液晶表示装置
【課題】バーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置を安価に提供する。
【解決手段】液晶パネル2は、液晶素子21及び前記液晶素子21の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極22、23から構成され、一対の透明電極22、23を介して液晶素子21に供給する電圧に応じて光透過率が変動する。主電圧供給源4が、一対の透明電極22、23の長手方向の左端部間に駆動電圧を供給して液晶素子21に電圧を印加する。追加電圧供給源5が、一対の透明電極22、23の長手方向の左端部間に追加電圧を供給して液晶素子21に電圧を印加する。マイコン6が、センサの検出値に応じて追加電圧供給源5により供給される追加電圧の大きさを制御する。
【解決手段】液晶パネル2は、液晶素子21及び前記液晶素子21の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極22、23から構成され、一対の透明電極22、23を介して液晶素子21に供給する電圧に応じて光透過率が変動する。主電圧供給源4が、一対の透明電極22、23の長手方向の左端部間に駆動電圧を供給して液晶素子21に電圧を印加する。追加電圧供給源5が、一対の透明電極22、23の長手方向の左端部間に追加電圧を供給して液晶素子21に電圧を印加する。マイコン6が、センサの検出値に応じて追加電圧供給源5により供給される追加電圧の大きさを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に、表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した液晶表示装置は、液晶パネルと、この液晶パネルの背面に光を入射するバックライトなどから構成されている。液晶パネルは、液晶素子及びこの液晶素子の両面に配置された一対の透明電極から構成されている。そして、上述した一対の透明電極には互いに一列に並べて設けられた複数のセグメントバー20が設けられている。
【0003】
上述した構成の液晶表示装置の動作について以下説明する。まず、セグメントバー20に電圧が印加されていないときはバックライトからの光がセグメントバー20を透過するため、各セグメントバー20は白色に視認される。即ち、電圧が印加されていないセグメントバー20はオフ状態となる。一方、セグメントバー20に電圧が印加されると、セグメントバー20に入射されたバックライトからの光が遮断され、各セグメントバー20は黒色に視認される。即ち、電圧が印加されたセグメントバー20はオン状態となる。そして、上述した液晶表示装置は、マイコンなどの制御装置により各セグメントバー20に対する電圧の印加をオンオフ制御することにより、表示すべき表示レベルに応じた数のセグメントバー20をオン状態にして、表示レベルをバーグラフ表示している。
【0004】
しかしながら、上述したセグメントバー20のオンオフによるバーグラフ表示では、パラパラとした表示になってしまい見た目が乏しい、という問題があった。このような問題を解決するために、図11に示すように、オン状態のセグメントバー20のうち点線で囲んだ右端から例えば3つ目までのセグメントバー20を右端に向かうに従って緩やかにオン状態からオフ状態に近づくようにグラデーション表示することが考えられる。しかしながら、上述したようにセグメントバー20を緩やかにオン状態からオフ状態にするためには、セグメントバー20に印加する電圧を緩やかに小さくする必要があり、各セグメントバー20毎に電圧供給源によって供給される電圧の大きさを調整する回路が必要となり、コスト高になってしまう、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−281991号公報
【特許文献2】特開2005−69925号公報
【特許文献3】特開平5−124459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、バーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置を安価に提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置であって、液晶素子及び前記液晶素子の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極から構成され、前記一対の透明電極を介して前記液晶素子に供給する電圧に応じて光透過率が変動する液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に光を入射するバックライトと、前記一対の透明電極の長手方向の一端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第1電圧供給手段と、前記一対の透明電極の長手方向の他端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第2電圧供給手段と、前記表示すべき表示レベルに応じて前記第1電圧供給手段及び前記第2電圧供給手段の少なくとも一方により供給される電圧の大きさを制御する電圧制御手段と、を備えたことを特徴とする液晶表示装置に存する。
【0008】
