説明

液体混合物を連続的に製造するための設備および方法

本発明は、圧送可能な少なくとも二種類の液状の成分(k1,k2)から成る液体製品(P)を連続的に製造するための設備(30)であって、該設備(30)が、各成分(k1,k2)に対する2つの貯蔵タンク(1a,1b)と、両貯蔵タンク(1a,1b)に対する、成分(k1,k2)の目標質量流量を調整するための2つの質量流量調整回路(2a,1b)と、液体製品(P)の成分(k1,k2)が供給される第1の管路(9a)と、二酸化炭素を供給するための第2の管路(9b)と、充填タンク(1c)とを備えており、第1の管路(9a)が、二酸化炭素と混合された液体製品(P)を充填タンク(1c)内に供給するようになっている設備に関する。本発明によれば、貯蔵タンク(1a,1b)と充填タンク(1c)とが、圧力タンクとして形成されていて、貯蔵タンク(1a,1b)と充填タンク(1c)との間で圧力補償を行うための少なくとも1つの圧力補償管路(1)によって互いに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧送可能な少なくとも一種類、特に少なくとも二種類の液状の成分から成る液体製品を連続的に製造するための設備であって、該設備が、各前記成分に対する第1の貯蔵タンクおよび第2の貯蔵タンクと、それぞれ第1の貯蔵タンクおよび第2の貯蔵タンクに対応配置された、前記成分の目標質量流量を調整するための第1の質量流量調整回路もしくは第2の質量流量調整回路とを備えており、前記成分を各貯蔵タンクから各質量流量調整回路に第1の圧送装置および第2の圧送装置が圧送するようになっており、前記成分の圧送方向に連続して、前記成分の実際質量流量を測定するための第1の流量計もしくは第2の流量計と、実際質量流量を調整するための第1の調整弁もしくは第2の調整弁とが接続されており、各質量流量調整回路に対して、第1の切換アッセンブリもしくは第2の切換アッセンブリが設けられており、該第1の切換アッセンブリもしくは該第2の切換アッセンブリが、1つには、各目標質量流量からの実際質量流量の逸脱時に前記成分を各貯蔵タンク内に返送するようになっていて、もう1つには、実際質量流量と各目標質量流量との合致時に前記成分を第1の管路内にその第1の端部において供給するようになっており、第1の管路が、二酸化炭素を供給するための第2の管路に接続されていて、第2の端部において充填タンクに接続されており、第1の管路が、二酸化炭素と混合された液体製品を充填タンク内に供給するようになっており、該充填タンクから断続的に液体製品の量が、充填管路を介して取り出されるようになっている設備に関する。
【0002】
さらに、本発明は、上述した設備を使用して、少なくとも二種類の成分と二酸化炭素とから成る液体製品を連続的に製造するための方法に関する。
【0003】
背景技術
液体製品の製造において、多種の成分から成る液体製品を製造するための解決手段を提供する装置および方法が公知である。このような設備もしくは方法の役割には、多種の成分の準備、これらの成分の混合および後続処理設備への混合された液体製品の供給が含まれている。典型的には、後続処理ステップは、設けられた容器内への液体製品の充填である。たとえば、食品産業では、このような設備によって、種々異なる清涼飲料、乳含有の製品等が混合される。
【0004】
たとえばシロップ濃縮物と水とから成る飲料の準備に対して付加的に、多くの例では、たとえばコカコーラ(登録商標)、ペプシコーラ(登録商標)等のように、飲料を付加的に二酸化炭素と混合することが1つの要求を成している。更なる要求は、種々異なる液体製品を同一の設備内で同時に製造する可能性である。
【0005】
これらの要求を満たすためには、液体製品を製造するための設備が可能な限り適応性を備えて構想されていなければならない。
【0006】
国際公開第99/48387号に基づき、少なくとも二種類の混合成分から食品混合物を製造することが公知である。複数の食品混合物に使用されるこのような混合成分は、ただ1つの設備部分に貯蔵され、この設備部分から、所望の食品混合物の製造のために提供される。複数の生産ラインへの共通の成分の供給によって、貯蔵タンク、測定・調整装置および管路の節約が達成される。
【0007】
欧州特許出願公開第0334213号明細書には、流動性の混合物を連続的に製造するための方法が開示されている。この方法の場合、製造したい混合物の成分は、それぞれ各成分の目標質量流量が達成され、次いで、混合物の調整回路の安定化工程を待つ必要なしに、成分が混合されるまで、閉じられた回路において貯蔵タンク内に返送される。この解決手段の利点は、混合物が廃棄されなければならない安定化工程を実行する別の設備と異なり、混合物が、返送運転から混合運転への切換後すぐに規定の品質を有していて、ひいては、安定化工程が不要となるということにある。
