説明

液体噴射装置

【課題】搬送方向における記録用紙の先端部からの紙粉の発生を抑制可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】プリンター10においては、プラテンリブ群32を構成するプラテンリブ32iが固定プレート32Pに固定されているとともに、該固定プレート32Pはカム部材32Cに支持されている。プリンター10は、カム部材32Cを回転させることにより、記録用紙Pの裏面Pbに支持面32aが当接して記録用紙Pを支持する支持位置と、記録用紙Pの裏面Pbに支持面32aが当接しない待避位置との間で前記プラテンリブを進退移動させる。そして、記録用紙Pの先端がプラテンリブ32iに到達する前にプラテンリブ32iを待避位置に位置させ、先端が到達した後に待避位置に位置しているプラテンリブ32iを待避位置から支持位置に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に液体を噴射する液体噴射装置であって、特に紙製の印刷媒体に液体を噴射する液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷媒体に液体を噴射する液体噴射装置の一例として、印刷媒体としての記録用紙に液体としてのインクを噴射するインクジェット式プリンターが知られている。インクジェット式プリンターが有する液体噴射ヘッドには、複数のノズルが形成されたノズル形成面を備えるノズルプレートが備えられている。そしてインクジェット式プリンターでは、プラテンに支持される記録用紙と液体噴射ヘッドとを相対的に移動させながら、ノズル形成面に対する記録用紙側に向けてノズルから微少なインク滴が噴射される。これにより、文字や図形などが記録用紙に印刷される。
【0003】
一方、印刷がなされた記録用紙は、噴射されたインク滴を吸収することによって波状に変形する。こうした記録用紙が平らなプラテン上を移動するとなれば、波状に変形した記録用紙の凸部分がノズルプレートに近接することになる。そのため、ノズル形成面と記録用紙との間隔が不揃いになるとともに、ノズルプレートに記録用紙が接触してしまう虞もある。そこで、上述した問題を解消するべく、例えば特許文献1のように、記録用紙を支持するプラテンの支持面が凹凸面となるようなプラテンリブが設けられて、記録用紙の波状の変形が上述した凹凸面に吸収されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−119642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、記録用紙のような紙製の印刷媒体には、搬送時における振動や他の部材との接触などによって記録用紙から紙粉が発生する。特に、紙繊維の切断箇所である記録用紙の裁断面からは紙粉が発生しやすい。そのため、記録用紙の搬送中に、搬送方向における記録用紙の先端が上述したプラテンリブに衝突するとなれば、先端部における裁断面から多くの紙粉が発生することとなる。このようして発生した紙粉は、プラテンとノズルプレートとの間を浮遊した後にプラテンやノズルプレートに付着する。その結果、ノズルの近傍に付着した紙粉がノズルから噴射されるインク滴の飛行方向を変化させたり、ノズルを塞いだりするため、記録用紙への印刷不良が起きやすくなる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、液体噴射ヘッドに対する紙粉の付着を抑制可能な液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液体噴射装置は、印刷媒体を搬送方向へ搬送する搬送部と、前記搬送される前記印刷媒体を支持するプラテンリブを有したプラテンと、前記プラテンに対向するように配置されるとともに、前記プラテンリブに支持されている前記印刷媒体に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドとを備える液体噴射装置であって、前記印刷媒体の厚さの方向における前記液体噴射ヘッドとの距離が相対的に長い第1の位置と、前記厚さの方向における前記液体噴射ヘッドとの距離が相対的に短い第2の位置とに前記プラテンリブの位置を変える位置変更部と、前記印刷媒体における前記搬送方向の先端が前記プラテンリブの前記
液体噴射ヘッド側に到達する前に該プラテンリブが前記第1の位置に配置され、且つ、前記プラテンリブの前記液体噴射ヘッド側に前記印刷媒体があるときに該プラテンリブが前記第2の位置に配置されるように前記位置変更部を制御する駆動制御部とを備えていることを要旨とする。
【0008】
本発明の液体噴射装置によれば、位置変更部は、搬送方向における印刷媒体の先端がプラテンリブに到達する前に、液体噴射ヘッドとの距離が相対的に長い第1の位置に該プラテンリブを配置させる。そして、プラテンリブの液体噴射ヘッド側に印刷媒体があるときに、液体噴射ヘッドとの距離が相対的に短い第2の位置にプラテンリブを配置させる。こうした構成であれば、液体噴射ヘッドから液体が噴射される印刷動作時には、印刷媒体と液体噴射ヘッドとの距離が、第2の位置に配置されたプラテンリブと液体噴射ヘッドとの距離に応じて固定される。そして、上述の印刷動作が開始される前、すなわち液体噴射ヘッドとプラテンとの間に印刷媒体が搬入される媒体搬入時には、液体噴射ヘッドからプラテンリブを予め遠ざけることができる。そのため、液体噴射ヘッドとプラテンリブとの距離が印刷動作時と媒体搬入時とにおいて互いに同じ長さとなる構成と比較して、印刷媒体の先端における裁断面とプラテンリブとの衝突を抑えることが可能である。それゆえに、印刷媒体の先端からの紙粉の発生を抑制することができるため、液体噴射ヘッドに対する紙粉の付着を抑えることが可能である。
【0009】
この液体噴射装置は、前記駆動制御部は、前記印刷媒体における前記搬送方向の先端が前記プラテンリブの前記液体噴射ヘッド側にあるときに前記プラテンリブが前記第2の位置に配置されるように前記位置変更部を制御することを要旨とする。
【0010】
ここで、プラテンリブの液体噴射ヘッド側に印刷媒体があるときとは、印刷媒体の先端位置に応じて、下記a)、b)の2つの場合がある。
a)プラテンリブの液体噴射ヘッド側を印刷媒体の先端が完全に通過したとき。
【0011】
b)プラテンリブの液体噴射ヘッド側に印刷媒体の先端が位置しているとき。
プラテンリブを第1の位置から第2の位置に変える際には、プラテンリブの変位が印刷媒体に伝わるために、印刷媒体から紙粉が発生しやすくなる。そして、プラテンリブが変位するときに印刷媒体の先端がプラテンリブから離れるほど、印刷媒体の先端における変位が大きくなるため、上述した紙粉の発生も多くなる。
【0012】
この点、プラテンリブが変位するときにおける印刷媒体の先端とプラテンリブとの距離は、上記b)においてプラテンリブを変位させる場合よりも、上記a)においてプラテンリブを変位させる場合の方が当然ながら長くなる。そのため、上記a)においてプラテンリブを変位させると、上記b)においてプラテンリブを変位させる場合と比較して、印刷媒体から紙粉が発生しやすくなる。これに対して上述した構成によれば、上記b)においてプラテンリブが変位することから、印刷媒体からの紙粉の発生をより効果的に抑えることが可能である。
