説明

液体用容器の製造機器

プラスチックプリフォーム(10)をプラスチック容器(20)に成形する成形ユニット(2)と、前記プラスチック容器に液体を充填する充填ユニット(4)とを備え、前記充填ユニット(4)がプラスチック容器の運搬方向(R)において成形ユニット(2)の下流側に位置する液体用容器(10)の製造機器に関する。成形ユニット(2)はプラスチックプリフォーム(10)を供給する供給領域(22)と、プラスチック容器(20)を成形ユニット(2)から排出する排出領域(24)とを備える。充填ユニット(4)はプラスチック容器を充填ユニット(4)に供給する供給領域(42)と、成形ユニット(2)から排出する排出領域(44)とを備え、インターフェースとして使用される少なくとも1つの運搬装置(30)は成形ユニット(2)の排出領域(24)と充填ユニット(4)の供給領域(42)との間に位置し、前記運搬装置はプラスチック容器を少なくとも一部のセクションに沿って成形ユニット(2)と充填ユニット(4)間で個々に運搬する。運搬装置(30)は、容器を機器に入れる操作をする少なくとも1つの別ユニット(6、7)を成形ユニット(2)と充填ユニット(4)の間に挿入できるように設計される。前記別ユニット(6、7)は成形ユニット(2)と充填ユニットの間の容器(20)の運搬の流れが追加のユニット(32)を介して通るように運搬装置(30)に連結され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体用容器の製造機器に関する。このタイプの機器は、当技術分野では長く知られているものである。この場合、特にプラスチック材料の容器などの容器を、製造手順中、最初に成形手順において製造し、次いで飲料を充填することが知られている。しかし、これらの基本的な事実を除き、このタイプの飲料用容器の製造プラントは、極めて多様である。このようにして、たとえばミネラルウォータまたはジュースなどのさまざまな飲料は、非常にさまざまな純度または殺菌のレベルを必要とする。加えて、容器のラベル付けの性質は、非常にさまざまであり、たとえば自己接着性ラベルの貼着によってまたは糊付けによるラベルの貼着によって実施することができる。さらに、容器自体を殺菌するために、最も広く多様な方法もまた知られている。このため、このタイプの機器は常に特殊機械とみなされなければならず、したがって非常に高い製造経費を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって、本発明は、たとえば空間の大きく異なる状況、またはさらにはさまざまな概念設計などの大きく異なる状況に、比較的低い経費で適合させることができる機器を提供することを目的とする。これは、請求項1に係る機器によって本発明に従って達成される。
【0003】
さらに本発明は、具体的な情報、たとえば顧客情報、適切なプラントなどに基づいて設定することが可能である方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る液体用容器の製造機器は、プラスチック材料のプリフォームをプラスチック材料の容器に成形するために成形ユニットを備える。さらには、プラスチック材料の容器に液体媒体、特に飲料を充填するための充填ユニットを備え、充填ユニットは、プラスチック材料の容器の運搬方向において成形ユニットに対して下流側に配置され、成形ユニットは、プラスチック材料のプリフォームを供給するための供給領域、ならびに成形されたプラスチック材料の容器を成形ユニットから排出するための排出領域を備える。さらに、充填ユニットは、プラスチック材料の容器を充填ユニットに供給するための供給領域、ならびに液体が充填されたプラスチック材料の容器を充填ユニットから排出するための排出領域を備える。
【0005】
本発明によれば、インターフェースとして作用し、プラスチック材料の容器を、好ましくはある運搬の流れにおいて少なくとも局所的にかつ個々に成形ユニットと充填ユニット間で運搬する少なくとも1つの運搬装置が、成形ユニットの排出領域と充填ユニットの供給領域の間に位置しており、運搬装置は、容器をハンドリングするための少なくとも1つの別のユニットを機器の成形ユニットと充填ユニットの間に挿入できるようにして設計され、この別のユニットは、成形ユニットと充填ユニットの間の運搬の流れが、この別のユニットを介して通るようにして、すなわち容器はまた、この別のユニットに関連付けられた把持部材によって少なくとも一時の間把持され運搬されるようにして運搬装置に取り付けることができる。このようにして、別のユニットによる容器のハンドリングが可能にされる。
