液晶材料吐出装置、ノズル製造方法
【課題】長期にわたって安定した液滴の精度を保つための技術を提供する。
【解決手段】液晶材料吐出装置のノズル103の表面をパーフルオロアルキル基を有する高分子化合物から成る撥液被膜で覆う。液滴がノズルの表面に接触しても拡がらないので、ノズル先端に液溜まりが生じず、吐出不良や吐出方向不良が生じない。
【解決手段】液晶材料吐出装置のノズル103の表面をパーフルオロアルキル基を有する高分子化合物から成る撥液被膜で覆う。液滴がノズルの表面に接触しても拡がらないので、ノズル先端に液溜まりが生じず、吐出不良や吐出方向不良が生じない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶材料などを液滴として吐出させるための液体材料吐出ノズルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラウン管を使った表示装置は広く普及しているが、大画面になるに伴いその奥行きが大きくなってしまうという欠点があり、ノート型コンピュータや携帯電話、PDAといった各種携帯用電子機器の発展に伴って、これらに適用できる軽薄短小型の平板表示装置の開発が進んでいる。
【0003】
例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、電界放出ディスプレイ、真空蛍光ディスプレイが挙げられ、この他にもエレクトロルミネセンス(EL)や発光ダイオード(LED)を用いた手段も開発されてきている。この中で、液晶表示装置は高画質、消費電力および量産化の技術といった点で優位性が認められている。
【0004】
液晶表示装置は液晶材料をガラス基板で挟み、さらに特定の偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタを前記ガラス基板の前後に配置する事で液晶パネルとし、映像を表示させる装置である。液晶材料は電圧を加える事によって液晶分子の配向が変化する特性を有し、この液晶材料の配向変化を光源からの光のシャッターとして利用する。複雑な映像を表示させる場合には、画素となるマトリクスを格子状に均等配列したドットマトリクスタイプの液晶パネルを用い、各画素に薄膜トランジスタ(TFT)のような駆動素子を形成することで実現される。
このような液晶表示装置を作製する際に、液晶材料を二枚のガラス基板を貼り合わせた液晶セルに封止する方法として以下のような方法が考案されている。
【0005】
二枚のガラス基板を貼り合わせ液晶セルとした後に液晶材料を注入する方法として、液晶材料注入口を備えた液晶セルで液晶セル内外の圧力差を用いて液晶材料を注入する方法や、液晶材料注入口および排気口を備えた液晶セルで液晶注入口から液晶材料を注入する方法(特開平7−281200号公報)がある。
【0006】
しかし、前記のような二枚のガラス基板を貼り合わせた液晶セルに液晶材料を注入する方法では、液晶セルに液晶材料注入口が設けてあるためにこれを紫外線硬化樹脂などの封止材を用いて封止する必要があり、また、封止材の汚染や封止部分からの気泡の混入が生じてしまう。
【0007】
さらには大型基板での液晶セルでは均一な液晶注入は量産性に欠ける。そこで、ガラス基板上に形成されたシール剤の内側に液晶材料を滴下し、真空容器内でもう一枚のガラス基板を貼り合わせ液晶材料を封止する方法(特開昭63−179323号公報)が考案されている。
この方法では基板サイズに対して液晶材料の封止精度が十分満たされ、さらには液晶材料注入口を備える必要がなく液晶表示装置の製造方法として有効な手段である。
【0008】
ガラス基板上に形成されたシール剤の内側に液晶材料を滴下するための手段として、ガスの圧力を用いて液晶材料を液滴吐出ノズルから滴下する方法(特許公開2003−287730号公報)、ピストンを用いて液晶材料自体に圧力をかけ液滴吐出ノズルから液晶材料を吐出する方法(特許公開2001−272640号公報)さらには、マイクロシリンジを液滴吐出ノズルとし、液晶材料の計測および吐出を行う方法(特許公開2006−106150号公報)等が考案されている。
【特許文献1】特開平7−281200号公報
【特許文献2】特開昭63−179323号公報
【特許文献3】特許公開2003−287730号公報
【特許文献4】特許公開2001−272640号公報
【特許文献5】特許公開2006−106150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
液晶表示装置の高精度化に伴い、液晶材料の改善に伴う高粘度化や表面張力が低い材料に変わってきており、さらには滴下量、滴下位置の高精度化が求められている。しかし、前述したようなノズルを介して液晶材料を滴下する手段においては液晶材料がノズル先端部に回り込み不均一な液溜りが生じたり、吐出時に気泡を含んでしまったりすることで、結果として液晶材料の吐出の滞り、吐出位置精度が満たされないといった問題が生じている。
