説明

液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置及び液晶表示装置

【課題】液晶表示パネルの応答性が変動したとしても、液晶表示パネルに表示される映像をユーザにできるだけ適正に見せ得るようにバックライトの調光を行うことが可能な「液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置」を提供することである。
【解決手段】映像の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネル11に対するバックライト14a、14bの点灯及び消灯を調光データに基づいて制御するバックライト調光制御装置であって、液晶表示パネル11の映像の表示から非表示に切換えられるタイミングにてバックライト14a、14bを消灯させる消灯制御手段22a、22bと、バックライト14a、14bを消灯させるタイミングから、映像の表示に切換えられた後におけるバックライト14a、14bを点灯させるタイミングまでの時間を調光データに基づいて制御する点灯制御手段22a、22bとを有する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データに基づいた映像の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルに対するバックライトの点灯及び消灯を調光データに基づいて制御するバックライト調光制御装置及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載の液晶表示装置が知られている。この液晶表示装置は、所謂、時分割方式、更には、時分割二眼方式と呼ばれる方式に従って、特殊なメガネを用いることなく、立体映像(以下、3D映像)を見せることが可能なものである。この時分割二眼方式に従って3D映像を見せる液晶表示装置は、例えば、図1A及び図1Bに示すように、液晶表示パネル11(液晶パネル、偏光板、カラーフィルタ等を含む)とライトガイド板13との間に3Dプリズム板12が設けられ、ライトガイド板13の両端面のそれぞれに対向して右目用バックライトとしての右LED照明器14a及び左目用バックライトとしての左LED照明器14bが設けられている。なお、右LED照明器14a及び左LED照明器14bのそれぞれは、ライトガイド板13の対応する端面(紙面に垂直な方向に延びる端面)に沿って配列される複数のLED(半導体発光素子)を有している。
【0003】
このような構造の液晶表示装置において、例えば、図2に示すように、液晶表示パネル11では右目用映像と左目用映像との交互の表示と非表示とが所定周期TINTにて繰り返され、その映像の切換えに同期させて、右LED照明器14a及び左LED照明器14bの点灯及び消灯が切換えられる。即ち、右目用映像が液晶表示パネル11に表示されている期間においては、右LED照明器14aが点灯し(左LED照明器14bが消灯)、図1Aに示すように、右LED照明器14aからの光がライトガイド板13を通って3Dプリズム板12で屈折して進み、液晶表示パネル11を照明しつつ液晶表示パネル11の前方所定距離の位置にいるユーザの右目に届く。これにより、ユーザは、右目にて液晶表示パネル11に表示された右目用映像を視認することができる。一方、左目用映像が液晶表示パネル11にて表示されている期間においては、左LED照明器14bが点灯し(右LED照明器14aが消灯)、図1Bに示すように、左LED照明器14bからの光がライトガイド板13を通って3Dプリズム12で屈折して進み、液晶表示パネル11を照明しつつ前記ユーザの左目に届く。これにより、前記ユーザは、今度は、左目にて液晶表示パネル11に表示された左目用映像を視認することができる。このように、前記右目用映像及び左目用映像の表示と非表示との切換え、それに同期した、右LED照明器14a及び左LED照明器14bの点灯と消灯との切換えを高速(例えば、120Hz)に行うことにより、ユーザは、右目にて見る前記右目用映像と左目にて見る前記左目用映像とによって3D映像を視認することができるようになる。
【0004】
ところで、液晶表示装置の周囲の明るさ等に応じて、バックライトの調光を行うことが提案されている。この調光のために、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)に従った調光制御が考えられる。このPMWに従った調光制御を前述した時分割二眼方式に従って3D映像を見せる液晶表示装置に適用する場合、例えば、図3に示すように、右LED照明器14a及び左LED照明器14bの制御がなされる。
【0005】
図3において、液晶表示パネル11において右目用映像と左目用映像との交互の表示と非表示とが所定周期TINTにて繰り返される過程で、右LED照明器14aについては、右目用映像の立上りから点灯され、その点灯タイミングから消灯させるタイミングまでの時間Toncontが調光データに基づいて制御される。また、左LED照明器14bについても同様に、左目用映像が表示される期間の立上りから点灯され、その点灯タイミングから消灯させるタイミングまでの時間Toncontが調光データに基づいて制御される。このような調光制御により、右LED照明器14a及び左LED照明器14bそれぞれの対応する映像(右目用映像または左目用映像)の表示時間に対する点灯時間Toncontの割合に応じた明るさにて、液晶表示パネル11に交互に表示される右目用映像と左目用映像による3D映像を利用者に見せることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−091782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、右目用映像データや左目用映像データの立上りタイミング(映像データの液晶表示パネル11への供給タイミング)から実際に液晶表示パネル11に右目用映像データや左目用データが表示されるまでの時間Δ(以下、適宜、映像の立上り時間Δという:図2及び図3参照)、あるいは、右目用映像データや左目用映像データの立下りタイミング(液晶表示パネル11に供給される映像データの遮断タイミング)から実際に液晶表示パネル11の右目用映像や左目用映像が消える(非表示)までの時間Δ(以下、適宜、映像の立下り時間Δという:図2及び図3参照)で表し得る液晶表示パネル11の応答性能は、液晶表示パネル11の温度に依存する。具体的には、液晶表示パネル11の温度が比較的高い場合には、その応答性が良く、液晶表示パネル11における映像の立上り時間Δ及び映像の立下り時間Δは比較的短い。一方、液晶表示パネル11の温度が比較的低い場合には、その応答性が悪く、液晶表示パネル11の前記映像の立上り時間Δや映像の立下り時間Δは比較的長い。
