説明

液圧式のブレーキ装置

本発明は車両のブレーキスリップ、駆動スリップ及び/又は走行安定性を制御するための装置(14)を備えた液圧式のブレーキ装置から出発する。この種の装置は各ホイールに発生するホイールスリップに関連してホイールブレーキにおけるブレーキ圧の制御のために、とりわけポンプ(32)、弁(20〜26)及びアキュムレータ(28)を利用する。これらのコンポーネントは液圧式の回路に対応して互いに接触接続されている。液圧回路は液圧ブロック(16)内に形成されている。この液圧ブロック(16)はコンポーネントと通路(90,96)との液圧式の接触接続のためにコンポーネントと通路(90,96)の組込みスペース(50〜56)を有している。本発明により、液圧ブロック(16)の特に関白とで低重量化された形態が同時に有利な製造コストで可能になる。このために通路(90,96)の有利な上下の案内及び周囲に対するシールが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
本発明は、当該液圧式のブレーキ装置を備えた車両のブレーキスリップ及び駆動スリップ及び/又は走行安定性を制御するための装置が設けられた液圧式のブレーキ装置から出発する。この種のブレーキ装置は市場においても、アンチロックブレーキシステム(ABS:Antiblockierschutzregelung)、トラクションコントロール(ASR:Antriebschlupfregelung)又は電子式のスタビリティコントロール(ESP:elektronisches Stabilitaetsprogramm)を備えたブレーキ装置の概念で十分に公知でもある。前記ブレーキ装置は種々異なるホイールブレーキにおけるブレーキ圧を効果的に制御することにより、種々異なる走行状況中の車両の対応配置されたホイールでのスリップを防ぎ、車両を操舵可能且つ運転者にとって制御可能なままにできる。これに応じてこの種のブレーキ装置は交通安全性に実質的に寄与する。
【0002】
この種のブレーキ装置の中枢部は、マスタブレーキシリンダとホイールブレーキとの間において接続されている液圧装置を、ブレーキ圧制御のために、ポンプ、弁及び/又はアキュムレータといった種々異なる液圧式の構成要素が配置されているブロックと一緒に形成する。弁を必要に応じて操作するために取り付けられた電子制御装置と、ポンプを駆動させるための電動モータとを備えた適切な液圧ブロックが、たとえばDE4431250A1から既に公知である。液圧式の構成要素を収容するために、公知液圧ブロックは組込みスペースを有している。この組込みスペースは車両ブレーキ装置の根底にある液圧回路に対応して互いに関連している。この液圧回路は液圧ブロックを通過している通路に基づき機械的に構成されている。液圧回路の可能な機械的な構成は、特に上記明細書の図5から見て取ることができる。
【0003】
液圧ブロックの孔パターンへ液圧回路を実現する場合、車両ブレーキ装置の良好な制御ダイナミックスのために、可能な限り僅かな個数の可能な限り短く直接案内される通路で間に合わすことに注意されたい。このために必要な切削加工は、コストの理由から作業プロセス中の液圧ブロックの僅かな変圧過程だけが要求される。更に内部の圧密性及び発生する運転騒音に基づく孔パターンに課される要求がある。追従可能には、液圧ブロックがコンパクトな外径で可能な限り僅かな重量を有しているということは車両構造において特に重要である。
【0004】
発明の開示
発明の利点
請求項1の特徴を備えた形態が有する利点は、使用される液圧ブロックが極めて僅かな構成スペースしか取らず、特に簡単に切削加工可能であるという点である。更に液圧ブロックのコンパクト性の結果、液圧ブロックは僅かな重量しか有していない。上記利点はとりわけ液圧ブロックでの通路の本発明による配置もしくは本発明による案内に基づく。提案した通路案内は多機能性の閉鎖エレメントにより可能になる。この閉鎖エレメントはその閉鎖機能に加えて、単に製造技術的な視点から有利であるが液圧回路には設けられていない通路結合を遮断するという目的のために働く。前記通路結合は液圧回路における互いに関連していない2つの弁の組込みスペースを結合する。
【0005】
本発明の更なる利点又は有利な形態が、従属請求項及び以下の記載から明らかになる。請求項2は本発明による接続のために特に適している組込みスペースを有する弁の、液圧式の車両ブレーキ装置での機能に関して規定する。請求項3によれば、これらの2つの弁を今や互いに平行で且つ高さずれなしで一列に液圧ブロックに配置することができる。このことは液圧ブロックの僅かな構成容積に関わる。有利には、閉鎖エレメントとしては大量生産品として市場にて入手可能な円筒状の横断面を有するピンを使用することができる。このピンは、たとえば孔として形成された前記通路内に圧入可能である(請求項7,8)。
