液晶表示素子
【課題】 斜め方向から見た時のオフ状態のセングメント電極を見えないようにする液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 液晶表示素子は、対向配置された一対のガラス基板と、前記一対の基板の各々の対向面に形成された透明電極パターンと、前記透明電極を覆って前記基板上に形成された、配向膜を含む膜構成と、前記一対の基板間に挟持され、リターデーション値が2.5μmより上で3μm以下であるツイステッドネマチック液晶層と、偏光軸が平行な一対の偏光板とを有する。
【解決手段】 液晶表示素子は、対向配置された一対のガラス基板と、前記一対の基板の各々の対向面に形成された透明電極パターンと、前記透明電極を覆って前記基板上に形成された、配向膜を含む膜構成と、前記一対の基板間に挟持され、リターデーション値が2.5μmより上で3μm以下であるツイステッドネマチック液晶層と、偏光軸が平行な一対の偏光板とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶セルがツイステッドネマチック(TN)液晶セルである液晶表示素子において、ネガ表示(遮光型)を行う場合、液晶の旋光性を利用して偏光板を通ってきた光を90°ねじって黒色を出す必要がある。しかし、その旋光性には、下記式(A)に示すような波長依存性があり、完全な黒色を得ることは困難であった。
…(A)
但し、
【0003】
全ての色に対し、比較的良好な黒色を得るためには、透過率のバウンドが小さくなる、高いリターデーション領域を用いればよい。一方で、リターデーションの値を高く設定するということは、それだけ液晶層の厚さ(セル厚)が厚くなることを意味する。しかし、液晶表示素子のレスポンス特性は、セル厚が厚くなればなるほど、その二乗に比例して遅くなるため、液晶層の厚さをなるべく薄くする必要がある。
【0004】
従来、液晶の屈折率異方性(Δn)とセル厚(d)の条件を規定して(例えば、Δndの値が、2.3〜2.5μm)、ネガ表示TN液晶表示素子に最適なセル構成としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−107765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術のセル条件で液晶表示素子を作製すると、正面方向から見たときの液晶表示素子の表示状態には問題は無いものの、斜め方向(例えば、視認方向30°)から見ると、オフ状態のセグメント電極が表示して見えること(以下、本明細書では「OFFセグメント見え不良」と呼ぶ)があり、表示品位を著しく低下させる。
【0007】
本発明の目的は、斜め方向から見た時のオフ状態のセングメント電極を見えないようにする液晶表示素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、液晶表示素子は、対向配置された一対のガラス基板と、前記一対の基板の各々の対向面に形成された透明電極パターンと、前記透明電極を覆って前記基板上に形成された、配向膜を含む膜構成と、前記一対の基板間に挟持され、リターデーション値が2.5μmより上で3μm以下であるツイステッドネマチック液晶層と、偏光軸が平行な一対の偏光板とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、斜め方向から見た時のオフ状態のセングメント電極を見えないようにする液晶表示素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の実施例による液晶表示素子101の概略断面図である。液晶セルがツイステッドネマチック(TN)液晶セルである場合を説明する。
【0011】
セグメント電極パターン基板1A及びコモン電極パターン基板1B(以降、両基板をあわせて単にガラス基板1と呼ぶ)の各々の上に透明膜であるインジウム錫酸化物(ITO)膜をCVD、蒸着、スパッタなどにより形成し、フォトリソグラフィーにて所望のITO電極パターン2(セグメント電極2S又はコモン電極2C)および外部取出し配線2tに整形する。
【0012】
パターニングしたITO付きガラス基板1を洗浄し、該ガラス基板1のITO表面上にフレキソ印刷にて絶縁膜(有機系酸化シリコン膜)4を500〜2000Åの厚さで形成する。この絶縁膜4は必須では無いが、上下基板間の短絡防止のため形成することが望ましい。フレキソ印刷の他に、メタルマスクを用い、蒸着やスパッタなどの方法で絶縁膜を形成してもよい。
【0013】
続いて、絶縁膜4の上に絶縁膜4とほぼ同じパターンで、低プレチルトの液晶配向膜5をフレキソ印刷等で形成する。例えば、プレチルト角0.3°〜1.5°のポリイミド膜を500〜800Åの厚さで形成し、ラビング処理を施す。ラビングは布を巻いた円筒状のロールを高速に回転させ、液晶配向膜5上を擦る工程である。上下基板間の液晶3xの捩れ角が90°(左捩れ)になるようラビング処理の方向を設定する。