【0013】
この液体噴射装置において、前記プラテンには、前記搬送方向と直交する方向に並んだ複数の前記プラテンリブからなるプラテンリブ群が前記搬送方向に複数配設されており、前記位置変更部は、前記複数のプラテンリブ群に対して、互いに異なるタイミングで前記プラテンリブ群毎に前記プラテンリブの位置を変えることを要旨とする。
【0014】
この液体噴射装置によれば、印刷媒体における搬送方向先端が略同じタイミングで通過する複数のプラテンリブが同じタイミングで変位することになる。そのため、該複数のプラテンリブが異なるタイミングで変位する場合と比較して、印刷媒体における搬送方向の先端とプラテンリブとの衝突をより確実に抑えることが可能である。
【0015】
また、例えば全てのプラテンリブ群が同じタイミングで変位するとなれば、プラテンリブの変位に合わせて該プラテンリブに支持される印刷媒体も大きく変位することになる。そして、こうしたプラテンリブの変位にともなう印刷媒体の振動によって、該印刷媒体から紙粉が発生しやすくなる。この点、上述した構成によれば、複数のプラテンリブが互いに異なるタイミングで変位するため、全てのプラテンリブ群を同時に変位させる場合に比べて、プラテンリブの変位が印刷媒体に与える振動を抑えることができる。そのため、印刷媒体からの紙粉の発生をより抑えることができる。
【0016】
この液体噴射装置は、前記位置変更部は、前記プラテンリブを支持するカム部材と、前記カム部材を回転させる駆動部とを有し、前記カム部材の回転角度の切り替えによって前記第1の位置と前記第2の位置とに前記プラテンリブの位置を変えるように構成され、前記駆動制御部は、前記駆動部を制御して前記カム部材の回転角度を切り替えることを要旨とする。
【0017】
この液体噴射装置によれば、位置変更部は、プラテンリブを変位させるカム部材の回転角度を、該カム部材を回転させる駆動部によって制御する。こうした構成であれば、プラテンリブの位置を正確に制御することができるため、印刷媒体の先端とプラテンリブとの衝突をより確実に抑えることができる。
【0018】
この液体噴射装置は、前記印刷媒体における前記搬送方向の先端の位置を取得する取得部を有し、前記駆動制御部は、前記取得部が取得した前記先端の位置に基づいて前記位置変更部を制御することを要旨とする。
【0019】
この液体噴射装置によれば、取得部が取得した印刷媒体の先端の位置に基づいて駆動制御部が位置変更部を制御するため、印刷媒体のサイズや印刷媒体の搬送速度等によって印刷媒体の先端の位置が印刷媒体毎に異なる場合であっても、その先端の位置に合わせてプラテンリブが変位することになる。それゆえに、印刷媒体の先端とプラテンリブとの衝突をより確実に抑えることができる。
【0020】
本発明の液体噴射装置は、印刷媒体を搬送方向へ搬送する搬送部と、前記搬送される前記印刷媒体を支持位置で支持するプラテンリブを有したプラテンと、前記プラテンに対向するように配置されるとともに、前記プラテンリブに支持されている前記印刷媒体に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドとを備えた液体噴射装置であって、前記プラテンリブを前記支持位置に向けて付勢する付勢部材を有し、前記付勢部材は、前記印刷媒体における前記搬送方向の先端が前記プラテンリブを前記搬送方向に押す力によって前記プラテンリブが前記液体噴射ヘッド側とは反対側へ変位することを許容することを要旨とする。
【0021】
本発明の液体噴射装置によれば、プラテンリブと印刷媒体の先端とが当たるときに、プラテンリブが液体噴射ヘッド側とは反対側へ変位するようになる。それゆえに、プラテンリブが支持位置で固定されている構成と比べて、プラテンリブと印刷媒体とが当たるときに該印刷媒体の受ける衝撃が緩和される。そのため、印刷媒体の振動を抑えることができることから、印刷媒体の先端からの紙粉の発生を抑制することができる。ひいては、液体噴射ヘッドに対する紙粉の付着を抑えることが可能である。
【0022】
この液体噴射装置は、前記プラテンリブにおける前記搬送方向の基端には、前記搬送方向に進むに連れて前記液体噴射ヘッドとの距離が短くなるかたちの傾斜面が形成されていることを要旨とする。
【0023】
この液体噴射装置によれば、印刷媒体とプラテンリブとが当たるとき、プラテンリブに
設けられた傾斜面と印刷媒体の先端とが始めに接触することになる。上述したかたちの傾斜面であれば、印刷媒体の先端がプラテンリブを搬送方向へ押す力は、プラテンリブと液体噴射ヘッドとの距離を長くする方向への力に変換される。それゆえに、プラテンリブが液体噴射ヘッドとは反対側へ変位しやすくなるため、プラテンリブと印刷媒体とが当たるときに該印刷媒体の受ける衝撃がより緩和されるようになる。
【0024】
この液体噴射装置は、前記プラテンには、前記搬送方向と直交する方向に並んだ複数の前記プラテンリブからなるプラテンリブ群が前記搬送方向に複数排泄されていることを要旨とする。
【0025】
この液体噴射装置によれば、印刷媒体における搬送方向先端が略同じタイミングで通過する複数のプラテンリブが液体噴射ヘッドとは反対側へ同じタイミングで変位することになる。そのため、印刷媒体と複数のプラテンリブとが当たるときに、該印刷媒体の受ける衝撃を複数のプラテンリブに分散することができる。それゆえに、印刷媒体の先端とプラテンリブとが当たるときに、印刷媒体の振動をより抑えることができるため、印刷媒体の先端からの紙粉の発生をより抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態の液体噴射装置における搬送系の概略構成を示す図。
【図2】第1実施形態におけるプラテンの平面構造を示す平面図。
【図3】(a)(b)第1実施形態におけるプラテンの側面構造を示す側面図。
【図4】第1実施形態の液体噴射装置における電気的構成を示すブロック図。
【図5】(a)〜(c)第1実施形態の液体噴射装置における印刷処理の状態を示す図。
【図6】(a)(b)第1実施形態の液体噴射装置における印刷処理の状態を示す図。
【図7】(a)(b)本発明を具体化した第2実施形態の液体噴射装置におけるプラテンの断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態の液体噴射装置について図1〜図6を参照して説明する。図1は、液体噴射装置における搬送系の概略構成を示した図であって、印刷媒体としての記録用紙Pの先端が印刷開始位置SLに配置されている状態を示した図である。
【0028】
図1に示されるように、インクジェット式プリンター10(以下、単にプリンター10とする。)は、印刷媒体の一例である記録用紙Pを搬送方向Xに搬送する搬送部を構成する給紙ローラー11、紙送りローラー12、及び排紙ローラー13を備えている。
【0029】
給紙ローラー11は、給紙駆動ローラー11aと、同給紙駆動ローラー11aに対向するように配置されるリタードローラー14との一対で構成されている。給紙駆動ローラー11aは、給紙モーターM1(図4参照)に連結されるとともに、該給紙モーターM1によって駆動される。リタードローラー14は、トルクリミッター等のトルク制限機構によって一定の回転負荷が付与された状態で従動回転する。
【0030】
