説明

液体噴射装置

【課題】液体容器を液体供給針から抜き取ったときに液体が液体供給針から漏洩することを防止できる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体容器6に貯留された液体を液体噴射ヘッドに供給して被噴射物に噴射する液体噴射装置であり、装置本体の一部に液体容器6の内部に連通する液体供給針23が配置され、液体供給針23の流出路31を液体噴射ヘッドに連通させる液体供給流路が設けられ、液体供給流路の途中に液体噴射ヘッド側に吸引負圧が印加されたときに液体供給流路を閉じる制御弁39が設けられ、制御弁39と液体供給針23との間に制御弁39側から流出路31に向って作用する液圧によって液体供給流路を封止する封止弁33が設けられている。こうすることにより、封止弁33が閉じて液体容器6を液体供給針23から抜き取ったときの液体供給針23からの液体漏れが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体容器に貯留された液体を液体供給針を介して液体噴射ヘッドに供給して被噴射物に噴射する液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置の代表例であるインクジェット式記録装置(以下、単に記録装置という)を例にとって背景技術を説明すると、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として被噴射物である記録用紙に吐出させて印刷データを記録するようになっている。このような記録装置においては、ノズル開口からのインク溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化、ノズル開口への塵埃の付着、さらには圧力発生室等への気泡の混入などにより印刷不良を生じるという問題を抱いている。このため、非印刷時にノズル開口を封止してインクの蒸発を防止するとともに、ノズル開口に負圧を作用させてノズル開口からインクを強制的に排出させるためのキャッピング装置と、これに負圧を供給するポンプユニットを備え、キャッピング装置内に印加した負圧で上記の粘性の高いインクや塵埃等を強制的に吸引するクリーニング動作が行われている。
【0003】
一方、カラー印刷時の印字品質を向上させるため、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックの4色を濃淡2種類、合計8種類のインクを使用する記録装置が採用されている。
【0004】
このように多色のインクを用いるものにあっては、少なくとも8色分のインクカートリッジを必要とするため、インクカートリッジをキャリッジに搭載する形式の記録装置ではキャリッジの総重量が大きくなって、キャリッジ駆動モータに出力の大きなものが必要となるばかりでなく、キャリッジリターンの際のキャリッジの反動が大きくなる等の問題がある。
【0005】
このような問題を解消するためは、インクカートリッジを記録装置の一部に取り付けた函体に収容し、インク供給チューブを介して液体噴射ヘッドである記録ヘッドにインクを供給する方式が採用されるが、8色分のインクカートリッジを記録装置全体の重量バランスを取りつつ収容するためには記録装置の左右両側に配置するのが望ましい。
【0006】
上記のようないわゆるオフキャリッジ方式である場合には、液体容器であるインクカートリッジから記録ヘッドへインクを確実に供給するために、インクカートリッジ内のインクを所定の圧力で加圧することが行われている。
【0007】
また、インクカートリッジを装填した状態で設置場所を変更する等のために記録装置が傾くと、函体の一方の側に配置されているインクカートリッジの記録ヘッドに対する水頭圧が上昇して、多孔質体等の負圧付与部材を備えないインクカートリッジにあっては、記録ヘッドのノズル開口からインクが漏れ出す等の問題がある。このため、インクカートリッジ内に連通するインク供給針の流出路から記録ヘッドに至るインク供給流路の途中に制御弁を設け、上記のような設置場所の変更やあるいはインクカートリッジの着脱の際に、上記制御弁を閉じてノズル開口からのインク漏れや、インク供給針からのインク漏れを防止している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−185603号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記制御弁を閉じる過渡期に制御弁の変位でインクがインク供給針の方 へ押し戻されるために、インクカートリッジをインク供給針から抜き取ってインクカートリッジを外すと、制御弁からインク供給針の流出路内に充満しているインクがインク供給針の流入口から垂れるようにして漏れる現象が生じる。