【0008】
二酸化炭素の添加時には、たとえば上述した方法により製造された混合物が中間タンク内に集められ、引き続き案内され、二酸化炭素と混合される。その後、完成した液体製品が充填タンク内に導入される。この充填タンクから、液体製品が充填のために取り出され、充填装置に引き続き案内される。
【0009】
充填装置は、ストップ・ゴー原理にさらされている。すなわち、それぞれ異なる量の液体製品が断続的に取り出される。ストップ・ゴー運転は、製造ラインの別の設備部分、たとえばフィラ、ラベル貼り機等の誤り挙動に基づき生じる。したがって、液体製品を提供するための設備は、二酸化炭素と混合された混合物を、任意の取り出したい液体量で任意の期間にわたって提供することができなければならない。
【0010】
発明の開示
本発明の課題は、混合物の調整回路のより安定した調整を達成することができ、二酸化炭素の添加下での液体成分の混合時にコストを削減することができ、また、保守が簡単であるような設備を提供することである。さらに、本発明の課題は、このような設備を運転するための方法を提供することである。
【0011】
この課題を解決するために本発明に係る設備によれば、貯蔵タンクと充填タンクとが、圧力タンクとして形成されていて、貯蔵タンクと充填タンクとの間で圧力補償を行うための少なくとも1つの圧力補償管路によって互いに接続されていて、該圧力補償管路と共に圧力補償システムを形成している。
【0012】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、所定の量の液体製品を充填タンクから導出するための流出管路が、第1の管路の第1の端部を充填タンク、特に充填タンクの底範囲に接続しており、第1の管路と流出管路とが、液体製品の循環回路を形成している。
【0013】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、第2の管路に二酸化炭素リザーバが接続されており、第2の管路が、第3の流量計と、第1の管路内に供給される二酸化炭素通流量を制御するための第3の調整弁とを有している。
【0014】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、循環回路に第3の圧送装置が配置されており、該第3の圧送装置が、循環回路に位置する液体製品を混合エレメント、特に静的な混合エレメントに案内し、更には、圧送方向で見て混合エレメントの後方に配置された第1の切換弁の開放位置において充填タンクに案内するようになっている。
【0015】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、循環回路に、第1の管路に接続された、特に第3の圧送装置と混合エレメントとの間に接続された、液体製品を冷却するための冷却エレメントが設けられている。
【0016】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、第2の管路が、第3の圧送装置と冷却エレメントとの間で第1の管路に接続されている。
【0017】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、二酸化炭素リザーバ(1d)が、圧力補償システムに、第3の切換弁を備えた第4の管路によって接続されており、該第4の管路が、第3の切換弁の開放状態で二酸化炭素を圧力補償システムに案内するように形成されている。
【0018】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、圧力補償システムにガスタンクが、第2の切換弁を備えた第3の管路によって接続されており、該第3の管路が、第2の切換弁の開放状態で、ガスタンク内に位置するガスを圧力補償システムに案内するように形成されている。
【0019】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、充填タンクが、その内部における減圧のための第4の切換弁、特に正圧弁を有している。
【0020】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、充填タンクが、液体製品の密度および/または温度および/または二酸化炭素含量を測定するためのコントロール回路を有している。
【0021】
本発明に係る設備の有利な態様によれば、充填タンクおよび/または第1の貯蔵タンクおよび/または第2の貯蔵タンクが、液面レベル測定機器を有している。
