説明

液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法

【課題】 噴射の実行時間を低減することができる液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法を提供する。
【解決手段】 堆積防止フラッシング操作では、吸収体45上に堆積した各堆積インクに対して、ノズル列N7を移動させながらインクを吐出させることで実行される。ここで、インクの吐出は、堆積インクD1に対して左端部D1aから開始され右端部D1cにて終了するようにし、インクの吐出量を堆積インクD1の左端部D1aから頂点D1bに向かうにつれて増加し、頂点D1bから右端部D1cに向かうにつれて低減するようにした。さらに、他の堆積インクに対しても同様にインクを吐出するようにした。このように、各堆積インクに対して堆積するインクの量が最も多い頂点付近に、多くのインクを吐出するようにすることで、堆積インクを効率的に溶解することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体噴射装置の一つとして、キャリッジに搭載された記録ヘッドのノズルからインクを吐出するインクジェット式記録装置が広く知られている。このインクジェット式記録装置では、キャリッジを移動させながらノズルからインクを吐出することで、記録媒体にドットを形成し記録を行っていた。
【0003】
通常、このようなインクジェット式記録装置では、ノズルの状態を好適に保つために印刷の途中又は終了後等に、ノズルからインクを吐出することで、ノズル内で増粘したインク等を強制排出する、いわゆるフラッシング操作が行われていた。そして、このフラッシング操作によって排出されるインクは、インクジェット式記録装置内に設けられた吸収体によって吸収されるようになっていた。ところで、近年、高い表現力をもつインクとして顔料インクが注目されている。この顔料インクは、揮発性の高いインク溶媒に顔料を分散させることで形成されていた。しかしながら、顔料インクではインク溶媒が蒸発した場合、増粘又は固化し吸収体上にて堆積し記録ヘッドのノズルに接触する可能性があった。そこで、このような問題を解決するフラッシング操作が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1に記載のフラッシング操作では、吐出されるインクを受け止めて吸収体に案内する案内部材に対して、キャリッジを第1のポジションに位置させ記録ヘッドのノズルから粘度が高く増粘しやすいインクを吐出させる。次に、キャリッジを第2のポジションに位置させ、案内部材の第1のポジションにてインクが吐出された場所に記録ヘッドのノズルから粘度が低く増粘し難いインクを吐出する。そして、第1のポジションにて吐出されたインクが増粘又は固化している場合であっても、第2のポジションで吐出されたインクを着弾させることで溶解させ吸収体に吸収させやすくしている。
【特許文献1】特開2000−280488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常、吸収体にて堆積するインクは自己の粘度や表面張力等によって山状を形成する。従って、堆積するインクは、その頂点付近ほどインクの量が多く、端部付近ほどインクの量が少なくなる。しかしながら、特許文献1に記載したフラッシング操作では、第2のポジションにて吐出したインクが堆積したインクの頂点付近に着弾した場合には堆積したインクを溶解することができるが、堆積したインクの端部付近に着弾した場合には、堆積したインクの全体を溶解することが困難であった。このため、インクを効率的に使用できずインクの消費量を増大させるおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、液体の消費量を低減し、効率的に堆積した成分を溶解することができる液体噴射装置及び液体噴射装置のクリーニング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液体噴射装置のクリーニング方法は、複数のノズルからターゲットに液体を本噴射する液体噴射ヘッドに、同本噴射の途中及び前後のいずれかでターゲット外に液体を噴射させる第1の予備噴射ステップと、前記第1の予備噴射ステップによって噴射された
前記液体からなり前記ターゲット外にて堆積する堆積物に液体を噴射させ同堆積物を溶解する第2の予備噴射ステップとを実行する液体噴射装置のクリーニング方法において、前記第2の予備噴射ステップは、前記堆積物のうち堆積量が少ない箇所に対して液体を噴射する際に、噴射する同液体の噴射量を低減させる。
【0008】
これによれば、堆積量の少ない箇所への液体の噴射を低減したことで、堆積物を溶解する効果が少ない箇所について噴射される液体を低減することができる。これによって、本発明の液体噴射装置のクリーニング方法は、液体の消費量を低減することができるので、このクリーニング方法を採用した液体噴射装置は低コスト化を実現することができる。
【0009】
この液体噴射装置のクリーニング方法における前記第2の予備噴射ステップは、前記堆積物のうち堆積量が多い箇所に対して液体を噴射する際に、噴射する同液体の噴射量を増加させる。