このような漏洩により、インク供給針近傍の部材がインクで汚れ、場合によっては、記録装置の微細な隙間にインクが流入したりするという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、液体容器を液体供給針から抜き取ったときに液体が液体供給針から漏洩することを防止できる液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射装置は、液体容器に貯留された液体を液体噴射ヘッドに供給して被噴射物に噴射する液体噴射装置であって、装置本体の一部に液体容器の内部に連通する液体供給針が配置され、上記液体供給針の流出路を液体噴射ヘッドに連通させる液体供給流路が設けられ、上記液体供給流路の途中に液体噴射ヘッド側に吸引負圧が印加されたときに液体供給流路を閉じる制御弁が設けられ、上記制御弁と液体供給針との間に制御弁側から上記流出路に向って作用する液圧によって液体供給流路を封止する封止弁が設けられていることを要旨とする。
【0011】
すなわち、上記液体供給流路の途中に液体噴射ヘッド側に吸引負圧が印加されたときに液体供給流路を閉じる制御弁が設けられ、上記制御弁と液体供給針との間に制御弁側から上記流出路に向って作用する液圧によって液体供給流路を封止する封止弁が設けられている。このため、上記制御弁を閉じる過渡期には、制御弁の閉弁方向の変位で制御弁側から液体供給針の流出路に向って作用する液圧により、上記封止弁が移動して液体供給流路を封止する。このようにして、液体供給針の流出路に向う液体流動が停止されるとともに、封止弁で封止された箇所から液体供給針の流出路までの液体容量が少量化される。したがって、液体容器を液体供給針から抜き取ったときの液体供給針からの液体漏洩が防止される。また、上記制御弁を一旦閉じたまま液体噴射ヘッドに吸引負圧を印加して、この負圧値が所定の値に高まってから制御弁を開弁することにより、液体噴射ヘッド内の微細な流路部分に液体容器からの液体が高速で一気に通過し、クリーニング動作が効果的になされる。
【0012】
本発明の液体噴射装置において、上記封止弁が、上記流出路の直近に配置されている場合には、封止弁で封止された箇所から液体供給針の先端側の流出路までの液体容量が最小化され、液体供給針からの液体漏洩が防止される。
【0013】
本発明の液体噴射装置において、上記封止弁が、上記液体供給流路の途中に形成された弁室内に無拘束の状態で収容されている場合には、上記制御弁の変位に伴う僅かな液体流であっても、敏感に封止弁が封止位置に移動して確実に封止機能を果たすことができる。また、封止弁は、どこにも固定することなく弁室内に所定の空隙を付与して配置されているため、組立性が良好で少ないスペースで弁構造を形成でき、設計の自由度を高めて、近隣の構造物を有利な条件で成立させることが可能となる。
【0014】
本発明の液体噴射装置において、上記封止弁は、上記液体供給流路の途中に形成された弁室内において、上記制御弁側から上記流出路に向う液圧の作用方向と交差する方向の一端側部位が他端側部位よりも移動範囲が狭くなる状態で収容されている。
【0015】
この構成によれば、封止弁は、制御弁側から流出路に向って作用する液圧によって封止位置側に移動する際に、その封止弁における一端側部位が他端側部位よりも早く封止位置に到達し、その一端側部位を支点として他端側部位が回動するようにして封止位置への移動を完了するようになる。このため、制御弁側から流出路に向う液圧を受けた封止弁は、より迅速に液体供給流路を封止することができ、レスポンスの良好な封止弁機能が得られる。
【0016】
本発明の液体噴射装置において、上記弁室は、上記制御弁側から上記流出路に向う液圧の作用方向が水平方向となるように構成されており、上記封止弁は、上記弁室内に鉛直方向に縦長となるように収容され、上記封止弁の比重が上記液体の比重より小さい場合には、鉛直方向上端側部位が鉛直方向下端側部位よりも移動範囲が狭くなる状態で収容される一方、上記封止弁の比重が上記液体の比重より大きい場合には、鉛直方向下端側部位が鉛直方向上端側部位よりも移動範囲が狭くなる状態で収容されている。
【0017】
この構成によると、封止弁の比重が液体の比重より小さく弁室内で封止弁が浮く場合には、封止弁が弁室の鉛直方向上部の内面に常に当接した状態となる。この状態で封止弁が流出路に向って作用する水平方向の液圧を受けると、封止弁は、移動範囲が狭い鉛直方向上端側部位を支点としてあたかも回転するように動作する。一方、封止弁の比重が液体の比重より大きく弁室内で封止弁が沈む場合には、封止弁が弁室の鉛直方向下部の内面に常に当接した状態となる。この状態で封止弁が流出路に向って作用する水平方向の液圧を受けると、封止弁は、移動範囲が狭い鉛直方向下端側部位を支点としてあたかも回転するように動作する。このように、封止弁の液体に対する比重によって封止弁の鉛直方向上端側部位又は下端側部位のうち支点側となる一方の移動範囲を狭くすることで封止動作が迅速且つ円滑に行われるため、さらにレスポンスを向上させることができる。また、液体噴射装置が水平面ではなく傾いた面や凹凸面上に設置された場合でも、安定した封止弁機能を奏することができる。
【0018】