【0006】
したがって、本発明による機器のモジュラー設計が提案され、この設計では、成形ユニットと充填ユニットの間の運搬装置は、たとえば殺菌ユニットなどの本質的にすべての別の器具のためのインターフェースとして同時に作用する。こうしてこの運搬装置は、好ましくは、容器を成形ユニットから充填ユニットまで運ぶだけでなく、成形ユニットと充填ユニットの間の同期化をもたらすこともできる。
【0007】
機器は、上述したタイプの複数の運搬装置を備えることが有利であり、この場合、これらの運搬装置は、実質的に類似する方法で設計される。このようにして、複数の部分を備えたプラント全体のモジュラー設計が可能である。この場合、運搬装置を同一の方法で設計することが可能であるが、これらは、容器の運搬経路のピッチ円形半径などの特徴に関して異なることも可能である。
【0008】
機器は、成形ユニットと充填ユニットを制御するための制御装置を備えることが好ましい。この場合、上述の運搬装置もまた、この制御装置による制御に組み込むことができる。
【0009】
別の有利な実施形態の場合、運搬装置は、駆動装置、ならびに好ましくは、運搬装置を機器に全般的に組み込むために上述の制御装置の制御出力に接続することができる制御入力も備える。このようにして、より正確に表すと、運搬装置またはその駆動装置を制御全体に組み込むことができる。基本的には、いわゆるマスターシャフトを一般的な駆動装置として使用し、これがさらにプラントの個々の部分を作動させることも可能である。しかし、本明細書で説明したように制御を設けることが好ましい。この別個の駆動装置は、特に、ただし非限定的にはサーボモータである。この配置の結果、運搬装置をプラントの他の部分から外すことができ、特にこれはまた、故障が発生したとき、または整備および点検の場合に重要になる。
【0010】
別の有利な実施形態の場合、運搬装置は、容器を把持するために事前設定された回転軸の周りで回転可能なキャリア上に配置された複数の把持要素であって、少なくとも部分的に制御することができる、把持要素を有する。この場合、これらの把持要素は、好ましくは、容器を首領域でまたは把持するために設けられたキャリアリングの下方で把持する。これらの把持要素の少なくとも一部、ただし好ましくはすべての把持要素は、アクティブにされまたは制御可能にされる。しかし、これらの把持要素をアクティブ制御からパッシブ制御に切り替えることができ、すなわち個々の把持要素がアクティブおよびパッシブの両方の方法で作用できることも可能である。この手順により、運搬装置を、さまざまなタイプのプラントに適用することができ、また、要求事項に従って使用することができる。
【0011】
別の有利な実施形態の場合、把持要素を回転軸に対するキャリアの回転設定に応じた方法で制御することができ、この場合、事前設定される制御位置は、キャリアの回転設定に対して自由に選択することができる。より正確に表すと、この実施形態では、たとえば対応する把持要素を開放すべき角度設定、およびこれを閉鎖すべき角度設定を確認することが可能である。角度位置をこうして自由に選択できる結果、対応する把持要素に対して使用する可能性も同様に高められる。このようにして、たとえば、あらゆる所望の角度における個々の把持要素の開放および閉鎖が、可能である。把持要素の開放および閉鎖は、電気駆動装置によって実施されることが好ましい。
【0012】
駆動装置はその区分が可変であることが好ましく、すなわち広く多様な形状状態の下で使用することもできる。
【0013】
したがって、容器を事前設定された円形経路上で把持要素によって進めることが好ましく、この場合、運搬装置はまた、この円形経路の曲率半径を設定することも可能にする。これは、たとえば把持要素の枢動設定がキャリアに対して可変のものであり、さらには個々の把持要素もまた、径方向に伸張または後退させることができる。
【0014】
