説明

液体攪拌装置

【課題】液体貯留部内の液体の攪拌を少ない部品および省スペースで実現する液体攪拌装置を提供する。
【解決手段】貯留されているインクを攪拌するための磁性回転子5を有する複数のインクカートリッジ2が複数並んで配置され、隣接するインクカートリッジ2同士において、1つのインクカートリッジ2の磁性回転子5の回転により他のインクカートリッジ2の磁性回転子5が連動して回転されるように構成されていることにより、インクカートリッジ2ごとに回転駆動部を設ける必要がなくなり、回転駆動部を備えるスペースが縮小できるうえ、部品点数も少なくなり、インクカートリッジ2内のインクの攪拌を少ない部品および省スペースで実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェット式記録装置のような液体噴射装置に適用され、主としてインクのような液体を貯留する液体貯留部において液体を攪拌する液体攪拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体をターゲットに噴射する液体噴射装置には、インクを記録用紙に噴射して印刷を施すインクジェット式記録装置が知られている。このようなインクジェット式記録装置に用いられるインクとしては、主として染料系と顔料系に分けられている。一般に染料系は粘度が低く、染料が溶解しているので均質化している一方、顔料系は顔料粒子が重く沈降しやすい分散型のインクである。このような分散型のインクは、記録装置が稼動しない場合に、装置に装着されたインクカートリッジ内で顔料粒子の沈降が起こり、噴射不良が発生する可能性がある。特に最近では、白インクや金属光沢のインク等、色材粒子がより沈殿しやすい傾向の特殊なインクの開発が盛んに行なわれている。
【0003】
一方、インクジェット記録方式の1種としてUVインクジェット方式がある。このUVインクジェット方式は、紫外線(UV)等のエネルギー線の照射によって硬化するエネルギー線硬化インクを記録媒体に付着させた後、この記録媒体にエネルギー線を照射することによりエネルギー線硬化インクを硬化させて印字を行う記録方式である。このようなUVインクジェット方式の記録装置では、インク自身の特性として、種々の記録媒体への高速記録が可能で、滲みにくく良好な画質が得られ、環境にも優しいという理由で開発が進められている。
【0004】
上記のようなインクカートリッジ内での粒子の沈降化を防止する装置として、例えば下記の特許文献1のようなものが提案されている。
【特許文献1】特開2006−326929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の装置は、カートリッジ内に予め回転子が投入される一方、カートリッジ装着部に上記回転子に対応する位置に回転磁石プレートが配置され、上記回転磁石プレートの回転駆動部が筐体に支持されている。上記回転磁石プレートが回転し、その回転磁力により回転子が回転を始め、カートリッジ内のインクを攪拌し、インクの内部沈殿を抑制することが行なわれる。そして、複数のカートリッジにおいて、同様の回転子、回転磁石プレートおよび回転駆動部が設けられている。
【0006】
このように、上記特許文献1の装置では、インクカートリッジ1個につき、それぞれ回転磁石プレートおよび回転駆動部を設ける必要があり、各カートリッジごとに回転磁石プレートと回転駆動部を備えるスペースが必要で装置自体が大型化し、部品点数も多くなる。また、噴射するインクの種類が増えてインクカートリッジが増えると、それだけ回転磁石プレートと回転駆動部を増やさねばならず、インクの種類が多い装置では、装置スペースと部品点数の面で一層不利である。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、液体貯留部内の液体の攪拌を少ない部品および省スペースで実現する液体攪拌装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の液体攪拌装置は、貯留されている液体を攪拌するための磁性回転子を有する複数の液体貯留部が複数並んで配置され、
隣接する液体貯留部同士において、1つの液体貯留部の磁性回転子の回転により他の液体貯留部の磁性回転子が連動して回転されるように構成されていることを第1の要旨とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の液体攪拌装置は、貯留されている液体を攪拌するための磁性回転子を有する複数の液体貯留部と、
上記液体貯留部の磁性回転子を液体貯留部の外部から回転駆動する磁性回転装置とを備え、
