説明

液体噴射装置

【課題】洗浄処理を行うことなく廃インクの堆積を防止できる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を噴射する複数のノズルを有する液体噴射ヘッド110と、液体噴射ヘッド110のノズルから噴射された液体を受けるとともに変形可能なシート状部材117が固定されてなる液体受け部116と、シート状部材117を変形させる変形部118と、を備えた液体噴射装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、インク滴をインクジェットヘッドのノズルから記録紙(媒体)に対して噴射する液体噴射装置として、インクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という。)が広く知られている。このようなプリンターにおいて、インクジェットヘッドのノズルの噴射特性を維持又は回復させるべく、ノズルから記録紙とは別の場所にインクを噴射するフラッシング処理を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−283658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術においては、フラッシングボックス内に設けられた多孔質体に廃インクが堆積するのを防止すべく、洗浄液を用いて多孔質体を洗浄するための洗浄機構が必要となるため、装置構成が複雑化するといった問題があった。また、洗浄液で洗い流すため、洗浄後の廃液が貯留される廃液タンクを頻繁に交換する手間が生じるといった問題があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、洗浄処理を行うことなく廃インクの堆積を防止できる液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の液体噴射装置は、液体を噴射する複数のノズルを有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから噴射された前記液体を受けるとともに変形可能なシート状部材が固定されてなる液体受け部と、前記シート状部材を変形させる変形部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の液体噴射装置によれば、変形部がシート状部材を変形させることにより洗浄処理を行うことなく、当該シート状部材に付着した液体を除去できる。また、シート状部材に付着した液体が固化して固化膜が生じていた場合でも、変形部がシート状部材を変形させて固化膜が割ってシート状部材から剥離させることができる。よって、シート状部材の洗浄処理を行うことなく、シート状部材から液体を除去することができ、シート状部材上に液体が固化して堆積するといった不具合の発生を防止できる。
【0008】
また、上記液体噴射装置においては、前記変形部は、前記シート状部材が前記液体を受けるときの前記シート状部材の形状に対して、形状を変化させるのが好ましい。
この構成によれば、シート状部材が液体を受けるときの形状から、形状を変化させることで、シート状部材に付着した液体の状態を変化させることができ、液体を流したり、液体の固化物を除去させることが可能になる。
【0009】
また、上記液体噴射装置においては、前記変形部は、前記シート状部材が前記液体を受ける面と反対側から前記液体を受ける面側の方向に前記シート状部材を変形させるのが好ましい。
この構成によれば、付着した液体の変形量を大きくすることで、液体を流したり、液体の固化物を除去させることがより可能になる。
【0010】
また、上記液体噴射装置においては、前記変形部は、前記シート状部材が前記液体を受ける面と反対側から当接する当接部を有するのが好ましい。
この構成によれば、シート状部材に当接部を当接させることで容易にシート状部材を変形させることができる。
【0011】
また、上記液体噴射装置においては、前記当接部を前記シート状部材に当接することで、前記シート状部材に付着した液体の固化物に亀裂を生じさせるのが好ましい。
この構成によれば、付着した液体の固化物の変形量を大きくすることで亀裂を生じさせ、シート状部材から固化物を剥離しやすくして除去する。
【0012】
また、上記液体噴射装置においては、前記変形部は、前記シート状部材の変形する量を可変とし、前記シート状部材が前記液体を受けた後の時間が長い場合に、前記シート状部材の変形量を大きくするのが好ましい。
この構成によれば、シート状部材が液体を受けた後の時間が長い場合に、シート状部材の変形量を大きくするので、シート状部材から固化物を確実に剥離して除去することができる。
【0013】
また、上記液体噴射装置においては、前記変形部は、前記液体噴射ヘッドを移動させたときに一方の端部が当接可能なレバー部を有し、前記レバー部は、前記液体噴射ヘッドが前記ノズルから前記液体受け部に前記液体を噴射する第1の位置と異なる第2の位置に移動した際、他方の端部に位置する前記当接部が前記シート状部材を変形させるのが好ましい。