【0008】
前述した右LED照明器14a及び左LED照明器14bの調光制御(PWM制御)において、例えば、右LED照明器14aの点灯タイミングを液晶表示パネル11の応答性(映像の立上り時間Δ)を考慮して定めたとしても、温度に応じてその応答性(映像の立上り時間Δ)が変動してしまうので、右目用映像が液晶表示パネル11に完全に表示されない状態や、左目用映像が液晶表示パネル11から完全に消えていない状態で、右LED照明器14aが点灯してしまう場合がある。例えば、右目用映像が液晶表示パネル11に完全に表示されない状態で、右LED照明器14aが点灯してしまうと、右目用映像の立上りが不鮮明になったり、左目用映像が液晶表示パネル11から完全に消えていない状態で、右LED照明器14aが点灯してしまうと、左目用映像の立下りが不鮮明になったりしてしまう。そして、それらの現象が重なると、右目用映像と左目用映像のクロストークによって適正な3D映像を見ることができない。左LED照明器14aについても同様である。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、液晶表示パネルの応答性が変動したとしても、液晶表示パネルに表示される映像をユーザにできるだけ適正に見せ得るようにバックライトの調光を行うことが可能な液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置は、映像データに基づいた映像の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルに対するバックライトの点灯及び消灯を調光データに基づいて制御するバックライト調光制御装置であって、前記液晶表示パネルの前記映像データに基づいた映像の表示から非表示に切換えられるタイミングにて前記バックライトを消灯させる消灯制御手段と、前記バックライトを消灯させるタイミングから、前記映像データに基づいた映像の表示に切換えられた後における前記バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を前記調光データに基づいて制御する点灯制御手段とを有する構成となる。
【0011】
このような構成により、映像データに基づいた映像の液晶表示パネルでの表示から非表示に切換えられるタイミングにてバックライトが消灯されるので、前記表示から非表示への切換えタイミングから映像が完全に消えるまでの時間にかかわりなく、その映像をその表示から非表示への切換えタイミングにて確実に見せなくすることが可能になる。また、前記バックライトが消灯されたタイミングから、前記映像データに基づいた映像の表示に切換えられた後における前記バックライトを点灯させるまでの時間が調光データに基づいて制御されるので、バックライトの点灯タイミングが、映像の表示への切換えタイミングから当該映像が完全に液晶表示パネルに表示されるまでの時間内に入り難くなり得る。
【0012】
本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置において、前記液晶表示パネルの表示及び非表示の応答性を表し得る情報である応答性情報を取得する応答性情報取得手段を有し、前記点灯制御手段は、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報を更に加味して前記バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、更に、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報に応じて前記バックライトの輝度を制御するバックライト輝度制御手段を有する構成とすることができる。
【0013】
このような構成により、調光データとともに応答性情報を加味してバックライトを点灯させるタイミングまでの時間が制御され、また、その応答性情報に基づいてバックライトの輝度が制御されるようになるので、液晶表示パネルの応答性に応じてバックライトのより適切な制御が可能になる。
【0014】
また、本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置において、前記応答性情報取得手段は、前記液晶表示パネルの温度に応じた温度情報を前記応答性情報として取得する温度情報取得手段を有する構成とすることができる。
【0015】
このような構成により、調光データとともに温度情報を加味してバックライトを点灯させるタイミングまでの時間が制御され、また、その温度情報に基づいてバックライトの輝度が制御されるようになるので、液晶表示パネルの応答性に表し得る温度情報に応じてバックライトのより適切な制御が可能になる。
【0016】
更に、本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置において、前記バックライトは、半導体発光素子を有し、前記温度情報検出手段は、前記半導体発光素子のジャンクション温度を検出するために使用される温度センサを有する構成とすることができる。
【0017】
このような構成により、もともと半導体発光素子の性能をモニタするために用いられ得る当該半導体発光素子のジャンクション温度検出用の温度センサが、液晶表示パネルについての温度情報(応答情報)を取得するために利用されるので、液晶表示パネルの応答情報として温度情報を取得するための専用の温度センサを別途設ける必要がなくなる。
【0018】