本発明の液体噴射装置において、上記弁室に、上記封止弁が着座して封止機能を果たす平坦面と、上記平坦面の反対側に形成され液体容器内の液体を液体噴射ヘッド側へ流通させる流路形成面とが設けられている場合には、上記平坦面と流路形成面とが対向した位置関係となるので、封止弁は単純な往復動作だけで封止機能と流通機能を成立させることができ、単純な動作で確実な逆止弁としての機能が確保できる。
【0019】
本発明の液体噴射装置において、上記制御弁を閉じる方向に付勢する付勢手段が設けられている場合には、制御弁の閉弁動作が上記付勢手段で助成されているので、制御弁の閉弁が短時間で確実になされる。
【0020】
本発明の液体噴射装置において、上記制御弁の閉弁状態から開弁状態に変換する開弁操作手段が設けられている場合には、制御弁が閉弁中に液体容器を液体供給針から抜き取り新たな液体容器が装着された後、上記開弁操作手段で制御弁を開弁することにより、新たな液体容器からの液体の流通が直ちに可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
つぎに、本発明の液体噴射装置を実施するための最良の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4は、本発明の液体噴射装置の一実施例を示す。
【0022】
本発明の液体噴射装置は、種々な液体を噴射することができるが、以下に説明する実施例においては、その代表的な事例としてインクジェット式記録装置(記録装置、装置本体)を例にとったものである。
【0023】
図1は、記録装置の平面図である。後述の記録ヘッド7,8等が装備されているキャリッジ1は、タイミングベルト2によりモータ3に接続されていて、ガイド部材4,4に案内されてプラテン5に平行に移動するように構成されている。キャリッジ1の記録用紙に対向する面には、第1の記録ヘッド7と第2の記録ヘッド8とがキャリッジ1の移動方向に並べて搭載され、また上面にはダンパー機能を備えた各インクカートリッジに対応するサブタンクユニット9,10が搭載されている。
【0024】
記録装置の基礎部材であるフレーム11の両側には複数のインクカートリッジ6,6,6・・・を収容するカートリッジ収容部12,12が設けられ、後述する弁ユニット14,14を介してインク供給チューブ16,16,16・・・がサブタンクユニット9,10に接続されている。なお、カートリッジ収容部12,12は、記録装置の静止部材(図示していない)に取り付けられている。なお、符号62は、クリーニング動作時に第1,第2の記録ヘッド7,8のノズル形成面に密着するキャッピング装置である。
【0025】
図2は、記録装置のインク流路系統図であり、箱状のカートリッジ収容部12内にインクカートリッジ6,6,6・・・が収容されている。圧縮空気を供給するポンプ13からの送気管17がインクカートリッジ6に接続され、インクカートリッジ6内のインクを加圧するようになっている。各インクカートリッジ6,6,6・・・は連通管18,18,18・・・で連通されており、こうすることにより各インクカートリッジ内のインクが加圧され、長尺なインク供給チューブ16,16,16・・・を円滑に流通してサブタンクユニット9,10へ供給されるようになっている。なお、符号19は、記録用紙である。そして、図2では上記サブタンクユニット9,10が各インクカートリッジ6,6,6・・・毎に独立した状態で図示してある。
【0026】
図2に示すように、上記弁ユニット14,14・・・は、記録装置側の静止部材(図示していない)に固定され、各インクカートリッジ6毎に設けられている。
図3に示すように、弁ユニット14は、インクカートリッジ6内に連通するインク供給針23と、インク供給針23に連通する封止弁33の弁室34と、封止弁33に連通する制御弁39の弁室40と、弁室40からインク供給チューブ16への流出穴41および動作レバー57等が主要な構成部材となって形成されている。
【0027】
図3は、弁ユニット14を拡大して示す断面図と各部の部品図である。弁ユニット14の本体部20がカートリッジ収容部12に結合され、本体部20に形成した凹部21内にカートリッジ収容部12に設けた凸部22が入り込んでいる。インクカートリッジ6内に連通するインク供給針23が上記凸部22の中央部から起立した状態で設けられている。このインク供給針23は、図3(A)に示すように、カートリッジ収容部12と一体に成形されている。あるいは、インク供給針としての別部品をカートリッジ収容部12に接合してもよい。符号24はインク供給針23の先端部に設けたインクの流入口、31は上記流入口24から流入してきたインクを後述のインク供給流路に送り出す流出路である。
【0028】
インクカートリッジ6の中央部に、断面円形の筒状のガイド筒25が固定され、その中央部に形成した通口26内にインク供給針23が進入するようになっている。ガイド筒25の端部にシール部材27が配置され、インク供給針23の外周面に密着してインクがリークするのを防止している。上記シール部材27は、エラストマーのような弾性材料で構成され、インクカートリッジ6をインク供給針23から外すと、シール部材27が弾性的に閉口してインクが流出しないようになっている。
