説明

液晶表示装置及びDVD一体型液晶テレビ

【課題】バックライトの制御によりスクリーンセーバ機能と省電力化とを実現する液晶表示装置を提供することである。
【解決手段】液晶表示装置10は、複数の光源を有するバックライト21を備え、静止画を表示した状態で所定時間経過した場合に、該静止画を表示したまま、前記光源が第1の所定数ずつ第1の所定順序で消灯する一方、前記光源が第2の所定数ずつ第2の所定順序で点灯するスクリーンセーバ機能を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を有するバックライトを備えた液晶表示装置及びDVD一体型液晶テレビに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にDVD装置にはスクリーンセーバ機能が備えられている。この機能は、再生中に停止した場合などで所定時間静止画が表示されているとき、予め準備されている映像を表示させるものである。また、映像を表示させる代わりに映像出力の輝度を低下させるものもある。
【0003】
また液晶表示装置には、DVD装置などの外部入力を表示している場合であって所定時間入力がないときに、バックライトの輝度を低下させたり、バックライトを消灯させたりしているものもある。
【0004】
例えば、特許文献1には、DVD装置を備えるテレビジョン放送受信機において、テレビジョンマイコンがスリープタイマモードの開始時刻をメモリに記憶し、表示部に出力される画面のブライトネス及びコントラストの値を最小値にする構成が開示されている。
【0005】
また特許文献2には、入力操作が途絶えた状態の時間を計測し、その経過時間が監視時間に達したときに液晶表示装置のバックライトの輝度を低下させるバックライト制御方法が開示されている。
【0006】
また特許文献3には、視聴者がリモコン等を利用して外部入力端子側を選択した状態で、該外部入力端子側から一定時間連続して映像信号の入力がなければ、OSD処理部により表示された文字または図形に対向配置されているバックライト以外のバックライトを消灯するようにした液晶テレビの構成が開示されている。
【特許文献1】特開2006−54827号公報
【特許文献2】特開2002−99248号公報
【特許文献3】特開2006−13942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、液晶表示装置においては、バックライトの輝度を低下させたり、バックライトの一部を消灯させたりして消費電力の低減を図っている。従来提案されているバックライトの制御でも省電力化は実現されているが、使い勝手を向上させるため更なる改良の余地がある。
【0008】
本発明は、バックライトの制御によりスクリーンセーバ機能と省電力化とを実現する液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、複数の光源を有するバックライトを備えた液晶表示装置において、
静止画を表示した状態で所定時間経過した場合に、該静止画を表示したまま、前記光源が第1の所定数ずつ第1の所定順序で消灯する一方、前記光源が第2の所定数ずつ第2の所定順序で点灯するスクリーンセーバ機能を備えることを特徴とする。
【0010】
上記の液晶表示装置において、前記第1及び第2の所定数は1つとすることができる。
【0011】
また上記の液晶表示装置において、前記第1及び第2の所定順序は、前記光源が並んでいる順序であるとすることができる。
【0012】
また上記の液晶表示装置において、前記スクリーンセーバ機能の動作時に点灯している前記光源は常時1つ以上であることが望ましい。
【0013】
また上記の液晶表示装置において、映像を記録した光ディスクを再生する再生部を備え、
前記静止画は前記光ディスクから読み出した画像とすることができる。
【0014】
本発明を具体化すると、上段、中段、下段に配設された3本の蛍光灯からなる光源を有するバックライトと、映像を記録したDVDを再生及びDVDに映像を記録するDVD記録再生部とを備えたDVD一体型液晶テレビにおいて、
DVDから読み出した静止画を表示した状態で所定時間経過した場合に、該静止画を表示したまま、前記光源が1本ずつ上段から順に消灯する一方、前記光源が1本ずつ上段から順に点灯し、常時1本以上の光源が点灯しているスクリーンセーバ機能を備え、
該スクリーンセーバ機能の動作中に何らかの操作の入力があるとスクリーンセーバ機能の動作を終了する構成となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、バックライトの制御により、光源の消灯/点灯を繰り返してスクリーンセーバ機能を実現し、光源を消灯させて省電力化を実現している。また、スクリーンセーバに用いる映像を保持していないので記憶容量を圧迫することもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、液晶表示装置の一例として、DVD記録再生装置と液晶テレビとが一体になったDVD一体型液晶テレビを用いて説明する。図1は、DVD一体型液晶テレビ10の構成及びその周辺機器を示すブロック図である。DVD一体型液晶テレビ10には、ケーブルテレビや衛星放送等のセットトップボックス又はビデオデッキ等の映像音声記録装置に代表される外部装置11が接続されている。またDVD一体型液晶テレビ10は、リモコン12によって操作可能である。
【0017】
