液晶表示装置及びその制御方法
【課題】複数の画像信号出力装置からの画像を1つの画面上に並べて表示している場合に、ユーザが間違った色調整を行うことを抑制できる技術を提供する。
【解決手段】本発明の液晶表示装置は、ユーザが操作している画像信号出力装置を検出する検出手段と、検出手段でユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明の液晶表示装置は、ユーザが操作している画像信号出力装置を検出する検出手段と、検出手段でユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷やデザイン業務で使用されるカラーマネジメントに対応した液晶表示装置は大画面化してきている。これらの大画面の液晶表示装置は、2台のパーソナルコンピュータ(PC)を接続し、画面を2分割して両方のPCから送られる2つの画像を表示するか、いずれか一方のPCから送られる画像を画面全体に表示するかを切り替えることができる。また、液晶表示装置には、バックライトの光源として、従来の冷陰極線管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)の代わりに、赤、緑、青の3色の発光ダイオード(RGB Light Emitting Diode:RGB LED)を有するものが存在する。バックライトとしてRGB LED
を用いることで、従来のCCFLに比べて色再現性を向上させることができる。
【0003】
RGB LEDをバックライトに採用した液晶表示装置の場合、ユーザが目標輝度や色温度等
を指定してキャリブレーションを行うと、指定した目標値に基づいてバックライトのRGB LED(RGB LEDバックライト)の発光設定が変更される。液晶表示装置に2台のPCを接続する場合は、各々のPCを用いてキャリブレーションを行うことで、各々のPCが出力する画像に対して、所望の色再現性を得ることができる。
【0004】
従来、画面を複数の光源ブロックに分割し、入力される画像信号に応じて、光源ブロックごとにRGB LEDバックライトの発光設定を制御し、色再現性を高める技術がある(例え
ば、特許文献1参照)。
また、画質情報や画像表示部の入出力特性に基づいて、画質を優先する画像信号出力装置を決定して画質調整を行い、他方の画像信号出力装置が出力する画像を、画質を優先した方と同質の画質になるよう調整する技術がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−322944号公報
【特許文献2】特開2004−295133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、各PC(画像信号出力装置)に対して異なるバックライトの発光設定が設定されていた場合に、各PCからの画像を画面水平方向に並べて表示(2画面表示)すると、画像の境界付近で色再現性が低下してしまう。
そのため、ユーザが、色再現性が低下していることに気づかずに画像編集を行い、間違った色の調整を行ってしまう可能性があった。
【0007】
そこで、本発明は、複数の画像信号出力装置からの画像を1つの画面上に並べて表示している場合に、ユーザが間違った色調整を行うことを抑制できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液晶表示装置は、複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力して、前記複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定
でバックライトを発光させる液晶表示装置であって、ユーザが操作している画像信号出力装置を検出する検出手段と、前記検出手段で前記ユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、前記検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の液晶表示装置の制御方法は、複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力して、前記複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定でバックライトを発光させる液晶表示装置の制御方法であって、ユーザが操作している画像信号出力装置を検出するステップと、前記ユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、前記検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させるステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の画像信号出力装置からの画像を1つの画面上に並べて表示している場合に、ユーザが間違った色調整を行うことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1に係る画像表示システムの接続態様の一例。
【図2】実施例1に係る液晶表示装置とPCのハードウェアブロック図の一例。
【図3】バックライトにおけるLEDの配置の一例。
【図4】実施例1に係る液晶表示装置とPCの機能ブロック図の一例。
【図5】操作先判定部の判定処理の一例。
【図6】実施例1に係る表示制御部の処理の一例。
【図7】バックライトの発光設定の一例。
【図8】実施例2に係る画像表示システムの接続態様の一例。
【図9】実施例2に係る液晶表示装置とPCのハードウェアブロック図の一例。
【図10】実施例2に係る液晶表示装置の機能ブロック図の一例。
【図11】実施例2に係る表示制御部の処理の一例。
【図12】実施例3に係る画像表示システムの接続態様の一例。
【図13】実施例3に係る液晶表示装置とPCのハードウェアブロック図の一例。
【図14】実施例3に係る液晶表示装置とPCの機能ブロック図の一例。
【図15】実施例3に係る表示制御部の処理の一例。
【図16】実施例3に係る液晶表示装置に表示される画像の一例。
【図17】バックライトの発光設定の一例。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る画像表示システムの接続態様の一例を表す図である。
液晶表示装置100には、PC101,102(画像信号出力装置)が、それぞれ、ケーブル107,108を介して接続されている。液晶表示装置100は、複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力する。そして、複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定でバックライトを発光させる。
【0013】
PC101にはキーボード103とマウス104が接続されている。ユーザは、キーボ
ード103とマウス104を用いてPC101を操作することができる。同様にPC102にはキーボード105とマウス106が接続されている。ケーブル107,108は、DVI(商標)またはDisplayPort(商標)規格に準拠したケーブルであり、画像信号、DDC/CI(Display Data Channel Command Interface)に基づいたデータなどを通信可能なケーブルである。PC101,102は、それぞれ、ケーブル107,108を介して、液晶表示装置100に、画像信号とユーザ操作情報を送信する。ユーザ操作情報は、自身(PC)がユーザによって操作されていることを示す情報である。
【0014】
図2(A)は、液晶表示装置100のハードウェアブロック図である。
CPU201は、不揮発性メモリ203から各種制御を行うためのプログラムを読み込み、内部バス211に接続された各構成ブロックの制御を行う。
例えば、CPU201は、ユーザが操作ボタン210を用いて2画面表示操作を行うと、画像処理回路206に対して2画面表示を行うように指示する。具体的には、CPU201は、画像入力回路204,205が受信した2つの画像信号に基づく2つの画像を、液晶表示装置100の画面を2分割して表示するように画像処理回路206に指示する。
また、CPU201は、画像入力回路204,205が受信したユーザ操作情報と、画像入力回路毎(接続されたPC毎)の画質調整パラメータとに基づいて、画像入力回路毎に、その回路の発光設定を適用する画面の領域(発光領域)を決定する。そして、決定した発光領域の情報を、その領域の発光設定(画質調整パラメータに含まれる輝度や色温度など)の情報とともにバックライト制御回路208に出力する。
また、CPU201は、ユーザが操作ボタン210を用いて画質調整操作を行うと、該操作に応じて画像入力回路毎の画質調整パラメータ(発光設定)を設定し、不揮発性メモリ203に記録する。
【0015】
メモリ202は、CPU201の処理に用いるデータを一時的に記憶する。
不揮発性メモリ203は、CPU201が実行するプログラムや、画像入力回路毎の画質調整パラメータを記憶する。また、製造時に予め設定した画像入力回路204,205の発光設定の組み合わせ毎に、画像入力回路204と205のそれぞれに対する補正値データを記憶する。補正値データは、各発光領域を決定する処理に用いるデータである。
画像入力回路204は、ケーブル107を介して入力された画像信号(本実施例ではPC101から出力された画像信号)を画像処理回路206に出力する。また、ケーブル107を介して入力されたユーザ操作情報(PC101から出力されたユーザ操作情報)をCPU201に出力する。
画像入力回路205は、ケーブル108を介して入力された画像信号(本実施例ではPC102から出力された画像信号)を画像処理回路206に出力する。また、ケーブル108を介して入力されたユーザ操作情報(PC102から出力されたユーザ操作情報)をCPU201に出力する。
画像処理回路206は、画像入力回路204,205から受信した画像信号を不揮発性メモリ203に記録された画質調整パラメータに基づいて処理し、液晶表示デバイス207に出力する。
【0016】
液晶表示デバイス207は、画像処理回路206から受信した画像信号に基づく画像を表示する。
バックライト制御回路208は、CPU201から送られる発光設定及び発光領域の情報に基づいて、バックライト209の発光を制御する。具体的には、バックライト209には複数のLEDが設置されており、バックライト制御回路208は、個々のLEDの発光を制御する。
【0017】
操作ボタン210は、ユーザからの画質調整操作を受け付け、操作内容をCPU201に通知する。画質調整操作は、画像入力回路204,205に入力された画像信号のそれ
ぞれに対して、輝度や色温度の調整といった画質調整を行うための操作である。
また、操作ボタン210は、ユーザからの2画面表示操作を受け付け、該操作が行われたことをCPU201に通知する。
内部バス211は、液晶表示装置100の各構成ブロックを接続し、構成ブロック間のデータ通信を可能にするバスである。
【0018】
図3は、液晶表示装置100のバックライト209におけるLEDの配置を表す図である。
本実施例では、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色毎に独立した3つ(3原色)のLEDを1セット(LED301)として、16行24列の合計384セットのLED301が配置されている。
【0019】
図2(B)は、PC101のハードウェアブロック図である。なお、PC102のハードウェアブロック図はPC101と同様であるため、記述を省略する。