そこで、本発明では長期にわたって安定した液滴の精度を保つための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、ノズルの先端に形成された吐出口から、液晶材料の液滴を吐出する液晶材料吐出装置であって、前記ノズルの表面には、パーフルオロアルキル基を含む樹脂から成る撥液被膜が配置された液晶材料吐出装置である。
また、本発明は、ノズルの先端に形成された吐出口から、液晶材料の液滴を吐出する液晶材料吐出装置であって、前記ノズルの表面には、金属膜中にフッ素樹脂粒子が分散された撥液被膜が配置された液晶材料吐出装置である。
また、本発明は、パーフルオロアルキル基を含む樹脂原料液中に、液晶材料の液滴を先端の吐出口から吐出するノズルを浸漬し、前記ノズル表面に前記樹脂原料液を付着させた後、硬化させ、前記ノズルの表面に、パーフルオロアルキル基を含む高分子化合物を形成するノズル製造方法である。
また、本発明は、液晶材料の液滴を先端の吐出口から吐出するノズルと、パーフルオロアルキル基を含む樹脂原料とを真空槽内に配置し、真空雰囲気中で前記真空槽内に前記樹脂原料の蒸気を発生させ、前記ノズルの表面に前記蒸気を到達させ、前記ノズルの表面に、パーフルオロアルキル基を含む樹脂から成る撥液被膜を形成するノズル製造方法である。
【0011】
液滴を吐出するノズルを構成する部材としては、ガラス、シリコン、ルビー、サファイア、酸化アルミニウム(アルミナ)、ステンレス、といった合金、鉱物、無機物等の剛性材料を用いることができる。
これらの材料に、機械加工やレーザ加工といった加工手段によって直線状の貫通孔を形成し、その先端を吐出口とする。これにより、液滴吐出位置および位置精度を十分満たす事ができる。
【0012】
液晶材料の吐出液量精度を保つためにはノズルの表面への液晶材料の回り込みを防がなければならない。本発明では、ノズル本体の表面に上記撥液被膜を設けてノズルを構成することで解決している。
撥液被膜としては、液晶材料は誘電率の低い溶媒や粘度の高い溶媒が使用されるため、フッ素樹脂やパーフルオロアルキルから構成されるシラン、シラザン等のカップリング剤もしくはポリマーの被膜を用いることができる。
【0013】
具体的には、サイトップシリーズ(商標、旭硝子株式会社製)、メガファック(商標、大日本インキ化学工業株式会社製)、ディックガード(商標、大日本インキ化学工業株式会社製)、FPX−30G(商標、JSR株式会社製)、オプツールDSX(商標、ダイキン化学工業社製)、ノベックEGC−1720(商標、住友3M社製)、Patinalシリーズ(substance WR1,WR2,WR3)(商標、メルク株式会社製)や、この他にもフルオロアルキルシランや少なくともこれを含む樹脂原料を用いることができる。
【0014】
これらの樹脂原料液に含まれる溶剤を蒸発させ、パーフルオロアルキル基を有する高分子化合物から成る撥液被膜とすることができる。
樹脂原料液を加熱し、重合させて、パーフルオロアルキル基を有する高分子化合物(ポリマー)を形成することもできる。
樹脂原料液は、溶剤を含んでいてもよい。
【0015】
撥液被膜の形成方法としては、ディップ塗布方法、真空蒸着方法、CVD(化学気相蒸着法)、プラズマ重合といった手段を用いることができる。いずれも真空雰囲気中で、樹脂原料の蒸気を放出させ、ノズルに付着させて成膜する方法である。
真空中で樹脂原料の蒸気を発生させる場合、液状の樹脂原料を加熱しても良いし、固体状の樹脂原料を昇華させてもよい。
【0016】
液晶材料のノズル表面への回り込みを防ぐためにはノズルの先端部分の形状も重要である。液晶材料吐出口であるノズル先端部の肉厚は、吐出口のサイズに比べ3/4以下である事が好ましい。また、ノズル形状として、吐出開口部からの角度が45°以上である事が望ましい。
この結果、吐出される液晶材料液滴の位置精度および液滴特性が十分満足されるノズルを提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の液晶材料吐出装置のノズルは、表面に撥液被膜が形成されており、ノズル先端の吐出口から液晶材料が液滴となって吐出する際に、液滴がノズルの表面に接触しても拡がらないので、ノズル先端に液溜まりが生じず、吐出不良や吐出方向不良が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の液晶材料吐出装置を説明する。
図1は、本発明の液晶材料吐出装置を示しており、ノズル103を有している。ノズル103の構造については後述する。
この液晶材料吐出装置はシリンジ101内に溜めた液晶材料をピストン104にてシリンジ101内の液晶材料に圧力をかけ、ノズル接続部102に接続しているノズル103から液晶材料を吐出する機構となっている。
【0019】
また、液晶材料はタンクへ接続されている配管105により供給される。ピストン104は、ステッピングモータ106により駆動するボールネジ107によってピストンコネクタ108部が上下に動作し駆動する機構となっている。これらは架台109によって一体型となっている。