別の有利な実施形態の場合、運搬装置は、いずれの場合も、成形ユニットの供給領域および排出領域ならびに充填ユニットの供給領域および排出領域に配置され、これらの運搬装置は、いずれの場合も類似の方法で設計されている。この場合の類似の設計は、一方では、これらが完全に同一の方法で設計されるものとして理解され、他方では、さまざまな半径を有するコンベヤトラックを作り出すことができる運搬装置もまた、「類似である」として理解される。
【0015】
別の有利な実施形態の場合、少なくとも2つの類似の運搬装置によって容器を殺菌するための少なくとも1つの殺菌ユニットは、成形ユニットと充填ユニットの間に組み込まれる。この殺菌ユニットは、好ましくは、電子ビーム(eビーム)によって容器を殺菌する殺菌ユニットになり得る。このようにして、殺菌ユニットは、成形ユニットまたは充填ユニットに直接隣接しないが、いずれの場合もこれらのユニット間に1つの運搬装置が存在する。
【0016】
別の有利な実施形態の場合、運搬装置は、容器を運搬するための別個の運搬経路を有する。これは、容器が運搬装置によって運搬される運搬経路は、他の運搬経路に組み込まれないことを意味する。このようにして、たとえば成形ユニットを充填ユニットに連結する連続運搬チェーンは、この場合は設けられず、運搬経路は、運搬装置の別個の運搬経路によって中断される。たとえば充填ユニットおよび成形ユニットなどの他の機器もまた、いずれの場合も別個の運搬経路を有することが好ましい。この手順の結果、機器を、大きく異なる状況に適合させることができる。上述したような運搬装置は、運搬スターホイールであることが好ましい。
【0017】
別の有利な実施形態の場合、機器は、上述したタイプのほぼ類似の運搬装置を使用しながら、容器をハンドリングするための任意の所望のハンドリングユニットを備えて組み立てることができる。このようにして、たとえば要求事項に従って別のユニットを導入するため、またはユニットを機器から取り外すために、実質的にあらゆる所望の場所で容器の運搬の流れを中断することが可能である。このようにして、機器の各々のハンドリングユニットが容器用の別個の運搬経路を有することが好ましい。
【0018】
別の有利な実施形態の場合、プラスチック材料の容器にラベル付けするためのラベル付け装置を機器に組み込むことができる。
【0019】
しかし、加えて、別の殺菌ユニット、容器用洗浄ユニットなどの他のプラントもまた組み込むことができる。
【0020】
別の有利な実施形態の場合、容器を運搬するための運搬装置が、少なくとも1つの供給領域または少なくとも1つの排出領域に配置される。この別の運搬装置は、たとえばコンベヤベルトなどになり得る。
【0021】
本発明は、さらに、特に上述したタイプの機器のための運搬装置であって、容器を把持するために事前設定された回転軸の周りで回転可能なキャリア上に配置された複数の把持要素であって、少なくとも部分的に制御することができる、把持要素を有する運搬装置に関する。さらには、キャリアを回転させるための駆動装置が設けられ、好ましくは上述の駆動装置を制御するための制御装置もまた設けられる。
【0022】
本発明によれば、把持要素を回転軸に対するキャリアの回転設定に応じた方法で制御することができ、この場合、事前設定される制御位置は、キャリアの回転設定に対して自由に選択することができる。上述したように、この場合、指定された把持要素を閉鎖または開放するべき角度位置、および把持要素を閉鎖状態または開放状態に保つべき角度位置を選択することも可能である。制御装置は、好ましくは、制御入力を有し、これによって制御装置を主要な機器制御に組み込むことができる。
【0023】
本発明は、さらに、上述したタイプの機器を組み立てる方法にも関する。この場合、具体的な製品要求事項が第1の方法ステップで提示され、その後、必要な構成要素がこれらの具体的な製品要求事項に合わせて決定され、必要な構成要素の特性を示す情報がユーザに発行され、この情報は、製品要求事項に基づいて確認される。具体的な製品要求事項は、たとえば、注入される飲料の種類または殺菌の具体的な程度になり得る。
【0024】