CPU401は、内部バス407に接続された各構成ブロックの制御や、蓄積装置403に記録されたOSやアプリケーションを実行し、画像信号を画像出力回路406に出力する。
また、CPU401は、キーボードI/F回路404やマウスI/F回路405からユーザ操作を表す信号を受信し、ユーザ操作に応じて、動作中のアプリケーションを制御する。それとともに、ユーザ操作が行われたことをユーザ操作情報として画像出力回路406に出力する。
【0020】
メモリ402は、CPU401の処理に用いるデータを一時的に記憶する。
蓄積装置403は、CPU401が実行するOSやアプリケーションを記憶する。
キーボードI/F回路404は、キーボード103を介してユーザ操作を受け付け、該ユーザ操作を表す信号をCPU401に出力する。
マウスI/F回路405は、マウス104を介してユーザ操作を受け付け、該ユーザ操作を表す信号をCPU401に出力する。
画像出力回路406は、CPU401から出力される画像信号とユーザ操作情報を液晶表示装置100に出力する。
内部バス407は、PC101の各構成ブロックを接続し、構成ブロック間のデータ通信を可能にするバスである。
【0021】
図4(A)は、液晶表示装置100の機能ブロック図である。
UI部501は、ユーザが操作ボタン210を用いて2画面表示操作を行うと、表示制御部504に対して2画面表示要求を出力する。
また、UI部501は、ユーザが操作ボタン210を用いて画質調整操作を行うと、画質調整パラメータを調整するための画質調整パラメータ設定画面を生成し、表示制御部504に出力する。そして、UI部501は、操作ボタン210を用いて入力(調整)された画質調整パラメータを、表示設定管理部502に出力する。
【0022】
表示設定管理部502は、UI部501から受信した画像入力回路毎の画質調整パラメータを、それぞれ、画像入力回路と対応付けて不揮発性メモリ203に記録する。また、不揮発性メモリ203が記憶する画像入力回路毎の画質調整パラメータを読み出し、表示制御部504に出力する。
表1は、不揮発性メモリ203が記憶する画像入力回路204,205(PC101,102)の画質調整パラメータの例(輝度と色温度;発光設定)を表したものである。本実施例では、表1の通り、画像入力回路204に対して輝度が150cd/m2、色温度が7200K、画像入力回路205に対して輝度が250cd/m2、色温度が9400Kと設定されている。
【表1】
加えて、表示設定管理部502は、不揮発性メモリ203から補正値データを読み出し、表示制御部504に出力する。
【0023】
操作先判定部503は、ユーザが操作している画像信号出力装置(PC)を検出する(検出手段)。具体的には、画像入力回路204,205から受信したユーザ操作情報に基づいて、ユーザがPC101,102のいずれを操作しているかを判定し、判定結果(操作先情報)を表示制御部504に出力する。操作先判定部503の判定処理については後で詳しく説明する。
【0024】
表示制御部504は、表示設定管理部502から画像入力回路204,205(PC101,102)に対して設定された画質調整パラメータを読み出し、それに基づいて画像処理を行うよう画像処理回路206に要求する。その際、表示制御部504は、表示する画像毎に、その画像の画像信号を出力するPCに対して設定された発光設定でバックライトを発光させるようバックライト制御部505に要求する(発光設定要求)。
また、表示制御部504は、UI部501から2画面表示要求を受信すると、画像処理回路206に対して画像入力回路204,205からの画像信号を2画面表示するように要求する。2画面表示中、表示制御部504は、操作先判定部503から定期的に操作先情報を取得する。そして、画像入力回路204,205の発光設定の組み合わせに対応する補正値データを表示設定管理部502から取得する。その後、取得した操作先情報と補正値データに基づいて発光領域を決定するための発光領域決定要求をバックライト制御部505に出力する。
さらに、表示制御部504は、UI部501から受信した画質調整パラメータ設定画面を画像処理回路206に出力し、液晶デバイス207で表示するよう要求する。
【0025】
バックライト制御部505は、表示制御部504からの発光設定要求に基づいてバックライト制御回路208を制御する。また、バックライト制御部505は、表示制御部504から取得した発光領域決定要求に基づいて、発光領域を決定する(発光領域決定処理)。
本実施例では、ユーザが操作しているPCが検出された場合に、検出されたPCから出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトが、同じ発光設定で発光されるように発光領域が決定される。具体的には、そのようなバックライトが、検出されたPCに対して設定された発光設定で発光されるように発光領域が決定される。即ち、本実施例では、バックライト制御部505とバックライト制御回路208により、本発明の制御手段が実現される。
また、本実施例では、検出されたPCに対して設定された発光設定と、隣接画像を出力するPCに対して設定された発光設定とに応じた境界部の大きさの発光領域が決定される。
発光領域決定処理については後で詳しく説明する。
なお、前述したUI部501〜バックライト制御部505の処理は、CPU201において実行される。
【0026】
図4(B)は、PC101の機能ブロック図である。なお、PC102の機能ブロック図はPC101と同様であるため、記述を省略する。
画像出力制御部601は、OSやアプリケーションを実行した際に生成された描画情報(画像信号)を画像出力回路406に出力する。
キーボードドライバ部602は、ユーザがキーボード103を用いて行ったユーザ操作を表す信号をキーボードI/F回路404から受信し、OSやアプリケーションを操作する。また、操作検出部604にキーボード操作情報(ユーザがキーボードを操作中か否かを表す情報)を出力する。
マウスドライバ部603は、ユーザがマウス104を用いて行ったユーザ操作を表す信号をマウスI/F回路405から受信し、OSやアプリケーションを操作する。また、操作検出部604にマウス操作情報(ユーザがマウスを操作中か否かを表す情報)を出力する。
操作検出部604は、キーボードドライバ部602からキーボード操作情報を、マウスドライバ部603からマウス操作情報を取得する。そして、ユーザがキーボードまたはマウスを操作中であった場合、自身(PC)を操作中であると判定し、画像出力回路406に、ユーザ操作情報を通知する。
なお、前述した画像出力制御部601〜操作検出部604の処理は、CPU401において実行される。
【0027】
図5は、ユーザ操作情報に基づいた操作先判定部503の判定処理のフローチャートである。
操作先判定部503は、画像入力回路204からユーザ操作情報を受信した場合に(S0701のYES)、「PC101を操作中」と判定する(S0702)。また、操作先判定部503は、画像入力回路204からユーザ操作情報を受信せず(S0701のNO)、映像入力回路205からユーザ操作情報を受信した場合(S0703のYES)には、「PC102を操作中」と判定する(S0704)。そして、操作先判定部503は、画像入力回路204,205の両方からユーザ操作情報を受信しなかった場合には(S0703のNO)、「未操作」(ユーザ操作は行われていない)と判定する(S0705)。
【0028】
本フローチャートの処理により、例えば、ユーザがPC101に接続したキーボード103またはマウス104を操作すると、判定結果は「画像入力回路204側のPCを使用中」となる。一方、ユーザがPC102に接続したキーボード105またはマウス106を操作すると、判定結果は「画像入力回路205側のPCを使用中」となる。
【0029】
図6は、表示制御部504の発光領域決定要求を出力するまでの処理の流れを示すフローチャートである。表示制御部504は2画面表示中、一定の間隔で本フローチャートの処理を行う。なお、表示制御部504は、2画面表示を開始した時点で、操作先情報を「未操作」に初期化する。
【0030】
まず、表示制御部504は、表示設定管理部502から画像入力回路204,205の画質調整パラメータを取得する(S0801)。
次に、取得した2つの画質調整パラメータを比較し(S0802)、画像入力回路204と画像入力回路205とで発光設定(輝度と色温度)が異なっているかを判断する(S0803)。
【0031】
画像入力回路204と画像入力回路205とで輝度または色温度が異なっている場合(S0803のYES)、表示設定管理部502が有する発光設定(輝度及び色温度)の組み合わせと補正値データとの対応表から、補正値データを取得する(S0804)。具体的には、画像入力回路204,205の発光設定の組み合わせに対応する補正値データが
取得される。
次に、操作先判定部503から操作先情報を取得し(S0805)、取得した操作先情報が、「未操作」以外の情報であるか否かを判定する。取得した操作先情報が「未操作」以外の情報である場合(S0806のYES)、発光領域決定要求を出力する(S0807)。
【0032】
一方、画像入力回路204と画像入力回路205とで輝度及び色温度が一致している場合(S0803のNO)には、その後の処理を行わずに本フローを終了する。また、取得した操作先情報が「未操作」の場合(S0806のNO)にも、その後の処理を行わずに本フローを終了する。
【0033】
表2は、発光設定の組み合わせと補正値データの対応を表す対応表である。補正値データは、発光領域を、対応する画像入力回路に入力された画像信号に基づく画像の表示領域よりもどの程度大きくするかを表すデータである。具体的には、補正値データは、画像入力回路毎(表2では「入力」と記載している)に、その画像入力回路に入力された画像の色再現性の低下を抑制するのに必要な境界部の大きさを表したデータである。
【表2】
【0034】
例えば、画像入力回路204側の輝度が150cd/m2、色温度が7200K、画像入力回路205側の輝度が250cd/m2、色温度が9400Kに設定されていたとする。この場合、表2の例では、画像入力回路204に対する補正値データは、“2”、画像入力回路205に対する補正値データは、“1”となる。
そのため、バックライト制御部505では、以下のように発光領域決定処理が行われる。
【0035】
画像入力回路204に入力された画像信号に基づく画像の色再現性の低下を抑制する場合には、取得した補正値データのうち画像入力回路204に対する補正値データが用いられる。そして、画像入力回路204に入力された画像信号に基づく画像の表示領域A内のLED301と該表示領域の外側2つ分のLED301を含む領域が、画像入力回路204の発光設定で発光させる発光領域とされる。なお、本実施例では、画像入力回路204,205に入力された2つの画像が画面水平方向に並べて表示される。そのため、表示領域A内のLED301と、表示領域Aから2列分、画像入力回路205に入力された画像信号に基づく画像の表示領域B内のLED301とを含む領域が、画像入力回路204の発光設定で発光させる発光領域とされる。
画像入力回路205に入力された画像の色再現性の低下を抑制する場合には、取得した補正値データのうち画像入力回路205に対する補正値データが用いられる。そして、表示領域B内のLED301と、表示領域Bから1列分、表示領域A内のLED301とを含む領域が、画像入力回路205の発光設定で発光させる発光領域とされる。
【0036】