【0014】
ガラス基板1の一方の表面上に、シール材6を所定のパターンにスクリーン印刷する。シール材6の形成にはスクリーン印刷の代わりにディスペンサを用いてもよい。シール材には、例えば三井化学より入手可能な熱硬化性のES−7500を用いる。光硬化性のものや、光・熱併用型シール材でもよい。このシール材6は直径12.25μm(又は、12.5μm、12.75μm)の大きさのグラスファイバー2wt%と、直径13μm(又は、13.25μm、13.5μm)のAu鍍金を施したスチレンボール1wt%とを含んでいる。
【0015】
ガラス基板1の他方の表面上には、例えば、直径12.25μm(又は、12.5μm、12.75μm)の着色プラスチックボール(早川ゴム株式会社製ハヤビーズ)をギャップコントロール材7として乾式散布法にて散布する。着色プラスチックボールをギャップコントロール材7として用いることにより、ギャップコントロール材の光り抜けを目立たないようにする。
【0016】
2つの基板1A、1Bを、液晶配向膜5が内側になるよう所定の位置で重ね合わせてセル化し、プレスした状態で熱処理を行なって、シール材6を硬化する。なお、光硬化性のシール材を用いる場合は光処理を行って、シール材6を硬化する。
【0017】
その後、スクライバー装置によりガラス基板に傷をつけ、ブレイキングにより所定の大きさ、形に分割して空セルを作成する。
【0018】
空セルに液晶3xを真空注入する。ここでは、例えば、大日本インキ化学工業製のΔεが正のネマティック液晶(ミクスチャー:Δn=0.210(20℃))を用いる。その後エンドシール材で注入口を封止する。その後ガラス基板の面取りと洗浄を行い、液晶セル101cを作成する。液晶セル101cに一対の偏光板8を偏光軸が平行となるように(平行ニコル配置で)貼り付けTNモードのノーマリー・ブラック(ノーマリーオフ)型の液晶表示素子101を完成する。
【0019】
なお、セル厚dは、上述したものに限らない。ただし、セル厚(d)の変更に伴い液晶材料の屈折率異方性(Δn)の値を変更して、リターデーション値(Δnd)を、2.5μmより上で3μm以下、望ましくは2.6〜2.8μmとなるように、調整する必要がある。
【0020】
本発明者は、リターデーション値が異なる液晶表示素子101を3種類(セル厚B〜D)と比較例(セル厚Aの液晶表示素子)を作製して、比較した。
【0021】
比較例のものは、プレチルト角1.5°のポリイミド膜を液晶配向膜として用い、直径12μmの大きさのグラスファイバー、直径12.25μmのAu鍍金を施したスチレンボール、ギャップコントロール材として直径12μmの無着色プラスチックボール(早川ゴム株式会社製ハヤビーズ)を用いた。その他の構成は、実施例のものと同様である。作製後、セル厚を測定したところ、12.1μmであった。また、リターデーション値は、2.54μmであった。以降、比較例による液晶表示素子をセル厚Aの液晶表示素子と呼ぶ。
【0022】
セル厚Bの液晶表示素子101は、直径12.25μmの大きさのグラスファイバー、直径13μmのAu鍍金を施したスチレンボール、直径12.25μmの着色プラスチックボールを用いて作製した。作製後、セル厚を測定したところ、表示部分で12.5μmであった。リターデーション値で2.62μmであった。
【0023】
セル厚Cの液晶表示素子101は、直径12.5μmの大きさのグラスファイバー、直径13.25μmのAu鍍金を施したスチレンボール、直径12.5μmの着色プラスチックボールを用いて作製した。作製後、セル厚を測定したところ、表示部分で12.8μmであった。リターデーション値で2.69μmであった。
【0024】
セル厚Dの液晶表示素子101は、直径12.75μmの大きさのグラスファイバー、直径13.5μmのAu鍍金を施したスチレンボール、直径12.75μmの着色プラスチックボールを用いて作製した。作製後、セル厚を測定したところ、表示部分で13.1μmであった。リターデーション値で2.75μmであった。
【0025】
なお、セル厚B〜Dの液晶表示素子101にはプレチルト角0.7°のポリイミド膜を液晶配向膜として用いた。
【0026】
図2は、本発明の実施例によるセル厚Bの液晶表示素子を視角方向30度から観察した時の写真を基にした概念図である。
【0027】
図3は、比較例によるセル厚Aの液晶表示素子を視角方向30度から観察した時の写真を基にした概念図である。図中、ハッチングを施した部分がオフ状態のセグメント電極が表示されている(OFFセグメント見え不良の)部分である。
【0028】
いずれも駆動は、1/2DUTY駆動で5Vの交流電圧を印加した。
【0029】
