようになっている。
【0021】
ガイドロッド6の下方には、このガイドロッド6と平行に紙送りローラー12が配置されている。この紙送りローラー12は、紙送りモーター13からの駆動力によって回転されて、プラテン14上の記録紙7を副走査方向へ搬送するように構成されている。
【0022】
キャリッジ4の移動範囲内であって、記録紙等の噴射対象に対して画像等の印刷が行われる記録領域よりも外側の端部領域には、記録ヘッド3の移動の基点となるホームポジションが設定されている。このホームポジション側には、記録ヘッド3のノズル開口面をキャッピング(封止)可能なキャッピング機構15と、ノズル開口面を払拭(ワイピング)するためのワイピング機構16とが隣り合わせて配設されている。キャッピング機構15は、記録ヘッド3のノズル開口面、即ち、ノズルプレート20の噴射側の面を封止可能なキャップ部材15′を備えており、このキャップ部材15′を上下に進退させることが可能に構成されている。キャップ部材15′は、平面視において略矩形状の箱体、詳しくは、上面側が開放されたトレイ状の部材であり、その全体が例えばエラストマーなどの弾性素材によって作製されている。キャリッジ4がホームポジションに位置付けられると、キャップ部材15′が上方に移動して記録ヘッド3のノズル開口面を封止するキャッピング状態となる。このキャッピング状態では、ノズル開口面に開設されたノズル37がキャップ部材15′の内部の空部に臨み、且つ、キャップ部材15′の上端縁とノズル開口面とが密着するようになっている。したがって、記録ヘッド3のノズル28からのインク溶媒の蒸発が抑制され、インク粘度の上昇が抑制される。そして、記録ヘッド3が噴射対象に対して画像等の記録を行う記録処理時には、ノズル開口面に対するキャップ部材15′のキャッピング状態が解除される。
【0023】
キャッピング機構15と記録領域(プラテン14)との間には、ワイピング機構16が設けられる。このワイピング機構16は、ワイパーブレード16′(本発明における払拭部材の一種)を有している。このワイピング機構16は、ワイパーブレード16′の先端部が記録ヘッド3の移動経路に重なるワイピング位置と、この移動経路から外れてブレード16′の先端部が記録ヘッド3に接触しない退避位置とに進退可能となっている。記録ヘッド3のノズル開口面を払拭する場合には、ワイパーブレード16′をワイピング位置まで移動させ、ワイパーブレード16′の先端部がノズル開口面に当接する状態で記録ヘッド3とワイパーブレード16′とを相対移動させることで、ワイパーブレード16′がノズル開口面に付着したインク等を払拭するようになっている。
【0024】
インクカートリッジ5および加湿用液用タンク17は、記録ヘッド3の上面側に位置するようにキャリッジ4に着脱可能に装着される。換言すると、インクカートリッジ5および加湿用液用タンク17は、記録ヘッド3に対して重力方向の上方に配置される。これにより、重力を利用してインクや加湿用液を記録ヘッド3側に供給することができる。インクカートリッジ5は、中空箱体状に形成された部材であり、その内部にインクを収容している。インクカートリッジ5内には、記録ヘッド3の上面(ノズル開口面とは反対側の面)に設けられたインク導入針(図示せず)が挿入されるようになっており、このインク導入針を通じて、インクカートリッジ5に貯留されているインクが記録ヘッド3内部のインク流路(液体流路の一種。)に導入される。加湿用液用タンク17は、インクカートリッジ5と同様に中空箱体状に形成された部材であり、その内部に、記録ヘッド3のノズル開口面を加湿するための加湿用液を収容している。この加湿用液用タンク17は、加湿用液供給チューブ(図示せず)を通じて記録ヘッド3のケース24に連通し、加湿用液を記録ヘッド3側に供給する。加湿用液は、後述する一連の加湿用液流路(液体流路の一種)を通じてノズル28側(圧力室30内)に供給されることにより、ノズル28から噴射されるインクを加湿する液体である。この加湿用液としては、純水やインクの溶媒などを用いることができる。インクを加湿する観点から、加湿用液には、インクの揮発成分を一種類以上含むことが望ましい。揮発成分としては、石油類或いはアルコール類などを採用することもできる。なお、インクカートリッジ5および加湿用液用タンク17に関し、本実施形態では、キャリッジ4に搭載される構成を例示したが、これには限られない。例えば、インクカートリッジ5および加湿用液用タンク17をプリンター1の本体側に配置し、これらに貯留されているインクや加湿用液を、供給チューブ等を介して記録ヘッド3側に供給する構成を採用することも可能である。