【0010】
これによれば、堆積量の多い箇所への液体の噴射を増加したことで、より効率よく堆積物を溶解することができる。また、換言すれば堆積量の多い箇所にのみ液体の噴射量を増加させることで、堆積物全体に同じ量の液体を噴射するようにした場合に比べて液体の消費量を低減することができる。この結果、本発明のクリーニング方法を採用した液体噴射装置は低コスト化を実現することができる。
【0011】
この液体噴射装置のクリーニング方法における前記第2の予備噴射ステップは、前記液体噴射ヘッドを移動手段によって移動させながら前記液体を噴射させる。
これによれば、液体噴射ヘッドは、ターゲット外に堆積した堆積物に対して移動しながら液体を噴射することができる。従って、液体噴射ヘッドを吸収体上に堆積した堆積物に対して一方向に移動させ液体を噴射させる場合、液体噴射ヘッドから噴射される液体の噴射量は、堆積物の端部から頂点に向かうにつれて増加し、又頂点から端部に向かうにつれて低減する。つまり、液体噴射ヘッドに堆積する量が最も多い頂点付近に、多くの液体を噴射させることができるので、堆積物を効率的に溶解させることができる。
【0012】
この液体噴射装置のクリーニング方法における前記第2の予備噴射ステップでは、前記複数のノズルからなるノズル列のうち、選択したノズル列から液体を噴射させる。
これによれば、例えば、第2の予備噴射ステップにて選択されたノズル列から噴射される液体を、粘度が低く固化し難いものを採用した場合、ターゲット外にて堆積する堆積物を効率よく溶解することができる。これによって吸収体の吸収能力を確保することができる。
【0013】
本発明の液体噴射装置によれば、複数のノズルからターゲットに液体を本噴射する液体噴射ヘッドに、同本噴射の途中及び前後のいずれかでターゲット外に液体を噴射させる第1の予備噴射と、前記第1の予備噴射によって噴射された前記液体からなり前記ターゲット外にて堆積する堆積物に液体を噴射させ同堆積物を溶解する第2の予備噴射とを実行させる制御手段を備えた液体噴射装置において、前記制御手段は、前記第2の予備噴射によって前記堆積物のうち堆積量が少ない箇所に対して液体が噴射される際に、噴射される同液体の噴射量を低減させる。
【0014】
これによれば、堆積量の少ない箇所への液体の噴射を低減させたことで、堆積物を溶解する効果が少ない箇所について噴射される液体を低減することができる。これによって、本発明の液体噴射装置は、液体の消費量を低減し低コスト化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1は、本実施形態のプリンタの構成を説明するための斜視図である。
【0016】
図1に示すように、液体噴射装置としてのプリンタ11は、本体フレームとして略直方体形状のフレーム13を備えている。フレーム13内には、その長手方向にプラテン15が配設されている。プラテン15は、記録用紙17を支持する支持台であって、プラテン15上には、給紙モータ19による紙送り機構の駆動によって記録用紙17が給送されるようになっている。プラテン15の下方には、使用済みのインクを貯留する廃インクタンク21が接続されている。
【0017】
フレーム13内には、プラテン15と平行となるようにガイド部材23が架設されている。ガイド部材23には、ガイド部材23に沿って移動可能なキャリッジ25が挿通支持されている。また、フレーム13には、駆動プーリ27a及び従動プーリ27bが設けられていて、駆動プーリ27aには、正逆回転可能なキャリッジモータ29が接続されている。駆動プーリ27a及び従動プーリ27bには、タイミングベルト30が掛け装されていて、キャリッジ25は、タイミングベルト30を介してキャリッジモータ29と駆動連結されている。そして、キャリッジ25は、キャリッジモータ29によってタイミングベルト30を介して駆動されることで、ガイド部材23に案内されてプラテン15と平行(主走査方向)に往復移動するようになっている。
【0018】
図2及び図3に示すように、記録ヘッド33は、プラテン15と対向するノズル形成面33aを有し、同ノズル形成面33aには複数のノズルからなる8つのノズル列N1〜N8が距離X1間隔にてそれぞれ設けられている。またキャリッジ25には、第1〜第8インクカートリッジI1〜I8が着脱可能に装填されている。第1〜第7インクカートリッジI1〜I7には、図示しない貯留室内に、それぞれ液体としてのカラーインクのイエローYL、マゼンタM、シアンCY、マットブラックMB、フォトブラックPB、レッドR、ブルーBがそれぞれ貯留されている。第1〜第7インクカートリッジI1〜I7の各インクは、顔料インクであって、インク溶媒に顔料を溶かすことで形成されている。第8インクカ−トリッジI8には、図示しない貯留室内に、液体としての反応性インクのクリアCRが貯留されている。図4に示すように、第1〜第8インクカートリッジI1〜I8の各インクには、各インクの粘度、固化し易さに対応した色係数H1〜H8がそれぞれ付与されている。詳しくは、イエローYLに対応する色係数H1は「1」、マゼンタMに対応する色係数H2は「1」、シアンCYに対応する色係数H3は「0.9」、マットブラックMBに対応する色係数H4は「0.9」となっている。また、フォトブラックPBに対応する色係数H5は「0.7」、レッドRに対応する色係数H6は「0.8」、ブルーBに対応する色係数H7は「0.5」、クリアCRに対応する色係数H8は「0.8」となっている。そして、色係数H1〜H8は、その値が大きいほど粘度が高く、固化し易くなっている。従って、色係数H1,H2が付与されたイエローYL及びマゼンタMが最も粘度が高く固化し易く、色係数H7が付与されたブルーBが最も粘度が低く固化し難くなっている。