上記磁性回転装置の周囲に複数の液体貯留部が配置されて、上記磁性回転装置により周囲に配置された各液体貯留部の磁性回転子が回転駆動されるように構成されていることを第2の要旨とする。
【0010】
本発明の第1の液体攪拌装置は、磁性回転子を有する複数の液体貯留部が複数並んで配置され、隣接する液体貯留部同士において、1つの液体貯留部の磁性回転子の回転により他の液体貯留部の磁性回転子が連動して回転されるため、従来のように、液体貯留部ごとに回転駆動部を設ける必要がなくなり、回転駆動部を備えるスペースが縮小できるうえ、部品点数も少なくなり、液体貯留部内の液体の攪拌を少ない部品および省スペースで実現することができる。特に、噴射する液体の種類が多く、多くの液体貯留部を備える装置において装置スペースと部品点数の面で有利である。
【0011】
本発明の第2の液体攪拌装置は、液体貯留部の磁性回転子を液体貯留部の外部から回転駆動する磁性回転装置の周囲に磁性回転子を有する複数の液体貯留部が配置され、上記磁性回転装置により周囲に配置された各液体貯留部の磁性回転子が回転駆動されるため、従来のように、液体貯留部ごとに回転駆動部を設ける必要がなくなり、回転駆動部を備えるスペースが縮小できるうえ、部品点数も少なくなり、液体貯留部内の液体の攪拌を少ない部品および省スペースで実現することができる。特に、噴射する液体の種類が多く、多くの液体貯留部を備える装置において装置スペースと部品点数の面で有利である。
【0012】
本発明第1の液体攪拌装置において、並んで配置されている複数の液体貯留部のうち少なくとも1つの液体貯留部の磁性回転子を、液体貯留部の外部に設けた磁性回転装置により回転駆動する場合には、少ない磁性回転装置で複数の液体貯留部の液体を攪拌できて装置スペースと部品点数の面で有利である。
【0013】
本発明第1の液体攪拌装置において、上記磁性回転子が棒状を呈し、液体貯留部が磁性回転子の長手方向が揃うように列状に並べられている場合には、複数の液体貯留部における磁性回転子の連動回転を棒状のシンプルな磁性回転子において実現でき、装置コストの面でより有利である。
【0014】
本発明第1および第2の液体攪拌装置において、上記磁性回転子が回転軸心を中心とした放射状を呈し、周方向に隣接する端部の極性が逆になるよう設定されている場合には、隣接する液体貯留部の磁性回転子同士の回転の連動や、磁性回転装置から液体貯留部の磁性回転子への回転の連動がよりスムーズに行なわれ、回転むらや外力等に対する耐性が良くなって回転の連動が確実に行なわれる。
【0015】
本発明第1および第2の液体攪拌装置において、上記複数の液体貯留部に対して磁性回転装置は1つである場合には、複数の液体貯留部に対して磁性回転装置が1つですみ、装置スペースと部品点数の面で有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0017】
以下、本発明の液体攪拌装置を液体を噴射する液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置に適用した一実施形態を図にしたがって説明する。
【0018】
図1は本発明が適用される液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置の主要部の構成を示したものである。この装置は、ターゲットである記録紙3に対してノズルからインク滴を噴射して記録を行うための噴射ヘッド1と、液体貯留部としてのインクカートリッジ2とを備え、インクカートリッジ2から液体としてのインクの供給を受けて記録紙3にインク滴を噴射して記録を行なうようになっている。図ではインクカートリッジ2を4つ示し、4種類の液体を噴射する例を示しているが、インクカートリッジ2の数が4つに限定するものではなく、2つや3つでもよいし、5つ以上でもよい。
【0019】
上記液体としてのインクは、主として顔料系のインクが用いられ、紫外線(UV)等の光に代表されるようなエネルギー線の照射によって硬化するエネルギー線硬化型インクのようなエネルギー線硬化型液体を使用することもできるし、染料系の液体を使用することを妨げるものではない。
【0020】
図2は、上記液体攪拌装置の構成を示す図である。(A)は一部破断斜視図、(B)および(C)は作用を説明するための透視平面図である。
【0021】
この液体攪拌装置は、貯留されているインクを攪拌するための磁性回転子5を有する複数のインクカートリッジ2が複数並んで配置されている。この例では、4つのインクカートリッジ2が一列にならぶように配置されている。
【0022】