なお、表2のデータは、予め用意されている。例えば、製造時に測定を行い、生成した
ものが不揮発性メモリ203に記録されている。
また、発光領域決定要求が出力されていない場合には、表示領域A,Bが、それぞれ、画像入力回路204,205の発光設定で発光させる発光領域とされる。
【0037】
図7(A)〜7(C)は、画像入力回路204側の輝度が150cd/m2、色温度が7200K、画像入力回路205側の輝度が250cd/m2、色温度が9400Kに設定されていた場合の、LED301の発光設定を表したものである。図中黒で表したLED301はPC101の発光設定で発光するLED、白で表したLED301はPC102の発光設定で発光するLEDである。なお、図7(A)〜7(C)はLED301が24列配置されている場合の例である。
【0038】
図7(A)は未操作の場合を表している。未操作の場合、PC101から出力された画像信号に基づく画像の表示領域に対応する、画面左から12列分のLED301がPC101の発光設定で発光する。また、PC102から出力された画像信号に基づく画像の表示領域に対応する、画面右から12列分のLED301がPC102の発光設定で発光する。
図7(B)はユーザがPC101を操作している場合を表している。この場合、PC101から出力された画像信号に基づく画像の表示領域に対応する12列分と該表示領域から右側に2列分の計14列分(画面左から14列分)のLED301がPC101の発光設定で発光する。また、画面右から10列分のLED301がPC102の発光設定で発光する。
図7(C)はユーザがPC102を操作している場合を表している。この場合、PC102から出力された画像信号に基づく画像の表示領域に対応する12列分と該表示領域から左側に1列分の計13列分(画面右から13列分)のLED301がPC102の発光設定で発光する。また、画面左から11列分のLED301がPC101の発光設定で発光する。
【0039】
以上述べたように、本実施例によれば、ユーザの操作しているPCから出力された画像信号に基づく画像の表示領域だけでなく、該画像と隣接画像との境界部のバックライトが、ユーザの操作しているPCに対して設定された発光設定で発光される。それにより、複数のPCからの画像を1つの画面上に並べて表示している場合に、ユーザが操作しているPCからの画像の色再現性が隣接画像によって低減することを抑制することができ、ユーザが間違った色調整を行うことを抑制できる。
また、本実施例では、ユーザの操作しているPCに対して設定された発光設定と、隣接画像を出力するPCに対して設定された発光設定とに応じて境界部の大きさが決定される。そのため、不必要に隣接画像の表示領域のバックライトの発光設定が変更されることを抑制することができる。
【0040】
なお、本実施例では、画像信号出力装置がPCの場合について説明したが、画像信号出力装置は画像信号を出力するものであればよい。例えば、ハードディスクレコーダー、ブルーレイプレーヤー、テレビチューナーなどであってもよい。
なお、本実施例では、発光設定として輝度と色温度を用いた場合について説明したが、これに限らない。例えば、輝度と色温度のいずれか一方のみを用いる構成であってもよい。発光設定はバックライトの駆動条件を示すものであればどのようなものであってもよい。
なお、本実施例では、2つの画像信号出力装置を液晶表示装置に接続する例を示したが、画像入力回路を増やして3つ以上の画像信号出力装置を接続してもよい。また、本実施例では、複数の画像を画面水平方向に並べて表示する例を示したが、画像の並べ方はこれに限らない。例えば、複数の画像を画面垂直方向に並べて表示してもよいし、行列状に並べて表示してもよいし、ピクチャ・イン・ピクチャのように、一方の画像に他方の画像が
重畳されてもよい。
【0041】
なお、本実施例では、PC101への操作を優先して検出する構成としたが、PC102への操作を優先して検出する構成であってもよいし、ユーザにどちらのPCに対する操作を優先して検出するかを設定させる構成であってもよい。
なお、本実施例では、ユーザが液晶表示装置を操作して発光設定(輝度や色温度)を設定する構成としたが、発光設定の設定方法はこれに限らない。ユーザがPCを操作して発光設定を設定する構成であってもよいし、ユーザがPCを用いてキャリブレーション等を行う際に、自動または手動で輝度や色温度を設定する構成であってもよい。
なお、本実施例では、PCから出力された画像信号とユーザ操作情報を共通のケーブルを用いて液晶表示装置に入力する構成としたが、接続態様はこれに限らない。ユーザ操作情報は、画像信号の伝送に用いるケーブルとは別のケーブル(例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル)を用いて伝送されてもよい。
【0042】
<実施例2>
以下、本発明の実施例2として、キーボードやマウスを、PCではなく液晶表示装置に接続する例について記述する。なお、実施例1と重複する部分については、記述を省略する。
図8は、本実施例に係る画像表示システムの接続態様の一例を表す図である。
液晶表示装置110には、PC111,112が、それぞれ、ケーブル107,108を介して接続されている。また、液晶表示装置110とPC111,液晶表示装置110と112は、それぞれ、USBケーブル1101,1102で接続されている。ユーザが液晶表示装置110に接続されたキーボード103ならびにマウス104を用いて行った操作の信号(操作信号)は、USBケーブル1101,1102を介して、PC111,112に伝達される。
【0043】
図9(A)は、液晶表示装置110のハードウェアブロック図である。
CPU211は、図2(A)のCPU201の機能に加え、ユーザが操作ボタン1203を用いて行った操作先切替操作に基づいて、キーボード・マウス切替回路1204を制御する機能を有する。具体的には、CPU211は、キーボードI/F回路1201及びマウスI/F回路1202が受信した操作信号が、USB I/F回路1205または1
206のいずれかに出力されるようにキーボード・マウス切替回路1204に指示する。
キーボードI/F回路1201は、キーボード103から操作信号を受信し、キーボード・マウス切替回路1204に出力する。
マウスI/F回路1202は、マウス104から操作信号を受信し、キーボード・マウス切替回路1204に出力する。
【0044】
操作ボタン1203は、図2(A)の操作ボタン210の機能に加えて、ユーザからの操作先切替操作を受け付け、操作内容をCPU211に通知する機能を有する。
キーボード・マウス切替回路1204は、CPU211からの指示に基づいて、キーボードI/F回路1201やマウスI/F回路1202から受信した操作信号を、USB
I/F回路1205または1206のいずれかへ出力する。加えて、USB I/F回路
1205または1206のどちらに操作信号を出力するか(PC101,102のどちらを操作するか)を示す操作先情報を記憶する。
USB I/F回路1205は、キーボード・マウス切替回路1204から受信した操
作信号をPC111に出力する。
USB I/F回路1206は、キーボード・マウス切替回路1204から受信した操
作信号をPC112に出力する。
【0045】
図9(B)は、PC111のハードウェアブロック図である。なお、PC112のハー
ドウェアブロック図はPC111と同様であるため、記述を省略する。
CPU411は、内部バス407に接続された各構成ブロックの制御や、蓄積装置403に記録されたOSやアプリケーションを実行し、画像信号を画像出力回路406に出力する。また、USB I/F回路1301から受信した操作信号に基づいて、動作中のア
プリケーションを制御する。
USB I/F回路1301は、液晶表示装置110から操作信号を受信し、CPU4
11に出力する。
【0046】
図10は、液晶表示装置110の機能ブロック図である。
UI部511は、図4(A)のUI部501の機能に加えて、ユーザが操作ボタン1203を用いて行った操作先切替操作に基づいて、キーボード・マウス切替回路1204に対して、操作先切替指示を送信する機能を有する。
【0047】
表示制御部514は、表示設定管理部502から画像入力回路204,205それぞれの画質調整パラメータを読み出し、それに基づいて画像処理を行うよう画像処理回路206に要求する。その際、表示制御部514は、発光設定要求をバックライト制御部505に出力する。
また、表示制御部514は、UI部511から2画面表示要求を受信すると、画像処理回路206に対して画像入力回路204,205からの画像信号を2画面表示するように要求する。2画面表示中、表示制御部514は、キーボード・マウス切替回路1204から定期的に操作先情報を取得する。そして、画像入力回路204,205の発光設定の組み合わせに対応する補正値データを表示設定管理部502から取得する。その後、取得した操作先情報と補正値データに基づいて発光領域を決定するための発光領域決定要求をバックライト制御部505に出力する。
なお、前述した処理は、CPU211において実行される。
【0048】
図11は、表示制御部514の発光領域決定要求を出力するまでの処理の流れを示すフローチャートである。表示制御部514は2画面表示中、一定の間隔で本フローチャートの処理を行う。
S1501〜S1504の処理は、図6のS0801〜S0804の処理と同様のため、説明は省略する。
S1504の次に、表示制御部514は、キーボード・マウス切替回路1204から操作先情報を取得し(S1505)、実施例1(図6のS0806,S0807)と同様に、発光領域決定要求を出力する(S1506)。
一方、画像入力回路204と画像入力回路205とで輝度及び色温度が一致している場合(S1503のNO)には、その後の処理を行わずに本フローを終了する。また、取得した操作先情報が「未操作」の場合にも、発光領域決定要求は出力せずに処理を終了する。
【0049】
以上述べたように、本実施例によれば、液晶表示装置にキーボードおよびマウスが接続される。そして、ユーザが液晶表示装置を操作することで、キーボードおよびマウスによりどのPCを操作するかが選択される。それにより、PCからユーザ操作情報を取得することなく、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0050】
<実施例3>
以下、本発明の実施例3に係る画像表示システムについて記述する。本実施例では、アプリケーション毎に発光設定が設定されている場合の例である。そして、本実施例では、アクティブなアプリケーションの画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、アクティブなアプリケーションに対して設定された発光設定で発光させる。なお、実施例1,2と重複する部分については、記述を省略する。
【0051】
図12は、本発明の実施例3に係る画像表示システムの接続態様の一例を表す図である。
液晶表示装置120には、PC121がケーブル107を介して接続されている。
PC121は、ケーブル107を介して液晶表示装置120に、画像信号、アプリウィンドウ情報、及び、アプリケーション毎(背景も含む)の画質調整パラメータを送信する。アプリウィンドウ情報は、PC121で動作しているアプリケーションの画像(ウィンドウ)の表示領域やアクティブなアプリケーションを示す情報である。
【0052】
図13(A)は、液晶表示装置120のハードウェアブロック図である。
CPU221は、不揮発性メモリ223から各種制御を行うためのプログラムを読み込み、内部バス211に接続された各構成ブロックの制御を行う。