【0025】
次に記録ヘッド3について説明する。図2は記録ヘッド3の断面図(縦断面)であり、図3は第1の実施形態の図2におけるA−A線断面図(横断面)、図4は第1の実施形態の記録ヘッド3の分解斜視図、図5は第1の実施形態の記録ヘッド3をノズルプレート20側から見た平面図である。なお、便宜上、各部材の積層方向を上下方向として説明する。本実施形態における記録ヘッド3は、ノズルプレート20、流路基板21、共通液室基板22、及び、コンプライアンス基板23から概略構成され、これらの部材を積層した状態でケース24に取り付けられている。
【0026】
ノズルプレート20(ノズル28形成部材の一種)は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル28を列状に開設した板状の部材である。ノズル28は、例えば、180dpiに対応するピッチで180個のノズル28を列設することで、ノズル列29(ノズル群の一種)を構成している。本実施形態においては、当該ノズルプレート20に2列のノズル列29が形成されている。ここで、各ノズル28は、後述する圧力室30内において流路基板21の幅方向(ノズル列に直交する方向)内側(後述する供給室47側)寄りに位置するように、列設されている。
【0027】
流路基板21はシリコン単結晶基板からなる基板である。この流路基板21には、図2、図4に示すように、異方性エッチング処理によって複数の隔壁で区画された圧力室30が各ノズル28に対応して複数形成されており、本実施形態では、2列のノズル列29に対応して2列の圧力室30が並設されている。図2の例において、圧力室30は、流路基板21の板厚方向を貫通した状態で形成されているが、板厚方向の途中まで形成される場合もある。また、流路基板21における圧力室30の列の外側には、流路基板21長手方向に沿って細長なリザーバー32の一部を区画する連通空部33が、2本形成されている。この連通空部33は、圧力室30よりも幅狭に形成されたインク供給口31を介して各圧力室30と連通している。
【0028】
一方、図2に示すように、流路基板21における圧力室30の列の内側であり2列の圧力室30の列の間には、供給室47が、圧力室30とは隔壁によって区画された状態で流路基板21長手方向に沿って一連に形成されている。本実施形態における供給室47は、流路基板21の下側の面(ノズルプレート20と接合される側の面)からエッチング処理によって流路基板21の上面側を部分的に残す状態で板厚方向途中まで形成された直方体状の空部である。この供給室47のノズル列方向の両端部上面には、供給路46の一部を成す供給連通路48が開口している(図4参照)。また、供給室47は、その両側に位置する各圧力室30に各通液路45を介して連通している。ここで、通液路45は、ノズル28の開口径よりも小さい開口径の貫通穴であり、圧力室30の下部に連通している。通液路45は、圧力室30からノズル28に至るまでのインク流路内に連通していれば良いが、できるだけノズル28に近い位置に連通させることが望ましい。通液路45の内部は、圧力室30側で半透膜60によって塞がれて、圧力室30等のインク流路側と供給室47側とに仕切られている。なお、半透膜60は加湿用液の分子が通過可能である一方で、インクの成分となる分子は通過不可能な膜である。さらに、列設した圧力室30の列において一方の端で圧力室30に隣接した、圧力室30と同様の形状の加湿用液供給用圧力室30′が、供給室47を挟んで対向するように2つ形成されている。各加湿用液供給用圧力室30′は、送液通路45′を介して供給室47に連通している(図5参照)。すなわち、各加湿用液供給用圧力室30′は、ノズル28が開口しない点、インク供給口31が連通しない点、および通液路45ではなく送液通路45′が連通する点で、圧力室30と異なる。
【0029】