請求項2記載の発明は、表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置であって、液晶素子及び前記液晶素子の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極から構成され、前記一対の透明電極を介して前記液晶素子に供給する電圧に応じて光透過率が変動する液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に光を入射するバックライトと、前記一対の透明電極の長手方向の一端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第1電圧供給手段と、前記一対の透明電極の長手方向の他端間に設けられた抵抗と、前記表示すべき表示レベルに応じて前記第1電圧供給手段により供給される電圧の大きさを制御する電圧制御手段と、を備えたことを特徴とする液晶表示装置に存する。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、第2電圧供給手段により一対の透明電極の他端に電圧を供給することにより、一対の透明電極において他端に向かうに従って印加電圧を小さくすることができ、一対の透明電極の一端部がオン状態となり他端に向かうに従って緩やかにオフ状態となるグラデーション表示を行うことができる。また、第2電圧供給手段により供給される電圧を第1電圧供給手段により供給される電圧に対して相対的に減少させることにより、透明電極においてオン状態となる部分を長くすることができ、表示レベルをバーグラフで表示することができる。よって、透明電極にセグメントバーを設けたり、各セグメントバー毎に印加電圧を調整する回路を設ける必要がないので、バーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置を安価に提供することができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、抵抗を設けることにより、一対の透明電極において他端に向かうに従って印加電圧を小さくすることができ、一対の透明電極の一端部がオン状態となり他端に向かうに従って緩やかにオフ状態となるグラデーション表示を行うことができる。また、第1電圧供給手段により供給される電圧を増加させることにより、透明電極においてオン状態となる部分を長くすることができ、表示レベルをバーグラフで表示することができる。よって、透明電極にセグメントバーを設けたり、各セグメントバー毎に印加電圧を調整する回路を設ける必要がないので、バーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の液晶表示装置の一例を示す分解斜視図である。
【図2】(A)第1実施形態における液晶パネルの概略断面図及び電気構成図であり、(B)は(A)に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(C)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図3】(A)第1実施形態における図1に示す液晶パネルの概略断面図及び電気構成図であり、(B)は(A)に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(C)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図4】(A)は比較例としての液晶パネルの電源オフ時の概略断面図であり、(B)は(A)に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(C)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図5】(A)は比較例としの液晶パネルの電源オン時の概略断面図であり、(B)は(A)に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(C)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図6】第2実施形態における液晶パネルの概略断面図及び電気構成図である。
【図7】(A)は図6に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(B)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図8】(A)は図6に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(B)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図9】(A)はエコモニターとして用いた場合の本発明の液晶表示装置の正面図であり、(B)はフェーエルゲージとして用いた場合の本発明の液晶表示装置の正面図である。
【図10】従来のバーグラフ表示を行う液晶表示装置の一例を示す正面図である。
【図11】従来のバーグラフ表示を行う液晶表示装置の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1実施形態
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3に示すように、液晶表示装置1は、液晶パネル2、バックライト3、第1電圧供給手段としての主電圧供給源4と、第2電圧供給手段としての追加電圧供給源5と、電圧制御手段としてのマイコン6と、意匠面7と、を備えている。液晶パネル2は、液晶素子21と、一対の透明電極22、23と、一対の偏光板24、25と、を備えている。液晶素子21は、例えば図示しない2枚のガラス板間に封入されていて、長尺状に形成されている。この液晶素子21を構成する液晶分子は、厚み方向に電圧が印加されない状態では液晶パネル2に水平方向に沿って配向され、厚み方向に電圧が印加されると印加電圧が大きくなるに従って立ち上がり最終的に液晶パネル2に対して垂直方向に沿って配向される。
【0013】
上記一対の透明電極22、23は、上記液晶素子21の両面に配置されている。一対の透明電極22、23は、液晶素子21の正面全体及び背面全体に設けられている。即ち、一対の透明電極22、23は、液晶素子21と同じく同形の長尺状に設けられている。この一対の透明電極22、23の長手方向の左端からはそれぞれ、図1に示すように、後述する主電圧供給源4からの駆動電圧を液晶素子21に印加するための一対の主電源ライン8が引き出されている。また、一対の透明電極22、23の長手方向の右端からはそれぞれ、後述する追加電圧供給源5からの追加電圧を液晶素子21に印加するための追加電源ライン9が引き出されている。
【0014】