前記製品要求事項は、好ましくは、製造される容器の内部の純度の特性を示す少なくとも1つのパラメータを含む。このようにして、どのユニットが必ず使用されなければならないか、どのユニットが任意選択であるが、どの代替のユニットが同様に使用できるかに関する情報を、たとえばユーザに発行することができる。さらには、どの運搬装置が使用されているか、また任意選択では、上述したタイプの運搬装置が何台使用されているかについて示すことが可能である。上述の製品要求事項は、上述したように、注入される飲料の種類、さらにはたとえば容器の外壁の性質、たとえばその厚さまたはさらには別の特性になり得る。さらに、製品要求事項はまた、対応する機器の空間的環境にもなり得る。
【0025】
別の実施形態および利点は、添付の図から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態における本発明に係る機器を示す図である。
【図2】プラントの考えられる部分を示すための本発明に係る機器の概略図である。
【図3】本発明に係る運搬装置の第1の実施形態を示す図である。
【図4】本発明に係る運搬装置の別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、第1の実施形態における本発明に係る機器を示している。この機器1は、プリフォーム10を容器20に成形する成形ユニット2を有する。これは、好ましくは、プリフォーム上で圧縮空気と共に作用することによってプリフォームを容器に成形する延伸ブロー成形機である。たとえば加熱炉8などのプリフォーム用の加熱ユニットが、この成形ユニットの前側、すなわちこの場合は運搬方向Rにおいて上流側に位置している。この成形ユニット2は、殺菌ユニット6に隣接しており、ここで成形された容器20は、殺菌ユニット6によって殺菌される。特に、容器20の内部殺菌が、この場合実施される。この目的のために、殺菌ユニット6は、たとえば、容器20内に浸し、その内側壁をこのようにして殺菌するビームフィンガなどを備えることができる。この殺菌ユニット6は、ここで殺菌された容器がたとえば飲料などの液体で充填される充填ユニット4に隣接している。
【0028】
この場合、成形ユニット2は、プリフォームの供給領域22および容器の排出領域24の両方を有する。これらの供給領域および排出領域では、それぞれの容器を中央キャリアホイール25に供給する運搬要素46を設けることができる。対応する方法で、充填ユニットもまた、ここで充填された容器をそれぞれ供給および排出するための供給領域42および排出領域44を備える。
【0029】
運搬要素46およびキャリアホイール45もまた、さらにこれらの領域に設けることができる。この場合、成形ユニット2および充填ユニット4は、いずれの場合も容器用の複数の把持要素を備え、この場合、たとえばこれらの把持要素は、キャリアホイール25上に配置され、したがって連続円形経路上を(矢印P1に沿って)移動することに留意されたい。充填ユニット4の把持要素もまた、対応する方法でキャリアホイール45上に配置され、したがって同様に連続円形経路(矢印P2)上を移動する。
【0030】
本発明の重要な態様は、プラントのさまざまな部分の個々の把持要素をこうして分離することである。このようにして、従来技術では慣習的である、容器を1つのユニットから次に移動させる連続運搬チェーンは使用されず、各々のユニットは、その独自の別個の容器用把持要素を備える。このようにして、各々の把持要素は、関連するプラントのその部分の領域内に留まる。運搬装置30と充填ユニットおよび成形ユニットなどのプラントの他の部分との間の機械的連結および制御連結は、比較的少ない経費で分離させることができる。
【0031】
本発明に係る運搬装置30は、いずれの場合も成形ユニット2、殺菌ユニット6、および充填ユニット4の間に配置される。容器は、いずれの場合も内蔵式の把持クランプを同様に有するこれらの運搬ユニット30を用いて、いずれの場合も1つのユニットから次のユニットに運搬される。この場合、これらの運搬ユニット30は交換可能であり、それにより、最も大きく異なるモジュールをそれぞれの運搬ユニット30を介して互いに組み合わせることができる。個々の運搬装置30は、いずれの場合もサーボモータの形態の駆動要素32を有する。
【0032】