また、流路基板21の上面(共通液室基板22側の面)には二酸化シリコンからなる極薄い弾性体膜25が熱酸化によって形成され、圧力室30および加湿用液供給用圧力室30′の上面を覆っている。各圧力室30の弾性体膜25上には、金属製の下電極膜と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層と、金属からなる上電極膜とを順次積層することで形成された圧電振動子35が、各圧力室30に対応して2列形成されている。この圧電振動子35は、所謂撓みモードの圧電振動子35であり、各圧力室30の上部を覆うように形成されている。また、各加湿用液供給用圧力室30′の弾性体膜25上にも、上記と同様の構成の圧電振動子35が各加湿用液供給用圧力室30′の上部を覆うように形成されている。さらに、各圧電振動子35の上部(上電極膜)には、一端を接続すると共に、他端を圧電振動子35の列と列の間の領域まで延在させた電極配線部36が設けられている。
【0030】
上記圧電振動子35が形成された流路基板21上には、厚さ方向に貫通した長尺な貫通空部34を2本有する共通液室基板22(保護基板)が配置される。この共通液室基板22は、流路基板21と同様にシリコン単結晶基板を用いて作製されている。また、この共通液室基板22における貫通空部34は、流路基板21の連通空部33と連通してリザーバー32の一部を区画する。また、共通液室基板22には、圧電振動子35に対向する領域に当該圧電振動子35の駆動を阻害しない程度の大きさの圧電振動子収容空部38が形成されている。さらに、共通液室基板22において、隣り合う圧電振動子35列の間には、基板厚さ方向を貫通し基板長手方向に沿って細長な配線空部39が形成されている。そして、図4に示すように、共通液室基板22の長手方向両端部には、板厚方向に貫通した供給貫通路49が供給連通路48と連通可能に2つ開口している。
【0031】
また、共通液室基板22の上面側には、封止膜26とその上に形成された固定板27とからなるコンプライアンス基板23が配置される。封止膜26は、剛性が低く可撓性を有する部材で形成されており、固定板27は、金属等の硬質の部材で形成されている。このコンプライアンス基板23におけるリザーバー32に対向する領域には、インクカートリッジ5側からのインクをリザーバー32に供給するためのインク導入口40が板厚方向に貫通して形成されている。また、このコンプライアンス基板23のリザーバー32に対向する領域のインク導入口40以外の領域は、固定板27が除去された封止膜26からなる可撓部42となっており、この可撓部42によって貫通空部34の上部開口が封止されることでリザーバー32が区画形成される。そして、この可撓部42は、リザーバー32内のインクの圧力変動を吸収するコンプライアンス部として機能する。また、コンプライアンス基板23の中央部には、配線空部39に対応して細長な空部が形成されており、この空部は、ケース24の収納空部44と連通する。さらに、コンプライアンス基板23の長手方向両端部には、供給貫通路49と連通する供給導入口50が板厚方向に貫通して2つ開口している。
【0032】
ケース24は、インク導入口40に連通してインクカートリッジ5側から導入されたインクをリザーバー32側に供給するためのインク導入路43が形成されている。また、ケース24の下部において、可撓部42に対向する領域にこの可撓部42の膨張を許容する凹部41が形成されている。さらに、ケース24の中心部には、厚さ方向に貫通した収納空部44が開設されている。この収納空部44内には、圧電振動子35を駆動するためのフレキシブルケーブル37の一端側が挿通して、電極配線部36と接続する。
【0033】
また、ケース24内部には、図3で示すように、横供給路52がノズル開口面(ノズルプレート20)に対して平行になるように形成されている。この横供給路52には、供給導入路51の上端が連通している。詳しくは、横供給路52は、ケース24の横断面において、収納空部44を挟んで対向するノズル列29方向に対して垂直な2本の流路と、収納空部44を挟んで対向するノズル列29方向に対して平行な2本の流路とからなり、インク導入路43より内側で収納空部44の周囲を囲うように形成されている。この横供給路52は、ケース24の高さ方向においてノズル開口面とは反対側の上面側に位置している。また、供給導入路51は、一方が横供給路52のうちのノズル列方向に対して垂直な2本の流路内にそれぞれ連通し、鉛直方向(横供給路52に対して垂直方向)に延びて、他方がケース24下側に開口している。さらに、横供給路52には、導入路53を介して加湿用液供給チューブ(図示せず)の一端側が液密状態で接続される。加湿用液供給チューブは、他端側で加湿用液用タンク17と連通し、加湿用液をケース24側に流入させる。