この構成によれば、液体噴射ヘッドの移動に同期してシート状部材を変形させる構成を実現できる。
【0014】
また、上記液体噴射装置においては、前記変形部は、前記シート状部材における前記当接部との当接位置を変化させるのが好ましい。
この構成によれば、変形位置を変化させることでシート状部材上の液体を効率的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係るプリンターの構成を示す図。
【図2】フラッシング機構の構成を示す図。
【図3】プリンターの電気的な構成を示すブロック図。
【図4】シート状部材の変形動作を説明するための図。
【図5】第二実施形態に係るインク供給系の構造を示す図。
【図6】第二実施形態に係るフラッシング機構の構成を示す図。
【図7】フラッシング機構の変形例に係る構成を示す図。
【図8】シート状部材の変形方法に係る変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の液体噴射装置の一実施形態として、例えばインクジェット方式のプリンターを例に挙げて説明する。
【0017】
(第一実施形態)
図1に示すプリンター100は、例えば、紙、プラスチックシートなどのシート状の媒体Mを搬送しつつ印刷処理を行う装置である。プリンター100は、筐体101と、媒体Mにインクを噴射するインクジェット機構102と、当該インクジェット機構102にインクを供給するインク供給機構103と、媒体Mを搬送する搬送機構104と、インクジェット機構102の保全動作を行うメンテナンス機構105と、これら各機構を制御する制御装置(制御部)106とを備えている。
【0018】
以下、XYZ直交座標系を設定し、当該XYZ直交座標系を適宜参照しつつ各構成要素の位置関係を説明する。本実施形態では、液体の噴射方向をZ方向とし、ヘッドの移動方向をY方向とし、Z方向とY方向とに直交する方向をX方向とした。
【0019】
筐体101は、Y方向を長手とするように形成されている。筐体101には、上記のインクジェット機構102、インク供給機構103、搬送機構104、メンテナンス機構105及び制御装置106の各部が取り付けられている。筐体101には、プラテン13が設けられている。プラテン13は、媒体Mを支持する支持部材である。プラテン13は、筐体101のうちX方向の中央部に配置されている。プラテン13は、+Z方向に向けられた平坦面13aを有している。当該平坦面13aは、媒体Mを支持する支持面として用いられる。
【0020】
搬送機構104は、搬送ローラーや当該搬送ローラーを駆動するモーターなどを有している。搬送機構104は、筐体101の−X側から当該筐体101の内部に媒体Mを搬送し、当該筐体101の+X側から当該筐体101の外部に排出する。搬送機構104は、筐体101の内部において、媒体Mがプラテン13上を通過するように当該媒体Mを搬送する。搬送機構104は、制御装置106によって搬送のタイミングや搬送量などが制御されるようになっている。
【0021】
インクジェット機構102は、インクを噴射するヘッド110と、当該ヘッド110を保持して移動させるヘッド移動機構107とを有している。ヘッド110は、プラテン13上に送り出された媒体Mに向けてインクを噴射する。ヘッド110は、インクを噴射する噴射面(ノズル形成面)110aを有している。噴射面110aは、Z方向に向けられており、例えばプラテン13の平坦面13aに対向するように配置されている。
【0022】
ヘッド移動機構107は、キャリッジ4を有している。ヘッド110は、当該キャリッジ4に固定されている。キャリッジ4は、筐体101の長手方向(X方向)に架けられたガイド軸8に当接されている。ヘッド110及びキャリッジ4は、プラテン13の+Z方向に配置されている。
【0023】
ヘッド移動機構107は、キャリッジ4の他、パルスモーター9と、当該パルスモーター9によって回転駆動される駆動プーリー10と、駆動プーリー10とは筐体101の幅方向の反対側に設けられた遊転プーリー11と、駆動プーリー10と遊転プーリー11との間に掛け渡されてキャリッジ4に接続されたタイミングベルト12とを有している。
【0024】
キャリッジ4は、当該タイミングベルト12に接続されている。キャリッジ4は、タイミングベルト12の回転に伴ってY方向に移動可能に設けられている。Y方向へ移動する際、キャリッジ4は、ガイド軸8によって案内されるようになっている。
【0025】
インク供給機構103は、ヘッド110にインクを供給する。インク供給機構103には、複数のインクカートリッジ6が収容されている。本実施形態のプリンター100は、インクカートリッジ6がヘッド110とは異なる位置に収容される構成(オフキャリッジ型)である。インク供給機構103は、ヘッド110とインクカートリッジ6とを接続する供給チューブTBを有している。インク供給機構103は、当該供給チューブTBを介してインクカートリッジ6内に貯留されるインクをヘッド110に供給する不図示のポンプ機構を有している。
【0026】