【0019】
このように構成され第1〜第8インクカートリッジI1〜I8に貯留された各インクは、記録ヘッド33にそれぞれ供給されるようになっている。各インクは、記録ヘッド33内に設けられた図示しない圧電素子によって加圧されて対応するノズル列N1〜N8から吐出される。即ち、ノズル列N1からはイエローYLが吐出され、ノズル列N2からはマゼンタMが吐出される。ノズル列N3からはシアンCYが吐出され、ノズル列N4からはマットブラックMBが吐出される。ノズル列N5からはフォトブラックPBが吐出され、ノズル列N6からはレッドRが吐出される。さらに、ノズル列N7からはブルーBが吐出され、ノズル列N8からはクリアCRが吐出される。
【0020】
このように構成されたプリンタ11では、印刷の際に、キャリッジ25をガイド部材23に沿って往復移動させるとともに、記録ヘッド33のノズル列N1〜N8からインク滴を吐出することで、記録用紙17にドットを形成して、画像等を印刷するようになっている。そして、第8インクカートリッジI8のクリアCRは、各カラーインクの吐出前又は吐出後に、ノズル列N8から吐出されるようになっていて、記録用紙17上で各カラーインクと混合されることにより、凝集、固化等の反応を起こし、各カラーインクの発色の向上や、印刷される画像等を保護するようになっている。
【0021】
プリンタ11では、上述した印刷の途中で、図1に示す左奥側の非印刷領域にキャリッジ25を移動させて記録ヘッド33のノズル列N1〜N8からインク滴を一斉に吐出する第1の予備噴射としての定期フラッシング操作と、ノズル列N7からインク滴を吐出する第2の予備噴射としての堆積防止フラッシングを行うようになっている。そして、プリンタ11では、各フラッシング操作を行うための非印刷領域をフラッシング領域としている。
【0022】
図2及び図3に示すように、プリンタ11では、定期フラッシング操作を開始する位置を第1ポジションP1とし、堆積防止フラッシングを開始する位置を第2ポジションP2としている。第1ポジションP1は、ノズル列N1が後述するプラテン15の吸収体45に相対向し、吸収体45の左端部から距離X0に位置するようになっている。また第2ポジションP2は、ノズル列N7が第1ポジションP1におけるノズル列N1の位置よりも左側(図3参照)であって、後述するプラテン15の吸収体45の左端部に相対向する位置である。本実施形態のプリンタ11では、定期フラッシング操作を行うときには、キャリッジ25を第1ポジションに位置決めした状態で各N1〜N8からインクを吐出する。また、プリンタ11は、堆積防止フラッシング操作を行うときには、キャリッジ25を第2ポジションに位置決めした後にキャリッジ25を図3に示す右方向に移動させながらノズル列N7からインクを吐出させるようになっている。
【0023】
また、プリンタ11では、プラテン15に給送される記録用紙17に、キャリッジ25を移動させながらインク滴を吐出し印刷する領域を印刷領域としている。さらに、プリンタ11では、図1に示す右側の非印刷領域は、非印刷時にキャリッジ25を退避させ記録ヘッド33をメンテナンスするためのメンテナンス領域としている。このメンテナンス領域には同メンテナンス領域から印刷領域に移動するキャリッジ25の記録ヘッド33のノズル形成面33aを払拭するワイピング部材39と、非印刷時に記録ヘッド33のノズル列N1〜N8を封止するキャップ部材40が設けられている。
【0024】
次に、上述したプラテン15の構成について図2、図3、図5及び図6に従って説明する。
図5に示すように、プラテン15は、略直方体形状に形成された本体ケース41を備えている。本体ケース41には、フレーム13内に配設されたときにキャリッジ25のフラッシング領域に位置する図2に示す左側の端部に、第1収容部43が凹設されている。第1収容部43は本体ケース41の上面41a側に開口している。第1収容部43内には、スポンジ等の多孔質体から構成された吸収体45が収容されている。さらに、図2及び図3に示すように、第1収容部43は、本体ケース41の下面41bに設けられた導出ポート47の導出流路47aと連通し、導出ポート47を介して廃インクタンク21に接続されている。そして、吸収体45は、定期フラッシング操作によってノズル列N1〜N8から吐出される第1〜第8インクカートリッジI1〜I8の各インク、堆積防止フラッシング操作によってノズル列N7から吐出されるインクを受け止めて吸収するようになっている。換言すると、吸収体45にはターゲット外として記録ヘッド33の各ノズル列N1〜N8からインクが吐出されるようになっている。そして、このように吸収体45によって吸収された各インクは、導出ポート47の導出流路47aを介して廃インクタンク21に
排出される。
【0025】