【0022】
さらに、前述した課題を解決するために本発明に係る方法によれば、設備の運転中に、貯蔵タンクと充填タンクとの間の連続的な圧力補償を圧力補償管路によって行う。
【0023】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、液体製品が、二酸化炭素目標値を維持するように、第3の調整弁によって、循環回路への二酸化炭素の通流量を調整する。
【0024】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、貯蔵タンク内の液面レベルと充填タンク内の液面レベルとをほぼコンスタントに保つ。
【0025】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、圧力補償システム内のガス圧を第3の切換弁の開放によって増加させる。
【0026】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、循環回路での液体製品の循環を第3の圧送装置によってコンスタントに保つ。
【0027】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、液体製品を冷却エレメントによって目標温度に保つ。
【0028】
本発明に係る方法の有利な態様によれば、液体製品を混合エレメントによって十分に混合する。
【0029】
前述した課題は、冒頭で述べた設備において、貯蔵タンクと充填タンクとが、圧力タンクとして形成されていて、貯蔵タンクと充填タンクとの間で圧力補償を行うための少なくとも1つの圧力補償管路によって互いに接続されていることによって解決される。貯蔵タンクと充填タンクとは圧力補償管路と共に圧力補償システムを形成している。
【0030】
さらに、本発明に係る設備を使用して、少なくとも二種類の成分と二酸化炭素とから成る液体製品を連続的に製造するための方法が請求される。設備の運転中には、圧力補償管路によって貯蔵タンクと充填タンクとの間での連続的な圧力補償が行われる。
【0031】
すなわち、本発明によれば、貯蔵タンクと充填タンクとの間の圧力補償機能を伴った設備および方法が提供される。これによって、大気圧下にある貯蔵・中間タンクと、増加させられた圧力下にある充填タンクとの使用に基づく、中間タンクと充填タンクとの間に高い圧力差が生じる従来の解決手段が排除される。たとえば、公知の解決手段では、中間タンクと充填タンクとの間の圧力差が最大7barに設定されている。本発明の解決手段では、貯蔵タンクと充填タンクとの間のほぼ等しい圧力に基づき、液体量の調整がより簡単となる。特に充填装置のストップ・ゴー運転に基づき生じる、充填タンクと、液体を供給する管路/範囲との間の大きな圧力変動が、本発明に係る設備によって、本発明に係る方法での運転時にほぼ取り除かれる。
【0032】
本発明のさらに有利な態様は、従属請求項および図面につき以下に説明する実施の形態から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】付属の構成要素とその接続部とを備えた本発明に係る設備の回路図である。
【0034】
発明を実施するための形態
図1には、付属の構成部材とその接続部とを備えた本発明に係る設備30の有利な実施の形態の回路図が示してある。二種類の液体成分k1,k2が第1の供給管路26aおよび第2の供給管路26bを介して、それぞれ貯蔵タンク1a,1b内に供給される。成分は、たとえば60%の砂糖と40%の果汁とから成るシロップおよび水であってよい。混合物は、たとえば20%のシロップと80%の水とから成っている。成分の量は、貯蔵タンク1a,1b内の液面レベルに関連して、それぞれ1つの第1の供給切換弁27aおよび第2の供給切換弁27bによって調整される。液面レベルは、それぞれ1つの液面レベル測定機器21によって検出される。
【0035】
第1の成分k1と第2の成分k2との混合物から成る液体製品Pを二酸化炭素と混合するためには、二酸化炭素リザーバ1dが働く。二酸化炭素と混合された液体製品Pは充填タンク1c内に貯蔵される。この充填タンク1cも液面レベル測定機器21を備えている。選択的には、組み合わされた充填・貯蔵タンクしか液面レベル測定機器21を備えていないかまたは単にただ1つのタンクしか液面レベル測定機器21を備えていない。
【0036】