また、CPU221は、PC121から受信したアプリケーション毎の画質調整パラメータを不揮発性メモリ223に記憶する。
また、CPU221は、画像入力回路224から受信したアプリウィンドウ情報と不揮発性メモリ223に記録したアプリケーション毎の画質調整パラメータに基づいて、アプリケーション毎の発光領域を決定する。そして、決定した発光領域の情報を発光設定の情報と共にバックライト制御部208に出力する。
【0053】
不揮発性メモリ223は、CPU221が実行するプログラムや、アプリケーション毎の画質調整パラメータを記憶する。また、製造時に予め設定した発光設定の組み合わせ毎の補正値データを記憶する。
画像入力回路224は、PC121から受信した画像信号を、画像処理回路206に出力する。また、PC121から受信したアプリウィンドウ情報、アプリケーション毎の画質調整パラメータをCPU221に出力する。
【0054】
図13(B)は、PC121のハードウェアブロック図である。
CPU421は、内部バス407に接続された各構成ブロックの制御や、蓄積装置403に記録されたOSやアプリケーションを実行し、画像信号を画像出力回路426に出力する。
また、CPU421は、キーボードI/F回路404やマウスI/F回路405からユーザ操作を表す信号を受信し、ユーザ操作に応じて、動作中のアプリケーションを制御する。それとともに、ユーザ操作に基づいて、アプリウィンドウ情報を画像出力回路426に出力する。また、ユーザが設定したアプリケーション毎の画質調整パラメータを画像出力回路426に出力する。
画像出力回路426は、CPU421から出力される画像信号、アプリウィンドウ情報、アプリケーション毎の画質調整パラメータを液晶表示装置120に出力する。
【0055】
図14(A)は、液晶表示装置121の機能ブロック図である。
表示設定管理部522は、不揮発性メモリ223に記憶したアプリケーション毎の画質調整パラメータを読み出し、表示制御部524に出力する。また、表示設定管理部522は、不揮発性メモリ223から補正値データを読み出し、表示制御部524に出力する。どの補正値データを読み出すかについては後述する。
【0056】
表示制御部524は、画像入力回路224から受信したアプリウィンドウ情報、及び、表示設定管理部522から取得したアプリケーション毎の画質調整パラメータに基づいて、画像処理を行うよう画像処理回路206に要求する。
また、表示制御部524は、アプリウィンドウ情報及びアプリケーション毎の画質調整パラメータに基づいて、アプリケーション毎に、そのアプリケーションに対して設定された発光設定でバックライトを発光させるようバックライト制御部505に要求する。加え
て、アプリウィンドウ情報、アプリケーション毎の画質調整パラメータ、及び、表示設定管理部522から取得した補正値データに基づいて発光領域を決定するための発光領域決定要求をバックライト制御部505に出力する。
なお、前述した処理は、CPU221において実行される。
【0057】
図14(B)は、PC121の機能ブロック図である。
操作検出部624は、キーボードドライバ部602からキーボード操作情報(どのようなキーボード操作が行われたかを表す情報)を、マウスドライバ部603からマウス操作情報(どのようなマウス操作が行われたかを表す情報)を取得する。そして、キーボード操作情報及びマウス操作情報に基づいてアプリウィンドウ情報を生成し、画像出力回路426に出力する。
画質調整パラメータ設定部2001は、ユーザが設定したアプリケーション毎の画質調整パラメータを画像出力回路426に出力する。
【0058】
図15は、表示制御部524の発光領域決定要求を出力するまでの処理の流れを示すフローチャートである。表示制御部524は、アプリウィンドウ情報が更新される度に本フローチャートの処理を行う。
まず、表示制御部524は、画像入力回路224からアプリウィンドウ情報を取得し(S2101)、表示設定管理部522からアプリケーション毎の画質調整パラメータを取得する(S2102)。
【0059】
次に、アプリウィンドウ情報から、アプリケーション毎の表示領域の情報を取得し、各表示領域に対応するLED301を算出する(S2103)。例えば、画面の表示解像度が3072ピクセル×2048ピクセルで、LED301の配置が図3の通りである場合、各LED301は128ピクセル×128ピクセルの表示領域に対応する。そのため、表示領域が矩形の場合には、その領域の対角位置の座標を128で割ることで、対応するLED301(具体的には、対応するLED301の行範囲及び列範囲)を算出することができる。
【0060】
そして、アプリウィンドウ情報とアプリケーション毎の画質調整パラメータに基づいて、アクティブなアプリケーションに対して設定された発光設定を取得する(S2104)。また、アクティブなアプリケーションの画像に隣接して表示されるアプリケーションまたは背景に対して設定された発光設定を取得する(S2105)。
次に、アクティブなアプリケーションの発光設定と、アクティブなアプリケーションの画像に隣接して表示されるアプリケーションまたは背景の発光設定との組み合わせに対応する補正値データを取得する(S2106)。
そして、発光領域決定要求を出力する(S2107)。
【0061】
表3は、アプリケーション毎の画質調整パラメータの一例を示したものである。
表3は、例えば、アプリケーション「アプリ1」のウィンドウは、輝度150cd/m2、色温度9400Kで表示されることを表している。なお、「デフォルト」は、画質調整を行っていないアプリケーションや背景を表示する際の画質調整パラメータを表している。
【表3】
【0062】
表4は、発光設定の組み合わせと補正値データの対応を表したものである。補正値データは、アクティブなアプリケーションの発光設定で発光させる発光領域を該アプリケーションの画像よりもどの程度大きくするかを表すデータである。具体的には、補正値データは、アクティブなアプリケーションの画像内の色再現性の低下を抑制するのに必要な境界部の大きさを表したデータである。
【表4】
【0063】
例えば、アクティブなアプリケーション(表中、アクティブアプリ)の輝度が150cd/m2、色温度が9400Kに設定されていたとする。また、アクティブなアプリケーションの画像に隣接して表示されるアプリケーションまたは背景(表中、隣接アプリ)の輝度が250cd/m2、色温度が7200Kに設定されていたとする。その場合、補正値データは“1”となる。そして、アクティブなアプリケーションの画像の表示領域内のLED301と、該表示領域の外側1つ分のLED301とを含む領域が、アクティブなアプリケーションの発光設定で発光させる発光領域とされる。
また、アクティブなアプリケーションの輝度が150cd/m2、色温度が9400K、アクティブなアプリケーションの画像に隣接して表示されるアプリケーションまたは背景の輝度が150cd/m2、色温度が6500Kに設定されていたとする。その場合、補正値データは“2”となり、アクティブなアプリケーションの画像の表示領域内のLED301と、該表示領域の外側2つ分のLED301とを含む領域が、アクティブなアプリケーションの発光設定で発光させる発光領域とされる。
なお、表4のデータは予め用意されている。例えば、製造時に測定を行い、生成したものが不揮発性メモリ223に記録されている。
【0064】
図16は、液晶表示装置120に表示される画像の一例を示す図である。
図16の例では、液晶表示装置120の表示領域2201上の座標P1S,P1Eで定義される矩形領域2202にアプリケーション「アプリ1」の画像(ウィンドウ)が表示されている。また、座標P2S,P2Eで定義される矩形領域2203にアプリケーション「アプリ2」の画像が表示されている。そして、「アプリ1」がアクティブであるため
、「アプリ2」のウィンドウよりも手前に「アプリ1」の画像が表示されている。
なお、残りの領域には背景が表示されている。
【0065】
図17は、図16に示す画像が表示されている場合の、バックライト(LED)の発光設定を表した図である。バックライトB1aとB1bを含む破線で示される領域2301は、「アプリ1」の発光設定を適用する(画面の)領域を、バックライトB2aとB2bを含む破線で示される領域2302は「アプリ2」の発光設定を適用する領域を表す。具体的には、「アプリ1」の画像の表示領域に対し、「アプリ2」が隣接する部分では外側にバックライト1つ分、背景が隣接する部分では外側にバックライト2つ分拡張された領域が、「アプリ1」の発光設定で発光される。ただし、「アプリ1」の画像の左側はバックライト1つ分しか表示領域が存在しないため、バックライト1つ分だけ拡張される。
【0066】
以上述べたように、本実施例によれば、アクティブなアプリケーションの画像の表示領域および隣接画像との境界部のバックライトが、アクティブなアプリケーションに対して設定された発光設定で発光される。それにより、アプリケーション毎に発光設定が異なる場合であっても、アクティブな(ユーザが操作している)アプリケーションの画像の色再現性が隣接画像によって低減することを抑制することができ、ユーザが間違った色調整を行うことを抑制できる。
なお、本実施例では、2つの画像(ウィンドウ)を表示する例を示したが、表示するウィンドウの数は3つ以上であってもよい。
また、本実施例では、1つのPCを液晶表示装置に接続する場合について説明したが、2つ以上のPCを接続してもよい。
【符号の説明】
【0067】
208 バックライト制御回路
503 操作先判定部
505 バックライト制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷やデザイン業務で使用されるカラーマネジメントに対応した液晶表示装置は大画面化してきている。これらの大画面の液晶表示装置は、2台のパーソナルコンピュータ(PC)を接続し、画面を2分割して両方のPCから送られる2つの画像を表示するか、いずれか一方のPCから送られる画像を画面全体に表示するかを切り替えることができる。また、液晶表示装置には、バックライトの光源として、従来の冷陰極線管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)の代わりに、赤、緑、青の3色の発光ダイオード(RGB Light Emitting Diode:RGB LED)を有するものが存在する。バックライトとしてRGB LED
を用いることで、従来のCCFLに比べて色再現性を向上させることができる。
【0003】
RGB LEDをバックライトに採用した液晶表示装置の場合、ユーザが目標輝度や色温度等
を指定してキャリブレーションを行うと、指定した目標値に基づいてバックライトのRGB LED(RGB LEDバックライト)の発光設定が変更される。液晶表示装置に2台のPCを接続する場合は、各々のPCを用いてキャリブレーションを行うことで、各々のPCが出力する画像に対して、所望の色再現性を得ることができる。
【0004】
従来、画面を複数の光源ブロックに分割し、入力される画像信号に応じて、光源ブロックごとにRGB LEDバックライトの発光設定を制御し、色再現性を高める技術がある(例え
ば、特許文献1参照)。
また、画質情報や画像表示部の入出力特性に基づいて、画質を優先する画像信号出力装置を決定して画質調整を行い、他方の画像信号出力装置が出力する画像を、画質を優先した方と同質の画質になるよう調整する技術がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−322944号公報