定期フラッシング操作によって各ノズル列N1〜N8から吐出されるインクは、第1ポジションP1における各ノズル列N1〜N8の直下に位置する吸収体45上の第1〜第8着弾位置45a〜45hにそれぞれ着弾するようになっている。ここで、上述したように各ノズル列N1〜N8は距離X1間隔にて設けられているため、第1〜第8着弾位置45a〜45hは互い距離X1間隔となる。また、第1ポジションP1におけるノズル列N1の位置は、吸収体45の左端部から距離X0に位置するため(図3、図6参照)、第1着弾位置45aは、吸収体45の左端部から距離X0の位置となる。従って、図6に示すように、定期フラッシング操作によって吐出された各インクが増粘又は固化し堆積する場合、堆積するインク(以下、堆積インクD1〜D8という)は、吸収体45の左端部から第1〜第8着弾位置45a〜45hを中心にそれぞれ距離X1間隔にて堆積する。そして、堆積防止フラッシング操作では、上述したように、第2ポジションP2に位置させたキャリッジ25を右方向に移動させながらノズル列N7からインクを吐出させる(図6参照)。このため、吐出されるインクのインク滴46は、堆積インクD1の左端部D1a、頂点D1b、右端部D1cと順に着弾した後、堆積インクD2の左端部D2a、頂点D2b、右端部D2cと順に着弾する。そして、堆積インクD3〜D8に対しても同様に着弾するようになっている。これによって、堆積インクD1〜D8を溶解させ導出ポート47の導出流路47aを介して廃インクタンク21に排出させるようになっている。また、本実施形態では、堆積インクD1〜D8は、1枚の記録用紙17への印刷途中で実行される定期フラッシング操作により堆積するものであって、直径Yの略球面形状を形成するものとしている。そして、本実施形態では直径Yは0.7ミリメートルとする。
【0026】
他方、図5に示すように、本体ケース41には、第1収容部43に隣接して略直方体形状の第2収容部51が、本体ケース41の長手方向に沿って凹設されている。この第2収容部51は、本体ケース41がフレーム13内に配設されたときに印刷領域に位置するようになっている。第2収容部51には、スポンジ等の多孔質体からなる中央吸収体53が収容されている。中央吸収体53には、第2収容部51内に立設された複数の第1ガイド部材55が貫通し、第2収容部51内にて位置決めされている。本体ケース41の上面41aには、各第1ガイド部材55と対向する複数の第2ガイド部材57が並設されている。第1及び第2ガイド部材55,57は、印刷時にプラテン15上に給送される記録用紙17を支持するようになっている。また、第2収容部51は、本体ケース41の下面41bに設けられた図示しない導出ポートの導出流路と連通し、同導出ポートを介して廃インクタンク21に接続されている。そして、プリンタ11(記録ヘッド33)によって余白の無い、いわゆる縁無し印刷が行われた場合、ノズル列N1〜N8から記録用紙17の縁よりやや外側(図2に示す手前側)に吐出されたインクは、中央吸収体53によって受け止められた後、廃インクタンク21に排出されるようになっている。
【0027】
次に、本実施形態のプリンタ11の電気的構成について図7及び図8に従って説明する。
図7に示すように、プリンタ11はプリンタ制御部61を備えている。このプリンタ制御部61は、プリンタ11を制御するCPU63(中央演算処理装置)、メモリ65と入出力回路67を備えている。プリンタ制御部61は、入出力回路67を介してキャリッジモータ29、記録ヘッド33の圧電素子(図示しない)と電気的に接続されている。CPU63は、メモリ65に予め記憶された制御プログラムによって動作し、図示しない印刷データ生成手段から供給される印刷データに基づいて各種演算処理を行うようになっている。プリンタ制御部61は、入出力回路67に第1駆動電流Iaをキャリッジモータ29に対して出力させキャリッジモータ29を駆動制御するになっている。プリンタ制御部61は、入出力回路67に第2駆動電流Ibを給紙モータ19に対して出力させ給紙モータ19を駆動制御するになっている。また、プリンタ制御部61は、入出力回路67に駆動
電圧Vを出力させ記録ヘッド33の圧電素子を駆動制御するようになっている。
【0028】
プリンタ制御部61は、メモリ65に記憶された制御プログラムに従ってキャリッジモータ29を駆動制御することでキャリッジ25の移動を制御し、フラッシング領域(第1ポジションP1又は第2ポジションP2)、印刷領域又はメンテナンス領域のいずれかに移動させるようになっている。そして、プリンタ制御部61は、キャリッジ25を移動させながら記録ヘッド33の圧電素子を駆動することで、ノズル列N1〜N8から第1〜第8インクカートリッジI1〜I8の各インクをそれぞれ吐出させ、印刷、定期及び堆積防止フラッシング操作をするようになっている。また、プリンタ制御部61は、メモリ65に予め実験等によって求められ記憶されている第1〜第8着弾位置45a〜45hと、キャリッジモータ29への第1駆動電流Iaの出力結果に基づいて、キャリッジ25の移動によるノズル列N7と第1〜第8着弾位置45a〜45hとの相対距離を検出するようになっている。
【0029】