DVD一体型液晶テレビ10は、アンテナで受信したテレビ放送信号を復調、デジタル化するチューナ13と、チューナ13や外部装置11から受け取った画像音声データをMPEG2等に準拠して圧縮符号化したり、DVD記録再生部14で再生された圧縮された画像データを伸長復号したりする画像音声圧縮伸長部15と、画像音声圧縮伸長部15から受け取った圧縮された画像音声データを挿入されたDVDに記録したり、DVDに記録されたデータを再生したりするDVD記録再生部14と、画像を表示する液晶表示部16と、各種設定値を液晶表示部16の一部に表示しながら設定できるようにするOSD(On Screen Display)部17と、OSD部17からの画像信号をアナログ化し、液晶表示部16へ出力する画像出力部18と、音声を出力するスピーカ19と、画像音声圧縮伸長部15からの音声信号をアナログ化し、スピーカ19へ出力する音声出力部20と、液晶表示部16の裏面に設けられ、複数の光源を有するバックライト21と、バックライト21の駆動を光源毎に制御するバックライト駆動回路22と、ROMやRAMからなるメモリ23と、リモコン12からの信号を受信するリモコン受信部24と、外部装置11が接続される外部I/F25と、DVD一体型液晶テレビ10の各部を制御する制御部26とを備えている。
【0018】
バックライト21の光源としては、U字管や直管の蛍光灯、LEDなどを利用でき、その配置には特に限定はない。また、バックライト駆動回路22は、各光源にそれぞれ1つずつ接続されるインバータ回路を備えることで光源毎にその点灯/消灯を制御することができる。
【0019】
また、制御部26は、静止画を表示した状態で所定時間経過した場合に、バックライト21の光源の点灯/消灯を適宜制御するスクリーンセーバ機能の動作も制御する。以下にスクリーンセーバ機能について説明する。
【0020】
図2は、スクリーンセーバ機能を実行する際のDVD一体型液晶テレビ10の動作を示すフローチャートである。まず、ステップS10において静止画が表示されると、ステップS11へ進んで静止画を表示している状態で所定時間経過したか否かを判定する。表示されている静止画は、DVDの再生を停止した時点で表示していた画像であったり、受信中のテレビ放送の映像を静止させる機能を利用して静止させた画像であったり、外部装置11から入力された画像であったりする。また、所定時間は、ユーザが何らかの理由で現在は視聴していないであろうと推測される時間を予め設定しておけばよく、例えば、5分間とすることができる。なお、所定時間の設定は、製造時に設定しておいてもよいし、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
【0021】
ステップS11において所定時間経過した場合は、ステップS12へ進んで静止画は表示したまま、バックライト21の光源を第1の所定数ずつ第1の所定順序で消灯する一方、光源を第2の所定数ずつ第2の所定順序で点灯するというスクリーンセーバ処理を実行する。このスクリーンセーバ処理の詳細は後述する。
【0022】
一方、ステップS11において所定時間経過していない場合は、ステップS13へ進んで静止画の表示が終了したか否かを判定する。静止画の表示が終了するのは、リモコンから操作が入力された場合であり、例えば再生開始の指示が挙げられる。ステップS13において静止画の表示が終了した場合は、このフローチャートの処理を終了する。一方、ステップS13において静止画の表示が続いている場合、つまり、何の操作もされていない場合は、ステップS11に戻る。
【0023】
ステップS12からはステップS14へ進む。ステップS14においては、リモコンから操作が入力されたか否かを判定する。ステップS14において何らかの操作があれば、ステップS15へ進んでスクリーンセーバを終了する。スクリーンセーバの終了とは、バックライト21の全ての光源を通常通り点灯させるように制御することである。一方、ステップS14において何の操作もなければ何らかの操作があるまでスクリーンセーバを維持する。
【0024】
次に、上述したスクリーンセーバ処理について説明する。ここでは、バックライト21の光源が3本の蛍光灯からなる場合を例に説明する。図3(a)は光源の配置を示す図である。液晶表示部16の裏面に3本の光源21a〜21cが配設されている。図3(b)は図3(a)で光源21a〜21cが全て点灯している場合に表示される静止画の一例を示す図である。液晶表示部16の画面のほぼ全体にAの文字である静止画30が表示されており、通常通り光源21a〜21cが全て点灯しているので静止画30の全てを視認することができる。
【0025】
スクリーンセーバ処理が実行されると、静止画30は表示したまま、光源21a〜21cを第1の所定数ずつ第1の所定順序で消灯する一方、光源を第2の所定数ずつ第2の所定順序で点灯するのであるが、光源21a〜21cの消灯/点灯の動作制御は様々なパターンが考えられる。
【0026】
例えば、第1及び第2の所定数を1とし、第1及び第2の所定順序を光源21a〜21cが並んでいる順序、つまり光源21a、光源21b、光源21cの順とした場合について説明する。
【0027】
この場合、静止画30を表示したまま、まず光源21aを消灯させる。そうすると、液晶表示部16の上段が暗くなり、静止画30は、図4(a)に示すように、その上段部分が視認できない状態となる。次に光源21aを点灯させると同時に光源21bを消灯させる。そうすると、液晶表示部16の中段が暗くなり、静止画30は、図4(b)に示すように、その中段部分が視認できない状態となる。次に光源21bを点灯させると同時に光源21cを消灯させる。そうすると、液晶表示部16の下段が暗くなり、静止画30は、図4(c)に示すように、その下段部分が視認できない状態となる。次に光源21cを点灯させると同時に光源21aを消灯させる。そうすると、静止画30は、図4(a)の状態に戻る。