【特許文献2】特開2004−295133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、各PC(画像信号出力装置)に対して異なるバックライトの発光設定が設定されていた場合に、各PCからの画像を画面水平方向に並べて表示(2画面表示)すると、画像の境界付近で色再現性が低下してしまう。
そのため、ユーザが、色再現性が低下していることに気づかずに画像編集を行い、間違った色の調整を行ってしまう可能性があった。
【0007】
そこで、本発明は、複数の画像信号出力装置からの画像を1つの画面上に並べて表示している場合に、ユーザが間違った色調整を行うことを抑制できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液晶表示装置は、複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力して、前記複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定
でバックライトを発光させる液晶表示装置であって、ユーザが操作している画像信号出力装置を検出する検出手段と、前記検出手段で前記ユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、前記検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の液晶表示装置の制御方法は、複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力して、前記複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定でバックライトを発光させる液晶表示装置の制御方法であって、ユーザが操作している画像信号出力装置を検出するステップと、前記ユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、前記検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させるステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の画像信号出力装置からの画像を1つの画面上に並べて表示している場合に、ユーザが間違った色調整を行うことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1に係る画像表示システムの接続態様の一例。
【図2】実施例1に係る液晶表示装置とPCのハードウェアブロック図の一例。
【図3】バックライトにおけるLEDの配置の一例。
【図4】実施例1に係る液晶表示装置とPCの機能ブロック図の一例。
【図5】操作先判定部の判定処理の一例。
【図6】実施例1に係る表示制御部の処理の一例。
【図7】バックライトの発光設定の一例。
【図8】実施例2に係る画像表示システムの接続態様の一例。
【図9】実施例2に係る液晶表示装置とPCのハードウェアブロック図の一例。
【図10】実施例2に係る液晶表示装置の機能ブロック図の一例。
【図11】実施例2に係る表示制御部の処理の一例。
【図12】実施例3に係る画像表示システムの接続態様の一例。
【図13】実施例3に係る液晶表示装置とPCのハードウェアブロック図の一例。
【図14】実施例3に係る液晶表示装置とPCの機能ブロック図の一例。
【図15】実施例3に係る表示制御部の処理の一例。
【図16】実施例3に係る液晶表示装置に表示される画像の一例。
【図17】バックライトの発光設定の一例。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る画像表示システムの接続態様の一例を表す図である。
液晶表示装置100には、PC101,102(画像信号出力装置)が、それぞれ、ケーブル107,108を介して接続されている。液晶表示装置100は、複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力する。そして、複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定でバックライトを発光させる。
【0013】
PC101にはキーボード103とマウス104が接続されている。ユーザは、キーボ
ード103とマウス104を用いてPC101を操作することができる。同様にPC102にはキーボード105とマウス106が接続されている。ケーブル107,108は、DVI(商標)またはDisplayPort(商標)規格に準拠したケーブルであり、画像信号、DDC/CI(Display Data Channel Command Interface)に基づいたデータなどを通信可能なケーブルである。PC101,102は、それぞれ、ケーブル107,108を介して、液晶表示装置100に、画像信号とユーザ操作情報を送信する。ユーザ操作情報は、自身(PC)がユーザによって操作されていることを示す情報である。
【0014】
図2(A)は、液晶表示装置100のハードウェアブロック図である。
CPU201は、不揮発性メモリ203から各種制御を行うためのプログラムを読み込み、内部バス211に接続された各構成ブロックの制御を行う。
例えば、CPU201は、ユーザが操作ボタン210を用いて2画面表示操作を行うと、画像処理回路206に対して2画面表示を行うように指示する。具体的には、CPU201は、画像入力回路204,205が受信した2つの画像信号に基づく2つの画像を、液晶表示装置100の画面を2分割して表示するように画像処理回路206に指示する。
また、CPU201は、画像入力回路204,205が受信したユーザ操作情報と、画像入力回路毎(接続されたPC毎)の画質調整パラメータとに基づいて、画像入力回路毎に、その回路の発光設定を適用する画面の領域(発光領域)を決定する。そして、決定した発光領域の情報を、その領域の発光設定(画質調整パラメータに含まれる輝度や色温度など)の情報とともにバックライト制御回路208に出力する。
また、CPU201は、ユーザが操作ボタン210を用いて画質調整操作を行うと、該操作に応じて画像入力回路毎の画質調整パラメータ(発光設定)を設定し、不揮発性メモリ203に記録する。
【0015】
メモリ202は、CPU201の処理に用いるデータを一時的に記憶する。
不揮発性メモリ203は、CPU201が実行するプログラムや、画像入力回路毎の画質調整パラメータを記憶する。また、製造時に予め設定した画像入力回路204,205の発光設定の組み合わせ毎に、画像入力回路204と205のそれぞれに対する補正値データを記憶する。補正値データは、各発光領域を決定する処理に用いるデータである。
画像入力回路204は、ケーブル107を介して入力された画像信号(本実施例ではPC101から出力された画像信号)を画像処理回路206に出力する。また、ケーブル107を介して入力されたユーザ操作情報(PC101から出力されたユーザ操作情報)をCPU201に出力する。
画像入力回路205は、ケーブル108を介して入力された画像信号(本実施例ではPC102から出力された画像信号)を画像処理回路206に出力する。また、ケーブル108を介して入力されたユーザ操作情報(PC102から出力されたユーザ操作情報)をCPU201に出力する。
画像処理回路206は、画像入力回路204,205から受信した画像信号を不揮発性メモリ203に記録された画質調整パラメータに基づいて処理し、液晶表示デバイス207に出力する。
【0016】
液晶表示デバイス207は、画像処理回路206から受信した画像信号に基づく画像を表示する。
バックライト制御回路208は、CPU201から送られる発光設定及び発光領域の情報に基づいて、バックライト209の発光を制御する。具体的には、バックライト209には複数のLEDが設置されており、バックライト制御回路208は、個々のLEDの発光を制御する。
【0017】
操作ボタン210は、ユーザからの画質調整操作を受け付け、操作内容をCPU201に通知する。画質調整操作は、画像入力回路204,205に入力された画像信号のそれ
ぞれに対して、輝度や色温度の調整といった画質調整を行うための操作である。
また、操作ボタン210は、ユーザからの2画面表示操作を受け付け、該操作が行われたことをCPU201に通知する。
内部バス211は、液晶表示装置100の各構成ブロックを接続し、構成ブロック間のデータ通信を可能にするバスである。
【0018】
図3は、液晶表示装置100のバックライト209におけるLEDの配置を表す図である。
本実施例では、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色毎に独立した3つ(3原色)のLEDを1セット(LED301)として、16行24列の合計384セットのLED301が配置されている。
【0019】
図2(B)は、PC101のハードウェアブロック図である。なお、PC102のハードウェアブロック図はPC101と同様であるため、記述を省略する。
CPU401は、内部バス407に接続された各構成ブロックの制御や、蓄積装置403に記録されたOSやアプリケーションを実行し、画像信号を画像出力回路406に出力する。
また、CPU401は、キーボードI/F回路404やマウスI/F回路405からユーザ操作を表す信号を受信し、ユーザ操作に応じて、動作中のアプリケーションを制御する。それとともに、ユーザ操作が行われたことをユーザ操作情報として画像出力回路406に出力する。
【0020】
メモリ402は、CPU401の処理に用いるデータを一時的に記憶する。
蓄積装置403は、CPU401が実行するOSやアプリケーションを記憶する。
キーボードI/F回路404は、キーボード103を介してユーザ操作を受け付け、該ユーザ操作を表す信号をCPU401に出力する。
マウスI/F回路405は、マウス104を介してユーザ操作を受け付け、該ユーザ操作を表す信号をCPU401に出力する。
画像出力回路406は、CPU401から出力される画像信号とユーザ操作情報を液晶表示装置100に出力する。
内部バス407は、PC101の各構成ブロックを接続し、構成ブロック間のデータ通信を可能にするバスである。
【0021】
図4(A)は、液晶表示装置100の機能ブロック図である。
UI部501は、ユーザが操作ボタン210を用いて2画面表示操作を行うと、表示制御部504に対して2画面表示要求を出力する。
また、UI部501は、ユーザが操作ボタン210を用いて画質調整操作を行うと、画質調整パラメータを調整するための画質調整パラメータ設定画面を生成し、表示制御部504に出力する。そして、UI部501は、操作ボタン210を用いて入力(調整)された画質調整パラメータを、表示設定管理部502に出力する。
【0022】
表示設定管理部502は、UI部501から受信した画像入力回路毎の画質調整パラメータを、それぞれ、画像入力回路と対応付けて不揮発性メモリ203に記録する。また、不揮発性メモリ203が記憶する画像入力回路毎の画質調整パラメータを読み出し、表示制御部504に出力する。
表1は、不揮発性メモリ203が記憶する画像入力回路204,205(PC101,102)の画質調整パラメータの例(輝度と色温度;発光設定)を表したものである。本実施例では、表1の通り、画像入力回路204に対して輝度が150cd/m2、色温度が7200K、画像入力回路205に対して輝度が250cd/m2、色温度が9400Kと設定されている。
