説明

液体循環ユニット、液体循環装置、及び塗布体の製造方法

【課題】従来の種々の課題を解決することのできる液体循環ユニット、液体循環装置、及び塗布体の製造方法を提供する。
【解決手段】液体循環ユニット23は、インクを収容する第1の液体収容部8と、第1の液体収容部8に収容されているインクの液面を検知するセンサS3及びS4と、センサS3及びS4の検知結果に基づいて第1の液体収容部8から外部にインクを送る送液ポンプ12と、送液ポンプ12によって送られたインク中の溶存気体を除去する脱気用配管11と、送液ポンプ12によって送られたインク中の不純物を除去するフィルター13と、第1の液体収容部8から外部にインクが送られる際に開くダイヤフラム弁14と、外部から第1の液体収容部8にインクが送られる際に開くコック弁15とを備え、液体循環装置に取り外し可能に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布対象物に液滴を噴射して塗布する液滴噴射塗布装置に用いられる液体循環ユニット、液体循環装置、及び塗布体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴噴射塗布装置は、画像情報の印刷のほか、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置、電子放出表示装置、プラズマ表示装置、電気泳動表示装置等の様々な平面型表示装置を製造する際に用いられている。この液滴噴射塗布装置は、インク等の液体を複数のノズルから液滴として噴射する液滴噴射ヘッド(例えば、インクジェットヘッド)を備えており、その液滴噴射ヘッドにより基板等の塗布対象物に液滴を着弾させ、所定パターンのドット列を順次形成し、様々な塗布体を製造する。インクはインクタンクから液滴噴射ヘッドに配管(インク流路)を介して供給される。この配管にはバルブやポンプ等が設けられている。なお、液滴噴射ヘッド内のインクの液圧は、ノズルからのインク漏れ等を防止することを目的として負圧に保たれている(例えば、特許文献1参照)。このような液滴噴射塗布装置では、溶け難い材料を含むインクを用いるため、インクの経時変化により材料の沈降が生じ、その沈降が要因となる噴射不良が発生してしまう。これを解決するため、液滴噴射ヘッドとインクタンクとの間でインクを循環させる液滴噴射塗布装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
しかしながら、前述の液滴噴射塗布装置では、バルブやポンプの駆動により、配管内のインクを介して液滴噴射ヘッドに圧力変動が加えられるため、インクの漏れや空気の吸込等が発生する。このため、ノズル面へのインク染み出しや液滴噴射ヘッドの気泡吸い込みが生じ、不噴射等の噴射不良が発生してしまう。そこで、噴射不良の発生を抑止することができる液滴噴射塗布装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
図7は、特許文献3に記載されている液滴噴射塗布装置のインク循環に関する各部の説明図である。図7に示すように、液滴噴射ヘッドHは、液体収容部121から供給されたインクが通過する内部流路Haを有しており、その内部流路Haを通過するインクをノズルNから液滴として噴射する。液体供給流路131の流路131aから流入するインクが滴下するように形成された第1バッファタンク119を液体供給流路131中に液体供給部P1より液滴噴射ヘッドH側に位置付けて設け、更に、液体戻し流路132、133の流路132aから流入するインクが滴下するように形成された第2バッファタンク120を液体戻し流路132、133中に液体戻し部P3、P4より液滴噴射ヘッドH側に位置付けて設けている。これにより、第1バッファタンク119及び第2バッファタンク120の各々の空気層により、液体供給部P1や液体戻し部P3、P4の駆動による圧力変動が吸収されるので、圧力変動に起因するインクの漏れや空気の吸込等の発生を防止することが可能になる。加えて、インクが液滴噴射ヘッドHの内部流路Ha、液体供給流路131、第1液体戻し流路132及び第2液体戻し流路133を循環するので、インクに含まれる材料の沈降を抑えることが可能になる。これらのことから、インク中の材料の沈降による噴射不良を抑止することができ、更に、液体染み出しや気泡吸い込みによる噴射不良の発生を抑止することができる。
【0005】
