説明

液体状態検知方法及び分析装置

【課題】安定的に液体が所定量以上存在することを判断する。
【解決手段】本方法は、液体を保持するための円柱状の容器の長軸と、光源と受光部とを結ぶ光軸とが交差するように、容器と光源及び受光部との相対位置を変化させるステップと、相対位置を変化させる間に受光部から得られ且つ受光強度に応じた信号と予め定められた閾値との比較結果の出現パターンが、液体が不足している場合の第1パターンと液体が充足している第2パターンとのいずれに相当するか判断する判断ステップとを含む。このように、単に閾値を超えているか否かだけではなく、上記出現パターンが、第1パターンと第2パターンのいずれに相当するかを判断することによって、安定的に液体が容器内において所定量以上存在するか判断することができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に保持されている液体の状態を検知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液体(例えば尿、血液、血清、糞便懸濁液等の生体由来試料)が容器内部に所定量以上含まれているかどうかを光学的に検出する方法として、所定の高さの位置で液体の有無を検知し、その検知結果によって所定量以上の液体が容器に含まれているかどうかを判定するという検出方法がある。
【0003】
具体的には、図1において、所望する液体の量によって適宜決定される、容器の底面からの高さAの平面上において液体の有無を検知し、その高さにおける液体の有無によって所望量以上の液体が容器に含まれているかどうかを判定する方法等である。但し、容器の形状は全て同じとする。図1(1)のような場合には、容器も存在していないので、液体も存在しないと判断され、図1(2)のような場合には、高さAの平面において「液体あり」と検知されるので、所望量の液体が容器に含まれると判定される。また、図1(3)のような場合には、高さAの平面において「液体なし」と検知されるので、所望量以上の液体は存在しないと判断される。
【0004】
なお、実際に「液体あり」「液体なし」という判定は、以下のようにして行われる。図2に、図1を上側から見た場合の図を示す。図2では、高さAの平面において、光源と受光部との間に容器を配置した場面を示している。具体的には、円柱状の容器の中心を通る軸(以下、長軸と呼ぶ)と、光源と受光部とを結ぶ光軸とが直交するように、光源と受光部とを配置する。そして、受光部によって、光源から発せられた光の透過光量の測定を行い、透過光量が、予め定められた閾値以上の場合には「液体あり」と判定し、閾値より少ない場合には「液体なし」と判定する。
【0005】
図2(a)に示すように、容器自体が無い場合、透過光量は変化しない。一方、図2(b)に示すように「液体あり」の容器が光源と受光部との間を通過する場合と、図2(c)に示すように「液体なし」の容器が光源と受光部との間を通過する場合とでは、光源から発せられる光の透過光量は大きく異なる。すなわち、「液体あり」の場合には、容器内に保持されている液体によるレンズ効果により、光源から照射される光が集光されるので、容器の長軸と光軸とがちょうど交差する際に透過光量が増大する。一方、「液体なし」の場合には、容器内に保持されている液体によるレンズ効果はなく、容器に遮られるため透過光量は減少する。
【0006】
受光部が出力する、透過光量に応じた電圧の変化の一例を図3に示す。図3においては、縦軸は出力電圧を表し、横軸は位置を表す。但し、横軸が表す位置は、図2に示したような容器の配列がなされた場合において、横方向の位置を表す。図3においては、閾値は一点鎖線で表されており、図2(a)のように容器が存在しない場合には、出力電圧は、容器がない時のレベルから変化せず、図2(b)のように「液体あり」の容器が存在する場合には、液体のレンズ効果によって集光されて閾値を超える出力電圧が検出され、「液体あり」と判定される。また、図2(c)のように「液体なし」の容器の場合には、容器によって光が遮られ、透過光量が減少して、容器がない時のレベルより上がることはない。従って、閾値を適切に設定すれば、「液体あり」の容器の場合にのみ、閾値を超えるような出力電圧を検出して、「液体あり」と正しく判定することができるというものである。
【0007】
なお、特開平8−14989号公報には、可動部がなく、しかも簡単な構成で、液体や容器の汚れ等に影響されないで容器内の液体の水位を検知できる非接触型水位検知装置が開示されている。具体的には、発光素子が出力した光は、液体の液位が低い間は直進して透光性を有する容器を透過して、受光素子に受光される。液体の液位が基準値以上に達すると、容器の壁面が発光素子・受光素子を結ぶ直線に対して角度θを有しているため、発光素子が出力した光は液面との境界で全反射して受光素子に達しなくなるので、これを利用して液体の水位を検知するのである。容器の壁面の角度θを利用して反射させる点が異なるが、上で述べたような従来技術と基本的な考え方は似ている。
【特許文献1】特開平8−14989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、容器内の液体が濁り・着色を有する場合と、有さない場合とでは、その透過光量が変わるという、今まで認識されていなかった問題に直面した。従って、濁り・着色を有さない場合に合わせて閾値を設定して、濁り・着色が強い液体について判定を行うと、濁り・着色の影響により透過光量が少なくなってしまい、液体が所望量存在しているにもかかわらず、「液体なし」と判定されてしまうという現象が生じる。また、この誤判定は、容器自体が汚れていたり、傷があったりする場合にも生じてしまうことが判明した。このように液体の濁り・着色、容器の傷・汚れに全てに対応するような閾値を設定することは不可能で、他の手法をもって判定する必要がある。また、液体の分析において、十分な量の液体が存在するか否かだけではなく、当該液体が正常な状態であるか否かを判断しておくことも重要である。
【0009】
そこで本発明の目的は、液体に濁り・着色又は液体を保持する容器に傷・汚れが存在する場合においても、安定的に液体が所定量以上存在することを判断するための技術を提供することである。
【0010】
また本発明の他の目的は、液体の状態を検知するための新規な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様に係る液体状態検知方法は、液体を保持するための円柱状の容器の長軸と、光源と受光部とを結ぶ光軸とが交差するように、容器と光源及び受光部との相対位置を変化させるステップと、相対位置を変化させる間に受光部から得られ且つ受光強度に応じた信号と予め定められた閾値との比較結果の出現パターンが、液体が不足している場合の第1パターンと液体が充足している第2パターンとのいずれに相当するか判断する判断ステップとを含む。
【0012】
このように、単に閾値を超えているか否かだけではなく、上記出現パターンが、第1パターンと第2パターンのいずれに相当するかを判断することによって、安定的に液体が容器内において所定量以上存在するか判断することができるようになる。
【0013】
また、上で述べた判断ステップが、出現パターンが、第1パターン及び第2パターン以外の第3パターンに相当するか判断するステップを含むようにしても良い。
【0014】