【0006】
本発明に係る液圧式のブレーキ装置は、車両のブレーキスリップ、駆動スリップ及び/又は走行安定性を制御するための装置と、たとえばポンプ、弁及び/又はアキュムレータといった液圧式の構成要素のための組込みスペースを有する液圧ブロックとが設けられており、該液圧ブロックが、たとえばマスタブレーキシリンダ又はホイールブレーキシリンダといった外部の装置に接触接続可能であり、且つ前記構成要素に車両ブレーキ装置の根底を成す液圧式の回路に対応して互いに接触接続している圧力媒体案内式の通路を有している液圧式のブレーキ装置において、第1の弁の第1の組込みスペースを第2の弁の第2の組込みスペースと結合し、液圧ブロックの外面に開口する第1の通路と、該第1の通路に開口する第2の通路と、第1の通路内に装入されている閉鎖エレメントとを有しており、該閉鎖エレメントが第1の通路を外方に圧密に閉鎖する第1のシール区分と、第1のシール区分とは反対側に位置する第2のシール区分と、第1のシール区分と第2のシール区分との間に位置し、圧力媒体が周りを通流する中間区分とを有しており、第2のシール区分が第2の通路の第1の通路への開口個所に対して第1のシール区分とは反対の側で位置し、第2の組込みスペースと第1の組込みスペースもしくは第2の通路との結合を遮断することを特徴とする。
【0007】
有利には、弁が、液圧ブロックに接続されたマスタブレーキシリンダから同様に接続されているホイールブレーキシリンダに通じている管路を制御し、第2の弁が、マスタブレーキシリンダからポンプの吸込み側に通じる通路を制御する。
【0008】
有利には、弁の第1の組込みスペースと弁の第2の組込みスペースとが互いに平行に配向されており、ほぼ同じ高さにおいて液圧ブロックに一列に配置されている。
【0009】
有利には、通路と通路とが互いにほぼ垂直に延在している。
【0010】
有利には、通路がポンプのための組込みスペースの長手方向軸線に対して平行に延在していて且つ盲孔として形成されている。
【0011】
有利には、通路への通路の開口個所と第2の弁の第2の組込みスペースの開口個所との間に、ポンプの組込みスペースとアキュムレータとを結合する第3の通路が設けられている。
【0012】
有利には、閉鎖エレメントが通路に圧入されている。
【0013】
有利には、閉鎖エレメントが円筒状の横断面を備えたピンである。
【0014】
図面
本発明の実施の形態を図面に記載し、以下に詳しく説明する。図面は全部で3つある。図1には本発明を理解するために必要な、液圧式のブレーキ装置の液圧回路の一部分が示されている。図2はこの種のブレーキ装置の液圧ブロックを斜視的に示した図である。最後に図3はそのために重要な更に液圧ブロックの縦断面図に基づく本発明の実質的な中枢部が示されている。
【0015】
実施の形態の説明
既述したように、図1には液圧式の車両ブレーキ装置の液圧回路の一部分が示されている。この液圧回路はブレーキ圧によってホイールブレーキ12を負荷するためのマスタブレーキシリンダ10、及び車両の対応配置されたホイールにおけるホイールスリップに関連して前記ブレーキ圧14を制御するための、マスタブレーキシリンダ10とホイールブレーキ12との間に接続された装置を有している。種々異なる液圧式の構成要素でブレーキ圧14を制御する装置は、図1において破線により象徴的に示されている液圧ブロック16を有している。前記装置14の個別の構成要素は、全部で4つの電磁制御可能な弁20〜26と、アキュムレータ28と、機械的に作動する逆止弁30と、ポンプ32と、これらの構成要素を結合して所定の液圧回路を形成する圧力媒体案内式の管路40〜46とを有している。
【0016】
第1の管路40はマスタブレーキシリンダ10からホイールブレーキ12に延びている。第1の管路40には第1の弁としてマスタブレーキシリンダ10の下流側にいわゆる切換え弁20が配置されている。この切換え弁20はその基本位置において通流位置を占めていて、電気制御により遮断位置に切り換えることができる。制御状態ではマスタブレーキシリンダ10からホイールブレーキ12への圧力媒体結合は遮断される。さらに切換え弁20の下流側には通常開放している別の弁が位置している。この弁は以下、流入弁22と呼称する。この流入弁22はホイールブレーキ12と直接結合されていて、電磁式に遮断位置へと切り換えられる。
【0017】
流入弁22とホイールブレーキ12との間において、第2の管路42(リターン)が分岐している。この第2の管路42には通常閉鎖された流出弁24が配置されている。この流出弁24はホイールブレーキ12からポンプ32の入口への結合管路44を制御する。この場合、流出弁24とポンプ32との間においてさらにアキュムレータ28及びこのアキュムレータ28に後置されている、ポンプ32の方向で開放する逆止弁30が配置されている。この逆止弁30は、圧力媒体がアキュムレータ28からポンプ32へのみ流れることができ、ポンプ32からアキュムレータ28に戻らないことを保証する。