プリンタ制御部61は、プリンタ11に印刷動作を実行させる際には、第2駆動電流Ibを印加し、給紙モータ19を駆動させ記録用紙17をプラテン15上に給紙する。そして、第1駆動電流Iaを印加しキャリッジ25を記録用紙17に対して往復移動させる。プリンタ制御部61は、駆動電圧Vを印加し圧電素子を駆動させノズル列N1〜N8からインクを吐出させるとともに、給紙モータ19の駆動によって記録用紙17を図1に示す手前側に移動させ画像等を形成し印刷を実行する。このとき、プリンタ制御部61は、この印刷動作中に、定期的にキャリッジ25を第1ポジションP1に移動させ、定期フラッシング操作を実行させるようになっている。プリンタ制御部61は、定期フラッシング操作を実行させるとき、キャリッジモータ29に第1駆動電流Iaを印加して印刷領域にいるキャリッジ25を第1ポジションP1に移動させた後、記録ヘッド33の圧電素子に駆動電圧Vを印加し、各ノズル列N1〜N8からプラテン15の吸収体45に対してインクをそれぞれ吐出させる。さらに、プリンタ制御部61は、印刷が完了すると、給紙モータ19の駆動によって記録用紙17をプラテン15上から移動させ排紙させる。そして、プリンタ制御部61は、記録用紙17への印刷が終了し、次の記録用紙17への印刷を開始するまでの間に堆積防止フラッシング操作を実行するようになっている。
【0030】
プリンタ制御部61は、プリンタ11に堆積防止フラッシング操作を実行させるときには、記録用紙17への印刷が完了後、記録用紙17の排紙と並列して、キャリッジモータ29に第1駆動電流Iaを印加し駆動させキャリッジ25を第2ポジションP2に移動させる(図3参照)。プリンタ制御部61は、キャリッジ25が第2ポジションP2に位置すると、キャリッジモータ29を駆動させキャリッジ25を図3に示す右方向に向けて移動させながら記録ヘッド33の圧電素子に駆動電圧Vを印加しノズル列N7からインクを吐出させる。これによって、上述したように、記録ヘッド33のノズル列N7からは吸収体45上の第1〜第8着弾位置45a〜45hに対して順にインクを吐出する。即ち、吸収体45上に堆積インクD1〜D8が堆積している場合には、各堆積インクD1〜D8に対して順にインクを吐出するようになっている。さらに、プリンタ制御部61は、キャリッジ25の移動によって変化するノズル列N7と第1〜第8着弾位置45a〜45hとの相対距離に基づいて、移動中のノズル列N7から吐出するインクの吐出量を制御するようになっている。
【0031】
詳しくは、図8に従って説明する。図8は、ノズル列N7と第1着弾位置45aとの相対距離と、ノズル列N7からのインクの吐出量の関係を説明する説明図である。そして、本実施形態では、ノズル列N7から第1〜第8着弾位置45a〜45hに対して吐出されるインクの吐出量はそれぞれ同じに設定されているため、第2〜第8着弾位置45b〜45hに関しては説明を省略することとする。
【0032】
図8に示すように、プリンタ制御部61は、キャリッジ25の移動によってノズル列N7と第1着弾位置45aとの相対距離Lが相対距離L1となったときに、ノズル列N7にインクの吐出を開始させる。次に、プリンタ制御部61は、キャリッジ25の移動に伴い次第に吐出量Qを増加させ相対距離Lが相対距離L2となったときに吐出量Q1とするようになっている。そして、プリンタ制御部61は、キャリッジ25の移動によってノズル列N7が第1着弾位置45aの直上を通過した後、ノズル列N7と第1着弾位置45aとの相対距離Lが相対距離L3となるまで吐出量Q1を維持し、相対距離L3以上となると次第に吐出量Qを減少させる。そして、プリンタ制御部61は、相対距離Lが相対距離L4となったときにノズル列N7にインクの吐出を終了させるようになっている。本実施形態では、相対距離L1と相対距離L4の合計は、直径Yと等しくなるように設定されていて、0.7ミリメートルと設定されている。さらに、相対距離L2と相対距離L3の合計は、0.3ミリメートルと設定されている。また、本実施形態では、吐出の開始時におけるインクの吐出量Qをキャリッジ25(ノズル列N7)の0.1ミリメートル当たりの移動に対して10ピコリットルとし、吐出量Q1を0.1ミリメートル当たりの移動に対して100ピコリットルとしている。即ち、吸収体45上に堆積インクD1が堆積している場合には、堆積フラッシング操作のインクの吐出は堆積インクD1の左端部D1aから開始され、その吐出量Qは左端部D1aから頂点D1bに向かうにつれて10ピコリットルから次第に増加し、頂点D1付近(左右に0.3ミリメートルの位置)にて吐出量Q1(100ピコリットル)となる。そして、吐出量Qは、頂点から右端部D1cに向かうにつれて吐出量Q1から次第に低減し、右端部D1cにて10ピコリットルとなった後、無くなる。
【0033】
次に、上述したプリンタ制御部61の処理手順について図9に従って説明する。
図9に示すように、プリンタ11のプリンタ制御部61は図示しない電源スイッチがオン操作されると、これに応答してキャリッジモータ29及び記録ヘッド33の前記圧電素子に第1駆動電流Ia及び駆動電圧Vを、入出力回路67を介してそれぞれに印加し印刷動作を開始する(スタート)。次に、プリンタ制御部61は、記録用紙17をプラテン15上に給紙する(ステップS11)。そして、プリンタ制御部61は、印刷を開始する(ステップS13)。印刷中に第1の予備噴射ステップとして定期フラッシング操作を実行する(ステップS15)。次に、プリンタ制御部61は、印刷データに基づいて記録用紙17への印刷が終了したかを判定する(ステップS17)。印刷が終了していないときには(ステップS17でNO)、引き続き印刷を実行する(ステップS13)。プリンタ制御部61は、印刷が終了すると(ステップS17でYES)、記録用紙17を排紙(ステップS19)させる一方で、第2の予備噴射ステップとして堆積防止フラッシング操作を実行させる(ステップS21)。