上記磁性回転子5は、この例では、一方がN極、他方がS極となるよう棒状を呈している。また、上記磁性回転子5は、この例では、棒状の中心がインクカートリッジ2の底部に軸支されている。すなわち、上記磁性回転子5は長手方向が略水平となるようインクカートリッジ2の底部に配置され、棒状の中心を軸として水平回転するようになっている。これにより、インクカートリッジ2内のインクが消費されて少なくなってきても低部のインクを攪拌することができる。
【0023】
そして、複数のインクカートリッジ2は、磁性回転子5の水平高さが揃うように並べて配置されている。これにより、隣接するインクカートリッジ2の磁性回転子5同士がその磁力によってN極とS極が引き合って、磁性回転子5の長手方向が揃いうるように近接して列状に並べられている。
【0024】
また、並んで配置されている複数のインクカートリッジ2のうち少なくとも1つのインクカートリッジ2の磁性回転子5を、インクカートリッジ2の外部に設けた磁性回転装置10により回転駆動するように構成されている。この例では、上記複数のインクカートリッジ2に対して磁性回転装置10は1つであり、この磁性回転装置10は、図示の右端のインクカートリッジ2の磁性回転子5を回転させるようになっている。
【0025】
上記磁性回転装置10は、回転磁石7と、上記回転磁石7を回転駆動する回転駆動部8とから構成されている。
【0026】
上記回転磁石7は、上記磁性回転子5と同様に、一方がN極、他方がS極となるよう棒状を呈し、棒状の中心が回転駆動部8に軸支されている。すなわち、上記回転磁石7は長手方向が略水平となって棒状の中心を軸として水平回転するようになっている。
【0027】
すなわち、上記回転磁石7と磁性回転子5とは軸方向と回転方向および磁極の数と配置が等しくなっている。また、横方向に4つ並んだインクカートリッジ2のうち最も端部に配置されたインクカートリッジ2の隣に磁性回転装置10が配置されている。回転駆動装置10は、回転磁石7とそれに隣接するインクカートリッジ2の磁性回転子5の水平高さが揃うように配置されている。
【0028】
そして、隣接するインクカートリッジ2同士において、1つのインクカートリッジ2の磁性回転子5の回転により、他のインクカートリッジ2の磁性回転子5が連動して回転されるように構成されている。
【0029】
すなわち、上記磁性回転装置10の回転駆動部8により回転磁石7が水平回転されると、それに隣接するインクカートリッジ2を指向する回転磁石7の極性がN極→S極→N極・・・と切り替わる。この磁極の切り換えと連動するように、磁性回転装置10に隣接するインクカートリッジ2の磁性回転子5も、上記切り替わる磁性に引き付けられて回転する。
【0030】
4つのインクカートリッジ2のうち端部に配置されたインクカートリッジ2の磁性回転子5が回転することで、それに隣接するインクカートリッジ2において同様に、磁極の切り替わりに連動して磁性回転子5が回転する。以下同様に、すべての隣接するインクカートリッジ2において磁性回転子5が連動して回転することにより、すべてのインクカートリッジ2内のインクの攪拌が行なわれるのである。
【0031】
上記実施形態の液体攪拌装置によれば、磁性回転子5を有する複数のインクカートリッジ2が複数並んで配置され、隣接するインクカートリッジ2同士において、1つのインクカートリッジ2の磁性回転子5の回転により他のインクカートリッジ2の磁性回転子5が連動して回転されるため、従来のように、インクカートリッジ2ごとに回転駆動部を設ける必要がなくなり、回転駆動部を備えるスペースが縮小できるうえ、部品点数も少なくなり、インクカートリッジ2内の液体の攪拌を少ない部品および省スペースで実現することができる。特に、噴射する液体の種類が多く、多くのインクカートリッジ2を備える装置において装置スペースと部品点数の面で有利である。
【0032】
また、並んで配置されている複数のインクカートリッジ2のうち少なくとも1つのインクカートリッジ2の磁性回転子5を、インクカートリッジ2の外部に設けた磁性回転装置10により回転駆動するため、少ない磁性回転装置10で複数のインクカートリッジ2の液体を攪拌できて装置スペースと部品点数の面で有利である。
【0033】
また、上記磁性回転子5が棒状を呈し、インクカートリッジ2が磁性回転子5の長手方向が揃うように列状に並べられているため、複数のインクカートリッジ2における磁性回転子5の連動回転を棒状のシンプルな磁性回転子5において実現でき、装置コストの面でより有利である。
【0034】
また、上記複数のインクカートリッジ2に対して磁性回転装置10は1つであるため、複数のインクカートリッジ2に対して磁性回転装置10が1つですみ、装置スペースと部品点数の面で有利である。
【0035】
図3は、本発明の第2実施形態の液体攪拌装置を示す。