【0020】
ノズル103はルビー製で、図2、図3は、その構造を説明するための拡大図である。ノズル103の吐出口302の反対にはネジ部202が配置されており、シリンジ101のノズル接続部102とネジ接続される。
点線で示しているのはφ0.3mmのノズル孔203でレーザ加工により形成されている。図3(a)は、ノズル103の拡大断面図と、同図(b)は、吐出口302の先端部から見た平面図である。
【0021】
ルビーで構成されたノズル本体301に、液晶材料を吐出するための直線状の貫通孔が形成され、その先端によって吐出口302が構成されている。貫通孔の吐出口302の開口径は0.3mm、ノズル本体301の肉厚は0.1mmである。また、ノズル103の外形形状として、吐出口302に接続された傾斜面の貫通孔の中心軸線と成す傾斜角度は10°である。ノズル本体301の先端の面と貫通孔とは垂直である。
このノズルには、図4に示すように、撥液被膜402が形成されている。同図符号401は、ノズル本体301の先端部分である。
【0022】
この撥液被膜402の形成方法を説明すると、住友3M(株)製のノベックEGC−1720(登録商標)を樹脂原料液として用意し、この樹脂原料中に、撥液被膜402が形成されていないノズル103、即ち、ノズル本体301の表面が露出する状態のノズル103を浸漬し、樹脂原料液をノズル本体301表面に付着させ、室温(23℃)中で30分間放置した後、100℃に加熱して30分間乾燥させ、パーフルオロアルキル基を有する高分子樹脂膜から成る撥液被膜を得た。ここでは、加熱後、さらに、室温で24時間放置した。
【0023】
図3の符号Aで示された部分の拡大図を図4に示す。ルビーで構成された先端部分401に撥液被膜402が10nm程度の厚さでコーティングされている。
前記撥液被膜を有さず、ルビーから成るノズル本体301が露出したノズルによって液晶材料を吐出すると、図5(a)に示すように、ノズルの側面に液晶材料が接触したときに液晶材料がノズルの表面上を広がり、ノズルの先端が液溜まり503で覆われた状態になってしまう。
【0024】
実験では、液晶材料としてネマチック液晶を用い、186ミリ秒間隔で2μLの吐出を249回連続吐出すると、ルビーから成るノズル本体が露出したノズルでは、図10の写真に示すような液溜まりが形成された。液溜まり503によってノズルの吐出口が覆われると、液晶材料の液滴を吐出できなくなる。
【0025】
本発明の液晶材料吐出装置では、ノズル103の吐出口に近い外周表面が撥液被膜で被覆されているので、図5(b)に示すように、液溜まりが形成されず、液晶材料の吐出量およびその位置精度が十分満たされる。本発明の液晶材料吐出装置の場合、撥液被膜を形成していないノズルと同じ条件で吐出試験を6時間行っても、液溜まりは生じず、図11の写真に示すように、液晶材料の吐出の滞りや不均一な液量での吐出は見られなかった。
【0026】
次に、図6に示すような形状のステンレス製のノズル601について説明する。
このノズル601では、部材であるステンレスに機械加工によりネジ部602とφ0.4mmの貫通孔603を形成し、電解研磨処理を行ったものである。
このノズル601の先端部の詳細図を図7に示す。ノズル孔の液晶材料吐出口の開口径702は0.4mm、ノズル先端部の肉厚が0.15mm、ノズル先端部の傾斜角度はノズル孔に対して30°の角度を有している。
【0027】
このステンレス製のノズルに下記の方法にて撥液被膜をコートした。パーフルオロアルキル基を有する樹脂を固体化した樹脂原料(ここでは、メルク株式会社製のWR1 Partinal(商標))を真空槽内の蒸着源に配置し、10-3Paの真空雰囲気中で樹脂原料を360℃から450℃に加熱し、真空槽内に樹脂原料の蒸気を放出させた。
30秒間放出させると、ノズル本体の表面に、10nm〜20nmの膜厚の撥液被膜(パーフルオロアルキル基を有する高分子樹脂膜)が形成された。
【0028】
図8に、図7の符号Bで示された部分の拡大図を示す。ノズル本体801はステンレスで構成されており、その表面に、撥液被膜802が形成されている。
前記撥液被膜を有さず、ステンレスから成るノズル本体801が露出されたノズルによって液晶材料を吐出すると、図9(a)に示すように、ノズルの側面に液晶材料が接触したときに液晶材料がノズルの表面上を広がり、ノズルの先端が液溜まり903で覆われた状態になってしまう。
【0029】
実験では、液晶材料としてネマチック液晶を用い、191ミリ秒間隔で5μLの吐出を249回連続吐出すると、ステンレスのノズル本体801が露出するノズルでは、図12の写真に示すような液溜まりが形成された。液溜まり903によってノズルの吐出口が覆われると、液晶材料の液滴を吐出できなくなってり、吐出方向がばらついてしまったりする。
【0030】
これに対し、ステンレスのノズル本体の表面が撥液被膜で被覆されたノズルの場合は、図9(b)に示すように、ノズルの先端に液溜りが生じず、均一な液晶材料を吐出できる。