【0034】
そして、プリンタ制御部61は、排紙(ステップS19)後、堆積防止フラッシング操作(ステップS21)の実行が完了すると、印刷データに基づいて全ての記録用紙17への印刷が終了したかを判定する(ステップS23)。そして、次の記録用紙17への印刷があるときには(ステップS23でNO)、再び給紙(ステップS11)を行い、引き続き印刷を実行(ステップS13)し一連の動作を実行する。また、全ての記録用紙17への印刷が完了したときには(ステップS23でYES)、駆動電圧Vの出力を停止しノズル列N1〜N8のインクの吐出を停止させた後、キャリッジ25をメンテナンス領域に退避させ印刷を終了する(エンド)。
【0035】
以上、上記した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態では、堆積防止フラッシング操作によるインクの吐出量Qは、堆積インクD1に対して左端部D1aから頂点D1bに向かうにつれて増加し、頂点D1bから右端部D1cに向かうにつれて低減するようにした。さらに、堆積インクD2〜D8に対しても同様にインクを吐出するようにした。つまり、堆積インクD1〜D8に対して堆積す
るインクの量が最も多い頂点付近に、多くのインクを吐出するようにした。これによって、堆積インクD1〜D8を効率的に溶解することができる。さらに、各堆積インクD1〜D8に対して、その全体(右及び左端部と頂点)に吐出量Q1のインクを吐出する場合に比べて、インクの消費量を低減することができる。また、堆積するインクの少ない右及び左端部への吐出量Qを低減することで、溶解の効果が少ない場所でのインクの消費量を低減することができる。この結果、プリンタ11は低コスト化を実現することができる。
(2)本実施形態では、堆積防止フラッシング操作によるインクの吐出は、堆積インクD1に対しては左端部D1aから開始され右端部D1cにて終了するようにした。さらに、堆積インクD2〜D8に対しても同様にインクを吐出するようにした。このように、堆積インクD1〜D8に対して集中してインクを吐出することで、堆積インクD1〜D8を効率的に溶解することができる。さらに、堆積インクD1〜D8に向けてインクを吐出することで、堆積インクD1〜D8に着弾できず吸収体45に吸収されるインクを低減することができる。この結果、プリンタ11はインクの消費量を低減することができ、低コスト化を実現することができる。
(3)本実施形態では、堆積インクD1〜D8に、堆積防止フラッシング操作によってノズル列N7からインク(ブルーB)を吐出させ着弾させた。ブルーBは、その色係数H7の値が小さく、最も粘度が低く固化し難い。このため、堆積インクD1〜D8を効率的に溶解することができるので、吸収体45の吸収能力を確保することができる。また、ノズル列N7からのみインクを吐出させることで、ノズル列N1〜N8の全てからインクを吐出させた場合に比べてインクの消費量を低減することができる。この結果、プリンタ11は低コスト化を実現することができる。
(4)本実施形態における堆積防止フラッシング操作では、記録用紙17への印刷が終了し次の記録用紙17への印刷が開始されるまでの間に実行するようにした。このため、1枚の記録用紙17への印刷の途中にて堆積防止フラッシングを実行する場合に比べて、印刷の実行時間を低減することができる。
【0036】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図10〜図13に従って説明する。
尚、本実施形態は、前記第1実施形態と比較して吸収体45に替えて、案内部材を設けたことを特徴としている。以下の説明では、その便宜上、同様の部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略することとする。
【0037】
図10及び図11に示すように、ターゲット外としての案内部材70は、プラテン15の左側に斜設され、キャリッジ25が第1ポジションP1に位置した際に記録ヘッド33と相対向する。案内部材70は、左端部70aが記録ヘッド33に接近し、右端部70bが記録ヘッド33から離間している。案内部材70の右端部70bは、廃インクタンク21内に配設されている。そして、案内部材70は、第1及び第2ポジションP1,P2にて記録ヘッド33の各ノズル列N1〜N8からそれぞれ吐出されるインクを受け止めて廃インクタンク21内に案内するようになっている。本実施形態では、前記第1実施形態の吸収体45と同様に、案内部材70上に第1〜第8着弾位置71a〜71hが設定され前記メモリ65に実験等によって記憶されている。そして、案内部材70上の第1〜第8着弾位置71a〜71hにて定期フラッシング操作によってノズル列N1〜N8から吐出された増粘又は固化した場合、堆積インクD11〜D18として堆積するようになっている。図12に示すように、堆積インクD11は、案内部材70上にて案内部材70の傾斜に沿って堆積する。本実施形態では、堆積インクD11は、1枚の記録用紙17への印刷途中で実行される定期フラッシング操作により堆積するとき、幅Zの山形状に形成されるものとしている。そして、堆積インクD12〜D18についても同様に案内部材70上にて堆積するため説明を省略する。尚、本実施形態における堆積インクD11〜D18の幅Zは、0.7ミリメートルとする。そして、このように堆積した堆積インクD11〜D18に対して、前記第1実施形態と同様に堆積防止フラッシング操作が実行されるようになっ