【0029】
上記凹部21および凸部22は円形であり、凹部21の中央部にシール用のOリング28を収容する円形の大径凹穴29が形成され、さらにこの大径凹穴29の中央部に円形の小径凹穴30が形成されている(図3(B)および図4(B)の拡大図参照)。カートリッジ収容部12の凸部22の中央下部から断面円形の接続筒32が突出した状態で形成され、この接続筒32が小径凹穴30の途中まで差し込まれることにより、封止弁33の弁室34が構成されている。
【0030】
上記流出路31は、接続筒32の端面35の中央部に開口している。そして、上記端面35は、封止弁33が着座する平坦面とされている。なお、平坦面にも符号35を用いている。また、上記平坦面35の反対側すなわち対向側には、インクを第1,第2の記録ヘッド7,8側へ流通させる流路形成面36が形成されている(図3(B),(C)参照、なお、(B)は(C)のB−B線矢視断面図である。)。上記平坦面35に封止弁33が着座すると、流出路31が封止された状態になり、また、上記流路形成面36上に封止弁33が載置されていても、流路形成面36に形成した流通溝37から通口38を経て第1,第2の記録ヘッド7,8側へインクを供給できるようになっている。
【0031】
上記通口38は制御弁39の弁室40に開口しており、この弁室40は流出穴41からインク供給チューブ16に連通している。上記インク供給針23の流出路31、封止弁33の弁室34、制御弁39の弁室40、流出穴41およびインク供給チューブ16等の一連の流路によって液体供給流路であるインク供給流路が構成されている。
【0032】
上記封止弁33は、エラストマーのような軽量な弾性材料によって構成され、その形状は図3(D),(E)((E)は(D)のE−E線矢視断面図である。)に示すように、周囲に断面が略円形の肉厚部42を有する円形の部材であり、肉厚部42の内側は平板状のディスク部43とされている。封止弁33の直径は、弁室34を形成する小径凹穴30の内径よりも小さく設定され、インクの流通間隙が形成されている。そして、封止弁33は、どこにも固定されることなく無拘束の状態で弁室34内に入れ込んである。また、同図(E)に示すような断面形状とされているために、通口38側から封止弁33に作用するインク圧は、矢線44で示すように、封止弁33の下面に確実に受け止められて封止弁33が敏感に移動して平坦面35に直ちに着座できるという効果がある。
【0033】
また、平坦面35と流路形成面36との間隔寸法は、封止弁33の直径よりも小さく設定され、好ましくは封止弁33の直径に対する上記間隔寸法の比は0.8〜0.3であり、さらに好ましくは0.6〜0.4である。こうすることにより、封止弁33が弁室34内で反転することが防止でき、信頼性の高い弁動作が得られる。また、封止弁33が平坦面35に着座するまでの移動距離が短くなるため、通口38から封止弁33にインク圧が作用すると、応答性よく短時間で封止状態が確保できる。さらに、制御弁39と封止弁33とを、短い通口38で両弁39,33を連通するように、できるだけ接近させて配置することにより、制御弁39が閉じるときのインク圧が敏感に封止弁33に作用し、封止弁33の動作が機敏なものとなる。
【0034】
一方、上記制御弁39は、封止弁33と同様なエラストマーのような弾性材料で構成され、その中央部に環状の隆起部46が設けられ、弁室40の天井面に相当する着座面47に着座してインク供給流路を閉じるようになっている。
【0035】
上記制御弁39を動作させる動作室48を構成するために断面円形のカップ状の容器49が本体部20の下面に接合してある。この接合部に制御弁39の周辺部が挟み付けられている。上記動作室48内に動作軸50が収容され、上記動作軸50の端部に制御弁39に設けた筒部51が嵌合している。また、動作軸50の中央部付近に設けたフランジ52と容器49の内端面53との間に、付勢手段である圧縮コイルスプリング54が配置されていて、制御弁39に閉じ方向のばね力を作用させている。
【0036】
上記本体部20に設けた凸片55に枢軸56が取り付けられ、この枢軸56に開弁操作手段である動作レバー57が結合されている。この動作レバー57は、略「く」の字型の形状で動作軸50に係合してある。そのために、動作軸50に係合用の頭部58が設けられ、ここに動作レバー57の係合部59が係合している。動作レバー57は図示していない駆動機構に連結されていて、反時計方向に回動すると圧縮コイルスプリング54のばね力で制御弁39が着座面47に着座し、時計方向に回動すると圧縮コイルスプリング54のばね力に抗して動作軸50が下方に移動し、制御弁39が開弁状態になる。上記駆動機構は、第1,第2の記録ヘッド7,8にクリーニング用の吸引負圧を印加すると、それに応答して駆動力を発するようになっている。上記負圧の印加や駆動機構の動作等は、記録装置全体を動作させる制御装置(コンピュータ装置,図示していない)によって実行されている。
【0037】
上記実施例の動作を説明する。