メンテナンス機構105は、ヘッド110のホームポジションに配置されている。このホームポジションは、媒体Mに対して印刷が行われる領域から外れた領域に設定されている。本実施形態では、プラテン13の+Y側にホームポジションが設定されている。ホームポジションは、例えばプリンター100の電源がオフである時や長時間に亘って記録が行われない時、或いはメンテナス作業を行う際にヘッド110が待機する場所である。
【0027】
メンテナンス機構105は、ヘッド110の噴射面110aを払拭するワイピング機構111と、当該噴射面110aを覆うキャッピング機構112と、ヘッド110のノズルNZ(図2参照)からインクを噴射するフラッシング処理を行うためのフラッシング機構115と、を有している。キャッピング機構112には、例えば吸引ポンプなどの吸引機構113が接続されている。吸引機構113により、キャッピング機構112は、例えばヘッド110の噴射面110aを覆いつつ当該噴射面110a上の空間を吸引できるようになっている。ヘッド110からメンテナンス機構105側に排出された廃インクは、例えば廃液回収機構(不図示)において回収されるようになっている。
【0028】
図2はフラッシング機構115の構成を示す図であり、図2(a)はヘッド110が第1の位置に位置した状態を示すものであり、図2(b)はヘッド110が第2の位置に位置した状態を示すものである。
【0029】
図2(a),(b)に示すようにフラッシング機構115は、ノズルNZから噴射されたインクLを受けるインク受け部(液体受け部)116と、インク受け部116で受けたインクが回収される廃インクタンク114と、インク受け部116に設けられ、ノズルNZから噴射されたインクを受けるとともに変形可能なシート状部材117と、該シート状部材117を変形させる変形部118と、を含んでいる。
インク受け部116は、+Y側にインクの噴射方向に沿った1つの壁を有する。そして、−Y側にはZ方向、Y方向に離間しインクの噴射方向に沿った2つの壁を有する。また、図示されていないが、X方向に離間しインクの噴射方向に沿って形成された2つの壁を有する。そして、離間した2つの壁にシート状部材117が固定されている。これにより、インク受け部116とシート状部材117によって形成された部材は、Z方向に貫通した空間部を有する。
【0030】
そして、貫通する空間部のヘッド110側は、ノズルNZから噴射されたインクLを受け入れられるよう、ヘッド110のノズルが形成されている面より大きい開口である。また、貫通する空間部のヘッド110から離れた側は、受け入れたインクを廃インクタンク114へ排出する。ヘッド110側の開口はヘッド110から離れた側の開口より大きい。
【0031】
本実施形態では、シート状部材117は傾斜した状態(インクの着弾面をインクの噴射方向に対して傾けた状態)でその両端をインク受け部116に溶着や接着などで固定されている。シート状部材117はシート状の部材から形成されるものであり、変形部118により変形可能とされる可撓性を有するものであれば、例えば、金属板、樹脂フィルム、或いはゴム等の弾性材料等の種々のものを用いることができる。本実施形態では、シート状部材117の構成材料として樹脂フィルムを用いた。なお、吸収性のあるものは本願には適さない。
【0032】
変形部118は、インク受け部116に対して、媒体Mに対して印刷が行われる領域(以下、印刷領域と称す場合もある)と反対側(+Y側)に配置されており、ヘッド110の動きに連動してシート状部材117を変形させるようになっている。つまり、変形部118は、ヘッド110がインク受け部116に対してノズルNZからインクを噴射するフラッシング処理を行うフラッシング位置(第1の位置)H1から印刷領域からさらに離れる方向に設定されるシート変形位置(第2の位置)H2に到達した際、シート状部材117を変形させるようになっている。
【0033】
以下、変形部118の構成について詳述する。変形部118は、レバー部119と、レバー部119を保持する保持部120と、を含む。レバー部119は、中央部119cにおいて折り曲げられており、中央部119cが保持部120に固定されており、中央部119cを中心として一方の端部119a及び他方の端部119bを回動可能とされている。他方の端部119bはシート状部材117に当接する当接部122を含んでいる。当接部121は凸状の曲率を有しており、後述するようにシート状部材117に当接した際、シート状部材117にダメージを与えることなく良好にシートを変形させることが可能となっている。
【0034】
図2(a)に示すように、保持部120はバネ部材(付勢部材)121の一端側を支えており、バネ部材121の他端側がレバー部119の一方の端部119a付勢されている。レバー部119は、ヘッド110が印刷領域、フラッシング位置H1、或いはフラッシング位置H1及びシート変形位置H2の間に位置する場合、ヘッド110とは当接しない。この状態では、一方の端部119aがバネ部材121に付勢されて略垂直に配置されるようになっている。このとき、レバー部119の他方の端部119bは、シート状部材117から離間した位置に保持されるようになっている。
【0035】