貯蔵タンク1a,1bは充填タンク1cに圧力補償管路1を介して接続されている。有利には、この圧力補償管路1は全てのタンク内の圧力を等しくするために働く。この圧力は1〜10barに設定されていて、典型的には6barである。したがって、貯蔵タンク1a,1bと、充填タンク1cと、圧力補償管路1とが、圧力補償システムを成している。圧力補償工程を最小限に抑えるためには、貯蔵タンク1a,1b内の液面レベルと充填タンク1c内の液面レベルとが、ほぼコンスタントに保たれる。たとえば、供給管路26aを介して成分k1を補充することなく、多くの量の成分k1が第1の貯蔵タンク1aから取り出されると、ガススペースの増加および液体高さの変化の結果、貯蔵タンク1a内にアンバランス、たとえば圧力補償管路を介して補償されなければならない負圧が生じてしまう。その結果、第2の貯蔵タンク1b内の圧力と充填タンク1c内の圧力とが減少してしまう。液体製品Pは二酸化炭素と混合されているので、充填タンク1c内のより低い圧力によって二酸化炭素が液体製品Pから充填タンク1cの周辺に逃げ出し、これによって、液体製品Pが、要求された品質をもはや有していない危険がある。したがって、貯蔵タンク1a,1bおよび/または充填タンク1cからの液体取出しに伴う圧力変動が、圧力補償工程によって、ほぼ多くとも±0.2barに制限される。すなわち、全てのタンク内のほぼコンスタントな液面レベルによって、減圧もしくは増圧が最小限に抑えられ、液体製品Pの高い品質に対する貢献が果たされる。
【0037】
減圧を回避するための更なる可能性は、本発明に係る設備30の有利な実施の形態によって提供される。この有利な実施の形態では、二酸化炭素リザーバ1dが、第3の切換弁20を備えた第4の管路9eによって圧力補償システムに接続されている。第4の管路9eは、第3の切換弁20の開放状態で二酸化炭素を圧力補償システムに案内するように形成されている。
【0038】
本発明に係る設備30の別の有利な実施の形態では、第2の切換弁19を備えた第3の管路9cによって圧力補償システムに接続された付加的なガスタンク18から圧力補償システムへのガスの供給によって減圧が阻止される。ガスは、第2の切換弁19が開放状態にある場合に第3の管路9cを通して供給される。この変化形態は、空気のような別の、たとえばより安価なガスによる廉価な圧力調整を提供する。
【0039】
逆の事例、すなわち、圧力補償システムにおける増圧時には、充填タンク1cに対応配置された第4の切換弁12、特に正圧弁が、圧力補償システムの内部における減圧のために働く。本発明に係る設備30の有利な実施の形態では、第4の切換弁12が、1つには、圧力補償システムの減圧のために働き、もう1つには、圧力補償システムの空気抜きのために働くように形成されている。
【0040】
圧力データが圧力センサ13によって収集される。この圧力センサ13は圧力補償システムに配置されていて、有利には充填タンク1cに対応配置されていて、圧力補償システムの内部に生じたガス圧を測定する。
【0041】
以下に、すでに説明した圧力前提条件下での液体製品Pの製造を説明する。
【0042】
各貯蔵タンク1a,1bが、特に欧州特許出願公開第0334213号明細書に詳しく開示された形式により第1の量調整回路2aもしくは第2の量調整回路2bに接続されている。両量調整回路2a,2bは、図1に点線によって示してある。両量調整回路2a,2bは第1の圧送装置3aおよび第2の圧送装置3b、有利には液体ポンプを有している。両圧送装置3a,3bは第1の成分k1もしくは第2の成分k2を各貯蔵タンク1a,1bから各量調整回路2a,2bに圧送する。さらに、この量調整回路2a,2bは、成分k1,k2の圧送方向Fに連続して、成分k1,k2の実際質量流量を測定するための第1の流量計4aもしくは第2の流量計4bと、実際質量流量を調整するための第1の調整弁5aもしくは第2の調整弁5bとを有している。さらに、各質量流量調整回路2a,2bに対して、第1の切換アッセンブリ14aもしくは第2の切換アッセンブリ14bが設けられている。この切換アッセンブリ14a,14bは、1つには、各目標質量流量からの実際質量流量の逸脱時に成分k1,k2を各貯蔵タンク1a,1b内に返送し、もう1つには、実際質量流量と各目標質量流量との合致時に成分k1,k2を第1の管路9a内にその第1の端部24aにおいて供給する。本実施の形態では、第1の管路9aの第1の端部24aが、第1の管路9aへの第2の量調整回路2bの接続点28bに合致している。第1の量調整回路2aは、第1の管路9aにおける箇所28aに接続される。図示していない実施の形態では、両量調整回路2a,2bの接続部28a,28bが第1の管路9aの第1の端部24aに合致している。
【0043】