図2に示す本発明の実施例によるセル厚Bの液晶表示素子101の場合は、高いコントラストが得られており、OFFセグメント見え不良はほとんど観察されなかった。これに対して、図3に示す比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の場合は、コントラストが著しく低下し、OFFセグメント見え不良がはっきりと観察できた。したがって、視角方向30度から観察した場合は、本発明の実施例による液晶表示素子101が比較例によるものと比べて、コントラスト及びOFFセグメント見え不良の抑制ともに明らかに優れていることがわかった。
【0030】
なお、図示しないが、視角方向10度から観察した場合は、本発明の実施例及び比較例ともに、高いコントラストが得られた。また、OFFセグメント見え不良が観察されることは、ほとんど無かった。
【0031】
図4は、視角方向10度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分のスペクトル特性を現すグラフである。
【0032】
図5は、視角方向40度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分のスペクトル特性を現すグラフである。
【0033】
図6は、視角方向10度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分の色度を現すグラフである。
【0034】
図7は、視角方向40度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分の色度を現すグラフである。
【0035】
図4及び図6に示すように、セル厚が厚くなると、分光特性カーブが長波長側(図中右方向)へ特性シフトし、それに伴い、液晶表示素子色味(色度)は、White点(図中、Xで示す)を中心に右回りに色変化することがわかる。図5及び図7から分かるように、視角を上方向に振った場合もスタート位置が変わるだけで変化の傾向は同じである。
【0036】
図4及び図5に示すように、セル厚Aの液晶表示素子とセル厚B〜Dの液晶表示素子とでは、分光特性のカーブのシフト量は、およそ振動ピッチの半ピッチ分に相当しているが、さらにセル厚を上げて、振動ピッチの1ピッチ相当分変化させると、セル厚Aの特性に近いものとなり、液晶表示素子の見栄えも同様の傾向を示すものと考えられる。
【0037】
また、図6及び図7に示すように、同一セル厚における視角を振った時の液晶表示素子背景色の色度変化を見ると、セル厚A(比較例)の場合、背景部の色変化は大きく、一方セル厚B(実施例)では最も変化が少ないことが分かる。
【0038】
このように、セル厚設定値を変える事で、液晶表示素子の見栄えに変化を及ぼすため、ディスプレイとして最も見栄えのよい設定として上述したセル厚設定の範囲内とすることが重要である。
【0039】
図8は、視角方向10度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の色度を比較するグラフである。図中、黒丸は背景部分を、白丸はOFF状態のセグメント電極部分(OFFセグメント部)の色度を示す。視角方向10度からの場合は、いずれの液晶表示素子においても、背景部分とOFFセグメント部との色度の差はさほど大きくない。したがって、視角方向10度から測定した場合、いずれの液晶表示素子においても、OFFセグメント見え不良は観察されにくいと考えられる。
【0040】
図9は、視角方向40度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の色度を比較するグラフである。図中、黒丸は背景部分を、白丸はOFF状態のセグメント電極部分(OFFセグメント部)の色度を示す。セル厚Dの液晶表示素子における背景部分とOFFセグメント部との色度の差はセル厚Bのものに比べると若干大きいが、セル厚B及びセル厚Dともに、比較例によるセル厚Aの液晶表示素子に比べると、背景部分とOFFセグメント部との色度の差は非常に小さい。比較例によるセル厚Aの液晶表示素子は、視角方向40度から測定した場合の色度の差が非常に大きいのでOFFセグメント見え不良が観察されるものと考えられる。
【0041】
図10は、視角方向10度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の透過率を比較するグラフである。視角方向10度からの場合は、いずれの液晶表示素子においても、背景部分とOFFセグメント部との透過率の差はさほど大きくない。したがって、視角方向10度から測定した場合、いずれの液晶表示素子においても、OFFセグメント見え不良は観察されにくいと考えられる。
【0042】