撥液被膜を備えたノズルを用いて、前記条件の液晶材料吐出試験を6時間連続で行ったが、図13の写真に示すように液溜まりは生じず、液晶材料の吐出の滞りや不均一な液量での吐出は見られなかった。従って、撥水被膜が形成されたノズルは十分な吐出性能を得る事ができる。
【0031】
このように、液晶材料のような液状の物質を吐出するためのノズルの表面に撥液被膜を備えることによって、ノズル先端部の不均一な液溜りやそれに伴う吐出の滞り、吐出性能の低下を防ぐ事が可能となる。
なお、水と各材料との間の接触角を測定したところ、ステンレス上では60.5°であり、上記の撥液被膜上では109°〜110°であった。水のルビー上の接触角は、少なくともステンレスよりも小さい。
【0032】
上記のパーフルオロアルキル基を含む樹脂は、化学構造中にパーフルオロアルキル基を主鎖や側鎖に有する高分子化合物であり、単分子膜の場合も含む。パーフルオロアルキル基を有する樹脂も同じ意味である。
【0033】
<他の実施例>
ノズル孔開口径が0.3mmのルビー製のノズル本体の表面に、スパッタリング法により、厚さ20nmのクロム層と、厚さ300nmのプラチナ層を記載した順番に積層した。このとき、クロム層とプラチナ層の積層膜は、ノズル本体の表面(外周面)には形成されるが、ノズル本体の貫通孔内壁面は、ノズル本体の影となってスパッタリング粒子が到達せず、積層膜が形成されない。
そこで、ノズル本体をメッキ液に浸漬し、無電解メッキ法により、プラチナ層の表面と、ノズル本体の貫通孔の内壁面に金属等の導電層を形成した。
ニッケルと、カチオン系界面活性剤と、PTFE(ポリテトラフルオロエタン)粒子とが分散された樹脂原料液を作成し、導電層が形成された状態のノズル本体301を樹脂原料液に浸漬し、電界メッキ法により、ニッケル金属膜中にPTFE粒子が分散された状態の撥液被膜(膜厚20μm)を導電層表面に形成して、ノズルを作成した。導電層はノズル本体の表面と貫通孔内壁面に形成されているから、撥液被膜はノズル本体表面上と、貫通孔内壁面上に形成されている。
【0034】
このノズルを図1の液晶材料吐出装置に取り付け、液晶材料としてネマチック液晶を用い、186ミリ秒間隔で2μLの吐出を249回連続吐出する液晶材料吐出試験を行ったところ、ノズル先端部やその表面には不均一な液溜まりは見られず、液晶材料の吐出量及びその位置精度が十分満たされていることが分かる。
更に、上記液晶材料吐出試験と同じ条件で4時間連続液晶材料の吐出を行っても、液晶材料の吐出が滞るといった不具合は見られなかった。
以上は、撥液被膜の金属膜としてニッケル金属膜を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の金属膜を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の液晶材料吐出装置を説明するための図
【図2】ルビーから成るノズルを説明するための図
【図3】(a)、(b):そのノズルの吐出口を説明するための図
【図4】そのノズルの撥液被膜を説明するための図
【図5】ルビーから成るノズルの、(a):液溜まりが生じた場合の模式図 (b):液溜まりが生じない場合の模式図
【図6】ステンレスから成るノズルを説明するための図
【図7】そのノズルの吐出口を説明するための図
【図8】そのノズルの撥液被膜を説明するための図
【図9】ステンレスから成るノズルの、(a):液溜まりが生じた場合の模式図 (b):液溜まりが生じない場合の模式図
【図10】ルビーから成るノズルの液溜まりが生じた場合の写真
【図11】ルビーから成るノズルの液溜まりが生じない場合の写真
【図12】ステンレスから成るノズルの液溜まりが生じた場合の写真
【図13】ステンレスから成るノズルの液溜まりが生じない場合の写真
【符号の説明】
【0036】
103……ノズル
302、702……吐出口
402、802……撥液被膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶材料などを液滴として吐出させるための液体材料吐出ノズルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラウン管を使った表示装置は広く普及しているが、大画面になるに伴いその奥行きが大きくなってしまうという欠点があり、ノート型コンピュータや携帯電話、PDAといった各種携帯用電子機器の発展に伴って、これらに適用できる軽薄短小型の平板表示装置の開発が進んでいる。
【0003】
例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、電界放出ディスプレイ、真空蛍光ディスプレイが挙げられ、この他にもエレクトロルミネセンス(EL)や発光ダイオード(LED)を用いた手段も開発されてきている。この中で、液晶表示装置は高画質、消費電力および量産化の技術といった点で優位性が認められている。
【0004】