一方、レバー部119は、ヘッド110がフラッシング位置H1からシート変形位置H2に向かう途中で、一方の端部119aの保持部120による保持面の反対面がヘッド110に当接するようになっている。レバー部119の他方の端部119bは、ヘッド110がシート変形位置H2に向かって移動するに従って、中央部119cを中心として一方の端部119aと反時計回り方向に移動するようになっている。すなわち、レバー部119の他方の端部119bは、シート状部材117に向かって移動し、ヘッド110がシート変形位置H2に到達した時、図2(b)に示すように、他方の端部119bに設けられた当接部122が、両端を固定されたシート状部材117の中央部を押圧することでZ方向に撓むように変形させるようになっている。
【0036】
このような構成に基づき、プリンター100は、変形部118によりシート状部材117を変形させることで当該シート状部材117に付着したインクを除去できるようになっている。
【0037】
図3はプリンター100の電気的な構成を示すブロック図である。プリンター100は、プリンター100全体の動作を制御する制御装置106を備えている。制御装置106には、プリンター100の動作に関する各種情報を入力する入力装置IP、プリンター100の動作に関する各種情報を記憶した記憶装置MRなどが接続されており、上述した搬送機構104や、ヘッド移動機構107、メンテナンス機構105等が接続されている。制御装置106は、メンテナンス機構105のうち例えば吸引機構113を制御可能である。
【0038】
次に、上記のように構成されたプリンター100のフラッシング動作を説明する。
フラッシング動作を行わせる場合、制御装置106は、ヘッド110をホームポジションまで移動させ、ヘッド110の噴射面110aとフラッシング機構115とを対向させた状態とする。具体的に、制御装置106は、ヘッド110をフラッシング位置H1まで移動させる。フラッシング位置H1は、ヘッド110の噴射面110aがシート状部材117上に対向して配置される位置であり、ヘッド110から噴射されたインクがシート状部材117に付着する位置である。
【0039】
この位置で、ノズルNZからインクが噴射されて排出される。排出されたインクは、インク受け部116に設けられるシート状部材117に着弾する。シート状部材でインクを受けることで、噴射されたインクが空気抵抗により速度が落ちて浮遊してミストとなることを抑制する。本実施形態では、シート状部材117が傾斜した状態でインク受け部116に固定されているため、シート状部材117に着弾したインクは概ねシート状部材117の表面から下方に流れ落ちて廃インクタンク114に回収されることとなる(図2参照)。
【0040】
しかしながら、インクとして、例えば粘性の高い顔料インクや紫外線硬化型インクを噴射した場合、シート状部材117が傾斜した状態に設けられていたとしても、シート状部材117の表面から流れ落ちるのは難しい。これに対し、本実施形態に係るプリンター100は、ノズルNZからシート状部材117にインクLが噴射された後、シート状部材117を変形させて、より傾斜の角度を大きくすることでシート状部材117の表面に残存するインクLの量を低減している。なお、このように変形部118によりシート状部材117を変形させるのは、フラッシング処理毎に行ってもよいし、所定時間経過後に最初に実行したフラッシング処理に続けて行うようにしても構わない。
【0041】
具体的に、制御装置106は、ヘッド110をフラッシング位置H1からシート変形位置H2に移動させて変形部118を駆動し、シート状部材117を変形させる。なお、ノズルNZからシート状部材117にインクを噴射する時、レバー部119は、一方の端部119aがバネ部材121により付勢されているため、レバー部119の他方の端部119bはシート状部材117から離間した位置に保持されている(図2(a)参照)。
【0042】
ヘッド110がフラッシング位置H1からシート変形位置H2に向かって移動する途中でレバー部119の一方の端部119aがヘッド110に当接する。ヘッド110がさらに移動すると、レバー部119は中央部119cを中心として他方の端部119bに設けられた当接部122がシート状部材117に近づいていく。そして、ヘッド110がシート変形位置H2に到達した時、シート状部材117は当接部122により押圧されることでシート状部材117の中央付近が撓むように変形する(図2(b)参照)。言い換えると、シート状部材117がインクを受けている形状(図2(a))に対して、形状を変化させている。ここで、当接部121は凸状の曲率を有しているため、シート状部材117にダメージを与えることなく良好にシートを変形させることができる。
【0043】
このように当接部122に押圧されることで変形したシート状部材117は、当接部122の形状に応じて急峻に変形し、傾斜の角度が大きくなるため、シート状部材117の表面からインクをインク受け部116内に滑り落とすことでシート状部材117に付着していたインクを除去できる。よって、シート状部材117を洗浄する洗浄処理を行うための機構を別途設ける必要が無い。
【0044】