このようにすれば、液体が不足する場合、正常な液体が充足している場合、それら以外の濁りなどが生じている液体が充足している場合といった容器内における液体の状態を検知することができるようになる。
【0015】
なお、上記第1パターンが、液体が不足している容器についてのパターンであり、より具体的には、例えば、判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出されないパターン、及び判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、容器前縁位置から所定長以上連続して信号値が閾値未満とならないパターンを含むようにしてもよい。円柱状の容器であれば、液体が容器内に所定量以上存在しない場合には、液体によるレンズ効果がないため、上記第1パターンが検出される。
【0016】
また、上記第2パターンが、判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以となるパターンを含むようにしてもよい。
【0017】
さらに、上記第2パターンが、正常な液体が充足している容器についてのパターンであり、より具体的には、判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となり、ピーク前縁からピーク後縁検出限界までにピーク後縁が検出され、ピーク後縁から第3の所定長以上連続して信号値が閾値未満となるパターンを含むようにしてもよい。円柱状の容器であれば、液体が容器内に所定量以上存在する場合には、液体によるレンズ効果があるため、上で述べたようなパターンが検出される。また、このように後縁についても判断する方が好ましい。
【0018】
また、上記第3パターンが、判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出されないパターンと、判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上とならないパターンとを含むようにしてもよい。
【0019】
さらに、第3パターンが、所定基準以上の濁り又は着色を含む液体が充足している容器についてのパターンであり、(A)判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出されないパターンと、(B)判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上とならないパターンと、(C)判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となり、ピーク前縁からピーク後縁検出限界までにピーク後縁が検出されないパターンと、(D)判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となり、ピーク前縁からピーク後縁検出限界までにピーク後縁が検出され、ピーク後縁から第3の所定長以上連続して信号値が閾値未満とならないパターンとを含むようにしても良い。このような液体についてのデータを保持しておけば、具体的な分析を実施するか否かを判断したり、分析の結果を正しく解釈できるようになる。また、このように後縁についても判断する方が好ましい。
【0020】
また、上で述べた判断ステップが、予め定められた第1の範囲内において、上記信号において閾値未満となる第1連続部分が開始しているか判断するステップと、第1連続部分が第1の所定長以上であるか判断するステップと、第1連続部分が第1の所定長以上である場合、予め定められた第2の範囲内において、上記信号において閾値以上となる第2連続部分が開始しているか判断するステップと、第2連続部分が第2の所定長以上であるか判断するステップとを含むようにしてもよい。このような処理によって、例えば容器などを移動させる際の揺れ、容器の歪みその他によって生ずる信号の揺らぎに適切に対応して、正しいパターンを特定できるようになる。
【0021】
また、上で述べた第2の範囲が、第1連続部分の開始位置によって決定されるようにしてもよい。信号波形のずれを適切に処理することができるようになる。
【0022】
さらに、本発明の第1の態様においては、上記判断ステップが、予め定められた第1の範囲内において、上記信号において閾値未満となる第1連続部分が開始しているか判断するステップと、第1連続部分が第1の所定長以上であるか判断するステップと、第1連続部分が第1の所定長以上である場合、予め定められた第2の範囲内において、上記信号において閾値以上となる第2連続部分が開始しているか判断するステップと、第2連続部分が第2の所定長以上であるか判断するステップと、第2連続部分が第2の所定長以上である場合、予め定められた第3の範囲内において、上記信号において閾値未満となる第3連続部分が開始しているか判断するステップと、第3連続部分が第3の所定長以上であるか判断するステップとをさらに含むようにしてもよい。このようにすれば、第2パターンを正しく検知できるようになる。
【0023】
本発明の第2の態様に係る分析装置は、光源と受光部とを含むセンサと、液体を保持するための円柱状の部分を有する容器を搬送する搬送部と、情報処理部とを有する。そして、当該情報処理部は、容器の円柱状の部分と、光源と受光部とを結ぶ光軸とが交差するように、搬送部を移動させ、搬送部を移動させる間に受光部から得られ且つ受光強度に応じた信号と予め定められた閾値との比較結果の出現パターンが、液体が不足している場合の第1パターンと液体が充足している第2パターンとのいずれに相当するか判断するものである。情報処理部は、本発明の第1の実施の形態に係る処理を実施する。
【0024】
本発明にかかる方法をコンピュータに実行させるためのプログラム又は上記コンピュータ・システムを実現するためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークを介してディジタル信号にて頒布される場合もある。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、液体に濁り・着色又は液体を保持する容器に傷・汚れが存在する場合においても、安定的に液体が所定量以上存在することを判断することができる。
【0026】
また本発明の他の側面によれば、液体の状態を適切に検知することができる。特に、液体が不足している状態と異常な(所定基準以上の濁り又は着色を含む)液体が充足している状態とを適切に検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態として、容器が採便容器である例を説明する。但し、容器は採便容器に限定されるものではない。
【0028】
図4に、本発明の一実施の形態に係る自動分析機の斜視図を示す。なお、本実施の形態に係る構造を示すため、通常は付されているカバーをはずした状態を示している。本実施の形態に係る自動分析機100は、様々な機能を有しているが本実施の形態に関連する部分としては、穿刺部1、穿刺部1の支柱2、吸引ノズル3、採便容器の固定部4、固定部4の支柱5、採便容器の搬送部6、反応部7、反応部7内に設けられた、吸引ノズル3による吸引サンプル(便懸濁液を濾過したもの。)の分析を行うための分析容器への注入孔8、ノズル洗浄部9、搬送部6が移動するレール10と、自動分析機100の制御を行う情報処理部11、プリンタ12、表示部13、採便容器に付されたバーコードを読み取るバーコードリーダ14、試薬保冷部16、試薬保冷部16に保持されている試薬を分析容器に注入する試薬分注部15、分析容器に注入されたサンプルに対する計測を行う測光部17、分析容器を洗浄する洗浄部18、採便容器内に保持されている便懸濁液の状態を検知するために用いられる受光部21及び光源20(以下、受光部21及び光源20の組み合わせをセンサと呼ぶ場合もある。)、受光部21及び光源20をカバーするアーチ22などを有する。なお、光源20は、光学的に安定した測定を行うために設けられたアーチ22の裏側に設置されているため、図4の角度では見えない。