【0018】
マスタブレーキシリンダ10からポンプ32の入口に通じる管路46には、高圧切換え弁26と呼称されている第4の弁が位置している。この高圧切換え弁26はその基本位置において閉鎖されていて、制御された場合には、ポンプ32に必要な場合にはマスタブレーキシリンダ10から圧力媒体を供給することを可能にする。ポンプ32の吐出側は切換え弁20と流入弁22との間において、マスタブレーキシリンダ10からホイールブレーキ12への第1の管路40へ開口している。
【0019】
液圧回路の機能はそれ自体公知であり、従って以下ではおおまかに説明するだけにしたい。
【0020】
ブレーキ装置の通常運転中には、マスタブレーキシリンダ10からホイールブレーキ12への第1の管路40は開放していて、切換え弁20と流入弁22とは基本位置を占めている。運転者によるブレーキペダル18の操作によりブレーキ圧をホイールブレーキ12において形成することができる。ブレーキ過程中の、ホイールブレーキ12に対応配置された車両のホイールにおけるスリップは検出され、次いでマスタブレーキシリンダ10とホイールブレーキ12との結合を遮断する切換え弁20の制御が行われる。同時にポンプ32が始動し、流入弁22は閉鎖され流出弁24が開放される。ポンプ32はこれによりホイールブレーキ12から圧力媒体を吸引でき、ホイールブレーキ12におけるブレーキ圧の低下を引き起こすことができる。存在しているスリップが解消されるやいなや、ホイールブレーキ12におけるブレーキ圧は再び形成されることになる。このためにポンプ32は切換え弁20と流入弁22との間の圧力媒体を第1の管路40に戻し搬送する。アキュムレータ28は圧力媒体を蓄え、ポンプ32の始動を保証する。
【0021】
必要なブレーキ圧増圧の場合には、高圧切換弁26を電磁式に開放することができるので、ポンプ32は付加的な圧力媒体をマスタブレーキシリンダ10から吸い込み、流入弁22に圧送することができる。この場合、一方向でのみ貫流可能な逆止弁30は、マスタブレーキシリンダ10から来る圧力媒体が、場合によってはなお開放されている流出弁24を通ってホイールブレーキ12に達することがないことを保証する。従って、ポンプ32の操作に関連した、流入弁22もしくは流出弁24の交番的な開閉によりホイールブレーキ12におけるブレーキ圧を調節することができる。
【0022】
車両の加速過程時に駆動されたホイールにおいてスリップが起こってしまう場合、切換え弁20の閉鎖によりマスタブレーキシリンダ10はホイールブレーキ12から連結解除することができる。それと同時のポンプ32の始動によって運転者とは関係なく圧力媒体は開放されている流入弁22を介してホイールブレーキ12に圧送され、そこでブレーキ圧を形成することができる。言い換えると駆動されている当該ホイールは効果的に制動され、従って駆動スリップを排除することができる。
【0023】
走行状態が緊急な不安定状態の場合に運転者の協働なしでも1つ以上のホイールは車両を制動することができ、その結果、車両は安定化される。発生したスリップの検出のために個々のホイールには車両側の回転数を測定するセンサ34が備え付けられている。このセンサ34によって伝送された信号の評価は電子制御装置36において行われる。この制御装置36は入力信号を処理して、前記弁20〜26のための制御信号を更に形成する。
【0024】
図2の三次元の図面には組込み状態にある液圧ブロック16が示されている。この液圧ブロック16は図1に示した複数の液圧回路を提供する。液圧ブロック16は直方体状の金属部分50から成っている。この金属部分50に切削加工プロセスによりとりわけ種々異なる弁20〜26のための組込みスペース52〜58が形成されている。それぞれ4つの組込みスペース52〜58は、液圧ブロック50の前面の種々異なる高さにおいて延在している3つの列62〜66において互いに平行に配置されている。組込みスペース52の上側の列62は液圧回路の流出弁24を収容するために規定されていて、中間の列64は液圧回路の流入弁22を収容し、下側の列66においては外側に位置している組込みスペース56が切換え弁20の収容のために働き、且つ内側の組込みスペース58が高圧切換え弁26の収容のために働く。組込みスペース56,58の下側の列66は、中間の列64が上側の列62から離間しているよりも大きく中間の列64に対して離間している。これにより液圧ブロック50にはポンプ32のための組込みスペース70を設けるための場所が設けられる。この組込みスペース70は弁20〜26の組込みスペース52〜58に対して直角を成して延在していて、液圧ブロック16の側面72から出発している。図2には個別のポンプ32の組込みスペース70だけが示されていて、第2のポンプの相対している組込みスペースは図面からは見て取ることはできない。液圧回路のアキュムレータ28を収容するための別の組込みスペース74は下面76から垂直に液圧ブロック16内へと上方に延在している。