【0034】
そして、これらのノズルプレート20、流路基板21、共通液室基板22、コンプライアンス基板23、及び、ケース24は、接着剤や熱溶着フィルム等を間に配置して積層した状態で加熱することで相互に接合される。
【0035】
以上のように構成された記録ヘッド3は、ノズルプレート20がプラテンに対向した状態でノズル列29方向が副走査方向と一致するようにキャリッジ4に取り付けられる。そして、インクカートリッジ5からのインクは、インク導入針を介して、インク導入路43、インク導入口40、リザーバー32、インク供給口31からなる一連のインク流路によって導かれ、圧力室30をインクで満たす。ここで、フレキシブルケーブル37からの駆動電圧を圧電素子に供給して各圧力室30に対応した圧電素子を撓み変形させることによって、対応する圧力室30内のインクに圧力変動を生じさせ、このインクの圧力変動を利用してノズル28からインクを噴射させる。
【0036】
一方、加湿用液用タンク17からの加湿用液は、加湿用液供給チューブ、導入路53を介して、横供給路52内を満たす。ここで、横供給路52内に開口した供給導入路51は、供給導入口50、供給貫通路49、供給連通路48と連通してノズル開口面に対して鉛直な方向に延びた供給路46(基板両端部でそれぞれ連通した2本の供給路46)を構成するので、横供給路52内の加湿用液が、重力を利用して加湿用液を供給室47(ノズル開口面側)に供給される。そして、供給室47からの加湿用液は、送液通路45′を介して加湿用液供給用圧力室に供給されると共に、通液路45に供給され、さらに、通液路45を介して圧力室30内(ノズル28側)に供給される。このように、加湿用液用タンク17、および加湿用液用タンク17から通液路45に至る一連の加湿用液流路で構成される加湿用液供給手段を備えたので、インクに加湿用液が補充されることになり、液体粘度の上昇が抑制される。その結果、液体の増粘による噴射不良、即ち、噴射される液体の量や飛翔速度が設計上目標とする値から著しく低下したり、或いはノズル28から液体が噴射されなかったりする等の不具合を防止することができる。また、ノズル28からの静電気を通液路45側から加湿用液供給手段へ逃すことができるので、ノズル28から液体を通じて圧力発生手段や駆動回路などに伝達することが緩和される。さらに、加湿用液を揮発させてノズル28側に送る機構などの大がかりな装置が不要であるため、装置の大型化を抑えることができると共にコストも抑えることができる。
【0037】
また、通液路45の内径を、ノズル開口面におけるノズル28の開口径よりも小さくしたので、圧力室30内のインクに圧力変動が付与された場合においても、圧力室30内のインクが連通路45側に向かわずに、ノズル28側に流れるようにすることができる。これにより、インク(インクの成分)が通液路45内に進入することを抑制することができ、インクが加湿用液流路内に進入することを抑制する。なお、上記構成に限らず、通液路45の流路抵抗をノズル28の流路抵抗よりも大きくする(例えば、通液路45を屈曲させる)ことで、同様の効果が得られる。さらに、圧力室30側で通液路45に半透膜60を有する(通液路45内を半透膜60で塞ぐ)構造にしたので、半透膜60によってインクの成分を通過させないで、加湿用液のみを通過させることができる。これによって、圧力室30内のインクの成分が通液路45内に進入することを防止することができ、インクの成分が加湿用液流路内に進入することを防止する。
【0038】
また、上記したように、供給室47は送液通路45′を介して加湿用液供給用圧力室30′と連通しており、加湿用液供給用圧力室30′は上部(弾性体膜25上)に対応した圧電振動子35を有する構成になっている。つまり、上記構成は、加湿用液用のポンプ(送液手段)として機能する。そして、加湿用液供給用圧力室30′に対応した圧電振動子35をフレキシブルケーブル37からの駆動電圧によって駆動させると、加湿用液供給用圧力室30′の容積が変動し、この容積変動に伴って、加湿用液供給用圧力室30′内に充填された加湿用液に圧力変動が生じる。この圧力変動を利用して加湿用液供給用圧力室30′から送液通路45′および供給室47を通じて、加湿用液を通液路45に供給することができる。これにより、加湿用液を、各通液路45を介して各ノズル28側にムラ無く供給することができる。また、加湿用液を各通液路45に最初に充填する際に、より短時間で充填を完了することができる。