【表1】
加えて、表示設定管理部502は、不揮発性メモリ203から補正値データを読み出し、表示制御部504に出力する。
【0023】
操作先判定部503は、ユーザが操作している画像信号出力装置(PC)を検出する(検出手段)。具体的には、画像入力回路204,205から受信したユーザ操作情報に基づいて、ユーザがPC101,102のいずれを操作しているかを判定し、判定結果(操作先情報)を表示制御部504に出力する。操作先判定部503の判定処理については後で詳しく説明する。
【0024】
表示制御部504は、表示設定管理部502から画像入力回路204,205(PC101,102)に対して設定された画質調整パラメータを読み出し、それに基づいて画像処理を行うよう画像処理回路206に要求する。その際、表示制御部504は、表示する画像毎に、その画像の画像信号を出力するPCに対して設定された発光設定でバックライトを発光させるようバックライト制御部505に要求する(発光設定要求)。
また、表示制御部504は、UI部501から2画面表示要求を受信すると、画像処理回路206に対して画像入力回路204,205からの画像信号を2画面表示するように要求する。2画面表示中、表示制御部504は、操作先判定部503から定期的に操作先情報を取得する。そして、画像入力回路204,205の発光設定の組み合わせに対応する補正値データを表示設定管理部502から取得する。その後、取得した操作先情報と補正値データに基づいて発光領域を決定するための発光領域決定要求をバックライト制御部505に出力する。
さらに、表示制御部504は、UI部501から受信した画質調整パラメータ設定画面を画像処理回路206に出力し、液晶デバイス207で表示するよう要求する。
【0025】
バックライト制御部505は、表示制御部504からの発光設定要求に基づいてバックライト制御回路208を制御する。また、バックライト制御部505は、表示制御部504から取得した発光領域決定要求に基づいて、発光領域を決定する(発光領域決定処理)。
本実施例では、ユーザが操作しているPCが検出された場合に、検出されたPCから出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトが、同じ発光設定で発光されるように発光領域が決定される。具体的には、そのようなバックライトが、検出されたPCに対して設定された発光設定で発光されるように発光領域が決定される。即ち、本実施例では、バックライト制御部505とバックライト制御回路208により、本発明の制御手段が実現される。
また、本実施例では、検出されたPCに対して設定された発光設定と、隣接画像を出力するPCに対して設定された発光設定とに応じた境界部の大きさの発光領域が決定される。
発光領域決定処理については後で詳しく説明する。
なお、前述したUI部501〜バックライト制御部505の処理は、CPU201において実行される。
【0026】
図4(B)は、PC101の機能ブロック図である。なお、PC102の機能ブロック図はPC101と同様であるため、記述を省略する。
画像出力制御部601は、OSやアプリケーションを実行した際に生成された描画情報(画像信号)を画像出力回路406に出力する。
キーボードドライバ部602は、ユーザがキーボード103を用いて行ったユーザ操作を表す信号をキーボードI/F回路404から受信し、OSやアプリケーションを操作する。また、操作検出部604にキーボード操作情報(ユーザがキーボードを操作中か否かを表す情報)を出力する。
マウスドライバ部603は、ユーザがマウス104を用いて行ったユーザ操作を表す信号をマウスI/F回路405から受信し、OSやアプリケーションを操作する。また、操作検出部604にマウス操作情報(ユーザがマウスを操作中か否かを表す情報)を出力する。
操作検出部604は、キーボードドライバ部602からキーボード操作情報を、マウスドライバ部603からマウス操作情報を取得する。そして、ユーザがキーボードまたはマウスを操作中であった場合、自身(PC)を操作中であると判定し、画像出力回路406に、ユーザ操作情報を通知する。
なお、前述した画像出力制御部601〜操作検出部604の処理は、CPU401において実行される。
【0027】
図5は、ユーザ操作情報に基づいた操作先判定部503の判定処理のフローチャートである。
操作先判定部503は、画像入力回路204からユーザ操作情報を受信した場合に(S0701のYES)、「PC101を操作中」と判定する(S0702)。また、操作先判定部503は、画像入力回路204からユーザ操作情報を受信せず(S0701のNO)、映像入力回路205からユーザ操作情報を受信した場合(S0703のYES)には、「PC102を操作中」と判定する(S0704)。そして、操作先判定部503は、画像入力回路204,205の両方からユーザ操作情報を受信しなかった場合には(S0703のNO)、「未操作」(ユーザ操作は行われていない)と判定する(S0705)。
【0028】
本フローチャートの処理により、例えば、ユーザがPC101に接続したキーボード103またはマウス104を操作すると、判定結果は「画像入力回路204側のPCを使用中」となる。一方、ユーザがPC102に接続したキーボード105またはマウス106を操作すると、判定結果は「画像入力回路205側のPCを使用中」となる。
【0029】
図6は、表示制御部504の発光領域決定要求を出力するまでの処理の流れを示すフローチャートである。表示制御部504は2画面表示中、一定の間隔で本フローチャートの処理を行う。なお、表示制御部504は、2画面表示を開始した時点で、操作先情報を「未操作」に初期化する。
【0030】
まず、表示制御部504は、表示設定管理部502から画像入力回路204,205の画質調整パラメータを取得する(S0801)。
次に、取得した2つの画質調整パラメータを比較し(S0802)、画像入力回路204と画像入力回路205とで発光設定(輝度と色温度)が異なっているかを判断する(S0803)。
【0031】
画像入力回路204と画像入力回路205とで輝度または色温度が異なっている場合(S0803のYES)、表示設定管理部502が有する発光設定(輝度及び色温度)の組み合わせと補正値データとの対応表から、補正値データを取得する(S0804)。具体的には、画像入力回路204,205の発光設定の組み合わせに対応する補正値データが
取得される。
次に、操作先判定部503から操作先情報を取得し(S0805)、取得した操作先情報が、「未操作」以外の情報であるか否かを判定する。取得した操作先情報が「未操作」以外の情報である場合(S0806のYES)、発光領域決定要求を出力する(S0807)。
【0032】
一方、画像入力回路204と画像入力回路205とで輝度及び色温度が一致している場合(S0803のNO)には、その後の処理を行わずに本フローを終了する。また、取得した操作先情報が「未操作」の場合(S0806のNO)にも、その後の処理を行わずに本フローを終了する。
【0033】
表2は、発光設定の組み合わせと補正値データの対応を表す対応表である。補正値データは、発光領域を、対応する画像入力回路に入力された画像信号に基づく画像の表示領域よりもどの程度大きくするかを表すデータである。具体的には、補正値データは、画像入力回路毎(表2では「入力」と記載している)に、その画像入力回路に入力された画像の色再現性の低下を抑制するのに必要な境界部の大きさを表したデータである。
【表2】
【0034】
例えば、画像入力回路204側の輝度が150cd/m2、色温度が7200K、画像入力回路205側の輝度が250cd/m2、色温度が9400Kに設定されていたとする。この場合、表2の例では、画像入力回路204に対する補正値データは、“2”、画像入力回路205に対する補正値データは、“1”となる。
そのため、バックライト制御部505では、以下のように発光領域決定処理が行われる。
【0035】
画像入力回路204に入力された画像信号に基づく画像の色再現性の低下を抑制する場合には、取得した補正値データのうち画像入力回路204に対する補正値データが用いられる。そして、画像入力回路204に入力された画像信号に基づく画像の表示領域A内のLED301と該表示領域の外側2つ分のLED301を含む領域が、画像入力回路204の発光設定で発光させる発光領域とされる。なお、本実施例では、画像入力回路204,205に入力された2つの画像が画面水平方向に並べて表示される。そのため、表示領域A内のLED301と、表示領域Aから2列分、画像入力回路205に入力された画像信号に基づく画像の表示領域B内のLED301とを含む領域が、画像入力回路204の発光設定で発光させる発光領域とされる。
画像入力回路205に入力された画像の色再現性の低下を抑制する場合には、取得した補正値データのうち画像入力回路205に対する補正値データが用いられる。そして、表示領域B内のLED301と、表示領域Bから1列分、表示領域A内のLED301とを含む領域が、画像入力回路205の発光設定で発光させる発光領域とされる。
【0036】
なお、表2のデータは、予め用意されている。例えば、製造時に測定を行い、生成した
ものが不揮発性メモリ203に記録されている。
また、発光領域決定要求が出力されていない場合には、表示領域A,Bが、それぞれ、画像入力回路204,205の発光設定で発光させる発光領域とされる。
【0037】
図7(A)〜7(C)は、画像入力回路204側の輝度が150cd/m2、色温度が7200K、画像入力回路205側の輝度が250cd/m2、色温度が9400Kに設定されていた場合の、LED301の発光設定を表したものである。図中黒で表したLED301はPC101の発光設定で発光するLED、白で表したLED301はPC102の発光設定で発光するLEDである。なお、図7(A)〜7(C)はLED301が24列配置されている場合の例である。
【0038】
図7(A)は未操作の場合を表している。未操作の場合、PC101から出力された画像信号に基づく画像の表示領域に対応する、画面左から12列分のLED301がPC101の発光設定で発光する。また、PC102から出力された画像信号に基づく画像の表示領域に対応する、画面右から12列分のLED301がPC102の発光設定で発光する。
図7(B)はユーザがPC101を操作している場合を表している。この場合、PC101から出力された画像信号に基づく画像の表示領域に対応する12列分と該表示領域から右側に2列分の計14列分(画面左から14列分)のLED301がPC101の発光設定で発光する。また、画面右から10列分のLED301がPC102の発光設定で発光する。
図7(C)はユーザがPC102を操作している場合を表している。この場合、PC102から出力された画像信号に基づく画像の表示領域に対応する12列分と該表示領域から左側に1列分の計13列分(画面右から13列分)のLED301がPC102の発光設定で発光する。また、画面左から11列分のLED301がPC101の発光設定で発光する。
【0039】
以上述べたように、本実施例によれば、ユーザの操作しているPCから出力された画像信号に基づく画像の表示領域だけでなく、該画像と隣接画像との境界部のバックライトが、ユーザの操作しているPCに対して設定された発光設定で発光される。それにより、複数のPCからの画像を1つの画面上に並べて表示している場合に、ユーザが操作しているPCからの画像の色再現性が隣接画像によって低減することを抑制することができ、ユーザが間違った色調整を行うことを抑制できる。