紙送りローラー12は、搬送駆動ローラー12aと、同搬送駆動ローラー12aに対向するように配置されて従動回転する搬送従動ローラー12bとの一対で構成されている。排紙ローラー13は、排紙駆動ローラー13aと、同排紙駆動ローラー13aに対向する
ように配置されて従動回転する排紙従動ローラー13bとの一対で構成されている。搬送駆動ローラー12aと排紙駆動ローラー13aとは、同一の駆動源である紙送りモーターM2(図4参照)に連結されるとともに、該紙送りモーターM2によって駆動される。そして、給紙ローラー11と紙送りローラー12とが協働して記録用紙Pの給紙及び紙送りなどを行う。また、紙送りローラー12と排紙ローラー13とが協働して記録用紙Pの紙送り及び排紙などを行う。
【0031】
なお、記録用紙Pが搬送される方向、すなわち紙送りローラー12から排紙ローラー13に向かう方向を、搬送方向Xとする。また、給紙ローラー11は、搬送方向Xにおける記録用紙Pの先端を、後述するヘッド移動方向Yに沿うように揃えてから搬送する。以下では、記録用紙Pにおける搬送方向Xの先端を、記録用紙Pの先端とする。
【0032】
給紙ローラー11と紙送りローラー12との間には、記録用紙Pの搬送方向Xにおける先端を検出して取得部を構成する紙検出センサ15が設けられている。紙検出センサ15は、例えば、記録用紙Pの搬送経路に下端が配置されるレバーと、同レバーの上端部を検知対象とする光学式のセンサ部とによって構成される。レバーは、ばねによって原位置に位置するように付勢されているとともに、搬送される記録用紙Pによって下端が押されることで回動するように構成される。レバーは、その下端を押す記録用紙Pが無い状態では、原位置に配置される。また該下端が給紙途中の記録用紙Pに押されることで原位置から回動する。そして、このレバーが原位置にあるか否かをセンサ部が検知することによって、記録用紙Pの有無が検知される。また、原位置にあるレバーが原位置から回動するタイミングに基づいて、記録用紙Pの先端の位置が検出される。
【0033】
次に、記録用紙Pに液体としてのインクを噴射する液体噴射ヘッド21について説明する。液体噴射ヘッド21は、紙送りローラー12と排紙ローラー13との間で記録用紙Pの印刷面Paと対向するように配置されている。液体噴射ヘッド21は、図1において紙面奥側から手前側の方向(搬送方向Xに直交する方向)であるヘッド移動方向Yに沿って延びる案内軸23に挿通されてヘッド移動方向Yに往復移動するキャリッジ25に搭載されている。キャリッジ25は、案内軸23に取り付けられたキャリッジモーターM3(図4参照)に連結されるとともに、該キャリッジモーターM3が正転または逆転駆動されることによってヘッド移動方向Yに沿って移動する。液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aには、ヘッド移動方向Yに沿って形成された複数のノズルNによって構成されるノズル列が搬送方向Xに並設されている。そして液体噴射ヘッド21は、ヘッド移動方向Yに移動しながら、記録用紙Pの印刷面Paに向かって、搬送方向X及びヘッド移動方向Yに直交する噴射方向Zに微少なインク滴を噴射する。噴射されたインク滴は、ノズル形成面21aと記録用紙Pの印刷面Paとの間を飛行して印刷面Paに着弾する。
【0034】
つまり、プリンター10は、記録用紙Pを印刷開始位置SLまで搬送した後、記録用紙Pの搬送と液体噴射ヘッド21による記録用紙Pへの液体の噴射とを交互に繰り返して記録用紙Pに対して印刷を実行する、いわゆるシリアル方式のプリンターである。
【0035】
次に、紙送りローラー12と排紙ローラー13との間で記録用紙Pの裏面Pbから該記録用紙Pを支持する支持体としてのプラテン30について、図1〜図3を参照して説明する。
【0036】
図2は、プラテンの平面構造を示す平面図である。図3(a)(b)は、プラテンの側面構造を示す側面図であって、詳しくは(a)はプラテンリブが第2の位置である支持位置に位置している状態を示す図であり、(b)はプラテンリブが第1の位置である待避位置に位置している状態を示す図である。
【0037】
図1及び図2に示されるように、プラテン30は、プラテン本体31を有している。プラテン本体31には、ヘッド移動方向Yに沿って並設された複数のプラテンリブ32iで構成されるプラテンリブ群32が設けられている。また、プラテンリブ群32の搬送方向Xの下流側(先端側)には、ヘッド移動方向Yに沿って並設された複数のプラテンリブ33iによって構成されるプラテンリブ群33が設けられている。また、プラテンリブ群33の搬送方向Xの下流側には、ヘッド移動方向Yに沿って並設された複数のプラテンリブ34iによって構成されるプラテンリブ群34が設けられている。
【0038】
印刷開始位置SLに記録用紙Pが配置されたとき、該記録用紙Pの先端は、プラテンリブ34iの支持面34aによって支持される。プラテン30上に搬送された記録用紙Pは、プラテンリブ32i,33i,34iの各支持面32a,33a,34aによって裏面Pbが支持される。こうした構成のプラテンリブ32i,33i,34iを設けることによって、記録用紙Pがインク滴を吸収して波状に変形したとしても、プラテンリブ32i,33i,34iの各々によって形成されるヘッド移動方向Yに沿う凹凸で該記録用紙Pの変形を吸収することができる。これにより、記録用紙Pとノズル形成面21aとの間隔のばらつきを抑えることができる。
【0039】
次に、プラテンリブ群32についてさらに詳細に説明する。なお、プラテンリブ群32とプラテンリブ群33,34とは配置位置が互いに異なる構成であるため、プラテンリブ群32と同様の符号を付すことによりプラテンリブ群33,34に関する詳細な説明は省略する。
【0040】
図1及び図2に示されるように、プラテンリブ群32には、位置変更部を構成する固定プレート32Pとカム部材32Cとが設けられている。固定プレート32Pは、プラテンリブ群32を構成する各プラテンリブ32iが固定される板材である。一方、カム部材32Cは、プラテンリブ32iとは反対側で固定プレート32Pに当接して該固定プレート32Pを支持する。
【0041】
カム部材32Cは、ヘッド移動方向Yに沿って延びる回転軸32Aを軸として駆動部としてのカムモーターCM2(図4参照)によって回転駆動される。図3(a)(b)に示されるように、カム部材32Cが回転すると、固定プレート32Pは、液体噴射ヘッド21との距離が相対的に長い位置と、液体噴射ヘッド21との距離が相対的に短い位置との間を移動する。すなわち、カム部材32Cが回転すると、固定プレート32Pはプラテン本体31に対して噴射方向Zに沿って進退移動する。そして固定プレート32Pの進退移動によって、各プラテンリブ32iも、液体噴射ヘッド21との距離が相対的に長い位置と、液体噴射ヘッド21との距離が相対的に短い位置との間を移動する。すなわち、カム部材32Cが回転すると、各プラテンリブ32iは、記録用紙Pに支持面32aが当接して該記録用紙Pを支持する支持位置(図3(a))と、記録用紙Pに支持面32aが当接しない待避位置(図3(b))との間で一斉に進退移動する。なお、以下では、プラテンリブ32iが支持位置に配置されるカム部材32Cの回転角度を支持角度(図3(a))、プラテンリブ32iが待避位置に配置されるカム部材32Cの回転角度を待避角度(図3(b))という。
【0042】