【0025】
列挙された組込みスペース52〜58,70,74は圧力媒体案内式の通路により互いに結合されて液圧回路を形成する。これらの通路は孔80を抜けて液圧ブロック16に切削加工されている。4つの前記圧力媒体案内式の孔80はその始端を、図2において可視である液圧ブロック16の側面72に有している。液圧装置の始動準備が整っている場合、液圧ブロック16の前記孔は閉鎖エレメントにより周囲に向かってシールされている。液圧ブロック16における別の孔82は組込みスペース52,54の2つの上側の列62,64の間に配置されている。別の孔82は液圧ブロック16の前面から背面へと貫通していて、電気的な線路の貫通案内のために働く。これらの電気的な線路は反対側の背面に取付け可能な電動モータを可視の前面に取付け可能な電子制御装置36と接触接続させる。電動モータを介して、有利には使用する偏心体の駆動が行われる。偏心体は背面から液圧ブロック16の内部へと組込み可能である。前記偏心体(図2に示さず)は往復するストローク運動をポンプ32に強制する。
【0026】
図3には液圧ブロック16の一区分が縦断面図で示されている。盲孔の形式で構成されていて、図3の液圧ブロック16の左側の外側にて始まる第1の通路90を見て取ることができる。この第1の通路90はポンプ32のための組込みスペース70の下側に配置されている。通路90の長手方向軸線92は前記組込みスペース70の長手方向軸線94に対して平行に延在している。液圧ブロック16の左側の外側に対して側方の間隔をもって、第2の通路96が組込みスペース70の長手方向軸線に対して垂直に延在している。第2の通路96はポンプ32に吐出側と第1の通路90との間に結合部を形成する。第1の通路90への第2の通路96の開口個所の領域には、弁20のための第1の組込みスペース98が位置している。この組込みスペース98は破線だけで示されている。なぜならば組込みスペース98の横断面は液圧ブロック16の背面から延びているからである。この組込みスペース98は切換え弁20を収容するために設けられていて、第1の通路90に同様に接触接続している。第2の組込みスペース100は平行に変位されていて、第1の組込みスペース98に対して同じ高さに配置され、そして液圧ブロック16において更に内側に位置している。この組込みスペース100は高圧切換え弁26を収容し、第1の通路90に同様に液圧式に接続されている。弁20,26の2つの組込みスペース98,100の間に、第2の通路96に対して平行に延在している第3の通路102が示されている。この第3の通路102はその端部においてアキュムレータ28のための組込みスペース104に開口し、この組込みスペース104に対して反対側では、ポンプ32の組込みスペース70の吸込み側の領域に結合されている。ポンプ32の組込みスペース70からアキュムレータ28の組込みスペース104への経路において、第3の通路102が第1の通路90と交差する。アキュムレータ28の組込みスペースの少し手前で孔102内に逆止弁30が位置している。これによりアキュムレータ28から第1の通路90への圧力媒体流だけが許容され、反対方向は遮断される。このために、逆止弁30は弁座体106とそこに形成されている弁座108とを提供する。弁座108は閉鎖体110と協働し、この閉鎖体110はこのために圧縮ばね112によって弁座108に向かって押圧される。この圧縮ばね112は弁座体106と閉鎖体110との間において張設されている。
【0027】
第1の通路90に、ここではたとえば円筒状のピンの形状をした閉鎖エレメント120が圧入されている。この円筒状のピンは液圧ブロック16の外側から第2の通路96の第1の通路90への開口個所と、組込みスペース98の第1の通路90への開口個所とを超えて延びている。閉鎖エレメント120は液圧ブロック16の外側寄りの外側の第1のシール区分122を有している。この第1のシール区分122には、周辺に対して第1の通路90を閉鎖する機能がある。外側のシール区分122には内側に位置している第2のシール区分124が相対している。この第2のシール区分124は、ポンプ32の組込みスペース70もしくは第1の弁20の組込みスペース98から高圧切換え弁26の組込みスペースへの、液圧回路において必要でない圧力媒体結合を遮断する。ポンプ32の組込みスペース70の吐出側の部分から第1の通路90に延在している第2の通路96と第1の弁20の組込みスペース98とは液圧式に互いに結合されている。このことは第1の通路90の横断面よりも大きく寸法設定されている流れ横断面により達成される。これにより開口個所を通過している円筒状のピンは、その2つのシール区分122,124との間に位置して圧力媒体が周囲を流れる中間区分126を有している。