ている。
【0038】
図13に示すように堆積防止フラッシング操作を制御する前記プリンタ制御部61は、ノズル列N7と第1着弾位置71aとの相対距離Lが相対距離L11となったとき、ノズル列N7にインクの吐出を開始させる。このとき、プリンタ制御部61は、インクの吐出量Qを吐出量Q10とする。次に、プリンタ制御部61は、キャリッジ25の移動によってノズル列N7が第1着弾位置45aの直上を通過するまで吐出量Q10を維持し、通過すると次第に吐出量Qを減少させる。そして、プリンタ制御部61は、相対距離Lが相対距離L12となったときにノズル列N7にインクの吐出を終了させるようになっている。本実施形態では、相対距離L11と相対距離L12の合計は、堆積インクD11〜D18の幅Zと等しくなるように設定されていて、0.7ミリメートルと設定されている。また、吐出の開始時におけるインクの吐出量Q10をキャリッジ25(ノズル列N7)の0.1ミリメートル当たりの移動に対して100ピコリットルとし、吐出の終了時における吐出量Qを0.1ミリメートル当たりの移動に対して10ピコリットルとしている。即ち、案内部材70上に堆積インクD11が堆積している場合、堆積フラッシング操作のインクの吐出は堆積インクD11の左端部D11aから開始され、その吐出量Qは左端部D11aから頂点D11bまで吐出量Q10(100ピコリットル)となる。この吐出量Qは、頂点D11bから右端部D11cに向かうにつれて吐出量Q10から次第に低減し、右端部D11cにて0.1ピコリットルとなった後、無くなるようになっている。そして、プリンタ制御部61は、記録用紙17への印刷動作において前記第1実施形態と同様に図9に示す処理手順を実行するようになっている。
【0039】
以上、上記した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(5)本実施形態では、案内部材70の傾斜に沿って堆積した堆積インクD11に対して堆積防止フラッシング操作によってノズル列N7からインクを吐出した。そして、その吐出量Qを堆積インクD11の左端部D11aから頂点D11bに向かうにつれて増加し、頂点D11bから右端部D11cに向かうにつれて低減するようにした。さらに、堆積インクD12〜D18に対しても同様にインクを吐出するようにした。つまり、堆積インクD11〜D18に対して堆積するインクの量が最も多い箇所に、多くのインクを吐出するようにした。これによって、堆積インクD11〜D18を効率的に溶解することができる。また、堆積するインクの少ない右端部への吐出量Qを低減することで、インクの消費量を低減することができる。
【0040】
尚、発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、堆積防止フラッシング操作を、記録用紙17への印刷が終了し次の記録用紙17への印刷を開始するまでの間に実行したが、記録用紙17への印刷途中にするようにしてもよい。また、全ての記録用紙17への印刷が終了した時点で実行するようにしてもよい。また、別途、プリンタ11を管理する管理コンピュータを設け、管理コンピュータを介したユーザの指定条件に基づいて実行させてもよい。また、プリンタ11に操作部を備え、操作部を介したユーザの指定条件に基づいてプリンタ制御部61に実行させるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、堆積防止フラッシング操作でノズル列N7からのみインクを吐出させたが適宜吐出するノズル列列を変更してもよい。従って、例えば、ノズル列N7に加えてノズル列N5からも吐出するようにし、ノズル列N5,N7からそれぞれ色係数H5,H7のインクを吐出させてもよい。このように色係数の値の小さいインクを吐出させることで堆積インクD1〜D8,D11〜D18を効率よく溶解することができる。
・上記各実施形態では、吸収体45に堆積した堆積インクD1〜D8、又は案内部材70に堆積した堆積インクD11〜D18に対して、堆積防止フラッシング操作によってノズル列N7からインクを吐出するようにしたが、定期フラッシング操作によりインクが堆積
する他の部材に対しても吐出するように適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、堆積防止フラッシング操作によってノズル列N7から堆積インクD1〜D8又は堆積インクD11〜D18の全てに対してインクが吐出されるように設定したが、各堆積インクD1〜D8又は各堆積インクD11〜D18から選択してインクを吐出させてもよい。またこのときの吐出量Qを、各堆積インクD1〜D8,D11〜D18の増粘又は固化の度合いに応じてそれぞれ設定してもよい。従って、例えば各インクの色係数H1〜H8に基づいてインクの吐出量Qをそれぞれ設定してもよい。