図3は、動作レバー57の時計方向の回動により、動作軸50が圧縮コイルスプリング54を圧縮して制御弁39を開弁している状態を示している。この状態においては、第1,第2の記録ヘッド7,8からインク滴が吐出されて、インクカートリッジ6からのインクはインク供給針23の流入口24,流出路31,弁室34,流通溝37,通口38,弁室40,流出穴41およびインク供給チューブ16等からなるインク供給流路を経て第1,第2の記録ヘッド7,8に供給されている。
【0038】
第1,第2の記録ヘッド7,8にクリーニング用の吸引負圧を印加すると、図4に示すように、上記制御装置と駆動機構の動作により、動作レバー57が反時計方向に回動する。この回動によって圧縮コイルスプリング54のばね力で制御弁39が移動し隆起部46が着座面47に着座して、上記インク供給流路が遮断される。このような遮断状態が所定時間経過すると、閉弁している制御弁39以降の吸引負圧が所定の値に高まる。この時点で制御装置からの動作信号により動作レバー57が時計方向に回動すると、図3(A)に示すように、制御弁39が開きインクカートリッジ6内のインクは上記記録ヘッド内の微細な流路部分に高速で一気に通過し、クリーニング動作が効果的になされる。
【0039】
上記のようにして制御弁39を閉じる過渡期には、制御弁39の閉弁方向の変位で制御弁39側からインク供給針23の流出路31に向って作用するインク圧により、封止弁33が流出路31の端部を封止する。また、制御弁39の隆起部46が着座面47に着座するときには、隆起部46が弾性的に圧縮されるので、隆起部46の通口38側の容積が小さくなり、これによっても弁室34側へのインク流が生じている。上記のような封止弁33の閉弁状態は、制御弁39が開弁されると直ちに開弁状態になり、第1,第2の記録ヘッド7,8に向うインク流が形成される。
【0040】
つぎに、インクカートリッジ6のインクがなくなって新たなインクカートリッジ6を交換したり、ユーザがインクカートリッジ6を他のものに交換したりするときには、交換動作を行うことを制御装置に入力することにより、制御装置からの動作信号で駆動機構が動作し動作レバー57が反時計方向に回動して図4に示すように、制御弁39が閉じる。制御弁39が閉じる過渡期にそれに連動して封止弁33が閉じる動作は、上述のクリーニング動作の場合と同じである。このように封止弁33が平坦面35に着座している状態でインクカートリッジ6をインク供給針23から抜き取ると、封止弁33により流出路31から流入口24に向うインク流が阻止されているために、インクが流入口24から漏れ出ることがない。
【0041】
図3(F)に示すように、流通機能を果たす上記流通溝37を封止弁33の片側に形成してもよい。すなわち、平坦面35に対向する面が同様な平坦面60とされ、封止弁33の下面に流通溝61が封止弁33の直径方向に形成されている。それ以外は、図3(B)に示した構成と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、作用効果も図3(B)のものと同様である。
【0042】
上記実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
上記インク供給流路の途中に第1,第2の記録ヘッド7,8側に吸引負圧が印加されたときにインク供給流路を閉じる制御弁39が設けられ、上記制御弁39とインク供給針23との間に制御弁39側から流出路31に向って作用するインク圧によってインク供給流路を封止する封止弁33が設けられている。このため、上記制御弁39を閉じる過渡期には、制御弁39の閉弁方向の変位で制御弁39側からインク供給針23の流出路31に向って作用するインク圧により、上記封止弁33が移動してインク供給流路を封止する。このようにして、インク供給針23の流出路31に向うインク流動が停止されるとともに、封止弁33で封止された箇所からインク供給針23の流出路31までのインク容量が少量化される。したがって、インクカートリッジ6をインク供給針23から抜き取ったときのインク供給針23からのインク漏洩が防止される。また、上記制御弁39を一旦閉じたまま第1,第2の記録ヘッド7,8に吸引負圧を印加して、この負圧値が所定の値に高まってから制御弁39を開弁することにより、第1,第2の記録ヘッド7,8内の微細な流路部分にインクカートリッジ6からのインクが高速で一気に通過し、クリーニング動作が効果的になされる。
【0043】
上記封止弁33が、上記流出路31の直近に配置されているため、封止弁33で封止された箇所からインク供給針23の先端側の流出路31までのインク容量が最小化され、インク供給針23からのインク漏洩が防止される。
【0044】
上記封止弁33が、上記インク供給流路の途中に形成された弁室34内に無拘束の状態で収容されているため、上記制御弁39の変位に伴う僅かなインク流であっても、敏感に封止弁33が封止位置に移動して確実に封止機能を果たすことができる。また、封止弁33は、どこにも固定することなく弁室34内に所定の空隙を付与して配置されているため、組立性が良好で少ないスペースで弁構造を形成でき、設計の自由度を高めて、近隣の構造物を有利な条件で成立させることが可能となる。