次に、従来の一般的な液滴噴射塗布装置における循環経路について説明する。従来の液滴噴射塗布装置は、図8に示すように、供給タンク1と、送液ポンプ2と、脱気装置3と、フィルター4と、サブタンク5と、ヘッド6と、返送ポンプ7と、排出タンク8と、薬液バルブ9とを備えている。図8でいうサブタンク5は、図7でいう第1バッファタンク119に相当し、図8でいう排出タンク8は、図7でいう第2バッファタンク120に相当する。経路内のポンプにはダイヤフラムポンプを使用し、バルブにはダイヤフラム弁を使用している。インクの循環は、(1)送液、(2)排出、(3)返送、(4)バイパス循環の4動作を繰り返すことで実現される。(1)送液は、供給タンク1に収容されているインクを送液ポンプ2で吸い上げ、脱気装置3とフィルター4とを通過させてサブタンク5へ供給する動作である。(2)排出は、サブタンク5を加圧し、ヘッド6のIN側からOUT側までインクを圧送して排出タンク8へ排出する動作である。ヘッド6内の経路については図7に示した通りであるため、ここでは詳しい説明を省略する。この排出動作は、サブタンク5を加圧する動作の他、返送ポンプ7で排出タンク8を負圧にしてインクを吸い上げる動作によっても実現することができる。(3)返送は、排出タンク8に排出されたインクを返送ポンプ7で吸い上げて供給タンク1へ返送する動作である。(4)バイパス循環は、ヘッド取り外し時などは経路内でインクに含まれる材料が沈降する恐れがあるため、脱気装置3で気泡を取り除きながらバイパス経路でインクを循環させる動作である。脱気装置3は、具体的には、中空糸膜を使用してインク中の溶存気体を除去する脱気用配管である。循環流量は、脱気能力維持のため10ml/min以下である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−192638号公報
【特許文献2】特開2004−230652号公報
【特許文献3】特開2008−264767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記特許文献3に記載されている液滴噴射塗布装置には以下の課題がある。
【0008】
まず、配管経路が複雑であるという課題がある。そのため、インク交換作業時には、配管洗浄・インク入れ替えのため、長時間にわたって装置を停止させる必要があった。また、インク交換作業自体も、人が装置内に入る必要があり作業難易度が非常に高かった。更に、配管経路中にあるインクは廃液として払い出す必要があり、インク・洗浄液の損失が大きかった。
【0009】
また、排出動作でサブタンクを加圧してヘッド内のインクを圧送中にノズル側からもインクが排出されてしまうという課題もある(20kPa、6secの加圧で約3cc排出)。排出動作は2時間に1回の頻度で行なわれるため、1日あたりのロス量が3×12=36ccと多大でランニングコストがかかる。
【0010】
更に、サブタンク加圧の循環では、循環中にヘッドは塗布できないため退避ポジションに退避しなければならないという課題もある。その場合、インクの沈降抑制には2時間あたり10分間の循環(送液→排出→返送→バイパス循環の1サイクルが10分)が必要であり、1日あたり10×12=120分の稼動時間がロスとなってしまう。また、前後工程とのラインバランスがとれない(循環時に前工程から投入された基板を処理できず処理待ちとなる)ため、ラインの時間稼働率を悪化させる恐れがある。
【0011】
本発明の目的は、上記3つの課題を解決することのできる液体循環ユニット、液体循環装置、及び塗布体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、液体を循環させる液体循環装置に設けられる液体循環ユニットであって、前記液体を収容する第1の液体収容部と、前記第1の液体収容部に収容されている前記液体の液面を検知するセンサと、前記センサの検知結果に基づいて前記第1の液体収容部から外部に前記液体を送る送液ポンプと、前記送液ポンプによって送られた前記液体中の溶存気体を除去する脱気用配管と、前記送液ポンプによって送られた前記液体中の不純物を除去するフィルターと、前記第1の液体収容部から外部に前記液体が送られる際に開くダイヤフラム弁と、外部から前記第1の液体収容部に前記液体が送られる際に開くコック弁とを備え、前記液体循環装置に取り外し可能に設けられる。
【0013】
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、液体を循環させる液体循環装置において、前記液体を収容する第2の液体収容部と、前記第2の液体収容部に収容された前記液体を液滴として噴射する液滴噴射ヘッドと、請求項1記載の液体循環ユニットとを備えたことである。