上記一対の偏光板24、25は、例えば互いに偏光方向が直交するように設けられている。上記バックライト3は、上述した液晶パネル2の背面に光を入射する光源である。このバックライト3から出射された光は、偏光板25に入射されると偏光板25により所定の方向に偏光される。その後、この偏光された光は、液晶素子21に入射される。このとき液晶素子21内の液晶分子が水平方向に沿って配向されていると、この液晶素子21に入射された光は、90度ねじれて偏光板24と同一方向に偏光した状態で偏光板24に入射されるため、偏光板24を透過する。
【0015】
一方、液晶素子21内の液晶分子が垂直方向に沿って配向されていると、この液晶素子21に入射された光は、偏向されることなく偏光板24と直交方向に偏光した状態で偏光板24に入射されるため、偏光板24で遮断される。以上のことから明らかなように、液晶パネル2は一対の透明電極22、23を介して液晶素子21に供給する電圧に応じて光透過率が変動する。
【0016】
上記主電圧供給源4は、上記一対の主電源ライン8に接続されていて、一対の透明電極22、23の長手方向の左端部間に駆動電圧を供給して液晶素子21に駆動電圧を印加する。上記主電圧供給源4は、図2及び図3に示すように、マイコン6に接続されていて、マイコン6により電圧供給のオンオフが制御されている。また、上記追加電圧供給源5は、上記追加電源ライン9に接続されていて、一対の透明電極22、23の長手方向の右端部間に追加電圧を供給して液晶素子21に追加電圧を印加する。上記追加電圧供給源5は、図示しない電圧調整回路を有していて供給する電圧値をマイコン6により制御できるようになっている。
【0017】
上記マイコン6は、周知のCPU、ROM、RAMなどから構成されていて、液晶表示装置1全体の制御を司る。マイコン6は、図示しないセンサなどに接続されていて、このセンサの検出値に応じて主電圧供給源4及び追加電圧供給源5を制御することによりセンサにより検出された検出値に応じたバーグラフを液晶パネル2に表示させる。また、図1に示す意匠面7は、液晶パネル2の正面側に配置されていて、少なくとも液晶パネル2に対向する部分がガラスなどの光透過性部材から構成されている。
【0018】
上述した構成の液晶表示装置1の動作について図2及び図3を参照して以下説明する。まず、マイコン6は、例えば車両のイグニッションオンに応じて液晶パネル2によるセンサの検出値(表示すべき表示レベル)のバーグラフ表示を開始して、主電圧供給源4及び追加電圧供給源5を制御して、主電圧供給源4からの駆動電圧を一対の透明電極22、23の左端部に印加し、追加電圧供給源5からの追加電圧を一対の透明電極22、23の右端部に印加する。
【0019】
ここで本発明の液晶表示装置1の動作を説明する前に、図4及び図5を参照して一般的な液晶表示装置1の動作について説明する。同図に示すように、一般的な液晶表示装置1は、一対の透明電極22、23に対して一つの主電圧供給源4からのみ駆動電圧を印加している。このため、一対の透明電極22、23に対して主電圧供給源4からの駆動電圧が印加されていない状態では、図4に示すように、液晶素子21の液晶素子は全て水平方向に沿って配向され、バックライト3から液晶素子21内に入射される光の全てが透過され、液晶パネル2全体が白色に視認される。即ち、液晶パネル2全体がオン状態となる。
【0020】
一方、一対の透明電極22、23に主電圧供給源4からの駆動電圧を印加すると液晶素子21には一様に電圧が供給されるため、図5に示すように、液晶素子21内の全ての液晶分子が垂直方向に沿って配向され、バックライト3から液晶素子21内に入射される光は全て遮断され、液晶パネル2全体が黒色に視認される。即ち、液晶パネル2全体がオン状態となる。
【0021】
これに対して本発明の液晶表示装置1は、長尺状の一対の透明電極22、23の両端部にそれぞれ2つの主電圧供給源4からの駆動電圧及び追加電圧供給源5からの追加電圧を印加している。このように一対の透明電極22、23の右端にも追加電圧を供給することで、液晶分子の配列が乱れ、表示ムラが生じる。即ち、図2(A)及び図3(A)に示すように、液晶素子21の右端側においては、主電圧供給源4からの駆動電圧と追加電圧供給源5からの追加電圧との電位差が生じるため、主電圧供給源4からの駆動電圧よりも小さい電圧しか印加されない。
【0022】
また、液晶素子21の右端から左側に向かうに従って追加電圧の影響が小さくなり、駆動電圧の影響が大きくなる。このため、液晶素子21の右端から左側に向かうに従って印加される電圧が大きくなり、液晶素子21の左端部においては主電圧供給源4からの駆動電圧とほぼ同じ大きさの電圧が印加される。
【0023】
これにより、液晶素子21の右端部では、液晶分子を立ち上げるのに必要な電圧が印加されないため、液晶分子は水平に配向された状態となる。そして、液晶素子21の右端部から左側に向かうに従って印加される電圧が大きくなるため、液晶素子21においては、右端から右側に向かうに従って徐々に液晶素子が立ち上がり左端部では液晶分子が垂直に立ち上がる。
【0024】
よって、液晶パネル2の透過率は、図2(B)及び図3(B)に示すように、右端側の液晶分子が水平にねているオフ領域AONにおいては高い状態となり、左端の液晶分子が垂直に立ち上がっているオン領域AOFFにおいては低い状態となる。そして、液晶分子がねている状態から徐々に立ち上がるグラデーション領域AGにおいては、右に向かうに従って透過率が徐々に高くなる。これにより、図2(C)及び図3(C)に示すように液晶パネル2は、左側がオン状態となり右側に向かうに従って緩やかにオフ状態となるグラデーション表示を行うことができる。
【0025】
また、上記マイコン6は、例えばセンサの検出値が大きいほど追加電圧供給源5の追加電圧が小さくなるように追加電圧供給源5を制御している。これにより、追加電圧の影響が小さくなり、図3に示すように、オン領域AONが長くなり、グラデーション領域AGが右にずれ、オフ領域AOFFが短くなり、センサの検出値をバーグラフで表示することができる。従って、透明電極22、23にセグメントバーを設けたり、各セグメントバー毎に印加電圧を調整する回路を設ける必要がないので、安価にバーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置1を得ることができる。
【0026】