本発明に係る設備30の有利な実施の形態では、両量調整回路2a,2bの切換アッセンブリ14a,14bが、それぞれ1つの第1の返送切換弁6aおよび第2の返送切換弁6bと、それぞれ1つの第1の供給切換弁7aおよび第2の供給切換弁7bとを有している。切換アッセンブリ14a,14bの機能形式を第1の切換アッセンブリ14aに基づき説明する。第1の成分k1の実際質量流量が目標質量流量から逸脱している場合には、第1の供給切換弁7aが閉鎖され、第1の返送切換弁6aが開放される。これによって、成分k1が第1の量調整回路2aに返送され、更には、第1の貯蔵タンク1a内に返送される。第1の成分k1の実際質量流量が目標質量流量に合致している場合には、第1の供給切換弁7aが開放され、第1の返送切換弁6aが閉鎖される。これによって、第1の成分k1が第1の管路9a内に案内されるものの、第2の成分k2の実際質量流量も第2の成分k2の目標質量流量に合致した場合に初めて案内される。言い換えると、全ての成分k1,k2は、各成分k1,k2がその目標質量流量に達した場合に初めて第1の管路9aに供給される。有利には、このような供給の形態は、混合運転が開始されるやいなや、液体製品Pに含まれる成分k1,k2の要求濃度への即座の到達を招く。これによって、混合された液体製品Pの安定化が不要となる。これに対して、公知の解決手段では、混合物が安定化に至るまで廃棄されなければならない。図面には、符号Pで示した矢印によって、第1の管路9aが液体製品Pを含んでいることが明示してある。
【0044】
第1の管路9aはその第1の端部24aにおいて、所定の量の液体製品Pを充填タンク1cから導出するための流出管路9dに接続されている。この流出管路9dそれ自体は充填タンク1cに、特に充填タンク1cの底範囲に接続されている。第1の管路9aと流出管路9dとは、液体製品Pの循環回路8を成している。
【0045】
さらに、第1の管路9aは、二酸化炭素を供給するための第2の管路9bに接続されていて、第2の端部24bにおいて充填タンク1cに接続されている。二酸化炭素リザーバ1dは第2の管路9bに接続されている。この第2の管路9bは、第3の流量計4cと、第1の管路9a内に供給される二酸化炭素通流量を調整するための第3の調整弁5cとを有している。特にこの第3の調整弁5cによって、循環回路8への二酸化炭素の通流量が調整されて、液体製品Pが二酸化炭素目標値を維持するようになっている。たとえば、典型的な清涼飲料では、液体混合物1リットルあたり約4リットルの二酸化炭素が混加される。
【0046】
第1の管路9aは、二酸化炭素と混合された液体製品Pを充填タンク1c内に供給する。この充填タンク1cから断続的にかつコンスタントでない量の液体製品Pが充填管路22を介して取り出され、導出切換弁23を介して、冒頭で説明した充填装置25内に導入される。第1の管路9aを通した液体製品Pの圧送は、有利には液体ポンプとして形成された第3の圧送装置17によって行われる。この第3の圧送装置17は循環回路8に配置されていて、この循環回路8に位置する液体製品Pを混合エレメント16内に案内し、更には、圧送方向Fで見てこの混合エレメント16の後方(下流側)に配置された第1の切換弁10の開放位置において充填タンク1cに案内するように形成されている。第1の切換弁10は、付加的には、本発明に係る設備30のスイッチオフ時に循環回路8を閉鎖する役割を有している。
【0047】
有利には静的な混合エレメント、つまり、スタティックミキサとして形成された混合エレメント16は、すでに第1の管路9a内で行われた、第1の成分k1と第2の成分k2との混合を均質性に関して改善する。有利には、混合エレメント16は可能な限り第1の管路9aの第2の端部24bの近くに配置されており、これによって、良好に混合された液体製品Pが充填タンク1c内に供給される。しかし、混合エレメント16を第1の管路9aに任意の箇所で接続することが可能である。
【0048】
さらに、循環回路8は、第1の管路9aに接続された、特に第3の圧送装置17と混合エレメント16との間に接続された、液体製品Pを冷却するための冷却エレメント15を有している。この冷却エレメント15によって、液体製品Pが目標温度にもたらされ、この目標温度に保たれる。この目標温度の維持は、製造ラインのストップ・ゴー運転に左右されずに保証されている。有利には、圧送方向Fで見て混合エレメント16の上流側に冷却エレメント15が位置決めされていると、液体製品Pがその温度と局所的な乱流とに関連して二酸化炭素を取り込むことが達成される。これによって、混合エレメント16のパラメータを液体製品Pの最適な混合に調整することができる。しかし、たとえばプレート型熱交換器として形成された冷却エレメント15は、第1の管路9aに別の箇所で接続されてよい。さらに、規定の使用環境では、冷却エレメント15を省略することができる。