また、本実施例では、ユーザの操作しているPCに対して設定された発光設定と、隣接画像を出力するPCに対して設定された発光設定とに応じて境界部の大きさが決定される。そのため、不必要に隣接画像の表示領域のバックライトの発光設定が変更されることを抑制することができる。
【0040】
なお、本実施例では、画像信号出力装置がPCの場合について説明したが、画像信号出力装置は画像信号を出力するものであればよい。例えば、ハードディスクレコーダー、ブルーレイプレーヤー、テレビチューナーなどであってもよい。
なお、本実施例では、発光設定として輝度と色温度を用いた場合について説明したが、これに限らない。例えば、輝度と色温度のいずれか一方のみを用いる構成であってもよい。発光設定はバックライトの駆動条件を示すものであればどのようなものであってもよい。
なお、本実施例では、2つの画像信号出力装置を液晶表示装置に接続する例を示したが、画像入力回路を増やして3つ以上の画像信号出力装置を接続してもよい。また、本実施例では、複数の画像を画面水平方向に並べて表示する例を示したが、画像の並べ方はこれに限らない。例えば、複数の画像を画面垂直方向に並べて表示してもよいし、行列状に並べて表示してもよいし、ピクチャ・イン・ピクチャのように、一方の画像に他方の画像が
重畳されてもよい。
【0041】
なお、本実施例では、PC101への操作を優先して検出する構成としたが、PC102への操作を優先して検出する構成であってもよいし、ユーザにどちらのPCに対する操作を優先して検出するかを設定させる構成であってもよい。
なお、本実施例では、ユーザが液晶表示装置を操作して発光設定(輝度や色温度)を設定する構成としたが、発光設定の設定方法はこれに限らない。ユーザがPCを操作して発光設定を設定する構成であってもよいし、ユーザがPCを用いてキャリブレーション等を行う際に、自動または手動で輝度や色温度を設定する構成であってもよい。
なお、本実施例では、PCから出力された画像信号とユーザ操作情報を共通のケーブルを用いて液晶表示装置に入力する構成としたが、接続態様はこれに限らない。ユーザ操作情報は、画像信号の伝送に用いるケーブルとは別のケーブル(例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル)を用いて伝送されてもよい。
【0042】
<実施例2>
以下、本発明の実施例2として、キーボードやマウスを、PCではなく液晶表示装置に接続する例について記述する。なお、実施例1と重複する部分については、記述を省略する。
図8は、本実施例に係る画像表示システムの接続態様の一例を表す図である。
液晶表示装置110には、PC111,112が、それぞれ、ケーブル107,108を介して接続されている。また、液晶表示装置110とPC111,液晶表示装置110と112は、それぞれ、USBケーブル1101,1102で接続されている。ユーザが液晶表示装置110に接続されたキーボード103ならびにマウス104を用いて行った操作の信号(操作信号)は、USBケーブル1101,1102を介して、PC111,112に伝達される。
【0043】
図9(A)は、液晶表示装置110のハードウェアブロック図である。
CPU211は、図2(A)のCPU201の機能に加え、ユーザが操作ボタン1203を用いて行った操作先切替操作に基づいて、キーボード・マウス切替回路1204を制御する機能を有する。具体的には、CPU211は、キーボードI/F回路1201及びマウスI/F回路1202が受信した操作信号が、USB I/F回路1205または1
206のいずれかに出力されるようにキーボード・マウス切替回路1204に指示する。
キーボードI/F回路1201は、キーボード103から操作信号を受信し、キーボード・マウス切替回路1204に出力する。
マウスI/F回路1202は、マウス104から操作信号を受信し、キーボード・マウス切替回路1204に出力する。
【0044】
操作ボタン1203は、図2(A)の操作ボタン210の機能に加えて、ユーザからの操作先切替操作を受け付け、操作内容をCPU211に通知する機能を有する。
キーボード・マウス切替回路1204は、CPU211からの指示に基づいて、キーボードI/F回路1201やマウスI/F回路1202から受信した操作信号を、USB
I/F回路1205または1206のいずれかへ出力する。加えて、USB I/F回路
1205または1206のどちらに操作信号を出力するか(PC101,102のどちらを操作するか)を示す操作先情報を記憶する。
USB I/F回路1205は、キーボード・マウス切替回路1204から受信した操
作信号をPC111に出力する。
USB I/F回路1206は、キーボード・マウス切替回路1204から受信した操
作信号をPC112に出力する。
【0045】
図9(B)は、PC111のハードウェアブロック図である。なお、PC112のハー
ドウェアブロック図はPC111と同様であるため、記述を省略する。
CPU411は、内部バス407に接続された各構成ブロックの制御や、蓄積装置403に記録されたOSやアプリケーションを実行し、画像信号を画像出力回路406に出力する。また、USB I/F回路1301から受信した操作信号に基づいて、動作中のア
プリケーションを制御する。
USB I/F回路1301は、液晶表示装置110から操作信号を受信し、CPU4
11に出力する。
【0046】
図10は、液晶表示装置110の機能ブロック図である。
UI部511は、図4(A)のUI部501の機能に加えて、ユーザが操作ボタン1203を用いて行った操作先切替操作に基づいて、キーボード・マウス切替回路1204に対して、操作先切替指示を送信する機能を有する。
【0047】
表示制御部514は、表示設定管理部502から画像入力回路204,205それぞれの画質調整パラメータを読み出し、それに基づいて画像処理を行うよう画像処理回路206に要求する。その際、表示制御部514は、発光設定要求をバックライト制御部505に出力する。
また、表示制御部514は、UI部511から2画面表示要求を受信すると、画像処理回路206に対して画像入力回路204,205からの画像信号を2画面表示するように要求する。2画面表示中、表示制御部514は、キーボード・マウス切替回路1204から定期的に操作先情報を取得する。そして、画像入力回路204,205の発光設定の組み合わせに対応する補正値データを表示設定管理部502から取得する。その後、取得した操作先情報と補正値データに基づいて発光領域を決定するための発光領域決定要求をバックライト制御部505に出力する。
なお、前述した処理は、CPU211において実行される。
【0048】
図11は、表示制御部514の発光領域決定要求を出力するまでの処理の流れを示すフローチャートである。表示制御部514は2画面表示中、一定の間隔で本フローチャートの処理を行う。
S1501〜S1504の処理は、図6のS0801〜S0804の処理と同様のため、説明は省略する。
S1504の次に、表示制御部514は、キーボード・マウス切替回路1204から操作先情報を取得し(S1505)、実施例1(図6のS0806,S0807)と同様に、発光領域決定要求を出力する(S1506)。
一方、画像入力回路204と画像入力回路205とで輝度及び色温度が一致している場合(S1503のNO)には、その後の処理を行わずに本フローを終了する。また、取得した操作先情報が「未操作」の場合にも、発光領域決定要求は出力せずに処理を終了する。
【0049】
以上述べたように、本実施例によれば、液晶表示装置にキーボードおよびマウスが接続される。そして、ユーザが液晶表示装置を操作することで、キーボードおよびマウスによりどのPCを操作するかが選択される。それにより、PCからユーザ操作情報を取得することなく、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0050】
<実施例3>
以下、本発明の実施例3に係る画像表示システムについて記述する。本実施例では、アプリケーション毎に発光設定が設定されている場合の例である。そして、本実施例では、アクティブなアプリケーションの画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、アクティブなアプリケーションに対して設定された発光設定で発光させる。なお、実施例1,2と重複する部分については、記述を省略する。
【0051】
図12は、本発明の実施例3に係る画像表示システムの接続態様の一例を表す図である。
液晶表示装置120には、PC121がケーブル107を介して接続されている。
PC121は、ケーブル107を介して液晶表示装置120に、画像信号、アプリウィンドウ情報、及び、アプリケーション毎(背景も含む)の画質調整パラメータを送信する。アプリウィンドウ情報は、PC121で動作しているアプリケーションの画像(ウィンドウ)の表示領域やアクティブなアプリケーションを示す情報である。
【0052】
図13(A)は、液晶表示装置120のハードウェアブロック図である。
CPU221は、不揮発性メモリ223から各種制御を行うためのプログラムを読み込み、内部バス211に接続された各構成ブロックの制御を行う。
また、CPU221は、PC121から受信したアプリケーション毎の画質調整パラメータを不揮発性メモリ223に記憶する。
また、CPU221は、画像入力回路224から受信したアプリウィンドウ情報と不揮発性メモリ223に記録したアプリケーション毎の画質調整パラメータに基づいて、アプリケーション毎の発光領域を決定する。そして、決定した発光領域の情報を発光設定の情報と共にバックライト制御部208に出力する。
【0053】
不揮発性メモリ223は、CPU221が実行するプログラムや、アプリケーション毎の画質調整パラメータを記憶する。また、製造時に予め設定した発光設定の組み合わせ毎の補正値データを記憶する。
画像入力回路224は、PC121から受信した画像信号を、画像処理回路206に出力する。また、PC121から受信したアプリウィンドウ情報、アプリケーション毎の画質調整パラメータをCPU221に出力する。
【0054】
図13(B)は、PC121のハードウェアブロック図である。
CPU421は、内部バス407に接続された各構成ブロックの制御や、蓄積装置403に記録されたOSやアプリケーションを実行し、画像信号を画像出力回路426に出力する。
また、CPU421は、キーボードI/F回路404やマウスI/F回路405からユーザ操作を表す信号を受信し、ユーザ操作に応じて、動作中のアプリケーションを制御する。それとともに、ユーザ操作に基づいて、アプリウィンドウ情報を画像出力回路426に出力する。また、ユーザが設定したアプリケーション毎の画質調整パラメータを画像出力回路426に出力する。
画像出力回路426は、CPU421から出力される画像信号、アプリウィンドウ情報、アプリケーション毎の画質調整パラメータを液晶表示装置120に出力する。
【0055】
図14(A)は、液晶表示装置121の機能ブロック図である。
表示設定管理部522は、不揮発性メモリ223に記憶したアプリケーション毎の画質調整パラメータを読み出し、表示制御部524に出力する。また、表示設定管理部522は、不揮発性メモリ223から補正値データを読み出し、表示制御部524に出力する。どの補正値データを読み出すかについては後述する。
【0056】
表示制御部524は、画像入力回路224から受信したアプリウィンドウ情報、及び、表示設定管理部522から取得したアプリケーション毎の画質調整パラメータに基づいて、画像処理を行うよう画像処理回路206に要求する。