本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置は、右目用映像データに基づいた右目用映像と左目用映像データに基づいた左目用映像との交互の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルに対する右目用バックライト及び左目用バックライトそれぞれの点灯及び消灯を調光データに基づいて制御するバックライト調光制御装置であって、前記液晶表示パネルの前記右目用映像データに基づいた右目用映像の表示から非表示に切換えられるタイミングにて前記右目用バックライトを消灯させる第1消灯制御手段と、前記右目用バックライトを消灯させるタイミングから、前記右目用映像データに基づいた右目用映像に切換えられた後における前記右目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を前記調光データに基づいて制御する第2点灯制御手段と、前記液晶パネルの前記左目用映像データに基づいた左目用映像の表示から非表示に切換えられるタイミングにて前記左目用バックライトを消灯させる第2消灯制御手段と、前記左目用バックライトを消灯させるタイミングから、前記左目用映像データに基づいた左目用映像に切換えられた後における前記左目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を前記調光データに基づいて制御する第2点灯制御手段とを有する構成となる。
【0019】
このような構成により、液晶表示パネルにおいて右目用映像データに基づいた右目用映像と左目用映像データに基づいた左目用映像との交互の表示と非表示とが所定周期にて繰り返されている際に、右目用映像の液晶表示パネルでの表示から非表示に切換えられるタイミングにて右目用バックライトが、また、左目用映像の液晶表示パネルでの表示から非表示に切換えられるタイミングで左目用バックライトが、それぞれ消灯されるので、右目用映像や左目用映像の表示から非表示への切換えタイミングから当該右目用映像や当該左目用映像が完全に消えるまでの時間にかかわりなく、右目用映像や左目用映像をそれらの表示から非表示への切換えタイミングにて確実に見せなくすることが可能になる。
【0020】
また、右目用バックライトが消灯されたタイミングから、前記右目用映像データに基づいた右目用映像の表示に切換えられた後における前記右目用バックライトを点灯させるまでの時間、及び左目用バックライトが消灯されたタイミングから、前記左目用映像データに基づいた左目用映像の表示に切換えられた後における前記左目用バックライトを点灯させるまでの時間が調光データに基づいて制御されるので、右目用バックライト及び左目用バックライトの点灯タイミングが、右目用映像や左目用映像の表示への切換えタイミングから当該右目用映像や当該左目用映像が完全に液晶表示パネルに表示されるまでの時間内に入り難くなり得る。
【0021】
本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置において、液晶表示パネルの表示及び非表示の応答性を表し得る情報である応答性情報を取得する応答性情報取得手段を有し、前記第1点灯制御手段は、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報を更に加味して前記右目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、前記第2点灯制御手段は、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報を更に加味して前記左目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、更に、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報に応じて前記右目用バックライトの輝度を制御する第1バックライト輝度制御手段と、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報に応じて前記左目用バックライトの輝度を制御する第2バックライト輝度制御手段とを有する構成とすることができる。
【0022】
このような構成により、調光データとともに応答性情報を加味して右目用バックライト及び左目用バックライトそれぞれを点灯させるタイミングまでの時間が制御され、また、その応答性情報に基づいて右目用バックライト及び左目用バックライトそれぞれの輝度が制御されるので、液晶表示パネルの応答性に応じて右目用バックライト及び左目用バックライトのより適切な制御が可能になる。
【0023】
また、本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置において、前記応答性情報取得手段は、前記液晶表示パネルの温度に応じた温度を表す温度情報を前記応答情報として取得する温度情報取得手段を有する構成とすることができる。そして、更に、本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置において、前記右目用バックライトは、第1半導体発光素子を有し、前記左目用バックライトは、第2半導体発光素子を有し、前記温度情報取得手段は、前記第1半導体発光素子のジャンクション温度を検出するために使用される第1温度センサと、前記第2半導体発光素子のジャンクション温度を検出するために使用される第2温度センサとを有し、前記第1点灯制御手段は、前記応答情報として得られる前記第1温度センサでの検出温度を加味して前記右目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、前記第2点灯制御手段は、前記応答情報として得られる前記第2温度センサでの検出温度を加味して前記左目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、前記第1バックライト輝度制御手段は、前記応答情報として得られる前記第1温度センサでの検出温度に応じて前記右目用バックライトの輝度を制御し、前記第2バックライト輝度制御手段は、前記応答情報として得られる前記第2温度センサでの検出温度に応じて前記左目用バックライトの輝度を制御する構成とすることができる。
【0024】
このような構成により、もともと右目用バックライトの第1半導体発光素子の性能をモニタするために用いられ得る当該第1半導体発光素子のジャンクション温度検出用の第1温度センサ、及びもともと左目用バックライトの第2半導体発光素子の性能をモニタするために用いられ得る当該第2半導体発光素子のジャンクション温度検出用の第2温度センサが、液晶表示パネルについての温度情報(応答情報)を取得するために利用されるので、液晶表示パネルの応答情報として温度情報を取得するための専用の温度センサを別途設ける必要がなくなる。