こうした構成のプラテンリブ群32は、プラテン30に記録用紙Pが搬送される際に、該記録用紙Pの先端の位置に応じて各プラテンリブ32iが待避位置と支持位置とに配置される。
【0043】
詳述すると、プラテンリブ32iよりも搬送方向Xの上流側(基端側)に設定された所定位置まで記録用紙Pの先端が搬送されると、カム部材32Cの回転角度が支持角度から待避角度へと変更される。この変更にともなってプラテンリブ群32を構成するプラテン
リブ32iは、支持位置から待避位置へと移動する。そして、記録用紙Pがさらに搬送されて該記録用紙Pの先端が支持面32aの直上を通過しているときに、カム部材32Cの回転角度が待避角度から支持角度へと変更される。この変更にともなってプラテンリブ群32を構成するプラテンリブ32iは、待避位置から支持位置へと移動して記録用紙Pの先端を含むかたちで該記録用紙Pの裏面Pbを支持面32aで支持する。こうした構成であれば、記録用紙Pの先端とプラテンリブ32iとの衝突を抑えることができる。それゆえに、記録用紙Pの先端からの紙粉の発生を抑えることができる。
【0044】
ここで、記録用紙P及びプラテン30は、記録用紙Pとプラテン30との摩擦によって互いに帯電する。記録用紙P及びプラテン30が帯電することになれば、接地されたノズルプレートとプラテン30との間に電位差が生じるため、記録用紙Pとノズル形成面21aとの間に電界が生じることになる。記録用紙Pに付着している紙粉は、こうした電界の影響を受けてノズル形成面21aに付着することになる。すなわち、ノズル形成面21aへの紙粉の付着は、こうした摩擦による記録用紙P及びプラテン30の帯電も原因の1つである。この点、上述した構成によれば、記録用紙Pの先端とプラテンリブ32iとの衝突が抑制されるため、該衝突が抑制された分、記録用紙P及びプラテンリブ32iの帯電を抑えることもできる。すなわち、記録用紙P及びプラテン30の帯電に基づくノズル形成面21aへの紙粉の付着を抑えることができる。
【0045】
なお、上述した構成では、a)プラテンリブ32iの液体噴射ヘッド21側に記録用紙Pの先端が位置しているときに、プラテンリブ32iが待避位置から支持位置へと変位する。このようなプラテンリブ32iの変位は、b)プラテンリブ32iの液体噴射ヘッド21側を記録用紙Pの先端が完全に通過したときに実施することも可能である。
【0046】
一方、プラテンリブ32iを支持位置から退避位置に変える際には、プラテンリブ32iの変位が記録用紙Pに伝わるために、記録用紙Pから紙粉が発生しやすくなる。そして、プラテンリブ32iが変位するときに記録用紙Pの先端がプラテンリブ32iから離れるほど、記録用紙Pの先端における変位が大きくなるため、上述した紙粉の発生も多くなる。
【0047】
この点、プラテンリブ32iが変位するときにおける記録用紙Pの先端とプラテンリブ32iとの距離は、上記b)においてプラテンリブ32iを変位させる場合よりも、上記a)においてプラテンリブ32iを変位させる場合の方が当然ながら長くなる。そのため、上記a)においてプラテンリブ32iを変位させると、上記b)においてプラテンリブ32iを変位させる場合と比較して、記録用紙Pから紙粉が発生しやすくなる。これに対して上述した構成によれば、上記b)においてプラテンリブ32iが変位することから、記録用紙Pからの紙粉の発生をより効果的に抑えることが可能でもある。
【0048】
次に、上述したプリンター10の電気的構成について図4を参照して説明する。図4は、液体噴射装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4に示されるように、プリンター10は、プリンター10を統括制御して駆動制御部及び取得部を構成する制御装置50を有している。制御装置50は、CPU等からなる制御部51、ROM52、RAM53を有している。制御装置50は、格納された各種データ及び各種制御プログラムに従って、記録用紙Pの給紙処理、紙送り処理、排紙処理を実行する。また制御装置50は、プラテンリブ群32,33,34の進退処理、液体噴射ヘッド21の噴射処理などを実行する。なお、ROM52には、プラテンリブ群32,33,34の進退処理を実行するために設定された記録用紙Pの搬送量がプラテンリブ群32,33,34の各々に対応付けられて記憶されている。
【0049】
制御装置50には、各種操作スイッチとディスプレイを有した入出力装置55が図示し
ない外部インターフェースを介して電気的に接続されている。入出力装置55は、プリンター10が実行する各種処理の処理状況を表示するとともに、記録用紙Pに所定の印刷パターンを形成するための印刷データPDを生成し、該印刷データPDを制御装置50に入力する。印刷データPDは、記録用紙Pへの印刷態様、記録用紙Pの用紙サイズ、記録用紙Pへのインクの噴射位置など、記録用紙Pへの印刷に関わる情報が規定されたデータである。制御装置50は、入出力装置55から入力された印刷データPDをRAM53に格納する。
【0050】
制御装置50には、図示しない内部インターフェースを介して給紙モーターM1が電気的に接続されている。制御装置50は、駆動制御信号を給紙モーターM1に出力する。給紙モーターM1は、制御装置50からの駆動制御信号に応答して、記録用紙Pを搬送するために給紙駆動ローラー11aを駆動させる。また制御装置50には、取得部を構成するエンコーダー56が電気的に接続されている。エンコーダー56は、給紙モーターM1の出力軸の回転を検出するロータリーエンコーダーであって、給紙モーターM1の回転速度を示す信号を制御装置50に入力する。制御装置50は、エンコーダー56からの信号に基づいて記録用紙Pの搬送量を計測する。
【0051】
制御装置50には、図示しない内部インターフェースを介して紙送りモーターM2が電気的に接続されている。制御装置50は、駆動制御信号を紙送りモーターM2に出力する。紙送りモーターM2は、制御装置50からの駆動制御信号に応答して、記録用紙Pを搬送するために搬送駆動ローラー12a及び排紙駆動ローラー13aを駆動させる。また制御装置50には、エンコーダー57が電気的に接続されている。エンコーダー57は、紙送りモーターM2の出力軸の回転を検出するロータリーエンコーダーであって、紙送りモーターM2の回転速度を示す信号を制御装置50に入力する。制御装置50は、エンコーダー57からの信号に基づいて記録用紙Pの搬送量を計測する。
【0052】
制御装置50には、図示しない外部インターフェースを介して紙検出センサ15が電気的に接続されている。制御装置50には、紙検出センサ15から記録用紙Pの有無を示す信号が入力される。
【0053】
そして、制御装置50は、給紙モーターM1、エンコーダー56、紙送りモーターM2、エンコーダー57、紙検出センサ15を用いて以下の処理を実行する。すなわち制御装置50は、給紙モーターM1、紙送りモーターM2を駆動して記録用紙Pを搬送する際、紙検出センサ15によって記録用紙Pの先端が検出されてからの記録用紙Pの搬送量を、上記エンコーダー56を用いて計測することで搬送中の記録用紙Pの先端の位置を把握する。そしてこの計測される搬送量に基づいて、印刷データPDに規定された印刷開始位置SLまで記録用紙Pの先端を搬送する給紙処理を実行する。また制御装置50は、給紙モーターM1、紙送りモーターM2を駆動して記録用紙Pを搬送する際、印刷開始位置に一旦配置された記録用紙Pの搬送量を、上記エンコーダー57を用いて計測する。そしてこの計測される搬送量に基づいて、所定の搬送量(紙送り量)だけ記録用紙Pを搬送する紙送り処理を実行する。また制御装置50は、紙送りモーターM2を駆動して、印刷が終了した記録用紙Pを排紙する排紙処理などを実行する。