【0014】
本発明の実施の形態に係る第3の特徴は、前記液滴循環装置が塗布対象物に向けて液滴を噴射して塗布体を製造する塗布体の製造方法において、前記液滴噴射ヘッドを駆動して前記液体を噴射する噴射工程と、前記液体が前記液滴噴射ヘッドの噴射に影響を及ぼさないレベル、すなわち、陽圧側で染み出しを起こさず陰圧側で不吐(噴射不良)を起こさないレベルの圧力変動±50Pa以内(すなわち、微流量であり且つ一定流量の吸引)によって前記液体を前記液滴噴射ヘッド内で循環させる循環工程とを備え、前記噴射工程を行いつつ前記循環工程を行うことを可能としたことである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の種々の課題を解決することのできる液体循環ユニット、液体循環装置、及び塗布体の製造方法を提供することができる。すなわち、インク交換作業時には、着脱可能な液体循環ユニットの交換時間のみ装置を停止させれば済む。また、オフラインでの洗浄・インク入れ替えが可能となり、作業難易度が低減される。更に、配管経路が短くなったため、インク・洗浄液の損失が低減される。
【0016】
また、サブタンクの加圧によるノズル側からの加圧での噴出はないため、インクロスはゼロとなる。
【0017】
更に、循環による染み出し、噴射不良は発生しないため、循環しながらの噴射が可能である。そのため、2時間に1回の循環による停止時間が削減でき、設備単体の稼動時間が向上され、前後工程とのラインバランスを維持できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態における液滴噴射塗布装置の循環経路の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態における液体循環ユニットの外観図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるヘッド内の圧力変化値を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における圧力センサの配置を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるカートリッジの配置を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるカートリッジの配置を示す図である。
【図7】従来の液滴噴射塗布装置のインク循環に関する各部の説明図である。
【図8】従来の一般的な液滴噴射塗布装置の循環経路の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
本発明の実施の形態における液滴噴射塗布装置(インクジェット塗布装置等)は、図1の鎖線で示すように、ヘッド6とサブタンク5との間でインクを循環させる配管経路をひとまとめにした着脱可能な液体循環ユニット23を備えている。この液体循環ユニット23は、カートリッジとして構成され、小型の排出タンク8と、小型の脱気装置11と、小型の送液ポンプ12と、フィルター13と、ダイヤフラム弁14と、コック弁15とを備えている。マスフローコントローラ16、ガス配管17、吸引バルブ18a、大気開放バルブ18b、配線19、脱気装置11の制御部20などの電装部は、インクの種類によらず共通して使用可能であるので、カートリッジ外に配置した。液面センサS1及びS2は、サブタンク5に収容されているインクの液面を検知するためのセンサであって、塗布動作時に使用される。一方、液面センサS3及びS4は、排出タンク8に収容されているインクの液面を検知するためのセンサであって、循環動作時に使用される。
【0021】
本発明の実施の形態における液滴噴射塗布装置の動作は、バイパス循環が省略された点を除き、従来の一般的な液滴噴射塗布装置型(図8参照)と同様である。すなわち、排出タンク8にインクが満面に溜まると、液面センサS3がオンとなる。これにより、ダイヤフラム弁14が開いて送液ポンプ12が駆動し、排出タンク8からサブタンク5へインクが返送される。その後、排出タンク8に収容されるインクの液面が所定位置まで下がると、液面センサS4がオンとなる。これにより、吸引バルブ18及びコック弁15が開いてサブタンク5から排出タンク8にインクが送られる。その後、排出タンク8に収容されるインクの液面が所定位置まで上がると、液面センサS3がオンとなる。以降は前述の動作が繰り返され、インクが循環することになる。なお、サブタンク5は本発明に係る第2の液体収容部に相当し、排出タンク8は本発明に係る第1の液体収容部に相当する。