しかし、シート状部材117を変形させたとしても付着したインクを完全に除去するのは難しい。シート状部材117にインクが薄い膜状に残存するからである。この状態で、プリンター100の電源をオフにした場合や長時間に亘って印刷処理を行わなかった場合、シート状部材117の表面に付着したインクLが固化して固化膜を生じさせることがある。そして、その後にフラッシングされたインクは固化膜の上に付着する。すると、シート状部材の上に付着したときに比べ、インクは流れ落ち難くなる。そのため、さらに残存するインクが増えて、徐々に堆積することになる。従来では、そのような固化膜は削り落とす必要があったが、薄い膜状になった固化物を削り落とすのは難しく、また、フラッシングを受ける部分に削る機構を設けることはスペース的に困難であった。
【0045】
本願では、このような場合、プリンター100は、ヘッド110を直接シート変形位置H2に移動させることで変形部118を駆動し、シート状部材117を変形させてシート状部材117の表面から固化膜を剥離することができる。具体的に、シート状部材117はインクが付着している面の反対側からインクが付着している面の方向に当接部122によって押圧されると、図4(a)に示すように、当接部122の形状に応じて湾曲する。湾曲したシート状部材117より外側に位置する固化膜L1は、湾曲前より変形量が大きくなるため、シート状部材117の表面に付着している固化膜L1が割れる。図では割れ目が1箇所だが、実際には複数箇所で亀裂が入るようにして割れるので、固化膜L1はシート状部材117から剥離しやすくなる。そして、割れた固化膜L1は、当接部122が離間してシート状部材117が平坦な状態に戻ると、図4(b)に示すように傾斜した状態で固定されたシート状部材117の表面から自重によって下方に滑り落ち、廃インクタンク114内に回収されることとなる。
【0046】
なお、プリンター100は、シート状部材117を変形させた後、ヘッド110をフラッシング位置H1に移動させ、図4(c)に示すように、ノズルNZからインクLをインク受け部116のシート状部材117に対して噴射するようにしても構わない。このようにすれば、上述したようにシート状部材117を変形させることで割れた固化膜Kの破片がシート表面に残存している場合であっても、ノズルNZから噴射されたインクとともに固化膜L1の破片を下方に流すことで廃インクタンク114に回収することができる。
【0047】
以上のように本実施形態に係るプリンター100によれば、変形部118がシート状部材117を変形させることにより洗浄処理を行うことなく、当該シート状部材117に付着したインクを除去できる。また、シート状部材117に付着したインクが固化して固化膜が生じていた場合でも、変形部118がシート状部材117を変形させて固化膜を割ってシート状部材から剥離させることができる。よって、シート状部材117の洗浄処理を行うことなく、シート状部材117からインクを除去でき、シート状部材117上にインクが固化して堆積するといった不具合の発生を防止できる。
【0048】
また、本実施形態では、シート状部材117が傾斜した状態でインク受け部116に固定されているので、シート状部材117を変形させた際、該シート状部材117上のインク又は固化膜L1を自重により下方に滑らせることができ、インクの除去を容易に行うことができる。
【0049】
また、本実施形態では、ヘッド110の動きに連動して変形部118がシート状部材117を変形させるため、変形部118として他の動力機構を用いる必要が無く、プリンター100の装置構成を簡略化することができる。変形部118はヘッド110の移動に伴って移動するレバー部119によりシート状部材117を変形させることができるため、装置構成を簡略化でき、コストの増加を防止できる。また、当接部121が凸状の曲率を有しているため、シート状部材117にダメージを与えることなく良好にシートを変形できる。
【0050】
また、本実施形態では、変形部118がインク受け部116に対して、印刷領域と反対側に配置されているため、ヘッド110がフラッシング位置H1からシート変形位置H2まで移動しない限り、レバー部119がシート状部材117に当接することがない。よって、ヘッド110が通常印刷処理を行う際、ガイド軸8に沿って印刷領域内を移動するときでもレバー部119がシート状部材117に複数回当接することで作動音が発生、異音を生じさせてしまうといった不具合の発生を防止できる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態と上記実施形態との違いは、インク供給系の構造及びフラッシング機構115のインク受け部116に固定されたシート状部材117を変形させる構造であり、それ以外の構成については同一である。そのため、以下では、インク供給系の構造およびシート状部材117を変形する構造を主体に説明し、それ以外の構成についての詳細な説明については省略若しくは簡略するものとする。
【0052】
図5は本実施形態に係るプリンター100のインク供給系の構成を示す図である。