【0029】
ここで図4に示した自動分析機100の動作の概要を述べておく。タッチパネル式の表示部13に対するユーザの指示に応じて情報処理部11は、以下の動作を実施するように各部を制御する。すなわち、1又は複数の採便容器を載せた搬送部6は、レール10に沿って移動する。但し、最初は、バーコードリーダ14が、採便容器に付されているバーコードを順番に読み取り、情報処理部11に出力する。また、以下で述べるように、各採便容器内に保持されている便懸濁液の状態を検知するため、採便容器を載せた搬送部6の移動中に、光源20から光を照射し、受光部21で受光して、受光強度に応じた信号を生成し、例えばA/D変換した結果又は予め定められた閾値との比較結果を記録する。情報処理部11は、バーコードリーダ14からのバーコード・データを保持しておき、さらに受光部21の出力等の記録結果を処理した結果及び後に実施する分析処理の結果と結び付ける。一旦、全ての採便容器をバーコードリーダ14及び受光部21で走査した後、搬送部6は元の位置に戻り、再度固定部4の方向に移動する。
【0030】
搬送部6が固定部4の下に今回の分析対象となる採便容器を移動させると、固定部4の支柱5を下に下ろし、採便容器の上部を固定する。次に、穿刺部1の支柱2を吸引ノズル3の先端が採便容器の上端の中心に位置するように回転させ、さらに支柱2を下ろして穿孔動作、吸引動作等を行う。吸引後は、支柱2を引き上げ、さらに吸引ノズル3の先端が注入孔8の中心に位置するように回転させる。なお、反応部7では、今回の吸引サンプルについて分析を行うための分析容器を注入孔8の位置に回転させる。その後、吸引ノズル3で吸引されたサンプルは、所定量の第一試薬とともに、注入孔8を介して反応部7の分析容器に注入される。(このステップにより、吸引ノズル内部の洗浄は実質的に行われたとして後の内部洗浄ステップは省略することも可能である。)
【0031】
所定量の第一試薬とともに、サンプルが注入された分析容器には、試薬分注部15により試薬保冷部16に保持されている試薬が注入され、測光部17により計測が行われ、当該計測結果が情報処理部11に出力される。情報処理部11は、計測結果によって分析処理を行い、分析結果を上で読み取ったバーコード・データ等と結び付け、記憶装置に格納し、表示部13に表示する。ユーザの指示があれば、プリンタ12から分析結果を印刷出力する。また、適切なタイミングで、洗浄部18は、反応部7の使用済み分析容器を洗浄する。
【0032】
次に、図5を用いて本実施の形態において用いられる採便容器及び搬送部6について説明する。図5は、採便容器が搬送部6に設置された状態における側断面図(一部)を示す。採便容器30は、搬送部6の容器固定部6a及び6bの間に配置され、移動中に可能な限り揺れないように保持される。同様に、採便容器40は、容器固定部6b及び6cの間に配置され保持される。採便容器50は、容器固定部6c及び6dの間に配置され保持される。ここでは3つの採便容器を示しているが、搬送部6に設置可能な採便容器の数は3に限定されない。これより多い場合もあれば、少ない場合もある。また、設置可能数より少ない数の採便容器が設置される場合もある。本実施の形態では、採便容器の容器本体31の直径は7.5mmであるため、搬送部6において採便容器の設置間隔Lは15mmとなっているが、容器本体の直径などに応じて設置間隔Lは変更可能である。
【0033】
採便容器30の容器本体31内には、便懸濁液33を濾過する可動式濾過材32(例えばスポンジ、グラスウール等)が、例えばストッパ35にて上端内部に保持されている。容器本体31の上端部は、穿刺可能なように薄肉膜状に形成されているか、または、適当なシールフィルム(例えばアルミ箔、合成樹脂膜等)で被覆されている。また、容器本体31の下部には、中央が空洞になっており、採便棒34で採取した糞便を一定量採取するための余剰糞便摺り切りのために最上部が狭くなっている摺り切り部36が設けられている。さらに、採便棒ハンドル部37がねじで容器本体31に固定されるようになっている。採便棒ハンドル部37には、細長い採便棒34が形成されており、この採便棒34にはブラシ34aが付されている。このブラシ34aによって糞便をこすって採取するようになっている。なお、採便棒ハンドル部37の下部は、搬送部6の容器固定部に適合するように矩形になっている。また、容器本体31の内部には、可動式濾過材32の上部の空間32aと、可動式濾過材32の下部の空間32bとが存在する。
【0034】
なお、採便時に、検査を受ける者が内容液をこぼす場合もあるため、図5に示すように、採便容器内の便懸濁液の液位は、ばらばらである。例えば、図5においては、点線Bが最低限必要な液位を示している。この場合、採便容器50では、便懸濁液が不足していることになる。便懸濁液の液面が所定の位置にあるか否かを意味する本ケースでの場合、光源と受光部とを結ぶ線が当該所定の液位ということになる。光源と受光部を結ぶ線の高さ以上の液位の場合には充足となり、光源と受光部を結ぶ線の高さ未満の液位の場合には不足となる。
【0035】
なお、採便容器30の容器本体31は、ほぼ円柱状であり、その円の中心を通り且つ平面Bに垂直な面に直行する長軸Cは、以下で述べるように光源20と受光部21とを結ぶ光軸と直交するように移動する。
【0036】
次に、分析装置100において、本実施の形態に係る液体状態検知に係る部分の機能ブロック図を図6に示す。光源20は、LED、ハロゲンランプ、レーザ等の通常この分野で用いられる光源が好ましく挙げられ、光源20から照射される光の波長も必要に応じて適宜決定すれば良い。また、光源20から照射される光の光幅及び受光部21の受光面の幅は特に限定されないが、液体を保持する円柱状の容器の幅に比べて狭いものが好ましい。さらに、光源20から照射される光の光幅が長くても、受光部21の受光面の幅が短ければ良く、受光部21の受光面の幅が長くても、光源20から照射される光の光幅が短ければ良い。すなわち、光源20から照射される光の光幅は、受光部21の受光面の幅と容器の幅により適宜決定され、受光部21の受光面の幅は、光源20から照射される光の光幅と容器の幅により適宜決定される。なお、光源20は、図示していないが情報処理部11の指示に従って点灯する。光源20と受光部21とは、同じ高さで一直線上に配置される。
【0037】
図6では、搬送部6及び採便容器30乃至50を上から見た場面を示しており、光源20と受光部21と結ぶ光軸Dは、搬送部6の移動方向Eと直交し、さらに図示されていない採便容器30の容器本体31における長軸とも直交するように交差する。
【0038】