【0025】
本発明に係る液晶表示装置は、映像データに基づいた映像の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルと、該液晶表示パネルに対して設けられたバックライトと、前記バックライト調光制御装置とを有する構成となる。
【0026】
また、本発明に係る液晶表示装置は、右目用映像データに基づいた右目用映像と左目用映像データに基づいた左目用映像との交互の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルと、該液晶表示パネルに対して設けられた右目用バックライト及び左目用バックライトと、前記バックライト調光制御装置とを有する構成となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置によれば、映像の表示から非表示への切換えタイミングから当該映像が完全に消えるまでの時間にかかわらず、その映像をその表示から非表示への切換えタイミングにて確実に見せなくすることが可能になるとともに、バックライトの点灯タイミングが、映像の表示への切換えタイミングから当該映像が完全に液晶表示パネルに表示されるまでの時間内に入り難くなり得るので、液晶表示パネルの応答性が変動して、映像の表示から非表示への切換えタイミングから当該映像が完全に消えるまでに時間や映像の表示への切換えタイミングから当該映像が完全に液晶表示パネルに表示されるまでの時間が変動しても、液晶表示パネルに表示される映像をユーザにできるだけ適正に見せ得るようにバックライトの調光を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】時分割二眼方式に従って制御される液晶表示パネル、右LED照明器(右目用バックライト)及び左LED照明器(左目用バックライト)により右目用映像を右目にて視認可能になる原理を示す図である。
【図1B】時分割二眼方式に従って制御される液晶表示パネル、右LED照明器(右目用バックライト)及び左LED照明器(左目用バクライト)により左目用映像を左目にて視認可能になる原理を示す図である。
【図2】時分割二眼方式に従った液晶表示パネルの右目用映像及び左目用映像の表示/非表示の制御、及び右LED照明器(右目用バックライト)及び左LED照明器(左目用バックライト)の点灯/消灯の制御を示すタイミングチャートである。
【図3】図2に示す時分割二眼方式に従った右LED照明器(右目用バックライト)及び左LED照明器(左目用バックライト)の点灯/消灯の制御に重ねてPWMに従った調光制御を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施の一形態にかかる液晶表示装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】図4に示す液晶表示装置の制御系における右バックライト制御回路及び右温度検出器の具体的な構成例を示す回路図である。
【図6】図4及び図5に示す液晶表示装置の制御系にてなされるバックライトの調光制御を示すタイミングチャート(その1)である。
【図7】図4及び図5に液晶表示装置の制御系にてなされるバックライトの調光制御を示すタイミングチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0030】
本発明の実施の一形態に係る液晶表示装置の制御系は、図4に示すように構成される。なお、この液晶表示装置における表示部は、前述した図1A及び図1Bに示すものと同様に、液晶表示パネル11、右LED照明器14a(右目用バックライト)及び左LED照明器14b(左目用バックライト)を備えた構造となっている。
【0031】
図4に示す液晶表示装置における制御系は、制御ユニット20、映像処理回路21、右バックライト制御回路22a、左バックライト制御回路22b、右温度検出回路23a及び左温度検出回路23bを有している。映像処理回路21は、制御ユニット20の制御のもと、映像ソース30(例えば、DVDプレイヤ)からの右目用映像データ及び左目用映像データに基づいて液晶表示パネル11に右目用映像及び左目用映像を所定周期にて交互に切換え表示させる。右バックライト制御回路22aは、制御ユニット20から供給される右目用映像の表示と非表示とのタイミングを表す右目用映像タイミング信号、調光データ及び右温度検出回路23aからの温度情報に基づいて右LED照明器14a(右バックライト)の点灯及び消灯の切換え制御を行う。左バックライト制御回路22bは、制御ユニット20から供給される左目用映像の表示と非表示とのタイミングを表す左目用映像タイミング信号、調光データ及び左温度検出器23bからの温度情報に基づいて左LED照明器14b(左バックライト)の点灯及び消灯の切換え制御を行う。
【0032】
制御ユニット20には液晶表示パネル11の前方領域の明るさを検出する明るさセンサ24が接続されている。制御ユニット20は、明るさセンサ24にて検出された前記前方領域の明るさに応じた調光データを右バックライト制御回路22a及び左バックライト制御回路22bに与える。
【0033】
右バックライト制御回路22a及び右温度検出回路23aの具体的な構成は、例えば、図5に示すようになっている。なお、左バックライト制御回路22b及び左温度検出回路23bも同様に構成されている。
【0034】
図5において、右バックライト制御回路22aは、インバータ221、タイマ222、フリップフロップ223、遅延器224、駆動回路225、可変電源回路226及び遅延制御回路227を有している。右目用映像の表示と非表示とのタイミングを表す制御ユニット20からの右目用映像タイミング信号がインバータ221を介してタイマ222のセット端子(S)に入力しており、タイマ222は、インバータ221の出力の立上り、即ち、右目用映像タイミング信号の立下り(右目用映像の非表示への切換えタイミング)で起動(セット)される。そして、タイマ222は、前記起動されたタイミングから制御ユニット20からの調光データに応じた時間後にその出力を立ち上げる。フリップフロップ223のセット端子(S)にはタイマ222の出力が遅延器224を介して入力しており、フリップフロップ223は、遅延器224を介したタイマ222の出力の立上りでセットされて出力を立ち上げ、インバータ221を介した前記右目用映像タイミング信号の立下り(右目用映像の非表示への切換えタイミング)にてリセットされてその出力を立ち下げる。また、タイマ222は、遅延器224を介した当該タイマ222の出力の立上りによってリセットされるようになっている。