なお、上述した第1実施形態では、マイコン6はセンサの検出値に応じて追加電圧の大きさを調整していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、センサの検出値に応じて駆動電圧の大きさを調整するようにしてもよい。この場合、マイコン6は、センサの検出値が大きいほど駆動電圧の大きさを大きくするように駆動電圧供給源5を制御する。これにより、駆動電圧の影響が大きくなり、オン領域AONが長くなる。
【0027】
第2実施形態
次に、第2実施形態について図6を参照して以下説明する。同図において、図1〜図3について上述した第1実施形態で既に説明した部分と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。上述した第1実施形態と第2実施形態とで異なる点は、追加電圧供給源5の代わりに抵抗Rが設けられている点である。抵抗Rは、一対の透明電極22、23の右端部間に設けられている。また、第1実施形態では、マイコン6は、センサの検出値に応じて追加電圧を調整していたが、第2実施形態では、マイコン6は、センサの検出値に応じて主電圧供給源4からの駆動電圧を調整する。
【0028】
上述した構成の液晶表示装置1の動作について図6〜図8を参照して以下説明する。まず、マイコン6は、例えば車両のイグニッションオンに応じて液晶パネル2によるセンサの検出値(表示すべき表示レベル)のバーグラフ表示を開始して、主電圧供給源4を制御して、主電圧供給源4からの駆動電圧を一対の透明電極22、23の左端部に印加する。このとき、液晶素子21の右端部では抵抗Rの電圧降下により主電圧供給源4からの駆動電圧よりも小さい電圧しか印加されない。
【0029】
また、液晶素子21の右端から左側に向かうに従って抵抗Rの影響が小さくなる。このため、第1実施形態と同様に、液晶素子21の右端から左側に向かうに従って印加される電圧が大きくなり、液晶素子21の左端部においては主電圧供給源4からの駆動電圧とほぼ同じ大きさの電圧が印加される。
【0030】
これにより、第1実施形態と同様に、図7(B)及び図8(B)に示すように液晶パネル2は、左側がオン状態となり右側に向かうに従って緩やかにオフ状態となるグラデーション表示を行うことができる。
【0031】
また、上記マイコン6は、例えばセンサの検出値が大きいほど駆動電圧が大きくなるように主電圧供給源4を制御している。これにより、駆動電圧が大きいほど抵抗Rの影響が小さくなり、図7に示すように、オン領域AONが長くなりセンサの検出値をバーグラフで表示することができる。従って、透明電極22、23にセグメントバーを設けたり、各セグメントバー毎に印加電圧を調整する回路を設ける必要がないので、安価にバーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置1を得ることができる。また、抵抗Rを設けるだけでグラデーション表示を行うことができ、コストダウンを図ることができる。ただし、抵抗Rを用いた図6に示す液晶表示装置1では、図7及び図8からも明らかなように、検出値に応じてグラデーション領域AGの幅が一定とならないという問題があるため、グラデーション領域AGを一定にしたい場合には第1実施形態が最適である。
【0032】
なお、上述した第1及び第2実施形態では、液晶素子21として電圧を印加していないとき液晶分子が水平方向に配向されるものを用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。液晶素子21としては、他に周知の液晶素子を用いることができる。
【0033】
また、上述した第1及び第2実施形態では、液晶パネル2において、バックライト3からの光を遮断する領域をオン状態、バックライト3からの光を透過する領域をオフ状態としていたが本発明はこれに限ったものではない。例えば、逆にバックライト3からの光を透過する領域をオン状態、バックライト3からの光を遮断する領域をオフ状態としてもよい。
【0034】
上述した第1及び第2実施形態は、車両のエコモニターとして用いることが考えられる。図9(A)は上述した液晶表示装置1をエコモニターとして使用したときの正面図である。図9(A)に示すエコモニターは、図中CHGに近づくほどアクセル開度が小さくバッテリを充電していることを示す。また、図中PWRに近づくほどアクセル開度が大きく燃費の悪い運転をしていることを示す。また、CHGとPWRの中間が燃費の良い運転をしていることを示す。
【0035】
また、上述した第1及び第2実施形態では、車両のフェーエルゲージとして用いることが考えられる。図9(B)は上述した液晶表示装置1をフェーエルゲージとして使用したときの正面図である。図中Fに近づくほどガソリン残量が多いことを示し、図中Eに近づくほどガソリン残量が少ないことを示す。
【0036】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 液晶表示装置
2 液晶パネル
3 バックライト
4 主電圧供給源(第1電圧供給手段)
5 追加電圧供給源(第2電圧供給手段)
6 電圧制御手段
21 液晶素子
22 透明電極
23 透明電極
R 抵抗
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に、表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した液晶表示装置は、液晶パネルと、この液晶パネルの背面に光を入射するバックライトなどから構成されている。液晶パネルは、液晶素子及びこの液晶素子の両面に配置された一対の透明電極から構成されている。そして、上述した一対の透明電極には互いに一列に並べて設けられた複数のセグメントバー20が設けられている。
【0003】
上述した構成の液晶表示装置の動作について以下説明する。まず、セグメントバー20に電圧が印加されていないときはバックライトからの光がセグメントバー20を透過するため、各セグメントバー20は白色に視認される。即ち、電圧が印加されていないセグメントバー20はオフ状態となる。一方、セグメントバー20に電圧が印加されると、セグメントバー20に入射されたバックライトからの光が遮断され、各セグメントバー20は黒色に視認される。即ち、電圧が印加されたセグメントバー20はオン状態となる。そして、上述した液晶表示装置は、マイコンなどの制御装置により各セグメントバー20に対する電圧の印加をオンオフ制御することにより、表示すべき表示レベルに応じた数のセグメントバー20をオン状態にして、表示レベルをバーグラフ表示している。