受光部21は、搬送部6が移動中に、採便容器が存在していない部分については光源20が発する光線の強度に応じた信号(電圧)を出力し、採便容器が存在している部分については採便容器の透過光に応じた信号(電圧)を出力する。受光部21が出力した信号は、アナログ/ディジタル(A/D)変換器61に入力される。A/D変換器61は、アナログ信号を例えば0.1mm間隔に相当する時間間隔でディジタル信号(電圧値)に変換し、当該ディジタル信号(電圧値)を測定データ記録部62に出力する。測定データ記録部62は、A/D変換器61の出力を順番に測定データ格納部63に格納する。すなわち、測定データ格納部63は、0.1mm毎の電圧値の系列を格納することになる。情報処理部11は、測定データ格納部63に格納されている電圧値の系列を用いて、以下で述べる処理を実施する。一方、バーコードリーダ14は、採便容器に付されているバーコードを読み取り、当該バーコード値を情報処理部11に出力する。情報処理部11は、プログラム及び当該プログラムを実行するプロセッサで構成され、測定データ格納部63に格納されたデータを用いて行った処理結果と、バーコード値とを対応付けて処理結果格納部65に格納する。この対応付けは、読み取り及び測定の順番で行う。また、処理結果格納部65には、分析結果についてもバーコード値に対応して格納される。
【0039】
なお、図6の機能ブロック図は一例であって、例えばA/D変換器61の代わりに、閾値電圧と受光部21の出力電圧とを比較するコンパレータを設けて、当該コンパレータに受光部21の出力電圧が閾値電圧以上であるか閾値未満であるかを出力させ、測定データ記録部62が、0.1mm間隔に相当する時間間隔で例えば閾値電圧以上であれば「1」を測定データ格納部63に格納し、閾値電圧未満であれば「0」を測定データ格納部63に格納するようにしてもよい。
【0040】
次に、図6に示した機能ブロック図の処理フローを説明するが、その前に図7を用いて円柱状の採便容器30乃至50の光学的な特徴を説明しておく。図7(b)は、採便容器30の容器本体31を上面から見た図であり、矢印は光源20から発せられる光線を表す。この場合、下から上に光線が発せられている例を示している。図7(a)は、図7(b)と同様の位置関係を保つようにして示された信号波形を表す。図示していないが、採便容器30が存在しない場合には、図3(a)に示したように信号波形は、領域A乃至Eに渡ってフラットのままである。一方、容器本体31内に便懸濁液が十分な量入っていない場合には、点線aに示すような信号波形が得られる。すなわち、図7(b)に点線矢印で示すように、採便容器30の容器本体31によって、反射、散乱、吸収などによって光源20からの光線が妨げられる。従って、受光部21では減光してしまい、点線aで表されるように、容器本体31にかかっていない領域A及び領域Eの出力電圧に比して、領域B乃至Dでは多少出力電圧は下がる。
【0041】
また、容器本体31内に便懸濁液が十分な量入っており且つ着色・濁りの少ないものであれば、容器本体31の左右の縁部分(領域B及びD)では内部の便懸濁液による屈折等により受光部21に届く光が大きく減少するが、図7(b)のFに示すように容器本体31の中央(領域C)では光線が屈折により集中して、受光部21に届く光が大きく増加する。従って、図7(a)の実線bに示されるような信号波形が得られる。なお、便懸濁液の透明度が下がり、濁度が上がれば、領域Cにおいて受光部21に届く光の量は下がり、図7(a)の実線c、実線dそして実線eのようにピークが下がる。
【0042】
このように、容器本体31に便懸濁液が存在している場合には、実線b乃至eに示すように、領域B及びDにおいて受光部21の出力電圧が大幅に下がるので、この部分を検出すればよい。また、正常な(濁り又は着色が所定基準未満である)便懸濁液の場合に領域Cで得られる、受光部21の出力電圧はある程度(ある一定値以上)のピークを表すので、領域B及びDにおける出力電圧の低下度合いとの関係で、適切に閾値を設定する。図7(a)の例では、実線b乃至dについては正常とされる便懸濁液の出力電圧を表しており、領域Cで閾値を超えており、領域B及びDでは閾値以下になっている。一方、透明度が低い又は濁度が高く異常な(濁り又は着色が所定基準以上である)便懸濁液の場合には、実線eで示すように、領域B及びDでは、閾値以下になるが、領域Cでは閾値を超えない。
【0043】
なお、図7(a)で示したような領域は、固定的に設定できるものではない。これは、採便容器30の容器本体31の断面は図7(b)に示したような完全な円ではなく、容器本体31の長軸も光軸に対して直行しない場合もある。また搬送部6によって搬送される際に揺れを生ずる場合もある。従って、図7(a)に示すような完全に左右対称な信号波形は得られない。また左右のずれも生ずる。
【0044】
以下に図8乃至図17を用いて説明する処理フローは、このような採便容器30の光学的な特徴を適切に処理すべく決定された処理フローである。
【0045】
まず、情報処理部11は、例えば利用者からの分析指示に応じて、分析対象の採便容器を保持した状態の搬送部6をレール10に沿ってセンサ方向に移動させる(ステップS1)。情報処理部11は、センサの光源20に発光させ、センサの受光部21には受光を始めさせる。そして、受光部21は、受光強度に応じたアナログの電圧信号をA/D変換器61に出力する。A/D変換器61は、アナログ信号を所定間隔(距離にして0.1mm間隔に相当する時間間隔)でディジタル信号に変換し、測定データ記録部62に出力する。
【0046】
測定データ記録部62は、A/D変換器61からの出力を測定データ格納部63に格納する(ステップS3)。測定データ格納部63に格納されるデータは、例えば0.1mm毎の受光強度に応じた電圧値である。なお、上でも述べたが、A/D変換器61の代わりにコンパレータを用いる場合には、例えば0.1mm毎に閾値以上を表す「1」(「ON」)又は閾値未満を表す「0」(「OFF」)を格納する。
【0047】
本実施の形態では、一旦搬送部6に設置し得る採便容器の範囲の測定を全て行ってしまい、全ての測定データ(又は判定結果データ)を測定データ格納部63に格納してから、以下の処理を実施する。
【0048】
搬送部6に保持し得る採便容器の範囲の測定が終了すると、情報処理部11は、測定データ格納部63に格納されているデータを読み出し、処理の起点に対応する測定データを特定する(ステップS7)。図5でも示したように、基本的には15mm間隔で採便容器は搬送部6に保持されているが、例えばセンサによる測定開始からどの程度経つと処理の起点についてのデータが出現するかという時間のデータ等を保持しておき、特定する。なお、処理の起点は多少前後しても以下の処理で吸収されるので、厳密でなくとも良い。
【0049】
図9に、採便容器の配置間隔である15mmの範囲における位置関係を示す図である。ステップS7では、「0」の位置に対応する測定データを特定する。なお、図9では、縦軸が説明を簡単にするためON(「1」)又OFF(「0」)を表しており、横軸が位置を示している。
【0050】
そして、状態検知処理を実施する(ステップS9)。この状態検知処理については、図10乃至図17を用いて説明する。最初に、情報処理部11は、判定開始位置P0(=2.5mm)、容器前縁検出限界P6(=8.5mm)、ピーク後縁検出限界P8(=12.5mm)、判定終了位置P9(=13.5mm)にそれぞれ初期値を設定する(ステップS21)。これらの値は皆起点からの距離である。判定開始位置P0及び判定終了位置P9については、それより前又はそれより後の処理は不要であるために設定されている。容器前縁検出限界P6及びピーク後縁検出限界P8については、異常を検出するための限界を示している。これらは、図9に示されたそれぞれの位置に対応する。また、現在位置Pを判定開始位置P0にセットする(ステップS23)。