【0039】
なお、加湿用液用のポンプとして機能する構成については、複数設けても良く、また、インクを噴射するための構成のうち、いずれかを加湿用液用のポンプとして利用することも任意に選択できる。この場合、ポンプとして機能させる圧力室30にはノズル28、インク供給口31、および通液路45を設けず、供給室47に連通する送液通路45′を形成すれば、圧力室30を加湿用液用のポンプとして機能させることができる。なお、加湿用液供給用圧力室30′やこれに対応する圧電振動子35等を利用せずに、他の構成のポンプ機構を利用しても良い。
【0040】
また、上記構成では、通液路45に半透膜60を有する構成にしたが、供給室47に中空糸膜61を備える構成とすることもできる。図6に示す、第2の実施形態では、供給室47の幅に亘って収納可能な中空糸膜61を、供給室47内部に挿入している。この中空糸膜61は、加湿用液の分子が通過可能である一方、インクの成分となる分子は通過不可能な膜からなり、供給室47の長さと略同じ長さの円筒状に形成されている。この中空糸膜61のノズル列方向の両端は封止されている。さらに、この中空糸膜61の両端部の供給路46(供給連通路48)と対応する位置には、開口が設けられており、中空糸膜61の開口と供給路46が液密に連通することで、加湿用液流路の一部を構成する。そして、供給路46からの加湿用液が中空糸膜61を介して供給室47内を満たし、通液路45から各圧力室30に加湿用液を供給することができる。ここで、インクの成分は中空糸膜61を通過できず、中空糸膜61内に進入することができない。これによって、圧力室30内のインクの成分が中空糸膜61内に進入することを防止することができ、インクの成分が加湿用液流路内に進入することを防止する。また、各通液路45に半透膜60を設ける必要がなく、構成が簡単なため、コストを抑えることができる。
【0041】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7〜図9は、第3の実施形態における記録ヘッド3の構成を説明する図であり、図7は図2におけるA−A線断面図、図8は記録ヘッド3の分解斜視図、図9は記録ヘッド3のノズルプレート20側から見た平面図である。本実施形態は、記録ヘッド3が、インク流路を備え、ノズルプレート20、流路基板21、共通液室基板22、及び、コンプライアンス基板23を積層して構成するのは、上記実施形態と同じであるが、記録ヘッド3の内部に加湿用液検出手段を備える点および、加湿用液検出手段により加湿用液が検出されない場合、送液手段を駆動することにより、加湿用液を通液路45に供給する構成とした点が上記実施形態と異なる。詳しくは以下に説明する。
【0042】
第3の実施形態の記録ヘッド3は、供給室47の一端部(図9における上側の端部)が、加湿用液供給用圧力室30′に連通しないように区画されている。詳しくは、図9に示すように、第3の実施形態の流路基板21には、各送液通路45′を介して各加湿用液供給用圧力室30′に連通する送液室47′を、各圧力室30と各通液路45を介して連通する供給室47に対して独立させた状態で別個に形成している。また、送液室47′には、記録ヘッド3の外部に向けて開口した導入流路53′が連通しており、この導入流路53′に加湿用液供給チューブ(図示せず)が液密状態で接続される。さらに、送液室47′の上部には、送液路46′の一部を構成する送液連通路48′(図8参照)が開口している。ここで、送液路46′は、送液連通路48′、共通液室基板22に形成された送液貫通路49′、コンプライアンス基板23に形成された送液導入口50′、ケース24に形成された送液導入路51′とから構成されており、ケース24内の横供給路52に設けられたプリズム室55(後述)内に連通する。また、供給室47の他端部(図9における下側の端部)には、上記第1の実施形態と同様に上端が横供給路52に連通する供給路46が連通している。この構成で、加湿用液供給チューブから供給された加湿用液が導入流路53′を介して送液室47′に供給されると、送液通路45′を介して加湿用液供給用圧力室30′が加湿用液に満たされる。そして、送液手段である加湿用液供給用圧力室30′に対応した圧電振動子35(送液手段)を駆動させると、加湿用液供給用圧力室30′の容積が変動し、この容積変動に伴って、加湿用液供給用圧力室30′内に充填された加湿用液に圧力変動が生じる。そして、この圧力変動を利用して加湿用液供給用圧力室30′から送液通路45′、送液室47′、送液路46′、横供給路52、供給路46、供給室47と介して通液路45に加湿用液を供給することができる。