参照符号5は、プラントの中央制御装置全般に関連している。この制御装置は、いずれの場合も、通信52、54、および56を介して成形ユニット2、殺菌ユニット6、および充填ユニット4に接続されている。上述したユニットまたはその駆動装置は、これらの通信接続を介して互いに同期化される。中央制御装置はまた、通信の観点で、別の通信接続58を介して運搬装置30の駆動ユニット32、また別の運搬装置30の駆動ユニット(図示せず)にも接続される。このようにして、複数の運搬装置30を制御手段全体に組み込むことも可能であり、この場合、これら運搬装置の位置は、プラント環境全般によって決まる。参照符号Rは、容器の運搬方向を示している。
【0033】
図2は、プラントの考えられる組合せを示す図である。この場合、このタイプの機械に使用することができるプラントのさまざまな部分が示されており、本発明は、用途の目的に適合させてプラントのこれらの部分を本質的にどのように組み合わせることも可能にする。
【0034】
参照符号71は、プリフォームを製造するための製造ユニットに関連している。この場合、プラスチック材料を製造ユニット71に供給するプラスチック材料供給ユニット72がさらに設けられる。このようにして製造されたプラスチック材料のプリフォームは、加熱炉8に供給可能である。しかし、加熱炉8の代わりにまたはこれに加えて、たとえば高周波オーブン9などの別の加熱装置を使用することも可能であり、プリフォームを殺菌するための殺菌ユニットをこのタイプの高周波オーブン9で使用することも可能である。これらの殺菌ユニットは、たとえば、電子ビームモジュール、UVモジュール、またはさらには過酸化水素によって殺菌する殺菌ユニットにもなり得る。ローラユニット8aの形態またはさらにはディスク送り8bの形態のプリフォーム供給ユニットが、加熱炉8に設けられ得る。
【0035】
また、上述したタイプの別の殺菌ユニット11を加熱炉8に隣接させることも可能である。この場合、この殺菌ユニット11は、加熱炉に直接的に取り付けることができるが、この取り付けを運搬装置30を介して行うことも可能である。自動式の金型交換のためのロボットユニット88が、たとえば成形ユニット2またはブロー成形モジュール2にそれぞれ取り付けられ得る。さらに、ラベル付けユニット76および/または緩衝ユニット75もまた成形ユニット2に取り付けることができ、この場合、この取り付けはまた、本発明による運搬装置によって行うこともできる。同様に、参照符号80はラベル付けユニットに関連し、参照符号85は緩衝ユニットに関連している。これは、容器のラベル付けが、製造プロセス中のさまざまな時点で可能であることを意味する。
【0036】
コーティングユニット81ならびにすでに述べた殺菌ユニット6および7は、成形ユニット2の下流側のプロセスに組み込むことができる。参照符号83は、弁ノード87を取り付けることができる計測ユニットに関連している。このタイプの弁ノード87はまた、充填ユニット4に取り付けることもできる。参照符号6および7は、別の殺菌ユニットを示している。
【0037】
たとえば窒素注入ユニット91ならびに充填された容器を閉鎖具93で閉鎖するための閉鎖ユニット93が、充填ユニット4に対して下流側に設けられ得る。この閉鎖ユニット93はまた、組み込まれた殺菌ユニットを備えることもできる。参照符号92は、容器閉鎖具のための閉鎖具供給ユニットに関連し、参照符号94は、容器の閉鎖具のための殺菌ユニットに関連している。
【0038】
こうして、技術的要求事項に応じて、最も大きく異なるユニットを互いに組み合せることができることが明らかである。いずれの場合もユニット間に設けられた運搬装置30により、プラントのこれらのユニットを所望に応じて組み立てることが可能である。この場合、図2に示すように、個々の運搬装置30は、それに沿って容器が運搬される、部分的に異なるピッチ円形半径または異なるトラックを有している。運搬装置30は、この場合、プリフォームおよびすでに成形された容器の両方を運搬することができる。
【0039】
図3および4の各々は、2つの異なる実施形態における本発明に係る運搬装置30を示している。この場合、2つの運搬装置30は、いずれの場合も、複数の把持要素62が配置されるキャリアまたはキャリアホイール64を有する。この場合、把持要素62は、このキャリアホイ−ル64の平面において枢動軸Yの周りで枢動可能になり、それにより、容器の移送をこのようにして容易にすることができ、または容器10用のコンベヤトラッックの半径もまた変更できるようになる。
【0040】