【0035】
駆動回路225は、上述したようにしてセット(立上り)及びリセット(立下り)されるフリップフロップ223の出力に同期して電源電圧Voのオン・オフ出力を行う。駆動回路225の出力は、右LED照明器14aを構成する複数のLED(半導体発光素子)それぞれのアノードに接続されている。右LED照明器14aの各LEDのカソードは、抵抗R1及び逆流防止のダイオードD1を介して可変電源回路226に接続されている。可変電源回路226の出力電圧Vは可変であり、右LED照明器14aの各LEDには、駆動回路225の出力電圧Voと可変電源回路226の可変出力電圧Vとの差に応じた駆動電流Iが流れるようになっている。
【0036】
右温度検出回路23aは、電源ラインと接地ラインとの間にサーミスタ231と抵抗R2とが直列接続された構成になっている。サーミスタ231は、右LED照明器14aを構成する複数のLEDのいずれかのジャンクション温度を検出するために用いられる温度センサである。このサーミスタ231として、例えば、温度が高くなるほど抵抗値が小さくなる負特性サーミスタが用いられる。サーミスタ231と抵抗R2とによる電源電圧の分圧電圧が温度検出電圧として右温度検出回路23aから出力される。右温度検出回路23aの温度検出電圧(温度情報)は、右LED照明器14aに含まれるLEDのジャンクション温度に対応しており、右LED照明器14aが近接して設けられる液晶表示パネル11の温度にも対応する。このように液晶表示パネル11の温度に対応する右温度検出回路23aからの温度検出電圧は、温度によって影響される液晶表示パネル11の応答性を表し得る。
【0037】
可変電源回路226は、右温度検出器23aからの温度検出電圧(温度情報)に応じて出力電圧Vを変化させる。具体的には、より高い温度に対応した温度検出電圧ほど、可変電圧回路226の出力電圧Vがより高くなり、より低い温度に対応した温度検出電圧ほど、可変電圧回路226の出力電圧がより低くなる。また、遅延制御回路227は、右温度検出器23aからの温度検出電圧(温度情報)に基づいて遅延器224による遅延時間を制御する。具体的には、より高い温度に対応した検出電圧ほど、遅延器224での遅延時間をより短くさせ、より低い温度に対応した温度検出電圧ほど、遅延器224での遅延時間を長くさせる。
【0038】
液晶表示装置の動作について図6に示すタイミングチャートを参照して説明する。
【0039】
映像処理回路21は、制御ユニット20の制御のもと、所定の周期TINTにてオン・オフを繰り返す右目用映像タイミング信号(a)に同期して、映像ソース30からの右目用映像データに基づいた右目用映像(b)を前記所定周期TINTに対応したインターバルをもって液晶表示パネル11に繰り返し表示させる。また、映像処理回路21は、前記右目用映像タイミング信号(a)と反転関係にてオン・オフを繰り返す左目用映像タイミング信号(c)に同期して、映像ソース30からの左目用映像データに基づいた左目用映像(d)を前記周期TINTに対応したインターバルをもって液晶表示パネル11に繰り返し表示させる。これにより、液晶表示パネル11では、右目用映像と左目用映像との交互の表示と非表示とが所定の周期TINTにて繰り返される。
【0040】
液晶表示パネル11において前記右目映像と前記左目映像との交互の表示と非表示とが所定の周期TINTにて繰り返されている過程で、右バックライト制御回路22a(図5参照)では、所定の周期TINTにてオン・オフを繰り返す右目用映像タイミング信号(a)のオンからオフへの立下り(右目用映像の非表示への切換えタイミング)にてフリップフロップ223がリセットされる。このリセットされたフリップフロップ223の出力によって制御される駆動回路225が右LED照明器14aの各LEDのアノードに対する入力電圧Voを遮断する。その結果、前記右目用タイミング信号(a)の立下り(右目用映像の非表示への切換えタイミング)にて右LED照明器14aが消灯する(e)。
【0041】
前記右目用映像タイミング信号(a)の前記立下りにてタイマ222が起動される。起動されたタイマ222は、その起動から右目用映像タイミング信号(a)が立ち上がった(右目用映像の表示への切換り)後であって制御ユニット20からの調光データに応じた時間が経過したときに出力を立ち上げる。なお、調光データに応じてタイマ222に設定される時間は、前記周期TINTの1/2(右目用映像の非表示期間)以上であって、より明るい状態を表す調光データであるほどより短い時間となり、より暗い状態を表す調光データであるほどより長い時間となる。そして、遅延器224によって遅延されたタイマ222の出力の立ち上がりによってフリップフロップ223がセットされる。このセットされたフリップフロップ223の出力により制御される駆動回路225が右LED照明器14aの各LEDのアノードに対して電圧Voを印加する。その結果、右LED照明器14aは、消灯してから、右目用映像が液晶表示パネル11に表示された後であって、調光データに基づいたタイマ222の設定時間に遅延器224による遅延時間を加味した時間Toffcont後に点灯する(e)。これにより、右目用映像を表示している液晶表示パネル11がその背後から右LED照明器14aによって照明される(図1A参照)。なお、遅延器224によって遅延されたタイマ222の出力の立ち上がりによって当該タイマ222がリセットされる。
【0042】
その後、右目用映像タイミング信号(a)が立ち下がると、液晶表示パネル11において右目用映像が消される(非表示)とともに、前述したようにしてリセットされるフリップフロップ223の出力に基づいた駆動回路225の動作によって右LED照明器14aが消灯させられ、右LED照明器14aの次の点灯のためにタイマ222が起動する。
【0043】