【0054】
制御装置50には、図示しない内部インターフェースを介してカムモーターCM2が電気的に接続されている。制御装置50は、駆動制御信号をカムモーターCM2に出力する。カムモーターCM2は、制御装置50からの駆動制御信号に応答して、プラテンリブ群32を構成するプラテンリブ32iを待避位置あるいは支持位置に配置するためにカム部材32Cを回転駆動させる。また制御装置50には、エンコーダー62が電気的に接続されている。エンコーダー62は、カムモーターCM2の出力軸の回転を検出するロータリーエンコーダーであって、カムモーターCM2の回転速度を示す信号を制御装置50に入
力する。制御装置50は、エンコーダー62からの信号に基づいてカム部材32Cの回転角度を計測する。そして制御装置50は、カムモーターCM2とエンコーダー62を用いてプラテンリブ群32の進退処理を実行する。
【0055】
詳述すると、制御装置50は、エンコーダー56から入力される信号に基づいて、プラテンリブ32iよりも搬送方向Xの上流側に設定された所定位置まで記録用紙Pの先端が搬送されると、カムモーターCM2に駆動制御信号を出力する。カムモーターCM2は、制御装置50からの駆動制御信号に応答して、カム部材32Cを回転させる。制御装置50は、エンコーダー62から入力される信号に基づいて駆動制御信号をカムモーターCM2に出力して、カム部材32Cの回転角度を支持角度から待避角度へと変更する。
【0056】
続いて制御装置50は、エンコーダー56から入力される信号に基づいて、プラテンリブ32iの支持面32aの直上に設定された所定位置まで記録用紙Pの先端が搬送されると、カムモーターCM2に駆動制御信号を出力する。カムモーターCM2は、制御装置50からの駆動制御信号に応答してカム部材32Cを回転させる。制御装置50は、エンコーダー62から入力される信号に基づいて駆動制御信号をカムモーターCM2に出力して、カム部材32Cの回転角度を待避角度から支持角度へと変更する。
【0057】
制御装置50には、図示しない内部インターフェースを介してカムモーターCM3,CM4が電気的に接続されている。また制御装置50には、エンコーダー63,64が電気的に接続されている。これらのカムモーターCM3,CM4、エンコーダー63,64、そして制御装置50によるプラテンリブ群33,34の進退処理については、カムモーターCM2、エンコーダー62、プラテンリブ群32の進退処理と同じ構成であるためその詳細な説明は省略する。
【0058】
制御装置50には、図示しない内部インターフェースを介してキャリッジモーターM3が電気的に接続されている。制御装置50は、キャリッジモーターM3に駆動制御信号を出力する。キャリッジモーターM3は、制御装置50からの駆動制御信号に応答して、液体噴射ヘッド21をヘッド移動方向Yに沿って往復移動させるためにキャリッジ25を移動させる。また制御装置50には、リニアエンコーダー66が電気的に接続されている。リニアエンコーダー66は、キャリッジ25の移動経路に沿って設けられており、キャリッジ25の位置を示す信号を制御装置50に入力する。制御装置50は、リニアエンコーダー66からの信号に基づいてキャリッジ25及び液体噴射ヘッド21の位置を把握する。
【0059】
制御装置50には、図示しない内部インターフェースを介して液体噴射ヘッド21が電気的に接続されている。制御装置50は、液体噴射ヘッド21を駆動制御して、内部に貯留されたインクを微少なインク滴にしてノズルNから噴射させる。制御装置50は、印刷データPDに基づいて、キャリッジ25と液体噴射ヘッド21とを駆動制御して、液体噴射ヘッド21をヘッド移動方向Yに移動させながらノズルNからインク滴を噴射する噴射処理を実行する。噴射されたインク滴は、ノズル形成面21aと記録用紙Pとの間を飛行して該記録用紙Pに着弾する。
【0060】
次に、上述した構成のプリンター10が印刷処理を実行する際のプラテンリブ32i,33i,34iの動作の態様ついて、図5及び図6を参照しながら説明する。
図5(a)は、記録用紙Pの先端が紙検出センサ15によって検出されたときのプラテンリブ32i,33i,34iの配置を示す図であって、図5(b)は、記録用紙Pの先端がプラテンリブ32iの液体噴射ヘッド21側に近づいたときのプラテンリブ32i,33i,34iの配置を示す図である。図5(c)は、記録用紙Pの先端がプラテンリブ32iの液体噴射ヘッド21側にあるときのプラテンリブ32i,33i,34iの配置
を示す図である。
【0061】
また、図6(a)は、記録用紙Pの先端がプラテンリブ34iの液体噴射ヘッド21側に近づいたときのプラテンリブ32i,33i,34iの配置を示す図であって、図6(b)は、記録用紙Pの先端がプラテンリブ34iの液体噴射ヘッド21側にあるときのプラテンリブ32i,33i,34iの配置を示す図である。
【0062】
印刷前のプリンター10においては、各カムモーターCM2,CM3,CM4の回転角度は、支持角度に設定されているとともに、給紙駆動ローラー11aの搬送方向Xの上流側には記録用紙Pが待機している。
【0063】
まず、プリンター10は、入出力装置55から印刷データPDが入力されると該印刷データPDをRAM53に格納する。次いでプリンター10は、給紙モーターM1及び紙送りモーターM2を駆動して、待機していた記録用紙Pを搬送方向Xに沿って搬送する。
【0064】
図5(a)に示されるように、搬送される記録用紙Pは、やがて紙検出センサ15によって検出される。紙検出センサ15によって記録用紙Pが検出されると、エンコーダー56によって記録用紙Pの搬送量が計測される。そして、図5(b)に示されるように、プラテンリブ32iよりも搬送方向Xの上流側に設定された所定位置まで記録用紙Pの先端が搬送されると、カムモーターCM2が駆動されてカム部材32Cの回転角度が支持角度から待避角度へと変更される。こうしたカム部材32Cの回転角度の変更によって、プラテンリブ32iは支持位置から待避位置へと移動する。
【0065】
次いで、図5(c)に示されるように、支持面32aの直上に設定された所定位置まで記録用紙Pの先端が搬送されると、カムモーターCM2が再び駆動されてカム部材32Cの回転角度が待避角度から支持角度へと変更される。こうしたカム部材32Cの回転角度の変更によって、プラテンリブ32iは、待避位置から支持位置へと移動して記録用紙Pの先端を含むかたちで記録用紙Pの裏面Pbを支持する。これにより、プラテンリブ群32の進退処理が終了する。プラテンリブ群32の進退処理が終了するとプラテンリブ群33に対しても同様の進退処理が実行される。
【0066】
その後、図6(a)に示されるように、プラテンリブ34iより搬送方向Xの上流側に設定された所定位置まで記録用紙Pの先端が搬送されると、カムモーターCM4が駆動されてカム部材34Cの回転角度が支持角度から待避角度へと変更される。こうしたカム部材34Cの回転角度の変更によって、プラテンリブ34iは支持位置から待避位置へと移動する。