加えて、導入部で述べたように、把持要素62をキャリアホイール64に対して径方向に全体的に変位させることが可能である。このようにして、容器のコンベヤトラックの半径を変更することが可能である。この場合、把持クランプは、電気的に、かつ好ましくは互いに独立して作動させることができる。把持クランプを閉鎖状態と開放状態の間で切り替えるために、特に、但し非限定的であるが電気モータまたは電磁石などの電気的に作動される駆動要素を設けることが好ましい。この場合、従来技術とは対照的に、把持要素を調整するためにカムを設けるのではなく、個々の把持要素に個々の駆動装置を設けることが好ましい。しかし、調整可能なカムを設けることも可能である。
【0041】
参照符号74は、キャリアホイールを中央駆動装置32上に配置するための締結要素に関連している。また、個々の把持クランプを径方向に変位させることが調整機構78を介して可能である。参照符号68は、駆動装置または運搬装置30用駆動シャフトが中に配置されるハウジングに関連している。運搬装置30は、連結点66を介して、たとえば成形ユニット2または充填ユニット4などの別の要素に取り付けることができる。参照符号82は、伸縮式に延長可能な要素84ならびに基部要素または基部プレート86を有するスタンドを全体的に示している。この場合、この伸縮要素84は、垂直に調整することができ、それにより、運搬装置全体または把持要素30を全般的に高さHに変更することができる。
【0042】
概して、運搬装置30の把持要素62の高さを変更できることが好ましく、それにより、このようにしてプラントのさまざまな環境に対して適合させることがより容易にもなる。運搬装置30は、制御の観点で制御入力および出力(図示せず)それぞれを介してプラントに組み込むことができる。
【0043】
好ましい実施形態の場合、キャリア64は、把持クランプ62によってハウジング68から取り外すことができる。このようにして、同じ基本ハウジング68をすべての運搬装置30に使用することができ、要求事項に応じて、(たとえばさまざまな数の把持要素を有するまたはコンベヤトラックのさまざまな半径を有する)さまざまなキャリアリングをハウジング68上に配置することができる。このようにして、対応するプラントの類似の部分の数を増やすことができる。この場合、たとえば駆動装置32はハウジング内に位置することができ、(たとえばさまざまな数の把持要素と共に)さまざまなキャリア64を連結させることができる単一の取り付け手段をハウジング内に設けることができる。
【0044】
本発明に係る運搬装置30の別の実施形態が、図3に示されている。この場合、図4に示す実施形態に比べて、複数の把持装置または把持クランプ62が設けられ、加えて、これらの把持装置62のコンベヤトラックの半径は、図4に示す実施形態の場合より大きいことが明らかである。この場合、個々の把持クランプ62はいずれの場合も制御される要素であり、すなわち各々個々の把持要素62は、その開放および閉鎖設定に対して制御され得る。この場合、運転工程において特定の把持要素62が隣接する角度位置、およびこれが開く角度位置を選択することがさらに可能である。
【0045】
これにより、たとえば、把持装置62は、容器をこのようにして把持するために周囲方向の位置Aで閉鎖し、この容器を再度送出するために周囲方向の位置Bで開放することを確立することができる。さらに、運搬装置は、把持装置およびキャリア64それぞれの運搬速度を可変とすることができる。この場合、それぞれの開放位置および閉鎖位置は、中央制御装置によって事前設定することができる。他の開放位置および閉鎖位置ならびに開放部分および閉鎖部分もまた自由に規定することができる。
【0046】
このようにして、容器が一連の回転において別のユニットによって取り上げられるべき場所および容器が別のユニットに送出されるべき場所を自由に選択することが可能である。このようにして、運搬装置30は、可変的な方法で広く多様なプラントに使用することができる。駆動モータ(詳細には図示せず)は各々個々の運搬装置30に対して設けられ、この場合、この駆動モータおよびさらに個々の把持クランプの制御手段もまた、プラントの全体制御概念に組み込むことができる。
【0047】
本出願文献に開示したすべての特徴は、それらが従来技術と比べ、個々にまたは組み合わせて新規である範囲において、本発明に必須であるものとして特許請求される。
【符号の説明】