【0004】
しかしながら、上述したセグメントバー20のオンオフによるバーグラフ表示では、パラパラとした表示になってしまい見た目が乏しい、という問題があった。このような問題を解決するために、図11に示すように、オン状態のセグメントバー20のうち点線で囲んだ右端から例えば3つ目までのセグメントバー20を右端に向かうに従って緩やかにオン状態からオフ状態に近づくようにグラデーション表示することが考えられる。しかしながら、上述したようにセグメントバー20を緩やかにオン状態からオフ状態にするためには、セグメントバー20に印加する電圧を緩やかに小さくする必要があり、各セグメントバー20毎に電圧供給源によって供給される電圧の大きさを調整する回路が必要となり、コスト高になってしまう、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−281991号公報
【特許文献2】特開2005−69925号公報
【特許文献3】特開平5−124459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、バーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置を安価に提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置であって、液晶素子及び前記液晶素子の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極から構成され、前記一対の透明電極を介して前記液晶素子に供給する電圧に応じて光透過率が変動する液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に光を入射するバックライトと、前記一対の透明電極の長手方向の一端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第1電圧供給手段と、前記一対の透明電極の長手方向の他端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第2電圧供給手段と、前記表示すべき表示レベルに応じて前記第1電圧供給手段及び前記第2電圧供給手段の少なくとも一方により供給される電圧の大きさを制御する電圧制御手段と、を備えたことを特徴とする液晶表示装置に存する。
【0008】
請求項2記載の発明は、表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置であって、液晶素子及び前記液晶素子の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極から構成され、前記一対の透明電極を介して前記液晶素子に供給する電圧に応じて光透過率が変動する液晶パネルと、前記液晶パネルの背面に光を入射するバックライトと、前記一対の透明電極の長手方向の一端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第1電圧供給手段と、前記一対の透明電極の長手方向の他端間に設けられた抵抗と、前記表示すべき表示レベルに応じて前記第1電圧供給手段により供給される電圧の大きさを制御する電圧制御手段と、を備えたことを特徴とする液晶表示装置に存する。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、第2電圧供給手段により一対の透明電極の他端に電圧を供給することにより、一対の透明電極において他端に向かうに従って印加電圧を小さくすることができ、一対の透明電極の一端部がオン状態となり他端に向かうに従って緩やかにオフ状態となるグラデーション表示を行うことができる。また、第2電圧供給手段により供給される電圧を第1電圧供給手段により供給される電圧に対して相対的に減少させることにより、透明電極においてオン状態となる部分を長くすることができ、表示レベルをバーグラフで表示することができる。よって、透明電極にセグメントバーを設けたり、各セグメントバー毎に印加電圧を調整する回路を設ける必要がないので、バーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置を安価に提供することができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、抵抗を設けることにより、一対の透明電極において他端に向かうに従って印加電圧を小さくすることができ、一対の透明電極の一端部がオン状態となり他端に向かうに従って緩やかにオフ状態となるグラデーション表示を行うことができる。また、第1電圧供給手段により供給される電圧を増加させることにより、透明電極においてオン状態となる部分を長くすることができ、表示レベルをバーグラフで表示することができる。よって、透明電極にセグメントバーを設けたり、各セグメントバー毎に印加電圧を調整する回路を設ける必要がないので、バーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の液晶表示装置の一例を示す分解斜視図である。
【図2】(A)第1実施形態における液晶パネルの概略断面図及び電気構成図であり、(B)は(A)に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(C)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図3】(A)第1実施形態における図1に示す液晶パネルの概略断面図及び電気構成図であり、(B)は(A)に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(C)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図4】(A)は比較例としての液晶パネルの電源オフ時の概略断面図であり、(B)は(A)に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(C)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図5】(A)は比較例としの液晶パネルの電源オン時の概略断面図であり、(B)は(A)に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(C)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図6】第2実施形態における液晶パネルの概略断面図及び電気構成図である。