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態における液体循環ユニット23の外観図である。図1と同じ構成部については同じ符号を用いている。この液体循環ユニット(以下「カートリッジ」という場合がある)23のサイズは幅60mm×奥行250mm×高さ300mmレベルであり、重量は3〜4kg前後である。そのため、作業者は片手で液体循環ユニット23を運搬することができ、装置への搭載・入れ替えを容易に行うことが可能である。液体循環ユニット23と外部とはマルチコネクタ及びカプラ21によって配管・配線接続される。インクを廃液として払い出したり、新たにインクを入れたりする際には入出バルブ24が使用される。
【0023】
ところで、従来の液滴噴射塗布装置(図8参照)には、送液・返送およびバルブ開閉時に脈動が発生するという課題もある。例えば、流量10ml/minレベルの送液の場合、配管内の圧力変動量は1kPa以上となるのが通常である。そのため、ノズルでのインク界面を維持するのが困難となり、循環する度に不吐出(噴射不良)が発生する。また、薬液バルブ9のうちヘッド6のOUT側後に配置されている排出バルブ10がダイヤフラム弁の場合、バルブ開閉での体積変化は0.1ccレベルであり、たとえサブタンク5が大気開放された場合でも2kPa以上の圧力変動が生じる。この圧力変動に対して、ノズル面にインクの染み出し6aを形成し、インク界面自体をなくす方法がある。しかしながら、この方法によると、ノズルから排出されたインクには既に泡が混入されているため、脈動で泡までノズル内に入り不吐出の要因となる。また、ノズル面にインクの染み出し6aを形成した場合、塗布動作中の循環動作は不可能である。更に、循環動作中は塗布動作ができないため、上流設備と下流設備とのラインバランスを悪化させる恐れがあった。
【0024】
そこで、本発明では、染み出し6aを形成することなく不吐出を出さないようにするため、循環動作・バルブ開閉動作での脈動の極小化を図ることにした。具体的には、排出動作は、加圧やポンプによる吸引でなく、微流量であり且つ一定流量の吸引によって実現した。この吸引を実現するため、吸引経路には流量管理が可能なマスフローコントローラ16を接続し、吸引圧は負圧レギュレータにより−5kPa前後とした。この設定値は、ヘッド6のノズル面に対する排出タンク8の水頭差(ヘッド6に対するカートリッジの高さ位置)で異なる。ノズル面と排出タンク8の液面とが同一高さの場合、吸引圧は−100Paレベル(ノズル界面での表面張力を維持できる圧力)である。実際には、物理的にヘッド6の上部へカートリッジ23を配置する必要があるため500mmレベルの液面差が生じ、その水頭差を相殺するための吸引圧となる。また、排出バルブ15には、開閉時の体積変化が小さいコック弁を採用した。コック弁を採用したことにより、弁開閉の圧力差を200Paから50Pa以下にまで低減することができた。
【0025】
次に、ヘッド6内のインク排出動作時における圧力変化について説明する。既に説明した通り、本発明の実施の形態における排出動作は、加圧やポンプによる吸引でなく、微流量であり且つ一定流量の吸引によって実現した。この場合、図3に示すように、インクの液面6Hはノズル62の内部で上下することになる。すなわち、インクの液面6Hは、ノズル面63よりも高い位置(図3(A)参照)と、ノズル面63よりも低い位置(図3(B)参照)との間で上下するようになっている。言い換えると、ヘッド6内の圧力範囲は、ノズル先端での界面(メニスカス)が破壊されない範囲(表面張力が保たれる範囲)である。その範囲が±50Paであり、その範囲内でインクを流す必要流量は0.5ml/min前後となる。このような排出動作によれば、吐出方向性、液滴量への影響の検討が必要であるが、循環しながらの塗布が実現可能であると考えられる。なお、このような圧力変化は、図4に示すように、ヘッド6と同一高さになるように圧力センサ22を配置し、そのアナログ出力を計測することによって求めた。
【0026】