【0043】
ここで、横供給路52には、前記した加湿用液を検出する加湿用液検出手段を備えている。詳しくは以下に説明する。横供給路52は、図7(a)に示すように、ケース24において、収納空部44を挟んで対向するノズル列29方向に対して平行な2本の流路と、該流路と一側(供給路46側)端部で直交し供給路46が連通する1本の流路と、他側端部より内側で直交する光路54と、該光路54が貫通するプリズム室55とからなり、収納空部44の周囲を囲うように形成されている。この光路54は、光が通過でき、加湿用液が流入可能な筒状の空部である。また、プリズム室55は、光路54の途中に設けられた断面(平面視)長方形状の空部であり、送液路46′が連通している。さらに、プリズム室55内部にはプリズム56が配置されている。詳しくは、プリズム56は、図7(b)に示すように、断面(平面視)五角形状(ホームベース型)のプリズム56が、当該五角形状を形成する各辺のうちの3辺がプリズム室55の内壁に当接し、内壁に当接しない残りの2辺が光路54と交わる位置に配置されている。ここで、プリズム56は、プラスチック、ガラス、石英ガラス等から作成され、加湿用液と屈折率が近いものを選択する。例えば、加湿用液を水(屈折率約1.33)とした場合、プリズム56は、石英ガラス(屈折率約1.45)等で形成するのが望ましい。また、プリズム56が当接する流路の内壁は、光が反射しないように黒色に塗られている。さらに、横供給路52の上方には外部と連通する空気穴(図示せず)が開設している。なお、この空気穴内に液体が通過できないフィルタ等を具備してもよい。また、光路54の一端部(図7(a)において右端部)には、発光素子57が配設され、他端部(図7(a)において左端部)には、受光素子58が配設されている。発光素子57は、例えば、発光ダイオードなどで構成される。また、受光素子58は、フォトダイオード或いはフォトトランジスタなどで構成される。本実施形態においては、光路54、発光素子57、受光素子58、及びプリズム56が、本発明における加湿用液検出手段として機能する。
【0044】
横供給路52に加湿用液が満たされておらず、光路54及びプリズム室55内に加湿用液が存在しない場合は、空気穴からの空気によって満たされるため、発光素子57からの光は、図7(b)においてDaで示すように、プリズム56に入射する際にプリズム56と空気の屈折率差によって屈折する。このため、屈折した光が流路の内壁に当たり、受光素子58に受光されない状態となる。一方、横供給路52に加湿用液が十分に満たされ、光路54及びプリズム室55内に加湿用液が充填されている場合は、プリズム56を加湿用液に近い屈折率としたため、発光素子57からの光は、図7(b)においてDbで示すように、プリズム56に入射および出射する際に屈折を小さく抑えることができ、受光素子58に受光される状態となる。
【0045】
受光素子58からの検出信号は、プリンター1本体の図示しない制御部に出力される。したがって、制御部は、受光素子58の検出信号に基づいて、横供給路52に加湿用液が満たされているか否かを判断することができる。そして、制御部は、加湿用液供給手段の一部として機能し、この検出信号に基づき加湿用液供給用圧力室30′に対応した圧電振動子35を制御することで、加湿用液用タンク17から通液路45に至る一連の加湿用液流路に加湿用液を過不足無く保持させるようにすることができ、通液路45を介して圧力室30(ノズル28)を安定して加湿することができる。例えば、加湿用液が検出されない場合、加湿用液供給用圧力室30′に対応した圧電振動子35を駆動させることで、加湿用液供給用圧力室30′内に充填された加湿用液を一連の加湿用液流路を介して圧力室30に供給する。なお、その他の構成については、上記第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0046】