【0067】
そして、支持面34aの直上に設定されている印刷開始位置SLまで記録用紙Pの先端が搬送されると、給紙モーターM1及び紙送りモーターM2が停止されて給紙処理が終了する。図6(b)に示されるように、給紙処理が終了すると、カムモーターCM4が再び駆動されてカム部材34Cの回転角度が待避角度から支持角度へと変更される。こうしたカム部材34Cの回転角度の変更によって、プラテンリブ34iは、待避位置から支持位置へと移動して印刷開始位置SLに位置している記録用紙Pの先端を含むかたちで記録用紙Pの裏面Pbを支持面34aで支持する。
【0068】
こうした一連のプラテンリブ群32,33,34の進退処理により、記録用紙Pの先端とプラテンリブ32i,33i,34iとの衝突機会が少なくなる。それゆえに、記録用紙Pの先端からの紙粉の発生を抑えることができる。また記録用紙Pの先端とプラテンリブ32i,33i,34iとの摩擦による記録用紙P及びプラテン30の帯電を抑えることもできる。
【0069】
プラテンリブ群34の進退処理が終了すると、キャリッジモーターM3及び液体噴射ヘッド21が駆動されて液体噴射ヘッド21の噴射処理が実行される。以後、記録用紙Pの紙送り処理と液体噴射ヘッド21の噴射処理とが交互に実行されて記録用紙Pへの印刷が終了する。記録用紙Pへの印刷が終了すると、紙送りモーターM2が駆動されて排紙ローラー13を用いて記録用紙Pの排紙処理が実行される。こうして一連の印刷処理が終了する。
【0070】
以上説明したように、第1実施形態のプリンター10によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)上記第1実施形態によれば、液体噴射ヘッド21から液体が噴射される噴射処理時には、記録用紙Pと液体噴射ヘッド21との距離が、支持位置に配置された各プラテンリブ32i,33i,34iと液体噴射ヘッド21との距離に応じて固定される。そして、液体噴射ヘッド21から液体が噴射される前、すなわち液体噴射ヘッド21とプラテンリブ32i,33i,34iとの間に記録用紙Pが搬入される搬入時には、液体噴射ヘッド21からプラテンリブ32i,33i,34iを予め遠ざけることができる。そのため、液体噴射ヘッド21とプラテンリブ32i,33i,34iとの距離が噴射処理時と搬入時とにおいて互いに同じ長さとなる構成と比較して、記録用紙Pの先端における裁断面とプラテンリブ32i,33i,34iとの衝突を抑えることが可能である。それゆえに、記録用紙Pの先端からの紙粉の発生を抑制することができるため、液体噴射ヘッド21に対する紙粉の付着を抑えることが可能である。
【0071】
(2)また、記録用紙Pの先端とプラテンリブ32i,33i,34iとの衝突機会が少なくなる分、記録用紙P及びプラテン30の帯電を抑えることができる。すなわち、記録用紙P及びプラテン30の帯電に基づくノズル形成面21aへの紙粉の付着を抑えることができる。
【0072】
(3)上記第1実施形態によれば、プラテンリブ群32,33,34を構成するプラテンリブ32i,33i,34iをヘッド移動方向Yに並設した。こうした構成によれば、記録用紙Pがインク滴を吸収して波状に変形したとしても、プラテンリブ32i,33i,34iの各々によって形成されるヘッド移動方向Yに沿う凹凸によって、該記録用紙Pの変形が吸収される。これにより、記録用紙Pとノズル形成面21aとの間隔のばらつきを抑えることができる。
【0073】
(4)上記第1実施形態によれば、プラテンリブ群32の進退処理において、支持面32aの直上に記録用紙Pの先端が位置しているときにプラテンリブ32iを待避位置から支持位置へと移動させた。これにより、記録用紙Pの裏面Pbと支持面32aとの当接時における記録用紙Pの先端の振動を抑えることができる。それゆえに、記録用紙Pの挙動をより安定させることができ、ひいては記録用紙Pの先端からの紙粉の発生を抑えることができる。なお、プラテンリブ群33,34においても同様の効果を得ることができる。
【0074】
(5)上記第1実施形態によれば、プラテンリブ群32を構成する各プラテンリブ32iを固定プレート32Pに固定するとともに、カム部材32Cを用いて固定プレート32Pを進退移動させた。こうした構成によれば、固定プレート32Pを進退移動させるだけで各プラテンリブ32iを進退移動させることができる。それゆえに、プラテンリブ32iの各々に対してカム部材32Cを設ける構成に比べて部品点数を少なくすることも可能である。
【0075】
(6)上記第1実施形態によれば、プラテンリブ群32,33,34の各々に対して進退処理を実行した。ここで、プラテンリブ群32,33,34を構成しているプラテンリ
ブ32i,33i,34iを1つの固定プレートに固定することによって、プラテンリブ群32,33,34を一斉に進退移動させることも可能である。しかしながら、例えばプラテンリブ群32を構成するプラテンリブ32iを進退移動させる際にも、プラテンリブ群33,34を構成するプラテンリブ33i,34iまでも進退移動することになる。そのため、プラテンリブ群32,33,34の進退移動に合わせて記録用紙Pが大きく振動してしまうことで、記録用紙Pから紙粉が発生する虞がある。上述した構成によれば、プラテンリブ群32,33,34の一斉に進退移動させる場合に比べて、記録用紙Pの振動を抑えることができる。それゆえに、記録用紙Pからの紙粉の発生をより抑えることができる。
【0076】
(7)上記第1実施形態によれば、エンコーダー62から入力される信号に基づいて、カムモーターCM2を駆動させることにより、プラテンリブ32iを進退移動させた。こうした構成によれば、プラテンリブ32iの位置を正確に制御することができることから、記録用紙Pの先端とプラテンリブ32iとの衝突をより確実に抑制することができる。
【0077】
(8)上記第1実施形態によれば、紙検出センサ15から入力される信号と、エンコーダー56から入力される信号に基づいて計測された記録用紙Pの搬送量とに基づいて、プラテンリブ群32,33,34の進退処理を実行した。こうした構成によれば、記録用紙Pの先端の位置を正確に把握することが可能である。そのため、記録用紙Pのサイズや記録用紙Pの搬送速度等によって記録用紙Pの先端の位置が記録用紙Pごとに異なる場合であっても、その先端の位置に合わせてプラテンリブ32i,33i,34iを変位させることができる。それゆえに、記録用紙Pの先端とプラテンリブ32i,33i,34iとの衝突をより確実に回避することができる。
【0078】
なお、第1実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態の制御装置50は、紙検出センサ15による記録用紙Pの先端の検出とエンコーダー56による記録用紙Pの搬送量とに基づいて、搬送中における記録用紙Pの先端の位置を把握した。しかし、搬送中における記録用紙Pの先端の位置を把握する方法は、これに限られるものではなく、例えば記録用紙Pの先端を直接検出する方法であってもよい。
【0079】
・上記第1実施形態では、固定プレート32Pに当接するカム部材32Cを、該カム部材32Cを回転駆動するカムモーターCM2によって位置変更部を構成した。これに限らず、位置変更部は、プラテンリブ32iを進退移動させることが可能であればよく、例えば、エアーシリンダーなどを用いて構成されてもよい。