【0036】
この例では、複数のインクカートリッジ2による列の間に回転磁石7が配置されるだけの隙間が設けられ、磁性回転装置10の両側にそれぞれ回転磁石7により磁性回転子5が連動回転されるインクカートリッジ2による列が配置されている。それ以外は、上記第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施形態によれば、1つの磁性回転装置10で複数列のインクカートリッジ2の攪拌を行なうことができる。それ以外は、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0037】
図4は、本発明の第3実施形態の液体攪拌装置を示す。
【0038】
この例では、列状に配列されたインクカートリッジ2のうち、最も端部に配置されたインクカートリッジ2の底面に対面する部分に磁性回転装置10の回転磁石7が配置され、当該端部のインクカートリッジ2の磁性回転子5を連動回転させるようになっている。それ以外は、上記第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0039】
図5に示すように、列状に配列されたインクカートリッジ2のうち、端部以外に配置されたインクカートリッジ2の底面に対面する部分に磁性回転装置10の回転磁石7を配置するようにしてもよい。それ以外は、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0040】
図6は、本発明の第4実施形態の液体攪拌装置を示す。
【0041】
この例では、上記磁性回転子5が回転軸心を中心とした放射状を呈し、周方向に隣接する端部の極性が逆になるよう設定されている。
【0042】
すなわち、この例では、磁性回転子5は、回転軸心を中心として6つの磁極が放射状に配置され、周方向に隣接する磁極が、N極、S極、N極、S極、N極、S極と極性が逆になっている。一方、磁性回転装置10の回転磁石7も、磁性回転子5と同様に、回転軸心を中心とした放射状を呈し、周方向に隣接する端部の極性が逆になるよう設定され、この例では回転軸心を中心として放射状に配置された6つの磁極が、周方向にN極、S極、N極、S極、N極、S極と極性が逆になっている。それ以外は、上記第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0043】
この例によれば、上記磁性回転子5が回転軸心を中心とした放射状を呈し、周方向に隣接する端部の極性が逆になるよう設定されているため、隣接するインクカートリッジ2の磁性回転子5同士の回転の連動や、磁性回転装置10からインクカートリッジ2の磁性回転子5への回転の連動がよりスムーズに行なわれ、回転むらや外力等に対する耐性が良くなって回転の連動が確実に行なわれる。
【0044】
なお、この例において、複数のインクカートリッジ2による列の間に回転磁石7が配置されるだけの隙間を設け、磁性回転装置10の両側にそれぞれ回転磁石7により磁性回転子5が連動回転されるインクカートリッジ2による列を配置するようにしてもよい。また、列状に配列しインクカートリッジ2のいずれかの底面に対面する部分に磁性回転装置10の回転磁石7を配置し、当該インクカートリッジ2の磁性回転子5を回転磁石7と連動回転させるようにしてもよい。それ以外は、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0045】
図7は、本発明の第5実施形態の液体攪拌装置を示す。
【0046】
この例は、磁性回転装置10の周囲に複数のインクカートリッジ2が配置されて、上記磁性回転装置10により周囲に配置された各インクカートリッジ2の磁性回転子5が回転駆動されるように構成されている。
【0047】
この例では、上記磁性回転子5は、回転軸心を中心とした放射状を呈し、周方向に隣接する端部の極性が逆になるよう設定され、回転軸心を中心として放射状に配置された6つの磁極が周方向にN極、S極、N極、S極、N極、S極と極性が逆になるよう配置されている。また、磁性回転装置10の周囲にこの例では4つのインクカートリッジ2が配置され、磁性回転装置10の回転磁石7と各インクカートリッジ2の磁性回転子5は、水平高さが揃うように配置されている。それ以外は、上記第1実施形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0048】