【0051】
その後、情報処理部11は、測定データ格納部63に格納された位置Pの測定データ及び予め設定されている閾値に基づき、位置Pでの受光強度に応じた電圧値は閾値以上であるか判断する(ステップS25)。既に判定済みである場合には、判定結果が「1」であるか否かを判断する。閾値以上であると判断された場合には(ステップS25:Yesルート)、現在位置PをP+0.1mmに変更し(ステップS27)、現在位置Pが容器前縁検出限界P6より大きくなったか判断する(ステップS29)。すなわち、現在位置Pが容器前縁検出限界P6を超えても電圧値が閾値未満とならない、より具体的には便懸濁液が入っている採便容器の前縁に特徴的なパターンとなっていないかを判断する。現在位置Pが容器前縁検出限界P6以下であればステップS25に戻る。一方、現在位置Pが容器前縁検出限界P6を超える場合には、「液なし」を処理結果格納部65に、読み取ったバーコード値に対応して登録する(ステップS31)。そして元の処理に戻る。なお、容器なしの場合も、ステップS31に移行するが、容器なしであればバーコード値が登録されていないので、容器なしと液なしは区別できる。
【0052】
液なしの場合、例えば図11に示すような波形が測定される。図11において、縦軸は電圧値を表し、横軸は位置を表す。電圧は多少上下しているが、閾値のラインを下回ることはない。このような場合には、ステップS31に移行して元の処理に戻る。
【0053】
一方、位置Pでの電圧値が閾値未満になると(ステップS25:Noルート)、情報処理部11は、容器前縁P1に現在位置Pを設定し(ステップS33)、容器前縁カウンタN1を0に初期化する(ステップS35)。図7(a)で示したように領域Bでは、ある程度連続して閾値未満の状態が保持されるのが、便懸濁液が入っている採便容器の容器本体31の光学的特性であるため、この容器前縁カウンタN1で連続性を確認するものである。容器前縁P1は、例えば図9に示すような位置である。そして、現在位置PをP+0.1mmに変更する(ステップS37)。
【0054】
そして、情報処理部11は、位置Pの測定データ及び予め設定されている閾値に基づき、位置Pでの受光強度に応じた電圧値が閾値以上であるか判断する(ステップS39)。既に判定済みである場合には、判定結果が「1」であるか否かを判断する。電圧値が閾値以上であると判断された場合には(ステップS39:Yesルート)、容器前縁カウンタN1が予め定められた値になる前に再度電圧値が閾値以上となってしまったことを表している。すなわち、電圧値の下がり方が足りず、まだ容器前縁を検知したとは言えない。従って、ステップS25に戻る。ステップS25に戻るので、最終的に「液なし」と判断される場合もある。また、ステップS25に戻った後、再度電圧値が閾値未満となる場合もあり、その場合には容器前縁P1は更新される。
【0055】
一方、電圧値が閾値未満である場合には(ステップS39:Noルート)、情報処理部11は、容器前縁カウンタN1を1インクリメントし(ステップS41)、さらに容器前縁カウンタN1がX1(例えば9)になったか判断する(ステップS43)。すなわち、例えば10回連続して閾値未満であったかどうかが判断される。10回というのは一例であって、他の値であっても良い。いずれにせよ十分な期間閾値未満であることを確認する。10回連続というのは、0.1mm間隔で判断を行っているので、1.0mmに相当する。容器前縁カウンタN1がX1になっていない場合には、ステップS37に戻る。また、容器前縁カウンタN1がX1になった場合には、端子Aを介して図12の処理に移行する。
【0056】
図12の説明に移行して、情報処理部11は、容器前縁確認位置P2に現在位置Pを設定する(ステップS45)。容器前縁確認位置P2は、例えば図9に示すような位置である。これによって、図7(a)における領域Bの電圧値の落ち込み、すなわち採便容器の縁部における光線の屈折等による受光強度の落ち込みが、便懸濁液が入っている容器の場合と同様であることが確認される。
【0057】
そして、情報処理部11は、ピーク前縁検出限界P7を容器前縁P1+6.5mmに設定する(ステップS47)。6.5mmは経験的に設定されているものであって、このように容器前縁P1に依存させるようにすることによって、多少信号波形が前後しても対処できる。なお、ピーク前縁検出限界P7は、例えば図9に示すような位置である。そして、現在位置PをP+0.1mmに変更する(ステップS49)。
【0058】
さらに、情報処理部11は、位置Pの測定データ及び予め設定されている閾値に基づき、位置Pでの受光強度に応じた電圧値が閾値以上であるか判断する(ステップS51)。既に判定済みである場合には、判定結果が「1」であるか否かを判断する。本ステップは、図7(a)で示した領域Cのピークの前縁を検知するために行っている。電圧値が閾値未満であれば(ステップS51:Noルート)、現在位置をP+0.1mmに変更する(ステップS53)。そして、現在位置PがステップS47で設定されたピーク前縁検出限界P7を超えたか判断する(ステップS55)。現在位置Pがピーク前縁検出限界P7を超えていないと判断された場合にはステップS51に戻る。一方、現在位置Pがピーク前縁検出限界P7を超えてしまった場合には、正常な便懸濁液ではないので「混濁1」と判断して、当該採便容器のバーコード値に対応して処理結果格納部65に格納する(ステップS57)。
【0059】
例えば図13に示すような波形が測定されると、「混濁1」と判断される。図13において、縦軸は電圧値を表し、横軸は位置を表す。一旦、電圧値は、閾値未満になった後、上昇はしているが、閾値を上回るのは最後の部分のみである。このような場合には、ステップS57に移行して元の処理に戻る。
【0060】
一方、電圧値が閾値以上であると判断した場合には(ステップS51:Yesルート)、情報処理部11は、ピーク前縁P3に現在位置Pを設定し(ステップS59)、ピークカウンタN2を0に初期化する(ステップS61)。ピーク前縁P3は、例えば図9に示すような位置である。これによって、採便容器の容器本体31によるレンズ効果の存在の可能性を検知できたことになる。但し、まだ可能性に過ぎない。さらに、現在位置PをP+0.1mmに変更する(ステップS63)。
【0061】
そして、情報処理部11は、位置Pの測定データ及び予め設定されている閾値に基づき、位置Pでの受光強度に応じた電圧値が閾値以上であるか判断する(ステップS65)。既に判定済みである場合には、判定結果が「1」であるか否かを判断する。ここでは、予め定められた長さのピークが存在するかを判断するものである。そのため、電圧値が閾値未満であると判断されると(ステップS65:Noルート)、十分な長さのピークが検知できなかったということで、「混濁2」と判断して、当該採便容器のバーコード値に対応して処理結果格納部65に格納する(ステップS67)。
【0062】
例えば図14に示すような波形が測定されると、「混濁2」と判断される。図14において縦軸は電圧値を表し、横軸は位置を表す。一旦、電圧値は、閾値未満になった後、上昇はしているが、閾値を上回るのは、部分Hのみであり、上昇が不足している。このような場合には、ステップS67に移行して元の処理に戻る。
【0063】