最後に、カートリッジ23の配置について説明する。図5では、液滴噴射塗布装置30の一部を拡大した様子を示している。図5に示すように、カートリッジ23は通常ヘッド6の上部に搭載され、カートリッジ23−ヘッド6間の配管は最短経路となる。塗布動作ではヘッド6を上下するが、この上下軸25にカートリッジ23自体も搭載される。インクを交換する場合は、図6に示すようにカートリッジ23をスロットから引き出して、カートリッジ23とヘッド6とを一括して交換する形となる。持ち運びの際は、片手にヘッド6、片手にカートリッジ23を持つことになる。予めインクを循環させたい場合は、カートリッジ単独でインクをオフラインで循環させた後、装置に搭載する運用となる。図4に示す水頭差h2はヘッドノズル面と排出タンク液面との水頭差であり、実体では図5に示すh2の高低差となる。更に段取り時間を短縮するには、多種(ここでは4種)のカートリッジ23を予めヘッド6の上部に搭載しておき、ヘッド6の交換のみでインクの段取り替えが可能となる機構を採用することもできる。もちろん、多種のカートリッジ23それぞれに対応する同数(ここでは4つ)のヘッド6を予め備える構成を採用してもよい。
【0027】
以上のように、本発明によれば、ヘッド6とサブタンク5との間でインクを循環させる配管経路をひとまとめにした着脱可能な液体循環ユニット23を備えたので、インク交換作業時には、着脱可能な液体循環ユニットの交換時間のみ装置を停止させれば済む。また、オフラインでの洗浄・インク入れ替えが可能となり、作業難易度が低減される。更に、配管経路が短くなったため、インク・洗浄液の損失が低減される。従って、本発明は、変質・沈降し易いインクで流動化を必要とする、あるいは使用するインクが多種に渡り、インク交換頻度が高い液滴噴射塗布装置に用いられる液体循環装置に適用すると効果的である。
【0028】
また、本発明によれば、循環するインクの流量を極力抑えることができるので、脈動が低減され、ノズル穴でのインク界面が維持される。そのため、不吐出の発生を抑え、更に循環しながらの塗布を実現することができるため、装置の稼動率を向上させることが可能となる。従来と同様、循環動作中は塗布動作しないこととしてもよいのは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
5…サブタンク、6…ヘッド、8…排出タンク、11…脱気装置、12…送液ポンプ、13…フィルター、14…ダイヤフラム弁、15…コック弁、16…マスフローコントローラ、17…ガス配管、18…ガス系統のバルブ、18a…吸引バルブ、18b…大気開放バルブ、19…配線、20…脱気装置の制御部、23…液体循環ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を循環させる液体循環装置に設けられる液体循環ユニットであって、
前記液体を収容する第1の液体収容部と、
前記第1の液体収容部に収容されている前記液体の液面を検知するセンサと、
前記センサの検知結果に基づいて前記第1の液体収容部から外部に前記液体を送る送液ポンプと、
前記送液ポンプによって送られた前記液体中の溶存気体を除去する脱気用配管と、
前記送液ポンプによって送られた前記液体中の不純物を除去するフィルターと、
前記第1の液体収容部から外部に前記液体が送られる際に開くダイヤフラム弁と、
外部から前記第1の液体収容部に前記液体が送られる際に開くコック弁とを備え、
前記液体循環装置に取り外し可能に設けられることを特徴とする液体循環ユニット。
【請求項2】
液体を循環させる液体循環装置であって、
前記液体を収容する第2の液体収容部と、
前記第2の液体収容部に収容された前記液体を液滴として噴射する液滴噴射ヘッドと、
請求項1記載の液体循環ユニットと、
を備えることを特徴とする液体循環装置。
【請求項3】
前記配管経路を循環する前記液体の流量を調整するマスフローコントローラを備えることを特徴とする請求項2記載の液体循環装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の液滴循環装置が塗布対象物に向けて液滴を噴射して塗布体を製造する塗布体の製造方法であって、
前記液滴噴射ヘッドを駆動して前記液体を噴射する噴射工程と、
微流量であり且つ一定流量の吸引によって前記液体を前記液滴噴射ヘッド内で循環させる循環工程とを備え、
前記噴射工程を行いつつ前記循環工程を行うことを特徴とする塗布体の製造方法。
【請求項5】
前記循環工程では、前記液体の液面が前記液滴噴射ヘッドのノズル内部で上下することを特徴とする請求項4記載の塗布体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−221171(P2010−221171A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73184(P2009−73184)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】