右バックライト制御回路22aにおいて右目用映像タイミング信号(a)に同期して上述したような動作が繰り返されることにより、右目用映像(b)が液晶表示パネル11に表示される期間に右LED照明器14aが点灯して(e)、ユーザは、右目にて液晶表示パネル11に表示される右目用映像を見ることができる(図1A参照)。そして、左バックライト制御回路22bにおける左目用映像タイミング信号に同期した同様の動作(図6における(c)、(d)、(f)参照)によって、左目用映像が液晶表示パネル11に表示される期間に左LED照明器14bが点灯して、ユーザは、左目にて液晶表示パネルに表示される左目用映像を見ることができる(図1B参照)。その結果、ユーザは、右目で見る右目用画像と左目で見る左目用映像とによって3D映像を視認することができるようになる。
【0044】
そして、右LED照明器14a及び左LED照明器14bそれぞれについて、所定の周期TINTにて点灯と消灯とが繰り返される過程で、その消灯から右目用映像または左目用映像が液晶表示パネル11に表示された後の点灯までの時間Toffcontが、調光データに基づいて制御されるので、結果として、右LED照明器14a及び左LED照明器14bそれぞれの点灯する時間が調光データに応じて制御されるようになる。即ち、右LED照明器14a及び左LED照明器14bの調光データに基づいたPWMの調光制御がなされる。
【0045】
上述したような右LED照明器14a及び左LED照明器14bそれぞれの点灯及び消灯のタイミング制御によれば、液晶表示パネル11において右目用映像と左目用映像との交互の表示と非表示とが所定周期TINTにて繰り返されている際に、右目用映像タイミング信号(a)の立下り(右目用映像の表示から非表示に切換えられるタイミング)にて右LED照明器14aが、また、左目用映像タイミング信号(c)の立下り(左目用映像の表示から非表示に切換えられるタイミング)で左LED照明器14bが、それぞれ消灯されるので、液晶表示パネル11の応答性を表す右目用映像や左目用映像の立下り時間Δにかかわらず、右目用映像や左目用映像をそれらの表示から非表示への切換えタイミング(右目用映像タイミング信号(a)や左目用映像タイミング信号(c)の立下り)にて確実に見せなくすることが可能になる。
【0046】
また、右LED照明器14aが消灯されたタイミングから、右目用映像が液晶表示パネル11に表示された後の右LED照明器14aを点灯させるまでの時間Toffcont(e)、及び左LED照明器14bが消灯されたタイミングから、左目用映像が液晶表示パネル11に表示された後の左LED照明器14bを点灯させるまでの時間Toffcont(f)のそれぞれが調光データに基づいて制御されるので、右LED照明器14a及び左LED照明器14bの点灯タイミングがその右目用映像や左目用映像の立ち上がり時間Δ内に入り難くなり得る。明るさを下げるために右LED照明器14a及び左LED照明器14bを点灯させるタイミングが遅くなればなるほど(Toffcontが長くなればなるほど)、その点灯タイミングが右目用映像や左目用映像の立ち上がり時間Δ内に入り難くなる。
【0047】
更に、右バックライト制御回路22a(図5参照)では、遅延制御回路227が右温度検出器23aからの温度検出電圧(温度情報:応答性情報)に応じて遅延器244での遅延時間を制御するとともに、可変電源回路226が前記温度検出電圧に応じて出力電圧Vを変化させる。具体的には、検出される温度が低く温度検出電圧が低いほど、遅延器224の遅延時間が長くなるとともに、可変電源回路226の出力電圧Vが低下する。一方、検出される温度が高く温度検出電圧が高いほど、遅延器224の遅延時間が短くなるとともに、可変電源回路226の出力電圧Vが上昇する。このため、温度が低くなればなるほど(液晶表示パネル11の応答性が悪くなるほど)、例えば、図7に示すように、右目用映像タイミング信号(a)の立下り(右目用映像の非表示への切換り)で右LED照明器14aが消灯してから、右LED照明器14aが点灯するまでの時間Toffcontが、Toffcont1、Toffcont2、Toffcont3、Toffcont4のように、順次長くなるとともに、右LED照明器14aの各LEDの端子間電圧Vo−Vが増大してその駆動電流Iが順次増大する。その結果、温度が低下して液晶表示パネル11の応答性が悪くなり、右目用映像の立上り時間Δが長くなっても、右LED照明器14aが点灯するタイミングが遅れる分、右LED照明器14aの点灯タイミングが前記右目用映像の立上り時間Δに入り難くなっている状態が維持される。そして、右LED照明器14aの点灯するタイミングが遅れて、右LED照明器14aの点灯している時間が短くなった分、右LED照明器14の各LEDの駆動電流Iが増加することにより輝度が上昇するので、右LED照明器14aの全体としての明るさが維持され得る。
【0048】
左バックライト制御回路22bにおいても、右バックライト制御回路22aと同様にして、温度が低下して液晶表示パネル11の応答性が悪くなった状況では、左LED照明器14bが点灯するタイミングが遅れて、その点灯タイミングが左目用画像の立上り時間Δに入り難くなる。そして、その点灯タイミングの遅れにより左LED照明器14の点灯している時間が短くなった分、左LED照明器14bの各LEDの駆動電流Iが増加することにより輝度が上昇されて、左LED照明器14bの全体としての明るさが維持される。
【0049】
上述したような液晶表示装置における右LED照明器14a及び左LED照明器14bの調光制御によれば、液晶表示パネル11の応答性を表す右目用映像や左目用映像の立下り時間Δ(映像の表示から非表示への切換えタイミングから当該映像が完全に消えるまでの時間)にかかわらず、右目用映像や左目用映像をそれらの表示から非表示への切換えタイミング(右目用映像タイミング信号(a)や左目用映像タイミング信号(c)の立下り)にて確実に見せなくすることが可能になるとともに、右LED照明器14a及び左LED照明器14bの点灯タイミングがその右目用映像や左目用映像の立ち上がり時間Δ(映像の表示への切換えタイミングから当該映像が完全に液晶表示パネルに表示されるまでの時間)内に入り難くなり得るので、液晶表示パネルの応答性が変動して、右目用映像や左目用映像の立下り時間Δやその立上り時間Δが変動しても、液晶表示パネル11に表示される右目用映像や左目用映像をユーザにより適正に見せ得るように右LED照明器14a(右目用バックライト)及び左LED照明器14b(左目用バックライト)の調光を行うことが可能になる。