一方、電圧値が閾値以上であると判断されると(ステップS65:Yesルート)、情報処理部11は、ピークカウンタN2を1インクリメントし(ステップS69)、ピークカウンタN2がX2(例えば1)になったか判断する(ステップS71)。すなわち、例えば2回連続(0.2mm連続)して電圧値が閾値を超えたかを判断している。なお、2回というのは経験的に決定されるものであって、他の値であっても良い。また、2回連続でよければ、ステップS71は不要である。N2がX2でなければステップS63に戻る。一方、N2がX2であれば、ピークが検知されたことになる。そして、端子Bを介して図15の処理に移行する。
【0064】
そして、再度、情報処理部11は、位置Pの測定データ及び予め設定されている閾値に基づき、位置Pでの受光強度に応じた電圧値が閾値以上であるか判断する(ステップS73)。既に判定済みである場合には、判定結果が「1」であるか否かを判断する。ピークの後縁を検知するための処理である。もし、電圧値が閾値以上であると判断されると(ステップS73:Yesルート)、現在位置PをP+0.1mmに変更する(ステップS75)。そして、現在位置Pがピーク後端検出限界P8を超えたか判断する(ステップS77)。現在位置Pがピーク後端検出限界P8を超えていない場合にはステップS73に戻る。一方、現在位置Pがピーク後端検出限界P8を超えている場合には、ピークの後端を検知できず採便容器の後端に相当する、図7(a)の領域Dが見つからなかったことになる。そこで、情報処理部11は、「混濁3」と判断して、当該採便容器のバーコード値に対応して処理結果格納部65に格納する(ステップS79)。そして元の処理に戻る。
【0065】
一方、電圧値が閾値未満であると判断されると(ステップS73:Noルート)、情報処理部11は、ピーク後縁P4に現在位置Pを設定し(ステップS81)、容器後縁カウンタN3を0に初期化する(ステップS83)。さらに、現在位置PをP+0.1mmに変更する(ステップS85)。
【0066】
そして、再度、情報処理部11は、位置Pの測定データ及び予め設定されている閾値に基づき、位置Pでの受光強度に応じた電圧値は閾値以上であるか判断する(ステップS87)。既に判定済みである場合には、判定結果が「1」であるか否かを判断する。採便容器の後縁において、電圧値が所定長以上連続して閾値未満である状態が保持される、図7(a)の領域Dが存在するかを判断する処理である。もし、ステップS73で電圧値が閾値未満と判断されても、直ぐに閾値以上であると判断された場合には(ステップS87:Yesルート)、「混濁4」と判断して、当該採便容器のバーコード値に対応して処理結果格納部65に格納する(ステップS89)。
【0067】
一方、電圧値が閾値未満であると判断された場合には(ステップS87:Noルート)、情報処理部11は、容器後縁カウンタN3を1インクリメントする(ステップS91)。そして、容器後縁カウンタN3がX3(例えば9)となっているか判断する(ステップS93)。すなわち、例えば10回連続して(1.0mm連続して)電圧値が閾値未満であったか判断する。もし、容器後縁カウンタN3がX3ではない場合にはステップS85に戻る。
【0068】
一方、容器後縁カウンタN3が9である場合には、情報処理部11は、「正常な液あり」と判断して、当該採便容器のバーコード値に対応して処理結果格納部65に格納する(ステップS95)。
【0069】
例えば、図16に示すような波形が測定されると、「正常な液あり」と判断される。図16において縦軸は電圧値を表し、横軸は位置を表す。図16の例では、図7(a)で示した領域Bに相当する部分Iと、領域Cに相当する部分Jと、領域Dに相当する部分Kとが特定され、正常な便懸濁液が所定量以上採便容器に保持されていることが検知される。なお、多少濁りのある場合にも、「正常な液あり」と判断されることもあるが、後続の分析には影響はない。そして元の処理に戻る。
【0070】
なお、図17に示すような波形は、光を吸収してしまうような液体の場合に測定されるが、このような場合にはステップS57で「混濁1」と判断される。
【0071】
以上のような状態検知処理を実施することによって、採便容器中の便懸濁液の不足を表す「液なし」又は「容器なし」、各種の異常な便懸濁液が所定量以上含まれていることを表す「混濁」、正常な便懸濁液が所定量以上含まれていることを表す「正常な液あり」とを特定することができる。
【0072】
以上のような状態検知処理をまとめると、以下のとおりである。判定開始位置P0から容器前縁検出限界P6までに容器前縁位置P1が検出されない場合、及び容器前縁位置P1から1.0mm以上連続して電圧値が閾値未満とならない場合、液なしとされる。また、容器前縁確認位置P2からピーク前縁検出限界P7までにピーク前縁P3が検出されない場合、ピーク前縁P3から0.2mm以上連続して電圧値が閾値以上とならない場合、ピーク後縁P4から1.0mm以上連続して電圧値が閾値未満とならない場合、及びピーク前縁P3からピーク後縁検出限界P8までにピーク後縁P4が検出できない場合、混濁とされる。ピーク後縁P4から1.0mm以上連続して電圧値が閾値未満となった場合には、液ありとされる。
【0073】
図8の処理に戻って、情報処理部11は、全ての採便容器について処理したか判断する(ステップS11)。未処理の採便容器が存在している場合にはステップS7に戻る。一方、全ての採便容器について処理したと判断した場合には、便懸濁液についての分析処理などを実施する(ステップS13)。なお、便懸濁液が不足するような容器又は空容器の場合には、分析処理をスキップすることもできるようになる。
【0074】
このような処理を実施すれば、容器内の試薬の状態を特定することができ、分析処理に使用できるようになる。
【0075】
以上本発明の一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上で述べた具体的な数値は、上で説明した採便容器を前提としたものであるから、容器が変更になれば変化するものである。但し、容器中央部でレンズ効果を得られるような円柱状である容器が対象となる。なお、本発明でいう円柱状の容器とは、断面が楕円などを含むほぼ円柱状の容器、断面が半円で且つその平面が受光部と対向している半円状の容器を含む。
【0076】
また、容器中の液体は、便懸濁液だけではなく濁りや着色の可能性のある他の液体であってもよい。
【0077】
さらに、上で述べた例では搬送部6が採便容器を搬送する例を示したが、センサ側が移動するようにしても良い。
【0078】
また、本発明では、閾値以上/閾値未満で「1」(「ON」)・「0」(「OFF」)を判断しているが、閾値を超える/閾値以下で「1」(「ON」)・「0」(「OFF」)を判断しても良い。
【0079】
また、図6の機能ブロック図は一例であって、必ずしも図6のモジュール構成でなければならないわけではない。
【0080】
さらに、P2、P3及びP4などに格納される位置のデータについても処理結果格納部65に格納するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】従来技術における液位の判定を説明するための図である。
【図2】従来技術における液位の判定を説明するための図である。
【図3】従来技術における液位の判定を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る自動分析機の斜視図である。