液晶表示装置は液晶材料をガラス基板で挟み、さらに特定の偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタを前記ガラス基板の前後に配置する事で液晶パネルとし、映像を表示させる装置である。液晶材料は電圧を加える事によって液晶分子の配向が変化する特性を有し、この液晶材料の配向変化を光源からの光のシャッターとして利用する。複雑な映像を表示させる場合には、画素となるマトリクスを格子状に均等配列したドットマトリクスタイプの液晶パネルを用い、各画素に薄膜トランジスタ(TFT)のような駆動素子を形成することで実現される。
このような液晶表示装置を作製する際に、液晶材料を二枚のガラス基板を貼り合わせた液晶セルに封止する方法として以下のような方法が考案されている。
【0005】
二枚のガラス基板を貼り合わせ液晶セルとした後に液晶材料を注入する方法として、液晶材料注入口を備えた液晶セルで液晶セル内外の圧力差を用いて液晶材料を注入する方法や、液晶材料注入口および排気口を備えた液晶セルで液晶注入口から液晶材料を注入する方法(特開平7−281200号公報)がある。
【0006】
しかし、前記のような二枚のガラス基板を貼り合わせた液晶セルに液晶材料を注入する方法では、液晶セルに液晶材料注入口が設けてあるためにこれを紫外線硬化樹脂などの封止材を用いて封止する必要があり、また、封止材の汚染や封止部分からの気泡の混入が生じてしまう。
【0007】
さらには大型基板での液晶セルでは均一な液晶注入は量産性に欠ける。そこで、ガラス基板上に形成されたシール剤の内側に液晶材料を滴下し、真空容器内でもう一枚のガラス基板を貼り合わせ液晶材料を封止する方法(特開昭63−179323号公報)が考案されている。
この方法では基板サイズに対して液晶材料の封止精度が十分満たされ、さらには液晶材料注入口を備える必要がなく液晶表示装置の製造方法として有効な手段である。
【0008】
ガラス基板上に形成されたシール剤の内側に液晶材料を滴下するための手段として、ガスの圧力を用いて液晶材料を液滴吐出ノズルから滴下する方法(特許公開2003−287730号公報)、ピストンを用いて液晶材料自体に圧力をかけ液滴吐出ノズルから液晶材料を吐出する方法(特許公開2001−272640号公報)さらには、マイクロシリンジを液滴吐出ノズルとし、液晶材料の計測および吐出を行う方法(特許公開2006−106150号公報)等が考案されている。
【特許文献1】特開平7−281200号公報
【特許文献2】特開昭63−179323号公報
【特許文献3】特許公開2003−287730号公報
【特許文献4】特許公開2001−272640号公報
【特許文献5】特許公開2006−106150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
液晶表示装置の高精度化に伴い、液晶材料の改善に伴う高粘度化や表面張力が低い材料に変わってきており、さらには滴下量、滴下位置の高精度化が求められている。しかし、前述したようなノズルを介して液晶材料を滴下する手段においては液晶材料がノズル先端部に回り込み不均一な液溜りが生じたり、吐出時に気泡を含んでしまったりすることで、結果として液晶材料の吐出の滞り、吐出位置精度が満たされないといった問題が生じている。
そこで、本発明では長期にわたって安定した液滴の精度を保つための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、ノズルの先端に形成された吐出口から、液晶材料の液滴を吐出する液晶材料吐出装置であって、前記ノズルの表面には、パーフルオロアルキル基を含む樹脂から成る撥液被膜が配置された液晶材料吐出装置である。
また、本発明は、ノズルの先端に形成された吐出口から、液晶材料の液滴を吐出する液晶材料吐出装置であって、前記ノズルの表面には、金属膜中にフッ素樹脂粒子が分散された撥液被膜が配置された液晶材料吐出装置である。
また、本発明は、パーフルオロアルキル基を含む樹脂原料液中に、液晶材料の液滴を先端の吐出口から吐出するノズルを浸漬し、前記ノズル表面に前記樹脂原料液を付着させた後、硬化させ、前記ノズルの表面に、パーフルオロアルキル基を含む高分子化合物を形成するノズル製造方法である。
また、本発明は、液晶材料の液滴を先端の吐出口から吐出するノズルと、パーフルオロアルキル基を含む樹脂原料とを真空槽内に配置し、真空雰囲気中で前記真空槽内に前記樹脂原料の蒸気を発生させ、前記ノズルの表面に前記蒸気を到達させ、前記ノズルの表面に、パーフルオロアルキル基を含む樹脂から成る撥液被膜を形成するノズル製造方法である。
【0011】
液滴を吐出するノズルを構成する部材としては、ガラス、シリコン、ルビー、サファイア、酸化アルミニウム(アルミナ)、ステンレス、といった合金、鉱物、無機物等の剛性材料を用いることができる。
これらの材料に、機械加工やレーザ加工といった加工手段によって直線状の貫通孔を形成し、その先端を吐出口とする。これにより、液滴吐出位置および位置精度を十分満たす事ができる。
【0012】