この例では、インクカートリッジ2の磁性回転子5をインクカートリッジ2の外部から回転駆動する磁性回転装置10の周囲に磁性回転子5を有する複数のインクカートリッジ2が配置され、上記磁性回転装置10により周囲に配置された各インクカートリッジ2の磁性回転子5が回転駆動されるため、従来のように、インクカートリッジ2ごとに回転駆動部を設ける必要がなくなり、回転駆動部を備えるスペースが縮小できるうえ、部品点数も少なくなり、インクカートリッジ2内のインクの攪拌を少ない部品および省スペースで実現することができる。特に、噴射するインクの種類が多く、多くのインクカートリッジ2を備える装置において装置スペースと部品点数の面で有利である。
【0049】
また、隣接するインクカートリッジ2の磁性回転子5同士の回転の連動や、磁性回転装置10からインクカートリッジ2の磁性回転子5への回転の連動がよりスムーズに行なわれ、回転むらや外力等に対する耐性が良くなって回転の連動が確実に行なわれる。それ以外は、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0050】
上記各実施形態では、磁性回転子2および回転磁石7は、棒状で磁極が2つもの、磁極が6つのものを例示したが、これに限定するものではなく、上記回転磁石7と磁性回転子5は、磁極が放射状に配置されて周方向に隣接する磁極が逆極性となるよう配置されていれば、磁極は4つでもよいし、8つ以上でもよい。
【0051】
また、上記各実施形態において、噴射ヘッド1は、液体を噴射させる駆動素子である圧力発生素子として、圧電振動子を利用した液体噴射装置に適用することもできるし、発熱素子を利用したタイプの液体噴射装置に適用することもできる。
【0052】
また、液体噴射装置の代表例としては、上述したような画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置があるが、本発明は、その他の液体噴射装置として、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等、各種の液体噴射装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明が適用される記録装置の概略構成を示す図である。
【図2】本実施形態の液体攪拌装置の構成を示す図である。
【図3】第2実施形態を示す図である。
【図4】第3実施形態を示す図である。
【図5】第3実施形態の第2例を示す図である。
【図6】第4実施形態を示す図である。
【図7】第5実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 噴射ヘッド,2 インクカートリッジ,3 記録紙,5 磁性回転子,7 回転磁石,8 回転駆動部,10 磁性回転装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留されている液体を攪拌するための磁性回転子を有する複数の液体貯留部が複数並んで配置され、
隣接する液体貯留部同士において、1つの液体貯留部の磁性回転子の回転により他の液体貯留部の磁性回転子が連動して回転されるように構成されていることを特徴とする液体攪拌装置。
【請求項2】
貯留されている液体を攪拌するための磁性回転子を有する複数の液体貯留部と、
上記液体貯留部の磁性回転子を液体貯留部の外部から回転駆動する磁性回転装置とを備え、
上記磁性回転装置の周囲に複数の液体貯留部が配置されて、上記磁性回転装置により周囲に配置された各液体貯留部の磁性回転子が回転駆動されるように構成されていることを特徴とする液体攪拌装置。
【請求項3】
並んで配置されている複数の液体貯留部のうち少なくとも1つの液体貯留部の磁性回転子を、液体貯留部の外部に設けた磁性回転装置により回転駆動する請求項1記載の液体攪拌装置。
【請求項4】
上記磁性回転子が棒状を呈し、液体貯留部が磁性回転子の長手方向が揃いうるように列状に並べられている請求項1または3記載の液体攪拌装置。
【請求項5】
上記磁性回転子が回転軸心を中心とした放射状を呈し、周方向に隣接する端部の極性が逆になるよう設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体攪拌装置。
【請求項6】
上記複数の液体貯留部に対して磁性回転装置は1つである請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体攪拌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−208288(P2009−208288A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51709(P2008−51709)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】