図11は、視角方向40度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の透過率を比較するグラフである。セル厚Dの液晶表示素子においては、背景部分とOFFセグメント部との透過率の差は0.1%未満であり、もっとも良好な結果を得られた。セル厚Bの液晶表示素子においては、比較例によるセル厚Aの液晶表示素子よりも若干透過率の差が少ない。したがって、視角方向40度から測定した場合、セル厚Dの液晶表示素子においては、背景部分とOFFセグメント部との透過率の差が非常に少ないので、OFFセグメント見え不良は観察されにくいと考えられる。
【0043】
OFFセグメント見え不良の原因としては、背景部とOFF状態のセグメント電極部分(OFFセグメント部)との色度差及び透過率差の2つの観点があり、色度及び透過率ともに背景部とOFFセグメント部との間に差が無ければ、OFFセグメント部は観察されにくい。
【0044】
色度差だけを比較すると、セル厚Bの液晶表示素子が良いが、透過率差(及びその絶対値が低いこと)も考慮すると、セル厚Dの液晶表示素子が良いことがわかる。それ以上のセル厚となると、また徐々にセル厚Aの液晶表示素子の見栄えに近づいていくことになるが、急激に見栄えが変化する性質のものではない。
【0045】
以上、本発明の実施例によれば、ネガ表示型のTNモード液晶表示素子101において、作製条件及び構成材料を最適化することにより、斜め方向から見た時のOFFセグメント見え不良に対し対応することができる。具体的には、液晶層3のリターデーション値を2.5μmより上で3μm以下、望ましくは2.6〜2.8μmとし、かつ液晶配向膜5のプレチルト角を0.3〜1.5°とすることにより、OFFセグメント見え不良を抑制することができる。
【0046】
また、着色ギャップコントロール材7を用いることにより、セル厚が厚くなったことに起因するギャップコントロール材の光抜けを抑制することができる。
【0047】
本発明の実施例は、ネガ型表示のTNモード液晶セルを用いる車載用ディスプレイ、遊戯用表示、携帯電話・デジタルカメラ用表示、オーディオ機器用表示などの、情報表示関連全般に適用することができる。なお、ディスプレイ全面ではなく表示の一部に本実施例を適用する場合を含む。
【0048】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例による液晶表示素子101の概略断面図である。
【図2】本発明の実施例によるセル厚Bの液晶表示素子を視角方向30度から観察した時の写真を基にした概念図である。
【図3】比較例によるセル厚Aの液晶表示素子を視角方向30度から観察した時の写真を基にした概念図である。
【図4】視角方向10度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分のスペクトル特性を現すグラフである。
【図5】視角方向40度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分のスペクトル特性を現すグラフである。
【図6】視角方向10度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分の色度を現すグラフである。
【図7】視角方向40度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分の色度を現すグラフである。
【図8】視角方向10度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の色度を比較するグラフである。
【図9】視角方向40度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の色度を比較するグラフである。
【図10】視角方向10度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の透過率を比較するグラフである。
【図11】視角方向40度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の透過率を比較するグラフである。
【符号の説明】
【0050】
1A、1B…ガラス基板、2S…セグメント電極、2C…コモン電極、2L…配線、3…液晶層、4…絶縁膜、5…配向膜、6…シール材、7…ギャップコントロール材、8…偏光板、101…液晶表示素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶セルがツイステッドネマチック(TN)液晶セルである液晶表示素子において、ネガ表示(遮光型)を行う場合、液晶の旋光性を利用して偏光板を通ってきた光を90°ねじって黒色を出す必要がある。しかし、その旋光性には、下記式(A)に示すような波長依存性があり、完全な黒色を得ることは困難であった。
…(A)
但し、