液晶材料の吐出液量精度を保つためにはノズルの表面への液晶材料の回り込みを防がなければならない。本発明では、ノズル本体の表面に上記撥液被膜を設けてノズルを構成することで解決している。
撥液被膜としては、液晶材料は誘電率の低い溶媒や粘度の高い溶媒が使用されるため、フッ素樹脂やパーフルオロアルキルから構成されるシラン、シラザン等のカップリング剤もしくはポリマーの被膜を用いることができる。
【0013】
具体的には、サイトップシリーズ(商標、旭硝子株式会社製)、メガファック(商標、大日本インキ化学工業株式会社製)、ディックガード(商標、大日本インキ化学工業株式会社製)、FPX−30G(商標、JSR株式会社製)、オプツールDSX(商標、ダイキン化学工業社製)、ノベックEGC−1720(商標、住友3M社製)、Patinalシリーズ(substance WR1,WR2,WR3)(商標、メルク株式会社製)や、この他にもフルオロアルキルシランや少なくともこれを含む樹脂原料を用いることができる。
【0014】
これらの樹脂原料液に含まれる溶剤を蒸発させ、パーフルオロアルキル基を有する高分子化合物から成る撥液被膜とすることができる。
樹脂原料液を加熱し、重合させて、パーフルオロアルキル基を有する高分子化合物(ポリマー)を形成することもできる。
樹脂原料液は、溶剤を含んでいてもよい。
【0015】
撥液被膜の形成方法としては、ディップ塗布方法、真空蒸着方法、CVD(化学気相蒸着法)、プラズマ重合といった手段を用いることができる。いずれも真空雰囲気中で、樹脂原料の蒸気を放出させ、ノズルに付着させて成膜する方法である。
真空中で樹脂原料の蒸気を発生させる場合、液状の樹脂原料を加熱しても良いし、固体状の樹脂原料を昇華させてもよい。
【0016】
液晶材料のノズル表面への回り込みを防ぐためにはノズルの先端部分の形状も重要である。液晶材料吐出口であるノズル先端部の肉厚は、吐出口のサイズに比べ3/4以下である事が好ましい。また、ノズル形状として、吐出開口部からの角度が45°以上である事が望ましい。
この結果、吐出される液晶材料液滴の位置精度および液滴特性が十分満足されるノズルを提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の液晶材料吐出装置のノズルは、表面に撥液被膜が形成されており、ノズル先端の吐出口から液晶材料が液滴となって吐出する際に、液滴がノズルの表面に接触しても拡がらないので、ノズル先端に液溜まりが生じず、吐出不良や吐出方向不良が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の液晶材料吐出装置を説明する。
図1は、本発明の液晶材料吐出装置を示しており、ノズル103を有している。ノズル103の構造については後述する。
この液晶材料吐出装置はシリンジ101内に溜めた液晶材料をピストン104にてシリンジ101内の液晶材料に圧力をかけ、ノズル接続部102に接続しているノズル103から液晶材料を吐出する機構となっている。
【0019】
また、液晶材料はタンクへ接続されている配管105により供給される。ピストン104は、ステッピングモータ106により駆動するボールネジ107によってピストンコネクタ108部が上下に動作し駆動する機構となっている。これらは架台109によって一体型となっている。
【0020】
ノズル103はルビー製で、図2、図3は、その構造を説明するための拡大図である。ノズル103の吐出口302の反対にはネジ部202が配置されており、シリンジ101のノズル接続部102とネジ接続される。
点線で示しているのはφ0.3mmのノズル孔203でレーザ加工により形成されている。図3(a)は、ノズル103の拡大断面図と、同図(b)は、吐出口302の先端部から見た平面図である。
【0021】
ルビーで構成されたノズル本体301に、液晶材料を吐出するための直線状の貫通孔が形成され、その先端によって吐出口302が構成されている。貫通孔の吐出口302の開口径は0.3mm、ノズル本体301の肉厚は0.1mmである。また、ノズル103の外形形状として、吐出口302に接続された傾斜面の貫通孔の中心軸線と成す傾斜角度は10°である。ノズル本体301の先端の面と貫通孔とは垂直である。
このノズルには、図4に示すように、撥液被膜402が形成されている。同図符号401は、ノズル本体301の先端部分である。
【0022】
この撥液被膜402の形成方法を説明すると、住友3M(株)製のノベックEGC−1720(登録商標)を樹脂原料液として用意し、この樹脂原料中に、撥液被膜402が形成されていないノズル103、即ち、ノズル本体301の表面が露出する状態のノズル103を浸漬し、樹脂原料液をノズル本体301表面に付着させ、室温(23℃)中で30分間放置した後、100℃に加熱して30分間乾燥させ、パーフルオロアルキル基を有する高分子樹脂膜から成る撥液被膜を得た。ここでは、加熱後、さらに、室温で24時間放置した。
【0023】
図3の符号Aで示された部分の拡大図を図4に示す。ルビーで構成された先端部分401に撥液被膜402が10nm程度の厚さでコーティングされている。