【図7】(A)は図6に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(B)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図8】(A)は図6に示す液晶パネルの透過率を示すグラフであり、(B)は(A)に示す液晶パネルの正面図である。
【図9】(A)はエコモニターとして用いた場合の本発明の液晶表示装置の正面図であり、(B)はフェーエルゲージとして用いた場合の本発明の液晶表示装置の正面図である。
【図10】従来のバーグラフ表示を行う液晶表示装置の一例を示す正面図である。
【図11】従来のバーグラフ表示を行う液晶表示装置の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1実施形態
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3に示すように、液晶表示装置1は、液晶パネル2、バックライト3、第1電圧供給手段としての主電圧供給源4と、第2電圧供給手段としての追加電圧供給源5と、電圧制御手段としてのマイコン6と、意匠面7と、を備えている。液晶パネル2は、液晶素子21と、一対の透明電極22、23と、一対の偏光板24、25と、を備えている。液晶素子21は、例えば図示しない2枚のガラス板間に封入されていて、長尺状に形成されている。この液晶素子21を構成する液晶分子は、厚み方向に電圧が印加されない状態では液晶パネル2に水平方向に沿って配向され、厚み方向に電圧が印加されると印加電圧が大きくなるに従って立ち上がり最終的に液晶パネル2に対して垂直方向に沿って配向される。
【0013】
上記一対の透明電極22、23は、上記液晶素子21の両面に配置されている。一対の透明電極22、23は、液晶素子21の正面全体及び背面全体に設けられている。即ち、一対の透明電極22、23は、液晶素子21と同じく同形の長尺状に設けられている。この一対の透明電極22、23の長手方向の左端からはそれぞれ、図1に示すように、後述する主電圧供給源4からの駆動電圧を液晶素子21に印加するための一対の主電源ライン8が引き出されている。また、一対の透明電極22、23の長手方向の右端からはそれぞれ、後述する追加電圧供給源5からの追加電圧を液晶素子21に印加するための追加電源ライン9が引き出されている。
【0014】
上記一対の偏光板24、25は、例えば互いに偏光方向が直交するように設けられている。上記バックライト3は、上述した液晶パネル2の背面に光を入射する光源である。このバックライト3から出射された光は、偏光板25に入射されると偏光板25により所定の方向に偏光される。その後、この偏光された光は、液晶素子21に入射される。このとき液晶素子21内の液晶分子が水平方向に沿って配向されていると、この液晶素子21に入射された光は、90度ねじれて偏光板24と同一方向に偏光した状態で偏光板24に入射されるため、偏光板24を透過する。
【0015】
一方、液晶素子21内の液晶分子が垂直方向に沿って配向されていると、この液晶素子21に入射された光は、偏向されることなく偏光板24と直交方向に偏光した状態で偏光板24に入射されるため、偏光板24で遮断される。以上のことから明らかなように、液晶パネル2は一対の透明電極22、23を介して液晶素子21に供給する電圧に応じて光透過率が変動する。
【0016】
上記主電圧供給源4は、上記一対の主電源ライン8に接続されていて、一対の透明電極22、23の長手方向の左端部間に駆動電圧を供給して液晶素子21に駆動電圧を印加する。上記主電圧供給源4は、図2及び図3に示すように、マイコン6に接続されていて、マイコン6により電圧供給のオンオフが制御されている。また、上記追加電圧供給源5は、上記追加電源ライン9に接続されていて、一対の透明電極22、23の長手方向の右端部間に追加電圧を供給して液晶素子21に追加電圧を印加する。上記追加電圧供給源5は、図示しない電圧調整回路を有していて供給する電圧値をマイコン6により制御できるようになっている。
【0017】
上記マイコン6は、周知のCPU、ROM、RAMなどから構成されていて、液晶表示装置1全体の制御を司る。マイコン6は、図示しないセンサなどに接続されていて、このセンサの検出値に応じて主電圧供給源4及び追加電圧供給源5を制御することによりセンサにより検出された検出値に応じたバーグラフを液晶パネル2に表示させる。また、図1に示す意匠面7は、液晶パネル2の正面側に配置されていて、少なくとも液晶パネル2に対向する部分がガラスなどの光透過性部材から構成されている。
【0018】
上述した構成の液晶表示装置1の動作について図2及び図3を参照して以下説明する。まず、マイコン6は、例えば車両のイグニッションオンに応じて液晶パネル2によるセンサの検出値(表示すべき表示レベル)のバーグラフ表示を開始して、主電圧供給源4及び追加電圧供給源5を制御して、主電圧供給源4からの駆動電圧を一対の透明電極22、23の左端部に印加し、追加電圧供給源5からの追加電圧を一対の透明電極22、23の右端部に印加する。
【0019】
ここで本発明の液晶表示装置1の動作を説明する前に、図4及び図5を参照して一般的な液晶表示装置1の動作について説明する。同図に示すように、一般的な液晶表示装置1は、一対の透明電極22、23に対して一つの主電圧供給源4からのみ駆動電圧を印加している。このため、一対の透明電極22、23に対して主電圧供給源4からの駆動電圧が印加されていない状態では、図4に示すように、液晶素子21の液晶素子は全て水平方向に沿って配向され、バックライト3から液晶素子21内に入射される光の全てが透過され、液晶パネル2全体が白色に視認される。即ち、液晶パネル2全体がオン状態となる。