【0028】
なお、図4(a)から図4(b)、図4(b)から図4(c)、図4(c)から図4(a)へ変化する時間間隔は数秒程度が望ましい。静止画30に動きがあるように見えるからである。また、上記のように先の光源の点灯と次の光源の消灯とを同時に行うほかに、先の光源を点灯させてから次の光源を消灯させるようにしてもよい。また、次の光源を消灯させてから先の光源を点灯させるようにしてもよい。
【0029】
上記の消灯/点灯動作を繰り返すことにより見た目には表示される画像が変化するので、上記の処理はスクリーンセーバとして利用することができる。
【0030】
また例えば、第1及び第2の所定数を2とし、第1及び第2の所定順序を光源21a〜21cが並んでいる順序とは逆、つまり光源21c、光源21b、光源21aの順とすることもできる。また、スクリーンセーバ処理中に第1及び第2の所定数と第1及び第2の所定順序をランダムに変更してもよい。
【0031】
このように、スクリーンセーバ処理においては、光源を消灯/点灯させて静止画の一部が消えた状態にするのであるが、その際、光源は常時1つ以上点灯していることが望ましい。全ての光源が消灯してしまうと、液晶表示部16には何も表示されなくなるので、ユーザは電源オフ状態と勘違いしてしまうおそれがあるからである。
【0032】
以上のように、上記のDVD一体型液晶テレビ10によれば、バックライト21の制御により、光源の消灯/点灯を繰り返してスクリーンセーバ機能を実現し、光源を消灯させて省電力化を実現している。なお、スクリーンセーバに用いる映像を保持していないのでメモリ23の容量を圧迫することもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、テレビやパソコンのモニタとしての液晶表示装置に利用でき、特にDVD一体型液晶テレビやHDD一体型液晶テレビなど記録媒体の映像を再生できる液晶テレビに有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のDVD一体型液晶テレビの構成及びその周辺機器を示すブロック図である。
【図2】本発明のスクリーンセーバ機能を実行する際のDVD一体型液晶テレビの動作を示すフローチャートである。
【図3】(a)は光源の配置を示す図であり、(b)は光源が全て点灯している場合に表示される静止画の一例を示す図である。
【図4】(a)は上段の光源が消灯した場合に視認される静止画を示す図、(b)は中段の光源が消灯した場合に視認される静止画を示す図、(c)は下段の光源が消灯した場合に視認される静止画を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
10 液晶表示装置
14 DVD記録再生部
21 バックライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上段、中段、下段に配設された3本の蛍光灯からなる光源を有するバックライトと、映像を記録したDVDを再生及びDVDに映像を記録するDVD記録再生部とを備えたDVD一体型液晶テレビにおいて、
DVDから読み出した静止画を表示した状態で所定時間経過した場合に、該静止画を表示したまま、前記光源が1本ずつ上段から順に消灯する一方、前記光源が1本ずつ上段から順に点灯し、常時1本以上の光源が点灯しているスクリーンセーバ機能を備え、
該スクリーンセーバ機能の動作中に何らかの操作の入力があるとスクリーンセーバ機能の動作を終了することを特徴とするDVD一体型液晶テレビ。
【請求項2】
複数の光源を有するバックライトを備えた液晶表示装置において、
静止画を表示した状態で所定時間経過した場合に、該静止画を表示したまま、前記光源が第1の所定数ずつ第1の所定順序で消灯する一方、前記光源が第2の所定数ずつ第2の所定順序で点灯するスクリーンセーバ機能を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の所定数は1つであることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の所定順序は、前記光源が並んでいる順序であることを特徴とする請求項2又は3記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記スクリーンセーバ機能の動作時に点灯している前記光源は常時1つ以上であることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の液晶表示装置。
【請求項6】
映像を記録した光ディスクを再生する再生部を備え、
前記静止画は前記光ディスクから読み出した画像であることを特徴とする請求項2又は3記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−72273(P2008−72273A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−247524(P2006−247524)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】