前記撥液被膜を有さず、ルビーから成るノズル本体301が露出したノズルによって液晶材料を吐出すると、図5(a)に示すように、ノズルの側面に液晶材料が接触したときに液晶材料がノズルの表面上を広がり、ノズルの先端が液溜まり503で覆われた状態になってしまう。
【0024】
実験では、液晶材料としてネマチック液晶を用い、186ミリ秒間隔で2μLの吐出を249回連続吐出すると、ルビーから成るノズル本体が露出したノズルでは、図10の写真に示すような液溜まりが形成された。液溜まり503によってノズルの吐出口が覆われると、液晶材料の液滴を吐出できなくなる。
【0025】
本発明の液晶材料吐出装置では、ノズル103の吐出口に近い外周表面が撥液被膜で被覆されているので、図5(b)に示すように、液溜まりが形成されず、液晶材料の吐出量およびその位置精度が十分満たされる。本発明の液晶材料吐出装置の場合、撥液被膜を形成していないノズルと同じ条件で吐出試験を6時間行っても、液溜まりは生じず、図11の写真に示すように、液晶材料の吐出の滞りや不均一な液量での吐出は見られなかった。
【0026】
次に、図6に示すような形状のステンレス製のノズル601について説明する。
このノズル601では、部材であるステンレスに機械加工によりネジ部602とφ0.4mmの貫通孔603を形成し、電解研磨処理を行ったものである。
このノズル601の先端部の詳細図を図7に示す。ノズル孔の液晶材料吐出口の開口径702は0.4mm、ノズル先端部の肉厚が0.15mm、ノズル先端部の傾斜角度はノズル孔に対して30°の角度を有している。
【0027】
このステンレス製のノズルに下記の方法にて撥液被膜をコートした。パーフルオロアルキル基を有する樹脂を固体化した樹脂原料(ここでは、メルク株式会社製のWR1 Partinal(商標))を真空槽内の蒸着源に配置し、10-3Paの真空雰囲気中で樹脂原料を360℃から450℃に加熱し、真空槽内に樹脂原料の蒸気を放出させた。
30秒間放出させると、ノズル本体の表面に、10nm〜20nmの膜厚の撥液被膜(パーフルオロアルキル基を有する高分子樹脂膜)が形成された。
【0028】
図8に、図7の符号Bで示された部分の拡大図を示す。ノズル本体801はステンレスで構成されており、その表面に、撥液被膜802が形成されている。
前記撥液被膜を有さず、ステンレスから成るノズル本体801が露出されたノズルによって液晶材料を吐出すると、図9(a)に示すように、ノズルの側面に液晶材料が接触したときに液晶材料がノズルの表面上を広がり、ノズルの先端が液溜まり903で覆われた状態になってしまう。
【0029】
実験では、液晶材料としてネマチック液晶を用い、191ミリ秒間隔で5μLの吐出を249回連続吐出すると、ステンレスのノズル本体801が露出するノズルでは、図12の写真に示すような液溜まりが形成された。液溜まり903によってノズルの吐出口が覆われると、液晶材料の液滴を吐出できなくなってり、吐出方向がばらついてしまったりする。
【0030】
これに対し、ステンレスのノズル本体の表面が撥液被膜で被覆されたノズルの場合は、図9(b)に示すように、ノズルの先端に液溜りが生じず、均一な液晶材料を吐出できる。
撥液被膜を備えたノズルを用いて、前記条件の液晶材料吐出試験を6時間連続で行ったが、図13の写真に示すように液溜まりは生じず、液晶材料の吐出の滞りや不均一な液量での吐出は見られなかった。従って、撥水被膜が形成されたノズルは十分な吐出性能を得る事ができる。
【0031】
このように、液晶材料のような液状の物質を吐出するためのノズルの表面に撥液被膜を備えることによって、ノズル先端部の不均一な液溜りやそれに伴う吐出の滞り、吐出性能の低下を防ぐ事が可能となる。
なお、水と各材料との間の接触角を測定したところ、ステンレス上では60.5°であり、上記の撥液被膜上では109°〜110°であった。水のルビー上の接触角は、少なくともステンレスよりも小さい。
【0032】
上記のパーフルオロアルキル基を含む樹脂は、化学構造中にパーフルオロアルキル基を主鎖や側鎖に有する高分子化合物であり、単分子膜の場合も含む。パーフルオロアルキル基を有する樹脂も同じ意味である。
【0033】
<他の実施例>
ノズル孔開口径が0.3mmのルビー製のノズル本体の表面に、スパッタリング法により、厚さ20nmのクロム層と、厚さ300nmのプラチナ層を記載した順番に積層した。このとき、クロム層とプラチナ層の積層膜は、ノズル本体の表面(外周面)には形成されるが、ノズル本体の貫通孔内壁面は、ノズル本体の影となってスパッタリング粒子が到達せず、積層膜が形成されない。
そこで、ノズル本体をメッキ液に浸漬し、無電解メッキ法により、プラチナ層の表面と、ノズル本体の貫通孔の内壁面に金属等の導電層を形成した。