また、表示制御部524は、アプリウィンドウ情報及びアプリケーション毎の画質調整パラメータに基づいて、アプリケーション毎に、そのアプリケーションに対して設定された発光設定でバックライトを発光させるようバックライト制御部505に要求する。加え
て、アプリウィンドウ情報、アプリケーション毎の画質調整パラメータ、及び、表示設定管理部522から取得した補正値データに基づいて発光領域を決定するための発光領域決定要求をバックライト制御部505に出力する。
なお、前述した処理は、CPU221において実行される。
【0057】
図14(B)は、PC121の機能ブロック図である。
操作検出部624は、キーボードドライバ部602からキーボード操作情報(どのようなキーボード操作が行われたかを表す情報)を、マウスドライバ部603からマウス操作情報(どのようなマウス操作が行われたかを表す情報)を取得する。そして、キーボード操作情報及びマウス操作情報に基づいてアプリウィンドウ情報を生成し、画像出力回路426に出力する。
画質調整パラメータ設定部2001は、ユーザが設定したアプリケーション毎の画質調整パラメータを画像出力回路426に出力する。
【0058】
図15は、表示制御部524の発光領域決定要求を出力するまでの処理の流れを示すフローチャートである。表示制御部524は、アプリウィンドウ情報が更新される度に本フローチャートの処理を行う。
まず、表示制御部524は、画像入力回路224からアプリウィンドウ情報を取得し(S2101)、表示設定管理部522からアプリケーション毎の画質調整パラメータを取得する(S2102)。
【0059】
次に、アプリウィンドウ情報から、アプリケーション毎の表示領域の情報を取得し、各表示領域に対応するLED301を算出する(S2103)。例えば、画面の表示解像度が3072ピクセル×2048ピクセルで、LED301の配置が図3の通りである場合、各LED301は128ピクセル×128ピクセルの表示領域に対応する。そのため、表示領域が矩形の場合には、その領域の対角位置の座標を128で割ることで、対応するLED301(具体的には、対応するLED301の行範囲及び列範囲)を算出することができる。
【0060】
そして、アプリウィンドウ情報とアプリケーション毎の画質調整パラメータに基づいて、アクティブなアプリケーションに対して設定された発光設定を取得する(S2104)。また、アクティブなアプリケーションの画像に隣接して表示されるアプリケーションまたは背景に対して設定された発光設定を取得する(S2105)。
次に、アクティブなアプリケーションの発光設定と、アクティブなアプリケーションの画像に隣接して表示されるアプリケーションまたは背景の発光設定との組み合わせに対応する補正値データを取得する(S2106)。
そして、発光領域決定要求を出力する(S2107)。
【0061】
表3は、アプリケーション毎の画質調整パラメータの一例を示したものである。
表3は、例えば、アプリケーション「アプリ1」のウィンドウは、輝度150cd/m2、色温度9400Kで表示されることを表している。なお、「デフォルト」は、画質調整を行っていないアプリケーションや背景を表示する際の画質調整パラメータを表している。
【表3】
【0062】
表4は、発光設定の組み合わせと補正値データの対応を表したものである。補正値データは、アクティブなアプリケーションの発光設定で発光させる発光領域を該アプリケーションの画像よりもどの程度大きくするかを表すデータである。具体的には、補正値データは、アクティブなアプリケーションの画像内の色再現性の低下を抑制するのに必要な境界部の大きさを表したデータである。
【表4】
【0063】
例えば、アクティブなアプリケーション(表中、アクティブアプリ)の輝度が150cd/m2、色温度が9400Kに設定されていたとする。また、アクティブなアプリケーションの画像に隣接して表示されるアプリケーションまたは背景(表中、隣接アプリ)の輝度が250cd/m2、色温度が7200Kに設定されていたとする。その場合、補正値データは“1”となる。そして、アクティブなアプリケーションの画像の表示領域内のLED301と、該表示領域の外側1つ分のLED301とを含む領域が、アクティブなアプリケーションの発光設定で発光させる発光領域とされる。
また、アクティブなアプリケーションの輝度が150cd/m2、色温度が9400K、アクティブなアプリケーションの画像に隣接して表示されるアプリケーションまたは背景の輝度が150cd/m2、色温度が6500Kに設定されていたとする。その場合、補正値データは“2”となり、アクティブなアプリケーションの画像の表示領域内のLED301と、該表示領域の外側2つ分のLED301とを含む領域が、アクティブなアプリケーションの発光設定で発光させる発光領域とされる。
なお、表4のデータは予め用意されている。例えば、製造時に測定を行い、生成したものが不揮発性メモリ223に記録されている。
【0064】
図16は、液晶表示装置120に表示される画像の一例を示す図である。
図16の例では、液晶表示装置120の表示領域2201上の座標P1S,P1Eで定義される矩形領域2202にアプリケーション「アプリ1」の画像(ウィンドウ)が表示されている。また、座標P2S,P2Eで定義される矩形領域2203にアプリケーション「アプリ2」の画像が表示されている。そして、「アプリ1」がアクティブであるため
、「アプリ2」のウィンドウよりも手前に「アプリ1」の画像が表示されている。
なお、残りの領域には背景が表示されている。
【0065】
図17は、図16に示す画像が表示されている場合の、バックライト(LED)の発光設定を表した図である。バックライトB1aとB1bを含む破線で示される領域2301は、「アプリ1」の発光設定を適用する(画面の)領域を、バックライトB2aとB2bを含む破線で示される領域2302は「アプリ2」の発光設定を適用する領域を表す。具体的には、「アプリ1」の画像の表示領域に対し、「アプリ2」が隣接する部分では外側にバックライト1つ分、背景が隣接する部分では外側にバックライト2つ分拡張された領域が、「アプリ1」の発光設定で発光される。ただし、「アプリ1」の画像の左側はバックライト1つ分しか表示領域が存在しないため、バックライト1つ分だけ拡張される。
【0066】
以上述べたように、本実施例によれば、アクティブなアプリケーションの画像の表示領域および隣接画像との境界部のバックライトが、アクティブなアプリケーションに対して設定された発光設定で発光される。それにより、アプリケーション毎に発光設定が異なる場合であっても、アクティブな(ユーザが操作している)アプリケーションの画像の色再現性が隣接画像によって低減することを抑制することができ、ユーザが間違った色調整を行うことを抑制できる。
なお、本実施例では、2つの画像(ウィンドウ)を表示する例を示したが、表示するウィンドウの数は3つ以上であってもよい。
また、本実施例では、1つのPCを液晶表示装置に接続する場合について説明したが、2つ以上のPCを接続してもよい。
【符号の説明】
【0067】
208 バックライト制御回路
503 操作先判定部
505 バックライト制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力して、前記複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定でバックライトを発光させる液晶表示装置であって、
ユーザが操作している画像信号出力装置を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記ユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、前記検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させる制御手段と、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記発光設定は、輝度または色温度を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定と、前記隣接画像を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定とに応じて、前記境界部の大きさを決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力して、前記複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定でバックライトを発光させる液晶表示装置の制御方法であって、
ユーザが操作している画像信号出力装置を検出するステップと、
前記ユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、前記検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させるステップと、
を有することを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
【請求項1】
複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力して、前記複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定でバックライトを発光させる液晶表示装置であって、
ユーザが操作している画像信号出力装置を検出する検出手段と、
前記検出手段で前記ユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、前記検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させる制御手段と、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記発光設定は、輝度または色温度を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定と、前記隣接画像を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定とに応じて、前記境界部の大きさを決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
複数の画像信号出力装置から出力された複数の画像信号を入力して、前記複数の画像信号に基づく複数の画像を1つの画面上に並べて表示する際に、画像毎に、その画像の画像信号を出力する画像信号出力装置に対して設定された発光設定でバックライトを発光させる液晶表示装置の制御方法であって、
ユーザが操作している画像信号出力装置を検出するステップと、
前記ユーザが操作している画像信号出力装置が検出された場合に、前記検出された画像信号出力装置から出力された画像信号に基づく画像の表示領域および該画像とそれに隣接する隣接画像との境界部のバックライトを、前記検出された画像信号出力装置に対して設定された発光設定で発光させるステップと、
を有することを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−78660(P2012−78660A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225007(P2010−225007)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]