【0028】
図1の液圧回路と図3の機械的な実際の構成における互いに対応する圧力媒体結合は、対応する図面において方向矢印によって見て取られる。この方向矢印は大文字A〜Cを有している。
【0029】
当然ながら記載の形態の別の形態又は補完した形態が、上記の本発明の基本思想からそれずに可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】液圧式のブレーキ装置の液圧回路の必要な部分を示した図である。
【図2】前記ブレーキ装置の液圧ブロックの斜視図である。
【図3】液圧ブロックの重要な部分の縦断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧式のブレーキ装置であって、車両のブレーキスリップ、駆動スリップ及び/又は走行安定性を制御するための装置(14)と、たとえばポンプ(32)、弁(20〜26)及び/又はアキュムレータ(28)といった液圧式の構成要素のための組込みスペース(52〜58,70,74,98,100)を有する液圧ブロック(16)とが設けられており、該液圧ブロック(16)が、たとえばマスタブレーキシリンダ(10)又はホイールブレーキシリンダ(12)といった外部の装置に接触接続可能であり、且つ前記構成要素に車両ブレーキ装置の根底を成す液圧式の回路に対応して互いに接触接続している圧力媒体案内式の通路を有している液圧式のブレーキ装置において、
第1の弁(20)の第1の組込みスペース(98)を第2の弁(22)の第2の組込みスペース(100)と結合し、液圧ブロック(16)の外面に開口する第1の通路(90)と、
該第1の通路(90)に開口する第2の通路(96)と、
第1の通路(90)内に装入されている閉鎖エレメント(120)とを有しており、
該閉鎖エレメント(120)が第1の通路(90)を外方に圧密に閉鎖する第1のシール区分(122)と、
第1のシール区分(122)とは反対側に位置する第2のシール区分(124)と、
第1のシール区分(122)と第2のシール区分(124)との間に位置し、圧力媒体が周りを通流する中間区分(126)とを有しており、
第2のシール区分(124)が第2の通路(96)の第1の通路(90)への開口個所に対して第1のシール区分(122)とは反対の側で位置し、第2の組込みスペース(100)と第1の組込みスペース(98)もしくは第2の通路(96)との結合を遮断する
ことを特徴とする、液圧式のブレーキ装置。
【請求項2】
弁(20)が、液圧ブロック(16)に接続されたマスタブレーキシリンダ(10)から同様に接続されているホイールブレーキシリンダ(12)に通じている管路(40)を制御し、第2の弁(22)が、マスタブレーキシリンダ(10)からポンプ(32)の吸込み側に通じる通路(46)を制御する、請求項1記載の液圧式のブレーキ装置。
【請求項3】
弁(20)の第1の組込みスペース(98)と弁(26)の第2の組込みスペース(100)とが互いに平行に配向されており、ほぼ同じ高さにおいて液圧ブロック(16)に一列(66)に配置されている、請求項1又は2記載の液圧式のブレーキ装置。
【請求項4】
通路(90)と通路(96)とが互いにほぼ垂直に延在している、請求項1から3までのいずれか一項記載の液圧式のブレーキ装置。
【請求項5】
通路(90)がポンプ(32)のための組込みスペース(70)の長手方向軸線(94)に対して平行に延在していて且つ盲孔として形成されている、請求項4記載の液圧式のブレーキ装置。
【請求項6】
通路(90)への通路(96)の開口個所と第2の弁(26)の第2の組込みスペース(100)の開口個所との間に、ポンプ(32)の組込みスペース(70)とアキュムレータ(28)とを結合する第3の通路(102)が設けられている、請求項1から5までのいずれか一項記載の液圧式のブレーキ装置。
【請求項7】
閉鎖エレメント(120)が通路(90)に圧入されている、請求項1から6までのいずれか一項記載の液圧式のブレーキ装置。
【請求項8】
閉鎖エレメント(120)が円筒状の横断面を備えたピンである、請求項1から7までのいずれか一項記載の液圧式のブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−536126(P2009−536126A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508275(P2009−508275)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052647
【国際公開番号】WO2007/128616
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】