【0003】
全ての色に対し、比較的良好な黒色を得るためには、透過率のバウンドが小さくなる、高いリターデーション領域を用いればよい。一方で、リターデーションの値を高く設定するということは、それだけ液晶層の厚さ(セル厚)が厚くなることを意味する。しかし、液晶表示素子のレスポンス特性は、セル厚が厚くなればなるほど、その二乗に比例して遅くなるため、液晶層の厚さをなるべく薄くする必要がある。
【0004】
従来、液晶の屈折率異方性(Δn)とセル厚(d)の条件を規定して(例えば、Δndの値が、2.3〜2.5μm)、ネガ表示TN液晶表示素子に最適なセル構成としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−107765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術のセル条件で液晶表示素子を作製すると、正面方向から見たときの液晶表示素子の表示状態には問題は無いものの、斜め方向(例えば、視認方向30°)から見ると、オフ状態のセグメント電極が表示して見えること(以下、本明細書では「OFFセグメント見え不良」と呼ぶ)があり、表示品位を著しく低下させる。
【0007】
本発明の目的は、斜め方向から見た時のオフ状態のセングメント電極を見えないようにする液晶表示素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、液晶表示素子は、対向配置された一対のガラス基板と、前記一対の基板の各々の対向面に形成された透明電極パターンと、前記透明電極を覆って前記基板上に形成された、配向膜を含む膜構成と、前記一対の基板間に挟持され、リターデーション値が2.5μmより上で3μm以下であるツイステッドネマチック液晶層と、偏光軸が平行な一対の偏光板とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、斜め方向から見た時のオフ状態のセングメント電極を見えないようにする液晶表示素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の実施例による液晶表示素子101の概略断面図である。液晶セルがツイステッドネマチック(TN)液晶セルである場合を説明する。
【0011】
セグメント電極パターン基板1A及びコモン電極パターン基板1B(以降、両基板をあわせて単にガラス基板1と呼ぶ)の各々の上に透明膜であるインジウム錫酸化物(ITO)膜をCVD、蒸着、スパッタなどにより形成し、フォトリソグラフィーにて所望のITO電極パターン2(セグメント電極2S又はコモン電極2C)および外部取出し配線2tに整形する。
【0012】
パターニングしたITO付きガラス基板1を洗浄し、該ガラス基板1のITO表面上にフレキソ印刷にて絶縁膜(有機系酸化シリコン膜)4を500〜2000Åの厚さで形成する。この絶縁膜4は必須では無いが、上下基板間の短絡防止のため形成することが望ましい。フレキソ印刷の他に、メタルマスクを用い、蒸着やスパッタなどの方法で絶縁膜を形成してもよい。
【0013】
続いて、絶縁膜4の上に絶縁膜4とほぼ同じパターンで、低プレチルトの液晶配向膜5をフレキソ印刷等で形成する。例えば、プレチルト角0.3°〜1.5°のポリイミド膜を500〜800Åの厚さで形成し、ラビング処理を施す。ラビングは布を巻いた円筒状のロールを高速に回転させ、液晶配向膜5上を擦る工程である。上下基板間の液晶3xの捩れ角が90°(左捩れ)になるようラビング処理の方向を設定する。
【0014】
ガラス基板1の一方の表面上に、シール材6を所定のパターンにスクリーン印刷する。シール材6の形成にはスクリーン印刷の代わりにディスペンサを用いてもよい。シール材には、例えば三井化学より入手可能な熱硬化性のES−7500を用いる。光硬化性のものや、光・熱併用型シール材でもよい。このシール材6は直径12.25μm(又は、12.5μm、12.75μm)の大きさのグラスファイバー2wt%と、直径13μm(又は、13.25μm、13.5μm)のAu鍍金を施したスチレンボール1wt%とを含んでいる。
【0015】
ガラス基板1の他方の表面上には、例えば、直径12.25μm(又は、12.5μm、12.75μm)の着色プラスチックボール(早川ゴム株式会社製ハヤビーズ)をギャップコントロール材7として乾式散布法にて散布する。着色プラスチックボールをギャップコントロール材7として用いることにより、ギャップコントロール材の光り抜けを目立たないようにする。
【0016】
2つの基板1A、1Bを、液晶配向膜5が内側になるよう所定の位置で重ね合わせてセル化し、プレスした状態で熱処理を行なって、シール材6を硬化する。なお、光硬化性のシール材を用いる場合は光処理を行って、シール材6を硬化する。
【0017】