【図5】本実施の形態において使用される採便容器の側断面図である。
【図6】本実施の形態における主要部の機能ブロック図である。
【図7】(a)は典型的な電圧値の変化を表す図であり、(b)は容器による遮蔽又は集光を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態における主たるメイン処理フローを示す図である。
【図9】電圧値の信号波形を処理する際の位置関係を表す図である。
【図10】状態検知処理の処理フローの第1の部分を示す図である。
【図11】液なしと判断される信号波形の一例を示す図である。
【図12】状態検知処理の処理フローの第2の部分を示す図である。
【図13】混濁1と判断される信号波形の一例を示す図である。
【図14】混濁2と判断される信号波形の一例を示す図である。
【図15】状態検知処理の処理フローの第3の部分を示す図である。
【図16】正常な液ありと判断される信号波形の一例を示す図である。
【図17】特殊な場合の信号波形の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
20 光源 21 受光部
61 A/D変換器 62 測定データ記録部
63 測定データ格納部 65 処理結果格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を保持するための円柱状の容器の長軸と、光源と受光部とを結ぶ光軸とが交差するように、前記容器と前記光源及び前記受光部との相対位置を変化させるステップと、
前記相対位置を変化させる間に前記受光部から得られ且つ受光強度に応じた信号と予め定められた閾値との比較結果の出現パターンが、前記液体が不足している場合の第1パターンと前記液体が充足している第2パターンとのいずれに相当するか判断する判断ステップと、
を含む液体状態検知方法。
【請求項2】
前記判断ステップが、
前記出現パターンが、前記第1パターン及び前記第2パターン以外の第3パターンに相当するか判断するステップ
を含む請求項1記載の液体状態検知方法。
【請求項3】
前記第2パターンが、正常な液体が充足している容器についてのパターンである
請求項1又は2記載の液体状態検知方法。
【請求項4】
前記第3パターンが、所定基準以上の濁り又は着色を含む液体が充足している容器についてのパターンである
請求項2記載の液体状態検知方法。
【請求項5】
前記第1パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出されないパターン、及び前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から所定長以上連続して信号値が閾値未満とならないパターン
を含む請求項1又は2記載の液体状態検知方法。
【請求項6】
前記第2パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となるパターンを含む
請求項1又は2記載の液体状態検知方法。
【請求項7】
前記第2パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となり、前記ピーク前縁からピーク後縁検出限界までにピーク後縁が検出され、前記ピーク後縁から第3の所定長以上連続して信号値が閾値未満となるパターンを含む
請求項1又は2記載の液体状態検知方法。
【請求項8】
前記第3パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出されないパターンと、
前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から前記第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置から前記ピーク前縁検出限界までに前記ピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から前記第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上とならないパターンと
を含む請求項2記載の液体状態検知方法。
【請求項9】
前記第3パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出されないパターンと、
前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から前記第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置から前記ピーク前縁検出限界までに前記ピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から前記第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上とならないパターンと、
前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から前記第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置から前記ピーク前縁検出限界までに前記ピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から前記第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となり、前記ピーク前縁からピーク後縁検出限界までにピーク後縁が検出されないパターンと、
前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から前記第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置から前記ピーク前縁検出限界までに前記ピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から前記第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となり、前記ピーク前縁から前記ピーク後縁検出限界までにピーク後縁が検出され、前記ピーク後縁から第3の所定長以上連続して信号値が閾値未満とならないパターンと
を含む請求項2記載の液体状態検知方法。
【請求項10】
前記判断ステップが、
予め定められた第1の範囲内において、前記信号において閾値未満となる第1連続部分が開始しているか判断するステップと、
前記第1連続部分が第1の所定長以上であるか判断するステップと、
前記第1連続部分が第1の所定長以上である場合、予め定められた第2の範囲内において、前記信号において閾値以上となる第2連続部分が開始しているか判断するステップと、
前記第2連続部分が第2の所定長以上であるか判断するステップと、
を含む請求項1又は2記載の液体状態検知方法。
【請求項11】
前記第2の範囲が、前記第1連続部分の開始位置によって決定される
請求項10記載の液体状態検知方法。
【請求項12】
前記判断ステップが、
予め定められた第1の範囲内において、前記信号において閾値未満となる第1連続部分が開始しているか判断するステップと、
前記第1連続部分が第1の所定長以上であるか判断するステップと、