【0045】
上記弁室34に、上記封止弁33が着座して封止機能を果たす平坦面35と、上記平坦面35の反対側に形成されインクカートリッジ6内のインクを第1,第2の記録ヘッド7,8側へ流通させる流路形成面36とが設けられているため、上記平坦面35と流路形成面36とが対向した位置関係となり、封止弁33は単純な往復動作だけで封止機能と流通機能を成立させることができ、単純な動作で確実な逆止弁としての機能が確保できる。
【0046】
上記制御弁39を閉じる方向に付勢する圧縮コイルスプリング54が設けられているため、制御弁39の閉弁動作が上記圧縮コイルスプリング54で助成され、制御弁39の閉弁が短時間で確実になされる。
【0047】
上記制御弁39の閉弁状態から開弁状態に変換する動作レバー57が設けられているため、制御弁39が閉弁中すなわち封止弁33が閉弁中にインクカートリッジ6をインク供給針23から抜き取り新たなインクカートリッジ6が装着された後、上記動作レバー57で制御弁39を開弁することにより、開いた封止弁33を経て新たなインクカートリッジ6からのインクの流通が直ちに可能となる。
【0048】
さらに、インクカートリッジ6内のインクは、上記ポンプ13で上述のように加圧されているので、それによるインク圧力が圧縮コイルスプリング54の張力に対して対抗した状態になる。そのために制御弁39の閉弁速度が低下するのであるが、封止弁33は無拘束状態で弁室34内に配置されているので、制御弁39側からのわずかなインク圧で封止弁33だけが敏感に移動して平坦面35に着座し、レスポンスの良好な封止弁機能が得られる。
【0049】
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態について、第1実施形態とは異なる部分(弁室34の構造)に着目して図5を参照しつつ説明する。
【0050】
図5は、弁室34及び封止弁33の構造を示す断面図である。本実施形態では、弁室34は、制御弁39側から流出路31に向うインクのインク圧(液圧)の作用方向が水平となるように構成されている。また、弁室34の上辺部34aは下辺部34bより幅狭に形成されている。具体的には、流路形成面36のうち上辺部34a側寄りの部分に下辺部34b側寄りの部分よりも平坦面35との間の距離を短くする段差面36aが形成されている。
【0051】
そして、封止弁33は、弁室34内に鉛直方向に縦長となるように収容されている。本実施形態において、封止弁33の比重はインクの比重より小さく、弁室34内で浮く材質で構成されている。そのため、封止弁33の上端側部位33a(一端側部位)が弁室34の上辺部34aに常に当接した状態となり、下端側部位33b(他端側部位)が弁室34の下辺部34b側に位置した状態となる。
【0052】
上記第1実施形態で説明したように、封止弁33は弁室34内でインク圧の作用方向(本実施形態では水平方向)に移動し、流出路31等からなるインク供給流路を封止したり開放したりする。本実施形態では、弁室34の下辺部34bは封止弁33の肉厚部42より十分幅広に形成されているため、封止弁33の下端側部位33bは、その移動が比較的大きく許容される。一方、弁室34の上辺部34aは段差面36aの存在により封止弁33の肉厚部42と略同一幅に形成されているため、封止弁33の上端側部位33aは、下端側部位33bと比較してその移動が拘束される。すなわち、封止弁33の上端側部位33aの移動範囲S1(=上辺部33aの幅)は、下端側部位33bの移動範囲S2(=下辺部33bの幅)よりも狭くなっている。
【0053】
上記説明した以外は、図3(B)に示した構成と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
つぎに、上記実施例の動作を説明する。
【0054】
図5において、実線で示す封止弁33は開弁状態時を示し、破線で示す封止弁33は閉弁状態時を示している。制御弁39を閉じる過渡期に、制御弁39の閉弁方向の変位で制御弁39側からインク供給針23の流出路31に向ってインク圧が作用する過程は、上記第1実施形態と同様である。本実施形態では、その制御弁39からのインク圧が水平方向(図5において左から右方向)に作用する。
【0055】
このとき、封止弁33はインク圧によって流出路31側(図5における右側)へ移動することになるが、上端側部位33aの移動範囲S1は封止弁33の肉厚部42と略同一であって、実際は、上端側部位33aがほぼ移動不可能に拘束されている。このため、水平方向のインク圧を受けた封止弁33は、その上端側部位33aを支点としてあたかも図5において反時計回りに回転するようにして下端側部位33bが平坦面35に当接するまで移動し、流出路31の端部を封止する。
【0056】