【0020】
一方、一対の透明電極22、23に主電圧供給源4からの駆動電圧を印加すると液晶素子21には一様に電圧が供給されるため、図5に示すように、液晶素子21内の全ての液晶分子が垂直方向に沿って配向され、バックライト3から液晶素子21内に入射される光は全て遮断され、液晶パネル2全体が黒色に視認される。即ち、液晶パネル2全体がオン状態となる。
【0021】
これに対して本発明の液晶表示装置1は、長尺状の一対の透明電極22、23の両端部にそれぞれ2つの主電圧供給源4からの駆動電圧及び追加電圧供給源5からの追加電圧を印加している。このように一対の透明電極22、23の右端にも追加電圧を供給することで、液晶分子の配列が乱れ、表示ムラが生じる。即ち、図2(A)及び図3(A)に示すように、液晶素子21の右端側においては、主電圧供給源4からの駆動電圧と追加電圧供給源5からの追加電圧との電位差が生じるため、主電圧供給源4からの駆動電圧よりも小さい電圧しか印加されない。
【0022】
また、液晶素子21の右端から左側に向かうに従って追加電圧の影響が小さくなり、駆動電圧の影響が大きくなる。このため、液晶素子21の右端から左側に向かうに従って印加される電圧が大きくなり、液晶素子21の左端部においては主電圧供給源4からの駆動電圧とほぼ同じ大きさの電圧が印加される。
【0023】
これにより、液晶素子21の右端部では、液晶分子を立ち上げるのに必要な電圧が印加されないため、液晶分子は水平に配向された状態となる。そして、液晶素子21の右端部から左側に向かうに従って印加される電圧が大きくなるため、液晶素子21においては、右端から右側に向かうに従って徐々に液晶素子が立ち上がり左端部では液晶分子が垂直に立ち上がる。
【0024】
よって、液晶パネル2の透過率は、図2(B)及び図3(B)に示すように、右端側の液晶分子が水平にねているオフ領域AONにおいては高い状態となり、左端の液晶分子が垂直に立ち上がっているオン領域AOFFにおいては低い状態となる。そして、液晶分子がねている状態から徐々に立ち上がるグラデーション領域AGにおいては、右に向かうに従って透過率が徐々に高くなる。これにより、図2(C)及び図3(C)に示すように液晶パネル2は、左側がオン状態となり右側に向かうに従って緩やかにオフ状態となるグラデーション表示を行うことができる。
【0025】
また、上記マイコン6は、例えばセンサの検出値が大きいほど追加電圧供給源5の追加電圧が小さくなるように追加電圧供給源5を制御している。これにより、追加電圧の影響が小さくなり、図3に示すように、オン領域AONが長くなり、グラデーション領域AGが右にずれ、オフ領域AOFFが短くなり、センサの検出値をバーグラフで表示することができる。従って、透明電極22、23にセグメントバーを設けたり、各セグメントバー毎に印加電圧を調整する回路を設ける必要がないので、安価にバーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置1を得ることができる。
【0026】
なお、上述した第1実施形態では、マイコン6はセンサの検出値に応じて追加電圧の大きさを調整していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、センサの検出値に応じて駆動電圧の大きさを調整するようにしてもよい。この場合、マイコン6は、センサの検出値が大きいほど駆動電圧の大きさを大きくするように駆動電圧供給源5を制御する。これにより、駆動電圧の影響が大きくなり、オン領域AONが長くなる。
【0027】
第2実施形態
次に、第2実施形態について図6を参照して以下説明する。同図において、図1〜図3について上述した第1実施形態で既に説明した部分と同等の部分には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。上述した第1実施形態と第2実施形態とで異なる点は、追加電圧供給源5の代わりに抵抗Rが設けられている点である。抵抗Rは、一対の透明電極22、23の右端部間に設けられている。また、第1実施形態では、マイコン6は、センサの検出値に応じて追加電圧を調整していたが、第2実施形態では、マイコン6は、センサの検出値に応じて主電圧供給源4からの駆動電圧を調整する。
【0028】
上述した構成の液晶表示装置1の動作について図6〜図8を参照して以下説明する。まず、マイコン6は、例えば車両のイグニッションオンに応じて液晶パネル2によるセンサの検出値(表示すべき表示レベル)のバーグラフ表示を開始して、主電圧供給源4を制御して、主電圧供給源4からの駆動電圧を一対の透明電極22、23の左端部に印加する。このとき、液晶素子21の右端部では抵抗Rの電圧降下により主電圧供給源4からの駆動電圧よりも小さい電圧しか印加されない。
【0029】
また、液晶素子21の右端から左側に向かうに従って抵抗Rの影響が小さくなる。このため、第1実施形態と同様に、液晶素子21の右端から左側に向かうに従って印加される電圧が大きくなり、液晶素子21の左端部においては主電圧供給源4からの駆動電圧とほぼ同じ大きさの電圧が印加される。
【0030】
これにより、第1実施形態と同様に、図7(B)及び図8(B)に示すように液晶パネル2は、左側がオン状態となり右側に向かうに従って緩やかにオフ状態となるグラデーション表示を行うことができる。
【0031】
また、上記マイコン6は、例えばセンサの検出値が大きいほど駆動電圧が大きくなるように主電圧供給源4を制御している。これにより、駆動電圧が大きいほど抵抗Rの影響が小さくなり、図7に示すように、オン領域AONが長くなりセンサの検出値をバーグラフで表示することができる。従って、透明電極22、23にセグメントバーを設けたり、各セグメントバー毎に印加電圧を調整する回路を設ける必要がないので、安価にバーグラフをグラデーション表示することができる液晶表示装置1を得ることができる。また、抵抗Rを設けるだけでグラデーション表示を行うことができ、コストダウンを図ることができる。ただし、抵抗Rを用いた図6に示す液晶表示装置1では、図7及び図8からも明らかなように、検出値に応じてグラデーション領域AGの幅が一定とならないという問題があるため、グラデーション領域AGを一定にしたい場合には第1実施形態が最適である。