【0050】
更に、前述したように、温度が低下して液晶表示パネル11の応答性が悪くなり、右目用映像及び右目用映像の立上り時間Δが長くなっても、右LED照明器14a及び左LED照明器14bが点灯するタイミングが遅くなって、右LED照明器14a及び左LED照明器14bの点灯タイミングが前記右目用映像及び左目用映像の立上り時間Δに入り難くなっている状態が維持される。また、右LED照明器14a及び左LED照明器14bの点灯するタイミングが遅れて右LED照明器14a及び左LED照明器14bの点灯している時間が短くなった分、右LED照明器14及び左LED照明器14bの各LEDの駆動電流Iが増加することにより輝度が上昇するので、右LED照明器14aの全体としての明るさが維持される。このようにして、調光データとともに温度情報(応答性情報)を加味して右LED照明器14a及び左LED照明器14bを点灯させるタイミングまでの時間が制御され、また、その温度情報(応答性情報)に基づいて右LED照明器14a及び左LED照明器14bの各LEDの輝度が制御されるようになるので、液晶表示パネル11の応答性に応じてバックライトの更に適切な制御が可能になる。
【0051】
このようにして、右目用映像と左目用映像の交互の表示と非表示とが所定の周期TINTにて繰り返される液晶表示パネル11に対する右目用バックライトとしての右LED照明器14a及び左目用バックライトとしての左LED照明器14bの適切な調光制御が可能になるので、液晶表示パネル11を見るユーザは、右目用映像と左目用映像とのクロストークの無い、良好な3D映像を視認することができるようになる。
【0052】
また、前述した液晶表示装置では、もともと右LED照明器14a(左LED照明器14b)の各LEDの性能をモニタするために用いられ得る当該LEDのジャンクション温度検出用のサーミスタ231が、液晶表示パネル11についての温度情報(応答情報)を取得するために利用されるので、液晶表示パネル11の応答情報として温度情報を取得するための専用の温度センサを別途設ける必要がなく、回路部品点数の増大を防止することができる。ただし、液晶表示パネル11の応答情報として温度情報を取得するための専用の温度センサを別途設けるようにしてもよい。
【0053】
液晶表示パネル11の応答性を表す情報としては、前記温度情報に限らず、他の情報、例えば、右目用映像や左目用映像の立上り時間Δや立下り時間Δを応答性を表す情報として用いることもできる。
【0054】
前述した液晶表示装置は時分割二眼方式にて右目用映像と左目用映像を液晶表示パネル11に表示するものであったが、本発明は、単に映像を所定のインターバルにて液晶表示パネル11に表示させる際の調光制御(PWM制御)にも適用することもできる。
【0055】
なお、図5に示す右バックライト制御回路22aの具体的な構成において、インバータ221の出力の立上り、即ち、右目用映像タイミング信号の立下りでフリップフロップ223がリセットされる構成が右LED照明器14a(右バックライト)の消灯制御手段(第1消灯制御手段)に対応し、右目用映像タイミング信号の立下り(インバータ221の出力の立上り)でセットされ、調光データに応じた時間後にリセットされるタイマ222及び遅延制御回路227にて遅延時間が制御される遅延器224を介したタイマ222の出力の立上りにてフリップフロップ223がセットされる構成が右LED照明器14a(右バックライト)の点灯制御手段(第1点灯制御手段)に対応する。また、右温度検出器23aが、温度情報取得手段(応答性情報取得手段)に対応し、右温度検出回路23aからの温度検出電圧に応じて出力電圧Vを変化させて右LED照明器14aの各LEDに対する駆動電流を制御する可変電圧回路226が右LED照明器14aに対するバックライト輝度制御手段(第1バックライト輝度制御手段)に対応する。
【0056】
また、右バックライト制御回路22aと同様に構成される左バックライト制御回路22bもまた、同様に、左LED照明器14b(左バックライト)の消灯制御手段(第2消灯制御手段)、左LED照明器14bの点灯制御手段(第2点灯制御手段)、及び左LED照明器14bに対するバックライト輝度制御手段(第2バックライト輝度制御手段)に対応している。そして、左温度検出回路23bもまた、温度情報取得手段(応答性情報取得手段)に対応している。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係る液晶表示装置におけるバックライト調光制御装置は、液晶表示パネルの応答性が変動したとしても、液晶表示パネルに表示される映像をユーザにできるだけ適正に見せ得るようにバックライトの調光を行うことが可能であるという効果を有し、映像データに基づいた映像の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルに対するバックライトの点灯及び消灯を調光データに基づいて制御するバックライト調光制御装置として有用である。
【符号の説明】
【0058】
11 液晶表示パネル
12 3Dプリズム板
13 ライトガイド板13
14a 右LED照明器(右目用バックライト)
14b 左LED照明器(左目用バックライト)
20 制御ユニット
21 映像処理回路
22a 右バックライト制御回路
22b 左バックライト制御回路
23a 右温度検出回路
23b 左温度検出回路
30 映像ソース
221 インバータ
222 タイマ
223 フリップフロップ
224 遅延器
225 駆動回路
226 可変電源回路
227 遅延制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データに基づいた映像の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルに対するバックライトの点灯及び消灯を調光データに基づいて制御するバックライト調光制御装置であって、
前記液晶表示パネルの前記映像データに基づいた映像の表示から非表示に切換えられるタイミングにて前記バックライトを消灯させる消灯制御手段と、
前記バックライトを消灯させるタイミングから、前記映像データに基づいた映像の表示に切換えられた後における前記バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を前記調光データに基づいて制御する点灯制御手段とを有するバックライト調光制御装置。