その後、スクライバー装置によりガラス基板に傷をつけ、ブレイキングにより所定の大きさ、形に分割して空セルを作成する。
【0018】
空セルに液晶3xを真空注入する。ここでは、例えば、大日本インキ化学工業製のΔεが正のネマティック液晶(ミクスチャー:Δn=0.210(20℃))を用いる。その後エンドシール材で注入口を封止する。その後ガラス基板の面取りと洗浄を行い、液晶セル101cを作成する。液晶セル101cに一対の偏光板8を偏光軸が平行となるように(平行ニコル配置で)貼り付けTNモードのノーマリー・ブラック(ノーマリーオフ)型の液晶表示素子101を完成する。
【0019】
なお、セル厚dは、上述したものに限らない。ただし、セル厚(d)の変更に伴い液晶材料の屈折率異方性(Δn)の値を変更して、リターデーション値(Δnd)を、2.5μmより上で3μm以下、望ましくは2.6〜2.8μmとなるように、調整する必要がある。
【0020】
本発明者は、リターデーション値が異なる液晶表示素子101を3種類(セル厚B〜D)と比較例(セル厚Aの液晶表示素子)を作製して、比較した。
【0021】
比較例のものは、プレチルト角1.5°のポリイミド膜を液晶配向膜として用い、直径12μmの大きさのグラスファイバー、直径12.25μmのAu鍍金を施したスチレンボール、ギャップコントロール材として直径12μmの無着色プラスチックボール(早川ゴム株式会社製ハヤビーズ)を用いた。その他の構成は、実施例のものと同様である。作製後、セル厚を測定したところ、12.1μmであった。また、リターデーション値は、2.54μmであった。以降、比較例による液晶表示素子をセル厚Aの液晶表示素子と呼ぶ。
【0022】
セル厚Bの液晶表示素子101は、直径12.25μmの大きさのグラスファイバー、直径13μmのAu鍍金を施したスチレンボール、直径12.25μmの着色プラスチックボールを用いて作製した。作製後、セル厚を測定したところ、表示部分で12.5μmであった。リターデーション値で2.62μmであった。
【0023】
セル厚Cの液晶表示素子101は、直径12.5μmの大きさのグラスファイバー、直径13.25μmのAu鍍金を施したスチレンボール、直径12.5μmの着色プラスチックボールを用いて作製した。作製後、セル厚を測定したところ、表示部分で12.8μmであった。リターデーション値で2.69μmであった。
【0024】
セル厚Dの液晶表示素子101は、直径12.75μmの大きさのグラスファイバー、直径13.5μmのAu鍍金を施したスチレンボール、直径12.75μmの着色プラスチックボールを用いて作製した。作製後、セル厚を測定したところ、表示部分で13.1μmであった。リターデーション値で2.75μmであった。
【0025】
なお、セル厚B〜Dの液晶表示素子101にはプレチルト角0.7°のポリイミド膜を液晶配向膜として用いた。
【0026】
図2は、本発明の実施例によるセル厚Bの液晶表示素子を視角方向30度から観察した時の写真を基にした概念図である。
【0027】
図3は、比較例によるセル厚Aの液晶表示素子を視角方向30度から観察した時の写真を基にした概念図である。図中、ハッチングを施した部分がオフ状態のセグメント電極が表示されている(OFFセグメント見え不良の)部分である。
【0028】
いずれも駆動は、1/2DUTY駆動で5Vの交流電圧を印加した。
【0029】
図2に示す本発明の実施例によるセル厚Bの液晶表示素子101の場合は、高いコントラストが得られており、OFFセグメント見え不良はほとんど観察されなかった。これに対して、図3に示す比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の場合は、コントラストが著しく低下し、OFFセグメント見え不良がはっきりと観察できた。したがって、視角方向30度から観察した場合は、本発明の実施例による液晶表示素子101が比較例によるものと比べて、コントラスト及びOFFセグメント見え不良の抑制ともに明らかに優れていることがわかった。
【0030】
なお、図示しないが、視角方向10度から観察した場合は、本発明の実施例及び比較例ともに、高いコントラストが得られた。また、OFFセグメント見え不良が観察されることは、ほとんど無かった。
【0031】
図4は、視角方向10度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分のスペクトル特性を現すグラフである。
【0032】
図5は、視角方向40度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分のスペクトル特性を現すグラフである。
【0033】
図6は、視角方向10度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分の色度を現すグラフである。