【0032】
なお、上述した第1及び第2実施形態では、液晶素子21として電圧を印加していないとき液晶分子が水平方向に配向されるものを用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。液晶素子21としては、他に周知の液晶素子を用いることができる。
【0033】
また、上述した第1及び第2実施形態では、液晶パネル2において、バックライト3からの光を遮断する領域をオン状態、バックライト3からの光を透過する領域をオフ状態としていたが本発明はこれに限ったものではない。例えば、逆にバックライト3からの光を透過する領域をオン状態、バックライト3からの光を遮断する領域をオフ状態としてもよい。
【0034】
上述した第1及び第2実施形態は、車両のエコモニターとして用いることが考えられる。図9(A)は上述した液晶表示装置1をエコモニターとして使用したときの正面図である。図9(A)に示すエコモニターは、図中CHGに近づくほどアクセル開度が小さくバッテリを充電していることを示す。また、図中PWRに近づくほどアクセル開度が大きく燃費の悪い運転をしていることを示す。また、CHGとPWRの中間が燃費の良い運転をしていることを示す。
【0035】
また、上述した第1及び第2実施形態では、車両のフェーエルゲージとして用いることが考えられる。図9(B)は上述した液晶表示装置1をフェーエルゲージとして使用したときの正面図である。図中Fに近づくほどガソリン残量が多いことを示し、図中Eに近づくほどガソリン残量が少ないことを示す。
【0036】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 液晶表示装置
2 液晶パネル
3 バックライト
4 主電圧供給源(第1電圧供給手段)
5 追加電圧供給源(第2電圧供給手段)
6 電圧制御手段
21 液晶素子
22 透明電極
23 透明電極
R 抵抗
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置であって、
液晶素子及び前記液晶素子の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極から構成され、前記一対の透明電極を介して前記液晶素子に供給する電圧に応じて光透過率が変動する液晶パネルと、
前記液晶パネルの背面に光を入射するバックライトと、
前記一対の透明電極の長手方向の一端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第1電圧供給手段と、
前記一対の透明電極の長手方向の他端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第2電圧供給手段と、
前記表示すべき表示レベルに応じて前記第1電圧供給手段及び前記第2電圧供給手段の少なくとも一方により供給される電圧の大きさを制御する電圧制御手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置であって、
液晶素子及び前記液晶素子の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極から構成され、前記一対の透明電極を介して前記液晶素子に供給する電圧に応じて光透過率が変動する液晶パネルと、
前記液晶パネルの背面に光を入射するバックライトと、
前記一対の透明電極の長手方向の一端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第1電圧供給手段と、
前記一対の透明電極の長手方向の他端間に設けられた抵抗と、
前記表示すべき表示レベルに応じて前記第1電圧供給手段により供給される電圧の大きさを制御する電圧制御手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置であって、
液晶素子及び前記液晶素子の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極から構成され、前記一対の透明電極を介して前記液晶素子に供給する電圧に応じて光透過率が変動する液晶パネルと、
前記液晶パネルの背面に光を入射するバックライトと、
前記一対の透明電極の長手方向の一端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第1電圧供給手段と、
前記一対の透明電極の長手方向の他端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第2電圧供給手段と、
前記表示すべき表示レベルに応じて前記第1電圧供給手段及び前記第2電圧供給手段の少なくとも一方により供給される電圧の大きさを制御する電圧制御手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
表示すべき表示レベルをバーグラフ表示する液晶表示装置であって、
液晶素子及び前記液晶素子の両面に設けられた長尺状の一対の透明電極から構成され、前記一対の透明電極を介して前記液晶素子に供給する電圧に応じて光透過率が変動する液晶パネルと、
前記液晶パネルの背面に光を入射するバックライトと、
前記一対の透明電極の長手方向の一端に電圧を供給して前記液晶素子に電圧を印加する第1電圧供給手段と、
前記一対の透明電極の長手方向の他端間に設けられた抵抗と、
前記表示すべき表示レベルに応じて前記第1電圧供給手段により供給される電圧の大きさを制御する電圧制御手段と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−27883(P2011−27883A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171873(P2009−171873)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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