【請求項2】
前記液晶表示パネルの表示及び非表示の応答性を表し得る情報である応答性情報を取得する応答性情報取得手段を有し、
前記点灯制御手段は、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報を更に加味して前記バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、
更に、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報に応じて前記バックライトの輝度を制御するバックライト輝度制御手段を有する請求項1記載のバックライト調光制御装置。
【請求項3】
前記応答性情報取得手段は、前記液晶表示パネルの温度に応じた温度情報を前記応答性情報として取得する温度情報取得手段を有する請求項2記載のバックライト調光制御装置。
【請求項4】
前記バックライトは、半導体発光素子を有し、
前記温度情報検出手段は、前記半導体発光素子のジャンクション温度を検出するために使用される温度センサを有する請求項3記載のバックライト調光制御装置。
【請求項5】
右目用映像データに基づいた右目用映像と左目用映像データに基づいた左目用映像との交互の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルに対する右目用バックライト及び左目用バックライトそれぞれの点灯及び消灯を調光データに基づいて制御するバックライト調光制御装置であって、
前記液晶表示パネルの前記右目用映像データに基づいた右目用映像の表示から非表示に切換えられるタイミングにて前記右目用バックライトを消灯させる第1消灯制御手段と、
前記右目用バックライトを消灯させるタイミングから、前記右目用映像データに基づいた右目用映像に切換えられた後における前記右目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を前記調光データに基づいて制御する第2点灯制御手段と、
前記液晶パネルの前記左目用映像データに基づいた左目用映像の表示から非表示に切換えられるタイミングにて前記左目用バックライトを消灯させる第2消灯制御手段と、
前記左目用バックライトを消灯させるタイミングから、前記左目用映像データに基づいた左目用映像に切換えられた後における前記左目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を前記調光データに基づいて制御する第2点灯制御手段とを有するバックライト調光制御装置。
【請求項6】
液晶表示パネルの表示及び非表示の応答性を表し得る情報である応答性情報を取得する応答性情報取得手段を有し、
前記第1点灯制御手段は、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報を更に加味して前記右目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、
前記第2点灯制御手段は、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報を更に加味して前記左目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、
更に、前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報に応じて前記右目用バックライトの輝度を制御する第1バックライト輝度制御手段と、
前記応答性情報取得手段にて取得される前記応答性情報に応じて前記左目用バックライトの輝度を制御する第2バックライト輝度制御手段とを有する請求項5記載のバックライト調光制御装置。
【請求項7】
前記応答性情報取得手段は、前記液晶表示パネルの温度に応じた温度を表す温度情報を前記応答情報として取得する温度情報取得手段を有する請求項6記載のバックライト調光制御装置。
【請求項8】
前記右目用バックライトは、第1半導体発光素子を有し、
前記左目用バックライトは、第2半導体発光素子を有し、
前記温度情報取得手段は、前記第1半導体発光素子のジャンクション温度を検出するために使用される第1温度センサと、前記第2半導体発光素子のジャンクション温度を検出するために使用される第2温度センサとを有し、
前記第1点灯制御手段は、前記応答情報として得られる前記第1温度センサでの検出温度を加味して前記右目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、
前記第2点灯制御手段は、前記応答情報として得られる前記第2温度センサでの検出温度を加味して前記左目用バックライトを点灯させるタイミングまでの時間を制御し、
前記第1バックライト輝度制御手段は、前記応答情報として得られる前記第1温度センサでの検出温度に応じて前記右目用バックライトの輝度を制御し、
前記第2バックライト輝度制御手段は、前記応答情報として得られる前記第2温度センサでの検出温度に応じて前記左目用バックライトの輝度を制御する請求項7記載のバックライト調光制御装置。
【請求項9】
映像データに基づいた映像の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルと、
該液晶表示パネルに対して設けられたバックライトと、
請求項1乃至4のいずれかに記載のバックライト調光制御装置とを有する液晶表示装置。
【請求項10】
右目用映像データに基づいた右目用映像と左目用映像データに基づいた左目用映像との交互の表示と非表示とが所定周期にて繰り返される液晶表示パネルと、
該液晶表示パネルに対して設けられた右目用バックライト及び左目用バックライトと、
請求項5乃至8のいずれかに記載のバックライト調光制御装置とを有する液晶表示装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−3427(P2013−3427A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136048(P2011−136048)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】