本実施形態に係るプリンター100は、図5に示すように、インクカートリッジ6内に設けられたインクパック6aを加圧することで供給チューブTBを介してインクをヘッド110側に供給する供給システム300を有している。供給システム300は、膨縮することでインクパック6aを加圧可能な膨縮部材301と、ポンプ302と、ポンプ302から送られる空気を膨縮部材301に搬送する搬送チューブ303と、を備えている。なお、ポンプ302は制御装置106に電気的に接続されており、その駆動が制御装置106に制御されるようになっている。
【0053】
ポンプ302は大気開放が可能な構成とされている。これにより供給システム300は、搬送チューブ303を介して圧縮空気を供給することで膨らんだ膨縮部材301がインクパック6aを押圧する動作、及び大気開放によりインクパック6aを押圧する膨縮部材301が縮小する動作を繰り返すことでインクパック6aから供給チューブTBを介して効率的にヘッド110にインクを圧送することで供給可能となっている。
【0054】
また、搬送チューブ303は、2つの分岐部303a、303bを含んでおり、各々の分岐部303a、303bにはバルブV1,V2が設けられている。バルブV1,V2は、制御装置106に電気的に接続されており、それぞれの開閉動作が制御されるようになっている。分岐部303aの一端側には膨縮部材301が接続されており、分岐部303bの一端側には後述するフラッシング機構215の一部に接続されている。
【0055】
制御装置106は、インクパック6aからヘッド110にインクを供給する際、上記バルブV1を開くとともに上記バルブV2を閉じた状態でポンプ302を駆動するようになっている。一方、制御装置106は、上記バルブV1を閉じるとともに上記バルブV2を開いた状態でポンプ302を駆動することでフラッシング機構215側に圧縮空気を供給できるようになっている。
【0056】
図6は本実施形態に係るフラッシング機構215の構成を示す図である。
図6(a)に示すようにフラッシング機構215は、ノズルNZから噴射されたインクを受けるインク受け部116と、インク受け部116で受けたインクが回収される廃インクタンク114と、インク受け部116に設けられ、ノズルNZから噴射されたインクを受けるとともに変形可能なシート状部材117と、該シート状部材117を変形させる変形部(圧力変動部)218と、を含んでいる。
【0057】
インク受け部116は、+Y側にインクの噴射方向に沿った1つの壁116aを有する。そして、−Y側にはZ方向、Y方向に離間しインクの噴射方向に沿った2つの壁116b、116cを有する。また、壁116b,116cを接続する底板116dを有する。また、図示されていないが、X方向に離間しインクの噴射方向に沿って形成された2つの壁を有する。そして、壁116b,116c、及びX方向に離間しインクの噴射方向に沿って形成された2つの壁にシート状部材117の外周部が全て固定されている。これにより、インク受け部116とシート状部材117によって形成された部材は、Z方向に貫通した空間部を有する。
【0058】
そして、貫通する空間部のヘッド110側は、ノズルNZから噴射されたインクLを受け入れられるよう、ヘッド110のノズルが形成されている面より大きい開口である。また、貫通する空間部のヘッド110から離れた側は、受け入れたインクを廃インクタンク114へ排出する。ヘッド110側の開口はヘッド110から離れた側の開口より大きい。
シート状部材117のヘッド110と反対側とインク受け部材116は、受圧空間Kを構成している。
【0059】
変形部218は、シート状部材117におけるインクが噴射される噴射面117a側(以下、表面側と称す)に対する該噴射面117aと反対の反対面側(以下、裏面側と称す)の圧力を変動させることでシート状部材117を変形させる圧力変動部を構成している。
【0060】
具体的に、本実施形態に係る変形部218は、上記分岐部303bを介して接続される供給システム300のポンプ302を動力源とし、大気圧状態の上記受圧空間Kに加圧空気を供給して加圧状態とし、又は該受圧空間Kを大気開放させて大気圧状態とすることでシート状部材117の表面側及び裏面側の圧力を変動させ、図6(b)に示す矢印の方向にシート状部材117を変形可能としている。
【0061】
このような構成に基づき、プリンター100は、変形部218によりシート状部材117を変形させることで当該シート状部材117に付着したインクを除去できるようになっている。
【0062】
フラッシング動作を行わせる場合、制御装置106は、ヘッド110をホームポジションまで移動させ、ヘッド110の噴射面110aとフラッシング機構115とを対向させた状態とする。具体的に、制御装置106は、ヘッド110をフラッシング位置H1まで移動させる。フラッシング位置H1は、ヘッド110の噴射面110aがシート状部材117上に対向して配置される位置であり、ヘッド110から噴射されたインクがシート状部材117に付着する位置である。
【0063】
この位置で、ノズルNZからインクが噴射されて排出される。排出されたインクは、インク受け部116に設けられるシート状部材117に着弾する。シート状部材でインクを受けることで、噴射されたインクが空気抵抗により速度が落ちて浮遊してミストとなることを抑制する。