【0049】
本発明に係る設備30の有利な実施の形態では、第2の管路9bが、第3の圧送装置17と冷却エレメント15との間で第1の管路9aに接続されている。これによって、有利には、液体製品Pが、要求された全ての添加物を含んでおり、液体製品Pの特性の後続の変化を甘受する必要なく、冷却と混合とを最終製品に調整することができることが確保される。しかし、第1の管路9aへの第2の管路9bの接続は、循環回路8の別の箇所で実現されてよい。
【0050】
冷却および混合のあと、充填準備された液体製品Pが、循環切換弁10の開放位置において充填タンク1c内に案内される。
【0051】
この充填タンク1cは、液体製品Pの密度および/または温度および/または二酸化炭素含量を測定するためのコントロール回路11を有している。液体製品Pの密度の測定によって、液体製品Pの成分の濃度を推測することができる。特に密度は液体製品P内の砂糖濃度によって著しく変化する。密度の偏差が確認されると、濃度の即座の補正の形式の対応措置を即座に開始することができる。偏差は、第1の成分k1の濃度および/または第2の成分k2の濃度および/または二酸化炭素の濃度の変更によって補正される。液体製品Pは、充填タンク1c内の該当成分および/または二酸化炭素の目標値が達成されるまで、循環回路8内で案内される。
【0052】
たとえば、一方の液状の成分k1の量が過度に少ない場合には、この成分k1の第1の量調整回路2aの切換アッセンブリ14aが、第1の管路9a内への供給に切り換えられ、ひいては、成分k1の濃度が即座に高められる。
【0053】
過度の量の成分k1が確認されると、残りの成分、この場合には、第2の成分k2が第1の管路9a内に供給される。必要に応じて、二酸化炭素濃度が付加的に変更されてよい。
【0054】
過度に低い二酸化炭素濃度が確認されると、第3の調整弁5cが後調整され、これによって、多くの二酸化炭素が第1の管路9a内に供給される。
【0055】
二酸化炭素濃度が過度に高い場合には、1つには、第1の成分k1と第2の成分k2とが互いに適正な比で第1の管路9a内に供給されることによって、この第1の管路9a内の液体割合を高める可能性が存在し、もう1つには、充填タンク1c内の二酸化炭素のガス圧を第4の切換弁12によって減少させ、これによって、二酸化炭素が、充填タンク内に位置する液体製品Pから充填タンク1cの周辺に逃げ出すことができる可能性が存在する。
【0056】
液体製品Pの実際温度が目標温度に相当していない場合には、実際温度が冷却エレメント15を介して後調整される。
【0057】
充填装置25の能動的な段階では、すなわち、充填装置25が所定の量の液体製品Pを充填タンク1cから取り出す場合には、第1の管路9aを介して、主として、等しい量の液体製品Pが補給される。この時点では、第1の成分k1と第2の成分k2とが第1の管路9a内に供給され、各貯蔵タンク1a,1bが第1の供給管路26aもしくは第2の供給管路26bを介して補充される。
【0058】
たとえば製造ラインの別の構成要素の障害が原因で生じることがある充填装置25の受動的な段階では、循環回路8内での、充填タンク1c内にかつ第1の管路9a内に位置する液体製品Pの循環が、第3の圧送装置17によってコンスタントに保たれる。これによって、1つには、冷却エレメント15の繰返しの通過により、液体製品が引き続き目標温度に保たれることが確保され、もう1つには、たとえば充填タンク1c内での運動させられない貯蔵時に充填タンク1cの底への果汁成分の堆積によって著しく悪化することがある液体製品Pの混合品質が、混合エレメント16の通過によって維持されることが確保される。
【0059】
本発明の有利な実施の形態を図説したにもかかわらず、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲の構成の範囲において別の多様な形式で実施されてよく、また、使用されてよい。
【符号の説明】
【0060】
1 圧力補償管路
1a 第1の貯蔵タンク
1b 第2の貯蔵タンク
1c 充填タンク
1d 二酸化炭素リザーバ
2a 第1の質量流量調整回路
2b 第2の質量流量調整回路
3a 第1の圧送装置
3b 第2の圧送装置
4a 第1の流量計
4b 第2の流量計
4c 第3の流量計
5a 第1の調整弁
5b 第2の調整弁
5c 第3の調整弁
6a 第1の返送切換弁
6b 第2の返送切換弁
7a 第1の供給切換弁
7b 第2の供給切換弁
8 循環回路
9a 第1の管路
9b 第2の管路
9c 第3の管路
9d 流出管路
9e 第4の管路