【0048】
1 機器
2 成形ユニット
4 充填ユニット
5 中央制御装置
6 殺菌ユニット
8 加熱炉
9 高周波オーブン
10 プリフォーム
11 別の殺菌ユニット
20 容器
22 供給領域
24 排出領域
25,64 キャリアホイール
30 運搬装置
32 駆動要素
45 キャリアホイール
46 運搬要素
42 供給領域
44 排出領域
52,54,56,58 通信接続
62 把持クランプ
64 キャリア
66 接続点
68 ハウジング
71 製造ユニット
72 プラスチック材料供給ユニット
74 締結要素
75,85 緩衝ユニット
76,80 ラベル付けユニット
78 調整機構
81 コーティングユニット
82 スタンド
83 計測ユニット
84 伸縮式要素
86 基部要素
87 弁ノード
88 金型変更用ロボットユニット
91 注入ユニット
92 閉鎖具供給ユニット
93 閉鎖ユニット
94 容器閉鎖具のための殺菌ユニット
R 運搬方向
H 高さ
A,B 把持要素の開放位置および閉鎖位置
R 容器閉鎖具の運搬方向
Y 把持クランプ62の枢動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材料のプリフォーム(10)をプラスチック材料の容器(20)に成形する成形ユニット(2)と、
前記プラスチック材料の容器(20)に液体媒体を充填する充填ユニット(4)と、
を備えた、液体用容器(10)の製造機器(1)であって、
前記充填ユニット(4)は、前記プラスチック材料の容器の運搬方向(R)において前記成形ユニット(2)に対して下流側に配置され、
前記成形ユニット(2)は、前記プラスチック材料のプリフォーム(10)を供給する供給領域(22)、ならびに前記プラスチック材料の容器(20)を前記成形ユニット(2)から排出する排出領域(24)を備え、
前記充填ユニット(4)は、前記プラスチック材料の容器(20)を前記充填ユニット(4)に供給する供給領域(42)と、前記プラスチック材料の容器(20)を前記充填ユニット(4)から排出する排出領域(44)とを備える、製造機器(1)において、
インターフェースとして作用し、前記プラスチック材料の容器(20)を少なくとも局所的にかつ個々に前記成形ユニット(2)と前記充填ユニット(4)間で運搬する少なくとも1つの運搬装置(30)は、前記成形ユニット(2)の前記排出領域(24)と前記充填ユニット(4)の前記供給領域(42)との間に位置しており、
前記運搬装置(30)は、前記プラスチック材料の容器(20)をハンドリングするための少なくとも1つの別のユニット(6、7)を、前記製造機器(1)の前記成形ユニット(2)と前記充填ユニット(4)の間に挿入できるように設計され、
前記別のユニット(6、7)は、前記成形ユニット(2)と前記充填ユニット(4)の間の前記プラスチック材料の容器(20)の運搬の流れが前記別のユニット(6、7)を介して通るようにして前記運搬装置(30)に取り付けることができることを特徴とする、製造機器(1)。
【請求項2】
前記製造機器は、実質的に類似する方法で設計される複数の前記搬送装置(30)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の製造機器。
【請求項3】
前記製造機器は、前記成形ユニット(2)および前記充填ユニット(4)を制御する制御装置(5)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造機器。
【請求項4】
前記運搬装置(30)は、駆動装置(32)、ならびに前記運搬装置(30)を前記製造機器に組み込むために前記制御装置(5)の制御出力に接続することができる制御入力を備えることを特徴とする、請求項3に記載の製造機器。
【請求項5】
前記運搬装置(30)は、事前設定された回転軸(X)の周りで回転可能なキャリア(64)上に配置された、前記容器(20)を把持する複数の把持要素(62)であって、
少なくとも部分的に制御することができる把持要素(62)を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造機器。
【請求項6】