なお、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンターを例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,極く少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。そして、ディスプレイ製造装置では、色材噴射ヘッドからR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極製造装置では、電極材噴射ヘッドから液状の電極材料を噴射する。チップ製造装置では、生体有機物噴射ヘッドから生体有機物の溶液を噴射する。
【符号の説明】
【0047】
1…プリンター,3…記録ヘッド,17…加湿用液用タンク,20…ノズルプレート,24…ケース,28…ノズル,30…圧力室,30′…加湿用液供給用圧力室,35…圧電振動子,45…通液路,46…供給路,46′…送液路,47…供給室,47′…送液室,52…横供給路,54…光路,55…プリズム室,56…プリズム,57…発光素子,58…受光素子,60…半透膜,61…中空糸膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルが開口したノズル開口面を有し、前記ノズルに連通する圧力室に液体を充填し、当該圧力室内の液体に圧力変動を付与することにより前記ノズルから液滴を噴射可能な液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、
前記液体噴射ヘッドの内部において、前記圧力室から前記ノズルに至るまでの流路に連通する通液路が形成され、
前記通液路を通じて加湿用液を前記ノズル側に供給する加湿用液供給手段を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記通液路の内径が、前記ノズル開口面におけるノズルの開口径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記通液路の流路抵抗が、前記ノズルの流路抵抗よりも大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記通液路は、半透膜を有することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
加湿用液供給手段は、前記ノズル開口面に対して鉛直な方向に延びる供給路を有し、加湿用液の供給源側から前記供給路および前記通液路を通じて加湿用液を前記ノズル側に供給することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記加湿用液供給手段は、加湿用液を前記通液路に供給する送液手段を有することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
前記液体噴射ヘッド内部の加湿用液を検出する加湿用液検出手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の液体噴射装置。
【請求項8】
前記加湿用液供給手段は、前記加湿用液検出手段により加湿用液が検出されない場合、前記送液手段を駆動することにより、加湿用液を前記通液路に供給することを特徴とする請求項7に記載の液体噴射装置。
【請求項9】
前記液体が、インクであって、
前記加湿用液は、インクの揮発成分を一種類以上含むことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項10】
ノズルが開口したノズル開口面を有し、前記ノズルに連通する圧力室に液体を充填し、当該圧力室内の液体に圧力変動を付与することにより前記ノズルから液滴を噴射可能な液体噴射ヘッドであって、
前記液体噴射ヘッドの内部において、前記圧力室から前記ノズルに至るまでの流路に連通する通液路が形成され、
前記通液路を通じて加湿用液を前記ノズル側に供給する加湿用液供給手段を備えたことを特徴とする液体噴射ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−224800(P2011−224800A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94134(P2010−94134)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】