10 循環切換弁
11 コントロール回路
12 第4の切換弁
13 圧力センサ
14a 第1の切換アッセンブリ
14b 第2の切換アッセンブリ
15 冷却エレメント
16 混合エレメント
17 第3の圧送装置
18 ガスタンク
19 第2の切換弁
20 第3の切換弁
21 液面レベル測定機器
22 充填管路
23 充填切換弁
24a 第1の管路の第1の端部
24b 第1の管路の第2の端部
25 充填装置
26a 第1の供給管路
26b 第2の供給管路
27a 第1の供給切換弁
27b 第2の供給切換弁
28a 第1の量調整回路の接続の箇所
28b 第2の量調整回路の接続点
F 圧送方向
P 液体製品
30 設備


【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧送可能な少なくとも二種類の液状の成分(k1,k2)から成る液体製品(P)を連続的に製造するための設備(30)であって、該設備(30)が、各前記成分(k1,k2)に対する第1の貯蔵タンク(1a)および第2の貯蔵タンク(1b)と、それぞれ第1の貯蔵タンク(1a)および第2の貯蔵タンク(1b)に対応配置された、前記成分(k1,k2)の目標質量流量を調整するための第1の質量流量調整回路(2a)もしくは第2の質量流量調整回路(2b)とを備えており、前記成分(k1,k2)を各貯蔵タンク(1a,1b)から各質量流量調整回路(2a,2b)に第1の圧送装置(3a)および第2の圧送装置(3b)が圧送するようになっており、前記成分(k1,k2)の圧送方向(F)に連続して、前記成分(k1,k2)の実際質量流量を測定するための第1の流量計(4a)もしくは第2の流量計(4b)と、実際質量流量を調整するための第1の調整弁(5a)もしくは第2の調整弁(5b)とが接続されており、各質量流量調整回路(2a,2b)に対して、第1の切換アッセンブリ(14a)もしくは第2の切換アッセンブリ(14b)が設けられており、該第1の切換アッセンブリ(14a)もしくは該第2の切換アッセンブリ(14b)が、1つには、各目標質量流量からの実際質量流量の逸脱時に前記成分(k1,k2)を各貯蔵タンク(1a,1b)内に返送するようになっていて、もう1つには、実際質量流量と各目標質量流量との合致時に前記成分(k1,k2)を第1の管路(9a)内にその第1の端部(24a)において供給するようになっており、第1の管路(9a)が、二酸化炭素を供給するための第2の管路(9b)に接続されていて、第2の端部(24b)において充填タンク(1c)に接続されており、第1の管路(9a)が、二酸化炭素と混合された液体製品(P)を充填タンク(1c)内に供給するようになっており、該充填タンク(1c)から断続的に液体製品(P)の量が、充填管路(22)を介して取り出されるようになっている設備において、貯蔵タンク(1a,1b)と充填タンク(1c)とが、圧力タンクとして形成されていて、貯蔵タンク(1a,1b)と充填タンク(1c)との間で圧力補償を行うための少なくとも1つの圧力補償管路(1)によって互いに接続されていて、該圧力補償管路(1)と共に圧力補償システムを形成していることを特徴とする、液体製品を連続的に製造するための設備。
【請求項2】
所定の量の液体製品(P)を充填タンク(1c)から導出するための流出管路(9d)が、第1の管路(9a)の第1の端部(24a)を充填タンク(1c)、特に充填タンク(1c)の底範囲に接続しており、第1の管路(9a)と流出管路(9d)とが、液体製品(P)の循環回路(8)を形成している、請求項1記載の設備。
【請求項3】
第2の管路(9b)に二酸化炭素リザーバ(1d)が接続されており、第2の管路(9b)が、第3の流量計(4c)と、第1の管路(9a)内に供給される二酸化炭素通流量を制御するための第3の調整弁(5c)とを有している、請求項1または2記載の設備。
【請求項4】
循環回路(8)に第3の圧送装置(17)が配置されており、該第3の圧送装置(17)が、循環回路(8)に位置する液体製品(P)を混合エレメント(16)、特に静的な混合エレメントに案内し、更には、圧送方向(F)で見て混合エレメント(16)の後方に配置された第1の切換弁(10)の開放位置において充填タンク(1c)に案内するようになっている、請求項2または3記載の設備。
【請求項5】
循環回路(8)に、第1の管路(9a)に接続された、特に第3の圧送装置(17)と混合エレメント(16)との間に接続された、液体製品(P)を冷却するための冷却エレメント(15)が設けられている、請求項4記載の設備。
【請求項6】
第2の管路(9b)が、第3の圧送装置(17)と冷却エレメント(15)との間で第1の管路(9a)に接続されている、請求項5記載の設備。