【0064】
本実施形態に係るプリンター100は、ノズルNZからシート状部材117にインクLが噴射された後、シート状部材117を変形させて、より傾斜の角度を大きくすることでシート状部材117の表面に残存するインクLの量を低減している。
【0065】
具体的に、制御装置106は、バルブV1を閉じるとともにバルブV2を開いた状態でポンプ302を駆動し、分岐部303bを介して受圧空間Kに加圧空気を供給することで加圧状態とする。シート状部材117は端部が固定されているために中央部が膨らむ。これによりシート状部材117の傾斜が急になり、シート状部材117に噴射されたインクが流れ落ちる。その後、受圧空間Kを大気開放させて大気圧状態とすることで膨らんでいたシート状部材117が元の状態に戻る。以上により、シート状部材117の表面側及び裏面側の圧力を変動させ、シート状部材117を変形させることができる(図6(b)参照)。
【0066】
このように本実施形態においても、変形部218により変形したシート状部材117の表面からインクをインク受け部116内に滑り落とすことでシート状部材117に付着していたインクを除去できる。また、本実施形態に係るプリンター100によれば、変形部218によりシート状部材117を変形することで、シート状部材117の表面から固化膜を剥離することができる。
【0067】
(変形例)
次に、本発明に係る第2実施形態に係る変形例について説明する。図7は本変形例に係るフラッシング機構315の構成を示す図である。図7に示すように、フラッシング機構315は、インク受け部216と、廃インクタンク114と、シート状部材117と、該シート状部材117を変形させる変形部218と、を含んでいる。インク受け部216には、シート状部材117とインク受け部116との間に形成される受圧空間Kとシート状部材117における噴射面117a(表面)の近傍の空間とを連通させる連通部217が形成されており、該連通部217には当該連通部217を閉塞可能な連通部バルブとしての閉塞バルブV3が設けられている。なお、閉塞バルブV3は、制御装置106に電気的に接続されており、その開閉動作が制御されるようになっている。
【0068】
以下、変形例に係るプリンターの動作について説明する。
制御装置106は、フラッシング処理によってノズルNZからシート状部材117上にインクが噴射された後、閉塞バルブV3を閉じた状態で、変形部218を駆動して受圧空間Kに加圧空気を送り込むことでシート状部材117を凸状に変形させ、シート状部材117の表面からインクLをインク受け部116内に滑り落とし、シート状部材117に付着していたインクLを除去できる。
【0069】
続いて、制御装置106は、ポンプ302を大気開放させることなく、閉塞バルブV3を開く。これにより、受圧空間K内の圧縮空気は、連通部217を介して導かれ噴射面117aに噴出されるようになる。よって、仮にシート状部材117にインクLが残存していた場合であっても、上述のように噴射面117aに空気を噴出することで確実に除去することができる。また、固化したインクに対してシート状部材117を変形させたときに、固化膜が割れて剥離はしたけど、滑り落ちない場合でも、噴出した圧縮空気で吹き飛ばすことができる。
【0070】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、変形部118、218がシート状部材117の同一の場所を変形させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されることはない。具体的に、変形部118、218は、シート状部材117における変形位置を上方側から下方側に向かって変化させるのが望ましい。例えば、変形部118のレバー部119の当接部121に代えて、シート状部材117に当接した状態で移動可能なローラー機構を設けることでシート状部材117の変形位置を変化させるようにしても構わない。また、変形部218により受圧空間K内に圧縮空気を供給する方向を変化させることでシート状部材117の変形位置を変化させるようにしても構わない。
【0071】
この構成によれば、図8に示すように、シート状部材117を上方側から下方側に向かって変形させるため、該シート状部材117上のインクを下方に滑らせて良好に除去できる。
【0072】
また、変形部118、218はシート状部材117を変形させるタイミングに応じて、シート状部材117の変形量を変化させるようにしてもよい。例えば、フラッシング処理によってノズルNZからシート状部材117上にインクを噴射した後、該シート状部材117を変形させる場合と、シート状部材117上にインクを噴射する前にシート状部材117を変形させる場合とにおいてシート状部材117の変形量を変化させる。
【0073】
具体的には、フラッシング処理の直後にシート状部材117を変形させる場合の変形量に対して、プリンター100の電源を切っていた場合などのように長時間が経過後、シート状部材117を変形させる場合の変形量に比べて大きくする。言い換えれば、シート状部材117がインクを受けた後の時間が長い場合の方が、シート状部材117の変形量を大きくしている。