【0080】
・上記第1実施形態では、プラテンリブ32iを固定プレート32Pに固定した。これに限らず、例えばプラテンリブ32iの各々に対応するカム部材32Cを設けることによって固定プレート32Pを割愛してもよい。
【0081】
・上記第1実施形態では、プラテンリブ群32,33,34毎に、カム部材と該カム部材を回転駆動するカムモーターとで構成される位置変更部を設けた。これに限らず、例えば、プラテンリブ群32,33,34を構成するプラテンリブ32i,33i,34iを1つの固定プレートに固定するとともに、該固定プレートに当接するカム部材と該カム部材を回転駆動するカムモーターとで位置変更部を構成してもよい。
【0082】
・上記第1実施形態では、記録用紙Pの先端がプラテンリブの支持面の直上に位置しているときに該プラテンリブを待避位置から支持位置へと移動させた。これに限らず、記録用紙Pの先端とプラテンリブとの衝突が回避され、なおかつ液体噴射ヘッド21の噴射処理時にプラテンリブによって記録用紙Pが支持されるのであれば、記録用紙Pの先端が支
持面を通過した後にプラテンリブを待避位置から支持位置へと移動させてもよい。
【0083】
・上記第1実施形態では、液体噴射ヘッド21を1つ備えた液体噴射装置としてのプリンター10に具体化したが、液体噴射ヘッドを複数備えた液体噴射装置に具体化してもよい。
【0084】
・上記第1実施形態では、液体噴射ヘッド21を移動可能に有しているシリアル式のプリンターに適用した。これに限らず、同じく液体噴射ヘッドを移動可能に有しているラテラル式のプリンターに適用してもよいし、記録用紙Pの幅方向の全域にわたってインク滴を噴射するように位置に固定された液体噴射ヘットを有しているラインヘッド方式のプリンターに適用してもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態の液体噴射装置について図7を参照して説明する。図7は、本発明を具体化した第2実施形態の液体噴射装置におけるプラテンの断面構造を示す断面図である。詳しくは、図7(a)は、記録用紙Pがプラテンリブ32iに当たる前のプラテンリブ32iの状態を示した図であって、図7(b)は、記録用紙Pがプラテンリブ32iに当たるときのプラテンリブ32iの状態を示した図である。
【0085】
なお、第2実施形態のインクジェット式プリンターは、第1実施形態のプリンター10とその主要な構成が同じである。そのため、第2実施形態では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同じ構成については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。また、以下ではプラテンリブ群32の構成についてのみ説明するが、プラテンリブ群33,34の構成ついても同様である。
【0086】
図7(a)(b)に示されるように、プラテン30は、凹部70が設けられたプラテン本体71を有している。プラテン本体71の凹部70には、プラテンリブ群32を構成する各プラテンリブ32iが固定された固定プレート32Pと、固定プレート32Pを記録用紙Pの裏面Pbに向かって搬送方向Xと直交する方向に付勢する付勢部材としての圧縮ばね72とが配設されている。
【0087】
またプラテン30は、凹部70に圧縮ばね72及び固定プレート32Pが配設された状態でプラテン本体71に取り付けられる蓋板74を有している。蓋板74には、凹部70の開口の外周端を塞ぐような係止部74aを有するとともに、該係止部74aによって形成される貫通孔を通じて各プラテンリブ32iが突出可能に構成されている。図7(a)に示されるように、圧縮ばね72によって付勢されている固定プレート32Pは、蓋板74の係止部74aに当接することにより、記録用紙Pの裏面Pbに向かう変位が規制される。記録用紙Pは、固定プレート32Pの変位が規制された状態でプラテンリブ32iの支持面32aによって支持される。
【0088】
一方、各プラテンリブ32iには、搬送方向Xに進むに連れて液体噴射ヘッド21との距離が短くなるかたちに傾斜して支持面32aに繋がる傾斜面32bが形成されている。図7(b)に示されるように、記録用紙Pの先端がプラテンリブ32iに当たる際には、記録用紙Pの先端が、まずプラテンリブ32iの傾斜面32bに当たる。こうした傾斜面32bを設けることによって、記録用紙Pとの衝突時にプラテンリブ32iが受ける衝撃の一部は、圧縮ばね72を収縮させる力になる。そのため、記録用紙Pの先端とプラテンリブ32iとの衝突時に記録用紙Pが受ける衝撃は、プラテンリブ32iがプラテン本体71に固定されている場合に比べて、プラテンリブ32iを付勢している圧縮ばね72を収縮させる分だけ小さくなる。つまり、記録用紙Pの先端がプラテンリブ32iを搬送方向Xに押す力によってプラテンリブ32iが液体噴射ヘッド21側とは反対側へ変位すること、それが圧縮ばね72によって許容されている。それゆえに、記録用紙Pが受ける衝
撃が緩和されることから、衝突に起因した記録用紙Pの振動を抑えることができる。その結果、記録用紙Pからの紙粉の発生を抑えることができる。
【0089】
しかも、プラテンリブ群32を構成するプラテンリブ32iはヘッド移動方向Yに沿って並設されていることから、記録用紙Pの先端が衝突する際には、プラテンリブ群32を構成している各プラテンリブ32iに同時期に衝突することになる。そのため、プラテンリブ32iがヘッド移動方向Yと交差する方向に並設された構成のプラテンリブ群32に比べて、衝突時における衝撃を複数のプラテンリブ32iに分散させることができる。これにより、衝突時に記録用紙Pが受ける衝撃が小さくなることから、記録用紙Pの先端の振動を抑えることができる。それゆえに、記録用紙Pの先端からの紙粉の発生をより抑えることができる。
【0090】
(1)上記第2実施形態によれば、記録用紙Pとプラテンリブ32iとの衝突時には、固定プレート32Pを介してプラテンリブ32iを付勢する圧縮ばね72が収縮する。こうした構成によれば、圧縮ばね72が収縮した分だけ、衝突時に記録用紙Pが受ける衝撃を緩和することができる。それゆえに、記録用紙Pの振動が抑えられることから、記録用紙Pの先端からの紙粉の発生を抑えることができる。
【0091】
(2)上記第2実施形態によれば、記録用紙Pを傾斜面32bに衝突させた。こうした構成によれば、たとえプラテンリブ32iを搬送方向Xと直交する方向に付勢させたとしても、記録用紙Pとプラテンリブ32iとの衝突時における衝撃の一部が、確実に圧縮ばね72を収縮させる力となる。
【0092】
(3)上記第2実施形態によれば、プラテンリブ群32はヘッド移動方向Yに並設されたプラテンリブ32iによって構成されている。こうした構成によれば、プラテンリブ群32を構成するプラテンリブ32iには記録用紙Pが同時期に衝突する。これにより、衝突時における衝撃を複数のプラテンリブ32iに分散させることができる。これにより、衝突時に記録用紙Pが受ける衝撃を小さくすることができることから、記録用紙Pの先端の振動を抑えられることができる。それゆえに、記録用紙Pの先端からの紙粉の発生を抑えることができる。
【0093】