【請求項7】
二酸化炭素リザーバ(1d)が、圧力補償システムに、第3の切換弁(20)を備えた第4の管路(9e)によって接続されており、該第4の管路(9e)が、第3の切換弁(20)の開放状態で二酸化炭素を圧力補償システムに案内するように形成されている、請求項3記載の設備。
【請求項8】
圧力補償システムにガスタンク(18)が、第2の切換弁(19)を備えた第3の管路(9c)によって接続されており、該第3の管路(9c)が、第2の切換弁(19)の開放状態で、ガスタンク(18)内に位置するガスを圧力補償システムに案内するように形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の設備。
【請求項9】
充填タンク(1c)が、その内部における減圧のための第4の切換弁(12)、特に正圧弁を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の設備。
【請求項10】
充填タンク(1c)が、液体製品(P)の密度および/または温度および/または二酸化炭素含量を測定するためのコントロール回路(11)を有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の設備。
【請求項11】
充填タンク(1c)および/または第1の貯蔵タンク(1a)および/または第2の貯蔵タンク(1b)が、液面レベル測定機器(21)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の設備。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載の設備(30)を使用して、少なくとも二種類の成分(k1,k2)と二酸化炭素とから成る液体製品(P)を連続的に製造するための方法において、設備(30)の運転中に、貯蔵タンク(1a,1b)と充填タンク(1c)との間の連続的な圧力補償を圧力補償管路(1)によって行うことを特徴とする、液体製品を連続的に製造するための方法。
【請求項13】
液体製品(P)が、二酸化炭素目標値を維持するように、第3の調整弁(5c)によって、循環回路(8)への二酸化炭素の通流量を調整する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
貯蔵タンク(1a,1b)内の液面レベルと充填タンク(1c)内の液面レベルとをほぼコンスタントに保つ、請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
圧力補償システム内のガス圧を第3の切換弁(20)の開放によって増加させる、請求項12から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
循環回路(8)での液体製品(P)の循環を第3の圧送装置(17)によってコンスタントに保つ、請求項12から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
液体製品(P)を冷却エレメント(15)によって目標温度に保つ、請求項12から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
液体製品(P)を混合エレメント(16)によって十分に混合する、請求項12から17までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2012−530595(P2012−530595A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516459(P2012−516459)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/CH2009/000217
【国際公開番号】WO2010/148521
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(511314142)ミテコ アクチエンゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】Miteco AG
【住所又は居所原語表記】Frikartstrasse 5, CH−4800 Zofingen, Switzerland
【出願人】(511314153)
【氏名又は名称原語表記】Angelo Cadeo
【住所又は居所原語表記】Hottigergasse 20, CH−4665 Oftringen, Switzerland
【Fターム(参考)】