【0074】
フラッシング処理の直後にシート状部材117を変形させる場合は、シート状部材117上のインクは固化していないため、シート状部材117の変形量を小さくしてもシート状部材117上からインクを滑り落とすことができるからである。これに対し、長時間が経過後、シート状部材117を変形させる場合は、シート状部材117の表面に付着したインクが膜状に固化しているおそれがあり、シート状部材117の変形量を大きくすることで固化膜を確実に除去できるからである。
【0075】
なお、本願において変形とは、両端を固定したシート状部材を、シート状部材のインクが付着した側が外側となるように撓ませたり湾曲させることである。換言すると、シート状部材がフラッシングされたインクを受けるときの形状に対して、形を変えている。単に、シート状部材の形を変えずに移動させたり、姿勢を変えたりしているのではない。
【0076】
また、上述の実施形態では、本発明の液体噴射装置をインクジェット式のプリンターに適用しているが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に適用してもよい。すなわち、微小量の液滴を吐出する液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に適用可能である。なお、液滴とは、上述液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれよい。
【0077】
例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては、上述実施形態で説明したようなインクが挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
【0078】
液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
【0079】
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。
【符号の説明】
【0080】
NZ…ノズル、H1…フラッシング位置(第1の位置)、H2…シート変形位置(第2の位置)、4…キャリッジ、100…ヘッド(液体噴射ヘッド)、106…制御装置(制御部)、116…インク受け部(液体受け部)、117…シート状部材、118,218…変形部、119a…一方の端部、119b…他方の端部、121…バネ部材(付勢部材)、219…レバー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射する複数のノズルを有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドの前記ノズルから噴射された前記液体を受けるとともに変形可能なシート状部材が固定されてなる液体受け部と、
前記シート状部材を変形させる変形部と、
を備えた液体噴射装置。
【請求項2】
前記変形部は、前記シート状部材が前記液体を受けるときの前記シート状部材の形状に対して、形状を変化させる請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記変形部は、前記シート状部材が前記液体を受ける面と反対側から前記液体を受ける面側の方向に前記シート状部材を変形させる請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記変形部は、前記シート状部材が前記液体を受ける面と反対側から当接する当接部を有する請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記当接部を前記シート状部材に当接することで、前記シート状部材に付着した液体の固化物に亀裂を生じさせる請求項4に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記変形部は、前記シート状部材の変形する量を可変とし、
前記シート状部材が前記液体を受けた後の時間が長い場合に、前記シート状部材の変形量を大きくする請求項5に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
前記変形部は、前記液体噴射ヘッドを移動させたときに一方の端部が当接可能なレバー部を有し、
前記レバー部は、前記液体噴射ヘッドが前記ノズルから前記液体受け部に前記液体を噴射する第1の位置と異なる第2の位置に移動した際、他方の端部に位置する前記当接部が前記シート状部材を変形させる請求項6に記載の液体噴射装置。
【請求項8】
前記変形部は、前記シート状部材における前記当接部との当接位置を変化させる請求項7に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−139946(P2012−139946A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−392(P2011−392)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】