ニッケルと、カチオン系界面活性剤と、PTFE(ポリテトラフルオロエタン)粒子とが分散された樹脂原料液を作成し、導電層が形成された状態のノズル本体301を樹脂原料液に浸漬し、電界メッキ法により、ニッケル金属膜中にPTFE粒子が分散された状態の撥液被膜(膜厚20μm)を導電層表面に形成して、ノズルを作成した。導電層はノズル本体の表面と貫通孔内壁面に形成されているから、撥液被膜はノズル本体表面上と、貫通孔内壁面上に形成されている。
【0034】
このノズルを図1の液晶材料吐出装置に取り付け、液晶材料としてネマチック液晶を用い、186ミリ秒間隔で2μLの吐出を249回連続吐出する液晶材料吐出試験を行ったところ、ノズル先端部やその表面には不均一な液溜まりは見られず、液晶材料の吐出量及びその位置精度が十分満たされていることが分かる。
更に、上記液晶材料吐出試験と同じ条件で4時間連続液晶材料の吐出を行っても、液晶材料の吐出が滞るといった不具合は見られなかった。
以上は、撥液被膜の金属膜としてニッケル金属膜を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の金属膜を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の液晶材料吐出装置を説明するための図
【図2】ルビーから成るノズルを説明するための図
【図3】(a)、(b):そのノズルの吐出口を説明するための図
【図4】そのノズルの撥液被膜を説明するための図
【図5】ルビーから成るノズルの、(a):液溜まりが生じた場合の模式図 (b):液溜まりが生じない場合の模式図
【図6】ステンレスから成るノズルを説明するための図
【図7】そのノズルの吐出口を説明するための図
【図8】そのノズルの撥液被膜を説明するための図
【図9】ステンレスから成るノズルの、(a):液溜まりが生じた場合の模式図 (b):液溜まりが生じない場合の模式図
【図10】ルビーから成るノズルの液溜まりが生じた場合の写真
【図11】ルビーから成るノズルの液溜まりが生じない場合の写真
【図12】ステンレスから成るノズルの液溜まりが生じた場合の写真
【図13】ステンレスから成るノズルの液溜まりが生じない場合の写真
【符号の説明】
【0036】
103……ノズル
302、702……吐出口
402、802……撥液被膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルの先端に形成された吐出口から、液晶材料の液滴を吐出する液晶材料吐出装置であって、
前記ノズルの表面には、パーフルオロアルキル基を含む樹脂から成る撥液被膜が配置された液晶材料吐出装置。
【請求項2】
ノズルの先端に形成された吐出口から、液晶材料の液滴を吐出する液晶材料吐出装置であって、
前記ノズルの表面には、金属膜中にフッ素樹脂粒子が分散された撥液被膜が配置された液晶材料吐出装置。
【請求項3】
パーフルオロアルキル基を含む樹脂原料液中に、液晶材料の液滴を先端の吐出口から吐出するノズルを浸漬し、前記ノズル表面に前記樹脂原料液を付着させた後、硬化させ、前記ノズルの表面に、パーフルオロアルキル基を含む高分子化合物を形成するノズル製造方法。
【請求項4】
液晶材料の液滴を先端の吐出口から吐出するノズルと、パーフルオロアルキル基を含む樹脂原料とを真空槽内に配置し、
真空雰囲気中で前記真空槽内に前記樹脂原料の蒸気を発生させ、前記ノズルの表面に前記蒸気を到達させ、前記ノズルの表面に、パーフルオロアルキル基を含む樹脂から成る撥液被膜を形成するノズル製造方法。
【請求項1】
ノズルの先端に形成された吐出口から、液晶材料の液滴を吐出する液晶材料吐出装置であって、
前記ノズルの表面には、パーフルオロアルキル基を含む樹脂から成る撥液被膜が配置された液晶材料吐出装置。
【請求項2】
ノズルの先端に形成された吐出口から、液晶材料の液滴を吐出する液晶材料吐出装置であって、
前記ノズルの表面には、金属膜中にフッ素樹脂粒子が分散された撥液被膜が配置された液晶材料吐出装置。
【請求項3】
パーフルオロアルキル基を含む樹脂原料液中に、液晶材料の液滴を先端の吐出口から吐出するノズルを浸漬し、前記ノズル表面に前記樹脂原料液を付着させた後、硬化させ、前記ノズルの表面に、パーフルオロアルキル基を含む高分子化合物を形成するノズル製造方法。
【請求項4】
液晶材料の液滴を先端の吐出口から吐出するノズルと、パーフルオロアルキル基を含む樹脂原料とを真空槽内に配置し、
真空雰囲気中で前記真空槽内に前記樹脂原料の蒸気を発生させ、前記ノズルの表面に前記蒸気を到達させ、前記ノズルの表面に、パーフルオロアルキル基を含む樹脂から成る撥液被膜を形成するノズル製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−181061(P2008−181061A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−59501(P2007−59501)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】
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