・上記実施形態では、堆積インクD1〜D8の直径Y、堆積インクD11〜D18の幅Zをそれぞれ0.7ミリメートルとし固定としたが、可変であってもよい。この場合、例えば、キャリッジ25に堆積インクD1〜D8の直径Y、又は堆積インクD11〜D18の幅Zを検出する検出センサを設け、同検出センサによって検出された直径Y又は幅Zの値に応じて堆積防止フラッシング操作の吐出量Qを変更してもよい。
・上記実施形態の各インクカートリッジI1〜I8に貯留するインクを適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、液体噴射装置をプリンタ11に具体化したが、この限りではなく、他の液体を噴射する液体噴射装置に具体化するようにしてもよい。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態のプリンタの構成を説明する斜視図。
【図2】同プリンタのキャリッジ及びプラテンの構成を説明する部分断面図。
【図3】同キャリッジ及びプラテンの構成を説明する部分断面図。
【図4】インクカートリッジの各インクの色係数を説明する説明図。
【図5】同プラテンの構成を説明する斜視図。
【図6】吸収体上に堆積する堆積インクを説明する断面図。
【図7】同プリンタの電気的構成を説明するブロック図。
【図8】ノズル列からのインクの吐出量を説明する説明図。
【図9】プリンタ制御部の処理手順を説明するフローチャート。
【図10】第2実施形態のキャリッジ及び案内部材の構成を説明する部分断面図。
【図11】同キャリッジ及び案内部材の構成を説明する部分断面図。
【図12】案内部材上に堆積する堆積インクを説明する断面図。
【図13】ノズル列からのインクの吐出量を説明する説明図。
【符号の説明】
【0042】
11…液体噴射装置としてのプリンタ、17…ターゲットとしての記録用紙、25…移動手段を構成するキャリッジ、29…移動手段を構成するキャリッジモータ、30…移動手段を構成するタイミングベルト、33…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、45…ターゲット外としての吸収体、61…制御手段としてのプリンタ制御部、70…ターゲット外としての案内部材、D1〜D8,D11〜D18…堆積物としての堆積インク、N1〜N8…ノズル列、N7…選択したノズル列、Q…噴射量としての吐出量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルからターゲットに液体を本噴射する液体噴射ヘッドに、同本噴射の途中及び前後のいずれかでターゲット外に液体を噴射させる第1の予備噴射ステップと、
前記第1の予備噴射ステップによって噴射された前記液体からなり前記ターゲット外にて堆積する堆積物に液体を噴射させ同堆積物を溶解する第2の予備噴射ステップとを実行する液体噴射装置のクリーニング方法において、
前記第2の予備噴射ステップは、前記堆積物のうち堆積量が少ない箇所に対して液体を噴射する際に、噴射する同液体の噴射量を低減させることを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射装置のクリーニング方法において、
前記第2の予備噴射ステップは、前記堆積物のうち堆積量が多い箇所に対して液体を噴射する際に、噴射する同液体の噴射量を増加させることを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法。
【請求項3】
請求項2に記載の液体噴射装置のクリーニング方法において、
前記第2の予備噴射ステップは、前記液体噴射ヘッドを移動手段によって移動させながら前記液体を噴射させることを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の液体噴射装置のクリーニング方法において、
前記第2の予備噴射ステップでは、前記複数のノズルからなるノズル列のうち、選択したノズル列から液体を噴射させることを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法。
【請求項5】
複数のノズルからターゲットに液体を本噴射する液体噴射ヘッドに、同本噴射の途中及び前後のいずれかでターゲット外に液体を噴射させる第1の予備噴射と、
前記第1の予備噴射によって噴射された前記液体からなり前記ターゲット外にて堆積する堆積物に液体を噴射させ同堆積物を溶解する第2の予備噴射とを実行させる制御手段を備えた液体噴射装置において、
前記制御手段は、前記第2の予備噴射によって前記堆積物のうち堆積量が少ない箇所に対して液体が噴射される際に、噴射される同液体の噴射量を低減させることを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−168177(P2006−168177A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363461(P2004−363461)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】