前記第1連続部分が第1の所定長以上である場合、予め定められた第2の範囲内において、前記信号において閾値以上となる第2連続部分が開始しているか判断するステップと、
前記第2連続部分が第2の所定長以上であるか判断するステップと、
前記第2連続部分が第2の所定長以上である場合、予め定められた第3の範囲内において、前記信号において閾値未満となる第3連続部分が開始しているか判断するステップと、
前記第3連続部分が第3の所定長以上であるか判断するステップと、
をさらに含む請求項2記載の液体状態検知方法。
【請求項13】
光源と受光部とを含むセンサと、
液体を保持するための円柱状の部分を有する容器を搬送する搬送部と、
情報処理部と、
を有し、
前記情報処理部は、
前記容器の前記円柱状の部分と、前記光源と前記受光部とを結ぶ光軸とが交差するように、前記搬送部を移動させ、
前記搬送部を移動させる間に前記受光部から得られ且つ受光強度に応じた信号と予め定められた閾値との比較結果の出現パターンが、前記液体が不足している場合の第1パターンと前記液体が充足している第2パターンとのいずれに相当するか判断する
分析装置。
【請求項14】
前記情報処理部が、
前記出現パターンが、前記第1パターン及び前記第2パターン以外の第3パターンに相当するかをさらに判断する
請求項13記載の分析装置。
【請求項15】
前記第2パターンが、正常な容器が充足している容器についてのパターンである
請求項13又は14記載の分析装置。
【請求項16】
前記第3パターンが、所定基準以上の濁り又は着色を含む液体が充足している容器についてのパターンである
請求項14記載の分析装置。
【請求項17】
前記第1パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出されないパターン、及び前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から所定長以上連続して信号値が閾値未満とならないパターン
を含む請求項13又は14記載の分析装置。
【請求項18】
前記第2パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となるパターンを含む
請求項13又は14記載の分析装置。
【請求項19】
前記第2パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となり、前記ピーク前縁からピーク後縁検出限界までにピーク後縁が検出され、前記ピーク後縁から第3の所定長以上連続して信号値が閾値未満となるパターンを含む
請求項13又は14記載の分析装置。
【請求項20】
前記第3パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出されないパターンと、
前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から前記第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置から前記ピーク前縁検出限界までに前記ピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から前記第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上とならないパターンと
を含む請求項14記載の分析装置。
【請求項21】
前記第3パターンが、
判定開始位置から容器前縁検出限界までに容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、容器前縁確認位置からピーク前縁検出限界までにピーク前縁が検出されないパターンと、
前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から前記第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置から前記ピーク前縁検出限界までに前記ピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から前記第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上とならないパターンと、
前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から前記第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置から前記ピーク前縁検出限界までに前記ピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から前記第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となり、前記ピーク前縁からピーク後縁検出限界までにピーク後縁が検出されないパターンと、
前記判定開始位置から前記容器前縁検出限界までに前記容器前縁位置が検出され、前記容器前縁位置から前記第1の所定長以上連続して信号値が閾値未満となり、前記容器前縁確認位置から前記ピーク前縁検出限界までに前記ピーク前縁が検出され、前記ピーク前縁から前記第2の所定長以上連続して信号値が閾値以上となり、前記ピーク前縁から前記ピーク後縁検出限界までにピーク後縁が検出され、前記ピーク後縁から第3の所定長以上連続して信号値が閾値未満とならないパターンと
を含む請求項14記載の分析装置。
【請求項22】
前記情報処理部が、
予め定められた第1の範囲内において、前記信号において閾値未満となる第1連続部分が開始しているか判断し、
前記第1連続部分が第1の所定長以上であるか判断し、
前記第1連続部分が第1の所定長以上である場合、予め定められた第2の範囲内において、前記信号において閾値以上となる第2連続部分が開始しているか判断し、
前記第2連続部分が第2の所定長以上であるか判断する、
請求項13又は14記載の分析装置。
【請求項23】
前記第2の範囲が、前記第1連続部分の開始位置によって決定される
請求項22記載の分析装置。
【請求項24】
前記情報処理部が、
予め定められた第1の範囲内において、前記信号において閾値未満となる第1連続部分が開始しているか判断し、
前記第1連続部分が第1の所定長以上であるか判断し、
前記第1連続部分が第1の所定長以上である場合、予め定められた第2の範囲内において、前記信号において閾値以上となる第2連続部分が開始しているか判断し、
前記第2連続部分が第2の所定長以上であるか判断する、
前記第2連続部分が第2の所定長以上である場合、予め定められた第3の範囲内において、前記信号において閾値未満となる第3連続部分が開始しているか判断し、
前記第3連続部分が第3の所定長以上であるか判断する、
請求項13又は14記載の分析装置。
【請求項25】
請求項1乃至12のいずれか1つ記載の液体状態検知方法をプロセッサに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−20393(P2008−20393A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193994(P2006−193994)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000252300)和光純薬工業株式会社 (105)
【Fターム(参考)】