一方、制御弁39が開弁されると、制御弁39の弁室40内が負圧となり、封止弁33は、流出路31とは反対側(図5における左側)へ移動することになる。このとき、上記閉弁時と同様に上端側部位33aがほぼ移動不可能に拘束されていることから、上端側部位33aを支点としてあたかも図5において時計回りに回転するようにして下端側部位33bが流路形成面36に当接するまで移動する。そして、流出路31の端部が開放されて、第1,第2の記録ヘッド7,8に向うインク流が形成される。
【0057】
その他の動作については、上記第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
上記第2実施形態では、上記第1実施形態における効果に加えて、さらに以下のような効果がある。
【0058】
封止弁33は、上端側部位33aが下端側部位33bよりも移動範囲が狭くなる状態(S1<S2)で収容されるため、下端側部位33bでは封止弁33の移動が比較的大きく許容される一方、上端側部位33aでは下端側部位33bと比較して封止弁33の移動が拘束され、移動範囲が狭くなっている。つまり、封止弁33が平坦面35に着座するまでの移動距離が、封止弁33の上端側部位33aにおいては短くなる。このため、制御弁39側から流出路31に向う水平方向のインク圧を受けた封止弁33は迅速に流出路31を封止することができ、レスポンスの良好な封止弁機能が得られる。
【0059】
また、本実施形態では、封止弁33の比重がインクの比重より小さく弁室34内で封止弁33が浮くことになる。そして、封止弁33の上端側部位33a(一端側部位)が弁室34の上辺部34aに常に当接した状態となる。この状態で封止弁33が流出路31に向って作用する水平方向のインク圧を受けると、封止弁33は、移動範囲S1が狭い上端側部位33aを支点としてあたかも回転するように動作する。このように、封止弁33のインクに対する比重を考慮して移動範囲S1,S2を設定することで封止動作が円滑に行われるため、さらにレスポンスを向上させることができる。また、インクジェット式記録装置が水平面ではなく傾いた面や凹凸面上に設置された場合でも、封止弁33の上端側部位33aが常に弁室34の上辺部34aに当接して拘束されるため、封止弁33の姿勢及び移動距離が安定し、確実かつ安定した封止弁機能を奏すことができる。
【0060】
また、上述の各実施例においては函体の両側に分散させてインクカートリッジを収容する形式のものに例を採って説明したが、インクカートリッジを一方の側に纏めて配置する形式のものに適用しても同様の作用を奏することは明らかである。
【0061】
上記各実施例は、インクジェット式記録装置を対象にしたものであるが、本発明によってえられた液体噴射装置は、インクジェット式記録装置用のインクだけを対象にするのではなく、グルー,マニキュア,導電性液体(液体金属)等を噴射することができる。さらに、上記実施例では、液体の一つであるインクを用いたインクジェット式記録装置について説明したが、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド,液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド,有機ELディスプレー,FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド,バイオチップ製造に用いられる生体有機噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッド全般に適用することも可能である。
【0062】
上記第2実施形態において、封止弁33の比重がインクの比重より大きい材質とした場合には、下端側部位33bの移動範囲S2を上端側部位33aの移動範囲S1よりも狭く形成することができる。封止弁33の比重がインクの比重より大きい場合には、封止弁33は常に弁室34内で沈んで下端側部位33bが下辺部34bに当接した状態となる。このため、水平方向のインク圧が作用した際には、下端側部位33bを支点として移動(回転動作)することとなり、封止弁33の比重がインクの比重より小さい上記構成の場合と同様の効果を奏すことができる。
【0063】
上記第2実施形態において、弁室34を、制御弁39側から流出路31に向うインクのインク圧(液圧)の作用方向が鉛直となるように構成してもよい。すなわち、第2実施形態の設置状態を縦置きとすれば、横置きとして構成してもよい。この場合でも、封止弁33において制御弁39側から流出路31に向うインク圧の作用方向と交差する方向の一端側部位(又は他端側部位)の移動範囲S1,S2が狭く形成されることで、封止弁33が平坦面35に着座するまでの移動距離が短くなり、弁の応答性を向上させることができる。
【0064】
上記第2実施形態において、弁室40内に弁ユニット14の本体部20とは別体の別部材を取り付け、この別部材により封止弁33の上端側部位33a(又は下端側部位33b)の移動範囲を狭くする構成としてもよい。その他、移動範囲S1(移動範囲S2の方が移動範囲S1より狭い構成の場合には移動範囲S2)を狭くすることができる構成であれば、弁室40の内面から凸部を突出形成するなど、種々の形態を採用することができる。