【0034】
図7は、視角方向40度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分の色度を現すグラフである。
【0035】
図4及び図6に示すように、セル厚が厚くなると、分光特性カーブが長波長側(図中右方向)へ特性シフトし、それに伴い、液晶表示素子色味(色度)は、White点(図中、Xで示す)を中心に右回りに色変化することがわかる。図5及び図7から分かるように、視角を上方向に振った場合もスタート位置が変わるだけで変化の傾向は同じである。
【0036】
図4及び図5に示すように、セル厚Aの液晶表示素子とセル厚B〜Dの液晶表示素子とでは、分光特性のカーブのシフト量は、およそ振動ピッチの半ピッチ分に相当しているが、さらにセル厚を上げて、振動ピッチの1ピッチ相当分変化させると、セル厚Aの特性に近いものとなり、液晶表示素子の見栄えも同様の傾向を示すものと考えられる。
【0037】
また、図6及び図7に示すように、同一セル厚における視角を振った時の液晶表示素子背景色の色度変化を見ると、セル厚A(比較例)の場合、背景部の色変化は大きく、一方セル厚B(実施例)では最も変化が少ないことが分かる。
【0038】
このように、セル厚設定値を変える事で、液晶表示素子の見栄えに変化を及ぼすため、ディスプレイとして最も見栄えのよい設定として上述したセル厚設定の範囲内とすることが重要である。
【0039】
図8は、視角方向10度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の色度を比較するグラフである。図中、黒丸は背景部分を、白丸はOFF状態のセグメント電極部分(OFFセグメント部)の色度を示す。視角方向10度からの場合は、いずれの液晶表示素子においても、背景部分とOFFセグメント部との色度の差はさほど大きくない。したがって、視角方向10度から測定した場合、いずれの液晶表示素子においても、OFFセグメント見え不良は観察されにくいと考えられる。
【0040】
図9は、視角方向40度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の色度を比較するグラフである。図中、黒丸は背景部分を、白丸はOFF状態のセグメント電極部分(OFFセグメント部)の色度を示す。セル厚Dの液晶表示素子における背景部分とOFFセグメント部との色度の差はセル厚Bのものに比べると若干大きいが、セル厚B及びセル厚Dともに、比較例によるセル厚Aの液晶表示素子に比べると、背景部分とOFFセグメント部との色度の差は非常に小さい。比較例によるセル厚Aの液晶表示素子は、視角方向40度から測定した場合の色度の差が非常に大きいのでOFFセグメント見え不良が観察されるものと考えられる。
【0041】
図10は、視角方向10度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の透過率を比較するグラフである。視角方向10度からの場合は、いずれの液晶表示素子においても、背景部分とOFFセグメント部との透過率の差はさほど大きくない。したがって、視角方向10度から測定した場合、いずれの液晶表示素子においても、OFFセグメント見え不良は観察されにくいと考えられる。
【0042】
図11は、視角方向40度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の透過率を比較するグラフである。セル厚Dの液晶表示素子においては、背景部分とOFFセグメント部との透過率の差は0.1%未満であり、もっとも良好な結果を得られた。セル厚Bの液晶表示素子においては、比較例によるセル厚Aの液晶表示素子よりも若干透過率の差が少ない。したがって、視角方向40度から測定した場合、セル厚Dの液晶表示素子においては、背景部分とOFFセグメント部との透過率の差が非常に少ないので、OFFセグメント見え不良は観察されにくいと考えられる。
【0043】
OFFセグメント見え不良の原因としては、背景部とOFF状態のセグメント電極部分(OFFセグメント部)との色度差及び透過率差の2つの観点があり、色度及び透過率ともに背景部とOFFセグメント部との間に差が無ければ、OFFセグメント部は観察されにくい。
【0044】
色度差だけを比較すると、セル厚Bの液晶表示素子が良いが、透過率差(及びその絶対値が低いこと)も考慮すると、セル厚Dの液晶表示素子が良いことがわかる。それ以上のセル厚となると、また徐々にセル厚Aの液晶表示素子の見栄えに近づいていくことになるが、急激に見栄えが変化する性質のものではない。
【0045】