なお、上記第2実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第2実施形態では、プラテンリブ群32を構成するプラテンリブ32iをヘッド移動方向Yに並設した。これに限らず、プラテンリブ群32を構成するプラテンリブ32iは、ヘッド移動方向Yと交差する方向に並設されていてもよい。なお、プラテンリブ群33,34についても同様である。
【0094】
・上記第2実施形態のプラテンリブ32iは、付勢部材としての圧縮ばね72によって記録用紙Pの裏面Pbに向かって付勢されているとともに、搬送方向Xにおいて記録用紙Pの裏面Pbに近づくように傾斜する傾斜面32bが設けられている。これに限らず、記録用紙Pとの衝突時における衝撃を緩和する上では、プラテンリブ32iは、例えば傾斜面32bに直交する方向に付勢されていてもよい。また付勢部材は、記録用紙Pとの衝突時における衝撃を吸収可能なものであればよく、例えば板ばねであってもよいし、弾性を有するスポンジなどであってもよい。
【0095】
・上記第2実施形態では、液体噴射ヘッド21を1つ備えた液体噴射装置としてのプリンター10に具体化したが、液体噴射ヘッドを複数備えた液体噴射装置に具体化してもよい。
【0096】
・上記第2実施形態では、液体噴射ヘッド21を移動可能に有しているシリアル式のプ
リンターに適用した。これに限らず、同じく液体噴射ヘッドを移動可能に有しているラテラル式のプリンターに適用してもよいし、記録用紙Pの幅方向の全域にわたってインク滴を噴射するように位置に固定された液体噴射ヘットを有しているラインヘッド方式のプリンターに適用してもよい。
【符号の説明】
【0097】
CM2,CM3,CM4…カムモーター、M1…給紙モーター、M2…紙送りモーター、M3…キャリッジモーター、N…ノズル、P…記録用紙、Pa…印刷面、Pb…裏面、PD…印刷データ、SL…印刷開始位置、X…搬送方向、Y…ヘッド移動方向、Z…噴射方向、10…インクジェット式プリンター、11…給紙ローラー、11a…給紙駆動ローラー、12…紙送りローラー、12a…搬送駆動ローラー、12b…搬送従動ローラー、13…排紙ローラー、13a…排紙駆動ローラー、13b…排紙従動ローラー、14…リタードローラー、15…紙検出センサ、21…液体噴射ヘッド、21a…ノズル形成面、23…案内軸、25…キャリッジ、30…プラテン、31…プラテン本体、32,33,34…プラテンリブ群、32i,33i,34i…プラテンリブ、32a,33a,34a…支持面、32A,33A,34A…回転軸、32C,33C,34C…カム部材、32P…固定プレート、32b…傾斜面、50…制御装置、51…駆動制御部、52…ROM、53…RAM、55…入出力装置、56,57,62,63,64…エンコーダー、66…リニアエンコーダー、70…凹部、71…プラテン本体、72…圧縮ばね、74…蓋板、74a…係止部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体を搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記搬送される前記印刷媒体を支持するプラテンリブを有したプラテンと、
前記プラテンに対向するように配置されるとともに、前記プラテンリブに支持されている前記印刷媒体に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと
を備える液体噴射装置であって、
前記液体噴射ヘッドとの距離が相対的に長い第1の位置と、前記液体噴射ヘッドとの距離が相対的に短い第2の位置とに前記プラテンリブの位置を変える位置変更部と、
前記印刷媒体における前記搬送方向の先端が前記プラテンリブの前記液体噴射ヘッド側に到達する前に該プラテンリブが前記第1の位置に配置され、且つ、前記プラテンリブの前記液体噴射ヘッド側に前記印刷媒体があるときに該プラテンリブが前記第2の位置に配置されるように前記位置変更部を制御する制御部と
を備えていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記印刷媒体における前記搬送方向の先端が前記プラテンリブの前記液体噴射ヘッド側にあるときに前記プラテンリブが前記第2の位置に配置されるように前記位置変更部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記プラテンには、前記搬送方向と直交する方向に並んだ複数の前記プラテンリブからなるプラテンリブ群が前記搬送方向に複数配設されており、
前記位置変更部は、前記複数のプラテンリブ群に対して、互いに異なるタイミングで前記プラテンリブ群毎に前記プラテンリブの位置を変える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記位置変更部は、
前記プラテンリブを支持するカム部材と、
前記カム部材を回転させる駆動部とを有し、
前記カム部材の回転角度の切り替えによって前記第1の位置と前記第2の位置とに前記プラテンリブの位置を変えるように構成され、
前記制御部は、前記駆動部を制御して前記カム部材の回転角度を切り替える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記印刷媒体における前記搬送方向の先端の位置を取得する取得部を有し、
前記制御部は、前記取得部が取得した前記先端の位置に基づいて前記位置変更部を制御する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
印刷媒体を搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記搬送される前記印刷媒体を支持位置で支持するプラテンリブを有したプラテンと、
前記プラテンに対向するように配置されるとともに、前記プラテンリブに支持されている前記印刷媒体に対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと
を備える液体噴射装置であって、
前記プラテンリブを前記支持位置に向けて付勢する付勢部材を有し、
前記付勢部材は、
前記印刷媒体における前記搬送方向の先端が前記プラテンリブを前記搬送方向へ押す力によって前記プラテンリブが前記液体噴射ヘッド側とは反対側へ変位することを許容することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項7】
前記プラテンリブにおける前記搬送方向の基端には、前記搬送方向に進むにつれて前記液体噴射ヘッドとの距離が短くなるかたちの傾斜面が形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の液体噴射装置。
【請求項8】
前記プラテンには、前記搬送方向と直交する方向に並んだ複数の前記プラテンリブからなるプラテンリブ群が前記搬送方向に複数配設されている
ことを特徴とする請求項6または7に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−183745(P2011−183745A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53368(P2010−53368)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】