【0065】
上記第2実施形態において、封止弁33の上端側部位33aを、弁室40の内面に回転可能に支持してもよい。なお、こうした変形例は、封止弁33の下端側部位33bの移動範囲S2を上端側部位33aの移動範囲S1より狭くした上記構成においても可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】インクジェット式記録装置全体を示す平面図である。
【図2】インク流路系統図である。
【図3】(A)〜(F)は、弁ユニットを示す断面図と各部の部分構造を示す断面図および平面図である。
【図4】(A),(B)は、制御弁が閉じている状態を示す断面図である。
【図5】第2実施形態の弁室及び封止弁の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1…キャリッジ、2…タイミングベルト、3…モータ、4…ガイド部材、5…プラテン、6…インクカートリッジ、7…第1の記録ヘッド、8…第2の記録ヘッド、9…サブタンクユニット、10…サブタンクユニット、11…フレーム、12…カートリッジ収容部、13…ポンプ、14…弁ユニット、16…供給チューブ、17…送気管、18…連通管、19…記録用紙、20…本体部、21…凹部、22…凸部、23…インク供給針、24…流入口、25…ガイド筒、26…通口、27…シール部材、28…Oリング、29…大径凹穴、30…小径凹穴、31…流出路、32…接続筒、33…封止弁、33a…上端側部位、33b…下端側部位、34…弁室、35…端面、平坦面、36…流路形成面、37…流通溝、38…通口、39…制御弁、40…弁室、41…流出穴、42…肉厚部、43…ディスク部、44…矢線、46…隆起部、47…着座面、48…動作室、49…容器、50…動作軸、51…筒部、52…フランジ、53…内端面、54…圧縮コイルスプリング、55…凸片、56…枢軸、57…動作レバー、58…頭部、59…係合部、60…平坦面、61…流通溝、62…キャッピング装置、S1,S2…移動範囲。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体容器に貯留された液体を液体噴射ヘッドに供給して被噴射物に噴射する液体噴射装置であって、装置本体の一部に液体容器の内部に連通する液体供給針が配置され、上記液体供給針の流出路を液体噴射ヘッドに連通させる液体供給流路が設けられ、上記液体供給流路の途中に液体噴射ヘッド側に吸引負圧が印加されたときに液体供給流路を閉じる制御弁が設けられ、上記制御弁と液体供給針との間に制御弁側から上記流出路に向って作用する液圧によって液体供給流路を封止する封止弁が設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
上記封止弁は、上記流出路の直近に配置されている請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項3】
上記封止弁は、上記液体供給流路の途中に形成された弁室内に無拘束の状態で収容されている請求項1または2記載の液体噴射装置。
【請求項4】
上記封止弁は、上記液体供給流路の途中に形成された弁室内において、上記制御弁側から上記流出路に向う液圧の作用方向と交差する方向の一端側部位が他端側部位よりも移動範囲が狭くなる状態で収容されている請求項1または2記載の液体噴射装置。
【請求項5】
上記弁室は、上記制御弁側から上記流出路に向う液圧の作用方向が水平方向となるように構成されており、上記封止弁は、上記弁室内に鉛直方向に縦長となるように収容され、上記封止弁の比重が上記液体の比重より小さい場合には、鉛直方向上端側部位が鉛直方向下端側部位よりも移動範囲が狭くなる状態で収容される一方、上記封止弁の比重が上記液体の比重より大きい場合には、鉛直方向下端側部位が鉛直方向上端側部位よりも移動範囲が狭くなる状態で収容されている請求項4記載の液体噴射装置。
【請求項6】
上記弁室には、上記封止弁が着座して封止機能を果たす平坦面と、上記平坦面の反対側に形成され液体容器内の液体を液体噴射ヘッド側へ流通させる流路形成面とが設けられている請求項3〜5のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
上記制御弁を閉じる方向に付勢する付勢手段が設けられている請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項8】
上記制御弁の閉弁状態から開弁状態に変換する開弁操作手段が設けられている請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−116946(P2006−116946A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229746(P2005−229746)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】