以上、本発明の実施例によれば、ネガ表示型のTNモード液晶表示素子101において、作製条件及び構成材料を最適化することにより、斜め方向から見た時のOFFセグメント見え不良に対し対応することができる。具体的には、液晶層3のリターデーション値を2.5μmより上で3μm以下、望ましくは2.6〜2.8μmとし、かつ液晶配向膜5のプレチルト角を0.3〜1.5°とすることにより、OFFセグメント見え不良を抑制することができる。
【0046】
また、着色ギャップコントロール材7を用いることにより、セル厚が厚くなったことに起因するギャップコントロール材の光抜けを抑制することができる。
【0047】
本発明の実施例は、ネガ型表示のTNモード液晶セルを用いる車載用ディスプレイ、遊戯用表示、携帯電話・デジタルカメラ用表示、オーディオ機器用表示などの、情報表示関連全般に適用することができる。なお、ディスプレイ全面ではなく表示の一部に本実施例を適用する場合を含む。
【0048】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例による液晶表示素子101の概略断面図である。
【図2】本発明の実施例によるセル厚Bの液晶表示素子を視角方向30度から観察した時の写真を基にした概念図である。
【図3】比較例によるセル厚Aの液晶表示素子を視角方向30度から観察した時の写真を基にした概念図である。
【図4】視角方向10度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分のスペクトル特性を現すグラフである。
【図5】視角方向40度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分のスペクトル特性を現すグラフである。
【図6】視角方向10度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分の色度を現すグラフである。
【図7】視角方向40度から測定した本発明の実施例及び比較例によるセル厚A〜Dの液晶表示素子の背景部分の色度を現すグラフである。
【図8】視角方向10度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の色度を比較するグラフである。
【図9】視角方向40度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の色度を比較するグラフである。
【図10】視角方向10度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の透過率を比較するグラフである。
【図11】視角方向40度から測定した本発明の実施例によるセル厚B及びDの液晶表示素子と比較例によるセル厚Aの液晶表示素子の背景部分とOFF状態のセグメント電極部分の透過率を比較するグラフである。
【符号の説明】
【0050】
1A、1B…ガラス基板、2S…セグメント電極、2C…コモン電極、2L…配線、3…液晶層、4…絶縁膜、5…配向膜、6…シール材、7…ギャップコントロール材、8…偏光板、101…液晶表示素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された一対のガラス基板と、
前記一対の基板の各々の対向面に形成された透明電極パターンと、
前記透明電極を覆って前記基板上に形成された、配向膜を含む膜構成と、
前記一対の基板間に挟持され、リターデーション値が2.5μmより上で3μm以下であるツイステッドネマチック液晶層と、
偏光軸が平行な一対の偏光板と
を有する液晶表示素子。
【請求項2】
前記配向膜のプレチルト角が0.3°以上1.5°以下である請求項1記載の液晶表示素子。
【請求項3】
前記液晶層は、着色ギャップコントロール材を含む請求項1又は2記載の液晶表示素子。
【請求項1】
対向配置された一対のガラス基板と、
前記一対の基板の各々の対向面に形成された透明電極パターンと、
前記透明電極を覆って前記基板上に形成された、配向膜を含む膜構成と、
前記一対の基板間に挟持され、リターデーション値が2.5μmより上で3μm以下であるツイステッドネマチック液晶層と、
偏光軸が平行な一対の偏光板と
を有する液晶表示素子。
【請求項2】
前記配向膜のプレチルト角が0.3°以上1.5°以下である請求項1記載の液晶表示素子。
【請求項3】
前記液晶層は、着色ギャップコントロール材を含む請求項1又は2記載の液晶表示素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−128177(P2010−128177A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302661(P2008−302661)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
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