前記把持要素(62)を前記回転軸(X)に対する前記キャリア(64)の回転設定に応じた方法で制御することができ、事前設定される制御位置(A、B)は、前記キャリア(64)の前記回転設定に対して自由に選択することができることを特徴とする、請求項5に記載の製造機器。
【請求項7】
運搬装置(30)は、いずれの場合も、前記成形ユニット(2)の前記供給領域(22)および前記排出領域(24)ならびに前記充填ユニットの前記供給領域(42)および前記排出領域(44)に配置され、これらの運搬装置は、いずれの場合も類似の方法で設計されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の製造機器。
【請求項8】
好ましくは少なくとも2つの類似の運搬装置(30)によって前記容器(20)を殺菌する少なくとも1つの殺菌ユニット(6)が、前記成形ユニット(2)と前記充填ユニット(4)の間に組み込まれることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の製造機器。
【請求項9】
前記運搬装置(30)は、前記容器を運搬する別個の運搬経路を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の製造機器。
【請求項10】
前記運搬装置(30)は、運搬スターホイール(30)であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の製造機器。
【請求項11】
前記製造機器は、類似の運搬装置(30)を使用しながら、容器(20)をハンドリングする任意の所望のハンドリングユニットを備えて組み立てることができることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の製造機器。
【請求項12】
プラスチック材料の容器(20)にラベル付けするラベル付け装置(76)を前記製造機器に組み込むことができることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の製造機器。
【請求項13】
前記容器を運搬する運搬装置(46)は、少なくとも1つの供給領域(22、42)または少なくとも1つの排出領域(24、44)に配置されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の製造機器。
【請求項14】
事前設定の回転軸(X)の周りで回転可能なキャリア(64)上に配置された、容器(10)を把持する複数の把持要素(62)であって、少なくとも部分的に制御することができる把持要素(62)と、
前記キャリア(64)を回転させる駆動装置と、
を備えた、特に請求項1から13のいずれか一項に記載の機器(1)のための運搬装置(30)であって、
前記把持要素(62)を前記回転軸(X)に対する前記キャリア(64)の回転設定に応じた方法で制御することができ、
事前設定の制御位置(A、B)は、前記キャリア(64)の前記回転設定に対して自由に選択することができることを特徴とする、運搬装置(30)。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の製造機器(1)の組立方法であって、
具体的な製品要求事項を提出する工程と、
この製品要求事項に必要な構成要素を決定する工程と、
前記必要な構成要素の特性を示す情報を発行する工程であって、前記情報は、前記製品要求事項に基づいて確認される工程と、
を含む、組立方法。
【請求項16】
前記製品要求事項は、製造される前記容器(20)の内部の純度の特性を示す少なくとも1つのパラメータを含むことを特徴とする、請求項15に記載の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−504495(P2013−504495A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528353(P2012−528353)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063202
【国際公開番号】WO2011/029856
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(508120916)クロネス アーゲー (65)
【Fターム(参考)】